JP2020200399A - ミラブル型シリコーンゴムスポンジ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧縮永久歪み特性に優れたミラブル型シリコーンゴムスポンジ及びその製造方法の提供。【解決手段】下記(A)〜(E)成分を含有するミラブル型シリコーンゴム組成物を、160℃以上の温度で常圧熱風架橋する工程を有するミラブル型シリコーンゴムスポンジの製造方法。(A)下記平均組成式(I):R1aSiO(4-a)/2(I)[式(I)中、R1は同一又は異種の1価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.04の正数を示す。]で表される、一分子中にアルケニル基を少なくとも2個有する重合度3,000以上のオルガノポリシロキサン(B)補強性シリカ(C)熱膨張性マイクロカプセル(D)有機過酸化物硬化剤(E)オルガノハイドロジェンポリシロキサン【選択図】なし
Description
本発明は、ミラブル型シリコーンゴムスポンジ及び該スポンジの製造方法に関する。更に詳しくは、圧縮永久歪みが低い、ミラブル型シリコーンゴムスポンジ及び該スポンジの製造方法に関する。
シリコーンゴムスポンジは、シリコーンゴム特有の耐熱性、耐寒性、電気絶縁性、難燃性等に優れ、圧縮永久歪みが小さいといった、優れた物理特性をもったスポンジである。このような特性を有するシリコーンゴムスポンジは、OA機器や自動車、建築材料などにおいて低熱伝導化及び軽量化を進めるために使用されている。
シリコーンゴムスポンジは、その用途に応じて、シリコーンゴムの成形・架橋方法及び発泡方法等、色々な方法により製造される。
発泡方法の一つとして、溶剤が封入された熱膨張性樹脂微粒子(熱膨張性マイクロカプセル)をゴム組成物中に配合し、スポンジを得る方法がある。該方法では、加温に伴い熱膨張性マイクロカプセル内の溶剤が気化し熱膨張性マイクロカプセルが膨張する。そして、膨張した熱膨張性マイクロカプセル(樹脂マイクロバルーン)の粒子径がスポンジセルの大きさとなる。
上記の熱膨張性マイクロカプセルを多量に配合することにより、シリコーンゴムスポンジの低比重化が可能であるが、得られたシリコーンゴムスポンジは、熱膨張性マイクロカプセルの樹脂成分がゴム内に残るため、得られるスポンジの硬度が非常に高くなり、ゴム弾性が低下してしまう。そのため、シリコーンゴムスポンジの圧縮永久歪みが大きくなり、厚いスポンジを作りにくいという問題がある。
発泡方法の一つとして、溶剤が封入された熱膨張性樹脂微粒子(熱膨張性マイクロカプセル)をゴム組成物中に配合し、スポンジを得る方法がある。該方法では、加温に伴い熱膨張性マイクロカプセル内の溶剤が気化し熱膨張性マイクロカプセルが膨張する。そして、膨張した熱膨張性マイクロカプセル(樹脂マイクロバルーン)の粒子径がスポンジセルの大きさとなる。
上記の熱膨張性マイクロカプセルを多量に配合することにより、シリコーンゴムスポンジの低比重化が可能であるが、得られたシリコーンゴムスポンジは、熱膨張性マイクロカプセルの樹脂成分がゴム内に残るため、得られるスポンジの硬度が非常に高くなり、ゴム弾性が低下してしまう。そのため、シリコーンゴムスポンジの圧縮永久歪みが大きくなり、厚いスポンジを作りにくいという問題がある。
また、シリコーンゴムスポンジに使用される架橋剤としては、付加架橋剤及び有機過酸化物架橋剤から選択することができる。通常、常圧熱風架橋(HAV:Hot Air Vulcanization、以下HAVと略する)の場合は表面架橋性が良好な付加架橋剤を選択し、金型架橋を選択する場合は有機過酸化物を選択することが多い(特許文献1、2)。これらの架橋剤を用いる方法ではスポンジセルが独立セルである。独立セルは圧縮永久歪みを測定した場合に潰されたスポンジセルに空気が入るまでに時間がかかり圧縮永久歪み特性が悪い傾向となる。
スポンジの圧縮永久歪みを低減する方法としてスポンジを連泡化させる方法がある。
一例として、連泡化剤として多価アルコール及びその誘導体を含むシリコーンゴム組成物が提案されている(特許文献3)。この組成物は付加反応硬化型液状オルガノポリシロキサンに既膨張のマイクロバルーン(膨張有機樹脂製微小中空フィラー)が添加されている。該既膨張のマイクロバルーンをミラブル型シリコーンゴムへ応用すると、バルーン壁が薄い樹脂マイクロバルーンが混練時に破壊され、マイクロバルーン内部の溶剤が漏れ出し、所望の発泡倍率のスポンジが得られない、溶剤による異常発泡が発生してしまう、等の問題があった。
一例として、連泡化剤として多価アルコール及びその誘導体を含むシリコーンゴム組成物が提案されている(特許文献3)。この組成物は付加反応硬化型液状オルガノポリシロキサンに既膨張のマイクロバルーン(膨張有機樹脂製微小中空フィラー)が添加されている。該既膨張のマイクロバルーンをミラブル型シリコーンゴムへ応用すると、バルーン壁が薄い樹脂マイクロバルーンが混練時に破壊され、マイクロバルーン内部の溶剤が漏れ出し、所望の発泡倍率のスポンジが得られない、溶剤による異常発泡が発生してしまう、等の問題があった。
熱膨張性のマイクロバルーンを添加したミラブル型のシリコーンゴムスポンジに関しては、化学発泡剤を併用してスポンジセル径をコントロールするもの(特許文献4)、熱膨張性マイクロバルーン入りゴムコンパウンドに化学発泡剤と多孔質充填剤を添加するもの(特許文献5)、熱膨張性マイクロバルーン入りゴムコンパウンドの硬化後にガス発生させて連泡性を向上させる方法(特許文献6)等が考案されているが、シリコーンゴム組成物の組成の面から、圧縮永久歪みの低減についての検討はされておらず、これらのミラブル型シリコーンゴムスポンジにおいて圧縮永久歪みを低減する場合、例えば膨張前粒子径が比較的大きい熱膨張性マイクロバルーンを使用する必要がある、など配合する成分に制約を伴うことが多かった。
従って、本発明は、スポンジのセルが独立セルであっても連泡化セルであっても、圧縮永久歪みが低いミラブル型シリコーンゴムスポンジを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、溶剤内包型未膨張マイクロカプセル、有機過酸化物硬化剤を使用し、一般的なHAV工程による発泡・硬化を行うミラブル型シリコーンゴム組成物に対して、オルガノハイドロジェンポリシロキサンを併用すると、独立セル、連泡化セルいずれのスポンジにおいても圧縮永久歪みが改善することを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、以下の熱膨張性マイクロカプセルを発泡剤に使用したミラブル型シリコーンゴムスポンジ及びその製造方法を提供するものである。
即ち、本発明は、以下の熱膨張性マイクロカプセルを発泡剤に使用したミラブル型シリコーンゴムスポンジ及びその製造方法を提供するものである。
<1>
下記(A)〜(E)成分
(A)下記平均組成式(I):
R1 aSiO(4-a)/2 (I)
[式(I)中、R1は同一又は異種の炭素原子数1〜12の1価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.04の正数を示す。]
で表される、一分子中にアルケニル基を少なくとも2個有する重合度3,000以上のオルガノポリシロキサン:100質量部
(B)補強性シリカ:10〜100質量部
(C)塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選ばれるモノマーの重合物並びにこれらのモノマーのうちの2種類以上の共重合物から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂を外殻として有する、熱膨張性マイクロカプセル:0.1〜20質量部
(D)有機過酸化物硬化剤:0.01〜20質量部 及び
(E)オルガノハイドロジェンポリシロキサン:0.01〜10質量部
を含有するミラブル型シリコーンゴム組成物を、160℃以上の温度で常圧熱風架橋する工程を有する、ミラブル型シリコーンゴムスポンジの製造方法。
下記(A)〜(E)成分
(A)下記平均組成式(I):
R1 aSiO(4-a)/2 (I)
[式(I)中、R1は同一又は異種の炭素原子数1〜12の1価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.04の正数を示す。]
で表される、一分子中にアルケニル基を少なくとも2個有する重合度3,000以上のオルガノポリシロキサン:100質量部
(B)補強性シリカ:10〜100質量部
(C)塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選ばれるモノマーの重合物並びにこれらのモノマーのうちの2種類以上の共重合物から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂を外殻として有する、熱膨張性マイクロカプセル:0.1〜20質量部
(D)有機過酸化物硬化剤:0.01〜20質量部 及び
(E)オルガノハイドロジェンポリシロキサン:0.01〜10質量部
を含有するミラブル型シリコーンゴム組成物を、160℃以上の温度で常圧熱風架橋する工程を有する、ミラブル型シリコーンゴムスポンジの製造方法。
<2>
前記ミラブル型シリコーンゴム組成物において、さらに(F)アゾ系ガス発生剤を(A)成分100質量部に対して0.01〜10質量部含有する<1>に記載のミラブル型シリコーンゴムスポンジの製造方法。
前記ミラブル型シリコーンゴム組成物において、さらに(F)アゾ系ガス発生剤を(A)成分100質量部に対して0.01〜10質量部含有する<1>に記載のミラブル型シリコーンゴムスポンジの製造方法。
<3>
前記(E)オルガノハイドロジェンポリシロキサンが、下記平均組成式(II):
R2 bHcSiO(4-b-c)/2 (II)
[式中、R2は互いに同一又は異種の炭素数1〜10の非置換又は置換の1価炭化水素基を示し、bは0.7〜2.1、cは0.001〜1.0、かつb+cは0.8〜3.0の範囲の正数である。]
で表されものである<1>又は<2>に記載のミラブル型シリコーンゴムスポンジの製造方法。
前記(E)オルガノハイドロジェンポリシロキサンが、下記平均組成式(II):
R2 bHcSiO(4-b-c)/2 (II)
[式中、R2は互いに同一又は異種の炭素数1〜10の非置換又は置換の1価炭化水素基を示し、bは0.7〜2.1、cは0.001〜1.0、かつb+cは0.8〜3.0の範囲の正数である。]
で表されものである<1>又は<2>に記載のミラブル型シリコーンゴムスポンジの製造方法。
<4>
下記(A)〜(E)成分
(A)下記平均組成式(I):
R1 aSiO(4-a/2) (I)
[式(I)中、R1は同一又は異種の炭素原子数1〜12の1価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.04の正数を示す。]
で表される、一分子中にアルケニル基を少なくとも2個有する重合度3,000以上のオルガノポリシロキサン:100質量部
(B)補強性シリカ:10〜100質量部
(C)塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選ばれるモノマーの重合物並びにこれらのモノマーのうちの2種類以上の共重合物から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂を外殻として有する、熱膨張性マイクロカプセル:0.1〜20質量部
(D)有機過酸化物硬化剤:0.01〜20質量部 及び
(E)オルガノハイドロジェンポリシロキサン:0.01〜10質量部
を含有するミラブル型シリコーンゴム組成物の硬化物であるミラブル型シリコーンゴムスポンジ。
下記(A)〜(E)成分
(A)下記平均組成式(I):
R1 aSiO(4-a/2) (I)
[式(I)中、R1は同一又は異種の炭素原子数1〜12の1価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.04の正数を示す。]
で表される、一分子中にアルケニル基を少なくとも2個有する重合度3,000以上のオルガノポリシロキサン:100質量部
(B)補強性シリカ:10〜100質量部
(C)塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選ばれるモノマーの重合物並びにこれらのモノマーのうちの2種類以上の共重合物から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂を外殻として有する、熱膨張性マイクロカプセル:0.1〜20質量部
(D)有機過酸化物硬化剤:0.01〜20質量部 及び
(E)オルガノハイドロジェンポリシロキサン:0.01〜10質量部
を含有するミラブル型シリコーンゴム組成物の硬化物であるミラブル型シリコーンゴムスポンジ。
<5>
さらに、(F)アゾ系ガス発生剤を(A)成分100質量部に対して0.01〜10質量部含有する、<4>に記載のミラブル型シリコーンゴムスポンジ。
さらに、(F)アゾ系ガス発生剤を(A)成分100質量部に対して0.01〜10質量部含有する、<4>に記載のミラブル型シリコーンゴムスポンジ。
<6>
前記(E)オルガノハイドロジェンポリシロキサンが、下記平均組成式(II):
R2 bHcSiO(4-b-c)/2 (II)
[式中、R2は互いに同一又は異種の炭素数1〜10の非置換又は置換の1価炭化水素基を示し、bは0.7〜2.1、cは0.001〜1.0、かつb+cは0.8〜3.0の範囲の正数である。]
で表されるものである<4>又は<5>に記載のミラブル型シリコーンゴムスポンジ。
前記(E)オルガノハイドロジェンポリシロキサンが、下記平均組成式(II):
R2 bHcSiO(4-b-c)/2 (II)
[式中、R2は互いに同一又は異種の炭素数1〜10の非置換又は置換の1価炭化水素基を示し、bは0.7〜2.1、cは0.001〜1.0、かつb+cは0.8〜3.0の範囲の正数である。]
で表されるものである<4>又は<5>に記載のミラブル型シリコーンゴムスポンジ。
<7>
<4>〜<6>のいずれか1項に記載のミラブル型シリコーンゴムスポンジからなるロール状成形物。
<4>〜<6>のいずれか1項に記載のミラブル型シリコーンゴムスポンジからなるロール状成形物。
<8>
<4>〜<6>のいずれか1項に記載のミラブル型シリコーンゴムスポンジからなるベルト状成形物。
<4>〜<6>のいずれか1項に記載のミラブル型シリコーンゴムスポンジからなるベルト状成形物。
<9>
<4>〜<6>のいずれか1項に記載のミラブル型シリコーンゴムスポンジからなるシート状成形物。
<4>〜<6>のいずれか1項に記載のミラブル型シリコーンゴムスポンジからなるシート状成形物。
本発明の方法によれば、圧縮永久歪み特性に優れたシリコーンゴムスポンジを提供することができる。
従って、本発明のシリコーンゴムスポンジは、スポンジロール、ベルト、シート等に有用である。
従って、本発明のシリコーンゴムスポンジは、スポンジロール、ベルト、シート等に有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
[ミラブル型シリコーンゴム組成物]
−(A)成分−
(A)成分のオルガノポリシロキサンは下記平均組成式(I)で表される、1分子中にアルケニル基を少なくとも2個有する重合度3,000以上のオルガノポリシロキサンである。
R1 aSiO(4-a)/2 (I)
式(I)中、R1は同一又は異種の炭素原子数1〜12の1価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.04の正数を示す。
−(A)成分−
(A)成分のオルガノポリシロキサンは下記平均組成式(I)で表される、1分子中にアルケニル基を少なくとも2個有する重合度3,000以上のオルガノポリシロキサンである。
R1 aSiO(4-a)/2 (I)
式(I)中、R1は同一又は異種の炭素原子数1〜12の1価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.04の正数を示す。
平均組成式(I)において、R1は同一又は異種の炭素原子数1〜12、好ましくは炭素原子数1〜8の1価炭化水素基である。
具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ドデシル基などのアルキル基;シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基などのアリール基;β−フェニルプロピル基等のアラルキル基等が挙げられる。なお、R1はこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子で置換した基でもよく、例えばクロロメチル基、トリフルオロプロピル基などが挙げられる。中でも、R1はメチル基、ビニル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基が好ましく、特にR1のうちメチル基が80%以上、さらに95%以上であることが好ましい。
また、aは1.95〜2.04の正数であり、このオルガノポリシロキサンは実質的に直鎖状であるが、硬化後のシリコーンゴムスポンジのゴム弾性が損なわれない範囲で分岐していてもよい。このオルガノポリシロキサンは分子鎖末端がトリメチルシリル基、ジメチルビニルシリル基、ジメチルヒドロキシシリル基、トリビニルシリル基などで封鎖されたものとすることができるが、本発明において、このオルガノポリシロキサンは分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有することが必要で、具体的には、R1のうち0.001〜5%、特に0.05〜0.5%がアルケニル基、特にビニル基であることが好ましい。
具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ドデシル基などのアルキル基;シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基などのアリール基;β−フェニルプロピル基等のアラルキル基等が挙げられる。なお、R1はこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子で置換した基でもよく、例えばクロロメチル基、トリフルオロプロピル基などが挙げられる。中でも、R1はメチル基、ビニル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基が好ましく、特にR1のうちメチル基が80%以上、さらに95%以上であることが好ましい。
また、aは1.95〜2.04の正数であり、このオルガノポリシロキサンは実質的に直鎖状であるが、硬化後のシリコーンゴムスポンジのゴム弾性が損なわれない範囲で分岐していてもよい。このオルガノポリシロキサンは分子鎖末端がトリメチルシリル基、ジメチルビニルシリル基、ジメチルヒドロキシシリル基、トリビニルシリル基などで封鎖されたものとすることができるが、本発明において、このオルガノポリシロキサンは分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有することが必要で、具体的には、R1のうち0.001〜5%、特に0.05〜0.5%がアルケニル基、特にビニル基であることが好ましい。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、オルガノハロシランの1種又は2種以上を加水分解縮合することによって、又は環状ポリシロキサン(シロキサンの3量体又は4量体など)をアルカリ性又は酸性の触媒を用いて開環重合することによって得ることができるもので、このものは基本的には直鎖状のジオルガノポリシロキサンであるが、一部分岐していてもよい。また、分子構造の異なる2種又はそれ以上の混合物であってもよい。
また、(A)成分のオルガノポリシロキサンの重合度は3,000以上であり、その上限は100,000であることが好ましく、さらにその範囲は6,000〜10,000であることが好ましい。ここで、重合度は、トルエンを展開溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析におけるポリスチレン換算の数平均分子量から平均重合度として求めた値である。
−(B)成分−
(B)成分の補強性シリカは、シリコーンゴムスポンジの加工性、機械的強度等を良好にするために必要な成分であり、比表面積が50m2/g以上であることが好ましく、100〜400m2/gであることがより好ましい。この補強性シリカとしては煙霧質シリカ(乾式シリカ)、沈殿シリカ(湿式シリカ)が例示され、このうち煙霧質シリカ(乾式シリカ)が好ましい。また、これらの表面をオルガノポリシロキサン、オルガノポリシラザン、クロロシラン、アルコキシシラン等で疎水化処理したものでもよい。これらのシリカは1種単独で用いても2種以上併用してもよい。
この補強性シリカの添加量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して10〜100質量部であり、好ましくは10〜70質量部、特に好ましくは20〜50質量部である。この補強性シリカの添加量が、10質量部未満では少なすぎて十分な補強効果が得られず、100質量部より多くするとシリコーンゴムスポンジの加工性が悪くなったり、得られるシリコーンゴムスポンジの物理特性が低下することがあり、また架橋前のシリコーンゴム組成物の粘度が非常に高くなり、スポンジ化が難しくなるおそれがある。
(B)成分の補強性シリカは、シリコーンゴムスポンジの加工性、機械的強度等を良好にするために必要な成分であり、比表面積が50m2/g以上であることが好ましく、100〜400m2/gであることがより好ましい。この補強性シリカとしては煙霧質シリカ(乾式シリカ)、沈殿シリカ(湿式シリカ)が例示され、このうち煙霧質シリカ(乾式シリカ)が好ましい。また、これらの表面をオルガノポリシロキサン、オルガノポリシラザン、クロロシラン、アルコキシシラン等で疎水化処理したものでもよい。これらのシリカは1種単独で用いても2種以上併用してもよい。
この補強性シリカの添加量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して10〜100質量部であり、好ましくは10〜70質量部、特に好ましくは20〜50質量部である。この補強性シリカの添加量が、10質量部未満では少なすぎて十分な補強効果が得られず、100質量部より多くするとシリコーンゴムスポンジの加工性が悪くなったり、得られるシリコーンゴムスポンジの物理特性が低下することがあり、また架橋前のシリコーンゴム組成物の粘度が非常に高くなり、スポンジ化が難しくなるおそれがある。
−(C)成分−
(C)成分の熱膨張性マイクロカプセルは、本発明のスポンジにセルを形成させるための成分であり、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選ばれるモノマーの重合物並びにこれらのモノマーのうちの2種類以上の共重合物から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂を外殻とし、溶剤(イソブタン、イソペンタン及びn−ヘキサン等の炭化水素系溶媒)を内包して構成される。
上記の熱膨張性マイクロカプセルは、熱によって外殻の熱可塑性樹脂が軟化し、ほぼ同時に内包された溶剤が気化することによって熱膨張性マイクロカプセルがバルーン状に膨らむ(以下、膨張した熱膨張性マイクロカプセルを樹脂マイクロバルーンという)。したがって、これを含むシリコーンゴム組成物を加熱して硬化すると、内部に樹脂マイクロバルーンによって形成される球状のスポンジセルを有するシリコーンゴムスポンジとなる。
(C)成分の熱膨張性マイクロカプセルは、本発明のスポンジにセルを形成させるための成分であり、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選ばれるモノマーの重合物並びにこれらのモノマーのうちの2種類以上の共重合物から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂を外殻とし、溶剤(イソブタン、イソペンタン及びn−ヘキサン等の炭化水素系溶媒)を内包して構成される。
上記の熱膨張性マイクロカプセルは、熱によって外殻の熱可塑性樹脂が軟化し、ほぼ同時に内包された溶剤が気化することによって熱膨張性マイクロカプセルがバルーン状に膨らむ(以下、膨張した熱膨張性マイクロカプセルを樹脂マイクロバルーンという)。したがって、これを含むシリコーンゴム組成物を加熱して硬化すると、内部に樹脂マイクロバルーンによって形成される球状のスポンジセルを有するシリコーンゴムスポンジとなる。
本発明では未膨張の熱膨張性マイクロカプセルをシリコーンゴム組成物に含む。未膨張の熱膨張性マイクロカプセルの外殻は、常温において高い硬度及び強度を示し、シリコーンゴム組成物の2本ロール等による混練を行っても破壊されることがない、熱膨張性樹脂であることが好ましく、具体的には、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル及び塩化ビニリデン・アクリロニトリルのコポリマー等が挙げられ、ポリアクリロニトリル樹脂、塩化ビニリデン・アクリロニトリルのコポリマー樹脂等とすることが特に好ましい。
このポリアクリロニトリル樹脂及び塩化ビニリデン・アクリロニトリルのコポリマー樹脂の分子量は、500,000〜5,000,000であることが好ましく、1,000,000〜2,000,000であることがより好ましい。ここで、分子量は、THFを展開溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析におけるポリスチレン換算の数平均分子量として求めた値である。
このポリアクリロニトリル樹脂及び塩化ビニリデン・アクリロニトリルのコポリマー樹脂の分子量は、500,000〜5,000,000であることが好ましく、1,000,000〜2,000,000であることがより好ましい。ここで、分子量は、THFを展開溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析におけるポリスチレン換算の数平均分子量として求めた値である。
未膨張の熱膨張性マイクロカプセルに内包される溶剤は、イソブタン、イソペンタン及びn−ヘキサン等が挙げられ、これらの混合物であってもよい。未膨張の熱膨張性マイクロカプセルは、熱膨張性マイクロカプセルの全質量のうち、10〜30質量%の溶剤を含むものが好ましい。
有機発泡剤を用いた場合と異なり、熱膨張性マイクロカプセルを用いると、外殻の熱可塑性樹脂の軟化点及び溶剤の沸点を選択することで、熱膨張性マイクロカプセルの膨張開始温度や最大膨張径を任意に調整することができる。さらに、内包される溶剤量及び熱膨張性マイクロカプセルの膨張前粒子径を調整することで、膨張後の樹脂マイクロバルーンの体積を任意の調整することができる。
そのため、異常発泡やガス抜けによるセルの破泡、スポンジの割れを防止でき、スキン層の表面平滑性に優れたシリコーンゴムスポンジを容易に得ることが可能となる。
そのため、異常発泡やガス抜けによるセルの破泡、スポンジの割れを防止でき、スキン層の表面平滑性に優れたシリコーンゴムスポンジを容易に得ることが可能となる。
本発明において、熱膨張性マイクロカプセルの「膨張前粒子径」とは、レーザー光回折法等による粒度分布測定装置を用いて、重量平均値(又はメジアン径)として測定した、膨張前の熱膨張性マイクロカプセルの平均粒径である。該膨張前粒子径は10〜70μmであることが好ましい。該膨張前粒子径が、10μmより小さいと、内包する溶剤が少なくなり、所望のスポンジ発泡倍率が得られない場合があり、70μmを超えると、スポンジセルが粗いスポンジとなってしまう。
上記の熱膨張性マイクロカプセルとしては、
市販の「マツモトマイクロスフェアーFシリーズ」:
F−30(膨張前粒子径14μm、膨張開始温度70℃、最大膨張温度110℃)
F−36(膨張前粒子径13μm、膨張開始温度75℃、最大膨張温度110℃)
F−36LV(膨張前粒子径16μm、膨張開始温度70℃、最大膨張温度110℃)
F−48(膨張前粒子径12μm、膨張開始温度90℃、最大膨張温度125℃)
F−50(膨張前粒子径14μm、膨張開始温度95℃、最大膨張温度125℃)
(以上、松本油脂製薬社製)、及び
「エクスパンセルDUシリーズ」:
031 DU 40(膨張前粒子径13μm、膨張開始温度80℃、最大膨張温度120℃)
043 DU 80(膨張前粒子径20μm、膨張開始温度95℃、最大膨張温度147℃)
053 DU 40(膨張前粒子径13μm、膨張開始温度96℃、最大膨張温度138℃)
093 DU 120(膨張前粒子径33μm、膨張開始温度120℃、最大膨張温度189℃)
909 DU 80(膨張前粒子径21μm、膨張開始温度120℃、最大膨張温度175℃)
920 DU 40(膨張前粒子径12μm、膨張開始温度123℃、最大膨張温度170℃)
920 DU 80(膨張前粒子径21μm、膨張開始温度123℃、最大膨張温度180℃)
920 DU 120(膨張前粒子径33μm、膨張開始温度122℃、最大膨張温度194℃)
(以上、AkzoNobel社製)等が好ましい。
市販の「マツモトマイクロスフェアーFシリーズ」:
F−30(膨張前粒子径14μm、膨張開始温度70℃、最大膨張温度110℃)
F−36(膨張前粒子径13μm、膨張開始温度75℃、最大膨張温度110℃)
F−36LV(膨張前粒子径16μm、膨張開始温度70℃、最大膨張温度110℃)
F−48(膨張前粒子径12μm、膨張開始温度90℃、最大膨張温度125℃)
F−50(膨張前粒子径14μm、膨張開始温度95℃、最大膨張温度125℃)
(以上、松本油脂製薬社製)、及び
「エクスパンセルDUシリーズ」:
031 DU 40(膨張前粒子径13μm、膨張開始温度80℃、最大膨張温度120℃)
043 DU 80(膨張前粒子径20μm、膨張開始温度95℃、最大膨張温度147℃)
053 DU 40(膨張前粒子径13μm、膨張開始温度96℃、最大膨張温度138℃)
093 DU 120(膨張前粒子径33μm、膨張開始温度120℃、最大膨張温度189℃)
909 DU 80(膨張前粒子径21μm、膨張開始温度120℃、最大膨張温度175℃)
920 DU 40(膨張前粒子径12μm、膨張開始温度123℃、最大膨張温度170℃)
920 DU 80(膨張前粒子径21μm、膨張開始温度123℃、最大膨張温度180℃)
920 DU 120(膨張前粒子径33μm、膨張開始温度122℃、最大膨張温度194℃)
(以上、AkzoNobel社製)等が好ましい。
(C)成分の配合量は、(A)成分のポリオルガノシロキサン100質量部に対して0.1〜20質量部、好ましくは0.3〜10質量部、さらに好ましくは1.0〜5.0質量部である。(C)成分の配合量が、0.1質量部未満では十分な発泡倍率を得ることができず、20質量部を超えると、シリコーンゴムスポンジのゴム弾性に欠けるため、圧縮等の変形により、成形品が破損しやすくなるとともに、ゴム内に残留する樹脂成分が多くなり機械的強度も大きく低下するおそれがある。
−(D)成分−
(D)成分の硬化剤は、(A)成分のオルガノポリシロキサンを硬化させるための成分であり、本発明では有機過酸化物を使用する。有機過酸化物の種類は(A)成分を硬化させ得るものであればよいが、(C)成分の熱膨張性マイクロカプセルが膨張後に(A)成分の架橋(硬化)を開始する必要があるため、架橋開始温度(6分間半減期温度)として95〜180℃にて3分程度の加熱で(A)成分を硬化させることが可能なパーオキシエステル、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、ジアシルパーオキサイドのような有機過酸化物が好ましい。
また、本発明では白金を触媒として使用する付加架橋系の硬化剤は、シリコーンゴムスポンジ表面のスキン層をHAV初期段階で生成してしまい、スポンジセルを連泡化することがむずかしくなってしまう場合がある。したがって、本発明のミラブル型シリコーンゴム組成物は、付加架橋系硬化剤を含有しないことが好ましい。
(D)成分の硬化剤は、(A)成分のオルガノポリシロキサンを硬化させるための成分であり、本発明では有機過酸化物を使用する。有機過酸化物の種類は(A)成分を硬化させ得るものであればよいが、(C)成分の熱膨張性マイクロカプセルが膨張後に(A)成分の架橋(硬化)を開始する必要があるため、架橋開始温度(6分間半減期温度)として95〜180℃にて3分程度の加熱で(A)成分を硬化させることが可能なパーオキシエステル、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、ジアシルパーオキサイドのような有機過酸化物が好ましい。
また、本発明では白金を触媒として使用する付加架橋系の硬化剤は、シリコーンゴムスポンジ表面のスキン層をHAV初期段階で生成してしまい、スポンジセルを連泡化することがむずかしくなってしまう場合がある。したがって、本発明のミラブル型シリコーンゴム組成物は、付加架橋系硬化剤を含有しないことが好ましい。
有機過酸化物の具体例(あわせて各化合物の6分間半減期温度を括弧内に示す)としては、
2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(ジアルキルパーオキサイド、160℃)、
2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシン(ジアルキルパーオキサイド、174℃)、
ジ−t−ブチルパーオキサイド(ジアルキルパーオキサイド、167℃)、
ジクミルパーオキサイド(ジアルキルパーオキサイド、154℃)、
クミル−t−ブチルパーオキサイド(ジアルキルパーオキサイド、158℃)、
t−ブチルパーオキシベンゾエート(パーオキシエステル、148℃)、
ビス(2,4−ジクロロベンゾイル)パーオキサイド(ジアシルパーオキサイド、99℃)等が好適なものとして挙げられる。これらの有機過酸化物は、1種単独でも2種以上を混合して用いてもよい。
2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(ジアルキルパーオキサイド、160℃)、
2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシン(ジアルキルパーオキサイド、174℃)、
ジ−t−ブチルパーオキサイド(ジアルキルパーオキサイド、167℃)、
ジクミルパーオキサイド(ジアルキルパーオキサイド、154℃)、
クミル−t−ブチルパーオキサイド(ジアルキルパーオキサイド、158℃)、
t−ブチルパーオキシベンゾエート(パーオキシエステル、148℃)、
ビス(2,4−ジクロロベンゾイル)パーオキサイド(ジアシルパーオキサイド、99℃)等が好適なものとして挙げられる。これらの有機過酸化物は、1種単独でも2種以上を混合して用いてもよい。
(D)成分の硬化剤である有機過酸化物の配合量は(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して0.01〜20質量部であり、好ましくは0.5〜15質量部である。有機過酸化物の配合量が、0.01質量部未満では(A)成分が十分に硬化できず、20質量部を超えて配合してもそれ以上の格別な効果がないばかりか、硬化剤の未反応物や分解残査の除去に長時間の加熱が必要となり、得られたシリコーンゴムの物性に悪影響を与えることがある。
−(E)成分−
(E)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは本発明の特徴をなす成分であり、(D)成分の有機過酸化物との相乗効果により、本発明のシリコーンゴムスポンジのセルが独立セルであっても連泡化セルであっても、圧縮永久歪みを大幅に低減する働きをする。
(E)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは本発明の特徴をなす成分であり、(D)成分の有機過酸化物との相乗効果により、本発明のシリコーンゴムスポンジのセルが独立セルであっても連泡化セルであっても、圧縮永久歪みを大幅に低減する働きをする。
(E)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、下記平均組成式(II)で示され、一分子中に少なくとも1個、好ましくは2〜50個のケイ素原子結合水素原子を含有するオルガノポリシロキサンが好ましい。
R2 bHcSiO(4-b-c)/2 (II)
式中、R2は互いに同一又は異種の炭素数1〜10の非置換又は置換の1価炭化水素基である。bは0.7〜2.1、cは0.001〜1.0、かつb+cは0.8〜3.0の範囲の正数である。
R2 bHcSiO(4-b-c)/2 (II)
式中、R2は互いに同一又は異種の炭素数1〜10の非置換又は置換の1価炭化水素基である。bは0.7〜2.1、cは0.001〜1.0、かつb+cは0.8〜3.0の範囲の正数である。
ここで、上記R2は炭素数1〜10、好ましくは1〜8の、非置換又は置換の一価炭化水素基であり、脂肪族不飽和基及び芳香族基のいずれも含まないものが好ましい。
具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基;これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等を挙げることができる。
具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基;これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等を挙げることができる。
また、bは0.7〜2.1、好ましくは0.8〜2.0であり、cは0.001〜1.0、好ましくは0.01〜1.0であり、b+cは0.8〜3.0、好ましくは1.0〜2.5を満足する正数である。
(E)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、分岐鎖状、環状、網状、または3次元状のいずれでもよい。
(E)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中のケイ素原子の数(又は重合度)は通常2〜300個、好ましくは2〜200個、より好ましくは3〜150個、特に4〜150個程度の室温(25℃)で液状のものが好ましい。(E)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子に結合した水素原子(Si−H基)は、分子鎖末端にあっても、非末端にあってもよい。また、(E)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、同一のシロキサン単位を繰り返した単一重合体であっても、2種以上のシロキサン単位を繰り返した共重合体であってもよく、これら重合体を2種以上含む混合物であってもよい。
かかるオルガノハイドロジェンポリシロキサンとして、具体的には、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖片末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で封鎖され、もう一方の片末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体等が例示される。
かかるオルガノハイドロジェンポリシロキサンとして、具体的には、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖片末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で封鎖され、もう一方の片末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体等が例示される。
上記(E)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して0.01〜10質量部であり、好ましくは0.5〜5質量部である。配合量が、0.01質量部未満では、スポンジの圧縮永久歪みの低減効果が十分とはならず、10質量部を超えて配合してもそれ以上の格別な効果がないばかりか、余剰(E)成分がブリードアウトすることがある。
上記の(D)成分の有機過酸化物と(E)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは充填材に予め担持させてから配合してもよい。(D)成分及び/又は(E)成分を担持させる充填材としては、上記(B)成分の補強性シリカでもよく、さらに、後述するヒュームド酸化チタン、けいそう土等の半補強性ないしは非補強性充填材でもよい。
−(F)成分−
(F)成分のアゾ系ガス発生剤は、シリコーンゴムスポンジの発泡倍率をさらに上げたり、スポンジセル形成後に、セル壁に穴を開けてスポンジ連泡率を高めたりする目的で、必要に応じて添加されるガス発生成分であり、スポンジセルを膨張させる(C)成分の溶剤由来のガス成分とは役割が異なるものである。
(F)成分の分解開始温度(ガス発生温度)は、90℃以上、好ましくは105℃以上、さらに好ましくは150℃以上である。(F)成分のアゾ系ガス発生剤の種類は、分解開始温度がシリコーンゴム組成物の有機過酸化物による硬化後となるものであれば特に限定されるものではなく、従来スポンジ弾性層の形成に用いられるものが使用できる。例えば、ジアゾアミノ誘導体、アゾニトリル誘導体、アゾジカルボン酸誘導体等の有機アゾ化合物等が挙げられる。有機アゾ化合物の中でも、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)等が好適に使用される。
(F)成分のアゾ系ガス発生剤は、シリコーンゴムスポンジの発泡倍率をさらに上げたり、スポンジセル形成後に、セル壁に穴を開けてスポンジ連泡率を高めたりする目的で、必要に応じて添加されるガス発生成分であり、スポンジセルを膨張させる(C)成分の溶剤由来のガス成分とは役割が異なるものである。
(F)成分の分解開始温度(ガス発生温度)は、90℃以上、好ましくは105℃以上、さらに好ましくは150℃以上である。(F)成分のアゾ系ガス発生剤の種類は、分解開始温度がシリコーンゴム組成物の有機過酸化物による硬化後となるものであれば特に限定されるものではなく、従来スポンジ弾性層の形成に用いられるものが使用できる。例えば、ジアゾアミノ誘導体、アゾニトリル誘導体、アゾジカルボン酸誘導体等の有機アゾ化合物等が挙げられる。有機アゾ化合物の中でも、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)等が好適に使用される。
(F)成分は任意成分であるが、添加する場合は、スポンジ発泡倍率又は連泡率の向上に必要な添加量を適宜添加すればよく、(A)成分100質量部に対して0.01〜10質量部であり、好ましくは0.01〜8質量部である。添加量が(A)成分100質量部に対して0.01質量部より少ないと発泡倍率が上がらない、または発生ガス圧、ガス量が足りず、スポンジを連泡化させることが不完全になることがあり、10質量部より多いとスポンジセルが破泡したり、ガス発生剤の分解残渣によるシリコーンゴム物性の悪化を引き起こしてしまう可能性がある。
シリコーンゴム組成物に含まれる(C)熱膨張性マイクロカプセル及び(D)有機過酸化物は、ミラブル型シリコーンゴム組成物の発泡メカニズムの一連の反応過程をHAV架橋という一工程で実施可能とするために、
(C)成分の膨張開始温度<(D)成分の架橋開始温度
となるようなものを用いることが好ましい。
また、(F)アゾ系ガス発生剤を含む場合は、
(C)成分の膨張開始温度<(D)成分の架橋開始温度<(F)成分の分解開始温度
又は
(C)成分の膨張開始温度<(F)成分の分解開始温度<(D)成分の架橋開始温度
となるようなものを用いることが好ましい。これらの条件を満たすことによって、スポンジセル生成と連泡化という発泡メカニズムの一連の反応過程が、HAV架橋という一工程で実施可能となる。
(C)成分の膨張開始温度<(D)成分の架橋開始温度
となるようなものを用いることが好ましい。
また、(F)アゾ系ガス発生剤を含む場合は、
(C)成分の膨張開始温度<(D)成分の架橋開始温度<(F)成分の分解開始温度
又は
(C)成分の膨張開始温度<(F)成分の分解開始温度<(D)成分の架橋開始温度
となるようなものを用いることが好ましい。これらの条件を満たすことによって、スポンジセル生成と連泡化という発泡メカニズムの一連の反応過程が、HAV架橋という一工程で実施可能となる。
−その他の成分−
本発明のシリコーンゴム組成物は、以上の成分の他に本発明の効果を阻害しない範囲で、以下の成分を配合してもよい。
本発明のシリコーンゴム組成物は、以上の成分の他に本発明の効果を阻害しない範囲で、以下の成分を配合してもよい。
・分散剤
分散剤としては、アルコキシシラン、ジフェニルシランジオール、カーボンファンクショナルシラン、両末端シラノール基封鎖低分子シロキサン等が挙げられる。ここで、両末端シラノール基封鎖低分子シロキサンとしては、具体的には、両末端シラノール基を有し、23℃における粘度が10〜100mm2/s、好ましくは20〜40mm2/sのジメチルポリシロキサンが挙げられる。
分散剤としては、アルコキシシラン、ジフェニルシランジオール、カーボンファンクショナルシラン、両末端シラノール基封鎖低分子シロキサン等が挙げられる。ここで、両末端シラノール基封鎖低分子シロキサンとしては、具体的には、両末端シラノール基を有し、23℃における粘度が10〜100mm2/s、好ましくは20〜40mm2/sのジメチルポリシロキサンが挙げられる。
・(B)成分の補強性シリカ以外の半補強性ないし非補強性の充填材
半補強性ないし非補強性の充填材としては、粉砕シリカ、ケイソウ土、金属炭酸塩、クレー、タルク、マイカ、ヒュームド酸化チタンなどを挙げることができる。
半補強性ないし非補強性の充填材としては、粉砕シリカ、ケイソウ土、金属炭酸塩、クレー、タルク、マイカ、ヒュームド酸化チタンなどを挙げることができる。
・難燃剤
難燃剤としては、一般的に難燃化のために添加される酸化チタン、焼成マイカ、水酸化アルミニウム等が挙げられる。
難燃剤としては、一般的に難燃化のために添加される酸化チタン、焼成マイカ、水酸化アルミニウム等が挙げられる。
・熱伝導性付与剤
熱伝導性付与剤としては、一般的にシリコーンゴム組成物に熱伝導性を付与するために添加される粉砕石英、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、金属ケイ素粉末、炭化ケイ素、繊維状カーボンファイバー等が挙げられる。
熱伝導性付与剤としては、一般的にシリコーンゴム組成物に熱伝導性を付与するために添加される粉砕石英、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、金属ケイ素粉末、炭化ケイ素、繊維状カーボンファイバー等が挙げられる。
・導電性付与剤
導電性付与剤としては、導電性カーボンや導電性金属酸化物微粒子(導電性酸化亜鉛微粒子、導電性酸化チタン微粒子、導電性スズ−アンチモン酸化物微粒子)等が挙げられる。本発明では、該導電性付与剤を添加することにより導電スポンジとすることもできる。
導電性付与剤としては、導電性カーボンや導電性金属酸化物微粒子(導電性酸化亜鉛微粒子、導電性酸化チタン微粒子、導電性スズ−アンチモン酸化物微粒子)等が挙げられる。本発明では、該導電性付与剤を添加することにより導電スポンジとすることもできる。
さらに、本発明のシリコーンゴム組成物には、耐熱添加剤、酸化防止剤、加工助剤などを配合してもよい。また、本発明のシリコーンゴム組成物にフェライト粉末などを配合し、高周波誘電加熱による成形を可能としてもよい。
[ミラブル型シリコーンゴム組成物の製造方法]
ミラブル型シリコーンゴム組成物の製造方法は、特に限定されないが、上述した各成分の所定量を2本ロール、ニーダー、バンバリーミキサー等で混練りする方法が挙げられる。また、必要により熱処理(加熱下での混練り)してもよい。具体的には、まず(A)成分、(B)成分、及び必要に応じて添加されるその他の成分を混練・熱処理しベースゴム組成物を得る。次いでベースゴム組成物を冷却後に(C)、(D)、(E)及び任意の(F)成分を添加する方法等が挙げられる。上記ベースゴム組成物を得る際の熱処理温度、時間は特に限定されないが、熱処理温度は例えば100〜250℃、好ましくは130〜180℃であり、熱処理時間は30分〜5時間、好ましくは1〜3時間である。
ミラブル型シリコーンゴム組成物の製造方法は、特に限定されないが、上述した各成分の所定量を2本ロール、ニーダー、バンバリーミキサー等で混練りする方法が挙げられる。また、必要により熱処理(加熱下での混練り)してもよい。具体的には、まず(A)成分、(B)成分、及び必要に応じて添加されるその他の成分を混練・熱処理しベースゴム組成物を得る。次いでベースゴム組成物を冷却後に(C)、(D)、(E)及び任意の(F)成分を添加する方法等が挙げられる。上記ベースゴム組成物を得る際の熱処理温度、時間は特に限定されないが、熱処理温度は例えば100〜250℃、好ましくは130〜180℃であり、熱処理時間は30分〜5時間、好ましくは1〜3時間である。
[ミラブル型シリコーンゴムスポンジの製造方法]
本発明のミラブル型シリコーンゴムスポンジの製造方法は、上述したミラブル型シリコーンゴム組成物を160℃以上の温度で常圧熱風架橋することを特徴とする。本工程において、(C)成分の熱膨張性マイクロカプセルが膨張し、(A)成分のオルガノポリシロキサンが硬化することによりスポンジセルが形成するため、以後、本工程を「スポンジ化工程」という場合がある。このスポンジ化工程では、180〜240℃の温度で10〜60分間、好ましくは20〜40分間の条件で常圧熱風架橋することが好ましい。
本発明のミラブル型シリコーンゴムスポンジの製造方法は、上述したミラブル型シリコーンゴム組成物を160℃以上の温度で常圧熱風架橋することを特徴とする。本工程において、(C)成分の熱膨張性マイクロカプセルが膨張し、(A)成分のオルガノポリシロキサンが硬化することによりスポンジセルが形成するため、以後、本工程を「スポンジ化工程」という場合がある。このスポンジ化工程では、180〜240℃の温度で10〜60分間、好ましくは20〜40分間の条件で常圧熱風架橋することが好ましい。
本発明のミラブル型シリコーンゴムスポンジの製造方法は、上述したスポンジ化工程に加えて、200〜250℃、好ましくは200〜230℃で、1分〜10時間、好ましくは30〜600分間のポストキュアーを行ってもよい。シリコーンゴム組成物に、(F)成分のアゾ系ガス発生剤としてアゾジカルボンアミド等の200℃以上の分解温度をもつ成分が添加されている場合、このポストキュアー工程によって、(C)成分の熱膨張性マイクロカプセルが熱劣化し、(F)成分のアゾ系ガス発生剤が分解して発生したガスが熱膨張性マイクロカプセルの熱劣化後の空洞を伝わりスポンジ外部に排出され、スポンジの連泡率が向上する。また、有機過酸化物硬化剤の分解残渣、熱膨張性マイクロカプセルの外殻の熱可塑性樹脂残渣及び/又はアゾ系ガス発生剤の分解残渣を、スポンジから除去することができる。
本発明のミラブル型シリコーンゴムスポンジの製造方法におけるスポンジ化工程の熱処理、即ち、ミラブル型シリコーンゴム組成物の硬化発泡方法は、常圧熱風架橋(HAV)である。常圧熱風架橋はバッチ式で行ってもよく、連続式で行ってもよい。具体的には、任意の方法で成形した本発明の組成物をバッチ式乾燥器に入れて常圧熱風架橋してもよく、本発明の組成物を押出成形により成形し、成形された組成物をベルトコンベア等で連続式乾燥器に入れて常圧熱風架橋してもよい。常圧熱風架橋には加熱されたガラスビーズ中で発泡させるパウダーキュアリングメソッドも含まれる。
上述の製造方法で得られた本発明のシリコーンゴムスポンジは、JIS K 6249:2003に準じて、180℃で22時間、25%圧縮したときのスポンジ圧縮永久歪みが0〜40%であることが特徴であり、好ましくは0〜20%である。圧縮永久歪みが40%を超えると、スポンジを圧縮状態より開放した際に、形状回復し難いスポンジとなってしまう。
また、上記シリコーンゴムスポンジは連泡率が30〜100%以上であると、より圧縮永久歪みが良好となる特徴があり、より好ましくは連泡率が35〜100%である。連泡率が30%未満であると、スポンジを圧縮状態より開放した際に、スポンジセル内に空気が入りにくいため、形状回復し難いスポンジとなってしまう。
なお、本発明において、連泡率とは次に示す方法で測定したものである。
また、上記シリコーンゴムスポンジは連泡率が30〜100%以上であると、より圧縮永久歪みが良好となる特徴があり、より好ましくは連泡率が35〜100%である。連泡率が30%未満であると、スポンジを圧縮状態より開放した際に、スポンジセル内に空気が入りにくいため、形状回復し難いスポンジとなってしまう。
なお、本発明において、連泡率とは次に示す方法で測定したものである。
・連泡率の測定方法
1)未架橋シリコーンゴム組成物シート(以下、「発泡前ゴム」という)及びシリコーンゴムスポンジ(以下、「スポンジ」という)の比重と質量を測定する。
なお、比重の測定はJIS K 6268:1998記載の方法によって行い、ただし、比重測定時の水中に浸漬する時間は5秒以内とする。
2)水を入れた容器に、スポンジを水に沈むように配置し、該容器ごと真空容器に入れ、真空容器内を10mmHg以下に減圧する。
3)真空容器内を常圧に戻した後に5分間放置してスポンジに吸水させる。
4)吸水したスポンジの質量を計量する。
次に、下記計算式に従って連泡率を求める。
1)未架橋シリコーンゴム組成物シート(以下、「発泡前ゴム」という)及びシリコーンゴムスポンジ(以下、「スポンジ」という)の比重と質量を測定する。
なお、比重の測定はJIS K 6268:1998記載の方法によって行い、ただし、比重測定時の水中に浸漬する時間は5秒以内とする。
2)水を入れた容器に、スポンジを水に沈むように配置し、該容器ごと真空容器に入れ、真空容器内を10mmHg以下に減圧する。
3)真空容器内を常圧に戻した後に5分間放置してスポンジに吸水させる。
4)吸水したスポンジの質量を計量する。
次に、下記計算式に従って連泡率を求める。
また、上述の製造方法で得られた本発明のシリコーンゴムスポンジの発泡倍率は110〜1,000%であることが好ましく、120〜500%であることが特に好ましい。
発泡倍率は、(発泡前ゴムの比重/スポンジの比重)×100(%)によって計算した値であり、比重はJIS K 6268:1998記載の方法によって測定した値を用いた。
発泡倍率は、(発泡前ゴムの比重/スポンジの比重)×100(%)によって計算した値であり、比重はJIS K 6268:1998記載の方法によって測定した値を用いた。
このようなシリコーンゴムスポンジは、ロール状成形物、ベルト状成形物及びシート状成形物等の、各種用途に適した形状に成形して、各種用途に用いることができる。例えば、本発明のシリコーンゴムスポンジは、該スポンジからなる層を少なくとも1層有する電子写真式画像形成部材(特に定着部材、駆動ロール、給排紙ロール、圧力パットなど)の製造に有用である。
定着部材の例としては、該スポンジからなる層を1層有する単層の定着ロール、該スポンジからなる層を2層以上有する複層定着ロール、定着ベルト、定着パッド等が挙げられる。複層定着ロールとしては、PFAチューブ等の表層離型剤を接着させた複層定着ロール並びにソリッドゴム層、該スポンジからなる層及びトナー離型層からなるトナー溶融定着用途の多層定着ロールが挙げられる。
駆動ロールの例としては、ベルト駆動ロールが挙げられる。
また、本発明のシリコーンゴムスポンジは、自動車、鉄道車両、航空機、船舶などの輸送機用、宇宙用、建築用のスポンジガスケット及び保護緩衝材、座面スポンジ、消音スポンジや難燃スポンジとしても利用できる。
定着部材の例としては、該スポンジからなる層を1層有する単層の定着ロール、該スポンジからなる層を2層以上有する複層定着ロール、定着ベルト、定着パッド等が挙げられる。複層定着ロールとしては、PFAチューブ等の表層離型剤を接着させた複層定着ロール並びにソリッドゴム層、該スポンジからなる層及びトナー離型層からなるトナー溶融定着用途の多層定着ロールが挙げられる。
駆動ロールの例としては、ベルト駆動ロールが挙げられる。
また、本発明のシリコーンゴムスポンジは、自動車、鉄道車両、航空機、船舶などの輸送機用、宇宙用、建築用のスポンジガスケット及び保護緩衝材、座面スポンジ、消音スポンジや難燃スポンジとしても利用できる。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
実施例及び比較例において使用した各成分を以下に示す。
調製例1
<(A)+(B)成分:ベースゴム組成物1>
両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖され、10個のメチルビニルシロキサン単位をもつ平均重合度が約8,000であるジメチルポリシロキサン100質量部、
BET表面積200m2/gの乾式シリカAerosil200(日本アエロジル(株)製)40質量部、及び
両末端にシラノール基を有し、粘度29mm2/s(23℃)のジメチルポリシロキサン5質量部をニーダーで配合し、180℃で2時間熱処理しベースゴム組成物1を作製した。
<(A)+(B)成分:ベースゴム組成物1>
両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖され、10個のメチルビニルシロキサン単位をもつ平均重合度が約8,000であるジメチルポリシロキサン100質量部、
BET表面積200m2/gの乾式シリカAerosil200(日本アエロジル(株)製)40質量部、及び
両末端にシラノール基を有し、粘度29mm2/s(23℃)のジメチルポリシロキサン5質量部をニーダーで配合し、180℃で2時間熱処理しベースゴム組成物1を作製した。
調製例2
<(A)+(B)成分:ベースゴム組成物2>
両末端がトリメチルシリル基で封鎖され、15個のメチルビニルシロキサン単位をもつ平均重合度が約6,000であるジメチルポリシロキサン100質量部、及び
BET表面積200m2/gの乾式シリカAerosil200(日本アエロジル(株)製)15質量部をニーダーで配合し、180℃で2時間熱処理しベースゴム組成物2を作製した。
<(A)+(B)成分:ベースゴム組成物2>
両末端がトリメチルシリル基で封鎖され、15個のメチルビニルシロキサン単位をもつ平均重合度が約6,000であるジメチルポリシロキサン100質量部、及び
BET表面積200m2/gの乾式シリカAerosil200(日本アエロジル(株)製)15質量部をニーダーで配合し、180℃で2時間熱処理しベースゴム組成物2を作製した。
<(C)成分:熱膨張性マイクロカプセル>
C1:ポリアクリロニトリル系樹脂を外殻とし、膨張前粒子径12μm、膨張開始温度123℃、最大膨張温度170℃の熱膨張性マイクロカプセルである、920−DU−40(AkzoNobel社製)
C2:ポリアクリロニトリル系樹脂を外殻にもち、膨張前粒子径16μm、膨張開始温度75℃、最大膨張温度110℃の熱膨張性マイクロカプセルである、マツモトマイクロスフェアーF36LV(松本油脂製薬株式会社製)
C3:塩化ビニリデンとアクリロニトリルの共重合体を外殻にもち、膨張前粒子径14μm、膨張開始温度70℃、最大膨張温度110℃の熱膨張性マイクロカプセルである、マツモトマイクロスフェアーF30(松本油脂製薬株式会社製)
C1:ポリアクリロニトリル系樹脂を外殻とし、膨張前粒子径12μm、膨張開始温度123℃、最大膨張温度170℃の熱膨張性マイクロカプセルである、920−DU−40(AkzoNobel社製)
C2:ポリアクリロニトリル系樹脂を外殻にもち、膨張前粒子径16μm、膨張開始温度75℃、最大膨張温度110℃の熱膨張性マイクロカプセルである、マツモトマイクロスフェアーF36LV(松本油脂製薬株式会社製)
C3:塩化ビニリデンとアクリロニトリルの共重合体を外殻にもち、膨張前粒子径14μm、膨張開始温度70℃、最大膨張温度110℃の熱膨張性マイクロカプセルである、マツモトマイクロスフェアーF30(松本油脂製薬株式会社製)
<(D)成分:硬化剤>
D1:2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(6分間半減期温度:160℃)
D2:ジクミルパーオキサイド(6分間半減期温度154℃)
D3:ビス(2,4−ジクロロベンゾイル)パーオキサイド(6分間半減期温度99℃)
付加(比較用):付加硬化剤C−25A(白金触媒)/C−25B(オルガノハイドロジェンポリシロキサン)
(いずれも信越化学工業(株)製、120℃において約30秒でベースゴム組成物を硬化する)
D1:2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(6分間半減期温度:160℃)
D2:ジクミルパーオキサイド(6分間半減期温度154℃)
D3:ビス(2,4−ジクロロベンゾイル)パーオキサイド(6分間半減期温度99℃)
付加(比較用):付加硬化剤C−25A(白金触媒)/C−25B(オルガノハイドロジェンポリシロキサン)
(いずれも信越化学工業(株)製、120℃において約30秒でベースゴム組成物を硬化する)
<(E)成分:オルガノハイドロジェンポリシロキサン>
E1:分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(重合度100、メチルハイドロジェンシロキサン単位の繰り返し数が30で、1分子中のSi−H基の数は30個である。)
E2:分子鎖両末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(重合度10、1分子中のSi−H基の数は2個である。)
E3:分子鎖両末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(重合度17、メチルハイドロジェンシロキサン単位の繰り返し数が6で、1分子中のSi−H基の数は8個である。)
E1:分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(重合度100、メチルハイドロジェンシロキサン単位の繰り返し数が30で、1分子中のSi−H基の数は30個である。)
E2:分子鎖両末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(重合度10、1分子中のSi−H基の数は2個である。)
E3:分子鎖両末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(重合度17、メチルハイドロジェンシロキサン単位の繰り返し数が6で、1分子中のSi−H基の数は8個である。)
<(F)成分:アゾ系ガス発生剤>
F1:アゾビスイソブチロニトリル(分解開始温度107℃)
F2:ジメチル1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)(分解開始温度105℃)
F3:アゾジカルボンアミド(分解開始温度210℃)
F1:アゾビスイソブチロニトリル(分解開始温度107℃)
F2:ジメチル1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)(分解開始温度105℃)
F3:アゾジカルボンアミド(分解開始温度210℃)
実施例及び比較例の評価方法を以下に示す。
・硬さ:JIS S 6050:2008規定のアスカーC硬度を測定した。
・発泡倍率:以下の各例における未架橋ゴム組成物シートの比重(発泡前ゴム比重)及びポストキュアー後のシリコーンゴムスポンジの比重(スポンジ比重)をそれぞれ測定した。なお、比重の測定はJIS K 6268:1998記載の方法によって行った。そして、下記式より発泡倍率を算出した。
[計算方法:発泡前ゴム比重/スポンジ比重×100(%)]
・セルの状態:異常発泡、割れ、スキン層状態を観察した。目視にて異常発泡又は割れがないことが確認され、かつスキン層の表面平滑性に優れるものを「良好」と評価した。
・平均セル径:スポンジの任意の切断面にあるセルを光学顕微鏡にて観察し、セル径を測定し、平均値を算出した。
・連泡率:上記記載の手順で算出した。
・圧縮永久歪み:JIS K 6249:2003に準じて、180℃、25%圧縮、22時間後の圧縮永久歪みを測定した。
・硬さ:JIS S 6050:2008規定のアスカーC硬度を測定した。
・発泡倍率:以下の各例における未架橋ゴム組成物シートの比重(発泡前ゴム比重)及びポストキュアー後のシリコーンゴムスポンジの比重(スポンジ比重)をそれぞれ測定した。なお、比重の測定はJIS K 6268:1998記載の方法によって行った。そして、下記式より発泡倍率を算出した。
[計算方法:発泡前ゴム比重/スポンジ比重×100(%)]
・セルの状態:異常発泡、割れ、スキン層状態を観察した。目視にて異常発泡又は割れがないことが確認され、かつスキン層の表面平滑性に優れるものを「良好」と評価した。
・平均セル径:スポンジの任意の切断面にあるセルを光学顕微鏡にて観察し、セル径を測定し、平均値を算出した。
・連泡率:上記記載の手順で算出した。
・圧縮永久歪み:JIS K 6249:2003に準じて、180℃、25%圧縮、22時間後の圧縮永久歪みを測定した。
〔実施例1〕
ベースゴム組成物1を145質量部に対し、
熱膨張性マイクロカプセル(C1)3.0質量部、
硬化剤(D1)2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン1.0質量部、及び
オルガノハイドロジェンポリシロキサン(E1)1.0質量部
を2本ロールミルにて添加混合し、9mm厚の未架橋ゴム組成物シートを作製した。
次にこの9mm厚の未架橋ゴム組成物シートを230℃の熱風乾燥器で30分間常圧熱風架橋させてシリコーンゴムスポンジを得た。
その後、得られたシリコーンゴムスポンジを230℃で2時間のポストキュアーを行った。得られたスポンジのセルの状態を上記のようにして確認・評価し、スキン層をとり除いた後に、スポンジの硬さ、発泡倍率、セルの状態、平均セル径、連泡率、圧縮永久歪みを上記のようにして調べた。評価結果を表1に示す。
ベースゴム組成物1を145質量部に対し、
熱膨張性マイクロカプセル(C1)3.0質量部、
硬化剤(D1)2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン1.0質量部、及び
オルガノハイドロジェンポリシロキサン(E1)1.0質量部
を2本ロールミルにて添加混合し、9mm厚の未架橋ゴム組成物シートを作製した。
次にこの9mm厚の未架橋ゴム組成物シートを230℃の熱風乾燥器で30分間常圧熱風架橋させてシリコーンゴムスポンジを得た。
その後、得られたシリコーンゴムスポンジを230℃で2時間のポストキュアーを行った。得られたスポンジのセルの状態を上記のようにして確認・評価し、スキン層をとり除いた後に、スポンジの硬さ、発泡倍率、セルの状態、平均セル径、連泡率、圧縮永久歪みを上記のようにして調べた。評価結果を表1に示す。
〔実施例2〕
アゾ系ガス発生剤として(F3)アゾジカルボンアミド2.0質量部をさらに添加した以外は実施例1と同様にしてスポンジを作製し、評価した結果を表1に示す。
アゾ系ガス発生剤として(F3)アゾジカルボンアミド2.0質量部をさらに添加した以外は実施例1と同様にしてスポンジを作製し、評価した結果を表1に示す。
〔実施例3〕
熱膨張性マイクロカプセル(C1)3.0質量部を(C2)3.0質量部に置き換えた以外は実施例2と同様にしてスポンジを作製し、評価した結果を表1に示す。
熱膨張性マイクロカプセル(C1)3.0質量部を(C2)3.0質量部に置き換えた以外は実施例2と同様にしてスポンジを作製し、評価した結果を表1に示す。
〔実施例4〕
ベースゴム組成物1を145質量部に対し、
熱膨張性マイクロカプセル(C2)3.0質量部、
硬化剤(D2)ジクミルパーオキサイド1.0質量部、
オルガノハイドロジェンポリシロキサン(E2)3.0質量部及び
アゾ系ガス発生剤(F2)ジメチル1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)1.0質量部を2本ロールミルにて添加混合し、実施例1と同様にしてスポンジを作製した。その後、実施例1と同様にしてスポンジを評価した結果を表1に示す。
ベースゴム組成物1を145質量部に対し、
熱膨張性マイクロカプセル(C2)3.0質量部、
硬化剤(D2)ジクミルパーオキサイド1.0質量部、
オルガノハイドロジェンポリシロキサン(E2)3.0質量部及び
アゾ系ガス発生剤(F2)ジメチル1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)1.0質量部を2本ロールミルにて添加混合し、実施例1と同様にしてスポンジを作製した。その後、実施例1と同様にしてスポンジを評価した結果を表1に示す。
〔実施例5〕
ベースゴム組成物2を115質量部に対し、
熱膨張性マイクロカプセル(C3)4.0質量部、
硬化剤(D3)ビス(2,4−ジクロロベンゾイル)パーオキサイド0.7質量部、
オルガノハイドロジェンポリシロキサン(E3)2.0質量部及び
アゾ系ガス発生剤(F1)アゾビスイソブチロニトリル0.5質量部を2本ロールミルにて添加混合し実施例1と同様にスポンジを作製した。その後、実施例1と同様にしてスポンジを評価した結果を表1に示す。
ベースゴム組成物2を115質量部に対し、
熱膨張性マイクロカプセル(C3)4.0質量部、
硬化剤(D3)ビス(2,4−ジクロロベンゾイル)パーオキサイド0.7質量部、
オルガノハイドロジェンポリシロキサン(E3)2.0質量部及び
アゾ系ガス発生剤(F1)アゾビスイソブチロニトリル0.5質量部を2本ロールミルにて添加混合し実施例1と同様にスポンジを作製した。その後、実施例1と同様にしてスポンジを評価した結果を表1に示す。
〔比較例1〕
ベースゴム組成物1を145質量部に対し、
熱膨張性マイクロカプセル(C1)3.0質量部、
硬化剤(D1)2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン1.0質量部を2本ロールミルにて添加混合し、(E)成分を添加しなかった以外は実施例1と同様にスポンジを作製した。その後、実施例1と同様にしてスポンジを評価した結果を表1に示す。
ベースゴム組成物1を145質量部に対し、
熱膨張性マイクロカプセル(C1)3.0質量部、
硬化剤(D1)2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン1.0質量部を2本ロールミルにて添加混合し、(E)成分を添加しなかった以外は実施例1と同様にスポンジを作製した。その後、実施例1と同様にしてスポンジを評価した結果を表1に示す。
〔比較例2〕
アゾ系ガス発生剤(F3)としてアゾジカルボンアミド2.0質量部をさらに添加した以外は比較例1と同様にしてスポンジを評価した結果を表1に示す。
アゾ系ガス発生剤(F3)としてアゾジカルボンアミド2.0質量部をさらに添加した以外は比較例1と同様にしてスポンジを評価した結果を表1に示す。
〔比較例3〕
硬化剤(D1)2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン1.0を、付加硬化型架橋剤であるC−25A(白金触媒)を0.7質量部ならびにC−25B(オルガノハイドロジェンポリシロキサン入り)を3.0質量部へ変更した以外は実施例1と同様にしてスポンジ作製を試みた。しかし、付加架橋速度が速く、(C1)成分を発泡させる事が出来ず、未発泡ソリッド状態(中実状態)となってしまった為、硬度、発泡倍率のみ測定してスポンジ特性評価を中止した。結果を表1に示す。
〔比較例4〕
実施例4において、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(E2)を添加しなかった以外は実施例4と同様にしてスポンジを作製し、評価した結果を表1に示す。
硬化剤(D1)2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン1.0を、付加硬化型架橋剤であるC−25A(白金触媒)を0.7質量部ならびにC−25B(オルガノハイドロジェンポリシロキサン入り)を3.0質量部へ変更した以外は実施例1と同様にしてスポンジ作製を試みた。しかし、付加架橋速度が速く、(C1)成分を発泡させる事が出来ず、未発泡ソリッド状態(中実状態)となってしまった為、硬度、発泡倍率のみ測定してスポンジ特性評価を中止した。結果を表1に示す。
〔比較例4〕
実施例4において、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(E2)を添加しなかった以外は実施例4と同様にしてスポンジを作製し、評価した結果を表1に示す。
以上の結果が示すように、溶剤内包型未膨張の熱膨張性マイクロカプセル、有機過酸化物硬化剤及びオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含有するミラブル型シリコーンゴム組成物を、HAV工程による発泡、硬化を行って得られたミラブル型シリコーンゴムスポンジは、圧縮永久歪み特性に優れていることを確認できた。
Claims (9)
- 下記(A)〜(E)成分
(A)下記平均組成式(I):
R1 aSiO(4-a)/2 (I)
[式(I)中、R1は同一又は異種の炭素原子数1〜12の1価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.04の正数を示す。]
で表される、一分子中にアルケニル基を少なくとも2個有する重合度3,000以上のオルガノポリシロキサン:100質量部
(B)補強性シリカ:10〜100質量部
(C)塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選ばれるモノマーの重合物並びにこれらのモノマーのうちの2種類以上の共重合物から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂を外殻として有する、熱膨張性マイクロカプセル:0.1〜20質量部
(D)有機過酸化物硬化剤:0.01〜20質量部 及び
(E)オルガノハイドロジェンポリシロキサン:0.01〜10質量部
を含有するミラブル型シリコーンゴム組成物を、160℃以上の温度で常圧熱風架橋する工程を有する、ミラブル型シリコーンゴムスポンジの製造方法。 - 前記ミラブル型シリコーンゴム組成物において、さらに(F)アゾ系ガス発生剤を(A)成分100質量部に対して0.01〜10質量部含有する請求項1に記載のミラブル型シリコーンゴムスポンジの製造方法。
- 前記(E)オルガノハイドロジェンポリシロキサンが、下記平均組成式(II):
R2 bHcSiO(4-b-c)/2 (II)
[式中、R2は互いに同一又は異種の炭素数1〜10の非置換又は置換の1価炭化水素基を示し、bは0.7〜2.1、cは0.001〜1.0、かつb+cは0.8〜3.0の範囲の正数である。]
で表されるものである請求項1又は2に記載のミラブル型シリコーンゴムスポンジの製造方法。 - 下記(A)〜(E)成分
(A)下記平均組成式(I):
R1 aSiO(4-a/2) (I)
[式(I)中、R1は同一又は異種の炭素原子数1〜12の1価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.04の正数を示す。]
で表される、一分子中にアルケニル基を少なくとも2個有する重合度3,000以上のオルガノポリシロキサン:100質量部
(B)補強性シリカ:10〜100質量部
(C)塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選ばれるモノマーの重合物並びにこれらのモノマーのうちの2種類以上の共重合物から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂を外殻として有する、熱膨張性マイクロカプセル:0.1〜20質量部
(D)有機過酸化物硬化剤:0.01〜20質量部 及び
(E)オルガノハイドロジェンポリシロキサン:0.01〜10質量部
を含有するミラブル型シリコーンゴム組成物の硬化物であるミラブル型シリコーンゴムスポンジ。 - さらに、(F)アゾ系ガス発生剤を(A)成分100質量部に対して0.01〜10質量部含有する、請求項4に記載のミラブル型シリコーンゴムスポンジ。
- 前記(E)オルガノハイドロジェンポリシロキサンが、下記平均組成式(II):
R2 bHcSiO(4-b-c)/2 (II)
[式中、R2は互いに同一又は異種の炭素数1〜10の非置換又は置換の1価炭化水素基を示し、bは0.7〜2.1、cは0.001〜1.0、かつb+cは0.8〜3.0の範囲の正数である。]
で表されるものである請求項4又は5に記載のミラブル型シリコーンゴムスポンジ。 - 請求項4〜6のいずれか1項に記載のミラブル型シリコーンゴムスポンジからなるロール状成形物。
- 請求項4〜6のいずれか1項に記載のミラブル型シリコーンゴムスポンジからなるベルト状成形物。
- 請求項4〜6のいずれか1項に記載のミラブル型シリコーンゴムスポンジからなるシート状成形物。
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