JP2020197066A - ブレース構造 - Google Patents
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Abstract
Description
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、複数のブレースが面外方向にずれた状態で格子状に架設されたブレース構造において、意匠性の悪化やコストアップをできるだけ回避しながら上下の鉄骨梁のねじれ変形を抑制可能な技術を提供する点にある。
前記鉛直構面において交差する前記ブレース同士が当該鉛直構面の面外方向にずれた状態で配置されているブレース構造であって、
前記鉄骨梁のねじれ変形を防止するねじれ変形防止手段を備えた点にある。
従って、本発明により、複数のブレースが面外方向にずれた状態で格子状に架設されたブレース構造において、意匠性の悪化やコストアップをできるだけ回避しながら上下の鉄骨梁のねじれ変形を抑制可能な技術を提供することができる。
図1に示すブレース構造は、上下の鉄骨梁10,20と左右の柱3とで囲まれた状態で当該上下の鉄骨梁10,20の間に形成された鉛直構面4において、格子状に配置された複数のブレース30a,30bを上下の鉄骨梁10,20の間に架設して構成されている。
尚、本実施形態では、図1に示すように、下側鉄骨梁20は水平方向に延びる姿勢で設けられているのに対し、上側鉄骨梁10は水平方向に対して若干傾斜した方向の延びる姿勢で設けられている。しかし、上側鉄骨梁10を水平方向に延びる姿勢で設けたり、下側鉄骨梁20を水平方向に対して若干傾斜した方向に延びる姿勢で設けたりなど、これら上下の鉄骨梁10,20の姿勢を適宜変更しても構わない。
また、本実施形態では、図1に示すように、柱3を傾斜させて設けているが、当該柱3を鉛直方向に沿って直立させた姿勢としても構わない。
また、第1ブレース30aは、図1に示す平面視において、下側鉄骨梁20に接続される下端から上側鉄骨梁10に接続される上端にかけて右斜め上方に延びる姿勢で設けられており、一方、複数の第2ブレース30bは、図1に示す平面視において、下側鉄骨梁20に接続される下端から上側鉄骨梁10に接続される上端にかけて左斜め上方に延びる姿勢で設けられている。
尚、ブレース30a,30bの上側鉄骨梁10の下フランジ部12に対する接続位置をブレース上端接続位置P1と呼び、ブレース30a,30bの下側鉄骨梁20の上フランジ部21に対する接続位置をブレース下端接続位置P2と呼ぶ。
図2及び図3に示すように、鉛直構面4の面外方向にずれた状態で配置された第1ブレース30aと第2ブレース30bとは、それらの交差部においてブレース繋ぎ部32により接続されている。かかるブレース繋ぎ部32は、第1ブレース30aと第2ブレース30bとの交差部の隙間にはめ込まれた棒材の両端を第1ブレース30a及び第2ブレース30bの側面に溶接接合して構成されている。このようなブレース繋ぎ部32を設けることにより、第1ブレース30a及び第2ブレース30bのうち、一方側のブレースにおける圧縮力による座屈の発生が、引張力により姿勢が保持される他方側のブレースとのブレース繋ぎ部32を介した接続により防止されることになる。
上側鉄骨梁10は、図6及び図7に示すように、平鋼で構成された上フランジ部11と、丸鋼管で構成された下フランジ部12と、それらを接続する平鋼で構成されたウェブ13とを溶接接合にて一体化して構成されている。更に、下フランジ部12は、図4にも示すように、上半分を切欠き部分14として切り欠いた下半分の半円状である第1下フランジ部12aと、このような切欠き部分14を有さない全円状の第2下フランジ部12bとを、上側鉄骨梁10の長手方向に沿って交互に配置したものとして構成されている。そして、ブレース上端接続位置P1となる下フランジ部12の部分が、切欠き部分14を有する半円状の第1下フランジ部12aとされており、それ以外の部分が切欠き部分14を有さない全円状の第2下フランジ部12bとされている。
そして、このようなねじれ変形防止手段Xの構成により、上側鉄骨梁10全体のねじれ変形が鋼板製スラブ40によって良好に防止されることになる。
下側鉄骨梁20は、平板状の上フランジ部21と、平板状の下フランジ部22と、それらを接続する平板状のウェブ23とを有するH形鋼として構成されている。
一方、下側鉄骨梁20の上フランジ部21には、当該上フランジ部21を側方に延出させる状態で、平鋼製のプレート部27が当該上フランジ部21の側端部に対して突合せた状態で溶接接合されている。また、下側鉄骨梁20の上フランジ部21の上面及びそれから側方に延出するプレート部27の上面には、複数のスタッドボルト28が上方に突出する姿勢で配置されており、これら複数のスタッドボルト28が上記コンクリート製スラブ50のコンクリート部分50aに埋設されている。
そして、このようなねじれ変形防止手段Xの構成により、下側鉄骨梁20全体のねじれ変形がこれら複数のスタッドボルト28を通じてコンクリート製スラブ50によって良好に防止されることになる。
かかるプレート補強用リブ29は、補強用リブ25と同様に、下側鉄骨梁20の横断面と平行な姿勢で配置された平鋼製で、その外周を上フランジ部21及びプレート部27の下面と下フランジ部22の上面とウェブ23の側面とに溶接接合したスチフナー様の状態で設けられている。このことで、下側鉄骨梁20の上フランジ部21の側方に延出するプレート部27のねじれ変形が一層良好に防止されることになる。
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
一方、上記実施形態では、下側鉄骨梁20をコンクリート製スラブ50に対してスタッドボルト28を介して接合する形態で、当該下側鉄骨梁20のねじれ変形を防止するねじれ変形防止手段Xを実現したが、この下側鉄骨梁20におけるねじれ変形防止手段Xの構成については適宜変更可能であり、例えば上側鉄骨梁10と同様に鋼板製スラブに側方から接合する形態で実現することもできる。
10 上側鉄骨梁
14 切欠き部分
15 補強用リブ
20 下側鉄骨梁
21 上フランジ部
25 補強用リブ
27 プレート部
28 スタッドボルト
30a 第1ブレース
30b 第2ブレース
32 ブレース繋ぎ部
40 鋼板製スラブ
50 コンクリート製スラブ
50a コンクリート部分
P1 ブレース上端接続位置
P2 ブレース下端接続位置
X 変形防止手段
Claims (5)
- 上下の鉄骨梁の間に形成された鉛直構面に複数のブレースが格子状に架設され、
前記鉛直構面において交差する前記ブレース同士が当該鉛直構面の面外方向にずれた状態で配置されているブレース構造であって、
前記鉄骨梁のねじれ変形を防止するねじれ変形防止手段を備えたブレース構造。 - 前記ねじれ変形防止手段が、前記鉄骨梁における当該鉄骨梁の長手方向に沿った前記ブレースの接続位置の両側に一対の補強用リブを並設して構成されている請求項1に記載のブレース構造。
- 前記上下の鉄骨梁の少なくとも一方の鉄骨梁が丸鋼管を有して構成されており、当該鉄骨梁において、前記補強用リブが、前記丸鋼管の上方を切り欠いた切欠き部分に設けられている請求項2に記載のブレース構造。
- 前記上下の鉄骨梁の少なくとも一方の鉄骨梁において、前記ねじれ変形防止手段が、鋼板製スラブに対して前記鉄骨梁を側方から接合して構成されている請求項1〜3の何れか1項に記載のブレース構造。
- 前記上下の鉄骨梁の少なくとも一方の鉄骨梁において、前記ねじれ変形防止手段が、コンクリート製スラブに対して前記鉄骨梁の上フランジ部及びその上フランジ部の縁部に突合せ状態で接合されたプレート部に配置されたスタッドボルトを埋設させて構成されている請求項1〜4の何れか1項に記載のブレース構造。
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JP2007002515A (ja) * | 2005-06-23 | 2007-01-11 | Shimizu Corp | 建築物の耐震補強構造 |
JP2015151778A (ja) * | 2014-02-16 | 2015-08-24 | 株式会社安藤・間 | 骨組構造、及び骨組構造の補強方法 |
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