JP2020181640A - 被覆正極活物質 - Google Patents

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Abstract

【課題】電池抵抗を低減できる被覆正極活物質の提供。【解決手段】全固体リチウムイオン電池に用いられる被覆正極活物質10であって、Li元素を含有する正極活物質1と、上記正極活物質1の表面に形成された被覆部2とを有し、上記被覆部2がポリシロキサン層2aを有する被覆正極活物質10。【選択図】図1

Description

本開示は、電池抵抗を低減できる被覆正極活物質に関する。
全固体電池は、正極層および負極層の間に固体電解質層を有する電池であり、可燃性の有機溶媒を含む電解液を有する液系電池に比べて、安全装置の簡素化が図りやすいという利点を有する。
特許文献1には、リチウム複合オキシフッ化物と、リチウム複合オキシフッ化物と結合し、絶縁性を有する有機ケイ素化合物とを含む正極活物質が開示されている。また、特許文献2には、正極活物質層、無機固体電解質層及び負極活物質層の少なくとも1層が、シロキサン結合を有する環状化合物の架橋重合体を含有する全固体二次電池が開示されている。また、特許文献3には、正極活物質の表面をLINbOで被覆した被覆正極活物質が開示されている。
特開2018−116927号公報 国際公開第2016/017525号パンフレット 特許第4982866号公報
全固体電池においては、電池抵抗が低いことが求められる。本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、電池抵抗を低減できる被覆正極活物質を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本開示においては、全固体リチウムイオン電池に用いられる被覆正極活物質であって、Li元素を含有する正極活物質と、上記正極活物質の表面に形成された被覆部とを有し、上記被覆部がポリシロキサン層を有する、被覆正極活物質を提供する。
本開示によれば、ポリシロキサン層を有する被覆部が形成されているため、電池抵抗を低減できる被覆正極活物質とすることができる。
本開示における被覆正極活物質は、電池抵抗を低減できるという効果を奏する。
本開示における被覆正極活物質の一例を示す概略断面図である。 実施例1〜3および比較例1〜3で得られた評価用電池の抵抗値を示すグラフである。 実施例1および比較例1で得られた評価用電池の容量維持率を示すグラフである。 実施例1得られた被覆正極活物質に対するTEM−EDX測定の結果である。
以下、本開示における被覆正極活物質の詳細を説明する。
図1は本開示における被覆正極活物質の一例を示す概略断面図である。図1(a)に示す被覆正極活物質10は、通常、全固体リチウムイオン電池に用いられ、Li元素を含有する正極活物質1と、正極活物質1の表面に形成された被覆部2とを有している。被覆部はポリシロキサン層2aを有している。被覆部は単層であっても複層であってもよく、単層の場合、被覆部2はポリシロキサン層2aである。また、複層の場合、図1(b)に示されるように、ポリシロキサン層2aの内側に、酸化物層2bが形成されていてもよい。なお、図1(a)(b)では、被覆正極活物質10として、1つの正極活物質1(一次粒子)の表面に被覆部2が形成された態様を図示したが、本開示における被覆正極活物質は、複数の正極活物質が集合した二次粒子の形態である正極活物質の表面に被覆部2が形成された態様であってもよい。
本開示によれば、ポリシロキサン層を有する被覆部が形成されているため、電池抵抗を低減できる被覆正極活物質とすることができる。例えば上述した特許文献3のように、正極活物質の表面をLiイオン伝導性のある酸化物で被覆することが知られている。ところが、被覆活物質の外層は、表面緩和により被覆正極活物質の表面構造が変化する場合がある。表面構造が変化すると、バルクの構造と違いが生じることから、被覆層の表面が低Liイオン伝導層となる場合がある。このように、被覆正極活物質の表面構造は安定しない場合があることから、電池抵抗が増加する恐れがある。また、全固体電池においては、正極活物質表面あるいは被覆層表面の不飽和原子と固体電解質表面の不飽和原子とが反応することによって界面反応層が形成される場合があり、この界面反応層により電池抵抗が増大する恐れがある。一方で、本開示における被覆正極活物質は、ポリシロキサン層が形成されていることで、上記低Liイオン伝導層を改質することができ、結果として電池抵抗を低減できると推察される。また、ポリシロキサン層により、被覆正極活物質界面における副次的な反応(界面反応層の形成)を抑制でき、サイクル特性が良好となると推察される。
1.正極活物質
本開示における正極活物質は、Li元素を含有する。正極活物質としては、例えば酸化物活物質が挙げられる。酸化物活物質としては、具体的には、LiCoO、LiMnO、LiNiO、LiVO、LiNi1/3Mn1/3Co1/3等の岩塩層状型活物質、LiMn、LiNi0.5Mn1.5等のスピネル型活物質、LiFePO、LiMnPO、LiNiPO、LiCuPO等のオリビン型活物質が挙げられる。
本開示における正極活物質の形状としては、例えば、粒子状が挙げられる。活物質の平均一次粒子径は、例えば50nm以上であり、100nm以上であってもよく、150nm以上であってもよい。一方、活物質の平均一次粒子径は、例えば3000nm以下であり、1500nm以下であってもよく、1000nm以下であってもよい。また、活物質の平均二次粒子径は、例えば1μm以上であり、2μm以上であってもよく、5μm以上であってもよく、7μm以上であってもよい。一方、活物質の平均二次粒子径は、例えば60μm以下であり、40μm以下であってもよい。なお、平均一次粒子径および平均二次粒子径は、例えばSEM(走査型電子顕微鏡)による観察によって求めることができる。サンプル数は、多いことが好ましく、例えば20以上であり、50以上であってもよく、100以上であってもよい。平均一次粒子径および平均二次粒子径は、例えば、活物質の製造条件を適宜変更したり、分級処理を行ったりすることで、適宜調整可能である。
2.被覆部
本開示における被覆部は、正極活物質の表面に形成された層であり、ポリシロキサン層を有する。
被覆部は単層であってもよく、2つ以上の層を有する複層であってもよい。被覆部が単層の場合、被覆部はポリシロキサン層である。被覆部が複層である場合、ポリシロキサン層の他にLiイオン伝導性を有する酸化物層を有していてもよい。また、相対的な位置関係として、正極活物質側から順に酸化物層およびポリシロキサン層が形成されていることが好ましい。
被覆部が複層である場合、正極活物質表面にLiイオン伝導性を有する酸化物層を形成することで、この酸化物層が電位緩和層として働き、抵抗を低減できる。酸化物層の材料としては、例えば、LiNbO、LiPO、LiPON等のLiイオン伝導性酸化物が挙げられる。
酸化物層の平均厚さは、特に限定されないが、例えば1nm以上100nm以下であり、1nm以上50nm以下であってもよい。
酸化物層は、正極活物質の表面の一部に形成されていてもよく、全面に形成されていてもよい。正極活物質の表面における酸化物層の被覆率は、例えば50%以上であってもよく、70%以上であってもよく、90%以上であってもよい。
ポリシロキサン層はポリシロキサンを含有する層である。ポリシロキサンは下記一般式(1)で示される、シロキサン結合(−Si−O―Si−)を有する化合物である。
一般式(1)において、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、カルボニル基、アルコキシ基、カルボン酸エステル基、アクリロキシ基であってもよい。nは、例えば3以上であり、10以上であってもよく、100以上であってもよい。RおよびRが炭素原子を含有する場合、炭素数は、例えば1〜10の範囲であってもよい。なお、ポリシロキサンは、例えばC=C等の不飽和原子を含有しないことが好ましい。被覆正極活物質と固体電解質層との界面に、界面反応層が形成されることを抑制できるからである。ポリシロキサンは、例えば直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、環状であってもよい。具体的なポリシロキサンとしては、Rが水素原子、Rがメチル基、n=4である、2、4、6、8−テトラメチルシクロテトラシロキサンを挙げることができる。
ポリシロキサン層の厚さは、例えば5nm以上であり、10nm以上であってもよい。一方でポリシロキサン層の厚さは、例えば20nm以下であり、15nm以下であってもよい。ポリシロキサン層が薄すぎると、本開示の効果が得られない恐れがあり、ポリシロキサン層が厚すぎると、電池としての単位重量または単位体積当たりの充放電容量が低下する恐れがある。ポリシロキサン層の厚さは、例えばポリシロキサンの種類等を変更することで調整することができる。
ポリシロキサン層は、正極活物質の表面または酸化物層の表面の一部に形成されていてもよく、全面に形成されていてもよい。ポリシロキサン層の被覆率は、例えば50%以上であってもよく、70%以上であってもよく、90%以上であってもよい。
ポリシロキサン層が形成されていることは、例えばTEM−EDX(透過型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分光法)測定により確認することができる。また、被覆部の形成方法については、後述する「3.被覆正極活物質の製造方法」に記載する。
3.被覆正極活物質の製造方法
被覆正極活物質の製造方法は、上述した被覆正極活物質が得られれば、特に限定されないが、例えば、Li元素を含有する正極活物質を準備する正極活物質準備工程と、上記正極活物質の表面に、ポリシロキサン層を有する被覆部を形成する被覆部形成工程と、を有する被覆正極活物質の製造方法とすることができる。このような製造方法であれば、ポリシロキサン層を有する被覆部を形成できるため、電池抵抗を低減できる被覆正極活物質を製造することができる。
正極活物質準備工程は、正極活物質を準備する工程であり、自ら合成して準備してもよく、市販品を購入して準備してもよい。正極活物質については、「1.正極活物質」と同様の内容であるためここでの記載は省略する。
被覆部形成工程は、正極活物質の表面に、ポリシロキサン層を有する被覆部を形成する工程である。正極活物質の表面に直接ポリシロキサン層を形成して単層の被覆部を形成してもよく、正極活物質の表面に、例えばLIイオン伝導性を有する酸化物層を形成し、この酸化物層を覆うようにポリシロキサン層を形成して、複層の被覆部を形成してもよい。
Liイオン伝導性を有する酸化物層の形成方法としては、例えば酸化物層の構成元素を含有する前駆体溶液を調製し、この前駆体溶液を正極活物質にコーティングして焼成する方法を挙げることができる。
例えば酸化物層がLiNbO(ニオブ酸リチウム)である場合、前駆体溶液は、Li源として、例えばエトキシリチウム等のLiアルコキシドと、Nb源として、例えばペンタエトキシニオブ等のNbアルコキシドと、溶媒として、例えば脱水エタノールを含有する。この前駆体溶液を、例えば流動層コーティング法およびスプレードライヤー法等により、正極活物質表面にコーティングした後、大気中で焼成することで、酸化物層を形成することができる。また、必要に応じて上記焼成の前に、加水分解促進処理を行うこともできる。このような加水分解促進処理としては、例えば特開2015−201252に開示された方法を挙げることができる
ポリシロキサン層の形成方法としては、例えばシロキサン系雰囲気中に活物質を配置する気相接触法を挙げることができる。気相接触法では、例えば正極活物質とポリシロキサンを含有する溶液とを密閉容器に配置し、加熱して所定時間保持することでポリシロキサンを気化させて正極活物質に接着させることができる。
ポリシロキサンについては、上記「2.被覆部」で記載した内容と同じである。加熱温度については、使用するポリシロキサンの種類に応じて適宜調整すればよいが、例えば80℃以上であり、100℃以上であってもよい。保持時間も特に限定されないが、例えば2時間以上であり、5時間以上であってもよく、10時間以上であってもよい。一方で保持時間は、例えば36時間以下であり、24時間以下であってもよく、12時間以下であってもよい。
ポリシロキサン層の形成方法としては、上記気相接触法以外にも、シロキサン系化合物を活物質に塗布して乾燥する液相接触法、およびシロキサン系化合物の粉体と活物質とを混合して加熱する固相接触法等を挙げることができる。
4.被覆正極活物質
本開示における被覆正極活物質は、一次粒子であってもよく、二次粒子であってもよい。つまり、正極活物質の一次粒子の表面に被覆部が形成された態様であってもよく、正極活物質が集合した二次粒子の表面に被覆部が形成された態様であってもよい。
本開示における被覆正極活物質は、通常、全固体リチウムイオン電池に用いられる。例えば、正極活物質層と、負極活物質層と、上記負極活物質層および上記負極活物質層の間に形成された固体電解質層と、を有し、上記正極活物質層が上述した被覆正極活物質を含有する、全固体リチウムイオン電池、とすることができる。このような全固体リチウムイオン電池は、正極活物質層が上述した本開示の被覆正極活物質を含有するため、電池抵抗が低い全固体リチウムイオン電池となる。
正極活物質層は、少なくとも上述した被覆正極活物質を含有する層であり、必要に応じて固体電解質、導電助剤および結着剤のうち少なくとも1つを有していてもよい。固体電解質は、全固体リチウムイオン電池に通常用いられる、従来公知の固体電解質とすることができるが、例えば硫化物固体電解質、酸化物固体電解質、窒化物固体電解質、ハロゲン化物等を挙げることができ、中でも硫化物固体電解質が好ましい。より本開示の効果を享受することができるからである。導電助剤および結着剤は、全固体リチウムイオン電池に通常用いられる、従来公知の導電助剤および結着剤とすることができる。
負極活物質層は、少なくとも負極活物質を含有する層であり、必要に応じで導電助剤および結着剤のうち少なくとも1つを有していてもよい。負極活物質、導電助剤および結着剤は、全固体リチウムイオン電池に通常用いられる、従来公知の負極活物質、導電助剤および結着剤とすることができる。
固体電解質層は、少なくとも固体電解質を有し、必要に応じて結着剤を含有していてもよい。固体電解質および結着剤は、全固体リチウムイオン電池に通常用いられる、従来公知の固体電解質および結着剤とすることができる。
全固体リチウムイオン電池は一次電池であってもよく、二次電池であってもよいが、中でも二次電池であることが好ましい。繰り返し充放電でき、例えば車載用電池として有用だからである。二次電池には、二次電池の一次電池的使用(初回充電のみを目的とした使用)も含まれる。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
[実施例1]
(被覆正極活物質の作製)
まず、正極活物質として、LiNi1/3Co1/3Mn1/3(日亜化学工業株式会社製)を準備した。
次いで、エトキシリチウム(株式会社高純度化学研究所製)を脱水エタノール(和光純薬工業株式会社製)に溶解させて均一分散させた後、これを攪拌しながら、モル比でリチウム:ニオブ=1:1となる量のペンタエトキシニオブ(株式会社高純度化学研究所製)を加え、均一に混合されるまで撹拌を続けることにより、リチウムイオンおよびニオブイオンを含有する前駆体溶液を調製した。
そして、準備した正極活物質粒子1kgに対し調製した前駆体溶液476gと、転動流動コーティング装置(MP−01、POWREX社製)とを用いて、正極活物質粒子へ前駆体溶液を噴霧して乾燥した。転動流動コーティング装置の運転条件は、吸気ガス:窒素、吸気温度:100℃、吸気風量:0.3m/h、ロータ回転数:300rpm、噴霧速度:1.5g/minとした。その後、加湿窒素ガス雰囲気下(露点温度:18℃、不純物濃度:59ppm以下の純窒素ガス)に4時間に亘って曝露させることにより、加水分解を促進させた。そして、大気中にて350℃、5時間の条件で熱処理を行うことで、正極活物質の表面に酸化物層を形成した。
その後、密閉容器内に、2、4、6、8−テトラメチルシクロテトラシロキサン溶液と、正極活物質とを、たがいに接触しないように配置した。密閉容器を100℃に加熱した状態で24時間保持することにより、正極活物質の酸化物層を覆うようにポリシロキサン層を形成した。このようにして、正極活物質の表面に酸化物層とポリシロキサン層の2層を有する被覆部が形成された被覆正極活物質を作製した。
(評価用電池の作製)
得られた被覆正極活物質と、硫化物系固体電解質(30LiI−4LiO−48.5LiS−17.5P)と、導電助材(気相成長炭素繊維、昭和電工株式会社製)とを、体積比で被覆正極活物質:硫化物系固体電解質:導電助材=50:50:5となるように秤量して混合することで、粉末状の正極合材を得た。また、負極活物質(天然黒鉛、三菱化学株式会社製)と、上記硫化物固体電解質とを、体積比で負極活物質:硫化物固体電解質=50:50となるように秤量して混合することで、粉末状の負極合材を得た。
内径11.28mmの筒状容器内にステンレス鋼(正極集電体)を入れ、その上に19.4mgの上記正極合材と、65.0mgの上記硫化物固体電解質と、11.9mgの上記負極合材と、ステンレス鋼(負極集電体)とをこの順で入れた。これにより、固体電解質層が正極層と負極層との間に配置された積層体を得た。この積層体に対して、422MPaの圧力でプレスすることにより、評価用電池(圧粉方式プレスセル)を作製した。なお、作製した電池において、負極容量は正極容量の1.2倍であり、拘束トルクは6Nmとした。また、作製した電池は、水分との反応を防ぐために、不活性ガス雰囲気のガラス製デシケーターに乾燥材(モレキュラーシーブ)とともに充填した。
[実施例2]
LiNbOによる被覆を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして被覆正極活物質および評価用電池を作製した。
[実施例3]
正極活物質として、スピネル構造を有するLiNi0.5Mn1.5(日亜化学工業株式会社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして被覆正極活物質および評価用電池を作製した。
[比較例1]
ポリシロキサンによる被覆を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして被覆正極活物質および評価用電池を作製した。
[比較例2]
ポリシロキサンによる被覆を行わなかったこと以外は、実施例2と同様にして被覆正極活物質および評価用電池を作製した。
[比較例3]
ポリシロキサンによる被覆を行わなかったこと以外は、実施例3と同様にして被覆正極活物質および評価用電池を作製した。
[評価]
(抵抗率)
実施例1〜3および比較例1〜3で得られた評価用電池に対して、正極の対リチウム金属電位が3.9Vとなる状態で、インピーダンスアナライザ(VMP3、Bio-logic製)を用いた交流インピーダンス測定を行った。なお、負極の対リチウム金属電位が0.1Vであったので、電池電圧としては3.8Vであった。結果を図2に示す。
(サイクル特性)
実施例1および比較例1で得られた評価用電池に対して、ポテンショスタットを用いて、10時間で目的電圧に達する電流値で、3V−4.5Vの範囲で20回繰り返し充放電を行った。容量維持率(サイクル特性)=(20回目の放電時の容量/初回放電時の容量)×100と定義して、サイクル特性を評価した。結果を図3に示す。
(TEM−EDX測定)
実施例1で得られた被覆正極活物質に対して、透過型電子顕微鏡(ARM−200F、日本電子社製)およびエネルギー分散型X線分光を用いて、TEM−EDX測定を行った。結果を図4に示す。
図2に示されるように、最外層にポリシロキサン層が形成された実施例1〜3は、比較例1〜3それぞれと比べて抵抗値が顕著に低かった。特に、正極活物質としてLiNi1/3Co1/3Mn1/3を用いた実施例1および実施例2は、比較例1および比較例2それぞれに対して約1/5程度まで抵抗値を下げることができた。また、図3に示されるように、実施例1は比較例1よりも容量維持率が向上していることが確認された。
また、図4に示されるように、実施例1の被覆正極活物質では、再表面(最外層)にSi元素が存在していることが確認でき、ポリシロキサン層が形成されていることが確認された。
1 …正極活物質
2 …被覆部
2a …ポリシロキサン層
2b …酸化物層
10 …被覆正極活物質

Claims (1)

  1. 全固体リチウムイオン電池に用いられる被覆正極活物質であって、
    Li元素を含有する正極活物質と、前記正極活物質の表面に形成された被覆部とを有し、
    前記被覆部がポリシロキサン層を有する、被覆正極活物質。
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