JP2020203571A - 車体前部構造 - Google Patents

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優大 安孫子
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優大 安孫子
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Abstract

【課題】衝突の際に発生する衝撃エネルギーの吸収量を増加できる車体前部構造を提供する。【解決手段】車体前部構造10は、傾斜部材31と、第1のクロス部材35と、衝撃吸収部材32と、を備える。第1のクロス部材は、傾斜部材の前端部の内側面に連結されている。衝撃吸収部材は、衝撃吸収部本体39と、屈曲部64と、後方延長部65と、を備える。衝撃吸収部本体は、傾斜部材の前端部31bから荷重の入力方向に対向して突出している。後方延長部は、屈曲部から傾斜部材の前端部に沿って延びて外側面に接続されている。屈曲部は、荷重の入力方向に対して交差する方向において第1のクロス部材と重なるように配置され、第1のクロス部材に向けて突出している。【選択図】図6

Description

本発明は、車体前部構造に関する。
車体前部構造のなかには、例えば、両側のフロントサイドフレームの前端部から衝撃吸収部材を車幅方向の外側に傾斜させた状態において車体前方に延ばし、両側の衝撃吸収部材にフロントバンパビームが架け渡されたものがある。衝撃吸収部材には車幅方向の内側に補強部が設けられている。よって、例えば、フロントバンパビームの端部に斜め方向からの衝突により荷重が入力した場合に、衝撃吸収部材が車幅方向の内側に倒れることを防止する。これにより、入力した荷重により衝撃吸収部材を軸圧壊で潰すように変形させて衝撃エネルギーを吸収する(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−76476号公報
ここで、特許文献1の車体前部構造は、衝撃吸収部材が車幅方向の内側に倒れることを防止してまでも入力した荷重により衝撃吸収部材を軸圧壊で潰すが、今後、車体前部の衝撃吸収量を増加させようとすると、衝撃吸収構造の多様化が望まれる。
本発明は、衝突の際に発生する衝撃エネルギーの吸収量を増加できる車体前部構造を提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る車体前部構造(例えば実施形態の車体前部構造10)は、荷重の入力側に前端部(例えば実施形態の前端部31b,102a)が配置された傾斜部材(例えば実施形態の傾斜部材31,102)と、前記前端部の内側面から前記傾斜部材に対して交差する方向に延びる横部材(例えば実施形態の第1のクロス部材35、第1の横部材103)と、前記前端部に設けられた衝撃吸収部材(例えば実施形態の衝撃吸収部材32,105)と、を備え、前記衝撃吸収部材は、前記前端部から前記荷重の入力方向に対向して突出する衝撃吸収部本体(例えば実施形態の衝撃吸収部本体39,112)と、前記衝撃吸収部本体から前記前端部の外側面まで延びる屈曲部(例えば実施形態の屈曲部64,113)と、前記屈曲部から前記前端部に沿って延びて前記外側面に接続された後方延長部(例えば実施形態の後方延長部65,114)と、を有し、前記屈曲部は、前記荷重の入力方向に対して交差する方向において前記横部材と重なるように配置され、前記横部材に向けて突出されている。
(1)の態様によれば、先ず、入力した荷重により、衝撃吸収部本体を軸圧壊により潰すことにより、衝撃エネルギーを吸収する。次いで、衝撃吸収部本体が潰れた後、屈曲部を変形させることにより、衝撃吸収部材の角度が縮小変形して屈曲部を横部材へ向けて押し付ける。
ここで、屈曲部は、横部材に向けて突出され、荷重の入力方向に対して交差する方向において横部材と重なるように配置されている。よって、屈曲部による押付力が傾斜部材の前端部を経て横部材の端部に作用する。作用する押付力で横部材の端部を変形させることにより、衝撃エネルギーを吸収する。
このように、衝撃吸収部本体を潰して衝撃エネルギーを吸収した後、横部材を変形させて連続的に衝撃エネルギーを吸収することにより、衝撃エネルギーの吸収量を増加できる。
(2)上記(1)の態様に係る車体前部構造において、前記傾斜部材(例えば実施形態の傾斜部材31)は、ダンパベース(例えば実施形態のダンパベース15)から車体前方かつ車幅方向の内側に延びて折れ部(例えば実施形態の第1折れ部45、第2折れ部46)を有し、前記衝撃吸収部本体(例えば実施形態の衝撃吸収部本体39)は、前記傾斜部材の前端部から車幅方向の内側に傾斜するように突出されていてもよい。
(2)の態様によれば、例えば、フルラップ前面衝突により衝撃吸収部本体の前端部に荷重が入力することにより、衝撃吸収部本体には車幅方向の内側に倒れる回転モーメントが発生する。これにより、傾斜部材の折れ部を車幅方向の外側に突出するように変形させる。さらに、変形後の衝撃吸収部本体が横部材の端部を折り曲げ、横部材が傾斜部材とともに平坦面上に変形する。これにより、フルラップ前面衝突による最大荷重ピークを抑制し、かつ、衝撃エネルギーの吸収量を増加できる。
(3)上記(1)の態様に係る車体前部構造において、前記傾斜部材(例えば実施形態の傾斜部材102)は、フロントサブフレーム(例えば実施形態のフロントサブフレーム100)の縦部材であって、車体前方かつ車幅方向の外側に延び、折れ部(例えば実施形態の第1折れ部107、第2折れ部108)を有し、前記衝撃吸収部本体(例えば実施形態の衝撃吸収部本体112)は、前記傾斜部材の前端部から車幅方向の外側に傾斜するように突出されていてもよい。
(3)の態様によれば、例えば、フルラップ前面衝突において、フロントサブフレームは、まず、衝撃吸収部本体を軸圧壊により潰すことにより、衝撃エネルギーを吸収する。衝撃吸収部本体が潰れた後、傾斜部材の折れ部を折り曲げることにより、衝撃エネルギーを吸収する。
さらに、傾斜部材の折れ部を折り曲げるとともに、屈曲部を変形させることにより、衝撃吸収部材のV字状の角度が縮小変形して屈曲部を横部材へ向けて押し付ける。屈曲部を横部材へ向けて押し付けることにより、屈曲部による押付力が傾斜部材の前端部を経て横部材の端部に作用する。作用する押付力で横部材の端部を変形させることにより、衝撃エネルギーを吸収する。
このように、衝撃吸収部本体を潰した後、傾斜部材の折れ部を折り曲げるとともに、横部材の端部を変形させることにより、車体下方に設けられるフロントサブフレームにおいても衝突エネルギーの吸収量を増加できる。
(4)上記(1)から(3)のいずれかの態様に係る車体前部構造において、前記衝撃吸収部材は、前記傾斜部材の前端部の外側面で結合し、前記屈曲部および前記後方延長部を有する延長部(例えば実施形態の延長部62)を備えていてもよい。
(4)の態様によれば、衝撃吸収部材の延長部により、衝撃吸収部材を傾斜部材の前端部に強固に連結できる。よって、衝撃吸収部材に発生する回転モーメントを増大できるとともに、延長部が車幅方向内側に倒れる(変形)ことを抑制できる。これにより、車幅方向の内側に傾斜した衝撃吸収部材に、フルラップ前面衝突による荷重が斜めに入力した場合おいて、衝撃吸収部材を軸圧壊させることが可能となりエネルギー吸収量を増加できる。
(5)上記(1)から(4)のいずれかの態様に係る車体前部構造において、前記衝撃吸収部材は、前記屈曲部を中央にして車体前後方向へ延びる稜線(例えば実施形態の稜線63)と、を有していてもよい。
(5)の態様によれば、屈曲部に稜線を形成することにより稜線で屈曲部を補強できる。よって、フルラップ前面衝突により稜線が車幅方向の内側へ向く横力を増加させることができる。これにより、発生した横力で横部材を変形させてエネルギー吸収量を増加できる。
(6)上記(2)または(3)の態様に係る車体前部構造において、前記傾斜部材は、複数の前記折れ部を有していてもよい。
(6)の態様によれば、フルラップ前面衝突により入力した荷重により、傾斜部材を複数の折れ部で折り曲げることができ、傾斜部材によるエネルギー吸収量を増加できる。
(7)上記(1)から(6)のいずれかの態様に係る車体前部構造において、前記横部材は、横部材側折れ部(例えば実施形態のクロス部材側折れ部54、横部材側折れ部109)を有していてもよい。
(7)の態様によれば、横部材に横部材側折れ部として、入力する荷重に対する脆弱部(凹み形状や低剛性部など)を設けた。よって、前記屈曲部による押付力が傾斜部材の前端部を経て横部材の端部に作用した際、作用する押付力で横部材の端部の脆弱部を変形させる。または、傾斜部材が折れ部で折れ曲るとともに、変形後の衝撃吸収部本体が横部材の端部を折り曲げる際に、横部材を横部材側折れ部から好適に折り曲げることができ、エネルギー吸収量を増加できる。
(8)上記(2)、(3)または(6)の態様に係る車体前部構造において、前記傾斜部材は、軸方向へ向けて設けられた補強部材(例えば実施形態の第1のスチフナ43)を備え、前記折れ部(例えば実施形態の第1折れ部45,107)は、前記補強部材に設けられ、前記補強部材の延在方向に対して交差するように上下方向へ延びるビード形状であってもよい。
(8)の態様によれば、補強部材(スチフナ)に折れ部を設けることにより、折れ部の剛性を好適に確保できる。これにより、入力した荷重により傾斜部材を折れ部で折り曲げる際に、補強部材によりエネルギー吸収量を増大できる。
(9)上記(2)、(3)または(6)の態様に係る車体前部構造において、前記傾斜部材は、軸方向へ向けて設けられた第1の補強部材(例えば実施形態の第1のスチフナ43)と、前記第1の補強部材に対して軸方向の車体後方側に設けられた第2の補強部材(例えば実施形態の第2のスチフナ44)と、を備え、前記折れ部(例えば実施形態の第2折れ部46,108)は、前記第1の補強部材と前記第2の補強部材とが軸方向に離間する部位であってもよい。
(9)の態様によれば、傾斜部材に第1の補強部材および第2の補強部材を離間させて設けることにより、傾斜部材を軽量にできる。また、第1の補強部材と第2の補強部材とが離間する部位を、第1の補強部材および第2の補強部材が設けられた部位に対して脆弱に形成できる。これにより、第1の補強部材と第2の補強部材とが離間する部位を、折れ部として容易に設定できる。
(10)上記(1)から(9)のいずれかの態様に係る車体前部構造において、前記傾斜部材の下方において車体前後方向へ延びるフロントサイドフレーム(例えば実施形態のフロントサイドフレーム14)と、前記フロントサイドフレームの前端部(例えば実施形態のフロントサイドフレームの前端部14c)から車幅方向の外側に延びる外部材(例えば実施形態のガセット24)と、前記外部材から前記衝撃吸収部材に延びる第1の連結部材(例えば実施形態の第1の連結部材33)と、を備えていてもよい。
(10)の態様によれば、ナローオフセット衝突によりフロントサイドフレームの外部材に荷重が入力する。よって、外部材に入力した荷重が外部材から第1の連結部材に伝えられ、第1の連結部材を経て衝撃部材に伝えられる。衝撃部材に入力した荷重で衝撃吸収部材に車幅方向の外側に倒れる回転モーメントが発生する。よって、傾斜部材を折れ部で車体後方へ向けて折り曲げることができる。これにより、ナローオフセット衝突による発生する衝撃エネルギーを吸収できる。
(11)上記(10)の態様に係る車体前部構造において、前記傾斜部材と前記フロントサイドフレームとを上下方向に連結する第2の連結部材(例えば実施形態の第2の連結部材34)を備えていてもよい。
(11)の態様によれば、ナローオフセット衝突によりフロントサイドフレームの外部材に荷重が入力することにより、入力した荷重でフロントサイドフレームを変形させることができる。フロントサイドフレームを変形させることにより、フロントサイドフレームの変形とともに第2の連結部材が車体後方に移動する。第2の連結部材が車体後方に移動することにより、傾斜部材も変形させることができる。このように、傾斜部材を第2の連結部材で変形させることにより、ナローオフセット衝突による発生する衝撃エネルギーを一層良好に吸収できる。
本発明の車体側部構造によれば、衝撃吸収部本体を潰して衝撃エネルギーを吸収した後、横部材を変形させて衝撃エネルギーを吸収することにより、衝突の際に発生する衝撃エネルギーの吸収量を増加できる。
本発明に係る第1実施形態の車体前部構造を示す斜視図である。 第1実施形態の車体前部構造を示す平面図である。 第1実施形態の第2の骨格部材の主な部材を示す斜視図である。 第1実施形態の第2の骨格部材の傾斜部材および第2のクロス部材の取付状態を示す斜視図である。 図2のV部を拡大した平面図である。 図3のVI部を拡大した斜視図である。 第1実施形態の傾斜部材からアウタパネルを外した斜視図である。 図1のVIIIを拡大した斜視図である。 第1実施形態の第2の連結部材を示す斜視図である。 第1実施形態の第2のクロス部材を示す斜視図である。 第1実施形態の衝撃吸収部本体にフルラップ前面衝突により荷重が入力する例を説明する平面図である。 (a)は、第1実施形態の衝撃吸収部本体が衝突変形後に第1のクロス部材の端部に重なるように変形する例を説明する平面図である。(b)は、第1実施形態の傾斜部材を折り曲げる例を説明する平面図である。 第1実施形態の第2の骨格部材でフルラップ前面衝突の衝撃エネルギーを吸収する例を説明するグラフである。 (a)は、第1実施形態のバンパビームエクステンションのガセットにナローオフセット衝突により荷重が入力する例を説明する平面図である。(b)は、第1実施形態のガセットから第1の連結部材に荷重が入力する例を説明する平面図である。 (a)は、第1実施形態のフロントサイドフレームから第2の連結部材に荷重が入力する例を説明する平面図である。(b)は、第1実施形態の傾斜部材が変形した例を説明する斜視図である。 本発明に係る第2実施形態の車体前部構造に備えられたフロントサブフレームを示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、実施形態の図面において、矢印FRは車両1の前方を示し、矢印UPは車両1の上方を示し、矢印LHは車両1の左方を示す。
(第1実施形態)
図1は、車両1の車体前部構造10を示す斜視図である。図2は、図1の車体前部構造10を示す平面図である。
図1、図2に示すように、車両1は、例えばハイブリッド自動車や電気自動車等の電動車両である。車両1は、車体の前部にモータルーム2等を形成する車体前部構造10を備えている。モータルーム2は、ダッシュボード4により車室6に対して区画されている。
[車体前部構造]
車体前部構造10は、概ね左右対称の構成であり、以下、左右両側の構成部材に同じ符号を付して右側の構成の詳しい説明を省略する。
車体前部構造10は、車体前部構造10の主な骨格を構成する第1の骨格部材11と、第1の骨格部材11に接続された第2の骨格部材12と、を備えている。
<第1の骨格部材>
第1の骨格部材11は、フロントサイドフレーム14と、ダンパベース15と、アッパメンバ16と、バンパビームエクステンション17と、を車両1の両側に備えている。さらに、第1の骨格部材11は、フロントバンパビーム18を備えている。
フロントサイドフレーム14は、車幅方向の両側に間隔をおいて設けられている。フロントサイドフレーム14は、車体前後方向に延びることにより、車体両側の前下部において骨格を形成する部材である。フロントサイドフレーム14は、第1フレーム折れ部14aと、第2フレーム折れ部14bと、第3フレーム折れ部(図示せず)と、と有する。第1フレーム折れ部14a、第2フレーム折れ部14b、および第3フレーム折れ部は、車体後方へ向けて順に形成されている。
フロントサイドフレーム14は、前端部14cに荷重が車体前方から入力した際に、第2フレーム折れ部14bを車幅方向の外側に折り曲げる。つぎに、第1フレーム折れ部14aおよび第3フレーム折れ部を車幅方向の内側に折り曲げることにより衝撃エネルギーを吸収する。
フロントサイドフレーム14は、後述する傾斜部材31の下方に配置されている。フロントサイドフレーム14の基端部がアウトリガー19を介してサイドシル21に接続されている。サイドシル21の前端部にフロントピラー22が立設されている。
また、フロントサイドフレーム14の基端部にはダンパベース15が立設されている。ダンパベース15は、車幅方向の両側に間隔をおいて設けられている。ダンパベース15は、モータルーム2の外側が凹状に形成され、図示しないダンパ(ショックアブソーバ)が内部に配置されている。ダンパベース15の頂部にダンパの上端部が支持されている。ダンパベース15の上外側部にアッパメンバ16が設けられている。
アッパメンバ16は、車幅方向の両側に間隔をおいて設けられ、フロントピラー22からダンパベース15の上外側部を経て車体前方へ向けて延びている。アッパメンバ16は、ダンパベース15の頂部を超えた部位からフロントサイドフレーム14の前端部14cの外側まで車体前下方へ延びている。前端部14cから車幅方向の外側に張出部14dが張り出されている。張出部14dにアッパメンバ16の前端部16aが接続されている。
アッパメンバ16は、フロントサイドフレーム14の車幅方向の外側において骨格を形成する部材である。フロントサイドフレーム14の前端部14c、張出部14dおよびアッパメンバ16の前端部16aにバンパビームエクステンション17が接続されている。
バンパビームエクステンション17は、車幅方向の両側に間隔をおいて設けられ、フロントサイドフレーム14の前端部14cおよびアッパメンバ16の前端部16aから車体前方に突出されている。バンパビームエクステンション17は、前端部17aに荷重が車体前方から入力した際に、車体後方へ潰すことにより衝撃エネルギーを吸収する。
バンパビームエクステンション17は、基端部から車幅方向の外側に向けて突出するガセット(外部材)24を有する。すなわち、ガセット24は、フロントサイドフレーム14の前端部14cから車幅方向の外側に延びている。
両側のバンパビームエクステンション17の前端部17aにフロントバンパビーム18が車幅方向に架け渡されている。また、アッパメンバ16、ダンパベース15、およびガセット24などに第2の骨格部材12が接続されている。
<第2の骨格部材>
図3は、第2の骨格部材12の主な部材を示す斜視図である。
図2、図3示すように、第2の骨格部材12は、傾斜部材31と、衝撃吸収部材32と、第1の連結部材33と、第2の連結部材34(図1も参照)と、を車両1の両側に備えている。さらに、第2の骨格部材12は、第1のクロス部材(横部材)35と、第2のクロス部材36と、を備えている。
第2の骨格部材12のうち、第1のクロス部材35、両側の傾斜部材31、および両側の第1の連結部材33により、門形(逆U形)の枠部が形成される。枠部には、例えば、コンデンサ(図示せず)などの熱交換器が支持される。
図4は、第2の骨格部材12の傾斜部材31および第2のクロス部材36の取付状態を示す斜視図である。
図2、図4に示すように、傾斜部材31は、車幅方向の両側に間隔をおいて傾斜状に設けられている。傾斜部材31は、基端部31a(すなわち、後述する第1折れ部45および第2折れ部46の軸方向の後方部位)がダンパベース15とアッパメンバ16との間(境界)に挟持されている。傾斜部材31は、ダンパベース15から車体前方へ向けて車幅方向の内側へ傾斜するように延びている。
傾斜部材31は、荷重の入力側に前端部31bが配置されている。前端部31bは、第1のクロス部材35および衝撃吸収部材32に連結されている。
このように、傾斜部材31の基端部31aをダンパベース15とアッパメンバ16との間に挟持することにより、基端部31aの支持剛性が高められている。また、傾斜部材31は、基端部31a寄りの部位31cがブラケット38でダンパベース15に連結されている。よって、基端部31a寄りの部位31cの支持剛性が高められている。
図5は、図2のV部を拡大した平面図である。図6は、図3のVI部を拡大した斜視図である。図7は、傾斜部材31からアウタパネル42を外した斜視図である。
図5〜図7に示すように、傾斜部材31は、インナパネル41と、アウタパネル42と、第1のスチフナ(第1の補強部材)43と、第2のスチフナ(第2の補強部材)44と、を備えている。
インナパネル41は、例えば、車幅方向の内側へ膨出するように断面ハット状に形成されている。アウタパネル42は、例えば、車幅方向の外側へ膨出するように断面ハット状に形成されている。インナパネル41の上辺及び下辺にアウタパネル42の上辺及び下辺が接続されることにより、傾斜部材31が矩形状の中空閉断面に形成されている。
インナパネル41の内面のうち、前端部に第1のスチフナ43が軸方向へ向けて設けられている。また、インナパネル41の内面のうち、第1のスチフナ43に対して軸方向の車体後方側に第2のスチフナ44が設けられている。
傾斜部材31は、複数の折れ部45,46を有する。複数の折れ部45,46として、例えば、第1折れ部45と、第2折れ部46と、を例に説明するが、折れ部の個数は任意に選択してもよい。
第1折れ部45は、インナパネル41のうち第1のスチフナ43の中央部に形成されている。第1折れ部45は、例えば、第1のスチフナ43の延在方向に対して交差するように上下方向へ延び、傾斜部材31の内部に膨出するようにビード形状に形成されている。すなわち、インナパネル41の表面が凹むようにビード形状に形成されている。第1折れ部45は、ビード形状に形成されることにより、他の部位に比べて脆弱部に形成されている。第1実施形態においては、第1折れ部45をインナパネル41に形成する例について説明するが、第1折れ部45をアウタパネル42に形成してもよい。
第2折れ部46は、インナパネル41のうち、第1のスチフナ43と第2のスチフナ44とが軸方向に離間する部位である。第1のスチフナ43と第2のスチフナ44とが軸方向に離間する部位を第2折れ部46とすることにより、第2折れ部46が他の部位に比べて脆弱部に形成されている。第2折れ部46は、第1折れ部45のようにビード形状に形成されていない。よって、第2折れ部46は、第1折れ部45に比べて剛性が高く形成されている。第1実施形態においては、第2折れ部46をインナパネル41に形成する例について説明するが、第2折れ部46をアウタパネル42に形成してもよい。
このように、傾斜部材31に第1のスチフナ43および第2のスチフナ44を離間させて設けることにより、傾斜部材31を軽量にできる。また、第1のスチフナ43と第2のスチフナ44とが離間する部位を、第1のスチフナ43および第2のスチフナ44が設けられた部位に比べて脆弱に形成できる。これにより、第1のスチフナ43と第2のスチフナ44とが離間する部位を、第2折れ部46として容易に設定できる。
両側の傾斜部材31の前端部31bに第1のクロス部材35の端部35aが連結されている。第1のクロス部材35は、前端部31bのうち車幅方向の内側に面する内側面から傾斜部材31に対して交差する方向(具体的には、車幅方向)に延びている。
第1のクロス部材35は、リアパネル48と、フロントパネル49と、を備えている。リアパネル48は、例えば、車体後方へ膨出するように断面ハット状に形成されている。リアパネル48は、例えば、外端部に2つの第1ビード51を有する。第1ビード51は、リアパネル48の延在方向に対して交差するように上下方向へ延びている。第1ビード51は、第1のクロス部材35の内部に膨出するように形成されることにより、他の部位に比べて脆弱部に形成されている。すなわち、リアパネル48の表面が凹むようにビード形状に形成されている。
フロントパネル49は、端部を除いた部位に車幅方向(軸線方向)へ延びる第2ビード52が形成されている。第2ビード52は、車体前方へ膨出されている。フロントパネル49は、端部が傾斜部材31の前端部31bに配置され、突片35bがアウタパネル42の前端に沿って折り曲げられている。
リアパネル48の上辺及び下辺にフロントパネル49の上辺及び下辺が接続されることにより、第1のクロス部材35が矩形状の中空閉断面に形成されている。第1のクロス部材35は、クロス部材側折れ部(横部材側折れ部)54を有する。クロス部材側折れ部54は、2つの第1ビード51と、2つの第1ビード51間の部位とにより、他の部位に比べて脆弱部に形成されている。第1ビード51の個数は任意に選択してもよい。
傾斜部材31の前端部31bに衝撃吸収部材32が設けられている。衝撃吸収部材32は、突出インナパネル56と、突出アウタパネル57と、先端キャップ部58と、を備えている。
突出インナパネル56は、断面U字状に形成され、後端部がフロントパネル49の端部に接続されている。突出インナパネル56は、例えば、フロントパネル49の外端から車体前方へ車体前後方向に対して車幅方向の内側に傾斜するように突出されている。
突出アウタパネル57は、突出部61と、延長部62と、稜線63と、を有する。突出部61は、断面U字状に形成され、上辺および下辺が突出インナパネル56の上辺および下辺に接続されている。突出部61は、例えば、突出インナパネル56と同様に、フロントパネル49の外端から車体前方へ車体前後方向に対して車幅方向の内側に傾斜するように突出されている。突出部61と突出インナパネル56とにより、衝撃吸収部材32の前部32aが矩形状の中空閉断面に形成されている。
また、突出アウタパネル57は、突出部61から延長部62が車体後方へ延びている。延長部62は、傾斜部材31の前端部31bのうち車幅方向の外側に面する外側面(すなわち、アウタパネル42の外側面)で接続(結合)されている。延長部62は、屈曲部64と、後方延長部65と、を有する。
屈曲部64は、突出アウタパネル57の突出部61(後述する衝撃吸収部本体39)から前端部31bの外側面(アウタパネル42の外側面)まで車体後方へ延びている。後方延長部65は、屈曲部64から前端部31bの外側面(すなわち、アウタパネル42の外側面)に沿って車体後方へ延びて外側面に接続(結合)されている。
ここで、屈曲部64は、第1のクロス部材35に向けて車幅方向の内側に向けて突出されている。よって、突出アウタパネル57は、突出部61、屈曲部64、および後方延長部65により平面視においてV字状に折り曲げられている。
また、屈曲部64は、荷重の入力方向に対して交差する方向において、第1のクロス部材35と重なるように第1のクロス部材35の軸心68上に配置されている。
後方延長部65は、傾斜部材31の前端部31bにおいて、アウタパネル42に接続され、膨出部位64aがアウタパネル42から車幅方向の外側に膨出されている。すなわち、アウタパネル42および膨出部位64aにより中空閉断面が形成されている。アウタパネル42の前端は、フロントパネル49の端部の突片35bに車幅方向の外側から接続されている。また、フロントパネル49の端部は、開口が形成され、開口縁を折り返したフランジ(ベロ、折曲片)35cがインナパネル41の内面に接続されている。
突出アウタパネル57には、屈曲部64を中央にして車体前後方向へ延びる稜線63が形成されている。具体的には、稜線63は、突出部61の前端から屈曲部64を経て後方延長部65の後端まで延びている。稜線63は、突出部61、屈曲部64および後方延長部65から車幅方向の外側に突出されている。これにより、屈曲部64が稜線63により補強されている。
衝撃吸収部材32の前部32aのうち、前端部に先端キャップ部58が設けられている。すなわち、衝撃吸収部材32の前部32aが先端キャップ部58で覆われている。以下、衝撃吸収部材32の前部32aおよび先端キャップ部58を、「衝撃吸収部本体39」として説明する。
衝撃吸収部本体39は、主に、突出インナパネル56がフロントパネル49の端部を介して傾斜部材31の前面に連結され、突出部61の外側部位61aが傾斜部材31の前面から車幅方向の外側に位置する。突出部61の外側部位61aは、屈曲部64に連結されている。すなわち、外側部位61aは、屈曲部64を介して、傾斜部材31の前端部31bにおける外側面(すなわち、アウタパネル42の外側面)に接合されている。
この状態において、衝撃吸収部本体39は、傾斜部材31の前端部31bから荷重の入力方向に対向して突出されている。詳しくは、衝撃吸収部本体39は、例えば、傾斜部材31の前端から車体前方へ車体前後方向に対して車幅方向の内側に傾斜するように突出されている。これにより、衝撃吸収部本体39の前端部に、例えば、フルラップ前面衝突により車体前方から荷重が入力した際に、入力した荷重で、衝撃吸収部本体39が衝突変形後の状態で第1のクロス部材35の端部35aに車体前後方向において重なるように変形する。
第1実施形態においては、衝撃吸収部本体39を衝突変形後の状態で第1のクロス部材35の端部35aに車体前後方向において重なるように変形させるために、衝撃吸収部本体39を傾斜部材31から傾斜状に突出させる例について説明するが、これに限らない。その他の例として、衝撃吸収部本体39の形状を車体前方に向けて徐々に広げるように形成してもよい。
図8は、図1のVIIIを拡大した斜視図である。
図8に示すように、衝撃吸収部本体39の前端(すなわち、先端キャップ部58(図6参照))が第1の連結部材33を介してバンパビームエクステンション17のガセット24に連結されている。第1の連結部材33は、ガセット24の上部に下端部33aが接続され、衝撃吸収部本体39の前端部に上端部33bが接続されている。すなわち、第1の連結部材33は、ガセット24の上部から衝撃吸収部本体39の前端部まで上方へ向けて車幅方向内側に傾斜状に延びている。
第1の連結部材33は、フロント連結パネル66と、リア連結パネル67と、を備えている。フロント連結パネル66は、例えば、車体前方へ膨出するように断面ハット状に形成されている。リア連結パネル67は、例えば、車体後方へ僅かに膨出する断面ハット状あるいは平坦に形成されている。フロント連結パネル66の内辺および外辺と、リア連結パネル67の内辺および外辺とが接続されることにより、第1の連結部材33が矩形状の中空閉断面に形成されている。よって、第1の連結部材33の剛性が高められている。
ここで、例えば、バンパビームエクステンション17のガセット24にナローオフセット衝突により荷重が入力することが考えられる。ガセット24に荷重が入力した際に、入力した荷重を、第1の連結部材33を経て衝撃吸収部本体39の前端部に伝えることができる。
図9は、第2の骨格部材12の第2の連結部材34を示す斜視図である。
図8、図9に示すように、傾斜部材31とフロントサイドフレーム14とが第2の連結部材34により上下方向に連結されている。第2の連結部材34は、例えば、三角形の中空閉断面に形成された連結部71と、連結部71の内部に貫通されたパイプ72と、を備えている。連結部71は、三角形の中空閉断面に形成されることにより剛性の高い部材である。連結部71は、下端部71aがフロントサイドフレーム14の途中の上部に接続され、上端部71bが傾斜部材31の途中の下部に接続されている。
パイプ72は、筒形の中空閉断面に形成されることにより剛性の高い部材である。パイプ72は、下端部72aがフロントサイドフレーム14の途中の上部に接続され、上端部72bが傾斜部材31の途中の下部に接続されている。
フロントサイドフレーム14の途中の上部は、例えば、第1フレーム折れ部14aの車体前方側の部位を示すが、これに限らない。傾斜部材31の途中の下部は、例えば、第1折れ部45と第2折れ部46との間の部位を示すが、これに限らない。
ここで、例えば、バンパビームエクステンション17のガセット24には、ナローオフセット衝突により荷重が入力する。ガセット24に入力した荷重がフロントサイドフレーム14に伝えられる。よって、フロントサイドフレーム14が第2フレーム折れ部14bを折り曲げ、つぎに第1フレーム折れ部14aおよび第3フレーム折れ部(図示せず)を折り曲げることにより変形する。
フロントサイドフレーム14が変形することにより、第2の連結部材34が車体後方に移動する。第2の連結部材34が車体後方に移動することにより、フロントサイドフレームから第2の連結部材34に入力する荷重が第2の連結部材34を経て傾斜部材31の途中に伝えられる。これにより、傾斜部材31の途中を車体後方へ変形させことにより衝撃エネルギーを吸収できる。
図10は、第2の骨格部材12の第2のクロス部材36を示す斜視図である。
図4、図10に示すように、両側のアッパメンバ16に第2のクロス部材36が架け渡されている。第2のクロス部材36は、アッパパネル74と、ロアパネル75と、を備えている。アッパパネル74は、例えば、上方へ膨出するように断面ハット状に形成されている。ロアパネル75は、例えば、下方へ僅かに膨出する断面ハット状、あるいは平坦に形成されている。アッパパネル74の前辺および後辺と、ロアパネル75の前辺および後辺とが接続されることにより、第2のクロス部材36が矩形状の中空閉断面に形成されている。
第2のクロス部材36は、ダンパベース15の上方に配置され、端部36aが下方に折り曲げられている。折り曲げられた端部36aは、アッパメンバ16の上側開口部77からアッパメンバ16の内部78に差し込まれ、上側開口部77に接続されている。これにより、両側のアッパメンバ16が、第2のクロス部材36により連結されている。
第1実施形態においては、両側のアッパメンバ16を第2のクロス部材36で連結する例について説明したが、これに限らない。その他の例として、ダンパベース15およびアッパメンバ16の両方を第2のクロス部材36で連結してもよく、アッパメンバ16を第2のクロス部材36の一方としてダンパベース15を第2のクロス部材36で連結してもよい。
両側のアッパメンバ16を第2のクロス部材36により連結する理由については後で詳しく説明する。
<フルラップ前面衝突>
つぎに、車体前部構造10にフルラップ前面衝突により車体前方から荷重が入力した際に、入力した荷重で発生する衝撃エネルギーを吸収する例を図2、図11〜図13に基づいて説明する。
図11は、衝撃吸収部本体39にフルラップ前面衝突により荷重が入力する例を説明する平面図である。図12(a)は、衝撃吸収部本体39が衝突変形後に第1のクロス部材35の端部35aに重なるように変形する例を説明する平面図である。図12(b)は、傾斜部材31を折り曲げる例を説明する平面図である。
図13は、第2の骨格部材でフルラップ前面衝突の衝撃エネルギーを吸収する例を説明するグラフである。図13において、縦軸は荷重F(kN)を示し、横軸は変形量(mm)を示す。グラフGはフルラップ前面衝突により発生する衝撃エネルギーの吸収量と荷重Fとの関係を説明するグラフである。
図2、図11に示すように、例えば、対向車両90がフロントバンパビーム18にフルラップ前面衝突する。フルラップ前面衝突により車体前方から荷重がフロントバンパビーム18に入力する。フロントバンパビーム18に入力した荷重は両側のバンパビームエクステンション17の前端部に入力する。バンパビームエクステンション17の前端部に入力した荷重でバンパビームエクステンション17が車体後方に潰される。バンパビームエクステンション17が潰されることにより、衝撃エネルギーを吸収する。
バンパビームエクステンション17が潰されることにより、バンパビームエクステンション17からフロントサイドフレーム14の前端部14cに荷重が入力する。
また、バンパビームエクステンション17が潰されることにより、対向車両90が両側の第1の連結部材33に当接する。よって、第1の連結部材33の上端部33bに入力した荷重F1が、上端部33bを経て衝撃吸収部本体39の前端部に入力する。衝撃吸収部本体39は、車体前方へ向けて車体前後方向に対して車幅方向の内側に傾斜されている。よって、衝撃吸収部本体39の前端部に荷重F1が入力することにより、衝撃吸収部本体39には車幅方向の内側に倒れる回転モーメントM1が発生する。
ここで、衝撃吸収部材32の延長部62(特に、後方延長部65)により、衝撃吸収部材32が傾斜部材31の前端部31bに強固に連結されている。よって、衝撃吸収部本体39に発生する回転モーメントM1を増大できるとともに、延長部62(特に、後方延長部65)が車幅方向内側に倒れる(変形)ことを抑制できる。これにより、車幅方向の内側に傾斜した衝撃吸収部本体39に、フルラップ前面衝突による荷重F1が斜めに入力した場合おいて、衝撃吸収部本体39を軸圧壊または折れ曲がるように潰すことによりエネルギー吸収量を増加できる(図12(a)参照)。
また、衝撃吸収部材32の突出アウタパネル57がV字状に折り曲げられ、屈曲部64が第1のクロス部材35に向けて突出されている。よって、衝撃吸収部本体39が潰れた後、屈曲部64を変形させることにより、衝撃吸収部材32のV字状の角度が縮小変形して屈曲部64を第1のクロス部材35へ向けて押し付ける。
すなわち、屈曲部64による押付力(横力)F2が、傾斜部材31の前端部31bを経て第1のクロス部材35の端部35aに作用する。作用する押付力F2で第1のクロス部材35の端部35aを変形させることにより、衝撃エネルギーを吸収する。
このように、衝撃吸収部本体39を潰して衝撃エネルギーを吸収した後、第1のクロス部材35の端部35aを変形させて衝撃エネルギーを吸収することにより、衝撃エネルギーの吸収量を増加できる。
さらに、衝撃吸収部材32には、屈曲部64を中央にして車体前後方向へ延びる稜線63が形成されている。すなわち、屈曲部64が稜線63で補強されている。よって、屈曲部64による押付力F2を稜線63で増加させることができる。これにより、屈曲部64による押付力F2で第1のクロス部材35の端部35aを一層良好に変形させてエネルギー吸収量を増加できる。
このように、衝撃吸収部本体39に入力した荷重F1(図11参照)で、衝撃吸収部本体39および第1のクロス部材35の端部35aを変形させることにより、図13のグラフGに示すように、衝撃エネルギーの吸収量を増加できる。
図12(a)、図13に示すように、衝撃吸収部本体39が軸圧壊または折れ曲がることにより、衝撃吸収部本体39が衝突変形後の状態で第1のクロス部材35の端部35aに車体前後方向において重なるように変形する。衝突変形後の衝撃吸収部本体39から第1のクロス部材35の端部35aに荷重F3が入力する。
ここで、第1のクロス部材35の端部35aには、クロス部材側折れ部54として脆弱部が設けられている。
図12(b)、図13に示すように、第1のクロス部材35の端部35aに入力した荷重F3によりクロス部材側折れ部54を車体後方へ矢印Aの如く好適に折り曲げるように変形する。
また、衝撃吸収部本体39の前端部に荷重F1(図11参照)が入力することにより、衝撃吸収部本体39には衝撃吸収部本体39が潰れるまで車幅方向の内側に倒れる回転モーメントM1(図11参照)が発生している。よって、衝撃吸収部本体39が軸圧壊または折れ曲がるように変形した後、変形後の衝撃吸収部本体39に入力する荷重F3により、傾斜部材31を第1折れ部45で車幅方向外側に矢印Bの如く折り曲げるように変形する。
このように、荷重F3で、第1のクロス部材35が傾斜部材31とともに平坦面上に変形させることにより、図13のグラフGに示すように、衝撃エネルギーを吸収でき、衝撃エネルギーの吸収量を増加できる。
ここで、傾斜部材31の第1折れ部45が第1のスチフナ43(図7参照)に設けられている。よって、第1折れ部45は、ある程度の剛性が好適に確保されている。これにより、傾斜部材31の第1折れ部45を折り曲げることにより、大きな衝撃エネルギーを吸収できる。
さらに、第1のクロス部材35が傾斜部材31とともに平坦面上に変形した後、第1のクロス部材35に入力した荷重F4で、傾斜部材31を第2折れ部46で矢印Cの如く折り曲げる。
このように、荷重F4で、傾斜部材31を第2折れ部46で折り曲げることにより、図13のグラフGに示すように、衝撃エネルギーを吸収でき、衝撃エネルギーの吸収量を増加できる。
また、傾斜部材31の基端部31aをダンパベース15とアッパメンバ16(図4参照)との間に挟持することにより、基端部31aの支持剛性が高められている。これにより、入力した荷重F3で第1折れ部45を折り曲げ、入力した荷重F4で第2折れ部46を折り曲げる際に、第1折れ部45および第2折れ部46を好適に折り曲げることができ、エネルギー吸収量を増大できる。
ここで、両側のアッパメンバ16を第2のクロス部材36(図10参照)により連結する理由について説明する。
すなわち、傾斜部材31は車体後方へ向けて徐々に広がるように配置されている(図2参照)。よって、傾斜部材31に荷重F3、荷重F4が入力することにより、傾斜部材31によりアッパメンバ16を車幅方向の外側へ押し開くような横力が作用する。そこで、アッパメンバ16を第2のクロス部材36で連結するようにした。よって、傾斜部材31からアッパメンバ16に作用する横力を第2のクロス部材36で支えることができる。
これにより、入力した荷重F3、F4により傾斜部材31を第1折れ部45および第2折れ部46で折り曲げる際に、第1折れ部45および第2折れ部46を好適に折り曲げることができ、エネルギー吸収量を増大できる。
図11〜図13で説明したように、車体前部構造10によれば、フルラップ前面衝突により入力した荷重により、衝撃吸収部本体39、第1のクロス部材35を変形させることができる。さらに、傾斜部材31を第1折れ部45および第2折れ部46の複数の折れ部で折り曲げることができる。よって、車体前部構造10にフルラップ前面衝突により車体前方から荷重が入力した際に、入力した荷重で発生する衝撃エネルギーの吸収量を第2の骨格部材12により増加できる。これにより、図13に示すように、フルラップ前面衝突による最大荷重ピークを抑制し、かつ、衝撃エネルギーの吸収量を増加できる。
<ナローオフセット衝突>
つぎに、車体前部構造10にナローオフセット衝突により車体前方から荷重が入力した際に、入力した荷重で発生する衝撃エネルギーを吸収する例を図14、図15に基づいて説明する。
図14(a)は、バンパビームエクステンション17のガセット24にナローオフセット衝突により荷重が入力する例を説明する平面図である。図14(b)は、ガセット24から第1の連結部材33に荷重が入力する例を説明する平面図である。図15(a)は、フロントサイドフレーム14から第2の連結部材34に荷重が入力する例を説明する平面図である。図15(b)は、傾斜部材31が変形した例を説明する斜視図である。
図14(a)に示すように、例えば、対向車両92が矢印Dの如く移動することにより、対向車両92がバンパビームエクステンション17のガセット24にナローオフセット衝突する。
図14(b)に示すように、ナローオフセット衝突によりバンパビームエクステンション17のガセット24に荷重F5が入力する。よって、ガセット24に入力した荷重F5が、ガセット24から第1の連結部材33に伝えられる。第1の連結部材33に伝えられた荷重F5が、第1の連結部材33を経て衝撃吸収部材32の衝撃吸収部本体39に伝えられる。
また、ガセット24に荷重F5が入力することにより、入力した荷重F5でフロントサイドフレーム14の第2フレーム折れ部14bを車幅方向の外側に折り曲げる。つぎに、第1フレーム折れ部14aおよび第3フレーム折れ部(図示せず)を車幅方向の内側に折り曲げる。
図15(a)に示すように、ガセット24に入力する荷重F5により、第1の連結部材33の下端部33aを車体後方へ移動させる。よって、衝撃吸収部本体39には車幅方向の外側に倒れる回転モーメントM2が発生する。これにより、傾斜部材31が第1折れ部45および第2折れ部46で車体後方へ向けて折り曲げられる。
また、フロントサイドフレーム14の第2フレーム折れ部14b、第1フレーム折れ部14aおよび第3フレーム折れ部(図示せず)を折り曲げることにより、フロントサイドフレーム14が車体後方へ向けて変形する。フロントサイドフレーム14を変形させることにより、フロントサイドフレーム14の変形とともに第2の連結部材34が車体後方に矢印Eの如く移動する。よって、第2の連結部材34により、傾斜部材31の途中の部位31dに車体後方(矢印E方向)に向けて移動させる力が発生する。これにより、傾斜部材31を第1折れ部45および第2折れ部46で車体後方へ向けて良好に折り曲げることができる。
図15(b)に示すように、フロントサイドフレーム14を変形させるとともに、傾斜部材31を変形させることができる。これにより、ナローオフセット衝突により発生する衝撃エネルギーの吸収量を増加できる。
(第2実施形態)
つぎに、第2実施形態として車体前部構造10に備えるフロントサブフレーム100を図16に基づいて説明する。
図16は、車体前部構造10のフロントサブフレーム100を示す斜視図である。
図16に示すように、車体前部構造10は、両側のフロントサイドフレーム14(図1参照)の下方に設けられるフロントサイドフレーム14を備えている。フロントサブフレーム100には、例えば、モータユニットなどのパワープラント、サスペンション、ステアリングユニットなどが支持される。
フロントサブフレーム100は、例えば、縦部材として車両1の両側に配置される傾斜部材102と、第1の横部材(横部材)103と、第2の横部材104と、衝撃吸収部材105と、を備えている。
傾斜部材102は、荷重の入力側に前端部102aが配置され、車体前方かつ車幅方向の外側に延びている。傾斜部材102は、前端部102a寄りの部位において、車体前方から後方へ向けて第1折れ部(折れ部)107および第2折れ部(折れ部)108が順に形成されている。傾斜部材102は、第1実施形態の傾斜部材31と同様に構成されている。
第1の横部材103は、両側の傾斜部材102の前端部102aに架け渡されることにより、前端部102aの内側面から傾斜部材102に対して交差する方向に延びている。第1の横部材103は、端部103aに横部材側折れ部109を有する。第1の横部材103は、第1実施形態の第1のクロス部材35と同様に構成されている。
第2の横部材104は、両側の傾斜部材102の後端部102bに架け渡されることにより、後端部102bの内側面から傾斜部材102に対して交差する方向に延びている。
衝撃吸収部材105は、傾斜部材102の前端部102aに設けられている。衝撃吸収部材105は、衝撃吸収部本体112と、屈曲部113と、後方延長部114と、を有している。
衝撃吸収部本体112は、荷重の入力方向に対向して、前端部102aから車幅方向の外側に傾斜するように突出されている。屈曲部113は、衝撃吸収部本体112から前端部102aのうち車幅方向の外側に面する外側面まで延びている。屈曲部113は、第1の横部材103に向けて突出されている。屈曲部113は、荷重の入力方向に対して交差する方向において、第1の横部材103と重なるように第1の横部材103の軸心116上に配置されている。
後方延長部114は、屈曲部113から前端部102aに沿って車体後方へ延びて、車幅方向の外側に面する外側面に接続(結合)されている。衝撃吸収部本体112、屈曲部113、および後方延長部114により衝撃吸収部材105がV字状に形成されている。衝撃吸収部材105は、第1実施形態の衝撃吸収部材32と同様に構成されている。
第2実施形態のフロントサブフレーム100によれば、例えば、対向車両120がフロントサブフレーム100の衝撃吸収部材105にフルラップ前面衝突する。フルラップ前面衝突により車体前方から荷重F6が衝撃吸収部材105の衝撃吸収部本体112に入力する。入力した荷重F6で、衝撃吸収部本体112を軸圧壊または折り曲げにより潰すことにより、衝撃エネルギーを吸収する。
衝撃吸収部本体112が潰れた後、傾斜部材102の第1折れ部107および第2折れ部108を折り曲げることにより、衝撃エネルギーを吸収する。
さらに、傾斜部材102の第1折れ部107および第2折れ部108を折り曲げるとともに、屈曲部113を変形させる。これにより、衝撃吸収部材105のV字状の角度が縮小変形して屈曲部113を第1の横部材103へ向けて押し付ける。屈曲部113を第1の横部材103へ向けて押し付けることにより、屈曲部113による押付力が傾斜部材102の前端部102aを経て第1の横部材103の端部103aに作用する。作用する押付力で第1の横部材103の端部103aを変形させることにより、衝撃エネルギーを吸収する。
このように、衝撃吸収部本体112を潰した後、傾斜部材102の第1折れ部107および第2折れ部108を折り曲げるとともに、第1の横部材103の端部103aを変形させることができる。これにより、車体前部構造10の下方に備えるフロントサブフレーム100においても、例えば、フルラップ前面衝突による最大荷重ピークを抑制し、かつ、衝突エネルギーの吸収量を増加できる。
また、ナローオフセット衝突などの他の衝突についても、衝撃エネルギーの吸収量を増加できる。
(その他の変形例)
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した変形例を適宜組み合わせてもよい。
1 車両
10 車体前部構造
14 フロントサイドフレーム
14c フロントサイドフレームの前端部
15 ダンパベース
16 アッパメンバ
24 ガセット(外部材)
31 傾斜部材
31b 傾斜部材の前端部
32,105 衝撃吸収部材
33 第1の連結部材
34 第2の連結部材
35 第1のクロス部材(横部材)
35a 第1のクロス部材の端部
36 第2のクロス部材
39,112 衝撃吸収部本体
43 第1のスチフナ(第1の補強部材)
44 第2のスチフナ(第2の補強部材)
45 第1折れ部(折れ部)
46 第2折れ部(折れ部)
54 クロス部材側折れ部(横部材側折れ部)
62 延長部
63 稜線
64,113 屈曲部
65,114 後方延長部
100 フロントサブフレーム
102 傾斜部材(縦部材)
102a 傾斜部材の前端部
103 第1の横部材(横部材)
109 横部材側折れ部
F1,F3,F4,F5,F6 荷重

Claims (11)

  1. 荷重の入力側に前端部が配置された傾斜部材と、
    前記前端部の内側面から前記傾斜部材に対して交差する方向に延びる横部材と、
    前記前端部に設けられた衝撃吸収部材と、を備え、
    前記衝撃吸収部材は、
    前記前端部から前記荷重の入力方向に対向して突出する衝撃吸収部本体と、
    前記衝撃吸収部本体から前記前端部の外側面まで延びる屈曲部と、
    前記屈曲部から前記前端部に沿って延びて前記外側面に接続された後方延長部と、を有し、
    前記屈曲部は、前記荷重の入力方向に対して交差する方向において前記横部材と重なるように配置され、前記横部材に向けて突出されている車体前部構造。
  2. 前記傾斜部材は、
    ダンパベースから車体前方かつ車幅方向の内側に延びて折れ部を有し、
    前記衝撃吸収部本体は、
    前記傾斜部材の前端部から車幅方向の内側に傾斜するように突出されている、請求項1に記載の車体前部構造。
  3. 前記傾斜部材は、
    フロントサブフレームの縦部材であって、車体前方かつ車幅方向の外側に延び、折れ部を有し、
    前記衝撃吸収部本体は、
    前記傾斜部材の前端部から車幅方向の外側に傾斜するように突出されている、請求項1の車体前部構造。
  4. 前記衝撃吸収部材は、前記傾斜部材の前端部の外側面で結合し、前記屈曲部および前記後方延長部を有する延長部を備えている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車体前部構造。
  5. 前記衝撃吸収部材は、
    前記屈曲部を中央にして車体前後方向へ延びる稜線と、を有している、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車体前部構造。
  6. 前記傾斜部材は、複数の前記折れ部を有している、請求項2または請求項3に記載の車体前部構造。
  7. 前記横部材は、横部材側折れ部を有する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の車体前部構造。
  8. 前記傾斜部材は、軸方向へ向けて設けられた補強部材を備え、
    前記折れ部は、前記補強部材に設けられ、前記補強部材の延在方向に対して交差するように上下方向へ延びるビード形状である、請求項2、請求項3または請求項6に記載の車体前部構造。
  9. 前記傾斜部材は、
    軸方向へ向けて設けられた第1の補強部材と、
    前記第1の補強部材に対して軸方向の車体後方側に設けられた第2の補強部材と、を備え、
    前記折れ部は、前記第1の補強部材と前記第2の補強部材とが軸方向に離間する部位である、請求項2、請求項3または請求項6に記載の車体前部構造。
  10. 前記傾斜部材の下方において車体前後方向へ延びるフロントサイドフレームと、
    前記フロントサイドフレームの前端部から車幅方向の外側に延びる外部材と、
    前記外部材から前記衝撃吸収部材に延びる第1の連結部材と、を備えている請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の車体前部構造。
  11. 前記傾斜部材と前記フロントサイドフレームとを上下方向に連結する第2の連結部材を備えている、請求項10に記載の車体前部構造。
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