JP2020198305A - 電池用包装材料 - Google Patents
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Abstract
Description
項1. 少なくとも、ナイロンを含む基材層、金属層、及びシーラント層が順次積層された積層体からなり、
前記基材層は、前記基材層の厚みBに対する、前記基材層のJIS Z1707:1997の規定に準拠した方法により測定される突き刺し強さAの比(A/B)が、0.92N/μm以上である、電池用包装材料。
項2. 前記基材層は、ナイロンにより形成された層を含む、項1に記載の電池用包装材料。
項3. 前記基材層は、ポリエステルを含む層とナイロンを含む層との積層体により構成されている、項1または2に記載の電池用包装材料。
項4. 前記金属層の少なくとも一方の面に化成処理が施されている、項1〜3のいずれかに記載の電池用包装材料。
項5. 前記金属層が、アルミニウム箔により形成されている、項1〜4のいずれかに記載の電池用包装材料。
項6. 前記金属層の厚みが10〜50μmの範囲にある、項1〜5のいずれかに記載の電池用包装材料。
項7. 前記積層体の厚みが、160μm以下である項1〜6のいずれかに記載の電池用包装材料。
項8. 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、項1〜7のいずれかに記載の電池用包装材料内に収容されている、電池。
項9. 少なくとも、ナイロンを含む基材層、金属層、及びシーラント層が順次積層された積層体を得る工程を備えており、
前記基材層として、前記基材層の厚みBに対する、前記基材層のJIS Z1707:1997の規定に準拠した方法により測定される突き刺し強さAの比(A/B)が、0.92N/μm以上であるものを用いる、電池用包装材料の製造方法。
電池用包装材料は、図1に示すように、少なくとも、基材層1、金属層3、及びシーラント層4が順次積層された積層体からなる。本発明の電池用包装材料において、基材層1が最外層になり、シーラント層4は最内層になる。即ち、電池の組み立て時に、電池素子の周縁に位置するシーラント層4同士が熱溶着して電池素子を密封することにより、電池素子が封止される。
[基材層1]
本発明の電池用包装材料において、基材層1は最外層を形成する層である。基材層1は、ナイロンを含んでいる。前述の通り、近年、電池の小型化、薄型化の要求に伴い、電池用包装材料に対しても、より一層の薄膜化が求められている。しかしながら、電池用包装材料の厚みが薄くなると、成形時に金属層にピンホールやクラックが生じやすくなるという問題がある。特に、本発明者らが検討したところ、ナイロンを含む基材層を金属層と積層した電池用包装材料においては、厚みが薄くなることによるピンホールの発生が顕著になることが明らかとなった。
本発明の電池用包装材料において、接着層2は、基材層1と金属層3を強固に接着させるために、これらの間に設けられる層である。
電池用包装材料において、金属層3は、電池用包装材料の強度向上の他、電池内部に水蒸気、酸素、光などが侵入することを防止するためのバリア層として機能する層である。金属層3を構成する金属としては、具体的には、アルミニウム、ステンレス、チタンなどが挙げられ、好ましくはアルミニウムが挙げられる。金属層3は、金属箔や金属蒸着などにより形成することができ、金属箔により形成することが好ましく、アルミニウム箔により形成することがさらに好ましい。電池用包装材料の製造時に、金属層3にしわやピンホールが発生することを防止する観点からは、例えば、焼きなまし処理済みのアルミニウム(JIS A8021P−O、JIS A8079P−O)など軟質アルミニウム箔により形成することがより好ましい。
たり、クロム酸化合物がクロム換算で約0.5mg〜約50mg、好ましくは約1.0mg〜約40mg、リン化合物がリン換算で約0.5mg〜約50mg、好ましくは約1.0mg〜約40mg、及びアミノ化フェノール重合体が約1mg〜約200mg、好ましくは約5.0mg〜150mgの割合で含有されていることが望ましい。
本発明の電池用包装材料において、シーラント層4は、最内層に該当し、電池の組み立て時にシーラント層同士が熱溶着して電池素子を密封する層である。
たウルトラミクロトーム(REICHERT S、REICHERT TCSなど)を用いて、膜厚が約100nmの超薄切片を作製する。次いで、この超薄切片にカーボンを蒸着させて、透過型電子顕微鏡で観察する。観察箇所は、少なくとも5箇所をランダムに選択し、1万倍、5万倍、15万倍の倍率で観察する。その際、前記(1)の楕円としての近似を行う場合は、透過型電子顕微鏡にて1万倍ないし15万倍で観察される視野の中で、Image−Pro Plusのソフトを用い、Axis−majorを選択することにより、分散相(柔軟性成分または拘束成分のいずれか)を同面積で、かつ一次および二次モーメントが等しい楕円に近似し、その長軸を最大径(d1)とする。
本発明の電池用包装材料において、接着層5は、金属層3とシーラント層4を強固に接着させために、これらの間に必要に応じて設けられる層である。
本発明の電池用包装材料においては、意匠性、耐電解液性、耐擦過性、成形性の向上などを目的として、必要に応じて、基材層1の上(基材層1の金属層3とは反対側)に、必要に応じて、コーティング層(図示しない)を設けてもよい。コーティング層は、電池を組み立てた時に、最外層に位置する層である。
本発明の電池用包装材料の製造方法については、所定の組成の各層を積層させた積層体が得られる限り、特に制限されず、少なくとも、ナイロンを含む基材層、金属層、及びシーラント層が順次積層された積層体を得る工程を備えており、
前記基材層として、基材層の厚みBに対する、前記基材層のJIS Z1707:1997の規定に準拠した方法により測定される突き刺し強さAの比(A/B)が、0.92N/μm以上であるものを用いる。
すなわち、基材層1として、「2.電池用包装材料を形成する各層」の欄で説明した基材層1を用いて、各層を積層することにより、本発明の電池用包装材料を製造することができる。
属層3上に、接着層5及びシーラント層4を共押出しすることにより積層する方法(共押出しラミネーション法)、(2)別途、接着層5とシーラント層4が積層した積層体を形成
し、これを積層体Aの金属層3上に熱ラミネーション法により積層する方法、(3)積層体
Aの金属層3上に、接着層5を形成させるための接着剤を押出し法や溶液コーティングした高温で乾燥さらには焼き付ける方法等により積層させ、この接着層5上に予めシート状に製膜したシーラント層4をサーマルラミネーション法により積層する方法、(4)積層体
Aの金属層3と、予めシート状に製膜したシーラント層4との間に、溶融させた接着層5を流し込みながら、接着層5を介して積層体Aとシーラント層4を貼り合せる方法(サンドラミネーション法)等が挙げられる。
本発明の電池用包装材料は、正極、負極、電解質等の電池素子を密封して収容するための包装材料として使用される。
<電池用包装材料の製造>
それぞれ、表1に記載の突き刺し強さを有するナイロンフィルム1〜6(Ny1〜Ny6)からなる基材層(厚み15μmまたは25μm)の上に、両面に化成処理を施したアルミニウム箔(厚さ35μmまたは40μm)からなる金属層をドライラミネーション法により積層させた。具体的には、アルミニウム箔の一方面に、2液型ウレタン接着剤(ポリオール化合物と芳香族イソシアネート系化合物)を塗布し、金属層上に接着層(厚さ3μm)を形成した。次いで、金属層上の接着層と基材層を積層した後、40℃で24時間のエージング処理を実施することにより、基材層/接着層/金属層の積層体を作製した。なお、金属層として使用したアルミニウム箔の化成処理は、フェノール樹脂、フッ化クロム化合物、及びリン酸からなる処理液をクロムの塗布量が10mg/m2(乾燥重量)と
なるように、ロールコート法によりアルミニウム箔の両面に塗布し、皮膜温度が180℃以上となる条件で20秒間焼付けすることにより行った。次に積層体の金属層の上に、カルボン酸変性ポリプロピレン(金属層側に配置)20μmとランダムポリプロピレン(最内層)20μmを共押し出しすることにより、金属層上に接着層/シーラント層を積層させて、各電池用包装材料を得た。なお、実施例1、2及び比較例1、2の電池用包装材料の層構成は、基材層(15μm)/接着層(3μm)/金属層(35μm)/接着層(25μm)/シーラント層(20μm)である。また、実施例3及び比較例3の電池用包装材料の層構成は、基材層(25μm)/接着層(3μm)/金属層(40μm)/接着層(23μm)/シーラント層(23μm)である。
上記で得られた各電池用包装材料を80mm×120mmの長方形に断裁してサンプルを作製した。このサンプルを30×50mmの口径を有する成形金型(雌型)と、これに対応した成形金型(雄型)を用いて、押さえ圧0.4MPaで0.5mmの成形深さから0.5mm単位で成形深さを変えて、それぞれ10個のサンプルについて冷間成形を行った。冷間成形後のサンプルについて、アルミニウム箔にピンホール、クラックが10個のサンプル全てにおいて発生しない最も深い成形深さをAmm、アルミニウム箔にピンホール等が発生した最も浅い成形深さにおいてピンホール等が発生したサンプルの数をB個とし、以下の式により算出される値を電池用包装材料の成形深さとした。結果を表2に示す。
成形深さ=Amm+(0.5mm/10個)×(10個−B個)
2 接着層
3 金属層
4 シーラント層
5 接着層
Claims (9)
- 少なくとも、ナイロンを含む基材層、金属層、及びシーラント層が順次積層された積層体からなり、
前記基材層は、前記基材層の厚みBに対する、前記基材層のJIS Z1707:1997の規定に準拠した方法により測定される突き刺し強さAの比(A/B)が、0.92N/μm以上である、電池用包装材料。 - 前記基材層は、ナイロンにより形成された層を含む、請求項1に記載の電池用包装材料。
- 前記基材層は、ポリエステルを含む層とナイロンを含む層との積層体により構成されている、請求項1または2に記載の電池用包装材料。
- 前記金属層の少なくとも一方の面に化成処理が施されている、請求項1〜3のいずれかに記載の電池用包装材料。
- 前記金属層が、アルミニウム箔により形成されている、請求項1〜4のいずれかに記載の電池用包装材料。
- 前記金属層の厚みが10〜50μmの範囲にある、請求項1〜5のいずれかに記載の電池用包装材料。
- 前記積層体の厚みが、160μm以下である請求項1〜6のいずれかに記載の電池用包装材料。
- 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、請求項1〜7のいずれかに記載の電池用包装材料内に収容されている、電池。
- 少なくとも、ナイロンを含む基材層、金属層、及びシーラント層が順次積層された積層体を得る工程を備えており、
前記基材層として、前記基材層の厚みBに対する、前記基材層のJIS Z1707:1997の規定に準拠した方法により測定される突き刺し強さAの比(A/B)が、0.92N/μm以上であるものを用いる、電池用包装材料の製造方法。
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