以下、本発明の一実施形態となるパチンコ機について、図面にもとづき詳細に説明する。
(パチンコ機の全体的な説明)
図1は、パチンコ機1を前面側から示した説明図である。図2は、遊技盤2を前面側から示した説明図である。図3は、パチンコ機1を後面側から示した説明図である。図7は、センター部材26の斜視説明図である。
パチンコ機1は、遊技盤2の前面に形成された遊技領域16内へ遊技球を打ち込み、遊技領域16内を流下させて遊技するものであって、遊技盤2は、支持体として機能する機枠3の前面上部に、金属製のフレーム部材であるミドル枠5を介して設置されている。また、遊技盤2の前方には、ガラス板を支持してなる前扉4が、左端縁を軸として片開き可能に機枠3に蝶着されており、該前扉4によって閉塞される遊技盤2の前方空間が遊技領域16とされている。
当該遊技領域16は、遊技盤2の前面に円弧状に配設された外レール23及び内レール24等によって囲まれており、遊技領域16に左部における両レール23、24間が遊技球を遊技領域16内へ打ち込むための発射通路13とされている。また、遊技領域16の中央稍上寄りとなる位置には、「0」〜「9」の数字からなる装飾図柄やキャラクター等を表示するための演出用表示部6、演出用表示部6の下辺に沿って左右方向に延設されており、上面を遊技球が左右に転動可能な転動面81、及び遊技領域16内を流下する遊技球を転動面81上へ導くためのワープ通路82等を有する表示部材80が設置されている。さらに、表示部材80の下方で遊技領域16の中央部から下部にかけて、遊技球が進入可能な進入口31、進入口31から左右に分岐しつつ下方へ延びる遊技球流路32、遊技球流路32の分岐部等に配される種々の電動役物、右側の遊技球流路32を流下する遊技球のうちの一部が入賞可能な始動入賞口19、左側の遊技球流路32を流下したり、右側の遊技球流路32を流下したものの始動入賞口19に入賞しなかった遊技球が最終的に到達するステージ79、遊技球が入賞可能な非電動役物40、ステージ79上に開設されており、遊技球の進入が非電動役物40を開動作させる契機となる作動口77、及び非電動役物40の左右両側に設けられ、ステージ79上から落下する際に非電動役物40に入賞しなかった遊技球等を再び遊技領域16内へ排出する排出口(図示せず)等を備えたセンター部材26が設置されている。
また、表示部材80及びセンター部材26の左方には、遊技球が流下可能で、遊技球が入賞可能な入賞部材84、84が設置された左打ち用スペースSLが形成されており、この左打ち用スペースSLを流下させることで、ワープ通路82への進入(すなわち、転動面81上への誘導)や進入口31への進入(すなわち、センター部材26への進入)を効率良く狙えるようになっている。一方、表示部材80及びセンター部材26の右方にも遊技球が流下可能な右打ち用スペースSRが形成されている。この右打ち用スペースSRには、遊技球が通過可能なゲート部材20、一対の可動片を有するチューリップ式電動役物17、所謂大当たり状態において交互に開閉する2つの可動入賞装置18A、18Bが設置されている。そして、遊技球を左打ち用スペースSLではなく右打ち用スペースSRを流下させることで、ゲート部材20を通過させたり、開動作しているチューリップ式電動役物17へ入賞させたり、開成している可動入賞装置18A、18Bへ入賞させたりすることができるようになっている。
なお、左打ち用スペースSLや右打ち用スペースSRには、多数の遊技釘が植設されている。また、遊技領域16外となる遊技盤2の右下部には、第1特別図柄及び第2特別図柄を夫々別個に表示可能とした特別図柄表示部83が設けられている。さらに、遊技領域16の下端位置には、遊技領域16内へ打ち込まれた遊技球のうち、入賞部材へ入賞等することなく流下してきた遊技球を回収するためのアウト口33が設けられている。
また、機枠3の前面側であって上記遊技盤2の下方には、発射装置10へ供給する遊技球を貯留するための供給皿7、及び供給皿7から溢れた遊技球を貯留するための貯留皿8が取り付けられており、供給皿7は前扉4の開放に伴い、貯留皿8はミドル枠5の開放に伴い夫々機枠3に対して片開き可能となっている。さらに、貯留皿8の右側には、発射装置10を作動させ、遊技球の遊技領域16への打ち込み強度を調整するためのハンドル9が回動操作可能に設置されている。加えて、供給皿7の前方には、遊技者が任意に押し込み操作可能な遊技ボタン25が設けられている。
さらに、前扉4の上部には、各種効果音や楽曲等を報音する夫々一対のスピーカ14、14が設けられている。加えて、前扉4の左右両側部には、パチンコ機1の遊技状態等に応じて点灯・点滅する複数のLEDを内蔵したランプ部材15、15・・が設けられている。
一方、機枠3の後面側には、供給皿7へ貸球や賞品球として払い出される遊技球を貯留するための貯留タンク11、当該貯留タンク11と連結された払出装置12、払出装置12における払い出し動作を制御する払出制御装置28、及び各制御基板や装置・部材に電源電圧を供給するための電源装置29等が設置されている。また、21は、合成樹脂製のカバー状に形成されたセンターカバーであって、当該センターカバー21の内部には、遊技に係る主たる制御(たとえば、所謂大当たり抽選等)を実行するためのメイン制御装置130(図4に示す)、演出用表示部6における表示動作等を制御する表示制御装置150(図4に示す)、ランプ部材15の点灯/点滅動作等を制御する発光制御装置151(図4に示す)、スピーカ14からの報音動作を制御する音制御装置152(図4に示す)、及び表示制御装置150や音制御装置152等の動作を統合的に制御するサブ制御装置140(図4に示す)等が設置されている。尚、22は、パチンコ機1をトランスに接続するためのプラグであり、27は、アースである。
次に、パチンコ機1の制御機構について、図4をもとに説明する。図4は、パチンコ機1の制御機構を示したブロック図である。
メイン制御装置130には、大当たり抽選の実行とともに下記部材の動作を制御するメインCPU132、ROMやRAM等といった記憶手段133、タイマ134、大当たり抽選における当選確率を設定するための設定変更スイッチ138、及びインターフェイス135等が搭載されたメイン制御基板131が内蔵されている。そして、該メイン制御基板131は、インターフェイス135を介して、非電動役物40や始動入賞口19、チューリップ式電動役物17、可動入賞装置18A、18B、ゲート部材20、及び特別図柄表示部83等と接続されている。また、メイン制御基板131は、サブ制御装置140内に内蔵されたサブ統合基板141とも電気的に接続されている。なお、図4では省略しているが、メイン制御基板131は、払出制御装置28や電源装置29等ともインターフェイス135を介して接続されている。
記憶手段133には、チューリップ式電動役物17を開動作させるか否かの開放抽選に使用するaカウンタ、大当たり抽選に使用するcカウンタ(大当たり判定用乱数)、特別図柄表示部83における第1特別図柄や第2特別図柄の確定表示態様を決定するdカウンタ(確定表示態様決定用乱数)、及び主に特別図柄の変動時間となる基本変動パターンを決定するeカウンタ(変動時間情報決定用乱数)等の複数のカウンタが内蔵されている。各カウンタは、電源投入時から所定の規則に従って所定の数値の間をごく短時間(たとえば1割込2.000ms)のうちに1ずつ加算しながらループカウントするループカウンタであって、当該カウンタを用いた数値の取得は、乱数からの数値の取得とみなすことができる。また、aカウンタは0〜9(10通り)の間を、cカウンタは0〜899(900通り)の間を、dカウンタは0〜8(9通り)の間を、eカウンタは0〜40(41通り)の間を夫々ループカウントするようになっている。そして、メインCPU132は、遊技球のゲート部材20における通過検出を契機としてaカウンタから1つの数値を取得するとともに、遊技球の始動入賞口19、非電動役物40、及びチューリップ式電動役物17への入賞検出を契機として、cカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタから夫々1つの数値を取得する(大当たり抽選を実行する)。
また、記憶手段133には、dカウンタの数値と特別図柄表示部83に確定表示する第1特別図柄や第2特別図柄とを対応づけた確定表示態様決定テーブル(図示せず)、及び図5に示す如くeカウンタの数値と基本変動パターンとを対応づけた基本変動パターン決定テーブル等が記憶されている。この基本変動パターンとは、主に特別図柄の変動時間(変動開始から確定表示までの時間)を規定するものである。さらに、記憶手段133には、たとえば特別図柄表示部83において第1特別図柄と第2特別図柄との何れかが変動表示中に始動入賞口19や非電動役物40、チューリップ式電動役物17へ遊技球が入賞したような場合に、当該入賞に伴うcカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタからの取得数値を保留情報として、始動入賞口19と非電動役物40との何れかへの入賞にもとづくものと、チューリップ式電動役物17への入賞にもとづくものとを区別した状態で夫々最大4つまで(合計8つまで)記憶する保留情報記憶領域136が設けられている。加えて、記憶手段133には、保留情報記憶領域136に記憶されている保留情報を1つずつ移行して記憶可能であり、大当たり抽選の結果が大当たりであるか否か等の大当たり判定を実行するための大当たり判定用記憶領域137が設けられている。尚、保留情報は、特別図柄及び装飾図柄が確定表示される度に所定の順番で順次大当たり判定用記憶領域137へ移行されて消化され(パチンコ機1では、チューリップ式電動役物17への入賞に係る保留情報が、始動入賞口19や非電動役物40への入賞に係る保留情報よりも優先して消化される)、該消化に伴って新たな保留情報が記憶可能となる。
さらに、設定変更スイッチ138は、メイン制御装置130に設定されている大当たり判定用テーブルを切り替えることで、上記大当たり抽選において「大当たり」となる確率、特に遊技状態が通常状態にある場合の大当たり確率を変更するためのものである。通常状態における大当たり判定用テーブルとしては、最も「大当たり数値」の数が少ない第1大当たり判定用テーブル、最も「大当たり数値」の数が多い第3大当たり判定用テーブル、及び「大当たり数値」の数が第1大当たり判定用テーブルよりは多く、且つ、第3大当たり判定用テーブルよりは少ない第2大当たり判定用テーブルの3種類が設定されている。そして、設定変更スイッチ138により設定Aが選択されると大当たり抽選時に第1大当たり判定用テーブルが、設定Bが選択されると第2大当たり判定用テーブルが、設定Cが選択されると第3大当たり判定用テーブルが夫々使用される。また、メインCPU132は、パチンコ機1の電源投入時及び設定変更スイッチ138での設定変更時に、設定が設定A〜設定Cの何れであるのかを含む設定信号をサブ制御装置140に送信する。
なお、設定Aであるとcカウンタの数値のうち“0”〜“15”が「大当たり数値」として判定され、設定Bであると“0”〜“44”が「大当たり数値」として判定され、設定Cであると“0”〜“59”が「大当たり数値」として判定される。また、高確率状態における大当たり判定用テーブルとしては、cカウンタの数値のうち“0”〜“799”が「大当たり数値」として判定される1つの大当たり判定用テーブルしか設定されておらず、設定A〜設定Cの何れであっても同じ大当たり判定用テーブルが使用される。
サブ制御装置140には、サブ統合CPU142、記憶手段143、タイマ144、及びインターフェイス145等が搭載されたサブ統合基板141が内蔵されている。該サブ統合基板141は、インターフェイス145を介してメイン制御基板131と電気的に接続されているとともに、表示制御装置150、発光制御装置151、及び音制御装置152と電気的に接続されている。そして、サブ統合CPU142は、後述するようにメイン制御基板131から大当たり抽選に係る信号(後述するような各種コマンド等)や非電動役物40の開閉状態に係る信号を受信すると、その内容に応じて各制御装置を制御し、スピーカ14やランプ部材15の動作、演出用表示部6での表示動作等を制御する。
また、記憶手段143には、演出用表示部6に表示する装飾図柄を記憶する図柄記憶領域(図示せず)と、演出用表示部6における装飾図柄の詳細な変動表示態様やキャラクターの動画を用いたキャラクター演出等からなる複数の詳細変動パターンを記憶した変動パターン記憶領域146とが設けられており、種々の詳細変動パターンが図6に示す如くメイン制御基板131で決定される基本変動パターンと対応づけて記憶されている。さらに、記憶手段143には、メイン制御基板131から送信されてくる後述するような予定情報を記憶するための予定情報記憶領域147やパチンコ機1の設定に係る情報(設定A〜設定Cの何れであるのかを含む情報)を記憶するための設定情報記憶領域等も設けられている。
以下、上記パチンコ機1における基本的な遊技動作について簡略に説明する。
まずパチンコ機1では、遊技球が始動入賞口19、非電動役物40、若しくはチューリップ式電動役物17の何れかへ入賞すると、当該入賞がメインCPU132により検出される(変動条件の充足)。すると、メインCPU132は、所定個数(たとえば3個)の遊技球を賞球として払い出すとともに、入賞検出のタイミングでcカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタから夫々1つの数値を取得し、さらに保留情報記憶領域136に記憶されている保留情報の数が最大値に達しているか否かを確認する。そして、保留情報の数が既に最大値に達していると、cカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタからの取得数値を記憶することなく削除する。一方、最大値に達していないと、cカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタからの取得数値を保留情報記憶領域136に記憶するとともに、設定が設定A〜設定Cの何れであるかと遊技状態とに対応する大当たり判定用テーブルを参照して、今回cカウンタから取得した数値が所定の「大当たり数値」であるか否か(すなわち、大当たり抽選の結果が「大当たり」であるか否か)に加え、当該「大当たり」に係る判定結果を踏まえた上でのdカウンタからの取得数値と、始動入賞口19、非電動役物40、若しくはチューリップ式電動役物17の何れへの入賞であるかとにもとづく特別図柄の確定表示態様(「大当たり」である場合には「大当たり」の種別)、及び「大当たり」に係る判定結果を踏まえた上でのeカウンタからの取得数値に対応する基本変動パターンがどうなるかを、後述する大当たり判定よりも事前に事前判定として一旦判定する。さらに、メインCPU132は、当該事前判定の結果、保留情報の種類(始動入賞口19と非電動役物40との何れかへの入賞に伴う保留情報であるか、それともチューリップ式電動役物17への入賞に伴う保留情報であるのか)、及び何個目の保留情報にもとづくものであるのかを含んだ予定情報を作成し、サブ統合CPU142へ送信する。
また、メインCPU132は、特別図柄表示部83において特別図柄を変動表示しているか、それとも確定表示しているかを常に確認しており、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらの特別図柄についても確定表示していると保留情報の有無を確認する。そして、保留情報が存在すると、消化する優先度が最も高い保留情報(本実施形態では、チューリップ式電動役物17への入賞に係る保留情報が存在すると、その保留情報のうち最も以前に記憶した保留情報となり、チューリップ式電動役物17への入賞に係る保留情報が存在しないと、始動入賞口19若しくは非電動役物40への入賞に係る保留情報のうち最も以前に記憶した保留情報となる)を大当たり判定用記憶領域137へ移行するとともに、当該保留情報について以下の大当たり判定を実行する。すなわち、設定変更スイッチ138により選択されている設定、及び保留情報を大当たり判定用記憶領域137へ移行した時点での遊技状態に対応した大当たり判定用テーブルを参照して、当該保留情報に係るcカウンタからの取得数値が上記所定の「大当たり数値」であるか否か、つまり大当たり抽選の結果が「大当たり」であるか、それとも「はずれ」であるかを判定する。また、大当たり抽選の結果が「大当たり」である(cカウンタからの取得数値が「大当たり数値」である)と、dカウンタからの取得数値及び始動入賞口19、非電動役物40、チューリップ式電動役物17の何れへの入賞であるかにもとづき特別図柄の確定表示態様を決定するとともに、図5(b)に示す基本変動パターン決定テーブルを用い、eカウンタからの取得数値に対応する基本変動パターンを読み出す(すなわち、大当たりの種別、及び図柄の変動時間を含む基変動パターンを決定する)。一方、大当たり抽選の結果が「はずれ」である(cカウンタからの取得数値が「大当たり数値」以外の数値である)と、dカウンタからの取得数値及び始動入賞口19、非電動役物40、チューリップ式電動役物17の何れへの入賞であるかにもとづき特別図柄の確定表示態様を決定するとともに、図5(a)に示す基本変動パターン決定テーブルを用い、eカウンタからの取得数値に対応する基本変動パターンを読み出す(すなわち、図柄の変動時間を含む基本変動パターンを決定する)。
その後、メインCPU132は、始動入賞口19若しくは非電動役物40の何れかへの入賞に伴うものであるのか、それともチューリップ式電動役物17への入賞に伴うものであるかに加え、大当たり抽選の結果(「大当たり」であるか「はずれ」であるか)、特別図柄の確定表示態様、及び読み出した基本変動パターンの種類を示す情報を含んだ開始コマンドを作成するとともに、当該開始コマンドをサブ統合CPU142へ送信する。また、特別図柄表示部83において、始動入賞口19若しくは非電動役物40の何れかへの入賞に係る保留情報の消化であると第1特別図柄を、チューリップ式電動役物17への入賞に係る保留情報の消化であると第2特別図柄を所定の態様で夫々変動させるとともに、タイマ134による計時を開始する。そして、読み出した基本変動パターンに応じた図柄の変動時間が経過すると、大当たり抽選の結果を踏まえた上でのdカウンタからの取得数値及び始動入賞口19、非電動役物40、チューリップ式電動役物17の何れへの入賞であるかにもとづく確定表示態様で対応する特別図柄を確定表示させるとともに、停止信号を含んだ停止コマンドをサブ統合CPU142へと送信する。なお、大当たり判定用記憶領域137へ移行した保留情報に関しては、当該保留情報に係る特別図柄の確定表示をもって消去する。
また、特別図柄の確定表示に係り、メインCPU132は、始動入賞口19若しくは非電動役物40の何れかへの入賞にもとづく大当たり抽選の結果が「大当たり」であると、第1特別図柄を第1特別確定表示態様(たとえば「7」)で確定表示させる。そして、当該確定表示後、大当たり状態の開始を報知する開始デモ、可動入賞装置18A、18Bの所定回数にわたる断続的な開成(可動入賞装置18Aと可動入賞装置18Bとが交互に開成する態様となる)、及び大当たり状態の終了を報知する終了デモからなる大当たり状態を生起させる。一方、メインCPU132は、チューリップ式電動役物17への入賞にもとづく大当たり抽選の結果が「大当たり」であると、第2特別図柄を第2特別確定表示態様(たとえば「3」)での確定表示後、上記始動入賞口19や非電動役物40への入賞時同様、大当たり状態の開始を報知する開始デモ、可動入賞装置18A、18Bの所定回数にわたる断続的な開成、及び大当たり状態の終了を報知する終了デモからなる大当たり状態を生起させる。そして、大当たり状態の生起に伴い開成した可動入賞装置18A、18Bに遊技球が入賞すると、始動入賞口19や非電動役物40、チューリップ式電動役物17等へ入賞した場合と比較して多くの遊技球(たとえば10個)を賞球として払い出す。
なお、始動入賞口19若しくは非電動役物40の何れかへの入賞にもとづく大当たり抽選の結果が「はずれ」であると第1特別図柄を第1はずれ確定表示態様(たとえば「4」)で、チューリップ式電動役物17への入賞にもとづく大当たり抽選の結果が「はずれ」であると第2特別図柄を第2はずれ確定表示態様(たとえば「2」)で夫々確定表示させた後、次に消化する保留情報を大当たり判定用記憶領域137へ移行し、当該保留情報に係る大当たり判定を実行する。
また、メインCPU132は、通常状態において大当たり状態が生起してからの大当たり状態の生起回数をカウントしており、生起回数が所定の制限回数(たとえば10回)に達するまでは、大当たり状態が終了してから次回大当たり判定において大当たり抽選の結果が「大当たり」となるまで、大当たり抽選の結果が「大当たり」となる確率が大幅に向上した高確率状態を生起させるとともに、チューリップ式電動役物17が開状態となりやすい、若しくは、長時間にわたって開状態となるとの少なくとも何れか一方としたことで、チューリップ式電動役物17へ遊技球が入賞しやすくなるサポート状態を生起させる。そして、大当たり状態の生起回数が制限回数に達すると、当該大当たり状態の終了に伴い、高確率状態及びサポート状態を生起させることなく、大当たり抽選の結果が「大当たり」となりにくく、且つ、チューリップ式電動役物17が開状態となりにくい遊技開始当初の通常状態へ復帰させる。なお、「大当たり状態が終了してから次回大当たり判定において大当たり抽選の結果が「大当たり」となるまで」という事項は、たとえば図柄の変動回数を10000回と設定することにより実現してもよい。
一方、メインCPU132は、チューリップ式電動役物17の開閉動作についても制御しており、遊技球がゲート部材20を通過すると、当該通過がメインCPU132により検出される。すると、メインCPU132は、通過検出のタイミングでaカウンタから1つの数値を取得する(開放抽選を行う)とともに、aカウンタからの取得数値が所定の「開放数値(たとえばサポート状態が生起していると“0”〜“8”の9通り、サポート状態が生起していないと“0”の1通りのみとなっている)」であるか否かを判定する。そして、aカウンタからの取得数値が「開放数値」である、すなわち開放抽選の結果が「当選」であると、閉状態にあるチューリップ式電動役物17を開動作させて開状態とする。このとき、サポート状態が生起していると、たとえばサポート状態が生起していない場合と比べて長い時間(2秒間)に亘り開状態とすることを断続的に3回繰り返す態様等の特別開放動作態様で作動させる。したがって、チューリップ式電動役物17へ遊技球が入賞しやすくなる。また、サポート状態が生起していないと、たとえばサポート状態が生起している場合と比べて短い時間(0.2秒)に亘り、しかも1回しか開状態としない等の通常開放動作態様でチューリップ式電動役物17を作動させる。したがって、たとえ開放抽選に当選してチューリップ式電動役物17が開動作したとしても、遊技球はチューリップ式電動役物17へ極めて入賞しにくくなっている。
さらに、aカウンタからの取得数値が「開放数値」でない、すなわち開放抽選の結果が「はずれ」であると、チューリップ式電動役物17を閉状態のまま作動させない。したがって、遊技球がチューリップ式電動役物17に入賞することはない。加えて、たとえば特別開放動作態様でチューリップ式電動役物17を作動させている間等に、遊技球のゲート部材20の通過を検出した場合には、上記保留情報と同様、当該通過のタイミングで取得したaカウンタの数値を所定個数まで記憶手段133に記憶するとともに、チューリップ式電動役物17の特別開放動作態様による作動が終了する度に、記憶した順で開放抽選の結果の確認等を実行するようになっている。
一方、サブ統合CPU142は、予定情報を受信すると予定情報記憶領域147へ記憶する。また、開始コマンドを受信すると、該開始コマンドに対応する予定情報を予定情報記憶領域147から読み出すとともに、開始コマンドに含まれている大当たり抽選の結果に係る情報及び特別図柄の確定表示態様等に応じて最終的に確定表示する装飾図柄の表示態様を決定する。そして、基本変動パターンに係る情報に応じた詳細変動パターンを変動パターン記憶領域146から読み出し、タイマ144により計時しながら、読み出した詳細変動パターンにしたがって演出用表示部6で装飾図柄を変動表示させるとともに、所定の順(ここでは左側の図柄表示部、右側の図柄表示部の順)で装飾図柄を停止表示とした後、停止コマンドの受信に伴い上記決定した表示態様で装飾図柄を確定表示させる。つまり、大当たり抽選の結果が「大当たり」であると、同一の特別な装飾図柄を2つ並べる大当たり装飾図柄確定表示態様(たとえば“7・7”や“3・3”)で確定表示させる。また、大当たり抽選の結果が「はずれ」であると、何れか一方の装飾図柄が他方の装飾図柄とは異なるはずれ装飾図柄確定表示態様(たとえば“7・8”)で確定表示させる。なお、読み出した予定情報については、予定情報記憶領域147から消去する。
また、サブ統合CPU142は、大当たり状態を生起させるにあたり、たとえば開始デモ中には、演出用表示部6を利用して大当たり状態の開始を報知し、可動入賞装置18A、18Bの開成が開始されると、図柄の確定表示態様等に対応した演出用表示部6での表示演出を記憶手段143から読み出し、演出用表示部6での表示動作を制御する。また、終了デモになると、演出用表示部6を利用して大当たり状態が終了する旨等を遊技者に報知する。
以上のようなパチンコ機1では、遊技者は通常状態から遊技を開始することになり、ハンドル9を回動操作して発射装置10を作動させ、発射通路13を介して遊技球を遊技領域16内へ打ち込み、まずは左打ち用スペースSLを流下させ(所謂左打ちを行い)、センター部材26への遊技球の進入、ひいては始動入賞口19や非電動役物40への遊技球の入賞を狙う。そして、始動入賞口19若しくは非電動役物40の何れかへの遊技球の入賞検出に起因して実行される所謂大当たり抽選の結果が「大当たり」になると、特別図柄表示部83及び演出用表示部6に夫々所定の「大当たり図柄」が確定表示される。また、「大当たり図柄」が確定表示されると、可動入賞装置18A、18Bを夫々1回ずつ開成させるといった所謂大当たり状態が生起する。そこで、遊技者は、遊技球を右打ち用スペースSRへ打ち込んで流下させる所謂右打ちを行い、開成する可動入賞装置18A、18Bへの遊技球の入賞を狙う。なお、始動入賞口19へ遊技球が入賞した場合、及び非電動役物40へ遊技球が入賞した場合は、特別図柄表示部83では第1特別図柄が変動/確定表示される。
また、大当たり状態が終了すると、ゲート部材20への遊技球の通過検出に起因して実行される所謂当たり抽選の結果が「当たり」となりやすく、チューリップ式電動役物17が頻繁に開状態となって遊技球の入賞が可能となるとともに、チューリップ式電動役物17への入賞検出に起因して実行される大当たり抽選の結果が「大当たり」となりやすい所謂確変状態が生起する(高確率状態とサポート状態とが同時に生起する)。そこで、遊技者は右打ちを継続し、ゲート部材20への遊技球の通過、及び頻繁に開状態となるチューリップ式電動役物17への遊技球の入賞を狙う。また、チューリップ式電動役物17への遊技球の入賞に応じて実行された大当たり抽選の結果が「大当たり」になると、特別図柄表示部83及び演出用表示部6に「大当たり図柄」が確定表示され、可動入賞装置18A、18Bを夫々1回ずつ開成させる「大当たり状態」が再び生起する。なお、チューリップ式電動役物17へ遊技球が入賞した場合、特別図柄表示部83では第2特別図柄が変動/確定表示される。
そして、上記大当たり状態の生起回数が制限回数に達すると、当該大当たり状態の終了後に確変状態は生起せず、ゲート部材20への遊技球の通過検出に起因して実行される当たり抽選の結果が「当たり」となりにくく(或いは「当たり」とならず)、チューリップ式電動役物17がほぼ開状態とならない(或いは開状態になることがない)上、大当たり抽選の結果が「大当たり」となりにくい遊技開始当初の通常状態へ復帰する。そのため、遊技者は、右打ちを止めて左打ちを行う上記遊技へと戻る。
(非電動役物の説明)
次に、非電動役物40について、図8〜図17にもとづき詳細に説明する。
図8及び図9は、閉状態にある非電動役物40を示した斜視説明図であり、図8は前側から、図9は後側から夫々示している。図10及び図11は、開状態にある非電動役物40を示した斜視説明図であり、図10は前側から、図11は後側から夫々示している。図12及び図13は、閉状態にある非電動役物40の開閉機構部を示した斜視説明図であり、図12は前側から、図13は後側から夫々示している。図14及び図15は、開状態にある非電動役物40の開閉機構部を示した斜視説明図であり、図14は前側から、図15は後側から夫々示している。図16及び図17は、非電動役物40の本体ケース42内部(右ケース58側)を示した斜視説明図であり、図16は閉状態を、図17は開状態を夫々示している。
非電動役物40は、チューリップ式電動役物17同様に前後方向を軸とした回動によって開閉動作する左右一対の羽根部材41、41を有するものの、その開閉動作に関して、ソレノイド等ではなく遊技領域16へ打ち込まれた遊技球を利用するものであって、羽根部材41、41の他に、羽根部材41、41を回動可能に保持する本体ケース42、本体ケース42内に内蔵されている開閉機構部、及び本体ケース42に取り付けられ、羽根部材41、41の開閉状態を検知する検知センサ(フォトセンサ)43を備えてなる。
各羽根部材41は、一般的なチューリップ式電動役物に設けられる周知の羽根部材と似た羽根部41aと、羽根部41aから下方へ徐々に左右方向で内側に湾曲するように延設された球受け部41bとを有する。該羽根部41aの基端部には、羽根部41aを前後方向で回動可能に軸支するための軸部材89(図16、17に示す)を挿入可能な軸孔41cが穿設されている。また、羽根部41aにおける軸孔41cの左右方向で外側となる位置には、羽根部41aを後述する開姿勢側へ付勢する錘(遊技球1個の重さよりも軽い)44が内蔵されている。さらに、球受け部41bの後面には、後方へ突出する保持突起45が突設されている。そして、左右一対の羽根部材41、41は、本体ケース42の前側において、以下に記載する閉姿勢と開姿勢との間を、前後方向を軸として回動可能に取り付けられる。閉姿勢とは、羽根部41a、41aの先端が上方に位置し、左右の羽根部41a、41a間及び左右の球受け部41b、41b間が遊技球1個程度の間隔しか離れていない姿勢となる。また、開姿勢とは、羽根部41a、41aの先端が左右外方に倒れた位置にあり、左右の羽根部41a、41aの先端同士が遊技球3個程度離れているとともに、左右の球受け部41b、41bの先端同士が当接する姿勢となる。
一方、開閉機構部は、左右方向を軸として前後に傾動する保持部材46、遊技球の通過に応じ左右方向を軸として上下に揺動する流路部材48、保持部材46を後述する起立姿勢側へ付勢するとともに流路部材48を後述する通常姿勢側へ付勢する錘部材47、及び錘部材47を後述する第1姿勢側へ付勢するコイルバネ90を有する。保持部材46は、左右方向が厚み方向となる板状に成形された左右一対の腕部同士を、上下方向での略中央部で連結してなる正面視H字状の部材であって、各腕部の上端外面には、前後への傾動に係る軸となる傾動軸49が左右外方へ突設されている。また、自身の傾動をガイドするためのガイド軸50が、両腕部を連結するように左右方向に沿って配されており、該ガイド軸50の両端は、両腕部の傾動軸49、49の下側から左右外方へ突出している。さらに、各腕部の下端部は、左右外側へ湾曲しながら突出しており、当該突出部は、保持突起45に当接することで羽根部材41を閉姿勢で保持するための保持部51として機能するようになっている。そして、保持部材46は、略垂直に起立する起立姿勢と、保持部51、51側が後方へ傾倒する傾倒姿勢との間を、傾動軸49を軸として前後に傾動可能となっている。
また、錘部材47は、錘部(遊技球1個の重さよりも軽い)47aを中心として、該錘部47aの前側にガイド軸50の腕部間にある箇所を軸支する軸支部52が、後側に後述する流路部材48の揺動軸54に固定される固定部53が夫々設けられてなる。そして、錘部材47は、後述するような第1姿勢と第2姿勢との間で姿勢を変更するものの、常に保持部材46を前側へ付勢するよう、保持部材46と流路部材48との間に設けられており、保持部材46の傾動については独立して許容する一方、流路部材48の揺動については流路部材48と共に連動するようになっている。なお、第1姿勢とは、保持部材46が起立姿勢にあり、且つ、流路部材48が後述する通常姿勢にある際の姿勢である。また、第2姿勢とは、保持部材46が傾倒姿勢にあり、且つ、流路部材48が後述する検知姿勢にある際の姿勢である。
さらに、コイルバネ90は、前後方向が軸方向とされており、錘部47aから上方へ突設された当接片47bの後面に前端が、本体ケース42の右ケース58の内面に突設された当接壁91の前面に後端が夫々当接するような状態で取り付けられ、錘部材47を第1姿勢側へ、ひいては保持部材46を起立姿勢側へ付勢している。なお、当接片47bの後面には、取付突起47cが後方へ突設されている一方、当接壁91の前面には、取付突起91aが前方へ突設されており、コイルバネ90は、各取付突起47c、91aを巻回する格好で取り付けられている。
加えて、流路部材48は、上下方向が厚み方向となる板状の本体55と、本体55の前端に設けられた揺動軸54と、本体55の後部から下方へ突設された被検知部56とを備えてなる。本体55は、前後方向へ延びる前部と、左側へ屈曲して延びる後部とを有する上面視鉤状に成形されており、流路部材48が検知姿勢をとった際に、当該後部が作動口77へ進入した遊技球を排出するための排出流路(図示せず)の一部を構成するようになっている。そして、流路部材48は、前部が当接壁91の下方に位置し、後部が当接壁91の後方に突出するように設けられており、後部が上昇している通常姿勢と、遊技球の重さにより後部が下降する検知姿勢との間を揺動軸54を軸として上下に揺動可能となっている。
一方、本体ケース42は、左ケース57と右ケース58とを組み付けてなるもので、前面は開口しており、内蔵する開閉機構部の保持部材46を露出可能となっている。また、各ケース57、58の前端部には、傾動軸49を軸支する軸孔59と、ガイド軸50の端部が係合可能で、保持部材46の傾動をガイドするガイド孔60とが設けられている。軸孔59は、上下方向へ長い長孔として成形されており、後述するような保持部材46の傾動時における上下方向へのスライドを許容するようになっている。また、ガイド孔60は、軸孔59の下側に設けられており、軸孔59の所定位置を中心とした円弧状に形成されている。さらに、ガイド孔60の前端には、ガイド孔60の円弧部の前端から下方へ延びるロック部60aが設けられている。
加えて、本体ケース42の後側の上部には、流路部材48の後部を露出させるための凹部61が設けられている。凹部61の左右両側面は、切り欠かれていたり開口が開設されていたりして、本体ケース42の右側からの遊技球の流れ込み、及び流路部材48の本体55後部上を通過した遊技球の本体ケース42の左側への排出を可能としている。また、本体ケース42の後側で、且つ、凹部61の下側には、検知センサ43を取り付けるための切り欠き部63が設けられている。さらに、本体ケース42の左右両側面の略中央部には、揺動軸54を軸支するための軸受部64が設けられている。なお、当接壁91は、凹部61の前面側を一部閉塞するように設けられている。
そして、上記非電動役物40は、羽根部材41、41がセンター部材26内に設けられているステージ79の前縁(更には左右方向で中央)に隣接し、且つ、本体ケース42がステージ79の下部に内蔵された状態で設置される。また、ステージ79の下部には、作動口77から延びる排出流路が設けられており、該排出流路の途中に、上記設置状態にある非電動役物40の凹部61が位置して、流路部材48の後部がその一部を担うようになっている。なお、ステージ79は、センター部材26に進入した遊技球のうち、始動入賞口19へ入賞しなかった遊技球が最終的に到達する場所であって、該ステージ79の上面は前方へむかって下降傾斜する傾斜面とされている。そして、ステージ79に到達した遊技球は、作動口77へ進入するか、前方へ転動して非電動役物40に入賞するか、それとも非電動役物40の左右両側にある排出口からセンター部材26外へ排出されるかすることになる。
上述したように設置されている非電動役物40では、羽根部材41、41が閉姿勢にある閉状態が通常状態となる。この閉状態では、保持部材46が起立姿勢にあって、羽根部材41、41の保持突起45、45間に保持部材46が入り込んでおり、保持部51、51が保持突起45、45を左右方向で内側から保持する格好で、羽根部材41、41を閉姿勢のまま保持している。また、このとき傾動軸49は軸孔59の下端位置にあり、ガイド軸50の端部はガイド孔60におけるロック部60aの下端位置にある。さらに、流路部材48は、上記通常姿勢にある。
当該閉状態にある際に、作動口77へ進入して排出流路を流下してきた遊技球が流路部材48上に到達すると、その遊技球の重さにより、流路部材48が、錘部材47及びコイルバネ90の付勢力に抗して通常姿勢から検知姿勢へと姿勢を変更する。すると、保持部材46は、流路部材48と共に移動する錘部材47におり後側へ引っ張られ、起立姿勢から傾倒姿勢へと姿勢を変更する。すなわち、羽根部材41、41の保持突起45、45間にあった保持部51、51が、保持突起45、45よりも後側まで引っ張られた格好となる。したがって、錘44、44の付勢力により、羽根部材41、41が左右外方へ倒れて開姿勢へと姿勢を変更する。つまり、非電動役物40が、羽根部材41、41が開姿勢にある開状態となる。
なお、起立姿勢から傾倒姿勢への姿勢変更の過程において、保持部材46はガイド孔60の形状に沿って移動するため、ロック部60aに沿って一旦上方へスライドした後で前傾姿勢(すなわち傾倒姿勢)側へと傾動することになる。そして、この保持部材46の上方へのスライドは、羽根部材41、41の回動とは独立しており、保持部材46が傾動して初めて羽根部材41、41は開姿勢側への回動を開始することになる。また、遊技球が通過してしまうと、流路部材48は、錘部材47及びコイルバネ90の付勢力により通常姿勢側へ復帰しようとする。しかしながら、保持部材46の前面(具体的には保持部51、51の前面)が保持突起45、45の後端に当接し、保持部材46の起立姿勢側への移動が規制されるため、流路部材48も検知姿勢のまま保持されることになる。さらに、流路部材48の姿勢変更に伴って被検知部56が検知センサ43に達し、検知センサ43による被検知部56の検知状態が検知となる。検知センサ43はメイン制御装置130に接続されており、メイン制御装置130は、検知センサ43による検知結果にもとづいて非電動役物40が閉状態にあるか開状態にあるかを把握することができる。
また、上記開状態にある非電動役物40に対し、ステージ70上を転動してきた遊技球が入賞すると、その遊技球により球受け部41b、41bが下方へ押圧され、羽根部材41、41が閉姿勢へ復帰する。すると、羽根部材41、41の閉姿勢への復帰に応じて、起立姿勢側へ付勢されている保持部材46が再び保持突起45、45間へ自動的に入り込み(すなわち起立姿勢に復帰し)、非電動役物40は、羽根部材41、41が閉姿勢で保持された上記閉状態に復帰する。このとき、流路部材48も上昇位置へ復帰するため、検知センサ43による被検知部56の検知状態は非検知となる。なお、非電動役物40へ入賞した遊技球は、非電動役物40の下側に設けられている排出流路を通って、遊技盤2の後面側へ排出される。また、閉状態にある非電動役物40に対しても遊技球は入賞可能であるものの、閉状態にある非電動役物40へ入賞した場合には、羽根部材41、41等に作用することなく排出される(すなわち、非電動役物40の状態は閉状態から変化しない)。
(非電動役物の開閉に伴う演出の説明)
ここで、本発明の要部となる非電動役物40の開閉に伴う各種演出について詳細に説明する。
ステージ79の下部で、各羽根部材41の後方となる位置には、サブ制御装置140による制御のもと点灯/消灯するLED78が夫々設置されている。また、非電動役物40の羽根部材41は、透光性を有する合成樹脂により成形されているとともに、前面(特に羽根部41aの前面)に光を乱反射させる加工が施されており、LED78、78の点灯に応じて羽根部41a、41aが全体的に光るようになっている。
また、メイン制御装置130は、上述したように非電動役物40の開閉状態を把握しており、閉状態にあった非電動役物40が開状態になったことを検知した場合には、サブ制御装置140へ開信号を送信する。一方、開状態にあった非電動役物40が閉状態になったことを検知した場合には、サブ制御装置140へ閉信号を送信する。そして、サブ制御装置140は、開信号や閉信号の受信に応じて、LED78、78を点灯/消灯させたり、非電動役物40が開状態にあることを報知する特殊楽曲をスピーカ14、14から報音/停止させたり、非電動役物40が開状態にあることを報知する特殊メッセージ75、及びパチンコ機1の設定(設定変更スイッチ138により選択されている設定)を示唆する特殊表示体76A、76Bを演出用表示部6に表示/非表示したりするようになっている。このとき使用する特殊楽曲や特殊メッセージ75、特殊表示体76A、76B等は、記憶手段143に設けられた特殊演出記憶領域148に記憶されている。また、設定変更スイッチ138で選択されている設定を示唆する特殊表示体76A、76Bを演出用表示部6に表示するという設定示唆演出を実行するか否かに関しては、大当たり抽選同様の乱数からの数値の取得を利用して決定しており、記憶手段143には、大当たり抽選に使用するcカウンタ等と同様、高速で0〜1(2通り)の間をループカウントするgカウンタ(演出決定用乱数)が内蔵されている。さらに、設定示唆演出を実行するにあたり、演出用表示部6に表示する特殊表示体の種類の決定に関しても乱数からの数値の取得を利用しており、高速で0〜1(2通り)の間をループカウントするhカウンタ(種類決定用乱数)が内蔵されている。
そして、まずLED78、78を点灯/消灯させる発光演出について説明すると、サブ制御装置140は、メイン制御装置130からの開信号の受信に応じて、発光制御装置151を介してLED78、78を点灯させる。また、メイン制御装置130からの閉信号の受信に応じて、LED78、78を消灯させる。このような発光演出は、遊技状態が通常状態であるか、確変状態であるか、それとも大当たり状態であるか等に拘わらず実行される。したがって、大当たり状態の生起中であっても、非電動役物40の状態が開状態に変化するとLED78、78を点灯させ、閉状態に変化するとLED78、78を消灯させる。
次に特殊楽曲をスピーカ14、14から報音/停止する音報知演出について説明すると、サブ制御装置140は、メイン制御装置130からの開信号の受信に応じて、受信時の遊技状態を確認し、通常状態であると特殊楽曲を読み出して、スピーカ14、14から報音させる楽曲を通常状態で使用している通常楽曲から特殊楽曲に切り替える。そして、メイン制御装置130からの閉信号の受信に応じて、特殊楽曲のスピーカ14、14からの報音を停止し、通常時の通常楽曲に戻す。したがって、サブ制御装置140は、遊技状態が通常状態であると、非電動役物40が開状態にある間は常に特殊楽曲を報音させ、非電動役物40が開状態にあることを報知し続ける。ただ、メイン制御装置130から開信号を受信した際、遊技状態が確変状態であったり大当たり状態であったりすると、該当する遊技状態で使用する楽曲を優先し、特殊楽曲への切り替えは行わない。また、特殊楽曲へ切り替えた後、閉信号を受信することなく大当たり状態が生起する場合、大当たり状態の生起に伴って特殊楽曲の報音を停止し、大当たり状態で使用する楽曲をスピーカ14、14から報音させる。
さらに特殊メッセージを演出用表示部6に表示する表示報知演出について説明すると、サブ制御装置140は、メイン制御装置130からの開信号の受信に応じて、図18に示すように演出用表示部6に特殊メッセージ75(「開放中」との文字)を表示する。また、メイン制御装置130からの閉信号の受信に応じて、特殊表示メッセージ75を消去する。このような表示報知演出は、発光演出同様、遊技状態が通常状態であるか、確変状態であるか、それとも大当たり状態であるか等に拘わらず実行される。したがって、大当たり状態の生起中であっても、非電動役物40の状態が開状態に変化すると、演出用表示部6に特殊表示メッセージ75が表示される。なお、演出用表示部6において、特殊メッセージ75は、装飾図柄を変動/確定表示する表示領域6A〜6Cの下方に表示される。
加えて設定示唆演出について説明すると、サブ制御装置140は、メイン制御装置130からの開信号の受信に応じて、gカウンタ及びhカウンタから夫々1つの数値を取得する。また、設定情報記憶領域を参照して、現在の設定が設定A〜設定Cの何れであるのかを確認する。そして、設定Cであると、gカウンタからの取得数値にもとづいて設定示唆演出を実行するか否かを決定するとともに、hカウンタからの取得数値にもとづいて設定示唆演出を実行する際に演出用表示部6に表示する特殊表示体の種類を決定する。すなわち、gカウンタからの取得数値が“0”であると設定示唆演出を実行しない(図18(a))。また、gカウンタからの取得数値が“1”であり、且つ、hカウンタからの取得数値が“0”であると、演出用表示部6に特殊表示体76Aを表示する(図18(b))。さらに、gカウンタからの取得数値が“1”であり、且つ、hカウンタからの取得数値が“1”であると、演出用表示部6に特殊表示体76Bを表示する(図18(c))。
また、設定Bである場合にも、gカウンタからの取得数値にもとづいて設定示唆演出を実行するか否かを決定するとともに、hカウンタからの取得数値にもとづいて設定示唆演出を実行する際に演出用表示部6に表示する特殊表示体の種類を決定する。すなわち、gカウンタからの取得数値が“0”であると設定示唆演出を実行しない(図18(a))。また、gカウンタからの取得数値が“1”であり、且つ、hカウンタからの取得数値が“0”であると、演出用表示部6に特殊表示体76Aを表示する(図18(b))。さらに、gカウンタからの取得数値が“1”であり、且つ、hカウンタからの取得数値が“1”であっても、演出用表示部6に特殊表示体76Aを表示する(図18(b))。このように設定Bである場合には、gカウンタからの取得数値が“1”でさえあれば、hカウンタからの取得数値が何であっても演出用表示部6に特殊表示体76Aを表示するため、hカウンタからの取得数値に係る判断を行わないとしてもよい。
さらに、設定Aである場合には、gカウンタからの取得数値が“0”であっても“1”であっても設定示唆演出を実行しないことを決定する(図18(a))。このように設定Aである場合には、gカウンタからの取得数値が何であっても設定示唆演出を実行しないため、gカウンタからの取得数値に係る判断を行わないとしてもよい。
したがって、遊技者にしてみると、非電動役物40の開放に伴って演出用表示部6に特殊表示体76A、76Bが表示されると、パチンコ機1の設定が最も大当たりとなりにくい設定Aではないことを判別することができ、特に特殊表示体76Bが表示されるとパチンコ機1の設定が最も大当たりとなりやすい設定Cであるとが判別できるため、以降高い興趣を持って遊技を続けることができる。また、たとえ非電動役物40の開放に伴って設定示唆演出が実行されなかった(演出用表示部に特殊表示体76A、76Bの何れも表示されなかった)としても、設定Bや設定Cである可能性はあるため、次の非電動役物40の開放時に設定示唆演出が実行されることを期待しながら遊技を続けることになる。
(本実施形態のパチンコ機による効果)
以上のような構成を有するパチンコ機1によれば、非電動役物40が開動作すると、当該開動作に伴い、LED78、78が点灯して非電動役物40の羽根部41a、41aが光る発光演出と、演出用表示部6に特殊メッセージ75が表示される表示報知演出とが実行される。また、非電動役物40が開動作したタイミングが通常状態であると、スピーカ14、14から報音される楽曲が通常楽曲から特殊楽曲に切り替えられる音報知演出が実行される。したがって、非電動役物40が開動作した際に取り立てて演出を行っていなかった従来の遊技機と比較すると、非電動役物40が開動作した際の遊技性を向上することができるし、遊技者にしてみると、非電動役物40が開動作して有利な状態にあることを確実に把握することができる。
また、発光演出、音報知演出、及び表示報知演出を、非電動役物40が閉動作するまで継続するため、遊技性の更なる向上は勿論のこと、非電動役物40が開状態にあることを遊技者に確実に報知することができる。
さらに、非電動役物40が開動作した際、設定Bか設定Cの何れかであり、且つ、gカウンタからの取得数値が“1”であるという遊技条件が充足されると、演出用表示部6に特殊表示体76Aや特殊表示体76Bを表示することにより、パチンコ機1の設定が設定Bか設定Cの何れかであることや、設定Cであること等、設定の種類を示唆する設定示唆演出が実行される。したがって、非電動役物40の開動作時という今までにないタイミングで大当たり抽選の当選確率に係る設定を示唆する設定示唆演出が実行されることになり、従来にない遊技性を有するパチンコ機1とすることができる。
一方、非電動役物40においては、保持部材46を起立姿勢側へ付勢する錘部材47に当接片47bを設けるとともに、当接片47bよりも後側に突出する当接壁91を本体ケース42内に設け、当接壁91の前面に一端を、当接片47bの後面に他端を夫々当接させようにしてコイルバネ90を取り付け、当該コイルバネ90により保持部材46が起立姿勢である際の姿勢である第1姿勢側へ錘部材47を付勢するようにした。言い換えるなら、コイルバネ90によって保持部材46を間接的に起立姿勢側へ付勢するようにした。したがって、従来よりも羽根部材41、41を閉姿勢のままで保持する力が強く、たとえ遊技者によりパチンコ機1に衝撃が加えられる等したとしても、羽根部材41、41が不用意に開動作してしまう事態を効果的に防止することができる。
また、非電動役物40において、羽根部材41、41の開閉動作を規制/許容する保持部材46に、左右外側へ突出する傾動軸49、49を設けるとともに、傾動軸49、49の下側に、両端が左右外側へ突出するガイド軸50を設ける一方、本体ケース42に、傾動軸49を軸支する軸孔59として、上下方向に長い長孔状の軸孔59を設けるとともに、軸孔59の下側に、ガイド軸50の端部が係合可能で、保持部材46の傾動を案内する円弧状で、且つ、前端に下方へ延びるロック部60aを有するガイド孔60を設けている。そして、保持部材46を、起立姿勢にあっては、傾動軸49が軸孔59の下端に、ガイド軸50の端部がロック部60aの下端に夫々位置させた状態とする一方、遊技球の通過に伴う流路部材48の姿勢変更に引っ張られることにより、起立姿勢から傾倒姿勢へ姿勢を変更するに際しては、一旦上方へスライドした後で左右方向を軸として傾動するようにした。すなわち、羽根部材41、41の回動とは独立して保持部材46を一旦上方へスライドさせなければ、羽根部材41、41は開動作しないようになっている。したがって、羽根部材41に針金等の不正部材を引っかける等して開動作させようとしても羽根部材41が開動作することはなく、防犯性の高い遊技機とすることができる。
(本発明の変更例について)
なお、本発明の遊技機に係る構成は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、遊技機全体の構成は勿論、非電動役物の構造に係る構成や非電動役物が開動作した際の演出に係る構成等についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で必要に応じて適宜変更可能である。
たとえば、上記実施形態では、非電動役物が開動作した際、発光演出、音報知演出、及び表示報知演出を実行するとしているが、それらのうちの何れか1つしか実行しないように構成してもよいし、各演出毎に実行するか否かを抽選等により決定するとしても何ら問題はない。また、上記実施形態では、表示報知演出として特殊メッセージを表示するとしているが、メッセージではなく、キャラクターや特殊背景画像、特殊映像等の別の表示態様にて表示報知演出を実行することは当然可能である。さらに、設定示唆演出についても同様で、特殊表示体に代えて何らかのメッセージや映像を表示する等してもよいし、非電動役物が開動作した際に点灯させるLEDを報知手段とし、LEDが点灯した際の色の違いで設定を示唆する(たとえば通常は白色で点灯するところ、設定Bや設定Cであると赤色や青色で点灯し得るように構成する等)ような演出も考えられる。
また、ランプ部材を報知手段として、特殊発光態様でランプ部材を点灯若しくは点滅させるとしてもよいし、羽根部の後側ではなくセンター部材内の電動役物に発光手段を設ける等してもよく、非電動役物が開動作したことをどのように報知するかについても適宜設計変更可能である。なお、上記実施形態では、LEDを点灯させるとしているが、LEDを点滅させるようにしてもよいし、羽根部材のうち羽根部のみならず球受け部についても積極的に光るように構成することも当然可能である。
さらに、上記実施形態では、遊技機における大当たり抽選の当選確率に係り設定A〜設定Cの3種類しか設定していないが、2種類であってもよいし、4種類以上設定することも当然可能である。また、上記実施形態では設定A〜設定Cの何れであっても高確率状態における設定は同じとしているが、設定Aに対応する高確率状態での設定や、設定Bに対応する高確率状態での設定を個別に設定することも当然可能である。
さらにまた、非電動役物が開動作した際に報音する特殊楽曲としては、専用の楽曲を使用するように構成してもよいし、大当たり状態で使用する楽曲のうちの1つを特殊楽曲として兼用するように構成してもよい。また、特殊楽曲として複数の楽曲を記憶しても何ら問題はなく、抽選等によって報音させる楽曲を選択するように構成してもよいし、報音させる楽曲の種類により遊技機の設定を示唆するように構成することも可能である。なお、通常楽曲についても同様で、複数種類の楽曲を通常楽曲として記憶させておき、演出用表示部での背景や演出モードに応じて報音させる楽曲を切り替えるように構成することも可能である。
またさらに、発光演出、音報知演出、及び表示報知演出を実行した際、どのタイミングで演出を終了するか(すなわち、どのような条件を終了条件とするか)についても適宜変更可能である。たとえば演出の実行開始から所定時間の経過をもって演出を終了するとしてもよいし、閉動作の検出か演出の実行時間が所定時間に達するかの何れかが満たされると演出を終了するというように構成することも可能である。
加えて、特殊表示体の大きさや形状が上記実施形態のものに限定されないのは勿論のこと、特殊表示体の数や種類、どの設定の時にどの特殊表示体を表示し得るとするか等についても適宜設計変更可能である。たとえば当選確率が低い設定から高い設定へ6段階に分かれていたとすると、設定が低い方から2つの段階の何れかであると特殊表示体を表示しないとしたり、設定が高い方から2つの段階の何れかであると表示され得る特殊表示体の種類は同じとしたりして、低い方についても高い方についても具体的にどの設定であるかを判別しにくいように構成するといったことが考えられる。
また、上記実施形態では、センター部材の内部に非電動役物を設けているが、遊技領域内であればセンター部材外に非電動役物を設けても何ら問題はなく、非電動役物の設置位置は適宜設計変更可能であるし、複数の非電動役物を設けることも当然可能である。
さらに、非電動役物が閉状態にあるか開状態にあるかの検知結果にもとづいて、たとえば開状態が正常な開状態であるか否かを判断し(本実施形態であれば、進入口への進入から所定時間内に開状態を検知すると正常であると判断し、進入口への入賞を検出していない状況で開状態を検知したり、進入検出から所定時間を超えて開状態を検知したりすると異常であると判断する等)、正常な開状態でない場合には遊技機外へ不正信号を出力したり、警告音を報知したりするように構成することも可能である。
さらにまた、上記実施形態では、メイン制御装置からサブ制御装置へ開始コマンドと停止コマンドとを送信するようにしているが、サブ制御装置のタイマを用いる等することで、停止コマンドについては送信しない構成としても何ら問題はない。
またさらに、上記実施形態では、メイン制御装置とサブ制御装置との2つの制御装置に分けて制御するように構成しているが、メイン制御装置1つで制御するように構成してもよく、メイン制御装置の記憶手段に特殊演出記憶領域を設けたり、gカウンタ、及びhカウンタ等を設けても何ら問題はないし、メイン制御装置1つで制御する際には、開始コマンドや予定情報等を作成する必要はない。また、上記実施形態では、特別図柄と装飾図柄との2種類の図柄を用いるパチンコ機としているが、特別図柄のみを用いたパチンコ機であってもよいし、特別図柄表示部を演出用表示部内や遊技領域内、センター部材等の他の位置に設けてもよい。
さらにまた、上記実施形態では、大当たり抽選としてcカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタの3つのカウンタから数値を取得するとしているが、1つのカウンタのみで対応することも可能であるし、2つのカウンタ若しくは4つ以上のカウンタから数値を取得するように構成することも当然可能である。なお、抽選手段としての乱数は、ソフト乱数、ハード乱数のどちらでも採用可能である。
加えて、上記実施形態では、遊技機の一例であるパチンコ機について説明しているが、本発明は、たとえば封入式パチンコ機等といった他の遊技機に対しても当然適用可能である。
なお、特許請求の範囲、明細書および図面に記載される全ての要素(例えば、通過部、非電動役物、制御手段、被検知部、検知手段、報知手段、羽根部材、発光手段、スピーカ、設定変更手段、表示手段等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、特許請求の範囲や明細書等で使用している要素名(要素につけた名称)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。すなわち、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「制御手段」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。さらには、前記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、敢えて特許請求の範囲等において特定していない限り、何れも当業者であれば極めて容易に考えられる事項であるため、あえて明細書等において全パターンを記載しなくても何れのパターンも想定範囲内であることは明らかであることから、本発明に係る権利範囲に含まれることは勿論である。したがって、その程度の範囲内での構成上の差異を有する遊技機を、本実施例に記載がなされていないことを理由に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはならない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。