JP2020182918A - 酸化チタン組成物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、反応工程時における酸化チタンの濃度を高め、酸化チタン組成物の生産性に優れる製造方法を提供することである。【解決手段】本発明は、ルチル型酸化チタン(a1)を含む酸化チタン(a)、2価銅化合物原料(b)、水(c)、及び、アルカリ性物質(d)の混合工程(i)を有する、酸化チタン(a)に2価銅化合物が担持した酸化チタンを含有する酸化チタン組成物の製造方法であって、前記酸化チタン(a)が、液相法により製造されたものであることを特徴とする酸化チタン組成物の製造方法を提供するものである。前記製造方法により得られる抗ウイルス剤は、抗ウイルス性、抗菌性、人体への安全性、耐熱性、耐候性、及び、耐水性に優れるものである。【選択図】なし

Description

本発明は、酸化チタン組成物の製造方法に関する。
抗ウイルス剤は、ノロウイルスやインフルエンザウイルス等のウイルスの増殖を抑制し得るものであり、近年においては、レジスター、建具、カーテン、寝具、食品包装容器、車輛シート、浴槽、パソコン、スマートフォンなど、人の手が触れやすいものに加工され、利用されるケースが増大している。
前記抗ウイルス剤としては、例えば、第4級アンモニウム塩、銀系化合物、1価銅化合物等を用いた種々の提案がされているが、材料自体に強い皮膚感作性を有していたり、高ウイルス性が不十分であったり、酸化変色による意匠性の低下が生じる問題が指摘されていた。
これに対し、酸化チタンを用いた光触媒は、抗ウイルス性を含む高い光触媒活性を有し、人体に無害であるとの理由から、抗ウイルス剤としての検討が進められている。前記抗ウイルス剤としては、例えば、酸化チタンの表面に2価銅化合物を担持した抗ウイルス剤が開示されている(例えば、特許文献1を参照。)。
前記抗ウイルス剤は、優れた抗ウイルス性と意匠性とを発現するものである。しかしながら、係る抗ウイルス剤の製造方法では、酸化チタンや2価銅化合物原料等の反応工程における混合液の粘度が高くなりやすく、取扱いが困難であり、酸化チタンの量を低減しなければならず、生産性が劣るとの問題があった。
国際公開第13/094573号
本発明が解決しようとする課題は、混合工程時における酸化チタンの濃度を高め、生産性に優れる酸化チタン組成物の製造方法を提供することである。
本発明は、ルチル型酸化チタン(a1)を含む酸化チタン(a)、2価銅化合物原料(b)、水(c)、及び、アルカリ性物質(d)の混合工程(i)を有する、酸化チタン(a)に2価銅化合物が担持した酸化チタンを含有する酸化チタン組成物の製造方法であって、前記酸化チタン(a)が、液相法により製造されたものであることを特徴とする酸化チタン組成物の製造方法を提供するものである。
本発明の製造方法によれば、混合工程時における酸化チタンの濃度を高めることができるため、一度でより多くの抗ウイルス剤を生産することができる。また、相対的に混合工程時の水の量も低減できるため、その後の脱水処理での廃水の問題も低減化することができる。
また、前記製造方法により得られる抗ウイルス剤は、抗ウイルス性、抗菌性、人体への安全性、耐熱性、耐候性、及び、耐水性に優れるものである。
本発明の酸化チタン組成物の製造方法は、ルチル型酸化チタン(a1)を含む酸化チタン(a)、2価銅化合物原料(b)、水(c)、及び、アルカリ性物質(d)の混合工程(i)を有するものであり、前記酸化チタン(a)が液相法により製造されたものであることが必須である。
前記酸化チタン(a)としては、ルチル型酸化チタン(a1)を含むものである。前記ルチル型酸化チタン(a1)の含有率(ルチル化率)としては、より一層優れた明所及び暗所における抗ウイルス性、明所における有機化合物分解性、及び、可視光応答性が得られる点から、15モル%以上であることが好ましく、50モル%以上あることがより好ましく、90モル%以上が更に好ましい。
前記酸化チタン(a)としては、前記ルチル型酸化チタン(a1)以外には、アナターゼ型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタン等が含まれていてもよい。
本発明においては、前記酸化チタン(a)として、液相法により製造されたものを用いることが必須である。
前記酸化チタン(a)の製造方法としては、一般的に、液相法と気相法とが知られている。前記液相法とは、イルメナイト鉱などの原料鉱石を溶解した液から得られる硫酸チタニルを、加水分解又は中和して酸化チタンを得る方法である。また、気相法とは、ルチル鉱などの原料鉱石を塩素化して得られる四塩化チタンと、酸素との気相反応により酸化チタンを得る方法である。なお、両方法により製造された酸化チタンを区別する方法としては、その不純物を分析することが挙げられる。前記液相法により製造された酸化チタンは、その生成物にイルメナイト鉱石中の不純物に由来するジルコニウム、ニオブなどが含まれている。これに対し、気相法では四塩化チタンを精製して、不純物を取り除く工程を有するため、酸化チタン中には、これらの不純物はほとんど含まれない。
前記気相法により製造された酸化チタンは、均一な粒子径を生成可能な利点があるものの、2次凝集体は生成しにくいため、見かけの比表面積が高くなることにより反応工程時における混合液の粘度が高くなると考えられる。これに対し、液相法により製造された酸化チタン(a)は、焼成工程において緩やかな2次凝集体を生成することが考えられ、1次粒子に起因する比表面積(BET値)に対して、凝集力は少なく混合液の粘度を抑制することが可能であり、抗ウイルス剤の生産性向上に貢献していると推察される。
前記酸化チタン(a)のBET比表面積としては、より一層優れた抗ウイルス性が得られる点から、1〜200m/gの範囲が好ましく、3〜100m/gの範囲がより好ましく、4〜70m/gの範囲がより好ましく、8〜50m/gの範囲が更に好ましく、抗ウイルス剤の生産性をより一層高めることができる点から、7.5〜9.5m/gの範囲であることが好ましい。なお、前記ルチル型酸化チタン(a1)のBET比表面積の測定方法は、後述する実施例にて記載する。
前記酸化チタン(a)の1次粒子径としては、より一層優れた抗ウイルス性が得られる点から、0.01〜0.5μmの範囲が好ましく、0.06〜0.35μmの範囲がより好ましい。なお、前記酸化チタン(a)の1次粒子径の測定方法は、透過型電子顕微鏡(TEM)を使用して、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で測定した値を示す。具体的には、個々の酸化チタンの1次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその1次粒子の粒子径とし、次に100個以上の酸化チタン粒子について、それぞれの粒子の体積(重量)を、求めた粒子径の立方体と近似して求め、体積平均粒径を平均1次粒子径とした。
前記混合工程(i)における前記酸化チタン(a)の濃度としては、3〜40質量%の範囲が好ましい。なお、本発明においては、液相法により製造された酸化チタン(a)を用いることにより、酸化チタン(a)の濃度を高めても取扱いの良好な混合工程を行うことができ、具体的には、前記酸化チタン(a)の濃度が、25質量%を超えて40質量%以下の範囲でも良好に混合工程を行うことができる。
前記2価銅化合物原料(b)としては、例えば、2価銅無機化合物、2価銅有機化合物等を用いることができる。
前記2価銅無機化合物としては、例えば、硫酸銅、硝酸銅、沃素酸銅、過塩素酸銅、シュウ酸銅、四ホウ酸銅、硫酸アンモニウム銅、アミド硫酸銅、塩化アンモニウム銅、ピロリン酸銅、炭酸銅等の2価銅の無機酸塩;塩化銅、フッ化銅、臭化銅等の2価銅のハロゲン化物;酸化銅、硫化銅、アズライト、マラカイト、アジ化銅などを用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記2価銅有機化合物としては、例えば、蟻酸銅、酢酸銅、プロピオン酸銅、酪酸銅、吉草酸銅、カプロン酸銅、エナント酸銅、カプリル酸銅、ペラルゴン酸銅、カプリン酸銅、ミスチン酸銅、パルミチン酸銅、マルガリン酸銅、ステアリン酸銅、オレイン酸銅、乳酸銅、リンゴ酸銅、クエン酸銅、安息香酸銅、フタル酸銅、イソフタル酸銅、テレフタル酸銅、サリチル酸銅、メリト酸銅、シュウ酸銅、マロン酸銅、コハク酸銅、グルタル酸銅、アジピン酸銅、フマル酸銅、グリコール酸銅、グリセリン酸銅、グルコン酸銅、酒石酸銅、アセチルアセトン銅、エチルアセト酢酸銅、イソ吉草酸銅、β−レゾルシル酸銅、ジアセト酢酸銅、ホルミルコハク酸銅、サリチルアミン酸銅、ビス(2-エチルヘキサン酸)銅、セバシン酸銅、ナフテン酸銅、オキシン銅、アセチルアセトン銅、エチルアセト酢酸銅、トリフルオロメタンスルホン酸銅、フタロシアニン銅、銅エトキシド、銅イソプロポキシド、銅メトキシド、ジメチルジチオカルバミン酸銅等を用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記2価銅化合物原料(b)としては、前記したものの中でも、下記一般式(1)で示されるものを用いることが好ましい。
CuX (1)
(式(1)において、Xは、ハロゲン原子、CHCOO、NO、又は、(SO1/2を示す。)
前記式(1)におけるXとしては、ハロゲン原子であることがより好ましく、塩素原子が更に好ましい。
前記混合工程(i)における前記2価銅化合物原料(b)の使用量としては、前記酸化チタン(a)100質量部に対して、0.01〜20質量部の範囲であることが好ましく、0.1〜15質量部の範囲がより好ましく、0.3〜10質量部の範囲が更に好ましい。
前記水(c)は、混合工程(i)における溶媒であり、水単独が好ましいが、必要に応じてその他の溶媒を含んでいてもよい。前記その他の溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等のアルコール溶媒;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶媒;ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン等を用いることができる。これらの溶媒は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記アルカリ性物質(d)としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルアミン、トリメチルアミン、アンモニア、塩基性界面活性剤等を用いることができ、水酸化ナトリウムを用いることが好ましい。
前記アルカリ性物質(d)は、反応を制御しやすい点から、溶液として添加するのが好ましく、添加するアルカリ溶液の濃度としては、0.1〜5mol/Lの範囲であることが好ましく、0.3〜4mol/Lの範囲がより好ましく、0.5〜3mol/Lの範囲が更に好ましい。
前記混合工程(i)は、前記酸化チタン(a)、2価銅化合物原料(b)、水(c)、及び、アルカリ性物質(d)を混合すればよく、例えば、まず水(c)に酸化チタン(a)を混合するとともに必要に応じて撹拌し、次いで、2価銅化合物原料(b)を混合し、撹拌し、その後、アルカリ性物質(d)を添加して撹拌する方法が挙げられる。この混合工程(i)により、前記2価銅化合物原料(b)由来の2価銅化合物が前記酸化チタン(a)に担持することとなる。
前記混合工程(i)における全体の撹拌時間としては、例えば、5〜120分間が挙げられ、好ましくは10〜60分間である。混合工程(i)時における温度としては、例えば、室温〜70℃の範囲が挙げられる。
酸化チタン(a)への2価銅化合物の担持が良好である点から、前記酸化チタン(a)、2価銅化合物原料(b)、及び、水(c)を混合・撹拌し、その後アルカリ性物質(d)を混合・撹拌した後の混合物のpHとしては、好ましくは8〜11の範囲であり、より好ましくは9.0〜10.5の範囲である。
前記混合工程(i)が終了した後には、混合液を固形分として分離することができる。前記分離を行う方法としては、例えば、濾過、沈降分離、遠心分離、蒸発乾燥等が挙げられるが、濾過が好ましい。分離した固形分は、その後必要に応じて、水洗、解砕、分級等を行ってもよい。
前記固形分を得た後には、前記酸化チタン(a)上に担持された前記2価銅化合物原料(b)由来の2価銅化合物を、より強固に結合することができる点から、固形分を熱処理することが好ましい。熱処理温度としては、好ましくは150〜600℃の範囲であり、より好ましくは250〜450℃の範囲である。また、熱処理時間は、好ましくは1〜10時間であり、より好ましくは、2〜5時間である。
以上の方法によって、酸化チタン(a)に2価銅化合物が担持した酸化チタンを含有する酸化チタン組成物が得られる。前記酸化チタン(a)に担持された2価銅化合物の担持量としては、酸化チタン(a)100質量部に対して、0.01〜20質量部の範囲であることが、抗ウイルス性を含む光触媒活性の点から好ましい。前記2価銅化合物の担持量は、前記混合工程(i)における前記2価銅化合物原料(b)の使用量によって調整することができる。なお、前記2価銅化合物の担持量の測定方法は、後述する実施例にて記載する。
以上、本発明の製造方法によれば、反応工程時における酸化チタンの濃度を高めることができるため、一度でより多くの抗ウイルス剤を生産することができる。また、反応工程時の水の量も低減できるため、その後の脱水処理での廃水の問題も低減化することができる。
また、前記製造方法により得られる抗ウイルス剤は、抗ウイルス性、抗菌性、人体への安全性、耐熱性、耐候性、及び、耐水性に優れるものである。
以下、実施例を用いて、本発明をより詳細に説明する。
[実施例1]
(1)酸化チタン
a)結晶性ルチル型酸化チタン
b)製法:液相法(硫酸法)
c)物性値
・BET比表面積:9.0m/g
・ルチル化率:95.4%
・1次粒子径:0.18μm
(2)製造工程
a)混合工程(反応工程)
前記酸化チタン600質量部、塩化銅(ii)二水和物8質量部、水900質量部をステンレス容器中に混合した。次いで、混合物を撹拌機(特殊機化工業株式会社製「ロボミクス」)で撹拌し、1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を混合液のpHが10になるまで滴下した。
b)脱水工程
定性濾紙(5C)により減圧濾過をおこない、混合液から固形分を分離し、更にイオン交換水で洗浄を実施した。次いで、洗浄後の固形物を120℃で12時間乾燥し、水分を除去した。乾燥後、ミル(イワタニ産業株式会社製「ミルサー」)で粉状の酸化チタン組成物を得た。
c)熱処理工程
精密恒温器(ヤマト科学株式会社製「DH650」)を用いて酸素存在下で450℃、3時間熱処理し、2価銅化合物が担持された酸化チタンを含有する酸化チタン組成物を得た。
(3)混合工程における混合物の酸化チタン濃度の変更
前記(2)製造工程a)混合工程(反応工程)において、酸化チタンの濃度を変更し、各配合率で撹拌可能な状態を判定した。具体的には、容器内で混合液が均一に撹拌される状態であれば「T」、混合液がゲル状となり、撹拌軸周辺のみの不十分な撹拌状態であれば「F」した。
[実施例2]
実施例1において、塩化銅(ii)二水和物の使用量を、8質量部から3.3質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、酸化チタン組成物を得た。また、実施例1と同様にして、酸化チタン濃度の変更試験を行った。
[比較例1]
(1)酸化チタン
a)結晶性ルチル型酸化チタン
b)製法:気相法
c)物性値
・BET比表面積:13m/g
・ルチル化率:95.6%
・1次粒子径:0.15μm
実施例1において、酸化チタンの種類を前記酸化チタンに変更し、水の使用量を900質量部から4,000質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、酸化チタン組成物を得た。また、実施例1と同様にして、酸化チタン濃度の変更試験を行った。
[比較例2]
比較例1において、塩化銅(ii)二水和物の使用量を8質量部から3.3質量部に変更した以外は、比較例1と同様にして、酸化チタン組成物を得た。また、実施例1と同様にして、酸化チタン濃度の変更試験を行った。
[比較例3]
(1)酸化チタン
a)結晶性ルチル型酸化チタン
b)製法:気相法
c)物性値
・BET比表面積:6.8m/g
・ルチル化率:99.6%
・1次粒子径:0.25μm
比較例1において、酸化チタンの種類を前記酸化チタンに変更した以外は、比較例1と同様にして、酸化チタン組成物を得た。また、実施例1と同様にして、酸化チタン濃度の変更試験を行った。
[比較例4]
(1)酸化チタン
a)結晶性ルチル型酸化チタン
b)製法:気相法
c)物性値
・BET比表面積:13.5m/g
・ルチル化率:76.5%
・1次粒子径:0.13μm
比較例1において、酸化チタンの種類を前記酸化チタンに変更した以外は、比較例1と同様にして、酸化チタン組成物を得た。また、実施例1と同様にして、酸化チタン濃度の変更試験を行った。
[比較例5]
(1)酸化チタン
a)結晶性ルチル型酸化チタン
b)製法:気相法
c)物性値
・BET比表面積:20m/g
・ルチル化率:53%
・1次粒子径:0.07μm
比較例1において、酸化チタンの種類を前記酸化チタンに変更した以外は、比較例1と同様にして、酸化チタン組成物を得た。また、実施例1と同様にして、酸化チタン濃度の変更試験を行った。
[酸化チタン(a)のBET比表面積の測定方法]
株式会社マウンテック製全自動BET比表面積測定装置「MacSORBHM model−1208」を使用して、比表面積測定(BET1点法)による測定を行った。
[酸化チタン(a)のルチル化率の測定方法]
島津製作所株式会社製X線回折装置「XRD−6100」を使用して、ルチル型結晶に対応するピーク高さ割合を酸化チタン全体の結晶(ルチル型、ブルッカイト型、アナターゼ型)に対応するピーク高さから算出した。
[酸化チタン(a)への2価銅化合物の担持量の測定方法]
実施例及び比較例で得られた酸化チタン組成物を、フッ酸溶液で全溶解し、抽出液をICP発光分光分析装置により分析して、酸化チタン(a)に対する2価銅化合物の担持量(2価銅化合物の担持量(質量部)/酸化チタン(a)(質量部))を定量した。なお、前記担持量の測定まで行わなかったものは「−」とした。
[抗ウイルス性]
JIS R 1756:2013に準拠して、抗ウイルス性試験を行った。抗ウイルス性はソーダライムガラス板上に実施例及び比較例で得られた酸化チタン組成物を1g/mを均一に塗布し、N−113フィルターで400nm以下の波長をカットした光源を用いて、4時間照射後の試料について以下の式により求めた値、不活化度で評価した。
不活化度=log(N/N
N:反応後のサンプルの感染価 、N:接種ファージの感染価。
不活化度−1が90%、不活化度−2が99%、不活化度−3 が99.9%不活化していることを示す。
なお、抗ウイルス性試験まで行わなかったものは「−」とした。
Figure 2020182918
実施例1〜2に示す通り、本発明の製造方法によれば、混合工程(i)中における混合物中の酸化チタン(a)の濃度を高めても、安定的に抗ウイルス性に優れる抗ウイルス剤が生産できることが分かった。
一方、比較例1〜5はいずれも、酸化チタン(a)に代えて、気相法により製造されたルチル型酸化チタンを用いた態様であるが、混合工程(i)における酸化チタン濃度が20質量%を超えると、混合液の濃度が極めて高くなり、取扱いが困難であり、生産性に劣ることが分かった。
特に、比較例1〜5では、酸化チタンのBET比表面積の幅を振った実験を行ったものの、その値が小さい比較例3においても生産性の改善効果は見られなかった。

Claims (3)

  1. ルチル型酸化チタン(a1)を含む酸化チタン(a)、2価銅化合物原料(b)、水(c)、及び、アルカリ性物質(d)の混合工程(i)を有する、酸化チタン(a)に2価銅化合物が担持した酸化チタンを含有する酸化チタン組成物の製造方法であって、
    前記酸化チタン(a)が、液相法により製造されたものであることを特徴とする酸化チタン組成物の製造方法。
  2. 前記混合工程(i)における混合物中の酸化チタン(a)の濃度が、3〜40質量%の範囲である請求項1記載の酸化チタン組成物の製造方法。
  3. 前記酸化チタン(a)のBET比表面積が、1〜200m/gの範囲である請求項1又は2記載の酸化チタン組成物の製造方法。
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