JP2020194127A - ファインダーおよび撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】視度調整機能を有し、小型化および高角倍率を両立し、良好な光学性能を保持するファインダー、およびこのファインダーを備えた撮像装置を提供する。【解決手段】ファインダーは、物体側からアイポイント側へ順に、負の対物レンズ群と、正の接眼レンズ群とを備える。接眼レンズ群は、物体側からアイポイント側へ順に、負の第1レンズと、正の第2レンズと、負の第3レンズとからなる。視度調整の際に第2レンズのみが移動する。ファインダーは予め定められた条件式を満足する。【選択図】図1

Description

本開示は、ファインダー、および撮像装置に関する。
従来、カメラ等のファインダーとして、逆ガリレオ式のファインダーが知られている。例えば、下記特許文献1および特許文献2には、負の屈折力を有する対物レンズ群と、正の屈折力を有する接眼レンズ群とを備えたファインダーが開示されている。
特開2012−042569号公報 特許第6363570号明細書
視認性向上のために、視度調整が可能であり、高い角倍率を有するファインダーが要望されている。また、撮像装置の小型化に伴い、ファインダーの小型化も要望されている。特に、レンズを移動させて視度調整を行うファインダーは視度調整の際のレンズの移動量が抑えられ、小型に構成可能なことが求められている。
特許文献1には視度調整の具体的な方法に関する記載はない。特許文献2に記載の光学系は、小型化と高角倍率との両立を進める上で改良の余地がある。
本開示は、上記事情に鑑みなされたものであり、視度調整機能を有し、小型化および高角倍率を両立し、良好な光学性能を保持するファインダー、およびこのファインダーを備えた撮像装置を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係るファインダーは、物体側からアイポイント側へ順に、負の屈折力を有する対物レンズ群と、正の屈折力を有する接眼レンズ群とを備えた逆ガリレオ式のファインダーであって、対物レンズ群から接眼レンズ群までの観察光学系における空気換算長でのレンズ間隔の中で、対物レンズ群と接眼レンズ群とを隔てるレンズ間隔が最長であり、接眼レンズ群は、物体側からアイポイント側へ順に、負の屈折力を有する第1レンズと、正の屈折力を有する第2レンズと、負の屈折力を有する第3レンズとからなり、視度調整の際に、第1レンズおよび第3レンズはアイポイントに対して固定され、第2レンズが光軸に沿って移動し、視度が−1ディオプターの状態における観察光学系の角倍率をM、第3レンズの焦点距離をf3、対物レンズ群の光軸上の厚みと、接眼レンズ群の光軸上の厚みと、対物レンズ群の最もアイポイント側のレンズ面から接眼レンズ群の最も物体側のレンズ面までの光軸上の空気換算長との和をALとした場合、下記条件式(1)を満足する。
0.01<−(M/f3)×AL<0.16 (1)
上記態様のファインダーは、下記条件式(1−1)を満足することが好ましい。
0.02<−(M/f3)×AL<0.15 (1−1)
上記態様のファインダーは、対物レンズ群の光軸上の厚みと、接眼レンズ群の光軸上の厚みと、対物レンズ群の最もアイポイント側のレンズ面から接眼レンズ群の最も物体側のレンズ面までの光軸上の空気換算長との和をAL、第2レンズの焦点距離をf2とした場合、下記条件式(2)を満足することが好ましく、下記条件式(2−1)を満足することがより好ましい。
1<AL/f2<2 (2)
1.2<AL/f2<1.8 (2−1)
上記態様のファインダーは、接眼レンズ群の焦点距離をfP、第3レンズの焦点距離をf3とした場合、下記条件式(3)を満足することが好ましく、下記条件式(3−1)を満足することがより好ましい。
0.15<−fP/f3<0.45 (3)
0.2<−fP/f3<0.4 (3−1)
上記態様のファインダーは、第3レンズのd線に対する屈折率をNdLb3とした場合、下記条件式(4)を満足することが好ましく、下記条件式(4−1)を満足することがより好ましい。
1.48<NdLb3<1.66 (4)
1.5<NdLb3<1.64 (4−1)
上記態様のファインダーは、対物レンズ群の焦点距離をfN、第3レンズの焦点距離をf3とした場合、下記条件式(5)を満足することが好ましく、下記条件式(5−1)を満足することがより好ましい。
0.05<fN/f3<0.25 (5)
0.1<fN/f3<0.2 (5−1)
上記態様のファインダーは、観察光学系の光路外に、表示素子を備えた観察光学系とは別の光学系を有し、別の光学系の光路と観察光学系の光路とを合成する光路合成部材を、対物レンズ群と接眼レンズ群との間に有するように構成してもよい。
上記態様のファインダーが、上記別の光学系および上記光路合成部材を有する構成において、対物レンズ群の焦点距離をfN、対物レンズ群の最も物体側の面から光路合成部材の最も物体側の面までの光軸上の距離をBLとした場合、下記条件式(6)を満足することが好ましく、下記条件式(6−1)を満足することがより好ましい。
−5.5<fN/BL<−1.5 (6)
−5<fN/BL<−2 (6−1)
上記態様のファインダーが、上記別の光学系および上記光路合成部材を有する場合、別の光学系は、2枚の正の屈折力を有するレンズと、1枚の負の屈折力を有するレンズとからなる3枚のレンズのみをレンズとして備えることが好ましい。
本開示の別の態様に係る撮像装置は、本開示の上記態様に係るファインダーを備えている。
なお、本明細書の「〜からなり」、「〜からなる」は、挙げられた構成要素以外に、実質的に屈折力を有しないレンズ、並びに、絞り、フィルタ、およびカバーガラス等のレンズ以外の光学要素、並びに、レンズフランジ、レンズバレル、および撮像素子等が含まれていてもよいことを意図する。
なお、本明細書の「正の屈折力を有する〜群」は、群全体として正の屈折力を有することを意味する。同様に「負の屈折力を有する〜群」は、群全体として負の屈折力を有することを意味する。「正の屈折力を有するレンズ」と「正レンズ」とは同義である。「負の屈折力を有するレンズ」と「負レンズ」とは同義である。「〜レンズ群」は、複数のレンズからなる構成に限らず、1枚のみのレンズからなる構成としてもよい。
複合非球面レンズ(球面レンズと、その球面レンズ上に形成された非球面形状の膜とが一体的に構成されて、全体として1つの非球面レンズとして機能するレンズ)は、接合レンズとは見なさず、1枚のレンズとして扱う。非球面を含むレンズに関する、屈折力の符号および面形状は、特に断りが無い限り、近軸領域で考えることにする。
条件式で用いている「焦点距離」は近軸焦点距離である。条件式で用いている「光軸上の距離」および「光軸上の厚み」は特に断りが無い限り、空気換算長ではなく幾何学的長さで考えることにする。条件式で用いている値は、d線を基準とした場合の値である。本明細書に記載の「d線」、「C線」、および「F線」は輝線であり、d線の波長は587.56nm(ナノメートル)、C線の波長は656.27nm(ナノメートル)、F線の波長は486.13nm(ナノメートル)である。
本開示によれば、視度調整機能を有し、小型化および高角倍率を両立し、良好な光学性能を保持するファインダー、およびこのファインダーを備えた撮像装置を提供することができる。
本開示の一実施形態に係るファインダーの構成を示す断面図である。 本開示の実施例1のファインダーの観察光学系の構成を示す断面図である。 本開示の実施例1のファインダーの表示光学系の構成を示す断面図である。 本開示の実施例2のファインダーの観察光学系の構成を示す断面図である。 本開示の実施例2のファインダーの表示光学系の構成を示す断面図である。 本開示の実施例3のファインダーの観察光学系の構成を示す断面図である。 本開示の実施例3のファインダーの表示光学系の構成を示す断面図である。 本開示の実施例4のファインダーの観察光学系の構成を示す断面図である。 本開示の実施例4のファインダーの表示光学系の構成を示す断面図である。 本開示の実施例5のファインダーの観察光学系の構成を示す断面図である。 本開示の実施例5のファインダーの表示光学系の構成を示す断面図である。 本開示の実施例1のファインダーの観察光学系の各収差図である。 本開示の実施例2のファインダーの観察光学系の各収差図である。 本開示の実施例3のファインダーの観察光学系の各収差図である。 本開示の実施例4のファインダーの観察光学系の各収差図である。 本開示の実施例5のファインダーの観察光学系の各収差図である。 本開示の一実施形態に係る撮像装置の背面側の斜視図である。
以下、本開示の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1に、本開示の一実施形態に係るファインダー1の光軸Zを含む断面における構成を示す。図1に示す例は後述の実施例1に対応している。図1では、左側が物体側、右側がアイポイント側である。なお、図1に示すアイポイントEPは、形状を示しているのではなく、光軸上の位置を示している。
図1に示すファインダー1は、逆ガリレオ式のファインダーであり、光軸Zに沿って物体側からアイポイント側へ順に、負の屈折力を有する対物レンズ群2と、正の屈折力を有する接眼レンズ群3とを備えている。図1では、対物レンズ群2と接眼レンズ群3との間に光路合成部材5が配置され、接眼レンズ群3とアイポイントEPの間にカバーガラスCG1が配置された例を示す。光路合成部材5およびカバーガラスCG1は屈折力を有しない光学部材である。以下では、対物レンズ群2から接眼レンズ群3までの光路に沿って配置された光学部材からなる光学系を観察光学系4と称する。すなわち、図1の例における観察光学系4は、対物レンズ群2と、光路合成部材5と、接眼レンズ群3とからなる。図1の例では、物体からの光は、観察光学系4、およびカバーガラスCG1を経由してアイポイントEPへ入射する。
対物レンズ群2と接眼レンズ群3とは、観察光学系4における空気換算長でのレンズ間隔の中で、対物レンズ群2と接眼レンズ群3とを隔てるレンズ間隔が最長となるように配置される。なお、ここでいう「空気換算長でのレンズ間隔」は、光軸方向で隣り合うレンズとレンズの空気換算長での間隔であり、レンズとレンズの間に屈折力を有しない部材が配置されている場合は、その部材を空気に換算して扱う。
図1の対物レンズ群2は、一例として、物体側からアイポイント側へ順に、負の屈折力を有するレンズLa1と、負の屈折力を有するレンズLa2との2枚のレンズからなる。
接眼レンズ群3は、物体側からアイポイント側へ順に、負の屈折力を有する第1レンズLb1と、正の屈折力を有する第2レンズLb2と、負の屈折力を有する第3レンズLb3との3枚のレンズからなる。視度調整の際に、第1レンズLb1および第3レンズLb3はアイポイントEPに対して固定されており、第2レンズLb2が光軸Zに沿って移動する。すなわち、ファインダー1では第2レンズLb2のみを移動させることによって視度調整が行われる。
正の屈折力を有する接眼レンズ群3を上記のように構成することによって、正レンズである第2レンズLb2の屈折力を強くすることができる。そして、この第2レンズLb2を移動させて視度調整を行うことによって、視度調整量あたりの移動量を抑えることが可能となる。また、接眼レンズ群3を構成するレンズの屈折力の符号を物体側から順に、負、正、負の配列順にすることによって、対物レンズ群2と接眼レンズ群3との間隔を確保しつつ、光学系の外径方向のサイズを抑えることに有利となる。したがって、ファインダー1は、適度な大きさの視度調整量を確保しながら小型化を図ることに有利な構成となっている。
より具体的には、第1レンズLb1はアイポイント側に凹面を向けた形状とすることが好ましく、このようにした場合は像面湾曲の補正が容易となる。第2レンズLb2は強い屈折力を確保するため両凸レンズとすることが好ましい。より良好な光学性能を得るために第3レンズLb3は非球面レンズとしてもよい。
なお、ファインダー1は図1に示すように、観察光学系4の光路外に観察光学系4とは別の光学系を備え、この別の光学系の光路と観察光学系4の光路とを合成する光路合成部材5を対物レンズ群2と接眼レンズ群3との間に備えてもよい。図1では光路合成部材5としてハーフプリズムを用いた例を示す。ハーフプリズムは、入射光を透過光と反射光に分割する膜を含んで構成される。
別の光学系は、表示素子6を備えることが好ましい。一例として、図1に示す別の光学系は、光路合成部材側から順に、素子側レンズ群7と、カバーガラスCG2と、表示素子6とからなる。表示素子6は例えば、液晶素子、および有機EL(Electro−Luminescence)素子等である。表示素子6は、視野枠、測距エリア、撮影条件、各種情報、撮影済みの画像等の少なくとも1つを表示する。カバーガラスCG2は屈折力を有しない光学部材である。
表示素子6からの光は、カバーガラスCG2、および素子側レンズ群7を経由して光路合成部材5へ入射し、光路合成部材5で光路を折り曲げられた後、接眼レンズ群3、およびカバーガラスCG1を経由してアイポイントEPへ入射する。このように、別の光学系の光路を観察光学系4の光路に合成させることによって、観察光学系4による観察像に視野枠および各種情報等を重畳して表示させることが可能になる。以下では、表示素子6から接眼レンズ群3までの光路に沿って配置された部材からなる光学系を表示光学系と称する。観察光学系の光路を光学ビューファインダーの光路として用い、表示光学系の光路を電子ビューファインダーの光路として用い、ハイブリッドファインダー(登録商標)を構成することができる。
別の光学系は、2枚の正の屈折力を有するレンズと、1枚の負の屈折力を有するレンズとの3枚のレンズのみをレンズとして備えることが好ましい。このようにした場合は、表示光学系に含まれるレンズ系において、すなわち、図1の例では素子側レンズ群7と接眼レンズ群3とを合わせたレンズ系において、負レンズの枚数と正レンズの枚数とが同じになり、別の光学系における諸収差の補正が容易になる。図1の例の素子側レンズ群7は、表示素子側から順に、正の屈折力を有するレンズLc1と、負の屈折力を有するレンズLc2と、正の屈折力を有するレンズLc3とからなる。
次に、条件式に関する構成について説明する。ファインダー1は、視度が−1ディオプターの状態における観察光学系4の角倍率をM、第3レンズLb3の焦点距離をf3、対物レンズ群2の光軸上の厚みと、接眼レンズ群3の光軸上の厚みと、対物レンズ群2の最もアイポイント側のレンズ面から接眼レンズ群3の最も物体側のレンズ面までの光軸上の空気換算長との和をALとした場合、下記条件式(1)を満足する。なお、観察光学系4の角倍率Mがファインダー1の角倍率となる。条件式(1)の対応値が下限以下とならないようにすることによって、角倍率を十分に確保することが容易になる。条件式(1)の対応値が上限以上とならないようにすることによって、第3レンズLb3の屈折力が強くなり過ぎないため、球面収差の補正が過剰になるのを抑制でき、また、光軸方向の小型化に有利となる。さらに、下記条件式(1−1)を満足する構成とすれば、より良好な特性とすることができる。
0.01<−(M/f3)×AL<0.16 (1)
0.02<−(M/f3)×AL<0.15 (1−1)
ファインダー1は、第2レンズLb2の焦点距離をf2とした場合、f2と上記ALとに関して下記条件式(2)を満足することが好ましい。条件式(2)の対応値が下限以下とならないようにすることによって、第2レンズLb2の屈折力が弱くなり過ぎないため、視度調整量あたりの第2レンズLb2の移動量を小さくすることができ、小型化に有利となる。条件式(2)の対応値が上限以上とならないようにすることによって、第2レンズLb2の屈折力が強くなり過ぎないため、視度調整の際の収差変動の抑制が容易になる。さらに、下記条件式(2−1)を満足する構成とすれば、より良好な特性とすることができる。
1<AL/f2<2 (2)
1.2<AL/f2<1.8 (2−1)
ファインダー1は、接眼レンズ群の焦点距離をfP、第3レンズLb3の焦点距離をf3とした場合、下記条件式(3)を満足することが好ましい。条件式(3)の対応値が下限以下とならないようにすることによって、接眼レンズ群3の屈折力が強くなり過ぎないため、角倍率が過剰に大きくなることがなく、径方向の小型化に有利となる。条件式(3)の対応値が上限以上とならないようにすることによって、第3レンズLb3の屈折力が強くなり過ぎないため、球面収差の補正が過剰になるのを抑制できる。さらに、下記条件式(3−1)を満足する構成とすれば、より良好な特性とすることができる。
0.15<−fP/f3<0.45 (3)
0.2<−fP/f3<0.4 (3−1)
また、ファインダー1は、第3レンズLb3のd線に対する屈折率をNdLb3とした場合、下記条件式(4)を満足することが好ましい。条件式(4)の対応値が下限以下とならないようにすることによって、第3レンズLb3の曲率半径の絶対値が小さくなるのを抑制できるため、光軸方向の小型化に有利となる。条件式(4)の対応値が上限以上とならないようにすることによって、第3レンズLb3の屈折力が強くなり過ぎないため、球面収差の補正が過剰になるのを抑制できる。さらに、下記条件式(4−1)を満足する構成とすれば、より良好な特性とすることができる。
1.48<NdLb3<1.66 (4)
1.5<NdLb3<1.64 (4−1)
また、ファインダー1は、対物レンズ群2の焦点距離をfN、第3レンズLb3の焦点距離をf3とした場合、下記条件式(5)を満足することが好ましい。条件式(5)の対応値が下限以下とならないようにすることによって、対物レンズ群2の屈折力が強くなり過ぎないため、角倍率を十分に確保することが容易になる。条件式(5)の対応値が上限以上とならないようにすることによって、第3レンズLb3の屈折力が強くなり過ぎないため、球面収差の補正が過剰になるのを抑制できる。さらに、下記条件式(5−1)を満足する構成とすれば、より良好な特性とすることができる。
0.05<fN/f3<0.25 (5)
0.1<fN/f3<0.2 (5−1)
ファインダー1が、観察光学系4の光路外に、観察光学系4とは別の光学系を備え、別の光学系の光路と観察光学系4の光路とを合成する光路合成部材5を対物レンズ群2と接眼レンズ群3との間に備える構成において、対物レンズ群2の焦点距離をfN、対物レンズ群2の最も物体側の面から光路合成部材5の最も物体側の面までの光軸上の距離をBLとした場合、下記条件式(6)を満足することが好ましい。条件式(6)の対応値が下限以下とならないようにすることによって、対物レンズ群2の屈折力が強くなり過ぎないため、角倍率を十分に確保することが容易になる。条件式(6)の対応値が上限以上とならないようにすることによって、対物レンズ群2を構成するレンズの曲率半径の絶対値が大きくなるのを抑制でき、対物レンズ群2の屈折力が弱くなり過ぎないため、角倍率が過剰に大きくなることがなく、対物レンズ群2の径方向の小型化に有利となる。さらに、下記条件式(6−1)を満足する構成とすれば、より良好な特性とすることができる。
−5.5<fN/BL<−1.5 (6)
−5<fN/BL<−2 (6−1)
なお、図1では、光路合成部材5がハーフプリズムからなる例を示したが、光路合成部材5は光路を合成可能なものであればよく、これに限定されない。光路合成部材5は、ハーフミラーでもよい。入射光を反射光と透過光とに分割する膜を光路合成部材5が含む場合、反射光と透過光との分割比は1:1以外でもよい。
また、ファインダー1は、別の光学系を省略した構成も可能である。その場合は、観察光学系4は、対物レンズ群2と、接眼レンズ群3とからなるように構成してもよい。構成の簡素化のためには、観察光学系4が含む屈折力を有するレンズ群は、対物レンズ群2と、接眼レンズ群3とのみからなることが好ましい。
また、接眼レンズ群3は第1レンズLb1〜第3レンズLb3の3枚のレンズからなるが、対物レンズ群2は図1の例と異なる構成としてもよい。例えば、対物レンズ群2は1枚の負の屈折力を有するレンズからなるように構成してもよい。
条件式に関する構成も含め上述した好ましい構成および可能な構成は、任意の組合せが可能であり、要求される仕様に応じて適宜選択的に採用されることが好ましい。本開示によれば、視度調整機能を有しながらも、小型化および高角倍率を両立し、良好な光学性能を保持するファインダーを実現可能である。なお、ここでいう「高角倍率」は、0.5倍以上の角倍率を意味する。
次に、本開示のファインダーの実施例について説明する。以下に述べる実施例1〜5のファインダーは、対物レンズ群2と接眼レンズ群3の間に光路合成部材5が配置され、観察光学系および表示光学系を有する。
[実施例1]
実施例1のファインダーについて、観察光学系の断面構成を図2に示し、表示光学系の断面構成を図3に示す。図2および図3では、カバーガラスCG1とアイポイントEPも図示している。表示光学系の光路は図1に示すように折れ曲がり光路であるが、理解を容易にするため図3では光路を展開した図を示す。
図2に示す観察光学系は、光路に沿って物体側からアイポイント側へ順に、対物レンズ群2と、光路合成部材5と、接眼レンズ群3とからなる。対物レンズ群2は、物体側からアイポイント側へ順に、2枚の負の屈折力を有するレンズLa1、La2からなる。接眼レンズ群3は、物体側からアイポイント側へ順に、負の屈折力を有する第1レンズLb1と、正の屈折力を有する第2レンズLb2と、負の屈折力を有する第3レンズLb3とからなる。視度調整の際には第2レンズLb2のみが光軸Zに沿って移動する。以上が実施例1のファインダーの観察光学系の概要である。
図3に示す表示光学系は、光路に沿って表示素子側からアイポイント側へ順に、表示素子6と、カバーガラスCG2と、素子側レンズ群7と、光路合成部材5と、接眼レンズ群3とからなる。素子側レンズ群7は、表示素子側から順に、正の屈折力を有するレンズLc1と、負の屈折力を有するレンズLc2と、正の屈折力を有するレンズLc3とからなる。以上が実施例1のファインダーの表示光学系の概要である。
実施例1のファインダーの観察光学系について、基本レンズデータを表1に、可変面間隔を表2に、諸元を表3に、非球面係数を表4に示す。表1において、Snの欄には最も物体側の面を第1面としアイポイント側に向かうに従い1つずつ番号を増加させた場合の面番号を示し、Rの欄には各面の曲率半径を示し、Dの欄には各面とそのアイポイント側に隣接する面との光軸上の面間隔を示す。また、Ndの欄には各構成要素のd線に対する屈折率を示し、νdの欄には各構成要素のd線基準のアッベ数を示す。
表1では、物体側に凸面を向けた形状の面の曲率半径の符号を正、アイポイント側に凸面を向けた形状の面の曲率半径の符号を負としている。表1にはカバーガラスCG1およびアイポイントEPも示している。表1では、アイポイントEPに相当する面の面番号の欄には面番号と(EP)という語句を記載している。また、表1では、光路合成部材5の内部の膜を1つの面として示している。
表1では、視度調整の際の可変面間隔についてはdd[ ]という記号を用い、[ ]の中にこの間隔の物体側の面番号を付してDの欄に記入している。表2に、各視度における可変面間隔の値を示す。表2のdptはディオプターを意味する。表3に、観察光学系の角倍率、および、見掛け視界を示す。表3の見掛け視界の単位は度である。
表1では、非球面の面番号には*印を付しており、非球面の曲率半径の欄には近軸の曲率半径の数値を記載している。表4において、Snの欄には非球面の面番号を示し、KAおよびAmの欄には各非球面についての非球面係数の数値を示す。なお、mは3以上の整数であり、面により異なり、例えば実施例1の非球面ではm=4、6、8、・・・、20である。表4の非球面係数の数値の「E±n」(n:整数)は「×10±n」を意味する。KAおよびAmは下式で表される非球面式における非球面係数である。
Zd=C×h/{1+(1−KA×C×h1/2}+ΣAm×h
ただし、
Zd:非球面深さ(高さhの非球面上の点から、非球面頂点が接する光軸に垂直な平面に
下ろした垂線の長さ)
h:高さ(光軸からレンズ面までの距離)
C:近軸曲率半径の逆数
KA、Am:非球面係数
であり、非球面式のΣはmに関する総和を意味する。
各表のデータにおいて、角度の単位としては度を用い、長さの単位としてはmm(ミリメートル)を用いているが、光学系は比例拡大又は比例縮小しても使用可能なため他の適当な単位を用いることもできる。また、以下に示す各表では所定の桁でまるめた数値を記載している。
同様に、実施例1のファインダーの表示光学系について、基本レンズデータを表5に、可変面間隔を表6に、非球面係数を表7に示す。表5では、表示素子6の光路合成部材5と逆側の面を第1面とし、アイポイント側に向かうに従い1つずつ番号が増加するように構成要素の面に面番号を付しており、カバーガラスCG1およびアイポイントEPも示している。
図12に視度が−1ディオプターの状態での実施例1の観察光学系の各収差図を示す。図12では左から順に、球面収差、非点収差、歪曲収差、および倍率色収差を示す。球面収差図では、d線、C線、およびF線における収差をそれぞれ実線、長破線、および短破線で示す。非点収差図では、サジタル方向のd線における収差を実線で示し、タンジェンシャル方向のd線における収差を短破線で示す。歪曲収差図ではd線における収差を実線で示す。倍率色収差図では、C線、およびF線における収差をそれぞれ長破線、および短破線で示す。球面収差図のφ=8.0はアイポイントの直径が8.0mmであることを意味し、その他の収差図のωは見掛け視界の半画角を意味する。球面収差図と非点収差図の横軸の単位はディオプターであり、倍率色収差図の横軸の単位は角度の分である。
上記の実施例1に関する各データの記号、意味、記載方法、および図示方法は、特に断りが無い限り以下の実施例においても同様であるので、以下では重複説明を省略する。
[実施例2]
実施例2のファインダーについて、観察光学系の断面構成を図4に示し、表示光学系の断面構成を図5に示し、視度が−1ディオプターの状態での観察光学系の各収差図を図13に示す。実施例2のファインダーの観察光学系は、観察光学系の対物レンズ群2が1枚の負の屈折力を有するレンズLa1のみからなる点以外は、実施例1のファインダーの観察光学系の概要と同様の構成を有する。実施例2のファインダーの表示光学系は、実施例1のファインダーの表示光学系の概要と同様の構成を有する。実施例2のファインダーの観察光学系について、基本レンズデータを表8に、可変面間隔を表9に、諸元を表10に、非球面係数を表11に示す。実施例2のファインダーの表示光学系について、基本レンズデータを表12に、可変面間隔を表13に、非球面係数を表14に示す。
[実施例3]
実施例3のファインダーについて、観察光学系の断面構成を図6に示し、表示光学系の断面構成を図7に示し、視度が−1ディオプターの状態での観察光学系の各収差図を図14に示す。実施例3のファインダーは、実施例1のファインダーの観察光学系および表示光学系それぞれの概要と同様の構成を有する。実施例3のファインダーの観察光学系について、基本レンズデータを表15に、可変面間隔を表16に、諸元を表17に、非球面係数を表18に示す。実施例3のファインダーの表示光学系について、基本レンズデータを表19に、可変面間隔を表20に、非球面係数を表21に示す。
[実施例4]
実施例4のファインダーについて、観察光学系の断面構成を図8に示し、表示光学系の断面構成を図9に示し、視度が−1ディオプターの状態での観察光学系の各収差図を図15に示す。実施例4のファインダーは、実施例1のファインダーの観察光学系および表示光学系それぞれの概要と同様の構成を有する。実施例4のファインダーの観察光学系について、基本レンズデータを表22に、可変面間隔を表23に、諸元を表24に、非球面係数を表25に示す。実施例4のファインダーの表示光学系について、基本レンズデータを表26に、可変面間隔を表27に、非球面係数を表28に示す。
[実施例5]
実施例5のファインダーについて、観察光学系の断面構成を図10に示し、表示光学系の断面構成を図11に示し、視度が−1ディオプターの状態での観察光学系の各収差図を図16に示す。実施例5のファインダーは、実施例1のファインダーの観察光学系および表示光学系それぞれの概要と同様の構成を有する。実施例5のファインダーの観察光学系について、基本レンズデータを表29に、可変面間隔を表30に、諸元を表31に、非球面係数を表32に示す。実施例5のファインダーの表示光学系について、基本レンズデータを表33に、可変面間隔を表34に、非球面係数を表35に示す。
表36に実施例1〜5のファインダーの条件式(1)〜(6)の対応値を示す。実施例1〜5はd線を基準波長としている。表36にはd線基準での値を示す。
以上のデータからわかるように、実施例1〜5のファインダーは、視度調整が可能であり、小型に構成され、高い角倍率を有し、諸収差が良好に補正されて高い光学性能を実現している。
次に、本発明の実施形態に係る撮像装置について説明する。図17は、本発明の撮像装置の一実施形態に係るカメラ100の背面側の概略構成を示す斜視図である。カメラ100は、カメラボディ102の上部に本発明の一実施形態に係るファインダー101と、視度調整を行うための視度調整ダイヤル107とを備える。ファインダー101は上述した観察光学系および表示光学系を備えている。
カメラ100は、カメラボディ102の背面に、各種設定を行うための操作ボタン103と、変倍を行うためのズームレバー104と、画像および各種設定画面を表示するモニタ106とを備え、カメラボディ102の上面にシャッターボタン105を備える。また、カメラ100は、カメラボディ102の前面に撮像レンズ(不図示)を備え、カメラボディ102の内部に撮像レンズによって形成された被写体像を撮像する撮像素子(不図示)を備える。撮像素子によって撮像された被写体像は、ファインダー101が有する表示素子(図17では不図示)によって表示される。
カメラ100は、観察光学系によって得られる光学像を観察可能な光学ビューファインダー機能と、表示素子によって表示される像を観察可能な電子ビューファインダー機能とを有する。また、カメラ100においては、光学像の上に、表示素子によって表示される像の少なくとも一部を重畳した像を観察することも可能である。
なお、図17ではカメラ100に内蔵されたファインダーの例を示したが、本開示の技術は外付けファインダーに適用することも可能である。また、本開示の実施形態に係る撮像装置についても、上記例に限定されず、例えばビデオカメラ等、種々の態様とすることができる。
以上、実施形態および実施例を挙げて本開示の技術を説明したが、本開示の技術は上記実施形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、各レンズの曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数、および非球面係数等は、上記各実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得る。
1、101 ファインダー
2 対物レンズ群
3 接眼レンズ群
4 観察光学系
5 光路合成部材
6 表示素子
7 素子側レンズ群
100 カメラ
102 カメラボディ
103 操作ボタン
104 ズームレバー
105 シャッターボタン
106 モニタ
107 視度調整ダイヤル
CG1、CG2 カバーガラス
EP アイポイント
La1、La2、Lc1、Lc2、Lc3 レンズ
Lb1 第1レンズ
Lb2 第2レンズ
Lb3 第3レンズ
Z 光軸

Claims (15)

  1. 物体側からアイポイント側へ順に、負の屈折力を有する対物レンズ群と、正の屈折力を有する接眼レンズ群とを備えた逆ガリレオ式のファインダーであって、
    前記対物レンズ群から前記接眼レンズ群までの観察光学系における空気換算長でのレンズ間隔の中で、前記対物レンズ群と前記接眼レンズ群とを隔てるレンズ間隔が最長であり、
    前記接眼レンズ群は、物体側からアイポイント側へ順に、負の屈折力を有する第1レンズと、正の屈折力を有する第2レンズと、負の屈折力を有する第3レンズとからなり、
    視度調整の際に、前記第1レンズおよび前記第3レンズはアイポイントに対して固定され、前記第2レンズが光軸に沿って移動し、
    視度が−1ディオプターの状態における前記観察光学系の角倍率をM、
    前記第3レンズの焦点距離をf3、
    前記対物レンズ群の光軸上の厚みと、前記接眼レンズ群の光軸上の厚みと、前記対物レンズ群の最もアイポイント側のレンズ面から前記接眼レンズ群の最も物体側のレンズ面までの光軸上の空気換算長との和をALとした場合、
    0.01<−(M/f3)×AL<0.16 (1)
    で表される条件式(1)を満足するファインダー。
  2. 前記第2レンズの焦点距離をf2とした場合、
    1<AL/f2<2 (2)
    で表される条件式(2)を満足する請求項1に記載のファインダー。
  3. 前記接眼レンズ群の焦点距離をfPとした場合、
    0.15<−fP/f3<0.45 (3)
    で表される条件式(3)を満足する請求項1又は2に記載のファインダー。
  4. 前記第3レンズのd線に対する屈折率をNdLb3とした場合、
    1.48<NdLb3<1.66 (4)
    で表される条件式(4)を満足する請求項1から3のいずれか1項に記載のファインダー。
  5. 前記対物レンズ群の焦点距離をfNとした場合、
    0.05<fN/f3<0.25 (5)
    で表される条件式(5)を満足する請求項1から4のいずれか1項に記載のファインダー。
  6. 前記観察光学系の光路外に、表示素子を備えた前記観察光学系とは別の光学系を有し、
    前記別の光学系の光路と前記観察光学系の光路とを合成する光路合成部材を、前記対物レンズ群と前記接眼レンズ群との間に有する請求項1から5のいずれか1項に記載のファインダー。
  7. 前記対物レンズ群の焦点距離をfN、
    前記対物レンズ群の最も物体側の面から前記光路合成部材の最も物体側の面までの光軸上の距離をBLとした場合、
    −5.5<fN/BL<−1.5 (6)
    で表される条件式(6)を満足する請求項6に記載のファインダー。
  8. 前記別の光学系は、2枚の正の屈折力を有するレンズと、1枚の負の屈折力を有するレンズとからなる3枚のレンズのみをレンズとして備える請求項6又は7に記載のファインダー。
  9. 0.02<−(M/f3)×AL<0.15 (1−1)
    で表される条件式(1−1)を満足する請求項1に記載のファインダー。
  10. 1.2<AL/f2<1.8 (2−1)
    で表される条件式(2−1)を満足する請求項2に記載のファインダー。
  11. 0.2<−fP/f3<0.4 (3−1)
    で表される条件式(3−1)を満足する請求項3に記載のファインダー。
  12. 1.5<NdLb3<1.64 (4−1)
    で表される条件式(4−1)を満足する請求項4に記載のファインダー。
  13. 0.1<fN/f3<0.2 (5−1)
    で表される条件式(5−1)を満足する請求項5に記載のファインダー。
  14. −5<fN/BL<−2 (6−1)
    で表される条件式(6−1)を満足する請求項7に記載のファインダー。
  15. 請求項1から14のいずれか1項に記載のファインダーを備えた撮像装置。
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