JP2020203532A - 鞍乗り型車両の車体フレーム - Google Patents
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Abstract
Description
また、左右のメインフレームの後端部にそれぞれ左右のピボットプレートの上端部が接続され、左右のピボットプレートの上端部が、緩衝器の上端部を支持する上部クロスメンバで接続された車体フレームが知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、特許文献2の車体フレームにおいても、特許文献1と同様に、車体フレームの接続部の応力集中が懸念される。
上記した特許文献1及び特許文献2において、車体フレームの応力集中を抑えて強度を確保することが望まれる。
本発明の目的は、車体フレームの応力集中を抑制しつつ、軽量化及び操安性の向上が可能な鞍乗り型車両の車体フレームを提供することにある。
また、上記構成において、前記補強部材(85)の前記下部延出部(85c)は、前記ダウンフレーム(26)の左右の前記側壁部(26h)に沿って下方に向かうにつれて次第に幅狭となるように設けられ、前記下部延出部(85c)の後縁(85e)は、前記ダウンフレーム(26)の長手方向に対して傾斜するようにしても良い。
図1は、本発明の実施形態の車体フレーム11を備える自動二輪車10を示す左側面図、図2は、車体フレーム11を示す左側面図である。
図1に示すように、自動二輪車10は、車体フレーム11の前端部にフロントフォーク12を介して支持された前輪13と、車体フレーム11の後部下部にスイングアーム14を介して支持された後輪16と、車体フレーム11の上部に支持されたシート17とを備える。このように、自動二輪車10は、運転者がシート17に跨って乗車する鞍乗り型車両である。
ヘッドパイプ21は、車体フレーム11の前端部を構成し、フロントフォーク12を操舵可能に支持している。左右のメインフレーム22は、ヘッドパイプ21の上部から後方斜め下方に延び、シート17の前方に配置された燃料タンク31を支持している。左右のピボットフレーム23は、左右のメインフレーム22の後端部からそれぞれ後方に凸状に湾曲しつつ下方に延びている。左右のピボットフレーム23には、スイングアーム14の前端部を揺動可能に支持するピボット軸33が渡されている。
サブフレーム25は、左右一対の上フレーム25A及び左右一対の下フレーム25Bからなり、左右の上フレーム25A及び左右の下フレーム25Bは、それぞれ左右のピボットフレーム23の上部と左右のシートフレーム24の後部とに接続されている。
ダウンフレーム26は、ヘッドパイプ21の後部下部から左右のメインフレーム22よりも下方を下方斜め後方に延び、ダウンフレーム26の下端部は、フロントジョイント27を介して左右のロアフレーム28に接続されている。
左右のロアフレーム28は、フロントジョイント27の下端部からそれぞれ下方に延び、更に後方に延びて左右のピボットフレーム23の下端部にそれぞれ接続されている。
左右のメインフレーム22、フロントジョイント27及び左右のロアフレーム28にはエンジン35が支持されている。
エンジン35は、クランクケース41と、クランクケース41の前部上部から上方に延びるシリンダ部42とを備える。
シリンダ部42は、シリンダヘッド46を備え、シリンダヘッド46の後部に吸気装置(不図示)が接続され、前部に排気装置48が接続されている。排気装置48は、シリンダヘッド46に接続された排気管51と、排気管51の後端部に接続されたマフラ52とを備える。
左右のピボットフレーム23の上端部間には、車幅方向に延びるクッションアッパーブラケット54(図2及び図11参照)が渡され、クッションアッパーブラケット54には、後輪16から車体フレーム11に伝わる衝撃を緩和する緩衝器であるクッションユニット55の上端部が連結されている。
車体カバー60は、フロントカバー61、左右一対のラジエータシュラウド62、左右一対のサイドカバー63などから構成される。
フロントカバー61は、フロントフォーク12の上部を前方から覆う。フロントカバー61は、ステー(不図示)を介してフロントフォーク12に取付けられている。左右のラジエータシュラウド62は、ラジエータ(不図示)、左右のメインフレーム22の上部、ダウンフレーム26、フロントジョイント27の上部を側方から覆う。左右のサイドカバー63は、左右のシートフレーム24及びサブフレーム25を側方から覆う。
前輪13は、上方からフロントフェンダ76に覆われている。後輪16は、上方からリヤフェンダ77に覆われている。ピボットフレーム23の下端部には運転者用ステップ81が設けられている。運転者用ステップ81の前方にはギアチェンジペダル82が配置されている。
クッションユニット55の下端部は、左右のピボットフレーム23の下端部側とスイングアーム14とに連結されたリンク機構83に連結されている。
一側(左側)のピボットフレーム23の上部には、バッテリ101が収納されたバッテリ装置84が取付けられている。
ガセット85は、鍛造により成形された鍛造品であり、ヘッドパイプ21、左右のメインフレーム22及びダウンフレーム26に溶接により接合されている。ガセット85には機械加工が施されていないため、ガセット85のコストが抑えられている。
クッションアッパーブラケット54は、車幅方向に延びる棒状のブラケット本体54a(図11参照)と、クッションユニット55(図1参照)の上端部を揺動可能に支持するためにブラケット本体54aから上方斜め後方に延ばされた左右一対のクッション支持アーム部54bとを一体に備える。
なお、図3では、便宜上、一方(左側)のメインフレーム22を省いている。
ヘッドパイプ21は、上端部の後部から後側に延びる上側延出部21aと、左右のメインフレーム22の各前端面を当てて接合するために膨出された上側膨出部21bと、下端部の後部から下方斜め後方に延びる下側延出部21c(図4も参照)とを一体に備える。
上側延出部21aは、後方に向かうにつれて次第に左右のメインフレーム22の上面22aよりも下方に湾曲しつつ延びている。上側延出部21aの下端部には、ガセット85が接合されている。
下側延出部21cは、ダウンフレーム26の前面26a(図4参照)に沿って後下がりに延び、前面26aと、両側の外側面26bの一部とに接合されている(図4も参照)。
中央壁部85aの上端部は、ヘッドパイプ21の上側延出部21aの後端部に後方から接合され、中央壁部85aの下端部は、ダウンフレーム26の後面26cに接合されている。
左右の下部延出部85cは、中央壁部85aの左右の下部側縁からそれぞれ前方及び下方に延びてダウンフレーム26の左右の外側面26b(一方の外側面26bのみ図示)に接合されている。
左右の側方延出部85dは、左右の上部延出部85bの各下縁及び左右の下部延出部85cの各上縁からそれぞれ側方に延びて左右のメインフレーム22の下面22c(図4参照)に接合されている。
車両側面視で、左右のメインフレーム22、ダウンフレーム26、フロントジョイント27及び補強パイプ34は、三角形状の閉じた空間91を形成している。このように、閉じた空間91を形成するとともにガセット85を設けることで、車体フレーム11の前部の剛性を高めることができる。車体フレーム11では、左右のメインフレーム22及びダウンフレーム26の断面積が従来よりも小さくされているために上記した剛性アップは、過度ではなく、一定の剛性が確保されているため、乗り心地や操安性が向上している。
このように、ガセット85でヘッドパイプ21、左右のメインフレーム22及びダウンフレーム26を結合した。この結果、ヘッドパイプ21と左右のメインフレーム22との接続部11A、ヘッドパイプ21とダウンフレーム26との接続部11Bにそれぞれ発生する応力を抑制するとともに車体フレーム11の前部の剛性を高めることができる。
上部ジョイント部27aは、前方に開放された開口部27cを有する凹部27dと、上部の後部に後方に突出するように形成された後方突出部27eとを備える。
上部ジョイント部27aの凹部27d内であって開口部27cの縁部には、ダウンフレーム26の下端部に形成された側面視直線状の下端面26xが挿入され、開口部27cの縁部と、ダウンフレーム26の両側の外側面26b及び後面26cとが溶接されている。
後方突出部27eは、車幅方向に延びる凹状湾曲部27fを有し、凹状湾曲部27fに補強パイプ34の屈曲した前端34aが挿入されるとともに接合されている。
左右のロアフレーム接続部27hには、左右のロアフレーム28の上端部がそれぞれ接合されている。左右の中空部27gのそれぞれの前面27jは、前方に露出するとともに左右のロアフレーム28の上端部の前面28aと面一に配置されている。
左右の下部ジョイント部27bのそれぞれの後面27kに設けられた左右の前部エンジンハンガ88は、高さ方向で中空部27gとロアフレーム接続部27hとに亘って配置され、ロアフレーム28の上部の後方に配置されている。
図5及び図6に示すように、中央壁部85aは、上部がほぼ平坦で、下部が下方に向かうにつれて次第に後方に湾曲している。
左右の上部延出部85bは、中央壁部85aから後方斜め下方(メインフレーム22(図3参照)が延びる方向)に向かうにつれて次第に側方に広がるように延びている。
左右の側方延出部85dは、メインフレーム22の下面22c(図4参照)に沿って前側に延びる平坦状の上面85hを有し、前側に向かうにつれて次第に車幅方向の幅が次第に狭くなる先細り形状に形成されている。左右の側方延出部85dの各内縁85mは、両方でU字状に形成されている。
左右一対の下部延出部85cは、中央壁部85a及び左右の側方延出部85dから下方に向かうにつれて次第に側方(車幅方向外側方)に広がるように延びている。
後縁85eと中心線26Dとの成す角度θ1は、90°未満(鋭角)、好ましくは、60°以下、更に好ましくは、30〜60°に設定される。なお、中心線(中立線)26Dは、ダウンフレーム26を前後に曲げたときに伸びも縮みも発生しない中立面上にある。ガセット85の左右の下部延出部85cのそれぞれの先端85fは、中心線26Dに近接している。
また、ガセット85の左右の上部延出部85bの下側の斜辺85qは、直線状に形成され、車両側面視で、斜辺85qは、メインフレーム22の中心線22Dに対して斜めに延びている。斜辺85qと中心線22Dとの成す角度θ2は、90°未満、好ましくは、60°以下、更に好ましくは、30〜60°に設定される。
また、ガセット85の中央壁部85a、左右の上部延出部85b、左右の下部延出部85c、左右の側方延出部85dと、ヘッドパイプ21、左右のメインフレーム22、ダウンフレーム26との溶接継手は、重ね継手であるため、例えば、T字状に溶接するT継手に比べて溶接部への応力集中を抑制できる。
図7に示すように、中央壁部85aは、上端側から下方に向けて延びた後に、後方に向けて湾曲する下部湾曲部85nを下部に備え、下部湾曲部85nが、ダウンフレーム26の後面26cに接合されている。
左右の上部延出部85b(一方の上部延出部85bのみ図示)は、それぞれ車両側面視で、略三角形状に形成され、上側の斜辺85pは、中央壁部85aから下方斜め後方に延び、下側の斜辺85qは、中央壁部85a側から上方斜め後方に延びている。2つの斜辺85p,85qの間の角部である先端85gは、後方に凸となる円弧状に形成され、先端85gが中心線22D(図4参照)に接近しているので、先端85gに発生する応力を低減できる。
下側の斜辺85qには、左右の側方延出部85dが連続している。
左右の側方延出部85dは、メインフレーム22の下面22cに接合されている。
メインフレーム22は、上部に位置する上壁部22w、内側面22bを有する内側壁部22x、外側面22fを有する外側壁部22y、下部に位置する下壁部22z、内側壁部22x及び外側壁部22yのそれぞれを接続する接続部22gを一体に備える。
ダウンフレーム26は、左右対称な横断面台形状に形成され、台形の上底、下底、対向する2つの脚(斜辺)に相当する後壁部26f、前壁部26g及び左右一対の側壁部26hを備える。このダウンフレーム26の後側の左右一対の角部26e及び前側の左右一対の角部26jは、それぞれ円弧状に形成され、左右の角部26eは、左右の角部26jよりも大きな半径の円弧に形成されている。
左右の側壁部26hは、後方に向かうにつれて次第に左右の間隔が狭くなるように傾斜し、左右の側壁部26hにガセット85の左右の下部延出部85cがそれぞれ接合されている。左右の下部延出部85cは、左右の側壁部26hに沿うように傾斜している。
また、左右の上部延出部85bは、左右のメインフレーム22のそれぞれの内側面22bに沿うように後方に向かうにつれて次第に広がる形状に形成され、各内側面22bに接合されている。
上側に示す状態図Bは、左右のメインフレーム22に対してガセット85が位置決めされた状態を示す左側面図であり、下側に示す状態図Cは、メインフレーム22の内側面22bを示す右側面図である。
状態図Bに示すように、左右のメインフレーム22とガセット85の左右の上部延出部85bとの接続部92には、左右のメインフレーム22とガセット85とを位置決めする左右一対の位置決め部93が設けられている。
左右の突起85kは、輪郭が長円85sに形成され、長円85sの長軸85tは、ガセット85の鍛造型の型抜き方向に沿って形成されている。
上記した突起85kと長穴22hとは、位置決め部93を構成する。
左右のメインフレーム22の長穴22hには、上記したガセット85の左右の突起85kが嵌り、左右のメインフレーム22に対してガセット85が位置決めされる。これにより、ガセット85が位置決めされ状態で左右のメインフレーム22にガセット85を接合でき、ガセット85の組付精度と組付作業性とを向上できる。
フロントジョイント27の下部ジョイント部27bは、逆Y字状に車幅方向に分岐し、上下方向に延びる左右のロアフレーム接続部27hの後部にそれぞれ左右の前部エンジンハンガ88が一体に設けられている。
車体フレーム11は、左右のピボットフレーム23の上端部同士を接続するクッションアッパーブラケット54と、左右のピボットフレーム23の下部同士を接続してリンク機構83(図1参照)を支持するリンクブラケット94とを備える。
左右のピボットフレーム23の下部には、ピボット軸33(図1参照)が挿入されるピボット軸挿通穴23aがそれぞれ形成されている。
図12に示すように、ピボットフレーム23の外側面23bの上端部には、先端面23cまで延びる上端部凹部23dが形成され、上端部凹部23dの底部に、ピボットフレーム23の内側面23e(図11参照)まで貫通する貫通穴23fが開けられている。
メインフレーム22は、ピボットフレーム23に上端部凹部23dを車幅方向外側から塞ぐように接合される。
メインフレーム22の後端22jは、クッションアッパーブラケット54のブラケット本体54aよりも後方まで延びている。また、メインフレーム22の後端22jは、メインフレーム22の長手方向では、クッション支持アーム部54bを含むクッションアッパーブラケット54の全体よりも後側まで延びている。
このように、メインフレーム22の後端22jは、クッションアッパーブラケット54とピボットフレーム23との接続部11Cから離れているので、ピボットフレーム23とメインフレーム22との接続部11Dに、クッションアッパーブラケット54から遠ざけた部分を設けることができる。これにより、クッションアッパーブラケット54から伝わる荷重により接続部11Dに発生する応力を抑制できる。
上端突出部23xの車幅方向外側には、容積の大きな上端部凹部23dを備えることで、応力集中を回避しつつ軽量化が図られている。
貫通穴23fは、上端部凹部23dに隣接する小径穴23gと、小径穴23gに隣接して小径穴23gよりも大径にされた大径穴23hとからなる。
大径穴23hには、クッションアッパーブラケット54の筒状とされたブラケット本体54aの端部が挿入されて接合されている。このように、小径穴23gと大径穴23hとを設けることで、大径穴23hにブラケット本体54aを挿入したときの挿入位置を規制するとともに、クッションアッパーブラケット54内の中空部の容積をより大きくでき、ピボットフレーム23を効果的に軽量にできる。
更に、メインフレーム22の後端部、ピボットフレーム23の上端部及びクッションアッパーブラケット54が車幅方向に重なるため、クッションユニット55(図1参照)からクッションアッパーブラケット54に入力される荷重を効率良くメインフレーム22に伝えることができる。
この結果、車体フレーム11の各部で上記荷重を分担でき、車体フレーム11での応力集中が抑えられ、車体フレーム11のより一様な撓みを得ることができるため、強度や操安性を向上できる。
フロントジョイント27の後方突出部27eは、上部ジョイント部27aの車幅方向の幅では最も幅広に形成されている。このように、後方突出部27eを車幅方向に幅広とすることで、後方突出部27eの凹状湾曲部27fに接合される補強パイプ34(図4参照)を強固に支持できる。
更に、ロアフレーム接続部27hに前部エンジンハンガ88を設けることで、ロアフレーム28(図11参照)と前後に重ねられて剛性が向上したロアフレーム接続部27hによってエンジン35(図1参照)の前部を支持でき、エンジン35の支持剛性を向上できる。
ダウンフレーム26の左右の側壁部26hの外側面26bは、後方に向かうにつれて次第に近づくように前後方向に対して傾斜している。
フロントジョイント27の上部ジョイント部27aの凹部27dは、底壁27mと、底壁27mの両側縁から前方斜め外側方に延びる左右一対の側壁27nとから一体に形成される。底壁27mと左右の側壁27nとの角部には、後方に延びる左右一対の部品取付部27pが設けられている。
ダウンフレーム26の下部と、フロントジョイント27の上部ジョイント部27aとは、それぞれ横断面形状がU字状であり、ダウンフレーム26の断面の車幅方向の幅は、後方に向かって狭くなる。これにより、ダウンフレーム26を上部ジョイント部27aの凹部27dに組み付けが容易で、ダウンフレーム26の下部とフロントジョイント27の上部ジョイント部27aとを精度良く接合することができる。また、ダウンフレーム26と上部ジョイント部27aとにより、ボックス状の空間98を形成でき、車体フレーム11の剛性を向上させることができる。
フロントジョイント27の左右の中空部27gは、それぞれ下端面27rを有する。左右の中空部27gには、それぞれ下端面27rから中空部27gの長手方向に沿って延びる軽量化のための穴部27sが開けられている。
左右の穴部27sのそれぞれの開口27tは、フロントジョイント27の左右のロアフレーム接続部27hに接合された左右のロアフレーム28によって塞がれている。これにより、穴部27s内に石や土が入り込むのを防止できる。
後壁27uには前部エンジンハンガ88が設けられ、内壁27v及び外壁27wには、左右のロアフレーム28の各側壁が接合されている。
バッテリ装置84は、バッテリ101(図19参照)と、バッテリ101を収納するバッテリケース102と、バッテリ101を排気管51(図1参照)で発生する熱から保護する遮熱カバー103とから構成される。
バッテリケース102は、バッテリケース本体105と、バッテリケース本体105の開口部を塞ぐバッテリケースカバー106とからなる。
バッテリケース本体105は、ピボットフレーム23に固定するための複数のフレーム固定部107,108を備える。
複数のフレーム固定部107,108は、バッテリケース本体105の側壁105a,105bにそれぞれ設けられる。側壁105a,105bは、ここでは、四角形を形成する4つの側壁の一部を構成する。なお、バッテリケース本体105の側壁は、4つに限らなくても良い。
バッテリケースカバー106は、バッテリケース本体105に係止するための一対の係止部材111を備える。
遮熱カバー103は、バッテリケース本体105のバッテリケースカバー106とは反対側の面に複数のビス112で固定されている。
バッテリ装置84は、一側(左側)のピボットフレーム23にフレーム固定部107,108(図18参照)を介して片持ち支持されている。このように、バッテリ装置84を車体フレーム11の一部に片持ち支持することで、車体フレーム11へのバッテリ装置84の配置自由度を増すことができる。
遮熱カバー103は、底壁103aと、複数の側壁103b(図18参照),103cからなる箱状に形成され、遮熱カバー103とバッテリケース本体105の底壁105eとで密閉又は略密閉された空間114を形成している。
バッテリ装置84の上方には、吸気装置を構成するスロットルボディ116が配置され、バッテリ装置84の後方には、クッションユニット55が配置されている。
上記したように、遮熱カバー103の排気管51とは反対側に空間114を形成することで、単にバッテリケース102を覆うのに比べて、空間114内の空気層を介して遮熱でき、遮熱効果を高めることができる。
車体フレーム11は、ヘッドパイプ21に接合される補強部材としてのガセット85が設けられ、ガセット85は、左右のメインフレーム22の内側壁部22x間に配置された縦壁部としての中央壁部85aと、中央壁部85aから下方へ延びてダウンフレーム26の外側面26bに接合される下部延出部85cとを備える。
この構成によれば、ヘッドパイプ21、左右のメインフレーム22及びダウンフレーム26に接続するガセット85を一体に成形でき、且つ、鍛造品にすることで薄肉で小型化することができる。また、ダウンフレーム26の断面が台形であるので、ガセット85を切削加工せずにダウンフレーム26との合わせが良好となる。
この構成によれば、ダウンフレーム26とガセット85とが斜めに交差することで応力が緩和されて強度が向上する。
この構成によれば、メインフレーム22とガセット85との位置合わせが容易となり、組付性を向上できる。
この構成によれば、ヘッドパイプ21と左右のメインフレーム22との接続部11A(図4参照)を補強できる。
この構成によれば、ヘッドパイプ21と、ダウンフレーム26及びガセット85との接合強度を高めることができる。
この構成によれば、ダウンフレーム26の断面台形形状は、フロントジョイント27に対してもガセット85との合わせ部と同様に、フロントジョイント27との合わせが良好となる。
本発明は、自動二輪車10に適用する場合に限らず、自動二輪車10以外も含む鞍乗り型車両にも適用可能である。
11 車体フレーム
11C ピボットフレームとクッションアッパーブラケットとの接続部
16 後輪
21 ヘッドパイプ
21a 上側延出部
21c 下側延出部
22 メインフレーム
22j 後端
22w 上壁部
22x 内側壁部
23 ピボットフレーム
26 ダウンフレーム
26b 外側面
26f 後壁部
26g 前壁部
26h 側壁部
27 フロントジョイント
27n 側壁(接続部)
28 ロアフレーム
54 クッションアッパーブラケット
55 クッションユニット
85 ガセット(補強部材)
85a 中央壁部(縦壁部)
85b 上部延出部
85c 下部延出部
85e 後縁
92 メインフレームとガセットの左右の上部延出部との接続部(合わせ部)
93 位置決め部
97 ダウンフレームとフロントジョイントとの接続部
Claims (9)
- ヘッドパイプ(21)の上部から左右一対のメインフレーム(22)が後下方に延びるとともに、前記ヘッドパイプ(21)の下部からダウンフレーム(26)が後下方に延びる鞍乗り型車両の車体フレームであって、
前記ヘッドパイプ(21)に接合される補強部材(85)が設けられ、前記補強部材(85)は、左右の前記メインフレーム(22)の内側壁部(22x)間に配置された縦壁部(85a)と、前記縦壁部(85a)から下方へ延びて前記ダウンフレーム(26)の側面(26b)に接合される下部延出部(85c)とを備えることを特徴とする鞍乗り型車両の車体フレーム。 - 前記ダウンフレーム(26)は、前壁部(26g)と、前記前壁部(26g)の後方に対向する後壁部(26f)と、前記前壁部(26g)及び前記後壁部(26f)のそれぞれの両端を接続する左右一対の側壁部(26h)とを備える断面台形状に形成され、台形の上底に対応する前記後壁部(26f)が、台形の下底に対応する前記前壁部(26g)よりも車幅方向の幅が狭く、前記補強部材(85)の前記下部延出部(85c)は、左右の前記側壁部(26h)の前記側面(26b)に接合されることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両の車体フレーム。
- 前記補強部材(85)は、鍛造品であることを特徴とする請求項2に記載の鞍乗り型車両の車体フレーム。
- 前記補強部材(85)の前記下部延出部(85c)は、前記ダウンフレーム(26)の左右の前記側壁部(26h)に沿って下方に向かって次第に幅狭となるように設けられ、前記下部延出部(85c)の後縁(85e)は、前記ダウンフレーム(26)の長手方向に対して傾斜することを特徴とする請求項2又は3に記載の鞍乗り型車両の車体フレーム。
- 前記メインフレーム(22)と前記補強部材(85)との合わせ部(92)には、前記メインフレーム(22)と前記補強部材(85)とを位置決めする位置決め部(93)が設けられていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両の車体フレーム。
- 前記補強部材(85)は、前記縦壁部(85a)の左右端から前記メインフレーム(22)のそれぞれの前記内側壁部(22x)に沿って後側に延びて前記内側壁部(22x)に接合される左右一対の上部延出部(85b)を備えることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両の車体フレーム。
- 前記ヘッドパイプ(21)は、前記メインフレーム(22)の上壁部(22w)から前記内側壁部(22x)に沿って延びる上側延出部(21a)と、前記ダウンフレーム(26)の前記側壁部(26h)に沿って延びる下側延出部(21c)とを備え、前記上側延出部(21a)は、前記補強部材(85)の前記縦壁部(85a)と接合され、前記下側延出部(21c)は、前記ダウンフレーム(26)の前記側壁部(26h)と接合されることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両の車体フレーム。
- 左右の前記メインフレーム(22)の後端部には、それぞれ下方に延びるピボットフレーム(23)が接続され、前記ダウンフレーム(26)の下端部には、フロントジョイント(27)を介して左右一対のロアフレーム(28)が接続され、左右の前記ロアフレーム(28)の後端部が、それぞれ前記ピボットフレーム(23)に接続され、
前記フロントジョイント(27)の前記ダウンフレーム(26)との接続部(27n)は、前方に向かって広がり、前記ダウンフレーム(26)の前記後壁部(26f)及び左右の前記側壁部(26h)に接続されることを特徴とする請求項2乃至7のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両の車体フレーム。 - 左右の前記ピボットフレーム(23)の各上端部は、後輪(16)から伝わる衝撃を緩和するクッションユニット(55)の一端部が連結されるクッションアッパーブラケット(54)で接続され、左右の前記ピボットフレーム(23)の各上端部に接続される前記メインフレーム(22)の後端(22j)は、側面視で前記クッションアッパーブラケット(54)の前記ピボットフレーム(23)への接続部(11C)よりも後方に位置することを特徴とする請求項8に記載の鞍乗り型車両の車体フレーム。
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