JP2020501024A - スラグポットまたは取鍋および乾式冶金ツールのハンドリング方法 - Google Patents

スラグポットまたは取鍋および乾式冶金ツールのハンドリング方法 Download PDF

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Abstract

鋼鉄または鋳鉄製のスラグポットまたは取鍋および乾式冶金ツールをハンドリングする方法であって、鉱物懸濁液を壁に噴霧し、スラグポットまたは取鍋または乾式冶金ツールを稼働状態にする工程を含み、ここで前記鉱物懸濁液が、前記カルシウム含有粒子乳の重量に対して20重量%〜60重量%のカルシウム含有粒子含有量を有するカルシウム含有粒子乳を形成する水相中に懸濁されているカルシウム粒子を含み、前記鉱物層は微細層である。

Description

本発明は、鉄または非鉄冶金に使用されるスラグポットおよび取鍋(ladle)のハンドリング(handling)の分野に関する。
典型的には、乾式冶金産業は、その密度が溶融金属の密度よりも低いために、溶融金属浴の上方に浮遊する鉱滓(cinder)としても知られるスラグを生じる。
スラグは様々な方法で収集される。第一の技術は、ポットの傾倒であり、この技術ではそれが溶融金属浴の上方の上澄み液である。スラグはまた掻き集めることによってまたは傾倒中のオーバーフローによって収集されてもよい。
それは次いで、典型的には耐火材料、鋳鉄または鋼から形成されるスラグポットまたは取鍋に回収される。
鉄冶金産業では、高炉スラグおよび製鋼スラグがある。
高炉スラグは、高炉での鋳鉄の製造から生じる副産物であり、そこではそれは鉄鉱石の岩石に対応し、それに鉱物添加物および燃料鉱滓(fuel cinder)、特にコークス、石炭および/または代替燃料が添加される。故に、それは密度の差によって液体の溶鉄から分離される。
製造されるスラグの量は使用される鉄鉱石の豊富さに直接対応する。鉄が豊富な鉱石で機能する高炉の場合、製造される1トンの鋳鉄に対して180〜350kgのスラグの割合が一般的に達成される。
製鋼スラグは、乾式冶金ツール、例えば種々の精錬ツール、例えば鋳鉄の脱硫用ツール、鋳鉄を鋼に変換する転炉(BOF−塩基性酸素炉)、電気炉(EAF−電気アーク炉)、ステンレス鋼精錬転炉(AOD−アルゴン酸素脱炭)および二次冶金グレーディングのための種々のツール(tool)から生じる。製造された鋼1トンに対して、50〜150kgの製鋼スラグが生じる。
製鋼スラグの機能は、不純物および望ましくない化学元素を収集することである。後者は、多数の場合、酸化物の形態である。それらは一般に、該当する乾式冶金ツールの使用中に生じる。
この目的のためには、それを反応させるようにその組成を管理することが不可欠である。石灰含有量が多いと、例えばスラグは転炉で酸化リンを捕捉することができ、これは肥料としての再処理を想定することを可能にする。取鍋精錬では、石灰含有量が多いとスラグが塩基性になり、これはアルミナ含有物の捕捉に有利である。しかしながら、このスラグはまた耐火レンガを考慮しなければならない。
本発明は、より詳細には、鉄および非鉄冶金で金属を調製するための工場で使用される鋼または鋳鉄製の、スラグポットおよび取鍋だけでなく、るつぼおよびシェルのハンドリング分野に関する。
より詳細には、本発明の文脈に含まれるスラグは製鋼スラグまたは非鉄冶金からのスラグである。
本発明の文脈において、製鋼スラグまたは冶金産業からのスラグを収集することを意図した鋼または鋳鉄製のポット、取鍋、るつぼ、シェルなどは単に「スラグポット」と呼ばれる。
冶金産業では、スラグポットのハンドリングは下請け業者に委ねられることが多く、スラグポットは製造の一部を形成し、しばしば冶金産業の一部を形成する。
とりわけ、スラグポットの運搬中、安全上の理由から、水の蓄積を防ぐためにスラグポットを150℃超に保つことが必要である。これは、スラグ自体が1200℃を超える温度で注がれると爆発を生じ得るためである。その結果、スラグポットが稼働状態になる前にスラグポットを加熱するのが通常の慣行である。
スラグポットの通常の使用の間、それらの温度は安定したままであり、スラグに由来する熱の蓄積および保持のために通常250℃超である。スラグとポットを形成する鋳鉄または鋼との間の膨張係数の差は、実際には、ポットの温度が変動する場合に脱落を引き起こすはずである。しかしながら、通常の使用中に、前記温度は脱落を引き起こすようには十分に変動しない。その結果、「スカル」(skull)の形成が促進される。本発明は、とりわけ、この欠如を克服することを目的としている。
当然のことながら、「スカル」の形成はプロセスに内在しており、すべての場合に生じる。しかしながら、ハンドリング方法が最適であるか否かに応じて、それは多いまたは少ない程度で生じ得る。
「スカル」の形成はまた、スラグを生じた製鋼ツールに依存する。他よりスカルを形成し易いのは物理的または化学的性質である場合がある。
さらに、スラグポットの洗浄に長時間かかり、「デスカル(de-skull)」(スラグポットの壁に接着しているスカルの層を機械的に除去する)の必要がある場合、スラグポットは、気候条件および「デスカリング」プロセスの期間に晒された後に大幅に冷却される。次いでそれは後の再加熱の必要がある。しかしながら、この加熱は、約250℃の最適温度範囲に戻すことを可能にするためにはあまりに高価すぎる相当な量の熱エネルギーを示す。したがって、一般に、洗浄後、容器は上述の安全上の理由から約150℃に再加熱される。
現在のところ、スラグポットの内壁に鉱物層を堆積し得る。この解決策は主に中間スラグ相の形成に作用する。例えば、堆積されたこの鉱物層は、冷却効果を提供する吸熱反応による中間スラグ相の形成、または反対に、より高い融点を有する中間相の形成に関与し得るか、あるいは膨張もしくは収縮に作用することなどによる相転移に関して他の効果に作用し得る。
上述のこれらの技術は、主に、混合物中の石灰およびスラグの耐火性懸濁液または鉱物懸濁液を使用する。しかしながら、これらの懸濁液は混合物に化合物を含み、その組成はスラグの組成に影響を及ぼし、したがってその化学的特性、例えば塩基性度(固体画分中の塩基性元素の量と酸性元素の量との比により決定される)は変更され、塩基性度は、スラグポットまたは取鍋に注がれるスラグの塩基性度に従って懸濁液の塩基性度を適合させることによって変更される。
懸濁液を含むこれらの技術的解決策は現在正しく機能していると考えられているが、それらはまたスラグポットまたは取鍋に注がれるスラグの化学組成および均質性にも大きく依存している。結果として、スラグの組成は実のところ必ずしも均質ではなく、その全体的な組成もまたツールごとに変動し、または同じツールに対しても経時的に変動し得ることさえあるので、これらの懸濁液の組成も適合させなければならず、このことがプロセスを特に複雑で、高度な手作業によるものにする。これは、例えば、US5437890に記載されている。
US5437890は、ポットの壁を破壊するスラグの耐火壁への付着を防止するために、石灰、スラグ微粉および水を含む本質的に鉱物混合物を有する耐火材料によるスラグポットの壁の前処理を開示する。
過去において、時には、石灰の懸濁液がこの種の用途に使用されていた。その後冶金産業の工場では、石灰の懸濁液を大雑把に製造していたが、これは、例えば、低効果、壁のクラッドが厚い、容器内またはスラグポット内に残留水があるなど、多くの欠点があり、これは、危険で非常に汚れた、複雑で高度な手作業の適用に相当し、最終的に、これらの解決策は、ハンドリングの単純化の点で、得られた不十分な結果と比較すると非常に高価であった。
JP2015/094020およびJPS63295458は、例えば石灰懸濁液による処理について報告している。
例えば、JP2015/094020は、脱硫処理の実施中にホットスラグ(hot slag)のリサイクルのプロセスにおいて使用されるべき石灰の懸濁液を噴霧することによるスラグポットの内面の処理を開示している。石灰懸濁液を噴霧するパイプは石灰懸濁液貯蔵部に接続されており、ここでこの石灰懸濁液は石灰懸濁液の総重量に対して13.5〜15重量%の石灰濃度を有する。スラグポットの内面に噴霧された過剰の石灰懸濁液および洗浄水は、石灰懸濁液貯蔵部に戻る。
JPS63295458はまた、スラグが冷却固化される場合に、スラグをポットから空にするのを容易にするために消石灰をスラグポットの壁に供給することを開示している。しかしながら、この文献は、石灰のいかなる特徴も、それがスラグポットの内壁にどのように適用されるか、さらにはどの程度の割合で適用されるかについても開示していない。さらに、それは傾動によるスラグの堆積に関して何も記載していない。反対に、この文献によれば、スラグポットまたは取鍋からスラグを除去することができるようにするためにスラグの固化が待たれている。
以上のように、既存の技術は、その組成が複雑でスラグの組成に適合させることができる配合工程を必要とする鉱物懸濁液、または結局のところあまり効果的ではない非常に粗い非制御鉱物懸濁液を使用する。したがって、最適化され、実施が簡単で効果的なスラグポットまたは取鍋のハンドリングを得る必要性が依然としてある。
本発明の目的は、製鋼または乾式冶金ツールでスラグを収集するポイントと、堆積サイト、典型的には埋立地におけるスラグの傾動との間の乾式冶金製鋼サイトでのそれらのハンドリングを容易にするために、鋼または鋳鉄のスラグポットおよび取鍋の最適化された前処理方法をもたらすことによって、従来技術の欠点を克服することである。
この問題を解決するために、内壁および外壁を含むスラグポットまたは取鍋のハンドリング方法が本発明にしたがって提供され、この方法は
a)乾式冶金ツールの前記スラグポットまたは取鍋中にスラグを収集する工程、
b)スラグポットまたは取鍋を前記乾式冶金ツールから前記スラグ堆積サイト、典型的には埋立地に輸送する工程、
c)それが含有するスラグを除去するために、前記スラグ堆積サイト、典型的には前記埋立地で前記ポットまたは取鍋を空にする工程、
d)前記スラグの前記収集の少なくとも1つの工程の前に、前記内壁を鉱物層で覆うように、前記スラグポットまたは取鍋の前記内壁上に鉱物懸濁液を噴霧する工程、および
e)前記スラグの収集a)を目的として、前記鉱物層で覆われた前記スラグポットまたは取鍋を稼動させる工程を含む。
本発明による方法は、前記スラグポットまたは取鍋が鋼または鋳鉄のポットまたは取鍋であること、および前記鉱物懸濁液が、カルシウム含有粒子乳(calcic−particle milk)を形成する水相中に懸濁状態のカルシウム含有粒子および任意に添加剤を含むことを特徴とし、前記カルシウム含有粒子は、消石灰、少なくとも部分的に消化された脱炭酸ドロマイト(slaked decarbonated dolomite)、石灰石およびそれらの混合物からなる群から選択され、前記カルシウム含有粒子乳の重量に対して20重量%〜60重量%のカルシウム含有粒子含有量を有し、前記鉱物層は微細層である。
本発明の意味の範囲内で、用語「稼働させる」は、スラグポットまたは取鍋に予想される役割、すなわちスラグの収集を果たすために、スラグポットまたは取鍋が循環状態(Circulation)に置かれることを意味する。
上記のように、本発明による方法は鋼または鋳鉄のポットに特化している。
これは、本発明の文脈において、(耐火材料製ではなく)鋼または鋳鉄製のスラグポットまたは取鍋に関する選択によって、スラグポットまたは取鍋を形成する金属タイプの材料とスラグを形成する酸化物との間の膨張係数の差を最大限に利用することを可能にさせるためである。
消石灰、少なくとも部分的に消化された脱炭酸ドロマイト、石灰石およびそれらの混合物からなる小群から排他的に選択されたカルシウム含有粒子から形成された乳(milk)が、スラグポットまたは取鍋の内壁にコーティングされたカルシウム含有粒子乳の総重量に対して20重量%〜60重量%のカルシウム含有粒子含有量を有する場合、微細で均質な鉱物層が生成され、驚くべきことに、その上に注がれる乳は、放出注入の瞬間に接着しないかまたはごくわずかしか接着しなかったことが分かった。このようにして形成された層は、スラグポットまたは取鍋とそこで注がれたスラグとの間の接着を著しく減少させることによってスカルの形成を著しく減少させる層を形成する剥離剤として作用する。
カルシウム含有粒子乳中のカルシウム含有粒子の20%〜60%の特定の濃度により、カルシウム含有粒子乳が噴霧される場合、懸濁液中に含有される水が熱い壁と接触してほぼ瞬時に蒸発してカルシウム含有粒子の層が適用されるのを可能にし、したがって微細で均質な層を形成でき、これはスラグ中のカルシウム含有粒子の濃度には作用せず、スラグポットまたは取鍋のハンドリングにとって危険である、スラグ中に残留水を与えることを回避する。
これは、カルシウム含有粒子乳を噴霧する場合に、ポットまたは取鍋の温度が100℃を超え、これが、カルシウム含有粒子乳に含有される水を蒸発させ、それ故に、カルシウム含有粒子の微細で均質な層が残るからである。
本発明の意味の範囲内で、「表面上に鉱物層でコーティングされたスラグポットまたは取鍋」という用語は、約70%、例えば80%を超え、特に85%を超え、さらには90%を超える表面が、微細な鉱物層でコーティングされることを意味する。
酸化カルシウムCaOはしばしば「生石灰」(quicklime)と呼ばれ、一方で水酸化カルシウムCa(OH)は「水和石灰」(hydrated lime)または「消石灰」(slaked lime)と呼ばれ、これら2つの化合物は時々「石灰」と非公式に呼ばれる。言い換えれば、石灰はそれぞれ酸化カルシウムまたは水酸化カルシウムに基づく工業製品である。
「生石灰」は、その化学組成が主に酸化カルシウムCaOである鉱物固体材料を意味する。生石灰は一般に石灰石(主にCaCOで構成される)の焼成によって得られる。
生石灰は、酸化マグネシウム、MgO、酸化硫黄、SO、シリカ、SiO、またはアルミナ、Alなどのような不純物を含有し得、それらの合計は数重量%の量である。不純物はここではそれらの酸化物の形態で表現されているが、もちろんそれらは様々な相で現れ得る。生石灰は、一般に、未加熱処理(uncooked)残留物と呼ばれる、数重量%の残留石灰石も含有する。
本発明による適切な生石灰は、生石灰の総重量に対して、0.5重量%〜10重量%、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下、とりわけ好ましくは1重量%以下の範囲の量で、MgOの形態で表されるMgOを含み得る。
典型的には、消石灰を形成するために、生石灰が水の存在下で使用される。生石灰中の酸化カルシウムは、きわめて発熱性の水和もしくは消化(slaking)と称される反応において、消石灰または水和石灰の形態の二水酸化カルシウムCa(OH)を形成するために水と急速に反応する。以下、二水酸化カルシウムを単に水酸化カルシウムと称する。
したがって、消石灰は、それが製造される生石灰の場合と同じ不純物を含有し得る。
消石灰はまた、消石灰の総重量に対して、0.5重量%〜10重量%、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下、とりわけ好ましくは1重量%以下の範囲の量のMg(OH)を含み得る。
消石灰はまた、消化工程の間に完全には水和されていなかった可能性のある酸化カルシウム、または炭酸カルシウムCaCOを含み得る。炭酸カルシウムは、前記消石灰が得られる最初の(未加熱処理の)石灰石から(酸化カルシウムによって)、またはCOを含有する雰囲気との接触による消石灰の部分炭酸化反応から生じてもよい。
本発明による消石灰中の酸化カルシウムの量は、消石灰の総重量に対して、一般に、3重量%以下、好ましくは2重量%以下、より好ましくは1重量%以下である。
本発明による消石灰中のCOの量(主にCaCOの形態で)は、本発明による消石灰の総重量に対して、5重量%以下、好ましくは3重量%以下、より好ましくは2重量%以下である。
本発明の意味の範囲内で、「石灰乳」(milk−of−lime)という用語は、水相中の消石灰の固体粒子が200g/kg以上の濃度の懸濁液を意味する。固体粒子は明らかに不純物、すなわちSiO、Al、Fe、MnO、Pおよび/またはSOから誘導された相を含有し得、全体としてキログラム当たり数十グラムに相当する。これらの固体粒子はまた、炭酸カルシウムCaCOおよび/または炭酸マグネシウムMgCOを、可能性としてドロマイトの形態で組み合わされて含有し得るように、消化中に水和されなかった酸化カルシウムも含有し得る。
同様に、本発明の意味の範囲内で、「カルシウム含有粒子乳」(calcic−particle milk)という用語は、200g/kg以上の濃度での水相中の固体カルシウム含有粒子の懸濁液を意味する。
ドロマイトは、炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムとの両方を様々な割合で、ならびに種々の不純物も含む。ドロマイトの加熱処理は、COの放出(脱炭酸)を引き起こし、生ドロマイト生成物(quick dolomitic compound)、すなわち、主にCaOおよびMgOで構成される生成物が得られるが、炭酸塩、特にCaCOは、より多いまたはより少ない量で残存し得る。少なくとも部分的に水和された脱炭酸ドロマイトを製造するための消化の間、脱炭酸ドロマイトの生部分(quick part)を水和させるために水が添加される。水に対するCaOの親和力は水に対するMgOの親和力よりはるかに高いので、例えばオートクレーブ中で加圧下で水和することがしばしば必要であり、結果として少なくとも部分的に水和した生成物が得られる。実際、MgOの一部がMgOの形態で残るのは普通のことである。酸化物、炭酸塩および水和物部分の間のCa/Mg割合は、少なくとも部分的に水和された脱炭酸ドロマイトにおいて非常に変動し易い。
用語「石灰石」は、本発明の意味の範囲内において、石灰石鉱石から生じる天然鉱物材料、または特性を制御しなければならない場合には生石灰の炭酸化から生じる天然鉱物材料を意味する。石灰石は一般式CaCOを有し、明らかに不純物を含有し得る。
本発明による特定の実施形態では、カルシウム含有粒子乳は石灰乳であり、前記カルシウム含有粒子は消石灰粒子である。
スラグがスラグポットまたは取鍋に傾動される場合、鉱物層の消化様粒子(slaked−like particle)がその場で、全体的にまたは部分的に生石灰に変換することが可能である。しかしながら、いずれの場合も、鉱物層の剥離効果によりスラグを排出することができ、それと共に鉱物層を伴出させ、したがってスラグポットまたは取鍋を次の操作のために完全に清浄なままにする。
より詳細には、スラグが傾動される場合、スラグの温度は1200℃を超えるので、消石灰はいずれにせよ生石灰に変換される。この変換により蒸気が放出され、スラグとスラグポットまたは取鍋の内壁との間に形成された多数の付着点で傾動されたスラグが脱離する。これは石灰の粒子によって形成された鉱物層に接着しているスラグの総表面積を著しく減少させる。
コーティングが適用され、スラグポットまたは取鍋が不確定な期間にわたって貯蔵されたとしても、カルシウム水和物を含む鉱物層は炭酸化し、したがって炭酸カルシウム層に変換される。スラグが炭酸カルシウム上に注がれる場合、スラグの温度が1200℃を超えるため、炭酸カルシウムは脱炭酸化され、蒸気ではなくCOの放出によって生石灰を形成する(但し、2つの現象は同時に起こり得る。)。
結果として、形成されたスカルを機械的に脱離(disbonding)すること、またはポットまたは取鍋を稼働させるために十分な温度まで上昇させることはもはや必要ではないので、スラグポットおよび取鍋のハンドリングは単純化される。スラグが排出されたら、石灰乳を再度気化させるだけでよい。
石灰乳中の消石灰粒子の濃度および大きさの結果である層の細かさおよびその均質性は、排出中のスラグを含む鉱物層の除去を達成するだけでなく、同時に剥離効果を得るために明らかにかなり重要である。
有利には、前記鉱物懸濁液のカルシウム含有粒子乳中の前記カルシウム含有粒子は、1.5μm〜10μmの平均粒径d50を有する。
有利には、前記鉱物懸濁液のカルシウム含有粒子乳中の前記カルシウム含有粒子は、8μm以下、特に6μm以下、より詳細には5μm以下、きわめて詳細には4μm未満の平均粒径d50を有する。
有利には、前記鉱物懸濁液のカルシウム含有粒子乳中の前記カルシウム含有粒子は、2μm以上、特に2.5μm以上の平均粒径d50を有する。
表記dは、測定された粒子またはグレインのX%がそれより小さい、μmで表される直径を表す。
粒子が細かいほど、蒸気またはCOの放出の反応が良好に起こり、それによって上記で示したようにスラグの脱落が可能になる。
石灰乳の反応性は、本発明の意味の範囲内で、欧州規格EN 12485(2010)§6.11(「Determination of solubility index by conductivity」)に従って特徴付けられる。この方法自体は、文献「Improved milk−of−lime for softening of drinking water」,M.W.M.van Eekeren,J.A.M.van Paassen,C.W.A.M.Merks,KIWA NV Research and Consultancy,Nieuwegein,September 1993」(KIWA,Royal Netherland Water Analysis Institute(KIWA NV Research and Consultancy,Groningenhaven 7,PO Box 1072,3430BB Nieuwegein)によって作成および配布)に開示されたvan Eekerenらによる業績から導かれる。
したがって、石灰乳の反応性は、少量の石灰乳を大量の脱塩水で希釈することによって調製された溶液の導電率の測定における経時変化によって評価される。終点における最大導電率のx%=63%、80%、90%および95%についてx%の導電率に対応する点が特に注目される(EN 12485(2010)§6.11.6.2参照)。次いで、秒単位の対応する溶解時間t(x%)が、時間に対する導電率のグラフから得られる(EN 12485(2010)の図2参照)。
石灰粒子の脱塩水への溶解速度は、粒子のサイズが小さい場合に、より速い(t(x%)小さい)ことが知られている。言い換えれば、石灰乳の反応性は、その構成粒子が小さい場合に一般的に高い。
本発明による方法の好ましい実施形態では、前記鉱物懸濁液が石灰乳を含有するか、または石灰乳である場合、それは0.1秒超過、特に0.2秒超過10秒未満、特に5秒未満の溶解時間t(90%)の形態で表される反応性を有する。
石灰乳がこのような反応性を有する場合、消石灰粒子は、微細な鉱物層の形成にも寄与するのに十分に細かい、特に均質な粒径を有し、スラグの剥離の単純化に関与する。
有利には、前記カルシウム含有粒子乳は、WO2001/096240に記載されているようにボトル試験によって特徴付けられる安定性を有する。
好ましくは、前記鉱物懸濁液の前記添加剤は、炭水化物ならびに分散剤および流動化添加剤、例えばポリカルボナートまたはポリアクリラート、またはポリホスホナート、特にDTPMPからなる群から選択される。
有利には、前記鉱物懸濁液の流動化添加剤の前記分散は、前記鉱物懸濁液の重量に対して0.2重量%〜5重量%の質量割合で存在する。優先的には、上述の添加剤の割合は、前記鉱物懸濁液の重量に対して3重量%以下、特に2重量%以下、より詳細には1.5重量%以下である。好ましくは、上述の添加剤の割合は、前記鉱物懸濁液の重量に対して0.5重量%以上である。
前記鉱物懸濁液の総重量に対して、例えば0.2重量%〜3重量%、好ましくは0.4重量%〜2重量%、より優先的には0.5重量%〜1.5重量%、さらにより有利には0.5重量%〜1重量%の割合で炭水化物が存在する場合、鉱物懸濁液は、スラグポットまたは取鍋の内壁にコーティングされる。
当然ながら、複数の上述の添加剤、特に1つ以上の分散剤または流動化剤と共に1つ以上の炭水化物が前記鉱物懸濁液中に存在してもよい。
上述したように、鉱物懸濁液の噴霧時には、懸濁液に含有される水は熱い壁と接触するとほぼ瞬時に蒸発する。鉱物懸濁液が炭水化物を含有する場合、鉱物懸濁液に含有される水の蒸発は、弱い接着剤が形成されるまで炭水化物濃度の急激な増加を引き起こし、100℃を超えるスラグポットまたは取鍋の温度のためにまた、スラグポットの壁へのカルシウム含有粒子の接着を助ける。
スラグが炉から出て、スラグポットまたは取鍋に注がれる場合に、スラグの温度は炭水化物の焼成の反応を生じ、おそらくはカルシウム含有粒子が消石灰粒子または少なくとも部分的に水和された脱炭酸ドロマイトである場合に水酸化カルシウムの脱水と同時に生じ、これがスラグの剥離を促進し、これらの現象は500℃から起こる。
これは、スラグがスラグポットまたは取鍋に注がれる場合、噴霧によって形成された微細な鉱物層が、(スラグポットまたは取鍋の内壁と鉱物層との間の界面に)せん断面を鉱物層の後ろに生じることを可能にするためである。スラグポットまたは取鍋の内壁へのスラグの潜在的接着と比較して、炭水化物の存在が弱い接着剤の役割を果たすので、推測的にはせん断面が生じ得る。
次に、スラグポットまたは取鍋の内壁に「付着した(stuck)」鉱物層は、微細な鉱物粒子で構成される。スラグが注がれる直前のスラグポットまたは取鍋の温度は、鉱物粒子が安定する温度である典型的には100℃〜350℃の温度を有する。したがって、鉱物層は、使用前にスラグポットまたは取鍋に十分適用できる。このようにしてコーティングされたスラグポットまたは取鍋は貯蔵することさえできる。
分散剤または流動化剤は、例えば0%〜5%、好ましくは0.05%〜3%、より詳細には0.1%〜2%の割合で、例えばポリマーまたは無機添加剤、例えばアニオン性ポリマーまたは酸性ポリマー、ホウ酸およびホウ酸の水溶性塩、例えばアルカリ金属ホウ酸塩、アルミニウムホウ酸塩、例えばC−C10カルボン酸、例えば少なくとも2つの酸基を含有するものおよびそれらの塩、例えばアルカリ金属塩またはアンモニウム塩;水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、またはアルカリもしくはアンモニウム金属であってもよい。
本発明の文脈で使用される「アニオン性ポリマー」という用語は、遊離の形態で、中和されているかまたは部分的に中和されている酸基を含有するすべてのポリマーを記載する。
本発明の文脈において適切であるそのようなアニオン性ポリマーの例は、以下のような鉱物懸濁液の製造に使用される市販のアニオン性分散剤から選択することができる:
− 酸モノマー、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、アコニット酸、クロトン酸、イソクロトン酸、メサコン酸、ビニル酢酸、ヒドロキシアクリル酸、ウンデシレン酸、アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルホスホン酸、ビニルホスホン酸、2−アクリロミド−2−メチルプロパンスルホン酸または2−アクリルアミドグリコール酸を用いて調製されるホモポリマー;
− 上述した群の少なくとも1つのモノマーおよび任意に1つ以上の非酸モノマー、例えばアクリルアミド、アクリル酸エステル、アクロレイン、メタクリル酸エステル、マレイン酸エステル、イタコン酸エステル、フマル酸エステル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、n−ビニルピロリドン、2−ヒドロキシエチルアクリラート、2−ヒドロキシエチルメタクリラート、ジメチルアクリルアミド、N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミドまたはビニルホルムアミドを用いて調製されるコポリマー。
これらのポリマーは、遊離酸、アルカリ金属塩、部分的にまたは全体的に水に可溶な混合塩の形態であり得る。好ましいイオン性ポリマーは、アクリル酸と、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、メタクリル酸、マレイン酸またはAMPS(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)から選択される一方または他方のモノマーとの、100:0〜50:50(重量)の好ましい組成において形成され、ナトリウム塩の形で完全に中和されている。
本発明の特定の実施形態では、前記分散剤または流動化剤は、有機ホスホン酸(窒素を含むかどうかにかかわらず)、またはそれらの塩から選択されるホスフファートまたはホスホン酸、より詳細にはアミノアルキレンポリホスホン酸(ここでアルキレンラジカルは1〜20個の炭素原子を含有する)、ヒドロキシアルキリデンホスホン酸(ここでアルキリジンラジカルは2〜50個の炭素原子を含有する)、ホスホノ−アルカンポリカルボン酸(ここでアルカン基は3〜12個の炭素原子を含有し、アルキルホスホン酸ラジカルとカルボン酸ラジカルとのモル比は1:2〜1:4の範囲内である)、これの誘導体、例えばこれらの塩、およびこれらの混合物からなる群から選択されるホスファートまたはホスホン酸である。
本発明の別の特定の実施態様において、前記ホスホナートまたはホスホン酸は、酸形態で、2〜8個、好ましくは2〜6個の特徴的な「ホスホン酸」基を含む。
より詳細には、前記ホスホナートまたはホスホン酸は、アミノトリス(メチレンホスホン)酸(ATMP)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン)酸(EDTMP)、ヘキサメチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン)酸(HDTMP)、ジエチレントリアミンペンタキス(メチレンホスホン)酸(DTPMP)、(2−ヒドロキシ)エチルアミノ−N,N−ビス(メチレンホスホン)酸(HEMPA)、2−ホスホノ−1,2,4−ブタントリカルボン酸(PBTC)、6−アミノ−1−ヒドロキシへキシレン−N,N−ジホスホン酸(ネリドロン酸)、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンヘキサキス(メチレンホスホン)酸、ビス(ヘキサメチレントリアミン)ペンタキス(メチレンホスホン)酸、アミノトリス(メチレンホスホン)オキシド酸、それらの誘導体、例えばそれらの塩およびそれらの混合物からなる群から選択される。
本発明の特定の実施形態では、前記炭水化物は、二糖類、例えばスクロースまたはサッカロース、ソルビトール、単糖類、オリゴ糖類、キシロース、グルコース、ガラクトース、フルクトース、マンノース、ラクトース、マルトース、グルクロン酸、グルコン酸、エリトリトール、キシリトール、ラクチトール、マルチトール、デキストリン、シクロデキストリン、イヌリン、グルシトール、ウロン酸、ラムノース、アラビノース、エリトロース、トレオース、リボース、アロース、トレハロース、ガラクツロン酸、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
本発明による方法の特に好ましい実施形態では、前記炭水化物は、二糖類、例えばスクロースまたはサッカロース、ソルビトール、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
これらの炭水化物のコストの削減という側面とは別に、石灰乳との完全な相溶性と相まって、これらの炭水化物は石灰乳の粘度を下げ、時間の経過と共にそれを低く保ち、結果として石灰乳の貯蔵条件を促進することが知られている。
本発明による方法の一実施形態では、前記カルシウム含有粒子乳は、0.1Pa.s〜2Pa.s、すなわち100cp〜2000cpの粘度を有する。有利には、粘度は0.15Pa.s超過1Pa.s未満、好ましくは0.6Pa.s未満、より優先的には0.5Pa.s未満、さらにより優先的には0.3Pa.s未満である。
石灰乳の粘度は、懸濁液の使用および操作(ポンプ輸送、パイプ内での輸送など)に関して決定的な性質である。この目的のために、経験から、懸濁液の動粘度が2Pa.s未満でなければならないこと(US5616283)および1.5Pa.sの動粘度を超えないことが望ましいこと(WO2007/110401)を確立することが可能になっている。
本発明の文脈における粘度は、LV No.3のニードルを使用して100回転/分(rpm)でブルックフィールド型DV−III粘度計(レオメーター)によって測定される。
本発明のさらに別の変形形態において、カルシウム含有粒子乳の前記カルシウム含有粒子は、7〜100μmのd97粒径を有する。
有利には、前記カルシウム含有粒子乳のカルシウム含有粒子は、10μm以上20μm以下、特に15μm以下のd97粒径を有する。
より詳細には、本発明による方法では、前記カルシウム含有粒子乳は、カルシウム含有粒子乳の総重量に対して、25重量%以上、好ましくは27重量%以上、好ましくは30重量%以上、好ましくは35重量%以上のカルシウム含有粒子含有量、およびカルシウム含有粒子乳の総重量に対して、55重量%以下、好ましくは50重量%以下、好ましくは48重量%以下のカルシウム含有粒子含有量を有する。
特に有利には、本発明による方法では、内壁上にコーティングされた前記鉱物層は、0.1〜5mm、好ましくは0.15〜3mm、より優先的には0.2〜2mm、特に0.5〜1mmの層厚さを有する。
本発明による方法の他の実施形態は添付の特許請求の範囲に示されている。
本発明の別の主題は、鋼または鋳鉄製のスラグポットまたは取鍋の内壁をカルシウム含有粒子乳の鉱物層で覆うための、消石灰、少なくとも部分的に消化された脱炭酸ドロマイト、石灰石およびそれらの混合物からなる群から選択されるカルシウム含有粒子の乳の使用であり、ここで前記カルシウム含有粒子乳は噴霧され、カルシウム含有粒子乳の総重量に対して20重量%〜60重量%のカルシウム含有粒子含有量を有する。
有利には、前記カルシウム含有粒子乳の鉱物層は、0.1〜5mm、好ましくは0.15〜3mm、より優先的には0.2〜2mm、特に0.5〜1mmの層厚さを有する。
好ましい使用によれば、カルシウム含有粒子乳は石灰乳であり、前記カルシウム含有粒子は消石灰粒子である。
より詳細には、前記鉱物懸濁液の前記カルシウム含有粒子は、1.5μm〜10μmの平均粒径d50を有する。
有利には、前記鉱物懸濁液のカルシウム含有粒子乳中の前記カルシウム含有粒子は、8μm以下、特に6μm以下、より詳細には5μm以下、きわめて詳細には4μm未満の平均粒径d50を有する。
有利には、前記鉱物懸濁液のカルシウム含有粒子乳中の前記カルシウム含有粒子は、2μm以上、特に2.5μm以上の平均粒径d50を有する。
本発明の優先的な使用によれば、前記鉱物懸濁液の前記添加剤は、炭水化物、分散剤、流動化添加剤、例えばポリカルボナートまたはポリアクリラート、またはポリホスホナート、特にDTPMPからなる群から選択される。
本発明の優先的な使用によれば、前記炭水化物は、二糖類、例えばスクロースまたはサッカロース、ソルビトール、単糖類、オリゴ糖類、キシロース、グルコース、ガラクトース、フルクトース、マンノース、ラクトース、マルトース、グルクロン酸、グルコン酸、エリトリトール、キシリトール、ラクチトール、マルチトール、デキストリン、シクロデキストリン、イヌリン、グルシトール、ウロン酸、ラムノース、アラビノース、エリトロース、トレオース、リボース、アロース、トレハロース、ガラクツロン酸、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
より詳細には、前記炭水化物は、二糖類、例えばスクロースまたは糖類、ソルビトール、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
好ましくは、本発明によれば、前記カルシウム含有粒子乳は0.1Pa.s〜2Pa.sの粘度を有する。
本発明の優先的な使用において、カルシウム含有粒子乳の前記カルシウム含有粒子は、7〜100μmのd97粒径を有する。
有利には、本発明によれば、前記カルシウム含有粒子乳は、カルシウム含有粒子乳の総重量に対して、25重量%以上、好ましくは27重量%以上、好ましくは30重量%以上、好ましくは35重量%以上のカルシウム含有粒子含有量、およびカルシウム含有粒子乳の総重量に対して、55重量%以下、好ましくは50重量%以下、好ましくは48重量%以下のカルシウム含有粒子含有量を有する。
本発明による他の実施形態は、添付の特許請求の範囲に記載されている。
本発明はまた、内壁と外壁とを含む乾式冶金ツールをハンドリングするための方法に関し、この方法は、
a)前記乾式冶金ツールの使用工程、
b)前記乾式冶金ツールの洗浄工程、
c)前記乾式冶金ツールの使用の少なくとも1つの工程の前に、前記内壁および/または前記外壁を鉱物層で覆うために、前記乾式冶金ツールの前記内壁上および/または前記外壁上に鉱物懸濁液を噴霧する工程、ならびに
d)前記前記内壁および/または前記外壁がそのa)の使用を目的として前記鉱物層で覆われている、前記乾式冶金ツールを稼働させる工程を含む。
前記外壁は時にはシェルとも称される。
前記方法は、前記乾式冶金ツールが鋼または鋳鉄製のツールあること、および前記鉱物懸濁液が、カルシウム含有粒子乳を形成する水相中に懸濁状態のカルシウム含有粒子および任意に添加剤を含むことを特徴とし、前記カルシウム含有粒子は、消石灰、少なくとも部分的に消化された脱炭酸ドロマイト、石灰石およびそれらの混合物からなる群から選択され、前記カルシウム含有粒子乳の重量に対して20重量%〜60重量%のカルシウム含有粒子含有量を有し、前記鉱物層は微細層である。
上記のように、本発明による方法は鋼または鋳鉄製のポットに特化している。
これは、本発明の文脈において、(耐火材料製ではなく)鋼または鋳鉄製のスラグポットまたは取鍋に関する選択が、スラグポットまたは取鍋を形成する金属タイプの材料とスラグ酸化物との間の膨張係数の差を最大限に利用することを可能にするためである。
消石灰、少なくとも部分的に消化された脱炭酸ドロマイト、石灰石およびそれらの混合物からなる小群から専ら選択されたカルシウム含有粒子乳が、カルシウム含有粒子乳の総重量に対して20〜60重量%のカルシウム含有粒子含有量を有し、乾式冶金ツールの内壁または外壁を覆う場合、微細で均質な鉱物層が生成され、驚くべきことに、これらの乾式冶金ツールの維持の頻度は顕著に低減され、容易であったことが分かった。
本発明による特定の実施形態では、カルシウム含有粒子乳は石灰乳であり、前記カルシウム含有粒子は消石灰粒子である。
有利には、前記鉱物懸濁液のカルシウム含有粒子乳中の前記カルシウム含有粒子は、1.5μm〜10μmの平均粒径d50を有する。
有利には、鉱物懸濁液のカルシウム含有粒子乳中の前記カルシウム含有粒子は、8μm以下、特に6μm以下、より詳細には5μm以下、きわめて詳細には4μm未満の平均粒径d50を有する。
有利には、前記鉱物懸濁液の前記カルシウム含有粒子乳中の前記カルシウム含有粒子は、2μm以上、特に2.5μm以上の平均粒径d50を有する。
表記dは、測定された粒子またはグレインのX%がそれより小さい、μmで表される直径を表す。
粒子が細かいほど、蒸気またはCOを放出する反応が良好になり、これにより前述のようにスラグの脱落を可能になる。
石灰乳の反応性は、本発明の意味の範囲内で、欧州規格EN 12485(2010)§6.11(「Determination of solubility index by conductivity」)に従って特徴付けられる。この方法自体は、文献「Improved milk−of−lime for softening of drinking water」,M.W.M.van Eekeren,J.A.M.van Paassen,C.W.A.M.Merks,KIWA NV Research and Consultancy,Nieuwegein,September 1993」(KIWA,Royal Netherland Water Analysis Institute(KIWA NV Research and Consultancy,Groningenhaven 7,PO Box 1072,3430BB Nieuwegein)によって作成および配布)に開示されたvan Eekerenらによる業績から導かれる。
したがって、石灰乳の反応性は、少量の石灰乳を大量の脱塩水で希釈することによって調製された溶液の導電率の測定における経時変化によって評価される。終点における最大導電率のx%=63%、80%、90%および95%についてx%の導電率に対応する点が特に注目される(EN 12485(2010)§6.11.6.2参照)。次いで、秒単位の対応する溶解時間t(x%)が、時間に対する導電率のグラフから得られる(EN 12485(2010)の図2参照)。
石灰粒子の脱塩水への溶解速度は、粒子のサイズが小さい場合に、より速い(t(x%)小さい)ことが知られている。言い換えれば、石灰乳の反応性は、その構成粒子が小さい場合に一般的に高い。
本発明による方法の好ましい実施形態では、前記鉱物懸濁液が石灰乳を含有するか、または石灰乳である場合、それは0.1秒超過、特に0.2秒超過10秒未満、特に5秒未満の溶解時間t(90%)の形態で表される反応性を有する。
石灰乳がこのような反応性を有する場合、消石灰粒子は、微細な鉱物層の形成にも寄与するのに十分に細かい、特に均質な粒径を有し、スラグの剥離の単純化に関与する。
カルシウム含有粒子乳または鉱物懸濁液の安定性は、WO2001/096240に記載されているようにボトル試験と称される安定性方法を用いて決定することができる。
好ましくは、前記鉱物懸濁液の前記添加剤は、炭水化物ならびに分散剤および流動化添加剤およびこれらの混合物、例えばポリカルボナートまたはポリアクリラート、またはポリホスホナート、特にDTPMPからなる群から選択される。
本発明の文脈において使用することができる分散剤または流動化剤は、先に記述されている。
当然ながら、複数の上述の添加剤、特に1つ以上の分散剤または流動化剤と共に1つ以上の炭水化物が前記鉱物懸濁液中に存在し得る。
本発明の特定の実施形態では、前記炭水化物は、二糖類、例えばスクロースまたはサッカロース、ソルビトール、単糖類、オリゴ糖類、キシロース、グルコース、ガラクトース、フルクトース、マンノース、ラクトース、マルトース、グルクロン酸、グルコン酸、エリトリトール、キシリトール、ラクチトール、マルチトール、デキストリン、シクロデキストリン、イヌリン、グルシトール、ウロン酸、ラムノース、アラビノース、エリトロース、トレオース、リボース、アロース、トレハロース、ガラクツロン酸、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
本発明による方法の特に好ましい実施形態では、前記炭水化物は、二糖類、例えばスクロースまたはサッカロース、ソルビトール、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
これらの炭水化物のコストの削減という側面とは別に、石灰乳との完全な相溶性と相まって、これらの炭水化物は石灰乳の粘度を下げ、時間の経過と共にそれを低く保ち、結果として石灰乳の貯蔵条件を促進することが知られている。
本発明による方法の一実施形態では、前記カルシウム含有粒子乳は、0.1Pa.s〜2Pa.s、すなわち100cp〜2000cpの粘度を有する。
石灰乳の粘度は、懸濁液の使用および操作(ポンプ輸送、パイプ内での輸送など)に関して決定的な性質である。この目的のために、経験から、懸濁液の動粘度が2Pa.s未満でなければならないこと(US5616283)および1.5Pa.sの動粘度を超えないことが望ましいこと(WO2007/110401)を確立することが可能になっている。
本発明の文脈における粘度は、LV No.3のニードルを使用して100回転/分(rpm)でブルックフィールド型DV−III粘度計(レオメーター)によって測定される。
本発明のさらに別の変形形態において、カルシウム含有粒子乳の前記カルシウム含有粒子は、7〜100μmのd97粒径を有する。
より詳細には、本発明による方法では、前記カルシウム含有粒子乳は、カルシウム含有粒子乳の総重量に対して、25重量%以上、好ましくは27重量%以上、好ましくは30重量%、好ましくは35重量%以上のカルシウム含有粒子含有量、およびカルシウム含有粒子乳の総重量に対して、55重量%以下、好ましくは50重量%以下、好ましくは48重量%以下のカルシウム含有粒子含有量を有する。
特に有利には、本発明による方法では、内壁上にコーティングされた前記鉱物層は、0.1〜5mm、好ましくは0.15〜3mm、より優先的には0.2〜2mm、特に0.5〜1mmの層厚さを有する。
本発明による方法の他の実施形態は添付の特許請求の範囲に示されている。
最後に、本発明は、乾式冶金ツールのハンドリングの頻度を低減するために、鋼または鋳鉄製の乾式冶金ツールの内壁および/または外壁を鉱物層で覆うための、消石灰、少なくとも部分的に消化された脱炭酸ドロマイト、石灰石およびそれらの混合物からなる小群から選択されるカルシウム含有粒子の乳の使用に関し、ここで前記カルシウム含有粒子乳は噴霧され、カルシウム含有粒子乳の総重量に対して20重量%〜60重量%のカルシウム含有粒子含有量を有する。
有利には、石灰乳の前記鉱物層は、0.1〜5mm、好ましくは0.15〜3mm、より優先的には0.2〜2mm、特に0.5〜1mmの層厚さを有する。
好ましい使用によれば、カルシウム含有粒子乳は石灰乳であり、前記カルシウム含有粒子は消石灰粒子である。
より詳細には、前記鉱物懸濁液の前記カルシウム含有粒子は、1.5μm〜10μmの平均粒径d50を有する。
有利には、前記鉱物懸濁液のカルシウム含有粒子乳中の前記カルシウム含有粒子は、8μm以下、特に6μm以下、より詳細には5μm以下、きわめて詳細には4μm未満の平均粒径d50を有する。
有利には、前記鉱物懸濁液のカルシウム含有粒子乳中の前記カルシウム含有粒子は、2μm以上、特に2.5μm以上の平均粒径d50を有する。
本発明の優先的な使用によれば、前記鉱物懸濁液の前記添加剤は、炭水化物、ならびに分散剤および流動化添加剤、例えばポリカルボナートまたはポリアクリラート、またはポリホスホナート、特にDTPMPからなる群から選択される。
当然ながら、複数の上述の添加剤、特に1つ以上の分散剤または流動化剤と共に、1つ以上の炭水化物が前記鉱物懸濁液中に存在してもよい。
本発明の優先的な使用によれば、前記炭水化物は、二糖類、例えばスクロースまたはサッカロース、ソルビトール、単糖類、オリゴ糖類、キシロース、グルコース、ガラクトース、フルクトース、マンノース、ラクトース、マルトース、グルクロン酸、グルコン酸、エリトリトール、キシリトール、ラクチトール、マルチトール、デキストリン、シクロデキストリン、イヌリン、グルシトール、ウロン酸、ラムノース、アラビノース、エリトロース、トレオース、リボース、アロース、トレハロース、ガラクツロン酸、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
より詳細には、前記炭水化物は、二糖類、例えばスクロースまたは糖類、ソルビトール、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
好ましくは、本発明によれば、前記カルシウム含有粒子乳は0.1Pa.s〜2Pa.sの粘度を有する。
本発明の優先的な使用において、カルシウム含有粒子乳の前記カルシウム含有粒子は、7〜100μmのd97粒径を有する。
有利には、本発明によれば、前記カルシウム含有粒子乳は、カルシウム含有粒子乳の総重量に対して、25重量%以上、好ましくは27重量%以上、好ましくは30重量%以上、好ましくは35重量%以上のカルシウム含有粒子含有量、およびカルシウム含有粒子乳の総重量に対して、55重量%以下、好ましくは50重量%以下、好ましくは48重量%以下のカルシウム含有粒子含有量を有する。
本発明による使用の他の形態は、添付の特許請求の範囲に記載されている。
本発明の他の特徴、詳細および利点は、非限定的に、下記の記載から明らかになるであろう。
当然のことながら、本発明は決して上記で記載の実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく多くの修正をそれに加えることができる。

Claims (42)

  1. 内壁および外壁を含むスラグポットまたは取鍋をハンドリングする方法であって、前記方法が、
    a)乾式冶金ツールの前記スラグポットまたは取鍋にスラグを収集する工程、
    b)前記スラグポットまたは取鍋を前記乾式冶金ツールから前記スラグ堆積サイト、典型的には埋立地に輸送する工程、
    c)それが含有する前記スラグを除去するために、前記スラグ堆積サイト、典型的には埋立地で前記ポットまたは取鍋を空にする工程、
    d)前記スラグの前記収集の少なくとも1つの工程の前に、前記内壁を鉱物層で覆うために、前記スラグポットまたは取鍋の前記内壁上に鉱物懸濁液を噴霧する工程、および
    e)前記スラグの収集a)を目的として、前記鉱物層で覆われた前記スラグポットまたは取鍋を稼働させる工程を含み、
    前記スラグポットまたは取鍋が鋼または鋳鉄のポットまたは取鍋であり、前記鉱物懸濁液が、カルシウム含有粒子乳を形成する水相中の懸濁液中にカルシウム含有粒子、および任意に添加剤を含むことを特徴とし、前記カルシウム含有粒子が、消石灰、少なくとも部分的に消化された脱炭酸ドロマイト、石灰石およびそれらの混合物からなる群から選択され、前記カルシウム含有粒子乳の重量に対して20重量%〜60重量%のカルシウム含有粒子含有量を有し、前記鉱物層が微細層である、方法。
  2. 前記カルシウム含有粒子乳が石灰乳であり、前記カルシウム含有粒子が消石灰の粒子である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記鉱物懸濁液の前記カルシウム含有粒子乳中の前記カルシウム含有粒子が、1.5μm〜10μmの平均粒径d50を有する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記鉱物懸濁液の前記添加剤が、炭水化物ならびに分散剤および流動化添加剤、例えばポリカルボナートまたはポリアクリラートまたはポリホスホナートからなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記炭水化物が、二糖類、例えばスクロースまたはサッカロース、ソルビトール、単糖類、オリゴ糖類、キシロース、グルコース、ガラクトース、フルクトース、マンノース、ラクトース、マルトース、グルクロン酸、グルコン酸、エリトリトール、キシリトール、ラクチトール、マルチトール、デキストリン、シクロデキストリン、イヌリン、グルシトール、ウロン酸、ラムノース、アラビノース、エリトロース、トレオース、リボース、アロース、トレハロース、ガラクツロン酸、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記炭水化物が、二糖類、例えばスクロースまたはサッカロース、ソルビトール、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項4または5に記載の方法。
  7. 前記カルシウム含有粒子乳が、0.1Pa.s〜2Pa.sの粘度を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記カルシウム含有粒子乳の前記カルシウム含有粒子が7〜100μmの粒径d97を有する、請求項2〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 請求項2に従属する場合、前記石灰乳が、0.1秒超過、特に0.2秒超過10秒未満、特に5秒未満の溶解時間t(90%)の形態で表される反応性を有する、請求項2または3〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記カルシウム含有粒子乳が、前記カルシウム含有粒子乳の総重量に対して、25重量%以上、好ましくは27重量%以上、好ましくは30重量%以上、好ましくは35重量%以上のカルシウム含有粒子含有量、および前記カルシウム含有粒子乳の総重量に対して、55重量%以下、好ましくは50重量%以下、好ましくは48重量%以下のカルシウム含有粒子含有量を有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記内壁上にコーティングされた前記微細な鉱物層が、0.1〜5mm、好ましくは0.15〜3mm、より優先的には0.2〜2mm、特に0.5〜1mmの層厚さを有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 鋼または鋳鉄製のスラグポットまたは取鍋の内壁をカルシウム含有粒子乳の鉱物層で覆うための、消石灰、少なくとも部分的に消化された脱炭酸ドロマイト、石灰石およびそれらの混合物からなる群から選択されるカルシウム含有粒子の乳の使用であって、ここで前記カルシウム含有粒子乳は噴霧され、前記カルシウム含有粒子乳の総重量に対して20重量%〜60重量%のカルシウム含有粒子含有量を有する、使用。
  13. カルシウム含有粒子乳の前記微細な鉱物層が、0.1〜5mm、好ましくは0.15〜3mm、より優先的には0.2〜2mm、特に0.5〜1mmの層厚さを有する、請求項12に記載のカルシウム含有粒子乳の使用。
  14. 前記カルシウム含有粒子乳が石灰乳であり、前記カルシウム含有粒子が消石灰の粒子である、請求項12または13に記載のカルシウム含有粒子乳の使用。
  15. 前記鉱物懸濁液の前記カルシウム含有粒子が、1.5μm〜10μmの平均粒径d50を有する、請求項12〜14のいずれか一項に記載のカルシウム含有粒子乳の使用。
  16. 前記鉱物懸濁液の前記添加剤が、炭水化物ならびに分散剤および流動化添加剤、例えばポリカルボナートまたはポリアクリラートまたはポリホスホナートからなる群から選択される、請求項12〜15のいずれか一項に記載のカルシウム含有粒子乳の使用。
  17. 前記炭水化物が、二糖類、例えばスクロースまたはサッカロース、ソルビトール、単糖類、オリゴ糖類、キシロース、グルコース、ガラクトース、フルクトース、マンノース、ラクトース、マルトース、グルクロン酸、グルコン酸、エリトリトール、キシリトール、ラクチトール、マルチトール、デキストリン、シクロデキストリン、イヌリン、グルシトール、ウロン酸、ラムノース、アラビノース、エリトロース、トレオース、リボース、アロース、トレハロース、ガラクツロン酸、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項16に記載のカルシウム含有粒子乳の使用。
  18. 前記炭水化物が、二糖類、例えばスクロースまたはサッカロース、ソルビトール、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項16または17に記載のカルシウム含有粒子乳の使用。
  19. 前記カルシウム含有粒子乳が、0.1Pa.s〜2Pa.sの粘度を有する、請求項12〜18のいずれか一項に記載のカルシウム含有粒子乳の使用。
  20. 前記カルシウム含有粒子乳の前記カルシウム含有粒子が7〜100μmの粒径d97を有する、請求項12〜19のいずれか一項に記載のカルシウム含有粒子乳の使用。
  21. 前記カルシウム含有粒子乳が、前記カルシウム含有粒子乳の総重量に対して、25重量%以上、好ましくは27重量%以上、好ましくは30重量%以上、好ましくは35重量%以上のカルシウム含有粒子含有量、および前記カルシウム含有粒子乳の総重量に対して、55重量%以下、好ましくは50重量%以下、好ましくは48重量%以下のカルシウム含有粒子含有量を有する、請求項12〜20のいずれか一項に記載のカルシウム含有粒子乳の使用。
  22. 内壁および外壁を含む乾式冶金ツールをハンドリングする方法であって、前記方法が、
    a)前記乾式冶金ツールの使用工程、
    b)前記乾式冶金ツールの洗浄工程、
    c)前記内壁および/または前記外壁を鉱物層で覆うために、前記乾式冶金ツールの使用の少なくとも1つの工程の前に、前記乾式冶金ツールの前記内壁および/または前記外壁上に鉱物懸濁液を噴霧する工程、
    d)前記前記内壁および/または前記外壁がその使用a)を目的として前記鉱物層で覆われている、前記乾式冶金ツールを稼働させる工程を含み、
    前記乾式冶金ツールが、鋼または鋳鉄製であること、および前記鉱物懸濁液が、カルシウム含有粒子乳を形成する水相中の懸濁液中にカルシウム含有粒子、および任意に添加剤を含むことを特徴とし、前記カルシウム含有粒子が、消石灰、少なくとも部分的に消化された脱炭酸ドロマイト、石灰石およびそれらの混合物からなる群から選択され、前記カルシウム含有粒子乳の重量に対して20重量%〜60重量%のカルシウム含有粒子含有量を有し、前記鉱物層が微細層である、方法。
  23. 前記カルシウム含有粒子乳が石灰乳であり、前記カルシウム含有粒子が消石灰の粒子である、請求項22に記載の方法。
  24. 前記鉱物懸濁液の前記カルシウム含有粒子乳中の前記カルシウム含有粒子が、1.5μm〜10μmの平均粒径d50を有する、請求項22または23に記載の方法。
  25. 前記鉱物懸濁液の前記添加剤が、炭水化物ならびに分散剤および流動化添加剤、例えばポリカルボナートまたはポリアクリラートまたはポリホスホナートからなる群から選択される、請求項22〜24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記炭水化物が、二糖類、例えばスクロースまたはサッカロース、ソルビトール、単糖類、オリゴ糖類、キシロース、グルコース、ガラクトース、フルクトース、マンノース、ラクトース、マルトース、グルクロン酸、グルコン酸、エリトリトール、キシリトール、ラクチトール、マルチトール、デキストリン、シクロデキストリン、イヌリン、グルシトール、ウロン酸、ラムノース、アラビノース、エリトロース、トレオース、リボース、アロース、トレハロース、ガラクツロン酸、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項25に記載の方法。
  27. 前記炭水化物が、二糖類、例えばスクロースまたはサッカロース、ソルビトール、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項25または26に記載の方法。
  28. 前記カルシウム含有粒子乳が、0.1Pa.s〜2Pa.sの粘度を有する、請求項22〜27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記カルシウム含有粒子乳の前記カルシウム含有粒子が7〜100μmの粒径d97を有する、請求項22〜28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 請求項23に従属する場合、前記石灰乳が、0.1秒超過、特に0.2秒超過10秒未満、特に5秒未満の溶解時間t(90%)の形態で表される反応性を有する、請求項23または24〜29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記カルシウム含有粒子乳が、前記カルシウム含有粒子乳の総重量に対して、25重量%以上、好ましくは27重量%以上、好ましくは30重量%以上、好ましくは35重量%以上のカルシウム含有粒子含有量、および前記カルシウム含有粒子乳の総重量に対して、55重量%以下、好ましくは50重量%以下、好ましくは48重量%以下のカルシウム含有粒子含有量を有する、請求項22〜30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記内壁上にコーティングされた前記微細な鉱物層が、0.1〜5mm、好ましくは0.15〜3mm、より優先的には0.2〜2mm、特に0.5〜1mmの層厚さを有する、請求項22〜31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 乾式冶金ツールのハンドリングする頻度を低減するために、鋼または鋳鉄製の前記乾式冶金ツールの内壁および/または外壁を鉱物層で覆うための、消石灰、少なくとも部分的に消化された脱炭酸ドロマイト、石灰石およびそれらの混合物からなる群から選択されるカルシウム含有粒子の乳の使用であって、ここで前記カルシウム含有粒子乳は噴霧され、前記カルシウム含有粒子乳の総重量に対して20重量%〜60重量%のカルシウム含有粒子含有量を有する、使用。
  34. 前記カルシウム含有粒子乳の鉱物層が、0.1〜5mm、好ましくは0.15〜3mm、より優先的には0.2〜2mm、特に0.5〜1mmの層厚さを有する、請求項33に記載のカルシウム含有粒子乳の使用。
  35. 前記カルシウム含有粒子乳が石灰乳であり、前記カルシウム含有粒子が消石灰の粒子である、請求項33または34に記載のカルシウム含有粒子乳の使用。
  36. 前記鉱物懸濁液の前記カルシウム含有粒子乳の前記カルシウム含有粒子が、1.5μm〜10μmの平均粒径d50を有する、請求項33〜35のいずれか一項に記載のカルシウム含有粒子乳の使用。
  37. 前記鉱物懸濁液の前記添加剤が、炭水化物ならびに分散剤および流動化添加剤、例えばポリカルボナートまたはポリアクリラートまたはポリホスホナートからなる群から選択される、請求項33〜36のいずれか一項に記載のカルシウム含有粒子乳の使用。
  38. 前記炭水化物が、二糖類、例えばスクロースまたはサッカロース、ソルビトール、単糖類、オリゴ糖類、キシロース、グルコース、ガラクトース、フルクトース、マンノース、ラクトース、マルトース、グルクロン酸、グルコン酸、エリトリトール、キシリトール、ラクチトール、マルチトール、デキストリン、シクロデキストリン、イヌリン、グルシトール、ウロン酸、ラムノース、アラビノース、エリトロース、トレオース、リボース、アロース、トレハロース、ガラクツロン酸、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項37に記載のカルシウム含有粒子乳の使用。
  39. 前記炭水化物が、二糖類、例えばスクロースまたはサッカロース、ソルビトール、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項37または38に記載のカルシウム含有粒子乳の使用。
  40. 前記カルシウム含有粒子乳が、0.1Pa.s〜2Pa.sの粘度を有する、請求項33〜39のいずれか一項に記載のカルシウム含有粒子乳の使用。
  41. 前記カルシウム含有粒子乳の前記カルシウム含有粒子が7〜100μmの粒径d97を有する、請求項33〜40のいずれか一項に記載のカルシウム含有粒子乳の使用。
  42. 前記カルシウム含有粒子乳が、前記カルシウム含有粒子乳の総重量に対して、25重量%以上、好ましくは27重量%以上、好ましくは30重量%以上、好ましくは35重量%以上のカルシウム含有粒子含有量、および前記カルシウム含有粒子乳の総重量に対して、55重量%以下、好ましくは50重量%以下、好ましくは48重量%以下のカルシウム含有粒子含有量を有する、請求項33〜41のいずれか一項に記載のカルシウム含有粒子乳の使用。
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