JP2020186313A - 半導体加工用粘着テープ - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体デバイスの製造において半導体チップの欠けや割れを抑えることができる半導体加工用粘着テープを提供する。【解決手段】粘着剤層を有する半導体加工用粘着テープであって、前記粘着剤層表面に50gの分銅を側面が接触するように設置して20秒間静置した後に、前記分銅の底面の中心に底面と垂直な方向の力を加えたときの、分銅が10mm動く間の最大荷重(滑り出し荷重)が0.6N以上である、半導体加工用粘着テープ。【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体加工用粘着テープに関する。
半導体チップの製造工程において、半導体チップの処理時の取扱いを容易にし、破損したりしないようにするために粘着テープ(ウエハ保護テープ)によって半導体チップを補強することが一般的に行われている。例えば、高純度なシリコン単結晶等から切り出した厚膜ウエハを所定の厚さにまで研削して薄膜ウエハとする場合に、ウエハを保護する目的で粘着テープを貼付した上で研削工程が行われている。また、粘着テープでウエハを補強したまま、基板や他の半導体チップ上の電極と導電接続することも行われている。
このような半導体ウエハ保護テープとしては、例えば、特許文献1には基材フィルムの片面に架橋されたポリマー層が形成され、この架橋されたポリマー層が形成された面に、剥離可能に調整されているウエハ貼付用の粘着剤層が積層されているバックグラインドテープであって、基材フィルムの引っ張り弾性率がフィルムの長手方向と幅方向の平均値で2GPa以上であり、該バックグラインドテープの反りが4mm以下であるバックグラインドテープが開示されている。
特開2010−34379号公報
半導体デバイスの製造では、ウエハを個々の半導体チップに分割する工程において、ウエハの片面にウエハを貫通しない程度の深さの格子状の切り込みを入れ、もう片方の面を切り込みに達するまで研削することで、ウエハを分割することがある。この際、半導体チップを保護するために粘着テープが用いられており、ウエハの切り込みを入れた面に粘着テープを貼り付け、その後上記研削が行われている。しかしながら、従来の粘着テープでは、研削によって半導体チップがずれてしまうことがあり、ずれた半導体チップが隣接する半導体チップと衝突して半導体チップの欠けや割れが発生してしまうことがある。
本発明は、半導体デバイスの製造において半導体チップの欠けや割れを抑えることができる半導体加工用粘着テープを提供することを目的とする。
本発明は、粘着剤層を有する半導体加工用粘着テープであって、前記粘着剤層表面に50gの分銅を側面が接触するように設置して20秒間静置した後に、前記分銅の底面の中心に底面と垂直な方向の力を加えたときの、分銅が10mm動く間の最大荷重(滑り出し荷重)が0.6N以上である、半導体加工用粘着テープである。
以下に本発明を詳述する。
本発明の半導体加工用粘着テープは、粘着剤層を有し、上記粘着剤層表面に50gの分銅を側面が接触するように設置して20秒間静置した後に、上記分銅の底面の中心に底面と垂直な方向の力を加えたときの、分銅が10mm動く間の最大荷重(滑り出し荷重)が0.6N以上である。
本発明者らは、ウエハの分割工程において、研削の際、粘着テープにせん断方向へ力がかかり、この力に対して半導体チップがずれなければ半導体チップの欠けや割れを抑えられることを見出した。本発明は、上記滑り出し荷重が0.6N以上であることによって、粘着テープから半導体チップがずれ難く、半導体チップの欠けや割れが発生してしまうことを抑止できる。より導体チップの欠けや割れを抑える観点から上記滑り出し荷重は0.7N以上であることが好ましく、0.8N以上であることがより好ましく、1.0N以上であることが更に好ましい。上記滑り出し荷重の上限は特に限定されないが、粘着剤自体が動いてしまうことを抑制する観点と、最終的に半導体チップをピックアップする際のピックアップ性を高める観点から、2.5N以下であることが好ましく、2.2N以下であることがより好ましく、1.9N以下であることが更に好ましい。
なお、上記滑り出し荷重は、粘着剤層を構成する粘着剤によって調節することができる。また、上記粘着剤層を構成する粘着剤が硬化型粘着剤である場合は、硬化前、硬化後の少なくともどちらかが上記滑り出し荷重を満たしていればよい。上記滑り出し荷重は、より具体的には以下の方法で測定することができる。
ここで、滑り出し荷重の測定方法を説明する模式図を図1に示した。
まず、上記粘着剤層を構成する粘着剤が硬化型粘着剤であり、硬化後の滑り出し荷重を測定する場合は、上記粘着剤層を硬化させる。次いで、図1に示すようにまず、平坦で水平な台2の上に半導体加工用粘着テープ1を粘着剤層が上面となるように載せ、半導体加工用粘着テープの端部と台2を冶具3を介して固定する。次いで、粘着剤層上にJIS B 7609規格品の50gの分銅4(例えば、F2CSB−50G、新光電子社製等)を側面が接触するように、冶具3の端部から5cm以上離れた位置に設置して20秒間静置する。20秒間静置後、デジタルフォースゲージ(例えば、ZPS−DPU−20N、アタッチメント:平型アタッチメントA−2、イマダ社製等)を用いて、分銅4の底面の中心に、分銅4の底面に対して垂直な方向の力を2mm/秒の速度で加える。分銅4が10mm動く間の最大の力、つまり、加えられた力の中で最大の値を計測する。同様の測定を5回繰り返し、その平均値を滑り出し荷重とする。なお、測定は、23℃、50%RHの環境下で行う。
上記粘着剤層を構成する粘着剤は、上記滑り出し荷重を満たしていれば特に限定されない。上記粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤等が挙げられる。中でも、物性の調節が容易であることからアクリル系粘着剤が好ましい。
また、上記粘着剤は、硬化型の粘着剤であってもよく非硬化型の粘着剤であってもよいが、粘着テープに刺激を与えて硬化させることで粘着剤層の弾性率が高まり、加工時にチップにかかる剪断方向の力によって粘着剤層が変形しにくくなる結果、半導体チップの欠けや割れをより抑えられることから、硬化型粘着剤であることが好ましい。
上記硬化型粘着剤としては、光照射により架橋、硬化する光硬化型粘着剤や加熱により架橋、硬化する熱硬化型粘着剤が挙げられる。なかでも、硬化を容易に行えることから上記粘着剤は光硬化型粘着剤であることが好ましい。
上記光硬化型粘着剤としては、例えば、重合性ポリマーを主成分として、光重合開始剤を含有する光硬化型粘着剤が挙げられる。
上記熱硬化型粘着剤としては、例えば、重合性ポリマーを主成分として、熱重合開始剤を含有する熱硬化型粘着剤が挙げられる。
上記重合性ポリマーは、例えば、分子内に官能基を持った(メタ)アクリル系ポリマー(以下、官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーという)をあらかじめ合成し、分子内に上記の官能基と反応する官能基とラジカル重合性の不飽和結合とを有する化合物(以下、官能基含有不飽和化合物という)とを反応させることにより得ることができる。
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、アルキル基の炭素数が通常2〜18の範囲にあるアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルと、官能基含有モノマーと、更に必要に応じてこれらと共重合可能な他の改質用モノマーとを常法により共重合させることにより得られるものである。上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は通常20万〜200万程度である。
上記官能基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有モノマーや、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル等のヒドロキシル基含有モノマーや、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有モノマーが挙げられる。また、アクリル酸イソシアネートエチル、メタクリル酸イソシアネートエチル等のイソシアネート基含有モノマーや、アクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノエチル等のアミノ基含有モノマー等も挙げられる。
上記共重合可能な他の改質用モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等の一般の(メタ)アクリル系ポリマーに用いられている各種のモノマーが挙げられる。
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーに反応させる官能基含有不飽和化合物としては、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基に応じて上述した官能基含有モノマーと同様のものを使用できる。例えば、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基がカルボキシル基の場合はエポキシ基含有モノマーやイソシアネート基含有モノマーが用いられる。同官能基がヒドロキシル基の場合はイソシアネート基含有モノマーが用いられる。同官能基がエポキシ基の場合はカルボキシル基含有モノマーやアクリルアミド等のアミド基含有モノマーが用いられる。同官能基がアミノ基の場合はエポキシ基含有モノマーが用いられる。
上記重合性ポリマー中における上記官能基含有不飽和化合物に由来する二重結合の含有量は、0.2meq/g以上0.6meq/g以下であることが好ましい。上記官能基含有不飽和化合物に由来する二重結合の含有量が上記範囲であることで、得られる半導体加工用粘着テープを上記滑り出し荷重の範囲に調節しやすくすることができる。上記重合性ポリマー中における上記官能基含有不飽和化合物に由来する二重結合の含有量は、硬化後の粘着剤層の変形量の抑制の観点から、0.22meq/g以上であることがより好ましく、0.25meq/g以上であることが更に好ましく、硬化後の粘着剤層の密着性の観点から、0.5meq/g以下であることがより好ましく、0.4meq/g以下であることが更に好ましい。
なお、上記二重結合の含有量については、JIS K0070によって算出されるヨウ素価の値から、ヨウ素の原子量126.9を除すことで、meq/gの形で算出することが出来る。
上記重合性ポリマーは重量平均分子量が500,000以上1,100,000以下であることが好ましい。
重合性ポリマーの重量平均分子量が上記範囲であることで、得られる半導体加工用粘着テープを上記滑り出し荷重の範囲に調節しやすくすることができる。同様の観点から上記重合性ポリマーの重量平均分子量は600,000以上であることがより好ましく、700,000以上であることが更に好ましく、1,000,000以下であることが好ましく、900,000以下であることが更に好ましい。
上記重合性ポリマーは、水酸基価が5mgKOH/g以上80mgKOH/g以下であることが好ましい。
重合性ポリマーの水酸基価が上記範囲であることで、得られる半導体加工用粘着テープを上記滑り出し荷重の範囲に調節しやすくすることができる。同様の観点から上記重合性ポリマーの水酸基価は7mgKOH/g以上であることがより好ましく、10mgKOH/g以上であることが更に好ましく、70mgKOH/g以下であることが好ましく、60mgKOH/g以下であることが更に好ましい。
上記重合性ポリマーは、酸価が0.1mgKOH/g以上10mgKOH/g以下であることが好ましい。
重合性ポリマーの酸価が上記範囲であることで、得られる半導体加工用粘着テープを上記滑り出し荷重の範囲に調節しやすくすることができる。同様の観点から上記重合性ポリマーの酸価は0.3mgKOH/g以上であることがより好ましく、0.5mgKOH/g以上であることが更に好ましく、9mgKOH/g以下であることが好ましく、0.8mgKOH/g以下であることが更に好ましい。
なお、上記水酸基価及び酸価は、JIS K0070に準じて重合性ポリマー溶液の滴定試験を行うことで測定できる。
上記光重合開始剤は、例えば、250〜800nmの波長の光を照射することにより活性化されるものが挙げられる。このような光重合開始剤としては、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物や、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物や、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等のケタール誘導体化合物や、フォスフィンオキシド誘導体化合物が挙げられる。また、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、トデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等も挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記熱重合開始剤としては、熱により分解し、重合硬化を開始する活性ラジカルを発生するものが挙げられる。具体的には、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエール、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。
これらの熱重合開始剤のうち市販されているものとしては特に限定されないが、例えば、パーブチルD、パーブチルH、パーブチルP、パーペンタH(以上いずれも日油社製)等が好適である。これら熱重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記粘着剤層は、更に、ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーを含有することが好ましい。ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーを含有することにより、光硬化性及び熱硬化性が向上する。
上記多官能オリゴマー又はモノマーは、分子量が1万以下であるものが好ましく、より好ましくは加熱又は光の照射による粘着剤層の三次元網状化が効率よくなされるように、その分子量が5000以下でかつ分子内のラジカル重合性の不飽和結合の数が2〜20個のものである。
上記多官能オリゴマー又はモノマーは、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート又は上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。その他、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴエステルアクリレート、上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。これらの多官能オリゴマー又はモノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記粘着剤層は、上記重合性ポリマーと架橋可能な官能基を有するシリコーン化合物を含有してもよい。シリコーン化合物を配合することによって、シリコーン化合物が剥離時に被着体界面にブリードアウトして、剥離を容易にすることができる。また、シリコーン化合物が上記重合性ポリマーと架橋可能な官能基を有することにより、光照射又は加熱することにより上記重合性ポリマーと化学反応して上記重合性ポリマー中に取り込まれることから、被着体にシリコーン化合物が付着して汚染することがない。更に、シリコーン化合物を配合することにより被着体への糊残りを防止する効果も発揮される。
上記シリコーン化合物の含有量は、上記重合性ポリマー100重量部に対して0.2重量部以上、10重量部以下であることが好ましい。上記シリコーン化合物の含有量が上記範囲であることで、被着体からの剥離を容易にする効果を発揮しながらも、得られる半導体加工用粘着テープを上記滑り出し荷重の範囲に調節しやすくすることができる。上記シリコーン化合物の含有量は、0.5重量部以上であることがより好ましく、1重量部以上であることが更に好ましく、9重量部以下であることがより好ましく、7重量部以下であることが更に好ましい。
上記粘着剤層は、更に、ヒュームドシリカ等の無機フィラーを含有してもよい。無機フィラーを配合することにより上記粘着剤層の凝集力が上がる。このため、上記粘着剤層がヒュームドシリカ等の無機フィラーを含有する場合、粘着テープが不要となったときに、粘着テープを被着体から糊残りすることなく更に容易に剥離できる。
上記粘着剤層は、架橋剤を含有することが好ましい。粘着剤層が架橋剤を含有することで、粘着剤層を構成する粘着剤の凝集力が高めることができる。上記架橋剤としては例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤等が挙げられる。
上記架橋剤の含有量は、上記重合性ポリマー100重量部に対して0.1重量部以上、2.0重量部以下であることが好ましい。
架橋剤が上記範囲で含有されていることで、粘着剤成分の凝集力を高めて初期粘着力をより向上させることができるとともに、得られる半導体加工用粘着テープを上記滑り出し荷重の範囲に調節しやすくすることができる。上記架橋剤の含有量のより好ましい下限は、粘着剤の変形量の抑制の観点から、0.2重量部、更に好ましい下限は0.3重量部であり、粘着剤層の初期接着性の観点から、より好ましい上限は1.8重量部、更に好ましい上限は1.5重量部である。
上記粘着剤層は、可塑剤、樹脂、界面活性剤、ワックス、微粒子充填剤等の公知の添加剤を含有してもよい。上記添加剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記粘着剤層は、ゲル分率が95重量%以上であることが好ましい。
上記ゲル分率が上記範囲であることで、得られる半導体加工用粘着テープを上記滑り出し荷重の範囲に調節しやすくすることができる。同様の観点から、上記ゲル分率のより好ましい下限は97重量%、更に好ましい下限は98重量%である。
なお、ゲル分率は、次のようにして測定される。
半導体加工用粘着テープの粘着剤層のみを0.1gこそぎ取って酢酸エチル50ml中に浸漬し、振とう機で温度23度、120rpmの条件で24時間振とうする(以下、こそぎ取った粘着剤層のことを粘着剤組成物という)。振とう後、金属メッシュ(目開き#200メッシュ)を用いて、酢酸エチルと酢酸エチルを吸収し膨潤した粘着剤組成物を分離する。分離後の粘着剤組成物を110℃の条件下で1時間乾燥させる。乾燥後の金属メッシュを含む粘着剤組成物の重量を測定し、下記式を用いて粘着剤層のゲル分率を算出する。
ゲル分率(重量%)=100×(W−W)/W
(W:初期粘着剤組成物重量、W:乾燥後の金属メッシュを含む粘着剤組成物重量、W:金属メッシュの初期重量)
上記粘着剤層の厚さは特に限定されないが、下限が3μm、上限が100μmであることが好ましい。上記粘着剤層の厚みが上記範囲であると充分な粘着力で被着体と接着することができる。同様の観点から、上記粘着剤層の厚さのより好ましい下限は5μm、更に好ましい下限は10μm、更により好ましい下限は20μmであり、より好ましい上限は80μm、さらに好ましい上限は60μm、更により好ましい上限は50μmである。
本発明の粘着テープは基材を有するサポートタイプであってもよく、基材を有さないノンサポートタイプであってもよい。本発明の粘着テープがサポートタイプである場合、上記基材は特に限定されず、例えば、ポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、変性オレフィン系樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、シクロオレフィンポリマー樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、ポリカーボネートフィルム、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、ポリウレタンフィルム、ポリイミドフィルム等が挙げられる。上記ポリオレフィン系樹脂フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等が挙げられる。上記ポリエステル系樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム等が挙げられる。上記変性オレフィン系樹脂フィルムとしては、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。なかでも、より高い剥離性が発揮できることから弾性率が高い基材が好適である。また、粘着テープ越しに被着体の状態を確認したい場合には、比較的ヘイズ値が低い(ヘイズが、好ましくは2以下、より好ましくは1.5以下)基材が好適である。
上記基材の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は10μm、好ましい上限は250μmである。上記基材の厚みがこの範囲内であると、適度なコシがあって、取り扱い性に優れる半導体加工用粘着テープとすることができる。同様の観点から、上記基材の厚みのより好ましい下限は12μm、より好ましい上限は230μm、更に好ましい下限は20μm、更に好ましい上限は200μm、更により好ましい下限は25μm、更により好ましい上限は188μm、特に好ましい下限は30μm、特に好ましい上限は180μmである。
本発明の半導体加工用粘着テープを製造する方法は特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、溶媒に上記重合性ポリマーと、必要に応じて上記シリコーン化合物、架橋剤等の添加剤を加えた粘着剤溶液を、離型処理を施したフィルム上に塗工、乾燥させて粘着剤層を形成し、基材と貼り合わせることで製造することができる。
本発明の半導体加工用粘着テープは、半導体デバイスの製造時にウエハを保護する保護テープとして好適に用いることができる。特に、ウエハを個片化された半導体チップに分割する工程におけるウエハ及び得られる半導体チップの保護テープとして用いたときに本発明の効果が大きく発揮される。本発明の半導体加工用粘着テープは、半導体ウエハを予めダイサーによる切込みを入れる又はレーザーによる改質層を設けた後にグラインダーによって薄化してチップ化するプロセスにおいて用いられる場合に本発明の効果を特に有利に発揮することができる。
本発明によれば、半導体デバイスの製造において半導体チップの欠けや割れを抑えることができる半導体加工用粘着テープを提供することができる。
滑り出し荷重の測定方法を説明する模式図である。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(ベース樹脂Aの調製)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器を用意した。この反応器内に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして2−エチルヘキシルアクリレート93重量部、官能基含有モノマーとしてアクリル酸1重量部、2メタクリル酸ヒドロキシルエチルを6重量部、ラウリルメルカプタン0.01重量部、酢酸エチル80重量部を加えた後、反応器を加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤として1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.01重量部を添加し、還流下で重合を開始させた。次に、重合開始から1時間後及び2時間後にも、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを0.01重量部ずつ添加し、更に、重合開始から4時間後にt−ヘキシルパーオキシピバレートを0.05重量部添加して重合反応を継続させた。そして、重合開始から8時間後に、固形分55重量%、重量平均分子量70万の官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの酢酸エチル溶液を得た。
得られた官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーを含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、官能基含有不飽和化合物として2−イソシアナトエチルメタクリレートを3.5重量部加えて反応させてベース樹脂Aを得た。
(ベース樹脂Bの調製)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器を用意した。この反応器内に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして2−エチルヘキシルアクリレート80重量部、官能基含有モノマーとしてアクリル酸8重量部と2メタクリル酸ヒドロキシルエチルを12重量部、ラウリルメルカプタン0.01重量部、酢酸エチル80重量部を加えた後、反応器を加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤として1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.01重量部を添加し、還流下で重合を開始させた。次に、重合開始から1時間後及び2時間後にも、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを0.01重量部ずつ添加し、更に、重合開始から4時間後にt−ヘキシルパーオキシピバレートを0.05重量部添加して重合反応を継続させた。そして、重合開始から8時間後に、固形分55重量%、重量平均分子量60万の官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの酢酸エチル溶液を得た。
得られた官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーを含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、官能基含有不飽和化合物として2−イソシアナトエチルメタクリレートを8重量部加えて反応させてベース樹脂Bを得た。
(実施例1)
(1)半導体加工用粘着テープの製造
ベース樹脂A100重量部、多官能オリゴマー20重量部、フィラー10重量部、表面改質剤2重量部、開始剤1重量部、架橋剤0.7重量部を酢酸エチルに加えて混合することで粘着剤溶液を得た。
次いで、粘着剤溶液を表面に離型処理が施されたポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理面上に乾燥皮膜の厚さが40μmとなるようにドクターナイフで塗工し90℃、3分間加熱乾燥させて粘着剤層を得た。得られた粘着剤層と片面にコロナ処理を施した厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムのコロナ処理面とを貼り合わせ、40℃、3日間養生して半導体加工用粘着テープを得た。なお、多官能オリゴマー、フィラー、表面改質剤、光重合開始剤及び架橋剤としては以下のものを用いた。
多官能オリゴマー:アートレジンUN−5500、根上工業社製
フィラー:レオロシールMT−10、トクヤマ社製
表面改質剤:EBECRYL350、ダイセル・オルネクス社製
開始剤:光重合開始剤、Irgacure 369、BASF社製
架橋剤:コロネートL、東ソー社製
(2)滑り出し荷重の測定
高圧水銀灯を用いて365nmの紫外線を得られた半導体加工用粘着テープの粘着剤層への照度が200mW/cmとなるように調節して10秒間照射した。次いで、図1に示すように、平坦で水平な台2の上に半導体加工用粘着テープ1を粘着剤層が上面となるように、載せ、半導体加工用粘着テープの端部と台を冶具3を介して固定した。次いで、粘着剤層上にJIS B 7609規格品の50gの分銅4(F2CSB−50G、新光電子社製)を側面が接触するように、冶具3の端部から5cm離れた位置に設置して20秒間静置した。20秒間静置後、デジタルフォースゲージ(ZPS−DPU−20N、アタッチメント:平型アタッチメントA−2、イマダ社製)を用いて、分銅4の底面の中心に、分銅4の底面と垂直な方向の力を2mm/秒の速度で加えた。分銅4が10mm動く間の最大の力、つまり、加えられた力の中で最大の値を計測した。同様の測定を5回繰り返し、その平均値を滑り出し荷重とした。なお、測定は、23℃、50%RHの環境下で行った。結果を表1に示した。
(実施例2〜7、比較例1〜4)
粘着剤の組成を表1に記載の通りとした以外は実施例1と同様にして、半導体加工用粘着テープを得て、滑り出し荷重の測定を行った。なお、実施例6および実施例7は滑り出し荷重の測定において紫外線の照射を行わなかった。
<評価>
実施例及び比較例で得られた粘着テープについて、以下の方法により評価を行った。
結果を表1に示した。
(チップ欠け及びチップシフトの評価)
10mmの格子状の深さ60μmの切り込みをいれた8インチのベアシリコンウエハを用意した。真空ラミネーター(ATM−812M、タカトリ社製)を用いてウエハの切り込み面に得られた半導体加工用粘着テープを貼り付けた。その後、高圧水銀灯を用いて365nmの紫外線を得られた半導体加工用粘着テープの粘着剤層への照度が200mW/cmとなるように調節して基材側から10秒間照射した。ただし、実施例6および実施例7は紫外線の照射を行わなかった。次いで、DISCO社のバックグラインド装置(DGP8760)を用いてウエハの半導体加工用粘着テープが貼り付けられていない面を厚みが50μmになるまで研削してウエハを268枚の個片化された半導体チップに分割した。得られた半導体チップをビデオマイクロスコープ(VHX−100F、キーエンス社製)にて観察し、268枚の半導体チップのうち最大長さが10μm以上の欠けや割れが存在する半導体チップの割合を計測することで、チップ欠けを評価した。また、得られた半導体チップ268枚のうち、半導体チップの初期の位置からのズレが20μmより大きいものの割合を計測することで、チップシフトを評価した。なお、比較例1、2については、チップ飛びが発生していたためチップ欠け及びチップシフトの計測を行わなかった。
Figure 2020186313
本発明によれば、半導体デバイスの製造において半導体チップの欠けや割れを抑えることができる半導体加工用粘着テープを提供することができる。
1 半導体加工用粘着テープ
2 台
3 冶具
4 分銅

Claims (3)

  1. 粘着剤層を有する半導体加工用粘着テープであって、前記粘着剤層表面に50gの分銅を側面が接触するように設置して20秒間静置した後に、前記分銅の底面の中心に底面と垂直な方向の力を加えたときの、分銅が10mm動く間の最大荷重(滑り出し荷重)が0.6N以上である、半導体加工用粘着テープ。
  2. 前記滑り出し荷重が2.5N以下である、請求項1の半導体加工用粘着テープ。
  3. 前記粘着剤層を構成する粘着剤が光硬化型粘着剤である、請求項1の半導体加工用粘着テープ。
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