JP2020183368A - スティック状油性固型化粧料 - Google Patents

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JP2020183368A
JP2020183368A JP2019132406A JP2019132406A JP2020183368A JP 2020183368 A JP2020183368 A JP 2020183368A JP 2019132406 A JP2019132406 A JP 2019132406A JP 2019132406 A JP2019132406 A JP 2019132406A JP 2020183368 A JP2020183368 A JP 2020183368A
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和昌 津幡
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和昌 津幡
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Abstract

【課題】マット効果と使用感(伸び広がり、感触)が良好で、経日安定性に優れた、スティック状油性固型化粧料の提供。【解決手段】(A)固形ワックス、(B)ポリウレタン以外のポリマー成分からなる核部をポリウレタンが被覆してなる複合粉体、を含有する、スティック状油性固型化粧料であって、前記化粧料中の(B)成分の含有量が5〜30質量%である、スティック状油性固型化粧料。【選択図】なし

Description

本発明は、スティック状油性固型化粧料に関する。
口紅やコンシーラーなど、マットタイプのスティック状油性固型化粧料において、シリカを高配合する技術や、シリコーン系化合物を化粧料の基材とする技術が採用されてきた。
特許文献1には、固形ワックス、油ゲル化剤およびウレタン樹脂粉末などの弾性粉末を含有する凹凸補正用化粧料が記載されている。
特許文献2に記載された凹凸補正用化粧料は、1剤と2剤で構成され、前記1剤100質量%中にポリウレタン粉末30〜54質量%を含有しており、前記ポリウレタン粉末は、肌への密着性を向上させる目的で、デキストリン脂肪酸エステルと、リンゴ酸ジイソステアリルまたはイソブテンと合わせて配合される。
特許文献3には、ポリオルガノシロキサン以外の有機球状粒子表面にポリオルガノシロキサンからなる凹凸状突起物を持ったコアシェル粒子を含有する化粧料が記載されており、前記有機球状粒子としてポリウレタンまたはポリウレタン複合粒子を使用できることが記載されている。
特許文献4には、アクリル酸アルキル、メタクリル酸アルキル、アクリル酸、およびメタクリル酸から選ばれる1種類以上の成分とスチレンとのアクリル酸アルキル・スチレン共重合体からなるお椀状粒子を配合する化粧料の発明が記載されている(特許請求の範囲)。
特許文献5には、お椀状などの特殊な形状(図1〜3)を有する樹脂粒子を含有する外用剤が記載されている。そして、2つの凸面(図1)を有する樹脂粒子10質量%および固形ワックス13質量%を有する口紅(実施例6)は、伸びの良さと付着性に優れ、触感と成型性にも優れることが記載されている。
特開2010−30971号公報 特開2015−854号公報 特開2009−280570号公報 特開2015−134740号公報 特開2001−278746号公報
本発明は、マット効果と使用感(伸び広がり、感触)が良好で、経日安定性に優れた、スティック状油性固型化粧料を提供することを課題とする。
本発明は、
(A)固形ワックス、
(B)ポリウレタン以外のポリマー成分からなる核部をポリウレタンが被覆してなる複合粉体、を含有する、スティック状油性固型化粧料であって、
前記化粧料中の(B)成分の含有量が5〜30質量%である、スティック状油性固型化粧料を提供する。
本発明のスティック状油性固型化粧料は、マット効果と使用感(伸び広がり、感触)が良好で、経日安定性に優れる。
<スティック状油性固型化粧料>
本発明のスティック状油性固型化粧料(以下、化粧料という。)は、(A)成分の固形ワックスを含む油相、(B)成分の複合粉体、必要に応じて(C)成分のポリウレタン粉体を含む粉体相、とから構成される。
本発明の化粧料で用いる(A)成分の固形ワックスは、10〜40℃で固形状のものであり、ヒマワリ種子ロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ミツロウ、コメヌカロウ、マイクロクリスタリンワックス、合成ワックス、ポリエチレン、(エチレン/プロピレン)コポリマー、から選ばれる1種または2種以上のものを使用することができる。
本発明の化粧料は、スティック状油性固型化粧料の適度な硬度を維持することができる点から、(A)成分として、(A1)合成ワックス、ポリエチレン、(エチレン/プロピレン)コポリマー、から選ばれる1種または2種以上を含むことが好ましく、(A1)成分を除く他の(A)固形ワックスと合わせて使用することができる。
(A1)成分として、ワックスと(エチレン/プロピレン)コポリマーとの混合物が好ましく、前記混合物中(エチレン/プロピレン)コポリマーを好ましくは30質量%以下含有する。前記(A1)成分として、「リップワックスA−4」、「リップワックスPZ80−20」(いずれも株式会社日本ナチュラルプロダクツ製)などを使用することができる。
なお、本発明における合成ワックスは、日本化粧品工業連合会が作成する「化粧品の成分表示名リスト」に収載されている、「フィッシャー−トロプシュ(Fischer−Tropsch)法またはエチレン重合法で得られる炭化水素系ワックス」をいう。
本発明の化粧料は、(A)成分中(A1)成分の含有割合(固形分の質量)が、好ましくは60〜98質量%、より好ましくは65〜95質量%である。
また、本発明の化粧料は、成型性の点から(A2)成分としてカルナウバロウを含むことが好ましく、(A1)成分と(A2)成分と前記2成分を除く他の固形ワックスとを合わせて使用することができる。
本発明の化粧料は、(A)成分中(A2)成分の含有割合(固形分の質量)が、好ましくは0.5〜5質量%、より好ましくは0.7〜4質量%である。
本発明の化粧料は、前記化粧料中(A)成分(固形分の質量)の含有量が、好ましくは5〜25質量%、より好ましくは10〜20質量%、さらに好ましくは11〜17質量%である。
前記範囲内で、使用感(伸び広がり、感触)や経日安定性が優れる。
本発明の化粧料で用いる(B)成分の複合粉体は、ポリウレタン以外のポリマー成分からなる核部をポリウレタンが被覆してなる複合粉体であって、具体的には、(B1)(メタ)アクリレート誘導体からなる核部をポリウレタンが被覆してなる複合粉体、(B2)シリコーン樹脂からなる核部をポリウレタンが被覆してなる複合粉体、を使用することができ、(B1)成分または(B2)成分を単独で使用することもでき、(B1)成分および(B2)成分を合わせて使用することもできる。
(B1)成分である(メタ)アクリレート誘導体を核部としてポリウレタンが被覆してなる複合粉体は、特開2016−199532号公報に記載された、内側の核部と、前記核部を被覆する被覆部を有し、前記被覆部の表面に凹部を有している球状乃至は半球状の複合粒子であり、前記核部が、(メタ)アクリレートモノマーを含むビニル基含有モノマーに由来する第1ポリマー成分からなるものであり、前記被覆部が、イソシアネートプレポリマーを含むウレタン成分に由来する第2ポリマー成分からなるものであり、前記第1ポリマー成分の質量(M1)と前記第2ポリマーの質量(M2)の質量比(M2/M1)が70/30〜5/95であるものを使用することができる。
さらに前記の(B1)成分の複合粉体の中でも、
平均粒径(測定方法:レーザー回折式粒度分布測定器「SALD−2100」[株式会社島津製作所製]から粒度分布を求め、積算体積50%粒子径を平均粒径とした)が、好ましくは3〜20μm、より好ましくは5〜15μmであり、
比重が、好ましくは1超〜1.5、より好ましくは1.1〜1.3であり、 吸油量(測定方法:特開2017−48323号公報の段落番号0039に記載の方法)が、好ましくは50〜120ml/100g、より好ましくは60〜100ml/100gであるものを使用することができる。
さらに嵩比重は、好ましくは0.1〜0.5g/ml、より好ましくは0.2〜0.4g/mlで、
屈折率(測定方法:アッペ屈折計「形式1T」[株式会社アタゴ製]により測定)は好ましくは1.35〜1.60、より好ましくは1.45〜1.53であるものを使用することができる。
なお、平均粒径は、前記範囲を満たすようにするためには、例えば特開2016−199532号公報の製造例1に記載の方法で製造した後、分級処理が必要である。
このような(B1)成分の複合粉体としては、特開2016−199532号公報の図2、図4に示す第2の複合粒子に相当する、東色ピグメント株式会社から販売されている製品名「UP−611」などを使用することができる。
(B2)成分であるシリコーン樹脂を核部としてポリウレタンが被覆してなる複合粉体は、特開2018−199653号公報に記載された、シリコーン樹脂粉末を内包するポリウレタン粉末からなる複合粒子を使用することができる。
さらに、前記の(B2)成分の複合粉体の中でも、
平均粒径(測定方法:レーザー回折式粒度分布測定器「SALD−2100」[株式会社島津製作所製]から粒度分布を求め、積算体積50%粒子径を平均粒径とした)が、好ましくは5〜30μm、より好ましくは10〜25μmであり、
比重が、好ましくは1超〜1.5、より好ましくは1.1〜1.3であり、
吸油量(測定方法:特開2017−48323号公報の段落番号0039に記載の方法)が、好ましくは50〜100ml/100g、より好ましくは55〜80ml/100gであるものを使用することができる。
さらに嵩比重は、好ましくは0.1〜0.6g/ml、より好ましくは0.2〜0.5g/mlで、
屈折率(測定方法:アッペ屈折計「形式1T」[株式会社アタゴ製]により測定)は好ましくは1.35〜1.60、より好ましくは1.45〜1.53であるものを使用することができる。
なお、平均粒径は、前記範囲を満たすようにするためには、例えば特開2018−199653号公報の製造例1に記載の方法で製造した後、分級処理が必要である。
このような(B2)成分の複合粉体としては、東色ピグメント株式会社から販売されている製品名「US−450」などを用いることができる。
本発明の化粧料で用いる(B)成分として、成型性の点から好ましくは前記(B1)成分を使用することができ、経日安定性の点から好ましくは前記(B1)成分と前記(B2)成分とを併用することができる。
(B1)成分と(B2)成分とを併用する場合、(B1)/(B2)(質量比)を、好ましくは0.07〜0.7、より好ましくは0.1〜0.5、さらに好ましくは0.1〜0.4で用いることができる。
本発明の化粧料で用いる(B)成分として、好ましくは前記(B1)成分と前記(B2)成分とを併用する。
本発明の化粧料は、前記化粧料中(B)成分の含有量(固形分の質量)が5〜30質量%、好ましくは8〜28質量%、さらに好ましくは10〜25質量%である。
前記範囲内で、使用感(伸び広がり、感触)や経日安定性が優れる。
本発明の化粧料は、さらに(C)成分のポリウレタン粉体を含有することができる。
本発明の化粧料で用いる(C)成分のポリウレタン粉体は、ポリウレタン単体からなるものであるが、ポリウレタン単体からなる粒子表面に少量の微粒子シリカが埋没していてもよい。少量の微粒子シリカとは、ポリウレタン単体からなる粒子に対して5質量%以下で含有する微粒子シリカである。微粒子シリカを含有する場合、(C)成分として、ポリウレタン単体からなる粒子粉体と微粒子シリカを含有するポリウレタン粉体との混合物であってもよい。
なお、前記(C)成分は、本発明の(B)成分である複合粉体は含まない。
(C)成分のポリウレタン粉体は、例えば、(HDI/トリメチロールヘキシルラクトン)クロスポリマー、(IPDI/ポリ(1,4−ブタンジオール)−14)クロスポリマー、(HDI/PPG/ポリカプロラクトン)クロスポリマーなど挙げることができ、1種または2種以上が選ばれる。このような(C)成分としては、東色ピグメント株式会社から販売されている製品名「D−400」、「D−800」、「CS−400」などを使用することができる。
(C)成分のポリウレタン粉体は、経日安定性の点から、(HDI/トリメチロールヘキシルラクトン)クロスポリマーを使用することが好ましい。
本発明の化粧料は、(C)成分を含有する場合、前記化粧料中の(C)成分の含有量(固形分の質量)は、(B)成分の含有量により調整される。
前記化粧料中の(B)成分と(C)成分の合計含有量(固形分の質量)が、好ましくは20〜35質量%、より好ましくは21〜34質量%、さらに好ましくは25〜33質量%である。
そして、前記化粧料中の(B)成分と(C)成分の合計含有量における前記範囲から、(B)成分の含有量を引いた残部が、前記化粧料中の(C)成分の含有量(固形分の質量)となる。
本発明の化粧料は、(C)成分を含有する場合、前記化粧料中の(B)成分と(C)成分の質量比[(B)/(C)](固形分の質量比)が、好ましくは0.2〜5、より好ましくは0.4〜4、さらに好ましくは1〜3の範囲である。
本発明の化粧料は、前記化粧料中、(B)成分として前記(B1)成分と前記(B2)成分とを併用し、さらに前記(B1)成分と前記(B2)成分の合計含有量と前記(C)成分の含有量の質量比[(B1)+(B2)]/(C)(固形分の質量比)が、好ましくは0.5〜3、より好ましくは1〜3、さらに好ましくは1超〜3の範囲である。
本発明の化粧料は、(A)成分とは別に、固形パラフィン、モクロウ、オゾケライト、セレシン、水添硬化油などの固形ワックスを含有してもよい。なお、前記の固形ワックスは、(A)成分の固形ワックスには含まれない。
また本発明の化粧料は、油相として、(A)成分の固形ワックス以外に、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、フェニルトリメチコンなどのシリコーン油;トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリエチルヘキサノイン、ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、ステアリン酸イヌリンなどのエステル油;ベへニルアルコールなどの高級アルコール;パルミチン酸デキストリンなどの多糖脂肪酸エステル;水添ポリイソブテンなどの炭化水素油;d−δトコフェロールなどの抗酸化剤を含んでいてもよい。
本発明の化粧料は、粉体相として、(B)成分の複合粉体や(C)成分のポリウレタン粉体以外に、任意の化粧料成分のうち、ベンガラ(酸化鉄)、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、酸化クロムなどの金属酸化物;群青;紺青;赤色104号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号、青色2号、赤色202号、赤色227号、赤色230号、黄色202号、緑色201号、緑色204号、青色205号、赤色401号、赤色504号、だいだい色402号、黄色4号アルミニウムレーキ、黄色403号、黄色407号、緑色401号、紫色401号、黒色401号などの法定色素;βカロチン、カルサミン、カルミン、クロロフィル、コチニールなどの天然色素などの着色剤を含んでいてもよい。
また、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸化鉄コーティング雲母、酸化鉄雲母チタン、有機顔料処理雲母チタン、アルミニウムパウダー、パール顔料などの光輝性粉体類を含んでいてもよい。
また本発明の化粧料は、以下に列挙した化粧料に配合される各種成分を含有することができる。
油剤として、炭化水素、スクワラン、流動パラフィン、ワセリン、アルキッド、アクリル、スルホンアミド樹脂、ニトロセルロース;ミネラルオイル、オリーブ油、アーモンド油、カカオ脂、マカデミアナッツ油、アボカド油、硬化パーム油、ヒマシ油、ヒマワリ油、月見草油、合成トリグリセライド、ロウ、ラノリン、酢酸ラノリン、高級脂肪酸、合成エステル、直鎖・環状シリコーンオイル、ジメチルポリシロキサン、モノステアリン酸グリセリン、デカメチルシクロペンタンシロキサン、ポリオキシエチレン変性ジメチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリフェニルメチルシロキサン、ロジンペンタエリスリトットエステル、ジイソオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリイソオクタン酸グリセリン、ミリスチン酸イソプロピル、モノラウリン酸プロピレングリコール、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルなど;
保湿成分として、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビット、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジグリセリン、マンニトール、POEメチルグリコシド、生体高分子、蔗糖、エチルヘキサン酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、トリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチルなど;
防腐剤、乳化剤、安定化剤、可塑剤;
陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性イオン界面活性剤、蛋白質系界面活性剤;
薬効成分、ビタミンCジパルミテート、ビタミン類、アミノ酸、美白剤、殺菌剤;
カオリン、マイカ、シリカ、セリサイト、アルミナ、ガラスフレーク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸、硫酸バリウム、などの体質顔料、
pH調整剤、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、金属イオン封止剤、クエン酸、クエン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、紫外線吸収剤、抗酸化剤、香料、防腐剤、キレート剤、酸化防止剤、分散剤、緩衝剤、沈殿防止成分、褐色防止剤、使用性改質剤などが挙げられる。
本発明の化粧料は、
(A)成分を含む油相の溶解物を調製する第1工程、
前記溶解物に(B)成分と必要に応じて(C)成分を含む粉体相を添加して、(A)、(B)、必要に応じて(C)成分を含む化粧料組成物を調整する第2工程、
前工程の化粧料組成物を、(A)成分の融点以上の温度で容器に充填して、スティック状に成型する第3工程、
を含むスティック状油性固型化粧料の製造方法によって得ることができる。
本発明の化粧料は、化粧料の種類にもよるが、前記の製造方法において、(B)成分と必要に応じて(C)成分とその他の成分からなる粉体相の含有量が、前記化粧料中20〜45質量%であることが好ましく、23〜40質量%であることがより好ましい。残部は、(A)成分を含む油相の含有量となる。
(A)
・(A1)合成ワックスと(エチレン/プロピレン)コポリマーとの混合物:製品名「リップワックス PZ80−20」、株式会社日本ナチュラルプロダクツ製
・マイクロクリスタリンワックス:製品名「精製マイクロクリスタリンワックス」、日興リカ株式会社製
・コメヌカロウ:製品名「TOWAX−3P3」、東亜化成株式会社製
・キャンデリラロウ:製品名「精製キャンデリラワックスSR−3」、株式会社日本ナチュラルプロダクツ製
・(A2)カルナウバロウ:製品名「精製カルナバワックス1号」、日興リカ株式会社製(B1)製品名「UP−611」、東色ピグメント株式会社製、(メタ)アクリレート誘導体からなる核部をポリウレタンが被覆してなる複合粉体(平均粒径8〜12μm、比重1.2、嵩比重0.3、吸油量80mL/100g、屈折率1.49)、
(B2)製品名「US−450」、東色ピグメント株式会社製、シリコーン樹脂からなる核部をポリウレタンが被覆してなる複合粉体(平均粒径15〜21μm、比重1.16、嵩比重0.39、吸油量63.2mL/100g、屈折率1.5)
(C)
・ポリウレタン粉体1:製品名「D−400」、東色ピグメント株式会社製
(平均粒径12〜18μm、比重1.1〜1.2、嵩比重0.6、吸油量60mL/100g、屈折率1.5)
・ポリウレタン粉体2:製品名「CS−400」、東色ピグメント株式会社製
(平均粒径12〜18μm、比重1.1〜1.2、嵩比重0.6、吸油量55mL/100g、屈折率1.5)
比較成分
・シリカ(球状):製品名「サンスフェアH−51」、AGCエスアイテック株式会社製・シリカ(不定形):製品名「サイリシア740」、富士シリシア化学株式会社製
<スティック状油性固型化粧料の折損強度測定方法>
化粧料組成物約4gを、ビーカーを用いて直径12mm、高さ42mmのスティック状容器(4.1g容量)に充填して、室温(20〜25℃)で1時間静置させた後、さらに30℃恒温槽内で6時間静置させて、測定用サンプルを調製した。
前記容器からスティック状油性固型化粧料を完全に繰り出した形態で、前記化粧料先端の延長線上と床との間が45°になるように折損強度測定装置「SUN RHEO TEX SD−700DP」(株式会社サン科学製)にセットした。このとき、前記容器の長い面が下になるようにセットした。
繰り出された前記スティック状油性固型化粧料の上から、床面と垂直に探針(直径15mm)をゆっくり接触させ、前記スティック状化粧料の硬さ(折損強度値S)を測定した。
<化粧料の評価方法>
・仕上がり(マット効果)評価
実施例および比較例の化粧料を、化粧品評価の女性パネラー5名の顔表面の一部に塗布した。前記塗布面を目視観察し、下記の基準で評価した。評価結果は、最も評価の多かったものとした。
◎:不自然な艶がなく、良好なマット質感が得られた。
○:不自然な艶がなく、マット質感が得られた。
△:不自然な艶が目立たず、マット質感が得られた。
×:艶が目立ち、十分なマット質感が得られなかった。
・使用感(伸び広がり、感触)評価
実施例および比較例の化粧料を、化粧品評価の女性パネラー5名の顔表面の一部に塗布した。前記塗布面を目視観察し、下記の基準で評価した。評価結果は、最も評価の多かったものとした。
◎:塗布時の伸びが良く、良好な感触が得られた。
○:塗布時の伸びが良く、やや良好な感触が得られた。
△:塗布時の伸びがやや良く、やや良好な感触が得られた。
×:塗布時の伸びが悪く、良好な感触が得られなかった。
・成型性
実施例および比較例で得られた化粧料組成物約4gを、ビーカーを用いて直径12mm、高さ42mmのスティック状化粧料容器(4.1g容量)に充填して、スティック状化粧料を得た。前記化粧料を、室温(20〜25℃)で1時間静置さらに30℃恒温槽内で6時間静置させた。得られたスティック状化粧料について、化粧料容器から化粧料1cm出し入れする繰り出し処置を10回繰り返した際の化粧料外観の目視観察と、前記の折損強度の測定値(n=3)の安定性を、下記基準により評価した。
◎:化粧料容器に所定量を充填でき、10回以上出し入れしても折れなかった。さらに、3回測定して得られた折損強度値Sのバラツキが±20%に収まる程度に安定していた。〇:化粧料容器に所定量を充填でき、10回以上出し入れしても折れなかった。さらに、3回測定して得られた折損強度値Sのバラツキが±20%に収まらず、折損強度は安定していなかった。
△:化粧料容器に所定量を充填できたが、繰り出した化粧料の外観にくびれが生じた。また10回以上出し入れしても折れなかった。さらに、3回測定して得られた折損強度値Sのバラツキが±20%に収まらず、折損強度は安定していなかった。
×:化粧料容器に、化粧料約4g全量を充填できなかった。
・化粧料の経日安定性(外観)
実施例および比較例で得られた化粧料組成物約1.4gを、ビーカーを用いて直径8mm、高さ32mmのスティック状化粧料容器(1.4g容量)に充填して、スティック状化粧料を得た。前記化粧料を、サイクル試験恒温槽に入れ、槽内温度を0℃に設定し12時間静置させ、次に槽内温度を40℃に設定し12時間静置させることを1サイクル/日としたサイクル試験を1か月間実施した(約30サイクル)。試験後の前記化粧料の外観を目視観察し、下記基準により評価した。
○:変化なし
×:変化あり(褐変した。)
・化粧料の経日安定性(硬度)
実施例および比較例で得られた化粧料組成物約1.4gを、ビーカーを用いて直径8mm、高さ32mmのスティック状化粧料容器(1.4g容量)に充填して、スティック状化粧料を得た。前記化粧料を、サイクル試験恒温槽に入れ、槽内温度を0℃に設定し12時間静置させ、次に槽内温度を40℃に設定し12時間静置させることを1サイクル/日としたサイクル試験を1か月間実施した(約30サイクル)。試験後の前記化粧料の外観を目視観察し、下記基準により評価した。
◎:10回以上出し入れしても折れなかった。
○:5回以上出し入れしても折れなかった。
△:5回以下の出し入れで折れた。
×:1回の出し入れで折れた。
実施例1(皺隠しコンシーラー)
表1に示す(A)成分を含む油相を、90〜100℃下で溶融混合した。溶融した油相に、(B1)成分を含む粉体相(I)を添加し、三本ローラーで3回混練して混練物を得た。前記混練物に、(B2)成分および必要に応じて(C)成分を含む粉体相(II)を添加し、90℃前後に昇温後、攪拌脱泡(15分間)して、油状の化粧料組成物を得た。得られた化粧料組成物を、所定の容器に充填して、スティック状油性固型化粧料を得た。前記化粧料を用いて、前記項目を評価し、その結果を表1に示す。
Figure 2020183368
実施例2(口紅)
表2に示す(A)成分を含む油相を、90〜100℃下で溶融混合した。溶融した油相に、(B1)成分を含む粉体相(I)を添加し、三本ローラーで3回混練して混練物を得た。前記混練物に、(B2)成分および必要に応じて(C)成分を含む粉体相(II)を添加し、90℃前後に昇温後、攪拌脱泡(15分間)して、油状の化粧料組成物を得た。得られた化粧料組成物を、所定の容器に充填して、スティック状油性固型化粧料を得た。前記化粧料を用いて、実施例1と同様の評価を実施し、その結果を表2に示す。
Figure 2020183368
表1(コンシーラー)から明らかなとおり、(B)成分を含む実施例1−1〜1−3は、シリカを高配合した比較例1−1〜1−3と比べて、マット効果と使用感(伸び広がり、感触)が良好で、高い経日安定性が得られた。
表2(口紅)から明らかなとおり、(B)成分を含む実施例2−1〜2−7は、シリカを高配合した比較例2−3、2−4に比べて、良好な使用感(伸び広がり、感触)が得られた。
(B)成分を含まず、(C)成分を高配合した比較例2−1は、(B)成分を含む実施例2−1〜2−7に比べて、経日安定性が得られなかった。
(B)成分を3質量%含有する比較例2−2は、(B)成分を5〜30質量%含有する実施例2−1〜2−7に比べて、経日安定性が得られなかった。
また、(B)成分として(B1)および(B2)を併用した実施例2−2は、(B)成分として(B2)成分のみを使用した実施例2−3や(B1)成分のみを使用した実施例2−7よりも高い経日安定性が得られた。
処方例1(スティック状アイシャドウ)
成分名 含有量(質量%)
・ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 9.40
・トリエチルヘキサノイン 12.80
・イソステアリン酸ヘキシルデシル 10.00
・ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル 1.00
・水添ポリイソブテン 15.00
・パルミチン酸デキストリン 0.10
・トコフェロール 0.05
・酸化チタン 0.45
・酸化鉄 0.90
・赤202号 0.05
・黄色4号Alレーキ 0.25
(A)
・合成ワックス 8.00
・(エチレン/プロピレン)コポリマー 2.00
・マイクロクリスタリンワックス 2.50
・カルナウバロウ 0.50
・(B1)複合粉体 2.70
・(B2)複合粉体 17.10
・(C)ポリウレタン粉体1 7.20
・パール顔料 8.50
・マイカ 1.50
(合計 100.00)
本発明のスティック状油性固型化粧料は、いわゆるマットタイプの、口紅、リップスティックや、コンシーラー、アイシャドウなどに利用することができる。

Claims (6)

  1. (A)固形ワックス、
    (B)ポリウレタン以外のポリマー成分からなる核部をポリウレタンが被覆してなる複合粉体、を含有するスティック状油性固型化粧料であって、
    前記化粧料中の(B)成分の含有量が5〜30質量%である、スティック状油性固型化粧料。
  2. (B)成分の複合粉体が、
    (B1)(メタ)アクリレート誘導体からなる核部をポリウレタンが被覆してなる複合粉体、および/または
    (B2)シリコーン樹脂からなる核部をポリウレタンが被覆してなる複合粉体
    である、請求項1記載のスティック状油性固型化粧料。
  3. (A)成分の固形ワックスが、ヒマワリ種子ロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ミツロウ、コメヌカロウ、マイクロクリスタリンワックス、合成ワックス、ポリエチレン、(エチレン/プロピレン)コポリマー、から選ばれる1種または2種以上である、請求項1または2記載のスティック状油性固型化粧料。
  4. さらに(C)ポリウレタン粉体((B)成分を含まない。)を含有する、請求項1〜3のいずれか1項記載のスティック状油性固型化粧料。
  5. (A)成分の固形ワックスが、(A1)成分として、合成ワックス、ポリエチレン、(エチレン/プロピレン)コポリマー、から選ばれる1種または2種以上を含む、請求項1〜4のいずれか1項記載のスティック状油性固型化粧料。
  6. 前記化粧料中の(A)成分の固形ワックスの含有量が10〜20質量%である、請求項1〜5のいずれか1項記載のスティック状油性固型化粧料。
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