JP2020189922A - エポキシ樹脂組成物、基材および繊維強化複合材料 - Google Patents

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JP2020189922A JP2019095756A JP2019095756A JP2020189922A JP 2020189922 A JP2020189922 A JP 2020189922A JP 2019095756 A JP2019095756 A JP 2019095756A JP 2019095756 A JP2019095756 A JP 2019095756A JP 2020189922 A JP2020189922 A JP 2020189922A
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秀樹 英
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啓之 平野
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大典 小西
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Abstract

【課題】変形能力と速硬化性が共に優れるエポキシ樹脂組成物、および該エポキシ樹脂組成物を用いた基材、ならびに該基材を硬化させてなる繊維強化複合材料を提供すること。【解決手段】次の成分[A]、[B]、[C]、[D]を含み、下記条件[a]、[b]、[c]、[d]を満たすエポキシ樹脂組成物。[A]:フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のエポキシ樹脂[B]:25℃で液状のビスフェノール型エポキシ樹脂[C]:ジシアンジアミド[D]:芳香族ウレア[a]:成分[C]の活性水素モル数/エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂の活性基モル数が1.10以上1.30以下[b]:エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂100質量部中、成分[A]と成分[B]の和が90質量部以上[c]:エポキシ樹脂組成物を130℃で90分間反応させて得られる樹脂硬化物の曲げ破断ひずみが7%以上[d]:エポキシ樹脂組成物の150℃での誘電測定において、キュアインデックスが70%に到達するまでの時間が測定開始から3分以下【選択図】なし

Description

本発明は、スポーツ用途および一般産業用途に適した繊維強化複合材料のマトリックス樹脂として好ましく用いられるエポキシ樹脂組成物、ならびに、これをマトリックス樹脂とした基材および繊維強化複合材料に関するものである。
エポキシ樹脂組成物は、高い耐熱性、接着性、および機械強度に優れるという特徴を生かし、繊維強化複合材料のマトリックス樹脂として汎用される。繊維強化複合材料の製造には、搬送や形状付与の容易さから、あらかじめマトリックス樹脂を強化繊維に含浸させた中間基材が多用される。中間基材の形態としてはシート状に強化繊維を配列させたプリプレグや、強化繊維にマトリックス樹脂を含浸した、トウプリプレグ、ヤーンプリプレグなどの細幅の中間基材などが挙げられる。
近年、産業用途への繊維強化複合材料の適用が一般的となり、製造のサイクルタイムの短縮によるコストダウンの要求が高まっている。サイクルタイムの短縮には、エポキシ樹脂の硬化時間を短縮する手法が有効である。一方で、速硬化性を付与したエポキシ樹脂は、しばしば力学特性、特に樹脂硬化物の変形能力が低下し、繊維強化複合材料の90°方向の力学特性の低下が問題となる。
特許文献1には、芳香環を有するエポキシ樹脂とネオペンチル構造を有する多官能脂肪族エポキシ樹脂とを併用することにより、エポキシ樹脂硬化物の耐熱性、弾性率、伸度のバランスを改善させる技術が開示されている。
特許文献2には、硬化剤、硬化促進剤の配合量を調整することで、エポキシ樹脂組成物の速硬化性を向上させる技術が開示されている。
特許文献3には、ノボラック型エポキシ樹脂、25℃で固形のビスフェノール型エポキシ樹脂、およびホウ酸エステルを含むことで、エポキシ樹脂組成物の弾性率、撓み、保存安定性を向上させる技術が開示されている。
特開2014−167103号公報 特表2016−500409号公報 特開2016−148020号公報
特許文献1に開示されたエポキシ樹脂組成物は、硬化物の伸度に優れ変形能力が高いものの、硬化時間が長いという課題があった。
特許文献2に開示されたエポキシ樹脂組成物は、速硬化性に優れるものの、硬化剤および硬化促進剤が多量に含まれており、樹脂硬化物の変形能力が低く、機械特性が不足するという課題を有していた。
特許文献3に開示されたエポキシ樹脂組成物は速硬化性に優れるものの、固形成分を多量に含むために樹脂硬化物の変形能力が低く、機械特性が不足するという課題を有していた。
以上を踏まえ、硬化物の弾性率を損なうことなく変形能力を向上させ、かつ速硬化性を有するエポキシ樹脂組成物が求められている。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記構成からなるエポキシ樹脂組成物を見いだし、本発明を完成させるに至った。すなわち本発明のエポキシ樹脂組成物は、以下の構成からなる。
次の成分[A]、[B]、[C]、[D]を含み、下記条件[a]、[b]、[c]、[d]を満たすエポキシ樹脂組成物。
[A]:フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のエポキシ樹脂
[B]:25℃で液状のビスフェノール型エポキシ樹脂
[C]:ジシアンジアミド
[D]:芳香族ウレア
[a]:成分[C]の活性水素モル数/エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂の活性基モル数が1.10以上1.30以下
[b]:エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂100質量部中、成分[A]と成分[B]の和が90質量部以上
[c]:エポキシ樹脂組成物を130℃で90分間反応させて得られる樹脂硬化物の曲げ破断ひずみが7%以上
[d]:エポキシ樹脂組成物の150℃での誘電測定において、キュアインデックスが70%に到達するまでの時間が測定開始から3分以下。
また、本発明の基材は、上記エポキシ樹脂組成物と強化繊維からなる。
さらに、本発明の繊維強化複合材料は、上記基材が硬化されてなる。
本発明に記載のエポキシ樹脂組成物を用いることで、機械特性、特に樹脂硬化物の変形能力と速硬化性を両立した基材および繊維強化複合材料を提供することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、[A]フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のエポキシ樹脂、[B]25℃で液状のビスフェノール型エポキシ樹脂、[C]ジシアンジアミド、[D]芳香族ウレアを必須成分として含む。まず、これらの構成成分について説明する。
(成分[A])
本発明における成分[A]は、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、またはビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のエポキシ樹脂である。
前記フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、“jER(登録商標)”152、154(三菱ケミカル(株)製)、“EPICLON(登録商標)”N−730A、N−740、N−770、N−775(DIC(株)製)、“Epotec(登録商標)”YDPN−638(新日鉄住金化学(株)製)、DEN431、DEN438、DEN439(ダウケミカル社製)、PY307−1、EPN1179、EPN1180(ハンツマン・アドバンスド・マテリアル社製)、EPPN−201、EPPN−201−55、EPPN−201−80(日本化薬(株)製)などが挙げられる。
前記クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、“EPICLON(登録商標)”N−660、N−665、N−670、N−673、N−680、N−690、N−695(DIC(株)製)、“Epotec(登録商標)”YDCN−700−3、YDCN−700−7、YDCN−700−10、YDCN−704、YDCN−704A(新日鉄住金化学(株)製)、ECN1273、ECN1280、ECN1285、ECN1299、ECN9511(ハンツマン・アドバンスド・マテリアル社製)、EOCN−1020、EOCN−102S、EOCN−103S、EOCN−104S(日本化薬(株)製)などが挙げられる。
前記ナフタレンノボラック型エポキシ樹脂としては、NC−7000−L、NC−7300−L(日本化薬(株)製)などが挙げられる。
前記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂としては、“EPICLON(登録商標)”HP7200L、HP7200、HP7200H、HP7200HH、HP7200HHH(DIC(株)製)、XD−1000(日本化薬(株)製)などが挙げられる。
前記ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂としては、NC−3000、NC−3000−L、NC−3000−H、NC−3100(日本化薬(株)製)などが挙げられる。
成分[A]は、全エポキシ100質量部のうち55〜85質量部含むことが好ましく、さらに好ましくは70〜80質量部の範囲である。上記範囲を満たすことで、硬化物の耐熱性と変形能力により優れたエポキシ樹脂組成物が得られる。
(成分[B])
本発明における成分[B]は、25℃において液状のビスフェノール型エポキシ樹脂である。
ここで、25℃で液状とは、25℃において40Pa・s以下の粘度であることを指す。粘度は、例えばレオメーター等を用いて、測定することができる。
かかる成分[B]は、液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂などが挙げられる。
25℃において液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、例えば“jER(登録商標)”825、827、828、828EL、828US、828XA、801N、801PN、802、811、813、816A、819(三菱ケミカル(株)製)、“EPICLON(登録商標)”840、840−S、850、850−S、EXA−850CRP、850−LC(DIC(株)製)、“エポトート(登録商標)”YD−127、YD−128、YD−128G、YD−128S、YD−128CA(新日鉄住金化学(株)製)、DER330、DER331、DER332、DER383(ダウケミカル社製)などが挙げられる。
25℃において液状のビスフェノールF型エポキシとしては、例えば“EPICLON(登録商標)”830、830−S、835、EXA−830CRP、EXA−830LVP、EXA−835LV(DIC(株)製)、“エポトート(登録商標)”YDF−170、YDF−170N(新日鉄住金化学(株)製)、DER354(ダウケミカル社製)などが挙げられる。
25℃において液状ではないビスフェノール型エポキシ樹脂の場合、樹脂硬化物の曲げ破断ひずみが低下する。
また、成分[B]は、平均エポキシ当量が190g/eq以下のビスフェノールF型エポキシ樹脂が、より変形能力に優れた樹脂硬化物が得られるため好ましい。
本発明における成分[C]は、ジシアンジアミドである。ジシアンジアミドは、エポキシ樹脂硬化物に優れた機械特性や耐熱性を付与でき、未硬化時の安定性にも優れるため、中間基材に好適に用いられる。
前記ジシアンジアミドの市販品としては、“jERキュア(登録商標)”DICY7、DICY15(三菱ケミカル(株)製)が挙げられる。
本発明における[D]は、芳香族ウレアである。
前記芳香族ウレアの具体例としては、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア、3−(4−クロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア、フェニルジメチルウレア、トルエンビスジメチルウレアなどが挙げられる。また、芳香族ウレアの市販品としては、DCMU−99(保土ヶ谷化学工業(株)製)、“Omicure(登録商標)”24(ピィ・ティ・アイ・ジャパン(株)製)、“Dyhard(登録商標)”UR505(CVC社製)が挙げられる。
エポキシ樹脂組成物の速硬化性および樹脂硬化物の耐熱性を向上させる観点から、トルエンビスジメチルウレアを成分[D]として用いることが好ましい。
本発明では、成分[A]および成分[B]とは異なるエポキシ樹脂を用いても良い。
かかるエポキシ樹脂としては、例えば、25℃において固形のビスフェノールA型エポキシ樹脂、25℃において固形のビスフェノールF型エポキシ樹脂、アニリン型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルスルホン型エポキシ樹脂、キシレンジアミン型エポキシ樹脂などが挙げられる。これらを単独で用いても、複数種を組み合わせてもよい。
前記の25℃において固形のビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、“jER(登録商標)”1001、1004K、1007FS、1007、1009(三菱ケミカル(株)製)などが挙げられる。
前記の25℃において固形のビスフェノールF型エポキシ樹脂の市販品としては、“jER(登録商標)”4004P、4005P、4007P、4010P(三菱ケミカル(株)製)、“エポトート(登録商標)”YDF−2001(東都化成(株)製)などが挙げられる。
前記アニリン型エポキシ樹脂の市販品としては、GAN(N,N−ジグリシジルアニリン)、GOT(N,N−ジグリシジル−o−トルイジン)(日本化薬(株)製)などが挙げられる。
前記ジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂の市販品としては、“スミエポキシ(登録商標)”ELM434、ELM434VL(住友化学工業(株)製)、YH434L(新日鉄住金化学(株)製)、“jER(登録商標)”604(三菱ケミカル(株)製)、“アラルダイト(登録商標)”MY720、MY721(以上、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製)などが挙げられる。
前記ジアミノジフェニルスルホン型エポキシの市販品としては、TG3DAS(小西化学工業(株)製)などが挙げられる。
前記キシレンジアミン型エポキシ樹脂の市販品としては、TETRAD−X(三菱ガス化学(株)製)が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、機械特性および靱性の向上、粘弾性の調整、中間基材のタック・ドレープ特性の改良などを目的として、熱可塑性樹脂を配合してもよい。かかる熱可塑性樹脂としては、ポリビニルホルマールやポリビニルブチラールに代表されるポリアセタール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリメチルメタクリレートなどが挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、次の条件[a]を満たす。
[a]:成分[C]の活性水素モル数/エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂の活性基モル数が1.10以上1.30以下
ここで、エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂の活性基モル数は各エポキシ樹脂の活性基のモル数の総和であり、下式にて算出される。
エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂の活性基モル数=(成分[A]の質量/成分[A]のエポキシ当量)+(成分[B]の質量/成分[B]のエポキシ当量)+・・・。
また、成分[C]の活性水素モル数については、下式によって算出される。
成分[C]の活性水素モル数=ジシアンジアミドの質量/ジシアンジアミドの活性水素当量。
成分[C]の活性水素モル数/エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂の活性基モル数は1.10〜1.30の範囲内にある。
かかる範囲を下回る場合はエポキシ樹脂組成物の速硬化性が不十分となり、上回る場合は樹脂硬化物の変形能力が不十分となる。かかる範囲を満たすことで、速硬化性を持ちつつ、樹脂硬化物の変形能力に優れるエポキシ樹脂組成物が得られる。
また、成分[C]の活性水素モル数/エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂の活性基モル数が1.15〜1.25の範囲内にあると、これらのバランスがより優れるため好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、以下の条件[b]を満たす。
[b]:エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂100質量部中、成分[A]と成分[B]の総和が90質量部以上
ここで、成分[A]と成分[B]の総和が90質量部を下回る場合、エポキシ樹脂組成物の速硬化性と樹脂硬化物の変形能力が不足する。
また、100質量部であることで、樹脂硬化物の弾性率、強度、変形能力のバランスに優れるエポキシ樹脂組成物が得られるため特に好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、以下の条件[c]を満たす。
[c]:エポキシ樹脂組成物を130℃で90分間反応させて得られる樹脂硬化物の曲げ破断ひずみが7%以上
樹脂硬化物の曲げ破断ひずみが7%未満の場合、繊維強化複合材料としたときの90°方向の力学特性が低下する。
ここで、樹脂硬化物の変形能力については、JIS K7171(1994)規格に準じた三点曲げ試験の破断ひずみによって評価することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、以下の条件[d]を満たす。
[d]:エポキシ樹脂組成物の150℃での誘電測定において、キュアインデックスが70%に到達するまでの時間が測定開始から3分以下
150℃でのキュアインデックス70%到達時間が3分を超える場合は、量産を目指した成形のサイクルタイムとして不十分である。
本発明のエポキシ樹脂組成物の速硬化性は、ASTM E2039規格に準じた誘電測定によって評価できる。
本発明のエポキシ樹脂組成物の調製には、例えばニーダー、プラネタリーミキサー、3本ロールまたは2軸押出機といった機械を用いて混練しても良いし、均一な混練が可能であれば、ビーカーとスパチュラなどを用い、手で混ぜても良い。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、強化繊維に含浸させた中間基材として用いることができる。中間基材の形態としては、プリプレグ、トウプリプレグ、スリットテープなどが挙げられる。中間基材の形態に応じて製造方法や、マトリックス樹脂として好適な粘度が異なる。
本発明に用いられる強化繊維は特に限定されるものではなく、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維などが使用できる。これらの繊維を2種以上混合して用いても構わない。軽量かつ高剛性な繊維強化複合材料が得られる観点から、炭素繊維を用いることが好ましい。
前記プリプレグにおいて、本発明のエポキシ樹脂組成物を強化繊維基材に含浸させる方法としては、ホットメルト法(ドライ法)などを挙げることができる。ホットメルト法は、加熱により低粘度化したエポキシ樹脂組成物を直接強化繊維に含浸させる方法、または離型紙などの上にエポキシ樹脂組成物をコーティングしたフィルムを作製しておき、次いで強化繊維の両側または片側から前記フィルムを重ね、加熱加圧して樹脂を含浸させる方法であるため、加圧工程に適するように、エポキシ樹脂組成物の粘度を適切に高める必要がある。
前記トウプリプレグは、様々な公知の方法で製造することができる。たとえば、本発明のエポキシ樹脂組成物を、有機溶媒を用いず、強化繊維に常温から40℃程度の温度で浸漬させながら含浸させる方法、該エポキシ樹脂組成物を回転ロールや離型紙上に塗膜化し、次いで強化繊維の片面、あるいは両面に転写したあと、屈曲ロールや圧力ロールを通すことで加圧して含浸させる方法などで製造できる。
上記方法で製造した中間基材を積層、巻き付け等により所望の形状として、エポキシ樹脂組成物を硬化させることで、繊維強化複合材料を得ることができる。
本発明の繊維強化複合材料の製造方法は、一般産業用途に好ましく用いられる。より具体的には、自動車、自転車、船舶および鉄道車両などの構造材の製造に好ましく用いられる。なかでも、本発明のエポキシ樹脂組成物は速硬化性と変形能力に優れるため、繊維強化複合材料のハイサイクル成形が要求される、自動車部材に好適に用いられる。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の記載に限定されるものではない。
本実施例で用いる構成要素は以下の通りである。
<使用した材料>
・成分[A]:フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のエポキシ樹脂
[A]−1 “jER(登録商標)”154(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、平均エポキシ当量:178g/eq、平均官能基数:3.0個/分子、三菱ケミカル(株)製)、
[A]−2 “Epotec(登録商標)”YDPN−638(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、平均エポキシ当量:180g/eq、平均官能基数:3.6個/分子、新日鉄住金化学(株)製)、
[A]−3 “EPICLON(登録商標)”N−660(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、平均エポキシ当量:207g/eq、平均官能基数:4.3個/分子、DIC(株)製)、
[A]−4 “EPICLON(登録商標)”N−695(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、平均エポキシ当量:214g/eq、平均官能基数:7.6個/分子、DIC(株)製)、
[A]−5 NC−7300−L(ナフタレンノボラック型エポキシ樹脂、平均エポキシ当量:214g/eq、平均官能基数:3.8個/分子、日本化薬(株)製)、
[A]−6 “EPICLON(登録商標)”HP−7200−L(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、平均エポキシ当量:278g/eq、平均官能基数:3.0個/分子、DIC(株)製)、
[A]−7 NC−3000−L(ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、平均エポキシ当量:272g/eq、平均官能基数:2.0個/分子、日本化薬(株)製)。
・成分[B]:25℃で液状のビスフェノール型エポキシ樹脂
[B]−1 “jER(登録商標)”828(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、平均エポキシ当量:189g/eq、三菱ケミカル(株)製)、
[B]−2 “EPICLON(登録商標)”830(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、平均エポキシ当量:172g/eq、DIC(株)製)。
・成分[C]:ジシアンジアミド
[C]−1 “jERキュア(登録商標)”DICY7(ジシアンジアミド、三菱ケミカル(株)製)。
・成分[D]:芳香族ウレア
[D]−1 DCMU99(3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア、保土ヶ谷化学工業(株)製)、
[D]−2 “Omicure(登録商標)”24(2,4−ビス(3,3−ジメチルウレイド)トルエン、ピィ・ティ・アイ・ジャパン(株)製)、
[D]−3 “Dyhard(登録商標)”UR505(2,4−ビス(3,3−ジメチルウレイド)トルエン、Alzchem社製)。
・その他エポキシ樹脂
“jER(登録商標)”1001(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、平均エポキシ当量:475g/eq、三菱ケミカル(株)製)、
“Epokukdo(登録商標)”YD−136(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、平均エポキシ当量:320g/eq、Kukdo社製)、
“エポトート(登録商標)”YDF−2001(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、平均エポキシ当量:485g/eq、東都化成(株)製)、
“デナコール(登録商標)”EX−411(ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、平均エポキシ当量:229g/eq、ナガセケムテックス(株)製)。
・その他硬化剤
4,4−DDE(4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、三井化学ファイン(株)製)、
“Lonzacure(登録商標)”m−MIPA(4,4’−メチレン−ビス(2−イソプロピル−6−メチルアニリン)、Lonza社製)。
・熱可塑性樹脂
“ビニレック(登録商標)”K(ポリビニルホルマール、JNC(株)製)、
“フェノトート(登録商標)”YP−50P(フェノキシ樹脂、新日鉄住金化学(株)製)。
・その他添加剤
“キュアダクト(登録商標)”L−07N(四国化成(株)製)。
<エポキシ樹脂組成物の調製方法>
ステンレスビーカーに[C]ジシアンジアミド、[D]芳香族ウレア以外の成分を所定量秤量した後、60〜150℃まで昇温させ、各成分が相溶するまで適宜混練した。ポリエチレン製カップに所定量の[B]−1(“jER(登録商標)”828)、[B]−2(“EPICLON(登録商標)”830)、および[C]−1“jERキュア(登録商標)”DICY7を添加し、三本ロールを用いて混合物をロール間に2回通すことでジシアンジアミドマスターを作製した。上記で作製した主剤成分を60℃に降温させた後、主剤成分とジシアンジアミドマスターを均一になるまで混練した。混練後、[D]芳香族ウレアを添加し、60℃において30分間混練することでエポキシ樹脂組成物を得た。
<エポキシ樹脂硬化物の曲げ破断ひずみの評価方法>
<エポキシ樹脂組成物の調製方法>において得られたエポキシ樹脂組成物を真空中にて脱泡させた後、厚さ2mmの“テフロン(登録商標)”製スペーサーを挟み込んだ2mm厚のモールドに注型した。注型後、130℃、90分間の加熱によりモールド内部のエポキシ樹脂組成物を硬化させることで、厚さ2mmの樹脂硬化物を得た。得られた樹脂硬化物から幅10mm、長さ60mmとなるように試験片を6本切り出した後、インストロン万能試験機(インストロン社)による三点曲げ試験を実施した。スパン間32mm、クロスヘッドスピード10mm/分に設定した後、JIS K7171(1994)規格に準拠して三点曲げ試験を行うことで曲げ破断ひずみを測定した。各サンプルの実測値の平均を取ることで、曲げ破断ひずみの測定結果として採用した。
<エポキシ樹脂組成物の硬化時間の評価方法>
<エポキシ樹脂組成物の調製方法>において得られたエポキシ樹脂組成物を2mL秤量した後、マイクロプレス上に静置して挟み込み、キュアモニターLT−451(Lambient Technologies社製)によってイオン粘度を測定した。エポキシ樹脂組成物のイオン粘度は硬化時に最小値をとり、硬化の進行に伴い増加後、完了と共に飽和する。本発明においてはASTM E2039規格に従い、150℃、1時間の条件下におけるイオン粘度の実測値からキュアインデックスを算出し、キュアインデックスが70%に到達するまでの時間を硬化時間として採用した。
<エポキシ樹脂組成物のガラス転移温度の評価方法>
<エポキシ樹脂硬化物の曲げ破断ひずみの評価方法>と同様の手法を用いて樹脂硬化物を作製した後、幅12.7mm、長さ45mmとなるように試験片を切り出した。得られた試験片を用い、動的粘弾性装置ARES(TA Instruments Japan社製)によるねじりDMA測定を行った。40℃から220℃まで5℃/分にて昇温することでゴム状態弾性率を測定した。得られた測定結果から、ガラス転移によるショルダーピークの低温側のベースラインおよびショルダー部の勾配が最大である点にそれぞれ接線を引き、その交点の温度をガラス転移温度とした。
<プリプレグの作製方法>
ナイフコーターを用い、<エポキシ樹脂組成物の調製方法>において得られたエポキシ樹脂組成物を離径紙に塗布させた後、目付が36g/mである樹脂フィルムを2枚作製した。続いて、シート状に一方向に配列した炭素繊維“トレカ(登録商標)”T700S−50C−24K(東レ(株)製、目付150g/m)に対し、得られた樹脂フィルムを炭素繊維の両面に重ねた後、110℃、2MPaの加圧加熱によりエポキシ樹脂を含浸させ、一方向のプリプレグを得た。得られたプリプレグの線質量含有率は67%であった。
<繊維強化複合材料の成形方法>
上記<プリプレグの作製方法>により得られたプリプレグを用い、繊維方向が同一となるように14ply分積層させた。得られた積層体をオートクレーブ中において2.5℃/分の速さで130℃まで昇温させた後、130℃、1.5時間、0.3MPaの条件下において加圧加熱成形することで、厚みが約2mmの一方向繊維強化複合材料の平板を得た。
<繊維強化複合材料の0°曲げ強度の評価方法>
上記<繊維強化複合材料の成形方法>にて得られた繊維強化複合材料の平板から、幅15mm、長さ100mmとなるように試験片を6本切り出した後、インストロン万能試験機(インストロン社)による三点曲げ試験を実施した。スパン間80mm、クロスヘッドスピード5.0mm/分に設定した後、JIS K7074(1988)規格に準拠して三点曲げ試験を行うことで、0°曲げ強度を測定した。
<繊維強化複合材料の90°曲げ強度の評価方法>
上記<繊維強化複合材料の成形方法>にて得られた繊維強化複合材料の平板から、幅15mm、長さ60mmとなるように試験片を6本切り出した後、インストロン万能試験機(インストロン社)による三点曲げ試験を実施した。スパン間80mm、クロスヘッドスピード5.0mm/分に設定した後、JIS K7074(1988)規格に準拠して三点曲げ試験を行うことで、90°曲げ強度を測定した。
(実施例1)
成分[A]としてフェノールノボラック型エポキシ樹脂“jER(登録商標)”154を75質量部、成分[B]として25℃で液状のビスフェノール型エポキシ樹脂“EPICLON(登録商標)”830を25質量部、成分[C]としてジシアンジアミド“jERキュア(登録商標)”DICY7を8.2質量部、および成分[D]として芳香族ウレアDCMU−99を4.5質量部、熱可塑性樹脂として“ビニレック(登録商標)”Kを7質量部用い、上記<エポキシ樹脂組成物の調製方法>に従ってエポキシ樹脂組成物を調製した。このエポキシ樹脂組成物の、成分[C]の活性水素モル数/((成分[A]の活性基モル数)+(成分[B]の活性基モル数))は1.20(条件[a])、エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂100質量部中、成分[A]と成分[B]の和は100質量部であった(条件[b])。
このエポキシ樹脂組成物について、曲げ破断ひずみを<エポキシ樹脂組成物の曲げ破断ひずみの評価方法>に従って測定した結果、曲げ破断ひずみは10.4%と良好な値を示した(条件[c])。また、硬化時間を<エポキシ樹脂組成物の硬化時間の評価方法>に従って測定した結果、硬化時間は2.1分となり良好であった(条件[d])。さらに、<エポキシ樹脂組成物のガラス転移温度の評価方法>に従って測定した結果、ガラス転移温度は147℃と良好な値を示した。
<プリプレグの作製方法>、<繊維強化複合材料の成形方法>に従い、プリプレグ、繊維強化複合材料をそれぞれ作製した後、<繊維強化複合材料の0°曲げ強度の評価方法>、<繊維強化複合材料の90°曲げ強度の評価方法>に従って繊維強化複合材料の0°曲げ試験、90°曲げ試験をそれぞれ実施した。得られた繊維強化複合材料の0°曲げ強度、90°曲げ強度はそれぞれ1750MPa、104MPaであり、良好であった。
(実施例2〜9)
表1に示す通りに樹脂組成を変化させたことを除き、実施例1と同様の手法によりエポキシ樹脂組成物、プリプレグ、および繊維強化複合材料を作製した。
これらのエポキシ樹脂組成物の、成分[C]の活性水素モル数/((成分[A]の活性基モル数)+(成分[B]の活性基モル数))は1.20(条件[a])、エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂100質量部中、成分[A]と成分[B]の和は100質量部であった(条件[b])。これらのエポキシ樹脂組成物の曲げ破断ひずみは9.0%以上(条件[c])、硬化時間は2.3分以下であった(条件[d])。また、得られた樹脂組成物は、いずれも実施例1と同様、曲げ破断ひずみ、硬化時間、ガラス転移温度は良好な値を示した。また、得られた繊維強化複合材料の0°曲げ強度、90°曲げ強度はそれぞれ良好であった。
(実施例10〜22)
表2、表3に示す通りに樹脂組成を変化させたことを除き、実施例1と同様の手法によりエポキシ樹脂組成物を調製した。
これらのエポキシ樹脂組成物の、成分[C]の活性水素モル数/((成分[A]の活性基モル数)+(成分[B]の活性基モル数)+(その他エポキシ樹脂の活性基モル数))は1.13〜1.28(条件[a])、エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂100質量部中、成分[A]と成分[B]の和は90質量部以上(条件[b])であった。これらのエポキシ樹脂組成物の曲げ破断ひずみは7.0%以上(条件[c])、硬化時間は3.0分以下(条件[d])、ガラス転移温度は126℃以上となった。
得られた樹脂組成物は、いずれも実施例1〜9には劣るものの、曲げ破断ひずみ、硬化時間、ガラス転移温度は良好な値を示した。
(比較例1)
表4に示す通りに樹脂組成を変化させたことを除き、実施例1と同様の手法によりエポキシ樹脂組成物を調製した。このエポキシ樹脂組成物の、成分[C]の活性水素モル数/(成分[B]の活性基モル数)は1.20であった。このエポキシ樹脂組成物は成分[A]を含まず、エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂100質量部中、成分[B]は100質量部であった。
成分[B]を100質量部含むため、このエポキシ樹脂組成物の曲げ破断ひずみは10.1%と良好であった。一方、成分[A]を含まないために硬化時間が不十分であり、5.2分となった。
(比較例2)
表4に示す通りに樹脂組成を変化させたことを除き、実施例1と同様の手法によりエポキシ樹脂組成物を調製した。このエポキシ樹脂組成物の、成分[C]の活性水素モル数/((成分[A]の活性基モル数)+(その他エポキシ樹脂の活性基モル数))は1.20であった。このエポキシ樹脂組成物は成分[B]を含まず、エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂100質量部中、成分[A]は75質量部であった。
このエポキシ樹脂組成物は成分[B]を含まないため、曲げ破断ひずみが不十分であり、5.2%となった。さらに、成分[A]が90質量部未満であったために硬化時間が不十分であり、4.0分となった。
(比較例3)
表4に示す通りに樹脂組成を変化させたことを除き、実施例1と同様の手法によりエポキシ樹脂組成物を調製した。このエポキシ樹脂組成物の、成分[C]の活性水素モル数/((成分[A]の活性基モル数)+(その他エポキシ樹脂の活性基モル数))は1.20であった。このエポキシ樹脂組成物は成分[B]を含まず、エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂100質量部中、成分[A]は75質量部であった。
このエポキシ樹脂組成物は成分[B]を含まないため、曲げ破断ひずみが不十分であり、5.5%となった。さらに、成分[A]が90質量部未満であったために硬化時間が不十分であり、3.8分となった。
(比較例4)
表4に示す通りに樹脂組成を変化させたことを除き、実施例1と同様の手法によりエポキシ樹脂組成物を調製した。このエポキシ樹脂組成物は成分[C]、成分[D]を含まず、その他硬化剤の活性水素モル数/((成分[A]の活性基モル数)+(成分[B]の活性基モル数))は1.20、エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂100質量部中、成分[A]と成分[B]の和は100質量部であった。
このエポキシ樹脂組成物は、成分[C]、成分[D]を含まないために曲げ破断ひずみおよび硬化時間が不十分であり、それぞれ5.6%、8.7分となった。
(比較例5)
表4に示す通りに樹脂組成を変化させたことを除き、実施例1と同様の手法によりエポキシ樹脂組成物を調製した。このエポキシ樹脂組成物は成分[C]を含まず、その他硬化剤の活性水素モル数/((成分[A]の活性基モル数)+(成分[B]の活性基モル数))は1.20、エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂100質量部中、成分[A]と成分[B]の和は100質量部であった。
このエポキシ樹脂組成物は、成分[C]、成分[D]を含まないために曲げ破断ひずみおよび硬化時間が不十分であり、それぞれ5.8%、36.0分となった。
(比較例6)
表4に示す通りに樹脂組成を変化させたことを除き、実施例1と同様の手法によりエポキシ樹脂組成物を調製した。このエポキシ樹脂組成物の、成分[C]の活性水素モル数/((成分[A]の活性基モル数)+(成分[B]の活性基モル数))は1.05、エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂100質量部中、成分[A]と成分[B]の和は100質量部であった。
成分[A]と成分[B]の和が100質量部であったため、得られたエポキシ樹脂組成物の曲げ破断ひずみは8.0%と良好であった。一方、成分[C]の活性水素モル数/エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂の活性基モル数が1.1未満であったために硬化時間が不十分であり、8.1分となった。
(比較例7)
表5に示す通りに樹脂組成を変化させたことを除き、実施例1と同様の手法によりエポキシ樹脂組成物、プリプレグ、および繊維強化複合材料を作製した。このエポキシ樹脂組成物の、成分[C]の活性水素モル数/((成分[A]の活性基モル数)+(成分[B]の活性基モル数))は1.35、エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂100質量部中、成分[A]と成分[B]の和は100質量部であった。
成分[A]と成分[B]の和が100質量部であったため、得られたエポキシ樹脂組成物の硬化時間は2.0分と良好であった。一方、成分[C]の活性水素モル数/エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂の活性基モル数が1.3よりも大きいために曲げ破断ひずみが不十分であり、4.5%となった。得られた繊維強化複合材料の90°曲げ強度は63MPaであり、不十分であった。
(比較例8)
表5に示す通りに樹脂組成を変化させたことを除き、実施例1と同様の手法によりエポキシ樹脂組成物、プリプレグ、および繊維強化複合材料を作製した。このエポキシ樹脂組成物の、成分[C]の活性水素モル数/((成分[A]の活性基モル数)+(成分[B]の活性基モル数)+(その他エポキシ樹脂の活性基モル数))は1.20、エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂100質量部中、成分[A]と成分[B]の和は85質量部であった。
成分[A]と成分[B]の和が90質量部未満であったため、曲げ破断ひずみおよび硬化時間が不十分であり、それぞれ6.0%、4.5分であった。得られた繊維強化複合材料の90°曲げ強度は70MPaであり、不十分であった。
(比較例9)
表5に示す通りに樹脂組成を変化させたことを除き、実施例1と同様の手法によりエポキシ樹脂組成物、プリプレグ、および繊維強化複合材料を作製した。このエポキシ樹脂組成物の、成分[C]の活性水素モル数/((成分[A]の活性基モル数)+(成分[B]の活性基モル数)+(その他エポキシ樹脂の活性基モル数))は1.00、エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂100質量部中、成分[A]と成分[B]の和は70質量部であった。
このエポキシ樹脂組成物の曲げ破断ひずみ、および該エポキシ樹脂組成物を用いて得られた繊維強化複合材料の90°曲げ強度はそれぞれ11.0%、105MPaであり、良好であった。一方、成分[A]と成分[B]の和が90質量部未満であり、かつ成分[C]の活性水素モル数/エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂の活性基モル数が1.1未満であったために硬化時間が不十分であり、3.3分となった。
(比較例10)
表5に示す通りに樹脂組成を変化させたことを除き、実施例1と同様の手法によりエポキシ樹脂組成物、プリプレグ、および繊維強化複合材料を作製した。このエポキシ樹脂組成物の、成分[C]の活性水素モル数/((成分[A]の活性基モル数)+(成分[B]の活性基モル数)+(その他エポキシ樹脂の活性基モル数))は0.90、エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂100質量部中、成分[A]と成分[B]の和は92質量部であった。
このエポキシ樹脂組成物の曲げ破断ひずみ、および該エポキシ樹脂組成物を用いて得られた繊維強化複合材料の90°曲げ強度はそれぞれ7.8%、81MPaであり、良好であった。一方、成分[C]の活性水素モル数/エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂の活性基モル数が1.1未満であったために硬化時間が不十分であり、5.4分となった。
(比較例11)
表5に示す通りに樹脂組成を変化させたことを除き、実施例1と同様の手法によりエポキシ樹脂組成物、プリプレグ、および繊維強化複合材料を作製した。このエポキシ樹脂組成物の、成分[C]の活性水素モル数/((成分[A]の活性基モル数)+(その他エポキシ樹脂の活性基モル数))は1.58、エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂100質量部中、成分[A]と成分[B]の和は66.6質量部であった。
このエポキシ樹脂組成物は成分[C]の活性水素モル数/エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂の活性基モル数が1.3よりも大きいために硬化時間は1.2分と良好であったものの、曲げ破断ひずみは2.9%と不十分であった。得られた繊維強化複合材料の90°曲げ強度は58MPaであり、不十分であった。
Figure 2020189922
Figure 2020189922
Figure 2020189922
Figure 2020189922
Figure 2020189922
なお、表中の各成分の単位は質量部である。

Claims (7)

  1. 次の成分[A]、[B]、[C]、[D]を含み、下記条件[a]、[b]、[c]、[d]を満たすエポキシ樹脂組成物。
    [A]:フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のエポキシ樹脂
    [B]:25℃で液状のビスフェノール型エポキシ樹脂
    [C]:ジシアンジアミド
    [D]:芳香族ウレア
    [a]:成分[C]の活性水素モル数/エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂の活性基モル数が1.10以上1.30以下
    [b]:エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂100質量部中、成分[A]と成分[B]の和が90質量部以上
    [c]:エポキシ樹脂組成物を130℃で90分間反応させて得られる樹脂硬化物の曲げ破断ひずみが7%以上
    [d]:エポキシ樹脂組成物の150℃での誘電測定において、キュアインデックスが70%に到達するまでの時間が測定開始から3分以下
  2. エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂100質量部中、成分[A]を55質量部以上85質量部以下含む、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 成分[B]が、平均エポキシ当量が190g/eq以下のビスフェノールF型エポキシ樹脂を含む、請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 成分[C]の活性水素モル数/エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂の活性基モル数が1.15以上1.25以下である、請求項1〜3のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. エポキシ樹脂組成物の全エポキシ樹脂100質量部中、成分[A]と成分[B]の和が100質量部である、請求項1〜4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物と強化繊維からなる基材。
  7. 請求項6に記載の基材を硬化させてなる繊維強化複合材料。
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