JP2020501939A - 微細パターンを有する製品及び該製品を生産するプロセス - Google Patents

Abstract

本発明は、パッケージの技術分野に関し、具体的には、パッケージに使用される材料の表面、及び、その製造に関する。本発明によれば、微細パターンは、パッケージを製造するのに適した材料を得るために、基材の少なくとも１つの表面に生成される。

Description

本発明は、パッケージの技術分野に関し、具体的には、パッケージに使用される材料の表面、及び、その製造に関する。本発明によれば、微細パターンは、パッケージ製造での使用に適した材料を得るために、基材の少なくとも１つの表面に生成される。

炭酸飲料（ビール、ソーダなど）は、板紙のカップに注入される際に泡立つ傾向がある。

米国特許出願公開第２００３／０１８７１７０号明細書は、ナノ構造及びマイクロ構造ポリマーフィルムを生産するプロセスを開示している。フィルムは、建築物用の光沢系表面、すなわち、サイロ用の内部コーティング、自動車の外面コーティングなどの自己清浄表面として使用される。

国際公開第２０１１／１４７７５７号は、微粒状金属及び／又はアモルファス金属のエンボス型を用いて、二重表面構造を転写するように露出面に刻印することによって生産される、超疎水及び自己清浄物品を開示し、この二重表面構造は、マクロ表面構造を有する表面トポグラフィーに埋め込まれて覆う、１００ｎｍ以下の超微細の特徴的形状を含む。

米国特許出願公開第２０１１／０３１８５３９号明細書は、微細凹凸面構造を有する硬化層が基礎材料フィルムの表面に形成される、透明フィルムを作製する方法を開示している。

国際公開第０１／７０４１６号は、物体の表面を開示し、具体的には、水との濡れ角が１２０度以上であり、隆起と窪みとを有し、その隆起間の距離が５マイクロメーター未満であり、隆起の少なくとも頂部が疎水性材料から構成される超疎水性表面を備える、液体を受け入れる容器の表面を開示している。

瑞典国特許第７５１２１０７号明細書は、紙プラスチックラミネートを製造する方法を開示している。

トナー放出を改善させるための制御された表面トポグラフィーを有する画像転写ベルトが、米国特許出願公開第２０１０／３００６０４号明細書に開示されている。

国際公開第２０１４／０４９５１８号は、ロータス効果をもたらすパターンを有する、好ましくはフィルムの形態の、超疎水特性又は高疎水特性を有するポリマー製品を製造する方法を開示している。

独国特許出願公開第１０２００７０４９４８２号明細書は、コイルと巻線コイルとの間に実装されたスタンプ構成（ｓｔａｍｐｉｎｇ ａｒｒａｎｇｅｍｅｎｔ）を有する装置を対象とする。この構成は、マスタシリンダ及び押圧シリンダによって形成される。

米国特許出願公開第２００３／０１８７１７０号明細書 国際公開第２０１１／１４７７５７号 米国特許出願公開第２０１１／０３１８５３９号明細書 国際公開第０１／７０４１６号 瑞典国特許第７５１２１０７号明細書 米国特許出願公開第２０１０／３００６０４号明細書 国際公開第２０１４／０４９５１８号 独国特許出願公開第１０２００７０４９４８２号明細書

改変された表面を有する材料、特にフィルムについてのいくつかの開示があるが、例えばカップに注入される際の、例えば炭酸飲料の泡立ちに関する問題は、十分に対処されていない。加えて、パッケージで使用される材料の解放性を改善する必要性についても十分に対処されていない。更に、これらの材料及びパッケージを効率的に生産する必要がある。

本発明に従ってパッケージ材料の表面に微細パターンを設けることにより、いくつかの利点を得られることが見出されている。微細パターンは、パッケージ加工及び充填ラインでの材料性能に関連する基材の走行性及び表面摩擦に対する効果があることが見出されている。

本発明に従って得られる微細パターン付き材料は、速解放性、即ち、粘性製品を材料（又はパッケージ）表面から容易に解放する特徴を有することも見出されている。内面が処理されたパッケージは、より容易に空にされ得、パッケージ詰めされた製品の残留物は、パッケージ壁部に残らない。

更に、カップの内面又はその一部に微細パターンを設けることにより、例えば、カップに注入される際の炭酸飲料の泡立ちの量が制御され得ること、又は、完全に防止され得ることが見出されている。加えて、本発明に従って得られる微細パターンを使用することにより、カップの側部継目又はリムロール（カップに蓋をするプロセスにおいて）の密封性が改善され得る。

より具体的には、微細パターンは、該基材の表層を完全に溶融する必要なく生成され得ることも見出されている。本発明のひとつの実施例では、微細パターンは、基材の表層を加熱することなく生成され、即ち、微細パターンは室温で生成される。

従って、表面に微細パターンを有し、パッケージ生産に有用である材料を製造する改善されたプロセスを提供することが、本開示の目的である。生産される材料及びその使用も、本発明の目的である。

微細パターンは、基材表面を物理的に処理することにより生成され得る。基材の物理的処理は、微細パターンが生成される材料の表面に、力又は圧力を印加することにより実行される。

本明細書で使用される微細パターンという用語は、表面のパターンを表し、それらは規則的又は不規則的であってよく、溝の深さ又は隆起領域の高さは、２から８０μｍ又は２から５０μｍなど、１から１００μｍである。パターンの形状及び深さは、応用分野及び目標とする物性によって変わるが、典型的には、様々な間隔及び寸法を有する平行な溝及び止まり穴が用いられる。

本明細書で使用される「非溶融状態」という用語は、材料の状態を表し、材料は、加熱により軟化している場合があるが、本質的には固体形態である。しかしながら、該材料は、液体ではない状態にある。本発明のひとつの実施例では、「非溶融状態」である材料は加熱されておらず、即ち、材料は周囲温度又は室温で存在する。

微細パターンは、パッケージ用の基材材料の少なくとも１つの表面に設けられる。基材は、例えば、フィルム、ラミネート、紙製品、又は板とすることができる。本発明のひとつの実施例では、微細パターンは、基材の一方側にのみ設けられる。

本発明の第１の態様によれば、パッケージ材料の表面に微細パターンを生成するプロセスであって、
ａ）微細パターンが生成される基材を提供するステップと、
ｂ）微細パターンを生成するために、基材に力又は圧力をかけることによって基材を処理するステップであって、基材が、微細パターンを得るために力又は圧力によって処理されるとき、基材は非溶融状態にあり、基材に生成される微細パターンは、力又は圧力を及ぼす表面の微細パターンを反映する、ステップと
を含むプロセスが提供される。

ひとつの実施例では、力又は圧力は、１対の成形面によって生成される。ひとつの実施例では、各成形面は、シリンダ又は円錐体の形状に形成される。

本発明のひとつの実施例では、微細パターンは、１対の成形シリンダ（回転型、図１）を用いて生成される。

本発明による、表面に微細パターンを有するパッケージ材料は、例えば、紙製品、板、フィルム、又はラミネートとすることができる。

本発明の更なる実施例は、パッケージ材料を備える製品である。例えば、本発明によるパッケージ材料は、液体用のパッケージを含むパッケージの生産で使用され得る。具体的には、パッケージ材料は、カップ又はトレーの生産で使用され得る。本発明のひとつの実施例では、微細パターンは、カップ又はトレーの少なくとも底部を形成することになる領域に生成される。微細パターンは、従って、この領域に解放マーキング（ｒｅｌｅａｓｅ ｍａｒｋｉｎｇ）を形成することができる。

本発明のひとつの実施例は、表面に微細パターンを有するパッケージ材料を備える軟性パッケージである。本発明の更なる実施例は、表面に微細パターンを有するフィルムを備える硬性パッケージである。

微細パターン成形型の図である。 微細パターンロールの代替案の図である。

微細パターンが設けられる基材は、当業者に周知された方法を用いて製造される。

本発明のひとつの実施例では、微細パターンは、１対の成形シリンダ（成形型とも呼ばれる回転型、図１）を用いて生成される。

成形型は、典型的には、滑面ロールと、パターン付きロールとを含み、両方ともフレームに実装される（図１）。回転するロールは、処理される基材が通過し、微細パターンがロール表面から基材に転写されるニップを形成する。処理の強度は、基材の材料特性に基づき選択される調整可能なニップ力（Ｆ_Ｎ）によって決定される。ニップ力は、典型的には、１０Ｎ／ｍｍ^２から３０Ｎ／ｍ^２の範囲内である。ロール温度（Ｔ_１及びＴ_２）は、微細パターンの生成を高めるように調整され得る。例えば、ロール温度が高いと、ポリマーコーティングを軟化させるため、ポリマーコーティングはより成形しやくすなる。このため、ニップ力は、微細パターンが設けられる基板の健全性を保護するように低減され得る。しかしながら、この高温は、基材の全ての部分が非溶融状態のままであるように選択される。典型的には、この高温は、基材の表面ポリマーのガラス転移温度（Ｔ_ｇ）未満である。従って、基材全体が非溶融状態にある。好ましくは、ポリマーコーティングは、加熱により軟化されるが、溶融されない。

必要に応じて、ロールの直径は、ニップでの圧力下にある領域を拡大するために大きくすることができる。微細パターンは、いくつかの連続する成形型を列状に配置することにより、多段階でも生成され得る。材料の両面に微細パターンが所望される場合、成形型の両方のロールをパターン付けしてもよい。微細パターン付けされる材料にとって必要ならば、滑面シリンダは、軟質表層を有することもできる。

微細パターンは、いくつかの異なる方法でロールに設けられ得る（図２）。例えば、微細パターンは、実際のロールの表面（ａ）、ロールに巻かれた鋼板（ｂ）、又は、ロールに固定されたセグメント（ｃ）に形成され得る。微細パターンは、レーザ彫刻、高精度加工、及びケミカルミーリングを用いて型の表面に生成され得る。焼結及び３Ｄ印刷などの付加製造（ＡＭ）方法も、この用途に適する。

微細パターンを生成するために使用されるロールは、典型的には、円筒形態である。代替として、ロールは円錐形状を有することができ、これにより、例えば、カップ製作プロセスで使用される湾曲形状を有するカップ材板紙の厚板（ｃｕｐｓｔｏｃｋ ｐａｐｅｒｂｏａｒｄ ｐｌａｎｋ）の作製に適用が可能となる。これらの円錐形ロールはニップにおいて、例えば、飲料カップの壁部に底部リムから頂部リムまでライン形状の表面微細パターンを作製する。円錐形状であるために、頂部リムの円形の長さは、底部リムの円形の長さよりも大きい。従って、底部領域と等しい、同じ面密度のパターンで表面全体を覆うために、カップ厚板の頂部領域には、付加的な微細パターン付きラインを追加する必要がある。ブラインドスポットタイプのパターン又は他の非方向性（円形状）微細パターンは、板紙の厚板の幾何形状によって生じる幾何学的な配置上のいかなる問題もなく、表面領域全てがパターン付けされることを実現する。

これらのラインが、機械方向にのみ、即ち、直線として作製される場合、パッケージを折り込むことで、最終的なパッケージでは微細パターン付きラインの方向を変えてしまう場合がある。この問題を回避するために、円形の微細パターンを用いることができ、又は、全ての有向なライン形状微細パターンを、物質が最終パッケージから効果的に流れ出ることを確実にするために必要とされる適切な方向で、一面に作製する配列（ｆｏｒｍａｔｉｏｎ）とされた微細パターンが、ロールの表面領域に存在してもよい。適切な方向に配置された微細パターンラインの配列は、物質が、最終パッケージの壁部から解放され、例えば、キャップを取り外した際に生成される注入領域又は注入口を通ってパッケージから容易に流れ出ることを促進する。

本発明によるプロセスは、例えば、液体パッケージ機、カップ作製機、トレー成形機、又はパッケージ材料用に使用される他の３Ｄ成形装置のブランク供給／材料供給ステップの初期に実行され得る。加えて、本発明によるプロセスを実施するために必要な機器は、オフコーターライン、押出コーティングライン、抄紙機、製板機などの他の装置又は機械に近接して配置され得、又は、更にそれらに統合され得る。本発明によるプロセスは拡張性があり、パッケージの製造で使用される既存のプロセス及び機器に容易に適合され得る。

本発明の上述の詳細な説明を考慮すると、他の修正及び変形が当業者には明らかになるであろう。しかしながら、そのような他の修正及び変形が、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく達成され得ることは明らかである。

Claims (12)

1. 材料の少なくとも一方側に微細パターンを有するパッケージ材料を生産するプロセスであって、
   ａ）前記微細パターンが生成される基材を提供するステップと、
   ｂ）微細パターンを生成するために、前記基材に力又は圧力をかけることによって前記基材を処理するステップであって、前記基材が、前記微細パターンを得るために力又は圧力によって処理されるとき、前記基材は非溶融状態にあり、前記基材に生成される前記微細パターンは、前記力又は圧力を及ぼす表面の微細パターンを反映する、ステップと
   を含むプロセス。
2. 前記力又は圧力が、１対の成形面によって生成される、請求項１に記載のプロセス。
3. 各前記成形面が、シリンダ又は円錐体の形状に形成される、請求項２に記載のプロセス。
4. 前記基材が、紙製品、板、フィルム、又はラミネートである、請求項１から３までのいずれか一項に記載のプロセス。
5. ステップｂ）における前記基材の温度は、前記基材の表面に存在する任意のポリマー又は複数のポリマーのガラス転移温度よりも低い、請求項１から４までのいずれか一項に記載のプロセス。
6. 前記微細パターンが、規則的又は不規則的であり、前記微細パターンの溝の深さ又は隆起領域の高さが、２から８０μｍ又は２から５０μｍなど、１から１００μｍである、請求項１から５までのいずれか一項に記載のプロセス。
7. 前記微細パターンが生成されるとき、前記微細パターンが生成される前記基材の前記表面は、加熱により軟化しているが、非溶融状態にある、請求項１から６までのいずれか一項に記載のプロセス。
8. 請求項１から７までのいずれか一項に記載のプロセスに従って得られるパッケージ材料。
9. 請求項８に記載のパッケージ材料から製造される製品。
10. 前記製品が液体用のパッケージである、請求項９に記載の製品。
11. 前記製品がカップである、請求項９に記載の製品。
12. 前記製品がトレーである、請求項９に記載の製品。