JP2020186869A - ループヒートパイプ - Google Patents

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Abstract

【課題】蒸発器におけるウィック到達前の液相の作動流体への断熱性能の更なる向上を図ることが可能なループヒートパイプを提供する。【解決手段】このループヒートパイプ100の蒸発器3は、入口開口11および出口開口12が形成され、周壁部13と端面部14とを有するケース10と、ケース10の内部に配置されるウィック20と、ケース10の内部の入口開口11側に配置され、入口開口11から流入する液相の作動流体1をウィック20に導く筒状の案内部30と、を含む。筒状の案内部30は、入口開口11を含む内周側の液相空間41と、周壁部13の内面13aとの間の外周側の気相空間42と、を区画するように設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、ループヒートパイプに関する。
従来、ループヒートパイプが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1では、作動流体を循環させるように接続された液管、蒸発器、蒸気管及び凝縮器を有するループ型ヒートパイプが開示されている。蒸発器は、液流入口及び蒸気流出口を有するケースと、ケース内に配置され、ケースの内面に液相の作動流体を導く多孔質体(ウィック)と、ケース内に配置され、液流入口から多孔質体内に液相の作動流体を導くマニフォールド(液供給管)とを有する。
上記特許文献1では、ループ型ヒートパイプにおいて、作動液がウィックに到達する前に気化すると、気泡がウィックの両側に気相を生じさせることにより、ウィックの外周側へと向かう通常の表面張力を打ち消す表面張力を発生することが指摘されている。上記特許文献1では、表面張力が打ち消されることは、ウィックの毛細管力が働かなくなることを意味し、ループ型ヒートパイプの冷却性能の低下又は不安定な動作がもたらされると指摘している。そこで、上記特許文献1では、作動液がウィックに到達する前に気化することを防止するため、マニフォールドを設けている。マニフォールドは、ケースの内壁に沿って配置され、ケースの材料より低い熱伝導率の材料を有する。マニフォールドの材料の一例として、MCナイロンが挙げられている。
特許第5637216号公報
上記のように、特許文献1では、MCナイロンなどの樹脂材料からなるマニフォールドをケースの内壁に設けることによってウィック到達前の液相の作動流体への熱伝達の抑制を図っている。しかし、ループヒートパイプの動作の安定化、冷却性能の低下抑制のためには、蒸発器における液相の作動流体への断熱性能の更なる向上が望まれる。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、蒸発器におけるウィック到達前の液相の作動流体への断熱性能の更なる向上を図ることが可能なループヒートパイプを提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面におけるループヒートパイプは、蒸発器と、蒸気管と、凝縮器と、液管とを備えたループヒートパイプであって、蒸発器は、液相の作動流体の入口開口および気相の作動流体の出口開口が形成され、周壁部と端面部とを有するケースと、入口開口側と出口開口側とを区画するようにケースの内部に配置され、液相の作動流体を毛細管力により周壁部の内面に移動させるウィックと、ケースの内部の入口開口側に配置され、入口開口から流入する液相の作動流体をウィックに導く筒状の案内部と、を含み、筒状の案内部は、入口開口を含む内周側の液相空間と、周壁部の内面との間の外周側の気相空間と、を区画するように設けられている。
なお、本明細書において「液相空間」は、入口開口から液相の作動流体が供給される空間であるが、厳密に液相の作動流体のみによって充填されている必要はなく、気相の作動流体が僅かに含まれていることを許容する。「気相空間」は、主として気相の作動流体が存在すればよく、液相を含まないことを意味するものではない。気相空間は、気液混相の状態であることを許容する概念である。
本発明によれば、上記のように、筒状の案内部が、入口開口を含む内周側の液相空間と、周壁部の内面との間の外周側の気相空間と、を区画するように設けられるので、入口開口から液相空間に供給される液相の作動流体とケース(周壁部)の内面との間(気相空間)に、気相の作動流体を配置することができる。すなわち、気相空間に存在する気相の作動流体を、液相空間内の液相の作動流体に対する断熱構造として利用することができる。ここで、たとえば作動流体を水と仮定すると、気相の水の熱伝導率は、約0.018W/m・Kとなり、MCナイロンの熱伝導率(約0.2W/m・K)と比較しても、1/10程度の低値となる。そのため、上記構成によれば、樹脂(MCナイロン)などの低熱伝導材料を用いる従来構造と比較して、蒸発器におけるウィック到達前の液相の作動流体への断熱性能の更なる向上を図ることが可能なループヒートパイプを提供することができる。
ループヒートパイプの全体構成を示した模式図である。 蒸発器を側面側から見た模式的な断面図である。 蒸発器の構成例を示した模式的な斜視図である。 図2の500−500線に沿ったウィックの模式的な端面図である。 図2の501−501線に沿った案内部の模式的な端面図である。 気相空間および液相空間を説明するための図2のSA部を拡大した模式図である。 図2のSB部に相当する、ウィックの内表面側に気泡が発生した場合を説明するための仮想的なウィックの拡大模式図である。 蒸発器の第1変形例を示した模式的な断面図である。 蒸発器の第2変形例を示した模式的な断面図である。 蒸発器の第3変形例によるウィックを示した模式的な端面図である。 蒸発器の第3変形例による案内部を示した模式的な端面図である。 蒸発器の第4変形例による案内部を示した模式的な端面図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図7を参照して、一実施形態によるループヒートパイプ100について説明する。ループヒートパイプ100は、図1に示すように、液相の作動流体1を気相の作動流体1に気化させる際の気化熱により、発熱体2を冷却するように構成されたデバイスである。ループヒートパイプ100は、蒸発器3と、蒸気管4と、凝縮器5と、液管6とが閉じたループ状経路を形成するように接続された構成を有する。ループヒートパイプ100の内部には作動流体1が適正量封入されている。
作動流体1は、ループヒートパイプ100の動作に伴って相変化しながらループヒートパイプ100内を循環する。作動流体1は、蒸発器3での吸熱により気化し、蒸気管4を通って凝縮器5に移動し、凝縮器5での放熱により凝縮し、液管6を通って蒸発器3に移動する。作動流体1は、水、フロン、アンモニア、フルオロカーボン類などであり得る。以下では、便宜的に、液相の作動流体1を「作動液1a」といい、気相の作動流体1を「作動蒸気1b」という。
発熱体2は、特に限定されない。発熱体2は、たとえば、電動アクチュエータなどの電気機械、プロセッサまたはスイッチング素子などを備えた電子機器、空調などの温度調節用の配管などでありうる。
図1に示すループヒートパイプ100は、上記した蒸発器3と、蒸気管4と、凝縮器5と、液管6と、を備えている。また、ループヒートパイプ100は、リザーバ7を備えている。
蒸発器3は、発熱体2から受け入れた熱80により作動液1aを気化させて作動蒸気1bを生成するように構成されている。蒸発器3は、ループヒートパイプ100に少なくとも1つ設けられる。蒸発器3は、作動流体1を収容可能なケース10を備える。ケース10は、発熱体2と熱的に接続される少なくとも1つの受熱面を有する。蒸発器3は、受熱面から受け入れた熱80を作動液1aに伝える。
また、蒸発器3は、作動流体1の循環を駆動するポンプとしても機能するように構成されている。ループヒートパイプ100は、コンプレッサなどを駆動するための外部電力の供給なしに、作動流体1を循環させることが可能な電力(外部動力)フリーの熱輸送装置である。蒸発器3は、作動流体1の駆動力の発生源として、毛細管力を発生させるウィック20を備える。蒸発器3の詳細な構成は、後述する。
蒸気管4は、蒸発器3の出口開口12と凝縮器5の入口5aとを流体的に接続している。蒸気管4は、第1端部と第2端部とを有する管部材である。第1端部が蒸発器3に接続され、第2端部が凝縮器5に接続されている。蒸発器3で生成された作動蒸気1bは、出口開口12から蒸気管4へ流入し、蒸気管4を通って凝縮器5の入口5aへ流入する。
凝縮器5は、作動蒸気1bから熱を回収することにより、作動蒸気1bを凝縮させて作動液1aを生成するように構成されている。凝縮器5は、ループヒートパイプ100に少なくとも1つ設けられる。凝縮器5は、作動流体1を流す少なくとも1つの流路と、流路中の作動流体1から回収した熱を外部に放出するための少なくとも1つの放熱面を有する。具体的には、凝縮器5は、冷媒凝縮管5cと、冷媒凝縮管5c内を流れる気液二相状態の作動流体1との熱交換を行うヒートシンク5dとを含んでいる。ヒートシンク5dは、たとえば表面に放熱面を有し、空冷または液冷により外部に熱を放出する。
液管6は、凝縮器5の出口5bとリザーバ7の入口7aとを流体的に接続する第1管6aと、リザーバ7の出口7bと蒸発器3の入口開口11とを流体的に接続する第2管6bとを含む。液管6(第1管6a、第2管6b)は、第1端部と第2端部とを有する管部材である。凝縮器5で生成された作動液1aは、凝縮器5の出口5bから液管6(第1管6a)へ流入し、液管6(第1管6a)を通ってリザーバ7へ流入する。さらに、作動液1aは、リザーバ7の出口7bから液管6(第2管6b)へ流入し、液管6(第2管6b)を通って蒸発器3へ流入する。
リザーバ7は、作動流体1を貯留する容器である。リザーバ7は、ループヒートパイプ100内の余剰の作動流体1を貯留する。リザーバ7は、ループヒートパイプ100の起動時(低温状態)には略気相と少量の液相の作動流体1を貯留し、ループヒートパイプ100の動作中には液相の割合が増加した作動流体1を貯留する。リザーバ7により、蒸発器3内の作動液1aが不足しないように液量調整が行われる。
(蒸発器)
図2に示すように、蒸発器3は、ケース10、ウィック20および案内部30を含む。蒸発器3は、ケース10内にウィック20および案内部30を収容した構造を有する。
〈ケース〉
ケース10には、液相の作動流体1(作動液1a)の入口開口11および気相の作動流体1(作動蒸気1b)の出口開口12が形成されている。ケース10は、少なくとも1つの周壁部13と少なくとも1つの端面部14とを有する。周壁部13および端面部14は、ケース10の内部空間15を区画する。周壁部13および端面部14の形状は特に限定されない。ケース10の構成材料は、たとえば金属または合金であり、銅、アルミニウムまたはこれらの合金、あるいはステンレス鋼などが用いられ得る。ケース10の構成材料は、必要とされる機械的性質を有した上で、なるべく熱伝導率の高い材料が望ましい。
図3に示すように、ケース10は、たとえば直方体(六面体)状の箱状形状を有する。図3の例では、ケース10が矩形筒状の周壁部13と、2つの矩形平板状の端面部14とを有する。周壁部13は、蒸発器3の上面3a、下面3b、左側面3cおよび右側面3dを構成する。2つの端面部14は、筒状の周壁部13の両端をそれぞれ覆う。ケース10は、周壁部13と各端面部14とによって区画された直方体状の内部空間15を有する。一方の端面部14に入口開口11(図2参照)が形成され、他方の端面部14に出口開口12(図2参照)が形成されている。入口開口11に液管6が接続され、出口開口12に蒸気管4が接続されている。
図3の例では、周壁部13の上面3aおよび下面3bが左側面3cおよび右側面3dに比べて大きい平板型の蒸発器3の例を示している。この例では、上面3aおよび下面3bの一方または両方が、発熱体2と熱的に接続される受熱面を構成する。なお、図3では、ケース10が、入口開口11側の第1部分10aと出口開口12側の第2部分10bとに分割されている例を示している。ケース10は、第1部分10aおよび第2部分10bの内部に部品(ウィック20および案内部30など)を収容した状態で、溶接、ろう付け、接着その他の手法により第1部分10aおよび第2部分10bの端面同士を接合することにより形成される。図3では、第1部分10aおよび第2部分10bが周壁部13の部分で分割されている例を示しているが、たとえば第1部分10aが周壁部13の全体と一方の端面部14とを含み、第2部分10bが他方の端面部14のみを含む構造であってもよい。
〈ウィック〉
図2に示すように、ウィック20は、入口開口11側と出口開口12側とを区画するようにケース10の内部に配置されている。つまり、ウィック20は、ケース10の内部空間15を、入口開口11側の領域と、出口開口12側の領域とに分けている。ウィック20は、作動液1a(液相の作動流体1)を毛細管力により周壁部13の内面13aに移動させるように構成されている。すなわち、ウィック20は、入口開口11側の表面から作動液1aを浸透させ、毛細管現象によって、出口開口12側の表面まで作動液1aを移動させる複数の毛細管(図示せず)が形成された多孔質材である。
ウィック20は、金属、合金またはセラミックの多孔質材により形成されている。ウィック20は、たとえば、金属繊維の焼結体、金属製の多孔質体(ポーラスメタルなど)、セラミック製の多孔質体などが用いられる。ウィック20の平均孔径は、たとえば数μmから数十μm程度の大きさである。
ウィック20は、ケース10の周壁部13の内面13aと全周に亘って当接する外表面21(図3参照)を有する。また、ウィック20は、作動液1aを貯留可能に窪んだ凹部22を有する。作動液1aは、凹部22の内表面23側から外表面21まで輸送されて、周壁部13の内面13aから発熱体2の熱80を受け取ることにより気化される。ウィック20の外表面21において発生した作動蒸気1bが出口開口12側に円滑に流れるように、ウィック20の外表面21および周壁部13の内面13aの少なくとも一方には、出口開口12に向けて延びる溝部24が形成される。
本実施形態では、ウィック20は、外表面21に形成された溝部24を有する。周壁部13の内面13aは平坦面である。図3および図4に示すように、溝部24は、ウィック20の外表面21において、入口開口11側の端部の手前から、出口開口12側の端部まで延びている。溝部24は、ウィック20の外表面21の幅方向に並ぶように複数設けられている。ウィック20の外表面21のうち、溝部24が形成されていない領域は、周壁部13の内面13aと当接する当接面25となっている。ウィック20の外表面21において、入口開口11側の端部には、全周に亘って当接面25が形成されている。図4では、ウィック20の外表面21のうち、ケース10の上面3a側および下面3b側の上下の外表面21にのみ溝部24が形成されている例を示しているが、左右の外表面21にも溝部24を形成してもよい。溝部24は、深さ91を有する。
〈案内部〉
図2に示すように、案内部30は、入口開口11から流入する液相の作動流体1をウィック20に導くように構成されている。案内部30は、ケース10の内部の入口開口11側に配置されている。つまり、案内部30は、ウィック20によって区画されたケース10の内部空間15のうちで、入口開口11側に配置されている。案内部30は、筒状形状(図3および図5参照)を有している。案内部30は、入口開口11の周囲を取り囲むように端面部14の内面14aと当接し、内周側に作動液1aを受け入れるように設けられている。案内部30は、ウィック20の凹部22の周囲を取り囲むように設けられ、入口開口11から受け入れた作動液1aをウィック20の凹部22へと導く。
本実施形態では、筒状の案内部30は、入口開口11を含む内周側の液相空間41と、周壁部13の内面13aとの間の外周側の気相空間42と、を区画するように設けられている。上記のように、案内部30の内周面31は、入口開口11を取り囲むことにより、液相空間41を区画している。案内部30の外周面32は、少なくとも一部が、周壁部13の内面13aとの間に隙間を形成するように内面13aから離れている。案内部30の外周面32と、周壁部13の内面13aとの間に、気相空間42が形成されている。
液相空間41は、案内部30の内周面31と、ウィック20の内表面23と、入口開口11の周囲の端面部14の内面14aと、により区画された空間である。気相空間42は、案内部30の外周面32と、周壁部13の内面13aと、ウィック20の端面26と、端面部14の内面14aと、により区画された空間である。気相空間42は、これらの各面によって区画された閉じた空間である。
案内部30は、第1端33および第2端34を有する。第1端33がウィック20の入口開口11側の端面26に当接し、第2端34がケース10の端面部14の内面14aに当接している。図2の構成例では、ケース10の端面部14は、入口開口11を取り囲むように形成され案内部30の第2端34が嵌る凹部14bを有する。端面部14の内面14aには、図3に示すように案内部30の第2端34の形状(矩形枠形状)に合わせた形状の環状(図示省略)の凹部14bが形成されている。案内部30の第2端34は、凹部14b内に嵌り込んでいる。ウィック20の端面26の側にも、案内部30の第1端33が嵌り込む窪み(凹部)を設けてもよい。
案内部30は、液体を浸透させる多孔質材または液体を浸透させない非多孔質材により形成されうる。本実施形態では、案内部30は、多孔質材により形成されている。これにより、案内部30は、毛細管力81(図6参照)により、液相空間41から案内部30の外周面32への液相の作動流体1の移動を許容するとともに気相空間42から液相空間41への気相の移動を阻むように構成されている。
図6に示すように、案内部30が有する細孔35内に浸透した作動液1aには、外周面32へ向かう毛細管力81が作用する。案内部30の内周面31から外周面32(気相空間42)に浸みだした作動液1aは、発熱体2からケース10に伝わる熱80により気化され作動蒸気1bとなる。閉じた気相空間42内の作動蒸気1bは、出口開口12側へ逃げる先がないため、気相空間42内に留まる。案内部30には、毛細管力81により、作動液1aを外周面32側へ押し出そうとする力が生じるため、気相空間42内の作動蒸気1bが液相空間41へ移動することが抑止される。
ループヒートパイプ100の作動中、案内部30の内周側の液相空間41は、実質的に作動液1aによって満たされる。実質的に満たされるとは、不可避的に混入する気泡などが存在することを許容することを意味する。ループヒートパイプ100の作動中、案内部30の外周側の気相空間42は、主として作動蒸気1bによって満たされるが、作動液1aが含まれた二相混合状態であってもよい。
図3の例では、案内部30は、ウィック20とは別体で設けられている。この場合、案内部30は、ウィック20と同一の構成材料で形成されていてもよいし、ウィック20とは異なる構成材料で形成されていてもよい。ウィック20は、毛細管力により作動流体1を循環させる機能を有するので、毛細管力の発生に関わる構成材料、空隙率、平均孔径などの各種パラメータについて設計上の制約が多い。そのため、ウィック20については、必ずしも熱伝導率を優先した構成材料を選定することができない。これに対して、案内部30は、作動流体1を循環させる機能を有する必要がないため、構成材料、空隙率、平均孔径などの設計上の自由度が確保しやすい。そのため、案内部30がウィック20とは別体で設けられている場合、液相空間41内の作動液1aへの断熱性能を優先させた構成材料、空隙率、平均孔径などを選定することができる。
たとえば、本実施形態では、案内部30は、ウィック20の構成材料よりも熱伝導率の小さい構成材料により形成されている。具体的には、ウィック20は、上記の通り、金属、合金またはセラミックの多孔質材により形成されている。案内部30は、樹脂の多孔質材により形成されている。樹脂材料は、金属、合金またはセラミックと比較して熱伝導率が低い傾向があり、そのような樹脂の多孔質材を用いることにより、案内部30の断熱性能を容易に向上させることができる。熱伝導率の一例として、銅は約380W/mK、ステンレス鋼は約16W/mK、アルミナは約30W/mK、PTFEは約約0.2W/mKである。案内部30の構成材料の空隙率および平均孔径は、ウィック20の構成材料の空隙率および平均孔径と同じでもよいし、異なっていてもよい。
気相空間42による断熱性能を確保するためには、案内部30と周壁部13との接触面積を極力小さくすることが好ましい。図5の構成例では、案内部30は、外周面32の全周に亘って、周壁部13の内面13aから非接触となるように設けられ、周壁部13の内面13aとの間に環状の気相空間42を形成している。気相空間42は、案内部30の外周面32と周壁部13の内面13aとの間で、全周にわたって連続した空間となっている。このため、周壁部13の内面13aから案内部30に対して、直接接触による熱伝導は発生せず、作動蒸気1bによる高い断熱性能が確保される。
案内部30の外周面32は、周壁部13の内面13aから距離92だけ離れるように設けられている。距離92は、気相空間42の厚みに相当する。案内部30と周壁部13との間の気相空間42の厚み92は、溝部24の深さ91(図4参照)よりも大きい。一例として、溝部24の深さ91が約1mm〜約2mm程度である場合、気相空間42の厚み92が約2mm〜約4mm程度としてよい。
また、気相空間42の容積は、ウィック20と周壁部13の内面13aとの間の各溝部24の内部容積の合計よりも、大きい。また、図4および図5に示したように、蒸発器3の入口開口11から出口開口12に向かう方向から見た断面において、気相空間42の断面積は、各溝部24により形成される空間27(図4参照)の総面積よりも大きい。これにより、気相空間42を大きくできるので、高い断熱性能を得ることが可能である。
(蒸発器の作用)
次に、本実施形態の蒸発器3の作用を説明する。
蒸発器3のケース10に発熱体2から熱80が加えられると、ウィック20の外表面21(溝部24の内面も含む)において作動液1aが熱80を吸収して気化し、溝部24の空間27(図4参照)を通って出口開口12へ移動する。図7に示すように、ウィック20には、多数の細孔28が形成されており、毛細管力82によって、凹部22内の作動液1aを細孔28を介して外表面21に輸送する。ウィック20の外表面21での作動液1aの気化と、毛細管力82による凹部22内から外表面21への作動液1aの輸送とによって、作動流体1がループヒートパイプ100内を循環する。
ここで、本実施形態の案内部30がなく作動液1aがケース10の内面13aに直接触れる場合、ケース10の内面13aからの伝熱(図2参照)によって作動液1aがウィック20に達する前に加熱され、この部分で沸騰して気泡61が生じ、気泡61がウィック20の凹部22に流入して内表面23に付着する現象が生じうる。図7は、説明のため便宜的に、作動液1aの中に発生した気泡61が凹部22の内側に流入した状況を仮想的に示している。この場合、細孔28内の作動液1aには、内表面23側および外表面21側にそれぞれ毛細管力82が作用することとなり、作動液1aを外表面21側に移動させる作用が阻害される。ウィック20の内表面23に作動液1aの気泡61が流入することを抑制するためには、ウィック20に作動液1aが流入する前に、作動液1aに発熱体2の熱80が伝わることを抑制することが重要である。
本実施形態では、図2に示したように、筒状の案内部30によって、入口開口11から供給される作動液1aがウィック20の内表面23まで導かれる。図6に示したように、ケース10(周壁部13)に与えられた熱80は、気相空間42、案内部30を介して、案内部30の液相空間41内の作動液1aに伝達するが、気相空間42内の作動蒸気1bは、気体(気相)であるため、低い熱伝導率を有する。作動流体1を水と仮定すると、気相の水の熱伝導率は、約0.018W/m・Kとなる。たとえばMCナイロンなどの低熱伝導率の樹脂材料を断熱材として使用する場合でも、MCナイロンは熱伝導率(約0.2W/m・K)であり、作動蒸気1bの熱伝導率はさらに1/10程度の低値となる。そのため、気相空間42により、ケース10の周壁部13から気相空間42を介して液相空間41内に熱80が伝わることが効果的に抑制される。すなわち、図7に仮想的に示した気泡61の発生、及び流入が抑制される。
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、筒状の案内部30が、入口開口11を含む内周側の液相空間41と、周壁部13の内面13aとの間の外周側の気相空間42と、を区画するように設けられるので、入口開口11から液相空間41に供給される液相の作動流体1(作動液1a)とケース10(周壁部13)の内面13aとの間(気相空間42)に、気相の作動流体1を配置することができる。すなわち、気相空間42に存在する気相の作動流体1(作動蒸気1b)を、液相空間41内の液相の作動流体1に対する断熱構造として利用することができる。これにより、樹脂(MCナイロン)などの低熱伝導材料を用いる従来構造と比較して、蒸発器3におけるウィック20到達前の液相の作動流体1への断熱性能の更なる向上を図ることが可能なループヒートパイプを提供することができる。
また、上記実施形態では、以下のように構成したことによって、更なる効果が得られる。
すなわち、本実施形態では、上記のように、案内部30は、多孔質材により形成され、毛細管力81により、液相空間41から案内部30の外周面32への作動液1aの移動を許容するとともに気相空間42から液相空間41への気相の移動を阻むように構成されている。このように構成すれば、案内部30の外表面に浸透した作動液1aが、ケース10への入熱に伴い蒸発して気相空間42内に留まる。一方、気相空間42の蒸気は、毛細管力81によって、案内部30を通過して液相空間41へ進入することが妨げられる。このため、気相空間42を気密封止することなく、気相空間42を作動蒸気1bで満たすことができる。そのため、蒸発器3の構成を複雑にすることなく作動蒸気1bによる高い断熱性能を得ることができる。
また、本実施形態では、上記のように、案内部30は、外周面32の全周に亘って、周壁部13の内面13aから非接触となるように設けられ、周壁部13の内面13aとの間に環状の気相空間42を形成している。このように構成すれば、案内部30の外周の全周が気相空間42によって取り囲まれる。そのため、案内部30と周壁部13の内面13aとの接触による熱伝導を極力抑制し、気相空間42(作動蒸気1b)による断熱作用を最大限確保することができる。
また、本実施形態では、上記のように、案内部30は、第1端33および第2端34を有し、第1端33がウィック20の入口開口11側の端面26に当接し、第2端34がケース10の端面部14の内面14aに当接している。このように構成すれば、案内部30がウィック20と端面部14との間で挟まれるので、案内部30を周壁部13の内面13aと接触させなくても、案内部30をケース10内に容易に保持することができる。また、案内部30が入口開口11の内部に挿入される場合と比べて、入口開口11の開口面積を容易に確保できる。
また、本実施形態では、上記のように、ケース10の端面部14は、入口開口11を取り囲むように形成され案内部30の第2端34が嵌る凹部14bを有する。このように構成すれば、端面部14の凹部14bに案内部30の第2端34を嵌め込むことによって、案内部30を容易に位置決めおよび保持することができる。さらに、案内部30の第2端34が凹部14b内に嵌り込むため、簡単な構造で、作動流体1が通過する隙間が案内部30と端面部14との間に形成されることを容易に回避できる。
また、本実施形態では、上記のように、案内部30は、ウィック20とは別体で設けられ、ウィック20の構成材料よりも熱伝導率の小さい構成材料により形成されている。ここで、ウィック20は、ループヒートパイプ100内で作動流体1を循環させる駆動力となる毛細管力82を発生させるため、孔径、空隙率、構成材料などの制約が大きく、低熱伝導率を優先した材料選定は困難である。これに対して、案内部30は、ウィック20のような制約がないため、ウィック20の構成材料よりも熱伝導率の小さい構成材料により形成することができる。その結果、気相空間42による断熱性能に加えて、案内部30自体の低い熱伝導率によって、より断熱性能を向上させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、ウィック20は、金属、合金またはセラミックの多孔質材により形成され、案内部30は、樹脂の多孔質材により形成されている。ここで、樹脂材料は金属、合金またはセラミックと比較して一桁以上低い熱伝導率を容易に得ることができる。そのため、案内部30を樹脂の多孔質材により形成することによって、ウィック20よりも低い熱伝導率を有する案内部30を容易に得ることができる。
また、本実施形態では、上記のように、ウィック20は、外表面21に形成された溝部24を有し、案内部30と周壁部13との間の気相空間42の厚み92は、溝部24の深さ91よりも大きい。このように構成すれば、気相空間42の厚み92を大きく確保することができるので、より効果的に、作動液1aへの断熱性能を向上させることができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
〈第1変形例〉
上記実施形態では、案内部30を、ウィック20とは別体で設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。図8に示したウィック20とは別々に設けられた案内部30に代えて、図8に示す第1変形例では、案内部130が、ウィック20と一体で設けられている。
図8では、案内部130が、ウィック20の一部として形成されている。案内部130は、ウィック20と同一の構成材料によって形成されている。案内部130は、ウィック20の入口開口11側の端面26から、入口開口11側へ延びている。つまり、案内部130の第1端33が、ウィック20の端面26から立ち上がるように連続している。案内部130の第2端34は、入口開口11が形成された端面部14の内面14aに当接している。これにより、案内部130は、内周面31側の液相空間41と外周面32側の気相空間42とを区画している。
このように、案内部は、ウィックと一体形成されていてもよい。案内部は、案内部とウィックとを一体で形成するか別体で形成するかに関わらず、ウィックの構成材料と同一の構成材料によって形成されていてもよい。
この第1変形例では、案内部130が、ウィック20と一体で設けられているので、案内部130によって気相空間42を設ける構成であっても、蒸発器3の部品点数が増大することがない。そのため、気相空間42により蒸発器3の構造が複雑化することを抑制しつつ、蒸発器3における液相の作動流体1への断熱性能を向上させることができる。
〈第2変形例〉
また、上記実施形態では、案内部30の第1端33がウィック20の端面26に当接し、第2端34がケース10の端面部14の内面14aに当接する例を示したが、本発明はこれに限られない。図9に示した第1端33がウィック20の端面26に当接する案内部30に代えて、図9に示す第2変形例では、案内部230が、ウィック20の凹部22内に挿入されるように設けられている。案内部230は、ウィック20の凹部22の内表面23の断面形状と略同一の外形形状を有し、ウィック20の凹部22の内側に嵌め込まれている。
案内部230は、ケース10の端面部14の内面14aから、ウィック20の凹部22の底面まで延びている。案内部230の外周面32は、ウィック20の端面26よりも入口開口11側の部分で気相空間42を区画し、ウィック20の端面26よりも出口開口12側の部分がウィック20の凹部22の内部でウィック20の内表面23と接触している。この構成では、凹部22内の液相空間41内の作動液1aが、毛細管力によって、案内部230を通過してウィック20の外表面21まで輸送される。
〈第3変形例〉
また、上記実施形態では、矩形箱状(直方体状)の蒸発器3の例を示したが、本発明はこれに限られない。図3に示した矩形箱状のケース10に代えて、図10および図11に示す第3変形例では、円筒状形状を有するケース110が設けられている。図10は、第3変形例におけるウィック20の断面を示し、図11は、第3変形例における案内部30の断面を示している。
図10および図11に示す第3変形例では、ケース110が円筒形状を有する。つまり、周壁部13が円筒形状を有する。ウィック20は、ケース110に合わせて円形断面を有し、外表面21に複数の溝部24が設けられている。案内部30は、端面部14の入口開口11の周囲を囲むように円筒形状に形成されている。円筒形状の案内部30は、ケース110の内部を、内周面31側の液相空間41と外周面32側の気相空間42とに区画している。蒸発器3は、たとえばケース110の外径に略一致する穴が形成されたヒートシンク(図示せず)に挿入されることにより、発熱体2からヒートシンクを介して周壁部13の全周に亘って伝熱される。
〈第4変形例〉
また、上記実施形態では、案内部30が、外周面32の全周に亘って、周壁部13の内面13aから非接触となるように設けられ、周壁部13の内面13aとの間に環状の気相空間42を形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、案内部30の外周面32が、部分的に、周壁部13の内面13aと接触してもよい。この場合、周壁部13との接触部からの直接的な(気相空間42を介さない)伝熱をなるべく小さくすることが好ましい。そのためには、案内部30の外周面32のうち、周壁部13の内面13aとの接触部の面積が、周壁部13の内面13aとの非接触部の面積よりも小さいことが好ましい。
たとえば図12に示す第4変形例では、図5に示した全周に亘って周壁部13の内面13aから非接触となる案内部30に代えて、周壁部13の内面13aと局所的に接触する接触部331を有する案内部330が設けられている。案内部330の外周面32には、周壁部13に向けて突出する突起332が設けられている。案内部330の突起332は、矩形断面を有する周壁部13の各辺を構成する4つの内面13aにそれぞれ接触するように、4つ設けられている。突起332の先端部が、周壁部13の内面13aと接触する接触部331である。案内部330の外周面32のうち、接触部331以外の領域では、周壁部13の内面13aとは非接触となっている。案内部330の外周面32のうち、周壁部13の内面13aとの接触部331の面積は、周壁部13の内面13aとの非接触部の面積よりも小さく、たとえば非接触部の面積の1/3以下、1/5以下、1/10以下、1/20以下、1/50以下、または1/100以下である。
この構成では、突起332の先端部が周壁部13の各内面13aと接触することにより、ケース10内における案内部330の位置決めを容易かつ正確に行うことができる。案内部330と周壁部13との接触面積が十分に小さいため、案内部330の内周側の液相空間41に対する十分な断熱性能が確保できる。
なお、本明細書では、図12に示したように、案内部330が、外周面32の大部分で周壁部13の内面13aから非接触となり、局所的に周壁部13の内面13aと接触する構成は、外周面32の「略全周」に亘って、周壁部13の内面13aから非接触となる構成に該当するものとする。この構成によっても、案内部30の外周の略全周が気相空間42によって取り囲まれるため、案内部30と周壁部13の内面13aとの接触による熱伝導を極力抑制し、気相空間42(気相の作動流体1)による高い断熱作用を確保できる。
〈その他の変形例〉
上記実施形態では、案内部30を多孔質材により形成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、案内部30を多孔質材以外の材料によって構成してもよい。つまり、液相空間41内の作動液1aを気相空間42側へ浸透しないように案内部30が構成されていてもよい。案内部30は、非多孔質の樹脂材料などにより構成されうる。
また、上記実施形態では、ケース10の端面部14に、入口開口11を取り囲むように形成され案内部30の第2端34が嵌る凹部14bを設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では凹部14bを設けなくてもよい。端面部14の内面14aが平坦面であってよい。
また、上記実施形態では、案内部30と周壁部13との間の気相空間42の厚み92が、溝部24の深さ91よりも大きい例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、気相空間42の厚み92が、溝部24の深さ91以下でもよい。ただし、気相空間42の厚み92が大きいほど、周壁部13と液相空間41との間の断熱領域が大きく確保されるので、作動液1aに対する断熱性能の観点では気相空間42の厚み92が溝部24の深さ91よりも大きいことが好ましい。
また、上記実施形態では、リザーバ7を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば入口開口側の領域に適正量の作動流体を貯留可能に蒸発器を構成すれば、リザーバを設ける必要はない。
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
(項目1)
蒸発器と、蒸気管と、凝縮器と、液管とを備えたループヒートパイプであって、
前記蒸発器は、
液相の作動流体の入口開口および気相の作動流体の出口開口が形成され、周壁部と端面部とを有するケースと、
前記入口開口側と前記出口開口側とを区画するように前記ケースの内部に配置され、前記液相の作動流体を毛細管力により前記周壁部の内面に移動させるウィックと、
前記ケースの内部の前記入口開口側に配置され、前記入口開口から流入する前記液相の作動流体を前記ウィックに導く筒状の案内部と、を含み、
筒状の前記案内部は、前記入口開口を含む内周側の液相空間と、前記周壁部の内面との間の外周側の気相空間と、を区画するように設けられている、ループヒートパイプ。
(項目2)
前記案内部は、多孔質材により形成され、毛細管力により、前記液相空間から前記案内部の外周面への前記液相の作動流体の移動を許容するとともに前記気相空間から前記液相空間への気相の移動を阻むように構成されている、項目1に記載のループヒートパイプ。
(項目3)
前記案内部は、外周面の略全周に亘って、前記周壁部の内面から非接触となるように設けられ、前記周壁部の内面との間に環状の前記気相空間を形成している、項目1または2に記載のループヒートパイプ。
(項目4)
前記案内部は、第1端および第2端を有し、
前記第1端が前記ウィックの前記入口開口側の端面に当接し、前記第2端が前記ケースの前記端面部の内面に当接している、項目1〜3のいずれか1項に記載のループヒートパイプ。
(項目5)
前記ケースの前記端面部は、前記入口開口を取り囲むように形成され前記案内部の前記第2端が嵌る凹部を有する、項目4に記載のループヒートパイプ。
(項目6)
前記案内部は、前記ウィックとは別体で設けられ、前記ウィックの構成材料よりも熱伝導率の小さい構成材料により形成されている、項目1〜5のいずれか1項に記載のループヒートパイプ。
(項目7)
前記ウィックは、金属、合金またはセラミックの多孔質材により形成され、
前記案内部は、樹脂の多孔質材により形成されている、項目6に記載のループヒートパイプ。
(項目8)
前記案内部は、前記ウィックと一体で設けられている、項目1〜5のいずれか1項に記載のループヒートパイプ。
(項目9)
前記ウィックは、外表面に形成された溝部を有し、
前記案内部と前記周壁部との間の前記気相空間の厚みは、前記溝部の深さよりも大きい、項目1〜8のいずれか1項に記載のループヒートパイプ。
1 作動流体
1a 作動液(液相の作動流体)
1b 作動蒸気(気相の作動流体)
3 蒸発器
4 蒸気管
5 凝縮器
6 液管
10、110 ケース
11 入口開口
12 出口開口
13 周壁部
13a 内面
14 端面部
14a 内面
14b 凹部
20 ウィック
21 外表面
24 溝部
26 端面
30、130、230、330 案内部
31 内周面
32 外周面
33 第1端
34 第2端
41 液相空間
42 気相空間
80 熱
81、82 毛細管力
91 深さ
92 厚み
100 ループヒートパイプ

Claims (9)

  1. 蒸発器と、蒸気管と、凝縮器と、液管とを備えたループヒートパイプであって、
    前記蒸発器は、
    液相の作動流体の入口開口および気相の作動流体の出口開口が形成され、周壁部と端面部とを有するケースと、
    前記入口開口側と前記出口開口側とを区画するように前記ケースの内部に配置され、前記液相の作動流体を毛細管力により前記周壁部の内面に移動させるウィックと、
    前記ケースの内部の前記入口開口側に配置され、前記入口開口から流入する前記液相の作動流体を前記ウィックに導く筒状の案内部と、を含み、
    筒状の前記案内部は、前記入口開口を含む内周側の液相空間と、前記周壁部の内面との間の外周側の気相空間と、を区画するように設けられている、ループヒートパイプ。
  2. 前記案内部は、多孔質材により形成され、毛細管力により、前記液相空間から前記案内部の外周面への前記液相の作動流体の移動を許容するとともに前記気相空間から前記液相空間への気相の移動を阻むように構成されている、請求項1に記載のループヒートパイプ。
  3. 前記案内部は、外周面の略全周に亘って、前記周壁部の内面から非接触となるように設けられ、前記周壁部の内面との間に環状の前記気相空間を形成している、請求項1または2に記載のループヒートパイプ。
  4. 前記案内部は、第1端および第2端を有し、
    前記第1端が前記ウィックの前記入口開口側の端面に当接し、前記第2端が前記ケースの前記端面部の内面に当接している、請求項1〜3のいずれか1項に記載のループヒートパイプ。
  5. 前記ケースの前記端面部は、前記入口開口を取り囲むように形成され前記案内部の前記第2端が嵌る凹部を有する、請求項4に記載のループヒートパイプ。
  6. 前記案内部は、前記ウィックとは別体で設けられ、前記ウィックの構成材料よりも熱伝導率の小さい構成材料により形成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のループヒートパイプ。
  7. 前記ウィックは、金属、合金またはセラミックの多孔質材により形成され、
    前記案内部は、樹脂の多孔質材により形成されている、請求項6に記載のループヒートパイプ。
  8. 前記案内部は、前記ウィックと一体で設けられている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のループヒートパイプ。
  9. 前記ウィックは、外表面に形成された溝部を有し、
    前記案内部と前記周壁部との間の前記気相空間の厚みは、前記溝部の深さよりも大きい、請求項1〜8のいずれか1項に記載のループヒートパイプ。
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