JP2020181672A - 導電性接着用シート、導電性接着用シートの製造方法及び半導体装置 - Google Patents

導電性接着用シート、導電性接着用シートの製造方法及び半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】導電性及び熱伝導性が高く、信頼性に優れた半導体装置を得ることができる導電性接着用シート及び該導電性接着用シートの製造方法、並びに該導電性接着用シートにより半導体素子を接合してなる半導体装置を提供する。【解決手段】エポキシ樹脂と、フェノール硬化剤と、導電性粒子と、負熱膨張粒子とを含有する樹脂組成物をシート状に成形してなる導電性接着用シートであって、前記導電性粒子は、最大長径/最大長径に直交する幅で定義されるアスペクト比が2.0〜50であり、前記負熱膨張粒子の含有量は、前記樹脂組成物全量に対して5〜15質量%の範囲である。【選択図】なし

Description

本発明は、導電性接着用シート、導電性接着用シートの製造方法及び半導体装置に関する。
近年、環境問題に対する意識の高まりから、電力用半導体装置が一般産業用途、電鉄用途のみならず車載用途にも広く使用されるようになってきている。特に車載用部品は限られた許容サイズの中で各部品を小さく、軽くすることが車両の性能に直結することから、電力用半導体装置に対してもサイズの縮小化が非常に重要な課題になっている。このような半導体装置は、例えばDBC(Direct Bonded Copper:登録商標)基板のダイパッドに耐熱性の高い高鉛はんだを介して電力用半導体素子を実装していた。しかしながら、鉛を含む有害物質の使用が規制されるようになり、鉛フリー化が求められている。
高鉛はんだ以外の高耐熱の鉛フリー接合材として、ナノオーダーの銀フィラーを融点以下の温度で接合する焼結型の銀ペーストを用いた接合方法が検討されている(例えば、特許文献1参照)。焼結型の銀ペーストは高熱伝導であり、大電流を扱う電力用半導体素子の接合に有効である。しかし、半導体装置の小型化、薄型化の観点から、接合材も薄層になるシート材料が望まれている。
はんだの熱伝導率は一般的に30W/m・Kであるため、その代替えとなるような高い熱伝導性を有するシート材料が求められ、そのようなシート材料も提供されている(例えば、特許文献2参照)。
特許第6360157号 特表2016−536467号公報
しかしながら、高い熱伝導性を有するシート材料は市場には少ない。これは、シート材料が熱伝導性をはんだ材料並みに発現させようとすると、その反動で冷熱サイクル試験などの信頼性特性が悪化してしまうことがあるためであり、上記特許文献2に記載のシート材料も改善の余地がある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、導電性及び熱伝導性が高く、信頼性に優れた半導体装置を得ることができる導電性接着用シート及び該導電性接着用シートの製造方法、並びに該導電性接着用シートにより半導体素子を接合してなる半導体装置を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、下記の発明により上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本願開示は、以下に関する。
[1](A)エポキシ樹脂と、(B)フェノール硬化剤と、(C)導電性粒子と、(D)負熱膨張粒子とを含有する樹脂組成物をシート状に成形してなる導電性接着用シートであって、前記(C)導電性粒子は、最大長径/最大長径に直交する幅で定義されるアスペクト比が2.0〜50であり、前記(D)負熱膨張粒子の含有量は、前記樹脂組成物全量に対して5〜20質量%の範囲であることを特徴とする導電性接着用シート。
[2]前記導電性接着用シート中において、前記(C)導電性粒子の下記式(1)で表わされる配向指数Sが0.6〜1.0の範囲である上記[1]に記載の導電性接着用シート。
S=1/2(3cos2θ−1) ・・・(1)
(ここで、式中、θは、導電性接着用シートの主面に対して、前記(C)導電性粒子の最大長径のなす角である。)
[3]前記(C)導電性粒子は、その厚さが5〜20μmの扁平状金属粒子である上記[1]又は[2]に記載の導電性接着用シート。
[4]前記(D)負熱膨張粒子は、熱膨張係数が0ppm/℃未満である上記[1]〜[3]のいずれかに記載の導電性接着用シート。
[5]前記樹脂組成物全量に対して、前記(A)エポキシ樹脂の含有量と前記(B)フェノール硬化剤の含有量との合計含有量が5〜20質量%であり、前記(C)導電性粒子の含有量と前記(D)負熱膨張粒子の含有量との合計含有量が80〜95質量%である上記[1]〜[4]のいずれかに記載の導電性接着用シート。
[6]前記導電性接着用シートの硬化前と硬化後の硬化収縮率が、4%以下である上記[1]〜[5]のいずれかに記載の導電性接着用シート。
[7]前記樹脂組成物の硬化物の熱膨張係数が、30〜80℃において50ppm/℃以下である上記[1]〜[6]のいずれかに記載の導電性接着用シート。
[8]熱伝導率が30W/m・K以上である上記[1]〜[7]のいずれかに記載の導電性接着用シート。
[9](A)エポキシ樹脂と、(B)フェノール硬化剤と、(C)導電性粒子と、(D)負熱膨張粒子とを混合して樹脂組成物とし、該樹脂組成物を0.1MPa以上の圧力で圧延してシート状に成形する導電性接着用シートの製造方法であって、前記(C)導電性粒子は、前記(C)導電性粒子の最大長径/最大長径に直交する幅で定義されるアスペクト比が2.0〜50であり、前記(D)負熱膨張粒子の含有量は、前記樹脂組成物全量に対して5〜20質量%の範囲であることを特徴とする導電性接着用シートの製造方法。
[10]得られる導電性接着用シート中において、前記(C)導電性粒子の下記式(1)で表わされる配向指数Sが0.6〜1.0の範囲である上記[9]に記載の導電性接着用シートの製造方法。
S=1/2(3cos2θ−1) ・・・(1)
(ここで、式中、θは、導電性接着用シートの主面に対して、前記(C)導電性粒子の最大長径のなす角である。)
[11]前記(C)導電性粒子は、その厚さが5〜20μmの扁平状金属粒子である上記[9]又は[10]に記載の導電性接着用シートの製造方法。
[12]支持部材と、前記支持部材上に設けられた、上記[1]〜[8]のいずれかに記載の導電性接着用シートの硬化物と、前記導電性接着用シートの硬化物を介して、前記支持部材上に接合された半導体素子とを有することを特徴とする半導体装置。
本発明によれば、導電性及び熱伝導性が高く、信頼性に優れた半導体装置を得ることができる導電性接着用シート及び該導電性接着用シートの製造方法、並びに該導電性接着用シートにより半導体素子を接合してなる半導体装置を提供することができる。
以下、本発明について、一実施形態を参照しながら詳細に説明する。
<導電性接着用シート>
本実施形態の導電性接着用シートは、(A)エポキシ樹脂と、(B)フェノール硬化剤と、(C)導電性粒子と、(D)負熱膨張粒子とを含有する樹脂組成物をシート状に成形してなる導電性接着用シートであって、前記(C)導電性粒子は、最大長径/最大長径に直交する幅で定義されるアスペクト比が2.0〜50であり、前記(D)負熱膨張粒子の含有量は、前記樹脂組成物全量に対して5〜20質量%の範囲であることを特徴とする。
〔(A)エポキシ樹脂〕
本実施形態で用いられる(A)エポキシ樹脂は、一般の接着用のエポキシ樹脂と同様に、良好な硬化性等を樹脂組成物に付与し、かつ、該樹脂組成物の硬化物に低吸湿性、高耐熱性等の特性を付与するのに加え、後述する(C)導電性粒子を樹脂組成物中に高充填しても、該樹脂組成物の硬化物の柔軟性を維持しやすくする成分である。
(A)エポキシ樹脂としては、特に制限されないが、液状エポキシ樹脂が好ましく用いられる。ここで、液状エポキシ樹脂とは、常温(25℃)で液状又は半固体状態のエポキシ樹脂をいい、例えば、常温(25℃)で流動性をもつエポキシ樹脂が挙げられる。液状エポキシ樹脂の25℃における粘度は、好ましくは100,000mPa・s以下、より好ましくは10,000〜60,000mPa・sである。
なお、上記液状エポキシ樹脂の25℃における粘度は、回転式粘度計により測定することができる。
液状エポキシ樹脂の重量平均分子量(Mw)は、流動性、柔軟性の観点から、好ましくは300〜3,000であり、より好ましくは500〜1,000である。ここで、本明細書において、Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定したクロマトグラムを標準ポリスチレンの分子量に換算した値である。
液状エポキシ樹脂としては、ビフェニル型エポキシ樹脂が好ましい。なお、ビフェニル型エポキシ樹脂は、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂であるが、本実施形態におけるビフェニル骨格には、ビフェニル環のうち少なくとも一方の芳香族環を水素添加してなるものも含まれる。
ビフェニル型エポキシ樹脂の具体例としては、例えば、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル、エピクロルヒドリンと4,4’−ビフェノール、または4,4’−(3,3’,5,5’−テトラメチル)ビフェノールのようなビフェノール化合物とを反応させて得られるエポキシ樹脂等が挙げられる。これらのなかでも、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル、4,4’−(3,3’,5,5’−テトラメチル)ビフェニルのグリシジルエーテルが好ましい。ビフェニル型エポキシ樹脂は1種を使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
ビフェニル型エポキシ樹脂として使用される市販品を例示すると、例えば、三菱ケミカル(株)製のYX7105等が挙げられる。液状エポキシ樹脂、特にビフェニル型エポキシ樹脂の使用により、後述する(C)導電性粒子を高充填しても樹脂組成物の溶融粘度を好適な範囲に維持しやすくすることができ、さらに耐熱性に優れた導電性接着用シートを得ることができる。
本実施形態においては、ビフェニル型エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂の1種以上を、結晶性、非結晶性に拘わらず、本発明の効果を阻害しない範囲で配合することができる。ビフェニル型エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂としては、例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂等の複素環型エポキシ樹脂、スチルベン型二官能エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素変性エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂等が挙げられる。
(A)エポキシ樹脂の含有量は、接着特性の観点から、樹脂組成物全量に対して、好ましくは4〜15質量%であり、より好ましくは4〜10質量%である。
〔(B)フェノール硬化剤〕
本実施形態で用いられる(B)フェノール硬化剤は、上記(A)エポキシ樹脂中のエポキシ基と反応し得るフェノール性水酸基を分子中に2個以上有する公知の硬化剤であれば、特に制限されることなく使用することができる。
(B)フェノール硬化剤としては、具体的には、フェノール、アルキルフェノール等のフェノール類とホルムアルデヒド又はパラホルムアルデヒドを反応させて得られるフェノールノボラック樹脂やクレゾールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、これらのノボラック型フェノール樹脂をエポキシ化又はブチル化した変性ノボラック型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、パラキシレン変性フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、トリフェノールアルカン型フェノール樹脂、多官能型フェノール樹脂等が挙げられる。これらは1種を使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
(B)フェノール硬化剤としては、なかでも、ノボラック型フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂が好ましい。
(B)フェノール硬化剤の含有量は、上記(A)エポキシ樹脂が有するエポキシ基数(a)に対する(B)フェノール硬化剤が有するフェノール性水酸基数(b)の比(b)/(a)が0.3以上1.5以下となる範囲が好ましく、0.5以上1.2以下となる範囲がより好ましい。比(b)/(a)が0.3以上であると、硬化物の耐湿信頼性を向上させることができ、比(b)/(a)が1.5以下であると、硬化物の強度を向上させることができる。
(B)フェノール硬化剤の含有量は、接着特性の観点から、樹脂組成物全量に対して、好ましくは1〜5質量%であり、より好ましくは2〜5質量%である。
上記(A)エポキシ樹脂の含有量と、(B)フェノール硬化剤の含有量との合計含有量は、接着特性、耐熱性の観点から、樹脂組成物全量に対して、好ましくは5〜20質量%であり、より好ましくは5〜15質量%である。
〔(C)導電性粒子〕
本実施形態で用いられる(C)導電性粒子は、粒子の最大長径/最大長径に直交する幅で定義されるアスペクト比が2.0〜50である。アスペクト比が2.0未満では(C)導電性粒子の配向指数が下がり、得られる導電性接着用シートの硬化物の熱伝導性の悪化につながる。また、アスペクト比が50を超えると導電性接着用シート表面に(C)導電性粒子が露出し、シート特性の低下やシートの平滑性を損ねるおそれがある。このような観点から、(C)導電性粒子のアスペクト比は、好ましくは3.0〜40である。
上記アスペクト比は、画像式粒子径・粒度分布測定法により測定することができる。
(C)導電性粒子としては、熱伝導性の観点から、金粒子、銀粒子、銅粒子、ニッケル粒子、アルミニウム粒子、鉄粒子等の金属粒子が好ましく、中でも、金粒子、銀粒子がより好ましく、銀粒子が更に好ましい。(C)導電性粒子の形状は、熱伝導性の観点から、扁平状であることが好ましい。
また、(C)導電性粒子の厚さ(最大長径に直交する幅)は、5〜20μmであることが好ましく、8〜18μmであることがより好ましい。(C)導電性粒子の厚さが5μm以上であると、(C)導電性粒子の配向指数が所望の範囲内となり、熱伝導性を高めることができる。一方、(C)導電性粒子の厚さが20μm以下であると、良好なシート特性や高い平滑性を得ることができる。
上記(C)導電性粒子の厚さは、画像式粒子径・粒度分布測定法により測定することができる。
(C)導電性粒子の含有量は、樹脂組成物全量に対して、好ましくは60〜85質量%であり、より好ましくは70〜85質量%である。(C)導電性粒子の含有量が、60質量%以上であると樹脂組成物の硬化物の熱伝導性が向上し、85質量%以下であると導電性接着用シートを成形しやすくなる。
〔(D)負熱膨張粒子〕
本実施形態で用いられる(D)負熱膨張粒子は、熱をかけると収縮する負の熱膨張係数を有する。本実施形態の導電性接着用シートは、(D)負熱膨張粒子を含むことにより、半導体素子の発熱時においても、導電性接着用シートの膨張率を低く抑えることができる。これにより、(C)導電性粒子同士の接点が維持されるため良好な熱伝導性が維持される。
(D)負熱膨張粒子としては、熱膨張係数が好ましくは0ppm/℃未満、より好ましくは−0.1ppm/℃以下、更に好ましくは−0.3ppm/℃以下のフィラーが好適である。具体的には、リン酸ジルコニウム、リン酸タングステン酸ジルコニウム(Zr(WO)(PO,ZWP)、LaCuFe12(Aサイト秩序型ペロブスカイト構造酸化物)、Bi1−xLnNiO(Ln=La,Nd,Eu,Dy、ペロブスカイト構造酸化物)、Al・TiO、LiO・Al・nSiO βスポジュメン固溶体、フォージャス沸石(Na,Ca0.5,Mg0.5,K)[AlSi12−x24]・16HO、LiAlSiO、PbTiO、Sc12、Lu12、ZrW、MnXN(X=Cu−Sn,Zn−Sn等)などが挙げられる。中でも、リン酸ジルコニウム、リン酸タングステン酸ジルコニウムが入手しやすく、特に、熱膨張係数の絶対値が大きく真比重が小さいリン酸ジルコニウムが好適である。
上記熱膨張係数は、レーザー熱膨張計等により測定することができる。
(D)負熱膨張粒子の含有量は、樹脂組成物全量に対して5〜20質量%であり、好ましくは8〜15質量%である。(D)負熱膨張粒子の含有量が5質量%未満では樹脂組成物の硬化収縮率が高くなり過ぎて得られる半導体装置の信頼性が悪化し、20質量%を超えると樹脂組成物の硬化物の熱伝導性が低下する。
上記(C)導電性粒子の含有量と、(D)負熱膨張粒子の含有量との合計含有量は、熱膨張率、熱伝導率の観点から、樹脂組成物全量に対して、好ましくは80〜95質量%であり、より好ましくは85〜95質量%である。
また、上記(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール硬化剤、(C)導電性粒子、及び(D)負熱膨張粒子の合計含有量は、樹脂組成物全量に対して、好ましくは90質量%以上であり、より好ましくは95質量%以上であり、更に好ましくは98質量%以上である。
〔硬化促進剤〕
本実施形態において、樹脂組成物は硬化促進剤を含んでもよい。硬化促進剤は、(A)エポキシ樹脂と(B)フェノール硬化剤との硬化反応を促進する成分である。硬化促進剤は、上記作用を奏するものであれば、特に制限されることなく公知の硬化促進剤を使用することができる。
硬化促進剤としては、具体的には、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、等のイミダゾール類;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン、5,6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等のジアザビシクロ化合物及びこれらの塩;トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の三級アミン類;トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、ジブチルフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン等の有機ホスフィン化合物等が挙げられる。これらのなかでも、シート成形性が良好であるという観点から、イミダゾール類が好ましい。これらは1種を使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
硬化促進剤の含有量は、樹脂組成物全量に対し、0.1〜5質量%の範囲が好ましい。硬化促進剤の含有量が0.1質量%以上であると硬化性の促進効果が十分に得られ、5質量%以下であると、硬化物の耐湿信頼性を向上させることができる。
〔柔軟性材料〕
本実施形態において、樹脂組成物は柔軟性材料を含んでもよい。柔軟性材料は、樹脂組成物の硬化物にシート状態を発現させる成分である。柔軟性材料は、上記作用を奏するものであれば、特に制限されることなく公知の柔軟性材料を使用することができる。
柔軟性材料としては、具体的には、シリコーンオイル、重量平均分子量(Mw)10,000〜100,000のフェノキシ樹脂、ニトリルゴム、アクリルゴムなどが挙げられる。なかでも、シート性が良好であるという観点から、シリコーンオイル、フェノキシ樹脂が好ましい。これらは1種を使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
柔軟性材料の含有量は、樹脂組成物全量に対し、0.5〜5質量%の範囲が好ましい。柔軟性材料の含有量が0.5質量%以上であると樹脂組成物の硬化物のシート性が良好となり、5質量%以下であると樹脂組成物の溶融粘度が上昇し過ぎるのを抑制することができる。
〔その他の成分〕
本実施形態で用いる樹脂組成物には、以上の各成分の他、本発明の効果を阻害しない範囲で、この種の組成物に一般に配合される、カップリング剤、消泡剤、界面活性剤、着色剤(顔料、染料)、各種重合禁止剤、酸化防止剤、無機イオン交換体、その他の各種添加剤を、必要に応じて配合することができる。これらの各添加剤はいずれも1種を使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
上記カップリング剤としては、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、クレイドシラン、ビニルシラン、スルフィドシランなどのシランカップリング剤や、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、アルミニウム/ジルコニウムカップリング剤等が挙げられる。
上記着色剤としては、カーボンブラック等が挙げられる。
上記無機イオン交換体としては、ハイドロタルサイト等が挙げられる。
上記樹脂組成物の硬化物の熱膨張係数は、30〜80℃において、好ましくは50ppm/℃以下であり、より好ましくは40ppm/℃以下である。
上記熱膨張係数は、実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態の導電性接着用シートは、上述の樹脂組成物をシート状に成形してなる。
本実施形態の導電性接着用シート中において、上記(C)導電性粒子の下記式(1)で表わされる配向指数Sは、0.6〜1.0の範囲であることが好ましい。
S=1/2(3cos2θ−1) ・・・(1)
ここで、式(1)中、θは、導電性接着用シートの主面に対して、上記(C)導電性粒子の最大長径のなす角である。
上記配向指数とは、(C)導電性粒子が導電性接着用シートの平面方向に対して平行または鋭角に存在している状態を数値化したものである。式(1)から得られた数値が1に近いほど、導電性接着用シートの平面方向と(C)導電性粒子とがなす角度は小さくなり、導電性接着用シートの平面方向に対して(C)導電性粒子が平行な状態を示す。一方、式(1)から得られた数値が0に近いほど、導電性接着用シートの平面方向と(C)導電性粒子とがなす角度は大きくなり、導電性接着用シートの平面方向に対して(C)導電性粒子が垂直に近づくことを示す。
上記配向指数が上記範囲内にあると良好な熱伝導性が得られる。一方、上記配向指数が0.6未満では(C)導電性粒子同士の接触割合が低くなり熱伝導性が悪くなる。
上記配向指数は、実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態の導電性接着用シートは、硬化前と硬化後の硬化収縮率が好ましくは4%以下である。
また、本実施形態の導電性接着用シートは、熱伝導率が好ましくは30W/m・K以上であり、より好ましくは32W/m・K以上である。
上記硬化収縮率及び熱伝導率は、実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態の導電性接着用シートは、熱伝導性及び導電性が求められる用途、特に半導体接着用途に有用な接着用シート材料に好適である。特に、素子の発熱時においても、良好な熱伝導性が維持される。
<導電性接着用シートの製造方法>
本実施形態の導電性接着用シートの製造方法は、(A)エポキシ樹脂と、(B)フェノール硬化剤と、(C)導電性粒子と、(D)負熱膨張粒子とを混合して樹脂組成物とし、該樹脂組成物を0.1MPa以上の圧力で圧延してシート状に成形する導電性接着用シートの製造方法であって、前記(C)導電性粒子は、前記(C)導電性粒子の最大長径/最大長径に直交する幅で定義されるアスペクト比が2.0〜50であり、前記(D)負熱膨張粒子の含有量は、前記樹脂組成物全量に対して5〜15質量%の範囲であることを特徴とする。
上記樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂と、(B)フェノール硬化剤と、(C)導電性粒子と、(D)負熱膨張粒子と、その他必要に応じて配合される各種成分とをミキサー等によって十分に混合することにより調製することができる。
上記(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール硬化剤、(C)導電性粒子、(D)負熱膨張粒子、その他必要に応じて配合される各種成分は、それぞれ上記[導電性接着用シート]の項で説明したものを用いることができる。
上記(C)導電性粒子は、粒子の最大長径/最大長径に直交する幅で定義されるアスペクト比が2.0〜50である。アスペクト比が2.0未満では(C)導電性粒子の配向指数が下がり、得られる導電性接着用シートの硬化物の熱伝導性の悪化につながる。また、アスペクト比が50を超えると得られる導電性接着用シートの表面に(C)導電性粒子が露出し、シート特性の低下やシートの平滑性を損ねるおそれがある。このような観点から、(C)導電性粒子のアスペクト比は、好ましくは3.0〜40である。
上記アスペクト比は、画像式粒子径・粒度分布測定法により測定することができる。
上記(D)負熱膨張粒子の含有量は、樹脂組成物全量に対して5〜20質量%の範囲とし、好ましくは8〜15質量%の範囲とする。(D)負熱膨張粒子の含有量が5質量%未満では樹脂組成物の硬化収縮率が高くなり過ぎて得られる半導体装置の信頼性が悪化し、20質量%を超えると樹脂組成物の硬化物の熱伝導性が低下する。
次に、上記樹脂組成物を0.1MPa以上の圧力で圧延してシート状に成形する。
上記(C)導電性粒子が配向指数を発現するには、加熱および圧力制御が可能な圧延加工装置が好ましく用いられる。圧延ロールの材質は、(C)導電性粒子の材質を考慮してステンレス材質が好ましく用いられる。具体的には、由利ロール機械社製のロールプレス装置が挙げられる。さらに、上記配向指数は圧延加工の条件に影響を受ける。樹脂組成物が圧延ロールを通過する際に該樹脂組成物に加える圧力は0.1MPa以上とする。該圧力が0.1MPa未満では(C)導電性粒子の配向性が低下し、熱伝導性が低下するおそれがある。(C)導電性粒子の配向指数Sを前述の範囲内とし、該(C)導電性粒子の配向性を良好にする観点から、上記圧力は、0.1〜10MPaであることが好ましく、0.1〜1.0MPaであることがより好ましい。なお、上記圧力が10MPa以下であると(C)導電性粒子の箔化を抑制することができる。
加熱温度は、70〜100℃であることが好ましく、75〜90℃であることがより好ましい。加熱温度が70℃以上であると樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎず、上記(C)導電性粒子の配向指数Sを前述の範囲内とすることができ、該(C)導電性粒子の配向性を良好にすることができる。一方、加熱温度が100℃以下であると樹脂組成物の粘度が低くなり過ぎず、得られる導電性接着用シートのシート性を向上させることができる。
上記樹脂組成物が圧延ロールを通過する速度は、1〜10m/分であることが好ましく、1〜6m/分であることがより好ましい。上記速度が1m/分以上であると生産性が向上し、10m/分以下であるとシート成形時にかすれの発生を抑制することができる。
また、80℃加熱時の樹脂組成物の溶融粘度は、1〜10Pa・sであることが好ましく、3〜10Pa・sであることがより好ましい。樹脂組成物の溶融粘度が上記範囲内であると樹脂組成物中で(C)導電性粒子及び(D)負熱膨張粒子を均一に分散させることができる。
上記溶融粘度は、実施例に記載の方法により測定することができる。
このようにして得られる導電性接着用シートは支持フィルム上に形成されてもよい。
支持フィルムとしては、片面に離型剤層を設けた、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリアクリロニトリル等のプラスチックフィルムが使用される。
支持フィルムの厚みは、ハンドリング性の観点から、通常10〜50μmであり、好ましくは25〜38μmである。
導電性接着用シートの厚みは、好ましくは10〜100μmであり、より好ましくは10〜50μmである。導電性接着用シートの厚みを10μm以上とすることで、(C)導電性粒子が導電性接着用シート内に均一に分散し、表面への露出を抑えることができ、100μm以下とすることで、(C)導電性粒子の配向性を向上させることができる。
<半導体装置>
本実施形態の半導体装置は、支持部材と、該支持部材上に設けられた、上述の導電性接着用シートの硬化物と、該導電性接着用シートの硬化物を介して、上記支持部材上に接合された半導体素子とを有することを特徴とする。
本実施形態の半導体装置は、例えば、シリコンチップの接合面等に、温度50〜80℃、圧力0.1〜1MPa、加熱加圧時間0.1〜1分の条件で仮付けした後、銅フレーム等の支持部材にマウントし、温度80℃〜200℃、圧力0.1〜5MPa、加熱加圧時間0.1〜1分の条件で加熱加圧圧着し、さらに150〜200℃で0.5〜2時間加熱、硬化することにより製造することができる。
支持部材としては、例えば、銅フレーム、アルミニウムや鉄板などの金属基板、セラミック基板、ガラスエポキシ基板等が挙げられる。
半導体素子としては、例えば、IC、LSI、ダイオード、サイリスタ、トランジスタ等が挙げられる。
次に実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
(実施例1〜7、比較例1〜4)
(1)樹脂組成物の調製
表1に記載の種類及び配合量の各成分を25℃で自公転ミキサー((株)シンキー製、型番:ARV−310)を用いて混合し、樹脂組成物を調製した。
なお、表1中、空欄は配合なしを表す。
(2)導電性接着用シートの作製
上記樹脂組成物を、離型フィルム(東洋紡(株)製、商品名:TN−200、厚さ25μm)の一方の面上に供給しながら1対の加圧ロール間を通過させて、離型フィルムの片面に厚さ20μmの導電性接着用シートを形成した。なお、加圧ロールの直径は150mmであり、成形条件は、温度80℃、速度1m/分、ロール圧力0.1MPaで行った。
樹脂組成物の調製に使用した表1に記載の各成分の詳細は以下のとおりである。
〔(A)エポキシ樹脂〕
・YX7105:液状エポキシ樹脂、三菱ケミカル(株)製、商品名、エポキシ当量480、重量平均分子量1,000、粘度30,000mPa・s
〔(A)エポキシ樹脂以外の熱硬化性樹脂〕
・SA−9000:変性ポリフェニレンエーテル樹脂、SABIC社製、商品名
〔(B)フェノール硬化剤〕
・BRG−557:フェノールノボラック樹脂、昭和電工(株)製、商品名、水酸基当量103
・HE100C−15:フェノールアラルキル樹脂、エア・ウォーター(株)製、商品名、水酸基当量170
〔(C)導電性粒子〕
・AgC−222:銀粉、福田金属箔粉工業(株)製、商品名、厚さ15μm、アスペクト比3.5
〔(C)導電性粒子以外の導電性粒子〕
・AGF−5S:銀粉、(株)徳力本店製、商品名、厚さ10μm、アスペクト比1.1
〔(D)負熱膨張粒子〕
・WF−1:リン酸ジルコニウム、東亞合成(株)製、商品名、熱膨張係数−3ppm/℃
・WA−2:リン酸ジルコニウム、東亞合成(株)製、商品名、熱膨張係数−0.5ppm/℃
〔(D)負熱膨張粒子以外の熱膨張粒子〕
・TFZ−A15P:窒化アルミニウム、東洋アルミニウム(株)製、商品名、熱膨張係数4.5ppm/℃
〔硬化促進剤〕
・2P4MHZ−PW:2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、四国化成工業(株)製、商品名
〔柔軟性材料〕
・SF−8427:シリコーンオイル、東レ・ダウコーニング(株)製、商品名
・YX6954BH30:フェノキシ樹脂、三菱ケミカル(株)製、商品名、重量平均分子量40,000
以下に示す測定条件により、実施例1〜7、及び比較例1〜4で得られた離型フィルムの片面に導電性接着用シートを形成した接着シート(以下、単に接着シートともいう)を用いて、導電性接着用シートの特性の測定、及び評価を行った。評価結果を表1に示した。
<評価項目>
(1)シート性
接着シートを180度折り曲げて、目視観察を行い下記の基準により評価した。
〇:導電性接着用シートに割れがなく、離型フィルムからの剥離がなかった
×:導電性接着用シートに割れ又は離型フィルムからの剥離が発生した
(2)仮接着性
6mm×6mmのシリコンチップ及び接合面に金蒸着層を設けた裏面金チップに導電性接着用シートを65℃、1秒、圧力1MPaの条件で圧着したとき、貼り付け可能な場合を○、貼り付け不能な場合を×として判定した。
(3)(C)導電性粒子の配向指数
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて導電性接着用シートの断面を観察し、該導電性接着用シートの平面方向に対する(C)導電性粒子の角度を測定し、下記式(1)より(C)導電性粒子の配向指数Sを算出した。
S=1/2(3cos2θ−1) ・・・(1)
(ここで、式中、θは、導電性接着用シートの主面に対して、前記(C)導電性粒子の最大長径のなす角である。)
(4)硬化収縮率
熱硬化性プラスチック一般試験方法(JIS K6911:2006)に準拠して、導電性接着用シートを縦10cm×横1cm×厚さ0.1mmのサイズに切り出しサンプルを作製し、該サンプルを200℃での温度条件で硬化させ、硬化前後での縦方向の変化を収縮率として測定した。
(5)熱膨張係数
導電性接着用シートを200℃で2時間硬化させ、縦3cm×横0.5cm×厚さ0.1mmのサイズに切り出しサンプルを作製し、該サンプルを熱機械分析装置(セイコーインスツル(株)製、装置名:TMA/SS)にて30℃から80℃まで毎分10℃昇温させて、サンプルの変形量を熱膨張係数として測定した。
(6)熱伝導率(レーザーフラッシュ法)
導電性接着用シートを200℃で2時間硬化させ、縦1cm×横1cm×厚さ1mmのサイズに切り出しサンプルを作製した。該サンプルの熱伝導率を、熱伝導率計(アドバンス理工製、装置名:TC7000)を用いてJIS R 1611:1997に従い、レーザーフラッシュ法により測定した。
なお、熱伝導率が30W/m・K以上を合格とした。
(7)熱伝導率(周期加熱法)
導電性接着用シートを200℃で2時間硬化させ、縦1cm×横1cm×厚さ1mmのサイズに切り出しサンプルを作製した。該サンプル150℃での熱伝導率を、熱伝導率計(アドバンス理工製、装置名:FTC−1)を用いてJIS R 1611:1997に従い、周期加熱法により測定した。
なお、熱伝導率が30W/m・K以上を合格とした。
(8)溶融粘度
導電性接着用シートを粉砕機にて粉末の状態にした後、溶融粘度測定を行った。測定条件は室温(25℃)から80℃まで毎分10℃昇温させ、80℃で20分保持させた。
なお、80℃保持中の最低溶融粘度が1〜10Pa・sを合格とした。
(9)熱時接着強度
6mm×6mmのシリコンチップ及び接合面に金蒸着層を設けた裏面金チップに導電性接着用シートを65℃、1秒、圧力1MPaの条件で仮付けした後、無垢の銅フレームにマウントし、125℃、5秒、圧力0.1MPaで加熱加圧圧着し、さらに180℃のオーブンで1時間硬化させた。マウント強度測定装置(Besi製、装置名:2200 EVO −plus)を用い、260℃での熱時ダイシェア強度を測定した。
(10)信頼性試験(PCT)
(9)にて作製したサンプルをプレッシャクッカー内で、127℃、0.25MPaの条件下、72時間吸水させた後、240℃、90秒間のリフローを行い、不良(剥離不良)の発生率を調べた(試料数=20)。
(11)信頼性試験(冷熱サイクル)
(9)にて作製したサンプルを冷熱サイクル試験機内で、−55℃から150℃までを1サイクルとした条件下で1000サイクル試験を行い、不良(剥離不良)の発生率を調べた(試料数=20)。

Claims (12)

  1. (A)エポキシ樹脂と、(B)フェノール硬化剤と、(C)導電性粒子と、(D)負熱膨張粒子とを含有する樹脂組成物をシート状に成形してなる導電性接着用シートであって、
    前記(C)導電性粒子は、最大長径/最大長径に直交する幅で定義されるアスペクト比が2.0〜50であり、
    前記(D)負熱膨張粒子の含有量は、前記樹脂組成物全量に対して5〜20質量%の範囲であることを特徴とする導電性接着用シート。
  2. 前記導電性接着用シート中において、前記(C)導電性粒子の下記式(1)で表わされる配向指数Sが0.6〜1.0の範囲である請求項1に記載の導電性接着用シート。
    S=1/2(3cos2θ−1) ・・・(1)
    (ここで、式中、θは、導電性接着用シートの主面に対して、前記(C)導電性粒子の最大長径のなす角である。)
  3. 前記(C)導電性粒子は、その厚さが5〜20μmの扁平状金属粒子である請求項1又は2に記載の導電性接着用シート。
  4. 前記(D)負熱膨張粒子は、熱膨張係数が0ppm/℃未満である請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性接着用シート。
  5. 前記樹脂組成物全量に対して、前記(A)エポキシ樹脂の含有量と前記(B)フェノール硬化剤の含有量との合計含有量が5〜20質量%であり、前記(C)導電性粒子の含有量と前記(D)負熱膨張粒子の含有量との合計含有量が80〜95質量%である請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性接着用シート。
  6. 前記導電性接着用シートの硬化前と硬化後の硬化収縮率が、4%以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性接着用シート。
  7. 前記樹脂組成物の硬化物の熱膨張係数が、30〜80℃において50ppm/℃以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電性接着用シート。
  8. 熱伝導率が30W/m・K以上である請求項1〜7のいずれか1項に記載の導電性接着用シート。
  9. (A)エポキシ樹脂と、(B)フェノール硬化剤と、(C)導電性粒子と、(D)負熱膨張粒子とを混合して樹脂組成物とし、該樹脂組成物を0.1MPa以上の圧力で圧延してシート状に成形する導電性接着用シートの製造方法であって、
    前記(C)導電性粒子は、前記(C)導電性粒子の最大長径/最大長径に直交する幅で定義されるアスペクト比が2.0〜50であり、
    前記(D)負熱膨張粒子の含有量は、前記樹脂組成物全量に対して5〜20質量%の範囲であることを特徴とする導電性接着用シートの製造方法。
  10. 得られる導電性接着用シート中において、前記(C)導電性粒子の下記式(1)で表わされる配向指数Sが0.6〜1.0の範囲である請求項9に記載の導電性接着用シートの製造方法。
    S=1/2(3cos2θ−1) ・・・(1)
    (ここで、式中、θは、導電性接着用シートの主面に対して、前記(C)導電性粒子の最大長径のなす角である。)
  11. 前記(C)導電性粒子は、その厚さが5〜20μmの扁平状金属粒子である請求項9又は10に記載の導電性接着用シートの製造方法。
  12. 支持部材と、前記支持部材上に設けられた、請求項1〜8のいずれか1項に記載の導電性接着用シートの硬化物と、前記導電性接着用シートの硬化物を介して、前記支持部材上に接合された半導体素子とを有することを特徴とする半導体装置。
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