JP2020193182A - 糖化反応抑止剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】糖化反応を効果的に抑制する、糖化反応抑制剤を提供する。【解決手段】下記式(1)で示されるトコフェロールリン酸エステル又はその塩を有効成分として含有する、糖化反応抑制剤。[化1][式中、R1、R2及びR3は、互いに独立して水素原子又はメチル基を表す。]【選択図】なし

Description

本発明は、糖化反応抑制剤に関する。
生体においては、糖尿病の合併症である神経障害、網膜症、腎症、骨疾患、動脈硬化に糖化反応が関与していることが報告されている。高血糖は組織のタンパク質、血漿タンパク質、細胞外基質タンパク質であるコラーゲンなどの糖化によるAGE(advanced glycation end product:終末糖化産物)の生成を促進し、これらの障害の原因となっていると考えられている。
さらに、加齢とともに進行する皮膚のシワ、クスミ、弾力性低下等の老化現象にも糖化反応が関与し、これらはコラーゲンやエラスチンなどの真皮構成タンパク質の架橋、変性が原因となっていると考えられている(非特許文献1参照)。
したがって、上述のような各種障害の主要な原因となっている糖化反応を阻害、抑制する化合物の開発は、糖尿病合併症の治療および皮膚科学の分野において重要な研究課題である。
糖化反応阻害剤としては、糖尿病患者向け医薬品のアミノグアニジンが知られているが、日本では臨床応用されていない。
皮膚に外用する糖化反応抑制剤としては、植物抽出物やフラボノイド類をはじめとするポリフェノール骨格を有するいくつかの糖化反応阻害剤が報告されている(特許文献1〜3、非特許文献2参照)。
例えば、特許文献1には柑橘類や甘草から抽出されたナリンギン、ナリンゲニン、リクイリチン、リクイチゲニンが、特許文献2にはハイビスカスなどからの植物抽出物が、特許文献3には植物抽出物と、アントラキノンおよびその誘導体とが開示されている。しかしながらこれらは必ずしも効果が十分ではなく、新たな阻害剤の開発が望まれていた。
特開平7−324025号公報 特開平11−106336号公報 特表2010−533142号公報
Brownlee M.,et.al.,Science(1986)vol.232,pp.1629−1632. Urios P.,et.al., Eur.J.Nutr.(2007)vol.46,pp.139−146.
本発明の目的は、上述のような状況を踏まえ、糖化反応を効果的に抑制する、糖化反応抑制剤を提供することにある。
本発明者らは、研究を重ねた結果、トコフェロールリン酸エステル又はその塩に優れた糖化抑制効果があることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は以下に示す事項を含むものである。
[1] 下記式(1)で示されるトコフェロールリン酸エステル又はその塩を有効成分として含有する、糖化反応抑制剤。
[式中、R、R及びRは、互いに独立して水素原子又はメチル基を表す。]
[2] 前記トコフェロールリン酸エステルが、α−トコフェロールリン酸エステルである、[1]に記載の糖化反応抑制剤。
[3] 前記トコフェロールリン酸エステルが、γ−トコフェロールリン酸エステルである、[1]に記載の糖化反応抑制剤。
[4] 前記トコフェロールリン酸エステルの塩が、トコフェロールリン酸エステルのアルカリ金属塩である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の糖化反応抑制剤。
[5] 前記トコフェロールリン酸エステルのアルカリ金属塩が、トコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩である、[4]に記載の糖化反応抑制剤。
[6] [1]〜[5]のいずれか一項に記載の糖化反応抑制剤及び薬学的に許容される担体を含有する、糖化反応抑制用組成物。
[7] 前記トコフェロールリン酸エステル又はその塩の合計含有量が0.01〜10質量%である、[6]に記載の糖化反応抑制用組成物。
[8] pHが6.0〜8.5である、[6]又は[7]に記載の糖化反応抑制用組成物。
[9]皮膚外用剤である、請求項6〜8のいずれか一項に記載の糖化反応抑制用組成物。
[10]毛髪化粧料である、請求項6〜8のいずれか一項に記載の糖化反応抑制用組成物。
本発明により、糖化反応を効果的に抑制する、糖化反応抑制剤を提供することができる。
以下、本発明の好ましい例を説明するが、本発明はこれらの例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
本発明の糖化反応抑制剤は、トコフェロールリン酸エステル又はその塩を有効成分として含むものであれば特に限定されない。加齢とともに進行する皮膚などの老化現象の予防、改善が期待できるため、医薬品、医薬部外品、化粧料等に幅広く適用することができる。
(トコフェロールリン酸エステル又はその塩)
本実施形態の糖化反応抑制剤は、特定のトコフェロールリン酸エステル又はその塩を有効成分とする。
トコフェロールリン酸エステルとしては、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
[式中、R、R及びRは、互いに独立に、水素原子又はメチル基を表す。]
トコフェロールリン酸エステルには、上記一般式(1)中のR、R、Rによって、α−トコフェロールリン酸エステル(R,R,R=CH)、β−トコフェロールリン酸エステル(R,R=CH、R=H)、γ−トコフェロールリン酸エステル(R,R=CH、R=H)、δ−トコフェロールリン酸エステル(R=CH、R,R=H)、ζ−トコフェロールリン酸エステル(R,R=CH、R=H)、η−トコフェロールリン酸エステル(R=CH、R,R=H)等が存在する。
トコフェロールリン酸エステルは、特に限定されず、これらのトコフェロールリン酸エステルのいずれであってもよい。これらの中でも、α−トコフェロールリン酸エステル及びγ−トコフェロールリン酸エステルが好ましく、α−トコフェロールリン酸エステルがより好ましい。
上記一般式(1)で表される化合物は、クロマン環の2位に不斉炭素原子を有するため、d体及びl体の立体異性体、並びにdl体が存在する。トコフェロールリン酸エステルは、これらの立体異性体のいずれであってもよいが、dl体が好ましい。
上記の中でも、トコフェロールリン酸エステルとしては、dl−α−トコフェロールリン酸エステル及びdl−γ−トコフェロールリン酸エステルが好ましく、dl−α−トコフェロールリン酸エステルがより好ましい。
トコフェロールリン酸エステルの塩は、特に限定されないが、例えば、無機塩基との塩、有機塩基との塩等が挙げられる。
無機塩基との塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩;アンモニウム塩;亜鉛塩等が挙げられる。
有機塩基との塩としては、例えば、アルキルアンモニウム塩、塩基性アミノ酸との塩等が挙げられる。
上記の中でも、トコフェロールリン酸エステルの塩としては、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩がより好ましい。トコフェロールリン酸エステルのアルカリ金属塩、特にナトリウム塩は、水への溶解性が高く、また性状が粉末となるため取り扱いが容易になるという利点を有している。
トコフェロールリン酸エステルの好ましい態様としては、上記一般式(1)で表される化合物のアルカリ金属塩(例、ナトリウム塩)、α−トコフェロールリン酸エステルのアルカリ金属塩(例、ナトリウム塩)、γ−トコフェロールリン酸エステルのアルカリ金属塩(例、ナトリウム塩)、dl−α−トコフェロールリン酸エステルのアルカリ金属塩(例、ナトリウム塩)、dl−γ−トコフェロールリン酸エステルのアルカリ金属塩(例、ナトリウム塩)等が挙げられる。
dl−α−トコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩は、TPNa(登録商標)(表示名称:トコフェリルリン酸Na)の製品名で昭和電工株式会社より市販されている。前記TPNaは、トコフェロールリン酸エステルの好ましい例として例示される。
トコフェロールリン酸エステル及びその塩から選択される1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。本実施形態の糖化反応抑制用組成物は、トコフェロールリン酸エステルの塩を含むことが好ましく、トコフェロールリン酸エステルのアルカリ金属塩(例、ナトリウム塩)を単独で用いることがより好ましい。
トコフェロールリン酸エステル又はその塩は、公知の製造方法、例えば特開昭59−44375号公報、WO97/14705号等に記載の方法により製造することができる。
例えば、溶媒中に溶解したトコフェロールにオキシ塩化リン等のリン酸化剤を作用させ、反応終了後に適宜精製することによりトコフェロールリン酸エステルを得ることができる。さらに、得られたトコフェロールリン酸エステルを、酸化マグネシウム等の金属酸化物、水酸化ナトリウム等の金属水酸化物、又は、水酸化アンモニウムや水酸化アルキルアンモニウム等で中和することにより、トコフェロールリン酸エステルの塩を得ることができる。
以下、トコフェロールリン酸エステル及びその塩をまとめて、「トコフェロールリン酸エステル等」と記載することがある。
本実施形態の糖化反応抑制剤は、糖化反応を抑制する目的で、それ自体を患者に投与して使用することができる。また、本実施形態の糖化反応抑制剤は、医薬品や化粧品に配合して使用することもできる。また、後述する糖化反応抑制用組成物に配合して使用してもよい。
本実施形態の糖化反応抑制剤は、後述する糖化反応抑制用組成物と同様の方法で患者に投与することができ、経皮的に投与することが好ましい。
[糖化反応抑制用組成物]
一実施形態において、本発明は、上述した糖化反応抑制剤及び薬学的に許容される担体を含有する、糖化反応抑制用組成物を提供する。
本実施形態の糖化反応抑制用組成物は、常法(例えば、日本薬局方記載の方法)に従って、上述した糖化反応抑制剤、薬学的に許容される担体、及び場合により他の成分を混合して製剤化することにより製造することができる。
本明細書において、「薬学的に許容される担体」とは、有効成分の生理活性を阻害せず、且つ、その投与対象に対して実質的な毒性を示さない担体を意味する。なお、「実質的な毒性を示さない」とは、その成分が通常使用される投与量において、投与対象に対して毒性を示さないことを意味する。薬学的に許容される担体としては、特に制限されず、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、乳化剤、安定剤、希釈剤、注射剤用溶剤、油性基剤、保湿剤、感触向上剤、界面活性剤、高分子、増粘・ゲル化剤、溶剤、噴射剤、酸化防止剤、還元剤、酸化剤、キレート剤、酸、アルカリ、粉体、無機塩、水、金属含有化合物、不飽和単量体、多価アルコール、高分子添加剤、補助剤、湿潤剤、増粘剤、粘着付与物質、油性原料、液状マトリックス、脂溶性物質、高分子カルボン酸塩等を挙げることができる。これらの成分の具体例としては、例えば、国際公開公報第2016/076310号に記載のもの等が挙げられる。薬学的に許容される担体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、他の成分としては、特に制限されず、防腐剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、美白剤、ビタミン類及びその誘導体類、消炎剤、抗炎症剤、育毛用薬剤、血行促進剤、刺激剤、ホルモン類、抗しわ剤、抗老化剤、ひきしめ剤、冷感剤、温感剤、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、植物・動物・微生物エキス、種子油、鎮痒剤、角質剥離・溶解剤、制汗剤、清涼剤、収れん剤、酵素、核酸、香料、色素、着色剤、染料、顔料、消炎鎮痛剤、抗真菌剤、抗ヒスタミン剤、催眠鎮静剤、精神安定剤、抗高血圧剤、降圧利尿剤、抗生物質、麻酔剤、抗菌性物質、抗てんかん剤、冠血管拡張剤、生薬、止痒剤、角質軟化剥離剤、紫外線遮断剤、防腐殺菌剤、抗酸化物質、pH調整剤、添加剤、金属セッケン等を挙げることができる。これらの成分の具体例としては、例えば、国際公開公報第2016/076310号に記載のもの等が挙げられる。他の成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の糖化反応抑制用組成物は、前記糖化反応抑制剤を治療的有効量含有することができる。「治療的有効量」とは、患者の疾患の治療又は予防のために有効な薬剤の量を意味する。治療的有効量は、投与対象の疾患の状態、年齢、性別、及び体重等によって変動し得る。本実施形態の糖化反応抑制用組成物において、上記の糖化反応抑制剤の治療的有効量は、トコフェロールリン酸エステル等が糖化反応による老化現象の進行を抑制し得る量であり得る。例えば、本実施形態の糖化反応抑制用組成物における前記糖化反応抑制剤の治療的有効量は、トコフェロールリン酸エステル等の組成物中の合計含有量として、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがより好ましい。合計含有量が0.01質量%以上であると、経皮的に投与する場合にトコフェロールリン酸エステル等の皮膚への移行が速やかであり、糖化反応抑制剤に求められる効能効果が充分に発揮される。合計含有量が10質量%以下であると、糖化反応抑制用組成物の生産コストを抑えることができる。
上記のトコフェロールリン酸エステル等の糖化反応抑制用組成物中の含有量は、1種のトコフェロールリン酸エステル等を単独で使用する場合にはその化合物の含有量を意味し、トコフェロールリン酸エステル等を2種以上組み合わせて用いる場合には、これらの化合物の合計の含有量を意味する。
本実施形態の糖化反応抑制用組成物は、pHが6.0〜8.5であることが好ましい。なお、pHは約25℃における値である。pHがこの範囲内であると、トコフェロールリン酸エステル等の安定性が良好であり、組成物の安定性もより良好となる。pHは、6.5〜8.5であることがより好ましく、6.5〜8.0であることがさらに好ましい。
本実施形態の糖化反応抑制用組成物は、医薬組成物であってもよく、化粧料であってもよい。
(医薬組成物)
一実施形態において、本発明は、上述した糖化反応抑制剤及び薬学的に許容される担体を含有する、糖化反応を抑制するための医薬組成物を提供する。
本実施形態の医薬組成物において、薬学的に許容される担体としては、特に制限されず、上記に挙げたもののほか医薬品に一般的に使用される担体を使用することができる。例えば、日本薬局方、日本薬局方外医薬品規格、医薬品添加物規格2013(薬事日報社、2013年)、医薬品添加物辞典2016(日本医薬品添加剤協会編、薬事日報社、2016年)、Handbook of Pharmaceutical Excipients,7th edition(Pharmaceutical Press、2012年)等に記載されている一般的な原料を使用することができる。薬学的に許容される担体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の医薬組成物は、前記糖化反応抑制剤及び薬学的に許容される担体に加えて、他の成分を含有していてもよい。他の成分としては、特に制限されず、一般的な医薬品添加物を使用することができる。また、他の成分として、上述した糖化反応抑制剤以外の活性成分を使用することもできる。他の成分としての医薬品添加物及び活性成分としては、上記に挙げたもののほか、例えば、日本薬局方、日本薬局方外医薬品規格、医薬品添加物規格2013(薬事日報社、2013年)、医薬品添加物辞典2016(日本医薬品添加剤協会編、薬事日報社、2016年)、Handbook of Pharmaceutical Excipients,7th edition(Pharmaceutical Press、2012年)等に記載されている一般的な原料を使用することができる。他の成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の医薬組成物の剤型としては、特に制限されず、医薬品製剤として一般的に用いられる剤型とすることができる。例えば、錠剤、被覆錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、液剤、懸濁剤、乳剤等の経口的に投与する剤型;及び、注射剤、坐剤、皮膚外用剤、等の非経口的に投与する剤型等が挙げられる。これらの剤型の医薬組成物は、定法(例えば、日本薬局方記載の方法)に従って、製剤化することができる。
本実施形態の医薬組成物としては、皮膚外用剤が好ましい。皮膚外用剤としては、より具体的には、クリーム剤、ローション剤、パック剤、フォーム剤、皮膚洗浄剤、エキス剤、硬膏剤、軟膏剤、酒精剤、懸濁剤、チンキ剤、テープ剤、パップ剤、リニメント剤、エアゾール剤、スプレー剤、ゲル剤等の剤型が挙げられる。
本実施形態の医薬組成物の投与方法は、特に制限されず、医薬品の投与方法として一般的に用いられる方法で投与することができる。例えば、錠剤、被覆錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、液剤、懸濁剤、乳剤等として経口投与してもよく、注射剤、輸液製剤等として、単独で、又はブドウ糖液、リンゲル液等の一般的な輸液と混合して、静脈内、動脈内、筋肉内、皮内、皮下、腹腔内等に投与してもよく、坐剤として直腸内投与してもよく、皮膚外用剤として皮膚に投与してもよい。好ましい態様において、本実施形態の医薬組成物は、皮膚外用剤として、患部に塗布又は貼付される。
本実施形態の医薬組成物の投与量は、治療的有効量とすることができる。治療的有効量は、患者の症状、体重、年齢、及び性別等、並びに医薬組成物の剤型、及び投与方法等によって適宜決定すればよい。例えば、本実施形態の医薬組成物の投与量は、経口投与の場合には、トコフェロールリン酸エステル等として投与単位形態あたり0.01〜500mg、注射剤の場合には、トコフェロールリン酸エステル等として投与単位形態あたり0.02〜250mg、坐剤の場合には、トコフェロールリン酸エステル等として投与単位形態あたり0.01〜500mg等を例示することができる。
本実施形態の医薬組成物の投与間隔は、患者の症状、体重、年齢、及び性別等、並びに医薬組成物の剤型、及び投与方法等によって適宜決定すればよい。例えば、1日1回又は2〜3回程度等とすることができる。
(化粧料)
一実施形態において、本発明は、上述した糖化反応抑制剤及び薬学的に許容される担体を含有する、糖化反応抑制用化粧料を提供する。
本実施形態の化粧料において、薬学的に許容される担体としては、特に制限されず、上記に挙げたもののほか化粧料に一般的に使用される担体を使用することができる。例えば、化粧品原料基準第二版注解(日本公定書協会編、薬事日報社、1984年)、化粧品原料基準外成分規格(厚生省薬務局審査課監修、薬事日報社、1993年)、化粧品原料基準外成分規格追補(厚生省薬務局審査課監修、薬事日報社、1993年)、化粧品種別許可基準(厚生省薬務局審査課監修、薬事日報社、1993年)、化粧品原料辞典(日光ケミカルズ社、平成3年)、International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook 2002 Ninth Edition Vol.1〜4,by CTFA等に記載されている一般的な原料を使用することができる。薬学的に許容される担体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の化粧料は、糖化反応抑制剤及び薬学的に許容される担体に加えて、他の成分を含有していてもよい。他の成分としては、特に制限されず、一般的な化粧品添加物を使用することができる。また、他の成分として、上述した糖化反応抑制剤以外の活性成分を使用することもできる。他の成分としての化粧品添加物及び活性成分としては、上記に挙げたもののほか、例えば、化粧品原料基準第二版注解(日本公定書協会編、薬事日報社、1984年)、化粧品原料基準外成分規格(厚生省薬務局審査課監修、薬事日報社、1993年)、化粧品原料基準外成分規格追補(厚生省薬務局審査課監修、薬事日報社、1993年)、化粧品種別許可基準(厚生省薬務局審査課監修、薬事日報社、1993年)、化粧品原料辞典(日光ケミカルズ社、平成3年)、International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook 2002 Ninth Edition Vol.1〜4,by CTFA等に記載されている一般的な原料を使用することができる。他の成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の化粧料の形態としては、特に制限されず、化粧料として一般的に用いられる形態とすることができる。例えば、シャンプー、リンス、トリートメント剤、毛髪保護剤、整髪剤、育毛剤などの頭皮・毛髪用化粧料;洗顔料、クレンジング剤、化粧水、乳液、ローション、クリーム、ジェル、サンスクリーン剤、パック、マスク、美容液などの基礎化粧料;ファンデーション類、化粧下地、口紅類、リップグロス、頬紅類などのメーキャップ化粧料;ボディ洗浄料、ボディーパウダー、防臭化粧料などのボディ化粧料等が挙げられる。これらの化粧料は、定法に従って製造することができる。これらの中でも、本実施形態の化粧料は、皮膚外用剤として、皮膚に塗布又は貼付等する形態の化粧料、又は毛髪化粧料として、毛髪に塗布又は噴霧等する形態の化粧料であることが好ましい。皮膚外用剤として、例えば、化粧水、乳液、ローション、クリーム、ジェル、サンスクリーン剤、パック、マスク、美容液、ファンデーション類、化粧下地等が好適な例として挙げられる。毛髪化粧料として、例えば、シャンプー、リンス、トリートメント剤、毛髪保護剤、整髪剤等が好適な例として挙げられる。
また、本実施形態の化粧料の剤型としては、特に制限されず、例えば、水中油(O/W)型、油中水(W/O)型、W/O/W型、O/W/O型等の乳化型、乳化高分子型、油性、固形、液状、練状、スティック状、揮発性油型、粉状、ゼリー状、ジェル状、ペースト状、クリーム状、シート状、フィルム状、ミスト状、スプレー型、エアゾール状、多層状、泡状、フレーク状等が挙げられる。
本実施形態の化粧料の使用量は、特に制限されないが、糖化反応による老化現象の進行を抑制するために有効な量とすることができる。例えば、本実施形態の化粧料の使用量は、トコフェロールリン酸エステル等の量として1回の使用あたり0.15〜500mgを例示することができ、例えば0.15〜300mgであってもよく、例えば0.15〜200mgであってもよく、例えば0.2〜100mgであってもよい。
本実施形態の化粧料の使用間隔は、特に制限されないが、例えば、1日1回又は2〜3回程度等とすることができる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
糖化反応抑制試験には、コラーゲン抗糖化アッセイキット ver.2(グリセルアルデヒド、Code No.AK71、株式会社プライマリーセル)を用いた。氷冷したコラーゲン酸性溶液と中和液を混和し、コラーゲン溶液を得て、このコラーゲン溶液を1ウェルあたり50μLずつ96ウェルブラックプレートに分注した。
これを湿潤条件下、37℃インキュベーターで一晩静置し、コラーゲンゲルを得た。α−TPNa(登録商標)(昭和電工株式会社製)を0.1質量%の割合で10V/V%ジメチルスルホキシド(DMSO、和光純薬工業株式会社製)に溶解し、フィルター濾過したものを試料として、コラーゲンゲル上に40μL重層した。
全てのウェルにキット添付の500mMグリセルアルデヒド溶液を10μL添加し、プレートミキサーで撹拌した。
グリセルアルデヒド溶液添加後、5分以内に下方測定の蛍光プレートリーダー(infinite M200、TECAN)で励起波長370nm、蛍光波長440nmでの蛍光強度を測定し、この測定値を反応0時間の蛍光強度Aとした。
湿潤条件下、37℃インキュベーターで24時間静置した後、プレートリーダー(infinite M200、TECAN)で励起波長370nm、蛍光強度440nmでの蛍光強度を測定した。この測定値を蛍光強度Bとした。
得られた測定結果から下記式(I)によりメイラード反応阻害率を算出した。結果を表1に示す。
式(I):メイラード反応阻害率(%)={1−(糖化度α/糖化度β)}×100
[式(I)中、糖化度αは、「被験試料添加時の糖化度」を表し、糖化度βは、「被験試料無添加時(コントロール)の糖化度」を表す。糖化度は、「各試料の蛍光強度B−蛍光強度A」により算出する。]
[実施例2〜10、比較例1〜3]
実施例1におけるα−TPNaを、表1に示す化合物及び濃度に変化させたほかは、実施例1と同様にメイラード反応阻害率を測定した。結果を表1に示す。
なお、表1に示す化合物として、以下の製品を使用した。
γ―TPNa:昭和電工株式会社製
酢酸トコフェロール:和光純薬工業株式会社製
α―トコフェロール:エーザイ株式会社製
γ―トコフェロール:三菱ケミカルフーズ株式会社製
表1の測定結果に示すとおり、実施例1〜5及び実施例6〜10は、TPNaの濃度依存的に糖化反応抑制活性を有していることが確認された。
実施例1のα−TPNaの濃度は、比較例2のα−トコフェロールの濃度の半分(モル濃度では半分以下)であるにもかかわらず、実施例1は比較例2より高い糖化反応抑制活性を示すことが確認された。
さらに、実施例2のα−TPNaの濃度は、比較例1の酢酸トコフェロールの濃度、比較例2のα−トコフェロールの濃度、比較例3のγ−トコフェロールの濃度と同じであるにもかかわらず、実施例2は、これら比較例より高い糖化反応抑制活性を示すことが確認された。
実施例6のγ−TPNaの濃度は、比較例3のγ−トコフェロールの濃度の半分(モル濃度では半分以下)であるにもかかわらず、実施例6は比較例3より高い糖化反応抑制活性を示すことが確認された。
さらに、実施例7のγ−TPNaの濃度は、比較例1の酢酸トコフェロールの濃度、比較例2のα−トコフェロールの濃度、比較例3のγ−トコフェロールの濃度と同じであるにもかかわらず、実施例7は、これら比較例より高い糖化反応抑制活性を示すことが確認された。
以上の結果から、本発明によれば、糖化反応を効果的に抑制する、糖化反応抑制剤を提供できることが明らかである。
本発明は、糖化反応を効果的に抑制する、糖化反応抑制剤を提供することができる。

Claims (10)

  1. 下記式(1)で示されるトコフェロールリン酸エステル又はその塩を有効成分として含有する、糖化反応抑制剤。
    [式中、R、R及びRは、互いに独立して水素原子又はメチル基を表す。]
  2. 前記トコフェロールリン酸エステルが、α−トコフェロールリン酸エステルである、請求項1に記載の糖化反応抑制剤。
  3. 前記トコフェロールリン酸エステルが、γ−トコフェロールリン酸エステルである、請求項1に記載の糖化反応抑制剤。
  4. 前記トコフェロールリン酸エステルの塩が、トコフェロールリン酸エステルのアルカリ金属塩である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の糖化反応抑制剤。
  5. 前記トコフェロールリン酸エステルのアルカリ金属塩が、トコフェロールリン酸エステルのナトリウム塩である、請求項4に記載の糖化反応抑制剤。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の糖化反応抑制剤及び薬学的に許容される担体を含有する、糖化反応抑制用組成物。
  7. 前記トコフェロールリン酸エステル又はその塩の合計含有量が0.01〜10質量%である、請求項6に記載の糖化反応抑制用組成物。
  8. pHが6.0〜8.5である、請求項6又は7に記載の糖化反応抑制用組成物。
  9. 皮膚外用剤である、請求項6〜8のいずれか一項に記載の糖化反応抑制用組成物。
  10. 毛髪化粧料である、請求項6〜8のいずれか一項に記載の糖化反応抑制用組成物。

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