JP2020198195A - リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020198195A
JP2020198195A JP2019103083A JP2019103083A JP2020198195A JP 2020198195 A JP2020198195 A JP 2020198195A JP 2019103083 A JP2019103083 A JP 2019103083A JP 2019103083 A JP2019103083 A JP 2019103083A JP 2020198195 A JP2020198195 A JP 2020198195A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lithium
positive electrode
firing
nickel composite
composite oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019103083A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7271848B2 (ja
Inventor
鈴木 淳
Atsushi Suzuki
淳 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Mining Co Ltd filed Critical Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority to JP2019103083A priority Critical patent/JP7271848B2/ja
Publication of JP2020198195A publication Critical patent/JP2020198195A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7271848B2 publication Critical patent/JP7271848B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)

Abstract

【課題】 リチウムイオン二次電池用正極活物質の生産性を向上せしめる簡便な製造方法を提供する【解決手段】 Ni、Co、及び、それ以外の元素Mを含み、かつ、各元素の原子数比がNi:Co:M=(1−x−y):x:y(ただし、0.01≦x≦0.35、0.03≦y≦0.35、Mは遷移金属、アルカリ土類金属、卑金属、半金属のうち、少なくとも一種)で表されるニッケル複合酸化物粒子と、リチウム化合物粉末を混合してリチウム混合物を得る混合工程と、前記リチウム混合物を酸化性雰囲気で焼成処理する焼成工程とを有し、前記焼成工程が、焼成処理中に少なくとも一回はリチウム混合物の撹拌操作を伴う工程であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。【選択図】 なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法に関する。
近年、携帯電話やノート型パソコン等の携帯機器の普及にともない、高いエネルギー密度を有する小型かつ軽量な二次電池の開発が強く望まれている。
また、xEVと呼ばれる環境対応自動車においても、ハイブリッド車(HEV)から高容量の二次電池を必要とするプラグインハイブリッド車(PHEV)や電気自動車(BEV)への移行が進んでいる。このBEVは、1回の充電での走行距離がガソリン車に比べ短く、これを改善するため二次電池の高容量化が求められている。
このような要求を満たす二次電池として、リチウムイオン二次電池がある。
このリチウムイオン二次電池は、負極および正極と電解液等で構成され、負極および正極の活物質は、リチウムを脱離および挿入することの可能な材料が用いられている。
さらにリチウムイオン二次電池は、現在、研究開発が盛んに行われているところであるが、中でも、層状またはスピネル型のリチウム金属複合酸化物を正極材料に用いたリチウムイオン二次電池は、4V級の高い電圧が得られるため、高いエネルギー密度を有する電池として実用化が進んでいる。
これまで主に提案されている材料としては、合成が比較的容易なリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)や、リチウムニッケル複合酸化物(LiNiO)、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LiNi1/3Co1/3Mn1/3)、マンガンを用いたリチウムマンガン複合酸化物(LiMn)などを挙げることができる。
これらの中でも、リチウムニッケル複合酸化物(LiNiO)は、高容量で、かつ、高出力であり、今後の環境対応自動車の二次電池の正極活物質として求められる特性を満足するものとして注目されており、急速に需要が拡大しつつある。
さらに、近年のXEVの需要拡大に伴い、その低価格化が求められている。そのため環境対応自動車の高コスト要因の一つである二次電池の低コスト化の要求が高まってきており、リチウム二次電池を構成する材料の一つである正極活物質も低コスト化を求められている。
このリチウムニッケル複合酸化物は、ニッケル複合水酸化物、ニッケル複合酸化物などのニッケルを含む化合物とリチウム化合物とを混合してリチウム混合物(原料混合物)を調製した後、リチウム混合物を焼成することで得ることができる。
リチウム混合物の焼成は、例えば、650℃以上、1100℃以下程度の温度で3時間以上行われる。この焼成工程の間に、リチウム化合物がニッケルを含む化合物と反応(焼結)して、高い結晶性を有するリチウムニッケル複合酸化物が得られる。
リチウム混合物の焼成は、一般的に、リチウム混合物の粉末を、匣鉢等の容器に入れて、焼成炉で焼成される。しかしながら、容器に粉末を入れて焼成した場合、熱伝導が悪く、発生ガスと反応ガスとの置換性も悪いため、高い結晶性を有するリチウムニッケル複合酸化物を製造するためには、長時間の昇温と反応の時間が必要になり、これらを含めたトータルの焼成時間が非常に長時間になってしまう。
そこで、リチウム混合物の粉末の焼成を効率よく行うための焼成条件について、これまでいくつかの提案がなされている。
例えば、特許文献1には、ニッケル複合化合物とリチウム化合物とを混合して得られる混合物(粉)を焼成容器に充填して焼成する工程において、酸素を混合物内に十分に拡散させるため、混合物の盛り量(混合物を焼成容器に入れたときの厚さ)に対する特定の温度領域に保持される最小保持時間及び、酸素濃度の範囲をそれぞれ特定し、可能な限り効率よく、混合物を焼成する方法が示されている。
また、特許文献2には、原料の焼成に、通常のヒーター加熱に加え、マイクロ波加熱を用いることにより、焼成工程における原料中の熱伝導を促進し、それにより焼成時間の短縮、及び、原料充填量の増加を実現して低製造コストで高品質のリチウムイオン電池用正極活物質が得られる方法が示されている。
特開2011−146309号公報 特開2011−210463号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、混合物の盛り量が増えるにつれて酸素の拡散時間が増加するため、混合物の盛り量を増やして生産性を向上させようとしても、大きな生産性向上は望めない。
また、特許文献2に記載の技術では、マイクロ波による原料内の水分の突沸やマイクロ波の集中による原料の発火が生じる可能性が有る。また、大量生産の場合には、かなり大型のマイクロ波発信装置が必要となり、装置導入コストが高く、大量のマイクロ波による装置の損傷も懸念される。また、電波の漏えい対策等、電波法への対応も必要である。
このような状況の中、本発明は、上述の問題に鑑みて、より生産性を向上せしめるリチウムイオン二次電池用正極活物質の簡便な製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の発明は、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、及び、それ以外の元素(M)を含み、かつ、各元素の原子数比がNi:Co:M=(1−x−y):x:y(ただし、0.01≦x≦0.35、0.03≦y≦0.35、Mは遷移金属、アルカリ土類金属、卑金属、半金属のうち、少なくとも一種)で表されるニッケル複合酸化物粒子と、リチウム化合物粉末を混合してリチウム混合物を得る混合工程と、前記リチウム混合物を酸化性雰囲気で焼成処理する焼成工程とを有し、前記焼成工程が、焼成処理中に少なくとも一回はリチウム混合物の撹拌操作を伴う工程であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法である。
本発明の第2の発明は、第1の発明におけるリチウム混合物の撹拌操作が、炉内温度を150℃上昇させる毎に、1回以上の頻度で撹拌を行う操作であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法である。
本発明の第3の発明は、第1および第2の発明のリチウム混合物の撹拌操作における1回の撹拌で、撹拌されるリチウム混合物の量が、前記焼成処理に供されたリチウム混合物全量の30%以上であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法である。
本発明の第4の発明は、第1から第3の発明における酸化性雰囲気が、酸素濃度80容量%以上であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法である。
本発明の第5の発明は、第1から第4の発明における焼成工程の焼成温度が、650℃以上、1100℃以下であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法である。
本発明の第6の発明は、第1から第5の発明における焼成工程の焼成温度での保持時間である焼成時間が15分以上、180分以下であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法である。
本発明の第7の発明は、第1から第6の発明における焼成工程で得られた焼成物を、解砕、水洗、乾燥することを備えるリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法である。
本発明によれば、より生産性が高いリチウムイオン二次電池用正極活物質の簡便な製造方法を提供することができる。
リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法の一例を示す図である。 ニッケル複合酸化物の製造方法の一例を示す図である。 焼成後のリチウムニッケル複合酸化物の処理工程の一例を示す図である。 実施例で用いた評価用二次電池を示した図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は以下に説明する実施形態に限定されるものではない。図面においては、適宜、模式的に表現することや、縮尺を変更して表現することがある。
1.リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法
本実施形態は、リチウムニッケル複合酸化物を含むリチウムイオン二次電池用正極活物質(以下、単に「正極活物質」ともいう。)の製造方法である。
リチウムニッケル複合酸化物は、リチウム(Li)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、及び、それ以外の元素(M)の原子数比が、Li:Ni:Co:M=s:(1−x−y):x:y(ただし、0.93<s<1.03、0.01≦x≦0.35、0.03≦y≦0.35)で表される。また、上記リチウムニッケル複合酸化物(以下、単に「複合酸化物」ともいう。)は、層状構造の結晶構造を有し、一次粒子が凝集して形成された二次粒子を含んでもよい。
図1は、本実施形態に係る正極活物質の製造方法の一例を示す図である。
図1に示されるように、正極活物質の製造方法は、例えば、ニッケル複合酸化物と、リチウム化合物と、を含むリチウム混合物を得ること(混合工程:ステップS10)と、その混合物を焼成して焼成体を得ること(焼成工程:ステップS20)と、を備える。以下、各工程について説明する。
[混合工程:ステップS10]
まず、ニッケル複合酸化物と、リチウム化合物とを混合してリチウム混合物を得る混合工程(ステップS10)について説明する。
本実施形態の製造方法は、原料としてニッケル複合酸化物を用いることにより、非常に短時間の焼成で結晶性の高いリチウムニッケル複合酸化物を生産性も高く得ることができる。以下、混合工程(ステップS10)に用いる各原料について説明する。
(ニッケル複合酸化物)
ニッケル複合酸化物は、ニッケル、コバルト、及び、それ以外の元素を含む酸化物(以下、「ニッケル複合酸化物」ともいう。)である。
ニッケル複合酸化物は、例えば、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、および、それ以外の元素Mを含み、各元素の原子数比(モル比)が、Ni:Co:M=(1−x−y):x:y(0.01≦x≦0.35、0.03≦y≦0.35)で表されてもよい。また、元素Mは、遷移金属、アルカリ土類金属、卑金属、半金属のうちの少なくとも一種であってもよい。なお、ニッケル複合酸化物に含まれる各元素の比率は、リチウムニッケル複合酸化物まで継承される。よって、ニッケル複合酸化物全体の組成は、得ようとするリチウムニッケル複合酸化物のリチウム以外の金属の組成と同様とすることができる。
また、ニッケル複合酸化物は、ニッケル(Ni)と、コバルト(Co)と、アルミニウム(Al)とを含み、各元素の原子数比(モル比)が、Ni:Co:Al=(1−x−y):x:y(0.01≦x≦0.10、0.03≦y≦0.10)で表されてもよい。
また、ニッケル複合酸化物は、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、アルミニウム(Al)、および、それ以外の元素Mを含んでもよく、各元素の原子数比(モル比)が、Ni:Co:Al:M=(1−x−y):x:y:z(0.03≦x≦0.10、0.03≦y≦0.10、0≦z≦0.10)で表されてもよい。また、元素Mは、遷移金属、アルカリ土類金属、卑金属、または、半金属のうちの少なくとも一種であってもよい。
ニッケル複合酸化物は、例えば、正極活物質の前駆体として用いられるニッケル複合水酸化物を酸化することで得ることができる。
ニッケル複合酸化物を用いた場合、リチウム混合物の焼成時に発生する水蒸気の量が減少し、格段に反応が進みやすくなり、焼成時間を大幅に短縮することができる。
以下、ニッケル複合酸化物の製造方法の一例について説明する。なお、ニッケル複合酸化物は、他の製造方法により得てもよい。
図2は、ニッケル複合酸化物の製造方法の一例を示した図である。
例えば、ニッケル複合酸化物は、図2に示すように、晶析(ステップS1)により得られたニッケル複合水酸化物を酸化焙焼すること(ステップS2)を備える方法により得ることができる。晶析により得られるニッケル複合水酸化物は、粒子全体で組成が均一となり、最終的に得られる正極活物質の組成も均一になる。なお、ニッケル複合酸化物は、晶析以外の方法により得てもよい。以下、ニッケル複合酸化物を製造する各工程について説明する。
[晶析工程;ステップS1]
ニッケル複合水酸化物は、例えば、ニッケルを含む塩(Ni塩)、コバルトを含む塩(Co塩)、及び、アルミニウムを含む塩(Al塩)を含有する水溶液に、中和剤などを供給して、晶析すること(ステップS1)で得られる。
具体例としては、ニッケル塩、コバルト塩及びアルミニウム塩を含有する水溶液を撹拌しながら、アンモニウムイオン供給体などの錯化剤の存在下、アルカリ水溶液を用いて中和して、晶析反応を行うことで製造することができる。晶析法により得られたニッケル複合水酸化物は、一次粒子が凝集した二次粒子で構成され、このニッケル複合水酸化物粒子を前駆体として用いて得られる正極活物質も一次粒子が凝集した二次粒子で構成されたものとなる。
上記金属塩を含有する水溶液を調整する際に用いる金属塩としては、例えば、Ni、Co及びAlそれぞれの硫酸塩、硝酸塩、塩化物を用いることができる。また、上記金属塩を水溶液は、ニッケル、コバルト、アルミニウム以外の金属Mを含む塩を含んでもよい。
ニッケル複合水酸化物は、ニッケル(Ni)と、コバルト(Co)と、任意に他の金属(M)とを含むことができ、各元素のモル比が、Ni:Co:M=(1−x−y):x:y(0.01≦x≦0.35、0.03≦y≦0.35)で表されることが好ましい。
ニッケル複合水酸化物に含まれる各元素の比率は、ニッケル複合酸化物、及び、リチウムニッケル複合酸化物まで継承される。よって、ニッケル複合水酸化物全体の組成は、得ようとするリチウムニッケル複合酸化物のリチウム以外の金属の組成と同様とすることができる。
なお、晶析方法としては、特に限定されず、例えば、連続晶析法、バッチ法などを用いることができる。連続晶析法は、例えば、反応容器からオーバーフローしたニッケル複合水酸化物を連続的に回収する方法であり、組成が等しいニッケル複合水酸化物を大量に、かつ簡便に作製できる。また、連続晶析法で得られたニッケル複合酸化物は、広い粒度分布を有し、その粒度分布は正極活物質にまで影響するため、正極活物質として用いた場合、充填密度が高くなり、電池の体積エネルギー密度が高くなる。なお、ニッケル複合水酸化物の粒径は、例えば、1μm以上、50μm以下である。
バッチ法は、より均一な粒径を有し、粒度分布の狭いニッケル複合水酸物を得ることができる。バッチ法で得られたニッケル複合水酸化物を用いて得られる成形体は、焼成の際、より均一にリチウム化合物と反応することができる。また、バッチ法で得られたニッケル複合水酸化物は、二次電池に用いられた際にサイクル特性や出力特性を低下させる原因の一つとなる微粉の混入を減少させることができる。
[酸化焙焼工程:ステップS2]
次いで、ニッケル複合水酸化物を、酸化焙焼(熱処理)をすることにより、ニッケル複合酸化物を得る(ステップS2)。
酸化焙焼の条件は、ニッケル複合水酸化物の大部分がニッケル複合酸化物に変換される条件であれば、特に限定されないが、例えば、酸化焙焼の温度は600℃以上、800℃以下であることが好ましい。酸化焙焼の温度が600℃未満である場合、ニッケル複合水酸化物(前駆体)に水分が残留して酸化が十分に進まないことがある。一方、酸化焙焼の温度が800℃を超える場合、複合酸化物同士が結着して粗大粒子が形成されることがある。また、酸化焙焼の温度が高すぎる場合、多くのエネルギーを使用するため、コストの観点から、生産性が低下し、工業的に適当ではない。
酸化焙焼の時間は、例えば、0.5時間以上、3.0時間以下であることが好ましい。酸化焙焼の時間が0.5時間未満である場合、ニッケル複合水酸化物の酸化が十分に進まないことがある。一方、酸化焙焼の時間が3.0時間を超える場合、エネルギーコストが大きくなり、生産性が低下し、工業的に適当ではない。
(リチウム化合物)
リチウム化合物としては、特に限定されず、公知のリチウム化合物を用いることができ、例えば、水酸化リチウム、硝酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸リチウム、又は、これらの混合物が用いることができる。これらの中でも、好ましくは水酸化リチウム、炭酸リチウムが用いられる。
水酸化リチウムとしては、水酸化リチウム−水和物(LiOH・HO)などの水和物、無水水酸化リチウム(LiOH)などの無水物を用いることができ、中でも、無水水酸化リチウムが好ましく、水分率が1.5%以下、かつ、トータルカーボン(全炭素含有量)が1.0%以下の水酸化リチウムがより好ましい。
水分率が1.5%以下、かつ、トータルカーボンが1.0%以下の水酸化リチウムは、例えば、水酸化リチウム−水和物(LiOH・HO)を熱処理して得ることができる。このような水酸化リチウムを用いた場合、焼成工程(ステップS20)における水分の発生が抑制されることにより、リチウムニッケル複合酸化物の合成反応が促進され、焼成時間を短縮することができる。
なお、水分率は、測定対象となる水酸化リチウムを200℃、8時間で真空乾燥後、得られた水酸化リチウムの水分含有率を0質量%として、真空乾燥前後の重量を測定することにより算出される。なお、水分率は、水和水を含む量であり、例えば、水酸化リチウム−水和物は、43質量%程度の水分率となる。また、トータルカーボン(全炭素含有量)は、高周波燃焼−赤外吸収法により測定できる値である。
(リチウム混合物)
リチウム混合物は、ニッケル複合酸化物とリチウム化合物とを混合することで得られる。
ニッケル複合酸化物とリチウム化合物との混合割合は、ニッケル複合酸化物中のニッケル、コバルト及びその他の金属元素の合計の原子数(Me)とリチウムの原子数(Li)との比(Li/Me比)が、0.93を超え1.03未満の範囲となるように混合される。
このLi/Me比が0.93以下である場合、焼成工程(ステップS20)において、一部のニッケル複合酸化物が反応せずに残存して十分な電池性能が得られないことがある。一方、Li/Me比が1.03以上である場合、焼成工程(ステップS20)において、焼結が促進され、焼成物が硬くなり解砕が困難になることや、得られるリチウムニッケル複合酸化物の粒径や結晶子径が大きくなりすぎ、十分な電池性能が得られないことがある。
二次電池の構成の違い等により、要求されるLi/Me比の値は異なるため、Li/Me比の値は、上記範囲内において、その要求に応じて適宜、設定することができる。なお、Li/Me比の値は、例えば、0.95以上1.03未満であってもよく、1.0以上1.03未満であってもよく、1.0を超え1.03未満であってもよい。
また、Li/Me比は、焼成工程(ステップS20)の前後でほぼ変化しないので、リチウム混合物中のLi/Me比が、リチウムニッケル複合酸化物中でもほぼ維持される。よって、ニッケル複合酸化物とリチウム化合物との混合割合は、得ようとするリチウムニッケル複合酸化物中のLi/Me比と同じになるように、適宜調整することができる。
ニッケル複合酸化物とリチウム化合物との混合には、一般的な混合機を使用することができ、例えば、シェイカーミキサ、レーディゲミキサ、ジュリアミキサ、Vブレンダなどを用いることができる。またこの混合は、ニッケル複合酸化物の形骸が破壊されない程度で、十分に混合されればよい。混合が十分でない場合、個々の粒子間でLi/Me比がばらつき、十分な電池特性が得られない等の問題が生じる可能性がある。
[焼成工程:ステップS20]
次いで、得られたリチウム混合物を酸素雰囲気中、650℃以上、1100℃以下で焼成処理する(焼成工程、ステップS20)。
このリチウム混合物の焼成では、混合物中のニッケル複合酸化物とリチウム化合物とが反応し、リチウムニッケル複合酸化物を生成する。
特に、この焼成中にリチウム混合物を撹拌操作することにより、従来の焼成時間よりも非常に短い時間で、従来と同等以上の高い結晶性と電池特性を有するリチウムニッケル複合酸化物(正極活物質)を得ることができる。
ところで焼成条件は、ニッケル複合酸化物とリチウム化合物とが反応して、リチウムニッケル複合酸化物が形成される条件であれば良く、例えば、室温から徐々に昇温し、650℃以上、1100℃以下の温度範囲の中で予め定められた温度(焼成温度)に、3時間以下保持(焼成時間)することが好ましい。
焼成温度が650℃未満である場合、リチウムの拡散が十分に行われなくなり、未反応のリチウム化合物の粒子が残ったり、リチウムニッケル複合酸化物の結晶構造が十分整わなくなったりして、得られた正極活物質を用いた二次電池が十分な電池特性を有さないことがある。
一方、焼成温度が1100℃を超える場合、リチウムニッケル複合酸化物粒子間で激しく焼結が生じるとともに異常粒成長を生じて、比表面積が低下することがある。また、正極活物質の比表面積が低下して、二次電池における正極の抵抗が上昇して電池容量が低下することがある。なお、焼成温度は、組成に応じて、適宜、調整することができる。
例えば、その他の元素Mにアルミニウムを用いた場合は、700℃以上、800℃以下であってもよく、730℃以上、770℃以下であってもよい。
また、その他の元素Mにマンガンを用いた場合は、800℃以上、1100℃以下であってもよく、850℃以上、950℃以下であってもよい。
上記焼成温度にリチウム混合物が保持される時間(以下、「焼成時間」ともいう。)は、高い結晶性を有するリチウムニッケル複合酸化物が形成されれば、特に限定されないが、例えば、その他の元素Mにアルミニウムを用いた場合は、120分間以下が好ましく、60分間以下がより好ましく、30分間以下がさらに好ましい。
また、その他の元素Mにマンガンを用いた場合は、420分間以下が好ましく、300分間以下がより好ましく、180分間以下が更に好ましい。
なお、本実施形態においては、提示した焼成温度、および組成によって、15分間から180分間の焼成時間で高い結晶性を有するリチウムニッケル複合酸化物が得られて好ましく、さらに焼成時間は、その範囲内において結晶性を維持しつつ、短いほど、生産性の向上が望め、好ましい。
焼成時の雰囲気は、大気雰囲気以上の酸素濃度を有する酸化性雰囲気であることが好ましく、酸素濃度が80容量%以上の雰囲気とすることがより好ましく、酸素濃度が100容量%であってもよい。すなわち、リチウム混合物は、酸素気流中で行なうことが好ましい。
焼成時の雰囲気の酸素濃度が80容量%未満である場合は、ニッケル複合酸化物とリチウム化合物の反応に必要な量の酸素を供給できず、リチウムニッケル複合酸化物の形成に多くの時間がかかり、大気より酸素濃度が低い場合は、リチウムニッケル複合酸化物が十分に形成されない場合がある。
焼成炉としては、特に限定されず、酸素気流中で加熱できるものであればよく、縦型炉、回転炉床炉及びローラーハースキルンなどを用いることができる。
(撹拌操作)
焼成中の撹拌操作において、その撹拌方法は、リチウム混合物を撹拌できれば特に限定されない。好ましくは1回の撹拌でリチウム混合物の30%以上が撹拌される撹拌方法で有ればよく、50%以上撹拌される方法であればより好ましく、70%以上撹拌される方法であればさらに好ましい。
また、撹拌操作の頻度は、焼成工程の昇温開始から降温終了までの全てにおいて、撹拌する必要はなく、必要に応じて適宜混合できればよいが、昇温過程のみ、若しくは、昇温後の焼成温度での焼成時間の中間付近までの間は、撹拌処理を行うと良い。好ましくは、昇温過程における炉内温度が一定温度上昇する毎に撹拌する方法を採ると良く、例えば、昇温150℃につき1回以上であれば良く、100℃につき1回以上であればより好ましく、50℃につき1回以上であればさらに好ましい。また、焼成温度に保持中では、一定経過時間毎の時間ベースで撹拌操作を行っても良い。
図3は、焼成後に得られたリチウムニッケル複合酸化物を処理する工程の一例を示す図である。
図3に示すように、本実施形態に係る正極活物質の製造方法は、焼成工程(ステップS20)後に得られたリチウムニッケル複合酸化物(焼成物)を解砕して解砕物(リチウムニッケル複合酸化物の粉末)を得ること(解砕工程:ステップS30)と、解砕物を水洗および、ろ過すること(水洗工程:ステップS40)と、水洗されたリチウムニッケル複合酸化物を乾燥すること(乾燥工程:ステップS50)と、を備えてもよい。なお、本実施形態に係る正極活物質の製造方法は、上記の解砕(ステップS30)、水洗(ステップS40)、及び、乾燥工程(ステップS50)を備えなくてもよいし、これらの3つの工程のうち、少なくとも1つの工程を備えてもよい。以下、各工程について説明する。
[解砕工程:ステップS30]
焼成(ステップS20)後に得られたリチウムニッケル複合酸化物(焼成物)は、さらに解砕してもよい(ステップS30)。
この解砕により、凝集又は軽度の焼結が生じているリチウムニッケル複合酸化物の二次粒子同士を分離し、得られる正極活物質の平均粒径や粒度分布を好適な範囲に調整することができる。なお、解砕とは、焼成時に二次粒子間の焼結ネッキングなどにより生じた複数の二次粒子からなる凝集体に、機械的エネルギーを投入して、二次粒子自体をほとんど破壊することなく分離させて、凝集体をほぐす操作をいう。
その解砕の方法としては、公知の手段を用いることができ、たとえば、ピンミルやハンマーミル、分級機能付きの解砕機などを使用することができる。なお、この際、二次粒子を破壊しないように解砕力を適切な範囲に調整することが好ましい。
[水洗工程:ステップS40]
次いで、得られた解砕物を水洗してもよい(ステップS40)。
リチウムニッケル複合酸化物(解砕物)を水洗することで、リチウムニッケル複合酸化物粒子表面の余剰のリチウムや不純物が除去され、より高容量で熱安定性が高いリチウムイオン二次電池用正極活物質を得ることができる。ここで、水洗方法としては、特に限定されず、公知の技術が用いられる。
水洗方法としては、例えば、水にリチウムニッケル複合酸化物(解砕物)を投入してスラリーとし、リチウムニッケル複合酸化物の粒子表面の余剰のリチウムが十分に除去されるように、スラリーを撹拌することが好ましい。撹拌後、固液分離し、後述するように乾燥(ステップS50)して、リチウムニッケル複合酸化物を得ることができる。
スラリー濃度としては、水1質量部に対して、好ましくはリチウムニッケル複合酸化物(解砕物)を0.5〜2質量部投入することが好ましい。
スラリー濃度として、水1質量部に対する解砕物の投入量が2質量部を超える場合、粘度が非常に高くなり撹拌が困難となることや、液中のアルカリ度(pH)が高いので平衡の関係から付着物の溶解速度が遅くなったり、剥離が起きても粉末からの分離が難しくなったりすることがある。一方、スラリー濃度として、水1質量部に対する解砕物の投入量が0.5質量部未満である場合、スラリーが希薄過ぎるためリチウムの溶出量が多く、リチウムニッケル複合酸化物(解砕物)の結晶格子中からのリチウムの脱離も起きるようになり、結晶が崩れやすくなることや、高pHの水溶液(スラリー)が大気中の炭酸ガスを吸収して、リチウムニッケル複合酸化物の表面に炭酸リチウムが再析出することがある。
水洗工程(ステップS40)に使用する洗浄液は、特に限定されず、例えば、水を用いてもよい。水を用いる場合、例えば、電気伝導率測定で10μS/cm未満の水が好ましく、1μS/cm以下の水がより好ましい。電気伝導率測定が10μS/cm未満の水を使用する場合、正極活物質への不純物の付着による電池性能の低下をより抑制することができる。
上記スラリーを固液分離する際は、リチウムニッケル複合酸化物の粒子表面に残存する付着水が少ないことが好ましい。付着水が多い場合、液中(スラリー中)に溶解したリチウムが再析出し、乾燥(ステップS50)後のリチウムニッケル複合酸化物の表面に存在するリチウム量が増加することがある。固液分離には、通常に用いられる遠心機、フィルタープレスなどが用いられる。
[乾燥工程:ステップS50]
水洗(ステップS40)後、乾燥してリチウムニッケル複合酸化物(正極活物質)を得てもよい(ステップS50)。乾燥条件は、リチウムニッケル複合酸化物中の水分の少なくとも一部が除去されれば、特に限定されない。乾燥工程(ステップS50)は、例えば、濾過(固液分離)後のリチウムニッケル複合酸化物(粉末)を、炭素および硫黄を含む化合物成分を含有しないガス雰囲気下、または真空雰囲気下に制御できる乾燥機を用いて、所定の温度で行なうことが好ましい。
乾燥の温度は、80℃以上、550℃以下が好ましく、120℃以上、350℃以下がより好ましい。乾燥温度が80℃以上である場合、水洗(ステップS40)後の正極活物質を素早く乾燥し、粒子表面と粒子内部とでリチウム濃度の勾配が起こることを抑制することができる。一方、乾燥温度が550℃を超える場合、化学量論比に極めて近いか、もしくは若干リチウムが脱離して充電状態に近い状態になっていることが予想されるリチウムニッケル複合酸化物の表面付近の結晶構造が崩れる契機になり、二次電池における電池特性の低下を招くおそれがある。
また、乾燥温度は、生産性および熱エネルギーコストの観点から、120℃以上、350℃以下がより好ましい。
[正極活物質の特性]
上記した本実施形態に係る正極活物質の製造方法により、非常に短時間の焼成で、結晶性に優れるリチウムニッケル複合酸化物(正極活物質)を生産性も高く得ることができる。以下、本実施形態に係る製造方法により得られるリチウムニッケル複合酸化物(正極活物質)の特性について説明する。
(組成)
リチウムニッケル複合酸化物は、リチウム(Li)とニッケル(Ni)とコバルト(Co)とそれ以外の元素(M)とを含み、各金属元素のモル比が、Li:Ni:Co:M=s:(1−x−y):x:y(ただし、0.93<s<1.03、0.01≦x≦0.35、0.03≦y≦0.35、Mは遷移金属、アルカリ土類金属、卑金属、または、半金属のうち、少なくとも一種)で表される。
(リチウム席占有率)
リチウムニッケル複合酸化物は、例えば、X線回折パターンのリートベルト解析から得られるリチウム主体層である3aサイトのリチウム席占有率が95%以上であり、好ましくは96%以上であり、より好ましくは97%以上である。リチウム席占有率が上記範囲である場合、焼成工程(ステップS20)において、前駆体とリチウム化合物との焼結反応が十分に行われており、リチウムニッケル複合酸化物が高い結晶性を有することを示す。結晶性の高いリチウムニッケル複合酸化物を二次電池の正極活物質として用いた場合、優れた電池特性(高い電池容量等)を示す。
(初期充放電効率)
リチウムニッケル複合酸化物を正極活物質として用いて作製された評価用の2032型コイン型電池(図4参照)における、初期充放電効率(初期放電容量/初期充電容量)は、例えば、85%以上であり、好ましくは89%以上、より好ましくは89.5%以上である。初期充放電効率が上記範囲である場合、焼成工程(ステップS30)において、前駆体とリチウム化合物との焼結反応が十分に行われており、リチウムニッケル複合酸化物が高い結晶性を有することを示す。なお、初期放電容効率は、実施例で使用したコイン型電池を製作してから24時間程度放置し、開回路電圧OCV(Open Circuit Voltage)が安定した後、正極に対する電流密度を0.1mA/cmとしてカットオフ電圧4.3Vまで充電し、1時間の休止後、カットオフ電圧3.0Vまで放電したときの容量を測定した値である。
2.リチウムイオン二次電池
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の製造方法(以下、「二次電池の製造方法」ともいう)は、正極、負極、および、非水系電解質を用いてリチウムイオン二次電池を得ること、を備え、正極は、上述の製造方法で得られた正極活物質を用いて得られる。なお、本実施形態に係る製造方法により得られる二次電池は、例えば、正極、負極、セパレータおよび非水系電解液を備えてもよく、正極、負極、および固体電解質を備えてもよい。また、二次電池は、公知のリチウムイオン二次電池と同様の構成要素により構成されてもよい。
以下、本実施形態に係る二次電池の製造方法の一例として、非水系電解液を用いた二次電池の各構成材料と、その製造方法について説明する。なお、以下で説明する実施形態は例示に過ぎず、二次電池の製造方法は、本明細書に記載されている実施形態を基に、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。また、本実施形態に係る製造方法により得られる二次電池は、その用途を特に限定するものではない。
(正極)
正極は、上記の正極活物質を含む。正極は、例えば、以下のようにして、製造することができる。なお、正極の作製方法は、以下の例に限られることなく、他の方法によってもよい。
先ず、上記の正極活物質、導電材、及びバインダー(結着剤)を混合し、さらに必要に応じて活性炭や、粘度調整等の用途の溶剤を添加し、これを混錬して正極合材ペーストを作製する。なお、正極合材ペーストの構成材料は、特に限定されず、公知の正極合材ペーストと同等なものを用いてもよい。
正極合材ペースト中のそれぞれの材料の混合比は、特に限定されず、要求される二次電池の性能に応じて、適宜、調整される。材料の混合比は、公知の二次電池の正極合材ペーストと同様の範囲とすることができ、例えば、溶剤を除いた正極合材の固形分の全質量を100質量部とした場合、正極活物質の含有量を60質量部以上95質量部以下とし、導電材の含有量を1質量部以上20質量部以下とし、バインダーの含有量を1質量部以上20質量部以下としてもよい。
導電材としては、例えば、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛など)や、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラック系材料などを用いることができる。
バインダー(結着剤)は、活物質粒子をつなぎ止める役割を果たすもので、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素ゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、スチレンブタジエン、セルロース系樹脂、ポリアクリル酸などを用いることができる。
なお、必要に応じ、正極活物質、導電材、活性炭を分散させ、バインダー(結着剤)を溶解する溶剤を正極合材ペーストに添加してもよい。溶剤としては、具体的には、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の有機溶剤を用いてもよい。また、正極合材には、電気二重層容量を増加させるために、活性炭を添加してもよい。
次いで、得られた正極合材ペーストを、例えば、アルミニウム箔製の集電体の表面に塗布し、乾燥して、溶剤を飛散させて、シート状の正極を作製する。必要に応じ、電極密度を高めるため、ロールプレス等により加圧してもよい。シート状の正極は、目的とする電池に応じて適当な大きさに裁断等をして、電池の作製に供することができる。
(負極)
負極には、金属リチウムやリチウム合金等を用いてもよい。また、負極には、リチウムイオンを吸蔵および脱離できる負極活物質に、結着剤を混合し、適当な溶剤を加えてペースト状にした負極合材を、銅等の金属箔集電体の表面に塗布し、乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成したものを用いてもよい。
負極活物質としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、フェノール樹脂等の有機化合物焼成体、コークス等の炭素物質の粉状体を用いることができる。負極結着剤としては、正極同様、PVDF等の含フッ素樹脂等を用いることができる。また、これらの活物質および結着剤を分散させる溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤を用いることができる。
(セパレータ)
正極と負極との間には、セパレータを挟み込んで配置する。セパレータは、正極と負極とを分離し、電解質を保持するものであり、ポリエチレン、ポリプロピレン等の薄い膜で、微少な孔を多数有する膜を用いることができる。
(非水系電解質)
非水系電解質としては、例えば非水系電解液を用いることができる。
非水系電解液としては、例えば支持塩としてのリチウム塩を有機溶媒に溶解したものを用いることができる。また、非水系電解液として、イオン液体にリチウム塩が溶解したものを用いてもよい。なお、イオン液体とは、リチウムイオン以外のカチオンおよびアニオンから構成され、常温でも液体状の塩をいう。
有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートおよびトリフルオロプロピレンカーボネートなどの環状カーボネートや、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートおよびジプロピルカーボネートなどの鎖状カーボネート、さらにテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランおよびジメトキシエタンなどのエーテル化合物、エチルメチルスルホン、ブタンスルトンなどの硫黄化合物、リン酸トリエチル、リン酸トリオクチルなどのリン化合物等から選ばれる1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いることもできる。
支持塩としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiN(CFSO、およびそれらの複合塩などを用いることができる。さらに、非水系電解液は、ラジカル捕捉剤、界面活性剤および難燃剤などを含んでいてもよい。
また、非水系電解質としては、固体電解質を用いてもよい。固体電解質は、高電圧に耐えうる性質を有する。固体電解質としては、無機固体電解質、有機固体電解質が挙げられる。
無機固体電解質としては、酸化物系固体電解質、硫化物系固体電解質等が挙げられる。
酸化物系固体電解質としては、特に限定されず、例えば酸素(O)を含有し、かつリチウムイオン伝導性と電子絶縁性とを有するものを好適に用いることができる。例えば、リン酸リチウム(LiPO)、LiPO、LiBO、LiNbO、LiTaO、LiSiO、LiSiO−LiPO、LiSiO−LiVO、LiO−B−P、LiO−SiO、LiO−B−ZnO、Li1+XAlTi2−X(PO(0≦X≦1)、Li1+XAlGe2−X(PO(0≦X≦1)、LiTi(PO、Li3XLa2/3−XTiO(0≦X≦2/3)、LiLaTa12、LiLaZr12、LiBaLaTa12、Li3.6Si0.60.4等が挙げられる。
硫化物系固体電解質としては、特に限定されず、例えば硫黄(S)を含有し、かつリチウムイオン伝導性と電子絶縁性とを有するものを好適に用いることができる。
そのような硫化物系固体電解質としては、例えば、LiS−P、LiS−SiS、LiI−LiS−SiS、LiI−LiS−P、LiI−LiS−B、LiPO−LiS−SiS、LiPO−LiS−SiS、LiPO−LiS−SiS、LiI−LiS−P、LiI−LiPO−P等が挙げられる。
なお、無機固体電解質としては、上記以外のものを用いてよく、例えば、LiN、LiI、LiN−LiI−LiOH等を用いてもよい。
有機固体電解質としては、イオン伝導性を示す高分子化合物であれば、特に限定されず、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、これらの共重合体などを用いることができる。また、有機固体電解質は、支持塩(リチウム塩)を含んでいてもよい。
(電池の形状、構成)
以上のように説明してきた正極、負極、及び、非水系電解質で構成される本実施形態のリチウムイオン二次電池の形状は、円筒型、積層型等、種々のものとすることができる。
いずれの形状を採る場合であっても、正極および負極を、セパレータを介して積層させて電極体とし、得られた電極体に、非水系電解液を含浸させ、正極集電体と外部に通ずる正極端子との間、および、負極集電体と外部に通ずる負極端子との間を、集電用リード等を用いて接続し、電池ケースに密閉して、リチウムイオン二次電池を完成させる。
なお、固体電解質を採用する場合、固体電解質がセパレータを兼ねていてもよい。
以下、本発明の実施例を用いて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
本実施形態により得られた正極活物質およびこの正極活物質を用いた正極合材ペースト、リチウムイオン二次電池について、その性能を測定した。なお、本実施例では、複合水酸化物製造、正極活物質および二次電池の作製には、和光純薬工業株式会社製試薬特級の各試料を使用した。
[評価用二次電池の製造および評価]
以下の方法により2032型のコイン型電池(図4参照)を作製し、正極活物質の電池特性の評価を行った。
(コイン型電池の作製)
正極活物質52.5mg、アセチレンブラック15mg、およびポリテトラフッ化エチレン樹脂(PTFE)7.5mgを混合し、100MPaの圧力で直径11mm、厚さ100μmにプレス成形して正極PE(評価用電極)を作製した。その作製した正極PEを真空乾燥機中120℃で12時間乾燥した。
作製に用いた負極NEには、直径14mmの円盤状に打ち抜かれた平均粒径20μm程度の黒鉛粉末とポリフッ化ビニリデンが銅箔に塗布された負極シートを用いた。
電解液には、1MのLiPFを支持電解質とするエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の等量混合液(富山薬品工業株式会社製)を用いた。
セパレータSEには膜厚25μmのポリエチレン多孔膜を用いた。
これらの乾燥した正極PE、負極NE、セパレータSE、および、電解液を用いて、コイン型電池1を、露点が−80℃に管理されたAr雰囲気のグローブボックス内で組み立て、作製した。
その構造は図4に示すようにコイン型電池1は、ケース2と、このケース2内に収容された電極3とから構成されている。
ケース2は、中空かつ一端が開口された正極缶PCと、この正極缶PCの開口部に配置される負極缶NCとを有しており、負極缶NCを正極缶PCの開口部に配置すると、負極缶PCと正極缶PCとの間に電極3を収容する空間が形成されるように構成される。電極3は、正極PE、セパレータSEおよび負極NEとからなり、この順で並ぶように積層されており、正極PEが正極缶PCの内面に接触し、負極NEが負極缶NCの内面に接触するようにケース2に収容される。また、ガスケットGAが正極缶PCと負極缶NCの間に設けられ、その気密性を担保している。
作製したコイン型電池1を用いて、以下の電池特性を測定した。
(初期放電容量)
初期放電容量は、コイン型電池1を製作してから24時間程度放置し、開回路電圧OCV(Open Circuit Voltage)が安定した後、正極に対する電流密度を0.1mA/cmとしてカットオフ電圧4.3Vまで充電し、1時間の休止後、カットオフ電圧3.0Vまで放電したときの容量を初期放電容量とした。
組成比がNi:Co:Al=88:9:3のニッケル複合水酸化物をロータリーキルンで酸化焙焼して得られたニッケル複合酸化物と水分率が1.5%以下でトータルカーボンが1.0%以下の水酸化リチウムを、Li/Me比が1.03になるように混合し、リチウム混合物を作製した。
その作製したリチウム混合物粉末8kgを、幅330mm×奥行き330mm×高さ110mmの匣鉢に入れた。この匣鉢を常温の炉に入れ、炉内へ酸素を導入し、酸素濃度80容量%以上の雰囲気とした。その後、酸素濃度80容量%以上を保持したまま、炉内に設置した撹拌治具で150℃昇温する毎に1回ずつリチウム混合物を撹拌しながら10℃/分の昇温速度で焼成温度である760℃まで昇温した。1回の撹拌でのリチウム混合物の撹拌量は、全リチウム混合物の30〜50%とした。760℃の焼成温度に到達後、この焼成温度を60分保持した。
その後、匣鉢を酸素雰囲気中で常温まで冷却した。冷却後、解砕、水洗、乾燥して、リチウムニッケル複合酸化物を得た。
得られたリチウムニッケル複合酸化物の結晶子径およびLi席占有率をX線回折装置で測定した。また、得られたリチウムニッケル複合酸化物を正極活物質として用いてコイン型電池を作製し、初期放電容量を測定した。
これらの測定結果は表1に示す。
昇温速度を30℃/分、焼成時間を30分とし、撹拌頻度を100℃昇温する毎に1回とし、1回の撹拌でのリチウム混合物の撹拌量を全リチウム混合物の70〜90%としたこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムニッケル複合酸化物を得た。
得られたリチウムニッケル複合酸化物の結晶子径、Li席占有率、初期放電容量は表1に示す。
ニッケル複合水酸化物の組成比をNi:Co:Al=91:4:5、焼成温度を740℃とし、Li/Me比を1.02とした以外は実施例1と同様にしてリチウムニッケル複合酸化物を得た。
得られたリチウムニッケル複合酸化物の結晶子径、Li席占有率、初期放電容量は表1に示す。
昇温速度を30℃/分、焼成時間を30分とし、撹拌頻度を100℃昇温する毎に1回とし、1回の撹拌でのリチウム混合物の撹拌量を全リチウム混合物の70〜90%としたこと以外は、実施例3と同様にしてリチウムニッケル複合酸化物を得た。
得られたリチウムニッケル複合酸化物の結晶子径、Li席占有率、初期放電容量は表1に示す。
ニッケル複合水酸化物の組成比をNi:Co:Mn=55:20:25、水酸化リチウムの替わりに炭酸リチウムを使用し、焼成温度を950℃、焼成時間を3時間とし、撹拌頻度を100℃昇温する毎に1回とし、1回の撹拌でのリチウム混合物の撹拌量を全リチウム混合物の70〜90%とした以外は実施例1と同様にしてリチウムニッケル複合酸化物を得た。
得られたリチウムニッケル複合酸化物の結晶子径、Li席占有率、初期放電容量は表1に示す。
(比較例1)
焼成中に撹拌をしなかったこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムニッケル複合酸化物を得た。
得られたリチウムニッケル複合酸化物の結晶子径、Li席占有率、初期放電容量は表1に示す。
(比較例2)
焼成中に撹拌をしなかったこと以外は、実施例3と同様にしてリチウムニッケル複合酸化物を得た。
得られたリチウムニッケル複合酸化物の結晶子径、Li席占有率、初期放電容量は表1に示す。
(比較例3)
焼成中に撹拌をしなかったこと以外は、実施例5と同様にしてリチウムニッケル複合酸化物を得た。
得られたリチウムニッケル複合酸化物の結晶子径、Li席占有率、初期放電容量は表1に示す。
Figure 2020198195
(評価結果)
実施例で得られたリチウムニッケル複合酸化物は、昇温速度が速く、かつ、焼成時間が短かったにも関わらず、その結晶子径は十分に大きく、リチウム席占有率が高いことが示されている。
また、実施例1〜5で得られたリチウムニッケル複合酸化物を正極活物質として用いた二次電池は、非常に高い初期充放電容量を有することが示された。
以上から、本実施形態の製造方法によれば、リチウム混合物を撹拌しながら焼成することにより、リチウム混合物を極めて短時間で焼成することが可能であり、大幅に生産性を向上させることができ、大きなコスト削減が可能であることが明らかである。
S10 混合工程
S20 焼成工程
S1 晶析工程
S2 酸化焙焼工程
S30 解砕工程
S40 水洗工程
S50 …乾燥工程
1 コイン型電池
2 ケース
PC 正極缶
NC 負極缶
GA ガスケット
3 電極
PE 正極
NE 負極
SE セパレータ

Claims (7)

  1. ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、及び、それ以外の元素(M)を含み、かつ、各元素の原子数比がNi:Co:M=(1−x−y):x:y(ただし、0.01≦x≦0.35、0.03≦y≦0.35、Mは遷移金属、アルカリ土類金属、卑金属、半金属のうち、少なくとも一種)で表されるニッケル複合酸化物粒子と、リチウム化合物粉末を混合してリチウム混合物を得る混合工程と、
    前記リチウム混合物を酸化性雰囲気で焼成処理する焼成工程とを有し、
    前記焼成工程が、焼成処理中に少なくとも一回はリチウム混合物の撹拌操作を伴う工程であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
  2. 前記リチウム混合物の撹拌操作が、炉内温度を150℃上昇させる毎に、1回以上の頻度で撹拌を行う操作であることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
  3. 前記リチウム混合物の撹拌操作における1回の撹拌で、撹拌されるリチウム混合物の量が、前記焼成処理に供されたリチウム混合物全量の30%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
  4. 前記酸化性雰囲気が、酸素濃度80容量%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
  5. 前記焼成工程の焼成温度が、650℃以上、1100℃以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
  6. 前記焼成工程における焼成温度での保持時間である焼成時間が15分以上、180分以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
  7. 前記焼成工程で得られた焼成物を、解砕、水洗、乾燥することを備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
JP2019103083A 2019-05-31 2019-05-31 リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法 Active JP7271848B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019103083A JP7271848B2 (ja) 2019-05-31 2019-05-31 リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019103083A JP7271848B2 (ja) 2019-05-31 2019-05-31 リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020198195A true JP2020198195A (ja) 2020-12-10
JP7271848B2 JP7271848B2 (ja) 2023-05-12

Family

ID=73648517

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019103083A Active JP7271848B2 (ja) 2019-05-31 2019-05-31 リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7271848B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6976392B1 (ja) * 2020-09-04 2021-12-08 住友化学株式会社 リチウム金属複合酸化物、リチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池
CN115028214A (zh) * 2022-06-30 2022-09-09 赵县强能电源有限公司 一种制备锰基钠离子复合氧化物正极材料的方法
DE102022117903A1 (de) 2021-08-02 2023-02-02 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Herstellungsvorrichtung für ein kathodenaktivmaterial für lithiumionen-sekundärbatterien, und verfahren zur herstellung eines kathodenaktivmaterials für lithiumionen-sekundärbatterien
DE102022131347A1 (de) 2021-12-15 2023-06-15 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Vorrichtung zur herstellung eines kathodenaktivmaterials für lithium-ionen-sekundärbatterien und verfahren zur herstellung eines kathodenaktivmaterials für lithium-ionen-sekundärbatterien

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012098724A1 (ja) * 2011-01-21 2012-07-26 Jx日鉱日石金属株式会社 リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法及びリチウムイオン電池用正極活物質
JP2013098049A (ja) * 2011-11-01 2013-05-20 Nissan Motor Co Ltd 正極活物質の製造方法
JP2014022334A (ja) * 2012-07-23 2014-02-03 Asahi Kasei Corp 非水蓄電デバイス用電解液
JP2014146441A (ja) * 2013-01-28 2014-08-14 Sanyo Electric Co Ltd ニッケル複合水酸化物粒子とその製造方法、非水系電解質二次電池用正極活物質とその製造方法、および非水系電解質二次電池

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012098724A1 (ja) * 2011-01-21 2012-07-26 Jx日鉱日石金属株式会社 リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法及びリチウムイオン電池用正極活物質
JP2013098049A (ja) * 2011-11-01 2013-05-20 Nissan Motor Co Ltd 正極活物質の製造方法
JP2014022334A (ja) * 2012-07-23 2014-02-03 Asahi Kasei Corp 非水蓄電デバイス用電解液
JP2014146441A (ja) * 2013-01-28 2014-08-14 Sanyo Electric Co Ltd ニッケル複合水酸化物粒子とその製造方法、非水系電解質二次電池用正極活物質とその製造方法、および非水系電解質二次電池

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6976392B1 (ja) * 2020-09-04 2021-12-08 住友化学株式会社 リチウム金属複合酸化物、リチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池
WO2022050314A1 (ja) * 2020-09-04 2022-03-10 住友化学株式会社 リチウム金属複合酸化物、リチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池
JP2022043733A (ja) * 2020-09-04 2022-03-16 住友化学株式会社 リチウム金属複合酸化物、リチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池
DE102022117903A1 (de) 2021-08-02 2023-02-02 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Herstellungsvorrichtung für ein kathodenaktivmaterial für lithiumionen-sekundärbatterien, und verfahren zur herstellung eines kathodenaktivmaterials für lithiumionen-sekundärbatterien
KR20230019776A (ko) 2021-08-02 2023-02-09 도요타 지도샤(주) 리튬 이온 이차 전지용 정극 활물질의 제조 장치 및 제조 방법
DE102022131347A1 (de) 2021-12-15 2023-06-15 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Vorrichtung zur herstellung eines kathodenaktivmaterials für lithium-ionen-sekundärbatterien und verfahren zur herstellung eines kathodenaktivmaterials für lithium-ionen-sekundärbatterien
KR20230090994A (ko) 2021-12-15 2023-06-22 도요타 지도샤(주) 리튬 이온 이차 전지용 정극 활물질의 제조 장치 및 제조 방법
CN115028214A (zh) * 2022-06-30 2022-09-09 赵县强能电源有限公司 一种制备锰基钠离子复合氧化物正极材料的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7271848B2 (ja) 2023-05-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2016110982A (ja) 正極活物質の製造方法
JP7271848B2 (ja) リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法
JP7230515B2 (ja) リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法、及び、成形体
JP2017188211A (ja) 非水系電解質二次電池用正極活物質とその製造方法、非水系電解質二次電池用正極合材ペースト及び非水系電解質二次電池
JP7102973B2 (ja) リチウムイオン二次電池用の正極活物質とその製造方法、およびチウムイオン二次電池
JP7276324B2 (ja) リチウムイオン二次電池用正極活物質及びその製造方法
JP7444534B2 (ja) 非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法、及び、成形体
JP7444535B2 (ja) 非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法、及び、成形体
JP7159639B2 (ja) 遷移金属複合水酸化物の粒子の製造方法、及び、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法
JP7464102B2 (ja) 金属複合水酸化物とその製造方法、非水電解質二次電池用正極活物質とその製造方法、及び、それを用いた非水電解質二次電池
JP2022179554A (ja) リチウム化合物
JP2023103440A (ja) リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法
JP7143855B2 (ja) 非水系電解質二次電池用正極活物質、非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法、リチウム金属複合酸化物粉末の評価方法
JP7110647B2 (ja) リチウムニッケル含有複合酸化物とその製造方法、および、リチウムイオン二次電池、並びに、リチウムニッケル含有複合酸化物の評価方法
JP7412883B2 (ja) リチウムイオン二次電池用正極活物質およびその製造方法
JP6911644B2 (ja) 非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法
JP2022177291A (ja) 高強度リチウムイオン二次電池用正極活物質、及び、該正極活物質を用いたリチウムイオン二次電池
JP7468662B2 (ja) ニッケル含有水酸化物の製造方法、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法、リチウムイオン二次電池用正極活物質、リチウムイオン二次電池
JP2020033234A (ja) 遷移金属複合水酸化物の製造方法、遷移金属複合水酸化物、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法、リチウムイオン二次電池用正極活物質
JP7480527B2 (ja) リチウムイオン二次電池用正極活物質、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法、リチウムイオン二次電池
JP7389347B2 (ja) リチウムイオン二次電池用正極活物質、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法、リチウムイオン二次電池
KR102353564B1 (ko) 니켈 복합 산화물 및 리튬 니켈 복합 산화물 제조방법
JP7194493B2 (ja) 非水系電解質二次電池用正極活物質
TW202042429A (zh) 鋰離子二次電池用正極活性物質之製造方法
JP7159588B2 (ja) 非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法、及び、成形体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220928

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221019

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221205

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230323

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230405

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7271848

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150