JP2020181013A - 電子写真感光体 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐摩耗性に優れ、形成画像におけるカブリの発生を抑制できる電子写真感光体を提供する。【解決手段】電子写真感光体1の感光層3は、電荷発生層3aと、電荷輸送層3bとを含む。電荷発生層は、電荷発生剤を含有する。電荷輸送層は、正孔輸送剤とバインダー樹脂とを少なくとも含有する。バインダー樹脂は、ポリアリレート樹脂を含む。ポリアリレート樹脂は、繰り返し単位(1)と、繰り返し単位(2)と、繰り返し単位(3)とを含む。繰り返し単位(2)の数n2に対する繰り返し単位(1)の数n1の比率n1/n2は、1.0以上である。正孔輸送剤は、特定の一般式、特定の化学式で表される化合物を含む。正孔輸送剤の含有量は、100質量部のバインダー樹脂に対して、30質量部以上45質量部以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真感光体に関する。
電子写真感光体は、像担持体として電子写真方式の画像形成装置(例えば、プリンター又は複合機)において用いられる。電子写真感光体は、感光層を備える。電子写真感光体としては、例えば、単層型電子写真感光体及び積層型電子写真感光体が用いられる。単層型電子写真感光体は、電荷発生の機能と、電荷輸送の機能とを有する単層の感光層を備える。積層型電子写真感光体は、電荷発生の機能を有する電荷発生層と、電荷輸送の機能を有する電荷輸送層とを含む感光層を備える。
特許文献1には、感光層を有する電子写真感光体が記載されている。この感光層のバインダー樹脂は、下記化学式で表される構造を含むポリアリレート樹脂である。
Figure 2020181013
特開2003−322982号公報
しかし、本発明者らの検討により、特許文献1に記載の像形成部材は、耐摩耗性の点で不十分であることが判明した。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐摩耗性に優れ、形成画像におけるカブリの発生を抑制できる電子写真感光体を提供することである。
本発明の電子写真感光体は、導電性基体と、感光層とを備える。前記感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層とを含む。前記電荷発生層は、電荷発生剤を含有する。前記電荷輸送層は、正孔輸送剤とバインダー樹脂とを少なくとも含有する。前記バインダー樹脂は、ポリアリレート樹脂を含む。前記ポリアリレート樹脂は、一般式(1)で表される繰り返し単位と、化学式(2)で表される繰り返し単位と、化学式(3)で表される繰り返し単位とを含む。前記化学式(2)で表される繰り返し単位の数n2に対する、前記一般式(1)で表される繰り返し単位の数n1の比率n1/n2は、1.0以上である。前記正孔輸送剤は、一般式(21)、一般式(22)、一般式(23)、化学式(HTM−10)、又は一般式(24)で表される化合物を含む。前記正孔輸送剤の含有量は、100質量部の前記バインダー樹脂に対して、30質量部以上45質量部以下である。
Figure 2020181013
前記一般式(1)中、R1及びR2は各々独立に水素原子又はメチル基を表し、R3はメチル基を表し、R4は水素原子、又は炭素原子数2若しくは3のアルキル基を表す。或いは、R1及びR2は各々メチル基を表し、R3及びR4は互いに結合して炭素原子数5又は6のシクロアルキリデン基を表す。
Figure 2020181013
Figure 2020181013
前記一般式(21)中、R11、R12、及びR13は、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、フェニル基、又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表す。b1、b2、及びb3は、各々独立に、0以上5以下の整数を表す。前記一般式(22)中、R21、R22、及びR23は、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、フェニル基、又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表す。d1、d2、及びd3は、各々独立に、0以上5以下の整数を表す。前記一般式(23)中、R31、R32、R33、及びR34は、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表す。R35、及びR36は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、又は炭素原子数6以上14以下のアリール基を表し、e1、e2、e3、及びe4は、各々独立に、0以上5以下の整数を表す。前記一般式(24)中、R41、R42、R43、及びR44は、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表す。f1、f2、f3、及びf4は、各々独立に、0以上5以下の整数を表す。
本発明の電子写真感光体は、耐摩耗性に優れ、形成画像におけるカブリの発生を抑制できる。
本発明の実施形態に係る電子写真感光体の部分断面図である。 本発明の実施形態に係る電子写真感光体の部分断面図である。 本発明の実施形態に係る電子写真感光体の部分断面図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されない。本発明は、本発明の目的の範囲内で、適宜変更を加えて実施できる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨は限定されない。以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。また、化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰り返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。
まず、本明細書で用いられる置換基について説明する。ハロゲン原子(ハロゲン基)としては、例えば、フッ素原子(フルオロ基)、塩素原子(クロロ基)、臭素原子(ブロモ基)、及びヨウ素原子(ヨード基)が挙げられる。
炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上5以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、炭素原子数1以上3以下のアルキル基、炭素原子数2のアルキル基、及び炭素原子数3のアルキル基は、各々、特記なき限り、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上8以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、2−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基及び3−エチルブチル基、直鎖状及び分枝鎖状のヘプチル基、並びに直鎖状及び分枝鎖状のオクチル基が挙げられる。炭素原子数1以上5以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、炭素原子数1以上3以下のアルキル基、炭素原子数2のアルキル基、及び炭素原子数3のアルキル基の例は、各々、炭素原子数1以上8以下のアルキル基の例として述べた基のうち、該当する炭素原子数を有する基である。
炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、及び炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基は、各々、特記なき限り、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、1−メチルブトキシ基、2−メチルブトキシ基、3−メチルブトキシ基、1−エチルプロポキシ基、2−エチルプロポキシ基、1,1−ジメチルプロポキシ基、1,2−ジメチルプロポキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基、1,2−ジメチルプロポキシ基、n−ヘキシルオキシ基、1−メチルペンチルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、3−メチルペンチルオキシ基、4−メチルペンチルオキシ基、1,1−ジメチルブトキシ基、1,2−ジメチルブトキシ基、1,3−ジメチルブトキシ基、2,2−ジメチルブトキシ基、2,3−ジメチルブトキシ基、3,3−ジメチルブトキシ基、1,1,2−トリメチルプロポキシ基、1,2,2−トリメチルプロポキシ基、1−エチルブトキシ基、2−エチルブトキシ基、3−エチルブトキシ基、直鎖状及び分枝鎖状のヘプチルオキシ基、並びに直鎖状及び分枝鎖状のオクチルオキシ基が挙げられる。炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基の例は、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基の例として述べた基のうち、該当する炭素原子数を有する基である。
炭素原子数6以上14以下のアリール基は、特記なき限り、非置換である。炭素原子数6以上14以下のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、インダセニル基、ビフェニレニル基、アセナフチレニル基、アントリル基、及びフェナントリル基が挙げられる。以上、本明細書で用いられる置換基について説明した。
<電子写真感光体>
以下、図1〜図3を参照して、本実施形態の電子写真感光体(以下、感光体と記載することがある)1の構造について説明する。図1〜図3は、各々、感光体1の部分断面を示す。
図1に示すように、感光体1は、例えば、導電性基体2と、感光層3とを備える。感光層3は、電荷発生層3aと、電荷輸送層3bとを含む。つまり、感光体1は、感光層3として電荷発生層3aと電荷輸送層3bとを備える積層型電子写真感光体である。電荷発生層3aは、例えば、一層である。電荷輸送層3bは、例えば、一層である。
図1に示すように、感光体1において、導電性基体2上に電荷発生層3aが設けられ、電荷発生層3a上に電荷輸送層3bが設けられてもよい。或いは、図2に示すように、感光体1において、導電性基体2上に電荷輸送層3bが設けられ、電荷輸送層3b上に電荷発生層3aが設けられてもよい。
図3に示すように、感光体1は、導電性基体2と、感光層3と、中間層4(下引き層)とを備えてもよい。中間層4は、導電性基体2と感光層3との間に設けられる。図1及び図2に示すように、感光体1において、感光層3は導電性基体2上に直接備えられてもよい。或いは、図3に示すように、感光体1において、感光層3は導電性基体2上に中間層4を介して備えられてもよい。感光体1が中間層4を備える場合、図3に示すように、導電性基体2上に中間層4が設けられ、中間層4上に電荷発生層3aが設けられ、電荷発生層3a上に電荷輸送層3bが設けられてもよい。或いは、導電性基体2上に中間層4が設けられ、中間層4上に電荷輸送層3bが設けられ、電荷輸送層3b上に電荷発生層3aが設けられてもよい。
感光体1は、導電性基体2と、感光層3と、保護層(不図示)とを備えてもよい。保護層は、感光層3上に設けられる。図1及び図2に示すように、感光層3(例えば、電荷輸送層3b又は電荷発生層3a)が、感光体1の最表面層として備えられてもよい。或いは、保護層が、感光体1の最表面層として備えられてもよい。
図1に示すように、電荷輸送層3bが、感光体1の最表面層として備えられることが好ましい。電荷輸送層3bが、一層であり、且つ感光体1の最表面層として備えられることがより好ましい。後述するポリアリレート樹脂(PA)と所定の正孔輸送剤とを含有する電荷輸送層3bが最表面層として備えられることで、感光体1の耐摩耗性を更に向上させ、形成画像におけるカブリの発生を更に抑制することができる。
電荷発生層3aは、電荷発生剤を含有する。電荷発生層3aは、ベース樹脂を含有してもよい。電荷発生層3aは、必要に応じて、添加剤を含有してもよい。電荷発生層3aの厚さは、特に限定されないが、0.01μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上3μm以下であることがより好ましい。
電荷輸送層3bは、正孔輸送剤とバインダー樹脂とを少なくとも含有する。電荷輸送層3bは、必要に応じて、後述する第3化合物を更に含有してもよい。電荷輸送層3bは、必要に応じて、添加剤を更に含有してもよい。電荷輸送層3bの厚さは、特に限定されないが、2μm以上100μm以下であることが好ましく、5μm以上50μm以下であることがより好ましい。以上、図1〜図3を参照して、感光体1の構造について説明した。以下、感光体について、更に詳細に説明する。
(バインダー樹脂)
電荷輸送層は、バインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂を含有する。ポリアリレート樹脂は、一般式(1)で表される繰り返し単位と、化学式(2)で表される繰り返し単位と、化学式(3)で表される繰り返し単位とを含む。化学式(2)で表される繰り返し単位の数n2に対する、一般式(1)で表される繰り返し単位の数n1の比率n1/n2は、1.0以上である。
Figure 2020181013
一般式(1)中、R1及びR2は各々独立に水素原子又はメチル基を表し、且つR3はメチル基を表し、且つR4は水素原子又は炭素原子数2若しくは3のアルキル基を表す。或いは、一般式(1)中、R1及びR2は各々メチル基を表し、且つR3及びR4は互いに結合して炭素原子数5又は6のシクロアルキリデン基を表す。
以下、一般式(1)で表される繰り返し単位、化学式(2)で表される繰り返し単位、及び化学式(3)で表される繰り返し単位を、各々、繰り返し単位(1)、繰り返し単位(2)、及び繰り返し単位(3)と記載することがある。また、繰り返し単位(1)と繰り返し単位(2)と繰り返し単位(3)とを含み、繰り返し単位(2)の数n2に対する繰り返し単位(1)の数n1の比率n1/n2が1.0以上であるポリアリレート樹脂を、ポリアリレート樹脂(PA)と記載することがある。
ポリアリレート樹脂(PA)は、電荷輸送層に含有された場合に、感光体の耐摩耗性を向上させることができる。その理由は、以下のように推測される。
第1に、ポリアリレート樹脂(PA)は、繰り返し単位(2)及び繰り返し単位(3)を含んでいる。これにより、感光体の耐摩耗性を向上させることができる。
第2に、ポリアリレート樹脂(PA)は、繰り返し単位(1)を含んでいる。これにより、電荷輸送層形成用の溶剤に対するポリアリレート樹脂(PA)の溶解性を向上させることができる。更に、繰り返し単位(2)の数n2に対する繰り返し単位(1)の数n1の比率n1/n2が1.0以上であることで、電荷輸送層形成用の溶剤に対するポリアリレート樹脂(PA)の溶解性を更に向上させることができる。ポリアリレート樹脂(PA)の溶解性が向上することで電荷輸送層を好適に形成することができ、感光体の耐摩耗性を向上させることができる。
次に、一般式(1)について、詳細に説明する。一般式(1)中のR4が表わす炭素原子数2若しくは3のアルキル基としては、エチル基、n−プロピル基、及びイソプロピル基が挙げられる。炭素原子数2若しくは3のアルキル基としては、エチル基又はイソプロピル基が好ましい。
一般式(1)中のR3及びR4が互いに結合して表す炭素原子数5又は6のシクロアルキリデン(cycloalkylidene)基としては、シクロペンチリデン基及びシクロヘキシリデン基が挙げられる。シクロペンチリデン基及びシクロヘキシリデン基は、各々、下記化学式(5)及び(6)で表される二価の基である。炭素原子数5又は6のシクロアルキリデン基としては、シクロヘキシリデン基が好ましい。
Figure 2020181013
繰り返し単位(1)の好適な例としては、化学式(1−1)、化学式(1−2)、化学式(1−3)、化学式(1−4)、及び化学式(1−5)で表される繰り返し単位が挙げられる。以下、化学式(1−1)、化学式(1−2)、化学式(1−3)、化学式(1−4)、及び化学式(1−5)で表される繰り返し単位を、各々、繰り返し単位(1−1)、(1−2)、(1−3)、(1−4)、及び(1−5)と記載することがある。
Figure 2020181013
ポリアリレート樹脂(PA)は、1種の繰り返し単位(1)のみを含んでいてもよい。或いは、ポリアリレート樹脂(PA)は、2種以上の繰り返し単位(1)を含んでいてもよい。
ポリアリレート樹脂(PA)に含まれる繰り返し単位(2)の数n2に対する、ポリアリレート樹脂(PA)に含まれる繰り返し単位(1)の数n1の比率n1/n2は、1.0以上である。即ち、繰り返し単位(1)の数n1は、繰り返し単位(2)の数n2と等しいか、繰り返し単位(2)の数n2よりも多い。比率n1/n2が1.0以上であると、電荷輸送層形成用の溶剤に対するポリアリレート樹脂(PA)の溶解性を向上させることができ、感光体の耐摩耗性を向上させることができる。感光体の耐摩耗性を向上させるためには、比率n1/n2は、10.0以下であることが好ましく、5.0以下であることがより好ましい。電荷輸送層形成用の溶剤に対するポリアリレート樹脂(PA)の溶解性を向上させつつ、感光体の耐摩耗性を向上させるためには、比率n1/n2は、1.0、2.0、3.0、5.0、及び10.0から選ばれる2つの値の範囲内であることも好ましい。比率n1/n2は、例えば、1.0以上2.0未満、又は2.0以上5.0以下であってもよい。比率n1/n2は、例えば、1.0又は3.0であってもよい。
比率n1/n2は、ポリアリレート樹脂(PA)を製造する際に添加する化合物(BP−1)の量と化合物(BP−2)の量とを変更することにより、調整することができる。なお、化合物(BP−1)、及び化合物(BP−2)については後述する。
比率n1/n2は、プロトン核磁気共鳴分光計を用いてポリアリレート樹脂(PA)の1H−NMRスペクトルを測定し、得られた1H−NMRスペクトルにおける各繰り返し単位に特徴的なピークの比率を算出することにより、得ることができる。
ポリアリレート樹脂(PA)の具体的な例としては、以下のポリアリレート樹脂が挙げられる。
繰り返し単位(1−1)、(2)、及び(3)を含み、比率n1/n2が2.0以上5.0以下であるポリアリレート樹脂(ポリアリレート樹脂(I)と記載することがある);
繰り返し単位(1−5)、(2)、及び(3)を含み、比率n1/n2が2.0以上5.0以下であるポリアリレート樹脂(ポリアリレート樹脂(II)と記載することがある);
繰り返し単位(1−2)、(2)、及び(3)を含み、比率n1/n2が2.0以上5.0以下であるポリアリレート樹脂(ポリアリレート樹脂(III)と記載することがある);
繰り返し単位(1−3)、(2)、及び(3)を含み、比率n1/n2が2.0以上5.0以下であるポリアリレート樹脂(ポリアリレート樹脂(IV)と記載することがある);
繰り返し単位(1−4)、(2)、及び(3)を含み、比率n1/n2が2.0以上5.0以下であるポリアリレート樹脂(ポリアリレート樹脂(V)と記載することがある);及び
繰り返し単位(1−1)、(2)、及び(3)を含み、比率n1/n2が1.0以上2.0未満であるポリアリレート樹脂(ポリアリレート樹脂(VI)と記載することがある)。
ポリアリレート樹脂(PA)の更に具体的な例としては、化学式(R−1)〜(R−6)で表されるポリアリレート樹脂(以下、それぞれをポリアリレート樹脂(R−1)〜(R−6)と記載することがある)が挙げられる。なお、化学式(R−1)〜(R−6)中、各繰り返し単位の右下に付された数字は、ポリアリレート樹脂に含まれる繰り返し単位の総数に対する、各繰り返し単位の数の百分率(%)を示す。繰り返し単位の総数は、ビスフェノール由来繰り返し単位の数と、ジカルボン酸由来繰り返し単位の数との合計である。また、記載の便宜上、化学式(R−1)〜(R−6)の各々においては、繰り返し単位(3)を2つ記載している。しかし、ポリアリレート樹脂(R−1)〜(R−6)の各々に含まれる繰り返し単位の総数に対する、繰り返し単位(3)の数の百分率は、50.0%(2つの繰り返し単位(3)の右下に付された数字の合計)である。
Figure 2020181013
Figure 2020181013
Figure 2020181013
ポリアリレート樹脂(PA)において、ビスフェノール由来繰り返し単位と、ジカルボン酸由来繰り返し単位とは、隣接して互いに結合している。ビスフェノール由来繰り返し単位は、例えば、繰り返し単位(1)及び(2)である。また、ジカルボン酸由来繰り返し単位は、例えば、繰り返し単位(3)である。ポリアリレート樹脂(PA)は、例えば、ランダム共重合体、交互共重合体、周期的共重合体、又はブロック共重合体であってもよい。
ポリアリレート樹脂(PA)は、繰り返し単位として、繰り返し単位(1)、(2)、及び(3)のみを含んでいてもよい。ポリアリレート樹脂(PA)は、繰り返し単位として、繰り返し単位(1)、(2)、及び(3)に加えて、これらの繰り返し単位以外の繰り返し単位を更に含んでいてもよい。電荷輸送層は、1種のポリアリレート樹脂(PA)のみを含有してもよく、2種以上のポリアリレート樹脂(PA)を含有してもよい。
ポリアリレート樹脂(PA)の粘度平均分子量は、10,000以上であることが好ましく、20,000以上であることがより好ましく、30,000以上であることが更に好ましく、40,000以上であることが特に好ましい。ポリアリレート樹脂(PA)の粘度平均分子量が10,000以上であると、感光体の耐摩耗性を向上させることができる。一方、ポリアリレート樹脂(PA)の粘度平均分子量は、80,000以下であることが好ましく、70,000以下であることがより好ましい。ポリアリレート樹脂(PA)の粘度平均分子量が80,000以下であると、ポリアリレート樹脂(PA)が電荷輸送層形成用の溶剤に溶解し易くなる。
ポリアリレート樹脂(PA)の製造方法は、特に限定されない。ポリアリレート樹脂(PA)の製造方法として、例えば、ビスフェノール由来繰り返し単位を構成するためのビスフェノールと、ジカルボン酸由来繰り返し単位を構成するためのジカルボン酸とを縮重合させる方法が挙げられる。縮重合させるためには、公知の合成方法(例えば、溶液重合、溶融重合又は界面重合)を採用することができる。
ポリアリレート樹脂(PA)のビスフェノール繰り返し単位を構成するためのビスフェノールとしては、例えば、一般式(BP−1)及び化学式(BP−2)で表される化合物(以下、化合物(BP−1)及び(BP−2)と記載することがある)が挙げられる。ポリアリレート樹脂(PA)のジカルボン酸繰り返し単位を構成するためのジカルボン酸としては、例えば、化学式(DC−3)で表される化合物(以下、化合物(DC−3)と記載することがある)が挙げられる。一般式(BP−1)中のR1、R2、R3及びR4は、各々、一般式(1)中のR1、R2、R3及びR4と同義である。
Figure 2020181013
化合物(BP−1)の好適な例としては、化学式(BP−1−1)〜(BP−1−5)で表される化合物(以下、それぞれを化合物(BP−1−1)〜(BP−1−5)と記載することがある)が挙げられる。
Figure 2020181013
ビスフェノール由来繰り返し単位を構成するためのビスフェノールは、芳香族ジアセテートに誘導体化して使用してもよい。ジカルボン酸由来繰り返し単位を構成するためのジカルボン酸は、誘導体化して使用してもよい。ジカルボン酸の誘導体の例としては、ジカルボン酸ジクロライド、ジカルボン酸ジメチルエステル、ジカルボン酸ジエチルエステル、及びジカルボン酸無水物が挙げられる。ジカルボン酸ジクロライドは、ジカルボン酸が有する2個の「−C(=O)−OH」基が各々「−C(=O)−Cl」基で置換された化合物である。
ビスフェノールとジカルボン酸との縮重合において、塩基及び触媒の一方又は両方が添加されてもよい。塩基の例としては、水酸化ナトリウムが挙げられる。触媒の例としては、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、アンモニウムクロライド、アンモニウムブロマイド、4級アンモニウム塩、トリエチルアミン、及びトリメチルアミンが挙げられる。
電荷輸送層は、バインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂(PA)のみを含有してもよい。また、電荷輸送層は、バインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂(PA)以外のバインダー樹脂(以下、その他のバインダー樹脂と記載することがある)を更に含有してもよい。
その他のバインダー樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂(より具体的には、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、アクリル共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、及びポリエーテル樹脂)、熱硬化性樹脂(より具体的には、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、及びこれら以外の架橋性熱硬化性樹脂)、及び光硬化性樹脂(より具体的には、エポキシ−アクリル酸系樹脂、及びウレタン−アクリル酸系共重合体)が挙げられる。
(正孔輸送剤)
電荷輸送層は、正孔輸送剤として、一般式(21)、一般式(22)、一般式(23)、化学式(HTM−10)、又は一般式(24)で表される化合物(以下、それぞれを、正孔輸送剤(21)、(22)、(23)、(HTM−10)、及び(24)と記載することがある)を含有する。
電荷輸送層が正孔輸送剤(21)、(22)、(23)、(HTM−10)、又は(24)を含有することで、形成画像におけるカブリの発生を抑制することができる。その理由は以下のように推測される。反転現像方式を採用し、帯電装置が感光体を負極性に帯電し、負帯電したトナー(より具体的には、非磁性一成分現像剤であるトナー)によって静電潜像が現像される画像形成装置を例に挙げて説明する。現像時、画像形成装置が備える現像装置の現像部材上に、負帯電トナーが載る。現像部材上の負帯電トナーが感光体と接触することによって、負帯電トナーの負帯電性の低下、及び負帯電トナーの正極性への逆帯電が引き起こされることがある。現像部材上のトナーのうち、画像形成に使用されなかった一部のトナーは、現像装置内に戻り、再び現像に使用される。再び現像に使用される際に、感光体との接触によって負帯電性が低下したトナー及び逆帯電したトナーは、形成画像の白紙部に付着し易い。このため、形成画像にカブリが発生する。電荷輸送層が正孔輸送剤(21)、(22)、(23)、(HTM−10)、又は(24)を含有することで、感光体と接触した場合であっても、負帯電トナーの負帯電性の低下、及び負帯電トナーの正極性への逆帯電が引き起こされることを抑制できる。このため、形成画像におけるカブリの発生を抑制できる。この利点は、ポリアリレート樹脂(PA)とこれらの正孔輸送剤とが電荷輸送層に含有される場合に、顕著となる。以下、正孔輸送剤(21)、(22)、(23)、(HTM−10)、及び(24)について説明する。
Figure 2020181013
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一般式(21)中、R11、R12、及びR13は、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、フェニル基、又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表す。b1、b2、及びb3は、各々独立に、0以上5以下の整数を表す。
一般式(21)中、b1が2以上5以下の整数を表すとき、複数のR11は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。b2が2以上5以下の整数を表すとき、複数のR12は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。b3が2以上5以下の整数を表すとき、複数のR13は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
一般式(21)中、R11、R12、及びR13は、各々独立に、炭素原子数1以上3以下のアルキル基又は炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基を表すことが好ましく、メチル基又はメトキシ基を表すことがより好ましい。b1、b2、及びb3は、各々独立に、0又は1を表すことが好ましい。
一般式(22)中、R21、R22、及びR23は、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、フェニル基、又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表す。d1、d2、及びd3は、各々独立に、0以上5以下の整数を表す。
一般式(22)中、d1が2以上5以下の整数を表すとき、複数のR21は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。d2が2以上5以下の整数を表すとき、複数のR22は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。d3が2以上5以下の整数を表すとき、複数のR23は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
一般式(22)中、R21、R22、及びR23は、各々独立に、炭素原子数1以上3以下のアルキル基又は炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基を表すことが好ましく、メチル基又はメトキシ基を表すことがより好ましい。d1、d2、及びd3は、各々独立に、0以上2以下の整数を表すことが好ましい。
一般式(23)中、R31、R32、R33、及びR34は、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表す。R35、及びR36は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、又は炭素原子数6以上14以下のアリール基を表す。e1、e2、e3、及びe4は、各々独立に、0以上5以下の整数を表す。
一般式(23)中、e1が2以上5以下の整数を表すとき、複数のR31は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。e2が2以上5以下の整数を表すとき、複数のR32は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。e3が2以上5以下の整数を表すとき、複数のR33は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。e4が2以上5以下の整数を表すとき、複数のR34は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
一般式(23)中、R31、R32、R33、及びR34は、各々独立に、炭素原子数1以上3以下のアルキル基又は炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基を表すことが好ましく、メチル基又はメトキシ基を表すことがより好ましい。R35、及びR36は、各々独立に、炭素原子数1以上3以下のアルキル基を表すことが好ましく、メチル基を表すことがより好ましい。e1、e2、e3、及びe4は、各々独立に、0以上2以下の整数を表すことが好ましい。
一般式(24)中、R41、R42、R43、及びR44は、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表す。f1、f2、f3、及びf4は、各々独立に、0以上5以下の整数を表す。
一般式(24)中、f1が2以上5以下の整数を表すとき、複数のR41は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。f2が2以上5以下の整数を表すとき、複数のR42は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。f3が2以上5以下の整数を表すとき、複数のR43は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。f4が2以上5以下の整数を表すとき、複数のR44は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
一般式(24)中、R41、R42、R43、及びR44は、各々独立に、炭素原子数1以上3以下のアルキル基を表すことが好ましく、メチル基を表すことがより好ましい。f1、f2、f3、及びf4は、各々独立に、0又は1を表すことが好ましい。
正孔輸送剤の好適な例としては、化学式(HTM−1)〜(HTM−11)で表される化合物が挙げられる。以下、化学式(HTM−1)〜(HTM−11)で表される化合物を、各々、正孔輸送剤(HTM−1)〜(HTM−11)と記載することがある。なお、正孔輸送剤(HTM−10)については既に述べたため、再度記載しない。
Figure 2020181013
Figure 2020181013
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なお、正孔輸送剤(HTM−1)〜(HTM−2)は、各々、正孔輸送剤(21)の好適な例である。正孔輸送剤(HTM−3)〜(HTM−8)は、各々、正孔輸送剤(22)の好適な例である。正孔輸送剤(HTM−9)は、正孔輸送剤(23)の好適な例である。正孔輸送剤(HTM−10)は、正孔輸送剤(24)の好適な例である。
電荷輸送層は、正孔輸送剤として、例えば、正孔輸送剤(21)、(22)、(23)、(HTM−10)、及び(24)のうちの1種の化合物を含有する。電荷輸送層は、正孔輸送剤として、正孔輸送剤(21)、(22)、(23)、(HTM−10)、又は(24)のみを含有してもよい。また、電荷輸送層は、正孔輸送剤として、正孔輸送剤(21)、(22)、(23)、(HTM−10)、又は(24)に加えて、これら以外の正孔輸送剤(以下、その他の正孔輸送剤と記載することがある)を更に含有してもよい。
その他の正孔輸送剤としては、例えば、トリフェニルアミン誘導体、ジアミン誘導体(例えば、N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェニレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルナフチレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェナントリレンジアミン誘導体、及びジ(アミノフェニルエテニル)ベンゼン誘導体)、オキサジアゾール系化合物(例えば、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール)、スチリル系化合物(例えば、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン)、カルバゾール系化合物(例えば、ポリビニルカルバゾール)、有機ポリシラン化合物、ピラゾリン系化合物(例えば、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン)、ヒドラゾン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、及びトリアゾール系化合物が挙げられる。
正孔輸送剤の含有量は、100質量部のバインダー樹脂に対して、30質量部以上45質量部以下である。正孔輸送剤の含有量が30質量部未満であると、感光体と負帯電トナーとが接触したときに負帯電トナーの負帯電性の低下及び負帯電トナーの逆帯電が引き起こされる。このため、形成画像にカブリが発生する。一方、正孔輸送剤の含有量が45質量部超であると、感光体の耐摩耗性が低下する。なお、電荷輸送層に2種以上の正孔輸送剤が含有される場合、正孔輸送剤の含有量は、2種以上の正孔輸送剤の合計含有量である。
(第3化合物)
第3化合物が、例えば電子アクセプター化合物として、電荷輸送層に含有されてもよい。第3化合物は、ケトン構造又はジシアノメチレン構造を有する。電荷輸送層に第3化合物が含有されることで、感光体の耐摩耗性の向上及び形成画像におけるカブリの発生の抑制を図りつつ、感光体の電気特性を向上させることができる。なお、第3化合物は、ケトン構造及びジシアノメチレン構造の両方の構造を有していてもよい。
第3化合物は、一般式(31)〜(39)で表される化合物のうちの少なくとも1つの化合物(例えば、1つの化合物)であることが好ましい。以下、一般式(31)〜(39)で表される化合物を、各々、第3化合物(31)〜(39)と記載することがある。
Figure 2020181013
一般式(31)〜(39)中、Q31〜Q57は、各々独立に、水素原子;ハロゲン原子;炭素原子数1以上5以下のアルキル基;炭素原子数6以上14以下のアリール基で置換されてもよい炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基;又は炭素原子数1以上3以下のアルキル基若しくは炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基で置換されてもよいフェニル基を表す。
一般式(31)〜(39)中のQ31〜Q57が表わすハロゲン原子としては、塩素原子が好ましい。
一般式(31)〜(39)中のQ31〜Q57が表わす炭素原子数1以上5以下のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、又は1,1−ジメチルプロピル基が好ましい。
一般式(31)〜(39)中のQ31〜Q57が表わす炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基は、炭素原子数6以上14以下のアリール基で置換されてもよい。炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基の置換基である炭素原子数6以上14以下のアリール基としては、フェニル基が好ましい。炭素原子数6以上14以下のアリール基で置換された炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基としては、フェニルメトキシ基が好ましい。
一般式(31)〜(39)中のQ31〜Q57が表わすフェニル基は、炭素原子数1以上3以下のアルキル基若しくは炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基で置換されてもよい。フェニル基の置換基である炭素原子数1以上3以下のアルキル基としては、メチル基又はエチル基が好ましい。
一般式(31)中のQ31〜Q34は、各々、炭素原子数1以上5以下のアルキル基を表すことが好ましく、炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表すことがより好ましく、メチル基又はtert−ブチル基を表すことが更に好ましい。
一般式(32)中のQ35〜Q38は、各々、炭素原子数1以上5以下のアルキル基を表すことが好ましく、炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表すことがより好ましく、メチル基又はtert−ブチル基を表すことが更に好ましい。
一般式(33)中のQ39〜Q40は、各々、炭素原子数1以上5以下のアルキル基を表すことが好ましく、1,1−ジメチルプロピル基を表すことがより好ましい。
一般式(34)中のQ41〜Q42は、各々、炭素原子数1以上5以下のアルキル基を表すことが好ましく、炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表すことがより好ましく、tert−ブチル基を表すことが更に好ましい。Q43〜Q47は、各々独立に、水素原子又はハロゲン原子を表すことが好ましく、水素原子又は塩素原子を表すことがより好ましい。Q43、Q44、Q46、及びQ47は、各々、水素原子を表すことが好ましい。Q45は、ハロゲン原子を表すことが好ましく、塩素原子を表すことがより好ましい。
一般式(35)中のQ48〜Q51は、各々、炭素原子数1以上5以下のアルキル基を表すことが好ましく、炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表すことがより好ましく、tert−ブチル基を表すことが更に好ましい。
一般式(36)中のQ52〜Q53は、各々、炭素原子数1以上3以下のアルキル基若しくは炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基で置換されたフェニル基を表すことが好ましく、1つ又は2つの炭素原子数1以上3以下のアルキル基で置換されたフェニル基を表すことがより好ましく、2−エチル−6−メチルフェニル基を表すことが更に好ましい。
一般式(37)中のQ54は、炭素原子数1以上5以下のアルキル基を表すことが好ましく、炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表すことがより好ましく、n−ブチル基を表すことが更に好ましい。
一般式(38)中のQ55〜Q56は、各々、水素原子を表すことが好ましい。
一般式(39)中のQ57は、炭素原子数6以上14以下のアリール基で置換された炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基を表すことが好ましく、フェニル基で置換された炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基を表すことがより好ましく、フェニルメトキシ基を表すことが更に好ましい。
第3化合物は、化学式(E−1)〜(E−11)で表される化合物のうちの少なくとも1つの化合物(例えば、1つの化合物)であることが好ましい。以下、化学式(E−1)〜(E−11)で表される化合物を、各々、第3化合物(E−1)〜(E−11)と記載することがある。
Figure 2020181013
Figure 2020181013
なお、第3化合物(E−1)〜(E−2)は、各々、第3化合物(31)の好適な例である。第3化合物(E−3)〜(E−4)は、各々、第3化合物(32)の好適な例である。第3化合物(E−5)は、第3化合物(33)の好適な例である。第3化合物(E−6)は、第3化合物(34)の好適な例である。第3化合物(E−7)は、第3化合物(35)の好適な例である。第3化合物(E−8)は、第3化合物(36)の好適な例である。第3化合物(E−9)は、第3化合物(37)の好適な例である。第3化合物(E−10)は、第3化合物(38)の好適な例である。第3化合物(E−11)は、第3化合物(39)の好適な例である。
電荷輸送層は、電子アクセプター化合物として、第3化合物のみを含有してもよく、これ以外の電子アクセプター化合物を更に含有してもよい。第3化合物の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上10.0質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上5.0質量部以下であることがより好ましい。
(電荷発生剤)
電荷発生層は、電荷発生剤を含有する。電荷発生剤としては、例えば、フタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、無機光導電材料(例えば、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム、及びアモルファスシリコン)の粉末、ピリリウム顔料、アンサンスロン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、及びキナクリドン系顔料が挙げられる。電荷発生層は、電荷発生剤の1種のみを含有してもよく、2種以上を含有してもよい。
フタロシアニン系顔料は、フタロシアニン構造を有する顔料である。フタロシアニン系顔料としては、例えば、無金属フタロシアニン、及び金属フタロシアニンが挙げられる。金属フタロシアニンとしては、例えば、チタニルフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、及びクロロガリウムフタロシアニンが挙げられる。無金属フタロシアニンは、化学式(CGM−1)で表される。チタニルフタロシアニンは、化学式(CGM−2)で表される。
Figure 2020181013
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フタロシアニン系顔料は、結晶であってもよく、非結晶であってもよい。無金属フタロシアニンの結晶としては、例えば、無金属フタロシアニンのX型結晶(以下、X型無金属フタロシアニンと記載することがある)が挙げられる。チタニルフタロシアニンの結晶としては、例えば、チタニルフタロシアニンのα型、β型、及びY型結晶(以下、それぞれをα型、β型、及びY型チタニルフタロシアニンと記載することがある)が挙げられる。
例えば、デジタル光学式の画像形成装置(例えば、半導体レーザーのような光源を使用した、レーザービームプリンター又はファクシミリ)には、700nm以上の波長領域に感度を有する感光体を用いることが好ましい。700nm以上の波長領域で高い量子収率を有することから、電荷発生剤としては、フタロシアニン系顔料が好ましく、無金属フタロシアニン又はチタニルフタロシアニンがより好ましく、チタニルフタロシアニンが更に好ましく、Y型チタニルフタロシアニンが特に好ましい。
Y型チタニルフタロシアニンは、CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、例えば、ブラッグ角(2θ±0.2°)の27.2°に主ピークを有する。CuKα特性X線回折スペクトルにおける主ピークとは、ブラッグ角(2θ±0.2°)が3°以上40°以下である範囲において、1番目又は2番目に大きな強度を有するピークである。Y型チタニルフタロシアニンは、CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、26.2℃にピークを有していない。
CuKα特性X線回折スペクトルは、例えば、次の方法によって測定できる。まず、試料(チタニルフタロシアニン)をX線回折装置(例えば、株式会社リガク製「RINT(登録商標)1100」)のサンプルホルダーに充填して、X線管球Cu、管電圧40kV、管電流30mA、かつCuKα特性X線の波長1.542Åの条件で、X線回折スペクトルを測定する。測定範囲(2θ)は、例えば3°以上40°以下(スタート角3°、ストップ角40°)であり、走査速度は、例えば10°/分である。得られたX線回折スペクトルから主ピークを決定し、主ピークのブラッグ角を読み取る。
電荷発生剤の含有量は、ベース樹脂100質量部に対して、10質量部以上300質量部以下であることが好ましく、100質量部以上200質量部以下であることがより好ましい。
(ベース樹脂)
電荷発生層は、ベース樹脂を含有してもよい。ベース樹脂の例は、電荷輸送層が含有するその他のバインダー樹脂の例と同じである。
(添加剤)
感光層(より具体的には、電荷発生層及び電荷輸送層)が含有する添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、1重項消光剤、軟化剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、ドナー、界面活性剤、可塑剤、増感剤、電子アクセプター化合物、及びレベリング剤が挙げられる。
(材料の組み合わせ)
感光体の耐摩耗性を向上させ、形成画像におけるカブリの発生を抑制するためには、電荷輸送層が含有するポリアリレート樹脂及び正孔輸送剤の組み合わせが、表1に示す組み合わせNo.F1〜F36の各々であることが好ましい。同じ理由から、電荷輸送層が含有するポリアリレート樹脂及び正孔輸送剤の組み合わせが、表1に示す組み合わせNo.F1〜F36の各々であり、電荷発生層が含有する電荷発生剤がY型チタニルフタロシアニンであることがより好ましい。
Figure 2020181013
感光体の耐摩耗性を向上させ、形成画像におけるカブリの発生を抑制するためには、電荷輸送層が含有するポリアリレート樹脂、正孔輸送剤、及び第3化合物の組み合わせが、表2及び表3に示す組み合わせNo.G1〜G66の各々であることが好ましい。同じ理由から、電荷輸送層が含有するポリアリレート樹脂、正孔輸送剤、及び第3化合物の組み合わせが、表2及び表3に示す組み合わせNo.G1〜G66の各々であり、電荷発生層が含有する電荷発生剤がY型チタニルフタロシアニンであることがより好ましい。
Figure 2020181013
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上記表1〜表3中の用語の意味は次の通りである。「No.」は「組み合わせNo.」を示す。「樹脂」は「ポリアリレート樹脂」を示す。「HTM」は「正孔輸送剤」を示す。
(導電性基体)
導電性基体は、感光体の導電性基体として用いることができる限り、特に限定されない。導電性基体は、少なくとも表面部が導電性を有する材料で構成されていればよい。導電性基体の一例としては、導電性を有する材料で構成される導電性基体が挙げられる。導電性基体の別の例としては、導電性を有する材料で被覆される導電性基体が挙げられる。導電性を有する材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、錫、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、及び真鍮が挙げられる。これらの導電性を有する材料を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて(例えば、合金として)用いてもよい。これらの導電性を有する材料のなかでも、感光層から導電性基体への電荷の移動が良好であることから、アルミニウム及びアルミニウム合金が好ましい。
導電性基体の形状は、画像形成装置の構造に合わせて適宜選択される。導電性基体の形状としては、例えば、シート状及びドラム状が挙げられる。また、導電性基体の厚さは、導電性基体の形状に応じて適宜選択される。
(中間層)
中間層(下引き層)は、例えば、無機粒子及び中間層に用いられる樹脂(中間層用樹脂)を含有する。中間層が存在することにより、リーク発生を抑制し得る程度の絶縁状態を維持しつつ、感光体を露光した時に発生する電流の流れを円滑にして、抵抗の上昇を抑制できる。
無機粒子としては、例えば、金属(例えば、アルミニウム、鉄、及び銅)の粒子、金属酸化物(例えば、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、及び酸化亜鉛)の粒子、及び非金属酸化物(例えば、シリカ)の粒子が挙げられる。これらの無機粒子は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
中間層用樹脂の例は、電荷輸送層に含有されるその他のバインダー樹脂の例と同じである。中間層は、添加剤を含有してもよい。中間層に含有される添加剤の例は、感光層に含有される添加剤の例と同じである。
(感光体の製造方法)
感光体の製造方法の一例を説明する。感光体の製造方法は、電荷発生層形成工程と電荷輸送層形成工程とを含む。電荷発生層形成工程では、まず、電荷発生層を形成するための塗布液(以下、電荷発生層用塗布液と記載することがある)を調製する。電荷発生層用塗布液を導電性基体上に塗布する。次いで、塗布した電荷発生層用塗布液に含有される溶剤の少なくとも一部を除去して電荷発生層を形成する。電荷発生層用塗布液は、例えば、電荷発生剤と、ベース樹脂と、溶剤とを含有する。このような電荷発生層用塗布液は、電荷発生剤及びベース樹脂を、溶剤に溶解又は分散させることにより調製される。電荷発生層用塗布液は、必要に応じて、添加剤を更に含有してもよい。
電荷輸送層形成工程では、まず、電荷輸送層を形成するための塗布液(以下、電荷輸送層用塗布液と記載することがある)を調製する。電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に塗布する。次いで、塗布した電荷輸送層用塗布液に含有される溶剤の少なくとも一部を除去して電荷輸送層を形成する。電荷輸送層用塗布液は、正孔輸送剤と、バインダー樹脂と、溶剤とを含む。電荷輸送層用塗布液は、正孔輸送剤と、バインダー樹脂とを、溶剤に溶解又は分散させることにより調製できる。電荷輸送層用塗布液は、必要に応じて、第3化合物及び添加剤のうちの少なくとも1つを更に含有してもよい。
電荷発生層用塗布液、及び電荷輸送層用塗布液(以下、これらを包括的に塗布液と記載することがある)に含有される溶剤は、塗布液に含有される各成分を溶解又は分散できる限り、特に限定されない。溶剤としては、例えば、アルコール(より具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、及びブタノール等)、脂肪族炭化水素(より具体的には、n−ヘキサン、オクタン、及びシクロヘキサン等)、芳香族炭化水素(より具体的には、ベンゼン、トルエン、及びキシレン等)、ハロゲン化炭化水素(より具体的には、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、及びクロロベンゼン等)、エーテル(より具体的には、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、及びジエチレングリコールジメチルエーテル等)、ケトン(より具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、及びシクロヘキサノン等)、エステル(より具体的には、酢酸エチル、及び酢酸メチル等)、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、及びジメチルスルホキシドが挙げられる。これらの溶剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電荷輸送層用塗布液に含有される溶剤は、電荷発生層用塗布液に含有される溶剤と、異なることが好ましい。電荷発生層上に電荷輸送層用塗布液を塗布する場合に、電荷発生層が電荷輸送層用塗布液の溶剤に溶解しないことが好ましいからである。
塗布液は、それぞれ各成分を混合し、溶剤に分散することにより調製される。混合又は分散には、例えば、ビーズミル、ロールミル、ボールミル、アトライター、ペイントシェーカー、又は超音波分散器を用いることができる。
塗布液を塗布する方法は、塗布液を均一に塗布できる方法であれば、特に限定されない。塗布方法としては、例えば、ディップコート法、スプレーコート法、スピンコート法、及びバーコート法が挙げられる。
塗布液に含有される溶剤の少なくとも一部を除去する方法としては、例えば、加熱、減圧、又は加熱と減圧との併用が挙げられる。より具体的には、高温乾燥機、又は減圧乾燥機を用いて、熱処理(熱風乾燥)する方法が挙げられる。熱処理の温度は、例えば、40℃以上150℃以下である。熱処理の時間は、例えば、3分以上120分以下である。
なお、感光体の製造方法は、必要に応じて中間層を形成する工程を更に含んでいてもよい。中間層を形成する工程は、公知の方法を適宜選択することができる。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。しかし、本発明は実施例の範囲に何ら限定されない。
<正孔輸送剤>
正孔輸送剤として、実施形態で述べた正孔輸送剤(HTM−1)〜(HTM−11)を準備した。
<比較例で使用する正孔輸送剤>
比較例で使用する正孔輸送剤として、正孔輸送剤(HTM−A)〜(HTM−E)を準備した。正孔輸送剤(HTM−A)〜(HTM−E)は、各々、下記化学式(HTM−A)〜(HTM−E)で表される。
Figure 2020181013
Figure 2020181013
<第3化合物>
第3化合物として、実施形態で述べた第3化合物(E−1)〜(E−11)を準備した。
<ポリアリレート樹脂(R−1)〜(R−6)>
実施形態で述べたポリアリレート樹脂(R−1)〜(R−6)の各々を、以下の方法で合成した。
(ポリアリレート樹脂(R−1)の合成)
反応容器として、温度計、三方コック、及び滴下ロートを備えた三口フラスコを用いた。反応容器に、化合物(BP−1−1)(30.9ミリモル)と、化合物(BP−2)(10.3ミリモル)と、p−tert−ブチルフェノール(0.413ミリモル)と、水酸化ナトリウム(98ミリモル)と、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド(0.384ミリモル)とを入れた。反応容器内の空気をアルゴンガスで置換した。反応容器の内容物に水(300mL)を加えた。反応容器の内容物を50℃で1時間攪拌した。反応容器の内容物の温度が10℃になるまで反応容器の内容物を冷却して、アルカリ性水溶液Aを得た。
次に、化合物(DC−3)のジカルボン酸ジクロライド(32.4ミリモル)を、クロロホルム(150mL)に溶解させた。これにより、クロロホルム溶液Bを得た。
アルカリ性水溶液Aに対して、滴下ロートを用いて、110分間かけてゆっくりとクロロホルム溶液Bを滴下した。反応容器の内容物の温度(液温)を15±5℃に調節しながら、反応容器の内容物を4時間攪拌して重合反応を進行させた。デカントを用いて反応容器の内容物の上層(水層)を除去し、有機層を得た。次いで、三角フラスコに、イオン交換水(400mL)を加えた。三角フラスコ内に、得られた有機層を更に加えた。三角フラスコ内に、クロロホルム(400mL)及び酢酸(2mL)を更に加えた。三角フラスコ内容物を、室温(25℃)で30分間攪拌した。デカントを用いて三角フラスコ内容物の上層(水層)を除去し、有機層を得た。分液ロートを用いて、イオン交換水(1L)で、得られた有機層を洗浄した。イオン交換水による洗浄を5回繰り返し、水洗した有機層を得た。次に、水洗した有機層をろ過し、ろ液を得た。メタノール(1L)に得られたろ液をゆっくりと滴下し、沈殿物を得た。沈殿物をろ過により取り出した。取り出した沈殿物を温度70℃で12時間真空乾燥させた。これにより、ポリアリレート樹脂(R−1)が得られた。
(ポリアリレート樹脂(R−2)の合成)
化合物(BP−1−1)(30.9ミリモル)を化合物(BP−1−5)(30.9ミリモル)に変更した以外は、ポリアリレート樹脂(R−1)の合成と同じ方法で、ポリアリレート樹脂(R−2)を得た。
(ポリアリレート樹脂(R−3)の合成)
化合物(BP−1−1)(30.9ミリモル)を化合物(BP−1−2)(30.9ミリモル)に変更した以外は、ポリアリレート樹脂(R−1)の合成と同じ方法で、ポリアリレート樹脂(R−3)を得た。
(ポリアリレート樹脂(R−4)の合成)
化合物(BP−1−1)(30.9ミリモル)を化合物(BP−1−3)(30.9ミリモル)に変更した以外は、ポリアリレート樹脂(R−1)の合成と同じ方法で、ポリアリレート樹脂(R−4)を得た。
(ポリアリレート樹脂(R−5)の合成)
化合物(BP−1−1)(30.9ミリモル)を化合物(BP−1−4)(30.9ミリモル)に変更した以外は、ポリアリレート樹脂(R−1)の合成と同じ方法で、ポリアリレート樹脂(R−5)を得た。
(ポリアリレート樹脂(R−6)の合成)
化合物(BP−1−1)(30.9ミリモル)及び化合物(BP−2)(10.3ミリモル)を、化合物(BP−1−1)(20.6ミリモル)及び化合物(BP−2)(20.6ミリモル)に変更した以外は、ポリアリレート樹脂(R−1)の合成と同じ方法で、ポリアリレート樹脂(R−6)を得た。
得られたポリアリレート樹脂(R−1)、(R−2)、(R−3)、(R−4)、(R−5)、及び(R−6)の粘度平均分子量は、各々、50500、51,000、45,000、47,300、45,500、及び48,700であった。
プロトン核磁気共鳴分光計(日本分光株式会社製、300MHz)を用いて、得られたポリアリレート樹脂(R−1)〜(R−6)の1H−NMRスペクトルを測定した。溶媒としてCDCl3を用いた。内部標準試料としてテトラメチルシラン(TMS)を用いた。ポリアリレート樹脂(R−1)〜(R−6)のうちの代表例として、ポリアリレート樹脂(R−6)の化学シフト値を以下に示す。化学シフト値から、ポリアリレート樹脂(R−6)が得られていることを確認した。ポリアリレート樹脂(R−1)〜(R−5)についても同じ方法で、ポリアリレート樹脂(R−1)〜(R−5)が各々得られていることを確認した。
ポリアリレート樹脂(R−6):1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ=8.21−8.26(m,8H), 7.25−7.29(m,4H), 7.07−7.23(m,20H), 2.16(q,2H), 1.65(s,3H), 0.78(t,3H).
<比較例で使用するポリアリレート樹脂の準備>
また、比較例で使用するポリアリレート樹脂として、ポリアリレート樹脂(R−A)〜(R−D)の各々を準備した。ポリアリレート樹脂(R−A)〜(R−C)の各々は、下記化学式(R−A)〜(R−C)で表される。なお、各繰り返し単位の右下に付された数字は、ポリアリレート樹脂に含まれる繰り返し単位の総数に対する、各繰り返し単位の数の百分率(%)を示す。
Figure 2020181013
ポリアリレート樹脂(R−D)は、ビスフェノール由来繰り返し単位として、下記繰り返し単位(BP−A)及び(BP−C)のみを含む。ポリアリレート樹脂(R−D)は、ジカルボン酸由来繰り返し単位として、下記繰り返し単位(3)、(DC−T)及び(DC−I)のみを含む。ポリアリレート樹脂(R−D)に含まれる繰り返し単位の総数に対する、繰り返し単位(BP−A)の数の百分率、繰り返し単位(BP−C)の数の百分率、繰り返し単位(3)の数の百分率、繰り返し単位(DC−T)の数の百分率、及び繰り返し単位(DC−I)の数の百分率は、各々、25.0%、25.0%、25.0%、15.0%、及び10.0%である。
Figure 2020181013
なお、ポリアリレート樹脂(R−A)、(R−B)、(R−C)、及び(R−D)の粘度平均分子量は、各々、45,300、51,000、46,700、及び46,800であった。
<各ポリアリレート樹脂の構成>
上記各ポリアリレート樹脂の構成を、表4に示す。詳しくは、ポリアリレート樹脂(R−1)〜(R−6)及び(R−A)〜(R−D)のビスフェノール由来繰り返し単位の種類、比率n1/n2、及びジカルボン酸由来繰り返し単位の種類を、表4に示す。表4中の「−」は該当する値がないことを示す。
Figure 2020181013
<感光体の製造>
次に、以下の方法により、感光体(A−1)〜(A−28)及び(B−1)〜(B−11)を製造した。
(感光体(A−1)の製造)
まず、中間層を形成した。表面処理された酸化チタン(テイカ株式会社製「試作品SMT−A」、数平均一次粒子径10nm)を準備した。SMT−Aは、アルミナとシリカとを用いて酸化チタンを表面処理し、表面処理された酸化チタンを湿式分散しながらメチルハイドロジェンポリシロキサンを用いて更に表面処理したものであった。次いで、SMT−Aの2質量部と、ポリアミド樹脂(東レ株式会社製「アミラン(登録商標)CM8000」、ポリアミド6、ポリアミド12、ポリアミド66及びポリアミド610の四元共重合ポリアミド樹脂)1質量部と、メタノール10質量部と、ブタノール1質量部と、トルエン1質量部とを、ビーズミルを用いて5時間混合して、中間層用塗布液を得た。中間層用塗布液を、目開き5μmのフィルターを用いてろ過した。その後、ディップコート法により、導電性基体の表面に中間層用塗布液を塗布した。導電性基体としては、アルミニウム製のドラム状支持体を用いた。続いて、塗布した中間層用塗布液を130℃で30分間乾燥させて、導電性基体上に中間層(膜厚1.5μm)を形成した。
次に、電荷発生層を形成した。詳しくは、電荷発生剤であるY型チタニルフタロシアニン1.5質量部と、ベース樹脂であるポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業株式会社製「エスレックBX−5」)1.0質量部と、プロピレングリコールモノメチルエーテル40.0質量部と、テトラヒドロフラン40.0質量部とを、ビーズミルを用いて12時間混合して、電荷発生層用塗布液を得た。電荷発生層用塗布液を、目開き3μmのフィルターを用いてろ過した。ディップコート法により、得られたろ液を中間層上に塗布し、50℃で5分間乾燥させた。このようにして、中間層上に電荷発生層(膜厚0.3μm)を形成した。
次に、電荷輸送層を形成した。詳しくは、正孔輸送剤(HTM−1)45質量部と、バインダー樹脂であるポリアリレート樹脂(R−1)100質量部と、第3化合物(E−1)2質量部と、テトラヒドロフラン550質量部と、トルエン150質量部とを混合して、電荷輸送層用塗布液を得た。ディップコート法により、電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に塗布し、120℃で40分間乾燥させた。このようにして、電荷発生層上に電荷輸送層(膜厚20μm)を形成し、感光体(A−1)を得た。感光体(A−1)において、導電性基体上に中間層が、中間層上に電荷発生層が、電荷発生層上に電荷輸送層が備えられていた。
(感光体(A−2)〜(A−11)、(A−14)〜(A−28)、(B−1)〜(B−4)、及び(B−7)〜(B−11)の製造)
表5〜表7に示すポリアリレート樹脂、正孔輸送剤、及び第3化合物を使用したこと以外は、感光体(A−1)の製造と同じ方法で、感光体(A−2)〜(A−11)、(A−14)〜(A−28)、(B−1)〜(B−4)、及び(B−7)〜(B−11)の各々を製造した。
(感光体(A−12)〜(A−13)、及び(B−5)〜(B−6)の製造)
正孔輸送剤(HTM−1)の添加量を、表5及び表7に示す量に変更したこと以外は、感光体(A−1)の製造と同じ方法で、感光体(A−12)〜(A−13)、及び(B−5)〜(B−6)の各々を製造した。
<評価>
以下に示す方法で、評価対象の感光体である上記感光体(A−1)〜(A−28)及び(B−1)〜(B−11)の各々を評価した。
<トナーの摩擦帯電性の評価>
感光体の感光層(より具体的には、電荷輸送層)と摩擦されたときのトナーの摩擦帯電量を、次に示す方法で測定した。トナーの摩擦帯電量の測定には、治具(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製)を用いた。
まず、第1フィルム及び第2フィルムとして、直径4cmの円形状のオーバーヘッドプロジェクタ(OHP)フィルムを準備した。第1フィルム及び第2フィルムの各々の上に、感光体(A−1)の製造に使用した電荷輸送層用塗布液を塗布した。塗布した電荷輸送層用塗布液を、120℃で40分間熱風乾燥させた。このようにして、電荷輸送層(膜厚20μm)を備える第1フィルム、及び電荷輸送層(膜厚20μm)を備える第2フィルムを得た。第1フィルムに備えられた電荷輸送層上に、カラープリンター用トナー(株式会社沖データ製「C542dnw」用マゼンタトナー、平均粒径:10μm)0.1gを載せた。トナーの上に、第2フィルムに備えられた電荷輸送層を載せた。このようにして、下から順に、第1フィルム、電荷輸送層、トナー、電荷輸送層、及び第2フィルムを配置した。温度50℃且つ相対湿度50%RHの環境下で、治具を用いて、第2フィルムに備えられた電荷輸送層を固定したまま、回転速度60rpmで1分間、第1フィルムに備えられた電荷輸送層を回転させた。これにより、2枚の電荷輸送層の間でトナーが摩擦され、トナーが摩擦帯電した。摩擦帯電したトナーを治具から取出し、帯電量測定装置(吸引式小型帯電量測定装置、トレック社製「MODEL 212HS」)を用いて吸引した。吸引されたトナーの総電気量Q(単位:+μC)と質量M(単位:g)とを、帯電量測定装置を用いて測定した。式「摩擦帯電量=Q/M」から、トナーの摩擦帯電量(単位:μC/g)を求めた。次いで、感光体(A−1)の製造に使用した電荷輸送層用塗布液を、感光体(A−2)〜(A−28)及び(B−1)〜(B−11)の各々の製造に使用した電荷輸送層用塗布液に変更したこと以外は、感光体(A−1)に対するトナーの摩擦帯電量の測定と同じ方法で、感光体(A−2)〜(A−28)及び(B−1)〜(B−11)に対するトナーの摩擦帯電量を測定した。測定されたトナーの摩擦帯電量を、表5〜表7に示す。トナーの摩擦帯電量から、下記基準に従って、トナーの摩擦帯電性を評価した。
[トナーの摩擦帯電性の評価基準]
良好:トナーの摩擦帯電量が−20.0μC/g以下である。
不良:トナーの摩擦帯電量が−20.0μC/g超である。
<耐摩耗性の評価>
耐摩耗性の評価に使用した評価機は、カラープリンター(株式会社沖データ製「C542dnw」)であった。評価機のトナーカートリッジにシアントナーを充填した。まず、感光体の感光層(より具体的には、電荷輸送層)の膜厚T1を測定した。次いで、感光体を評価機に搭載した。次いで、温度23℃及び相対湿度50%RHの環境下で、評価機を用いて、300,000枚の用紙に、画像I(印字率1%のパターン画像)を印刷した。300,000枚の印刷後に、感光体の感光層の膜厚T2を測定した。そして、印刷前後の感光層の膜厚変化量である摩耗量(T1−T2、単位:μm)を求めた。摩耗量を、表5〜表7に示す。求めた摩耗量から、下記基準に従って、感光体の耐摩耗性を評価した。
[耐摩耗性の評価基準]
良好:摩耗量が3.0μm以下である。
不良:摩耗量が3.0μm超である。
<カブリ抑制の評価>
上記<耐摩耗性の評価>が完了した後、評価機を、高温高湿環境(温度32.5℃及び相対湿度85%)に移動させた。なお、この評価機は反転現像方式であり、帯電装置が感光体を負極性に帯電し、負帯電したトナーによって静電潜像が現像される構成であった。高温高湿環境下で、評価機を用いて、1枚の用紙に、画像II(白紙画像)を印刷した。反射濃度計(X−Rite社製「RD914」)を用いて、印刷した用紙の白紙画像部の反射濃度Aと、印刷を行っていない用紙の反射濃度Bとを測定した。そして、式「FD=反射濃度A−反射濃度B」に基づいて、カブリ濃度(FD)を求めた。求めたFDから、下記基準に従って、形成画像におけるカブリの発生が抑制されているかを評価した。評価結果を、表5〜表7に示す。
[カブリ抑制の評価基準]
評価A(良好):FDが0.0%以上0.5%未満である。
評価B(やや不良):FDが0.5%以上2.5%未満である。
評価C(不良):FDが2.5%以上である。
<電気特性の評価>
電気特性の評価は、温度10℃及び相対湿度20%RHの環境下で行った。ドラム感度試験機(ジェンテック株式会社製)を用いて、感光体の表面を−600Vに帯電させた。次いで、バンドパスフィルターを用いて、ハロゲンランプの白色光から単色光(波長780nm、光エネルギー0.8μJ/cm2)を取り出した。取り出された単色光を、感光体の表面に照射した。照射開始から80ミリ秒経過した時の感光体の表面電位を測定した。測定された表面電位を、露光後電位(VL、単位:V)とした。露光後電位を、表5〜表7に示す。測定された露光後電位から、下記基準に従って、感光体の電気特性を評価した。
[電気特性の評価基準]
良好:初期の感光体の露光後電位(VL)の絶対値が、100V以下である。
不良:初期の感光体の露光後電位(VL)の絶対値が、100V超である。
表5〜表7中の用語は、次のとおりである。「樹脂」はポリアリレート樹脂を示す。「HTM」は、正孔輸送剤を示す。「量」は、100質量部のバインダー樹脂に対する正孔輸送剤の含有量を示す。「部」は、質量部を示す。「トナー摩擦帯電量」は、感光体の感光層と摩擦されたときのトナーの摩擦帯電量を示す。「FD」は、形成画像におけるカブリ抑制の評価結果を示す。「溶解せず」は、電荷輸送層用塗布液の調製時に、バインダー樹脂が溶剤に溶解せず、電荷輸送層が形成できなかったことを示す。
Figure 2020181013
Figure 2020181013
Figure 2020181013
感光体(A−1)〜(A−28)の電荷発生層は、電荷発生剤を含有していた。表5及び表6に示すように、感光体(A−1)〜(A−28)の電荷輸送層は、正孔輸送剤と、バインダー樹脂(より具体的には、ポリアリレート樹脂(R−1)〜(R−6)の何れか)とを少なくとも含有していた。表4に示すように、ポリアリレート樹脂(R−1)〜(R−6)は、各々、繰り返し単位(1)と、繰り返し単位(2)と、繰り返し単位(3)とを含み、繰り返し単位(2)の数n2に対する繰り返し単位(1)の数n1の比率n1/n2が1.0以上であった。表5及び表6に示すように、正孔輸送剤は、一般式(21)、一般式(22)、一般式(23)、化学式(HTM−10)、又は一般式(24)に包含される、正孔輸送剤(HTM−1)〜(HTM−11)のうちの1つであった。正孔輸送剤の含有量は、100質量部のバインダー樹脂に対して、30質量部以上45質量部以下であった。
表5及び表6に示すように、感光体(A−1)〜(A−28)の摩耗量は、3.0μm以下であり、これらの感光体は耐摩耗性に優れていた。
表5及び表6に示すように、感光体(A−1)〜(A−28)の電荷輸送層と摩擦されたときのトナーの摩擦帯電量は、−20.0μC/g以下であった。感光体(A−1)〜(A−28)を用いて画像を形成した場合、カブリ抑制の評価結果はAであった。これらのことから示されるように、感光体(A−1)〜(A−28)の電荷輸送層にトナーが接触した場合に、所望値以下の値に良好にトナーが負帯電するため、これらの感光体は形成画像におけるカブリの発生を抑制できていた。
表5及び表6に示すように、感光体(A−1)〜(A−28)の露光後電位の絶対値は100V以下であり、これらの感光体は、電気特性を維持しつつ、耐摩耗性に優れ、形成画像におけるカブリの発生を抑制できることが示された。
以上のことから、本発明に係る感光体は、耐摩耗性に優れ、形成画像におけるカブリの発生を抑制できることが示された。
本発明に係る感光体は、画像形成装置に利用できる。
1 :感光体(電子写真感光体)
2 :導電性基体
3 :感光層
3a :電荷発生層
3b :電荷輸送層

Claims (8)

  1. 導電性基体と、感光層とを備え、
    前記感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層とを含み、
    前記電荷発生層は、電荷発生剤を含有し、
    前記電荷輸送層は、正孔輸送剤とバインダー樹脂とを少なくとも含有し、
    前記バインダー樹脂は、ポリアリレート樹脂を含み、前記ポリアリレート樹脂は、一般式(1)で表される繰り返し単位と、化学式(2)で表される繰り返し単位と、化学式(3)で表される繰り返し単位とを含み、前記化学式(2)で表される繰り返し単位の数n2に対する、前記一般式(1)で表される繰り返し単位の数n1の比率n1/n2は、1.0以上であり、
    前記正孔輸送剤は、一般式(21)、一般式(22)、一般式(23)、化学式(HTM−10)、又は一般式(24)で表される化合物を含み、
    前記正孔輸送剤の含有量は、100質量部の前記バインダー樹脂に対して、30質量部以上45質量部以下である、電子写真感光体。
    Figure 2020181013
    (前記一般式(1)中、
    1及びR2は各々独立に水素原子又はメチル基を表し、R3はメチル基を表し、R4は水素原子、又は炭素原子数2若しくは3のアルキル基を表すか、或いは、
    1及びR2は各々メチル基を表し、R3及びR4は互いに結合して炭素原子数5又は6のシクロアルキリデン基を表す。)
    Figure 2020181013
    Figure 2020181013
    (前記一般式(21)中、R11、R12、及びR13は、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、フェニル基、又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表し、b1、b2、及びb3は、各々独立に、0以上5以下の整数を表し、
    前記一般式(22)中、R21、R22、及びR23は、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、フェニル基、又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表し、d1、d2、及びd3は、各々独立に、0以上5以下の整数を表し、
    前記一般式(23)中、R31、R32、R33、及びR34は、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表し、R35、及びR36は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、又は炭素原子数6以上14以下のアリール基を表し、e1、e2、e3、及びe4は、各々独立に、0以上5以下の整数を表し、
    前記一般式(24)中、R41、R42、R43、及びR44は、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表し、f1、f2、f3、及びf4は、各々独立に、0以上5以下の整数を表す。)
  2. 前記一般式(1)で表される繰り返し単位は、化学式(1−1)、化学式(1−2)、化学式(1−3)、化学式(1−4)、又は化学式(1−5)で表される繰り返し単位である、請求項1に記載の電子写真感光体。
    Figure 2020181013
  3. 前記一般式(21)中、R11、R12、及びR13は、各々独立に、炭素原子数1以上3以下のアルキル基、又は炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基を表し、b1、b2、及びb3は、各々独立に、0又は1を表し、
    前記一般式(22)中、R21、R22、及びR23は、各々独立に、炭素原子数1以上3以下のアルキル基、又は炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基を表し、d1、d2、及びd3は、各々独立に、0以上2以下の整数を表し、
    前記一般式(23)中、R31、R32、R33、及びR34は、各々独立に、炭素原子数1以上3以下のアルキル基、又は炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基を表し、R35、及びR36は、各々独立に、炭素原子数1以上3以下のアルキル基を表し、e1、e2、e3、及びe4は、各々独立に、0以上2以下の整数を表し、
    前記一般式(24)中、R41、R42、R43、及びR44は、各々独立に、炭素原子数1以上3以下のアルキル基を表し、f1、f2、f3、及びf4は、各々独立に、0又は1を表す、請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記正孔輸送剤は、化学式(HTM−1)、化学式(HTM−2)、化学式(HTM−3)、化学式(HTM−4)、化学式(HTM−5)、化学式(HTM−6)、化学式(HTM−7)、化学式(HTM−8)、化学式(HTM−9)、前記化学式(HTM−10)、又は化学式(HTM−11)で表される化合物を含む、請求項1〜3の何れか一項に記載の電子写真感光体。
    Figure 2020181013
    Figure 2020181013
    Figure 2020181013
  5. 前記電荷輸送層は、第3化合物を更に含有し、
    前記第3化合物は、ケトン構造又はジシアノメチレン構造を有する、請求項1〜4の何れか一項に記載の電子写真感光体。
  6. 前記第3化合物は、一般式(31)〜(39)で表される化合物のうちの少なくとも1つの化合物である、請求項5に記載の電子写真感光体。
    Figure 2020181013
    (前記一般式(31)〜(39)中、Q31〜Q57は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1以上5以下のアルキル基、炭素原子数6以上14以下のアリール基で置換されてもよい炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基、又は炭素原子数1以上3以下のアルキル基若しくは炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基で置換されてもよいフェニル基を表す。)
  7. 前記第3化合物は、化学式(E−1)〜(E−11)で表される化合物のうちの少なくとも1つの化合物である、請求項5又は6に記載の電子写真感光体。
    Figure 2020181013
    Figure 2020181013
  8. 前記電荷輸送層が一層であり且つ最表面層として備えられる、請求項1〜7の何れか一項に記載の電子写真感光体。
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