JP2020189788A - 睡眠誘導剤である複素環化合物 - Google Patents

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Abstract

【課題】副作用のない睡眠誘導剤の提供。【解決手段】式(I)表される化合物又はその塩。(環Aは、N及びSから選択される1〜4個の複素原子を含有する5又は6員芳香族複素環、又はベンゼン;R1は、カルボキシ基;R2は、夫々独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、アリール基、又は5又は6員芳香族複素環基;環Bは、5又は6員芳香環;n個のR3は、夫々独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、又はアリール基;mは、0、1、又は2;nは、1又は2である。)【選択図】なし

Description

本発明は、アデノシンA2A受容体のポジティブアロステリックモジュレーターであり、睡眠誘導剤として有用な複素環化合物に関する。より詳細には、本発明は、特に熟睡感を与える徐波睡眠を提供可能な睡眠誘導剤に関する。
不眠症は最も一般的な睡眠障害の一つであり、推定有病率が一般の集団で10〜15%、高齢者集団で30〜60%である。不眠症の治療のための最も広く処方されている薬剤は、ベンゾジアゼピン(BDZ)及び非BDZとして知られている、抑制性神経伝達物質γ−アミノ酪酸のシグナル伝達を増強する中枢神経系抗うつ薬である。しかしながら、これらの薬物療法は、筋肉弛緩、リバウンド不眠症、食欲の変化、翌日の鎮静、認知機能障害、健忘症効果、ならびに薬物耐性及び依存性の発生を含む広範囲の副作用に悩まされている。また、オレキシン受容体アンタゴニストは、最近、不眠症治療薬として開発され承認された(非特許文献1)。しかしながら、これらの薬物の主な問題点は、筋力低下、奇妙な夢、夢遊病、他の夜間行動又は自殺願望の起こり得る兆候を伴う翌朝の眠気である(非特許文献2)。さらに、オレキシン受容体アンタゴニストは、ほとんどの場合、睡眠から覚醒することを妨げることによって作用するので、寝付きに問題がある人にはあまり効果がない。
極めて選択的なアデノシンA2A受容体(A2AR)アゴニストであるCGS21680は、ラットの前脳基底部吻側腹側部のくも膜下腔又はマウスの側脳室への注入後に睡眠を著しく増加させる(非特許文献3;非特許文献4;非特許文献5)。しかしながら、A2ARアゴニストの投与は、低血圧や頻脈等の心血管作用のために睡眠障害を治療する臨床的可能性はないと一般に考えられている(非特許文献6)。A2ARアロステリック調節剤の作用は、オルソステリックA2ARアゴニストとは対照的に、アデノシンが放出され脳内のアデノシンレベルが覚醒時に上昇する場合に限定されるため、アロステリックA2AR調節は不眠症治療の代替的戦略であり得る(非特許文献7)。
特許文献1には、以下の式で示されるMEK阻害剤を患者に投与することからなる敗血症性ショックの治療又は予防方法が記載されている。
(式中、各記号は文献に記載の通りである。)
特許文献1には、以下の化合物(化合物X)も具体的に記載されている。
特許文献2には、MEK阻害剤であり、癌、再狭窄、乾癬、アテローム性動脈硬化等の治療に有用な、以下の式で示される化合物が記載されている。
(式中、各記号は文献に記載の通りである。)
特許文献2には、上記化合物の中間体である以下の化合物(化合物Y)も具体的に記載されている。
WO 98/37881 WO 02/06213
Cox et al, 2010, J Med Chem 53: 5320−5332 Jacobson et al, 2014, Expert Rev Clin Pharmacol 7: 711−730 Satoh et al, 1999, Eur J Neurosci 11: 1587−1597 Scammell et al, 2001, Neuroscience 107: 653−663 Urade et al, 2003, Neurology 61: S94−96 Lera Ruiz et al, 2014, J Med Chem 57: 3623−3650 Porkka−Heiskanen et al, 1997, Science 276: 1265−1268
本発明は、筋肉弛緩、リバウンド不眠症、食欲の変化、翌日の鎮静、認知機能障害、健忘症効果、ならびに薬物耐性及び依存性の発生等の副作用がない睡眠誘導剤、特に熟睡感を与える徐波睡眠を提供することが可能な睡眠誘導剤として有用なアデノシンA2A受容体を標的としたポジティブアロステリックモジュレーター(PAM)を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、アデノシンA2A受容体を標的としたポジティブアロステリックモジュレーター(PAM)を探索研究し、アデノシンA2AR PAM(以下、A2AR PAMと総称する場合がある)として有用な一連の新規な以下の式(I)で表される化合物又はその塩(以下、化合物(I)と総称する場合がある)を見出すとともに、上記の化合物X及びYがA2AR PAMとして有用であることをも見出し(以下、化合物(I)、化合物X及びY、並びにそれらの塩を、化合物(Ia)と総称する場合がある)、当該化合物を投与することにより、心血管作用等の副作用を引き起こすことなく、徐波睡眠(SWS)を誘導することに成功して本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の通りである。
(1)以下の式(I):
(式中、
環Aは、炭素原子以外の環構成原子として、窒素原子及び硫黄原子から選択される1〜4個の複素原子を含有する5又は6員芳香族複素環、又はベンゼンであり;
は、カルボキシ基であり;
m個のRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、アリール基、又は5又は6員芳香族複素環基であり;
環Bは、5又は6員芳香環であり;
n個のRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、又はアリール基であり;
mは、0、1、又は2であり;及び
nは、1又は2である。
但し、1)環Aが、ベンゼンである場合には、以下の部分構造式で表される基:
は、2−カルボキシ−5、6−ジフルオロフェニルであり、かつ
以下の部分構造式で表される基:
は、3−フルオロ−4−ヨードフェニル、3−ビフェニル、4−ブロモフェニル、2−ヨードフェニル、2、5−ジフルオロフェニル、2−フルオロ−5−クロロフェニル、2−フルオロ−5−メチルフェニル、2−フルオロ−5−ブロモフェニル、2−フルオロ−5−メトキシフェニル、2−フルオロ−4−メトキシフェニル、4−エチニルフェニル、又は3−ブロモフェニルであるか;又は
2)環Aが、ベンゼンである場合には、以下の部分構造式で表される基:
は、2−カルボキシフェニル又は3−カルボキシフェニルであり、かつ
以下の部分構造式で表される基:
は、4−プロピルフェニルである。)
で表される化合物又はその塩。
(2)環Aが、ピリジン、チオフェン、又はベンゼンであり、
が、カルボキシ基であり、
m個のRが、それぞれ独立して、ハロゲン原子又は炭素原子以外の環構成原子として、窒素原子及び硫黄原子から選択される1〜4個の複素原子を含有する5又は6員芳香族複素環基であり;
環Bが、ベンゼンであり;及び
n個のRが、それぞれ独立して、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cアルコキシ基、又はC−C10アリール基である、上記(1)に記載の化合物又はその塩。
(3)環Aが、ピリジン又はチオフェンである、上記(1)又は(2)に記載の化合物又はその塩。
(4)環Aが、ピリジン又はチオフェンであり、
環Bが、ベンゼンであり、
n個のRが、それぞれ独立して、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、又はフェニルであり、及び、
mが、0である、上記(1)に記載の化合物又はその塩。
(5)以下の化合物群から選択される、上記(4)に記載の化合物又はその塩:
(式中、nPrは、プロピルであり、及びPhは、フェニルである。)
(6)環Aが、ベンゼンである、上記(1)又は(2)に記載の化合物又はその塩。
(7)上記(1)に記載の化合物(I)又はその薬学上許容される塩を有効成分として含有する医薬。
(8)医薬として使用するための、上記(1)に記載の化合物(I)又はその薬学上許容される塩。
(9)以下の式(Ia):
(式中、
環Aは、炭素原子以外の環構成原子として、窒素原子及び硫黄原子から選択される1〜4個の複素原子を含有する、5又は6員芳香族複素環、又はベンゼンであり;
は、カルボキシ基であり;
m個のRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、アリール基、又は5又は6員芳香族複素環基であり;
環Bは、5又は6員芳香環であり;
n個のRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、又はアリール基であり;
mは、0、1、又は2であり;及び
nは、1又は2である。
但し、1)環Aが、ベンゼンである場合には、以下の部分構造式で表される基:
は、2−カルボキシ−5、6−ジフルオロフェニルであり、かつ
以下の部分構造式で表される基:
は、3−フルオロ−4−ヨードフェニル、3−ビフェニル、4−ブロモフェニル、2−ヨードフェニル、2、5−ジフルオロフェニル、2−フルオロ−5−クロロフェニル、2−フルオロ−5−メチルフェニル、2−フルオロ−5−ブロモフェニル、2−フルオロ−5−メトキシフェニル、2−フルオロ−4−メトキシフェニル、4−エチニルフェニル、3−ブロモフェニル、2−メチル−4−ヨードフェニル、又は2−フルオロ−4−ブロモフェニルであるか;又は
2)環Aが、ベンゼンである場合には、以下の部分構造式で表される基:
は、2−カルボキシフェニル又は3−カルボキシフェニルであり、かつ
以下の部分構造式で表される基:
は、4−プロピルフェニルである。)
で表される化合物又はその薬学上許容される塩を有効成分として含有する、アデノシンA2A受容体を標的としたポジティブアロステリックモジュレーター(PAM)である医薬。
(10)上記(9)で定義された化合物(Ia)又はその薬学上許容される塩を有効成分として含有する、徐波睡眠を誘導するための医薬。
(11)上記(9)で定義された化合物(Ia)又はその薬学上許容される塩を有効成分として含有する、不眠症の予防又は治療のための医薬。
(12)上記(9)で定義された化合物(Ia)又はその薬学上許容される塩を、それを必要とする哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における徐波睡眠の誘導方法。
(13)上記(9)で定義された化合物(Ia)又はその薬学上許容される塩を、それを必要とする哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における不眠症の治療又は予防方法。
(14)哺乳動物における徐波睡眠の誘導に使用するための、上記(9)で定義された化合物(Ia)又はその薬学上許容される塩。
(15)不眠症の治療又は予防に使用するための、上記(9)で定義された化合物(Ia)又はその薬学上許容される塩。
本発明によれば、睡眠誘導剤として、特に、熟睡感を与える徐波睡眠を提供可能な睡眠誘導剤として有用な、アデノシンA2aR PAMの提供が可能となる。
マウスA2AR発現CHO細胞におけるYNT−2167処置によるアデノシンA2AR活性への効果(A)マウスA2AR発現CHO細胞のアデノシン及びYNT−378、YNT−2167による共処置(B)マウスA2AR発現CHO細胞のアデノシン単独処置又は異なる濃度のYNT−2167との共処置 YNT−2167腹腔内投与によるマウス徐波睡眠への効果生理食塩水又はYNT−2167の腹腔内投与後のマウスにおけるSWS、REM睡眠及び覚醒の経時変化(A)と総量(B)
以下、本発明を説明する。本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味を有する。
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子である。
「アルキル基」とは、1〜10、好ましくは1〜6の炭素原子を有する直鎖又は分岐状のアルキル基を意味し、その具体例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、ネオペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、n−ヘキシル、2−ヘキシル等が挙げられる。該アルキル基は置換基を有していてもよい。
「アルケニル基」とは、2〜10、好ましくは2〜6の炭素原子を有する直鎖又は分岐状のアルケニル基を意味し、その具体例は、ビニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、2−ペンテニル、3−ヘキセニル等が挙げられる。該アルケニル基は置換基を有していてもよい。
「アルキニル基」とは、2〜10、好ましくは2〜6の炭素原子を有する直鎖又は分岐状のアルキニル基を意味し、その具体例は、エチニル、1−プロピニル、プロパルギル、2−ブチニル、3−ペンチニル、5−ヘキシニル等が挙げられる。該アルキニル基は置換基を有していてもよい。
「アリール基」とは、6〜10の炭素原子を有するアリール基を意味し、その具体例は、フェニル、ナフチル基等が挙げられる。該アリール基は置換基を有していてもよい。
「アルコキシ基」とは、1〜10、好ましくは1〜6の炭素原子を有する直鎖又は分岐状のアルコキシ基を意味し、その具体例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、tert−ペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、2−ペンチルオキシ、3−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、2−ヘキシルオキシ等が挙げられる。該アルコキシ基は置換基を有していてもよい。
「5又は6員芳香族複素環基」としては、例えば、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル(1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル)、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フリル、チエニル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル等挙げられ、好ましくは、炭素原子以外の環構成原子として、窒素原子及び硫黄原子から選択される1〜4個の複素原子を含有する5又は6員芳香族複素環基が挙げられ、より好ましくは、ピリジル及びチエニルである。
「5又は6員芳香環」としては、例えば、ベンゼン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール(1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、1,3,4−トリアゾール)、テトラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、フラン、チオフェン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン等が挙げられ、好ましくはベンゼンである。
炭素原子以外の環構成原子として、窒素原子及び硫黄原子から選択される1〜4個の複素原子を含有する5又は6員芳香族複素環としては、例えば、ピロール、イミダゾール、トリアゾール((1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、1,3,4−トリアゾール)、テトラゾール、チアゾール、イソチアゾール、チアジアゾール、チオフェン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン等が挙げられ、好ましくは、炭素原子以外の環構成原子として、窒素原子及び硫黄原子から選択される1〜2個の複素原子を含有する5又は6員芳香族複素環(例えば、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、チアゾール、イソチアゾール、チオフェン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン)であり、より好ましくは、ピリジン及びチオフェンである。
「アルキル基」、「アルケニル基」、「アルキニル基」、「アリール基」及び「アルコキシ基」が有してもよい置換基としては、
(1)ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子;好ましくはフッ素原子)、
(2)ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等のC1−6アルキル基等)、
(3)シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のC3−6シクロアルキル基等)、
(4)低級アルキニル基(例えば、エチニル、1−プロピニル、プロパルギル等のC2−6アルキニル基等)、
(5)低級アルケニル基(例えば、ビニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル等のC2−6アルケニル基等)、
(6)C1−6アルコキシ基(例えば、メトキシ)で置換されていてもよいアラルキル基(例えば、ベンジル、α−メチルベンジル、フェネチル等のC7−12アラルキル基等)、
(7)アリール基(例えば、フェニル、ナフチル等のC6−10アリール基等、好ましくはフェニル基)、
(8)ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ等のC1−6アルコキシ基、トリフルオロメトキシ等)、
(9)アリールオキシ基(例えば、フェノキシ等のC6−10アリールオキシ基等)、
(10)ハロゲン原子で置換されていてもよい、ホルミル基又は低級アルカノイル基(例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル等のC1−6アルキル−カルボニル基等、シクロヘキシルカルボニル等のC3−6シクロアルキル−カルボニル基等)、
(11)アリールカルボニル基(例えば、ベンゾイル、ナフトイル等のC6−10アリール−カルボニル基等)、
(12)ホルミルオキシ基又は低級アルカノイルオキシ基(例えば、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ等のC1−6アルキル−カルボニルオキシ基等)、
(13)アリールカルボニルオキシ基(例えば、ベンゾイルオキシ、ナフトイルオキシ等のC6−10アリール−カルボニルオキシ基等)、
(14)カルボキシ基、
(15)低級アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル等のC1−6アルコキシ−カルボニル基等)、
(16)アラルキルオキシカルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル等のC7−12アラルキルオキシ−カルボニル基等)、
(17)カルバモイル基、
(18)モノ−、ジ−又はトリ−ハロゲノ低級アルキル基(例えば、クロロメチル、ジクロロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル等のモノ−、ジ−又はトリ−ハロゲノC1−6アルキル基等)、
(19)オキソ基、
(20)アミジノ基、
(21)イミノ基、
(22)アミノ基、
(23)モノ−低級アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ等のモノ−C1−6アルキルアミノ基等)、
(24)ジ−低級アルキルアミノ基(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジブチルアミノ、N−エチル−N−メチルアミノ等のジ−C1−6アルキルアミノ基等)、
(25)置換基を有していてもよい、炭素原子と1個の窒素原子に加えて窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれたヘテロ原子を1〜3個含んでいてもよい3〜8員の含窒素複素環基(例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基、アミノ基、モノ−C1−6アルキルアミノ基、ジ−C1−6アルキルアミノ基、カルボキシル基、C1−6アルキル−カルボニル基、C1−6アルコキシ−カルボニル基、カルバモイル基、モノ−C1−6アルキル−カルバモイル基、ジ−C1−6アルキル−カルバモイル基、C6−10アリール−カルバモイル基、C6−10アリール基、C6−10アリールオキシ基、及びハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−カルボニルアミノ基、オキソ基等から選ばれる1〜5個の置換基を有していてもよい、炭素原子と1個の窒素原子に加えて窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれたヘテロ原子を1〜3個含んでいてもよい3〜8員の含窒素複素環基;例えば、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピリジル、ピロリニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イミダゾリジニル、ピペリジル、オキサジアゾリル、イソオキサゾリル、モルホリニル、ジヒドロピリジル、テトラヒドロピリジル、ピペラジニル、N−メチルピペラジニル、N−エチルピペラジニル等)、
(26)アルキレンジオキシ基(例えば、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ等のC1−3アルキレンジオキシ基等)、
(27)ヒドロキシ基、
(28)ニトロ基、
(29)シアノ基、
(30)メルカプト基、
(31)スルホ基、
(32)スルフィノ基、
(33)ホスホノ基、
(34)スルファモイル基、
(35)モノ−低級アルキルスルファモイル基(例えば、N−メチルスルファモイル、N−エチルスルファモイル、N−プロピルスルファモイル、N−イソプロピルスルファモイル、N−ブチルスルファモイル等のモノ−C1−6アルキルスルファモイル基等)、
(36)ジ−低級アルキルスルファモイル基(例えば、N,N−ジメチルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N,N−ジブチルスルファモイル等のジ−C1−6アルキルスルファモイル基等)、
(37)低級アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオ等のC1−6アルキルチオ基等)、
(38)アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、ナフチルチオ等のC6−10アリールチオ基等)、
(39)低級アルキルスルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、ブチルスルフィニル等のC1−6アルキルスルフィニル基等)、
(40)アリールスルフィニル基(例えば、フェニルスルフィニル、ナフチルスルフィニル等のC6−10アリールスルフィニル基等)、
(41)低級アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル等のC1−6アルキルスルホニル基等)、
(42)アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル等のC6−10アリールスルホニル基等)、
(43)低級アルキルカルボニルアミノ基(例えば、メチルカルボニルアミノ等のC1−6アルキルカルボニルアミノ基等)等からなる群(本明細書中、置換基群Aという)、
(44)アラルキルアミノ(例えば、ベンジルアミノ等のC7−12アラルキルアミノなど)、及び
(45)置換基(例えば、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基)を有していてもよいアリールスルホニルアミノ基(例えば、フェニルスルホニルアミノ、ナフチルスルホニルアミノ等のC6−10アリールスルホニルアミノ基等)(本明細書中、[置換基群A]という)から選択される置換基が用いられる。
化合物(I)及び化合物(Ia)を以下に説明する。特に断りのない限り、各基の定義は上記のものと同じである。
環Aは、R及びm個のRに加えて置換可能な位置に置換基を有していてもよい。環Bは、n個のRに加えて置換可能な位置に置換基を有していてもよい。環A及び環Bがさらに有していてもよい置換基としては、上記の[置換基群A]として例示されたものが挙げられる。
環Aの「炭素原子以外の環構成原子として、窒素原子及び硫黄原子から選択される1〜4個の複素原子を含有する5又は6員芳香族複素環」としては、「炭素原子以外の環構成原子として、窒素原子及び硫黄原子から選択される1〜2個の複素原子を含有する5又は6員芳香族複素環」が好ましい。これらの内、ピリジン及びチオフェンが最も好ましい。
環Bの「5又は6員芳香環」としては、6員芳香環(例えば、ベンゼン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン)が好ましい。これらの内、ベンゼンが最も好ましい。
のハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
のアルキル基としては、C−Cアルキル基が好ましく、そしてメチルが最も好ましい。
のアルコキシ基としては、C−Cアルコキシ基が好ましく、そしてメトキシが最も好ましい。
のアリール基としては、C−C10アリール基が好ましく、そしてフェニルが最も好ましい。
の5又は6員芳香族複素環基としては、炭素原子以外の環構成原子として、窒素原子及び硫黄原子から選択される1〜4個の複素原子を含有する5又は6員芳香族複素環基が好ましい。これらの内、ピリジル及びチエニルが最も好ましい。
は、好ましくはハロゲン原子又は5又は6員芳香族複素環基であり、より好ましくは、フッ素原子、ピリジル、又はチエニルである。
のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子及び臭素原子が好ましい。
のアルキル基としては、C−Cアルキル基が好ましく、そしてメチル及びプロピルが最も好ましい。
のアルケニル基としては、C−Cアルケニル基が好ましい。
のアルキニル基としては、C−Cアルキニル基が好ましく、そしてエチニルが最も好ましい。
のアルコキシ基としては、C−Cアルコキシ基が好ましく、そしてメトキシが最も好ましい。
のアリール基としては、C−C10アリール基が好ましく、そしてフェニルが最も好ましい。
は、好ましくはハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cアルコキシ基及びC−C10アリール基であり、より好ましくは、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子、メチル、プロピル、エチニル、メトキシ及びフェニルである。
mは、好ましくは0、1又は2である。
nは、好ましくは1又は2である。
化合物(I)の好ましい例としては、以下の化合物が挙げられる。
[化合物A−1]
環Aが、炭素原子以外の環構成原子として、窒素原子及び硫黄原子から選択される1〜4個の複素原子を含有する5又は6員芳香族複素環であり;
が、カルボキシ基であり;
m個のRが、それぞれ独立して、5又は6員芳香族複素環基(好ましくは、炭素原子以外の環構成原子として、窒素原子及び硫黄原子から選択される1〜4個の複素原子を含有する5又は6員芳香族複素環基)であり;
環Bが、5又は6員芳香環であり;
n個のRが、それぞれ独立して、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cアルコキシ基、又はC−C10アリールであり;
mが、0又は1であり;及び
nが1又は2である、
化合物(I)。
[化合物A−2]
m個のRが、それぞれ独立して、ピリジル又はチエニルであり;
環Bが、ベンゼンであり;
n個のRが、それぞれ独立して、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、C−Cアルキル基(例えば、メチル、プロピル)、C−Cアルケニル基(例えば、ビニル)、C−Cアルキニル基(例えば、エチニル)、C−Cアルコキシ基(例えば、メトキシ)、又はC−C10アリール(例えば、フェニル)、より好ましくは、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子)、C−Cアルキル基(例えば、プロピル)、C−Cアルケニル基(例えば、ビニル)、又はC−C10アリール(例えば、フェニル)である、
上記の[化合物A−1]。
[化合物A−3]
以下の部分構造式で表される基:
が、以下の部分構造式で表される基:
である、
上記の[化合物A−1]又は[化合物A−2]に記載の化合物。
[化合物A−4]
以下の化合物群から選択される化合物。
[化合物B]
化合物(I)の内、他の好ましい例としては以下の化合物群から選択される化合物が挙げられる:
(式中、Phは、フェニル、Meは、メチル、nPrは、プロピル、及びOMeは、メトキシを示す。)
化合物(Ia)の好ましい例としては、化合物(I)について上記で例示された[化合物A−1]、[化合物A−2]、[化合物A−3]、[化合物A−4]及び[化合物B]が挙げられる。加えて、以下の化合物が化合物(Ia)の別の好ましい化合物として例示される。
(式中、Meは、メチルを示す。)
化合物(I)又は(Ia)の塩としては、薬学上許容され得る塩等が挙げられる。含まれる例は、トリフルオロ酢酸、酢酸、乳酸、コハク酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、安息香酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ケイ皮酸、フマル酸、ホスホン酸、塩酸、硝酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、スルファミン酸、硫酸等の酸との酸付加塩;ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等の金属塩;トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン等の有機塩基との塩等が挙げられる。
化合物(I)又は(Ia)が、光学異性体、立体異性体、位置異性体、回転異性体等の異性体を有する場合には、いずれか一方の異性体も、異性体の混合物も化合物(I)又は(Ia)に包含される。例えば、化合物(I)又は(Ia)に光学異性体が存在する場合には、ラセミ体から分割された光学異性体も化合物(I)又は(Ia)に包含される。これらの異性体は、自体公知の合成手法、分離手法(濃縮、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー、再結晶等)によりそれぞれを単品として得ることができる。また、化合物(I)又は(Ia)には、互変異性体等の構造異性体及び幾何異性体が存在し、かかる異性体も本発明の範囲内である。
化合物(I)又は(Ia)は、結晶であっても無晶形であってもよい。化合物(I)又は(Ia)が結晶である場合、結晶形が単一であっても結晶形混合物であっても化合物(I)又は(Ia)に包含される。結晶は、自体公知の結晶化法を適用して、結晶化することによって製造することができる。
化合物(I)又は(Ia)は、溶媒和物(例えば、水和物等)であっても、無溶媒和物であってもよく、いずれも化合物(I)又は(Ia)に包含される。
化合物(I)又は(Ia)は、同位元素(例、H,14C,35S,125I等)等で標識されていてもよい。
化合物(I)又は(Ia)は、アデノシンA2A受容体を活性化する作用を有する。アデノシンA2A受容体は睡眠/覚醒サイクルに密接に関与し、アデノシンA2A受容体を活性化することによって睡眠を誘導することができる。アデノシンA2A受容体を活性化する作用は、当分野で通常実施されている方法に準じて、あるいは当該方法を必要に応じて改変することによって測定することができる。例えば、実施例で示されるように、A2ARを発現しているチャイニーズハムスター卵巣細胞を用い、A2AR活性化によって産生されるcAMPの量を蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)イムノアッセイにより測定することによって評価され得る。
アデノシンA2A受容体は、睡眠/覚醒サイクルに密接に関与する一方で、大脳皮質、海馬、線条体、冠血管、肺、白血球、血小板などに分布しており、睡眠調節以外の、血管拡張、痛み、内臓平滑筋の弛緩など、様々な生理機能に関与している。従って、アデノシンA2A受容体活性化剤は、心血管系の副作用が懸念される。しかしながら、化合物(I)又は(Ia)は、内在性リガンドの作用するオルソステリック部位とは異なる部位に作用することで、上記副作用が生じることがない。すなわち、化合物(I)又は(Ia)はアデノシンA2A受容体のポジティブアロステリックモジュレーターとして作用する。
優れたアデノシンA2A受容体活性化作用を有する化合物(I)又は(Ia)は、哺乳動物(例、ヒト、サル、ネコ、ブタ、ウマ、ウシ、マウス、ラット、モルモット、イヌ、ウサギ等)に対し、睡眠誘導剤、特に熟睡感を与える徐波睡眠を提供することができる睡眠誘導剤として有用である。
本発明化合物を有効成分として含有する医薬(例えば睡眠誘導剤等)中における化合物(I)又は(Ia)の含有量は製剤全体に対して通常、約0.01〜約99.9重量%、好ましくは約0.1〜約50重量%である。
化合物(I)又は(Ia)の用量は、年令、体重、一般的健康状態、性別、食事、投与時間、投与方法、排泄速度、薬物の組み合わせ、患者のその時に治療を行なっている病状の程度に応じ、それらあるいはその他の要因を考慮して決められる。
用量は対象疾患、症状、投与対象、投与方法等によって異なるが、例えば、本発明化合物を化合物(I)又は(Ia)の量として、約0.1〜100mg/kg(体重)、好ましくは約1〜10mg/kg(体重)、更に好ましくは約1〜3mg/kg(体重)を1日あたり、1回又は2ないし3回に分けて投与するのが好ましい。
化合物(I)又は(Ia)は、例えば睡眠誘導剤として用いる場合、対象となる睡眠障害の程度に応じて、他の薬剤と組み合せて用いることができる。これらの併用薬剤は低分子量の化合物であってもよく、また高分子量のタンパク、ポリペプチド、抗体あるいはワクチンなどでもよい。この場合、化合物(I)又は(Ia)と併用薬剤の投与時期は限定されず、投与時に化合物(I)又は(Ia)と併用薬剤とが組み合わされていればよい。
化合物(I)又は(Ia)は、薬学的に許容される担体と配合し、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等の固形製剤;シロップ剤、注射剤等の液状製剤;貼付剤、軟膏剤、硬膏剤等の経皮吸収剤;吸入剤;坐剤として、適宜製剤化することができる。
化合物(I)又は(Ia)を含有する医薬は、経口又は非経口投与され、上記した化合物を1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用して用いてもよい。
薬学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用されている各種有機あるいは無機担体物質を用いることができる。具体的には、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤等を配合することができる。又、必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の製剤添加物を用いることもできる。
賦形剤の例としては、乳糖、白糖、ブドウ糖、でんぷん、蔗糖、結晶セルロース、カンゾウ末、マンニトール、炭酸水素ナトリウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム等が挙げられる。
滑沢剤の例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、精製タルク、コロイドシリカ等が挙げられる。
結合剤の例としては、結晶セルロース、白糖、マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
崩壊剤の例としては、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム等が挙げられる。
溶剤の好適な例としては、例えば注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油等が挙げられる。
溶解補助剤の好適な例としては、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。
懸濁化剤の例としては、例えばステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン等の界面活性剤;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
等張化剤の好適な例として、例えば塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトール等が挙げられる。
緩衝剤の好適な例として、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩及びクエン酸塩等の緩衝液等が挙げられる。
無痛化剤の好適な例として、例えばベンジルアルコール等が挙げられる。
防腐剤の好適な例として、例えばパラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸等が挙げられる。
抗酸化剤の好適な例として、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸等が挙げられる。
着色剤の好適な例として、例えばタール色素、カラメル、三二酸化鉄、酸化チタン、リボフラビン類等が挙げられる。
甘味剤の好適な例として、ブドウ糖、果糖、転化糖、ソルビトール、キシリトール、グリセリン、単シロップ等が挙げられる。
製造法
本発明の式(I)で表される化合物、化合物X及びY、その異性体、溶媒和物及びそれらの塩は、その基本骨格あるいは置換基の種類に基づく特徴を利用し、種々の公知の合成法を適用して製造することができる。例えば以下の合成法に従って製造することができるが、これらに限定されるものではなく、所望に応じて適宜修飾できる。かかる修飾としては、アルキル化、アシル化、アミノ化、イミノ化、ハロゲン化、還元、酸化等が挙げられ、通常当分野で用いられる反応又は方法が利用される。その際、官能基の種類によっては、当該官能基を原料もしくは中間体の段階で適当な保護基(容易に当該官能基に転化可能な基)に置き換えておくことが製造技術上効果的な場合がある。保護基の化学的特性、その導入の手法、及びその除去は例えばT. Greene and P. Wuts “Protective Groups in Organic Synthesis” (3rded.), John Wiley & Sons NY (1999)に詳述されている。
原料化合物は、特に述べない限り、市販されているものを容易に入手できるか、あるいは、自体公知の方法又はこれらに準ずる方法に従って製造することができる。
各反応及び原料化合物合成の各反応において、反応中に一般的に知られる溶媒を用いる場合がある。
一般的に知られる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキエタン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、ピリジン、ルチジン等の芳香族へテロ環化合物、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、クロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン化物、メタノール、エタノール、2−プロパノール、2,2−ジメチルエタノール等のアルコール類、ヘキサン、ヘプタン、石油エーテル等の炭化水素化合物、ギ酸、酢酸等のカルボン酸類、あるいは、水等が挙げられる。
反応において用いられる溶媒は、単一の溶媒を用いる場合も、2種類から6種類の溶媒を混合して用いる場合もある。
又、反応において、例えば、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン等のアミン類、又は塩基を共存させて行なう場合がある。
塩基としては、例えば、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ピペリジン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の有機塩基、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属類、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩類、りん酸一水素二カリウム、りん酸三ナトリウム等のリン酸塩類、水素化ナトリウム等の水素化アルカリ金属類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等のアルカリ金属アルコラート類、n−ブチルリチウム等の有機リチウム類、エチルマグネシウムブロミド等のグリニャール試薬類、リチウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド等を例示すことができる。
又、反応において、例えば、塩酸、硫酸、酢酸等の酸を共存させて行なう場合がある。
本発明化合物の合成スキームを以下に示す(詳細な反応は実施例に準じる)。スキーム中、具体的な基、化合物で記載されている場合があるが、代替可能な基、化合物が用いられ得ることは当業者には明らかである。
式中、Lは、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、臭素原子)等の脱離基であり、それ以外の各記号の定義は上述の通りである。
適当な溶媒中、適当な塩基の存在下で、化合物(1)を、化合物(1)に対して通常2倍モル量の化合物(2)と反応させて、式(I)で表される化合物を得る工程である
溶媒は、特に限定されないが、通常、化合物(1)に対して1〜10倍モル当量の範囲で適宜選択して使用すればよい。
塩基は、特に限定されないが、通常、化合物(1)に対して0.01から5倍モル当量の範囲で適宜選択して使用すればよい。
反応温度は、通常、約100〜約250℃、好ましくは約150〜約220℃である。
反応時間は、通常、約0.01〜約20時間である。
実施例
以下に実施例を用いて本発明を詳述するが、本発明は何ら限定されるものではない。使用する試薬及び材料は特に限定されない限り商業的に入手可能である。
2AR PAM YNT−2221又はYNT−2224を除く全ての化合物は、一般的方法に基づいて合成される。
一般的方法
5mLのマイクロ波バイアルに安息香酸、アニリン、リチウムアミド及びテトラヒドロフラン又は1,4−ジオキサンを充填した。容器を150〜220℃で1〜5分間マイクロ波加熱した。その後、反応チューブを室温まで冷却し、混合物を1M塩化水素水溶液で希釈し、クロロホルムで抽出した。有機層をあわせ、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/10%酢酸−メタノール溶液=100/0→90/10)で精製して標題化合物を得た。
実施例1:A2AR PAM YNT−2137の合成経路
2,3,4−フルオロ安息香酸(141.7mg,0.805mmol)、4−クロロ−2−メチルアニリン(206.4mg,0.886mmol)、及びリチウムアミド(92.4mg,4.03mmol)のテトラヒドロフラン(3mL)中溶液を一般的方法に従って反応させて、YNT−2137(54.8mg,17%)を褐色固体として得た。;H NMR(400MHz,アセトン−d)δ 9.23(br,1H),7.96(ddd,J=8.9,6.0,1.8Hz,1H),7.57(d,J=1.8Hz,1H,),7.47(dd,J=8.5,1.8Hz,1H),6.96(ddd,J=9.2,9.2,7.1Hz,1H),6.73(dd,J=8.2,6.4Hz,1H),2.32(s,3H).
実施例2:A2AR PAM YNT−2138の合成経路
2,3,4−フルオロ安息香酸(161.6mg,0.918mmol)、4−ブロモ−2−フルオロアニリン(191.9mg,1.01mmol)、及びリチウムアミド(105.4mg,4.59mmol)のテトラヒドロフラン(3mL)中溶液を一般的方法に従って反応させて、YNT−2138(287.6mg,91%)を褐色固体として得た。;H NMR(400MHz,アセトン−d)δ 9.33(br,1H),7.96(ddd,J=9.2,5.9,2.1Hz,1H),7.42(dd,J=10.7,2.3Hz,1H),7.30(ddd,J=8.6,2.3,1.2Hz,1H),7.07(ddd,J=8.1,7.3,4.6Hz,1H),7.01(ddd,J=9.4,8.8,6.6Hz,1H).
実施例3:A2AR PAM YNT−2139の合成経路
2,3,4−フルオロ安息香酸(142.5mg,0.809mmol)、4−ヨード−3−フルオロアニリン(210.9mg,0.890mmol)、及びリチウムアミド(92.8mg,4.05mmol)のテトラヒドロフラン(3mL)中溶液を一般的方法に従って反応させて、YNT−2139(276.5mg,70%)を褐色固体として得た。;H NMR(400MHz,CDOD)δ 7.89(ddd,J=9.0,5.8,2.3Hz,1H),7.60(dd,J=8.7,7.3Hz,1H),6.96(ddd,J=9.4,7.3,7.3Hz,1H),6.72(ddd,J=10.1,2.9,2.9Hz,1H),6.58(ddd,J=8.7,2.9,2.9Hz,1H).
実施例4:A2AR PAM YNT−2167の合成経路
4−ブロモ−2−ピリジンカルボン酸(100.5mg,0.498mmol)、4−プロピルアニリン(70.8μL,0.498mmol)、及びリチウムアミド(57.1mg,2.49mmol)の1,4−ジオキサン(5mL)中溶液を一般的方法に従って反応させて、YNT−2167(76.3mg,60%)を褐色固体として得た。;H NMR(400MHz,CDOD)δ 8.03(d,J=7.3Hz,1H),7.55(d,J=2.8Hz,1H),7.32(d,J=8.2Hz,2H),7.25(d,J=8.2Hz,2H),7.05(dd,J=7.3,2.8Hz,1H),2.63(dd,J=7.6Hz,2H),1.67(tq,J=7.6,7.3Hz,2H),0.97(t,J=7.3Hz,3H).
実施例5:A2AR PAM YNT−2168の合成経路
6−ブロモ−2−ピリジンカルボン酸(101.3mg,0.502mmol)、4−プロピルアニリン(71.4μL,0.502mmol)、及びリチウムアミド(57.6mg,2.51mmol)の1,4−ジオキサン(5mL)中溶液を一般的方法に従って反応させて、YNT−2168(82.3mg,64%)を黄色固体として得た。;H NMR(400MHz,CDOD)δ 7.76(dd,J=8.6,7.3Hz,1H),7.48(d,J=7.3Hz,1H),7.42(d,J=8.6Hz,2H),7.16(m,3H),2.56(dd,J=7.6Hz,2H),1.63(tq,J=7.6,7.3Hz,2H),0.94(t,J=7.3Hz,3H).
実施例6:A2AR PAM YNT−2224の合成経路
1)化合物Aの合成(YNT−2224の中間体)
炭酸セシウム(642.3mg,3.33mmol)、酢酸パラジウム(7.48mg,0.0333mmol)、rac−BINAP(33.2mg,0.0533mmol)、及び4−プロピルアニリン(96.0μL,0.673mmol)を3−ブロモ安息香酸メチル(143.2mg,0.666mmol)のトルエン(10mL)中懸濁液に攪拌下に加えた。得られた混合物を、100℃で24時間攪拌し、飽和塩化アンモニウム水溶液で室温下に希釈し、クロロホルムで抽出した。有機層を併せて、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=95/5→80/20)により精製して、化合物A(89.7mg,50%)を白色固体として得た。;H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.66(t,J=2.0Hz,1H),7.53(dt,J=7.6,1.3Hz,1H),7.29(t,J=7.8Hz,1H),7.19(ddd,J=8.1,2.5,1.1Hz,1H),7.15−7.08(m,2H),7.07−6.98(m,2H),5.72(s,1H),3.89(s,3H),2.55(dd,J=7.6Hz,2H),1.64(tq,J=7.6,7.3Hz,2H),0.95(t,J=7.3Hz,3H).
2)YNT−2224の合成
5mM水酸化ナトリウム水溶液(1mL)を、化合物A(53.7mg,0.199mmol)のテトラヒドロフラン(1.0mL)とメタノール(1.0mL)中溶液に攪拌下に加えた。得られた混合物を室温下に5時間攪拌し、1M塩化水素水溶液により0℃で希釈した後、クロロホルムで抽出した。有機層を併せて、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下に濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/10%酢酸−メタノール溶液=100/0→90/10)により精製して、YNT−2224(33.7mg,66%)を白色固体として得た。;H NMR(400MHz,アセトン−d)δ 7.80−7.75(m,1H),7.49(dt,J=7.3,1.5Hz,1H),7.38−7.27(m,2H),7.18−7.08(m,4H),2.53(dd,J=7.6Hz,2H),1.63(tq,J=7.6,7.3Hz,2H),0.95(t,J=7.3Hz,3H).
実施例7:A2AR PAM YNT−2205の合成経路
2,3,4−フルオロ安息香酸(99.6mg,0.566mmol)、3−アミノビフェニル(158.7mg,0.938mmol)、及びリチウムアミド(64.9mg,2.83mmol)の1,4−ジオキサン(5mL)中溶液を一般的方法に従って反応させて、YNT−2205(54.8mg,30%)を褐色固体として得た。;H NMR(400MHz,アセトン−d)δ 7.98(ddd,J=9.0,6.0,1.8Hz,1H),7.65(dd,J=8.2,1.4Hz,2H,),7.49−6.94(m,8H).
実施例8:A2AR PAM YNT−2221の合成経路
1)化合物Bの合成(YNT−2221の中間体)
炭酸カリウム(178.5mg,1.29mmol)、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)・ジクロロメタン付加体(PdCl2・dppfCHCl)(10.5mg,0.0129mmol)、及びフェニルボロン酸(63.0mg,0.516mmol)を、メチル 4−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)チオフェン−3−カルボキシラート(97.4mg,0.258mmol)の水(1mL)と1,4−ジオキサン(5mL)中溶液に攪拌下に加えた。得られた混合物を2時間還流し、飽和塩化アンモニウム水溶液で室温下に希釈した後、クロロホルムで抽出した。有機層を併せ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下に濃縮した。残渣を、分取シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=98/2→90/10)に付して、化合物B(34.2mg,69%)を褐色固体として得た。;H NMR(400MHz,アセトン−d)δ 8.72(br,1H),8.09(d,J=3.2Hz,1H),7.56(m,3H),7.46−7.31(m,5H),6.75(d,J=3.2Hz,1H)3.92(s,3H).
2)YNT−2221の合成
5mM水酸化ナトリウム水溶液(1mL)を、化合物B(26.5mg,0.0810mmol)のテトラヒドロフラン(1.0mL)とメタノール(1.0mL)中溶液に攪拌下に加えた。得られた混合物を室温下に19時間攪拌し、1M塩化水素水溶液により0℃で希釈した後、クロロホルムで抽出した。有機層を併せ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下に濃縮した。残渣を、PTLC(クロロホルム/10%酢酸−メタノール溶液=20/10)により精製して、YNT−2221(17.3mg,68%)を白色固体として得た。;H NMR(400MHz,アセトン−d)δ 8.34(d,J=3.2Hz,1H),7.75(dd,J=8.2,8.2Hz,1H),7.67(m,2H),7.55−7.44(m,4H),7.36−7.32(m,1H),7.07(d,J=3.2Hz,1H).
実施例9:A2AR PAM YNT−2222の合成経路
2−フルオロ安息香酸(126.5mg,0.903mmol)、4−プロピルアニリン(141.4μL,0.993mmol)、及びリチウムアミド(103.7mg,4.51mmol)の1,4−ジオキサン(5mL)中溶液を一般的方法に従って反応させて、YNT−2222(124.4mg,54%)を褐色固体として得た。;H NMR(400MHz,アセトン−d)δ 8.03(dd,J=8.0,1.6Hz,1H),7.38(ddd,J=8.7,7.1,1.7Hz,1H),7.24−7.20(m,5H),6.76(dd,J=7.5,0.9Hz,1H),2.59(dd,J=7.6Hz,2H),1.65(tq,J=7.6,7.3Hz,2H),0.95(t,J=7.3Hz,3H).
実施例10:A2AR PAM YNT−2245の合成経路
2,3,4−フルオロ安息香酸(269.0mg,1.53mmol)、4−ブロモアニリン(265.4mg,1.54mmol)、及びリチウムアミド(175.4mg,7.64mmol)の1,4−ジオキサン(5mL)中溶液を一般的方法に従って反応させて、YNT−2245(401.5mg,80%)を褐色固体として得た。;H NMR(400MHz,アセトン−d)δ 7.96(ddd,J=8.9,6.0,1.8Hz,1H),7.46(d,J=8.7Hz,2H,),7.04−6.98(m,3H).
実施例11:A2AR PAM YNT−2247の合成経路
2,3,4−フルオロ安息香酸(78.3mg,0.445mmol)、2−ヨードアニリン(98.4mg,0.449mmol)、及びリチウムアミド(51.1mg,2.22mmol)の1,4−ジオキサン(5mL)中溶液を一般的方法に従って反応させて、YNT−2247(103.9mg,62%)を褐色固体として得た。;H NMR(400MHz,アセトン−d)δ 7.99(ddd,J=9.2,6.0,2.3Hz,1H),7.89(d,J=7.8,1.4Hz,1H,),7.35(ddd,J=7.1,7.1,1.4Hz,1H),7.07−7.00(m,2H),6.85(ddd,J=7.6,7.6,1.4Hz,1H).
実施例12:A2AR PAM YNT−2248の合成経路
2,3,4−フルオロ安息香酸(84.1mg,0.478mmol)、2,5−フルオロアニリン(48.3μL,0.482mmol)、及びリチウムアミド(54.8mg,2.39mmol)の1,4−ジオキサン(5mL)中溶液を一般的方法に従って反応させて、YNT−2248(97.2mg,71%)を褐色固体として得た。;H NMR(400MHz,アセトン−d)δ 8.00(ddd,J=9.0,5.8,2.3Hz,1H),7.23(ddd,J=11.0,9.2,5.0Hz,1H,),7.09(ddd,J=9.4,9.4,7.1Hz,1H),6.93−6.86(m,1H),6.84−6.77(m,1H).
実施例13:A2AR PAM YNT−2249の合成経路
2,3,4−フルオロ安息香酸(80.4mg,0.457mmol)、5−クロロ−2−フルオロアニリン(50.5μL,0.461mmol)、及びリチウムアミド(52.4mg,2.28mmol)の1,4−ジオキサン(5mL)中溶液を一般的方法に従って反応させて、YNT−2249(99.3mg,72%)を褐色固体として得た。;H NMR(400MHz,アセトン−d)δ 9.36(br,1H),7.99(ddd,J=9.0,5.8,2.3Hz,1H),7.23(dd,J=11.0,8.7Hz,1H),7.13−7.05(m,3H).
実施例14:A2AR PAM YNT−2251の合成経路
2,3,4−フルオロ安息香酸(101.7mg,0.577mmol)、2−フルオロ−5−メチルアニリン(65.8μL,0.583mmol)、及びリチウムアミド(66.3mg,2.89mmol)の1,4−ジオキサン(5mL)中溶液を一般的方法に従って反応させて、YNT−2251(73.9mg,45%)を褐色固体として得た。;H NMR(400MHz,アセトン−d)δ 9.32(br,1H),7.96(ddd,J=9.0,5.8,2.3Hz,1H),7.08−6.88(m,4H),2.29(s,3H).
実施例15:A2AR PAM YNT−2252の合成経路
2,3,4−フルオロ安息香酸(115.5mg,0.656mmol)、5−ブロモ−2−フルオロアニリン(74.3μL,0.662mmol)、及びリチウムアミド(75.3mg,3.28mmol)の1,4−ジオキサン(5mL)中溶液を一般的方法に従って反応させて、YNT−2252(130.6mg,58%)を褐色固体として得た。;H NMR(400MHz,アセトン−d)δ 9.37(br,1H),7.98(ddd,J=9.0,5.8,2.3Hz,1H),7.27−7.15(m,3H),7.06(ddd,J=9.9,7.7,7.7Hz,1H).
実施例16:A2AR PAM YNT−2307の合成経路
2,3,4−フルオロ安息香酸(129.3mg,0.734mmol)、2−フルオロ−5−メトキシアニリン(98.9μL,0.662mmol)、及びリチウムアミド(84.2mg,3.67mmol)の1,4−ジオキサン(5mL)中溶液を一般的方法に従って反応させて、YNT−2307(159.6mg,73%)を褐色固体として得た。;H NMR(400MHz,アセトン−d)δ 9.34(br,1H),7.97(ddd,J=9.0,5.8,2.3Hz,1H),7.10(dd,J=10.8,8.9Hz,1H),7.06(ddd,J=9.4,7.1,7.1Hz,1H),6.68−6.60(m,2H),3.76(s,3H).
実施例17:A2AR PAM YNT−2308の合成経路
2,3,4−フルオロ安息香酸(169.2mg,0.620mmol)、2−フルオロ−4−メトキシアニリン(88.4mg,0.626mmol)、及びリチウムアミド(71.1mg,3.10mmol)の1,4−ジオキサン(5mL)中溶液を一般的方法に従って反応させて、YNT−2308(99.2mg,54%)を褐色固体として得た。;H NMR(400MHz,アセトン−d)δ 9.35(br,1H),7.92(ddd,J=9.2,5.9,2.1Hz,1H),7.12(dd,J=9.3,3.5Hz,1H),6.85−6.79(m,2H),6.74(ddd,J=8.9,2.8,1.2Hz,1H).
実施例18:A2AR PAM YNT−2310の合成経路
2,3,4−フルオロ安息香酸(122.1mg,0.693mmo)、4−エチニルアニリン(82.0mg,0.700mmol)、及びリチウムアミド(79.5mg,3.47mmol)の1,4−ジオキサン(5mL)中溶液を一般的方法に従って反応させて、YNT−2310(15.4mg,8%)を褐色固体として得た。;H NMR(400MHz,アセトン−d)δ 7.97(ddd,J=8.9,6.0,1.8Hz,1H),7.42(d,J=8.7Hz,2H),7.04−7.00(m,3H),3.56(s,1H).
実施例19:A2AR PAM YNT−2311の合成経路
2,3,4−フルオロ安息香酸(117.9mg,0.670mmol)、3−ブロモアニリン(73.7μL,0.676mmol)、及びリチウムアミド(76.8mg,3.35mmol)の1,4−ジオキサン(5mL)中溶液を一般的方法に従って反応させて、YNT−2311(116.3mg,53%)を褐色固体として得た。;H NMR(400MHz,アセトン−d)δ 9.28(br,1H),7.97(ddd,J=8.9,6.0,1.8Hz,1H),7.27−7.17(m,3H),7.07−7.00(m,2H).
試験例
[材料と方法]
(1)試薬
種々のA2AR PAMを上記の実施例に従って合成した。アデノシン、DMSO(ジメチルスルホキシド)、DMEM(ダルベッコ改変イーグル培地)、及び非必須アミノ酸(NEAA)は、ナカライテスク株式会社から購入した。FBS(ウシ胎児血清)は、株式会社ニチレイバイオサイエンスから購入した。HBSS(ハンクス平衡塩溶液)及びHEPES(ヒドロキシエチルピペラジンエタンスルホン酸)は、ギブコから購入した。ハイグロマイシンB、ペニシリン及びストレプトマイシンは、フジフイルム和光純薬株式会社から購入した。ペントバルビタール(ソムノペンチル)は、共立製薬株式会社から購入した。ピューロマイシンは、InvioGen社から購入した。生理食塩水は、大塚製薬株式会社から購入した。3−イソブチル−1−メチルキサンチン(IBMX)は、トクリスバイオサイエンスから購入した。
(2)動物
国際統合睡眠医科学研究機構で飼育された、体重21〜27g(10〜15週齢)の雄性C57BL/6近交系マウスを実験に用いた。動物は、室温23±0.5°C、相対湿度50±5%の、12時間明/12時間暗のサイクル(8時ちょうどに点灯、照度およそ100lux)に自動制御された断熱や防音を施した記録室で飼育した。全ての動物は自由飲水・摂餌とした。実験は、アメリカ国立衛生研究所による実験動物の管理と使用のための手引(全米研究評議会、2011)における勧告に厳格に従って実施した。実験プロトコルは、関連する日本及び機関の法令及びガイドラインに準拠するものであり、筑波大学動物実験委員会によって許可されたものである(プロトコル番号14−322)。使用する動物の数、及び動物が経験する痛みや不快感を最小限にするあらゆる努力を行った。
(3)マウスA2AR発現チャイニーズハムスター卵巣細胞
2ARのFLAGエピトープタグ付きオープンリーディングフレームを、マウスの脳の全RNAからPCRによって増幅した。得られたアンプリコンをpMXs−IRES−Puroレトロウイルスベクターにクローニングした(Kitamura et al.、2003)。次に、プラスミドをレトロウイルスパッケージング細胞株Plat−Eにトランスフェクトした(Morita et al.、2000)。トランスフェクトしたPlat−E細胞の上清を24時間後に回収し、レトロウイルスのエコトロピック受容体を強く発現するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞に適用した(Montminy et al.、1990)。マウスA2ARを発現するCHO(mA2AR−CHO)細胞は、ハイグロマイシンB(250μg ml−1)とピューロマイシン(10μg ml−1)の処理により、5%FBS及び1%NEAAを補充したDMEM中で選択した。続いて、mA2AR−CHO細胞を、5%FBS、1%NEAA、1%ペニシリン/ストレプトマイシン、及び250μg ml−1のハイグロマイシンBを補充したDMEM中で、5%COの雰囲気下、37℃で維持した。
(4)cAMPアッセイ
2A受容体の活性化は、マウスA2A受容体を発現しているCHO細胞における環状アデノシン一リン酸(cAMP)の蓄積によって定量した。CHO細胞を、384−ウェルマイクロプレート(1ウェルあたり2×10細胞)中、1M HEPES、0.25M IBMXを含むHBSSに懸濁し、アデノシン及び所定の濃度のA2AR PAMsとともに、30分間、25°Cでインキュベートした。Eu−cAMPトレーサー及びULight−抗−cAMP抗体を含む検出混合液を添加し1時間25℃でインキュベートした。マイクロプレートリーダー(ARVOX5;パーキンエルマー、ウォルサム、マサチューセッツ;励起:340nm;発光:665nm)を用いてフェルスター共鳴エネルギー移動(FRET)シグナルを測定した。全ての実験は、製造元の指示に従って実施した(LANCE Ultra cAMPキット、パーキンエルマー)。cAMPレベルは、cAMP標準曲線のダイナミックレンジ(「線形部分」)に基づいて決定し、ベースライン又はアデノシン治療群に対して正規化した。
(5)EEG/EMG電極を設置するための定位固定手術
ペントバルビタール[50mg kg−1個体体重、腹腔内(i.p.)]によりマウスを麻酔し、次いで定位固定装置に置いた。睡眠ポリグラフの記録の為の脳波(EEG)及び筋電図(EMG)の電極を慢性的にマウスに埋め込んだ(Oishi et al.、2016)。パキノスとフランクリンのアトラス(2004)に従って、皮質の上の頭蓋骨を通って2つのステンレス鋼ネジ(直径1mm)からなるインプラントを挿入し(ブレグマ又はラムダから、前後,+1.0mm;左右,−1.5mm)EEG電極として用いた。2つの絶縁されたステンレス鋼のテフロンコートされたワイヤーを両方の僧帽筋の筋肉内に両側性に配置しEMG電極として用いた。全ての電極にはマイクロコネクターをつけ、歯科用セメントで頭蓋骨に固定した。
(6)薬理治療
対照となるデータの為に、22時ちょうどに生理食塩水又はベヒクル(10ml kg−1、i.p.)をマウスに注射した。使用直前にYNT−2167を生理食塩水に溶解し、実験日の22時ちょうどに、75mg kg−1の用量で腹腔内投与した。マウスは、対照又は薬物注射を受ける群にランダムに振り分けた。
(7)EEG/EMGポリグラフ記録に基づくビジランス状態評価
手術後10日目に、マウスを断熱及び防音が施された記録室の透明バレルに個々に収容し、ポリグラフ記録を開始する前の馴化の3−5日間EEG−EMG記録ケーブルにつないだ。自発的な睡眠−覚醒サイクルを調べる為に、各動物について24時間(20時ちょうどに開始、暗期のはじまり)の記録をとった。次いで動物は、睡眠−覚醒のパラメーターが36時間記録される、検査の薬理学的フェーズに入った。最初の24時間の間に集積したデータもまた実験2日目のためのベースラインとなる比較データとして用いた。皮質EEG/EMGシグナルを増幅し、フィルタリングし(EEG 0.5−30Hz;EMG 20−200Hz)、次いでサンプリング速度128Hzでデジタル化し、データ収集ソフトウェアSleepSign(登録商標)(キッセイコムテック、松本、日本)を用いて記録した。ビジランス状態は、SleepSign(登録商標)(ver3.4)ソフトウェアによって、標準的な基準に従って(Oishi et al.、2016)、覚醒、急速眼球運動(REM)睡眠、及びSWSの3段階に10秒エポックでオフラインで分類された。最終工程として、定義づけられたビジランス状態を視覚的に調べ、必要な場合には補正した。
(8)結果
(i)YNT−2167は、マウスA2AR発現チャイニーズハムスター卵巣細胞の活性を高める。我々は、レトロウイルスを介した遺伝子導入法を用いて、マウスA2ARを発現するCHO細胞を樹立した(Kitamura et al.、2003)。我々は、これらのmA2AR−CHO細胞を使用して、以前に同定されたA2ARポジティブアロステリックモジュレーターであるYNT−378の誘導体である、YNT−2167の、A2ARに対する活性を試験した。CHO細胞におけるA2AR活性は、蛍光共鳴エネルギー移動イムノアッセイを使用して、アデノシン及び低分子化合物を添加した後に生成されたcAMPを測定することにより決定した。アデノシン処理細胞とアデノシン及び化合物処理細胞グループ間のFRET信号の減少に基づいてcAMP変化のパーセンテージを計算した。一方、細胞群のアデノシン処理又はアデノシン及び化合物処理後のFRETシグナルの減少に基づいて決定された増加したcAMPレベルのパーセンテージを決定した。YNT−2167によるmA2AR−CHO細胞の処理は、cAMP生成を約50%確実に増加させた。この結果は、最初に同定されたアデノシンA2ARポジティブアロステリックモジュレーターであるYNT−378が、cAMP生成を約20%増加させたことと比較して、非常に有意である(図1A)。さらに、アデノシンと異なる濃度のYNT−2167による細胞の共処理は、濃度依存的に細胞のcAMP生成レベルを増加させた(図1B)。
(ii)YNT−2167の腹腔内投与は、マウスにおける徐波睡眠を誘発する。以前に報告したA2ARポジティブアロステリックモジュレーターであるYNT−378に関しては、YNT−2167の徐波睡眠誘発活性は、睡眠バイオアッセイを使用して測定した。動物のビジランス段階は、SLEEPSIGN(登録商標)ソフトウェアによって記録された脳波(EEG)と筋電図(EMG)の信号によって決定した。YNT−2167は、動物がほとんどの時間覚醒している22:00における暗期の開始から2時間後に腹腔内投与した。YNT−2167は、暗期の最後の5時間の間に動物の徐波睡眠を有意に増加させ、同時に覚醒を減少させた(図2A)。徐波睡眠の総量は、生理食塩水処理の場合と比較して、75mg・kg−1のYNT−2167の投与で、5時間の間に、約45分増加した。他方、覚醒は約50分減少した(図2B)。YNT−2167の腹腔内注射は、生理食塩水注射と比較して、動物のREM睡眠プロファイルに有意には影響しなかった(図2A及び2B)。
リファレンス:
(1) T. Kitamura, Y. Koshino, F. Shibata, T. Oki, H. Nakajima, T. Nosaka, H. Kumagai. Retrovirus−mediated gene transfer and expression cloning: powerful tools in functional genomics, Exp. Hematol., 31 (2003), pp. 1007−1014 https://doi.org/10.1016/j.exphem.2003.07.005
(2) Mustafa Korkutata, Tsuyoshi Saitoh, Yoan Cherasse, Shuji Ioka, Feng Duo, Rujie Qin, Nobuyuki Murakoshi, Shinya Fujii, Xuzhao Zhou, Fumihiro Sugiyama, Jiang−Fan Chen, Hidetoshi Kumagai, Hiroshi Nagase, Michael Lazarus. Enhancing endogenous adenosine A2A receptor signaling induces slow−wave sleep without affecting body temperature and cardiovascular function, europharmacology, https://doi.org/10.1016/j.neuropharm.2018.10.022.
(3) National Research Council Guide for the Care and Use of Laboratory Animals
(eighth ed.). National Academy Press, Washington, DC (2011)
(4) Y. Oishi, Y. Takata, Y. Taguchi, S. Kohtoh, Y. Urade, M. Lazarus. Polygraphic Recording Procedure for Measuring Sleep in Mice JoVE (2016) e53678 https://doi.org/10.3791/53678
(5) G. Paxinos, K.B.J. Franklin. The Mouse Brain in Stereotaxic Coordinates (second ed.), Academic Press, Cambridge, MA (2004)
本発明は、アデノシンA2A受容体のポジティブアロステリックモジュレーターであり、睡眠誘導剤として有用な複素環化合物に関する。より詳細には、本発明は、特に熟睡感を与える徐波睡眠を提供可能な睡眠誘導剤に関する。

Claims (15)

  1. 以下の式(I):
    (式中、
    環Aは、炭素原子以外の環構成原子として、窒素原子及び硫黄原子から選択される1〜4個の複素原子を含有する5又は6員芳香族複素環、又はベンゼンであり;
    は、カルボキシ基であり;
    m個のRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、アリール基、又は5又は6員芳香族複素環基であり;
    環Bは、5又は6員芳香環であり;
    n個のRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、又はアリール基であり;
    mは、0、1、又は2であり;及び
    nは、1又は2である。
    但し、1)環Aが、ベンゼンである場合には、以下の部分構造式で表される基:
    は、2−カルボキシ−5、6−ジフルオロフェニルであり、かつ
    以下の部分構造式で表される基:
    は、3−フルオロ−4−ヨードフェニル、3−ビフェニル、4−ブロモフェニル、2−ヨードフェニル、2、5−ジフルオロフェニル、2−フルオロ−5−クロロフェニル、2−フルオロ−5−メチルフェニル、2−フルオロ−5−ブロモフェニル、2−フルオロ−5−メトキシフェニル、2−フルオロ−4−メトキシフェニル、4−エチニルフェニル、又は3−ブロモフェニルであるか;又は
    2)環Aが、ベンゼンである場合には、以下の部分構造式で表される基:
    は、2−カルボキシフェニル又は3−カルボキシフェニルであり、かつ
    以下の部分構造式で表される基:
    は、4−プロピルフェニルである。)
    で表される化合物又はその塩。
  2. 環Aが、ピリジン、チオフェン、又はベンゼンであり、
    が、カルボキシ基であり、
    m個のRが、それぞれ独立して、ハロゲン原子又は炭素原子以外の環構成原子として、窒素原子及び硫黄原子から選択される1〜4個の複素原子を含有する5又は6員芳香族複素環基であり;
    環Bが、ベンゼンであり;及び
    n個のRが、それぞれ独立して、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cアルケニル基、C−Cアルキニル基、C−Cアルコキシ基、又はC−C10アリール基である、請求項1に記載の化合物又はその塩。
  3. 環Aが、ピリジン又はチオフェンである、請求項1又は2に記載の化合物又はその塩。
  4. 環Aが、ピリジン又はチオフェンであり、
    環Bが、ベンゼンであり、
    n個のRが、それぞれ独立して、ハロゲン原子、C−Cアルキル基、又はフェニルであり、及び、
    mが、0である、請求項1に記載の化合物又はその塩。
  5. 以下の化合物群から選択される、請求項4に記載の化合物又はその塩:
    (式中、nPrは、プロピルであり、及びPhは、フェニルである。)
  6. 環Aが、ベンゼンである、請求項1又は2に記載の化合物又はその塩。
  7. 請求項1に記載の化合物(I)又はその薬学上許容される塩を有効成分として含有する医薬。
  8. 医薬として使用するための、請求項1に記載の化合物(I)又はその薬学上許容される塩。
  9. 以下の式(Ia):

    (式中、
    環Aは、炭素原子以外の環構成原子として、窒素原子及び硫黄原子から選択される1〜4個の複素原子を含有する、5又は6員芳香族複素環、又はベンゼンであり;
    は、カルボキシ基であり;
    m個のRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、アリール基、又は5又は6員芳香族複素環基であり;
    環Bは、5又は6員芳香環であり;
    n個のRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、又はアリール基であり;
    mは、0、1、又は2であり;及び
    nは、1又は2である。
    但し、1)環Aが、ベンゼンである場合には、以下の部分構造式で表される基:
    は、2−カルボキシ−5、6−ジフルオロフェニルであり、かつ
    以下の部分構造式で表される基:
    は、3−フルオロ−4−ヨードフェニル、3−ビフェニル、4−ブロモフェニル、2−ヨードフェニル、2、5−ジフルオロフェニル、2−フルオロ−5−クロロフェニル、2−フルオロ−5−メチルフェニル、2−フルオロ−5−ブロモフェニル、2−フルオロ−5−メトキシフェニル、2−フルオロ−4−メトキシフェニル、4−エチニルフェニル、3−ブロモフェニル、2−メチル−4−ヨードフェニル、又は2−フルオロ−4−ブロモフェニルであるか;又は
    2)環Aが、ベンゼンである場合には、以下の部分構造式で表される基:
    は、2−カルボキシフェニル又は3−カルボキシフェニルであり、かつ
    以下の部分構造式で表される基:
    は、4−プロピルフェニルである。)
    で表される化合物又はその薬学上許容される塩を有効成分として含有する、アデノシンA2A受容体を標的としたポジティブアロステリックモジュレーター(PAM)である医薬。
  10. 請求項9で定義された化合物(Ia)又はその薬学上許容される塩を有効成分として含有する、徐波睡眠を誘導するための医薬。
  11. 請求項9で定義された化合物(Ia)又はその薬学上許容される塩を有効成分として含有する、不眠症の予防又は治療のための医薬。
  12. 請求項9で定義された化合物(Ia)又はその薬学上許容される塩を、それを必要とする哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における徐波睡眠の誘導方法。
  13. 請求項9で定義された化合物(Ia)又はその薬学上許容される塩を、それを必要とする哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における不眠症の治療又は予防方法。
  14. 哺乳動物における徐波睡眠の誘導に使用するための、請求項9で定義された化合物(Ia)又はその薬学上許容される塩。
  15. 不眠症の治療又は予防に使用するための、請求項9で定義された化合物(Ia)又はその薬学上許容される塩。
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