以下、本発明を実施するための形態例について、添付図面を参照して説明する。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素は、同一の符号を付し、構成要素の重複説明は省略する。
<画像形成システムの構成>
まず、本発明の一実施形態に係る画像形成システムの全体構成について、図1を参照して説明する。図1は、画像形成システム1(画像形成装置の一例)の全体構成を示す概略図である。なお、図1には、本発明の説明に必要とされる要素又はその関連要素を記載しており、本発明の画像形成システムは図1に示す例に限定されない。
画像形成システム1は、図1に示すように、給紙装置10、第1の画像形成装置20、第1の画像読み取り装置30(第1の画像読み取り部の一例)、用紙反転部40、第2の画像形成装置50、第2の画像読み取り装置60(第2の画像読み取り部の一例)、及び、排紙装置70等を備える。また、画像形成システム1は、第1のプリンタコントローラー101、第1の制御装置102、第2のプリンタコントローラー103、及び、第2の制御装置104等を備える。画像形成システム1を構成するこれらの装置は、それぞれ、LAN(Local Area Network)等よりなるネットワークNを介して通信可能に接続される。
給紙装置10は、様々な紙種、用紙サイズの用紙(記録媒体の一例)が収容される複数の給紙トレイを有し、給紙トレイに収容された用紙を第1の画像形成装置20の用紙搬送部210(図4参照)に給紙する。
第1の画像形成装置20は、インクジェット方式で用紙に画像を形成する画像形成装置であり、第1のプリンタコントローラー101から投入される印刷ジョブに基づいて、用紙の表面(第1面の一例)に画像を形成(印刷)する。第1のプリンタコントローラー101から表面用調整チャート用データが送信された場合には、第1の画像形成装置20は、用紙の表面に表面用調整チャート(第1の画像の一例)を形成する。
第1のプリンタコントローラー101は、不図示の端末装置から送信された印刷ジョブに含まれる描画データに対してRIP(Raster Image Processor)処理を行って、表面用調整チャート用データ等の画像データを生成する。そして、第1のプリンタコントローラー101は、生成した画像データを第1の画像形成装置20に送信する。
また、第1のプリンタコントローラー101は、第1の制御装置102から表面用調整データが送信された場合、第1の画像形成装置20に、表面用調整データに基づく画質調整処理を行わせる制御を行う。画質調整処理は、表面用調整データを次回以降の画像形成に反映させる処理である。
第1の画像読み取り装置30は、インラインセンサ330(図6参照)を備え、第1の画像形成装置20から出力された、表面用調整チャート等の画像が形成された用紙の、1ページ全面を読み取る。第1の画像読み取り装置30は、インラインセンサ330が読み取って得た読み取り画像を、第1の制御装置102に送信する。
第1の制御装置102は、第1の画像読み取り装置30の動作を制御する制御装置である。第1の画像読み取り装置30から送信された読み取り画像が、表面用調整チャートの読み取り画像である場合には、第1の制御装置102は、読み取り画像に基づいて表面用調整データ(第1の面用調整データの一例)を生成する。具体的には、第1の制御装置102は、読み取り画像の色毎、第1の画像形成装置20の各記録ヘッド242(図3参照)による形成画像毎に画像を分解する。そして、第1の制御装置102は、分解された各画像より得られる情報に基づいて表面用調整データを生成し、該表面用調整データを第1のプリンタコントローラー101に送信する。
また、第1の制御装置102は、第1の画像読み取り装置30の故障を検知した場合には、印刷のモードを、通常の印刷モードから第1の画像読み取り装置故障モードに変更する。そして、第1の制御装置102は、第1の画像形成装置20から出力された表面用調整チャートに基づく表面用調整データを第2の制御装置104に生成させ、該表面用調整データに基づく画質調整処理を第1の画像形成装置20に行わせる画質調整制御を行う。第1の画像読み取り装置30の故障時における画質調整制御の詳細については、後述する。
用紙反転部40は、印刷ジョブにおいて片面印刷が指示されている場合には、第1の画像形成装置20から出力された用紙の表面を反転させずに、第2の画像形成装置50に搬送する。一方、印刷ジョブにおいて両面印刷が指示されている場合には、用紙反転部40は、第1の画像形成装置20から出力された用紙の表面を反転させて、第2の画像形成装置50に搬送する。用紙反転部40の機構、構成は、用紙の表面及び裏面を反転させることが可能な機構、構成であれば、どのようなものであってもよい。
第2の画像形成装置50は、インクジェット方式で用紙に画像を形成する画像形成装置であり、第2のプリンタコントローラー103から投入される印刷ジョブに基づいて、用紙の裏面(第2面の一例)に画像を形成する。第2のプリンタコントローラー103から裏面用調整チャート用データが送信された場合には、第2の画像形成装置50は、用紙の裏面に裏面用調整チャート(第2の画像の一例)を形成する。
第2のプリンタコントローラー103は、不図示の端末装置から送信された印刷ジョブに含まれる描画データに対してRIP処理を行って、裏面用調整チャート用データ等の画像データを生成する。そして、第2のプリンタコントローラー103は、生成した画像データを第2の画像形成装置50に送信する。また、第2のプリンタコントローラー103は、第2の制御装置104から裏面用調整データが送信された場合、第2の画像形成装置50に、該表面用調整データを次回以降の画像形成に反映させる画質調整処理を行う。
第2の画像読み取り装置60は、インラインセンサ630(図7参照)を備え、第2の画像形成装置50から出力された、裏面用調整チャート等の画像が形成された用紙の、1ページ全面を読み取る。第2の画像読み取り装置60は、インラインセンサ630が読み取って得た読み取り画像を、第2の制御装置104に送信する。
第2の制御装置104は、第2の画像読み取り装置60の動作を制御する制御装置である。第2の画像読み取り装置60から送信された読み取り画像が、裏面用調整チャートの読み取り画像である場合には、第2の制御装置104は、読み取り画像に基づいて裏面用調整データを生成する。具体的には、第2の制御装置104は、読み取り画像の色毎、第2の画像形成装置50の各記録ヘッド242(図3参照)による形成画像毎に画像を分解する。そして、第2の制御装置104は、分解された各画像より得られる情報に基づいて、裏面用調整データを生成し、該裏面用調整データを第2のプリンタコントローラー103に送信する。
また、第2の画像読み取り装置60から送信された読み取り画像が、表面用調整チャートの読み取り画像である場合には、第2の制御装置104は、読み取り画像に基づいて表面用調整データを生成し、該表面用調整データを、第2のプリンタコントローラー103を介して第1のプリンタコントローラー101に送信する。
排紙装置70は、メイントレイ71及びパージトレイ72を備える。メイントレイ71には、正常に画像が形成された用紙が排紙される。パージトレイ72には、画像が正常に形成されなかった用紙が排紙される。
なお、本実施形態では、本発明の画像形成装置(第1の画像形成装置20、第2の画像形成装置50)をインクジェット方式の画像形成装置に適用する例を挙げたが、本発明はこれに限定されない。本発明の画像形成装置は、例えば、電子写真方式等の、他の画像形成方式で画像形成を行う画像形成装置に適用されてもよい。
<画像形成装置の画像形成部の構成>
次に、図2を参照して、本実施形態に係る第1の画像形成装置20の画像形成部240(第1の画像形成部の一例:図4参照)の構成例について説明する。図2は、第1の画像形成装置20の画像形成部240の全体構成を示す概略構成図である。なお、第2の画像形成装置50の画像形成部540(図5参照:第2の画像形成部の一例)の構成も図2に示す構成と同一である。
図2に示す第1の画像形成装置20は、ヘッドユニット24の記録ヘッド242(図3参照)に設けられた複数のノズルからインク液滴を吐出(射出)することにより、用紙に画像を形成するインクジェット方式の画像形成装置である。この第1の画像形成装置20は、例えば、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のインクを重ね合わせるカラー方式の画像形成装置である。なお、第1の画像形成装置20が使用する色の種類は、Y,M,C,Kの4種類に限定されず、他の色が使用されてもよい。
図2に示すように、第1の画像形成装置20の画像形成部240は、画像形成ドラム21、受け渡しユニット22、加熱部23、ヘッドユニット24、定着部25及び用紙排出部26等を備える。
画像形成ドラム21は、円筒状に形成され、不図示の駆動モータによって回転駆動されることより反時計回り(図中に半円形状の矢印で示す方向)に回転する。画像形成ドラム21の外周面には、給紙装置10から供給された用紙が担持される。そして、画像形成ドラム21は、回転することにより用紙を搬送する。加熱部23、ヘッドユニット24及び定着部25は、それぞれ、画像形成ドラム21の外周面に対向して配置される。
受け渡しユニット22は、給紙装置10の用紙供給部12と画像形成ドラム21との間に設けられている。受け渡しユニット22は、爪部221と、円筒状の受け渡しドラム222等を備える。爪部221は、用紙供給部12により搬送された用紙の一端を担持する。受け渡しドラム222は、爪部221に担持された用紙を画像形成ドラム21に向けて誘導する。これにより、用紙は、受け渡しユニット22を介して用紙供給部12から画像形成ドラム21の外周面に受け渡される。
受け渡しドラム222における用紙の搬送方向の下流側には、加熱部23が配置されている。加熱部23は、例えば電熱線等を有し、通電されることによって発熱する。加熱部23は、制御部200(図4参照)による制御により、画像形成ドラム21に担持されて加熱部23の近傍を通過する用紙が所定の温度となるように加熱を行う。
加熱部23における用紙の搬送方向の下流側には、ヘッドユニット24が設けられている。ヘッドユニット24は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応して4つ設けられている。4つのヘッドユニット24は、用紙の搬送方向に対して上流側から、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの順に配置されている。
ヘッドユニット24は、複数の記録ヘッド242の各複数のノズルからインク液滴を吐出して用紙に画像形成を行う記録部である。ヘッドユニット24の長さは、用紙の搬送方向と直交する方向(用紙の幅方向)において用紙の全体を覆う長さ(ページ幅)に設定される。すなわち、本実施形態に係る第1の画像形成装置20(第2の画像形成装置50)は、ヘッドユニット24に用紙を一度だけ走査させることによって画像を形成するシングルパス方式のラインヘッド型インクジェット記録装置である。4つのヘッドユニット24は、それぞれ吐出するインクの色が異なるだけで、互いに同一の構成を有している。ヘッドユニット24の詳細については、図3を参照して後述する。
定着部25は、用紙の搬送方向における4つのヘッドユニット24の下流側に配置される。定着部25としては、例えば、低圧水銀ランプ等の紫外線を照射する蛍光管が適用される。そして、定着部25は、画像形成ドラム21により搬送された用紙に向けて紫外線を照射し、用紙上に吐出されたインク液滴を硬化させる。これにより、定着部25は、用紙に形成された画像を定着させる。
用紙排出部26は、円筒状の分離ドラム261及び排出ベルト262を備える。分離ドラム261は、画像形成ドラム21に担持された用紙を画像形成ドラム21の外周面から分離させる。そして、分離ドラム261は、用紙を排出ベルト262に用紙を誘導する。
排出ベルト262は、無端状に形成されており、不図示の複数のローラーにより回転可能に支持される。排出ベルト262は、分離ドラム261によって受け渡された用紙を後段の第1の画像読み取り装置30(第2の画像形成装置50である場合には、第2の画像読み取り装置60)に送り出す。
[ヘッドユニットの構成例]
次に、第1の画像形成装置20(第2の画像形成装置50)のヘッドユニット24の構成例について、図3を参照して説明する。図3は、ヘッドユニット24を用紙側から見た状態を示す平面図である。
ヘッドユニット24は、複数(本実施形態では6個)の記録ヘッド242a〜242fを備える。なお、以下の説明において、記録ヘッド242a〜242fを個々に区別する必要がない場合には、これらを記録ヘッド242と総称する。
図3には、記録ヘッド242のノズルの位置を模式的に示している。ノズルは、用紙の搬送方向(用紙搬送方向:図中に下向きの矢印で示す方向)と交差する方向(本実施形態では、直交する方向:図中に右向きの矢印で示す方向)に配列される。このノズルの配列方向をノズル列方向と呼ぶ。6つの記録ヘッド242a〜242fは、それぞれ、ノズル列方向についての配置範囲が互いに一部重複するように千鳥状に配置される。そして、ノズル列方向に沿って奇数番目に配置された記録ヘッド242a,242c,242eのノズルが同一直線上に位置するとともに、偶数番目に配置された記録ヘッド242b,242d,242fのノズルが同一線上に位置する。
また、6つの記録ヘッド242a〜242fは、互いに隣接する一対の記録ヘッド242において、各々に設けられた複数のノズル(ノズル群)のうち、一の記録ヘッド242の一方側の端部近傍のノズルと、他の一の記録ヘッド242の他方側の端部近傍のノズルとのノズル列方向についての配置範囲が重なる位置関係でノズル列方向に互いにずれた状態で配置されている。換言すれば、6つの記録ヘッド242a〜242fは、各々に設けられたノズル群のノズル列方向についての配置範囲が互いに異なる範囲を含み、ノズル列方向にインクを吐出可能な範囲が連続的に繋がるような位置関係で配置されている。記録ヘッド242a〜242fのノズル群同士が重複して配置されるノズル列方向の各範囲内には、重複範囲R(繋ぎ目)が設定されている。各重複範囲Rでは、重複範囲Rにノズルが設けられている一対の記録ヘッド242の各々のノズルから相補的にインクが吐出される。本実施形態では、一対の記録ヘッド242のノズル群同士が重複して配置されるノズル列方向の範囲全体が重複範囲Rとされる。
なお、記録ヘッド242の数及び配置は、上述した例に限定されるものではなく、7つ以上の記録ヘッド242を配置する構成であってもよい。
また、記録ヘッド242は、インク液滴を用紙に向けて吐出するノズルを含む複数の記録素子を有するインクジェットヘッドである。記録素子は、ノズルに加えて、インクを貯留する圧力室、及び、当該圧力室の側壁に設けられた圧電素子を備えており、圧力室にノズルが連通した構成となっている。記録ヘッド242にはヘッド駆動部241(図4参照)から、画像データの画素値に応じて、圧電素子を変形動作させる駆動電圧が駆動条件として供給される。
そして、圧電素子が変形動作することにより、ヘッド駆動部241からの駆動電圧に応じて圧力室が変形して当該圧力室内の圧力が変化し、圧力室に連通するノズルからインク液滴を吐出する動作が行われる。これにより、記録ヘッド242の各々において、画像データの画素値に応じた液量のインク液滴が、複数のノズルから用紙に向けて吐出され、画像形成ドラム21に担持された用紙に画像が形成される。
<第1の画像形成装置の制御系の構成>
次に、図4を参照して、第1の画像形成装置20の制御系の構成について説明する。図4は、第1の画像形成装置20の制御系の構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、第1の画像形成装置20は、制御部200を備える。制御部200は、例えば、CPU(Central Processing Unit)201、CPU201の作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)202、及び、CPU201が実行するプログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)203等を備える。
制御部200のCPU201は、第1の画像形成装置20を構成する各部とシステムバスB1を介して接続されており、これらの各部の動作を制御する。
また、制御部200は、HDD(Hard Disc Drive)やSSD(Solid State Drive)等よりなる大容量記憶装置としての記憶部204を備える。記憶部204には、第1のプリンタコントローラー101から受け取った画像データや、複数の記録ヘッド242におけるノズル群からのインク液滴の吐出量に関するデータ(インク吐出量データ)などが記憶される。
また、第1の画像形成装置20は、用紙搬送部210、操作表示部220、通信I/F(Interface)部230及び画像形成部240等を備える。
用紙搬送部210は、受け渡しユニット22や用紙排出部26(図2参照)などの搬送系の機構の駆動を行う。
操作表示部220は、例えば、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)や、有機EL(Electro Luminescence)表示装置等のパネル式表示装置と、タッチパッド等の位置入力装置とを組み合わせたタッチパネルとによって構成される。この操作表示部220は、ユーザーに対する指示メニューや、取得した画像データに関する情報等を表示する。さらに、操作表示部220は、複数のキーを備え、ユーザーのキー操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける入力部としての役割を持つ。
第1の画像形成装置20の画像形成部240では、表面用調整データに基づく画質調整として、例えば、記録ヘッド242からのインク不吐出等による白スジを補完するための調整や、記録ヘッド242から吐出されるインクが過多であることに起因する黒スジを無くすための調整などが行われる。
通信I/F部230は、第1のプリンタコントローラー101に接続される。そして、通信I/F部230は、第1のプリンタコントローラー101から画像データを受信して、受信した画像データを、システムバスB1を介して制御部200に供給する。そして、制御部200において、通信I/F部230を通して入力される画像データに対し、必要に応じて、シェーディング補正、画像濃度調整、画像圧縮等の画像処理が行われる。
画像形成部240は、第1のプリンタコントローラー101から送信された画像データに基づいて、用紙の表面に画像を形成する。第1のプリンタコントローラー101から表面用調整チャート用データが送信された場合には、用紙の表面に表面用調整チャートを形成する。画像形成部240を構成する各部については、図2を参照して説明済みであるため、ここでは説明を省略する。
<第2の画像形成装置の制御系の構成>
次に、図5を参照して、第2の画像形成装置50の制御系の構成について説明する。図5は、第2の画像形成装置50の制御系の構成例を示すブロック図である。
図5に示すように、第2の画像形成装置50は、制御部500を備える。制御部500は、例えば、CPU501、CPU501の作業領域として使用されるRAM502、及び、CPU501が実行するプログラム等を記憶するためのROM503等を備える。
制御部500のCPU501は、第2の画像形成装置50を構成する各部とシステムバスB2を介して接続されており、これらの各部の動作を制御する。
また、制御部500は、HDDやSSD等よりなる大容量記憶装置としての記憶部504を備える。記憶部504には、第2のプリンタコントローラー103から受け取った画像データや、複数の記録ヘッド242(図2参照)におけるノズル群からのインク液滴の吐出量に関するデータなどが記憶される。
また、第2の画像形成装置50は、用紙搬送部510、操作表示部520、通信I/F部530及び画像形成部540等を備える。
用紙搬送部510は、受け渡しユニット22や用紙排出部26(図2参照)などの搬送系の機構の駆動を行う。
操作表示部520は、例えば、液晶表示装置や有機EL表示装置等のパネル式表示装置と、タッチパッド等の位置入力装置とを組み合わせたタッチパネルとによって構成される。この操作表示部520は、ユーザーに対する指示メニューや、取得した画像データに関する情報等を表示する。さらに、操作表示部520は、複数のキーを備え、ユーザーのキー操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける入力部としての役割を持つ。
通信I/F部530は、第2のプリンタコントローラー103に接続される。そして、通信I/F部530は、第2のプリンタコントローラー103から画像データを受信して、受信した画像データを、システムバスB2を介して制御部500に供給する。そして、制御部500において、通信I/F部530を通して入力される画像データに対し、必要に応じて、シェーディング補正、画像濃度調整、画像圧縮等の画像処理が行われる。
画像形成部540は、第2のプリンタコントローラー103から送信された画像データに基づいて、用紙の裏面に画像を形成する。第2のプリンタコントローラー103から裏面用調整チャート用データが送信された場合には、用紙の裏面に裏面用調整チャートを形成する。画像形成部540を構成する各部については、図2を参照して説明済みであるため、ここでは説明を省略する。
<第1の画像読み取り装置の制御系の構成>
次に、図6を参照して、第1の画像読み取り装置30の制御系の構成について説明する。図6は、第1の画像読み取り装置30の制御系の構成例を示すブロック図である。
図6に示すように、第1の画像読み取り装置30は、制御部300を備える。制御部300は、例えば、CPU301、CPU301の作業領域として使用されるRAM302、及び、CPU301が実行するプログラム等を記憶するためのROM303等を備える。
制御部300のCPU301は、第1の画像読み取り装置30を構成する各部とシステムバスB3を介して接続されており、これらの各部の動作を制御する。また、制御部300は、HDDやSSD等よりなる大容量記憶装置としての記憶部304等を備える。
また、第1の画像読み取り装置30は、用紙搬送部310、通信I/F部320及びインラインセンサ330(第1のセンサの一例)等を備える。
用紙搬送部310は、不図示の搬送系の機構の駆動を行う。通信I/F部320は、第1の制御装置102に接続される。そして、通信I/F部320は、第1の制御装置102から送信される制御信号を受信したり、インラインセンサ330によって読み取られた読み取り画像を第1の制御装置102に送信したりする。
インラインセンサ330は、例えば、複数の検出素子が、用紙の搬送方向と直交する方向(用紙の幅方向)に配列されてなるラインセンサである。インラインセンサ330は、用紙に形成された画像を複数の波長成分ごと、例えば、赤(R),緑(G),青(B)の3波長で取得することができる。インラインセンサ330の検出素子としては、CCD(Charge Coupled Device)型の撮像素子や、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型の撮像素子等を用いることができる。インラインセンサ330は、表面用調整チャート等の画像が形成された用紙の、1ページ全面を読み取り、読み取った画像を制御部300に出力する。
<第2の画像読み取り装置の制御系の構成>
次に、図7を参照して、第2の画像読み取り装置60の制御系の構成について説明する。図7は、第2の画像読み取り装置60の制御系の構成例を示すブロック図である。
図7に示すように、第2の画像読み取り装置60は、制御部600を備える。制御部600は、例えば、CPU601、CPU601の作業領域として使用されるRAM602、及び、CPU601が実行するプログラム等を記憶するためのROM603等を備える。
制御部600のCPU601は、第2の画像読み取り装置60を構成する各部とシステムバスB4を介して接続されており、これらの各部の動作を制御する。また、制御部600は、HDDやSSD等よりなる大容量記憶装置としての記憶部604を備える。
また、第2の画像読み取り装置60は、用紙搬送部610、通信I/F部620及びインラインセンサ630(第2のセンサの一例)等を備える。
用紙搬送部610は、不図示の搬送系の機構の駆動を行う。通信I/F部620は、第2の制御装置104に接続される。そして、通信I/F部620は、第2の制御装置104から送信される制御信号を受信したり、インラインセンサ630によって読み取られた読み取り画像を第2の制御装置104に送信したりする。
インラインセンサ630は、例えば、複数の検出素子が、用紙の搬送方向と直交する方向(用紙の幅方向)に配列されてなるラインセンサである。インラインセンサ630は、用紙に形成された画像を複数の波長成分ごと、例えば、赤(R),緑(G),青(B)の3波長で取得することができる。インラインセンサ630の検出素子としては、CCD型の撮像素子や、CMOS型の撮像素子等を用いることができる。インラインセンサ630は、裏面用調整チャート等の画像が形成された用紙の、1ページ全面を読み取り、読み取った画像を制御部600に出力する。
<第1のプリンタコントローラーの制御系の構成>
次に、図8を参照して、第1のプリンタコントローラー101の制御系の構成について説明する。図8は、第1のプリンタコントローラー101の制御系の構成例を示すブロック図である。
図8に示すように、第1のプリンタコントローラー101は、制御部110を備える。制御部110は、例えば、CPU111、CPU111の作業領域として使用されるRAM112、及び、CPU111が実行するプログラム等を記憶するためのROM113等を備える。
制御部110のCPU111は、第1のプリンタコントローラー101を構成する各部とシステムバスB5を介して接続されており、これらの各部の動作を制御する。また、CPU111は、第1の制御装置102による制御(指示)に基づいて、通信I/F部115を介して接続される用紙反転部40(図1参照)に対して、用紙を反転させない制御も行う。
また、制御部110は、HDDやSSD等よりなる大容量記憶装置としての記憶部114を備える。記憶部114には、第1の画像形成装置20に送信した画像データ等が記憶される。
また、第1のプリンタコントローラー101は、通信I/F部115、操作入力部116、表示部117及びRIP部118等を備える。
通信I/F部115は、第1の画像形成装置20と接続されており、RIP部118で生成された画像データ等を第1の画像形成装置20に送信する。また、通信I/F部115は第1の制御装置102とも接続されており、第1の制御装置102から、表面調整用データや、第1の画像読み取り装置30の故障を知らせる通知などを受信する。
また、通信I/F部115は第2のプリンタコントローラー103とも接続されており、第2のプリンタコントローラー103から、表面用調整データを受信したり、第2のプリンタコントローラー103に、第1の制御装置102からの指示を送信したりする。さらに、通信I/F部115は用紙反転部40とも接続されており、用紙反転部40に対して、用紙を反転させない旨を指示する制御信号等を送信する。
操作入力部116は、例えば、キーボードやマウスなどで構成され、ユーザーの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける入力部としての役割を持つ。表示部117は、液晶表示装置や有機EL表示装置等のパネル式表示装置であり、ユーザーに対する指示メニューや、取得した画像データに関する情報等を表示する。また、表示部117は、通信I/F部115が第1の制御装置102から受信した、第1の画像読み取り装置30の故障の通知や、救済モードへの移行の可否をユーザーに対して問うUI(User Interface)等が表示される。
救済モードは、第1の制御装置102によって印刷のモードが通常の印刷モードから第1の画像読み取り装置故障モードに変更された場合に実行されるモードである。救済モードにおいては、第1の制御装置102によって画質調整制御が行われる。
RIP部118は、不図示の端末装置から送信された印刷ジョブに含まれる描画データに対してRIP処理を行って、表面用調整チャート用データ等の画像データを生成する。
<第2のプリンタコントローラーの制御系の構成>
次に、図9を参照して、第2のプリンタコントローラー103の制御系の構成について説明する。図9は、第2のプリンタコントローラー103の制御系の構成例を示すブロック図である。
図9に示すように、第2のプリンタコントローラー103は、制御部130を備える。制御部130は、例えば、CPU131、CPU131の作業領域として使用されるRAM132、及び、CPU131が実行するプログラム等を記憶するためのROM133等を備える。
制御部130のCPU131は、第2のプリンタコントローラー103を構成する各部とシステムバスB6を介して接続されており、これらの各部の動作を制御する。また、CPU131は、第1の画像読み取り装置30の故障時に、第1の制御装置102による制御(指示)に基づいて、通信I/F部135を介して接続される各装置の動作を制御する。例えば、CPU131は、第2の画像形成装置50に画像を形成させない制御や、第2の画像読み取り装置60に表面用調整チャートを読み取らせる制御、第2の制御装置104に表面用調整データを生成させる制御などを行う。
また、制御部130は、HDDやSSD等よりなる大容量記憶装置としての記憶部134を備える。記憶部134には、第2の画像形成装置50に送信した画像データ等が記憶される。
また、第2のプリンタコントローラー103は、通信I/F部135、操作入力部136、表示部137及びRIP部138等を備える。
通信I/F部135は、第2の画像形成装置50と接続されており、RIP部138で生成された画像データ等を第2の画像形成装置50に送信する。また、通信I/F部135は、第2の制御装置104と接続されており、第2の制御装置104から裏面用調整データ又は表面用調整データを受信する。また、通信I/F部135は、第1のプリンタコントローラー101と接続されており、第2の制御装置104から受信した表面用調整データを第1のプリンタコントローラー101に送信したり、第1のプリンタコントローラー101から、第1の制御装置102からの指示を受信したりする。
操作入力部136は、例えば、キーボードやマウスなどで構成され、ユーザーの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける入力部としての役割を持つ。表示部137は、液晶表示装置や有機EL表示装置等のパネル式表示装置であり、ユーザーに対する指示メニューや、取得した画像データに関する情報等を表示する。
RIP部138は、不図示の端末装置から送信された印刷ジョブに含まれる描画データに対してRIP処理を行って、裏面用調整チャート用データ等の画像データを生成する。
<第1の制御装置の制御系の構成>
次に、図10を参照して、第1の制御装置102の制御系の構成について説明する。図10は、第1の制御装置102の制御系の構成例を示すブロック図である。
図10に示すように、第1の制御装置102は、制御部120を備える。制御部120は、例えば、CPU121(制御部の一例)、CPU121の作業領域として使用されるRAM122、及び、CPU121が実行するプログラム等を記憶するためのROM123等を備える。
制御部120のCPU121は、第1の制御装置102を構成する各部とシステムバスB7を介して接続されており、これらの各部の動作を制御する。例えば、CPU121は、第1の画像読み取り装置30の故障を検知した場合に、印刷のモードを通常の印刷モードから第1の画像読み取り装置故障モードに変更する。
CPU121は、第1の画像読み取り装置30に対して送信した読み取り開始要求に対する応答がなく、タイムアウトを検出した場合、又は、読み取り開始要求に対する応答が、第1の画像読み取り装置30のハードウェア(ファームウェア)における不具合の発生を示すエラー信号であった場合に、第1の画像読み取り装置30の故障を検知する。
印刷のモードの通常の印刷モードから第1の画像読み取り装置故障モードへの変更は、例えば、第1の画像読み取り装置故障モードのオン/オフを示すフラグをオンにすること等により行われる。CPU121は、第1の画像読み取り装置故障モードの設定後、画質調整制御を行う。なお、印刷モードの第1の画像読み取り装置故障モードへの変更情報は、第1のプリンタコントローラー101及び第2のプリンタコントローラー103とも共有されるものとする。
CPU121は、第1の画像読み取り装置30の故障時における画質調整制御として、以下の制御を行う。
(1)第1の画像形成装置20から出力された表面用調整チャートが形成された用紙を、第1の画像読み取り装置30に読み取らせない制御。
(2)第1の画像形成装置20から出力された用紙の面を、用紙反転部40に反転させない制御。
(3)第2の画像形成装置50に画像を形成させない制御。
(4)第1の画像形成装置20から出力された用紙に形成された表面用調整チャートを、第2の画像読み取り装置60に読み取らせる制御。
(5)第2の画像読み取り装置60による読み取り結果に基づいて、第2の制御装置104に表面用調整データを生成させる制御。
(6)第2の制御装置104で生成された表面用調整データを、第2のプリンタコントローラー103を介して第1のプリンタコントローラー101に送信させる制御。
(7)第1の画像形成装置20に表面用調整データを次回以降の画像形成に反映させる画質調整処理を、第1のプリンタコントローラー101に行わせる制御。
また、制御部120は、HDDやSSD等よりなる大容量記憶装置としての記憶部124を備える。記憶部124には、第1の画像読み取り装置30から受信した表面の読み取り画像等が記憶される。
また、第1の制御装置102は、通信I/F部125、操作入力部126、表示部127及び調整データ生成部128(第1の調整データ生成部の一例)等を備える。
通信I/F部125は、第1の画像読み取り装置30と接続されており、第1の画像読み取り装置30から送信された表面の読み取り画像を受信する。また、通信I/F部125は、第1のプリンタコントローラー101とも接続されており、調整データ生成部128で生成された調整データ等を、第1のプリンタコントローラー101に送信する。
操作入力部126は、例えば、キーボードやマウスなどで構成され、ユーザーの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける入力部としての役割を持つ。表示部127は、液晶表示装置や有機EL表示装置等のパネル式表示装置であり、ユーザーに対する指示メニューや、取得した画像データに関する情報等を表示する。
調整データ生成部128は、第1の画像読み取り装置30から送信された読み取り画像に基づいて、表面用調整データ(第1の画像用調整データの例)を生成する。
<第2の制御装置の制御系の構成>
次に、図11を参照して、第2の制御装置104の制御系の構成について説明する。図11は、第2の制御装置104の制御系の構成例を示すブロック図である。
図11に示すように、第2の制御装置104は、制御部140を備える。制御部140は、例えば、CPU141、CPU141の作業領域として使用されるRAM142、及び、CPU141が実行するプログラム等を記憶するためのROM143等を備える。
制御部140のCPU141は、第2の制御装置104を構成する各部とシステムバスB8を介して接続されており、これらの各部の動作を制御する。また、制御部140は、HDDやSSD等よりなる大容量記憶装置としての記憶部144を備える。記憶部144には、第2の画像読み取り装置60から受信した裏面の読み取り画像又は表面の読み取り画像等が記憶される。
また、第2の制御装置104は、通信I/F部145、操作入力部146、表示部147及び調整データ生成部148(第2の調整データ生成部の一例)等を備える。
通信I/F部145は、第2の画像読み取り装置60と接続されており、第2の画像読み取り装置60から送信された裏面の読み取り画像又は表面の読み取り画像を受信する。また、通信I/F部145は、第2のプリンタコントローラー103とも接続されており、調整データ生成部148で生成された表面用調整データ又は裏面用調整データ等を、第2のプリンタコントローラー103に送信する。
操作入力部146は、例えば、キーボードやマウスなどで構成され、ユーザーの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける入力部としての役割を持つ。表示部147は、液晶表示装置や有機EL表示装置等のパネル式表示装置であり、ユーザーに対する指示メニューや、取得した画像データに関する情報等を表示する。
調整データ生成部148は、第2の画像読み取り装置60から送信された読み取り画像に基づいて、裏面用調整データ(第2の画像用調整データの一例)又は表面用調整データを生成する。
<画像形成システムによる画像形成方法>
[通常時における画像形成方法]
次に、図12を参照して、本実施形態に係る画像形成システムによる画像形成方法の手順について説明する。図12は、画像形成システム1による、通常時における画像形成方法の手順の例を示すフローチャートである。
まず、不図示の端末装置から送信された画質調整ジョブに基づいて、第1のプリンタコントローラー101が画質調整処理を開始する(ステップS1)。次いで、第1のプリンタコントローラー101のRIP部118(図8参照)は、表面用調整チャート用データを生成する(ステップS2)。
次いで、第1のプリンタコントローラー101の通信I/F部115は、表面用調整チャート用データを第1の画像形成装置20に送信する(ステップS3)。次いで、給紙装置10(図1参照)は、第1の画像形成装置20への給紙を開始する(ステップS4)。次いで、第1の画像形成装置20の画像形成部240(図4参照)が表面用調整チャートを用紙の表面に形成し、該表面用調整チャートが印刷された用紙が、第1の画像形成装置20から出力される(ステップS5)。
次いで、第1の画像読み取り装置30のインラインセンサ330(図6参照)は、表面用調整チャートを読み取る(ステップS6)。この後、表面用調整チャートの読み取り結果は、第1の画像読み取り装置30から第1の制御装置102に送信される。次いで、第1の画像読み取り装置30の通信I/F部320は、表面用調整チャートの読み取り結果を第1の制御装置102に送信する(ステップS7)。次いで、第1の制御装置102の調整データ生成部128(図10参照)は、表面用調整チャートの読み取り結果に基づいて、表面用調整データを生成する(ステップS8)。
次いで、第1の制御装置102の通信I/F部125は、表面用調整データを第1のプリンタコントローラー101に送信する(ステップS9)。この後、第1のプリンタコントローラー101の制御部110の制御に基づいて、第1の画像形成装置20の画像形成部240によって、表面用調整データを次回以降の画像形成に反映させる画質調整処理が行われる。
次いで、用紙反転部40(図1参照)は、第1の画像読み取り装置30から搬送された用紙の表面及び裏面を反転させる(ステップS10)。次いで、第2のプリンタコントローラー103のRIP部138(図9参照)は、裏面用調整チャート用データを生成する(ステップS11)。次いで、第2のプリンタコントローラー103の通信I/F部135は、裏面用調整チャート用データを第2の画像形成装置50に送信する(ステップS12)。次いで、第2の画像形成装置50の画像形成部540(図5参照)が裏面用調整チャートを用紙の裏面に形成し、該裏面用調整チャートが印刷された用紙が、第2の画像形成装置50から出力される(ステップS13)。
次いで、第2の画像読み取り装置60のインラインセンサ630(図7参照)は、裏面用調整チャートを読み取る(ステップS14)。次いで、第2の画像読み取り装置60の通信I/F部620は、裏面用調整チャートの読み取り結果を第2の制御装置104に送信する(ステップS15)。
次いで、第2の制御装置104の調整データ生成部148(図11参照)は、裏面用調整チャートの読み取り結果に基づいて、裏面用調整データを生成する(ステップS16)。次いで、第2の制御装置104の通信I/F部145は、裏面用調整データを第2のプリンタコントローラー103に送信する(ステップS17)。次いで、ステップS12で第2の画像形成装置50から出力された用紙が、排紙装置70(図1参照)に搬送される(ステップS18)。この後、第2のプリンタコントローラー103の制御部130の制御に基づいて、第2の画像形成装置50の画像形成部540によって、裏面用調整データを次回以降の画像形成に反映させる画質調整処理が行われる。
[第1の画像読み取り装置の故障時における従来の画像形成方法]
ここで、図13を参照して、従来の画像形成システムによる、第1の画像読み取り装置の故障時における画像形成方法の手順について説明する。図13は、従来の画像形成システムによる、第1の画像読み取り装置の故障時における画像形成方法の手順の例を示すフローチャートである。従来の画像形成システムも、図1に示す本実施形態に係る画像形成システム1と同様の構成を有するものとする。
まず、不図示の端末装置から送信された画質調整のジョブに基づいて、第1のプリンタコントローラーが画質調整処理を開始する(ステップS21)。次いで、第1のプリンタコントローラーのRIP部は、表面用調整チャート用データを生成する(ステップS22)。
次いで、第1のプリンタコントローラーの通信I/F部は、表面用調整チャート用データを第1の画像形成装置に送信する(ステップS23)。次いで、給紙装置は、第1の画像形成装置への給紙を開始する(ステップS24)。次いで、第1の画像形成装置の画像形成部が表面用調整チャートを用紙の表面に形成し、該表面用調整チャートが印刷された用紙が、第1の画像形成装置から出力される(ステップS25)。
次いで、第1の制御装置の制御部は、第1の画像読み取り装置の故障を検知する(ステップS26)。次いで、用紙反転部は、第1の画像読み取り装置から搬送された用紙の表面及び裏面を反転させる(ステップS27)。次いで、第2のプリンタコントローラーのRIP部は、裏面用調整チャート用データを生成する(ステップS28)。次いで、第2のプリンタコントローラーの通信I/F部は、裏面用調整チャート用データを第2の画像形成装置に送信する(ステップS29)。
次いで、第2の画像形成装置の画像形成部が裏面用調整チャートを用紙の裏面に形成し、該裏面用調整チャートが印刷された用紙が、第2の画像形成装置から出力される(ステップS30)。次いで、第2の画像読み取り装置のインラインセンサは、裏面用調整チャートを読み取る(ステップS31)。次いで、第2の画像読み取り装置の通信I/F部は、裏面用調整チャートの読み取り結果を第2の制御装置に送信する(ステップS32)。
次いで、第2の制御装置の調整データ生成部は、裏面用調整チャートの読み取り結果に基づいて、裏面用調整データを生成する(ステップS33)。次いで、第2の制御装置の通信I/F部は、裏面用調整データを第2のプリンタコントローラーに送信する(ステップS34)。次いで、ステップS30で第2の画像形成装置から出力された用紙が、排紙装置に搬送される(ステップS35)。この後、第2のプリンタコントローラーの制御部の制御に基づいて、第2の画像形成装置の画像形成部540によって、裏面用調整データを次回以降の画像形成に反映させる画質調整処理が行われる。
つまり、図13を参照して説明した従来の画像形成方法では、第1の画像読み取り装置が故障した場合には、表面用調整チャートの読み取りが行われなくなる。したがって、表面用調整チャートの読み取り結果に基づく表面用調整データも生成されないため、用紙の表面に印字される画像の画質調整が行われなくなってしまう。この場合、第1の画像読み取り装置30のインラインセンサの修理又は交換が完了するまでの間、用紙の表面に印字される画像の画質調整が行われないため、その間、ユーザーは両面印刷を行うことができない。すなわち、従来の画像形成方法では、第1の画像読み取り装置の故障時に、ユーザーに不便を強いてしまう。
[第1の画像読み取り装置の故障時における画像形成方法]
次に、図14を参照して、本実施形態に係る画像形成システム1による、第1の画像読み取り装置30の故障時における画像形成方法の手順について説明する。図14は、画像形成システム1による、第1の画像読み取り装置30の故障時における画像形成方法の手順の例を示すフローチャートである。
まず、不図示の端末装置から送信された画質調整ジョブに基づいて、第1のプリンタコントローラー101が画質調整処理を開始する(ステップS41)。次いで、第1のプリンタコントローラー101のRIP部118は、表面用調整チャート用データを生成する(ステップS42)。
次いで、第1のプリンタコントローラー101の通信I/F部115は、表面用調整チャート用データを第1の画像形成装置20に送信する(ステップS43)。次いで、給紙装置10は、第1の画像形成装置20への給紙を開始する(ステップS44)。次いで、第1の画像形成装置20の画像形成部240が表面用調整チャートを用紙の表面に形成し、該表面用調整チャートが印刷された用紙が、第1の画像形成装置20から出力される(ステップS45)。
次いで、第1の制御装置102の制御部120は、第1の画像読み取り装置30の故障を検知する(ステップS46)。次いで、第1の制御装置102の制御部120は、印刷のモードを第1の画像読み取り装置故障モードに設定する(ステップS47)。上述のように、印刷モードの設定内容は、第1のプリンタコントローラー101及び第2のプリンタコントローラー103にも共有される。次いで、第1の制御装置102の通信I/F部125は、第1のプリンタコントローラー101に第1の画像読み取り装置30の故障を通知する(ステップS48)。
この通知に基づき、第1のプリンタコントローラー101の表示部117の画面に、救済モードへの移行の可否をユーザーに対して問うUIが表示される。そして、ユーザーによって、救済モードへの移行を指示する操作が入力された場合に、第1の制御装置102による画質調整制御が行われる。
なお、本実施形態では、救済モードへの移行の可否をユーザーに問うUIを、第1のプリンタコントローラー101の表示部117の画面に表示させる例を挙げたが、本発明はこれに限定されない。救済モードへの移行の可否をユーザーに問うUIを、第1のプリンタコントローラー101以外の表示部又は操作表示部に表示させてもよい。もしくは、該UIの表示部又は操作表示部への表示は行わずに、第1の画像読み取り装置30の故障の通知のみを表示させてもよい。この場合、第1の画像読み取り装置30の故障時には、自動的に第1の画像読み取り装置故障モードに基づく処理を実行させるように、予め設定しておく必要がある。
次いで、第1の制御装置102の制御部120は、第1の画像形成装置20から出力された、表面用調整チャートが印刷された用紙を、第1の画像読み取り装置30に読み取らせない制御を行う(ステップS49)。次いで、第1の制御装置102の制御部120からの指示に基づいて、第1のプリンタコントローラー101が、用紙反転部40に、第1の画像読み取り装置30から搬送された用紙の面を反転させない制御を行う(ステップS50)。ステップS50の制御が行われることにより、表面用調整チャートが印刷された表面が上になった状態で、用紙が第2の画像形成装置50に搬送される。
次いで、第1の制御装置102の制御部120からの指示に基づいて、第2のプリンタコントローラー103が、第2の画像形成装置50に画像を形成させない制御を行う(ステップS51)。第1の制御装置102の制御部120からの第2のプリンタコントローラー103への指示は、第1のプリンタコントローラー101を経由して送信される。
次いで、第1の制御装置102の制御部120からの指示に基づいて、第2のプリンタコントローラー103が、第1の画像読み取り装置30から搬送された用紙に形成された表面用調整チャートを、第2の画像読み取り装置60のインラインセンサ630に読み取らせる制御を行う(ステップS52)。ステップS52の制御に基づき、第2の画像読み取り装置60のインラインセンサ630は、表面用調整チャートを読み取る(ステップS53)。
次いで、第2の画像読み取り装置60の通信I/F部620は、表面用調整チャートの読み取り結果を、第2の制御装置104に送信する(ステップS54)。次いで、第1の制御装置102の制御部120から第1のプリンタコントローラー101を経由して送信された指示に基づいて、第2のプリンタコントローラー103が、第2の制御装置104の調整データ生成部148に対して、表面用調整チャートの読み取り結果に基づく表面用調整データを生成させる制御を行う(ステップS55)。
次いで、第2の制御装置104の通信I/F部145は、表面用調整データを、第2のプリンタコントローラー103を介して第1のプリンタコントローラー101に送信する(ステップS56)。なお、第2の制御装置104で生成された表面用調整データの第1のプリンタコントローラー101への受け渡しは、第2の制御装置104及び第1のプリンタコントローラー101間がネットワークで接続されている場合には、該ネットワークを介して行われてもよい。もしくは、USBメモリ等の記憶媒体を介して行われてもよい。
次いで、第2の画像読み取り装置60から搬送された用紙が、排紙装置70に搬送される(ステップS57)。次いで、第1の画像形成装置20の画像形成部240は、第1のプリンタコントローラー101による制御に基づいて、表面用調整データを次回以降の画像形成に反映させる(ステップS58)。
上述した実施形態では、制御部としての第1の制御装置102のCPU121は、第1の画像読み取り装置30のインラインセンサ330の故障を検知した場合、第1の画像としての表面の画像(表面用調整チャート)を、第2の画像読み取り装置60のインラインセンサ630に読み取らせる制御を行う。そして、第1の制御装置102のCPU121は、第2の調整データ生成部としての調整データ生成部148に、表面の画像の読み取り結果に基づく第1の画像用調整データ(表面用調整データ)を生成させる。さらに、第1の制御装置102のCPU121は、第1の画像形成部としての第1の画像形成装置20の画像形成部240に、第1の画像用調整データを次回以降の画像形成に反映させる画質調整処理を行わせる。
したがって、本実施形態によれば、記録媒体としての用紙の一方の面である第1面を読み取る第1の画像読み取り装置30が故障した場合にも、第1面に形成される画像の画質が調整される。それゆえ、本実施形態によれば、サービスマンを呼ばなくても、故障した第1の画像読み取り装置30によって読み取られる予定であった、用紙の一方の面に形成される画像の画質調整が、第1の画像形成装置20において行われる。それゆえ、本実施形態によれば、用紙の一方の面用の画像読み取り部が故障した場合に発生するダウンタイムを削減することができる。
また、上述した実施形態では、第1の制御装置102のCPU121は、上記画質調整制御において、第1の画像形成装置20で表面用調整チャートが形成された用紙の面を、用紙反転部40に反転させない制御を行う。より詳細には、第1の制御装置102が、用紙の反転を行わせない指示を第1のプリンタコントローラー101に送信し、第1のプリンタコントローラー101が、該指示に基づいて、用紙反転部40に対して、用紙の反転を行わせない制御を行う。それゆえ、本実施形態によれば、第1の画像形成装置20の故障時においても、第2の画像読み取り装置60に、用紙に形成された表面用調整チャートを読み取らせることができる。
また、上述した実施形態では、第1の制御装置102のCPU121は、上記画像調整制御において、第2の画像形成装置50に第2の画像(裏面用調整チャート)を形成させない制御を行う。それゆえ、本実施形態によれば、第1の画像形成装置20で表面用調整チャートが形成された用紙の第1面に、第2の画像形成装置50によって裏面用調整チャートが上書きされてしまうことを防ぐことができる。
また、上述した実施形態では、第1の制御装置102のCPU121は、第1の画像読み取り装置30に送信した読み取り開始要求に対する応答がない場合、又は、読み取り開始要求に対する第1の画像読み取り装置30からの応答が、ハードウェア又はファームウェアにおける不具合を示すエラー信号である場合に、第1の画像読み取り装置30の故障を検知する。それゆえ、本実施形態によれば、第1の画像読み取り装置30の故障時にも、そのことが第1の制御装置102のCPU121によって検知され、画質調整制御が行われる。
また、上述した実施形態において、第1の画像形成装置の画像形成部240及び第2の画像形成装置50の画像形成部540は、それぞれ、複数の記録ヘッド242a〜242fの各複数のノズルからインク液滴を吐出して用紙に画像形成を行う、記録部としてのヘッドユニット24を備える。そして、ヘッドユニット24は、搬送される用紙に対して1回で画像形成を完成させるシングルパス方式で画像形成を行う。シングルパス方式で画像形成が行われる場合、記録ヘッド242の不吐出や吐出方向不良等の不具合、又は、スジやドット抜け等の画質欠陥が起こり得る。そして、このような不具合又は画質欠陥が生じた場合には、画質調整が行われない間は、印刷を行うことができない。
しかしながら、本実施形態によれば、例えば、用紙の表面に画像形成を行う記録ヘッド242でこのような不具合又は画質欠陥が生じた場合において、表面用調整チャートを読み取る第1の画像読み取り装置30のインラインセンサ330が故障した場合にも、表面用調整チャートの読み取り結果に基づく画質調整が実施される。それゆえ、本実施形態によれば、シングルパス方式で画像形成を行う画像形成装置においても、用紙の一方の面用の画像読み取り部が故障した場合に発生するダウンタイムを削減することができる。
<各種変形例>
なお、本発明は上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、その他種々の応用例、変形例を取り得る。
上述した実施形態では、第1の画像読み取り装置30の故障時に、第2の画像読み取り装置60のインラインセンサ630に表面用調整チャートを読み取らせ、表面用調整チャートの読み取り結果に基づく表面用調整データの生成を、第2の制御装置104に行わせる例を挙げた。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、第2の画像読み取り装置60の故障時に、第1の画像読み取り装置30のインラインセンサ330に裏面用調整チャートを読み取らせ、裏面用調整チャートの読み取り結果に基づく裏面用調整データを、第1の制御装置102に作成させてもよい。
<変形例に係る画像形成システムによる第2の画像読み取り装置の故障時における画像形成方法>
図15及び図16は、変形例に係る画像形成システムによる第2の画像読み取り装置の故障時における画像形成方法の手順の例を示すフローチャートである。
まず、不図示の端末装置から送信された画質調整のジョブに基づいて、第1のプリンタコントローラー101が画質調整処理を開始する(ステップS61)。次いで、第1のプリンタコントローラー101のRIP部118(図8参照)は、表面用調整チャート用データを生成する(ステップS62)。
次いで、第1のプリンタコントローラー101の通信I/F部115は、表面用調整チャート用データを第1の画像形成装置20に送信する(ステップS63)。次いで、給紙装置10(図1参照)は、第1の画像形成装置20への給紙を開始する(ステップS64)。次いで、第1の画像形成装置20の画像形成部240(図4参照)が表面用調整チャートを用紙の表面に形成し、該表面用調整チャートが印刷された用紙が、第1の画像形成装置20から出力される(ステップS65)。
次いで、第1の画像読み取り装置30のインラインセンサ330(図6参照)は、表面用調整チャートを読み取る(ステップS66)。この後、表面用調整チャートの読み取り結果は、第1の画像読み取り装置30から第1の制御装置102に送信される。次いで、第1の制御装置102の調整データ生成部128(図10参照)は、表面用調整チャートの読み取り結果に基づいて、表面用調整データを生成する(ステップS67)。
次いで、第1の制御装置102の通信I/F部125は、表面用調整データを第1のプリンタコントローラー101に送信する(ステップS68)。この後、第1のプリンタコントローラー101の制御部110の制御に基づいて、第1の画像形成装置20の画像形成部240によって、表面用調整データを次回以降の画像形成に反映させる画質調整処理が行われる。
次いで、用紙反転部40(図1参照)は、第1の画像読み取り装置30から搬送された用紙の表面及び裏面を反転させる(ステップS69)。次いで、第2のプリンタコントローラー103のRIP部138(図9参照)は、裏面用調整チャート用データを生成する(ステップS70)。次いで、第2のプリンタコントローラー103の通信I/F部135は、裏面用調整チャート用データを第2の画像形成装置50に送信する(ステップS71)。
次いで、第2の制御装置104の制御部140(図11参照)は、第2の画像読み取り装置60の故障を検知する(ステップS72)。次いで、第2の制御装置104の制御部140は、印刷モードを第2の画像読み取り装置故障モードに設定する(ステップS73)。印刷モードの第1の画像読み取り装置故障モードへの変更情報は、第1のプリンタコントローラー101及び第2のプリンタコントローラー103とも共有される。次いで、第2の制御装置104の通信I/F部145は、第2のプリンタコントローラー103に第2の画像読み取り装置60の故障を通知する(ステップS74)。そして、第2のプリンタコントローラー103の通信I/F部135は、第1のプリンタコントローラー101に第2の画像読み取り装置60の故障を通知する。次いで、ステップS65で第2の画像形成装置50から出力された用紙は、排紙装置70(図1参照)に搬送される(ステップS75)。
次いで、第1の制御装置102の制御部120は、第1のプリンタコントローラー101を介して第2のプリンタコントローラー103から送信された指示に基づいて、裏面用調整チャートが形成された用紙が、給紙装置10にセットされたか否かを判定する(図16のステップS76)。ステップS76で、裏面用調整チャートが形成された用紙は給紙装置10にセットされていないと判定された場合(ステップS76がNO判定の場合)、制御部120は、ステップS76の判定を繰り返す。
一方、ステップS76で、裏面用調整チャートが形成された用紙は、給紙装置10にセットされたと判定された場合(ステップS76がYES判定の場合)、第1の制御装置102の制御部120は、給紙装置10に対して第1の画像形成装置20への給紙を開始させる(ステップS77)。
次いで、第1の制御装置102の制御部120は、第1のプリンタコントローラー101を介して第2のプリンタコントローラー103から送信された指示に基づいて、第1の画像形成装置20に画像の形成を行わせない制御を行う(ステップS78)。次いで、第1の制御装置102の制御部120は、第1の画像読み取り装置30のインラインセンサ330に、裏面用調整チャートを読み取らせる制御を行う(ステップS79)。ステップS79の制御に基づき、第1の画像読み取り装置30のインラインセンサ330は、裏面用調整チャートを読み取る(ステップS80)。
次いで、第1の画像読み取り装置30の通信I/F部320(図6参照)は、裏面用調整チャートの読み取り結果を、第1の制御装置102に送信する(ステップS81)。次いで、第1の制御装置102の調整データ生成部128(図10参照)は、裏面用調整チャートの読み取り結果に基づいて、裏面用調整データを生成する(ステップS82)。
次いで、第1の制御装置102の通信I/F部125は、裏面用調整データを、第1のプリンタコントローラー101を介して第2のプリンタコントローラー103に送信する(ステップS83)。なお、第1の制御装置102で生成された裏面用調整データの第2のプリンタコントローラー103への受け渡しは、第1の制御装置102及び第2のプリンタコントローラー103間がネットワークで接続されている場合には、該ネットワークを介して行われてもよい。もしくは、USBメモリ等の記憶媒体を介して行われてもよい。
次いで、第2の画像形成装置50の画像形成部540(図5参照)は、第2のプリンタコントローラー103による制御に基づいて、裏面用調整データに基づく裏面印刷用の画像の画質を調整する(ステップS84)。次いで、第2の画像読み取り装置60から搬送された用紙が、排紙装置70に搬送される(ステップS85)。
上記変形例では、第2の画像読み取り装置60が故障した場合にも、裏面用調整チャートの読み取り結果に基づく裏面用調整データが、第1の制御装置102で生成される。そして、第2の画像形成装置50よって、裏面用調整データを次回以降の画像形成に反映させる画質調整処理が行われる。それゆえ、上記変形例によれば、ユーザーは、第2の画像読み取り装置60のインラインセンサ630の修理又は交換の完了を待つことなく、両面印刷を実施することができる。
また、上述した実施形態では、第2の画像読み取り装置60の故障モードに基づく処理において、第1の画像形成装置20に画像の形成を行わせない制御が行われる例を挙げたが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1の画像形成装置20によって表面用調整チャートが印刷された用紙が、長尺紙等の十分な余白を有する用紙である場合であって、該余白への裏面調整用チャートの形成が可能である場合、該用紙の余白部分に対して、第2の画像形成装置50に裏面調整用チャートを形成させる制御を行ってもよい。この場合、用紙反転部40が、第1の画像読み取り装置30から搬送された用紙の面を反転させなくてもよくなる。したがって、この制御が行われた場合、用紙の両面に形成される各画像の画質調査が完了するまでの時間を、上述した実施形態と比べてより短くすることができる。
また、上述した実施形態及び変形例では、第1の画像読み取り装置30、第2の画像読み取り装置60の故障時に、第1の制御装置102又は第2の制御装置104による画質調整制御が行われる例を挙げたが、本発明はこれに限定されない。故障ではなく、何らかの異常が発生して、通常の運用を行えなくなった場合において、第1の制御装置102又は第2の制御装置104による画質調整制御を行ってもよい。
また、上述した実施形態では、第1の画像形成装置20の用紙搬送部210及び第2の画像形成装置50の用紙搬送部510が、画像形成ドラム21(図2参照)を回転させることにより、用紙が搬送される例を挙げたが、本発明はこれに限定されない。用紙が搬送される方式は、ベルト搬送方式であってもよい。
また、上述した実施形態では、第1の画像読み取り装置30の制御を第1の制御装置102が行い、第2の画像読み取り装置60の制御を第2の制御装置104が行う例を挙げたが、本発明はこれに限定されない。第1の画像読み取り装置30及び第2の画像読み取り装置60の制御を、一つの制御装置が行うように、画像形成システムを構成してもよい。
また、上述した実施形態では、画像読み取り装置30及び60を、画像形成装置とは別体で構成する例を挙げたが、本発明はこれに限定されない。画像の読み取りを行う専用の装置を設けずに、画像を読み取るインラインセンサを、画像形成装置内(例えば、画像形成装置10のヘッドユニット24と定着部25との間等)に設けてもよい。