JP2020203820A - ガラス体の製造方法及びガラス体の製造装置 - Google Patents

ガラス体の製造方法及びガラス体の製造装置 Download PDF

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Nobutoshi Ito
伸敏 伊藤
誠一 伊澤
Seiichi Izawa
誠一 伊澤
近藤 真史
Masashi Kondo
真史 近藤
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Abstract

【課題】ガラス体の製造時に、製造歩留まりの低下を抑制できるガラス体の製造方法及びガラス体の製造装置を提供する。【解決手段】管状ガラスG2を熱処理することにより寸法調整する調整工程を備える管ガラスG3の製造方法であって、調整工程は、管状ガラスG2の周方向において、管状ガラスG2の放熱量に差が生じるように、管状ガラスG2を熱処理する。【選択図】図1

Description

本発明は、ガラス体の製造方法及びガラス体の製造装置に関する。
特許文献1には、ガラス原料を収容する原料収容筒と、原料収容筒を加熱する加熱炉と、原料収容筒の下端部に配置されるモールドと、モールドとの間にリング状の型穴を形成するマンドレルと、を備え、リング状の型穴から流下する溶融ガラスを管引することで管ガラスを製造する管ガラスの製造装置が開示されている。
特開2004−10396号公報
上記のような管ガラスの製造装置は、管ガラスの製造開始時に、モールドに対するマンドレルの位置関係などに起因して、管ガラスに偏肉が生じやすい。このため、上記のような管ガラスの製造装置では、管ガラスが所望の形状になるように、マンドレルの位置を調整するなどの調整作業が必要となる。また、従来の装置では、細かな調整が極めて困難であり、所望の品質を得るまでに多大な調整作業を要している。したがって、上記のような従来の管ガラスの製造装置は、管ガラスの製造時に、調整作業のために管ガラスの製造歩留まりが低下するおそれがある。
なお、こうした実情は、管ガラスの製造時に、管ガラスの製造装置の構成部品の位置関係などに起因して、管ガラスに湾曲が生じたり管ガラスに潰れが生じたりする場合にも概ね共通する。さらに、こうした実情は、管ガラスの製造時に限らず、棒ガラスの製造時においても概ね共通する。
本発明の目的は、ガラス体の製造時に、製造歩留まりの低下を抑制できるガラス体の製造方法及びガラス体の製造装置を提供することである。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決するガラス体の製造方法は、棒状又は管状のガラスを熱処理することにより寸法調整する調整工程を備える棒状又は管状のガラス体の製造方法であって、前記調整工程は、前記ガラスの軸線回りの周方向において、前記ガラスの吸熱量又は放熱量に差が生じるように、前記ガラスを熱処理する。
上記構成のガラス体の製造方法は、棒状又は管状をなすガラスの周方向における位置ごとの吸熱量又は放熱量に差を設けることで、ガラス体の径方向における潰れやガラス体の長手方向に対する湾曲といったガラス体の形状を調整する。つまり、ガラス体の製造方法は、ガラス体の製造時に、ガラス体の製造装置の構成部品の位置関係を調整するなどの調整作業の必要がない点で、早期にガラス体の製造を開始できる。したがって、ガラス体の製造方法は、ガラス体の製造時に製造歩留まりの低下を抑制できる。
上記ガラス体の製造方法は、前記調整工程の前工程であって、ガラス母体又はガラス融体を棒状又は管状の前記ガラスに成形する成形工程を備え、前記調整工程は、温度が軟化点±150℃の範囲内となっている前記ガラスの少なくとも一部を熱処理することが好ましい。
上記ガラス体の製造方法は、前記調整工程の前工程であって、ガラス母体又はガラス融体を棒状又は管状の前記ガラスに成形する成形工程を備え、前記調整工程は、粘度が106.12dPa・s以上108.74dPa・s以下の範囲内となっている前記ガラスの少なくとも一部を熱処理することが好ましい。
上記ガラス体の製造方法は、管状の前記ガラス体の製造方法であって、管状の前記ガラス体の前記周方向において最も肉厚が厚い部分を厚肉部分とし、管状の前記ガラス体の前記周方向において最も肉厚が薄い部分を薄肉部分としたとき、前記調整工程は、前記ガラスの前記厚肉部分となる部位の温度を上昇させるとともに、前記ガラスの前記薄肉部分となる部位の温度を低下させるように、前記ガラスを熱処理することが好ましい。
上記構成のガラス体の製造方法は、ガラスにおけるガラス体の厚肉部分となる部位の温度を上昇させるとともに、ガラスにおけるガラス体の薄肉部分となる部位の温度を低下させる。このため、ガラスにおけるガラス体の厚肉部分となる部位が伸長しやすくなる点で、当該部位の厚さが薄くなる。一方、ガラスにおけるガラス体の薄肉部分となる部位が伸長しにくくなる点で、当該部位の厚さが厚くなる。こうして、ガラス体の製造方法は、ガラス体の偏肉を解消できる。
上記構成のガラス体の製造方法は、前記調整工程において、前記ガラスの周囲に前記周方向に並ぶように複数配置された温調部の設定温度を個別に設定することにより、前記ガラスの前記周方向における位置ごとの吸熱量又は放熱量を異ならしめることが好ましい。
上記構成のガラス体の製造方法は、周方向に並ぶ複数の温調部の設定温度を個別に設定することにより、ガラス体の寸法を調整できる。
上記構成のガラス体の製造方法において、前記調整工程は、前記軸線の延びる方向である軸方向において、前記ガラスの吸熱量又は放熱量に差が生じるように、前記ガラスを熱処理することが好ましい。
上記構成のガラス体の製造方法は、周方向に加え軸方向におけるガラスの吸熱量又は放熱量に差を設けて、ガラスを熱処理する点で、ガラス体の寸法をより詳細に調整できる。
上記構成のガラス体の製造方法は、前記調整工程において、前記ガラスの周囲に前記軸方向に並ぶように複数配置された温調部の設定温度を個別に設定することにより、前記ガラスの前記軸方向における位置ごとの吸熱量又は放熱量を異ならしめることが好ましい。
上記構成のガラス体の製造方法は、軸方向に並ぶ複数の温調部の設定温度を個別に設定することにより、ガラス体の寸法を調整できる。
上記課題を解決するガラス体の製造方法は、ガラス融体を熱処理することにより寸法調整する調整工程を備える棒状又は管状のガラス体の製造方法であって、前記ガラス融体を導出管の下端に設けられたノズルから流下させることにより、棒状又は管状の前記ガラス体を成形する成形工程を備え、前記成形工程は、前記導出管の軸線回りの周方向において、前記導出管を流れる前記ガラス融体の吸熱量又は放熱量に差が生じるように、前記ガラス融体を熱処理する前記調整工程を有する。
上記構成のガラス体の製造方法は、導出管を流れるガラス融体の周方向における位置ごとの吸熱量又は放熱量に差を設けることで、ガラス体の径方向における潰れやガラス体の長手方向に対する湾曲といったガラス体の形状を調整する。つまり、ガラス体の製造方法は、ガラス体の製造時に、ガラス体の製造装置の構成部品の位置関係を調整するなどの調整作業の必要がない点で、早期にガラス体の製造を開始できる。したがって、ガラス体の製造方法は、ガラス体の製造時に製造歩留まりの低下を抑制できる。
上記ガラス体の製造方法は、前記調整工程は、温度が軟化点+150℃以上軟化点+300℃以下の範囲内となっている前記ガラス融体の少なくとも一部を熱処理することが好ましい。
上記ガラス体の製造方法は、前記調整工程は、粘度が104.21dPa・s以上106.11dPa・s以下の範囲内となっている前記ガラス融体の少なくとも一部を熱処理することが好ましい。
上記ガラス体の製造方法は、管状の前記ガラス体の製造方法であって、管状の前記ガラス体の前記周方向において最も肉厚が厚い部分を厚肉部分とし、管状の前記ガラス体の前記周方向において最も肉厚が薄い部分を薄肉部分としたとき、前記調整工程は、前記ガラス融体の前記厚肉部分となる部位の温度を低下させるとともに、前記ガラス融体の前記薄肉部分となる部位の温度を上昇させるように、前記ガラス融体を熱処理することが好ましい。
上記構成のガラス体の製造方法は、導出管の内部において、ガラス融体におけるガラス体の厚肉部分となる部位の温度を低下させるとともに、ガラス融体におけるガラス体の薄肉部分となる部位の温度を上昇させる。このため、導出管の内部において、ガラス融体におけるガラス体の厚肉部分となる部位の流量が低下し、当該部位からなるガラス体の厚肉部分が薄くなる。一方、導出管の内部において、ガラス融体におけるガラス体の薄肉部分となる部位の流量が増加し、当該部位からなるガラス体の薄肉部分が厚くなる。こうして、ガラス体の製造方法は、ガラス体の偏肉を解消できる。
上記構成のガラス体の製造方法は、前記調整工程において、前記導出管の周囲に前記周方向に並ぶように複数配置された温調部の設定温度を個別に設定することにより、前記ガラス融体の前記周方向における位置ごとの吸熱量又は放熱量を異ならしめることが好ましい。
上記構成のガラス体の製造方法は、周方向に並ぶ複数の温調部の設定温度を個別に設定することにより、ガラス体の寸法を調整できる。
上記構成のガラス体の製造方法において、前記調整工程は、前記軸線の延びる方向である軸方向において、前記ガラス融体の吸熱量又は放熱量に差が生じるように、前記ガラス融体を熱処理することが好ましい。
上記構成のガラス体の製造方法は、周方向に加え軸方向におけるガラス融体の吸熱量又は放熱量に差を設けて、ガラス融体を熱処理する点で、ガラス体の寸法をより詳細に調整できる。
上記構成のガラス体の製造方法は、前記調整工程において、前記導出管の周囲に前記軸方向に並ぶように複数配置された温調部の設定温度を個別に設定することにより、前記ガラス融体の前記軸方向における位置ごとの吸熱量又は放熱量を異ならしめることが好ましい。
上記構成のガラス体の製造方法は、軸方向に並ぶ複数の温調部の設定温度を個別に設定することにより、ガラス体の寸法を調整できる。
上記課題を解決するガラス体の製造装置は、棒状又は管状のガラスを熱処理することにより寸法調整する温調装置を備える棒状又は管状のガラス体の製造装置であって、前記温調装置は、前記ガラスの軸線回りの周方向において、前記ガラスの吸熱量又は放熱量に差が生じるように前記ガラスを熱処理する複数の温調部を有する。
上記構成のガラス体の製造装置は、上述したように、ガラス体の製造時に製造歩留まりの低下を抑制できる。
上記ガラス体の製造装置において、前記温調装置は、前記ガラスの周囲に前記周方向に並ぶように配置されるとともに、個別に温度調整が可能な第1温調部及び第2温調部を有することが好ましい。
上記構成のガラス体の製造装置は、第1温調部の設定温度及び第2温調部の設定温度に差を設けることで、第1温調部と対向する部位及び第2温調部と対向する部位を異なる態様で熱処理できる。
上記課題を解決するガラス体の製造装置は、ガラス融体を熱処理することにより寸法調整する温調装置を備える棒状又は管状のガラス体の製造装置であって、下端にノズルが設けられた導出管を有し、前記導出管を流れる前記ガラス融体を前記ノズルから流下させることにより前記ガラス体を成形する導出部を備え、前記温調装置は、前記導出管の軸線回りの周方向において、前記ガラス融体の吸熱量又は放熱量に差が生じるように前記ガラス融体を熱処理する複数の温調部を有する。
上記構成のガラス体の製造装置は、上述したように、ガラス体の製造時に製造歩留まりの低下を抑制できる。
上記ガラス体の製造装置において、前記温調装置は、前記導出管の周囲に前記周方向に並ぶように配置されるとともに、個別に温度調整が可能な第1温調部及び第2温調部を有することが好ましい。
上記構成のガラス体の製造装置は、第1温調部の設定温度及び第2温調部の設定温度に差を設けることで、第1温調部と対向する部位及び第2温調部と対向する部位を異なる態様で熱処理できる。
上記ガラス体の製造装置は、前記第1温調部及び前記第2温調部を前記周方向に回転させる駆動部を備えることが好ましい。
例えば、ガラス体が管ガラスであって且つ第1温調部及び第2温調部が固定配置される場合、第1温調部及び第2温調部の一方の温調部がガラス又はガラス融体におけるガラス体の厚肉部分となる部位を向き、他方の温調部がガラス又はガラス融体におけるガラス体の薄肉部分となる部位を向くとは限らない。この点、上記構成のガラス体の製造装置は、第1温調部及び第2温調部を周方向に回転させることで、第1温調部及び第2温調部の一方の温調部をガラス又はガラス融体におけるガラス体の厚肉部分となる部位に対向させ、他方の温調部をガラス又はガラス融体におけるガラス体の薄肉部分となる部位に対向させることができる。このように、ガラス体の製造装置は、ガラス体の周方向に形状のバラツキが発生している場合に、周方向における第1温調部及び第2温調部の配置をガラス体の形状のバラツキをより抑制できる配置にできる。
上記ガラス体の製造方法及びガラス体の製造装置は、ガラス体の製造時に、製造歩留まりの低下を抑制できる。
第1実施形態の管ガラスの製造装置の概略構成を示す断面図。 第1実施形態の第2温調装置及び第3温調装置と管状ガラスとの断面図。 第1実施形態の第2温調装置及び第3温調装置と管状ガラスとの断面図。 第1実施形態の第2温調装置と管状ガラスとの断面図。 第1実施形態の第3温調装置と管状ガラスとの断面図。 第2実施形態の管ガラスの製造装置の概略構成を示す断面図。 第2実施形態の導出部と第4温調装置と溶融ガラスとの断面図。 第2実施形態の管ガラスの断面図。 第2実施形態の導出部と第4温調装置と溶融ガラスとの断面図。
以下、ガラス体の製造方法及び製造装置の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。ガラス体の製造方法及びガラス体の製造装置は、ダウンドロー法により管ガラスを製造する。また、図中の構成によっては、説明理解の容易のために一部ハッチングを省略している。
(第1実施形態)
図1に示すように、管ガラスの製造装置10(以下、「製造装置10」とも言う。)は、溶融ガラスG1を供給する溶融ガラス供給部20と、気体を供給する気体供給部30と、溶融ガラス供給部20から供給された溶融ガラスG1を鉛直下方に導出する導出部40と、を備える。また、製造装置10は、導出部40から導出される管状ガラスG2を管引する管引部50と、管引された管状ガラスG2を所定の長さの管ガラスG3に切断する切断部60と、を備える。さらに、製造装置10は、管状ガラスG2の寸法を調整する調整機構70と、切断済みの管ガラスG3の偏肉状態を検出する検出部80と、検出部80の検出結果に基づいて調整機構70を制御する制御部90と、を備える。
第1実施形態では、溶融ガラスG1から管状に成形された比較的高温のガラスを「管状ガラスG2」と言い、管状ガラスG2が冷却された後に所定の長さに切断されたガラスを「管ガラスG3」と言う。第1実施形態では、溶融ガラスG1が「ガラス融体」の一例に相当し、管状ガラスG2が「ガラス」の一例に相当し、管ガラスG3が「ガラス体」の一例に相当する。
溶融ガラス供給部20は、ガラス原料を加熱して溶融ガラスG1を生成する。溶融ガラス供給部20は、溶融ガラスG1を連続的に導出部40に供給する。
導出部40は、管状をなす導出管41と、導出管41の内部に配置されるマンドレル42と、導出管41を保温する保温材43と、を有する。導出管41は、鉛直方向に延びる。導出管41の下端には、溶融ガラスG1を導出するためのノズル44が形成される。ノズル44の開口は、導出管41の軸方向から見たとき円形をなす。
マンドレル42は、管状をなし、マンドレル42の外径は、導出管41のノズル44の開口の内径よりも小さい。マンドレル42は、導出管41の内部で導出管41の先端まで延びる。こうして、マンドレル42と導出管41のノズル44との間には、環状の導出口45が形成される。導出部40の導出口45から溶融ガラスG1が導出することにより、溶融ガラスG1が管状ガラスG2に成形される。言い換えれば、導出部40のノズル44から溶融ガラスG1が流下することにより、管状ガラスG2及び管ガラスG3が成形される。
なお、溶融ガラス供給部20において、導出管41とマンドレル42との軸方向が管状ガラスG2及び管ガラスG3の軸方向となり、導出管41とマンドレル42との周方向が管状ガラスG2及び管ガラスG3の周方向となる。以降の説明では、特に断ることなくこうした構成の形状に従って、径方向及び軸方向を使用することもある。
気体供給部30は、マンドレル42の先端から気体を流出させる。気体供給部30は、マンドレル42の先端から流出する気体の流量を変化させることで、管状ガラスG2の形状を調整する。
管引部50は、管状ガラスG2を径方向に挟んだ状態で管状ガラスG2を軸方向に牽引する。管引部50は、管状ガラスG2の管引速度を変化させることで、管状ガラスG2の形状を調整する。管引部50は、管状ガラスG2を径方向に挟む一対のローラ又は一対のベルトを有することが好ましい。管引部50は、例えば、一対のローラで、管状ガラスG2が軸方向だけに延伸されるように管状ガラスG2を牽引してもよいし、管状ガラスG2が軸方向に延びる軸線回りにねじれるように管状ガラスG2を牽引してもよい。
切断部60は、例えば、スクライビングホイール、スクライビングチップ又はレーザなどによってクラックを発生させた管状ガラスG2に曲げ又は加熱急冷による応力を作用させることにより、管状ガラスG2を所定の長さの管ガラスG3に切断する。切断後の管ガラスG3は、不図示の搬送装置により搬送される。
調整機構70は、軸方向に並ぶように配置される第1温調装置71、第2温調装置72及び第3温調装置73と、第1温調装置71、第2温調装置72及び第3温調装置73を周方向に回転させる駆動部76と、を備える。
第1温調装置71は、導出部40の下端部の周囲を覆うように配置され、第2温調装置72及び第3温調装置73は、導出部40から導出される管状ガラスG2の周囲を覆うように配置される。第1温調装置71は、導出部40の下端部の温度を調整することで、導出部40から流出する溶融ガラスG1の流量を調整する。第2温調装置72及び第3温調装置73は、導出部40の直下の領域を通過する管状ガラスG2の温度を調整することで、管状ガラスG2の冷却速度を調整する。
以降の説明では、第1温調装置71と導出部40の下端部との間の領域を第1領域A1とし、第2温調装置72と管状ガラスG2との間の領域を第2領域A2とし、第3温調装置73と管状ガラスG2との間の領域を第3領域A3とする。
第1温調装置71は、導出部40の下端部の周囲を囲うように周方向に並ぶように配置される第1温調部711及び第2温調部712を有する。第2温調装置72は、管状ガラスG2の周囲を囲うように管状ガラスG2の周方向に並ぶように配置される第1温調部721及び第2温調部722を有する。第3温調装置73は、管状ガラスG2の周囲を囲うように管状ガラスG2の周方向に並ぶように配置される第1温調部731及び第2温調部732を有する。
第1温調部711,721,731及び第2温調部712,722,732は、半円管状をなす。第1温調部711,721,731及び第2温調部712,722,732は、設定温度を個別に設定可能に構成される。第1温調部711,721,731及び第2温調部712,722,732は、例えば、赤外線ヒータとしてもよいし、導出部40又は管状ガラスG2の周囲の領域の温度を調整するヒータとしてもよい。また、第1温調部711,721,731及び第2温調部712,722,732において、設定温度が高いほど、第1温調部711,721,731及び第2温調部712,722,732と対向する部位の温度が高くなる。
第1実施形態では、溶融ガラスG1及び管状ガラスG2が導出部40の導出方向に進むに連れて、溶融ガラスG1及び管状ガラスG2の温度が次第に低くなるように、第1温調部711,721,731及び第2温調部712,722,732が駆動される。すなわち、第1温調部711,721,731及び第2温調部712,722,732が駆動されることによる溶融ガラスG1及び管状ガラスG2の吸熱量よりも、溶融ガラスG1及び管状ガラスG2の放熱量の方が大きくなる。
駆動部76は、第1温調装置71、第2温調装置72及び第3温調装置73を周方向に回転させる。駆動部76は、例えば、モータと、モータの動力を第1温調装置71、第2温調装置72及び第3温調装置73に伝達する伝達機構と、を含んで構成される。駆動部76は、第1温調装置71、第2温調装置72及び第3温調装置73を個別に回転できるように構成してもよいし、第1温調装置71、第2温調装置72及び第3温調装置73をまとめて回転できるように構成してもよい。
そして、調整機構70は、導出部40の下端部における溶融ガラスG1及び導出部40から導出される管状ガラスG2の周方向及び軸方向の位置ごとの放熱量を変化させて、管状ガラスG2の寸法を調整する。
検出部80は、切断後の管ガラスG3の偏肉状態を検出する。言い換えれば、検出部80は、管ガラスG3の周方向における肉厚の分布を検出する。以降の説明では、管ガラスG3の周方向において最も肉厚が厚い部分を「厚肉部分」ともいい、管ガラスG3の周方向において最も肉厚が薄い部分を「薄肉部分」ともいう。
また、管ガラスG3の厚肉部分に対応する管状ガラスG2の部位、言い換えれば、管状ガラスG2において管ガラスG3の厚肉部分になる部位を管状ガラスG2の厚肉部分という。同様に、管ガラスG3の薄肉部分に対応する管状ガラスG2の部位、言い換えれば、管状ガラスG2において管ガラスG3の薄肉部分になる部位を管状ガラスG2の薄肉部分という。
制御部90は、第1温調装置71、第2温調装置72及び第3温調装置73を制御する。詳しくは、制御部90は、第2温調装置72及び第3温調装置73の第1温調部721,731及び第2温調部722,732を個別に制御し、第2領域A2及び第3領域A3を通過する管状ガラスG2の軸方向における位置ごとの放熱量に差を設ける。つまり、制御部90は、第3領域A3を通過する管状ガラスG2の温度を、第2領域A2を通過する管状ガラスG2の温度よりも低くする。
第1実施形態では、制御部90は、第2領域A2及び第3領域A3を通過する管状ガラスG2の温度が「軟化点−150℃」以上「軟化点+150℃」以下の範囲に収まるように、第2温調装置72及び第3温調装置73を制御することが好ましい。言い換えれば、第1実施形態では、温度が「軟化点±150℃」の範囲内となっている管状ガラスG2の一部分に対して、管状ガラスG2の寸法を調整するための熱処理が行われることが好ましい。より好ましくは温度が「軟化点±120℃」、さらに好ましくは温度が「軟化点±100℃」の範囲内となっている管状ガラスG2に対して熱処理が行われる。
また、第1実施形態では、制御部90は、第2領域A2及び第3領域A3を通過する管状ガラスG2の粘度が106.12dPa・s以上108.47dPa・s以下の範囲内となっている状態で、第2温調装置72及び第3温調装置73を制御することが好ましい。言い換えれば、第1実施形態では、粘度が106.12dPa・s以上108.47dPa・s以下の範囲内となっている管状ガラスG2の一部分に対して、管ガラスG3の寸法を調整するための熱処理が行われることが好ましい。より好ましくは、管状ガラスG2の粘度が107.65dPa・s以上108.47dPa・s以下の範囲内となっている状態で熱処理が行われる。
また、制御部90は、検出部80の検出結果に基づいて、調整機構70を制御する。詳しくは、制御部90は、管ガラスG3に偏肉が生じている場合には、管状ガラスG2の周方向における位置ごとの放熱量に差を設ける。
より詳しくは、制御部90は、管ガラスG3に偏肉が生じている場合には、第2温調装置72の第1温調部721及び第2温調部722の設定温度に差を設けるとともに、第3温調装置73の第1温調部731及び第2温調部732の設定温度に差を設ける。さらに、制御部90は、第2温調装置72及び第3温調装置73において、高温側となる温調部が管状ガラスG2の厚肉部分を向くとともに、低温側となる温調部が管状ガラスG2の薄肉部分を向くように、第2温調装置72及び第3温調装置73を周方向に回転させる。こうして、制御部90は、管状ガラスG2の厚肉部分の温度を上昇させるとともに、管状ガラスG2の薄肉部分の温度を低下させるように、管状ガラスG2を熱処理させる。
さらに、制御部90は、厚肉部分及び薄肉部分の肉厚差が大きい場合には、厚肉部分及び薄肉部分の肉厚差が小さい場合よりも、第2温調装置72における第1温調部721及び第2温調部722の設定温度の差を大きくし、第3温調装置73における第1温調部731及び第2温調部732の設定温度の差を大きくする。つまり、制御部90は、管ガラスG3に生じている偏肉が大きいほど、管状ガラスG2の厚肉部分の温度が上昇するとともに、管状ガラスG2の薄肉部分の温度が低下するように、管状ガラスG2を熱処理させる。このとき、第2温調装置72の第1温調部721及び第2温調部722の設定温度の差は、第3温調装置73の第1温調部731及び第2温調部732の設定温度の差と等しくもよいし、異なっていてもよい。上記設定温度の差は、管ガラスG3の形状及び材質によって適宜決定されることが好ましい。
ところで、製造工程を経る中で、管状ガラスG2の軸方向に延びる軸線回りに管状ガラスG2が回転する場合には、制御部90は、管状ガラスG2の軸線回りの回転を考慮して、調整機構70を制御することが好ましい。すなわち、第2領域A2及び第3領域A3の通過時と比較して、検出部80の検出領域の通過時に、管状ガラスG2及び管ガラスG3が軸方向に延びる軸線回りに回転している場合には、当該周方向における回転量が考慮されることが好ましい。
例えば、第2領域A2及び第3領域A3の通過時と、検出部80の検出領域の通過時とで、管状ガラスG2及び管ガラスG3が時計方向に90度回転する場合を想定する。さらに、検出部80が、検出領域において、製造装置10の12時方向の管ガラスG3の肉厚が最大となり、製造装置10の6時方向の管ガラスG3の肉厚が最小となることを検出したとする。この場合、制御部90は、第2温調装置72及び第3温調装置73の高温側の温調部が9時方向に位置するとともに、第2温調装置72及び第3温調装置73の低温側とした温調部が3時方向に位置するように、第2温調装置72及び第3温調装置73を回転させる。
第1実施形態の作用について説明する。
詳しくは、図1〜図5を参照して、管ガラスG3の製造時における調整機構70の作用について説明する。なお、図2〜図5は、第2温調装置72及び第3温調装置73と第2領域A2及び第3領域A3と第2領域A2及び第3領域A3を通過する管状ガラスG2との断面を示している。また、図2〜図5は、説明理解の容易のために、管状ガラスG2を大きく図示している。
図1に示すように、第1実施形態の製造装置10は、導出部40において、溶融ガラスG1を管状に成形する成形工程が実施され、検出部80において、管ガラスG3の周方向における肉厚の変化を検出する検出工程が実施され、調整機構70において、管状ガラスG2を熱処理して管状ガラスG2及び管ガラスG3の寸法を調整する調整工程が実施される。ここで、調整工程は、成形工程の後工程であるとともに検出工程の前工程である。以下、調整工程について詳しく説明する。
図2に示すように、管状ガラスG2に偏肉が発生する場合を想定する。言い換えれば、管ガラスG3に偏肉が発生する場合を想定する。この場合、図3に示すように、第2温調装置72及び第3温調装置73の第1温調部721,731が管状ガラスG2の厚肉部分G21と対向するとともに、第2温調装置72及び第3温調装置73の第2温調部722,732が管状ガラスG2の薄肉部分G22と対向するように、第2温調装置72及び第3温調装置73が回転する。さらに、第2温調装置72において、第1温調部721が第2温調部722よりも設定温度が高温となり、第3温調装置73において、第1温調部731が第2温調部732よりも設定温度が高温となる。
その結果、管状ガラスG2の厚肉部分G21の放熱量が管状ガラスG2の薄肉部分G22の放熱量よりも小さくなる。このため、管状ガラスG2の厚肉部分G21の温度が上昇し、管状ガラスG2の薄肉部分G22の温度が低下する。すると、管状ガラスG2の厚肉部分G21が管引部50によって軸方向に延伸されやすくなり、管状ガラスG2の厚肉部分G21が薄くなる。その結果、今後新たに成形される管ガラスG3の偏肉が解消される。
ここで、第3温調装置73における第1温調部731と第2温調部732との設定温度差ΔT3は、第2温調装置72における第1温調部721と第2温調部722との設定温度差ΔT2よりも小さくなるように設定してもよい。このように管状ガラスG2の粘度が低い上流側において、より大きな温度差を生じさせることにより、早期に偏肉を調整可能とするとともに、下流側においては管状ガラスG2の周方向の温度差を小さくし、周方向に偏った応力や歪が残存することを抑制できる。
なお、第2温調装置72によって第2領域A2において既に管状ガラスG2の偏肉が解消されている場合、第3温調装置73における設定温度差ΔT3はゼロとしてもよい。
また、上記の調整工程の処理では、第2温調装置72および第3温調装置73が一体的に回転される場合を一例として説明したが、第2温調装置72の回転量と第3温調装置73の回転量に差を設けてもよい。すなわち、管状ガラスG2の軸方向から見て、第1温調部721,731が周方向にずれた位置に配置され、第2温調部722,732が周方向にずれた位置に配置されてもよい。
具体的には、図4及び図5に示すように、第2温調装置72の第1温調部721を3時方向に配置するのに対して第3温調装置73の第1温調部731を5時方向に配置させ、第2温調装置72の第2温調部722を9時方向に配置するのに対して第3温調装置73の第2温調部732を11時方向に配置させてもよい。例えば、管状ガラスG2が軸方向回りにねじれながら引き出されている場合、下流に進むに従い厚肉部分G21および薄肉部分G22の位置が周方向に回転して変動する。このような場合に、軸方向に変動する厚肉部分G21および薄肉部分G22の位置に応じて、第2温調装置72の回転量と第3温調装置73の回転量を変動させることによって、管ガラスG3の寸法精度をより向上可能である。
第1実施形態の効果について説明する。
(1)管ガラスの製造方法は、管状ガラスG2の周方向における位置ごとの放熱量に差を設けることで、管状ガラスG2の偏肉などの形状を調整する。詳しくは、管ガラスの製造方法は、周方向に並ぶ第1温調部721,731の設定温度及び第2温調部722,732の設定温度を個別に設定することで、管ガラスG3の寸法を調整する。こうして、管ガラスの製造方法は、管ガラスG3の製造時に、製造装置10の構成部品の位置関係を調整する必要がない点で、早期に管ガラスG3の製造を開始できる。したがって、管ガラスの製造方法は、管ガラスG3の製造時に、製造歩留まりの低下を抑制できる。
(2)管ガラスの製造方法は、管状ガラスG2の軸方向における位置ごとの放熱量に差を設けることで、管状ガラスG2の寸法を調整する。詳しくは、管ガラスの製造方法は、軸方向に並ぶ第1温調部721及び第2温調部722の設定温度と、第1温調部731及び第2温調部732の設定温度と、を個別に設定することで、管ガラスG3の寸法を調整する。こうして、管ガラスの製造方法は、管ガラスG3の寸法をより詳細に調整できる。
(3)管ガラスの製造方法は、検出部80によって検出される管ガラスG3の周方向における肉厚の変化に基づいて、管状ガラスG2の周方向における位置ごとの放熱量を変化させる。つまり、管ガラスの製造方法は、管状ガラスG2の温度を管ガラスG3の肉厚の変化に適した温度にできる。
(4)管ガラスの製造方法は、管状ガラスG2の厚肉部分の温度を上昇させるとともに、管状ガラスG2の薄肉部分の温度を低下させるように、管状ガラスG2を熱処理する。こうして、管ガラスの製造方法は、管状ガラスG2の厚肉部分を薄くして、新たに製造される管ガラスG3の偏肉を解消できる。
(5)管ガラスの製造方法は、成形工程を実施した後に調整工程を実施する。このため、管ガラスの製造方法は、溶融ガラスG1から成形後の管状ガラスG2に対して寸法調整のための熱処理を行うことができる。
(6)第1温調部721,731及び第2温調部722,732が固定配置される場合、第1温調部721,731及び第2温調部722,732の一方の温調部が管状ガラスG2の厚肉部分を向き、他方の温調部が管状ガラスG2の薄肉部分を向くとは限らない。この点、製造装置10は、第1温調部721,731及び第2温調部722,732を周方向に回転させることで、第1温調部721,731及び第2温調部722,732の一方の温調部を管状ガラスG2の厚肉部分に対向させ、他方の温調部を管状ガラスG2の薄肉部分に対向させることができる。こうして、製造装置10は、管ガラスG3に偏肉が発生している場合に、周方向における第1温調部721,731及び第2温調部722,732の配置を管ガラスG3の偏肉をより抑制できる配置にできる。
(第2実施形態)
第2実施形態の管ガラスの製造装置(以下、「製造装置」とも言う。)について説明する。第2実施形態では、第1実施形態と共通する構成について第1実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。
図6に示すように、製造装置10Aは、溶融ガラスG1を供給する溶融ガラス供給部20と、気体を供給する気体供給部30と、溶融ガラス供給部20から供給された溶融ガラスG1を鉛直下方に導出する導出部40と、を備える。また、製造装置10Aは、導出部40から導出される管状ガラスG2を管引する管引部50と、管引された管状ガラスG2を所定の長さの管ガラスG3に切断する切断部60と、を備える。さらに、製造装置10Aは、管状ガラスG2の寸法を調整する調整機構70Aと、切断済みの管ガラスG3の偏肉状態を検出する検出部80と、検出部80の検出結果に基づいて調整機構70Aを制御する制御部90Aと、を備える。
第2実施形態では、溶融ガラスG1から管状に成形された比較的高温のガラスを「管状ガラスG2」と言い、管状ガラスG2が冷却された後に所定の長さに切断されたガラスを「管ガラスG3」と言う。第2実施形態では、溶融ガラスG1が「ガラス融体」の一例に相当し、管ガラスG3が「ガラス体」の一例に相当する。
調整機構70Aは、軸方向に並ぶように配置される第1温調装置71、第2温調装置72、第3温調装置73、第4温調装置74及び第5温調装置75と、第1温調装置71、第2温調装置72、第3温調装置73、第4温調装置74及び第5温調装置75を周方向に回転させる駆動部76と、を備える。
第4温調装置74及び第5温調装置75は、第1温調装置71と同様に、導出部40の周囲を囲うように配置される。第4温調装置74は、第1温調装置71と軸方向に隣り合う位置に配置され、第5温調装置75は、第4温調装置74と軸方向に隣り合う位置に配置される。第1温調装置71、第4温調装置74及び第5温調装置75の中で、第1温調装置71は、溶融ガラスG1の流れる方向において最も下流側に配置され、第5温調装置75は、溶融ガラスG1の流れる方向において最も上流側に配置される。つまり、第4温調装置74は、軸方向において、第1温調装置71及び第5温調装置75の間に位置している。
以降の説明では、第4温調装置74と導出部40との間の領域を第4領域A4とし、第5温調装置75と導出部40との間の領域を第5領域A5とする。また、導出管41において、第1温調装置71、第4温調装置74及び第5温調装置75と対向する部分を「導出管41の下流部分411」ともいう。
第4温調装置74は、導出管41の下流部分411の周囲を囲うように周方向に並ぶように配置される第1温調部741及び第2温調部742を有する。同様に、第5温調装置75は、導出管41の下流部分411の周囲を囲うように周方向に並ぶように配置される第1温調部751及び第2温調部752を有する。
第1温調部741,751及び第2温調部742,752は、半円管状をなす。第1温調部711,741,751及び第2温調部712,742,752は、導出管41の下流部分411の周囲を囲っている点で、導出管41の下流部分411を流れる溶融ガラスG1の周囲に配置されているということもできる。第1温調部741,751及び第2温調部742,752は、設定温度を個別に設定可能に構成される。第1温調部741,751及び第2温調部742,752は、例えば、赤外線ヒータとしてもよいし、導出部40又は管状ガラスG2の周囲の領域の温度を調整するヒータとしてもよい。
第1温調部711,741,751及び第2温調部712,742,752において、設定温度が高いほど、第1温調部711,741,751及び第2温調部712,742,752と対向する部位の温度が高くなる。つまり、設定温度が高いほど、導出管41の下流部分411の温度が高くなり、導出管41の下流部分411を流れる溶融ガラスG1の温度が高くなる。その結果、設定温度が高いほど、導出管41から流下する溶融ガラスG1の流量が増大する。
第2実施形態では、溶融ガラスG1の導出方向に進むに連れて、溶融ガラスG1の温度が次第に低くなるように、第1温調部711,741,751及び第2温調部712,742,752が駆動される。すなわち、第1温調部711,741,751及び第2温調部712,742,752が駆動されることによる溶融ガラスG1の吸熱量よりも、溶融ガラスG1の放熱量の方が大きくなる。
駆動部76は、第1温調装置71、第2温調装置72、第3温調装置73、第4温調装置74及び第5温調装置75を周方向に回転させる。駆動部76は、第1温調装置71、第2温調装置72、第3温調装置73、第4温調装置74及び第5温調装置75を個別に回転できるように構成してもよいし、まとめて回転できるように構成してもよい。
そして、調整機構70Aは、導出管41の下流部分411の周方向及び軸方向の位置ごとの放熱量を変化させて、導出管41の下流部分411の周方向及び軸方向の位置ごとの温度を変化させる。言い換えれば、調整機構70Aは、導出管41の下流部分411を流れる溶融ガラスG1の周方向及び軸方向の位置ごとの放熱量を変化させて、導出管41の下流部分411を流れる溶融ガラスG1の周方向及び軸方向の位置ごとの温度を変化させる。こうして、調整機構70Aは、管ガラスG3の寸法を調整する。
制御部90Aは、第1温調装置71、第2温調装置72、第3温調装置73、第4温調装置74及び第5温調装置75を制御する。詳しくは、制御部90Aは、第1温調装置71、第4温調装置74及び第5温調装置75の第1温調部711,741,751及び第2温調部712,742,752を個別に制御し、導出管41の下流部分411を流れる溶融ガラスG1の温度及び粘度を調整する。
第2実施形態では、制御部90Aは、導出管41の下流部分411を流れる溶融ガラスG1の温度が「軟化点+150℃」以上「軟化点+300℃」以下の範囲に収まるように、第1温調装置71、第4温調装置74及び第5温調装置75を制御することが好ましい。言い換えれば、第2実施形態では、温度が「軟化点±150℃」の範囲内となっている溶融ガラスG1の一部分に対して、管ガラスG3の寸法を調整するための熱処理が行われる。
また、第2実施形態では、制御部90Aは、導出管41の下流部分411を流れる溶融ガラスG1の粘度が104.21dPa・s以上106.11dPa・s以下の範囲内の収まるように、第1温調装置71、第4温調装置74及び第5温調装置75を制御することが好ましい。言い換えれば、第2実施形態では、粘度が104.21dPa・s以上106.11dPa・s以下の範囲内となっている溶融ガラスG1の一部分に対して、管ガラスG3の寸法を調整するための熱処理が行われる。
また、制御部90Aは、検出部80の検出結果に基づいて、調整機構70Aを制御する。詳しくは、制御部90Aは、管ガラスG3に偏肉が生じている場合には、溶融ガラスG1の周方向における位置ごとの放熱量に差を設ける。
より詳しくは、制御部90Aは、管ガラスG3に偏肉が生じている場合には、第1温調装置71の第1温調部711及び第2温調部712の設定温度に差を設け、第4温調装置74の第1温調部741及び第2温調部742の設定温度に差を設け、第5温調装置75の第1温調部751及び第2温調部752の設定温度に差を設ける。さらに、制御部90Aは、第1温調装置71、第4温調装置74及び第5温調装置75において、高温側となる温調部が、管ガラスG3の薄肉部分となる溶融ガラスG1が流れる導出管41の外壁を向くように、第1温調装置71、第4温調装置74及び第5温調装置75を周方向に回転させる。つまり、制御部90Aは、第1温調装置71、第4温調装置74及び第5温調装置75において、低温側となる温調部が、管ガラスG3の厚肉部分となる溶融ガラスG1が流れる導出管41の外壁を向くように、第1温調装置71、第4温調装置74及び第5温調装置75を周方向に回転させる。
例えば、導出管41の3時方向の部位を流れる溶融ガラスG1が管ガラスG3の厚肉部分となり、導出管41の9時方向の部位を流れる溶融ガラスG1が管ガラスG3の薄肉部分となる場合を想定する。この場合、高温側となる温調部が導出管41の9時方向の外壁を向き、低温側となる温調部が導出管41の3時方向の外壁を向くように、第1温調装置71、第4温調装置74及び第5温調装置75が周方向に回転する。
こうして、制御部90Aは、管ガラスG3の厚肉部分を形成する溶融ガラスG1が流れる導出管41の外壁の温度を低下させることにより、溶融ガラスG1における管ガラスG3の厚肉部分となる部位の温度を低下させる。また、制御部90Aは、管ガラスG3の薄肉部分を形成する溶融ガラスG1が流れる導出管41の外壁の温度を上昇させることにより、溶融ガラスG1における管ガラスG3の薄肉部分となる部位の温度を上昇させる。
さらに、制御部90Aは、厚肉部分及び薄肉部分の肉厚差が大きい場合には、厚肉部分及び薄肉部分の肉厚差が小さい場合よりも、第1温調装置71における第1温調部711及び第2温調部712の設定温度の差を大きくする。同様に、制御部90Aは、第4温調装置74における第1温調部741及び第2温調部742の設定温度の差を大きくし、第5温調装置75における第1温調部751及び第2温調部752の設定温度の差を大きくする。つまり、制御部90Aは、管ガラスG3に生じている偏肉が大きいほど、溶融ガラスG1における管ガラスG3の厚肉部分となる部位の温度を低下させたり、溶融ガラスG1における管ガラスG3の薄肉部分となる部位の温度を上昇させたりする。
このとき、第1温調装置71の第1温調部711及び第2温調部712の設定温度の差と、第4温調装置74の第1温調部741及び第2温調部742の設定温度の差と、第5温調装置75の第1温調部751及び第2温調部752の設定温度の差と、は等しくもよいし、異なっていてもよい。また、製造工程を経る中で、管状ガラスG2が軸線回りに回転する場合には、制御部90Aは、第1実施形態と同様に、管状ガラスG2の軸線回りの回転を考慮して、調整機構70Aを制御することが好ましい。
第2実施形態の作用について説明する。
詳しくは、図6〜図9を参照して、管ガラスG3の製造時における調整機構70Aの作用について説明する。なお、図7〜図9は、第4温調装置74と、導出管41の下流部分411と、当該下流部分411を流れる溶融ガラスG1と、を図示している。また、図7及び図9では、説明理解の容易のために導出管41を大きく図示している。以降の説明では、主に第4温調装置74について説明するが、第1温調装置71及び第5温調装置75についても同様である。
図6に示すように、第2実施形態の製造装置10Aは、導出部40において、溶融ガラスG1を管状に成形する成形工程が実施され、検出部80において、管ガラスG3の周方向における肉厚の変化を検出する検出工程が実施され、調整機構70Aにおいて、溶融ガラスG1を熱処理して管ガラスG3の寸法を調整する調整工程が実施される。ここで、調整工程は、成形工程で行われる工程であるとともに検出工程の前工程である。この点で、成形工程は、調整工程を含んでいるといえる。
以下、成形工程及び調整工程について詳しく説明する。
図7は、成形工程を開始する際の第4温調装置74の第1温調部741及び第2温調部742の配置を示している。成形工程を開始する際には、第4温調装置74の第1温調部741及び第2温調部742の設定温度が同じ温度に設定される。
そして、図8に示すように、成形工程を開始した直後に製造される管ガラスG3には、偏肉が発生する場合がある。このとき、図7及び図8に示すように、導出管41の3時方向の部位を流れる溶融ガラスG1の第1部分G11が管ガラスG3の厚肉部分G31となり、導出管41の9時方向の部位を流れる溶融ガラスG1の第2部分G12が管ガラスG3の薄肉部分G32となる場合を想定する。
この場合、図9に示すように、第4温調装置74の第1温調部741が導出管41を介して溶融ガラスG1の第1部分G11と対向するとともに、第4温調装置74の第2温調部742が導出管41を介して溶融ガラスG1の第2部分G12と対向するように、第4温調装置74が回転する。さらに、第4温調装置74において、第1温調部741の設定温度が第2温調部742よりも設定温度が低温となる。
その結果、溶融ガラスG1の第1部分G11が流れる導出管41の外壁の放熱量が溶融ガラスG1の第2部分G12が流れる導出管41の外壁の放熱量よりも大きくなる。このため、溶融ガラスG1の第1部分G11が流れる導出管41の外壁の温度が低下し、溶融ガラスG1の第2部分G12が流れる導出管41の外壁の温度が上昇する。その結果、溶融ガラスG1の第1部分G11の温度が低下し、溶融ガラスG1の第2部分G12の温度が上昇する。
すると、溶融ガラスG1の第1部分G11の粘度が上昇する点で溶融ガラスG1の第1部分G11の流量が減少し、溶融ガラスG1の第1部分G11の粘度が低下する点で溶融ガラスG1の第2部分G12の流量が増大する。すると、溶融ガラスG1の第1部分G11からなる部位である管ガラスG3の厚肉部分G31が薄くなり、溶融ガラスG1の第2部分G12からなる部位である管ガラスG3の薄肉部分G32が厚くなる。その結果、今後新たに成形される管状ガラスG2及び管ガラスG3の偏肉が解消される。
第2実施形態の効果について説明する。
第2実施形態の製造装置10Aは、調整工程において、管ガラスG3の寸法調整のための熱処理の対象となるガラスが管状ガラスG2ではなく溶融ガラスG1である点を除き、第1実施形態の製造装置10の効果と同等の効果を得ることができる。
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・ガラス体は、棒状のガラス体であってもよい。この場合であっても、ガラス体の製造方法は、溶融ガラスG1及び棒状に成形済みの棒状ガラスの周方向及び軸方向における位置ごとの放熱量を調整することにより、ガラス体の製造時に発生するガラス体の湾曲を抑制したり、ガラス体の径方向の潰れを抑制したりできる。また、棒状のガラス体には、糸状のガラス体が含まれるものとする。
・第1実施形態及び第2実施形態は、ベロー法又はダンナー法を採用するガラス体の製造方法及び製造装置に適用してもよい。第1実施形態は、リドロー法を採用するガラス体の製造方法及び製造装置に適用してもよい。この場合、成形工程は、溶融ガラスG1とは異なり、固化した状態のガラスである「ガラス母体」を棒状又は管状に成形することとなる。
・調整機構70において、温調装置の設置数は適宜に変更してもよい。例えば、第1実施形態において、調整機構70は、第2温調装置72のみを備えてもよいし、第3温調装置73のみを備えてもよい。また、第2実施形態において、調整機構70Aは、第4温調装置74のみを備えてもよい。
・第1温調装置71、第2温調装置72、第3温調装置73、第4温調装置74及び第5温調装置75において、温調部の設置数は適宜に変更してもよい。例えば、第3温調装置73は、周方向に3以上の温調部を有してもよい。
・調整機構70は、駆動部76を有しなくてもよい。この場合、第2温調装置72及び第3温調装置73は、設定温度を個別に設定可能な温調部を周方向に多く有することが好ましい。この変更例は、複数の温調部のうち、管状ガラスG2の厚肉部分に対向する温調部の設定温度を高くし、管状ガラスG2の薄肉部分に対向する温調部の設定温度を低くすることで、上記実施形態の効果(6)と同等の効果を得ることができる。第2実施形態の調整機構70Aについても同様である。
・上記実施形態において、調整機構70は、第1領域A1及び第2領域A2を通過するに連れて管状ガラスG2の温度が次第に低下するように、管状ガラスG2を熱処理したが、次のように管状ガラスG2を熱処理してもよい。すなわち、調整機構70は、第1領域A1及び第2領域A2を通過するに連れて管状ガラスG2の温度が次第に上昇するように、管状ガラスG2を熱処理してもよい。この場合、調整機構70は、管状ガラスG2の周方向における位置ごとの吸熱量に差が生じるように、管状ガラスG2を熱処理すればよい。第2実施形態における調整機構70Aについても同様である。
・検出部80は、冷却前の管状ガラスG2の偏肉状態を検出する構成であってもよい。例えば、検出部80は、管引前の管状ガラスG2を計測対象とすることで偏肉状態を検出してもよいし、管引後の管状ガラスG2を計測対象とすることで偏肉状態を検出してもよい。
・制御部90は、管ガラスG3に偏肉が生じている場合、管ガラスG3の薄肉部分の温度が変化しないように、管ガラスG3の厚肉部分の温度のみを上昇させる熱処理を行わせてもよい。同様に、制御部90は、管ガラスG3の厚肉部分の温度が変化しないように、管ガラスG3の薄肉部分の温度のみを低くさせる熱処理を行わせてもよい。第2実施形態における制御部90Aについても同様である。
・制御部90,90Aの実行する処理の流れは、製造装置10,10Aの作業者が行ってもよい。つまり、作業者は、検出部80の検出結果に基づいて、調整機構70の設定を変更してもよい。
・制御部90,90Aは、管ガラスG3の寸法調整を目的とする熱処理を溶融ガラスG1及び管状ガラスG2の双方に対して行なってもよい。制御部90,90Aは、熱処理を溶融ガラスG1及び管状ガラスG2の双方に対して行う場合、すなわち、第1実施形態及び第2実施形態を組み合わせて実施する場合、溶融ガラスG1に対する熱処理の内容に応じて、管状ガラスG2に対する熱処理の内容を変化させることが好ましい。
・制御部90は、管ガラスG3の材料特性によっては、第2温調装置72及び第3温調装置73において、高温側となる温調部が管状ガラスG2の薄肉部分を向くとともに、低温側となる温調部が管状ガラスG2の厚肉部分を向くように、第2温調装置72及び第3温調装置73を周方向に回転させてもよい。第2実施形態における制御部90Aについても同様である。
10,10A…管ガラスの製造装置(ガラス体の製造装置の一例)、20…溶融ガラス供給部、30…気体供給部、40…導出部、41…導出管、42…マンドレル、43…保温材、44…ノズル、45…導出口、50…管引部、60…切断部、70,70A…調整機構、71…第1温調装置、711…第1温調部、712…第2温調部、72…第2温調装置、721…第1温調部、722…第2温調部、73…第3温調装置、731…第1温調部、732…第2温調部、74…第4温調装置、741…第1温調部、742…第2温調部、75…第3温調装置、751…第1温調部、752…第2温調部、76…駆動部、80…検出部、90,90A…制御部、G1…溶融ガラス(ガラス融体の一例)、G11…溶融ガラスの第1部分、G12…溶融ガラスの第2部分、G2…管状ガラス(ガラスの一例)、G21…管状ガラスの厚肉部分、G22…管状ガラスの薄肉部分、G3…管ガラス(ガラス体の一例)、G31…管ガラスの厚肉部分、G32…管ガラスの薄肉部分。

Claims (19)

  1. 棒状又は管状のガラスを熱処理することにより寸法調整する調整工程を備える棒状又は管状のガラス体の製造方法であって、
    前記調整工程は、前記ガラスの軸線回りの周方向において、前記ガラスの吸熱量又は放熱量に差が生じるように、前記ガラスを熱処理する
    ガラス体の製造方法。
  2. 前記調整工程の前工程であって、ガラス母体又はガラス融体を棒状又は管状の前記ガラスに成形する成形工程を備え、
    前記調整工程は、温度が軟化点±150℃の範囲内となっている前記ガラスの少なくとも一部を熱処理する
    請求項1に記載のガラス体の製造方法。
  3. 前記調整工程の前工程であって、ガラス母体又はガラス融体を棒状又は管状の前記ガラスに成形する成形工程を備え、
    前記調整工程は、粘度が106.12dPa・s以上108.74dPa・s以下の範囲内となっている前記ガラスの少なくとも一部を熱処理する
    請求項1又は請求項2に記載のガラス体の製造方法。
  4. 管状の前記ガラス体の製造方法であって、
    管状の前記ガラス体の前記周方向において最も肉厚が厚い部分を厚肉部分とし、管状の前記ガラス体の前記周方向において最も肉厚が薄い部分を薄肉部分としたとき、
    前記調整工程は、前記ガラスの前記厚肉部分となる部位の温度を上昇させるとともに、前記ガラスの前記薄肉部分となる部位の温度を低下させるように、前記ガラスを熱処理する
    請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のガラス体の製造方法。
  5. 前記調整工程において、前記ガラスの周囲に前記周方向に並ぶように複数配置された温調部の設定温度を個別に設定することにより、前記ガラスの前記周方向における位置ごとの吸熱量又は放熱量を異ならしめる
    請求項1〜請求項4の何れか一項に記載のガラス体の製造方法。
  6. 前記調整工程は、前記軸線の延びる方向である軸方向において、前記ガラスの吸熱量又は放熱量に差が生じるように、前記ガラスを熱処理する
    請求項1〜請求項5の何れか一項に記載のガラス体の製造方法。
  7. 前記調整工程において、前記ガラスの周囲に前記軸方向に並ぶように複数配置された温調部の設定温度を個別に設定することにより、前記ガラスの前記軸方向における位置ごとの吸熱量又は放熱量を異ならしめる
    請求項6に記載のガラス体の製造方法。
  8. ガラス融体を熱処理することにより寸法調整する調整工程を備える棒状又は管状のガラス体の製造方法であって、
    前記ガラス融体を導出管の下端に設けられたノズルから流下させることにより、棒状又は管状の前記ガラス体を成形する成形工程を備え、
    前記成形工程は、前記導出管の軸線回りの周方向において、前記導出管を流れる前記ガラス融体の吸熱量又は放熱量に差が生じるように、前記ガラス融体を熱処理する前記調整工程を有する
    ガラス体の製造方法。
  9. 前記調整工程は、温度が軟化点+150℃以上軟化点+300℃以下の範囲内となっている前記ガラス融体の少なくとも一部を熱処理する
    請求項8に記載のガラス体の製造方法。
  10. 前記調整工程は、粘度が104.21dPa・s以上106.11dPa・s以下の範囲内となっている前記ガラス融体の少なくとも一部を熱処理する
    請求項8又は請求項9に記載のガラス体の製造方法。
  11. 管状の前記ガラス体の製造方法であって、
    管状の前記ガラス体の前記周方向において最も肉厚が厚い部分を厚肉部分とし、管状の前記ガラス体の前記周方向において最も肉厚が薄い部分を薄肉部分としたとき、
    前記調整工程は、前記ガラス融体の前記厚肉部分となる部位の温度を低下させるとともに、前記ガラス融体の前記薄肉部分となる部位の温度を上昇させるように、前記ガラス融体を熱処理する
    請求項8〜請求項10の何れか一項に記載のガラス体の製造方法。
  12. 前記調整工程において、前記導出管の周囲に前記周方向に並ぶように複数配置された温調部の設定温度を個別に設定することにより、前記ガラス融体の前記周方向における位置ごとの吸熱量又は放熱量を異ならしめる
    請求項8〜請求項11の何れか一項に記載のガラス体の製造方法。
  13. 前記調整工程は、前記軸線の延びる方向である軸方向において、前記ガラス融体の吸熱量又は放熱量に差が生じるように、前記ガラス融体を熱処理する
    請求項8〜請求項12の何れか一項に記載のガラス体の製造方法。
  14. 前記調整工程において、前記導出管の周囲に前記軸方向に並ぶように複数配置された温調部の設定温度を個別に設定することにより、前記ガラス融体の前記軸方向における位置ごとの吸熱量又は放熱量を異ならしめる
    請求項13に記載のガラス体の製造方法。
  15. 棒状又は管状のガラスを熱処理することにより寸法調整する温調装置を備える棒状又は管状のガラス体の製造装置であって、
    前記温調装置は、前記ガラスの軸線回りの周方向において、前記ガラスの吸熱量又は放熱量に差が生じるように前記ガラスを熱処理する複数の温調部を有する
    ガラス体の製造装置。
  16. 前記温調装置は、前記ガラスの周囲に前記周方向に並ぶように配置されるとともに、個別に温度調整が可能な第1温調部及び第2温調部を有する
    請求項15に記載のガラス体の製造装置。
  17. ガラス融体を熱処理することにより寸法調整する温調装置を備える棒状又は管状のガラス体の製造装置であって、
    下端にノズルが設けられた導出管を有し、前記導出管を流れる前記ガラス融体を前記ノズルから流下させることにより前記ガラス体を成形する導出部を備え、
    前記温調装置は、前記導出管の軸線回りの周方向において、前記ガラス融体の吸熱量又は放熱量に差が生じるように前記ガラス融体を熱処理する複数の温調部を有する
    ガラス体の製造装置。
  18. 前記温調装置は、前記導出管の周囲に前記周方向に並ぶように配置されるとともに、個別に温度調整が可能な第1温調部及び第2温調部を有する
    請求項17に記載のガラス体の製造装置。
  19. 前記第1温調部及び前記第2温調部を前記周方向に回転させる駆動部を備える
    請求項16又は請求項18に記載のガラス体の製造装置。
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