JP2020180847A - 圧力センサ - Google Patents
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Abstract
Description
ところで、風による影響を低減する技術としては、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1に記載の技術では、ウレタンフォームで構成された略レモン形状の防風スクリーンで検出部を覆うことで、風の影響を低減している。しかしながら、特許文献1に記載の技術では、小型化することが困難であり、上述したような圧力センサに適用することは困難であった。
図1は、第1の実施形態による圧力センサ1の一例を示す断面図である。
図1に示すように、圧力センサ1は、センサ部10と、センサ基板20と、キャビティ筐体21と、風よけ板30と、支持部31とを備える。
また、センサ基板20の上側主面には、キャビティ筐体21がセンサ部10を覆うように実装されている。また、センサ基板20には、当該センサ基板20を厚み方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔は、外部とキャビティ5の内部とを連通する連通孔22として機能する。
ここで、図2を参照して、風よけ板30の詳細な構成について説明する。
図2に示すように、風よけ板30は、平面視で四角形状(例えば、正方形状)の板状であり、例えば、一辺の長さD1が、上述したように開口端の最大幅W1以上、センサ基板20の長さD2以下である。また、風よけ板30の上側主面には、4つの支持部31(支持部31−1〜支持部31−4)が配置されている。
支持部31は、例えば、円筒状の形状であり、センサ基板20と風よけ板30との距離に相当する高さH1は、開口端の最大幅W1以下になるように形成されている。なお、支持部31があると、風により乱流渦が発生し、これが気圧変化を引き起こす可能性があるため、支持部31の数は、例えば、4つなど、少ない方が望ましい。
SOI基板50、及び検出部40(図3では不図示)は、センサ基板20の上側主面に実装されている。
なお、本実施形態では、前後方向L1に沿ってレバー支持部4からレバー本体2に向かう方向を前方といい、その反対方向を後方という。
なお、2つのレバー支持部4の左右方向L2に沿った支持幅は、同等とされている。従って、カンチレバー3が撓み変形した際、一方のレバー支持部4に作用する応力と、他方のレバー支持部4に作用する応力とは同等とされている。
また、ドープ層6の上面には、ドープ層6よりも電気抵抗率が小さい導電性材料(例えば、Au(金)等)からなる外部電極7が形成されている。この外部電極7は、抵抗R1(変位検出抵抗)の第1端(例えば、外部電極7A)及び第2端(例えば、外部電極7B)として機能する。
上述したギャップG1及びギャップG3によって、外部電極7は、外部電極7A及び外部電極7Bに区画されている。従って、外部電極7A及び外部電極7Bは、後述する変位検出抵抗(抵抗R1)を経由する通電経路を除き、直接的な相互の電気的接続は切り離されている。
図5は、本実施形態における検出部40の一例を示す回路図である。
図5に示すように、検出部40は、ホイートストンブリッジ回路41と、差動増幅回路42とを備えている。
抵抗R1(変位検出抵抗)は、第1端が電圧Vccの供給線に、第2端がノードN1に接続されており、キャビティ5の内外の差圧に応じて抵抗値が変化する。抵抗R1は、例えば、ピエゾ抵抗(ドープ層6)である。また、抵抗R2は、第1端がノードN1に、第2端が電源GNDに接続されている。
まず、図6を参照して、圧力センサ1の動作について説明する。ここでは、例えば、圧力センサ1が設置された場所の空気に圧力に変化が生じた場合の圧力センサ1の出力特性について説明する。
なお、以下の説明において、キャビティ5の外部の圧力は、外圧Poutと定義する。外圧Poutは、カンチレバー3の図3における下面側の圧力である。また、キャビティ5内部の圧力を内圧Pinと定義とする。
ここで、図6(a)は、外圧Pout及び内圧Pinの経時変化を示しており、図6(b)は、検出部40(差動増幅回路42)の出力信号の経時変化を示している。
まず、図6(a)における期間Aのように、外圧Poutと内圧Pinとが等しく、差圧ΔPがゼロである場合に、カンチレバー3は、撓み変形しない。
その結果、内圧Pinが外圧Poutに徐々に近づくので、カンチレバー3の撓みが徐々に小さくなり、時刻t2以降において、図6(b)に示すように、上述の出力信号が、徐々に低下する(期間C)。
上述したように、圧力センサ1は、風よけ板30を備えており、風よけ板30は、連通孔22を覆うように支持部31により保持されているため、連通孔22に直接風が吹き込むことを抑制する。このように、本実施形態による圧力センサ1は、風よけ板30を備えることにより、風による影響を低減することができる。
また、風よけ板30を付加する簡単な構成であるため、本実施形態による圧力センサ1では、例えば、1mm程度に小型化した圧力センサ1に対しても適用することができる。
これにより、本実施形態による圧力センサ1は、外部の風が風よけ板30を回り込んで連通孔22に吹き込むことを適切に抑制することができるため、風による影響を適切に低減することができる。
図7は、本実施形態の変形例の風よけ板30aと支持部31を示す斜視図である。
図7に示すように、本実施形態の変形例の風よけ板30aは、平面視で円形状の板状であり、例えば、直径D1が、上述したように開口端の最大幅W1以上、センサ基板20の長さD2以下である。また、風よけ板30aの上側主面には、4つの支持部31(支持部31−1〜支持部31−4)が配置されている。
このように、本実施形態による圧力センサ1は、風よけ板30aが、図7に示すように、平面視で円形状の形状であってもよい。この変形例の場合、風よけ板30aの角が無くなるため、本実施形態による圧力センサ1は、風よけ板30aにおける風による乱流渦の発生を低減することができ、乱流渦が引き起こす気圧変動をさらに低減することができる。
次に、図面を参照して、第2の実施形態による圧力センサ1aについて説明する。本実施形態では、第1の実施形態による風よけ板30を支持部31aにより下側から保持する変形例について説明する。
図8に示すように、圧力センサ1aは、センサ部10と、センサ基板20と、キャビティ筐体21と、風よけ板30と、支持部31aとを備える。
なお、図8において、上述した図1に示す圧力センサ1と同一の構成には、同一の符号を付与してここではその説明を省略する。
本実施形態による圧力センサ1aのその他の構成については、上述した第1の実施形態と同様である。また、本実施形態による圧力センサ1aの動作は、上述した第1の実施形態と同様であるため、ここではその説明を省略する。
次に、図面を参照して、第3の実施形態による圧力センサ1bについて説明する。本実施形態では、第1の実施形態による風よけ板30とセンサ基板20との間に、複数の空気流入経路を設けて、風による乱流渦の発生を低減する場合の一例について説明する。
図9に示すように、圧力センサ1bは、センサ部10と、センサ基板20と、キャビティ筐体21と、経路基板30bとを備える。
なお、図9において、上述した図1に示す圧力センサ1と同一の構成には、同一の符号を付与してここではその説明を省略する。
図10は、本実施形態における経路基板30bの一例を示す図である。図10(a)は、経路基板30bの平面図を示している。図10(a)に示すように、経路基板30bは、平面視で正方形状の基板であり、4つの空気流入口34(34−1〜34−4)と、4本の空気流入経路(RT1〜RT4)と、連通孔部22aとを有している。
本実施形態において、空気流入口34は、空気を連通孔部22aに流入するための流入口であり、例えば、連通孔22と同一の向きに開口している。
なお、空気流入口34、空気流入経路RT1〜空気流入経路RT4、及び連通孔部22aは、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の微細加工技術を利用して基板上に形成される。
経路基板30bは、センサ基板20の下側主面に、経路底部32が下側になるように接続されている。
ここで、空気流入経路(RT1〜RT4)の平面視での経路が、空気流入口34と連通孔22との間の平面視での直線距離D3よりも長い経路で、且つ、それぞれの経路長が等しくなるように形成されている。
また、空気流入口34と連通孔22との間のセンサ基板20と平行な直線距離D3よりも長い経路で、且つ、それぞれの経路長が等しくなるように形成された複数の空気流入経路(RT1〜RT4)を備えることで、本実施形態による圧力センサ1bは、乱流渦の影響をさらに低減することができる。
これにより、空気流入経路(RT1〜RT4)は、平面視で蛇行線状の形状にすることで、経路長をより長くすることができる。空気流入経路(RT1〜RT4)は、経路が長い程、上述したフィルタ機能の効果が期待できるため、本実施形態による圧力センサ1bは、空気流入経路(RT1〜RT4)を平面視で蛇行線状の形状にすることで、乱流渦の影響をさらに低減することができる。
図11は、本実施形態の変形例の経路基板30cを示す平面図である。
図11に示すように、経路基板30cは、平面視で正方形状の基板であり、4つの空気流入口34(34−1〜34−4)と、4本の空気流入経路(RT1a〜RT4a)と、連通孔部22aとを有している。
このように、本実施形態による圧力センサ1bは、上述した空気流入経路(RT1〜RT4)が、空気流入経路(RT1a〜RT4a)のように、平面視で連通孔22を中心とした螺旋放射状の形状であってもよい。この変形例の場合も、本実施形態による圧力センサ1bは、同様の効果を奏し、風による乱流渦の影響をさらに低減することができる。
次に、図面を参照して、第4の実施形態による圧力センサ1cについて説明する。本実施形態では、第3の実施形態による経路基板30b(30c)の形状を変更し、側面部33を備えない形態にした場合の変形例について説明する。
図12に示すように、圧力センサ1cは、センサ部10と、センサ基板20と、キャビティ筐体21と、経路基板30dとを備える。
なお、図12において、上述した図9に示す圧力センサ1bと同一の構成には、同一の符号を付与してここではその説明を省略する。
なお、本実施形態において、経路基板30dの経路底部32は、第3の実施形態と同様に、上述した風よけ板に対応すると言える。なお、経路底部32(経路基板30d)のセンサ基板20と平行な長さD1は、連通孔22の開口端の最大幅W1以上、センサ基板20の長さD2以下である。また、経路底部32とセンサ基板20との距離H1は、連通孔22の開口端の最大幅W1以下である。
図13に示すように、経路基板30dは、平面視で円形状の基板であり、4つの空気流入口34(34−1〜34−4)と、4本の空気流入経路(RT1〜RT4)と、連通孔部22aとを有している。なお、経路基板30dは、形状が異なる点と、空気流入口34(34−1〜34−4)の開口向きが異なる点とを除いて、上述した第2の実施形態と同様であるため、ここではその説明を省略する。
これにより、本実施形態による圧力センサ1cは、上述した第3の実施形態と同様の効果を奏し、風による乱流渦の影響をさらに低減することができる。
次に、図面を参照して、第5の実施形態による圧力センサ1dについて説明する。本実施形態では、第3の実施形態にさらに第1の実施形態を適用し、第3の実施形態と第1の実施形態とを組み合わせた変形例について説明する。
図14に示すように、圧力センサ1dは、センサ部10と、センサ基板20と、キャビティ筐体21と、経路基板30bと、風よけ板35と、支持部36とを備える。
なお、図14において、上述した図9に示す圧力センサ1bと同一の構成には、同一の符号を付与してここではその説明を省略する。
支持部36は、上述した支持部31と同様に、例えば、円筒状の形状であり、経路基板30bと風よけ板35との距離に相当する高さH2は、空気流入口34の開口端の最大幅W2以下になるように形成されている。なお、支持部36があると、風による乱流渦が発生する可能性があるため、支持部36の数は、例えば、4つなど、少ない方が望ましい。
また、本実施形態による圧力センサ1dのその他の構成については、上述した第3の実施形態と同様である。また、本実施形態による圧力センサ1dの動作は、上述した第1の実施形態と同様であるため、ここではその説明を省略する。
例えば、上記の各実施形態は、それぞれを単独に実施する例を説明したが、各実施形態の一部又は全部を組み合わせて実施するようにしてもよい。例えば、第5の実施形態において、支持部36の代わりに、第2の実施形態の支持部31aを適用してもよい。
また、上記の各実施形態において、支持部31(31a)の形状及び数は、図2及び図7で説明した形状及び数に限定されるものではなく、他の形状及び数であってもよい。また、支持部36の形状及び数についても同様である。
2 レバー本体
3 カンチレバー
3a 先端部
3b 基端部
4 レバー支持部
5 キャビティ
6 ドープ層(ピエゾ抵抗)
7、7A、7B 外部電極
10 センサ部
20 センサ基板
21 キャビティ筐体
22 連通孔
22a 連通孔部
30、30a、35 風よけ板
30b、30c、30d 経路基板
31、31−1、31−2、31−3、31−4、31a、36 支持部
32 経路底部
33 側面部
34、34−1、34−2、34−3、34−4 空気流入口
40 検出部
41 ホイートストンブリッジ回路
42 差動増幅回路
50 SOI基板
51 シリコン支持層
52 絶縁層
53 シリコン活性層
G1、G2、G3 ギャップ
R1、R2、R3、R4 抵抗
RT1、RT2、RT3、RT4、RT1a、RT2a、RT3a、RT4a 空気流入経路
Claims (9)
- 内部にキャビティが形成され、開口部を有する有底箱状のキャビティ筐体と、
前記キャビティの内部と外部とを連通する連通孔を有し、前記キャビティ筐体の開口面を覆うように配置されたセンサ基板と、
前記連通孔を通じた前記キャビティの内部と外部との圧力差を検出するセンサ部と、
前記センサ基板の前記連通孔を覆うように保持され、前記センサ基板と平行な長さが、前記連通孔の開口端の最大幅以上である風よけ板と
を備え、
前記センサ基板と前記風よけ板との間の距離が、前記連通孔の開口端の最大幅以下である
ことを特徴とする圧力センサ。 - 前記風よけ板は、前記センサ基板と平行な長さが、前記開口端の最大幅の3倍以上、前記センサ基板の長さ以下である
ことを特徴とする請求項1に記載の圧力センサ。 - 前記センサ基板と前記風よけ板との間に、
複数の空気流入口と、
平面視での経路が、前記空気流入口と前記連通孔との間の平面視での直線距離よりも長い経路で、且つ、それぞれの経路長が等しくなるように形成された、前記空気流入口と前記連通孔との間を空気が通過可能な複数の空気流入経路と
を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の圧力センサ。 - 前記空気流入口が、前記連通孔と同一の向きに開口している
ことを特徴とする請求項3に記載の圧力センサ。 - 前記空気流入口を覆うように保持され、前記風よけ板と平行な長さが、前記空気流入口の開口端の最大幅以上である第2の風よけ板を備え、
前記風よけ板と前記第2の風よけ板との間の距離が、前記空気流入口の開口端の最大幅以下の距離である
ことを特徴とする請求項4に記載の圧力センサ。 - 前記空気流入経路が、平面視で蛇行線状の形状であることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の圧力センサ。
- 前記空気流入経路が、平面視で前記連通孔を中心とした螺旋放射状の形状であることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の圧力センサ。
- 前記センサ部は、前記連通孔を覆うように片持ち状態で接続され、前記連通孔を通じた前記キャビティの内部と外部との圧力差に応じて撓み変形するカンチレバーを備え、
さらに、前記カンチレバーの撓み変形に基づいて、前記圧力差を検出する検出部を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の圧力センサ。 - 内部にキャビティが形成され、開口部を有する有底箱状のキャビティ筐体と、
前記キャビティの内部と外部とを連通する連通孔を有し、前記キャビティ筐体の開口面を覆うように配置されたセンサ基板と、
前記連通孔を通じた前記キャビティの内部と外部との圧力差を検出するセンサ部と、
前記連通孔と同一の向きに開口している複数の空気流入口と、前記センサ基板との間に、平面視での経路が、前記空気流入口と前記連通孔との間の前記センサ基板と平行な直線距離よりも長い経路で、且つ、それぞれの経路長が等しくなるように形成された、前記空気流入口と前記連通孔との間を空気が通過可能な複数の空気流入経路とを有し、前記連通孔を覆うように配置された経路基板と
を備えることを特徴とする圧力センサ。
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