JP2020136292A - パターンの形成方法およびインプリント装置および転写体 - Google Patents

パターンの形成方法およびインプリント装置および転写体 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な転写精度を得ることが可能なパターンの形成方法および装置および転写体を提供する。【解決手段】モールド上のパターン領域と平坦部との切り替わり箇所におけるパターン領域の終端部、あるいはパターンサイズの小さい領域とパターンサイズの大きい領域との切り替わり箇所におけるパターンサイズの小さい領域の終端部である切替部、に遅延性硬化樹脂を滴下する滴下工程と、滴下された遅延性硬化樹脂にUV光を照射する活性化工程と、転写材料を塗布された被転写体を上から押圧し、被転写体とモールドの間に遅延性硬化樹脂および転写材料を充填する充填工程と、充填された遅延性硬化樹脂および転写材料を、UV照射により硬化させる硬化工程と、硬化された遅延性硬化樹脂および転写材料を、モールドから離型させる離型工程と、を有し、離型工程において、遅延性硬化樹脂の弾性率が転写材料の弾性率よりも低い、パターンの形成方法。【選択図】図1

Description

本開示は、インプリント技術を用いたパターンの形成方法およびインプリント装置および転写体に関する。
(インプリント技術の背景,適用分野)
近年、ディスプレイ、照明などの商品に用いられる光学部品において、特殊光学特性を発揮するナノメートル(nm)オーダーからミクロン(μm)オーダーの微細なパターンを形成することで、光の反射、回折を制御した従来にない新機能を発現したデバイスを実現することが望まれている。また、システムLSIなどの半導体において、高集積化に伴った配線の微細化も望まれている。このような微細な構造を形成する方法としてはフォトリソグラフィー技術や電子線描画技術に加えて、近年ではインプリント技術が注目されている。
インプリント技術とは、微細形状が予め表面に加工された型を、基材表面に塗布された樹脂に押し付けることで、微細構造を形成する方法である。
インプリント方法としては、基板表面に塗布された熱可塑性樹脂をガラス転移温度以上に加熱したモールドを押し当てることにより形状を転写する熱インプリント法と、UV硬化樹脂を用いてモールドを押し当てた状態でUV光を照射することにより形状を転写するUVインプリント法が一般的である。熱インプリント法は、材料の選択性が広いという特徴があるが、形状を転写させる際にモールドを昇温および降温する必要があるため、スループットが低いという問題がある。一方、UVインプリント法は、紫外線で硬化する材料に限定されるため、熱インプリントと比較すると選択性が狭いものの、数秒〜数十秒で硬化を完了させることが可能である為、スループットが非常に高い。熱インプリント法およびUVインプリント法のいずれを採用するかは、適用するデバイスにより異なるが、材料起因の問題がない場合には、UVインプリント法が量産工法として適していると考えられる。
(UVインプリント法のインプリント方式)
次に、UVインプリント法によってパターンを形成するインプリント方式としては、平板式インプリント方式が一般的である。
また、対象とする基材がPETなどのフィルムである場合には、表面に微細形状が形成されたモールド付きのロールを用いて、フィルムの送りと同時にフィルム上に微細構造を転写するロールトゥロール式インプリント方式もあり、さらなるスループットの向上が見込める。
(平板式インプリント方式)
以下に、平板式インプリント方式によってパターンを形成する際の一般的な工程フローについて図2を用いて説明する。
図2は、一般的な平板式インプリント工程の概略模式図である。
まずは、図2の工程(a)に示すように、ステージ201上に、被加工基材204を準備し、ディスペンサやインクジェットなどを用いて転写材料203を塗布する。
次に、図2の工程(b)に示すように、転写すべきパターンを有するモールド202の凹凸パターンを被加工基材204上の転写材料203に接触させてロール205によって加圧する。さらに、図2の工程(c)に示すように、モールド202を押し付けた状態でUV照射器206からUVを照射し、光硬化樹脂を硬化させ、硬化した転写材料203とする。
次に、図2(d)に示すように、モールド202を、被加工基材204に対して、斜め上向きまたは垂直方向へ移動させることで、硬化した転写材料203から離型させる。離型後、被加工基材204上に転写材料203による転写パターンが形成される。
(ロールトゥロールインプリント方式)
次に、以下に、ロールトゥロールインプリント方式によってパターンを形成する際の一般的な工法について図3を用いて説明する。
図3は、一般的なロールトゥロール式インプリント工法の概略模式図である。
まず、連続的に走行するフィルム304上に、ダイ307から転写材料303を押し出し塗布する。次にフィルム304は表面に微細形状を有するモールド302が設置されたロール305と、ロール305に所定の加圧で押付けられた加圧ロール309の間を通通することで、モールド302の微細形状に転写材料303が充填される。次にモールド302に対しUV照射器306からUV光を照射させることで、転写材料303はモールド302の微細形状に充填された状態で硬化する。最後にフィルム304は離型ロール308とロール305の間を通過し、離型ロール308に沿って走行することで、モールド302から離型され、フィルム304上に微細形状が形成される。
上記の方式は、フィルムの片側の面に微細形状を形成する方式である。もう一方の面にも同様に微細形状を形成する必要がある場合には、例えば、上記と同構成を2工程用意し、工程間でフィルムを反転させて製造する方法が考えられる。その際、フィルムの両面に形成される微細形状同士の相対位置精度が求められる。
上記のような各インプリント方式において、図2(d)や図3に示すように、モールドを硬化した転写材料から離型させる際に、パターン領域と平坦部との切り替わり箇所におけるパターン領域の終端部、あるいはパターンサイズの小さい領域とパターンサイズの大きい領域との切り替わり箇所におけるパターンサイズの小さい領域の終端部において、図4(a)および(b)に示すように、転写パターンの表面角部が欠けるパターン欠陥が生じ、転写精度が悪化する現象が起こる。このパターン欠陥は、モールドに、特にNiなどを始めとする金属モールドを用いた際に頻繁に発生する。
その要因の一つとして、モールドのパターンサイズが小さい領域から平坦部あるいはパターンサイズが大きい領域に離型していく際に、その境界付近で離型速度が急激に速くなり、パターン領域と平坦部との切り替わり箇所におけるパターン領域の終端部、あるいはパターンサイズの小さい領域とパターンサイズの大きい領域との切り替わり箇所におけるパターンサイズの小さい領域の終端部に、急激に大きな離型抵抗がかかることによりパターン欠陥が発生することが知られている。
上記課題を解決する為に、例えば、特許文献1に記載のパターン毎に硬化後の離型力が異なるレジスト液を塗り分ける方法が知られている。つまり、平坦部あるいはパターンサイズの大きい領域に硬化後の離型力が高いレジスト液を配置し、パターンサイズが小さい領域に硬化後の離型力が低いレジスト液を配置する。その結果、パターンサイズが小さい領域と平坦部あるいはパターンサイズの大きい領域の離型抵抗の差が小さくなり、境界付近において離型速度が急激に速くなるのを抑制することが出来る。その結果、パターン領域と平坦部との切り替わり箇所におけるパターン領域の終端部、あるいはパターンサイズの小さい領域とパターンサイズの大きい領域との切り替わり箇所におけるパターンサイズの小さい領域の終端部に、急激に力がかかりにくくなる為、パターン欠陥が生じるのを抑制することができ、良好な転写精度を得ることができる。
特開2015−167203号
以上説明したように、従来のインプリント方法として、パターンサイズ毎に硬化後の離型力が異なるレジスト液を塗り分けることのより、パターン領域と平坦部との切り替わり箇所におけるパターン領域の終端部、あるいはパターンサイズの小さい領域とパターンサイズの大きい領域との切り替わり箇所におけるパターンサイズの小さい領域の終端部に、パターン欠陥が生じるのを抑制する方法が提案されている。この方法は、平板式インプリント方式のように、モールドおよび被転写物が固定されている場合には、膜厚を均一に確保しながらパターン領域ごとにレジストを塗り分けることが出来るため容易に適用することが出来る。
しかしながら、先行例に示す方法は、ロールトゥロールインプリント方式の場合には、モールド付きロールが高速で回転するため、モールドのパターンサイズ毎に膜厚を均一に確保しながらレジストを塗り分けることが困難である。
本開示は上記従来の問題点に鑑み、良好な転写精度を得ることが可能なパターンの形成方法および装置および転写体を提供することを目的とする。
上記目的を達成する為に、本開示のパターンの形成方法は、モールド上のパターン領域と平坦部との切り替わり箇所における前記パターン領域の終端部、あるいはパターンサイズの小さい領域とパターンサイズの大きい領域との切り替わり箇所における前記パターンサイズの小さい領域の終端部である切替部、に遅延性硬化樹脂を滴下する滴下工程と、前記滴下された遅延性硬化樹脂にUV光を照射する活性化工程と、転写材料を塗布された被転写体を上から押圧し、前記被転写体と前記モールドの間に前記遅延性硬化樹脂および前記転写材料を充填する充填工程と、前記充填された遅延性硬化樹脂および前記転写材料を、UV照射により硬化させる硬化工程と、前記硬化された前記遅延性硬化樹脂および前記転写材料を、前記モールドから離型させる離型工程と、を有し、前記離型工程において、前記遅延性硬化樹脂の弾性率が前記転写材料の弾性率よりも低い。
また、本開示のインプリント装置は、ロールと、前記ロールの表面に配されるモールドと、前記モールド上のパターン領域と平坦部との切り替わり箇所における前記パターン領域の終端部、あるいはパターンサイズの小さい領域とパターンサイズの大きい領域との切り替わり箇所における前記パターンサイズの小さい領域の終端部である切替部、に遅延性硬化樹脂を滴下する滴下装置と、前記滴下された遅延性硬化樹脂にUV光を照射する照射装置と、前記硬化された遅延性硬化樹脂および前記遅延性硬化樹脂上に充填された転写材料をUV照射により被転写体上に硬化させる硬化装置と、を備える。
また、本開示の転写体は、パターン領域と平坦部との切り替わり箇所における前記パターン領域の終端部、あるいはパターンサイズの小さい領域とパターンサイズの大きい領域との切り替わり箇所における前記パターンサイズの小さい領域の終端部において、第1転写材料と第2転写材料の2層構造になっており、前記第1転写材料と前記第2転写材料とは、弾性率が異なる。
以上のように、本開示のパターンの形成方法およびインプリント装置および転写体によれば、良好な転写精度を得ることが可能になる。
本実施の形態におけるパターンの形成方法の模式工程断面図 一般的な平板式インプリント工程の概略模式図 一般的なロールトゥロールインプリント工程の概略模式図 (a)転写欠陥の上面SEM画像を示す顕微鏡写真(b)転写欠陥の断面SEM画像を示す顕微鏡写真
(実施の形態)
以下本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施の形態におけるパターンの形成方法の模式工程断面図である。
まず始めに、図1−(a)を用いて、本実施の形態におけるロールトゥロール両面インプリントの装置構成を説明する。
まず、片面にパターンを形成する為に、第2転写材料103をフィルム104上に供給する場所に第1コーティングロール101が設置されている。第1コーティングロール101上には第1ダイ107が配置されている。また、表面にパターンが形成された第1モールド102が取り付けられた第1ロール105と、それに接触するように第1加圧ロール109と第1離型ロール108が設置されている。
次に、片面を形成した後に裏面にもパターンを形成するために、片面と同様に、第2転写材料103をフィルム104上に供給する場所に第2コーティングロール112が設置されている。また、表面にパターンが形成された第2モールド113が取り付けられた第2ロール114と、それに接触するように第2加圧ロール116と第2離型ロール115が設置されている。
本ロール構成において、フィルム104は、第1コーティングロール101の図面上方を経て、第1加圧ロール109の図面上方から第1加圧ロール109に接触するように巻かれ、第1モールド102に接触し、図万下方で第1離型ロール108と接触する。その後、第2コーティングロール112の図面下方を経て、第2加圧ロール116と第2モールド113に接触するように巻かれ、最後に第2離型ロール115と接触するように巻かれており、各ロールの回転により図面の左方から右方へ送られる。
さらに、第1加圧ロール109と第1モールド102の間をフィルム104が通過した後においては、第1ロール105下方に配置された第1UV照射器106よりUV光が照射され、転写材料103を硬化する。その後、第2コーティングロール112の下方に配置された第2ダイ117より、フィルム104上に転写材料103が塗布され、第2加圧ロール116と第2モールド113の間をフィルム104が通過した後においては、第2ロール114の上方に配置された第2UV照射器118よりUV光が照射され、転写材料103を硬化した後、第2離型ロール115からフィルム104が離型される。
第1モールド102および第2モールド113は、それぞれ、パターン領域と平坦部を有する。パターン領域とは、モールド表面に凹凸形状を有する領域であり、凹凸の間隔が大きいほどパターンサイズは大きく、凹凸の間隔が小さいほどパターンサイズは小さい。平坦部とは、モールド表面に凹凸形状を有さない領域である。
第1ロール105および第2ロール114上には、第1滴下装置121および第2滴下装置122がそれぞれ配置される。第1滴下装置121は第1モールド102上の切替部に、第2滴下装置122は第2モールド113上の切替部に、それぞれ遅延性硬化樹脂123を滴下する。ここで、切替部とは、モールドのパターンにおける、パターン領域と平坦部との切り替わり箇所のうちパターン領域の終端部、あるいはパターンサイズの小さい領域と大きい領域との切り替わり箇所のうちパターンサイズの小さい領域の終端部、のことを表す。
その後、第3UV照射器124および第4UV照射器125によりUV光が照射され、第1モールド102および第2モールド113上の切替部に滴下した遅延性硬化樹脂123を活性化する。
ここで、第3UV照射器124および第4UV照射器125のUV照射条件は、遅延性硬化樹脂が所望の弾性率となるよう設定することが好ましい。遅延性硬化樹脂123が活性化されることで発生する塩基量は、UV照射条件によって異なるためである。例えば、予め設定されたモールドの回転数から、遅延性硬化樹脂がUV照射範囲内を通過する時間を算出し、この時間中において塩基の発生量を制御するようにUV照射条件を決定することができる。
第1ロール105の内部には、第1温度制御部111が具備される。第2ロール114の内部には、第2温度制御部120が具備される。
第1温度制御部111は、第1モールド102上の切替部の下部に配置されることが好ましい。また、第2温度制御部120は、第2モールド113上の切替部の下部に配置されることが好ましい。
第1温度制御部111は、第1モールド102上の少なくとも切替部を含む領域を加熱することが好ましい。第1温度制御部111は、第1モールド102全体を加熱しても良い。また、第2温度制御部120は、第2モールド113上の少なくとも切替部を含む領域を加熱することが好ましい。第2温度制御部120は、第2モールド113全体を加熱しても良い。
さらに、前記第1ロール105および第2ロール114の内部には、ロールの回転数を検出し、その情報から転写材料がUV照射を受けるタイミングおよび離型するタイミングを算出することにより、第1温度制御部111および第2温度制御部120にロールの加温のタイミングを出力する第1ロール制御部110および第2ロール制御部119が具備されている。
第1ロール制御部110および第2ロール制御部119は、例えばCPUなどの演算機能を有する構成であり、予め設定されたロールの回転数をもとに、ロールの回転数を検出する。また、例えば、第1ロール制御部110および第2ロール制御部119は、ロールの回転を検出するセンサを含み、センサによって検出されたロールの回転に基づき、ロールの回転数を検出しても良い。また、例えば、第1ロール制御部110および第2ロール制御部119は、ロールに予め設置されたマーカーを検出するセンサを備え、マーカーの検出時間に基づき、ロールの回転数を検出しても良い。
第1ロール制御部110および第2ロール制御部119は、第1温度制御部111および第2温度制御部120に、ロールの温度制御のタイミングを指示として出力する。また、第1ロール制御部110および第2ロール制御部119は、ロールの温度制御の温度を指示として出力しても良い。
第1ロール制御部110および第2ロール制御部119は、前記第1モールド102および第2モールド113上の切替部が、少なくとも第1UV照射器106および第2UV照射器118によるUV照射範囲内に到達したタイミングから、離型するタイミングまでにおいて、第1温度制御部111および第2温度制御部120に温度制御の指示を出力する。遅延性硬化樹脂は、第1温度制御部111および第2温度制御部120を用いて温度制御される。したがって、ロール回転数に基づいて、活性化された遅延性硬化樹脂の温度を制御することが出来る。このようにして、遅延性硬化樹脂の硬化遅延のタイミングを制御し、離型時の遅延性硬化樹脂の弾性率を制御することができる。
ここで、例えば第1温度制御部111および第2温度制御部120が、第1モールド102および第2モールド113全体を加熱する場合などには、第1ロール制御部110および第2ロール制御部119は、タイミングを出力する必要はない。ただし、UV照射を行う前の遅延性硬化樹脂に対して加熱を行うと、切替部の転写材料の粘度が低下し、膜厚が薄くなる、ばらつくといった課題が発生する可能性がある。そのため、加熱のタイミングは、遅延性硬化樹脂がUV照射範囲内に到達したタイミングが好ましい。
第1温度制御部111および第2温度制御部120は、前記第1モールド102および第2モールド113上の切替部が、少なくとも第1UV照射器106および第2UV照射器118によるUV照射範囲内に到達したタイミングから離型するタイミングまで回転する間、切替部を加温することが望ましい。これにより、第3UV照射器124および第4UV照射器125でUV照射することにより活性化した遅延性硬化樹脂の硬化遅延のタイミングを制御し、離型時の遅延性硬化樹脂の弾性率を制御することができる。
ここで、前記第1モールド102および第2モールド113において、遅延性硬化樹脂を滴下する範囲は、パターン領域と平坦部との切り替わり箇所におけるパターン領域の終端部、あるいはパターンサイズの小さい領域とパターンサイズの大きい領域との切り替わり箇所におけるパターンサイズの小さい領域の終端部から、50μm〜1000μm手前の領域が望ましい。
遅延性硬化樹脂を滴下する範囲が50μm以下になると、切替部において急激に大きな力がかかる際に、力がかかる領域全体の離型抵抗を十分に下げることが出来ず、パターン欠陥が生じる。
また、遅延性硬化樹脂を滴下する範囲が1000μm以上になると、遅延性硬化樹脂と転写材料を充填した後のパターン膜厚を均一に制御することが難しくなり、転写精度が悪化する。
次に、図1を用いて、本実施の形態におけるパターンの形成方法を説明する。
まずは、図1の工程(a)に示すように、本開示の特徴として、前記第1ロール105および第2ロール114上に配置されている第1滴下装置121および第2滴下装置122から、回転する第1モールド102および第2モールド113上の切替部に遅延性硬化樹脂123を滴下する。
遅延性硬化樹脂123としては、水分等の環境要因による硬化阻害を受けにくいアニオン重合タイプであるエポキシ樹脂に光塩基発生剤を相溶させた組成などの遅延性硬化樹脂が望ましい。
遅延性硬化樹脂は、UV照射と同時に硬化することができず、光照射後しばらくたってから、もしくは加熱すると硬化反応が進行し硬化する。そのため、離型時に必要な弾性率が得られるように、UV照射量や加熱によって発生する塩基量を制御すると良い。
さらに、回転する第1モールド102および第2モールド113上の切替部に遅延性硬化樹脂123を滴下する方法としては、インクジェット塗布、ディスペンス塗布など、様々な方法が挙げられるが、転写材料の性質やモールドのパターン形状に応じて適宜選択すると良い。
また、第1モールド102および第2モールド113の材料は、型として必要な剛性や硬度等を有する材料であれば、特に限定されないが、特に金属材料の場合に本開示の効果が大きく得られる。金属材料は、転写材料との離型性が高い材料が望ましく、例えばNiである。
さらに、第1モールド102および第2モールド113の微細パターンの表面には、転写材料に対する離型性を高める為に、前記微細パターンを覆うように離型層を形成しても良い。離型層は、前記微細パターンの上面にカップリング剤を結合して形成されている。カップリング剤を用いて離型層を形成することにより、単分子膜のような極めて薄い膜とすることができ、転写形状への影響が極めて少なくなる。
上記カップリング剤としては、例えば、Ti、Li、Si、Na、K、Mg、Ca,St、Ba,Al、In、Ge、Bi,Fe、Cu、Y、Zr,Ta等を有する各種金属アルコキシドを用いることが出来るが、これらの中でも特にSiを有する金属アルコキシド、すなわちシランカップリング剤を用いることが望ましい。
最後に、第1モールド102および第2モールド113の全面に転写材料103を塗布する方法としては、例えばディスペンス塗布、ロール塗布、グラビア塗布、スクリーン塗布など、様々な方法が挙げられるが、転写材料の性質や被転写体の形状に応じて適宜選択すると良い。
次に、図1の工程(b)に示すように、第3UV照射器124および第4UV照射器125を用いて、前記第1ロール105および第2ロール114上に配置されている第1滴下装置121および第2滴下装置122から、回転する第1モールド102および第2モールド113上の切替部に滴下した遅延性硬化樹脂123にUVを照射し、活性化させる。
第3UV照射器124および第4UV照射器125は、遅延性硬化樹脂123を活性化させることで、遅延性硬化樹脂123から塩基を発生させ、増粘させる。このことで、後述する工程(c)において、モールドにフィルムを押圧する際に、遅延性硬化樹脂123が切替部の外へ広がることを抑制することができる。
次に、図1の工程(c)に示すように、遅延性硬化樹脂123が滴下されている第1モールド102および第2モールド113上の切替部に、転写材料103が塗布されたモールドにフィルムを上から押圧し、前記フィルムと前記モールドの間に遅延性硬化樹脂123および転写材料103を充填する。
ここで、パターン領域と平坦部との切り替わり箇所のうちパターン領域の終端部、あるいはパターンサイズの小さい領域と大きい領域との切り替わり箇所のうちパターンサイズの小さい領域の終端部、の塗布膜厚に対する遅延性硬化樹脂123の塗布膜厚の割合は、10%以上30%以下であることが望ましい。
塗布膜厚に対する遅延性硬化樹脂123の塗布膜厚の割合が10%以下になると、第1モールド102および第2モールド113上の切替部において、急激に大きな力がかかる際に、離型抵抗を十分に下げることが出来ず、パターン表面角部が欠け、パターン欠陥が生じてしまう。
また、塗布膜厚に対する第1転写材料の塗布膜厚の割合が30%以上になると、遅延性硬化樹脂123が滴下されている第1モールド102および第2モールド113上の切替部と、上記以外の遅延性硬化樹脂123が滴下されていない部分において、押圧し充填した後の塗布膜厚にばらつきが生じやすくなる。
次に、図1の工程(d)に示すように、第1UV照射器106および第2UV照射器118を用いて、フィルムとモールドの間に充填されている遅延性硬化樹脂および転写材料にUV照射を行い、転写材料を硬化させる。
最後に、図1の工程(e)に示すように、第1モールド102および第2モールド113上の切替部を離型する。
ここで、離型時の遅延性硬化樹脂の弾性率は、転写材料の弾性率よりも25%〜40%低いことが望ましい。
離型時の遅延性硬化樹脂の弾性率が転写材料の弾性率より25%以上小さくなると、遅延性硬化樹脂の弾性率が高い為、第1モールド102および第2モールド113上の切替部において、急激に大きな力がかかる際に、離型抵抗を十分に下げることが出来ず、パターン欠陥が生じる。
また、離型時の遅延性硬化樹脂の弾性率が転写材料の弾性率より40%以上大きくなると、遅延性硬化樹脂の強度の低下が大きくなる為、離型抵抗を十分に下げることができても、遅延性硬化樹脂自体が破壊し、パターン欠陥が生じる。
さらに、本開示の特徴として、工程(d)で第1モールド102および第2モールド113上の切替部にUV照射が終わった後から、工程(d)で第1モールド102および第2モールド113上の切替部が離型する迄の間、第1モールド102および第2モールド113上の切替部の下部から加熱を行う。それにより、離型時における遅延性硬化樹脂の弾性率を制御することが出来る。
以上の工程を繰り返すことにより、ヒゲ不良のない転写精度の高いインプリントが可能になる。
次に、上記工程によって製造された転写体について説明する。
転写体は、パターン領域と平坦部との切り替わり箇所におけるパターン領域の終端部、あるいはパターンサイズの小さい領域とパターンサイズの大きい領域との切り替わり箇所におけるパターンサイズの小さい領域の終端部において、第1転写材料と第2転写材料の2層構成になっており、第1転写材料と第2転写材料とは、弾性率が異なる。
終端部が弾性率の異なる2層構造になっていることで、上述したように、転写時にヒゲ不良を抑制することができ、転写精度が向上する。
また、第2転写材料は、パターン領域と平坦部との切り替わり箇所におけるパターン領域の終端部、あるいはパターンサイズの小さい領域とパターンサイズの大きい領域との切り替わり箇所におけるパターンサイズの小さい領域の終端部において、パターンの凹凸における凸部のみに形成される。
第2転写材料がパターンの凹凸における凸部のみに形成されることで、特に外力や応力の集中しやすい凸部表面や端部において、かかる力が分散され、転写体としての強度が向上する。
また、第1転写材料に対する第2転写材料の塗布膜厚の割合は、10%以上30%以下である。このことで、転写時に離型抵抗を抑制しつつ塗布膜厚を均一としやすく、転写体としての精度が高い。
本開示は、パターンを高精度に形成することができ、被転写体にパターンを転写するインプリント方法およびインプリント装置等に有用である。
101 第1コーティングロール
102 第1モールド
103、203、303 転写材料
104、304 フィルム
105 第1ロール
106 第1UV照射器
107 第1ダイ
108 第1離型ロール
109 第1加圧ロール
110 第1ロール制御部
111 第1温度制御部
112 第2コーティングロール
113 第2モールド
114 第2ロール
115 第2離型ロール
116 第2加圧ロール
117 第2ダイ
118 第2UV照射器
119 第2ロール制御部
120 第2温度制御部
121 第1滴下装置
122 第2滴下装置
123 遅延性硬化樹脂
124 第3UV照射器
125 第4UV照射器
201 ステージ
202、302 モールド
204 被加工基材
205、305 ロール
206、306 UV照射器
307 ダイ
308 離型ロール
309 加圧ロール

Claims (11)

  1. モールド上のパターン領域と平坦部との切り替わり箇所における前記パターン領域の終端部、あるいはパターンサイズの小さい領域とパターンサイズの大きい領域との切り替わり箇所における前記パターンサイズの小さい領域の終端部である切替部、に遅延性硬化樹脂を滴下する滴下工程と、
    前記滴下された遅延性硬化樹脂にUV光を照射する活性化工程と、
    転写材料を塗布された被転写体を上から押圧し、前記被転写体と前記モールドの間に前記遅延性硬化樹脂および前記転写材料を充填する充填工程と、
    前記充填された遅延性硬化樹脂および前記転写材料を、UV照射により硬化させる硬化工程と、
    前記硬化された前記遅延性硬化樹脂および前記転写材料を、前記モールドから離型させる離型工程と、を有し、
    前記離型工程において、前記遅延性硬化樹脂の弾性率が前記転写材料の弾性率よりも低い、パターンの形成方法。
  2. 前記硬化工程から前記離型工程までにおいて、前記切替部を加熱する、請求項1に記載のパターンの形成方法。
  3. 前記加熱は、回転するモールドの回転数に基づいて行われる、請求項2に記載のパターンの形成方法。
  4. 前記離型工程において、前記遅延性硬化樹脂の弾性率は、前記転写材料の弾性率よりも低い、請求項1〜3のいずれかに記載のパターンの形成方法。
  5. 前記離型工程において、前記遅延性硬化樹脂の弾性率は、前記転写材料の弾性率よりも25%〜40%低い、請求項4に記載のパターンの形成方法。
  6. ロールと、
    前記ロールの表面に配されるモールドと、
    前記モールド上のパターン領域と平坦部との切り替わり箇所における前記パターン領域の終端部、あるいはパターンサイズの小さい領域とパターンサイズの大きい領域との切り替わり箇所における前記パターンサイズの小さい領域の終端部である切替部、に遅延性硬化樹脂を滴下する滴下装置と、
    前記滴下された遅延性硬化樹脂にUV光を照射する照射装置と、
    前記硬化された遅延性硬化樹脂および前記遅延性硬化樹脂上に充填された転写材料をUV照射により被転写体上に硬化させる硬化装置と、を備える、インプリント装置。
  7. さらに、前記切替部の下部に配され、温度を制御する温度制御装置を備える、請求項6に記載のインプリント装置。
  8. 前記温度制御装置は、前記硬化装置によるUV照射範囲内から前記被転写体の離型までの間、前記切替部を加温する、請求項7に記載のインプリント装置。
  9. パターン領域と平坦部との切り替わり箇所における前記パターン領域の終端部、あるいはパターンサイズの小さい領域とパターンサイズの大きい領域との切り替わり箇所における前記パターンサイズの小さい領域の終端部において、第1転写材料と第2転写材料の2層構造になっており、
    前記第1転写材料と前記第2転写材料とは、弾性率が異なる、転写体。
  10. 前記第2転写材料は、前記パターン領域の終端部あるいは前記パターンサイズの小さい領域の終端部において、パターンの凹凸における凸部のみに形成される、請求項9に記載の転写体。
  11. 前記第1転写材料に対する前記第2転写材料の塗布膜厚の割合が、10%以上30%以下である、請求項9または10に記載の転写体。
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