JP2004055557A - 銅ペーストとそれを用いた配線基板及び配線基板の製造方法 - Google Patents

銅ペーストとそれを用いた配線基板及び配線基板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004055557A
JP2004055557A JP2003276190A JP2003276190A JP2004055557A JP 2004055557 A JP2004055557 A JP 2004055557A JP 2003276190 A JP2003276190 A JP 2003276190A JP 2003276190 A JP2003276190 A JP 2003276190A JP 2004055557 A JP2004055557 A JP 2004055557A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wiring board
copper
copper paste
parts
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003276190A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Sumi
墨 泰志
Hidetoshi Mizutani
水谷 秀俊
Manabu Sato
佐藤 学
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP2003276190A priority Critical patent/JP2004055557A/ja
Publication of JP2004055557A publication Critical patent/JP2004055557A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Parts Printed On Printed Circuit Boards (AREA)
  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)

Abstract

【課題】 セラミック基板上に印刷されて同時に焼成され、セラミック基板の反りやウネリを低減できる銅ペースト、およびこの銅ペーストを用いた配線基板及び配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 銅粉末と有機ビヒクルと平均粒子径が50nm以下のSiO2微粒子よりなる銅ペーストを得る。そして、この銅ペーストを塗布して湿潤窒素雰囲気中で脱バインダー処理を行って焼成し、配線基板を得る。
【選択図】 なし

Description

 本発明は、配線基板上に回路を形成するために、セラミックグリーンシート上に印刷して同時焼成される銅ペースト、及びそれを用いた配線基板に関するものであり、特に高周波回路を形成するために用いられ、伝送損失が少なくて高密度な実装ができる銅ペースト、及びそれを用いた配線基板に関するものである。
 近年、配線基板は、情報通信の高速化に伴い、GHz帯以上の高周波領域で使用され、伝送損失の低減が要求されている。このため、配線基板は、比較的低い誘電率をもつセラミック基板上に、導体抵抗が低くて低融点な金属である銀や銅等から成る導体層が形成されている。回路の高密度化が進むにしたがい、銀よりも耐マイグレーション性に優れた銅を導体層に用いた配線基板が要求されている。
 銅を導体層に用いた配線基板を作製するには、銅の酸化を抑制しつつ有機成分の除去を効率良く行う必要がある。例えば、湿潤窒素雰囲気中(水蒸気と窒素ガスの混合雰囲気中)で焼成する方法が知られている。まず、セラミック原料粉末と有機バインダー、溶媒等を用いて調製したスラリーを作製し、ドクターブレード法等のシート成形法によりセラミックグリーンシートを成形する。このセラミックグリーンシート上に、銅ペーストを用いて配線パターン印刷して乾燥させ、次いで、このセラミックグリーンシートを、水蒸気と窒素ガスの混合雰囲気中において、数百℃の温度で脱バインダーを行って銅ペースト及びセラミックグリーンシートに含有される有機成分を除去し、略1000℃以上に昇温して焼成を行うことにより作製される。
 配線基板は、焼成工程において導体層となる銅と絶縁層となるセラミック基板との焼結温度及び焼成収縮のタイミングが異なるので、焼成によって反りやうねりが発生しやすい。
 この問題を改善するために、例えば、特定の無機物を添加した銅ペーストを導体層として用い、ガラスセラミック磁器と同時焼成したものがある。つまり、銅ペースト中に特定の無機物を添加することにより銅の収縮開始温度とセラミック磁器の収縮開始温度とを近づけてガラスセラミック磁器と同時焼成し、焼成後の基板の反りやうねりを低減しようとするものがある(例えば、特許文献1参照)。
 また、ガラスセラミックグリーンシート上に非結晶性のガラス粉末を含有させた銅ペーストを印刷して焼成し、銅の低温下での急激な焼結を抑制し、焼成後の基板の反りやうねりを低減しようとするものがある(例えば、特許文献2参照)。
特開平10−95686号公報(第3−5頁) 特開平8−148783号公報(第3−4頁)
 しかしながら、特許文献1に記載された技術によれば、銅ペースト中に特定の無機物を添加しているので、導体層となる銅の焼結が阻害されて緻密な焼結を得ることができず、導体層の抵抗値が高くなるという問題点がある。
 また、特許文献2に記載された技術によれば、銅ペーストにガラスフリットを添加しているので、焼成した後に、導体層の表面にガラスが浮き出して残留しやすく、メッキ処理及び半田付け処理が困難になるという問題点がある。
 本発明は、前記問題点を解決するもので、導体層に銅を用いた配線基板において、焼成による反りやうねりを低減でき、配線基板の表面に微細で緻密な配線パターンを形成でき、メッキ性及び半田付け性に優れた配線基板を製造できる銅ペーストとそれを用いた配線基板及び配線基板の製造方法を提供することを目的とするものである。
 かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、銅粉末と有機ビヒクルと平均粒子径が50nm以下のSiO2微粒子とを含有することを特徴とする銅ペーストである。
 この銅ペーストを湿潤窒素雰囲気中にさらすと、焼成時に銅粉末の焼結性が向上されて緻密で低抵抗な導体層が形成され、メッキ性及び半田付け性が良好であり、且つ、反りやうねりが小さい配線基板を得ることができるという作用効果が得られる。
 前記SiO2微粒子は、焼成温度よりも低温域で行われる脱バインダー過程においては、銅粉末の焼成開始温度を高くして緻密化させないようにして、有機成分の飛散を容易にする作用効果を奏すると共に、銅粉末の焼結開始温度とセラミックグリーンシートの焼結開始温度とを近づける作用効果を奏する。しかし、脱バインダー工程で湿潤窒素中にさらされたことにより、その後の高温下での焼成過程においては逆に、銅粉末の焼結を促進させて緻密な焼結体を形成させるために、セラミック基板の反りやうねりの発生を抑制する作用効果を奏することができる。このように、本発明の銅ペーストは、終始酸化雰囲気中で焼成される導体ペースト(例えば、銀、金等の貴金属系ペースト)では奏することのできない特異な効果を奏することができる。
 また、SiO2微粒子は、その平均粒径が50nm以下が好ましく、40nm以下がより好ましく、30nm以下が更に好ましい。その理由は、平均粒径が50nmより大きいと、配線基板に反りやうねりが発生しやすくなるので好ましくないからである。また、SiO2微粒子は、その平均粒径の下限値が小さいほど配線基板の反りやうねりが発生しにくく好ましいが、実用上、5nmで良い。
 また、SiO2微粒子は、疎水処理をしないで表面が親水性であることが好ましい。その理由は、疎水処理をしたものは、銅ペースト中に含まれる有機成分の分解性が悪くなるので好ましくない。
 また、請求項2に記載の銅ペーストのように、SiO2微粒子の添加量は、銅粉末100質量部に対し、0.1〜5.0質量部の範囲が好ましく、更に0.5〜2.0質量部が好ましい。その理由は、0.1質量部より小さいと配線基板に反りやうねりが発生し易く、5.0質量部より大きいと導電体のメッキ性や半田付け性を損なうからである。
 請求項1に記載の銅ペーストは、銅粉末の平均粒径が0.5μm〜10μmの範囲が好ましく、更に1〜7μm、特には2〜5μmが好ましい。その理由は、銅粉末の平均粒径が0.5μmより小さいと銅の焼結開始温度が低くなりすぎて配線基板に反りやうねりが発生することがあり、銅粉末の平均粒径が10μmより大きいと、配線基板に微細な配線パターンを形成することが困難になるからである。銅粉末の形状は、略球状、樹枝状、フレーク状等のいずれでも使用できる。
 また、銅ペーストは、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の化合物を含まないものが好ましい。その理由は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の化合物を含むと、配線基板の誘電損失などの電気特性が損なわれるからである。
 また、銅ペーストは、ガラスフリットが含まれていないものが好ましい。その理由は、ガラスフリットが含まれていると、焼成後の導体層表面にガラスが残留して、メッキ性や半田付け性を損なうからである。
 有機ビヒクルは、有機高分子を有機溶剤に溶解させたもので有り、この有機高分子は、エチルセルロース、アクリル樹脂、ポリメチルスチレン、ブチラール樹脂、PTFE、アルキッド樹脂、ポリアルキレンカーボネート等の少なくともいずれか一つを用いる。特に、アクリル樹脂が好ましく、更には、ポリ―n―ブチルメタクリレート、ポリ―2−エチルヘキシルメタクリレートが好ましい。その理由は、焼成において分解性を向上させて緻密で低抵抗の導体層を得ることができるからである。
 また、有機ビヒクルの含有量は、銅粉末100質量部に対して、20〜40質量部の範囲が好ましく、20〜30質量部の範囲がより好ましい。その理由は、有機ビヒクルの含有量が20質量部未満の場合、銅ペーストの流動性が低下し、配線基板に銅ペーストを塗布する際に、作業性を損ない好ましくないからであり、一方、有機ビヒクルの含有量が40質量部を越えると、配線基板に銅ペーストを塗布して乾燥させると導体層の厚みがバラツキ易く好ましくないからである。
 また、銅ペーストの粘度は、5000ポイズ〜30ポイズの範囲が好ましい。その理由は、銅ペーストの粘度が5000ポイズを越えると、銅ペーストの流動性が低下し、配線基板に銅ペーストを塗布する際に、作業性を損ない好ましくないからであり、一方、銅ペーストの粘度が30ポイズ未満であると、配線基板に銅ペーストを塗布して乾燥させると導体層の厚みがバラツキ易く好ましくないからである。
 有機溶剤は、テルピネオール、ブチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトール、シブチルフタレート等の高沸点溶剤を使用することが好ましい。
 尚、本発明の銅ペーストは、可塑剤、増粘剤、レベリング剤、消泡剤等の成分が含有されていてもよい。
 請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の銅ペーストをセラミックグリーンシートに塗布して焼成し、導体層と絶縁層とを形成したことを特徴とする配線基板である。
 本発明の配線基板は、同時焼結性に優れた銅ペーストが用いられているので、導体層の抵抗値が低く、微細な配線パターンが得られ、且つ、焼成において反りやうねりなどの変形が少ないものが得られるという作用効果を有する。
 また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の配線基板において、導体層の比抵抗が3×10-6Ω・cm以下であることを特徴とする。
 請求項4に記載の配線基板によれば、緻密に焼結された導体層によって比抵抗値が3×10-6Ω・cm以下となっているので、10GHz帯以上の高周波信号を伝送する配線基板において伝送損失を低減できるという作用効果が得られる。
 また、請求項5に記載の発明は、請求項3又は請求項4に記載の配線基板において、絶縁層中のアルカリ金属含有量が酸化物換算で0.5mol%以下であることを特徴とする。
 請求項5に記載の配線基板によれば、配線基板の誘電損失などの電気特性が損なわれることなく、高周波帯域で安定した電気特性を有するという作用効果が得られる。特に、アルカリ金属含有量が酸化物換算で0.5mol%以下に規定することにより、10GHzの伝送信号における誘電損失が0.003以下となり高周波特性の優れた配線基板が得られる。
 また、アルカリ金属含有量を酸化物換算で0.2mol%以下若しくは0.3mol%以下に規定することで誘電損失を0.0015以下若しくは0.002以下にでき周波特性の優れた配線基板が得られる。
 また、請求項6に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の銅ペーストを用いて、請求項3〜請求項5の何れか記載の配線基板を製造する製造方法であって、銅ペーストを塗布したセラミックグリーンシートを、650〜900℃の湿潤窒素中(水蒸気と窒素ガスの露点が70℃の混合雰囲気)で有機成分を除去(脱バインダー工程)し、次いで、850〜1050℃で焼成することを特徴とする配線基板の製造方法である。ここで、脱バインダー工程は、続く焼成温度を越えない範囲で設定される。
 まず、650℃〜900℃の湿潤窒素中でセラミックグリーンシートおよび銅ペースト中に含まれる有機成分が除去(脱バインダー工程)される。ここで、脱バインダー工程は、続く焼成温度を越えない範囲で設定される。銅ペースト中の銅粉末の周囲にSiO2微粒子が分散された状態で脱バインダーされているので、脱バインダー中は銅粉末の焼結開始が抑制されているが、続く高温下での焼成過程においては、脱バインダー時に湿潤窒素中に曝されたことにより銅粉末の焼結が促進されるので、緻密な導体層を得ることができる。
 脱バインダー工程に次いで行われる焼成過程では、850℃〜1050℃の窒素中または湿潤窒素中で銅とセラミックグリーンシートとが同時に焼成される。それぞれの焼結開始の温度と焼成収縮のタイミングとが近くなるように制御されているので、反りやうねりが無く、緻密で低抵抗で、高周波信号の伝送損失が少ない配線基板を得ることができるという作用効果を有する。
 以下に、一実施例を用いて本発明の請求項1〜請求項6に記載の発明について説明する。
 (1)セラミックグリーンシートの作製
 まず、SiO2が63.3質量部、B23が24.1質量部、Al23が5.7質量部、CaOが6.9質量部の組成を有するガラス粉末50質量部と、アルミナフィラー50質量部とを混合させて粒径2.5μm、アルカリ金属不純物含有量が0.2mol%以下のアルミナとガラスの混合粉末を準備した。
 次いで、アルミナとガラスの混合粉末100質量部に対して、アクリル樹脂から成るバインダーを20質量部とフタル酸ジブチルから成る可塑剤10質量部、適量のトルエン・MEK混合溶媒とを加えスラリーを作製した。
 次いで、前記スラリーを用いてドクターブレード法等のシート成形により厚さ250μmのセラミックグリーンシートを成形した。このセラミックグリーンシートは、比較的低温(ここでは、1000℃をいう)で焼成できる低温焼成用のグリーンシートである。
 (2)銅ペーストの作製
 次いで、銅紛100質量部に対して、ビヒクルを25質量部と(表1)に表した添加剤とを加え、3本ロールミルで混合して銅ペーストを作製した。
Figure 2004055557
 (表1)に示すように、本発明の実施例として実施例A〜Kの組成を有する銅ペーストを作製するとともに、本発明の効果と比較するために比較例A〜Dの組成を有する銅ペーストを作製した。
 実施例A〜Kは、A〜Fは粒径が4.7μmの銅粉末に粒径が12nmのSiO2を添加し、このとき、SiO2の添加量を0.1質量部〜5.0質量部の範囲で変化させたものである。
 実施例G〜Iは、粒径が0.7μm、2.7μm、8.8μmの銅粉末に粒径が12nmのSiO2を1.0質量部添加したものである。
 実施例J、Kは、粒径が4.7μmの銅粉末にSiO2を1.0質量部添加し、このとき、SiO2の粒径を7nmと30nmに代えて選択したものである。
 比較例Aは、粒径が4.7μmの銅粉末を用い、添加剤が無添加の銅ペーストであり、比較例Bは、粒径が4.7μmの銅粉末に粒径が200nmのSiO2を添加した銅ペースト、比較例Cは、粒径が4.7μmの銅粉末に粒径が13nmのAl23を1.0質量部添加した銅ペースト、比較例Dは粒径が4.7μmの銅粉末に粒径が2.5μmのガラスを1.0質量部添加した銅ペーストである。
 (3)配線基板の作製
 次いで、前記のグリーンシートと銅ペーストを用いて、評価用のサンプルと成る配線基板を作製した。
 まず、セラミックグリーンシートを縦50mm×横60mmの寸法に裁断してセラミックグリーンシート片を作製し、このセラミックグリーンシート片の略中央部に縦15mm×横15mm×厚み20μmの寸法で銅ペーストを印刷した試験片Aと、前記セラミックグリーンシート片の上面中央に、0.2mmの幅で57mmの長さ、厚み20μmの寸法で銅ペーストを印刷した試験片Bとを作製した。
 次いで、前記試験片Aと試験片Bとを、水蒸気と窒素ガスの混合雰囲気を調製した炉内に曝し、850℃の温度下で9時間放置し、銅ペースト及びセラミックグリーンシート中に含有する有機成分を脱脂し、続けて、乾燥窒素ガスに置換した後1000℃に昇温して、2時間放置し、焼成を行って配線基板を作製した。
 次に、試験片Aを用いて作製した配線基板を用いてうねり量を測定した。うねり量は、配線基板中の銅ペーストの印刷されていない部分と銅ペーストの印刷された部分との最大となる凹凸量を測定し、配線基板の銅パターンのある面方向に凸の形状は+の符号で付与し、配線基板の銅パターンのない面方向に凸の形状は−の符号を付与し、その結果を表1に示した。また、この試験片AのCuパターンにNiメッキをし、さらにNiの上面にAuメッキをした後、260℃の共晶点半田層中に浸漬して、半田の付着面積を観察して、半田濡れ性を比較評価した。半田濡れ性は半田の付着面積が95%以上のものを良好とし、半田の付着面積が95%未満のものを不良とした。
 また、試験片Bを用いて、銅パターンの、幅、厚さ、長さと所定長さあたりの抵抗値を測定し、比抵抗値を測定し、その結果を(表1)に示した。
 表1に示すように、本発明の実施例A〜Kは、配線基板のうねり量が−0.02mm〜+1.52mm、比抵抗が2.0〜3.2μΩ・cmの範囲であり、うねり量が小さく、比抵抗値の低い配線基板を得ることができた。
 比較例Aは、本発明の実施例A〜Fとを比較すると、銅粉末の粒径が4.7μmであり本発明と等しく、添加物としてSiO2がされておらず、その結果、回路基板のうねり量が+2.07mmと大きくなっていることが判る。
 また、比較例Bは、本発明の実施例Dとを比較すると、銅粉末の粒径が4.7μmであり本発明の実施例Dと等しく、SiO2の粒径が200nmであり本発明の実施例Dの粒径(12nm)よりも大きく、その結果、配線基板のうねり量が+1.98mmと大きくなっていることが判る。SiO2の粒径は50nm以下が好ましい。
 また、比較例Cは、本発明の実施例A〜Fと比較すると、銅粉末の粒径が4.7μmであり本発明と等しく、添加物としてAl23を添加した結果、比抵抗値が4.4μΩ・cmと大きくなっていることが判る。
 また、比較例Dは、本発明の実施例Dと比較すると、銅粉末の粒径が4.7μmであり本発明と等しく、添加物としてSiO2に代えて同量のガラスを添加した結果、うねり量と比抵抗値が本発明の実施例Dと略同等であるが、導体層の表面にガラスの浮き出しがあって半田濡れ性が劣化し、メッキ性や半田付け性が損なうことが判る。
 また、本発明の実施例中、実施例C、D、Eは、配線基板のうねり量が+0.28mm〜−0.02mmと小さく、比抵抗値も他の実施例と同等の水準であるので、SiO2の添加量が特に0.5質量部〜2.0質量部の範囲にあるのが好ましいことが判る。
 次いで、上記のように作製したセラミックグリーンシートと実施例Iで表した組成を有する銅ペーストを用いて、複数のセラミック層と導体層とを積層して多層化した配線基板を作製した。図1は、その作製した配線基板の構成を表す断面図である。
 図1において、配線基板10は、ビアホールが形成された複数のセラミックグリーンシートの表面に銅ペーストを印刷するとともにビアホール内に銅ペーストを充填し、これらを乾燥して積層した後に、水蒸気と窒素ガスの混合雰囲気(水蒸気と窒素ガスの露点が70℃の混合雰囲気である)を調製した炉内に曝して850℃の温度下で放置して脱脂し、その後、乾燥窒素に置換した後、1000℃の温度下で2時間放置して焼成を行い、形成されている。
 そして、配線基板10は、セラミック層11〜14のそれぞれ重なり合う面に導体層24〜29が形成され、導体層24〜29がビア導体36〜47で接続されている。
 また、セラミック層11の下面には、ビア導体36〜41に夫々接続するように導体層18〜23が形成されている。この導体層18〜23は、ビア導体36〜41の露出面上に銅ペーストを印刷して同時焼成により形成し、この導体の表面にNiメッキをし、次いでNiメッキの表面にAuメッキを行って形成したものである。
 また、セラミック層14の上面には、ビア導体42〜47に夫々接続するようメッキ層30〜35が形成されている。このメッキ層30〜35は、ビア導体42〜47の露出面にNiメッキをし、Niメッキの表面にAuを行って形成されたものである。そして、前記メッキ層30〜35に重なるように半導体素子の端子(図示せず)が半田付けして接続される。
 前記のように、配線基板10は、下段のセラミック層11の導体層18〜23が、前記ビア導体36〜47、導体層24〜29等を介して上段のセラミック層14のメッキ層30〜35と接続され、このメッキ層30〜35を介して図示しない回路部品の端子と接続して電気回路が構成されている。
 以上のようして得られた配線基板10は、焼成による反りやうねりが小さく良好であった。
 また、配線基板10は、10〜40GHzの高周波信号に対しても、伝送損失が低く、高周波特性が良好であった。また、この配線基板10上に形成した数十ミクロンの幅の導体層を顕微鏡で拡大して観察したところ、メッキの付着にむらが無く、高精度のパターンが得られた。
 「本発明の効果を検証するための参考実験」
 次に、本発明の実施例による銅ペーストと比較例による銅ペーストとの収縮率を比較し、本発明の効果を検証する基礎とした。
 まず、表2に表したように、前記(表1)実施例D、比較例A、比較例Cで用いた銅と添加剤との混合粉末を準備した。次いで、これらの混合粉末を用いて一軸成形を行った後に150MPAの圧力を加えて冷間静水圧成形を行い、銅を主成分とする3×3×18mmの直方体の成形体を得た。
 次に、前記成形体を窒素雰囲気中において、20℃〜1000℃まで10℃/min.の速度で昇温し、このときの収縮率をTMA(熱力学的分析)を用いて測定し、その結果を(表2)に表した。
Figure 2004055557
 (表2)に示すように、実施例Dと比較例Cは収縮率がほぼ同等であり、比較例Aがもっとも収縮率が小さい。しかし、実施の形態により作製した配線基板においてその導体部をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察したところ、本発明の実施例Dは比較例C及びAに較べて緻密化されていた。
 したがって、本発明の銅ペストを用いて配線基板を製造することにより、収縮率の大小に関わらず、導体層(銅)の焼結性が顕著に向上することが判った。
 前記の構成を有する実施例における、銅ペーストと配線基板及びその製造方法の作用効果を、以下に記載する。
 本実施例の銅ペーストは、セラミックグリーンシート上に印刷され、一旦湿潤窒素雰囲気中でさらされた後に焼成されると緻密な導体層が形成され、抵抗値が小さく、反りやうねりが小さい配線基板を得ることができる。
 また、本実施例の配線基板は、緻密に焼結された導体層によって比抵抗値が3×10-6Ω・cm以下となっているため10GHz帯以上の高周波信号を伝送する配線基板においても伝送損失を低減できる。
 また、本実施例の配線基板は、誘電損失などの電気特性が損なわれることなく、高周波帯域で安定した電気特性を有し、特に、10GHzにおける誘電損失が0.003以下となり高周波特性が優れている。
 また、本実施例の配線基板の製造方法によれば、銅の焼結が促進され緻密な焼結が得られるので抵抗値が少なくて高周波信号の伝送損失が少ない配線基板を得ることができる。
 尚、本実施例において、銅ペースト中にはガラスを含有させないものとしたが、配線基板のパターン設計に合わせて、半田付け性やメッキ性が損なわれない程度に微量のガラスが含有されても良い。
 また、本実施例においては、導体層として銅の上面にNiをメッキし、さらにその上面にAuをメッキしたが、この銅の上面には低抵抗を有する他の金属をメッキしてもよい。
 また、本発明の配線基板は、導体層の比抵抗値が小さく安定した電気特性を有するので、配線基板内に半導体素子を封入した半導体素子収納用パッケージとして用いると好ましい。
本発明が適用された実施例の配線基板の構成を表す断面図である。
符号の説明
 10…配線基板、11〜14…セラミック層、18〜23,24〜29…導体層、30〜35…メッキ層、36〜47…ビア導体。

Claims (6)

  1.  銅粉末と有機ビヒクルと平均粒子径が50nm以下のSiO2微粒子とを含有することを特徴とする銅ペースト。
  2.  前記SiO2微粒子は、銅粉末100質量部に対して0.1〜5.0質量部含有されている請求項1に記載の銅ペースト。
  3.  請求項1又は請求項2に記載の銅ペーストをセラミックグリーンシートに塗布して焼成し、導体層と絶縁層とを形成したことを特徴とする配線基板。
  4.  前記導体層は、比抵抗が3×10-6Ω・cm以下であることを特徴とする請求項3に記載の配線基板。
  5.  前記絶縁層中のアルカリ金属含有量が酸化物換算で0.5mol%以下であることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の配線基板。
  6.  請求項1又は請求項2に記載の銅ペーストを用いて、請求項3〜請求項5の何れか記載の配線基板を製造する製造方法であって、銅ペーストを塗布したセラミックグリーンシートを、650〜900℃の湿潤窒素中で有機成分を除去し、次いで、850〜1050℃で焼成することを特徴とする配線基板の製造方法。
JP2003276190A 2002-07-17 2003-07-17 銅ペーストとそれを用いた配線基板及び配線基板の製造方法 Pending JP2004055557A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003276190A JP2004055557A (ja) 2002-07-17 2003-07-17 銅ペーストとそれを用いた配線基板及び配線基板の製造方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002208319 2002-07-17
JP2003276190A JP2004055557A (ja) 2002-07-17 2003-07-17 銅ペーストとそれを用いた配線基板及び配線基板の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004055557A true JP2004055557A (ja) 2004-02-19

Family

ID=31949498

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003276190A Pending JP2004055557A (ja) 2002-07-17 2003-07-17 銅ペーストとそれを用いた配線基板及び配線基板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004055557A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010108917A (ja) * 2008-09-30 2010-05-13 Mitsuboshi Belting Ltd スルーホール充填用銅導体ペースト、銅導体スルーホール充填基板の製造方法、銅導体スルーホール充填基板、回路基板、電子部品、半導体パッケージ
WO2013111767A1 (ja) * 2012-01-27 2013-08-01 株式会社村田製作所 多層配線基板
JP2015192135A (ja) * 2014-03-31 2015-11-02 日本特殊陶業株式会社 多層セラミック配線基板
JP2015195233A (ja) * 2014-03-31 2015-11-05 日本特殊陶業株式会社 多層セラミック配線基板

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63174203A (ja) * 1987-01-13 1988-07-18 富士通株式会社 導電性ペ−スト
JPH03285965A (ja) * 1990-03-31 1991-12-17 Fujitsu Ltd グリーンシート用導体ペースト組成物
JPH06318404A (ja) * 1993-05-07 1994-11-15 Murata Mfg Co Ltd 誘電体磁器組成物粉末およびそれを用いた積層セラミックコンデンサ
JPH0992030A (ja) * 1995-09-22 1997-04-04 Sumitomo Bakelite Co Ltd 導電性銅ペースト組成物
JPH11284296A (ja) * 1998-01-29 1999-10-15 Kyocera Corp 配線基板
JP2002037661A (ja) * 2000-07-28 2002-02-06 Ngk Spark Plug Co Ltd 低温焼成磁器組成物

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63174203A (ja) * 1987-01-13 1988-07-18 富士通株式会社 導電性ペ−スト
JPH03285965A (ja) * 1990-03-31 1991-12-17 Fujitsu Ltd グリーンシート用導体ペースト組成物
JPH06318404A (ja) * 1993-05-07 1994-11-15 Murata Mfg Co Ltd 誘電体磁器組成物粉末およびそれを用いた積層セラミックコンデンサ
JPH0992030A (ja) * 1995-09-22 1997-04-04 Sumitomo Bakelite Co Ltd 導電性銅ペースト組成物
JPH11284296A (ja) * 1998-01-29 1999-10-15 Kyocera Corp 配線基板
JP2002037661A (ja) * 2000-07-28 2002-02-06 Ngk Spark Plug Co Ltd 低温焼成磁器組成物

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010108917A (ja) * 2008-09-30 2010-05-13 Mitsuboshi Belting Ltd スルーホール充填用銅導体ペースト、銅導体スルーホール充填基板の製造方法、銅導体スルーホール充填基板、回路基板、電子部品、半導体パッケージ
WO2013111767A1 (ja) * 2012-01-27 2013-08-01 株式会社村田製作所 多層配線基板
US9468100B2 (en) 2012-01-27 2016-10-11 Murata Manufacturing Co., Ltd. Multilayer wiring substrate
JP2015192135A (ja) * 2014-03-31 2015-11-02 日本特殊陶業株式会社 多層セラミック配線基板
JP2015195233A (ja) * 2014-03-31 2015-11-05 日本特殊陶業株式会社 多層セラミック配線基板

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4817951B2 (ja) 厚膜導体組成物ならびにltcc回路およびデバイスにおけるその使用
JP2007273914A (ja) 配線基板および配線基板の製造方法
JP4802039B2 (ja) セラミックス組成物及び積層セラミック回路装置
JPH1095686A (ja) 銅メタライズ組成物及びそれを用いたガラスセラミック配線基板
JP2018152218A (ja) 導電性ペースト、チップ電子部品及びその製造方法
JP2004228094A (ja) 多層セラミックキャパシタ用端子電極組成物
EP1383361A2 (en) Copper paste, wiring board using the same, and production method of wiring board
JP4528502B2 (ja) 配線基板
JP2004055557A (ja) 銅ペーストとそれを用いた配線基板及び配線基板の製造方法
JP5285016B2 (ja) 配線基板
JP3792391B2 (ja) 銅メタライズ組成物及びそれを用いたガラスセラミック配線基板
JP5004548B2 (ja) 低温焼成磁器およびその製造方法、ならびにそれを用いた配線基板
JP3537698B2 (ja) 配線基板およびその製造方法
JP2004056148A (ja) 銅ペースト及びそれを用いた配線基板
JP4646362B2 (ja) 導体組成物およびこれを用いた配線基板
JP4965276B2 (ja) 配線基板
JPH1153940A (ja) 銅メタライズ組成物及びそれを用いたガラスセラミック配線基板
JP4540297B2 (ja) 低温焼成磁器組成物および低温焼成磁器並びに配線基板
JPH11186727A (ja) 配線基板およびその製造方法
JP2002197922A (ja) 導電性ペーストおよびセラミック回路基板の製法
WO2021221174A1 (ja) 厚膜抵抗ペースト、厚膜抵抗体、及び電子部品
JP5110419B2 (ja) Ag粉末、導体ペースト及び多層セラミック基板とその製造方法
JP2010278117A (ja) 配線基板の製造方法
JP2010034273A (ja) 多層配線基板およびその製造方法
JP4544838B2 (ja) ビア導体用銅ペーストとそれを用いたセラミック配線基板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20060501

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Effective date: 20080912

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081007

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081208

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100316