JP2020183346A - 経口組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ミクログリア細胞の活性化を抑制し、関連する機能性を効果的に向上させる組成物を提供することを目的とする。【解決手段】(A)アピゲニンと、(B)ビタミン類より選択される少なくとも1種とを含有する、経口組成物を提供する。また、上記成分を含有する、ミクログリア細胞活性化抑制用組成物、網膜保護及び/又は認知機能向上用組成物を提供する。また、上記成分を含有する食品素材であるグァバ、ニンニク、セロリ、パセリ、及び、それらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、ミクログリア細胞活性化抑制用組成物、網膜保護及び/又は認知機能向上用組成物を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は経口組成物に関する。本発明はまた、ミクログリア細胞活性化抑制用組成物、網膜保護及び/又は認知機能向上用組成物に関する。
近年、ミクログリア細胞の活性化が神経炎症を引き起こし、神経変性の機序に基づく各種の障害に影響していることが報告されている。活性化したミクログリア細胞には、2種のサブポピュレーションが知られている(非特許文献1)。そのうち、M1ミクログリア細胞は、炎症性サイトカイン(TNF−α、IL−1β、CSF1、CSF2、CXCL10、CCL2等)等を産生し、神経障害性の機能を有する。一方、M2ミクログリア細胞は、抗炎症性サイトカイン(IL−4、IL−10、TGF−β等)を産生し、神経保護性の機能を有する。
アルツハイマー病を含む中枢神経系の炎症を伴う障害には、ミクログリア細胞によるIL−1βの産生が重要な要素であると認識されている(非特許文献2)。アルツハイマー病のモデルマウスでは、IL−1βの上昇が起こる結果、神経炎症を起こしてアルツハイマー病を増悪させることが知られている。
また、ミクログリア細胞は、脳・脊髄などの中枢神経系だけでなく、後眼部においても、各種の異常状態に影響を与えている。例えば、緑内障、加齢黄斑変性症、糖尿病性網膜症などの主要な網膜変性疾患では、ミクログリア媒介性の神経炎症が重要な要因となっていることが知られている(非特許文献3)。上述のように、ミクログリア細胞は、M2ミクログリア細胞にシフトすることにより、神経保護作用も有しているため、ミクログリア細胞を完全に阻害することは恒常性の観点から適切ではなく、炎症性サイトカイン等を産生するように活性化されたM1ミクログリア細胞をターゲットとして、適切に抑制することが望ましい。
ミクログリア細胞の作用本体は、サイトカインやケモカインである可能性が報告されており、これらの炎症性サイトカイン産生の制御が、ミクログリア細胞が関与する疾患の新たな治療標的となり得る(非特許文献4)。
Sudhakar R et al. Targeting Microglial Activation States as a Therapeutic Avenue in Parkinson’s Disease. Frontiers in Aging Neuroscience. 2017, Vol. 9, Article 176, p.1-18. Solomon S Shaftel et al. The role of interleukin-1 in neuroinflammation and Alzheimer disease: an evolving perspective. Journal of Neuroinflammation. 2008, Vol. 5:7, p.1-12. Maria H. Madeira et al. Contribution of Microglia-Mediated Neuroinflammation to Retinal Degenerative Diseases. Mediators of Inflammation. Volume 2015, Article ID 673090, p.1-15. 最上 由香里、佐藤 薫.ミクログリアの中枢神経系発達調節機能とその創薬・治療への応用可能性.日薬理誌(Folia Pharmacol. Jpn.).2017,Vol.150, p.268-274.
ミクログリア細胞の活性化を効果的に抑制することができれば、脳・脊髄などの中枢神経系や、後眼部における異常状態のリスク低減、予防、治療等の効果が期待されるため、多種の医薬品開発が継続されている。
しかしながら、ミクログリア細胞の活性化は継続的に抑制されることが必要なため、医薬品成分だけでは十分ではなく、安全性が高く、医薬品の領域だけでなく、機能性食品やサプリメントの領域でも適用可能な成分を用いた新規のミクログリア細胞活性化抑制組成物が求められている。
そこで、本発明は、ミクログリア細胞の活性化を効果的に抑制し、それにより、関連する疾患や異常を効果的に改善する組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者等が鋭意検討した結果、食品分野や医薬品分野において、安全に使用されている成分において、ミクログリア細胞の活性化を抑制することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記に掲げる組成物を提供する。
[1]
(A)アピゲニンと、
(B)ビタミン類より選択される少なくとも1種とを含有する、経口組成物。
[2]
前記(A)成分と(B)成分との配合割合が、(A)成分の1質量部に対して、(B)成分が0.01〜100質量部である、[1]に記載の経口組成物。
[3]
前記(B)成分が、ビタミンA類、及び、ビタミンB類からなる群より選択される少なくとも1種である、[1]又は[2]に記載の経口組成物。
[4]
(A)アピゲニンと、
(B)ビタミン類より選択される少なくとも1種とを含有する、ミクログリア細胞活性化抑制用組成物。
[5]
グァバ、ニンニク、セロリ、パセリ、及び、それらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、ミクログリア細胞活性化抑制用組成物。
[6]
(A)アピゲニンと、
(B)ビタミン類より選択される少なくとも1種とを含有する、網膜保護及び/又は認知機能向上用組成物。
[7]
グァバ、ニンニク、セロリ、パセリ、及び、それらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、網膜保護及び/又は認知機能向上用組成物。
[8]
前記網膜保護及び/又は認知機能向上が、神経の炎症及び/又は変性を抑制することによりもたらされる、[6]又は[7]に記載の組成物。
[9]
前記網膜保護が、光刺激からの眼の保護改善、眼の老化抑制、眼のコントラスト感度改善、眼のピント調節機能改善、眼の疲労感改善、及び、眼の黄斑部の色素量維持からなる群より選択される少なくとも1種である、請求[6]〜[8]のいずれか1項に記載の組成物。
[10]
前記網膜保護が、後眼部疾患のリスク低減、予防又は治療である、[6]〜[8]のいずれか1項に記載の組成物。
[11]
前記後眼部疾患が、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、糖尿病黄斑浮腫、網膜色素変性症、増殖性硝子体網膜症、網膜動脈閉塞症、網膜静脈閉塞症、ぶどう膜炎、レーベル病、未熟児網膜症、網膜剥離、網膜色素上皮剥離、中心性漿液性脈絡網膜症、中心性滲出性脈絡網膜症、ポリープ状脈絡膜血管症、多発性脈絡膜炎、新生血管黄斑症、網膜動脈瘤、網膜血管腫状増殖、これらの疾患に起因する視神経障害、緑内障に起因する視神経障害、及び、虚血性視神経障害からなる群より選択される少なくとも1種である、[10]に記載の組成物。
[12]
前記認知機能向上が、記憶力の維持、判断力の維持、注意力の維持、空間認識力の維持、及び、計算作業の効率維持からなる群より選択される少なくとも1種である、[6]〜[8]のいずれか1項に記載の組成物。
[13]
前記認知機能向上が、神経変性疾患のリスク低減、予防又は治療である、[6]〜[8]のいずれか1項に記載の組成物。
[14]
前記神経変性疾患が、緑内障、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、又は、脳血管性認知症からなる群より選択される少なくとも1種である、[13]に記載の組成物。
本発明によれば、食品分野や医薬品分野において、安全に使用されている成分によりミクログリア細胞の活性化を抑制し、ミクログリア細胞の活性化により引き起こされる異常や疾患を効果的に改善することが可能となる。
図1は、試験例1における、炎症性サイトカインIL−1βを指標とした、アピゲニン及びビタミンAを併用することによる、ミクログリア細胞活性化抑制試験の結果を示すグラフである。 図2は、試験例2における、炎症性サイトカインIL−1βを指標とした、アピゲニン及びビタミンBを併用することによる、ミクログリア細胞活性化抑制試験の結果を示すグラフである。 図3は、試験例3における、炎症性サイトカインIL−1βを指標とした、アピゲニン、ビタミンA、及び、ビタミンBを含有する食品素材由来のグァバエキスによる、ミクログリア細胞活性化抑制試験の結果を示すグラフである。 図4は、試験例3における、炎症性サイトカインTNF−αを指標とした、アピゲニン、ビタミンA、及び、ビタミンBを含有する食品素材由来のグァバエキスによる、ミクログリア細胞活性化抑制試験の結果を示すグラフである。 図5は、試験例3における、炎症性サイトカインCCL2を指標とした、アピゲニン、ビタミンA、及び、ビタミンBを含有する食品素材由来のグァバエキスによる、ミクログリア細胞活性化抑制試験の結果を示すグラフである。 図6は、参考例として、1μM、5μM、又は10μMで濃度を振り、アピゲニン単独でのIL−1βの産生抑制効果を評価した結果を示すグラフである。 図7は、参考例として、1μM、5μM、又は10μMで濃度を振り、アピゲニン単独でのTNF−αの産生抑制効果を評価した結果を示すグラフである。 図8は、参考例として、1μM、5μM、又は10μMで濃度を振り、アピゲニン単独でのCCL2の産生抑制効果を評価した結果を示すグラフである。 図9は、試験例4における、炎症性サイトカインIL−1βを指標とした、アピゲニン及びビタミンBを含有する食品素材由来の乾燥ニンニク末による、ミクログリア細胞活性化抑制試験の結果を示すグラフである。 図10は、試験例4における、炎症性サイトカインTNF−αを指標とした、アピゲニン及びビタミンBを含有する食品素材由来の乾燥ニンニク末による、ミクログリア細胞活性化抑制試験の結果を示すグラフである。 図11は、試験例4における炎症性サイトカインCCL2を指標とした、アピゲニン及びビタミンBを含有する食品素材由来の乾燥ニンニク末による、ミクログリア細胞活性化抑制試験の結果を示すグラフである。 図12は、試験例4における、炎症性サイトカインIL−1βを指標とした、アピゲニン及びビタミンBを含有する食品素材由来の黒ニンニク末による、ミクログリア細胞活性化抑制試験の結果を示すグラフである。 図13は、試験例4における、炎症性サイトカインTNF−αを指標とした、アピゲニン及びビタミンBを含有する食品素材由来の黒ニンニク末による、ミクログリア細胞活性化抑制試験の結果を示すグラフである。 図14は、試験例4における、炎症性サイトカインCCL2を指標とした、アピゲニン及びビタミンBを含有する食品素材由来の黒ニンニク末による、ミクログリア細胞活性化抑制試験の結果を示すグラフである。
[経口組成物]
一つの実施形態において、本発明の経口組成物は、(A)アピゲニンと、(B)ビタミン類より選択される少なくとも1種とを含有する。
((A)アピゲニン)
アピゲニンは、フラボンの誘導体であり分子式C1510で示される。タイム、ダリア、フジモドキ等の植物に含まれることが知られている。アピゲニンは、アピゲニン配糖体のアグリコンであるため、アピゲニン配糖体から糖を分離してもよく、アピゲニンを含有する植物から抽出してもよく、合成して製造してもよく、市販品を用いてもよい。
アピゲニン配糖体としては、例えば、アピインであり、アピゲトリン(アピゲニン−7−グルコシド)、ビデキシン(アピゲニン−8−C−グルコシド)、イソビテキシン(アピゲニン−6−C−グルコシド)、ロイフォリン(アピゲニン−7−O−ネオヘスペリドシド)等が挙げられる。
アピゲニンを含有する植物から、アピゲニンを抽出して得る場合は、アピゲニンを含有する植物を生のまま利用してもよく、乾燥物を利用してもよく、原料の状態は特に制限されない。アピゲニンの含有量を高めるために、アピゲニンを含有する植物を焙煎して用いてもよい。
抽出方法や精製方法は、特に制限されず、常法を用いることが可能である。抽出溶媒は、本明細書において、植物のエキスを用いる場合の抽出溶媒と同様の溶媒を用いることが可能である。
((B)ビタミン類)
本発明において、(B)成分のビタミン類は、本発明の効果が奏される限り水溶性ビタミンでも脂溶性ビタミンであってもよい。
(B)成分のビタミン類としては、例えば、レチノール、レチノール誘導体(酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等)、レチナール、レチノイン酸、レチノイン酸メチル、レチノイン酸エチル、レチノイン酸レチノール、d−δ−トコフェリルレチノエート、α−トコフェリルレチノエート、及びβ−トコフェリルレチノエート等のビタミンA類;
β−カロチン、α−カロチン、γ−カロチン、δ−カロチン、リコピン、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、及びエキネノン等のプロビタミンA類;
α−トコフェロール、β−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム、δ−トコフェロール、及びニコチン酸トコフェロール等のビタミンE類;
リボフラビン、フラビンモノヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチド、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビンテトラ酪酸エステル、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム、及びリボフラビンテトラニコチン酸エステル等のビタミンB類;
ニコチン酸メチル、ニコチン酸、及びニコチン酸アミドなどのニコチン酸類;
ステアリン酸アスコルビル、ジパルミチン酸L−アスコルビル、テトライソパルミチン酸アスコルビル(テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル)、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、デヒドロアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、及びアスコルビン酸グルコシドなどのビタミンC類;
メチルヘスペリジン、エルゴカルシフェロール、及びコレカルシフェロールなどのビタミンD類;
フィロキノン、及びファルノキノン等のビタミンK類;
ジベンゾイルチアミン、ジベンゾイルチアミン塩酸塩、チアミン塩酸塩、チアミンセチル塩酸塩、チアミンチオシアン酸塩、チアミンラウリル塩酸塩、チアミン硝酸塩、チアミンモノリン酸塩、チアミンリジン塩、チアミントリリン酸塩、チアミンモノリン酸エステルリン酸塩、チアミンモノリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル塩酸塩、チアミントリリン酸エステル、及びチアミントリリン酸エステルモノリン酸塩等のビタミンB類;
塩酸ピリドキシン、酢酸ピリドキシン、塩酸ピリドキサール、5’−リン酸ピリドキサール、及び塩酸ピリドキサミン等のビタミンB類;
シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、及びデオキシアデノシルコバラミン等のビタミンB12類;
葉酸、プテロイルグルタミン酸等の葉酸類;
パントテン酸、パントテン酸カルシウム、パントテニルアルコール(パンテノール)、D−パンテテイン、D−パンテチン、補酵素A、及びパントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類;
ビオチン、及びビオシチン等のビオチン類;並びに
カルニチン、フェルラ酸、α−リポ酸、オロット酸、及びγ−オリザノール等のビタミン様作用因子などが挙げられる。
本発明による効果をより顕著に奏する観点から、(B)成分のビタミン類は、特には、ビタミンA類、ビタミンB類、ビタミンB12類、パントテン酸類、及び、ビタミンB類からなる群より選択される1種以上であることが好ましく、ビタミンA類及びビタミンB類からなる群より選択される1種以上であることがより好ましい。また、レチノール、ピリドキシン、シアノコバラミン、パンテノール、フラビンアデニンジヌクレオチド、及び、それらの塩からなる群より選択される1種以上であることがより好ましく、レチノイン酸及び塩酸ピリドキシンからなる群より選択される1種以上であることが特に好ましい。ビタミンA類としては、例えば、0.550μgがビタミンA1I.U.である、DSM社製のレチノールパルミチン酸エステル等を挙げることができる。なお、I.U.とは、第十六改正日本薬局方ビタミンA定量法等に記載の手法により求められる国際単位を意味する。これらのビタミン類は、単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。このようなビタミン類は、いずれも市販のものを利用することもでき、またビタミン類を含有する食品素材を用いてもよい。
ビタミン類の塩としては、具体的には上記したものが挙げられるが、その他に、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されず、具体的には、有機酸塩[例えば、モノカルボン酸塩(酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酪酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩等)、多価カルボン酸塩(フマル酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩等)、オキシカルボン酸塩(乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等)、有機スルホン酸塩(メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、トシル酸塩等)等]、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩等)等が挙げられる。
アピゲニンの含有量は、他の配合成分の種類及び含有量、組成物の製剤形態等に応じて適宜設定されるが、組成物全量に対して、好ましくは0.001〜10質量%であり、より好ましくは0.005〜5質量%であり、更に好ましくは0.01〜3質量%であり、特に好ましくは0.05〜2質量%であり、最も好ましくは0.1〜1質量%である。
(B)成分の総含有量は、他の配合成分の種類及び含有量、組成物の製剤形態等に応じて適宜設定されるが、組成物全量に対して、好ましくは0.001〜10質量%であり、より好ましくは0.005〜5質量%であり、更に好ましくは0.01〜3質量%であり、特に好ましくは0.05〜2質量%であり、最も好ましくは0.1〜1質量%である。
ビタミンA類を含有する場合、ビタミンA類の単独の含有量は、特に限定されないが、例えば、組成物全量に対して、好ましくは0.001〜100質量%であり、より好ましくは0.005〜50質量%であり、更に好ましくは0.01〜10質量%であり、特に好ましくは0.05〜2質量%であり、最も好ましくは0.1〜1質量%である。
ビタミンB類を含有する場合、ビタミンB類の単独の含有量は、特に限定されないが、例えば、組成物全量に対して、好ましくは0.1〜95質量%であり、より好ましくは0.3〜70質量%であり、更に好ましくは0.5〜50質量%である。
(A)成分と(B)成分との配合割合は、他の配合成分の種類及び含有量、組成物の製剤形態等に応じて適宜設定されるが、例えば、(A)成分の1質量部に対して、(B)成分が好ましくは0.01〜100質量部であり、より好ましくは0.05〜80質量部であり、更に好ましくは0.1〜70質量部であり、特に好ましくは0.5〜60質量部であり、最も好ましくは1〜50質量部である。
((A)成分及び(B)成分を含有する食品素材)
上記の(A)成分、(B)成分の他、これらの成分を含有する食品素材を、本発明の機能性を発揮させる観点から用いることができる。
(A)成分及び(B)成分を含有する食品素材としては、本発明の効果を奏する限り、限定はされないが、例えば、グァバ、ニンニク、セロリ、パセリ、及び、それらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、グァバ、ニンニク、及び、それらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、グァバ及び/又はその抽出物が更に好ましい。
(グァバ及びその抽出物)
グァバ(Psidium guajava L)は、フトモモ科バンジロウ属に属する植物である。グァバ及びその抽出物とは、グァバの果実、果皮、又は葉を原料とし、これらの乾燥物、その微粉末としたもの、並びに、これらの抽出物(エキス)をいう。これらのうち、限定はされないが、本発明の効果を奏する観点から、グァバの葉を原料としたものが好ましい。
グァバエキスは、本発明の効果を奏する限り、抽出方法は限定されない。一例として、グァバエキスは、グァバ又はその粉砕物から、水及び/又は有機溶媒で浸漬抽出し、残査を濾別することにより得られる抽出液、この抽出液から溶媒を除去したもの、あるいはこれらの微粉末、又は、上記抽出液や溶媒除去物を適当な溶剤を用いるなどして溶解、分散、希釈したものなどをいい、市販品を用いることも可能である。他の抽出方法の例として、グァバエキスは、GPsidium guajava Lの果実、果皮、又は葉を蒸すなどの加工をしてから抽出することもできる
本明細書において、植物のエキス(植物の抽出物ともいう)を用いる場合、より詳細には、抽出溶媒として、水(熱水を含む)、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、酢酸エチル等のエステル類、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン類、アセトニトリルなどのニトリル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ペンタン、ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素類、トルエンなどの芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、その他ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの有機溶媒(すべて含水であってもよい)などを適宜用いることができ、1種又は2種の任意の混合液であってもよい。これらの溶媒のうち、水、エタノール、1,3−ブチレングリコール又はこれらの混合溶液が好ましい。本明細書に記載のエキスは、各種原料品会社から入手することができ、それらは通常、賦形剤を含めた形で販売されている場合が多いが限定はされない。以下、エキス量とは、乾燥固形分換算量をいう。
グァバエキスの抽出溶媒は、本発明の効果を奏する限り、制限されないが、水、エタノール、又は含水エタノールであることが好ましく、含水エタノールであることがより好ましい。
グァバ及びその抽出物の市販品は、限定されないが、例えば、グァバ葉エキス末−S(ビーエイチエヌ株式会社)等が挙げられる。
(ニンニク及びその抽出物)
ニンニク(Allium sativum)は、ヒガンバナ科ネギ属に属する植物である。ニンニク及びその抽出物とは、ニンニクの鱗茎、鱗片、又は葉を原料とし、これらの乾燥物、その微粉末としたもの(以下、単に、ニンニク末ともいう)、並びに、これらの抽出物(エキス)をいう。本発明の効果を奏する限りにおいて、どのようなニンニクであっても用いることができるが、ニンニク末であることが好ましい。
ニンニクとしては、生のニンニクであってもよく、乾燥ニンニクであってもよく、熟成、発酵を行った黒ニンニクであってもよい。黒ニンニクは、常法により製造することができ、製法は特に限定されないが、例えば、生ニンニクの鱗茎を自己発酵させて黒ニンニクを製造することができる。具体的には、生ニンニクの鱗茎を、30℃〜75℃の温度範囲で、適切な湿度において5〜40日間温蔵することで製造することが可能である。
また、ニンニクとしては、ニンニク臭を低減する等の目的で加熱処理を行ったニンニクを用いてもよい。
ニンニクエキスは、本発明の効果を奏する限り、抽出方法は限定されない。一例として、ニンニクエキスは、ニンニク又はその粉砕物から、水及び/又は有機溶媒で浸漬抽出し、残査を濾別することにより得られる抽出液、この抽出液から溶媒を除去したもの、あるいはこれらの微粉末、又は、上記抽出液や溶媒除去物を適当な溶剤を用いるなどして溶解、分散、希釈したものなどをいい、市販品を用いることも可能である。他の抽出方法の例として、ニンニクエキスは、ニンニクの鱗茎、鱗片、又は葉を蒸すなどの加工をしてから抽出することもできる
ニンニクエキスやニンニク末の原料は、特に限定されないが、本発明の効果を顕著に奏する観点から、乾燥ニンニクが好ましい。
ニンニクエキスの抽出溶媒は、本発明の効果を奏する限り、制限されないが、水、エタノール、又は含水エタノールであることが好ましく、含水エタノールであることがより好ましい。
ニンニク及びその抽出物の市販品は、限定されないが、例えば、熟成黒にんにく爆砕パウダー(丸善製薬株式会社)、ニンニクエキスパウダーSP(備前化成工業株式会社)等が挙げられる。
ニンニクの産地は、特に限定されないが、本発明の効果を顕著に奏する観点から、日本産、及び/又は、米国産が好ましく、米国産がより好ましい。
(A)成分及び(B)成分を含有する食品素材の総含有量は、他の配合成分の種類及び含有量、組成物の製剤形態等に応じて適宜設定されるが、組成物全量に対して、好ましくは0.01〜95質量%であり、より好ましくは0.03〜80質量%であり、更に好ましくは0.05〜75質量%であり、特に好ましくは0.1〜70質量%である。
グァバ及び/又はその抽出物を含有する場合、グァバ及び/又はその抽出物の単独の含有量は、特に限定されないが、例えば、組成物全量に対して、好ましくは0.01〜95質量%であり、より好ましくは0.1〜80質量%であり、更に好ましくは1〜75質量%であり、特に好ましくは2〜70質量%である。
ニンニク及び/又はその抽出物を含有する場合、ニンニク及び/又はその抽出物の単独の含有量は、特に限定されないが、例えば、組成物全量に対して、好ましくは0.01〜95質量%であり、より好ましくは0.1〜80質量%であり、更に好ましくは1〜75質量%であり、特に好ましくは2〜70質量%である。
[用途]
本発明は、(A)成分と、(B)成分とを組み合わせて用いることにより、ミクログリア細胞の活性化を効果的に抑制することが可能となる。後述する実施例において示されるように、(A)成分単独であっても、ミクログリア細胞の活性化を抑制することができるが、十分な効果を得るには至っていない。本明細書の実施例で示されるように、(A)成分と、(B)成分とが共存して作用することにより、顕著にミクログリア細胞の活性化を抑制することが可能となる。本明細書において、ミクログリア細胞の活性化の抑制は、ミクログリア細胞の異常状態の予防、防止、遅延、好転、緩和、又は治療がなされる限り、公知の方法にて確認することが可能である。限定はされないが、ミクログリア細胞の活性化の抑制は、ミクログリア細胞のサブポピュレーションのうち、M1ミクログリア細胞を抑制することが好ましく、M1ミクログリア細胞が産生する炎症性サイトカインやケモカイン等の産生量が低減されることにより確認することが可能である。
本発明の経口組成物は、ミクログリア細胞の活性化と関連のある状態、症状、疾患の改善にも好適に用いられる。近年、ミクログリア細胞の活性化が神経炎症を引き起こし、神経変性の機序に基づく各種の障害に影響していることが報告されている。例えば、網膜には、ミクログリア細胞が常在型マクロファージとして存在し、様々な刺激により、ミクログリア細胞の活性化が引き起こされる。ミクログリア細胞の活性化により、M1ミクログリア細胞は、炎症性サイトカイン(TNF−α、IL−1β、CSF1、CSF2、CXCL10等)等を産生し、神経障害を引き起こす。
網膜における神経障害は、神経の炎症や変性を伴って増悪し、網膜機能が著しく損なわれてしまうことに繋がる。神経の炎症及び/又は変性により、網膜障害が増悪すると、光刺激からの眼の保護機能の低下、眼の老化、視力、視野、及びコントラスト感度を含む視機能の低下、眼の疲労感、眼の黄斑部の色素量の低下等の状態に繋がることが知られている。
よって、網膜においてミクログリア細胞の活性化を抑制することができ、特にM1ミクログリア細胞が産生する、炎症性サイトカイン(TNF−α、IL−1β、CSF1、CSF2、CXCL10等)等の産生量を継続的に低減させることができれば、網膜保護に好適である。このような効果を継続的に発揮させるには、医薬品だけでなく、従来からの食経験があり、安全に継続的に摂取できる食品素材を用いることが望ましい。
活性化ミクログリアから放出される様々な炎症誘発性サイトカインのうち、IL−1βは、多数の炎症性サイトカイン及びケモカインの発現を誘導することによって自然免疫を活性化することができる。ミクログリアからのIL−1βの放出は、神経炎症及び神経変性疾患の主なエフェクターとして関与している。したがって、活性化ミクログリアにおけるIL−1βの阻害は、神経変性疾患の治療の潜在的分子標的となる。また、ミクログリア細胞の活性化により産生されるIL−1βが網膜における神経炎症を増悪させることが知られており、IL−1βの産生量を低減させることが、網膜保護の観点、加齢黄斑変性や緑内障等の後眼部疾患の治療ターゲットとなる(Riccardo Natoli et al. Microglia-derived IL-1 β promotes chemokine expression by Muller cells and RPE in focal retinal degeneration. Molecular Neurodegeneration. 2017, Vol. 12:31, p.1-11、Hui-Lan Zeng et al. The role of microglia in the progression of glaucomatous neurodegeneration- a review. Int J Ophthalmol. 2018, Vol.11, No.1, p.143-149など)。
本発明の経口組成物は、(A)成分と、(B)成分とを組み合わせて用いること、又は、(A)成分及び(B)成分を含有する食品素材を用いることにより、ミクログリア細胞の活性化を顕著に抑制することが可能となり、神経の炎症及び/又は変性を抑制し、上述の網膜保護に繋がる。
また、ミクログリア細胞の活性化を抑制することにより、後眼部の網膜神経節細胞、及び、視細胞障害に対する治療的効果、並びに、網膜神経節細胞、及び、視細胞の保護効果が知られている。よって、上記の成分は、緑内障や加齢黄斑変性(AMD)をはじめとした後眼部異常や後眼部疾患に対して有効である。
本明細書において、後眼部とは、眼の水晶体の裏面より内側をいい、網膜、黄斑、強膜、脈絡膜、硝子体、視神経などの部分をいう。後眼部の部位のなかでも、本発明の効果を顕著に奏する観点から網膜を対象とすることが好ましい。
本明細書において、後眼部異常とは、後眼部における疾患には至らないものの、網膜、黄斑、強膜、脈絡膜、硝子体、及び視神経からなる群より選択される少なくとも1種に何らかの異常又は所見が生じている状態をいう。後眼部における異常や(臨床)所見は、限定はされないが、例えば、健康診断、医師による診察、臨床検査等により発見され得る。後眼部の検査としては、例えば、眼底検査、眼圧検査、眼底三次元画像解析(OCT)検査、視野検査、屈折検査、細隙灯顕微鏡検査等が挙げられる。これらの検査のうち、例えば、眼底検査では、後眼部の異常所見を「Scheieの分類」を用いて、高血圧性変化と動脈硬化性変化の観点から評価する。また、眼底検査では、「Scheieの分類」以外に所見として、乳頭陥凹拡大、豹紋状眼底、硬性白斑、ドルーゼン、緑内障の疑い、出血、出血疑、網脈絡膜萎縮、白内障の疑い、交叉現象、白斑、網膜変性、蛇行、黄斑変性の疑い、コーヌス、乳頭部所見等が示される場合がある。本発明は、後眼部異常のリスク低減、予防又は治療用としても用いられ得る。
本明細書において、後眼部疾患の予防とは、後眼部の疾患若しくは症状の発症の防止若しくは遅延、又は、後眼部の疾患若しくは症状の発症のリスクを低減させることをいう。
本明細書において、後眼部疾患の治療とは、後眼部の疾患若しくは症状の緩和若しくは好転、疾患若しくは症状の悪化の防止若しくは遅延、又は、後眼部の疾患若しくは症状の進行の防止、遅延、若しくは逆転をいう。
後眼部疾患のリスク低減、予防又は治療には、限定はされないが、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、糖尿病黄斑浮腫、網膜色素変性症、増殖性硝子体網膜症、網膜動脈閉塞症、網膜静脈閉塞症、ぶどう膜炎、レーベル病、未熟児網膜症、網膜剥離、網膜色素上皮剥離、中心性漿液性脈絡網膜症、中心性滲出性脈絡網膜症、ポリープ状脈絡膜血管症、多発性脈絡膜炎、新生血管黄斑症、網膜動脈瘤、網膜血管腫状増殖、これらの疾患に起因する視神経障害、緑内障に起因する視神経障害、及び、虚血性視神経障害からなる群より選択される少なくとも1種のリスク低減、予防又は治療が含まれる。
緑内障においては、TNF−αの産生が、RGC(retinal ganglion cell、網膜神経節細胞)の細胞死に繋がっていることが知られており、M1ミクログリア細胞による炎症性サイトカインの産生を抑制することが緑内障及び/又は緑内障に起因する視神経障害に対して有効である(非特許文献3)。
AMDとしては、ミクログリア細胞の活性化が発症・増悪に関与するAMDであれば、いかなる分類であっても予防又は治療等の対象となるが、Wet AMD(滲出型AMD)、及び/又は、Dry AMD(萎縮型AMD)が対象となることが好ましい。限定はされないが、Dry AMD(萎縮型AMD)では、網膜外層等において、活性化したミクログリア細胞が集積することが知られている。
脳等の中枢神経系における神経障害は、神経の炎症や変性を伴って増悪し、認知機能が著しく損なわれてしまうことに繋がる。神経の炎症及び/又は変性により、中枢神経の障害が増悪すると、記憶力の低下、判断力の低下、注意力の低下、空間認識力の低下、及び、計算作業の効率の低下等の状態に繋がることが知られている。老化により、脳内のミクログリア細胞は、IL−1β等の炎症性サイトカインをより多く産生するようになり、記憶を始めとする認知機能を損なわせ、脳の老化の一因となることが知られている(Susan L. et al. Immune dysregulation and cognitive vulnerability in the aging brain: Interactions of microglia, IL-1β, BDNF and synaptic plasticity. Neuropharmacology. 2015, Vol. 96(0 0), p.11-18など)。
よって、中枢神経系においてミクログリア細胞の活性化を抑制することができ、特にM1ミクログリア細胞が産生する、炎症性サイトカイン(TNF−α、IL−1β、CSF1、CSF2、CXCL10等)等の産生量を継続的に低減させることができれば、認知機能の維持や向上に好適である。このような効果を継続的に発揮させるには、医薬品だけでなく、従来からの食経験があり、安全に継続的に摂取できる食品素材を用いることが望ましい。
M1ミクログリア細胞が産生する炎症性サイトカイン等のなかでも、特にIL−1βは、炎症性シグナルの起点となるため、IL−1βの産生量を低減させることの意義は大きい。
本発明の経口組成物は、(A)成分と、(B)成分とを組み合わせて用いること、又は、(A)成分及び(B)成分を含有する食品素材を用いることにより、ミクログリア細胞の活性化を顕著に抑制することが可能となり、神経の炎症及び/又は変性を抑制し、上述の認知機能を向上させることに繋がる。
また、ミクログリア細胞の活性化を抑制することにより、神経変性疾患に対する治療的効果が知られている。よって、上記の成分は、緑内障やアルツハイマー病をはじめとした神経変性疾患に対して有効である。
本明細書において、神経変性疾患の予防とは、神経変性を伴う疾患若しくは症状の発症の防止若しくは遅延、又は、神経変性を伴う疾患若しくは症状の発症のリスクを低減させることをいう。
本明細書において、神経変性疾患の治療とは、神経変性を伴う疾患若しくは症状の緩和若しくは好転、疾患若しくは症状の悪化の防止若しくは遅延、又は、神経変性を伴う疾患若しくは症状の進行の防止、遅延、若しくは逆転をいう。
神経変性疾患のリスク低減、予防又は治療には、限定はされないが、緑内障、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、又は、脳血管性認知症からなる群より選択される少なくとも1種のリスク低減、予防又は治療が含まれる。
本発明の組成物は、食品、飲料、飼料、ペットフード等に添加又はこれらと混合して使用することができる。または、そのままで飲料又は食品として使用することができる。または、網膜保護、眼の老化抑制、眼のコントラスト感度改善、眼のピント調節機能改善、眼の疲労感改善、眼の黄斑部の色素量維持、後眼部疾患のリスク低減又は予防を機能性として、その旨、及び、上記と同様の趣旨の内容を表示した飲食品、すなわち、健康食品、機能性表示食品、病者用食品及び特定保健用食品などに添加又は配合して使用することができる。
健康食品、機能性表示食品、病者用食品及び特定保健用食品は、具体的には、固形製剤(錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、カプセル剤、チュアブル錠など)や液剤(シロップ剤、懸濁剤)、流動食等の各種製剤形態として使用することができる。製剤形態の食品は、公知の医薬製剤と同様に製造することができ、有効成分と、食品として許容できる担体、例えば適当な賦形剤等とを混合した後、慣用の手段を用いて製造することができる。
例えば、錠剤であれば、粉末状の活性成分と製薬上許容される担体成分(賦形剤など)とを混合して圧縮成形することにより調製でき、キャンディー(飴)などの製菓錠剤は型に注入する方法で調製してもよい。錠剤には、糖衣コーティングを施し、糖衣錠としてもよい。更に、錠剤は単層錠であってもよく、二層錠などの積層錠であってもよい。
顆粒剤などの粉粒剤は、種々の造粒法(押出造粒法、粉砕造粒法、乾式圧密造粒法、流動層造粒法、転動造粒法、高速攪拌造粒法など)により調製してもよく、錠剤は、上記造粒法、打錠法(湿式打錠法、直接打錠法)などを適当に組み合わせて調製できる。
カプセル剤は、慣用の方法により、カプセル(軟質又は硬質カプセル)内に粉粒剤(粉剤、顆粒剤など)を充填することにより調製できる。
液剤は、各成分を担体成分である水性媒体(精製水、エタノール含有精製水など)に溶解又は分散させ、必要により濾過又は滅菌処理し、所定の容器に充填し、滅菌処理することにより調製できる。本発明の固形製剤の好ましい剤形は、カプセル剤又は錠剤であり、軟質カプセル(軟カプセル剤、ソフトカプセル)であることがより好ましい。
軟カプセル剤は表面が滑らかで飲み込みやすく、使用者に好まれる。一般的な軟カプセル剤の製造方法として、平板式、ロータリー方式、シームレス方式が例示される。
ロータリー方式(打ち抜き法)の製造は、シート状カプセル皮膜が、流動する充填内容物を挟み込み、回転する円筒型の金型の穴に沿ってカプセル形状に形成する。一方で、シームレス方式(滴下法)の製造は、同心円の多重ノズルからカプセル皮膜組成物と内容物が同時に吐出され、継ぎ目の無いカプセル形状に形成される。
軟カプセル剤の皮膜の基剤は、特に限定はされないが、デンプン、プルラン、セルロース、ポリビニルアルコール、ゼラチン、コハク化ゼラチン等を用いることができ、デンプン、ゼラチン、コハク化ゼラチンが好ましく、ゼラチン、コハク化ゼラチンが更に好ましい。これらは単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
また、スープ類、ジュース類、果汁飲料、牛乳、乳飲料、乳清飲料、乳酸菌飲料、茶飲料、アルコール飲料、コーヒー飲料、炭酸飲料、清涼飲料水、水飲料、ココア飲料、ゼリー状飲料、スポーツ飲料、ダイエット飲料等の液状飲料、プリン、ヨーグルトなどの半固形食品、麺類、菓子類、スプレッド類等として、本発明の組成物を製造することができる。
本発明の組成物を食品組成物として調製する場合は、種々の食品添加物を配合してもよい。食品添加物としては、例えば、酸化防止剤、色素、香料、調味料、甘味料、酸味料、pH調整剤、品質安定剤、保存剤等が挙げられる。
本発明の組成物を医薬組成物として調製する場合は、有効成分である、(A)成分と(B)成分との組み合わせ、又は、(A)成分及び(B)成分を含有する食品素材と、好ましくは薬学的に許容される担体を含む製剤として調製する。薬学的に許容される担体とは、一般的に、前記有効成分とは反応しない、不活性の、無毒の、固体若しくは液体の、増量剤、希釈剤又はカプセル化材料等をいい、例えば、水、エタノール、ポリオール類、適切なそれらの混合物、植物性油等の溶媒又は分散媒体等が挙げられる。
医薬組成物は、経口により、非経口により、例えば、口腔内に、消化管内に、又は鼻腔内に投与される。経口投与製剤としては、固形製剤(錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、カプセル剤、チュアブル錠など)や、液剤(シロップ剤、懸濁剤、吸入剤)等が挙げられる。非経口投与製剤としては、点眼剤、点滴剤、点鼻剤及び注射剤等が挙げられる。
医薬組成物は、更に医薬分野において慣用されている添加剤を含んでいてもよい。そのような添加剤には、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、抗酸化剤、着色剤、矯味剤等があり、必要に応じて適宜使用できる。長時間作用できるように徐放化するため、既知の遅延剤等でコーティングすることもできる。医薬組成物は、更に必要に応じてその他の添加剤や薬剤、例えば制酸剤、胃粘膜保護剤を加えてもよい。
医薬組成物は、口腔用組成物、内服組成物などの形態で適用することができる。また医薬組成物を治療的に使用してもよいし、非治療的に使用してもよい。
アピゲニンの成人1日あたりの経口による摂取量又は投与量は、個体の状態、体重、性別、年齢、素材の活性、摂取又は投与経路、摂取又は投与スケジュール、製剤形態又はその他の要因により適宜決定することができる。アピゲニンの成人1日あたりの経口による摂取量又は投与量は、例えば、0.005mg/kg体重/日以上が好ましく、0.01mg/kg体重/日以上がより好ましく、0.05mg/kg体重/日以上が更に好ましい。アピゲニンの成人1日あたりの経口による摂取量又は投与量は、例えば、100mg/kg体重/日以下が好ましく、10mg/kg体重/日以下がより好ましく、1mg/kg体重/日以下が更に好ましい。アピゲニンの成人1日あたりの経口による摂取量又は投与量は、例えば、0.005〜100mg/kg体重/日が好ましく、0.01〜10mg/kg体重/日がより好ましく、0.05〜1mg/kg体重/日が更に好ましい。アピゲニンの含有量は、上記の摂取量又は投与量となる量とすることができる。なお、成人1日あたりの経口による摂取量又は投与量は、剤形に合わせて、例えばカプセル剤であれば、1〜6カプセル、1〜4カプセル、1〜3カプセル、又は1〜2カプセルに分けて服用してもよい。
ビタミン類の成人1日あたりの経口による摂取量又は投与量は、個体の状態、体重、性別、年齢、素材の活性、摂取又は投与経路、摂取又は投与スケジュール、製剤形態又はその他の要因により適宜決定することができる。ビタミン類の成人1日あたりの経口による摂取量又は投与量は、例えば、0.0001mg/kg体重/日以上が好ましく、0.001mg/kg体重/日以上がより好ましく、0.005mg/kg体重/日以上が更に好ましい。ビタミン類の成人1日あたりの経口による摂取量又は投与量は、例えば、10mg/kg体重/日以下が好ましく、1mg/kg体重/日以下がより好ましく、0.1mg/kg体重/日以下が更に好ましい。ビタミン類の成人1日あたりの経口による摂取量又は投与量は、例えば、0.0001〜10mg/kg体重/日が好ましく、0.2〜600mg/kg体重/日がより好ましく、0.001〜1mg/kg体重/日が更に好ましく、2〜100mg/kg体重/日が特に好ましく、0.005〜0.1mg/kg体重/日が最も好ましい。ビタミン類の含有量は、上記の摂取量又は投与量となる量とすることができる。なお、成人1日あたりの経口による摂取量又は投与量は、剤形に合わせて、例えばカプセル剤であれば、1〜6カプセル、1〜4カプセル、1〜3カプセル、又は1〜2カプセルに分けて服用してもよい。
ビタミンA類の成人1日あたりの経口による摂取量又は投与量は、個体の状態、体重、性別、年齢、素材の活性、摂取又は投与経路、摂取又は投与スケジュール、製剤形態又はその他の要因により適宜決定することができる。ビタミン類の成人1日あたりの経口による摂取量又は投与量は、例えば、0.001mg/kg体重/日以上が好ましく、0.005mg/kg体重/日以上がより好ましく、0.01mg/kg体重/日以上が更に好ましい。ビタミン類の成人1日あたりの経口による摂取量又は投与量は、例えば、10mg/kg体重/日以下が好ましく、1mg/kg体重/日以下がより好ましく、0.1mg/kg体重/日以下が更に好ましい。ビタミンA類の成人1日あたりの経口による摂取量又は投与量は、例えば、0.001〜10mg/kg体重/日が好ましく、0.005〜1mg/kg体重/日がより好ましく、0.01〜0.1mg/kg体重/日が更に好ましい。ビタミン類の含有量は、上記の摂取量又は投与量となる量とすることができる。なお、成人1日あたりの経口による摂取量又は投与量は、剤形に合わせて、例えばカプセル剤であれば、1〜6カプセル、1〜4カプセル、1〜3カプセル、又は1〜2カプセルに分けて服用してもよい。
ビタミンB類及び/又はその塩の成人1日あたりの経口による摂取量又は投与量は、個体の状態、体重、性別、年齢、素材の活性、摂取又は投与経路、摂取又は投与スケジュール、製剤形態又はその他の要因により適宜決定することができる。ビタミンB類及び/又はその塩の成人1日あたりの経口による摂取量又は投与量は、例えば、0.0001mg/kg体重/日以上が好ましく、0.001mg/kg体重/日以上がより好ましく、0.005mg/kg体重/日以上が更に好ましく、0.01mg/kg体重/日以上が特に好ましく、0.02mg/kg体重/日以上が最も好ましい。ビタミンB類及び/又はその塩の成人1日あたりの経口による摂取量又は投与量は、例えば、50mg/kg体重/日以下が好ましく、10mg/kg体重/日以下がより好ましく、5mg/kg体重/日以下が更に好ましく、1mg/kg体重/日以下が特に好ましく、0.5mg/kg体重/日以下が最も好ましい。ビタミンB類及び/又はその塩の成人1日あたりの経口による摂取量又は投与量は、例えば、0.0001〜50mg/kg体重/日が好ましく、0.001〜10mg/kg体重/日がより好ましく、0.005〜5mg/kg体重/日が更に好ましく、0.01〜1mg/kg体重/日が特に好ましく、0.02〜0.5mg/kg体重/日が最も好ましい。ビタミンB類及び/又はその塩の含有量は、上記の摂取量又は投与量となる量とすることができる。なお、成人1日あたりの経口による摂取量又は投与量は、剤形に合わせて、例えばカプセル剤であれば、1〜6カプセル、1〜4カプセル、1〜3カプセル、又は1〜2カプセルに分けて服用してもよい。
グァバの成人1日あたりの経口による摂取量又は投与量は、個体の状態、体重、性別、年齢、素材の活性、摂取又は投与経路、摂取又は投与スケジュール、製剤形態又はその他の要因により適宜決定することができる。グァバ及びその抽出物の成人1日あたりの経口による摂取量又は投与量は、例えば、0.001g/kg体重/日以上が好ましく、0.01g/kg体重/日以上がより好ましく、0.1g/kg体重/日以上が更に好ましい。グァバ及びその抽出物の成人1日あたりの経口による摂取量又は投与量は、例えば、1000g/kg体重/日以下が好ましく、100g/kg体重/日以下がより好ましく、10g/kg体重/日以下が更に好ましい。グァバ及びその抽出物の成人1日あたりの経口による摂取量又は投与量は、例えば、0.001〜1000g/kg体重/日が好ましく、0.01〜100g/kg体重/日がより好ましく、0.1〜10g/kg体重/日が更に好ましい。グァバ及びその抽出物の含有量は、上記の摂取量又は投与量となる量とすることができる。なお、成人1日あたりの経口による摂取量又は投与量は、剤形に合わせて、例えばカプセル剤であれば、1〜6カプセル、1〜4カプセル、1〜3カプセル、又は1〜2カプセルに分けて服用してもよい。
抽出物とした場合、グァバ抽出物の成人1日あたりの経口による摂取量又は投与量は、個体の状態、体重、性別、年齢、素材の活性、摂取又は投与経路、摂取又は投与スケジュール、製剤形態又はその他の要因により適宜決定することができる。グァバ及びその抽出物の成人1日あたりの経口による摂取量又は投与量は、例えば、0.01mg/kg体重/日以上が好ましく、0.1mg/kg体重/日以上がより好ましく、0.5mg/kg体重/日以上が更に好ましい。グァバ及びその抽出物の成人1日あたりの経口による摂取量又は投与量は、例えば、500mg/kg体重/日以下が好ましく、100mg/kg体重/日以下がより好ましく、50mg/kg体重/日以下が更に好ましい。グァバ及びその抽出物の成人1日あたりの経口による摂取量又は投与量は、例えば、0.01〜500mg/kg体重/日が好ましく、0.5〜100mg/kg体重/日がより好ましく、0.1〜50mg/kg体重/日が更に好ましい。グァバ及びその抽出物の含有量は、上記の摂取量又は投与量となる量とすることができる。なお、成人1日あたりの経口による摂取量又は投与量は、剤形に合わせて、例えばカプセル剤であれば、1〜6カプセル、1〜4カプセル、1〜3カプセル、又は1〜2カプセルに分けて服用してもよい。
ニンニク及びその抽出物の成人1日あたりの経口による摂取量又は投与量は、個体の状態、体重、性別、年齢、素材の活性、摂取又は投与経路、摂取又は投与スケジュール、製剤形態又はその他の要因により適宜決定することができる。ニンニク及びその抽出物の成人1日あたりの経口による摂取量又は投与量は、例えば、0.01mg/kg体重/日以上が好ましく、0.1mg/kg体重/日以上がより好ましく、0.5mg/kg体重/日以上が更に好ましい。ニンニク及びその抽出物の成人1日あたりの経口による摂取量又は投与量は、例えば、500mg/kg体重/日以下が好ましく、100mg/kg体重/日以下がより好ましく、50mg/kg体重/日以下が更に好ましい。ニンニク及びその抽出物の成人1日あたりの経口による摂取量又は投与量は、例えば、0.01〜500mg/kg体重/日が好ましく、0.1〜100mg/kg体重/日がより好ましく、0.5〜50mg/kg体重/日が更に好ましい。ニンニク及びその抽出物の含有量は、上記の摂取量又は投与量となる量とすることができる。なお、成人1日あたりの経口による摂取量又は投与量は、剤形に合わせて、例えばカプセル剤であれば、1〜6カプセル、1〜4カプセル、1〜3カプセル、又は1〜2カプセルに分けて服用してもよい。
本発明の組成物は、1日1回〜数回に分け、通常、1日1〜6回、1日1〜3回、1日1〜2回又は任意の期間及び間隔で摂取若しくは投与され得る。
次に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、実施例において示すエキスの量は、特に明示がない限り、乾燥固形分換算量を示す。
[試験例1:ミクログリア細胞活性化抑制試験1]
マウスミクログリア細胞株(BV2、Banca Biologica e Cell Factory、以下同じ)を、5%v/vFBS及び抗生物質を適量配合したDMEM/F12培地を用いて、12well plateに、1.0×10個/1mL/wellで播種した。翌日、血清無添加のDMEM/F12培地に交換し、100ng/mLのLPSを添加し2時間培養後、アピゲニン(Apiと表記)、ビタミンA類を図中の濃度となるように添加した。
図1において、コントロールは、DMEM/F12培地のみのサンプルを示す。ビタミンA類として、レチノイン酸(Retとも表記する)を用いた。Api+Retのサンプル群においては、アピゲニン5μMに加え、レチノイン酸を、それぞれ2μM、1μM、又は、0.5μMずつ加えたことを示す。図中の単位は、明記しない限り「μM」であり、「%」表記の場合は、「w・v%」を意味する。以下同様である。
24時間培養後、RNA isolation using RNeasy Mini Kit (株式会社キアゲン)を用いて、RNAを抽出した。抽出したRNAサンプルからRevertraAce qPCR RT Master Mix with gDNA remover(東洋紡株式会社)を用いてcDNAを合成した。Taqman probes (Applied Biosystems)及びTaqMan Fast Advanced Master Mix (Applied Biosystem)を用いてリアルタイムPCRにて定量を行った。遺伝子発現は18s rRNAに標準化し、2−ΔΔCT法を用いて計算した。IL−1βの評価結果を図1に示す。
図1に示される通り、ミクログリア細胞をLPSにより刺激すると、活性化ミクログリア細胞のサブポピュレーションのうち、M1ミクログリア細胞に特徴的な炎症性サイトカインであるIL−1βの産生が誘導された。アピゲニンや、ビタミンA類が単独で投与する場合であっても、炎症性サイトカイン等の産生が一定程度抑制される場合があるが、十分な効果には至っていない。一方で、アピゲニンとビタミンA類とを共に投与した場合では、驚くべきことに、IL−1βの産生が顕著に抑制された。神経炎症及び神経変性疾患の主なエフェクターとして関与するIL−1βの産生が、アピゲニンとビタミンA類との共存により、極めて抑制されたことは予想外な結果となった。
[試験例2:ミクログリア細胞活性化抑制試験2]
マウスミクログリア細胞株(BV2)を、5%v/vFBS及び抗生物質を適量配合したDMEM/F12培地を用いて、12well plateに、1.0×10個/1mL/wellで播種した。翌日、血清無添加のDMEM/F12培地に交換し、100ng/mLのLPSを添加し2時間培養後、アピゲニン、ビタミンB類を図中の濃度となるように添加した。24時間培養後、RNA isolation using RNeasy Mini Kit (株式会社キアゲン)を用いて、RNAを抽出した。抽出したRNAサンプルからRevertraAce qPCR RT Master Mix with gDNA remover(東洋紡株式会社)を用いてcDNAを合成した。Taqman probes (Applied Biosystems)及びTaqMan Fast Advanced Master Mix (Applied Biosystem)を用いてリアルタイムPCRにて定量を行った。遺伝子発現は18s rRNAに標準化し、2-ΔΔCT法を用いて計算した。IL−1βの評価結果を図2に示す。
図2に示される通り、ビタミンB類を単独で投与した場合には、活性化したミクログリア細胞から産生されるIL−1βをほとんど抑制できなかったが、アピゲニンとビタミンB類とを共に投与することにより、IL−1βの産生が顕著に抑制された。
[試験例3:ミクログリア細胞活性化抑制試験3]
マウスミクログリア細胞株(BV2)を、5%v/vFBS及び抗生物質を適量配合したDMEM/F12培地を用いて、12well plateに、1.0×10個/1mL/wellで播種した。翌日、血清無添加のDMEM/F12培地に交換し、100ng/mLのLPSを添加し2時間培養後、グァバ葉のエキス(丸善製薬株式会社)を図中の濃度となるように添加した。24時間培養後、RNA isolation using RNeasy Mini Kit (株式会社キアゲン)を用いて、RNAを抽出した。抽出したRNAサンプルからRevertraAce qPCR RT Master Mix with gDNA remover(東洋紡株式会社)を用いてcDNAを合成した。Taqman probes (Applied Biosystems)及びTaqMan Fast Advanced Master Mix (Applied Biosystem)を用いてリアルタイムPCRにて定量を行った。遺伝子発現は18s rRNAに標準化し、2-ΔΔCT法を用いて計算した。結果を図3〜5に示す。図3は、IL−1βの評価結果を示し、図4は、TNF−αの評価結果を示し、図5は、CCL2の評価結果を示している。
図3〜5に示される通り、アピゲニン、ビタミンA類、及び、ビタミンB類を含有する食品素材由来のグァバエキスを用いた場合も、M1ミクログリア細胞に特徴的な炎症性サイトカインやケモカインの産生が顕著に抑制された。なお、グァバエキスには、乾燥重量において、約579mg/kgのアピゲニンを含有していることが知られている(Koo Hui Miean et al. Flavonoid (Myricetin, Quercetin, Kaempferol, Luteolin, and Apigenin) Content of Edible Tropical Plants. J Agric Food Chem. 2001, Vol 49(6), 3106-12)。試験例4で用いたグァバエキスでは、0.002w・v%中、アピゲニンが約0.043μM、0.001w・v%中、アピゲニンが約0.021μM、0.0005w・v%中、アピゲニンが約0.011μM含有されているものと換算される(各図中にグァバエキス中のアピゲニン換算量を併記)。試験例1及び2で用いたアピゲニンが5μMであったことと比較すると、グァバエキスに含有されているアピゲニンは少量ではあるが、ビタミンA類、及び、ビタミンB類が共存しているため、M1ミクログリア細胞に特徴的な炎症性サイトカインの産生を極めて顕著に抑制することが認められた。また、参考例として、試験例1と同様の方法により、1μM、5μM、又は10μMで濃度を振り、アピゲニン単独でのIL−1β、TNF−α、CCL2それぞれの産生抑制効果を評価した(図6〜8)。これらの参考例と対比した場合であっても、ビタミンA類、及び、ビタミンB類が共存する食品素材由来のグァバエキスにおいて、M1ミクログリア細胞の抑制を示す炎症性サイトカインの産生抑制効果が顕著であることが認められた。
[試験例4:ミクログリア細胞活性化抑制試験4]
マウスミクログリア細胞株(BV2)を、5%v/vFBS及び抗生物質を適量配合したDMEM/F12培地を用いて、12well plateに、1.0×10個/1mL/wellで播種した。翌日、血清無添加のDMEM/F12培地に交換し、100ng/mLのLPSを添加し2時間培養後、乾燥ニンニク末(日本粉末薬品株式会社)、黒ニンニク末(丸善製薬株式会社)を図中の濃度となるように添加した。24時間培養後、RNA isolation using RNeasy Mini Kit (株式会社キアゲン)を用いて、RNAを抽出した。抽出したRNAサンプルからRevertraAce qPCR RT Master Mix with gDNA remover(東洋紡株式会社)を用いてcDNAを合成した。Taqman probes (Applied Biosystems)及びTaqMan Fast Advanced Master Mix (Applied Biosystem)を用いてリアルタイムPCRにて定量を行った。遺伝子発現は18s rRNAに標準化し、2-ΔΔCT法を用いて計算した。乾燥ニンニク末を用いた結果を図9〜11に示し、黒ニンニク末を用いた結果を図12〜14に示す。図9及び図12は、IL−1βの評価結果を示し、図10及び図13は、TNF−αの評価結果を示し、図11及び図14は、CCL2の評価結果を示している。
図9〜14に示される通り、アピゲニン、及び、ビタミンB類を含有する食品素材由来のニンニク末を用いた場合も、M1ミクログリア細胞に特徴的な炎症性サイトカインやケモカインの産生が顕著に抑制された。

Claims (14)

  1. (A)アピゲニンと、
    (B)ビタミン類より選択される少なくとも1種とを含有する、経口組成物。
  2. 前記(A)成分と(B)成分との配合割合が、(A)成分の1質量部に対して、(B)成分が0.01〜100質量部である、請求項1に記載の経口組成物。
  3. 前記(B)成分が、ビタミンA類、及び、ビタミンB類からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の経口組成物。
  4. (A)アピゲニンと、
    (B)ビタミン類より選択される少なくとも1種とを含有する、ミクログリア細胞活性化抑制用組成物。
  5. グァバ、ニンニク、セロリ、パセリ、及び、それらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、ミクログリア細胞活性化抑制用組成物。
  6. (A)アピゲニンと、
    (B)ビタミン類より選択される少なくとも1種とを含有する、網膜保護及び/又は認知機能向上用組成物。
  7. グァバ、ニンニク、セロリ、パセリ、及び、それらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、網膜保護及び/又は認知機能向上用組成物。
  8. 前記網膜保護及び/又は認知機能向上が、神経の炎症及び/又は変性を抑制することによりもたらされる、請求項6又は7に記載の組成物。
  9. 前記網膜保護が、光刺激からの眼の保護改善、眼の老化抑制、眼のコントラスト感度改善、眼のピント調節機能改善、眼の疲労感改善、及び、眼の黄斑部の色素量維持からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項6〜8のいずれか1項に記載の組成物。
  10. 前記網膜保護が、後眼部疾患のリスク低減、予防又は治療である、請求項6〜8のいずれか1項に記載の組成物。
  11. 前記後眼部疾患が、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、糖尿病黄斑浮腫、網膜色素変性症、増殖性硝子体網膜症、網膜動脈閉塞症、網膜静脈閉塞症、ぶどう膜炎、レーベル病、未熟児網膜症、網膜剥離、網膜色素上皮剥離、中心性漿液性脈絡網膜症、中心性滲出性脈絡網膜症、ポリープ状脈絡膜血管症、多発性脈絡膜炎、新生血管黄斑症、網膜動脈瘤、網膜血管腫状増殖、これらの疾患に起因する視神経障害、緑内障に起因する視神経障害、及び、虚血性視神経障害からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項10に記載の組成物。
  12. 前記認知機能向上が、記憶力の維持、判断力の維持、注意力の維持、空間認識力の維持、及び、計算作業の効率維持からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項6〜8のいずれか1項に記載の組成物。
  13. 前記認知機能向上が、神経変性疾患のリスク低減、予防又は治療である、請求項6〜8のいずれか1項に記載の組成物。
  14. 前記神経変性疾患が、緑内障、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、又は、脳血管性認知症からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項13に記載の組成物。
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