JP2005306856A - 油性化粧料 - Google Patents

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Noriyasu Imai
教安 今井
Kazuhiro Tsuhara
一寛 津原
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Abstract

【課題】取れ性やしっかりとした膜感が得られ、密着性に優れ、伸びが軽い等の使用感及び成形性に優れ、且つ、高温での形状保持性に優れる油性化粧料を提供する。
【解決手段】次の成分(A)〜(C);(A)融点の範囲が76℃以上84℃以下の範囲にあり、且つ、不ケン化物が25%以上52%以下であり、なお且つ、ケン化価が75以上100以下であるキャンデリラワックス、(B)液状油、(C)固形油及び/又は油ゲル化剤とを含有する事を特徴とする油性化粧料に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は使用時の取れ性やしっかりとした膜感が得られ、密着性に優れ、伸びが軽い等の使用感及び成形性に優れ、且つ、高温での形状保持性に優れる油性化粧料に関するものである。
油性化粧料は、エモリエント効果やつや等に優れるため、アイクリームや口紅、ファンデーション等に幅広く応用されている。しかし、油性化粧料は油剤が主体であるため、べたつくという欠点があった。これを解消し、延展性、密着性を改良した技術(例えば特許文献1参照)や、フィット感や、化粧持ちを改良した技術(例えば特許文献2参照)が検討されている。
特許第2720117号公報 特開平10−330214号公報
特に最近の油性化粧料には、前記の機能に加え、使用感の向上として、しっかりとした膜感(塗布時の化粧膜が適度な強さや粘性をもち化粧としての実感を与え、ある程度の持続性を有すること)や取れ性(特に固形化粧料において、小道具にて化粧料を取る時や直接肌に使用する時に容易にほぐれ、何度も繰り返し使用することなく十分な量の化粧料を塗布することができること)と伸びの軽さを兼ね備えることが求められている。また、固形化粧料においては、とくに取れ性は化粧料自体を柔らかく作ることで実現することが可能だが、これにより化粧料の、特に高温における形状保持性が著しく悪化する。このため、取れ性に優れ、且つ、高温における形状保持性に優れた油性化粧料が求められている。
かかる実情において本発明者らは鋭意検討の結果、融点の範囲が76℃以上84℃以下の範囲にあり、且つ、不ケン化物が25%以上52%以下であり、なお且つ、ケン化価が75以上100以下であるキャンデリラワックスと、常温で液状の油剤と、固形油及び/又は油ゲル化剤を組み合わせることにより、使用時の取れ性やしっかりとした膜感が得られ、密着性に優れ、伸びが軽い等の使用感及び成形性に優れ、且つ、高温での形状保持性に優れる等の安定性に優れる油性化粧料が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、次の成分(A)〜(C);
(A)融点の範囲が76℃以上84℃以下の範囲にあり、且つ、不ケン化物が25%以上52%以下であり、なお且つ、ケン化価が75以上100以下であるキャンデリラワックス
(B)液状油
(C)固形油及び/又は油ゲル化剤
を含有する事を特徴とする油性化粧料である。
本発明の油性化粧料は、安定性と成形性を保持しつつ、取れ性や、しっかりとした膜感が得られ、密着性に優れ、且つ、伸びの軽さを兼ね備えるものである。
本発明に用いられる成分(A)の融点の範囲が76℃以上84℃以下の範囲にあり、且つ、不ケン化物が25%以上52%以下であり、なお且つ、ケン化価が75以上100以下であるキャンデリラワックス(以下単に「キャンデリラワックスエステル」と略す。)とは、例えば、キャンデリラ草から採取した粗キャンデリラワックスを精製して製造することができる。この精製方法としては、例えば、粗キャンデリラワックスをn−ヘキサンに溶解して、これをシリカゲルを充填したカラムに通液して、n−ヘキサンで溶離展開し、各フラクションに分け、このフラクションを、例えば第20フラクションから第30フラクションまでというように適宜に集め、n−ヘキサンを留去する方法がある。本発明に用いるキャンデリラワックスエステルは、従来のキャンデリラワックスと比較して、高融点のエステルを多く含有し、樹脂量、炭化水素量および低融点エステル量が著しく低減された物であり、市販品としては、精製キャンデリラワックス FR−100(日本ナチュラルプロダクツ社製)等があげられる。成分(A)の配合量は好ましくは、油性化粧料中に0.5〜20質量%(以下単に「%」と示す)、特好ましくは1〜15%である。この範囲であれば、使用感及び成形性、安定性に優れた油性化粧料を得ることができる。
本発明に用いられる成分(B)の液状油としては極性油,非極性油または合成油、半合成油,動植物油等の極性や由来を問わず、常温にて液状であればよく、本発明においては伸びの軽さ等の使用感に大きく影響する。本発明に用いられる成分(B)を具体的に例示するのであれば、流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、などの炭化水素油、トリイソステアリン酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、パルミチン酸−2−エチルヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、トリ(カプリル・カプリン)酸グリセリルなどのエステル油、小麦胚芽油、米胚芽油、コメヌカ油、メドウフォーム油、ローズマリー油、オリーブ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、サフラワー油などの植物油、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、油溶性美容成分等が挙げられる。中でも、油性化粧料とした時に、粘度が低く、伸びが軽く、ベタツキの少ない感触を有利に発揮することができる、炭素数8〜14の分岐を持つグリセリンの脂肪酸トリエステルが好ましい。
成分(B)の液状油は、必要に応じて一種又は二種以上を用いることができ、配合量は好ましくは、油性化粧料中に10〜98.9%、特に30〜90%が好ましい。この範囲であれば、使用感及び成形性、安定性に優れた油性化粧料を得ることができる。
本発明に使用される成分(C)固形油及び/又は油ゲル化剤の固体油としては、成分(A)を除く、通常化粧品原料として許容される融点40℃以上の固体油であれば特に限定されず、炭化水素、ロウ、硬化油、高級脂肪酸、高級アルコール等が使用できる。具体的には、例えば固体パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、エチレン・プロピレンコポリマー、フィッシャートロプシュワックス、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ミツロウ、モクロウ、ゲイロウ、ポリエチレンワックス、モンタンワックス、硬化ヒマシ油、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベへニン酸、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ステアロキシ変性オルガノポリシロキサンなどが挙げられる。
油ゲル化剤としては、通常化粧品原料として許容される油ゲル化剤であれば特に限定されず、例えば、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸、ショ糖パルミチン酸エステル、でんぷんパルミチン酸エステル、バクモンドウステアリン酸エステルなどの多糖脂肪酸エステル、ジオクタデシルジメチルアンモニウム塩変性モンモリロナイト、ジヘキサデシルジメチルアンモニウム塩変性モンモリロナイト等の有機変性粘土鉱物、12−ヒドロキシステアリン酸、煙霧状シリカ粉末等があげられる。
成分(C)の固形油として、少なくとも融点90〜110℃のエチレンホモポリマー及び/又はコポリマーを含有すると、特に固形状の油性化粧料において、形状の保持や、経時及び高温での安定性の点で好ましい。このエチレンホモポリマー及び/又はコポリマーは、エチレン単独若しくは、エチレンと付加重合可能な一種以上の不飽和単量体との共重合体で、通常化粧料に使用されるものであればいずれのものも使用することができるが、ポリエチレンワックス及び/又はエチレン・プロピレン共重合体が好ましい。市販品としてはPERFORMALENE500、PERFORMALENE655、PERFORMALENE725、PERFORMALENE850(いずれもニューフェーズテクノロジー社製)、EP−700、EP−1100(Baker Petrolite社製)等があげられる。
成分(C)の固形油及び/又は油ゲル化剤は、必要に応じて一種又は二種以上を用いることができ、配合量は好ましくは、油性化粧料中に0.1〜20%、特に好ましくは1〜10%が好ましい。この範囲であれば、使用感及び成形性、安定性に優れた油性化粧料を得ることができる。
本発明は、成分(B)の固化能力が比較的弱く脆い結晶を構築する成分(A)と、反対に成分(B)のゲル化、固化の能力にすぐれ、比較的強固なゲルや結晶を構築することのできる成分(C)を組み合わせることにより、伸びの軽さを損なうことなく、相乗的に優れた膜感や取れ性、密着性を得ることができる。また成分(A)はキャンデリラ由来のワックスとしては融点が高いという特徴を有し、この特徴を活かすことで固形化粧料においては、優れた成形性および高温での形状保持性をも同時に得られることが特徴である。すなわち、油性化粧料としての安定性と成形性を保持しつつ、膜感や取れ性、密着性と伸びの軽さを兼ね備えることが可能となる。
本発明は油性剤型であれば、形状を問わず、ペースト状、クリーム状、固形状(皿流し込み状、固形粉末状、スティック状)等に適用できる。本発明の化粧料はスキンケア化粧料、毛髪化粧料、メーキャップ化粧料等に適用が可能であり、中でもファンデーション、アイシャドウ、口紅などのメーキャップ化粧料に好適に適用できる。
本発明の化粧料には、本発明の効果を損なわない程度で、必要に応じて、前記(A)〜(C)成分以外の各種成分、例えば、成分(A)(B)(C)以外の半固形油剤、粉体成分、界面活性剤、水性成分、繊維、紫外線吸収剤、皮膜形成剤、褪色防止剤、酸化防止剤、美容成分、防腐剤、消泡剤、香料などを各種の効果を付与するために適宜配合することができる。
成分(A)(B)(C)以外にも様々な感触を演出する目的で用いられる半固形油性成分としては、動物油、植物油、合成油等の起源を問わず、ワセリン等の炭化水素油類、コレステロール等のエステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類等が挙げられる。これらの一種又は二種以上を用いることができる。
粉体成分としては、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、金属粉体類、複合粉体類等が挙げられる。
具体的に例示すれば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青等の有色無機顔料、タルク、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成雲母、絹雲母(セリサイト)、合成セリサイト、カオリン、炭化珪素、ベントナイト、スメクタイト、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、珪ソウ土、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素等の白色体質粉体、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等の光輝性粉体、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合体等のコポリマー樹脂、ポリプロピレン系樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の有機高分子樹脂粉体、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機低分子性粉体、澱粉、シルク粉末、セルロース粉末等の天然有機粉体、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体あるいは更にアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末のラメ剤等が挙げられ、これら粉体はその1種又は2種以上を用いることができ、更に複合化したものを用いても良い。尚、これら粉体は、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、レシチン、水素添加レシチン、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤等の1種又は2種以上を用いて表面処理を施してあっても良い。
粉体や水性成分の分散剤の目的で用いられる界面活性剤としては、化粧料一般に用いられている界面活性剤であればよく、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等を用いることができる。これらの中でも、非イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が好ましく、これらを一種又は二種以上用いることができる。
水性成分としては、清涼感及び保湿効果を付与する目的で用いることができるが、水及び水に可溶な成分であれば何れでもよく、水の他に、例えば、アルコール類、多価アルコール類、植物抽出液、糖類、塩類、アミノ酸類、合成及び天然の水溶性高分子等が挙げられる。
繊維としては、ナイロン、ポリエステル、ポリオレフィン等の合成繊維、レーヨン等の人造繊維、セルロース等の天然繊維、アセテート人絹等の半合成繊維等が挙げられる。また、これらの繊維は本発明の効果を妨げない範囲で一般油剤、シリコーン油、フッ素化合物、界面活性剤等で処理したものも使用することができる。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等を挙げることができる。
モイスチャー効果や感触を調整する目的としては、例えば水溶性高分子、タンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチンや水性成分等が挙げられる。水溶性高分子としては、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸、アラビアガム、カラギーナン等の天然系のもの、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の半合成系のもの、カルボキシビニルポリマー等の合成系のものを挙げることができる。
水性成分としては、水及び水に可溶な成分であれば何れでもよく、水の他に、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液が挙げられる。
皮膜形成剤としてはトリメチルシロキシケイ酸等、褪色防止剤としては例えばEDTAのようなキレート剤等、酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸、2,6−ジ−tert−ブチル―p−クレゾール等、美容成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えばp−オキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール等が挙げられる。
以下に実施例をあげて本発明をさらに説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
本発明品1〜8、比較品1〜4:スティック状口紅
表1に示す処方の口紅を下記の製造方法にて調製し、取れ性、密着性、伸びの軽さ、成型性、形状保持性について評価した結果をあわせて示す。
注1:精製キャンデリラワックスFR−100(日本ナチュラルプロダクツ社製)
注2:キャンデリラワックス(融点66〜70℃)
注3:BEES WAX S(クローダ社製)
注4:TIO(日清オイリオ社製)
注5:コスモール43V(日清オイリオ社製)
注6:ペトロライト EP−700(Baker Petrolite社製)
注7:AEROSIL R−976S(日本アエロジル社製)
(製造方法)
A:成分1〜7を加熱混合する。
B:成分8〜19を均一に分散後Aと混合し、脱泡後、型に充填する。
(評価方法)
下記評価項目について各々評価を行った。
a.取れ性、b.密着性、c.伸びの軽さについては、各試料について専門パネル20名による使用テストを行い、パネル各人が(1)絶対評価基準を用いて7段階に評価した試料ごとの平均値を(2)4段階判定基準により判定した。尚、取れ性については、各試料を口唇に一度塗布した時のほぐれ感や発色について評価を行った。また、密着性と同時にしっかりとした膜感が得られるかどうかを密着性で評価した。
d.成型性については、各試料を50本充填し、表面の均一性、型への付着や割れ、折れ等の状態を目視で観察し、良好な本数により(3)4段階判定基準を用いて判定した。
e.形状保持性については、離型したスティック状の試料を40℃に1時間放置後、レオメーター(RHEOTHCH FUDOH RHEO METER レオテックス社製)を用いて、針径3.0mmΦ、針入速度2cm/min、針入2.0mmの条件で針入荷重値を測定し、(4)4段階判定基準にて判定した。
(評価項目)
a.取れ性
b.密着性
c.伸びの軽さ
d.成形性
e.形状保持性
(1)絶対評価基準
(評点):(評価)
6:非常に良い
5:良い
4:やや良い
3:普通
2:やや悪い
1:悪い
0:非常に悪い
(2)4段階判定基準
5点を超える :非常に良い(◎)
3点を超えて5点以下:良好(○)
1点を超えて3点以下:やや不良(△)
1点以下 :不良(×)
(3)4段階判定基準
50本 :◎
45〜49本:○
40〜44本:△
39本以下 :×
(4)4段階判定基準
180g以上 :◎
150g以上180g未満:○
120g以上150g未満:△
120g未満 :×
表1に示すように、本発明品のスティック状口紅は、取れ性、密着性と伸びの軽さを兼ね備え、成型性と高温での形状保持性に優れた化粧料であった。それに対し、比較品はいずれも本発明品に劣る結果となり、成分(A)のキャンデリラエステルワックスエステルに代えて、従来、取れ性、密着性を高める目的で配合されていたミツロウを用いた比較品1は、成形性と、特に伸びの軽さ、形状保持性に劣り、また、成分(A)のキャンデリラエステルワックスエステルを配合していない比較品2は、成形性と、特に伸びの軽さに劣り、成分(A)のキャンデリラワックスエステルに代えて、炭化水素を豊富に含み樹脂、エステルの少ない通常のキャンデリラワックスを配合した比較品3は、特に取れ性、密着性に劣り、また、成分(C)を配合しなかった比較品4は、特に成形性、形状保持性の点において劣るものであった。
油性ファンデーション
(成分) (%)
1.タルク 15
2.カオリン 10
3.酸化チタン 10
4.ベンガラ 1
5.黄酸化鉄 4
6.黒酸化鉄 0.2
7.成分(A)キャンデリラワックスエステル 注1 5
8.成分(C)ポリエチレンワックス 注8 6
9.成分(C)マイクロクリスタリンワックス 7
10.成分(B)スクワラン 6.6
11.ワセリン 10
12.成分(B)トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル 注9 25
13.香料 0.1
14.アロエ抽出液 0.1
注8:PERFORMALENE 655(ニューフェーズテクノロジー社製)
注9:ミグリオール812(サゾール社製)
(製造方法)
A:7〜12を加熱溶解する。
B:Aに1〜6を均一に分散する。
C:Bに13、14を加え、溶解、脱泡後皿状容器に充填する。
本発明の油性ファンデーションは、マットにとり、肌に塗付する時のほぐれが良く、取れ性が良好で、膜感に優れ、しっかりとした膜感で密着性に優れ、伸びが軽く、高温での形状保持性に優れたものであった。
アイクリーム
(成分) (%)
1.成分(A)キャンデリラワックスエステル 注1 6
2.成分(C)12−ヒドロキシステアリン酸 注10 2
3.成分(B)ジカプリン酸プロピレングリコール 20
4.成分(B)マカデミアナッツ油 注11 40
5.酢酸トコフェロール 0.1
6.油溶性ローズマリー抽出液 0.1
7.ヒアルロン酸水溶液 0.1
8.成分(B)デカメチルシクロペンタシロキサン 31.69
9.香料 0.01
注10:12−ヒドロキシステアリン酸(吉川製油社製)
注11:マカデミアナッツ油(日本サーファクタント工業社製)
(製造方法)
A:1〜4を加熱溶解する。
B:Aに5〜9を加えて均一に溶解後、容器に充填する。
本発明のアイクリームは、しっかりとした膜感に優れ、コクのある感触を持ちながら、滑らかな伸びの軽さを持ち、さらに高温で分離することなく、安定性に優れるものであった。
ペースト状リップグロス
(成分) (%)
1.成分(A)キャンデリラワックスエステル 注1 5
2.成分(C)パルミチン酸デキストリン 注12 5
3.成分(C)煙霧状無水ケイ酸 注13 5
4.成分(B)トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル 注4 20.6
5.成分(B)トリイソステアリン酸グリセリル 注14 30
6.成分(B)リンゴ酸ジイソステアリル 30
7.成分(B)ジメチルポリシロキサン(50cs) 0.1
8.フェノキシエタノール 0.1
9.雲母チタン 4
10.赤色202号 0.05
11.黄色4号アルミニウムレーキ 0.1
12.香料 0.05
注12:レオパールKL(千葉製粉社製)
注13:AEROSIL 380S(日本アエロジル社製)
注14:サラコス3318(日清オイリオ社製)
(製造方法)
A:1、2、4を加熱溶解する。
B:Aに残りの成分を加え、均一に混合後、容器に充填する。
以上のようにして得られたペースト状リップグロスはしっかりとした膜感に優れ、保湿感が得られ、伸びが軽く、高温で分離することなく安定性に優れるものであった。

Claims (7)

  1. 次の成分(A)〜(C);
    (A)融点の範囲が76℃以上84℃以下の範囲にあり、且つ、不ケン化物が25%以上52%以下であり、なお且つ、ケン化価が75以上100以下であるキャンデリラワックス
    (B)液状油
    (C)固形油及び/又は油ゲル化剤
    を含有する事を特徴とする油性化粧料。
  2. 成分(A)を0.5〜20質量%、成分(B)を1〜98.9質量%、成分(C)を0.1〜20質量%含有することを特徴とする請求項1記載の油性化粧料。
  3. 前記成分(B)がグリセリンの脂肪酸トリエステルであることを特徴とする請求項1又は2に記載の油性化粧料。
  4. 前記成分(B)のグリセリンの脂肪酸トリエステルを構成する脂肪酸が分岐脂肪酸であることを特徴とする請求項3記載の油性化粧料。
  5. 前記成分(B)のグリセリンの脂肪酸トリエステルを構成する脂肪酸が炭素数8〜14であることを特徴とする請求項3又は4に記載の油性化粧料。
  6. 前記成分(C)の固形油の一部または全てが、融点が75〜120℃のエチレンホモポリマー及び/又はコポリマーであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の油性化粧料。
  7. 油性化粧料が口唇用化粧料であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の油性化粧料。
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