JP2020180313A - 高硬度部材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】Nを含むマルテンサイト系ステンレス鋼からなり、表層部における脱窒が少なく、かつ、表層部の硬さが高い高硬度部材及びその製造方法を提供すること。【解決手段】高硬度部材は、0.10〜0.20mass%のNを含むマルテンサイト系ステンレス鋼からなる。高硬度部材は、表層部の残留オーステナイト量が30vol%以下であり、表層部の硬さが300Hv以上であり、表面から深さ100μmの位置までEPMA線分析を行った時のN濃度の最小値Nmin(mass%)が0.15mass%以上、最大値Nmax(mass%)が0.40mass%以下である。このような高硬度部材は、素材から所定の形状を有する部材を加工し、窒素分圧が10Torr以上180Torr以下である非酸化雰囲気下において、部材を焼入れすることにより得られる。【選択図】図1

Description

本発明は、高硬度部材及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、高硬度及び耐食性を有するマルテンサイト系ステンレス鋼からなる高硬度部材及びその製造方法に関する。
マルテンサイト系ステンレス鋼とは、オーステナイト領域から焼入れしてマルテンサイト組織とし、適当な温度で焼戻して使用するCr系鋼をいう。マルテンサイト系ステンレス鋼は、一般に、硬さが高く、耐食性及び耐摩耗性に優れているので、軸受や刃物などの薄肉部材、あるいは、ねじや燃料噴射部材などの複雑形状の部材に使用されている。通常、マルテンサイト系ステンレス鋼は、目的形状に加工した後、焼入れ等の熱処理を実施することで、目的とする硬さや耐食性に調整されている。
このようなマルテンサイト系ステンレス鋼に関し、従来から種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、0.15≦C<0.70mass%、0.05≦Si≦1.00mass%、0.05≦Mn≦1.00mass%、P≦0.030mass%、S≦0.030mass%、0.001≦Cu≦0.50mass%、0.05≦Ni≦0.50mass%、11.0≦Cr≦18.0mass%、0.05≦Mo≦2.0mass%、0.01≦W≦0.50mass%、0.01≦V≦0.50mass%、0.05≦N≦0.40mass%、O≦0.02mass%、Al≦0.080mass%、及び、0.0005≦B≦0.0050mass%を含み、残部が実質的にFe及び不可避的不純物からなり、0.4<C+N<0.7mass%、かつC/N≧0.75であるマルテンサイト鋼が開示されている。
同文献には、
(a)侵入型原子としてCに加えてNを添加し、かつ、C+N量及びC/N比を最適化すると、焼入れ温度でのCの固溶限を大きくする(すなわち、オーステナイト領域を広くする)ことができる点、及び、
(b)これによって、マルテンサイト変態後に高硬度が得られる点
が記載されている。
また、特許文献2には、0.15≦C≦0.50mass%、0.20<Si≦1.0mass%、0.05≦Mn≦2.0mass%、P≦0.03mass%、S≦0.01mass%、0.05≦Cu≦3.0mass%、0.05≦Ni≦3.0mass%、13.0≦Cr≦20.0mass%、0.10≦Mo≦5.0mass%、Al≦0.02mass%、Ti≦0.02mass%、0.20≦N≦0.80mass%、0.001≦B≦0.01mass%、O≦0.01mass%、を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなり、残留オーステナイト量が3%以上30%以下である高硬度マルテンサイト系ステンレス鋼が開示されている。
同文献には、
(a)N含有量の多いマルテンサイト系ステンレス鋼に対し、適量のBを添加すると、マルテンサイト変態時の焼割れを抑制することができる点、
(b)適量のSiを添加すると同時に、窒化物を生成しやすいAl及びTi量を一定値以下にすると、酸化物・窒化物系介在物に起因する焼割れを抑制することができる点、及び、
(c)残留オーステナイト量が一定量となるように焼入れ条件を最適化すると、高硬度及び高耐食性を両立させ、かつ、焼割れも抑制することができる点
が記載されている。
さらに、特許文献3には、重量%で、C:0.13〜0.30%、Ni:3.0%以下、Cr:11.0〜15.0%、Mo:0.5〜3.0%、N:0.13%以下、Mn:2.0%以下、Cu:2.0%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、Cr当量及びNi当量が所定の条件を満たし、表層の残留オーステナイト量が10%未満であるマルテンサイト系ステンレス製ドリリングタッピンねじが開示されている。
同文献には、残留γがでない範囲に成分を限定し、さらに熱処理雰囲気を制御することで、ねじの表層の硬さの低下を抑えることができる点が記載されている。
焼入れは、大気雰囲気又は真空雰囲気で実施されるのが一般的である。しかし、大気雰囲気で焼入れを実施した場合、表面に酸化スケールが生成することに加えて、高C材では脱炭等により表層成分が変化する。そのため、数mm以下の研削代を考慮しておく必要があり、工程及びコストが増加するという問題がある。
これに対し、真空雰囲気で焼入れを実施した場合、酸化スケールの生成や脱炭を抑制できる。そのため、焼入れ後の研削工程を省略することが可能であり、薄肉部材や複雑形状部材への実施も可能である。
マルテンサイト系ステンレス鋼において、Nは、硬さや耐食性の向上に対して重要な成分であり、積極添加が望まれる。しかし、N添加量が過剰になると、残留オーステナイトが生成し、硬さが低下してしまうため、N添加量には適正範囲がある。このNを多く含むマルテンサイト系ステンレス鋼に対して真空焼入れを行った場合、ガス成分であるNが表層で減少する、いわゆる「脱窒」を生じることがある。脱窒は、上記脱炭と同様に、マルテンサイト系ステンレス鋼の耐食性や表面硬度に悪影響を与えるおそれがある。
特開2007−277639号公報 特開2008−133499号公報 特開平10−036945号公報
本発明が解決しようとする課題は、固溶強化元素としてNを含むマルテンサイト系ステンレス鋼からなり、表層部における脱窒が少なく、かつ、表層部の硬さが高い高硬度部材及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る高硬度部材は、以下の構成を備えている。
(1)前記高硬度部材は、マルテンサイト系ステンレス鋼からなり、
前記マルテンサイト系ステンレス鋼は、
0.35≦C≦0.45mass%、
0.05≦Si≦1.00mass%、
0.05≦Mn≦1.00mass%、
0.05≦Ni≦1.00mass%、
15.0≦Cr≦18.0mass%、
1.00≦Mo≦2.00mass%、
0.10≦V≦0.50mass%、
0.10≦N≦0.20mass%、及び、
0.0005≦B≦0.0050mass%
を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる。
(2)前記高硬度部材は、表層部の残留オーステナイト量が30vol%以下である。
(3)前記高硬度部材は、表層部の硬さが300Hv以上である。
(4)前記高硬度部材は、表面から深さ100μmの位置までEPMA線分析を行った時のN濃度の最小値Nmin(mass%)が0.15mass%以上、最大値Nmax(mass%)が0.40mass%以下である。
本発明に係る高硬度部材の製造方法は、
マルテンサイト系ステンレス鋼からなる素材から、所定の形状を有する部材を加工する加工工程と、
窒素分圧が10Torr(1.3kPa)以上180Torr(24.0kPa)以下である非酸化雰囲気下において、前記部材を焼入れ温度に加熱し、前記部材を急冷し、本発明に係る高硬度部材を得る焼入れ工程と、
を備えている。
固溶強化元素としてNを含むマルテンサイト系ステンレス鋼からなる部材を焼入れする場合において、焼入れ時の雰囲気を、窒素分圧が制御された窒素を含む非酸化雰囲気とすると、表面スケールの生成、脱窒、及び、Nが過剰に固溶することに起因する残留オーステナイト量の増加を抑制することができる。その結果、所定の表面硬さを有する部材を低コストで製造することができる。また、実質的に後加工が不要であるため、薄肉部材や複雑形状部材であっても製造することができる。
実施例2、3、並びに、比較例3、4で得られた試料の表層からの距離とN濃度との関係を示す図である。 図2(A)は、焼入れ後、研磨を行っていない表面のSEM像の一例である。図2(B)は、焼入れ後、研磨を行った表面のSEM像の一例である。
以下に、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
[1. マルテンサイト系ステンレス鋼]
本発明に係る高硬度部材は、マルテンサイト系ステンレス鋼からなる。
[1.1. 主構成元素]
高硬度部材を構成するマルテンサイト系ステンレス鋼は、以下のような元素を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる。添加元素の種類、その成分範囲、及びその限定理由は、以下の通りである。
(1)0.35≦C≦0.45mass%:
Cは、焼入れ時にマトリックスに固溶し、マルテンサイト組織とすることで硬さを確保するために必要な成分である。このような効果を得るためには、C量は、0.35mass%以上である必要がある。
一方、C量が過剰になると、CrやMoといった耐食性を確保する成分と炭化物を形成し、耐食性を劣化させる場合がある。また、残留オーステナイトを形成し、硬さが低下する場合がある。従って、C量は、0.45mass%以下である必要がある。
(2)0.05≦Si≦1.00mass%:
Siは、主に脱酸剤として、又は、窒素添加のために添加される。そのためには、Si量は、0.05mass%以上である必要がある。
一方、Si量が過剰になると、熱間での加工性を低下させたり、靱性を低下させる。従って、Si量は、1.00mass%以下である必要がある。
(3)0.05≦Mn≦1.00mass%:
Mnは、焼入れ性を向上させる成分として添加される。また、不可避的不純物であるSを固定し、靱性の低下を防止する効果もある。このような効果を得るためには、Mn量は、0.05mass%以上である必要がある。
一方、Mn量が過剰になると、熱間加工性を低下させる。従って、Mn量は、1.00mass%以下である必要がある。
(4)0.05≦Ni≦1.00mass%:
Niは、酸に対する耐食性を向上させ、溶鋼中へのNの溶解量を増加させる成分である。このような効果を得るためには、Ni量は、0.05mass%以上である必要がある。
一方、Ni量が過剰になると、残留オーステナイト量が増加し、硬さが低下する場合がある。従って、Ni量は、1.00mass%以下である必要がある。
(5)15.0≦Cr≦18.0mass%:
Crは、耐食性を向上させ、溶鋼中へのNの溶解量を増加させる成分である。このような効果を得るためには、Cr量は、15.0mass%以上である必要がある。
一方、Cr量が過剰になると、残留オーステナイト量が増加し、硬さが低下する場合がある。従って、Cr量は、18.0mass%以下である必要がある。
(6)1.00≦Mo≦2.00mass%:
Moは、耐食性を向上させる成分である。このような効果を得るためには、Mo量は、1.00mass%以上である必要がある。
一方、Mo量が過剰になると、残留オーステナイト量が増加し、硬さが低下する場合がある。従って、Mo量は、2.00mass%以下である必要がある。
(7)0.10≦V≦0.50mass%:
Vは、窒素の溶解量を増加させる成分である。また、微細な炭窒化物を形成し、硬さの向上や、結晶粒粗大化の抑制に寄与する。このような効果を得るためには、V量は、0.10mass%以上である必要がある。
一方、V量が過剰になると、粗大な炭窒化物を形成し、偏析が顕著となることで耐食性を劣化させる。従って、V量は、0.50mass%以下である必要がある。
(8)0.10≦N≦0.20mass%:
Nは、CrやVといった成分と窒化物を形成して、結晶粒の粗大化を抑制する作用がある。また、Nは、オーステナイト形成成分であるため、不足するとδフェライトを形成し、硬さが低下する。そのため、N量は、0.10mass%以上である必要がある。
一方、N量が過剰になると、残留オーステナイト量が増加し、硬さが低下する場合がある。従って、N量は、0.20mass%以下である必要がある。
(9)0.0005≦B≦0.0050mass%:
Bは、靱性及び熱間加工性を向上させるために有効である。このような効果を得るためには、B量は、0.0005mass%以上である必要がある。
一方、B量が過剰になると、窒化物を形成し、Nの効果を減少させる。従って、B量は、0.0050mass%以下である必要がある。
[1.2. 副構成元素]
高硬度部材を構成するマルテンサイト系ステンレス鋼は、上述した主構成元素に加えて、以下のような元素をさらに含んでいても良い。添加元素の種類、その成分範囲、及びその限定理由は、以下の通りである。
(10)0.01≦Cu≦2.00mass%:
Cuは、酸に対する耐食性を向上させる成分であり、必要に応じて添加することができる。このような効果を得るためには、Cu量は、0.01mass%以上が好ましい。
一方、Cu量が過剰になると、残留オーステナイト量が増加し、硬さが低下する場合がある。従って、Cu量は、2.00mass%以下が好ましい。
[1.3. 不可避的不純物]
「不可避的不純物」とは、ステンレス鋼を製造する際に、原料や耐火物から混入する微量成分をいう。不可避的不純物としては、例えば、
(a)0.03mass%以下のP、
(b)0.03mass%以下のS、
(c)0.20mass%以下のAl、
(d)0.01mass%以下のO、
(e)0.10mass%以下のW
などがある。
[2. 高硬度部材]
本発明に係る高硬度部材は、以下の構成を備えている。
(1)前記高硬度部材は、マルテンサイト系ステンレス鋼からなる。
(2)前記高硬度部材は、表層部の残留オーステナイト量が30vol%以下である。
(3)前記高硬度部材は、表層部の硬さが300Hv以上である。
(4)前記高硬度部材は、表面から深さ100μmの位置までEPMA線分析を行った時のN濃度の最小値Nmin(mass%)が0.15mass%以上、最大値Nmax(mass%)が0.40mass%以下である。
[2.1. マルテンサイト系ステンレス鋼]
高硬度部材は、マルテンサイト系ステンレス鋼からなる。マルテンサイト系ステンレス鋼の詳細については、上述した通りであるので、説明を省略する。
[2.2. 表面のN濃度の最大値]
上述したように、高硬度部材を構成するマルテンサイト系ステンレス鋼は、材料全体の平均のN濃度が0.10〜0.20mass%の範囲内にある。しかしながら、平均のN濃度がこのような範囲内にある場合であっても、熱処理条件が不適切であると、表面のN濃度が平均のN濃度より低くなる場合と、高くなる場合とがある。
表面のN濃度が母材の平均のN濃度よりも低くなる場合としては、例えば、窒素分圧が過度に低い雰囲気中において部材を焼入れ温度に加熱した場合(すなわち、熱処理中に脱窒が生じた場合)が挙げられる。
表面のN濃度が母材の平均のN濃度よりも高くなる場合としては、例えば、
(a)窒素分圧が過度に高い雰囲気中において部材を焼入れ温度に加熱した場合、
(b)冷媒として窒素ガスを用いて部材を焼入れ温度から急冷した場合、
などが挙げられる。
表面のN濃度が過度に高くなると、焼入れ後においてもオーステナイトが多量に残留する場合がある。残留オーステナイト量を低減するためには、高硬度部材の表面のN濃度の最大値Nmax(mass%)は、0.40mass%以下である必要がある。Nmaxは、好ましくは、0.35mass%以下、さらに好ましくは、0.30mass%以下である。
ここで、「表面のN濃度の最大値Nmax」とは、表面から深さ100μmの位置までEPMA線分析を行った時のN濃度の最大値をいう。
[2.3. 表層部の残留オーステナイト量]
残留オーステナイト量は、母材の組成、熱処理条件などにより変わる。残留オーステナイトは、硬さを低下させる原因となる。そのため、高硬度が要求される部材においては、残留オーステナイト量は少ないほど良い。後述する方法を用いると、表層部の残留オーステナイト量は、30vol%以下となる。製造条件を最適化すると、表層部の残留オーステナイト量は、25vol%以下となる。
ここで、「表層部の残留オーステナイト量」とは、Mo管球を用いたX線回折測定により得られるフェライト相の(200)及び(211)のピーク強度と、オーステナイト相の(200)、(220)及び(311)のピーク強度とを用いる方法(いわゆる、5ピーク法)によって算出される値(vol%)をいう。
[2.4. 表層部の硬さ]
本発明に係る高硬度部材は、所定の組成を有するマルテンサイト系ステンレス鋼を所定の形状に加工した後、所定の条件下で熱処理することにより得られる。そのため、表層部の硬さが高い。熱処理条件として、所望の特性に応じて公知の条件を適用することにより、表層部の硬さは、300Hv以上となる。材料組成及び熱処理条件をさらに最適化すると、表層部の硬さは、600Hv以上、あるいは、650Hv以上となる。
ここで、「表層部の硬さ」とは、表面から深さ50μm±10μmの位置を中心に測定されたビッカース硬さをいう。
[2.5. N濃度の最小値]
「N濃度の最小値Nmin(mass%)」とは、表面から深さ100μmの位置までEPMA線分析を行った時のN濃度の最小値をいう。
焼入れ温度に加熱する際の雰囲気中の窒素分圧が過度に低くなると、表面に脱窒層が形成され、表面近傍のN濃度は、焼入れ前の素材のN濃度より低くなる。一方、急冷用の冷媒として窒素ガスを用いた場合には、急冷時に表面近傍にNが拡散し、表面近傍の窒素濃度が局所的に上昇する。しかし、急冷時における窒素の拡散距離は、相対的に短い。
そのため、窒素分圧が過度に低い雰囲気下で焼入れ温度に加熱した場合には、窒素ガスを用いて急冷した場合であっても、表面から深さが数十μm〜100μm程度の領域に脱窒層が残ったままとなる。このような脱窒層の残存は、表層部の硬さを低下させる原因となる。
これに対し、焼入れ温度に加熱する際の雰囲気中の窒素分圧を最適化すると、表面における脱窒層の形成を抑制することができる。その結果、N濃度の最小値Nminは、0.15%以上となる。
[2.5. 未加工面]
本発明に係る高硬度部材は、表面の全部又は一部に未加工面を含んでいても良い。ここで、「未加工面」とは、焼入れ後に加工が行われていない面をいう。
焼入れ後に加工が行われたか否かは、部材の表面を顕微鏡で観察することにより知ることができる。焼入れ温度まで加熱する際にフェライト相がオーステナイト相に変態することで、体積変化が生じる。体積変化の方向は、結晶方位で異なるため、結晶粒界に凹凸が生じた状態となる。この凹凸の有無を調べることにより、未加工面か否かを判断することができる。図2(A)に、焼入れ(1050℃×0.5h/N2ガス急冷)後、研磨を行っていない表面のSEM像の一例を示す。図2(B)に、焼入れ(1050℃×0.5h/N2ガス急冷)後、研磨を行った表面のSEM像の一例を示す。
本発明に係る高硬度部材は、窒素分圧が制御された窒素を含む非酸化雰囲気下において焼入れが行われるため、焼入れ後の部材の表面には、実質的に表面に酸化スケールが生成しない。そのため、焼入れした直後の表面状態のまま、各種の用途に用いることができる。あるいは、本発明に係る高硬度部材に要求される表面近傍の物性値が維持される限りにおいて、必要に応じて、未加工面の全部又は一部に対して加工(例えば、研磨加工など)を施しても良い。
[2.6. 形状]
本発明に係る高硬度部材の形状は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な形状を選択することができる。上述したように、本発明に係る高硬度部材は、実質的に表面に酸化スケールが生成しない。そのため、仕上げ加工が困難又は不可能である薄肉部を備えた部材に対して本発明を適用すると、高い効果が得られる。
具体的には、本発明に係る高硬度部材は、厚さが10mm以下の薄肉部を備えているものが好ましい。薄肉部の厚さは、好ましくは、2mm以下である。
このような薄肉部を備えた部材としては、例えば、刃物、自動車燃料噴射部品であるインジェクター、ネジ、軸受などがある。
例えば、真空焼入れを行った場合、表層の脱窒は数100μmに及ぶことがある。この場合、サンプル中に占める脱窒層の割合は、厚さ10mmのサンプルで約5%、厚さ2mmのサンプルで約25%に相当する。研削で脱窒層を除去する場合、この分の体積ロスがあるため、コスト面で問題がある。
これに対し、窒素分圧が制御された雰囲気下で焼入れを行うと、脱窒層の生成を抑制することができるので、脱窒層を除去する工程が不要となる。
[3. 高硬度部材の製造方法]
本発明に係る高硬度部材の製造方法は、
マルテンサイト系ステンレス鋼からなる素材から、所定の形状を有する部材を加工する加工工程と、
窒素分圧が10Torr(1.3kPa)以上180Torr(24.0kPa)以下である非酸化雰囲気下において、前記部材を焼入れ温度に加熱し、前記部材を急冷し、本発明に係る高硬度部材を得る焼入れ工程と、
を備えている。
本発明に係る高硬度部材の製造方法は、
(a)前記焼入れ工程の後に、前記部材をサブゼロ処理するサブゼロ処理工程、及び、
(b)前記焼入れ工程の後、又は、前記サブゼロ処理工程の後に、前記部材の焼戻しを行う焼戻し工程
をさらに備えていても良い。
[3.1. 加工工程]
まず、マルテンサイト系ステンレス鋼からなる素材から、所定の形状を有する部材を加工する(加工工程)。
部材の形状、寸法等は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適なものを選択する。また、マルテンサイト系ステンレス鋼の詳細については、上述した通りであるので、説明を省略する。
なお、加工前の素材、又は、所定の形状に加工した後の部材に対し、焼入れ処理を行う前に焼鈍処理を施しても良い。
[3.2. 焼入工程]
次に、窒素分圧が10Torr(1.3kPa)以上180Torr(24.0kPa)以下である非酸化雰囲気下において、前記部材を焼入れ温度に加熱し、前記部材を急冷
する(焼入れ工程)。これにより、本発明に係る高硬度部材が得られる。
[3.2.1. 窒素分圧]
窒素分圧は、焼入れ後の部材の硬さに影響を与える。焼入れ時の雰囲気中の窒素分圧が低くなりすぎると、部材表面に母材よりもN濃度が低い脱窒層が形成されやすくなる。脱窒層の形成を抑制するためには、窒素分圧は、10Torr(1.3kPa)以上である必要がある。
一方、焼入れ時の窒素分圧が高くなりすぎると、部材表面のN濃度が過度に高くなり、焼入れ後の残留オーステナイト量が増大する場合がある。従って、窒素分圧は、180Torr(24.0kPa)以下である必要がある。
焼入れ時の雰囲気中のガス組成は、窒素分圧が上記の範囲内である非酸化雰囲気である限りにおいて、特に限定されない。すなわち、雰囲気中には、窒素ガスのみが含まれていても良く、あるいは、窒素に加えて、水素ガス、Arガス、Heガスなどの還元ガス又は不活性ガスが含まれていても良い。
また、焼入れ時の雰囲気の全圧は、窒素分圧が上記の範囲内である限りにおいて、特に限定されない。すなわち、焼入れは、大気圧下、大気圧未満の減圧下、あるいは、大気圧を超える加圧下のいずれの圧力下で行っても良い。
[3.2.2. 焼入れ温度]
焼入れ時の部材の温度(焼入れ温度)は、マルテンサイト系ステンレス鋼の組成に応じて、最適な温度を選択する。一般に、焼入れ温度が低すぎると、炭化物が多量に残存し、耐食性が低下する。従って、焼入れ温度は、1000℃以上が好ましい。
一方、焼入れ温度が高くなりすぎると、残留オーステナイト量が多くなり、硬さが低下する場合がある。従って、焼入れ温度は、1100℃以下が好ましい。
[3.2.3. 冷却条件]
「焼入れ時の冷却速度」とは、焼入れ温度から400℃まで冷却する際の平均冷却速度をいう。
本発明において、冷却速度は特に限定されないが、冷却速度が速くなるほど、部材の鋭敏化が抑制され、耐食性に優れたものとなる。耐食性に優れた高硬度部材を得る場合、冷却速度は、0.5℃/sec以上が好ましく、より好ましくは、1℃/sec以上、一層好ましくは、5℃/sec以上である。
[3.2.4. 冷媒]
焼入れ時の冷媒は、上述した冷却速度が得られるものである限りにおいて、特に限定されない。冷媒としては、例えば、
(a)水、油などの液体、
(b)窒素ガス、アルゴンガスなどの気体、
などがある。
[3.3. サブゼロ処理工程]
次に、必要に応じて、焼入れされた前記部材をサブゼロ処理する(サブゼロ処理工程)。サブゼロ処理は、残留オーステナイト量を低減させる処理である。そのため、焼戻し温度が500℃以下である場合において、硬さを必要とする場合には、サブゼロ処理を実施するのが好ましい。残留オーステナイト量を低減するためには、サブゼロ処理の温度は、−50℃以下が好ましい。
[3.4. 焼戻し工程]
次に、必要に応じて、前記焼入れ工程の後、又は、前記サブゼロ処理工程の後に、前記部材の焼戻しを行う(焼戻し工程)。焼戻し温度は、目的とする靱性、硬さ、及び耐食性に応じて、適宜設定することができる。例えば、硬さを優先する場合には、焼戻し温度は、100〜550℃が好ましい。一方、靱性を優先する場合には、焼戻し温度は、550〜800℃が好ましい。さらに、耐食性を優先する場合には、焼戻し温度は、100〜400℃が好ましい。
[4. 作用]
固溶強化元素としてNを含むマルテンサイト系ステンレス鋼からなる部材を焼入れする場合において、焼入れ時の雰囲気を、窒素分圧が制御された窒素を含む非酸化雰囲気とすると、表面スケールの生成、脱窒、及び、Nが過剰に固溶することに起因する残留オーステナイト量の増加を抑制することができる。その結果、所定の表面硬さを有する部材を低コストで製造することができる。また、実質的に後加工が不要であるため、薄肉部材や複雑形状部材であっても製造することができる。
(実施例1〜11、比較例1〜7)
[1. 試料の作製]
表1に示す化学組成の鋼50kgを溶製した。得られた鋼塊を熱間鍛造し、直径20mmの棒材を製造した。この棒材から試験片を切断採取し、表2に示す条件にて焼入れを行った。急冷時の冷媒には、窒素ガスを用いた。さらに、焼入れ後の試験片に対して、−80℃でのサブゼロ処理、及び180℃での焼戻しを行った。表1のN量は、JIS G1228(2006)に定められた不活性ガス融解−熱伝導法による測定値である。
Figure 2020180313
Figure 2020180313
[2. 試験方法]
[2.1. 表層部の硬さ]
表面から深さ50μm±10μmの位置を中心に、ビッカース硬さを測定した。
[2.2. 耐食性]
試料表面を研磨した後、JIS G 0577に従い、孔食電位Vc'100(mV)(アノード分極曲線において、電流値100μA/cm2に対応する電位)を測定した。
[2.3. 表層部の残留オーステナイト量]
耐食性が良好な水準については、試料表面に対してX線回折測定を行った。さらに、上述した5ピーク法を用いて、残留オーステナイト量を算出した。
[2.4. 表層部の化学成分分析]
EPMAを用いて、表層部の化学成分の分析を行った。
[3. 結果]
[3.1. 焼入れ条件の検討(実施例1〜5、比較例1〜6)]
表3に、焼入れ条件の検討結果を示す。実験は、すべて合金1を用いて行った。また、図1に、実施例2、3、並びに、比較例3、4で得られた試料の表層からの距離とN濃度との関係を示す。表3及び図1より、以下のことが分かる。
(1)比較例1、3、5は、耐食性が低い。これは、表層部に脱窒層が形成されたためと考えられる。
(2)比較例2、4、6は、Nmax>0.40mass%であり、かつ、残留オーステナイト量も多い。また、それに伴い、硬さが若干低下した。これは、焼入れ温度に加熱する際の雰囲気中の窒素分圧が高すぎるためと考えられる。
(3)実施例1〜5は、いずれも、Nminが適度に高く、残留オーステナイトが少なく、かつ、耐食性も高い。これは、焼入れ温度に加熱する際の雰囲気中の窒素分圧が最適化されているために、脱窒及び過度の窒化が抑制されたためと考えられる。
Figure 2020180313
[3.2. 合金成分の検討(実施例4〜11、比較例7)]
表4に、合金成分の検討結果を示す。表4より、以下のことが分かる。
(1)比較例7は、耐食性が低い。これは、母材中の平均のN濃度が低すぎるためと考えられる。
(2)実施例4〜11は、いずれも、Nminが適度に高く、残留オーステナイトが少なく、かつ、耐食性も高い。
Figure 2020180313
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係る高硬度部材は、刃物、自動車燃料噴射部品であるインジェクター、ネジ、軸受などに用いることができる。

Claims (7)

  1. 以下の構成を備えた高硬度部材。
    (1)前記高硬度部材は、マルテンサイト系ステンレス鋼からなり、
    前記マルテンサイト系ステンレス鋼は、
    0.35≦C≦0.45mass%、
    0.05≦Si≦1.00mass%、
    0.05≦Mn≦1.00mass%、
    0.05≦Ni≦1.00mass%、
    15.0≦Cr≦18.0mass%、
    1.00≦Mo≦2.00mass%、
    0.10≦V≦0.50mass%、
    0.10≦N≦0.20mass%、及び、
    0.0005≦B≦0.0050mass%
    を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる。
    (2)前記高硬度部材は、表層部の残留オーステナイト量が30vol%以下である。
    (3)前記高硬度部材は、表層部の硬さが300Hv以上である。
    (4)前記高硬度部材は、表面から深さ100μmの位置までEPMA線分析を行った時のN濃度の最小値Nmin(mass%)が0.15mass%以上、最大値Nmax(mass%)が0.40mass%以下である。
  2. 表面の全部又は一部に未加工面(焼入れ後に加工が行われていない面)を含む請求項1に記載の高硬度部材。
  3. 厚さ10mm以下の薄肉部を備えている請求項1又は2に記載の高硬度部材。
  4. 前記マルテンサイト系ステンレス鋼は、
    0.01≦Cu≦2.00mass%
    をさらに含む請求項1から3までのいずれか1項に記載の高硬度部材。
  5. マルテンサイト系ステンレス鋼からなる素材から、所定の形状を有する部材を加工する加工工程と、
    窒素分圧が10Torr(1.3kPa)以上180Torr(24.0kPa)以下である非酸化雰囲気下において、前記部材を焼入れ温度に加熱し、前記部材を急冷し、請求項1から4までのいずれか1項に記載の高硬度部材を得る焼入れ工程と
    を備えた高硬度部材の製造方法。
  6. 前記焼入れ工程の後に、前記部材をサブゼロ処理するサブゼロ処理工程をさらに備えた請求項5に記載の高硬度部材の製造方法。
  7. 前記焼入れ工程の後、又は、前記サブゼロ処理工程の後に、前記部材の焼戻しを行う焼戻し工程をさらに備えた請求項5又は6に記載の高硬度部材の製造方法。
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