JP4857347B2 - 皮膚外用剤および毛髪料 - Google Patents
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Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚に塗布する皮膚外用剤および育毛や発毛を促進する毛髪料に関し、特に、モリブデンを含有することにより、優れた皮膚症状改善効果を得ることのできる皮膚外用剤、およびモリブデン又は鉄を含有することにより、優れた発毛または育毛効果を得ることのできる毛髪料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
社会環境、ストレス、老化、体内又は体外の環境変化、体質といった様々な要因により様々な皮膚症状、肌荒れ、しみ、ニキビ、吹き出物、アトピー性皮膚炎、更には水虫などが生じる。かかる皮膚症状の予防または改善を目的として、美白剤、抗酸化剤、抗炎症剤、細胞賦活剤、血行促進剤、保湿剤、抗菌剤、紫外線防止剤、肌質改善剤、しわ改善剤、しわ予防剤等が配合された皮膚外用剤が広く市販されている。
【0003】
例えば、しみ改善の予防または改善を目的とする皮膚外用剤には、美白作用を有する物質、すなわち、メラニン生成を抑制する物質が主に用いられており、コウジ酸、ビタミンC及びその誘導体、システイン等を配合したものや、ハイドロキノンを配合したものが知られている(特許文献1参照)。
【0004】
また、ニキビは、皮膚の毛嚢脂腺系を中心とした毛孔におこる表在性の慢性炎症状態を指し、その原因の1つとして、皮膚に常在するプロピオニバクテリウムアクネス(Propionibacterium acnes)が関与していると考えられている。プロピオニバクテリウムアクネスは、皮膚の毛孔内に存在し、脂質(皮脂)を分解して遊離脂肪酸を生成する。この遊離脂肪酸には、面皰形成作用、炎症惹起作用があることが知られている。従来、ニキビ治療剤として、プロピオニバクテリウムアクネスに対する抗菌作用をはじめ、皮脂分泌抑制作用、角質溶解作用を有する皮膚外用剤が広く用いられてきた(特許文献2参照)。
【0005】
更には、アトピー性皮膚炎に対しては、副腎皮質ホルモンからなる皮膚外用剤が使用されてきた(特許文献3参照)。また、アトピー性皮膚炎や敏感肌と称される皮膚に特徴的に認められる乾燥、ざらつき、かさつき、湿疹、鱗屑、易刺激性など、慢性的な表皮バリア機能低下に起因する肌のトラブルを予防、改善することを目的とし、尿素、セラミド、アミノ酸誘導体、ヘパリン類似物質、ビタミンEなどの化合物や植物抽出物など、保湿効果があるとされる成分を含む様々な皮膚外用剤が提案されている(特許文献4〜8参照)。
【0006】
また、白癬菌が原因とされる水虫(真菌症)については、塩酸クロロナゾール、ベンゾキノン誘導体、ポリエンマクロライド系、アゾール系の抗菌剤や、セフェム系の抗生物質などが抗菌剤として配合された皮膚外用剤が広く知られている。更には、吹き出物、アトピー性皮膚炎からの掻破による皮膚感染の原因菌とされる黄色ブドウ球菌や、とびひの原因菌とされる化膿菌(ブドウ球菌、連鎖球菌)に対しても、各種の抗生物質が抗菌剤として皮膚外用剤に配合され、その治療に用いられている。
【0007】
さらに、近年、社会環境、ストレス、食生活などが一因となり、薄毛や抜け毛、脱毛に悩む人が増加傾向にある。かかる薄毛や抜け毛、脱毛を改善し、その予防や治療を行う各種生薬や薬剤を配合した毛髪料が非常に多く市販されている。
【0008】
毛髪料に含まれる育毛効果や発毛効果を奏する有効成分の一例としては、ATP依存性カリウムチャンネル開放作用による血管拡張作用を有するとされるミノキシジルが、知られている(特許文献9参照)。更には、育毛効果が期待される有効成分として、トウガラシチンキ、センブリエキス、朝鮮ニンジンエキス、ニコチン誘導体等の血行促進物質、エストラジオール等の女性ホルモン剤、サルチル酸、レゾルシン等の角質溶解剤、グリチルレチン酸、シコンエキス等の抗炎症剤等が知られている。その他にも、多数の植物抽出物、生薬、合成化学物質が育毛剤として提案されている(特許文献10,11参照)。
【特許文献1】
特開昭58−154507号公報
【特許文献2】
特開2005−289876号公報
【特許文献3】
特開平9−157171号公報
【特許文献4】
特開昭61−30567号公報
【特許文献5】
特開平11−302155号公報
【特許文献6】
特開2000−143486号公報
【特許文献7】
特開2000−302660号公報
【特許文献8】
特開2002−293735号公報
【特許文献9】
米国特許第4139619号公報
【特許文献10】
再表2004/084848号公報
【特許文献11】
米国特許第4139619号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、これまでに美白作用を有するとされた皮膚外用剤においては、美白作用を有する物質として配合されたもののうち、ハイドロキノンを除いてはチロシナーゼ活性を抑制する効果の発現がきわめて緩慢であり、皮膚色素沈着の改善効果が十分でないという問題点があった。一方、ハイドロキノンは効果が認められるが、感作性があるため一般の使用が制限されている。
【0010】
また、既存のニキビ治療用の皮膚外用剤には、種々の副作用を伴うものも多いという問題点があった。例えば、皮脂分泌抑制作用を有する女性ホルモン剤、及び抗菌作用を有するエリスロマイシン、テトラサイクリン等の抗生物質等は、胃腸障害を引き起こすことが知られている。また、角質溶解作用を有するイオウ、カンフル、サルファ剤等は、度重なる塗布による患部周辺の皮膚に対する刺激が強く、かさつき等が生じるという問題点があった。
【0011】
更に、アトピー性皮膚炎に用いられる副腎皮質ホルモンは、効果が多大に期待できる反面、副作用が生じ、肌がケロイド状になるという問題点があった。加えて、上記特許文献3から8に開示された成分は、アトピー性皮膚炎や敏感肌などの皮膚症状を、ある程度改善する効果が認められるものの、角層柔軟化作用や、バリア機能回復、水分保持作用において、必ずしも満足できるものではなかった(アレルギ−、52巻、12号、1101−1103頁、2003年)。
【0012】
また、白癬菌、黄色ブドウ球菌、化膿菌に対して使用される抗菌剤等は、皮膚刺激性や不快感がある上、耐性菌の出現といった問題点があった。ところが、真菌は高等生物と同じ真核生物であるため、低毒性及び選択性に優れ、副作用が少なく、治療効果に優れる抗真菌剤の開発は難しく、抗生物質以外では特に効果の高いものを開発することは困難となっていた。
[0013]
また、これまでに育毛剤や発毛剤として提案されてきた毛髪料においては、その育毛効果や発毛効果が顕著であるものが少なく、また、その効果には個人差が大きいという問題点があった。このため、効果の高い新たな育毛剤や発毛剤の開発が求められている。
[0014]
更には、従来からある多くの皮膚外用剤または市販品の多くの育毛剤や発毛剤に使用される有効成分は、有機化合物であることから、環境によっては不安定になりかねず、製造工程や保存安定性の管理(品質保持)に注意を払わなければならないという問題点があった。
[0015]
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、モリブデンを含有することにより、優れた皮膚症状改善効果を得ることのできる皮膚外用剤、およびモリブデン又は鉄を含有することにより、優れた発毛または育毛効果を得ることのできる毛髪料を提供することを目的としている。
[課題を解決するための手段]
[0016]
この目的を達成するために、請求項1記載の皮膚外用剤は、モリブデンを含む組成物である紅陶土を含有するものである。
[0017]
請求項2記載の皮膚外用剤は、モリブデンと粘土とを含有するものである。
[0018]
請求項3記載の皮膚外用剤は、モリブデンを含む組成物である紅陶土と粘土とを含有するものである。
[0019]
請求項4記載の皮膚外用剤は、請求項1から3のいずれかに記載の皮膚外用剤において、流動性を有する液状物質を含有しており、モリブデンは、単体または化合物を粉体に成形したものであり、前記液状物質と粉体との混合により懸濁液剤、ゲル、クリーム、ペーストの内のいずれかの剤形に形成されているものである。
[0020]
請求項5記載の皮膚外用剤は、請求項4記載の皮膚外用剤において、前記液状物質は、pH値が略2〜略5の酸性である。
[0021]
請求項6記載の毛髪料は、育毛又は発毛を促進する毛髪料であって、モリブデン及び鉄を含む組成物である紅陶土を含有する。
[0022]
請求項7記載の毛髪料は、育毛又は発毛を促進する毛髪料であって、モリブデンおよび粘土を含有することを特徴とする。
[0023]
請求項8記載の毛髪料は、育毛又は発毛を促進する毛髪料であって、モリブデン及び鉄を含む組成物である紅陶土と粘土とを含有することを特徴とする。
[0024]
[0025]
請求項9記載の毛髪料は、請求項6から8のいずれかに記載の毛髪料であって、流動性を有する液状物質を含有しており、モリブデンまたは鉄は、単体または化合物を粉体に成形したものであり、前記液状物質と粉体との混合により懸濁液剤、ゲル、クリーム、ペーストの内のいずれかの剤形に形成されていることを特徴とする。
[0026]
請求項10記載の毛髪料は、請求項9記載の毛髪料であって、前記液状物質は、pH値が略2〜略5の酸性であることを特徴とする。
[0027]
[発明の効果]
[0028]
請求項1記載の皮膚外用剤によれば、モリブデンを含有するので、該モリブデンの作用によって、肌荒れ、しみ、ニキビ、吹き出物、アトピー性皮膚炎、水虫の皮膚症状を改善することができるという効果がある。また、モリブデンは安定な無機物であるので、環境変化に対する化学的安定性が良好である。このため、一般的な皮膚外用剤に使用される皮膚症状を予防または改善する有機物の有効成分に比べて、劣化や変性が生じ難く、製造工程や保存安定性の管理を容易とすることができる上、容易に品質を保持することができるという効果がある。
[0029]
また、モリブデンを含む組成物である紅陶土を含有する。紅陶土は酸化第二鉄を主成分とする天然に算出される鉱物であり、微量にモリブデンを含有する。このため、単純に、産出された紅陶土を用いるだけで、肌荒れ、しみ、ニキビ、吹き出物、アトピー性皮膚炎、水虫の皮膚症状を改善する皮膚外用剤を製造することができる。このため、上記の皮膚症状を改善する有効成分を得るための複雑な化学合成工程や、原材料からの有効成分の抽出工程を不要とでき、製造工程を簡素化することができるという効果がある。
[0030]
請求項2記載の皮膚外用剤によれば、モリブデンと粘土とを含有するので、該モリブデンの作用によって、肌荒れ、しみ、ニキビ、吹き出物、アトピー性皮膚炎、水虫の皮膚症状を改善することができるという効果がある。また、モリブデンは安定な無機物であるので、環境変化に対する化学的安定性が良好である。このため、一般的な皮膚外用剤に使用される皮膚症状を予防または改善する有機物の有効成分に比べて、劣化や変性が生じ難く、製造工程や保存安定性の管理を容易とすることができる上、容易に品質を保持することができるという効果がある。また、粘土の吸着作用による洗浄効果を付与することができるという効果がある。使用者に塗布された皮膚外用剤を洗い流す際には、含有される粘土の吸着作用によって皮膚の汚れ成分を除去することができる。このため、良好な使用感を使用者に与えることができる上、毛穴の汚れ、皮脂分泌物などの皮膚の汚れを除去することができ、皮膚症状の改善機能を更に向上させることができるという効果がある。
[0031]
請求項3の皮膚外用剤によれば、請求項1記載の皮膚外用剤と同様の効果に加えて、請求項2記載の皮膚外用剤と同様の効果を奏する。また、紅陶土による塗布部への着色が懸念されるが、皮膚外用剤を塗布部から除去すれば、粘土の作用によって皮膚上の紅陶土も除去されるので、紅陶土を含むものであっても着色の発生を抑制することができる。
[0032]
請求項4記載の皮膚外用剤によれば、請求項1から3のいずれかに記載の皮膚外用剤の奏する効果に加え、モリブデンは、単体または化合物を粉体に成形したものであり、かかる粉体と液状物質との混合により懸濁液剤、ゲル、クリーム、ペーストのいずれかの剤形に形成されているので、モリブデン粉体の飛散や、塗布部位からの皮膚外用剤の脱落を抑制でき、使用時の取扱性を向上させることができるという効果がある。
[0033]
請求項5記載の皮膚外用剤によれば、請求項4記載の皮膚外用剤の奏する効果に加え、液状物質は、pH値が略2〜略5の酸性であるので、雑菌の繁殖を抑制することができるという効果がある。また、人体に塗布した場合において、弱酸性である人体の皮膚のpHバランスを良好に保つことができ、使用者に肌荒れ等のトラブルが発生することを抑制できるという効果がある。
[0034]
請求項6記載の毛髪料によれば、モリブデンを含有するので、該モリブデンの作用によって発毛を促進することができるという効果がある。また、モリブデンは安定な無機物であるので、環境変化に対する化学的安定性が良好である。このため、一般的な毛髪料に使用される育毛、発毛効果を有する有機物の有効成分に比べて劣化や変性が生じ難く、製造工程や保存安定性の管理を容易とすることができる上、容易に品質を保持することができるという効果がある。
[0035]
また、鉄を更に含有するので、該鉄の作用により、育毛を促進することができるという効果がある。更に、モリブデンの発毛促進効果と相まって、使用者に、脱毛の改善効果をより実感させることができるという効果がある。また、鉄は、一般に市販される安価な金属であって安定に供給されるものである。更に、その化合物についても多くのものは供給形態が確立されており入手容易なものである。従って、鉄を、育毛の有効成分とすることにより、原材料の確保を容易とすることができるという効果がある。
[0036]
[0037]
また、モリブデン及び鉄を含む組成物である紅陶土を含有する。紅陶土は酸化第二鉄を主成分とする天然に算出される鉱物であり、微量にモリブデンを含有する。このため、単純に、産出された紅陶土を用いるだけで、育毛、発毛を促進する毛髪料を製造することができる。このため、育毛や発毛を促進する有効成分を得るための複雑な化学合成工程や、原材料からの有効成分の抽出工程を不要とでき、製造工程を簡素化することができるという効果がある。
[0038]
また、モリブデンと鉄との両成分を含有する毛髪料を製造する場合においては、紅陶土に両成分が含有されているので、モリブデンと鉄とを個別に配合、管理する必要が無く、その工程管理や、原材料管理を容易とすることができるという効果がある。
[0039]
請求項7記載の毛髪料によれば、モリブデンを含有するので、該モリブデンの作用によって発毛を促進することができるという効果がある。また、モリブデンは安定な無機物であるので、環境変化に対する化学的安定性が良好である。このため、一般的な毛髪料に使用される育毛、発毛効果を有する有機物の有効成分に比べて劣化や変性が生じ難く、製造工程や保存安定性の管理を容易とすることができる上、容易に品質を保持することができるという効果がある。また、粘土を更に含有するので、粘土の吸着作用による洗浄効果を付与することができるという効果がある。使用者に塗布された毛髪料を洗い流す際には、含有される粘土の吸着作用によって皮膚の汚れ成分を除去することができる。このため、良好な使用感を使用者に与えることができる上、毛穴の汚れが一因とされる脱毛に対する予防、治療に効能を発揮する事ができるという効果がある。
[0040]
請求項8記載の毛髪料によれば、請求項6記載の毛髪料と同様の効果に加え、請求項7記載の手髪料と同様の効果を奏する。また、紅陶土による塗布部への着色が懸念されるが、毛髪料を塗布部から除去すれば、粘土の作用によって皮膚上の紅陶土も除去されるので、紅陶土を含むものであっても着色の発生を抑制することができる。
[0041]
請求項9記載の毛髪料によれば、請求項6から8のいずれかに記載の毛髪料の奏する効果に加え、モリブデンまたは鉄は、単体または化合物を粉体に成形したものであり、かかる粉体と液状物質との混合により懸濁液剤、ゲル、クリーム、ペーストのいずれかの剤形に形成されているので、粉体の飛散や、塗布部位からの毛髪料の脱落を抑制でき、使用時の取扱性を向上させることができるという効果がある。
[0042]
請求項10記載の毛髪料によれば、請求項9記載の毛髪料の奏する効果に加え、液状物質は、pH値が略2〜略5の酸性であるので、雑菌の繁殖を抑制することができるという効果がある。また、人体に塗布した場合において、弱酸性である人体の皮膚のpHバランスを良好に保つことができ、使用者に肌荒れ等のトラブルが発生することを抑制できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
[0043]
[図1]表4に示した実施例14の配合にて作製した毛髪料を塗布した場合の発毛状態を示す図である。
[発明を実施するための最良の形態]
[0044]
以下、本発明を詳細に説明する。本発明に用いるモリブデンは、単体又は化合物で構成されており、公知の物質である。その入手方法としては、市販品を用いても良く、また、公知の方法に基づいて精製、製造しても良い。
[0045]
モリブデン化合物としては、例えば、二酸化モリブデン、三酸化モリブデン、五塩化モリブデン、ヘプタモリブデン酸アンモニウム、硼化モリブデン、炭化モリブデン、炭化二モリブデン、二硫化モリブデン、セレン化モリブデン、珪化モリブデン、テルル化モリブデン、窒化モリブデン、モリブデン酸等の無機化合物や、ペンタエトキシモリブデン等の有機金属化合物などが例示される。
[0046]
これら化合物の内から、単一化合物を配合してもよく、また2種以上を組み合わせて配合してもよい。更には、モリブデン単体と組み合わせて配合しても良い。
【0047】
加えて、本発明に用いるモリブデンには、純粋な単体や化合物のみならず、モリブデン(モリブデン単体またはモリブデン化合物)を含む組成物を用いてもよい。つまり、本皮膚外用剤および毛髪料には、モリブデンを含有する天然の鉱物やその混合物をそのまま用いることができる。尚、必要に応じて、例えば重金属や不要物の除去のために、モリブデンを含有した組成物の状態での精製工程を経たものであっても良い。
【0048】
かかる組成物としては、例えば、天然の鉱物である紅陶土や、モリブデン鉱石であるモリブデン鉛鋼、輝水鉛鋼、かかる天然鉱物の混合物(例えば、赤土(株式会社陶和、以下同じ))、更には、モリブデンを1成分として他の金属元素や非金属元素と共融された合金などが例示される。
【0049】
かかる組成物は、単独で使用されても組み合わせて使用されても良く、上記のモリブデン化合物やモリブデン単体と共に用いても良い。また、モリブデンは、分子状態にあるもののみならず、所定の溶媒に溶解したイオン状態で皮膚外用剤または毛髪料に混合されても良い。
【0050】
本発明の皮膚外用剤は、モリブデンを含有することにより、肌荒れ、しみ(色素沈着)、ニキビ、吹き出物、アトピー性皮膚炎、水虫等の皮膚症状を改善する効果を奏することができる。
【0051】
また、本発明の毛髪料は、モリブデンを含有することにより、発毛効果を奏することができる。ここで、発毛とは、脱毛状態にある毛根(無毛であった毛根)からの生毛の発生や剛毛の増加を意味している。
【0052】
更に、本発明の皮膚外用剤および毛髪料は、鉄を含有するものとしても良い。本発明に用いる鉄は、単体又は化合物で構成されており、公知の物質である。その入手方法としては、市販品を用いても良く、また、公知の方法に基づいて精製、製造しても良い。
【0053】
鉄化合物としては、例えば、酸化第一鉄、酸化第二鉄、四三酸化鉄、二珪化鉄、二酸化ナトリウム鉄、過塩素酸第二鉄、臭化第二鉄、セレン化鉄、三酸化チタン鉄、五酸化チタン二鉄、窒化鉄、オキシタングステン酸第二鉄、十九酸化十二鉄バリウム、硫化鉄、二硫化鉄、テトラオキシバナジン酸鉄、硼化鉄、硼化二鉄、ヨウ化鉄、リン化鉄、リン化二鉄、リン化三鉄等の無機化合物や、トリス(2,4−ペンタンジオナト)鉄(III)、スルファミン酸第一鉄、オクチル酸第一鉄、三シュウ酸鉄三カリウム、蟻酸第一鉄、グルコン酸第一鉄、酒石酸第一鉄、ステアリン酸第二鉄、乳酸第一鉄、ラウリン酸第二鉄などの有機金属化合物などが例示される。
【0054】
これらの化合物の内から、単一化合物を配合してもよく、また2種以上を組み合わせて配合してもよい。更には、鉄単体と組み合わせて配合しても良い。また、鉄は、分子状態にあるもののみならず、所定の溶媒に溶解したイオン状態で皮膚外用剤または毛髪料に混合されても良い。
【0055】
加えて、本発明に用いる鉄には、純粋な単体や化合物のみならず、鉄(鉄単体または鉄化合物)を含む組成物を用いてもよい。つまり、本皮膚外用剤および毛髪料には、鉄を含有する天然の鉱物や、その混合物をそのまま用いることができる。尚、必要に応じて、例えば重金属や不要物の除去のために、鉄を含有した組成物の状態での精製工程を経たものであっても良い。
【0056】
かかる組成物としては、例えば、上記の赤土、西山黄土(稲垣鉱業株式会社、以下同じ)等の粘土や、上記した天然の鉱物である紅陶土、更には、その他の天然の鉄鉱石や、かかる鉄鉱石を原料として製造されたもの、加えて、鉄を1成分として他の金属元素や非金属元素と共融された合金などが例示される。尚、かかる組成物は、単独で使用されても組み合わせて使用されても良く、上記の鉄化合物や鉄単体と共に用いても良い。
【0057】
特に、紅陶土は、中華人民共和国に産出する天然鉱物であり、酸化第2鉄を主成分とする粉体であるが、モリブデンを含有する組成物でもある。このため、紅陶土を用いることにより、1の試料(紅陶土)を混合するだけで、皮膚外用剤または毛髪料に鉄とモリブデンとの両者を混合することができる。
【0058】
本発明の毛髪料は、鉄を含有することにより、育毛効果を奏することができる。ここで、育毛とは、現在生えている毛髪が太くなり、ハリ、コシが生じることを意味している。
【0059】
尚、モリブデン及び鉄は、分子状態にあるもののみならず、所定の溶媒に溶解したイオン状態で毛髪料に混合されても良い。
【0060】
また、本発明において、皮膚外用剤または毛髪料の使用感向上及び更なる皮膚症状改善効果を向上させるために、更に粘土を含有することが望ましい。用いられる粘土としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、天然物、天然物の精製品、天然物の膨潤性を改質したもの又は合成されたものなどが挙げられる。具体的には、西山黒粘土、悦洞青粘土、悦洞四黒粘土、生田山特選粘土、西山黄土、中国産黄土(以上、稲垣鉱業株式会社、以下同じ)や、上記した赤土、更には、これ以外に、天然又は合成された粘土鉱物として、モンモリロナイトや、モンモリロナイトを主成分とするベントナイト及び酸性白土、更には、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ソーコナイト、ヘクトライト、スチブンサイトなどのスメクタイト族の粘土鉱物や、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイト等のカオリナイト族の粘土鉱物が例示される。また、雲母族(マイカ)、緑泥石族、パイロフィライト、陶石、タルク等を用いても良い。かかる粘土は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0061】
これら粘土を皮膚外用剤または毛髪料に含むことにより、粘土の吸着作用にて皮膚や毛髪の汚れが吸着されるので、使用部位から皮膚外用剤または毛髪料を洗い流せば、これらの汚れを除去することができる。故に、皮膚外用剤または毛髪料の使用後において、良好な使用感を使用者に与えることができる。加えて、皮膚外用剤を使用すれば、かかる汚れを除去することにより、しみやニキビ等の皮膚症状を改善することができる。
【0062】
また、本皮膚外用剤を使用すれば、クレンジング(洗浄)効果が得られるので、皮膚外用剤使用後において、洗浄剤などで使用部位をわざわざ洗浄する必要がない。その上、日常生活において、洗浄剤の代用品として、本皮膚外用剤を使用することができ、洗顔と皮膚外用剤による手入れを一度に行うことができ、使い勝手がよい。
【0063】
また本毛髪料を使用すれば、シャンプーや石鹸等を用いたと同様の洗浄効果が得られるので、毛髪料使用後において、シャンプーや石鹸などで使用部位をわざわざ洗浄する必要がない。その上、日常生活において、シャンプーや石鹸の代用品として、本毛髪料を使用することができ、洗髪と毛髪料による手入れを一度に行うことができ、使い勝手がよい。
【0064】
更には、粘土鉱物には、鉄化合物が含有されているものも多い。例えば、上記の西山黒粘土、悦洞青粘土、悦洞四黒粘土、生田山特選粘土、西山黄土、中国産黄土等の粘土には、酸化第二鉄が含まれている。従って、粘土を配合するだけで、同時に皮膚外用剤または毛髪料中に鉄を配合することができる。
【0065】
また、皮膚外用剤または毛髪料にモリブデンを混合する場合において、紅陶土を使用する場合には、塗布部に着色が生じてしまいかねないが、粘土を混合することにより、かかる着色の発生を回避することができる。
【0066】
尚、上記した粘土に加えて、或いは、粘土に代えて、通常化粧料に用いられる各種粉体、具体的には、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸リチウムコバルト、水酸化クロム、マンガンバイオレット、カーボンブラック、セリサイト、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、硫酸バリウム、ゼオライト、アルミナ、ジルコニア、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、窒化硼素等の無機粉体などを1種または2種以上混合して用いても良い。
【0067】
本発明の皮膚外用剤には、さらに、皮膚症状を改善する公知の各種有効成分を配合してもよい。配合成分としては、特に限定されるべきものではないが、例えば、抗菌剤としては、イオウ、ヒノキチオール、トリクロサン、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル、トリクロロカルバニリド、クロルヘキシジングルコン酸塩、ハロカルパン、クロロフェネシン、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化リゾチーム、塩化クロルヘキシジン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、フェノキシエタノール、イソプロピルメチルフェノール、石炭酸、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルメタクレゾール、チモール、ヘキサクロロフェン、ベルベリン、レゾルシン、塩化セチルピリジニウム及びこれらの誘導体、感光素201号、感光素301号、ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛、ジンクピリチオン、アズレン、モノニトログアヤコールナトリウム、ウンデシレン酸、チアントール、ヒノキチオール、ドクダミ抽出物、クララ抽出物等があげられる。
【0068】
角質軟化剤としては、イオウ又はイオウ化合物、カンフル、サルファ剤、サリチル酸、レゾルシン、尿素等があげられる。
【0069】
消炎剤としては、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸およびこれらの誘導体や塩(例えばグリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸ケトプロフェンなど)、イブプロフェンピコノール、インドメタシン、ジクロフェナック、ピロキシカム、プラノプロフェン、フルルビプロフェン、ロキソプロフェン、酢酸コルチゾン、ヒドロコルチゾン、デキサメタゾン、プレドニゾロン、ベタメタゾン、フェルビナク等に加え、アロエ抽出物、アルニカ抽出物、アシタバ抽出物、ウコン抽出物、オトギリソウ抽出物、カミツレ抽出物、キハダ抽出物、コンフリー抽出物、シソ抽出物、シラカバ抽出物、スイカズラ抽出物、セージ抽出物、ムクロジ抽出物、ユーカリ抽出物、ヨモギ抽出物、カミツレ抽出物、ジユ抽出物、クレソン抽出物、オウバク抽出物、ワレモコウ抽出物、レンゲソウ抽出物等があげられる。
【0070】
これらの抗菌剤、角質軟化剤、消炎剤は、必要に応じて一種、又は二種以上用いることができる。かかる上記の有効成分のうち、特に好ましいものとしては、イオウまたはイオウ化合物、イソプロピルメチルフェノール、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸およびこれらの誘導体ならびにこれらの塩が挙げられる。本発明の皮膚外用剤とこれらの有効成分を併用することにより、副作用が問題となっている既知の抗菌剤、角質軟化剤、消炎剤の量を減じることも可能であり、皮膚外用剤としての安全性を高めることが期待される。
【0071】
また、本発明の皮膚外用剤には、必要に応じて、通常の皮膚外用剤に用いられる添加物、例えば水性成分、油性成分、アルコール類、エステル類、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、増粘剤、香料、抗酸化剤、pH調整剤、キレート剤等の成分を1種又は2種以上配合することができる。
【0072】
更に、本発明の皮膚外用剤に、美白剤、抗酸化剤、細胞賦活剤、血行促進剤、保湿剤、しわ改善剤およびしわ予防剤から選ばれる一種以上の剤を配合しても良い。
【0073】
美白剤としては、例えば、ビタミンCおよびその誘導体またはその塩(アスコルビン酸、L−アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、L−アスコルビン酸ステアリン酸エステル、L−アスコルビン酸硫酸エステル二ナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム・5水塩、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸グルコシド、パルミチン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル等)、グリシン、スレオニン、ヒドロキシプロリンもしくはアスパラギン酸、または該各アミノ酸のアシル誘導体あるいはその塩、アルブチン、グルタチオン、コウジ酸、システインおよびこれらの誘導体等があげられる。
【0074】
抗酸化剤としては、例えば、ビタミンEおよびその誘導体(dl−α(β、γ)−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸−dl−α−トコフェロール、リノール酸−dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール等のトコフェロールおよびその誘導体、ユビキノン類等)、ビタミンAおよびその誘導体(パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール等のレチノールおよびその誘導体、デヒドロレチナール等のレチナールおよびその誘導体等)、カロチノイド(カロチン、リコピン、アスタキサンチン等)、ビタミンBおよびその誘導体(チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩、リボフラビン、酢酸リボフラビン、塩酸ピリドキシン、ピリドキシンジオクタノエート、フラビンアデニンヌクレオチド、シアノコバラミン、葉酸類、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等のニコチン酸類、コリン類等)、ビタミンCおよびその誘導体またはその塩(アスコルビン酸、L−アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、L−アスコルビン酸ステアリン酸エステル、L−アスコルビン酸硫酸エステル二ナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム・5水塩、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸グルコシド、パルミチン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル等)、ビタミンDおよびその誘導体(エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、ジヒドロキシスタナール等)、ポリフェノール、ルチンおよびその誘導体、チオタウリン、タウリン、ハイドロキノンおよびその誘導体、ヒスチジンおよびその誘導体、カテキン類、グラブリジン、グラブレン、リクイリチン、イソリクイリチンおよびこれらを含有するカンゾウ抽出物、グルタチオンおよびその誘導体、没食子酸およびその誘導体等があげられる。
【0075】
細胞賦活剤としては、例えば、コラーゲン合成を促進する素材、肌質の改善作用のある素材等があげられる。
【0076】
コラーゲン合成を促進する素材としては、例えば、アスコルビン酸、トランスフォーミンググロースファクターベータ1、プレートレットデライブドグロースファクター、ベーシックファイブロブラストグロースファクター、インシュリンライクグロースファクター1など各種グロースファクターおよびシルクプロテイン等があげられる。その他、ビタミンAおよびその誘導体(パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール等のレチノールおよびその誘導体、デヒドロレチナール等のレチナールおよびその誘導体等)、カロチノイド(カロチン、リコピン、アスタキサンチン等)、ビタミンBおよびその誘導体(チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩、リボフラビン、酢酸リボフラビン、塩酸ピリドキシン、ピリドキシンジオクタノエート、フラビンアデニンヌクレオチド、シアノコバラミン、葉酸類、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等のニコチン酸類、コリン類等)、ビタミンCおよびその誘導体またはその塩(アスコルビン酸、L−アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、L−アスコルビン酸ステアリン酸エステル、L−アスコルビン酸硫酸エステル二ナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム・5水塩、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸グルコシド、パルミチン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル等)、リボ核酸およびその塩、α−およびγ−リノレン酸、キサンチンおよびそれらの誘導体であるカフェインがあげられる。更に、オオムギ抽出物、シルクプロテインおよびその分解物またはそれらの誘導体、ヒドロキシプロリン等があげられる。
【0077】
肌質の改善作用のある素材としては、例えば、アラントイン、アロエ抽出物、人参抽出物、胎盤抽出物、牛血液除タンパク質、酵母発酵代謝物等があげられる。
血行促進剤としては、例えば、アルニカ抽出液、トウガラシチンキ、イチョウ抽出物、酢酸トコフェロール、γ―オリザノール等があげられる。
【0078】
保湿剤としては、例えば、グリセリン、1、3−ブチレングリコール、ソルビトール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、トレハロース、イノシトール、グルコース、キシリトール、マルトース、マルチトール、キシロース、果糖、蔗糖およびそれらの誘導体;コラーゲン、エラスチン、ケラチン、フィブロネクチン等のタンパク質またはそれらの誘導体、加水分解物ならびにそれらの塩、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリンおよびケラタン硫酸等のムコ多糖類およびその誘導体またはそれらの塩、セリン、グリシン、テアニン、アスパラギン酸、アスパラギン、アルギニン、アラニン、バリン、イソロイシン、スレオニン、リジン、ヒドロキシリジン、システイン、シスチン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、オルニチン、シトルリン、ピロリドンカルボン酸等のアミノ酸およびそれらの誘導体ならびにそれらの塩、デキストリンおよびその誘導体、ハチミツ等の糖類、糖脂質、セラミド、ムチン、尿素、ニンジン抽出液、アロエ抽出液、冬虫夏草抽出液、プラセンタ抽出液、ホホバ油、ローヤルゼリー、加水分解コラーゲン、加水分解ケラチン、トレハロース等があげられる。
【0079】
しわ改善剤またはしわ予防剤としては、例えば、アラニン(特願平9−220240)やグアニジン誘導体またはその酸付加塩(特願平8−274628)等があげられる。
【0080】
本発明の皮膚外用剤における各成分の配合量は、使用者の使用目的、性別、年齢、症状等を考慮して、適宜検討すれば良いが、モリブデン配合量(化合物については組成比から換算されたモリブデン元素の配合量)は、皮膚外用剤全体に対して、0.00001〜100重量%であり、好ましくは、0.0002〜10.0重量%であり、特に好ましくは0.0002〜1.2重量%であり、更に好ましくは、0.00025〜0.002重量%である。
【0081】
本発明の毛髪料には、さらに公知の各種薬効成分を配合してもよい。配合成分としては、特に限定されるべきものではないが、例えば呉茱萸、五味子、牡丹皮、木瓜、白蘚皮、五加皮、半夏、大黄、牛膝、枸杞子、茯苓、干姜、陳皮、甘草、百部、地骨皮、柴胡、天麻、白芍、荊芥、桂枝、苦参、鳴血藤、骨砕捕、花椒、黄連、人参、黒豆、何首烏、竹節人参、補骨脂、当帰、鶏血藤、丹参、紅花、桃仁、防風、茜草根、拳参、山茱萸、半支蓮、楊梅皮、側柏葉、海金沙、当薬、阿仙薬、茴香、遠志、牽牛子、五倍子、芍薬、車前子、蟾酥、丁子、檳榔子、千振、大蒜、生姜、唐辛子、迷迭香、ロジン、ゲンノショウコ、夏枯草、柴胡、茵陳蒿、営実、ヨクイニン、蘇葉、苦木、荊芥穂、キササゲ、常山、ボクソクおよび吉草根等の生薬並びにこれら生薬の抽出物(チンキ、エキスなど)、ランタナ(和名:七変化;学名:Lantanacamaara)及びその抽出物、ミノキシジルや、それ以外のカリウムチャンネルオープナー、パントテニールエチルエーテル、パントテン酸、パントテン酸カルシウム、ビタミンAおよびその誘導体、ビタミンB1およびその誘導体、ビタミンB2およびその誘導体、ビタミンB6およびその誘導体、ビタミンEおよびその誘導体、セファランチン、ニコチン酸、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ビオチン、D−パントテニルアルコール、イソプロピルメチルフェノール、ヒノキチオール、l−メントール、溶性シスチン、オクトピロックス、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゾトニウム、サリチル酸、レゾルシン、レゾルシンモノアセテート、塩酸ピリドキシン、塩酸ジフェンヒドラミン、グリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘導体、アラントイン、ペンタデカン酸グリセリド、スフィンゴシルフォスフォリルコリン、オキセンドロン、酢酸クロルヤジノン、11α−ヒドロキシプロゲステロン、4−アンドロステン−3−オン−11β−カルボン酸、シプロテロンアセテート、クロルヘキシジン、グルコンサンクロルヘキシジン、イオウ、d−カンフル、dl−カンフル、スルフィソキサゾール、プロスタグランジンおよびその誘導体、シクロスポリン、セファランチン、エストラジオール、エチニルエストラジオール、ジアゾキシド、タンニン、タンニン酸、水溶性キチン誘導体等を挙げることができるが、上記のもののみに限定されるべきものではない。これらの成分は単一成分を配合してもよく、また2種以上を組み合わせて配合してもよい。
【0082】
更に上記した以外にも、本発明の毛髪料に、各種の抗炎症剤を配合しても良い。抗炎症剤としては、例えば、チアミン塩酸塩、リボフラビン、酢酸リボフラビン、塩酸ピリドキシン、フラビンアデニンジヌクレオチド、ニコチン酸アミド、塩化コリン、アロエ抽出物、アルニカ抽出物、アシタバ抽出物、ウコン抽出物、キハダ抽出物、オトギリソウ抽出物、カミツレ抽出物、コンフリー抽出物、スイカズラ抽出物、セージ抽出物、ワレモコウ抽出物、シソ抽出物、シラカバ抽出物、ムクロジ抽出物、ユーカリ抽出物、ヨモギ抽出物、レンゲソウ抽出物、コンドロイチン硫酸及びその誘導体等が挙げられる。
【0083】
また、本発明の毛髪料には、必要に応じて、通常の皮膚化粧料に用いられる添加物、例えば水性成分、油性成分、アルコール類、エステル類、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、増粘剤、香料、抗酸化剤、pH調整剤、キレート剤等の成分を配合することができる。また、グリセリン、ニンジン抽出液、アロエ抽出液、冬虫夏草抽出液、プラセンタ抽出液、ホホバ油、ローヤルゼリー、加水分解コラーゲン、加水分解ケラチン、トレハロース等の保湿剤を適宜配合しても良い。
【0084】
本発明の毛髪料における各成分の配合量は、使用者の使用目的、性別、年齢、症状等を考慮して、適宜検討すれば良いが、モリブデン配合量(化合物については組成比から換算されたモリブデン元素の配合量)は、毛髪料全体に対して、0.00001〜100重量%であり、好ましくは、0.0003〜10.0重量%であり、特に好ましくは0.0003〜1.2重量%である。
【0085】
鉄配合量(化合物については組成比から換算された鉄元素の配合量)は、毛髪料全体に対して、0.05〜100重量%であり、好ましくは、0.1〜40.0重量%であり、特に好ましくは0.4〜2.5重量%である。
【0086】
モリブデンおよび鉄は、粉体及び箔に加工することができるので、本発明の毛髪料は、液状物質を添加しないパウダー状および金属箔の剤形で提供することができる。このため、かかる剤形にて毛髪料が形成される場合には、毛髪料中のモリブデン及び鉄の配合量は、最大で100重量%とすることができるのである。
【0087】
本発明の皮膚外用剤は、非経口的に投与することが好ましい。投与形態としては、外用剤が好ましく、その剤形は、上記したパウダー状、金属箔状以外に、粉体に液状物質である液体又はゲル、更には必要に応じて各種の添加剤を加えて、懸濁液剤、乳液、ローション等の液体状の剤形や、軟膏、ゲル、クリーム、ペーストなどの半固形状の剤形、更には、液体状や半固形状に製剤された皮膚外用剤を担持体に保持させたパップ剤や貼付剤の剤形とすることができる。これにより、本発明の皮膚外用剤を、例えば、化粧水、乳液、クリーム、クレンジング剤、パックに加え、石鹸や洗浄剤更には入浴剤等の種々の形態で提供することができる。
【0088】
また、本発明の毛髪料は、非経口的に投与することができる。投与形態の一例としては、外用剤を挙げることができ、その剤形は、上記したパウダー状、金属箔状以外に、粉体に液状物質である液体又はゲル、更には必要に応じて各種の添加剤を加えて、懸濁液剤、乳液、ローション等の液体状の剤形や、軟膏、ゲル、クリーム、ペーストなどの半固形状の剤形、更には、液体状や半固形状に製剤された毛髪料を担持体に保持させたパップ剤の剤形とすることができる。これにより、本発明の毛髪料を、例えば、ヘアトニック、ヘアローション、ヘアクリーム、シャンプー、リンス、ヘアトリートメント、ヘアパック、ヘアフォーム、ポマード等の種々の形態で提供することができる。
【0089】
また、本発明の毛髪料は、経口的に投与されるものであっても良い。投与形態の一例としては、上記したパウダー状のモリブデンを液状物質に混合した内服剤を挙げることができる。
【0090】
上記の液状物質としては、水、アルコールなどの水溶性有機溶剤、及びこれらの混合物が例示される。水溶性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンなどが挙げられる。
【0091】
半固形状の剤形とする場合には、各種のワックス及びロウ類、高級アルコール、多価アルコール、無機顔料などを配合することができる。ワックス及びロウ類としてはミツロウ、合成ワックスなどを例示することができる。高級アルコールとしてはセチルアルコールを例示することができ、多価アルコールとしてはグリセリン、ワセリン、ラノリンなどを例示することができる。
【0092】
皮膚外用剤または毛髪料の剤形をこのような液状物質を加えて作製される剤形とすれば、使用時における粉体の飛散や金属箔の高度なハンドリングに使用者が悩まされることがなく、皮膚外用剤または毛髪料の取扱性を向上させることができる。更に、液状物質を加えて作製される剤形の中においても、特に、固体濃度の高い懸濁液剤であるスラリー又は、軟膏、ゲル、クリーム、ペーストなどの半固形状の剤形とすれば、塗布部において良好に皮膚外用剤または毛髪料を停留させることができる。
【0093】
ここで、本発明の皮膚外用剤または毛髪料に混合される液状物質には、好適には酸性水が用いられる。かかる酸性水としては、常温において測定されたpH値が、pH2.0〜pH7.0(7.0は含まない)であり、pH2.0〜pH6.5であることが好ましく、更に、pH2.0〜5.0であることがより好ましい。かかる酸性水を使用して皮膚外用剤または毛髪料を製造することにより、皮膚外用剤または毛髪料のpH値を酸性、更には弱酸性(4≦pH<6)の範囲とすることができる。
【0094】
皮膚外用剤または毛髪料のpH値を酸性側とすることにより、保存された皮膚外用剤または毛髪料中の雑菌の繁殖を抑制することができる。また、人体の皮膚表面のpH値が5.0付近の弱酸性であることから、皮膚外用剤のpH値を弱酸性とすることにより、皮膚外用剤または毛髪料を使用しても、人体皮膚のpHバランスを維持する事ができる。更には、酸性水のpH値は2.0以上であるので、取扱の安全性を確保することができる。
【0095】
尚、本発明の皮膚外用剤および毛髪料は、使用時には弱酸性であることが望ましいが、一方で、保存中においては、雑菌の繁殖を抑制するためにpH値が5.0以下であることが望ましい。従って、皮膚外用剤または毛髪料を、初期状態においては、pH2〜pH4の酸性に調整しておき、使用時に所定量の水を添加して弱酸性(4≦pH<6)に調整するものとしても良い。また、酸性水を使用しただけでは、皮膚外用剤または毛髪料のpH値を酸性側に調整することができない場合には、各種の酸や、緩衝剤を添加することができる。
【0096】
次に、実施例および比較例に基づいて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0097】
[実施例1〜4及び比較例1及び2]
実施例1〜4及び比較例1,2の被験試料(皮膚外用剤)は、下記表1の配合に従って各成分(粉体および酸性水)を乳鉢で混合し、ペースト状の剤形に各々作製した。尚、表1における実施例1〜4及び比較例1,2の配合は、重量部で示している。
【0098】
【表1】
また、実施例1〜4及び比較例1,2に用いられた粉体における鉄およびモリブデンの含有量を表2に示す。尚、表2において鉄およびモリブデンの含有量は、粉体全体における重量%で示している。また、表2に示した鉄およびモリブデン含有量は、(紅陶土におけるモリブデン含有量を除いて)粉体中における鉄化合物またはモリブデン化合物の含有量とその組成式とに基づいて求めたものを記載しており、各粉体中の鉄化合物およびモリブデン化合物の含有量は括弧書きで示している。尚、紅陶土におけるモリブデン含有量は、ICP発光分析法による定量分析にて求めた値である。また、実施例1〜4及び比較例1,2に用いた酸性水には、金峰泉(pH2.2)を使用した。尚、金峰泉のpH値は、ガラス電極法により常温(25℃)で測定を行った値である。
【0099】
【表2】
実施例1においては、鉄およびモリブデンを含有する粉体である赤土(株式会社陶和、商品名「瀬戸赤土7号」、以下同じ)を用いた。この赤土は、黄土および信楽土に紅陶土が数%(2%〜7%)の範囲で混合されて製造された粘土である。表2に示したように、紅陶土はその主成分が酸化第2鉄であると共にモリブデンを含有する組成物であるので、赤土を用いることによって、鉄及びモリブデンを含有する皮膚外用剤を作製した。従って、実施例1の皮膚外用剤中のモリブデン含有量は、略0.000256〜0.000894重量%となった。
【0100】
実施例2においては、鉄を含有するがモリブデンを含有しない粘土である西山黄土(稲垣鉱業株式会社、16メッシュアンダー、粒径略1mm以下、以下同じ)に、紅陶土(稲垣鉱業株式会社、主な原級粒サイズ最大0.4μm、以下同じ)を混合した皮膚外用剤を作製した。従って、実施例2の皮膚外用剤中のモリブデン含有量は、略0.0005重量%となった。
【0101】
実施例3においては、表1の配合に従って、西山黄土に、三酸化モリブデン(株式会社高純度科学研究所、商品名「Mo Powder ca.0.7μm」、以下同じ)を混合した皮膚外用剤を作成した。実施例4においては、表1の配合に従って、鉄を含有するがモリブデンを含有しない粘土である悦洞四黒粘土(稲垣鉱業株式会社、16メッシュアンダー、粒径略1mm以下、以下同じ)に三酸化モリブデンを混合した皮膚外用剤を作製した。従って、実施例3,4の皮膚外用剤中のモリブデン含有量は、略0.00185重量%となった。
【0102】
比較例1においては、西山黄土に、酸性水を加えて皮膚外用剤を作製し、また、比較例2においては、悦洞四黒粘土に酸性水を加えて皮膚外用剤を作製し、それぞれモリブデンを含有しない被験試料とした。
【0103】
(評価試験)
被験者の顔面においてしみのある部位に、被験試料を2〜3回塗り込んだ後、顔面全体に被験試料を塗布し、15分程度放置した。その後、水洗い洗顔を行って被験試料を除去し、通常の化粧料(例えば化粧水やクリームなど)を塗布した。これを、毎日、朝晩の2回、継続して行い、試験開始からの被験者の顔面の状態を目視にて経過観察した。かかる試験の結果を、表3に示した。
【0104】
尚、表3においては、目視評価の結果を、開始時と比べて変化なしの場合を×で、開始時と比べて肌荒れ改善効果(肌つや、はりの向上)及びしみの改善効果が認められた場合を、それぞれ○で示している。また、実施例1の被験者は4名、実施例2の被験者は2名、実施例3の被験者は7名、実施例4の被験者は8名であり、各実施例の被験試料を1週間継続使用した結果を示した。比較例1,2の被験者はそれぞれ4名であり、各比較例の被験試料を2週間継続使用した結果を示した。
【0105】
【表3】
表3から明らかなように、実施例1〜4及び比較例1,2のそれぞれにおいて、肌荒れ改善効果(肌つや、はりの向上)が認められた。しかしながら、モリブデンを含有しない比較例1,2の皮膚外用剤においてはしみの改善は認められず、モリブデンを含有する実施例1〜4の被験試料についてのみ、しみの改善効果が認められた。
【0106】
[実施例5〜8]
実施例5〜8において、本発明の皮膚外用剤のニキビに対する有効性を評価した。実施例5〜8において用いた被験試料は、実施例1〜4において用いた被験試料と同じとした。
【0107】
(使用試験)
被験者の顔全体に、被験試料を塗布し、15分程度放置した。その後、水洗い洗顔を行って被験試料を除去し、通常の化粧料(例えば化粧水やクリームなど)を塗布した。これを、毎日1回、継続して行い、試験開始からの被験者の顔面の状態を目視にて経過観察した。尚、被験者は、各実施例5〜8のそれぞれにおいて各1名とした。
【0108】
その結果、実施例5〜8の各皮膚外用剤の1週間の継続使用で、各被験者ともニキビが目立たなくなり、ニキビ症状の改善が認められた。
【0109】
[実施例9〜11]
実施例9〜11において、本発明の皮膚外用剤のアトピー性皮膚炎に対する有効性を評価した。実施例9〜11において用いた被験試料は、実施例2〜4において用いた被験試料と同じとした。
【0110】
(使用試験)
被験者のアトピー性皮膚炎の炎症が認められる部位に、被験試料を塗布し、15分程度放置した。その後、水洗いして被験試料を除去した。これを、毎日1回、継続して行い、試験開始からの被験者の皮膚状態を目視にて経過観察した。尚、被験者は、各実施例9〜11のそれぞれにおいて各1名とした。
【0111】
その結果、実施例9〜11の各皮膚外用剤の1日〜10日の継続使用により、各被験者ともアトピー性皮膚炎の改善が認められた。
【0112】
[実施例12]
実施例12において、本発明の皮膚外用剤の吹き出物に対する有効性を評価した。実施例12において用いた被験試料は、実施例4において用いた被験試料と同じとした。
【0113】
(使用試験)
白癬菌を原因菌とする水虫症状に加え、化膿菌(ブドウ球菌、連鎖球菌)を原因菌とする吹き出物が生じた被験者の皮膚に、被験試料を塗布し、20分程度放置した。その後、水洗いして被験試料を除去した。これを、毎日1回、継続して行い、試験開始からの被験者の皮膚状態を目視にて経過観察した。その結果、継続使用2日目から吹き出物、水虫症状(かゆみ)の状態に改善がみられ、6日間の継続使用により、明らかな皮膚症状の改善が認められた。
【0114】
[実施例13]
実施例13においては、三酸化モリブデン(1重量部)に酸性水(200重量部)を加えて皮膚外用剤を作製し、被験試料とした。
【0115】
(使用試験)
実施例13の被験試料を被験者の皮膚に塗布した。これを、毎日継続して行い、試験開始からの皮膚の状態を目視にて経過観察した。なお、1日当たりの塗布回数は、被験者の症状に応じ、1〜3回のいずれかとした。その結果、上記実施例1から12と同様に、1から10日の継続使用により、肌荒れ、しみ、吹き出物、アトピー性皮膚炎、水虫症状、湿疹、虫さされについても改善効果が見られた。被験者は各症例につき各1名である。また実施例13によれば、かゆみ止めの効果も得られることがわかった。
【0116】
なお、上記各実施例において、試験期間中皮膚トラブルは一人もなく、安全性においても問題なかった。
【0117】
[実施例14〜21及び比較例3及び4]
実施例14〜21及び比較例3、比較例4の被験試料(毛髪料)は、下記表4の配合に従って各成分(粉体および酸性水)を乳鉢で混合し、実施例14〜20および比較例3はペースト状の剤形に、実施例21および比較例4は液状に各々作製した。尚、表4における実施例14〜21及び比較例3、比較例4の配合は、重量部で示している。
【0118】
【表4】
また、実施例14〜21及び比較例3、比較例4に用いられた粉体における鉄およびモリブデンの含有量は表2に示した通りである。また、実施例14〜21及び比較例3,4に用いた酸性水には、実施例1〜13と同様に、金峰泉(pH2.2)を使用した。
【0119】
実施例14においては、鉄およびモリブデンを含有する粉体である赤土(株式会社陶和、商品名「瀬戸赤土7号」、以下同じ)を用いた。この赤土は、黄土および信楽土に紅陶土が2%〜7%の範囲で混合されて製造された粘土である。表2に示したように、紅陶土はその主成分が酸化第2鉄であると共にモリブデンを含有する組成物であるので、赤土を用いることによって、鉄及びモリブデンを含有する毛髪料を作製した。
【0120】
実施例15においては、鉄を含有するがモリブデンを含有しない粘土である西山黄土(稲垣鉱業株式会社、16メッシュアンダー、粒径略1mm以下、以下同じ)に、紅陶土(稲垣鉱業株式会社、主な原級粒サイズ最大0.4μm、以下同じ)を混合した毛髪料を作製した。実施例16においては、鉄を含有するがモリブデンを含有しない粘土である悦洞四黒粘土(稲垣鉱業株式会社、16メッシュアンダー、粒径略1mm以下、以下同じ)に、紅陶土を混合した毛髪料を作製した。
【0121】
実施例17及び18においては、西山黄土に、三酸化モリブデン(株式会社高純度科学研究所、商品名「Mo Powder ca.0.7μm」、以下同じ)をそれぞれ配合に従って混合した毛髪料を作製した。実施例19及び20においては、悦洞四黒粘土に、三酸化モリブデンをそれぞれ配合に従って混合して、毛髪料を作製した。このように実施例14〜20においても、鉄及びモリブデンを含有する毛髪料を被験試料とした。また、実施例21においては、三酸化モリブデンに酸性水を加えて毛髪料を作製し、被験試料とした。
【0122】
比較例3においては、西山黄土に、酸性水を加えて毛髪料を作製し、モリブデンを含有しない被験試料とした。比較例4は、酸性水を被験試料とした。
【0123】
(試験方法)
被験者の頭部を水または湯によって湿潤させた後に、実施例14から20および比較例3の被験試料を塗布し、頭皮マッサージを任意に実行しつつ、15分から20分放置した。その後、水または湯によって被験試料を洗い流した。これを、毎日1回継続して行い、試験開始から1〜3ヶ月後の頭部の毛髪状態の経時変化を目視にて観察した。また、実施例21および比較例4の被験試料を、毎日一回、100ml経口投与し、試験開始から1〜3ヶ月後の頭部の毛髪状態の経時変化を目視にて観察した。かかる試験の結果を、表5に示した。なお、実施例21は、三酸化モリブデン10mgを酸性水200mlに加えた原液を作成しておき、投与時に、その原液20mlを2000mlの酸性水で希釈することにより、表4に示す配合に調整してから被験者へ投与した。
【0124】
尚、目視評価の結果を、開始時と比べて変化なしの場合を×で、開始時と比べて育毛(開始時よりも毛髪が太くなり、ハリ、コシが生じた)または発毛(開始時に無毛であった毛根からの生毛の発生、剛毛増加)が確認された場合を○で示している。
【0125】
【表5】
表5から明らかなように、モリブデンを含有する本発明の毛髪料(実施例14〜21)は、優れた発毛促進効果を示した。また、鉄を含有する本発明の毛髪料(実施例14〜21)は、優れた育毛効果も示した。一方、モリブデンを含有しない比較例の毛髪料(比較例3、比較例4)では、発毛が生じなかった。なお、酸性水として用いた金峰泉が鉄を含有するため、比較例3および比較例4においても育毛効果が得られたと推測される。
【0126】
[実施例22]
実施例22においては、実施例21と同一の被験試料を、被験者の頭皮に塗布し、頭皮マッサージを任意に実行した。これを毎日1回継続して行い、試験開始から1〜3ヶ月後の頭部の毛髪状態の経時変化を目視にて観察した。その結果、実施例14から実施例21と同様に、優れた発毛促進効果および育毛効果が得られた。
【0127】
また、本発明の毛髪料(実施例14〜22)の効果を分かり易く示すために、図1に、実施例14の被験者の経過状態を写真撮影した結果を、一例として示した。
【0128】
図1は、実施例14の配合の毛髪料を被験者の頭部に塗布した後の経過状態を示した図である。図1(a)は、初期状態(試験前)の被験者の頭部を示した図であり、図1(b)は、上記試験方法に従って実施例14の毛髪料を塗布した41日目の被験者の頭部を示した図である。図1からも解るように、被験者の頭部に明らかな発毛および育毛が認められた。
【0001】
本発明は、皮膚に塗布する皮膚外用剤および育毛や発毛を促進する毛髪料に関し、特に、モリブデンを含有することにより、優れた皮膚症状改善効果を得ることのできる皮膚外用剤、およびモリブデン又は鉄を含有することにより、優れた発毛または育毛効果を得ることのできる毛髪料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
社会環境、ストレス、老化、体内又は体外の環境変化、体質といった様々な要因により様々な皮膚症状、肌荒れ、しみ、ニキビ、吹き出物、アトピー性皮膚炎、更には水虫などが生じる。かかる皮膚症状の予防または改善を目的として、美白剤、抗酸化剤、抗炎症剤、細胞賦活剤、血行促進剤、保湿剤、抗菌剤、紫外線防止剤、肌質改善剤、しわ改善剤、しわ予防剤等が配合された皮膚外用剤が広く市販されている。
【0003】
例えば、しみ改善の予防または改善を目的とする皮膚外用剤には、美白作用を有する物質、すなわち、メラニン生成を抑制する物質が主に用いられており、コウジ酸、ビタミンC及びその誘導体、システイン等を配合したものや、ハイドロキノンを配合したものが知られている(特許文献1参照)。
【0004】
また、ニキビは、皮膚の毛嚢脂腺系を中心とした毛孔におこる表在性の慢性炎症状態を指し、その原因の1つとして、皮膚に常在するプロピオニバクテリウムアクネス(Propionibacterium acnes)が関与していると考えられている。プロピオニバクテリウムアクネスは、皮膚の毛孔内に存在し、脂質(皮脂)を分解して遊離脂肪酸を生成する。この遊離脂肪酸には、面皰形成作用、炎症惹起作用があることが知られている。従来、ニキビ治療剤として、プロピオニバクテリウムアクネスに対する抗菌作用をはじめ、皮脂分泌抑制作用、角質溶解作用を有する皮膚外用剤が広く用いられてきた(特許文献2参照)。
【0005】
更には、アトピー性皮膚炎に対しては、副腎皮質ホルモンからなる皮膚外用剤が使用されてきた(特許文献3参照)。また、アトピー性皮膚炎や敏感肌と称される皮膚に特徴的に認められる乾燥、ざらつき、かさつき、湿疹、鱗屑、易刺激性など、慢性的な表皮バリア機能低下に起因する肌のトラブルを予防、改善することを目的とし、尿素、セラミド、アミノ酸誘導体、ヘパリン類似物質、ビタミンEなどの化合物や植物抽出物など、保湿効果があるとされる成分を含む様々な皮膚外用剤が提案されている(特許文献4〜8参照)。
【0006】
また、白癬菌が原因とされる水虫(真菌症)については、塩酸クロロナゾール、ベンゾキノン誘導体、ポリエンマクロライド系、アゾール系の抗菌剤や、セフェム系の抗生物質などが抗菌剤として配合された皮膚外用剤が広く知られている。更には、吹き出物、アトピー性皮膚炎からの掻破による皮膚感染の原因菌とされる黄色ブドウ球菌や、とびひの原因菌とされる化膿菌(ブドウ球菌、連鎖球菌)に対しても、各種の抗生物質が抗菌剤として皮膚外用剤に配合され、その治療に用いられている。
【0007】
さらに、近年、社会環境、ストレス、食生活などが一因となり、薄毛や抜け毛、脱毛に悩む人が増加傾向にある。かかる薄毛や抜け毛、脱毛を改善し、その予防や治療を行う各種生薬や薬剤を配合した毛髪料が非常に多く市販されている。
【0008】
毛髪料に含まれる育毛効果や発毛効果を奏する有効成分の一例としては、ATP依存性カリウムチャンネル開放作用による血管拡張作用を有するとされるミノキシジルが、知られている(特許文献9参照)。更には、育毛効果が期待される有効成分として、トウガラシチンキ、センブリエキス、朝鮮ニンジンエキス、ニコチン誘導体等の血行促進物質、エストラジオール等の女性ホルモン剤、サルチル酸、レゾルシン等の角質溶解剤、グリチルレチン酸、シコンエキス等の抗炎症剤等が知られている。その他にも、多数の植物抽出物、生薬、合成化学物質が育毛剤として提案されている(特許文献10,11参照)。
【特許文献1】
特開昭58−154507号公報
【特許文献2】
特開2005−289876号公報
【特許文献3】
特開平9−157171号公報
【特許文献4】
特開昭61−30567号公報
【特許文献5】
特開平11−302155号公報
【特許文献6】
特開2000−143486号公報
【特許文献7】
特開2000−302660号公報
【特許文献8】
特開2002−293735号公報
【特許文献9】
米国特許第4139619号公報
【特許文献10】
再表2004/084848号公報
【特許文献11】
米国特許第4139619号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、これまでに美白作用を有するとされた皮膚外用剤においては、美白作用を有する物質として配合されたもののうち、ハイドロキノンを除いてはチロシナーゼ活性を抑制する効果の発現がきわめて緩慢であり、皮膚色素沈着の改善効果が十分でないという問題点があった。一方、ハイドロキノンは効果が認められるが、感作性があるため一般の使用が制限されている。
【0010】
また、既存のニキビ治療用の皮膚外用剤には、種々の副作用を伴うものも多いという問題点があった。例えば、皮脂分泌抑制作用を有する女性ホルモン剤、及び抗菌作用を有するエリスロマイシン、テトラサイクリン等の抗生物質等は、胃腸障害を引き起こすことが知られている。また、角質溶解作用を有するイオウ、カンフル、サルファ剤等は、度重なる塗布による患部周辺の皮膚に対する刺激が強く、かさつき等が生じるという問題点があった。
【0011】
更に、アトピー性皮膚炎に用いられる副腎皮質ホルモンは、効果が多大に期待できる反面、副作用が生じ、肌がケロイド状になるという問題点があった。加えて、上記特許文献3から8に開示された成分は、アトピー性皮膚炎や敏感肌などの皮膚症状を、ある程度改善する効果が認められるものの、角層柔軟化作用や、バリア機能回復、水分保持作用において、必ずしも満足できるものではなかった(アレルギ−、52巻、12号、1101−1103頁、2003年)。
【0012】
また、白癬菌、黄色ブドウ球菌、化膿菌に対して使用される抗菌剤等は、皮膚刺激性や不快感がある上、耐性菌の出現といった問題点があった。ところが、真菌は高等生物と同じ真核生物であるため、低毒性及び選択性に優れ、副作用が少なく、治療効果に優れる抗真菌剤の開発は難しく、抗生物質以外では特に効果の高いものを開発することは困難となっていた。
[0013]
また、これまでに育毛剤や発毛剤として提案されてきた毛髪料においては、その育毛効果や発毛効果が顕著であるものが少なく、また、その効果には個人差が大きいという問題点があった。このため、効果の高い新たな育毛剤や発毛剤の開発が求められている。
[0014]
更には、従来からある多くの皮膚外用剤または市販品の多くの育毛剤や発毛剤に使用される有効成分は、有機化合物であることから、環境によっては不安定になりかねず、製造工程や保存安定性の管理(品質保持)に注意を払わなければならないという問題点があった。
[0015]
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、モリブデンを含有することにより、優れた皮膚症状改善効果を得ることのできる皮膚外用剤、およびモリブデン又は鉄を含有することにより、優れた発毛または育毛効果を得ることのできる毛髪料を提供することを目的としている。
[課題を解決するための手段]
[0016]
この目的を達成するために、請求項1記載の皮膚外用剤は、モリブデンを含む組成物である紅陶土を含有するものである。
[0017]
請求項2記載の皮膚外用剤は、モリブデンと粘土とを含有するものである。
[0018]
請求項3記載の皮膚外用剤は、モリブデンを含む組成物である紅陶土と粘土とを含有するものである。
[0019]
請求項4記載の皮膚外用剤は、請求項1から3のいずれかに記載の皮膚外用剤において、流動性を有する液状物質を含有しており、モリブデンは、単体または化合物を粉体に成形したものであり、前記液状物質と粉体との混合により懸濁液剤、ゲル、クリーム、ペーストの内のいずれかの剤形に形成されているものである。
[0020]
請求項5記載の皮膚外用剤は、請求項4記載の皮膚外用剤において、前記液状物質は、pH値が略2〜略5の酸性である。
[0021]
請求項6記載の毛髪料は、育毛又は発毛を促進する毛髪料であって、モリブデン及び鉄を含む組成物である紅陶土を含有する。
[0022]
請求項7記載の毛髪料は、育毛又は発毛を促進する毛髪料であって、モリブデンおよび粘土を含有することを特徴とする。
[0023]
請求項8記載の毛髪料は、育毛又は発毛を促進する毛髪料であって、モリブデン及び鉄を含む組成物である紅陶土と粘土とを含有することを特徴とする。
[0024]
[0025]
請求項9記載の毛髪料は、請求項6から8のいずれかに記載の毛髪料であって、流動性を有する液状物質を含有しており、モリブデンまたは鉄は、単体または化合物を粉体に成形したものであり、前記液状物質と粉体との混合により懸濁液剤、ゲル、クリーム、ペーストの内のいずれかの剤形に形成されていることを特徴とする。
[0026]
請求項10記載の毛髪料は、請求項9記載の毛髪料であって、前記液状物質は、pH値が略2〜略5の酸性であることを特徴とする。
[0027]
[発明の効果]
[0028]
請求項1記載の皮膚外用剤によれば、モリブデンを含有するので、該モリブデンの作用によって、肌荒れ、しみ、ニキビ、吹き出物、アトピー性皮膚炎、水虫の皮膚症状を改善することができるという効果がある。また、モリブデンは安定な無機物であるので、環境変化に対する化学的安定性が良好である。このため、一般的な皮膚外用剤に使用される皮膚症状を予防または改善する有機物の有効成分に比べて、劣化や変性が生じ難く、製造工程や保存安定性の管理を容易とすることができる上、容易に品質を保持することができるという効果がある。
[0029]
また、モリブデンを含む組成物である紅陶土を含有する。紅陶土は酸化第二鉄を主成分とする天然に算出される鉱物であり、微量にモリブデンを含有する。このため、単純に、産出された紅陶土を用いるだけで、肌荒れ、しみ、ニキビ、吹き出物、アトピー性皮膚炎、水虫の皮膚症状を改善する皮膚外用剤を製造することができる。このため、上記の皮膚症状を改善する有効成分を得るための複雑な化学合成工程や、原材料からの有効成分の抽出工程を不要とでき、製造工程を簡素化することができるという効果がある。
[0030]
請求項2記載の皮膚外用剤によれば、モリブデンと粘土とを含有するので、該モリブデンの作用によって、肌荒れ、しみ、ニキビ、吹き出物、アトピー性皮膚炎、水虫の皮膚症状を改善することができるという効果がある。また、モリブデンは安定な無機物であるので、環境変化に対する化学的安定性が良好である。このため、一般的な皮膚外用剤に使用される皮膚症状を予防または改善する有機物の有効成分に比べて、劣化や変性が生じ難く、製造工程や保存安定性の管理を容易とすることができる上、容易に品質を保持することができるという効果がある。また、粘土の吸着作用による洗浄効果を付与することができるという効果がある。使用者に塗布された皮膚外用剤を洗い流す際には、含有される粘土の吸着作用によって皮膚の汚れ成分を除去することができる。このため、良好な使用感を使用者に与えることができる上、毛穴の汚れ、皮脂分泌物などの皮膚の汚れを除去することができ、皮膚症状の改善機能を更に向上させることができるという効果がある。
[0031]
請求項3の皮膚外用剤によれば、請求項1記載の皮膚外用剤と同様の効果に加えて、請求項2記載の皮膚外用剤と同様の効果を奏する。また、紅陶土による塗布部への着色が懸念されるが、皮膚外用剤を塗布部から除去すれば、粘土の作用によって皮膚上の紅陶土も除去されるので、紅陶土を含むものであっても着色の発生を抑制することができる。
[0032]
請求項4記載の皮膚外用剤によれば、請求項1から3のいずれかに記載の皮膚外用剤の奏する効果に加え、モリブデンは、単体または化合物を粉体に成形したものであり、かかる粉体と液状物質との混合により懸濁液剤、ゲル、クリーム、ペーストのいずれかの剤形に形成されているので、モリブデン粉体の飛散や、塗布部位からの皮膚外用剤の脱落を抑制でき、使用時の取扱性を向上させることができるという効果がある。
[0033]
請求項5記載の皮膚外用剤によれば、請求項4記載の皮膚外用剤の奏する効果に加え、液状物質は、pH値が略2〜略5の酸性であるので、雑菌の繁殖を抑制することができるという効果がある。また、人体に塗布した場合において、弱酸性である人体の皮膚のpHバランスを良好に保つことができ、使用者に肌荒れ等のトラブルが発生することを抑制できるという効果がある。
[0034]
請求項6記載の毛髪料によれば、モリブデンを含有するので、該モリブデンの作用によって発毛を促進することができるという効果がある。また、モリブデンは安定な無機物であるので、環境変化に対する化学的安定性が良好である。このため、一般的な毛髪料に使用される育毛、発毛効果を有する有機物の有効成分に比べて劣化や変性が生じ難く、製造工程や保存安定性の管理を容易とすることができる上、容易に品質を保持することができるという効果がある。
[0035]
また、鉄を更に含有するので、該鉄の作用により、育毛を促進することができるという効果がある。更に、モリブデンの発毛促進効果と相まって、使用者に、脱毛の改善効果をより実感させることができるという効果がある。また、鉄は、一般に市販される安価な金属であって安定に供給されるものである。更に、その化合物についても多くのものは供給形態が確立されており入手容易なものである。従って、鉄を、育毛の有効成分とすることにより、原材料の確保を容易とすることができるという効果がある。
[0036]
[0037]
また、モリブデン及び鉄を含む組成物である紅陶土を含有する。紅陶土は酸化第二鉄を主成分とする天然に算出される鉱物であり、微量にモリブデンを含有する。このため、単純に、産出された紅陶土を用いるだけで、育毛、発毛を促進する毛髪料を製造することができる。このため、育毛や発毛を促進する有効成分を得るための複雑な化学合成工程や、原材料からの有効成分の抽出工程を不要とでき、製造工程を簡素化することができるという効果がある。
[0038]
また、モリブデンと鉄との両成分を含有する毛髪料を製造する場合においては、紅陶土に両成分が含有されているので、モリブデンと鉄とを個別に配合、管理する必要が無く、その工程管理や、原材料管理を容易とすることができるという効果がある。
[0039]
請求項7記載の毛髪料によれば、モリブデンを含有するので、該モリブデンの作用によって発毛を促進することができるという効果がある。また、モリブデンは安定な無機物であるので、環境変化に対する化学的安定性が良好である。このため、一般的な毛髪料に使用される育毛、発毛効果を有する有機物の有効成分に比べて劣化や変性が生じ難く、製造工程や保存安定性の管理を容易とすることができる上、容易に品質を保持することができるという効果がある。また、粘土を更に含有するので、粘土の吸着作用による洗浄効果を付与することができるという効果がある。使用者に塗布された毛髪料を洗い流す際には、含有される粘土の吸着作用によって皮膚の汚れ成分を除去することができる。このため、良好な使用感を使用者に与えることができる上、毛穴の汚れが一因とされる脱毛に対する予防、治療に効能を発揮する事ができるという効果がある。
[0040]
請求項8記載の毛髪料によれば、請求項6記載の毛髪料と同様の効果に加え、請求項7記載の手髪料と同様の効果を奏する。また、紅陶土による塗布部への着色が懸念されるが、毛髪料を塗布部から除去すれば、粘土の作用によって皮膚上の紅陶土も除去されるので、紅陶土を含むものであっても着色の発生を抑制することができる。
[0041]
請求項9記載の毛髪料によれば、請求項6から8のいずれかに記載の毛髪料の奏する効果に加え、モリブデンまたは鉄は、単体または化合物を粉体に成形したものであり、かかる粉体と液状物質との混合により懸濁液剤、ゲル、クリーム、ペーストのいずれかの剤形に形成されているので、粉体の飛散や、塗布部位からの毛髪料の脱落を抑制でき、使用時の取扱性を向上させることができるという効果がある。
[0042]
請求項10記載の毛髪料によれば、請求項9記載の毛髪料の奏する効果に加え、液状物質は、pH値が略2〜略5の酸性であるので、雑菌の繁殖を抑制することができるという効果がある。また、人体に塗布した場合において、弱酸性である人体の皮膚のpHバランスを良好に保つことができ、使用者に肌荒れ等のトラブルが発生することを抑制できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
[0043]
[図1]表4に示した実施例14の配合にて作製した毛髪料を塗布した場合の発毛状態を示す図である。
[発明を実施するための最良の形態]
[0044]
以下、本発明を詳細に説明する。本発明に用いるモリブデンは、単体又は化合物で構成されており、公知の物質である。その入手方法としては、市販品を用いても良く、また、公知の方法に基づいて精製、製造しても良い。
[0045]
モリブデン化合物としては、例えば、二酸化モリブデン、三酸化モリブデン、五塩化モリブデン、ヘプタモリブデン酸アンモニウム、硼化モリブデン、炭化モリブデン、炭化二モリブデン、二硫化モリブデン、セレン化モリブデン、珪化モリブデン、テルル化モリブデン、窒化モリブデン、モリブデン酸等の無機化合物や、ペンタエトキシモリブデン等の有機金属化合物などが例示される。
[0046]
これら化合物の内から、単一化合物を配合してもよく、また2種以上を組み合わせて配合してもよい。更には、モリブデン単体と組み合わせて配合しても良い。
【0047】
加えて、本発明に用いるモリブデンには、純粋な単体や化合物のみならず、モリブデン(モリブデン単体またはモリブデン化合物)を含む組成物を用いてもよい。つまり、本皮膚外用剤および毛髪料には、モリブデンを含有する天然の鉱物やその混合物をそのまま用いることができる。尚、必要に応じて、例えば重金属や不要物の除去のために、モリブデンを含有した組成物の状態での精製工程を経たものであっても良い。
【0048】
かかる組成物としては、例えば、天然の鉱物である紅陶土や、モリブデン鉱石であるモリブデン鉛鋼、輝水鉛鋼、かかる天然鉱物の混合物(例えば、赤土(株式会社陶和、以下同じ))、更には、モリブデンを1成分として他の金属元素や非金属元素と共融された合金などが例示される。
【0049】
かかる組成物は、単独で使用されても組み合わせて使用されても良く、上記のモリブデン化合物やモリブデン単体と共に用いても良い。また、モリブデンは、分子状態にあるもののみならず、所定の溶媒に溶解したイオン状態で皮膚外用剤または毛髪料に混合されても良い。
【0050】
本発明の皮膚外用剤は、モリブデンを含有することにより、肌荒れ、しみ(色素沈着)、ニキビ、吹き出物、アトピー性皮膚炎、水虫等の皮膚症状を改善する効果を奏することができる。
【0051】
また、本発明の毛髪料は、モリブデンを含有することにより、発毛効果を奏することができる。ここで、発毛とは、脱毛状態にある毛根(無毛であった毛根)からの生毛の発生や剛毛の増加を意味している。
【0052】
更に、本発明の皮膚外用剤および毛髪料は、鉄を含有するものとしても良い。本発明に用いる鉄は、単体又は化合物で構成されており、公知の物質である。その入手方法としては、市販品を用いても良く、また、公知の方法に基づいて精製、製造しても良い。
【0053】
鉄化合物としては、例えば、酸化第一鉄、酸化第二鉄、四三酸化鉄、二珪化鉄、二酸化ナトリウム鉄、過塩素酸第二鉄、臭化第二鉄、セレン化鉄、三酸化チタン鉄、五酸化チタン二鉄、窒化鉄、オキシタングステン酸第二鉄、十九酸化十二鉄バリウム、硫化鉄、二硫化鉄、テトラオキシバナジン酸鉄、硼化鉄、硼化二鉄、ヨウ化鉄、リン化鉄、リン化二鉄、リン化三鉄等の無機化合物や、トリス(2,4−ペンタンジオナト)鉄(III)、スルファミン酸第一鉄、オクチル酸第一鉄、三シュウ酸鉄三カリウム、蟻酸第一鉄、グルコン酸第一鉄、酒石酸第一鉄、ステアリン酸第二鉄、乳酸第一鉄、ラウリン酸第二鉄などの有機金属化合物などが例示される。
【0054】
これらの化合物の内から、単一化合物を配合してもよく、また2種以上を組み合わせて配合してもよい。更には、鉄単体と組み合わせて配合しても良い。また、鉄は、分子状態にあるもののみならず、所定の溶媒に溶解したイオン状態で皮膚外用剤または毛髪料に混合されても良い。
【0055】
加えて、本発明に用いる鉄には、純粋な単体や化合物のみならず、鉄(鉄単体または鉄化合物)を含む組成物を用いてもよい。つまり、本皮膚外用剤および毛髪料には、鉄を含有する天然の鉱物や、その混合物をそのまま用いることができる。尚、必要に応じて、例えば重金属や不要物の除去のために、鉄を含有した組成物の状態での精製工程を経たものであっても良い。
【0056】
かかる組成物としては、例えば、上記の赤土、西山黄土(稲垣鉱業株式会社、以下同じ)等の粘土や、上記した天然の鉱物である紅陶土、更には、その他の天然の鉄鉱石や、かかる鉄鉱石を原料として製造されたもの、加えて、鉄を1成分として他の金属元素や非金属元素と共融された合金などが例示される。尚、かかる組成物は、単独で使用されても組み合わせて使用されても良く、上記の鉄化合物や鉄単体と共に用いても良い。
【0057】
特に、紅陶土は、中華人民共和国に産出する天然鉱物であり、酸化第2鉄を主成分とする粉体であるが、モリブデンを含有する組成物でもある。このため、紅陶土を用いることにより、1の試料(紅陶土)を混合するだけで、皮膚外用剤または毛髪料に鉄とモリブデンとの両者を混合することができる。
【0058】
本発明の毛髪料は、鉄を含有することにより、育毛効果を奏することができる。ここで、育毛とは、現在生えている毛髪が太くなり、ハリ、コシが生じることを意味している。
【0059】
尚、モリブデン及び鉄は、分子状態にあるもののみならず、所定の溶媒に溶解したイオン状態で毛髪料に混合されても良い。
【0060】
また、本発明において、皮膚外用剤または毛髪料の使用感向上及び更なる皮膚症状改善効果を向上させるために、更に粘土を含有することが望ましい。用いられる粘土としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、天然物、天然物の精製品、天然物の膨潤性を改質したもの又は合成されたものなどが挙げられる。具体的には、西山黒粘土、悦洞青粘土、悦洞四黒粘土、生田山特選粘土、西山黄土、中国産黄土(以上、稲垣鉱業株式会社、以下同じ)や、上記した赤土、更には、これ以外に、天然又は合成された粘土鉱物として、モンモリロナイトや、モンモリロナイトを主成分とするベントナイト及び酸性白土、更には、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ソーコナイト、ヘクトライト、スチブンサイトなどのスメクタイト族の粘土鉱物や、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイト等のカオリナイト族の粘土鉱物が例示される。また、雲母族(マイカ)、緑泥石族、パイロフィライト、陶石、タルク等を用いても良い。かかる粘土は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0061】
これら粘土を皮膚外用剤または毛髪料に含むことにより、粘土の吸着作用にて皮膚や毛髪の汚れが吸着されるので、使用部位から皮膚外用剤または毛髪料を洗い流せば、これらの汚れを除去することができる。故に、皮膚外用剤または毛髪料の使用後において、良好な使用感を使用者に与えることができる。加えて、皮膚外用剤を使用すれば、かかる汚れを除去することにより、しみやニキビ等の皮膚症状を改善することができる。
【0062】
また、本皮膚外用剤を使用すれば、クレンジング(洗浄)効果が得られるので、皮膚外用剤使用後において、洗浄剤などで使用部位をわざわざ洗浄する必要がない。その上、日常生活において、洗浄剤の代用品として、本皮膚外用剤を使用することができ、洗顔と皮膚外用剤による手入れを一度に行うことができ、使い勝手がよい。
【0063】
また本毛髪料を使用すれば、シャンプーや石鹸等を用いたと同様の洗浄効果が得られるので、毛髪料使用後において、シャンプーや石鹸などで使用部位をわざわざ洗浄する必要がない。その上、日常生活において、シャンプーや石鹸の代用品として、本毛髪料を使用することができ、洗髪と毛髪料による手入れを一度に行うことができ、使い勝手がよい。
【0064】
更には、粘土鉱物には、鉄化合物が含有されているものも多い。例えば、上記の西山黒粘土、悦洞青粘土、悦洞四黒粘土、生田山特選粘土、西山黄土、中国産黄土等の粘土には、酸化第二鉄が含まれている。従って、粘土を配合するだけで、同時に皮膚外用剤または毛髪料中に鉄を配合することができる。
【0065】
また、皮膚外用剤または毛髪料にモリブデンを混合する場合において、紅陶土を使用する場合には、塗布部に着色が生じてしまいかねないが、粘土を混合することにより、かかる着色の発生を回避することができる。
【0066】
尚、上記した粘土に加えて、或いは、粘土に代えて、通常化粧料に用いられる各種粉体、具体的には、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸リチウムコバルト、水酸化クロム、マンガンバイオレット、カーボンブラック、セリサイト、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、硫酸バリウム、ゼオライト、アルミナ、ジルコニア、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、窒化硼素等の無機粉体などを1種または2種以上混合して用いても良い。
【0067】
本発明の皮膚外用剤には、さらに、皮膚症状を改善する公知の各種有効成分を配合してもよい。配合成分としては、特に限定されるべきものではないが、例えば、抗菌剤としては、イオウ、ヒノキチオール、トリクロサン、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル、トリクロロカルバニリド、クロルヘキシジングルコン酸塩、ハロカルパン、クロロフェネシン、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化リゾチーム、塩化クロルヘキシジン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、フェノキシエタノール、イソプロピルメチルフェノール、石炭酸、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルメタクレゾール、チモール、ヘキサクロロフェン、ベルベリン、レゾルシン、塩化セチルピリジニウム及びこれらの誘導体、感光素201号、感光素301号、ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛、ジンクピリチオン、アズレン、モノニトログアヤコールナトリウム、ウンデシレン酸、チアントール、ヒノキチオール、ドクダミ抽出物、クララ抽出物等があげられる。
【0068】
角質軟化剤としては、イオウ又はイオウ化合物、カンフル、サルファ剤、サリチル酸、レゾルシン、尿素等があげられる。
【0069】
消炎剤としては、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸およびこれらの誘導体や塩(例えばグリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸ケトプロフェンなど)、イブプロフェンピコノール、インドメタシン、ジクロフェナック、ピロキシカム、プラノプロフェン、フルルビプロフェン、ロキソプロフェン、酢酸コルチゾン、ヒドロコルチゾン、デキサメタゾン、プレドニゾロン、ベタメタゾン、フェルビナク等に加え、アロエ抽出物、アルニカ抽出物、アシタバ抽出物、ウコン抽出物、オトギリソウ抽出物、カミツレ抽出物、キハダ抽出物、コンフリー抽出物、シソ抽出物、シラカバ抽出物、スイカズラ抽出物、セージ抽出物、ムクロジ抽出物、ユーカリ抽出物、ヨモギ抽出物、カミツレ抽出物、ジユ抽出物、クレソン抽出物、オウバク抽出物、ワレモコウ抽出物、レンゲソウ抽出物等があげられる。
【0070】
これらの抗菌剤、角質軟化剤、消炎剤は、必要に応じて一種、又は二種以上用いることができる。かかる上記の有効成分のうち、特に好ましいものとしては、イオウまたはイオウ化合物、イソプロピルメチルフェノール、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸およびこれらの誘導体ならびにこれらの塩が挙げられる。本発明の皮膚外用剤とこれらの有効成分を併用することにより、副作用が問題となっている既知の抗菌剤、角質軟化剤、消炎剤の量を減じることも可能であり、皮膚外用剤としての安全性を高めることが期待される。
【0071】
また、本発明の皮膚外用剤には、必要に応じて、通常の皮膚外用剤に用いられる添加物、例えば水性成分、油性成分、アルコール類、エステル類、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、増粘剤、香料、抗酸化剤、pH調整剤、キレート剤等の成分を1種又は2種以上配合することができる。
【0072】
更に、本発明の皮膚外用剤に、美白剤、抗酸化剤、細胞賦活剤、血行促進剤、保湿剤、しわ改善剤およびしわ予防剤から選ばれる一種以上の剤を配合しても良い。
【0073】
美白剤としては、例えば、ビタミンCおよびその誘導体またはその塩(アスコルビン酸、L−アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、L−アスコルビン酸ステアリン酸エステル、L−アスコルビン酸硫酸エステル二ナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム・5水塩、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸グルコシド、パルミチン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル等)、グリシン、スレオニン、ヒドロキシプロリンもしくはアスパラギン酸、または該各アミノ酸のアシル誘導体あるいはその塩、アルブチン、グルタチオン、コウジ酸、システインおよびこれらの誘導体等があげられる。
【0074】
抗酸化剤としては、例えば、ビタミンEおよびその誘導体(dl−α(β、γ)−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸−dl−α−トコフェロール、リノール酸−dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール等のトコフェロールおよびその誘導体、ユビキノン類等)、ビタミンAおよびその誘導体(パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール等のレチノールおよびその誘導体、デヒドロレチナール等のレチナールおよびその誘導体等)、カロチノイド(カロチン、リコピン、アスタキサンチン等)、ビタミンBおよびその誘導体(チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩、リボフラビン、酢酸リボフラビン、塩酸ピリドキシン、ピリドキシンジオクタノエート、フラビンアデニンヌクレオチド、シアノコバラミン、葉酸類、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等のニコチン酸類、コリン類等)、ビタミンCおよびその誘導体またはその塩(アスコルビン酸、L−アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、L−アスコルビン酸ステアリン酸エステル、L−アスコルビン酸硫酸エステル二ナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム・5水塩、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸グルコシド、パルミチン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル等)、ビタミンDおよびその誘導体(エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、ジヒドロキシスタナール等)、ポリフェノール、ルチンおよびその誘導体、チオタウリン、タウリン、ハイドロキノンおよびその誘導体、ヒスチジンおよびその誘導体、カテキン類、グラブリジン、グラブレン、リクイリチン、イソリクイリチンおよびこれらを含有するカンゾウ抽出物、グルタチオンおよびその誘導体、没食子酸およびその誘導体等があげられる。
【0075】
細胞賦活剤としては、例えば、コラーゲン合成を促進する素材、肌質の改善作用のある素材等があげられる。
【0076】
コラーゲン合成を促進する素材としては、例えば、アスコルビン酸、トランスフォーミンググロースファクターベータ1、プレートレットデライブドグロースファクター、ベーシックファイブロブラストグロースファクター、インシュリンライクグロースファクター1など各種グロースファクターおよびシルクプロテイン等があげられる。その他、ビタミンAおよびその誘導体(パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール等のレチノールおよびその誘導体、デヒドロレチナール等のレチナールおよびその誘導体等)、カロチノイド(カロチン、リコピン、アスタキサンチン等)、ビタミンBおよびその誘導体(チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩、リボフラビン、酢酸リボフラビン、塩酸ピリドキシン、ピリドキシンジオクタノエート、フラビンアデニンヌクレオチド、シアノコバラミン、葉酸類、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等のニコチン酸類、コリン類等)、ビタミンCおよびその誘導体またはその塩(アスコルビン酸、L−アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、L−アスコルビン酸ステアリン酸エステル、L−アスコルビン酸硫酸エステル二ナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム・5水塩、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸グルコシド、パルミチン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル等)、リボ核酸およびその塩、α−およびγ−リノレン酸、キサンチンおよびそれらの誘導体であるカフェインがあげられる。更に、オオムギ抽出物、シルクプロテインおよびその分解物またはそれらの誘導体、ヒドロキシプロリン等があげられる。
【0077】
肌質の改善作用のある素材としては、例えば、アラントイン、アロエ抽出物、人参抽出物、胎盤抽出物、牛血液除タンパク質、酵母発酵代謝物等があげられる。
血行促進剤としては、例えば、アルニカ抽出液、トウガラシチンキ、イチョウ抽出物、酢酸トコフェロール、γ―オリザノール等があげられる。
【0078】
保湿剤としては、例えば、グリセリン、1、3−ブチレングリコール、ソルビトール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、トレハロース、イノシトール、グルコース、キシリトール、マルトース、マルチトール、キシロース、果糖、蔗糖およびそれらの誘導体;コラーゲン、エラスチン、ケラチン、フィブロネクチン等のタンパク質またはそれらの誘導体、加水分解物ならびにそれらの塩、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリンおよびケラタン硫酸等のムコ多糖類およびその誘導体またはそれらの塩、セリン、グリシン、テアニン、アスパラギン酸、アスパラギン、アルギニン、アラニン、バリン、イソロイシン、スレオニン、リジン、ヒドロキシリジン、システイン、シスチン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、オルニチン、シトルリン、ピロリドンカルボン酸等のアミノ酸およびそれらの誘導体ならびにそれらの塩、デキストリンおよびその誘導体、ハチミツ等の糖類、糖脂質、セラミド、ムチン、尿素、ニンジン抽出液、アロエ抽出液、冬虫夏草抽出液、プラセンタ抽出液、ホホバ油、ローヤルゼリー、加水分解コラーゲン、加水分解ケラチン、トレハロース等があげられる。
【0079】
しわ改善剤またはしわ予防剤としては、例えば、アラニン(特願平9−220240)やグアニジン誘導体またはその酸付加塩(特願平8−274628)等があげられる。
【0080】
本発明の皮膚外用剤における各成分の配合量は、使用者の使用目的、性別、年齢、症状等を考慮して、適宜検討すれば良いが、モリブデン配合量(化合物については組成比から換算されたモリブデン元素の配合量)は、皮膚外用剤全体に対して、0.00001〜100重量%であり、好ましくは、0.0002〜10.0重量%であり、特に好ましくは0.0002〜1.2重量%であり、更に好ましくは、0.00025〜0.002重量%である。
【0081】
本発明の毛髪料には、さらに公知の各種薬効成分を配合してもよい。配合成分としては、特に限定されるべきものではないが、例えば呉茱萸、五味子、牡丹皮、木瓜、白蘚皮、五加皮、半夏、大黄、牛膝、枸杞子、茯苓、干姜、陳皮、甘草、百部、地骨皮、柴胡、天麻、白芍、荊芥、桂枝、苦参、鳴血藤、骨砕捕、花椒、黄連、人参、黒豆、何首烏、竹節人参、補骨脂、当帰、鶏血藤、丹参、紅花、桃仁、防風、茜草根、拳参、山茱萸、半支蓮、楊梅皮、側柏葉、海金沙、当薬、阿仙薬、茴香、遠志、牽牛子、五倍子、芍薬、車前子、蟾酥、丁子、檳榔子、千振、大蒜、生姜、唐辛子、迷迭香、ロジン、ゲンノショウコ、夏枯草、柴胡、茵陳蒿、営実、ヨクイニン、蘇葉、苦木、荊芥穂、キササゲ、常山、ボクソクおよび吉草根等の生薬並びにこれら生薬の抽出物(チンキ、エキスなど)、ランタナ(和名:七変化;学名:Lantanacamaara)及びその抽出物、ミノキシジルや、それ以外のカリウムチャンネルオープナー、パントテニールエチルエーテル、パントテン酸、パントテン酸カルシウム、ビタミンAおよびその誘導体、ビタミンB1およびその誘導体、ビタミンB2およびその誘導体、ビタミンB6およびその誘導体、ビタミンEおよびその誘導体、セファランチン、ニコチン酸、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ビオチン、D−パントテニルアルコール、イソプロピルメチルフェノール、ヒノキチオール、l−メントール、溶性シスチン、オクトピロックス、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゾトニウム、サリチル酸、レゾルシン、レゾルシンモノアセテート、塩酸ピリドキシン、塩酸ジフェンヒドラミン、グリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘導体、アラントイン、ペンタデカン酸グリセリド、スフィンゴシルフォスフォリルコリン、オキセンドロン、酢酸クロルヤジノン、11α−ヒドロキシプロゲステロン、4−アンドロステン−3−オン−11β−カルボン酸、シプロテロンアセテート、クロルヘキシジン、グルコンサンクロルヘキシジン、イオウ、d−カンフル、dl−カンフル、スルフィソキサゾール、プロスタグランジンおよびその誘導体、シクロスポリン、セファランチン、エストラジオール、エチニルエストラジオール、ジアゾキシド、タンニン、タンニン酸、水溶性キチン誘導体等を挙げることができるが、上記のもののみに限定されるべきものではない。これらの成分は単一成分を配合してもよく、また2種以上を組み合わせて配合してもよい。
【0082】
更に上記した以外にも、本発明の毛髪料に、各種の抗炎症剤を配合しても良い。抗炎症剤としては、例えば、チアミン塩酸塩、リボフラビン、酢酸リボフラビン、塩酸ピリドキシン、フラビンアデニンジヌクレオチド、ニコチン酸アミド、塩化コリン、アロエ抽出物、アルニカ抽出物、アシタバ抽出物、ウコン抽出物、キハダ抽出物、オトギリソウ抽出物、カミツレ抽出物、コンフリー抽出物、スイカズラ抽出物、セージ抽出物、ワレモコウ抽出物、シソ抽出物、シラカバ抽出物、ムクロジ抽出物、ユーカリ抽出物、ヨモギ抽出物、レンゲソウ抽出物、コンドロイチン硫酸及びその誘導体等が挙げられる。
【0083】
また、本発明の毛髪料には、必要に応じて、通常の皮膚化粧料に用いられる添加物、例えば水性成分、油性成分、アルコール類、エステル類、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、増粘剤、香料、抗酸化剤、pH調整剤、キレート剤等の成分を配合することができる。また、グリセリン、ニンジン抽出液、アロエ抽出液、冬虫夏草抽出液、プラセンタ抽出液、ホホバ油、ローヤルゼリー、加水分解コラーゲン、加水分解ケラチン、トレハロース等の保湿剤を適宜配合しても良い。
【0084】
本発明の毛髪料における各成分の配合量は、使用者の使用目的、性別、年齢、症状等を考慮して、適宜検討すれば良いが、モリブデン配合量(化合物については組成比から換算されたモリブデン元素の配合量)は、毛髪料全体に対して、0.00001〜100重量%であり、好ましくは、0.0003〜10.0重量%であり、特に好ましくは0.0003〜1.2重量%である。
【0085】
鉄配合量(化合物については組成比から換算された鉄元素の配合量)は、毛髪料全体に対して、0.05〜100重量%であり、好ましくは、0.1〜40.0重量%であり、特に好ましくは0.4〜2.5重量%である。
【0086】
モリブデンおよび鉄は、粉体及び箔に加工することができるので、本発明の毛髪料は、液状物質を添加しないパウダー状および金属箔の剤形で提供することができる。このため、かかる剤形にて毛髪料が形成される場合には、毛髪料中のモリブデン及び鉄の配合量は、最大で100重量%とすることができるのである。
【0087】
本発明の皮膚外用剤は、非経口的に投与することが好ましい。投与形態としては、外用剤が好ましく、その剤形は、上記したパウダー状、金属箔状以外に、粉体に液状物質である液体又はゲル、更には必要に応じて各種の添加剤を加えて、懸濁液剤、乳液、ローション等の液体状の剤形や、軟膏、ゲル、クリーム、ペーストなどの半固形状の剤形、更には、液体状や半固形状に製剤された皮膚外用剤を担持体に保持させたパップ剤や貼付剤の剤形とすることができる。これにより、本発明の皮膚外用剤を、例えば、化粧水、乳液、クリーム、クレンジング剤、パックに加え、石鹸や洗浄剤更には入浴剤等の種々の形態で提供することができる。
【0088】
また、本発明の毛髪料は、非経口的に投与することができる。投与形態の一例としては、外用剤を挙げることができ、その剤形は、上記したパウダー状、金属箔状以外に、粉体に液状物質である液体又はゲル、更には必要に応じて各種の添加剤を加えて、懸濁液剤、乳液、ローション等の液体状の剤形や、軟膏、ゲル、クリーム、ペーストなどの半固形状の剤形、更には、液体状や半固形状に製剤された毛髪料を担持体に保持させたパップ剤の剤形とすることができる。これにより、本発明の毛髪料を、例えば、ヘアトニック、ヘアローション、ヘアクリーム、シャンプー、リンス、ヘアトリートメント、ヘアパック、ヘアフォーム、ポマード等の種々の形態で提供することができる。
【0089】
また、本発明の毛髪料は、経口的に投与されるものであっても良い。投与形態の一例としては、上記したパウダー状のモリブデンを液状物質に混合した内服剤を挙げることができる。
【0090】
上記の液状物質としては、水、アルコールなどの水溶性有機溶剤、及びこれらの混合物が例示される。水溶性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンなどが挙げられる。
【0091】
半固形状の剤形とする場合には、各種のワックス及びロウ類、高級アルコール、多価アルコール、無機顔料などを配合することができる。ワックス及びロウ類としてはミツロウ、合成ワックスなどを例示することができる。高級アルコールとしてはセチルアルコールを例示することができ、多価アルコールとしてはグリセリン、ワセリン、ラノリンなどを例示することができる。
【0092】
皮膚外用剤または毛髪料の剤形をこのような液状物質を加えて作製される剤形とすれば、使用時における粉体の飛散や金属箔の高度なハンドリングに使用者が悩まされることがなく、皮膚外用剤または毛髪料の取扱性を向上させることができる。更に、液状物質を加えて作製される剤形の中においても、特に、固体濃度の高い懸濁液剤であるスラリー又は、軟膏、ゲル、クリーム、ペーストなどの半固形状の剤形とすれば、塗布部において良好に皮膚外用剤または毛髪料を停留させることができる。
【0093】
ここで、本発明の皮膚外用剤または毛髪料に混合される液状物質には、好適には酸性水が用いられる。かかる酸性水としては、常温において測定されたpH値が、pH2.0〜pH7.0(7.0は含まない)であり、pH2.0〜pH6.5であることが好ましく、更に、pH2.0〜5.0であることがより好ましい。かかる酸性水を使用して皮膚外用剤または毛髪料を製造することにより、皮膚外用剤または毛髪料のpH値を酸性、更には弱酸性(4≦pH<6)の範囲とすることができる。
【0094】
皮膚外用剤または毛髪料のpH値を酸性側とすることにより、保存された皮膚外用剤または毛髪料中の雑菌の繁殖を抑制することができる。また、人体の皮膚表面のpH値が5.0付近の弱酸性であることから、皮膚外用剤のpH値を弱酸性とすることにより、皮膚外用剤または毛髪料を使用しても、人体皮膚のpHバランスを維持する事ができる。更には、酸性水のpH値は2.0以上であるので、取扱の安全性を確保することができる。
【0095】
尚、本発明の皮膚外用剤および毛髪料は、使用時には弱酸性であることが望ましいが、一方で、保存中においては、雑菌の繁殖を抑制するためにpH値が5.0以下であることが望ましい。従って、皮膚外用剤または毛髪料を、初期状態においては、pH2〜pH4の酸性に調整しておき、使用時に所定量の水を添加して弱酸性(4≦pH<6)に調整するものとしても良い。また、酸性水を使用しただけでは、皮膚外用剤または毛髪料のpH値を酸性側に調整することができない場合には、各種の酸や、緩衝剤を添加することができる。
【0096】
次に、実施例および比較例に基づいて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0097】
[実施例1〜4及び比較例1及び2]
実施例1〜4及び比較例1,2の被験試料(皮膚外用剤)は、下記表1の配合に従って各成分(粉体および酸性水)を乳鉢で混合し、ペースト状の剤形に各々作製した。尚、表1における実施例1〜4及び比較例1,2の配合は、重量部で示している。
【0098】
【表1】
また、実施例1〜4及び比較例1,2に用いられた粉体における鉄およびモリブデンの含有量を表2に示す。尚、表2において鉄およびモリブデンの含有量は、粉体全体における重量%で示している。また、表2に示した鉄およびモリブデン含有量は、(紅陶土におけるモリブデン含有量を除いて)粉体中における鉄化合物またはモリブデン化合物の含有量とその組成式とに基づいて求めたものを記載しており、各粉体中の鉄化合物およびモリブデン化合物の含有量は括弧書きで示している。尚、紅陶土におけるモリブデン含有量は、ICP発光分析法による定量分析にて求めた値である。また、実施例1〜4及び比較例1,2に用いた酸性水には、金峰泉(pH2.2)を使用した。尚、金峰泉のpH値は、ガラス電極法により常温(25℃)で測定を行った値である。
【0099】
【表2】
実施例1においては、鉄およびモリブデンを含有する粉体である赤土(株式会社陶和、商品名「瀬戸赤土7号」、以下同じ)を用いた。この赤土は、黄土および信楽土に紅陶土が数%(2%〜7%)の範囲で混合されて製造された粘土である。表2に示したように、紅陶土はその主成分が酸化第2鉄であると共にモリブデンを含有する組成物であるので、赤土を用いることによって、鉄及びモリブデンを含有する皮膚外用剤を作製した。従って、実施例1の皮膚外用剤中のモリブデン含有量は、略0.000256〜0.000894重量%となった。
【0100】
実施例2においては、鉄を含有するがモリブデンを含有しない粘土である西山黄土(稲垣鉱業株式会社、16メッシュアンダー、粒径略1mm以下、以下同じ)に、紅陶土(稲垣鉱業株式会社、主な原級粒サイズ最大0.4μm、以下同じ)を混合した皮膚外用剤を作製した。従って、実施例2の皮膚外用剤中のモリブデン含有量は、略0.0005重量%となった。
【0101】
実施例3においては、表1の配合に従って、西山黄土に、三酸化モリブデン(株式会社高純度科学研究所、商品名「Mo Powder ca.0.7μm」、以下同じ)を混合した皮膚外用剤を作成した。実施例4においては、表1の配合に従って、鉄を含有するがモリブデンを含有しない粘土である悦洞四黒粘土(稲垣鉱業株式会社、16メッシュアンダー、粒径略1mm以下、以下同じ)に三酸化モリブデンを混合した皮膚外用剤を作製した。従って、実施例3,4の皮膚外用剤中のモリブデン含有量は、略0.00185重量%となった。
【0102】
比較例1においては、西山黄土に、酸性水を加えて皮膚外用剤を作製し、また、比較例2においては、悦洞四黒粘土に酸性水を加えて皮膚外用剤を作製し、それぞれモリブデンを含有しない被験試料とした。
【0103】
(評価試験)
被験者の顔面においてしみのある部位に、被験試料を2〜3回塗り込んだ後、顔面全体に被験試料を塗布し、15分程度放置した。その後、水洗い洗顔を行って被験試料を除去し、通常の化粧料(例えば化粧水やクリームなど)を塗布した。これを、毎日、朝晩の2回、継続して行い、試験開始からの被験者の顔面の状態を目視にて経過観察した。かかる試験の結果を、表3に示した。
【0104】
尚、表3においては、目視評価の結果を、開始時と比べて変化なしの場合を×で、開始時と比べて肌荒れ改善効果(肌つや、はりの向上)及びしみの改善効果が認められた場合を、それぞれ○で示している。また、実施例1の被験者は4名、実施例2の被験者は2名、実施例3の被験者は7名、実施例4の被験者は8名であり、各実施例の被験試料を1週間継続使用した結果を示した。比較例1,2の被験者はそれぞれ4名であり、各比較例の被験試料を2週間継続使用した結果を示した。
【0105】
【表3】
表3から明らかなように、実施例1〜4及び比較例1,2のそれぞれにおいて、肌荒れ改善効果(肌つや、はりの向上)が認められた。しかしながら、モリブデンを含有しない比較例1,2の皮膚外用剤においてはしみの改善は認められず、モリブデンを含有する実施例1〜4の被験試料についてのみ、しみの改善効果が認められた。
【0106】
[実施例5〜8]
実施例5〜8において、本発明の皮膚外用剤のニキビに対する有効性を評価した。実施例5〜8において用いた被験試料は、実施例1〜4において用いた被験試料と同じとした。
【0107】
(使用試験)
被験者の顔全体に、被験試料を塗布し、15分程度放置した。その後、水洗い洗顔を行って被験試料を除去し、通常の化粧料(例えば化粧水やクリームなど)を塗布した。これを、毎日1回、継続して行い、試験開始からの被験者の顔面の状態を目視にて経過観察した。尚、被験者は、各実施例5〜8のそれぞれにおいて各1名とした。
【0108】
その結果、実施例5〜8の各皮膚外用剤の1週間の継続使用で、各被験者ともニキビが目立たなくなり、ニキビ症状の改善が認められた。
【0109】
[実施例9〜11]
実施例9〜11において、本発明の皮膚外用剤のアトピー性皮膚炎に対する有効性を評価した。実施例9〜11において用いた被験試料は、実施例2〜4において用いた被験試料と同じとした。
【0110】
(使用試験)
被験者のアトピー性皮膚炎の炎症が認められる部位に、被験試料を塗布し、15分程度放置した。その後、水洗いして被験試料を除去した。これを、毎日1回、継続して行い、試験開始からの被験者の皮膚状態を目視にて経過観察した。尚、被験者は、各実施例9〜11のそれぞれにおいて各1名とした。
【0111】
その結果、実施例9〜11の各皮膚外用剤の1日〜10日の継続使用により、各被験者ともアトピー性皮膚炎の改善が認められた。
【0112】
[実施例12]
実施例12において、本発明の皮膚外用剤の吹き出物に対する有効性を評価した。実施例12において用いた被験試料は、実施例4において用いた被験試料と同じとした。
【0113】
(使用試験)
白癬菌を原因菌とする水虫症状に加え、化膿菌(ブドウ球菌、連鎖球菌)を原因菌とする吹き出物が生じた被験者の皮膚に、被験試料を塗布し、20分程度放置した。その後、水洗いして被験試料を除去した。これを、毎日1回、継続して行い、試験開始からの被験者の皮膚状態を目視にて経過観察した。その結果、継続使用2日目から吹き出物、水虫症状(かゆみ)の状態に改善がみられ、6日間の継続使用により、明らかな皮膚症状の改善が認められた。
【0114】
[実施例13]
実施例13においては、三酸化モリブデン(1重量部)に酸性水(200重量部)を加えて皮膚外用剤を作製し、被験試料とした。
【0115】
(使用試験)
実施例13の被験試料を被験者の皮膚に塗布した。これを、毎日継続して行い、試験開始からの皮膚の状態を目視にて経過観察した。なお、1日当たりの塗布回数は、被験者の症状に応じ、1〜3回のいずれかとした。その結果、上記実施例1から12と同様に、1から10日の継続使用により、肌荒れ、しみ、吹き出物、アトピー性皮膚炎、水虫症状、湿疹、虫さされについても改善効果が見られた。被験者は各症例につき各1名である。また実施例13によれば、かゆみ止めの効果も得られることがわかった。
【0116】
なお、上記各実施例において、試験期間中皮膚トラブルは一人もなく、安全性においても問題なかった。
【0117】
[実施例14〜21及び比較例3及び4]
実施例14〜21及び比較例3、比較例4の被験試料(毛髪料)は、下記表4の配合に従って各成分(粉体および酸性水)を乳鉢で混合し、実施例14〜20および比較例3はペースト状の剤形に、実施例21および比較例4は液状に各々作製した。尚、表4における実施例14〜21及び比較例3、比較例4の配合は、重量部で示している。
【0118】
【表4】
また、実施例14〜21及び比較例3、比較例4に用いられた粉体における鉄およびモリブデンの含有量は表2に示した通りである。また、実施例14〜21及び比較例3,4に用いた酸性水には、実施例1〜13と同様に、金峰泉(pH2.2)を使用した。
【0119】
実施例14においては、鉄およびモリブデンを含有する粉体である赤土(株式会社陶和、商品名「瀬戸赤土7号」、以下同じ)を用いた。この赤土は、黄土および信楽土に紅陶土が2%〜7%の範囲で混合されて製造された粘土である。表2に示したように、紅陶土はその主成分が酸化第2鉄であると共にモリブデンを含有する組成物であるので、赤土を用いることによって、鉄及びモリブデンを含有する毛髪料を作製した。
【0120】
実施例15においては、鉄を含有するがモリブデンを含有しない粘土である西山黄土(稲垣鉱業株式会社、16メッシュアンダー、粒径略1mm以下、以下同じ)に、紅陶土(稲垣鉱業株式会社、主な原級粒サイズ最大0.4μm、以下同じ)を混合した毛髪料を作製した。実施例16においては、鉄を含有するがモリブデンを含有しない粘土である悦洞四黒粘土(稲垣鉱業株式会社、16メッシュアンダー、粒径略1mm以下、以下同じ)に、紅陶土を混合した毛髪料を作製した。
【0121】
実施例17及び18においては、西山黄土に、三酸化モリブデン(株式会社高純度科学研究所、商品名「Mo Powder ca.0.7μm」、以下同じ)をそれぞれ配合に従って混合した毛髪料を作製した。実施例19及び20においては、悦洞四黒粘土に、三酸化モリブデンをそれぞれ配合に従って混合して、毛髪料を作製した。このように実施例14〜20においても、鉄及びモリブデンを含有する毛髪料を被験試料とした。また、実施例21においては、三酸化モリブデンに酸性水を加えて毛髪料を作製し、被験試料とした。
【0122】
比較例3においては、西山黄土に、酸性水を加えて毛髪料を作製し、モリブデンを含有しない被験試料とした。比較例4は、酸性水を被験試料とした。
【0123】
(試験方法)
被験者の頭部を水または湯によって湿潤させた後に、実施例14から20および比較例3の被験試料を塗布し、頭皮マッサージを任意に実行しつつ、15分から20分放置した。その後、水または湯によって被験試料を洗い流した。これを、毎日1回継続して行い、試験開始から1〜3ヶ月後の頭部の毛髪状態の経時変化を目視にて観察した。また、実施例21および比較例4の被験試料を、毎日一回、100ml経口投与し、試験開始から1〜3ヶ月後の頭部の毛髪状態の経時変化を目視にて観察した。かかる試験の結果を、表5に示した。なお、実施例21は、三酸化モリブデン10mgを酸性水200mlに加えた原液を作成しておき、投与時に、その原液20mlを2000mlの酸性水で希釈することにより、表4に示す配合に調整してから被験者へ投与した。
【0124】
尚、目視評価の結果を、開始時と比べて変化なしの場合を×で、開始時と比べて育毛(開始時よりも毛髪が太くなり、ハリ、コシが生じた)または発毛(開始時に無毛であった毛根からの生毛の発生、剛毛増加)が確認された場合を○で示している。
【0125】
【表5】
表5から明らかなように、モリブデンを含有する本発明の毛髪料(実施例14〜21)は、優れた発毛促進効果を示した。また、鉄を含有する本発明の毛髪料(実施例14〜21)は、優れた育毛効果も示した。一方、モリブデンを含有しない比較例の毛髪料(比較例3、比較例4)では、発毛が生じなかった。なお、酸性水として用いた金峰泉が鉄を含有するため、比較例3および比較例4においても育毛効果が得られたと推測される。
【0126】
[実施例22]
実施例22においては、実施例21と同一の被験試料を、被験者の頭皮に塗布し、頭皮マッサージを任意に実行した。これを毎日1回継続して行い、試験開始から1〜3ヶ月後の頭部の毛髪状態の経時変化を目視にて観察した。その結果、実施例14から実施例21と同様に、優れた発毛促進効果および育毛効果が得られた。
【0127】
また、本発明の毛髪料(実施例14〜22)の効果を分かり易く示すために、図1に、実施例14の被験者の経過状態を写真撮影した結果を、一例として示した。
【0128】
図1は、実施例14の配合の毛髪料を被験者の頭部に塗布した後の経過状態を示した図である。図1(a)は、初期状態(試験前)の被験者の頭部を示した図であり、図1(b)は、上記試験方法に従って実施例14の毛髪料を塗布した41日目の被験者の頭部を示した図である。図1からも解るように、被験者の頭部に明らかな発毛および育毛が認められた。
Claims (10)
- モリブデンを含む組成物である紅陶土を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
- モリブデンと粘土とを含有することを特徴とする皮膚外用剤。
- モリブデンを含む組成物である紅陶土と粘土とを含有することを特徴とする皮膚外用剤。
- 流動性を有する液状物質を含有しており、
モリブデンは、単体または化合物を粉体に成形したものであり、
前記液状物質と粉体との混合により懸濁液剤、ゲル、クリーム、ペーストの内のいずれかの剤形に形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の皮膚外用剤。 - 前記液状物質は、pH値が略2〜略5の酸性であることを特徴とする請求項4記載の皮膚外用剤。
- 育毛又は発毛を促進する毛髪料であって、モリブデン及び鉄を含む組成物である紅陶土を含有することを特徴とする毛髪料。
- 育毛又は発毛を促進する毛髪料であって、モリブデンおよび粘土を含有することを特徴とする毛髪料。
- 育毛又は発毛を促進する毛髪料であって、モリブデン及び鉄を含む組成物である紅陶土と粘土とを含有することを特徴とする毛髪料。
- 流動性を有する液状物質を含有しており、
モリブデンまたは鉄は、単体または化合物を粉体に成形したものであり、
前記液状物質と粉体との混合により懸濁液剤、ゲル、クリーム、ペーストの内のいずれかの剤形に形成されていることを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の毛髪料。 - 前記液状物質は、pH値が略2〜略5の酸性であることを特徴とする請求項9記載の毛髪料。
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