JP2020191429A - 基板洗浄方法、基板洗浄装置及び基板洗浄用キット - Google Patents

基板洗浄方法、基板洗浄装置及び基板洗浄用キット Download PDF

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【課題】支持体を分離した後の基板から分離層の残渣を除去する。【解決手段】支持体と、分離層と、接着層と、基板とがこの順に積層された積層体における分離層を変質させ、支持体から分離した基板を洗浄する基板洗浄方法であって、接着層を溶解可能な第1溶剤に所定の樹脂を溶解させた第1洗浄液により基板を洗浄する第1洗浄工程と、第1洗浄工程の後、接着層を溶解可能な第2溶剤を有する第2洗浄液により基板を洗浄する第2洗浄工程と、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、基板洗浄方法、基板洗浄装置及び基板洗浄用キットに関する。
近年、電子デバイスを製造する方法の一例として、いわゆるファンアウト型PLP(Fan-out Panel Level Package)技術と呼ばれる手法が知られている。ファンアウト型PLP技術では、例えば、ガラス板等の支持体に、光の吸収又は加熱により変質する分離層、及び接着層を介して電子部品を有する基板を積層して積層体を形成する。積層体に対する処理を行った後、分離層に光又は熱を加えて変質させ、支持体から基板を分離して基板に付着している接合層を除去することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−064040号公報
特許文献1では、支持体を分離した後の基板に残っている接着層を洗浄液により除去している。この洗浄液により接着層を溶解させて除去したとしても、分離層の残渣が基板から洗い流されずに残ってしまう場合がある。分離層の残渣が付着した基板のままでは、最終的に得られる電子デバイスの品質を低下させるおそれがある。
本発明は、支持体を分離した後の基板から分離層の残渣を除去することが可能な基板洗浄方法、基板洗浄装置及び基板洗浄用キットを提供することを目的とする。
本発明の第1態様では、支持体と、分離層と、接着層と、基板とがこの順に積層された積層体における分離層を変質させ、支持体から分離した基板を洗浄する基板洗浄方法であって、接着層を溶解可能な第1溶剤に所定の樹脂を溶解させた第1洗浄液により基板を洗浄する第1洗浄工程と、第1洗浄工程の後、接着層を溶解可能な第2溶剤を有する第2洗浄液により基板を洗浄する第2洗浄工程と、を含む、基板洗浄方法が提供される。
本発明の第2態様では、支持体と、分離層と、接着層と、基板とがこの順に積層された積層体における分離層を変質させ、支持体から分離した基板を洗浄する基板洗浄装置であって、接着層を溶解可能な第1溶剤に所定の樹脂を溶解させた第1洗浄液により基板を洗浄する第1洗浄部と、第1洗浄工程の後、接着層を溶解可能な第2溶剤を有する第2洗浄液により基板を洗浄する第2洗浄部と、を備える、基板洗浄装置が提供される。
本発明の第3の態様では、支持体と、分離層と、接着層と、基板とがこの順に積層された積層体における分離層を変質させ、支持体から分離した基板を洗浄するための基板洗浄用キットであって、接着層を溶解可能な第1溶剤に所定の樹脂を溶解させ、基板を洗浄するための第1洗浄液と、第1洗浄液による洗浄後に用いられ、接着層を溶解可能な第2溶剤を有し、基板を洗浄するための第2洗浄液と、を含む、基板洗浄用キットが提供される。
本発明の態様によれば、支持体を分離した後の基板から分離層の残渣を除去することができる。その結果、電子デバイスの品質低下を防止できる。
実施形態に係る基板洗浄方法の一例を含むフローチャートである。 電子デバイスの製造方法の一工程を示す図である。 図2に続いて、電子デバイスの製造方法の一工程を示す図である。 図3に続いて、電子デバイスの製造方法の一工程を示す図である。 図4に続いて、電子デバイスの製造方法の一工程を示す図である。 図5に続いて、電子デバイスの製造方法の一工程を示す図である。 図6に続いて、電子デバイスの製造方法の一工程を示す図である。 図7に続いて、電子デバイスの製造方法の一工程を示す図である。 第1洗浄工程を示す図である。 第1洗浄工程後における基板の状態を示す図である。 第2洗浄工程を示す図である。 第2洗浄工程後における基板の状態を示す図である。 実施形態に係る基板洗浄装置の一例を示す図である。 実施形態に係る基板洗浄装置の他の例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明はこの実施形態に限定されない。また、図面においては実施形態の各構成をわかりやすくするために、一部を大きく又は強調して、あるいは一部を簡略化して表しており、実際の構造又は形状、縮尺等が異なっている場合がある。
<基板洗浄方法>
図1は、実施形態に係る基板洗浄方法の一例を含むフローチャートである。図1のフローチャートでは、実施形態に係る基板洗浄方法の一例を含む電子デバイスを製造方法の一例を示している。本実施形態では、いわゆるファンアウト型PLP技術により電子デバイスを製造する方法を例に挙げて説明する。図1に示すように、電子デバイスの製造方法は、分離層形成工程(ステップS01)と、接着層形成工程(ステップS02)と、基板形成工程(ステップS03)と、モールド研磨工程(ステップS04)と、分離層変質工程(ステップS05)と、支持体剥離工程(ステップS06)と、第1洗浄工程(ステップS07)と、第2洗浄工程(ステップS08)と、を含む。
図1における第1洗浄工程(ステップS07)及び第2洗浄工程(ステップS08)は、実施形態に係る基板洗浄方法の一例を示している。また、分離層形成工程(ステップS01)、接着層形成工程(ステップS02)、基板形成工程(ステップS03)、及びモールド研磨工程(ステップS04)は、積層体100を形成するための構成である。積層体100は、支持体1と、分離層2と、接着層3と、基板4とがこの順に積層された構造体である(図6参照)。以下、図1に示すフローチャートに沿って、電子デバイスの製造方法における各工程を説明する。
[分離層形成工程(ステップS01)]
先ず、ステップS01において、支持体に分離層が形成される。図2は、電子デバイスの製造方法の一工程である分離層形成工程を示す図である。図2に示すように、分離層2は、支持体1の一方の面上に形成される。
(支持体)
支持体1は、分離層2及び接着層3を介して基板4(4A)に貼り合わされており(図5、図6参照)、基板4を支持する。支持体1は、基板4の破損、変形を防ぐために必要な強度を有していることが好ましい。また、支持体1は、所定波長の光(後述する分離層2を変質させることができる波長の光)を透過する材質で形成されることが好ましい。支持体1の材料は、例えば、ガラス、シリコン、アクリル系樹脂等が用いられる。支持体1の形状は、例えば、平面視で矩形状、又は円形状等が挙げられるが、これらに限定されない。
支持体1は、前述した材料からなる基体上にコーティング層等を有してもよい。コーティング層は、単層であってもよく、複数層であってもよい。コーティング層としては、例えば、硬化樹脂を含む層(硬化膜)が挙げられる。硬化樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、炭化水素系モノマー及びアクリルモノマーの共重合体等が挙げられるが、これらに限定されない。コーティング層は、例えば、支持体1と分離層2との間に配置されてもよい。支持体1は、例えば、厚さが500〜1500μm程度であるが、この厚さに限定されない。
(分離層)
分離層2は、接着層3(図3参照)に接触して配置される。分離層2は、光の照射、加熱、溶剤への浸漬などによって変質する。分離層2が「変質する」とは、分離層2が僅かな外力を受けて破壊され得る状態、又は分離層2と接する層との間の接着力を低下した状態にさせる現象を意味する。分離層2の形成方法については特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、スピンコート、ディッピング、ローラーブレード、スプレー塗布、スリット塗布、化学気相成長(CVD)などの方法が用いられる。
分離層2の厚さは、例えば、0.05〜50μmであることがより好ましく、0.3〜1μmであることがさらに好ましい。分離層2の厚さが0.05〜50μmの範囲内に収まっていれば、短時間の光の照射及び低エネルギーの光の照射、あるいは短時間の加熱、溶剤への短時間の浸漬などによって、分離層2に所望の変質を生じさせることができる。また、分離層2の厚さは、生産性の観点から1μm以下の範囲内に収まっていることが特に好ましい。
ここで、分離層2を形成する材料である分離層形成用組成物としては、前述したように、短時間の光の照射及び低エネルギーの光の照射、あるいは短時間の加熱、溶剤への短時間の浸漬などによって、形成した分離層2が変質する物質であればよい。分離層形成用組成物としては、例えば、フェノール骨格を有する樹脂成分、光吸収性を有している構造を含む繰り返し単位を有する重合体、フルオロカーボン、無機物、赤外線吸収性の構造を有する化合物、赤外線吸収物質、反応性ポリシルセスキオキサン、又はこれらを含有するものが用いられる。また、分離層形成用組成物は、任意成分としてフィラー、可塑剤、熱酸発生剤成分、光酸発生剤成分、有機溶剤成分、界面活性剤、増感剤、又は支持基体の分離性を向上し得る成分等を含有してもよい。
<<フェノール骨格を有する樹脂成分>>
分離層2は、フェノール骨格を有することで、加熱等により容易に変質(酸化等)して光反応性が高まる。ここでいう「フェノール骨格を有する」とは、ヒドロキシベンゼン構造を含んでいることを意味する。フェノール骨格を有する樹脂成分は、膜形成能を有し、好ましくは分子量が1000以上である。樹脂成分の分子量が1000以上であることにより、膜形成能が向上する。樹脂成分の分子量は、1000〜30000がより好ましく、1500〜20000がさらに好ましく、2000〜15000が特に好ましい。樹脂成分の分子量が、好ましい範囲の上限値以下であることにより、分離層形成用組成物の溶剤に対する溶解性が高められる。なお、樹脂成分の分子量としては、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)を用いるものとする。
フェノール骨格を有する樹脂成分としては、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、ヒドロキシフェニルシルセスキオキサン樹脂、ヒドロキシベンジルシルセスキオキサン樹脂、フェノール骨格含有アクリル樹脂、下記一般式(P2)で表される繰り返し単位を有する樹脂(以下、「樹脂(P2)」という)等が挙げられる。これらの中でも、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、樹脂(P2)等がより好ましい。
Figure 2020191429
[前記式中、Lp1は、2価の連結基である。Rは、(nP0+1)価の芳香族炭化水素基である。nP0は、1〜3の整数である。]
前記式(P2)中、Lp1は、2価の連結基であり、ヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましい。Lp1としては、所望の特性を付与するため、種々の骨格を導入した連結基が挙げられる。
前記式(P2)中、Rは、(nP0+1)価の芳香族炭化水素基である。
における芳香族炭化水素基としては、芳香環から(nP0+1)個の水素原子を除いた基が挙げられる。ここでの芳香環は、4n+2個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でも多環式でもよい。芳香環の炭素数は5〜30であることが好ましく、炭素数5〜20がより好ましく、炭素数6〜15がさらに好ましく、炭素数6〜12が特に好ましい。芳香環としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環、この芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
また、Rにおける芳香族炭化水素基としては、2以上の芳香環を含む芳香族化合物(例えばビフェニル、フルオレン等)から(nP0+1)個の水素原子を除いた基も挙げられる。
前記式(P2)中、nP0は、1〜3の整数であり、1又は2が好ましく、1が特に好ましい。
上記樹脂(P2)としては、アミノフェノール類、アミノナフトール類又はアニリン類と、1分子中にエポキシ基を2つ有する化合物と、を反応させて生成する樹脂を用いることもできる。
アミノフェノール類としては、2−アミノフェノール、3−アミノフェノール、4−アミノフェノール、4−アミノ−3−メチルフェノール、2−アミノ−4−メチルフェノール、3−アミノ−2−メチルフェノール、5−アミノ−2−メチルフェノール等が挙げられる。アミノナフトール類としては、1−アミノ−2−ナフトール、3−アミノ−2−ナフトール、5−アミノ−1−ナフトール等が挙げられる。
1分子中にエポキシ基を2つ有する化合物としては、例えば商品名がEPICLON850、EPICLON830(DIC株式会社製)、jERYX−4000(三菱化学株式会社製)などのビスフェノール型エポキシ樹脂;DENACOL EX−211、DENACOL EX−212、DENACOL EX−810、DENACOL EX−830、DENACOL EX−911、DENACOL EX−920、DENACOL EX−930(ナガセケムテックス株式会社製)などのジオール型エポキシ樹脂;DENACOL EX−711、DENACOL EX−721(ナガセケムテックス株式会社製)、jER191P(三菱化学株式会社製)などのジカルボン酸エステル型エポキシ樹脂; X−22−163、KF−105(信越化学工業株式会社製)などのシリコーン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
かかる反応の際の加熱処理温度は、60℃以上250℃以下とすることが好ましく、80℃以上180℃以下とすることがより好ましい。
<<光吸収性を有している構造を含む繰り返し単位を有する重合体>>
分離層2は、光吸収性を有している構造を含む繰り返し単位を有する重合体を含有していてもよい。この重合体は、光の照射を受けて変質する。光吸収性を有している構造は、例えば、置換若しくは非置換のベンゼン環、縮合環又は複素環からなる共役π電子系を含む原子団が挙げられる。光吸収性を有している構造は、より具体的には、カルド構造、又は該重合体の側鎖に存在するベンゾフェノン構造、ジフェニルスルフォキシド構造、ジフェニルスルホン構造(ビスフェニルスルホン構造)、ジフェニル構造若しくはジフェニルアミン構造が挙げられる。
上記の光吸収性を有している構造は、その種類に応じて、所望の範囲の波長を有している光を吸収することができる。例えば、上記の光吸収性を有している構造が吸収可能な光の波長は、100〜2000nmの範囲内であることが好ましく、100〜500nmの範囲内であることがより好ましい。
上記の光吸収性を有している構造が吸収可能な光は、例えば、高圧水銀ランプ(波長254nm以上、436nm以下)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)、Fエキシマレーザ(波長157nm)、XeClレーザ(波長308nm)、XeFレーザ(波長351nm)若しくは固体UVレーザ(波長355nm)から発せられる光、又はg線(波長436nm)、h線(波長405nm)若しくはi線(波長365nm)等である。
<<フルオロカーボン>>
分離層2は、フルオロカーボンからなっていてもよい。分離層2は、フルオロカーボンによって構成されることにより、光を吸収することによって変質するようになっており、その結果として、光の照射を受ける前の強度又は接着性を失う。よって、わずかな外力を加えることによって(例えば、支持体1を持ち上げる等)、分離層2が破壊されて、支持体1と基板4とを分離し易くすることができる。分離層2を構成するフルオロカーボンは、プラズマCVD(化学気相堆積)法によって好適に成膜することができる。
フルオロカーボンは、その種類によって固有の範囲の波長を有する光を吸収する。分離層2に用いたフルオロカーボンが吸収する範囲の波長の光を分離層に照射することにより、フルオロカーボンを好適に変質させ得る。なお、分離層2における光の吸収率は80%以上であることが好ましい。
分離層2に照射する光としては、フルオロカーボンが吸収可能な波長に応じて、例えば、YAGレーザ、ルビーレーザ、ガラスレーザ、YVO4レーザ、LDレーザ、ファイバーレーザ等の固体レーザ、色素レーザ等の液体レーザ、CO2レーザ、エキシマレーザ、Arレーザ、He−Neレーザ等の気体レーザ、半導体レーザ、自由電子レーザ等のレーザ光、又は、非レーザ光を適宜用いればよい。フルオロカーボンを変質させ得る波長としては、これに限定されるものではないが、例えば、600nm以下の範囲のものを用いることができる。
<<無機物>>
分離層2は、無機物からなるものであってもよい。この無機物は、光を吸収することによって変質するものであればよく、例えば、金属、金属化合物及びカーボンからなる群より選択される1種類以上が好適に挙げられる。金属化合物とは、金属原子を含む化合物であり、例えば金属酸化物、金属窒化物が挙げられる。このような無機物としては、金、銀、銅、鉄、ニッケル、アルミニウム、チタン、クロム、SiO2、SiN、Si3N4、TiN、及びカーボンからなる群より選ばれる1種類以上が挙げられる。なお、カーボンとは、炭素の同素体も含まれ得る概念であり、例えばダイヤモンド、フラーレン、ダイヤモンドライクカーボン、カーボンナノチューブ等を包含する。上記の無機物は、その種類によって固有の範囲の波長を有する光を吸収する。
無機物からなる分離層2に照射する光としては、上記の無機物が吸収可能な波長に応じて、例えば、YAGレーザ、ルビーレーザ、ガラスレーザ、YVO4レーザ、LDレーザ、ファイバーレーザ等の固体レーザ、色素レーザ等の液体レーザ、CO2レーザ、エキシマレーザ、Arレーザ、He−Neレーザ等の気体レーザ、半導体レーザ、自由電子レーザ等のレーザ光、又は非レーザ光を適宜用いればよい。無機物からなる分離層2は、例えば、スパッタ、化学蒸着(CVD)、メッキ、プラズマCVD、スピンコート等の公知の技術により、支持体1上に形成され得る。
<<赤外線吸収性の構造を有する化合物>>
分離層2は、赤外線吸収性の構造を有する化合物を含有していてもよい。この、赤外線吸収性の構造を有する化合物は、赤外線を吸収することにより変質する。赤外線吸収性を有している構造、又はこの構造を有する化合物としては、例えば、アルカン、アルケン(ビニル、トランス、シス、ビニリデン、三置換、四置換、共役、クムレン、環式)、アルキン(一置換、二置換)、単環式芳香族(ベンゼン、一置換、二置換、三置換)、アルコールもしくはフェノール類(自由OH、分子内水素結合、分子間水素結合、飽和第二級、飽和第三級、不飽和第二級、不飽和第三級)、アセタール、ケタール、脂肪族エーテル、芳香族エーテル、ビニルエーテル、オキシラン環エーテル、過酸化物エーテル、ケトン、ジアルキルカルボニル、芳香族カルボニル、1,3−ジケトンのエノール、o−ヒドロキシアリールケトン、ジアルキルアルデヒド、芳香族アルデヒド、カルボン酸(二量体、カルボン酸アニオン)、ギ酸エステル、酢酸エステル、共役エステル、非共役エステル、芳香族エステル、ラクトン(β−、γ−、δ−)、脂肪族酸塩化物、芳香族酸塩化物、酸無水物(共役、非共役、環式、非環式)、第一級アミド、第二級アミド、ラクタム、第一級アミン(脂肪族、芳香族)、第二級アミン(脂肪族、芳香族)、第三級アミン(脂肪族、芳香族)、第一級アミン塩、第二級アミン塩、第三級アミン塩、アンモニウムイオン、脂肪族ニトリル、芳香族ニトリル、カルボジイミド、脂肪族イソニトリル、芳香族イソニトリル、イソシアン酸エステル、チオシアン酸エステル、脂肪族イソチオシアン酸エステル、芳香族イソチオシアン酸エステル、脂肪族ニトロ化合物、芳香族ニトロ化合物、ニトロアミン、ニトロソアミン、硝酸エステル、亜硝酸エステル、ニトロソ結合(脂肪族、芳香族、単量体、二量体)、メルカプタンもしくはチオフェノールもしくはチオール酸等の硫黄化合物、チオカルボニル基、スルホキシド、スルホン、塩化スルホニル、第一級スルホンアミド、第二級スルホンアミド、硫酸エステル、炭素−ハロゲン結合、Si−A結合(Aは、H、C、O又はハロゲン)、P−A結合(Aは、H、C又はO)又はTi−O結合が挙げられる。
上記の炭素−ハロゲン結合を含む構造としては、例えば−CHCl、−CHBr、−CHI、−CF−、−CF、−CH=CF、−CF=CF、フッ化アリール又は塩化アリール等が挙げられる。
上記のSi−A結合を含む構造としては、例えば、SiH、SiH、SiH、Si−CH、Si−CH−、Si−C、SiO−脂肪族、Si−OCH、Si−OCHCH、Si−OC、Si−O−Si、Si−OH、SiF、SiF又はSiF等が挙げられる。Si−A結合を含む構造としては、特に、シロキサン骨格又はシルセスキオキサン骨格を形成していることが好ましい。
上記のP−A結合を含む構造としては、例えば、PH、PH、P−CH、P−CH−、P−C、A −P−O(Aは脂肪族基又は芳香族基)、(AO)−P−O(Aはアルキル基)、P−OCH、P−OCHCH、P−OC、P−O−P、P−OH又はO=P−OH等が挙げられる。
上記のTi−O結合を含む化合物としては、例えば、(i)テトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン又はチタニウム−i−プロポキシオクチレングリコレート等のアルコキシチタン;(ii)ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン又はプロパンジオキシチタンビス(エチルアセトアセテート)等のキレートチタン;(iii)i−CO−[−Ti(O−i−C−O−]−i−C又はn−CO−[−Ti(O−n−C−O−]−n−C等のチタンポリマー;(iv)トリ−n−ブトキシチタンモノステアレート、チタニウムステアレート、ジ−i−プロポキシチタンジイソステアレート又は(2−n−ブトキシカルボニルベンゾイルオキシ)トリブトキシチタン等のアシレートチタン;(v)ジ−n−ブトキシ・ビス(トリエタノールアミナト)チタン等の水溶性チタン化合物等が挙げられる。これらの中でも、Ti−O結合を含む化合物としては、ジ−n−ブトキシ・ビス(トリエタノールアミナト)チタン(Ti(OC[OCN(COH))が好ましい。
上記の赤外線吸収性の構造は、その種類の選択によって、所望の範囲の波長を有している赤外線を吸収することができる。具体的には、上記の赤外線吸収性の構造が吸収可能な赤外線の波長は、例えば1〜20μmの範囲内であり、2〜15μmの範囲内をより好適に吸収することができる。さらに、上記構造がSi−O結合、Si−C結合又はTi−O結合である場合には、9〜11μmの範囲内が好ましい。
なお、上記の各構造が吸収できる赤外線の波長は、当業者であれば容易に理解することができる。例えば、各構造における吸収帯として、非特許文献:SILVERSTEIN・BASSLER・MORRILL著「有機化合物のスペクトルによる同定法(第5版)−MS、IR、NMR、UVの併用−」(1992年発行)第146頁から第151頁の記載を参照することができる。
分離層2の形成に用いられる、赤外線吸収性の構造を有する化合物としては、前述のような構造を有している化合物のうち、塗布のために溶剤に溶解することができ、固化して固層を形成することができるものであれば、特に限定されるものではない。しかしながら、分離層2における化合物を効果的に変質させ、支持基体と基板との分離を容易にするには、分離層2における赤外線の吸収が大きいこと、すなわち、分離層2に赤外線を照射したときの赤外線の透過率が低いことが好ましい。具体的には、分離層2における赤外線の透過率が90%より低いことが好ましく、赤外線の透過率が80%より低いことがより好ましい。
<<赤外線吸収物質>>
分離層2は、赤外線吸収物質を含有していてもよい。この赤外線吸収物質は、光を吸収することによって変質するものであればよく、例えば、カーボンブラック、鉄粒子、又はアルミニウム粒子を好適に用いることができる。赤外線吸収物質は、その種類によって固有の範囲の波長を有する光を吸収する。分離層2に用いた赤外線吸収物質が吸収する範囲の波長の光を分離層2に照射することにより、赤外線吸収物質を好適に変質させ得る。
<<反応性ポリシルセスキオキサン>>
分離層2は、反応性ポリシルセスキオキサンを重合させることにより形成することができる。これにより形成される分離層は、高い耐薬品性と高い耐熱性とを備えている。
「反応性ポリシルセスキオキサン」とは、ポリシルセスキオキサン骨格の末端にシラノール基、又は、加水分解することによってシラノール基を形成することができる官能基を有するポリシルセスキオキサンをいう。当該シラノール基、又はシラノール基を形成することができる官能基を縮合することによって、互いに重合することができる。また、反応性ポリシルセスキオキサンは、シラノール基、又は、シラノール基を形成することができる官能基を有していれば、ランダム構造、籠型構造、ラダー構造等のシルセスキオキサン骨格を備えている反応性ポリシルセスキオキサンを採用することができる。
反応性ポリシルセスキオキサンのシロキサン含有量は、70〜99モル%であることが好ましく、80〜99モル%であることがより好ましい。反応性ポリシルセスキオキサンのシロキサン含有量が、前記の好ましい範囲内であれば、赤外線(好ましくは遠赤外線、より好ましくは波長9〜11μmの光)を照射することによって好適に変質させることができる分離層を形成することができる。反応性ポリシルセスキオキサンの重量平均分子量(Mw)は、500〜50000であることが好ましく、1000〜10000であることがより好ましい。反応性ポリシルセスキオキサンの重量平均分子量(Mw)が、前記の好ましい範囲内であれば、溶剤に好適に溶解させることができ、サポートプレート上に好適に塗布することができる。反応性ポリシルセスキオキサンとして用いることができる市販品としては、例えば、小西化学工業株式会社製のSR−13、SR−21、SR−23又はSR−33(商品名)等を挙げられる。
[接着層形成工程(ステップS02)]
次に、ステップS02において、支持体に接着層が形成される。図3は、電子デバイスの製造方法の一工程である接着層形成工程を示す図である。図3に示すように、接着層3は、分離層2の支持体1が存在しない側の面上に形成される。接着層3の形成方法については、接着層3を形成するため接着剤(接着層形成物質で構成されている)を溶剤に溶解させた溶液を塗布してもよいし、接着剤が両面に塗布された接着テープを分離層2に貼り付けてもよい。接着剤の塗布方法としては、特に限定されないが、例えば、スピンコート法、ディッピング法、ローラーブレード法、ドクターブレード法、スプレー法、スリットノズル法による塗布法等が挙げられる。また、接着剤を分離層2上に塗布した後、加熱等により乾燥させてもよい。
接着層3の厚さは、例えば、1〜200μmの範囲内であることが好ましく、5〜150μmの範囲内であることがより好ましい。また、接着層3の厚さは、分離層2より厚い方が好ましい。なお、接着剤を構成する接着剤組成物については、後述する第1洗浄工程及び第2洗浄工程の説明の際に併せて説明する。
[基板形成工程(ステップS03)]
次に、ステップS03において、支持体に基板が形成される。図4は、電子デバイスの製造方法の一工程である基板形成工程を示す図である。図5は、図4に続いて、電子デバイスの製造方法の一工程である基板形成工程を示す図である。まず、図4に示すように、複数の電子部品41は、接着層3の分離層2が存在しない側の面である表面3a上に配置される。電子部品41の配置は、図示しない搬送装置(ダイボンダー、マウンター)等により行われる。なお、電子部品41は、接着層3により接着されて配置位置が保持されてもよい。また、複数の電子部品41が配置された後、真空下で加熱(例えば100℃程度)しつつ、搬送装置等によって電子部品41を接着層3に圧着させてもよい。
複数の電子部品41が配置された後、図5に示すように、電子部品41を含む接着層表面3aの全面を覆うようにモールド42が形成される。電子部品41は、モールド42に埋まった状態となって基板4Aが形成される。また、ステップS03の基板形成工程により、支持体1と、分離層2と、接着層3と、基板4Aとがこの順に積層された積層体100Aが形成される。
なお、モールド42は、電子部品41の一部(例えば上面)を露出させるように形成されてもよい。また、モールド42は、例えば、分離層2を変質させるための光を透過可能な材料を用いて形成されてもよい。このような材料としては、例えば、ガラス、シリコン、アクリル樹脂等が挙げられる。
[モールド研磨工程(ステップS04)]
次に、ステップS04において、モールドが研磨される。図6は、電子デバイスの製造方法の一工程であるモールド研磨工程を示す図である。図6に示すように、不図示の研磨装置により、モールド42の支持体1が存在しない側、つまりモールド42の上面42aが研磨される。ステップS04のモールド研磨工程により、電子部品41がモールド42から露出される。モールド42の研磨により、電子部品41の上面41aと研磨後のモールド42の新たな上面42bとは、ほぼ同一面となる。
モールド42を研磨する手法は、公知の手法が適用可能である。なお、上記したステップS03の基板形成工程において、モールド42が電子部品41の一部を露出させて形成されている場合には、このモールド研磨工程を省略することができる。また、ステップS04のモールド研磨工程により、支持体1と、分離層2と、接着層3と、基板4とがこの順に積層された積層体100が形成される。
なお、モールド研磨工程の後、電子部品41及びモールド42の上面42bに導電性を有する材料により配線が形成されてもよい。また、この配線と電気的に接続するように電子部品41が配置され、この電子部品41を覆うように、モールド42が新たに形成されてもよい。なお、配線と電子部品41との接続はバンプ、はんだ等が用いられる。このように、電子部品41を配置した層が複数積層された基板4が形成されてもよい。
[分離層変質工程(ステップS05)]
次に、ステップS05において、分離層が変質させられる。図7は、電子デバイスの製造方法の一工程である分離層変質工程を示す図である。図7に示すように、積層体100において、支持体1の分離層2が存在しない側から分離層2に対して、照射装置IRから光Lを照射し、分離層2を変質させる。光Lは、支持体1を透過して分離層2に照射される。照射装置IRから照射される光Lは、分離層2を変質させることが可能な波長の光が用いられる。分離層2の変質は、吸収した光Lのエネルギーによる(発熱性又は非発熱性の)分解、架橋、立体配置の変化又は官能基の解離(そして、これらに伴う分離層2の硬化、脱ガス、収縮又は膨張)等によって起こり得る。
分離層2が変質することで、この分離層2が僅かな外力を受けて破壊され得る状態、又は分離層2と接する層(支持体1及び接着層3)との間の接着力が低下した状態となる。すなわち、基板4から支持体1を分離させることが可能な状態となる。なお、図7では、積層体100を図6に示す状態から上下を逆にして、つまり支持体1の上側として(基板4を下側として)、上方の照射装置IRから下方に向けて光Lを照射しているが、この形態に限定されない。例えば、基板4を上側として支持体1の下方から照射装置IRにより光Lを照射してもよい。
[支持体剥離工程(ステップS06)]
次に、ステップS06において、支持体が剥離される。図8は、電子デバイスの製造方法の一工程である支持体剥離工程を示す図である。図8に示すように、基板4を下側とした状態で、基板4を保持しつつ支持体1を持ち上げることにより、分離層2が破壊されて基板4から支持体1が剥離される。すなわち、基板4と支持体1が引き離される。支持体1を持ち上げる作業は、例えば、支持体1を吸着して持ち上げる装置が用いられてもよい。なお、基板4は、ステージ等に吸着されており、支持体1が持ち上げられることにより、支持体1から引き離される。
支持体1が剥離された基板4には、図8に示すように、接着層3が残っている。この接着層3の表面3aには、変質した分離層2の残渣2aが完全に除去されず残存している。また、変質した分離層2の残渣2aは、接着層3内に入り込んでいる場合がある。この状態で、接着層3を溶解可能な溶剤単体を用いて、接着層3の表面3aに流しながら接着層3を溶解除去すると、接着層3は溶解されつつも分離層2の残渣2aの全部又は一部は接着層3にとどまり、接着層3が除去された後でも基板4の表面に残渣2aが残存する場合がある。本実施形態では、後述する第1洗浄工程及び第2洗浄工程により、基板4の表面に残渣2aが残存しないようにしている。
[第1洗浄工程(ステップS07)]
ステップS07において、接着層3が残っている基板4を第1洗浄液により洗浄する。図9は、電子デバイスの製造方法の一工程である第1洗浄工程を示す図である。図9に示すように、接着層3を上側に向けた状態でノズル612から第1洗浄液R1を基板4(接着層3)に供給する。第1洗浄液R1は、基板4のほぼ中央の上方から供給され、接着層3の上面を流れて基板4の縁部から流れ落ちる。なお、第1洗浄液R1の供給時に、基板4を鉛直軸まわりに回転させてもよい。第1洗浄液R1としては、接着層3を溶解可能な第1溶剤に所定の樹脂を溶解させた液体が用いられる。第1溶剤は、前述した接着層形成工程(ステップS02)において、接着層3を形成する際に使用する接着剤に含まれる接着剤組成物を溶解可能な溶剤である。先ず、接着剤組成物について説明する。
(接着剤組成物)
接着剤組成物としては、例えば、アクリル系、ノボラック系、ナフトキノン系、炭化水素系、ポリイミド系、エラストマー、ポリサルホン系等の当該分野において公知の種々の接着剤組成物が挙げられる。また、接着剤組成物としては、例えば、熱可塑性樹脂、希釈溶剤、及び、添加剤等のその他成分を含有しているものが挙げられる。熱可塑性樹脂においては、接着力を発現するものであればよく、例えば、炭化水素樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、マレイミド系樹脂、エラストマー樹脂、ポリサルホン系樹脂等、又はこれらを組み合わせたもの等を好ましく用いることができる。なお、接着剤組成物は、希釈溶剤を含む。
<<炭化水素樹脂>>
炭化水素樹脂は、炭化水素骨格を有し、単量体組成物を重合してなる樹脂である。炭化水素樹脂として、シクロオレフィンポリマー(以下、「樹脂(A)」という。)、並びに、テルペン樹脂、ロジン系樹脂及び石油樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂(以下、「樹脂(B)」という。)等が挙げられるが、これに限定されない。
樹脂(A)としては、例えば、シクロオレフィンモノマーを含む単量体成分の開環重合体、シクロオレフィンモノマーを含む単量体成分を付加重合させた付加重合体が好適に挙げられる。シクロオレフィンポリマーは、シクロオレフィンモノマーと共重合可能なモノマーを単量体単位として有していてもよい。
また、樹脂(A)を構成する単量体成分として、シクロオレフィンモノマーを含有することが、高耐熱性(低い熱分解、熱重量減少性)の観点から好ましい。樹脂(A)を構成する単量体成分全体に対するシクロオレフィンモノマーの割合は、5モル%以上であることが好ましく、10モル%以上であることがより好ましく、20モル%以上であることがさらに好ましい。また、樹脂(A)を構成する単量体成分全体に対するシクロオレフィンモノマーの割合は、特に限定されないが、溶解性及び溶液での経時安定性の観点からは80モル%以下であることが好ましく、70モル%以下であることがより好ましい。
また、樹脂(A)を構成する単量体成分として、直鎖状又は分岐鎖状のアルケンモノマーを含有してもよい。樹脂(A)を構成する単量体成分全体に対するアルケンモノマーの割合は、溶解性及び柔軟性の観点からは10〜90モル%であることが好ましく、20〜85モル%であることがより好ましく、30〜80モル%であることがさらに好ましい。なお、樹脂(A)は、例えば、シクロオレフィンモノマーとアルケンモノマーとからなる単量体成分を重合させてなる樹脂のように、極性基を有していない樹脂であることが、高温下でのガスの発生を抑制する上で好ましい。単量体成分を重合するときの重合方法や重合条件等については、特に制限はなく、常法に従って適宜設定すればよい。
樹脂(A)として用い得るシクロオレフィンポリマーの市販品としては、例えば、ポリプラスチックス株式会社製の「TOPAS(商品名)」、三井化学株式会社製の「APEL(商品名)」、日本ゼオン株式会社製の「ZEONOR(商品名)」、日本ゼオン株式会社製の「ZEONEX(商品名)」、JSR株式会社製の「ARTON(商品名)」等が挙げられる。樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、60℃以上であることが好ましく、70℃以上であることが特に好ましい。樹脂(A)のガラス転移温度が60℃以上であると、高温環境に曝されたときに接着層の軟化を抑制することができる。
樹脂(B)は、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂及び石油樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂である。具体的には、テルペン系樹脂としては、例えば、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、水添テルペンフェノール樹脂等が挙げられる。ロジン系樹脂としては、例えば、ロジン、ロジンエステル、水添ロジン、水添ロジンエステル、重合ロジン、重合ロジンエステル、変性ロジン等が挙げられる。石油樹脂としては、例えば、脂肪族又は芳香族石油樹脂、水添石油樹脂、変性石油樹脂、脂環族石油樹脂、クマロン・インデン石油樹脂等が挙げられる。これらの中でも、水添テルペン樹脂、水添石油樹脂がより好ましい。
樹脂(B)の軟化点は特に限定されないが、80〜160℃であることが好ましい。樹脂(B)の軟化点が80〜160℃であると、高温環境に曝されたときに軟化することを抑制することができ、接着不良を生じない。樹脂(B)の重量平均分子量は特に限定されないが、300〜3,000であることが好ましい。樹脂(B)の重量平均分子量が300以上であると、耐熱性が十分なものとなり、高温環境下において脱ガス量が少なくなる。一方、樹脂(B)の重量平均分子量が3,000以下であると、炭化水素系溶剤への接着層の溶解速度が良好なものとなる。このため、支持体を分離した後のデバイス層上の接着層の残渣を迅速に溶解し、除去することができる。なお、本実施形態における樹脂(B)の重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の分子量を意味するものである。
炭化水素樹脂としては、樹脂(A)と樹脂(B)とを混合したものを用いてもよい。混合することにより、耐熱性が良好なものとなる。例えば、樹脂(A)と樹脂(B)との混合割合としては、(A):(B)=80:20〜55:45(質量比)であることが、高温環境時の熱耐性、及び柔軟性に優れるので好ましい。
<<アクリル−スチレン系樹脂>>
アクリル−スチレン系樹脂としては、例えば、スチレン又はスチレンの誘導体と、(メタ)アクリル酸エステル等とを単量体として用いて重合した樹脂が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、鎖式構造からなる(メタ)アクリル酸アルキルエステル、脂肪族環を有する(メタ)アクリル酸エステル、芳香族環を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。鎖式構造からなる(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、炭素数15〜20のアルキル基を有するアクリル系長鎖アルキルエステル、炭素数1〜14のアルキル基を有するアクリル系アルキルエステル等が挙げられる。アクリル系長鎖アルキルエステルとしては、アルキル基がn−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基等であるアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステルが挙げられる。なお、当該アルキル基は、分岐鎖状であってもよい。
炭素数1〜14のアルキル基を有するアクリル系アルキルエステルとしては、既存のアクリル系接着剤に用いられている公知のアクリル系アルキルエステルが挙げられる。例えば、アルキル基が、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、イソノニル基、イソデシル基、ドデシル基、ラウリル基、トリデシル基等からなるアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステルが挙げられる。
脂肪族環を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、テトラシクロドデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等が挙げられるが、イソボルニルメタアクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートがより好ましい。
芳香族環を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に限定されるものではないが、芳香族環としては、例えばフェニル基、ベンジル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェノキシメチル基、フェノキシエチル基等が挙げられる。また、芳香族環は、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を有していてもよい。具体的には、フェノキシエチルアクリレートが好ましい。
<<マレイミド系樹脂>>
マレイミド系樹脂としては、例えば、単量体として、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−n−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−n−ブチルマレイミド、N−イソブチルマレイミド、N−sec−ブチルマレイミド、N−tert−ブチルマレイミド、N−n−ペンチルマレイミド、N−n−ヘキシルマレイミド、N−n−へプチルマレイミド、N−n−オクチルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−ステアリルマレイミド等のアルキル基を有するマレイミド、N−シクロプロピルマレイミド、N−シクロブチルマレイミド、N−シクロペンチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−シクロヘプチルマレイミド、N−シクロオクチルマレイミド等の脂肪族炭化水素基を有するマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−m−メチルフェニルマレイミド、N−o−メチルフェニルマレイミド、N−p−メチルフェニルマレイミド等のアリール基を有する芳香族マレイミド等を重合して得られた樹脂が挙げられる。
<<エラストマー樹脂>>
エラストマー樹脂(以下、「エラストマー」という場合がある。)は、主鎖の構成単位としてスチレン単位を含んでいることが好ましく、当該「スチレン単位」は置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルコキシアルキル基、アセトキシ基、カルボキシル基等が挙げられる。また、当該スチレン単位の含有量が14重量%以上、50重量%以下の範囲内であることがより好ましい。さらに、エラストマーは、重量平均分子量が10,000以上、200,000以下の範囲内であることが好ましい。
スチレン単位の含有量が14重量%以上、50重量%以下の範囲内であり、エラストマーの重量平均分子量が10,000以上、200,000以下の範囲内であれば、後述する炭化水素系の溶剤に容易に溶解するので、より容易かつ迅速に接着層を除去することができる。また、スチレン単位の含有量及び重量平均分子量が上記の範囲内であることにより、レジストリソグラフィーに用いられるレジスト溶剤(例えばPGMEA、PGME等)、酸(フッ化水素酸等)、アルカリ(TMAH等)に対して優れた耐性を発揮する。
なお、エラストマーには、前述した(メタ)アクリル酸エステルをさらに混合してもよい。スチレン単位の含有量は、より好ましくは17重量%以上であり、また、より好ましくは40重量%以下である。重量平均分子量のより好ましい範囲は20,000以上であり、また、より好ましい範囲は150,000以下である。
エラストマーとしては、スチレン単位の含有量が14重量%以上、50重量%以下の範囲内であり、エラストマーの重量平均分子量が10,000以上、200,000以下の範囲内であれば、種々のエラストマーを用いることができる。例えば、ポリスチレン−ポリ(エチレン/プロピレン)ブロックコポリマー(SEP)、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(SBS)、スチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SBBS)、及び、これらの水添物、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー(スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー)(SEPS)、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー(SEEPS)、スチレンブロックが反応架橋型のスチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー(SeptonV9461(株式会社クラレ製)、SeptonV9475(株式会社クラレ製))、スチレンブロックが反応架橋型のスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(反応性のポリスチレン系ハードブロックを有する、SeptonV9827(株式会社クラレ製))、ポリスチレン−ポリ(エチレン−エチレン/プロピレン)ブロック−ポリスチレンブロックコポリマー(SEEPS−OH:末端水酸基変性)等が挙げられ、エラストマーのスチレン単位の含有量及び重量平均分子量が前述の範囲内であるものを用いることができる。
また、エラストマーの中でも水添物がより好ましい。水添物であれば熱に対する安定性が向上し、分解や重合等の変質が起こりにくい。また、炭化水素系溶剤への溶解性及びレジスト溶剤への耐性の観点からもより好ましい。また、エラストマーの中でも両端がスチレンのブロック重合体であるものがより好ましい。熱安定性の高いスチレンを両末端にブロックすることでより高い耐熱性を示すからである。より具体的には、エラストマーは、スチレン及び共役ジエンのブロックコポリマーの水添物であることがより好ましい。熱に対する安定性が向上し、分解や重合等の変質が起こりにくい。また、熱安定性の高いスチレンを両末端にブロックすることでより高い耐熱性を示す。さらに、炭化水素系溶剤への溶解性及びレジスト溶剤への耐性の観点からもより好ましい。
接着剤組成物に含まれるエラストマーとして用いられ得る市販品としては、例えば、株式会社クラレ製「セプトン(商品名)」、株式会社クラレ製「ハイブラー(商品名)」、旭化成株式会社製「タフテック(商品名)」、JSR株式会社製「ダイナロン(商品名)」等が挙げられる。
接着剤組成物に含まれるエラストマーの含有量としては、例えば、接着剤組成物全量を100重量部として、50重量部以上、99重量部以下の範囲内が好ましく、60重量部以上、99重量部以下の範囲内がより好ましく、70重量部以上、95重量部以下の範囲内が最も好ましい。これらの範囲内にすることにより、耐熱性を維持しつつ、基板を支持体に好適に固定することができる。
また、エラストマーは、複数の種類を混合してもよい。すなわち、接着剤組成物は複数の種類のエラストマーを含んでいてもよい。そして、複数の種類のエラストマーのうち少なくとも一つが、主鎖の構成単位としてスチレン単位を含んでいればよい。また、複数の種類のエラストマーのうち少なくとも一つが、スチレン単位の含有量が14重量%以上、50重量%以下の範囲内である、又は、重量平均分子量が10,000以上、200,000以下の範囲内であれば、本発明の範疇である。また、接着剤組成物において、複数の種類のエラストマーを含む場合、混合した結果、スチレン単位の含有量が上記の範囲内となるように調整してもよい。例えば、スチレン単位の含有量が30重量%である株式会社クラレ製のセプトン(商品名)のSepton4033と、スチレン単位の含有量が13重量%であるセプトン(商品名)のSepton2063とを重量比1対1で混合すると、接着剤に含まれるエラストマー全体に対するスチレン含有量は21〜22重量%となり、従って14重量%以上となる。また、例えば、スチレン単位が10重量%のものと60重量%のものとを重量比1対1で混合すると35重量%となり、上記の範囲内となる。本発明はこのような形態でもよい。また、接着剤組成物に含まれる複数の種類のエラストマーは、全て上記の範囲内でスチレン単位を含み、かつ、上記の範囲内の重量平均分子量であることが最も好ましい。
<<ポリサルホン系樹脂>>
接着剤組成物は、ポリサルホン系樹脂を含んでいてもよい。接着層3をポリサルホン系樹脂によって形成することにより、基板形成工程においてモールド42を形成する場合に高温の処理を行っても、その後の工程において接着層3を溶解し、支持体1から基板4を剥離することができる。接着層3がポリサルホン樹脂を含んでいれば、基板形成工程において、例えば、300℃以上という高温で処理する高温プロセスを用いることができる。ポリサルホン系樹脂は、下記一般式(ad1)で表される構成単位、及び、下記一般式(ad2)で表される構成単位のうちの少なくとも1種の構成単位からなる構造を有している。
Figure 2020191429
[式中、RC3、RC4、RC5は、それぞれ独立して、フェニレン基、ナフチレン基及びアントリレン基からなる群より選択される基であり、X’は、炭素数1〜3のアルキレン基である。]
ポリサルホン系樹脂は、上記の式(ad1)で表されるポリサルホン構成単位及び上記の式(ad2)で表されるポリエーテルサルホン構成単位のうちの少なくとも1つを備えていることによって、支持体上に接着層を形成した後、高い温度条件の処理を行っても、分解及び重合等により接着層が不溶化することを防止することができる。また、ポリサルホン系樹脂は、上記の式(ad1)で表されるポリサルホン構成単位からなるポリサルホン樹脂であれば、より高い温度に加熱しても安定である。
ポリサルホン系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、30,000以上、70,000以下の範囲内であることが好ましく、30,000以上、50,000以下の範囲内であることがより好ましい。ポリサルホン系樹脂の重量平均分子量(Mw)が、30,000以上の範囲内であれば、例えば、300℃以上の高い温度において用いることができる接着剤組成物を得ることができる。また、ポリサルホン系樹脂の重量平均分子量(Mw)が、70,000以下の範囲内であれば、溶剤によって好適に溶解することができる。つまり、溶剤によって好適に除去することができる接着剤組成物を得ることができる。
<<希釈溶剤>>
希釈溶剤としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、イソノナン、メチルオクタン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン等の直鎖状の炭化水素、炭素数4から15の分岐鎖状の炭化水素、例えば、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、ナフタレン、デカヒドロナフタレン、テトラヒドロナフタレン等の環状炭化水素、p−メンタン、o−メンタン、m−メンタン、ジフェニルメンタン、1,4−テルピン、1,8−テルピン、ボルナン、ノルボルナン、ピナン、ツジャン、カラン、ロンギホレン、ゲラニオール、ネロール、リナロール、シトラール、シトロネロール、メントール、イソメントール、ネオメントール、α−テルピネオール、β−テルピネオール、γ−テルピネオール、テルピネン−1−オール、テルピネン−4−オール、ジヒドロターピニルアセテート、1,4−シネオール、1,8−シネオール、ボルネオール、カルボン、ヨノン、ツヨン、カンファー、d−リモネン、l−リモネン、ジペンテン等のテルペン系溶剤;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン(CH)、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、又はジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類又は前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテル又はモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体(これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい);ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル等のエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル等の芳香族系有機溶剤等を挙げることができる。また、これらを複数混合して使用することも可能である。
接着剤組成物は、添加剤を含有してもよい。また、接着剤組成物は、本質的な特性を損なわない範囲において、混和性のある他の物質が添加されていてもよい。このような添加剤としては、例えば、接着剤の性能を改良するための付加的樹脂、硬化性モノマー、重合禁止剤、重合開始剤、可塑剤、接着補助剤、安定剤、着色剤、及び界面活性剤等、慣用されている各種添加剤をさらに用いることができる。
(所定の樹脂)
第1洗浄液R1に溶解している所定の樹脂について説明する。所定の樹脂は、例えば、上記した接着剤組成物に含まれる樹脂が挙げられる。また、所定の樹脂としては、後述する第1溶剤に溶解可能な樹脂が選択される。所定の樹脂は、接着層3の形成に使用された接着剤に含まれる樹脂と同一の樹脂であってもよいし、異なる樹脂であってもよい。また、所定の樹脂は、単一種類の樹脂が用いられてもよいし、複数種類の樹脂が混合されて用いられてもよい。
第1洗浄液R1における所定の樹脂の含有量(重量%)は、接着層3の形成に使用された際の接着剤における樹脂の含有量(重量%)より小さい方が好ましい。これは、第1洗浄液R1において所定の樹脂の含有量が、接着層3の形成に使用された際の接着剤に含まれる樹脂の含有量(重量%)より大きいと、第1洗浄液R1により接着層3を溶解して除去する一方で、第1洗浄液R1に含まれる所定の樹脂が多く基板4に残存するからである。また、所定の樹脂は、第1洗浄液R1において3〜5重量%含まれることが好ましい。所定の樹脂が3重量%より少ないと、基板4a上分離層2の残渣2aが残存する可能性が高くなる。
(第1溶剤)
第1溶剤は、接着層3を溶解可能な溶剤、すなわち、接着層3を形成する接着剤組成物を溶解する溶剤である。第1溶剤は、接着層3を溶解可能であれば特に限定されず、接着層3(接着剤組成物)に応じて適宜選択することができる。第1溶剤は、例えば、接着層3を形成する際の接着剤に用いられた希釈溶媒と極性が一致、又は極性が近いものが用いられる。なお、接着層3を形成する際の接着剤に用いられた希釈溶媒と同一であってもよい。接着層3を溶解可能な溶剤である第1溶剤としては、例えば、炭化水素系溶剤、エステル系溶剤が挙げられる。なお、第1溶剤には、適宜、添加剤等の任意成分が添加されていてもよい。任意成分は、特に限定されないが、例えば、界面活性剤が挙げられる。また、炭化水素系溶剤とエステル系溶剤とが混合されて用いられてもよい。また、第1溶剤は、単一種類の溶剤が用いられてもよいし、複数種類の溶剤が混合されて用いられてもよい。
<<炭化水素系溶剤>>
炭化水素系溶剤は、脂肪族炭化水素系溶剤であってもよく、芳香族炭化水素系溶剤であってもよい。ここで、「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味する。脂肪族炭化水素系溶剤としては、アルカン系の炭化水素溶剤が挙げられる。アルカン系の炭化水素系溶剤は、直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれであってもよい。直鎖状又は分岐鎖状アルカンの炭化水素系溶剤としては、例えば、炭素数4〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状アルカンが挙げられ、例えば、ブタン、ペンタン、2−メチルブタン、3−メチルペンタン、ヘキサン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、ヘプタン、オクタン、2,2,4−トリメチルペンタン、2,2,3−トリメチルヘキサン、ノナン、イソノナン、メチルオクタン、デカン、ウンデカン、ドデカン、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン、トリデカン、ペンタデカン、テトラデカン、ヘキサデカン等が挙げられる。環状アルカンの炭化水素系溶剤としては、例えば、炭素数4〜20の環状アルカンが挙げられ、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンなどのモノシクロアルカン、デカリンなどのビシクロアルカン等が挙げられる。これらの中でも、アルカン系の炭化水素系溶剤としては、エチルシクロヘキサン及びデカリンが好ましい。また、脂肪族炭化水素系溶剤としては、テルペン系の炭化水素溶剤も挙げられる。テルペン系の炭化水素溶剤としては、例えば、D−リモネン、P−メンタン等が挙げられる。
芳香族炭化水素系溶剤としては、例えば、ベンゼン、ナフタレン、テトラヒドロナフタレン等が挙げられる。また、炭化水素系溶剤は、例えば、蒸留等によって炭化水素系溶剤の沸点よりもさらに沸点の高い不純物を除去することが好ましい。これにより、接着剤を洗浄により除去したときに、炭化水素系溶剤が含んでいる高沸点の不純物が基板4に残渣として残ることを防止することができる。
<<エステル系溶剤>>
エステル系溶剤は、例えば、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)等が挙げられる。
この第1洗浄工程において、第1洗浄液R1により接着層3が溶解除去されるとともに、第1洗浄液R1に溶解している所定の樹脂が付与されていく。接着層3の表面3a又は接着層3内に残存している分離層2の残渣2aは、第1洗浄液R1の流れによって接着層3(基板4)から流され、第1洗浄液R1の所定の樹脂により基板4に付着することが抑制される。その結果、接着層3がなくなった基板4の表面に残渣2aが残存するのを防止できる。第1洗浄工程の後、基板4の表面には、第1洗浄液R1の所定の樹脂が残っており、この樹脂による層(膜)が形成される。
図10は、第1洗浄工程後における基板4の状態を示す図である。図10で示すように、基板4の表面4aには、第1洗浄液R1の所定の樹脂による樹脂層5が形成される。つまり、基板4の表面4aから接着層3が溶解除去され、さらに分離層2の残渣2aも除去されるが、第1洗浄液R1により樹脂層5が形成される。
[第2洗浄工程(ステップS08)]
次に、ステップS08において、樹脂層5が形成された基板4を第2洗浄液により洗浄する。図11は、電子デバイスの製造方法の一工程である第2洗浄工程を示す図である。図11に示すように、樹脂層5を上側に向けた状態でノズル622から第2洗浄液R2を基板4(樹脂層5)に供給する。第2洗浄液R2は、基板4のほぼ中央の上方から供給され、樹脂層5の上面を流れて基板4の縁部から流れ落ちる。なお、第2洗浄液R2の供給時に、基板4を鉛直軸まわりに回転させてもよい。第2洗浄液R2としては、樹脂層5を溶解可能な第2溶剤が用いられる。
(第2溶剤)
第2溶剤は、樹脂層5を溶解可能な溶剤が用いられる。第2溶剤は、樹脂層5を溶解可能であれば特に限定されず、樹脂層5の組成に応じて適宜選択することができる。第2溶剤は、第1溶剤と極性が一致、又は極性が近いものが用いられる。すなわち、第2溶剤は、接着層3を溶解可能である。第2溶剤は、上記した第1溶剤と同一であってもよいし、異なってもよい。また、第2溶剤は、第1溶剤と極性が一致、又は極性が近いので、接着層3を形成する際に使用する接着剤の希釈溶剤と同一であってもよい。また、第2溶剤は、単一種類の溶剤が用いられてもよいし、複数種類の溶剤が混合されて用いられてもよい。
この第2洗浄工程において、第2洗浄液R2により樹脂層5が溶解除去される。なお、第2洗浄液R2としては、樹脂等が溶解していない、または樹脂等の濃度が低い洗浄液が好ましく、このようにすることで、樹脂層5が除去された後に基板4上に新たな層(膜)は形成されにくくなる。すなわち、このような洗浄液の固形分濃度は0.5重量%以下に設定されていることが好ましく、0.3重量%以下に設定されていることがより好ましく、0.1重量%以下に設定されていることがさらに好ましい。
図12は、第2洗浄工程後における基板4の状態を示す図である。図12で示すように、基板4の表面4aには、第1洗浄液R1の所定の樹脂による樹脂層5が形成される。つまり、基板4の表面4aから樹脂層5が溶解除去されており、新たな層は形成されない。なお、第1洗浄工程後において、分離層2の残渣2aが基板4にわずかに残っていたとしても、この第2洗浄工程により基板4から除去される場合がある。
第2洗浄工程後は、例えば、予め設定されたラインに沿って基板4がダイシングされることにより、個別の電子デバイスが得られる。なお、ダイシング装置は、任意の装置が使用可能である。
<基板洗浄装置>
図13は、実施形態に係る基板洗浄装置の一例を示す図である。図13に示す基板洗浄装置6は、上記した第1洗浄工程と第2洗浄工程とを行うことができる。図13に示すように、基板洗浄装置6は、第1洗浄部61と、第2洗浄部62と、ステージ63とを有する。なお、ステージ63は、第1洗浄部61と第2洗浄部62とで共用される。また、ステージ63は、載置した基板4を保持するための吸着機構を備えていてもよい。また、ステージ63は、電動モータ等の駆動源により、鉛直軸まわりに回転する構成であってもよい。
第1洗浄部61は、上記した第1洗浄工程を実行するために設けられている。第1洗浄部61は、第1洗浄液供装置611とノズル612とを備える。第1洗浄液供装置611は、第1洗浄液R1(図9参照)をノズル612に供給する。第1洗浄液供装置611は、例えば、ポンプ等の送液機構を含んで形成され、この送液機構を駆動することにより、第1洗浄液R1を貯留したタンクから配管を介してノズル612に第1洗浄液R1を供給する。ノズル612は、ステージ63の上方に配置され、第1洗浄液供装置611から送られる第1洗浄液R1を下方に吐出する。なお、ノズル612は、水平方向に移動可能であってもよい。
この第1洗浄部61では、ステージ63上に基板4を載置した状態で、ノズル612から第1洗浄液R1を吐出させることで、基板4に第1洗浄液R1を供給することができ、上記した第1洗浄工程を実行することができる。なお、ステージ63に対する基板4の搬入、搬出は、不図示の搬送装置によって行う。
第2洗浄部61は、上記した第2洗浄工程を実行するために設けられている。第2洗浄部62は、第2洗浄液供装置621とノズル622とを備える。第2洗浄液供装置621は、第2洗浄液R2(図11参照)をノズル622に供給する。第2洗浄液供装置621は、例えば、ポンプ等の送液機構を含んで形成され、この送液機構を駆動することにより、第2洗浄液R2を貯留したタンクから配管を介してノズル622に第2洗浄液R2を供給する。ノズル622は、ステージ63の上方に配置され、第2洗浄液供装置621から送られる第2洗浄液R2を下方に吐出する。なお、ノズル622は、水平方向に移動可能であってもよい。
この第2洗浄部62では、ステージ63上に基板4を載置した状態で、ノズル622から第2洗浄液R2を吐出させることで、基板4に第2洗浄液R2を供給することができ、上記した第2洗浄工程を実行することができる。なお、基板洗浄装置6は、第1洗浄液R1と第2洗浄液R2とで専用のノズル611、621が用いられる。従って、第1洗浄工程を実行する場合は、ノズル611を基板4の中央上方に配置させ、また、第2洗浄工程を実行する場合は、ノズル611を退避させた後、ノズル621を基板4の中央上方に配置させるように、不図示の制御装置により制御されてもよい。
図14は、実施形態に係る基板洗浄装置の他の例を示す図である。図14に示す基板洗浄装置6Aは、上記した第1洗浄工程と第2洗浄工程とを行うことができる。なお、上記した基板洗浄装置6と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略又は簡略化する。図14に示すように、基板洗浄装置6Aは、第1洗浄部61と、第2洗浄部62と、ステージ63と、切り換え部64とを有する。
第1洗浄部61及び第2洗浄部62は、共用のノズル641を備える。ノズル641は、ステージ63に載置された基板4の中央上方に配置されている。なお、ノズル641は、水平方向に移動可能であってもよい。切り換え部64は、第1洗浄部61の第1洗浄液供装置611からノズル641に第1洗浄液R1を供給する流路と、第2洗浄部62の第2洗浄液供装置621からノズル641に第2洗浄液R2を供給する流路とに切り換える。従って、第1洗浄工程を実行する場合は、切り換え部64によりノズル641から第1洗浄液R1を吐出させ、第2洗浄工程を実行する場合は、切り換え部64により流路を切り換えてノズル641から第2洗浄液R2を吐出させる。切り換え部64による流路の切り替えは、不図示の制御装置により制御されてもよい。
なお、上記した基板洗浄装置6、6Aでは、第1洗浄部61と第2洗浄部62とで共用のステージ63が用いられるが、この構成に限定されない。例えば、2つのステージ63が配置され、一方が第1洗浄部61専用のステージ63であり、他方が第2洗浄部62であるような構成であってもよい。また、上記した第1洗浄工程と第2洗浄工程とを、それぞれ独立した基板洗浄装置により行ってもよい。
<基板洗浄用キット>
本実施形態に係るキットは、支持体1と、分離層2と、接着層3と、基板4とがこの順に積層された積層体100における分離層2を変質させ、支持体1から分離した基板4を洗浄するために用いられる。基板洗浄用キットは、接着層3を溶解可能な第1溶剤に所定の樹脂を溶解させ、基板4を洗浄するための第1洗浄液R1と、第1洗浄液R1による洗浄後に用いられ、接着層3を溶解可能な第2溶剤を有し、基板4を洗浄するための第2洗浄液R2と、を含む。この基板洗浄用キットは、上記した基板洗浄方法に用いることができる。
このように、本実施形態によれば、基板4から支持体2を剥離した後に第1洗浄工程及び第2洗浄工程を行うことにより、接着層3の表面3a及び接着層3内に残存している残渣2aの大部分を基板4から除去することができる。その結果、基板4に不要な残渣2a等が極めて少ないので、その後の工程を精度よく行うことが可能となり、電子デバイスの品質低下を防止できる。
続いて、実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
・積層体の形成
先ず、支持基体上に分離層形成用組成物をスピン塗布し、温度90℃で300秒間の条件で加熱して、膜を形成した。次いで、この形成された膜を、大気環境下、300℃で10分間の条件で焼成して、支持体上に厚さ0.3μmの分離層を形成した。
次に、この分離層上に、接着剤組成物をスピン塗布し、90℃で4分間、160℃で4分間、220℃で4分間加熱することにより、分離層上に厚さ50μmの接着層を形成した。
次に、ダイボンダーを用いて、接着層上にシリコン製の基板を圧着して積層体を得た。
分離層形成用組成物には、以下のものを用いた。
TZNR(登録商標)−CTRL9(東京応化工業株式会社製):アミノフェノール骨格を有する樹脂(GSP−01、GSP―02(群栄化学工業株式会社製))
接着剤組成物には、以下のものを用いた。
TZNR(登録商標)−A4017(東京応化工業株式会社製):H1051(旭化成株式会社製)及びSepton2002(株式会社クラレ製)を含むエラストマー接着剤。
・支持体の剥離
上記した積層体の支持体側から、分離層に対して、走査速度6400mm/秒、周波数40kHz、出力(電流値)22A、照射ピッチ180μmの条件にて、波長532nmのレーザ光を照射した。その後、この積層体の基板から支持体を剥離した。
・第1洗浄工程
第1洗浄液の第1溶剤として、「デカリンと酢酸ブチルとの混合液」、「酢酸ブチルとp-メンタンとの混合液」、「p−メンタン」の3種類を使用した。
所定の樹脂として、接着剤組成物であるスチレン系熱可塑性エラストマーの「Septon2002(株式会社クラレ製)」を、3種類の第1溶剤に、それぞれ第1洗浄液に対して3重量%、3.5重量%、5重量%となるように溶解させた。
以上ように作成したそれぞれの第1洗浄液を、支持体を剥離した後の基板に対して、流量90g/minでパドル洗浄1分間、スピン洗浄1分間行った。その後、1分間の乾燥を行った。
・第2洗浄工程
第1洗浄工程を行った各基板を、第2溶剤を有する第2洗浄液で洗浄した。なお、第2洗浄液の第2溶剤は、第1溶剤と同一のものを使用した。すなわち、第1洗浄液の第1溶剤が「デカリンと酢酸ブチルとの混合液」である場合には、第2洗浄液の第2溶剤として「デカリンと酢酸ブチルとの混合液」を用いた。また、第1洗浄液の第1溶剤が「酢酸ブチルとp-メンタンとの混合液」である場合には、第2洗浄液の第2溶剤として「酢酸ブチルとp-メンタンとの混合液」を用いた。また、第1洗浄液の第1溶剤が「p−メンタン」である場合には、第2洗浄液の第2溶剤として「p−メンタン」を用いた。
第2洗浄液による洗浄は、流量90g/minでパドル洗浄1分間、スピン洗浄1分間行った。その後、1分間の乾燥を行った。第2洗浄工程後に、基板の表面に残っている残渣(直径が10μm以上)をパーティクルカウンターにより測定して評価を行った。評価結果を表1に示す。表1において、○印は残渣が30個以下、×印は31個以上であることを示している。また、表1において、−は未計測を示している。
Figure 2020191429
(比較例)
支持体を剥離した後の基板に対して、「デカリンと酢酸ブチルとの混合液」、「酢酸ブチルとp-メンタンとの混合液」、「p−メンタン」の3種を洗浄液として用いた。この洗浄液による洗浄は、流量90g/minでパドル洗浄1分間、スピン洗浄1分間行った。その後、1分間の乾燥を行った。洗浄後に、基板の表面に残っている残渣(直径が10μm以上)をパーティクルカウンターにより測定して評価を行った。評価結果を表2に示す。表2において、○印は残渣が30個以下、×印は31個以上であることを示している。なお、比較例の洗浄液では、樹脂を溶解させていないので、濃度0%と表記している。
Figure 2020191429
表2で示すように、「デカリンと酢酸ブチルとの混合液」、「酢酸ブチルとp-メンタンとの混合液」、「p−メンタン」を単体で用いた場合には、基板の表面に残っている直径10μm以上の残渣が31個以上となることが確認された。一方、表1で示すように、3種の第1溶剤にそれぞれSepton2002を濃度が3〜5重量%で溶解した第1洗浄液を用いて第1洗浄工程を行い、続いて、第1溶剤と同一の第2溶剤を有する第2洗浄液により第1洗浄工程を行えば、基板の表面に残っている直径10μm以上の残渣が30個以下になる場合があることが確認された。
以上、実施形態及び実施例について説明したが、本発明は、上述した説明に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。例えば、上記した実施形態において、積層体100(100A)を形成する手法は一例であり、他の手法により積層体100(100A)が形成されてもよい。
1・・・支持体、2・・・分離層、2a・・・残渣、3・・・接着層、3a・・・表面、4、4A・・・基板、41・・・電子部品、41a・・・上面、42・・・モールド、42a、42b・・・上面、5・・・樹脂層、6、6A・・・基板洗浄装置、61・・・第1洗浄部、611・・・第1洗浄液供給装置、612・・・ノズル、62・・・第2洗浄部、621・・・第2洗浄液供給装置、622・・・ノズル、64・・・切り換え部、641・・・ノズル

Claims (12)

  1. 支持体と、分離層と、接着層と、基板とがこの順に積層された積層体における前記分離層を変質させ、前記支持体から分離した前記基板を洗浄する基板洗浄方法であって、
    前記接着層を溶解可能な第1溶剤に所定の樹脂を溶解させた第1洗浄液により前記基板を洗浄する第1洗浄工程と、
    前記第1洗浄工程の後、前記接着層を溶解可能な第2溶剤を有する第2洗浄液により前記基板を洗浄する第2洗浄工程と、を含む、基板洗浄方法。
  2. 前記基板は、電子部品を含む、請求項1に記載の基板洗浄方法。
  3. 前記分離層は、光の照射により変質し、
    前記積層体に対して前記光を照射することで前記分離層を変質させ、前記支持体から分離した前記基板に対して前記第1洗浄工程を行う、請求項1又は請求項2に記載の基板洗浄方法。
  4. 前記積層体における前記接着層は、接着剤を溶解した溶液を塗布、乾燥することで形成されるものであり、
    前記第1溶剤及び前記第2溶剤の一方又は双方は、前記接着層の形成に使用された前記溶液の溶剤と極性が一致する又は極性が近い、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の基板洗浄方法。
  5. 前記第1溶剤及び前記第2溶剤の一方又は双方は、前記溶液の溶剤と同一である、請求項4に記載の基板洗浄方法。
  6. 前記第1洗浄液及び前記第2洗浄液の一方又は双方は、炭化水素系溶剤を含む、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の基板洗浄方法。
  7. 前記第1洗浄液及び前記第2洗浄液の一方又は双方は、前記炭化水素系溶剤に加え、さらにエステル系溶剤を含む、請求項6に記載の基板洗浄方法。
  8. 前記所定の樹脂は、前記接着層の形成に使用された接着剤に含まれる樹脂である、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の基板洗浄方法。
  9. 前記所定の樹脂は、スチレン系熱可塑性エラストマー又は環状オレフィンコポリマーである、請求項1から請求項8のいずれかに記載の基板洗浄方法。
  10. 前記所定の樹脂は、前記第1洗浄液において3〜5重量%含まれる、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の基板洗浄方法。
  11. 支持体と、分離層と、接着層と、基板とがこの順に積層された積層体における前記分離層を変質させ、前記支持体から分離した前記基板を洗浄する基板洗浄装置であって、
    前記接着層を溶解可能な第1溶剤に所定の樹脂を溶解させた第1洗浄液により前記基板を洗浄する第1洗浄部と、
    前記第1洗浄工程の後、前記接着層を溶解可能な第2溶剤を有する第2洗浄液により前記基板を洗浄する第2洗浄部と、を備える、基板洗浄装置。
  12. 支持体と、分離層と、接着層と、基板とがこの順に積層された積層体における前記分離層を変質させ、前記支持体から分離した前記基板を洗浄するための基板洗浄用キットであって、
    前記接着層を溶解可能な第1溶剤に所定の樹脂を溶解させ、前記基板を洗浄するための第1洗浄液と、
    前記第1洗浄液による洗浄後に用いられ、前記接着層を溶解可能な第2溶剤を有し、前記基板を洗浄するための第2洗浄液と、を含む、基板洗浄用キット。
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