JP2020200544A - 上衣 - Google Patents

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Abstract

【課題】立体的なシルエットの上衣であり、腕の挙げ下げも容易に行え、しかも製作が容易に行える上衣を提供する。【解決手段】前身頃1、後身頃2および細腹3からなる身頃Aと、外袖4と内袖5からなる袖Bより構成される上衣において、内袖は細長い長方形または台形の本体部分5aと、該本体部分から突出した三角形状部分5bとからなり、内袖の本体部分5aの両側縁はそれぞれ外袖の対応する側縁と縫合されると共に、身頃と袖とを縫合する袖付け部Cにおいて、内袖の三角形状部分5bの2つの辺縁の全部または一部がそれぞれ細腹3に縫合され且つ、前記袖付け部Cにおける外袖と内袖との縫合点72、74が前身頃と細腹との縫合点71および後身頃と細腹との縫合点73と間隔を開けて位置していることを特徴とする上衣。【選択図】図1

Description

本発明はジャケット等の上衣に関する。
従来から、ジャケット等の上衣において身頃が前身頃と後身頃のみからなる衣服が製作されているが、このような衣服においては身体の丸味に沿わせるためにダーツを身頃に入れる必要がある(特に、女性の身体は胸やウエストにより凹凸があるために、ダーツを入れる必要がある)。
さらに、ダーツだけでは身体の凹凸を充分にカバーできないために、立体的なシルエットをだすために、前身頃および後身頃の幅を前後の2枚の身頃の場合よりも狭くして、前身頃と後身頃との間に細腹を設けた上衣も多数製作されている。
このような細腹を設けた上衣では2枚の身頃の上衣に比較して細身の胴部分を製作可能であることから、着用した状態では腕の挙げ下げは窮屈感があった。
本出願人は先に特許第5462422号公報(特許文献1)において、細腹を有する細身の上衣でも腕の挙げ下げが行い易い上衣を提案した。
特許第5462422号公報
特許文献1に開示した上衣は、細身のシルエットで且つ腕の挙げ下げを行い易いという長所があり、比較的薄い生地で上衣を製作する場合であっても何等問題が生じない。しかし、厚手の生地により特許文献に開示の方法で上衣を製作する場合には下記の問題が生じる。
すなわち、細腹の上辺は内袖と縫合されるが、細腹の上辺の前身頃側端部においては、細腹と前身頃と内袖と外袖の4枚の生地が一緒に縫合されることになる(特許文献1の図3および図6(a)または図6(d)参照)。このように、厚手の生地を4枚を縫合して縫い合わせることとなり、縫製作業が困難となった。また、この場合、縫い代が重なりあって、その部分が分厚くなる。袖ぐりが小さめの上衣においては、上衣を着用した際、縫い代が重なりあって、分厚く綯った個所が脇の下にゆとりが少ないため着心地が悪いという問題がある。特許文献1に開示する図6(b)または図6(c)に示した別の例においても、細腹の上辺の後身頃側端部においては、細腹と後身頃と内袖と外袖の4枚の生地が一緒に縫合されることになり、厚手の生地で上衣を製作する場合は前述したのと同様の問題が生じる。
本発明はこのような問題を解決して、厚地の生地により立体的なシルエットを形成できると共に、腕の挙げ下げも容易に行え、しかも製作が容易に行える上衣を提供することを目的とする。
本発明によれば、前身頃、後身頃および前身頃と後身頃とを連結する細腹からなる身頃と、外袖と内袖からなる袖より構成される上衣において、前記内袖は細長い長方形または台形の本体部分と、該本体部分から突出した三角形状部分とからなり、前記内袖の本体部分の両側縁はそれぞれ前記外袖の対応する側縁と縫合されると共に、身頃と袖とを縫合する袖付け部において、前記内袖の三角形状部分の2つの辺縁の全部または一部がそれぞれ細腹に縫合され、且つ、前記袖付け部における外袖と内袖との縫合点が前身頃と細腹との縫合点および後身頃と細腹との縫合点と間隔を開けて位置していることを特徴とする上衣により前記目的を達成する。
本発明によれば、細腹を設けたことより立体的なシルエットとすることができると共に、内袖の袖付け側に三角形状部分を設けて、この三角形状部分の2つの辺縁が細腹に縫合されているので、脇の下に袖付けの縫い目がなく、上衣を着用した場合に腕の挙げ下げが行い易い。
更に、本発明によれば、袖付け部における外袖と内袖との縫合点が前身頃と細腹との縫合点および後身頃と細腹との縫合点と間隔を開けて位置させているので、前記縫合点においては生地の重なりは3枚となり、厚地の生地で本発明の上衣を製作する場合もミシン掛けが行ない易く、しかも縫合点における縫い代によるゴロツキ感が生じない。
図1(a)は本発明の上衣の一実施例の正面図、図1(b)はその背面図である。 図1に示した上衣の各部位のパターンを示す分解図である。 図2に示したパターンのうち身頃となる部位を縫い合わせた状態を示す平面図である。 本発明の上衣の袖付け部において、前身頃、細腹、後身頃、外袖および内袖を縫い合わせた状態における種々の縫合点の位置を示す説明図である。図4(a)は図1に示した実施例における前身頃側を示し、図4(b)は図1に示した実施例における後身頃側を示す。図4(c)は別の実施例における前身頃側を示し、図4(d)は別の実施例における後身頃側を示す。 本発明の別の実施例における身頃部を示す図3と同様の平面図である。
以下、図面に示した実施例に基いて本発明を詳細に説明する。
本発明の上衣は、前身頃1、後身頃2および前身頃1と後身頃2とを連結する細腹3からなる身頃Aと、外袖4と内袖5からなる袖Bより構成される。なお、図2においては、一対の内袖・外袖を示しているが、袖Bは左右2対存在する。
図1〜図3に示した実施例の上衣は、前身頃1が中央で左右に分かれており、左右の前身頃1は、それぞれ細腹3を介して後身頃2に連結される。すなわち、各細腹3は一方の側縁31が前身頃1の側縁11に縫合され、他方の側縁32は後身頃2の両側縁21に縫合される。また、図1に示した実施例においては衿6が設けられているが、衿6の形状は特に限定されないし、あるいは衿が存在しなくてもよい。
本実施例における内袖5の形状は、細長い長方形または台形の本体部分5aと、この内袖の本体部分5aから突出した三角形状部分5bとからなる。なお、説明の便宜上図2おいて2点鎖線で示した仮想線により内袖本体部分5aと三角形状部分5bとを区画して示しているが、内袖本体部分5aと三角形状部分5bとは一連のものである。
細長い長方形または台形の内袖本体部分5aの側縁51、52はそれぞれ外袖4の対応する側縁41、42と縫合され、筒状の袖Bを形成する。
身頃Aと袖Bとを縫合する袖付け部Cにおいて、内袖5の三角形状部分5bの2つの辺縁53、54の全部または一部がそれぞれ細腹3に縫合される。
細腹3の上部は内袖5の三角形状部分5bを受け入れるように三角形状に凹部(袖つけ部)となっている。すなわち、細腹3の上辺は三角形状の2つの辺縁33、34を構成し、それぞれ内袖5の三角形状部分5bの辺縁53、54と縫合される。
このように内袖5の三角形状部分5bの辺縁53、54が細腹3の袖付け部Cの辺縁33、34に縫い合わされるので、本実施例の上衣においては内袖5の三角形状部分5bが脇の下に余裕部分を形成し、さらに、袖付けの縫い目がなく、上衣を着用した場合に腕の挙げ下げが行い易い。
本発明によれば、袖付け部Cにおける外袖4と内袖5との縫合点が前身頃1と細腹3との縫合点および後身頃2と細腹3との縫合点と間隔を開けて位置している。
図4は、袖付け部Cにおける縫合点の複数の実施例を模式的に示している。
図4(a)は図1(a)に示した上衣の前身頃1に連結する細腹3の袖付け部Cにおける縫合点を示す説明図である。図4(a)に示すように、前身頃1と細腹3との縫合点71と外袖4と内袖5との縫合点72は、間隔を開け、離れて位置している。
図4(b)は図1(b)に示した上衣の後身頃2に連結する細腹3の袖付け部Cにおける縫合点を示す説明図である。図4(b)に示すように、後身頃2と細腹3との縫合点73と外袖4と内袖5との縫合点74は、間隔を開け、離れて位置している。
前述した実施例では前身頃側および後身頃側において身頃1、2と細腹3の袖付け部Cにおける縫合点71、73が外袖4と内袖5との縫合点72、74よりも下方に位置している、内袖5の三角形状部分5bの2つの辺縁33,34の一部が細腹3に縫合される場合を説明したが、図4(c)および図4(d)に示すように、内袖5の三角形状部分5bの2つの辺縁33,34の全部が細腹3に縫合されている形状、前例の位置関係が逆でもよい。
すなわち、図4(c)に示すように、内袖5の三角形状部分5bの2つの辺縁33,34の全部が細腹3に縫合され、前身頃1と細腹3との縫合点75と外袖4と内袖5との縫合点76は間隔を開けて離れて位置している。
図4(d)に示すように、内袖5の三角形状部分5bの2つの辺縁33,34の全部が細腹3に縫合され、後身頃2と細腹3との縫合点77と外袖4と内袖5との縫合点78は間隔を開けて離れて位置している。
このように、本発明によれば、袖付け部Cにおける外袖4と内袖5との縫合点72、74、76、78が前身頃1と細腹3との縫合点71、75および後身頃2と細腹3との縫合点73、77と間隔を開けて位置しているので、各縫合点においては生地の重なりは、内・外袖、細腹、または、細腹、前又は後身頃、外袖の3枚となる。従って、厚地の生地で本発明の上衣を製作する場合、ミシン掛けが行ない易く、しかも縫合点における縫い代によるゴロツキ感が生じない。
図5は本発明の上衣の別の実施例を示す。
この実施例の上衣は、細腹3が図2に示した三角形状の凹部の最下点35から下端に向かう線(縫合線36)で2つに分割されている。分割された細腹、前側部分3aと後側部分3bは互いに縫合線36で縫合されて細腹3を構成する。内袖5の三角形状部分5bの先端は前側部分3aと後側部分3bとの縫合線36の上端35に一致している。三角形状部分5bの2つの辺の一方の辺縁53は前側部分3aの上辺33に縫合され、他方の辺縁54は後側部分3bの上辺34に縫合されている。
本実施例において、細腹を互いに縫合された前側部分3aと後側部分3bとして、内袖5の三角形状部分5bの先端が細腹の前側部分と後側部分との縫合線の上端35に一致させるようにしている。この構成により、内袖5の三角形状部分5bの2つの辺53,54の一方は細腹3の前側部分3aの上辺33に縫合し、内袖5の他方の辺は細腹3の後側部分3bの上辺34に縫合することができるので、細腹と内袖との縫合が行ない易く、上衣の縫製をより容易に行なうことができる。
また、図5に示すように、前側部分3aと後側部分3bとの縫合線36は全部を縫合してもよいが、縫合線35の下方部分にファスナー8を設けて、下方部分を開閉できるように構成する。
細腹3の前側部分3aと後側部分3bとの縫合線36の下方部分にファスナー8を設けた場合は、ファスナー8の開閉により、上衣の下端部の周囲長を変えることができる。従って、ファスナー8を開くことにより、上衣の下に着用する衣服が広がった形状のもの(例えば、チュチュスカート等)や妊娠などにより腹囲が大きくなった場合などにも対応することができる。
さらに、上衣は裏生地を付けてもよいし、表生地と裏生地との間に保温性の詰め物(例えば、ダウンや詰綿)を設けてもよい。また、上衣の脇部分にポケットを設けてもよい。
1 前身頃
2 後身頃
3 細腹
4 外袖
5 内袖
5a 内袖の本体部分
5b 内袖の三角形状部分
71、75 袖付け部Cにおける前身頃と細腹との縫合点
73、77 袖付け部Cにおける後身頃と細腹との縫合点
72、76 前身頃側の袖付け部Cにおける外袖と内袖との縫合点
74、78 後身頃側の袖付け部Cにおける外袖と内袖との縫合点

Claims (3)

  1. 前身頃、後身頃および前身頃と後身頃とを連結する細腹からなる身頃と、外袖と内袖からなる袖より構成される上衣において、前記内袖は細長い長方形または台形の本体部分と、該本体部分から突出した三角形状部分とからなり、前記内袖の本体部分の両側縁はそれぞれ前記外袖の対応する側縁と縫合されると共に、身頃と袖とを縫合する袖付け部において、前記内袖の三角形状部分の2つの辺縁の全部または一部がそれぞれ細腹に縫合され且つ、前記袖付け部における外袖と内袖との縫合点が前身頃と細腹との縫合点および後身頃と細腹との縫合点と間隔を開けて位置していることを特徴とする上衣。
  2. 前記細腹は互いに縫合された前側部分と後側部分とからなり、前記内袖の三角形状部分の先端は前記前側部分と後側部分との縫合線の上端に一致しており、前記三角形状部分の2つの辺の一方は前記前側部分の上辺に縫合され、他方の辺は前記後側部分の上辺に縫合されていることを特徴とする請求項1記載の上衣。
  3. 前記前側部分と後側部分との縫合線の下方部分にファスナーが設けられていることを特徴とする請求項2記載の上衣。
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JPS511105U (ja) * 1974-06-17 1976-01-07
JP2006257611A (ja) * 2005-03-16 2006-09-28 Soreirasu Company:Kk トライアングル・スリーブ(身頃と袖部を別形の楔状三角形の凸凹形で縫い合わせることによってユトリと動きやすい立体的な袖を形成する手法)
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