JP2015179721A - 回路基板と回路基板用の導体ペースト - Google Patents
回路基板と回路基板用の導体ペースト Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015179721A JP2015179721A JP2014056058A JP2014056058A JP2015179721A JP 2015179721 A JP2015179721 A JP 2015179721A JP 2014056058 A JP2014056058 A JP 2014056058A JP 2014056058 A JP2014056058 A JP 2014056058A JP 2015179721 A JP2015179721 A JP 2015179721A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- conductor
- less
- inorganic filler
- circuit board
- volume
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Parts Printed On Printed Circuit Boards (AREA)
- Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
- Conductive Materials (AREA)
Abstract
【解決手段】かかる回路基板は、セラミックスからなる絶縁基板と、該絶縁基板の表面に形成されたガラスレスの導体パターンと、を備える。上記導体パターンは、上記絶縁基板に接する銅めっき層と、該銅めっき層上に形成された導体層とを備える。上記導体層は、銅成分と無機フィラー成分とを含む。上記無機フィラー成分は、実質的にガラスを含まず、平均粒子径が10μm以上50μm以下の粒子で構成されている。そして、上記導体層の体積熱膨張率が12ppm/℃以下である。また、上記導体パターンの電気抵抗率が20μΩ・cm未満である。
【選択図】図1
Description
この半導体デバイスの周辺技術の一つに、該半導体デバイスを実装するための回路基板がある。回路基板は、例えば、電気絶縁性の基板の表面に、電気伝導性や熱伝導性の高い導体パターン(金属層)を備え、配線回路としての機能や半導体デバイスで発生した熱を逃がす機能(放熱機能)を発揮するものである。かかる回路基板は、例えば、セラミック製の基板の表面に、金属粉末(例えば銅)、ガラスフリット(無機バインダ)、樹脂(有機バインダ)、溶剤等から構成される導体ペースト(例えば銅ペースト)を付与して、乾燥、焼成することによって作製することができる。
このような2律背反のために、これまで導体パターンの大幅な低抵抗化を実現することは困難であった。
すなわち、本発明によって、セラミックスからなる絶縁基板と、該絶縁基板の表面に形成されたガラスレスの導体パターンと、を備えた回路基板が提供される。上記導体パターンは、上記絶縁基板に接する銅めっき層と、該銅めっき層上に形成された導体層とを備える。上記導体層は、銅成分と無機フィラー成分とを含む。上記無機フィラー成分は、実質的にガラスを含まず、平均粒子径(D50)が10μm以上50μm以下の粒子で構成されている。そして、上記導体層の体積熱膨張率が12ppm/℃以下である。また、上記導体パターンの電気抵抗率が20μΩ・cm未満である。
また、「実質的にガラスを含まず」とは、少なくとも積極的に該ガラス成分を含有しないことをいい、例えば不可避的な不純物として極微量に混入することは許容し得る。
無機フィラー成分の含有率を上記範囲とすることで、導体層の低抵抗化と、接合性(例えば耐ヒートサイクル性)の維持向上とを高いレベルで両立することができる。したがって、本発明の効果をより高いレベルで発揮することができる。
銅粉末(原料)の平均粒子径を上記範囲とすることで、低温焼成(例えば500℃以下の焼成)によって銅粒子同士を焼結することができ、緻密な導体層を実現することができる。
窒化ケイ素(Si3N4)からなる基板の熱膨張率は凡そ2.6ppm/℃と、銅の熱膨張率に比べて非常に小さい。このため、ここに開示される技術の適用が特に効果的である。
上述の通り、絶縁基板を構成するセラミックと銅めっき層を構成する銅は、熱膨張率が大きく異なる。このため、絶縁基板と銅めっき層との剥離を防止するためには、銅めっき層の厚みを小さく抑えて絶縁基板との熱膨張率の整合をとることが有効である。これにより、一層優れた熱的安定性(耐ヒートサイクル性)を実現することができる。
導体層の厚みを厚くすることで、電気伝導性の向上や放熱性の向上を実現し得る。また、一般に、比較的厚めに形成された導体層では低温〜高温(例えば−40〜250℃)のヒートサイクルの繰り返しによって剥離やクラック等の不具合が生じ易い傾向にある。しかしながら、ここに開示される技術によればこのような不具合を防止することができるので、導体層の低抵抗化と優れた接合性との高いレベルでの両立が可能となる。したがって、このような場合に本発明がとりわけ顕著な効果を奏する。
このような組成の導体ペーストを用いることで、ガラスレスであっても熱膨張率の低い導体層を実現することができる。これにより、例えば熱膨張率の小さなセラミック基板(例えば窒化ケイ素基板)とも良好な接合性を実現することができ、なおかつ優れた耐ヒートサイクル性を実現することができる。その結果、熱的安定性が高く、電気抵抗率が一層低減された導体パターンを実現することができる。
ここに開示される回路基板は、セラミックスからなる絶縁基板と、該絶縁基板の表面に形成された導体パターンと、を備えている。上記導体パターンは、上記絶縁基板に接する銅めっき層と、該銅めっき層上に形成された導体層とを備えている。そして、以下の(A)〜(D):(A)上記導体パターンがガラスレスであること;(B)上記導体層が、ガラス以外無機フィラー成分であって平均粒子径が10μm以上50μm以下の粒子で構成される無機フィラー成分を含むこと;(C)上記導体層の体積熱膨張率が12ppm/℃以下であること;(D)上記導体パターンの電気抵抗率が20μΩ・cm未満であること;によって特徴づけられる。したがって、その他の構成要素については特に限定されず、種々の用途に応じて任意に決定することができる。
ここに開示される回路基板の絶縁基板は、セラミック材料からなる。かかるセラミック材料としては、例えば、金属炭化物からなる炭化物系セラミックス;金属窒化物からなる窒化物系セラミックス;金属酸化物からなる酸化物系セラミックス;金属のホウ化物、フッ化物、水酸化物、炭酸塩、リン酸塩等からなるセラミックス;が挙げられる。
好適例として、熱膨張率が比較的小さなもの、具体的には、窒化ケイ素(シリコンナイトライド:Si3N4)、窒化アルミニウム(アルミナイトライド:AlN)、窒化ホウ素(BN)等の窒化物系セラミックス;炭化ケイ素(シリコンカーバイド:SiC)等の炭化物系セラミックス;コーディエライト(2MgO・2Al2O3・5SiO2)、ムライト(3Al2O3・2SiO2)等の複合酸化物系セラミックス;等が挙げられる。
なかでも、熱膨張率がとりわけ小さなセラミック材料(および該材料の30〜500℃の平均体積熱膨張率)を例示すると、コーディエライト(<|0.1|ppm/℃)、窒化ホウ素(1.4ppm/℃)、窒化ケイ素(2.6ppm/℃)、炭化ケイ素(3.7ppm/℃)、窒化アルミニウム(4.6ppm/℃)、ムライト(5.0ppm/℃)等が挙げられる。特に、窒化ケイ素は曲げ強度が凡そ600〜800MPaと殊に機械的強度に優れるため、高い機械的強度の要求される用途で好ましく用いることができる。また、窒化アルミニウムは、曲げ強度が凡そ200〜400MPaと窒化ケイ素ほどの高温耐久性は期待できないが、熱伝導率が150〜200W/m・Kと高いため、放熱性を要求される用途で好ましく用いることができる。
ここに開示される回路基板の導体パターンは、ガラスレス(ガラスフリー)である。すなわち、電気伝導性や熱伝導性の低いガラスを少なくとも意図的には混入させないことで、電気伝導性や熱伝導性に優れた導体パターンを実現することができる。ここに開示される技術では、導体パターンの電気抵抗率が20μΩ・cm未満であり、好ましくは15μΩ・cm以下、より好ましくは10μΩ・cm、特には6μΩ・cm以下であるとよい。
かかる導体パターンは、絶縁基板に接する銅めっき層と、該銅めっき層の表面に固着された導体層から構成される。
かかる銅めっき層は、実質的に(例えば、銅めっき層全体の95質量%以上が)銅成分からなる。このため、銅めっき層の熱膨張率は、銅の熱膨張率(16ppm/℃)と概ね同等であり得る。ゆえに、例えば絶縁基板が熱膨張率の小さなセラミック材料からなる場合には、絶縁基板と銅めっき層との熱膨張率が大きく異なることがあり得る。例えば、絶縁基板が窒化物系セラミックスからなる場合、銅めっき層の熱膨張率が、絶縁基板の熱膨張率に対して3〜5倍以上大きくなることがある。したがって、このような場合には銅めっき層の厚みを薄くして、熱応力を小さく抑えることが好ましい。
上記の理由から、好適な一態様では、銅めっき層の平均厚みが5μm以下(好ましくは3μm以下、より好ましくは2μm以下)である。これにより、銅めっき層の熱膨張率をほぼ考慮する必要が無くなり、耐ヒートサイクル特性を一層向上することができる。また、銅めっき層の平均厚みは、0.01μm以上(好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.1μm以上、例えば0.5μm以上)であるとよい。これにより、絶縁基板と導体層とをより安定的に接合することができ、熱的安定性の高い回路基板を実現することができる。
かかる導体層は、銅成分と無機フィラー成分とを含んでいる。
銅成分は、導体層の主体をなすものであり、導体層に電気伝導性や放熱性を付与するための成分である。銅成分は、導体層を緻密化する観点や導体層形成時の取扱性や作業性等を考慮して、平均粒子径(D50)が0.1μm以上(典型的には0.5μm以上、好ましくは1μm以上、例えば2μm以上)であって、10μm以下(典型的には5μm以下、例えば4μm以下)の銅粉末が焼結(シンタリング)されてなるとよい。
また、好適な他の一態様では、導体層中に無機フィラー成分としてのシリカを含んでいる。シリカは、熱膨張率が0.5ppm/℃とリン酸タングステン酸ジルコニウムには及ばないものの、入手が容易でありかつ安価なため、トータルバランスに優れている。
上記導体層中の無機フィラー粒子同士の接触の数を減少させるという観点からは、無機フィラー成分を構成する粒子の10%体積平均粒子径(D10)が、0.5μm以上(例えば1μm以上)であって、例えば30μm以下(例えば25μm以下)あるとよい(ただし、当然、D50≧D10である。)。また、より均質な導体層を実現する観点からは、無機フィラー成分を構成する粒子の90%体積平均粒子径(D90)が、例えば20μm以上(例えば30μm以上)であって、70μm以下(例えば60μm以下)あるとよい(ただし、当然、D90≧D50である。)。
また、無機フィラー成分を構成する粒子の形状は、例えば、球状、楕円状、破砕状、繊維状等であり得る。より平滑性や均質性の高い導体層を実現する観点からは、例えば平均アスペクト比(長径/短径比)が凡そ1〜1.5(例えば1〜1.3)の球状、楕円状、もしくは破砕状の粒子が好ましい。
なお、導体層中には、本発明の効果を著しく低減させない限りにおいて、銅成分と無機フィラー成分以外の成分(例えばこの種の分野で一般に使用され得る各種添加剤)を含んでもよい。
以下、図1を参照しつつ一実施形態に係る回路基板について説明する。なお、以下の図面において、同様の作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明し、重複する説明は省略または簡略化することがある。図面に記載の実施形態は、本発明を明瞭に説明するために必要に応じて模式化されており、実際の回路基板の寸法関係(長さ、幅、厚さ等)を必ずしも正確に反映したものではない。
なお、導体パターンは、図1に示すように絶縁基板2の両面に備えられていてもよく、あるいは片方の表面のみに備えられていても良い。また、導体パターンは、図1の導体パターン6のように1つであってもよく、図1の導体パターン4のように複数であってもよい。また、導体パターンは、絶縁基板2の一部に備えられていてもよいし、絶縁基板2のほぼ全面に渡って備えられていてもよい。さらに、例えば耐ヒートサイクル性の向上や腐食の防止等を目的として、導体層4b、6bの表面にめっき層(例えばニッケルめっき層や金めっき層)を備えていてもよい。
このような回路基板の製造方法は特に限定されないが、例えば以下の工程:
(1)セラミックスからなる絶縁基板の表面に銅めっき処理を施すこと;
(2)銅粉末と無機フィラー粉末と熱可塑性樹脂と溶媒とを含む導体ペーストを調製すること;
(3)上記調製した導体ペーストを銅めっき処理済みの絶縁基板上に付与すること;および
(4)上記導体ペーストを付与した絶縁基板を、不活性雰囲気中において上記熱可塑性樹脂の燃え抜け温度以上で焼成し、導体パターンを形成すること;
を包含する方法によって製造することができる。以下、各工程を順に説明する。
まず、絶縁基板の表面に銅めっき処理を施す。銅めっき処理は、例えば従来公知の一般的な無電解めっきの手法によって形成することができる。すなわち、まずパラジウム等の核形成成分によって核が形成されるように調整し、その上に無電解銅めっきを行うとよい。これにより、核形成成分が絶縁基板の表面に物理的に接合して、絶縁基板の表面に強固に固着された銅めっき層を形成することができる。なお、銅めっき処理の詳細な手順等については、後の実施例で述べる。
次に、導体ペースト(銅ペースト)を調製する。導体ペーストは、典型的には、銅粉末と、無機フィラー粉末と、熱可塑性樹脂と、溶媒と、を含んでいる。そして、以下の条件(a)および(b):(a)上記無機フィラー粉末は、実質的にガラスを含まず、平均粒子径(D50)が10μm以上50μm以下であること;(b)上記導体パターンを形成したときに、該導体パターンの体積熱膨張率が12ppm/℃以下であり、電気抵抗率が20μΩ・cm未満であること;を具備することが好ましい。なお、その他の構成要素については特に限定されず、種々の用途に応じて任意に決定することができる。
なお、本明細書において「銅粉末」とは、銅(Cu)を主体とする粒子の集合体をいい、典型的には銅単体から成る粒子の集合体であるが、例えば銅を主体とする合金や銅以外の不純物を微量含むものであっても、全体として銅を主体とする粒子の集合体であればここでいう「銅粉末」に包含され得る。
熱可塑性樹脂としては、使用する溶媒(典型的には有機溶剤)に可溶であって、不活性ガス雰囲気中、500℃以下の低温焼成によって熱分解されて燃え抜けるものを好ましく用いることができる。好適例(およびその燃え抜け温度)としては、アクリル(250℃)、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂(メタクリル樹脂を含む。);ポリアセタール樹脂(310℃);ポリビニルブチラ−ル(460℃)、ポリビニルアルコールとエチレンの共重合体等のポリビニルアセタール系樹脂;ポリスチレン(410℃)、アクリロニトリルとブタジエンとスチレン共重合体(ABS樹脂)等のポリスチレン系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン(445℃)、環状オレフィン等のポリオレフィン樹脂;等が挙げられる。
なお、本明細書において「粘度」とは、液温が20℃の状態において一般的な粘度計を用いて測定した値をいう。例えば、平行円板型回転粘度計(B型粘度計)を用いて、ローターの回転速度20rpmで測定した値をいう。
さらに、導体ペースト中に上記熱可塑性樹脂と溶媒の総和が占める割合を、10質量%以下(典型的には、1〜10質量%、例えば5〜10質量%)とすることが好ましい。このように銅粉末と無機フィラー粉末の占める割合を高めることで、例えば厚みが100μm以上の導体パターンでも、緻密にかつ安定的に形成することができる。
次に、銅めっき処理済みの絶縁基板の表面に、上記導体ペーストを付与する。導体ペーストの付与(典型的には塗工)には、従来公知の手法(例えば、スクリーン印刷法、メタルマスク印刷法、グラビア印刷法、ドクターブレード法、ディスペンサー塗布法、ディップ塗布法、インクジェット法等)を用いることができる。なかでも、印刷法を好ましく採用することができる。印刷法を用いることで、例えば複雑な形状の(例えば厚みやサイズの異なる)配線パターンに対応した塗工を、簡便かつ精度良く行うことができる。
次に、典型的には、上記付与した導体ペーストを適当な温度(典型的には30〜150℃、例えば80〜120℃)で予備乾燥させる。
その後、導体ペースト中の銅が十分に焼結され得る温度で所定時間、焼成を行う。焼成温度は、使用する熱可塑性樹脂が燃え抜ける温度より高く設定する。好適には、比較的低温、例えば、熱可塑性樹脂の燃え抜け温度以上であって500℃以下(典型的には350〜500℃、例えば400〜500℃)に設定する。これにより、焼成時の熱収縮(熱応力による歪み)を最小限に抑えることができる。また、焼成時間は、通常凡そ0.1〜5時間程度(典型的には0.5〜3時間)とするとよい。また、焼成時の雰囲気は、銅の酸化を防止する観点から、不活性ガス雰囲気とすることが好ましい。ここで不活性ガス雰囲気とは、酸素および炭化水素ガスを実質的に含まない雰囲気として規定できる。典型的な雰囲気ガスとして、窒素ガス、アルゴンやヘリウム等の希ガスが挙げられる。
これにより、導体ペースト中の熱可塑性樹脂と溶媒は、焼成によってほぼ完全に燃え抜ける。同時に、銅成分が焼結して、銅めっき層の表面に導体層が強固に固着される。なお、上記焼成温度の範囲では、無機フィラー成分には組成や性状の変化(例えば軟化等)は生じないため、導体ペーストに含有される材料の状態と同等の性状を保っている。
さらに、耐ヒートサイクル性の向上や腐食の防止等を目的として、導体層の表面に再度めっき処理(例えばニッケルめっきや金めっき)を施すこともできる。
かかる導体層の体積熱膨張率は、12ppm/℃以下(例えば9〜11.5ppm/℃)であり得る。また、銅めっき層と導体層とからなる導体パターンの電気抵抗率は、20μΩ・cm未満(好ましくは15μΩ・cm以下)であり得る。
具体的には、まず、市販の窒化ケイ素基板(三菱マテリアル製)に無電解銅めっき処理を施した。無電解銅めっきの条件を、表1に示す。これにより、窒化ケイ素基板の表面全体に平均厚さ1.5μmの銅めっき層を形成した。
そして、エッチングによって窒化ケイ素基板上の無電解銅めっきを除去した。エッチングの条件を、表3に示す。
使用した無機フィラー粉末の性状について表4に纏める。なお、表4中の「D10」、「D50」および「D90」は、一般的なレーザー回折・光散乱法に基づく粒度分布測定によって測定した体積基準の粒度分布において、それぞれ微粒子側から累積10%、累積50%、累積90%に相当する粒子径である。また、「体積比率」とは、銅粉末と無機フィラー粉末との合計体積を100体積%としたときに、無機フィラー粉末の占める体積割合である。
上記得られた回路基板(例1〜例7)の導体層について、株式会社三菱化学アナリテック製の抵抗率計(型式:ロレスタGP MCP−T610)を用いて4端子4探針法で電気抵抗率を測定した。結果を表4の「電気抵抗率」の欄に示す。
上記回路基板(例1〜例7)について、−40〜250℃の間でヒートサイクルを200回繰り返した後、接合性を評価した。具体的には、外観上から(目視で)歪みや割れ等の不具合がないかを確認した後、ピンセットで基板から導体パターンを剥がせるか否かを確認し、基板と導体パターンとの機械的な接合性を評価した。
結果を表4の「接合性」の欄に示す。なお、表4において「○」は、ヒートサイクル後も導体パターンに歪みや割れ等の外観上の不具合が確認されず、かつ両者が良好に接合されていたことを、「×」はヒートサイクル後に外観上の不具合が確認された、および/または両者が剥離していたこと、を表している。
これに対し、無機フィラー(球状シリカ)の含有割合を20体積%まで減らした例7では、電気抵抗率は低減したが、ヒートサイクル後に導体パターンの剥離が認められた。これは、球状シリカの割合を減少させたことで、導体パターンの熱膨張率が13ppm/℃以上と高くなり、窒化ケイ素基板との熱膨張の整合性がとれなくなったためと考えられる。また逆に、無機フィラー(球状シリカ)の含有割合を50体積%まで増やした例8では、耐ヒートサイクル特性には優れていたが、電気抵抗率は20μΩ・cmを下回ることができなかった。
これに対して、例7の場合と同様にZWPの割合を21体積%まで減らした例9では、導体パターンの熱膨張率が12.5ppm/℃と高くなり、ヒートサイクル後に導体パターンの剥離が認められた。
これを裏付けるように、無機フィラーとして平均粒子径が凡そ37μmの球状シリカ(F1の微粒子カット品)を用いた例6では、例1に比べてさらに電気抵抗率を低減することができた。
これらの結果は、ここに開示される発明の技術的意義を裏付けるものである。
2 絶縁基板(セラミック基板)
4 導体パターン(配線回路)
4a 銅めっき層
4b 導体層(配線層)
6 導体パターン(放熱層)
6a 銅めっき層
6b 導体層
Claims (10)
- セラミックスからなる絶縁基板と、該絶縁基板の表面に形成されたガラスレスの導体パターンと、を備える回路基板であって、
前記導体パターンは、前記絶縁基板に接する銅めっき層と、該銅めっき層上に形成された導体層とを備え、
前記導体層は、銅成分と、無機フィラー成分と、を含み、
前記無機フィラー成分は、実質的にガラスを含まず、平均粒子径が10μm以上50μm以下の粒子で構成されており、
前記導体層の体積熱膨張率が12ppm/℃以下であり、
前記導体パターンの電気抵抗率が20μΩ・cm未満である、回路基板。 - 前記銅成分と前記無機フィラー成分との合計体積を100体積%としたときに、前記無機フィラー成分の体積比率が25体積%以上45体積%以下である、請求項1に記載の回路基板。
- 前記銅成分は、1μm以上10μm以下の平均粒子径の銅粉末が焼結してなる、請求項1または2に記載の回路基板。
- 前記絶縁基板が窒化ケイ素基板である、請求項1から3のいずれか1項に記載の回路基板。
- 前記銅めっき層の平均厚みが2μm以下である、請求項1から4のいずれか1項に記載の回路基板。
- 前記導体層の平均厚みが100μm以上300μm以下である、請求項1から5のいずれか1項に記載の回路基板。
- 前記無機フィラーが、シリカおよび/またはリン酸タングステン酸ジルコニウムである、請求項1から6のいずれか1項に記載の回路基板。
- ガラスレスの導体パターンを形成するための回路基板用の導体ペーストであって、
銅粉末と、無機フィラー粉末と、熱可塑性樹脂と、溶媒と、を含み、
前記無機フィラー粉末は、実質的にガラスを含まず、平均粒子径が10μm以上50μm以下であり、
前記導体パターンを形成したときに、該導体パターンの体積熱膨張率が12ppm/℃以下であり電気抵抗率が20μΩ・cm未満であることを実現する、導体ペースト。 - 前記銅粉末と前記無機フィラー粉末との合計体積を100体積%としたときに、前記無機フィラー粉末の体積比率が25体積%以上45体積%以下である、請求項8に記載の導体ペースト。
- 前記銅粉末の平均粒子径が1μm以上10μm以下である、請求項8または9に記載の導体ペースト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014056058A JP6199778B2 (ja) | 2014-03-19 | 2014-03-19 | 回路基板と回路基板用の導体ペースト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014056058A JP6199778B2 (ja) | 2014-03-19 | 2014-03-19 | 回路基板と回路基板用の導体ペースト |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015179721A true JP2015179721A (ja) | 2015-10-08 |
JP6199778B2 JP6199778B2 (ja) | 2017-09-20 |
Family
ID=54263604
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014056058A Active JP6199778B2 (ja) | 2014-03-19 | 2014-03-19 | 回路基板と回路基板用の導体ペースト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6199778B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017200174A1 (ko) * | 2016-05-18 | 2017-11-23 | 엘지전자(주) | 후막인쇄기법을 이용한 절연기판 |
JP2020181672A (ja) * | 2019-04-24 | 2020-11-05 | 京セラ株式会社 | 導電性接着用シート、導電性接着用シートの製造方法及び半導体装置 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63144554A (ja) * | 1986-12-09 | 1988-06-16 | Tdk Corp | 厚膜混成集積回路基板の製造方法 |
JPH10256687A (ja) * | 1997-03-14 | 1998-09-25 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | ビアホール充填用導体ペースト組成物とそれを用いたプリント配線基板 |
JPH11181250A (ja) * | 1997-12-22 | 1999-07-06 | Ngk Spark Plug Co Ltd | スルーホール充填用ペースト及びそれを用いたプリント配線板 |
JP2003243804A (ja) * | 2002-02-14 | 2003-08-29 | Mitsuboshi Belting Ltd | 銅導体ペーストを用いた厚膜回路基板の製造方法 |
JP2004207206A (ja) * | 2002-10-29 | 2004-07-22 | Kyocera Corp | 銅メタライズ組成物およびそれを用いたガラスセラミック配線基板 |
-
2014
- 2014-03-19 JP JP2014056058A patent/JP6199778B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63144554A (ja) * | 1986-12-09 | 1988-06-16 | Tdk Corp | 厚膜混成集積回路基板の製造方法 |
JPH10256687A (ja) * | 1997-03-14 | 1998-09-25 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | ビアホール充填用導体ペースト組成物とそれを用いたプリント配線基板 |
JPH11181250A (ja) * | 1997-12-22 | 1999-07-06 | Ngk Spark Plug Co Ltd | スルーホール充填用ペースト及びそれを用いたプリント配線板 |
JP2003243804A (ja) * | 2002-02-14 | 2003-08-29 | Mitsuboshi Belting Ltd | 銅導体ペーストを用いた厚膜回路基板の製造方法 |
JP2004207206A (ja) * | 2002-10-29 | 2004-07-22 | Kyocera Corp | 銅メタライズ組成物およびそれを用いたガラスセラミック配線基板 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017200174A1 (ko) * | 2016-05-18 | 2017-11-23 | 엘지전자(주) | 후막인쇄기법을 이용한 절연기판 |
JP2020181672A (ja) * | 2019-04-24 | 2020-11-05 | 京セラ株式会社 | 導電性接着用シート、導電性接着用シートの製造方法及び半導体装置 |
JP7137895B2 (ja) | 2019-04-24 | 2022-09-15 | 京セラ株式会社 | 導電性接着用シート、導電性接着用シートの製造方法及び半導体装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6199778B2 (ja) | 2017-09-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI536877B (zh) | 陶瓷通孔基板、金屬化陶瓷通孔基板、此等之製造方法 | |
TWI286328B (en) | A glass composition, a thick film composition comprising the same, and use of the thick film composition on a multilayer circuit comprising aluminum nitride substrates | |
JP6199778B2 (ja) | 回路基板と回路基板用の導体ペースト | |
JP5922739B2 (ja) | セラミックスビア基板、メタライズドセラミックスビア基板、これらの製造方法 | |
JP2007273914A (ja) | 配線基板および配線基板の製造方法 | |
JP6307009B2 (ja) | 回路基板と回路基板用の導体ペースト | |
JP2015086090A (ja) | 導体ペーストとこれを用いた放熱性基板 | |
JP6346518B2 (ja) | 放熱性基板 | |
JP2007284327A (ja) | セラミックス組成物及び積層セラミック回路装置 | |
TW201240026A (en) | Substrate on which element is to be mounted, and process for production thereof | |
JP5356305B2 (ja) | 絶縁層を有する高熱伝導性基板ならびに該絶縁層形成用材料 | |
JP2004288548A (ja) | 圧電セラミック材用導体ペースト及びその利用 | |
JP6215150B2 (ja) | 放熱性基板 | |
JP4782397B2 (ja) | 導体ペーストおよびそれを用いた配線基板の製造方法 | |
JP4012601B2 (ja) | 銅メタライズ組成物及びそれを用いたガラスセラミック配線基板 | |
JP2004228410A (ja) | 配線基板 | |
JP5004548B2 (ja) | 低温焼成磁器およびその製造方法、ならびにそれを用いた配線基板 | |
JP4665130B2 (ja) | 導電性ペーストおよび導電層付き基板製造方法 | |
JPH1192256A (ja) | 無機基板用導体、導体用ペースト及びこれを用いた無機多層基板 | |
JP2004055557A (ja) | 銅ペーストとそれを用いた配線基板及び配線基板の製造方法 | |
JPH11186727A (ja) | 配線基板およびその製造方法 | |
JP4762711B2 (ja) | セラミック焼結体及び配線基板 | |
JP2010034273A (ja) | 多層配線基板およびその製造方法 | |
JP4099054B2 (ja) | 銅メタライズ組成物、並びに、配線基板およびその製法 | |
JP2891518B2 (ja) | 窒化アルミニウム多層配線板の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20161012 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170614 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170803 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170824 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6199778 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |