JP2014115342A - ファインダー光学系および撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】使いやすいファインダー光学系およびそのファインダー光学系を用いた撮像装置を提供する。
【解決手段】本技術に係るファインダー光学系は、表示素子側からアイポイント側に向かって順に、前記表示素子側から入射した光線束の光線高を高めて前記アイポイント側から出射させる第1のレンズ群と、結像作用を有する第2のレンズ群とから構成される。
【選択図】図1

Description

本技術は、表示素子の画像表示面を肉眼で観察するファインダー光学系とそれを用いた撮像装置に関する。
デジタルカメラやビデオカメラなどの電子ビューファインダーに用いられるファインダー光学系の仕様の設計に際して、設計の自由度は一般に少ないものである。例えば、画像を表示する表示素子の大きさが決まっている場合、視野角を決めると焦点距離が一義的に決まる。決まった焦点距離と表示素子から出る光線の射出角とから、その光学系のF値も決まってしまう。
従来、ファインダー光学系のレンズ構成としては、画像表示面側から眼側に向かって順に、屈折力が、正、負、正となるトリプレットタイプ、3枚レンズの構成が知られている。(例えば、特許文献1から4参照)。
特開2010−266776号公報 特開2007−264179号公報 特開2004−258653号公報 特開2002−082290号公報
従来の小型液晶を用いたファインダーでは、小さい表示素子と広い視野角という制約から瞳径が非常に小さいことが多く、眼の位置がかなり狭い範囲に制約されるものが多かった。
そして、視野角を広く取ったため、ユーザが表示画面上で視点を大きく移動すると(すなわち眼の回転運動が発生すると)、瞳径の小ささと眼の回転運動との関係で、実使用でのアイレリーフ距離が、仕様上のアイレリーフ距離よりもかなり短く感じられてしまうという問題点があった。
また、通常のファインダーに用いられるレンズ構成では、表示素子の大きさとアイレリーフの長さは、ほぼ比例関係になっており、表示素子が小型であるほど短いアイレリーフとなっていた。そのため、広視野角で設計するほど発生しやすい眼の回転運動により、ケラレ感が大きく見にくいファインダーになることが多かった。
また、ファインダー光学系が表示素子側でテレセントリックになっていないため、表示素子内部のカラーフィルター部と液晶部の距離が離れている事に起因する混色が発生し、色づき・色濁りが見えるファインダーが多かった。表示素子の高解像度化が進むにつれ、画質や光量を均一化するために、ファインダー光学系は画像表示面に対して垂直方向に出射する光線を取り込む必要性が高まり、画像表示面側においてテレセントリックをなすファインダー光学系の必然性が高まってきている。
このように、従来のファインダー光学系には、使いづらさを感じる面があり、その他、様々な面で改善が要求されている。
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、使いやすいファインダー光学系およびそのファインダー光学系を用いた撮像装置を提供することにある。
(1)上記目的を達成するため、本技術の一形態に係るファインダー光学系は、表示素子側からアイポイント側に向かって順に、前記表示素子側から入射した光線束の光線高を高めて前記アイポイント側から出射させる第1のレンズ群と、結像作用を有する第2のレンズ群とから構成される。
本技術では、第1のレンズ群が表示素子から入射した光線束を光軸に対して外側に向けて遷移させ、光線高を高めている。そのため、第1のレンズ群が無い光学系ではアイレリーフが20mm程度であるのに対し、第1のレンズ群を持つ本光学系は35mm程度の長いアイレリーフを確保することが出来、見やすく、使いやすいファインダー光学系とすることが出来る。
(2)上記目的を達成するため、本技術の一形態に係るファインダー光学系では、前記第1のレンズ群は、両凹レンズと、当該両凹レンズのアイポイント側に貼り合わされた両凸レンズとから構成されることが望ましい。
本技術では、第1のレンズ群を貼り合わせレンズとすることにより、色収差の悪化を防ぐことが出来る。
(3)上記目的を達成するため、本技術の一形態に係るファインダー光学系では、前記第1のレンズ群は、以下の条件式(1)および(2)を満足することが望ましい。
KH7/KH9>1.65 … (1)
KH7/KH9<1.9 … (2)
但し、KH7は前記第1のレンズ群のアイポイント側レンズ面での近軸光線高、KH9は前記第1のレンズ群の表示素子側レンズ面での近軸光線高である。
本技術では、第1のレンズ群に入射する光線束の光線高と、第1のレンズ群から出射する光線束の光線高との比(KH7/KH9)が、1.65より大きいと、アイレリーフを十分長く取ることが出来、また視野角を広くすることが出来る。この比が、1.65と1.9の間にない場合は、非点収差が悪化し本光学系を実用に供することが困難となる。
(4)上記目的を達成するため、本技術の一形態に係るファインダー光学系では、前記第1のレンズ群は、以下の条件式(3)および(4)を満足することが望ましい。
f×(−0.1)<f45 … (3)
f×0.7>f45 … (4)
但し、fは全系焦点距離、f45は第1のレンズ群の焦点距離である。
本技術に係る光学系では、第1のレンズ群の焦点距離と全系の焦点距離との関係が、上記の条件式(3)および(4)を満たすものでない場合、非点収差が悪化し本光学系を実用に供することが困難となる。
(5)上記目的を達成するため、本技術の一形態に係るファインダー光学系では、前記第1のレンズ群は、像面湾曲収差の補正を行うことが望ましい。
(6)上記目的を達成するため、本技術の一形態に係るファインダー光学系では、前記第2のレンズ群は、表示素子側からアイポイント側に向かって順に、ザイデル収差を補正するプラスチック両面非球面凸レンズと、両凸レンズと、色収差を補正する、アイポイント側に凹面を向けた凹メニスカスレンズとから構成されることが望ましい。
本技術では、表示素子側から3枚目のレンズとして、プラスチック両面非球面凸レンズを用いることにより、本光学系を構成するレンズの枚数を削減することが出来、また、光線高を高める第1のレンズ群により悪化するザイデル収差を良好に補正することが出来る。
(7)上記目的を達成するため、本技術の一形態に係るファインダー光学系は、表示素子側でテレセントリックをなすことが望ましい。
本技術では、ファインダー光学系の表示素子側にテレセントリック性を持たせているので、表示素子の画像表示面から垂直に射出される光線束を用いることが出来、画像表示面周辺部の画像における色滲みや色濁りを防いだり、周辺減光を防いだりすることが出来る。
(8)上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る撮像装置は、撮像素子と、前記撮像素子から得られた信号を画像信号に変換する信号処理部と、前記画像信号に基づき画像を表示する表示素子と、前記表示素子側からアイポイント側に向かって順に、前記表示素子側から入射した光線束の光線高を高めて前記アイポイント側から出射させる第1のレンズ群と、結像作用を有する第2のレンズ群とから構成されるファインダー光学系とを具備する。
本技術では、ファインダー光学系のアイレリーフが長くなるので、ファインダーを見やすく、使いやすい撮像装置を実現することが出来る。
以上のように、本技術によれば、ファインダー光学系およびそのファインダー光学系を用いた撮像装置を使いやすくすることが出来る。
本技術に係るファインダー光学系を用いた電子ビューファインダーの光軸に沿った断面図である。 本技術に係るファインダー光学系の光路図である。 本技術に係るファインダー光学系のコマ収差図である。 本技術に係るファインダー光学系の球面収差図である。 本技術に係るファインダー光学系の非点収差図である。 本技術に係るファインダー光学系の歪曲収差図である。 本技術に係るファインダー光学系のスポットダイアグラムである。 本技術に係るファインダー光学系の白色MTF特性図である。 本技術に係るファインダー光学系のデフォーカスMTF特性図である。 本技術に係るファインダー光学系を用いた電子ビューファインダーおよび撮像装置の概略図である。
以下、本技術に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
[本技術の特徴]
(テレセントリック性)
本技術に係るファインダー光学系は、表示素子から射出された光線を出来る限り有効に使えるよう、表示素子側でテレセントリックをなす光学系である。そのため、ユーザが表示素子周辺部の画像を見る場合でも、表示素子を斜めから覗き込んだ場合に生じる混色による色づき・色濁りが発生しない。また、表示素子から斜め方向に出射する光線が垂直方向に出射する光線よりも弱いことに起因する周辺減光も発生しない。
(大きい瞳径)
また、本技術に係るファインダー光学系では、中心像のFナンバーだけではなく、周辺部の有効Fナンバーも小さく保つようにしたため、従来のファインダー光学系よりも大きな瞳径を確保している。
(長いアイレリーフ)
また、上記のとおり、表示素子側でのテレセントリック性と全画角範囲における小さいFナンバーとを保ちながらアイレリーフを長くするために、本技術に係るファインダー光学系は表示素子から光学系に入射した光線を一度外側に広げてからアイポイントEP側に誘導する光線経路として設計している。
(全視野の見やすさ)
表示素子側でのテレセントリック性、大きい瞳径、そして長いアイレリーフをもつ光学系としたことにより、本光学系では、眼の位置を設計基準位置からかなり離しても全視野を見ることが出来る。
そのため、メガネやゴーグル等の使用時にも全視野が見やすいので、眼をファインダーから少し離した状態で使われることが多いプロフェッショナル用途の機器に適したファインダー光学系となっている。
[レンズ構成の概要について]
図1に、本技術に係るファインダー光学系を用いた電子ビューファインダーの光軸に沿った断面図を示す。
図の左端に、眼(アイポイント)EPの位置があり、図の右端に、表示素子の画像表示面DSがある。SnはアイポイントEP側から数えたn番目の面を表し、LnはアイポイントEP側から数えたn番目のレンズを表し、DnはアイポイントEP側から数えたn番目の面間距離を表す。なお、ファインダー光学系はアフォーカルであるが、通常の結像光学系と同様に扱うために、光線の進行方向とは逆にアイポイントEP側から番号を振ることとする。
本技術に係るファインダー光学系は、4群5枚のレンズからなる光学系であり、表示素子側でテレセントリックをなす光学設計となっている。
レンズ構成は、アイポイントEP側から順に、
(1)アイポイントEP側に凹面を向けた凹メニスカスレンズL1
(2)両凸レンズL2
(3)プラスチック製両面非球面凸レンズL3
(4)両凸レンズL4
(5)両凹レンズL5
(6)表示素子の画像表示面DS(像面)
となる。
両凸レンズL4および両凹レンズL5は、貼り合わされ、2枚貼り合わせレンズ群L45(第1のレンズ群)となっている。この2枚貼り合わせレンズ群L45は、ほとんどパワーの無い厚い肉厚のメニスカス群であり、表示素子の画像表示面DSから入射した光線の周辺像高を高い光線高に遷移させる役割と、像面湾曲収差を補正する役割とを持つ。
表示素子の画像表示面DS上の周辺像から垂直に射出された光線束は、両凹レンズL5の表示素子側の面S9において大きく外側に曲げられ、厚さのある2枚貼り合わせレンズ群L45を通る間に光軸から離れ大きく外側に遷移する。そして、光線束は2枚貼り合わせレンズ群L45のアイポイントEP側の面S7を出る時には、高い光線高を通るほぼアフォーカルな光束となる。
このように、光線高を大きく変化させることで、アイレリーフを長くしながら大きな瞳径とする設計を可能としている。なお、本光学系の表示素子側にテレセントリック性を持たせることに主に寄与しているのも、この2枚貼り合わせレンズ群L45である。
凹メニスカスレンズL1、両凸レンズL2、およびプラスチック製両面非球面凸レンズL3からなるレンズ群(第2のレンズ群)は、メインレンズとも言うべきレンズ群であり、主に収差補正と結像作用の役割を担っている。
プラスチック製両面非球面凸レンズL3は、レンズ面S5およびS6を非球面とすることにより、2枚貼り合わせレンズ群L45が光線高を大きく変化させることにより増大する、球面収差、コマ収差、およびディストーションの低減を図っている。
両凸レンズL2およびプラスチック製両面非球面凸レンズL3は、大きな凸のパワーを持ち、結像作用の主役となっている。また、両凸レンズL2およびプラスチック製両面非球面凸レンズL3のパワーは、ほぼ等しくなっており、相互の偏心公差を広げるのに役立っている。
凹メニスカスレンズL1は色収差を補正する役割を担っている。
[成立条件について]
本技術にかかるファインダー光学系の成立条件は、以下のとおりである。
まず、最も重要な条件は、以下の条件式(1)および(2)である。
KH7/KH9>1.65 … (1)
KH7/KH9<1.9 … (2)
但し、KH7は2枚貼り合わせレンズ群L45(第1のレンズ群)のアイポイントEP側レンズ面S7での近軸光線高であり、KH9は2枚貼り合わせレンズ群L45(第1のレンズ群)の画像表示面側レンズ面S9での近軸光線高である。
2枚貼り合わせレンズ群L45への入射時の近軸光線高KH9と射出時の近軸光線高KH7の比を定める条件式(1)の条件は、広い視野角と長いアイレリーフを実現するために極めて有効な条件である。
なお、KH7とKH9の比が条件式(1)の条件である1.65を下回ると、非点収差のサジタル側がアイポイントEP側に大きく倒れ実用困難となる。また、KH7とKH9の比が条件式(2)の条件である1.9を上回ると、非点収差のメリディオナル側がアイポイントEP側に大きく倒れ実用困難となる。
次に重要な条件は、以下の条件式(3)および(4)である。
f×(−0.1)<f45 … (3)
f×0.7>f45 … (4)
但し、fは全系焦点距離であり、f45は2枚貼り合わせレンズ群L45の焦点距離である。
ここで、2枚貼り合わせレンズ群L45の焦点距離f45が全系焦点距離fの−0.1倍を下回ると、非点収差のメリディオナル側がアイポイントEP側に大きく倒れ実用困難となる。また、2枚貼り合わせレンズ群L45の焦点距離f45が全系焦点距離fの0.7倍を上回ると、非点収差のサジタル側がアイポイントEP側に大きく倒れ実用困難となる。
[レンズ面データについて]
ここでは、レンズ面データの具体的な数値実施例を挙げる。なお、上記のとおり、本光学系を通常の結像光学系と同様に扱うために、光線の進行方向とは逆にアイポイントEP側から面番号等を書く。
なお、Rは各レンズ面(光学面)の曲率半径、Dはレンズ面の光軸上での間隔、Ndは各レンズ(光学媒質)のd線(587.6nm)に対する屈折率、Vdは各レンズ(光学媒質)のd線のアッベ数を表している。
また、KHは入射時の高さを1とする近軸光線高を表す。曲率半径R、面間隔D、近軸光線高KH、半径の単位はいずれもミリメートル(mm)である。
レンズ面データ中、面番号の右側に付されたアスタリスク「*」は、そのレンズ面が非球面形状であることを示している。
(面データ)
面番号 R D Nd Vd KH 半径 備考
0 ∞ 28.1 − − 5 眼の位置EP
1 -16.380 2.0 1.673 32.20 1.00 11.30 凹メニスカスレンズ
2 -40.040 0.5 − − 1.05 11.40
3 100.600 10.0 1.487 70.45 1.06 13.20 両凸レンズ
4 -29.100 0.5 − − 1.18 15.00
5* 199.096 9.7 1.531 55.80 1.18 16.20 プラスチック非球面レンズ
6* -28.701 2.5 − − 1.15 17.10
7 26.850 10.8 1.773 49.62 1.09 14.50 両凸レンズ
8 -76.800 3.5 1.698 30.05 0.74 10.90 両凹レンズ
9 16.100 19.2 − − 0.62 9.70
10 − 1.0 1.516 64.20 0.13 9.00 カバーガラス
11 − 0.0 − − 0.00 9.00 表示素子の画像表示面DS
(非球面データ)
非球面式
サグ量=((1/R)×H2)/(1+sqr(1-(1/R)2×H2))+A4×H4+A6×H6+A8×H8
非球面係数(5面)
4次(A4) -6.18E-06
6次(A6) -1.73E-09
8次(A8) -1.14E-11
非球面係数(6面)
4次(A4) 8.09E-06
6次(A6) -7.99E-10
但し、非球面式のサグ量は、レンズ面と光軸の交点を含む光軸と直交する平面を基準に、光軸からの距離Hに対する平面からレンズ面までの距離である。記号「sqr」は平方根演算を表す。また、Rは上記のとおり曲率半径、A4、A6、A8はそれぞれ4次、6次、8次の非球面係数である。
記号「E」は、それに続く数値が10を底にもつ、べき指数であることを示している。例えば「-6.18E-06」は「-6.18×10-6」を意味している。
(その他データ)
最大像高:9mm
全系焦点距離:32mm
瞳径:φ10mm
[本技術による効果について]
ここでは、改めて、本技術が奏する効果についてまとめて記載しておく。
(1)通常のトリプレット構成の場合アイレリーフが20mm程度であるのに対し、本技術に係るファインダー光学系は、約35mmと極めて長い。また、画像中心部に対する瞳径だけでなく周辺部の瞳径も中心部と同様の大きさに出来る。そのため、眼の位置が動いても良好な画質を保つことが出来る。
(2)本技術に係るファインダー光学系は、広視野角とする設計仕様にも拘わらず、周辺部まで倍率色収差、コマ収差、ディストーションなど諸収差が少ない良好な画質を持つことが出来る。
(3)本技術に係るファインダー光学系は、表示素子側でテレセントリック性に優れるため、表示素子の画像表示面DS全域に対して真上から見ているのと同じことになり、表示素子の角度依存性の影響を受けない。それ故、本技術に係るファインダー光学系は、画像表示面の周辺部まで均一な明るさであるとともに、周辺部まで均一な色調を保つことが出来る。
[光路図および収差図等について]
ここでは、光路図や収差図等について説明する。なお、本光学系はアフォーカル系であるが、通常の結像光学系と同様に扱うために、収差図では光線の進行方向を逆にして、表示素子の画像表示面DSを像面として扱っている。
図2は、本技術に係るファインダー光学系の光路図である。
図3は、コマ収差図であり、作図スケールは±0.02mmである。図の左側がメリディオナル面であり、右側がサジタル面である。図の上から順に像高9mm、7mm、5mm、0mmの収差であり、実線はe線、点線はC線、一点鎖線はF線、二点鎖線はd線を表す。
図4は、球面収差図であり、縦軸は光線高、横軸は光軸方向の距離である。作図スケールは±0.02mmである。実線はe線、点線はC線、一点鎖線はF線、二点鎖線はd線を表す。
図5は、非点収差図であり、縦軸は像高、横軸はピントずれ量である。作図スケールは±0.5mmである。点線(M)はメリディオナル方向、実線(S)はサジタル方向を表す。この図から、非点収差が±0.1mm以内に収まっており、高次補正されていることがわかる。
図6は、歪曲収差図であり、縦軸は像高、横軸は像のひずみ量である。作図スケールは±0.5%である。
図7は、スポットダイアグラムであり、作図スケールは、十字の中央から端までが0.1mmである。左下の図が像高0mm、左上の図が像高5mm、右下の図が像高7mm、右上の図が像高9mmのものである。
図8は、白色MTF(Modulation Transfer Function)特性図であり、縦軸はコントラスト(モジュレーション)、横軸は空間周波数である。最大周波数は401p/mmである。左下の図が像高0mm、左上の図が像高5mm、右下の図が像高7mm、右上の図が像高9mmのものである。
図9は、デフォーカスMTF特性図であり、縦軸はコントラスト(モジュレーション)、横軸はフォーカスシフト位置である。デフォーカス幅は±0.2mmである。左下の図が像高0mm、左上の図が像高5mm、右下の図が像高7mm、右上の図が像高9mmのものである。
[撮像装置の概略について]
ここでは、本技術に係るファインダー光学系を用いた電子ビューファインダーおよび撮像装置の概略を説明する。図10は、本技術に係るファインダー光学系1を用いた電子ビューファインダー12および撮像装置10の概略図である。
撮像装置10には、撮影部11と、電子ビューファインダー12のみを示す。撮影部11は、例えば、CCD撮像素子やCMOS撮像素子等の撮像素子13と、信号処理部14とから構成される。電子ビューファインダー12は、画像表示素子17と、ファインダー光学系1とから構成される。
撮像光学系(図示せず)を通過した入射光は、撮像素子13の受光面上に結像する。撮像素子13の受光により得られた信号は、信号処理部14により、画像信号15に変換される。そして画像信号15は、電子ビューファインダー12に送られ、ドライバ16を介して、例えば液晶ディスプレイパネル等の画像表示素子17に映し出される。
ユーザは、画像が映し出された画像表示素子17の画像表示面DSを、ファインダー光学系1を介してアイポイントEP側から見ることにより、適切な大きさに調整された画像表示面DSの画像を見ることができる。
撮像装置10の電子ビューファインダー12において、ファインダー光学系1は、光線高を高める第1のレンズ群と、結像作用を持つ第2のレンズ群とから構成される。そのため、本技術に係る電子ビューファインダー12は、視野角を大きく取りつつ、大きな瞳径と長いアイレリーフを確保できるので、見やすいビューファインダーとなる。
[補足事項]
その他、本技術は、上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
[本技術の別の構成]
なお、本技術は以下のような構成も採ることができる。
(1)
表示素子側からアイポイント側に向かって順に、
前記表示素子側から入射した光線束の光線高を高めて前記アイポイント側から出射させる第1のレンズ群と、
結像作用を有する第2のレンズ群と
から構成されるファインダー光学系。
(2)
前記(1)に記載のファインダー光学系であって、
前記第1のレンズ群は、
両凹レンズと、
当該両凹レンズのアイポイント側に貼り合わされた両凸レンズと
から構成されるファインダー光学系。
(3)
前記(1)または(2)に記載のファインダー光学系であって、
前記第1のレンズ群は、
以下の条件式(1)および(2)を満足する
ファインダー光学系。
KH7/KH9>1.65 … (1)
KH7/KH9<1.9 … (2)
但し、
KH7は前記第1のレンズ群のアイポイント側レンズ面での近軸光線高、
KH9は前記第1のレンズ群の表示素子側レンズ面での近軸光線高
である。
(4)
前記(1)から(3)のうちいずれか1つに記載のファインダー光学系であって、
前記第1のレンズ群は、
以下の条件式(3)および(4)を満足する
ファインダー光学系。
f×(−0.1)<f45 … (3)
f×0.7>f45 … (4)
但し、
fは全系焦点距離、
f45は第1のレンズ群の焦点距離
である。
(5)
前記(1)から(4)のうちいずれか1つに記載のファインダー光学系であって、
前記第1のレンズ群は、
像面湾曲収差の補正を行う
ファインダー光学系。
(6)
前記(1)から(5)のうちいずれか1つに記載のファインダー光学系であって、
前記第2のレンズ群は、
表示素子側からアイポイント側に向かって順に、
ザイデル収差を補正するプラスチック両面非球面凸レンズと、
両凸レンズと、
色収差を補正する、アイポイント側に凹面を向けた凹メニスカスレンズと
から構成されるファインダー光学系。
(7)
前記(1)から(6)のうちいずれか1つに記載のファインダー光学系であって、
表示素子側でテレセントリックをなす
ファインダー光学系。
(8)
撮像素子と、
前記撮像素子から得られた信号を画像信号に変換する信号処理部と、
前記画像信号に基づき画像を表示する表示素子と、
前記表示素子側からアイポイント側に向かって順に、前記表示素子側から入射した光線束の光線高を高めて前記アイポイント側から出射させる第1のレンズ群と、結像作用を有する第2のレンズ群とから構成されるファインダー光学系と
を具備する撮像装置。
DS …画像表示面
EP …アイポイント
L1〜L5 …レンズ
1 …ファインダー光学系
10 …撮像装置
11 …撮影部
12 …電子ビューファインダー
13 …撮像素子
14 …信号処理部
15 …画像信号
16 …ドライバ
17 …画像表示素子

Claims (8)

  1. 表示素子側からアイポイント側に向かって順に、
    前記表示素子側から入射した光線束の光線高を高めて前記アイポイント側から出射させる第1のレンズ群と、
    結像作用を有する第2のレンズ群と
    から構成されるファインダー光学系。
  2. 請求項1に記載のファインダー光学系であって、
    前記第1のレンズ群は、
    両凹レンズと、
    当該両凹レンズのアイポイント側に貼り合わされた両凸レンズと
    から構成されるファインダー光学系。
  3. 請求項2に記載のファインダー光学系であって、
    前記第1のレンズ群は、
    以下の条件式(1)および(2)を満足する
    ファインダー光学系。
    KH7/KH9>1.65 … (1)
    KH7/KH9<1.9 … (2)
    但し、
    KH7は前記第1のレンズ群のアイポイント側レンズ面での近軸光線高、
    KH9は前記第1のレンズ群の表示素子側レンズ面での近軸光線高
    である。
  4. 請求項3に記載のファインダー光学系であって、
    前記第1のレンズ群は、
    以下の条件式(3)および(4)を満足する
    ファインダー光学系。
    f×(−0.1)<f45 … (3)
    f×0.7>f45 … (4)
    但し、
    fは全系焦点距離、
    f45は第1のレンズ群の焦点距離
    である。
  5. 請求項4に記載のファインダー光学系であって、
    前記第1のレンズ群は、
    像面湾曲収差の補正を行う
    ファインダー光学系。
  6. 請求項4に記載のファインダー光学系であって、
    前記第2のレンズ群は、
    表示素子側からアイポイント側に向かって順に、
    ザイデル収差を補正するプラスチック両面非球面凸レンズと、
    両凸レンズと、
    色収差を補正する、アイポイント側に凹面を向けた凹メニスカスレンズと
    から構成されるファインダー光学系。
  7. 請求項1に記載のファインダー光学系であって、
    表示素子側でテレセントリックをなす
    ファインダー光学系。
  8. 撮像素子と、
    前記撮像素子から得られた信号を画像信号に変換する信号処理部と、
    前記画像信号に基づき画像を表示する表示素子と、
    前記表示素子側からアイポイント側に向かって順に、前記表示素子側から入射した光線束の光線高を高めて前記アイポイント側から出射させる第1のレンズ群と、結像作用を有する第2のレンズ群とから構成されるファインダー光学系と
    を具備する撮像装置。
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