JP2020177746A - 燃料電池スタック及び燃料電池スタックの製造方法 - Google Patents

燃料電池スタック及び燃料電池スタックの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】シールラインのシール性を確保することができる燃料電池スタック及び燃料電池スタックの製造方法を提供する。【解決手段】燃料電池スタック10及び燃料電池スタック10の製造方法において、積層体14に締付荷重が付与される前における第1ゴムシール部材56の積層方向に沿った第1厚さd1は、積層体14に締付荷重が付与された際に、第1ゴムシール部材56の積層方向に沿った第1変形量Δx1が第1シール用ビード部54の頂部62の積層方向に沿った第2変形量Δy1よりも大きくなるような厚さに設定されている。【選択図】図5

Description

本発明は、電解質膜の両側に電極が配設されてなる電解質膜・電極構造体と前記電解質膜・電極構造体の両側に配設された金属セパレータとを有する発電セルが複数積層された積層体を備えた燃料電池スタック及び燃料電池スタックの製造方法に関する。
例えば、特許文献1には、電解質膜・電極構造体と金属セパレータとの間から外部への流体(反応ガス及び冷却媒体)の漏れを防止するためのシールラインを備えた燃料電池スタックが開示されている。シールラインは、金属セパレータのうち電解質膜・電極構造体が位置する側の面から突出したシール用ビード部と、シール用ビード部の頂部に設けられた樹脂材とを有する。積層体には、樹脂材のシール面に所定の面圧が作用するように締付荷重が付与されている。
特開2017−139218号公報
ところで、積層体に締付荷重を付与した際、シール用ビード部の頂部が電解質膜・電極構造体とは反対側に押されて変形する。この場合、樹脂材のシール面に十分な面圧を作用させることができず、シールラインのシール性を確保することができないおそれがある。
本発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、シールラインのシール性を確保することができる燃料電池スタック及び燃料電池スタックの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、電解質膜の両側に電極が配設されてなる電解質膜・電極構造体と前記電解質膜・電極構造体の両側に配設された金属セパレータとを有する発電セルが複数積層された積層体を備え、前記積層体には、前記積層体の積層方向に締付荷重が付与され、前記金属セパレータには、前記電解質膜・電極構造体と前記金属セパレータとの間から外部への流体の漏れを防止するためのシールラインが設けられた燃料電池スタックであって、前記シールラインは、前記金属セパレータのうち前記電解質膜・電極構造体が位置する側の面から突出したシール用ビード部と、前記シール用ビード部の頂部と前記電解質膜の外周部又は前記電解質膜の外周に沿って設けられた枠部との間に介装されたゴムシール部材と、を有し、前記積層体に前記締付荷重が付与される前における前記ゴムシール部材の前記積層方向に沿った厚さは、前記積層体に前記締付荷重が付与された際に、前記ゴムシール部材の前記積層方向に沿った変形量が前記シール用ビード部の前記積層方向に沿った変形量よりも大きくなるような厚さに設定されている、燃料電池スタックである。
本発明の別の態様は、電解質膜の両側に電極が配設されてなる電解質膜・電極構造体と前記電解質膜・電極構造体の両側に配設された金属セパレータとを有する発電セルが複数積層された積層体を備え、前記金属セパレータには、前記電解質膜・電極構造体と前記金属セパレータとの間から外部への流体の漏れを防止するためのシールラインが設けられた燃料電池スタックの製造方法であって、前記シールラインは、前記金属セパレータのうち前記電解質膜・電極構造体が位置する側の面から突出したシール用ビード部と、前記シール用ビード部の頂部と前記電解質膜の外周部又は前記電解質膜の外周に沿って設けられた枠部との間に介装されたゴムシール部材と、を有し、前記発電セルを複数準備する準備工程と、前記発電セルを複数積層した状態で積層方向に締付荷重を付与することにより、前記シール用ビード部及び前記ゴムシール部材を前記積層方向に変形させる締付工程と、を備え、前記準備工程で準備される前記発電セルを形成する前記ゴムシール部材の前記積層方向に沿った厚さは、前記締付工程の際に、前記ゴムシール部材の前記積層方向に沿った変形量が前記シール用ビード部の前記積層方向に沿った変形量よりも大きくなるような厚さに設定されている、燃料電池スタックの製造方法である。
本発明によれば、積層体に締付荷重を付与した際に、ゴムシール部材の積層方向に沿った変形量がシール用ビード部の積層方向に沿った変形量よりも大きくなる。これにより、積層体に締付荷重を付与した際に、シール用ビード部の頂部がゴムシール部材とは反対側に押されて変形した場合でも、シール用ビード部の変形分をゴムシール部材の変形で補うことによりゴムシール部材のシール面に隙間が形成されることを防止することができる。したがって、ゴムシール部材のシール面に十分な面圧を作用させることができ、シールラインのシール性を確保することができる。
本発明の一実施形態に係る燃料電池スタックの斜視説明図である。 前記燃料電池スタックを構成する発電セルの一部省略縦断面図である。 前記発電セルの分解斜視図である。 前記発電セルを構成する第1金属セパレータの正面説明図である。 図5Aは、前記燃料電池スタックの積層体に積層方向の締付荷重を付与する前の第1シールラインを示す説明図であり、図5Bは、前記燃料電池スタックの積層体に積層方向の締付荷重を付与した状態の第1シールラインの変形を示す説明図である。 図6Aは、前記積層体に積層方向の締付荷重を付与する前の第2シールラインを示す説明図であり、図6Bは、前記燃料電池スタックの積層体に積層方向の締付荷重を付与した状態の第2シールラインの変形を示す説明図である。 第1ゴムシール部材(第2ゴムシール部材)の厚みと変形量との関係を示すグラフである。 変形例に係る第1シールライン及び第2シールラインの断面説明図である。
以下、本発明に係る燃料電池スタック及び燃料電池スタックの製造方法について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
図1及び図2に示すように、本発明に燃料電池スタック10は、複数の発電セル12が水平方向(矢印A方向)に積層された積層体14を備える。ただし、積層体14は、複数の発電セル12が重力方向(矢印C方向)に積層されて構成されてもよい。燃料電池スタック10は、例えば、図示しない燃料電池電気自動車等の燃料電池車両に搭載される。
図1において、積層体14の積層方向(矢印A方向)一端には、ターミナルプレート16a、インシュレータ18a及びエンドプレート20aが外方に向かって、順次、配設される。積層体14の積層方向他端には、ターミナルプレート16b、インシュレータ18b及びエンドプレート20bが外方に向かって、順次、配設される。ターミナルプレート16a、16bには、積層方向外方に延出する端子部22a、22bが設けられる。
図1に示すように、エンドプレート20a、20bは、横長(縦長でもよい)の長方形状を有するとともに、各辺間には、連結バー24が配置される。各連結バー24は、両端をエンドプレート20a、20bの内面にボルト26を介して固定され、複数の積層された発電セル12に積層方向(矢印A方向)の締付荷重を付与する。なお、燃料電池スタック10では、エンドプレート20a、20bを端板とする筐体を備え、前記筐体内に積層体14を収容するように構成してもよい。
図2及び図3に示すように、発電セル12は、電解質膜・電極構造体(以下、「MEA28」ということがある。)が、第1金属セパレータ30及び第2金属セパレータ32により挟持されて形成される。第1金属セパレータ30及び第2金属セパレータ32は、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、めっき処理鋼板、あるいはその金属表面に防食用の表面処理を施した金属薄板の断面を波形にプレス成形して構成される。第1金属セパレータ30と第2金属セパレータ32とは、外周を溶接、ろう付け、かしめ等により一体に接合され、接合セパレータ33を構成する。
図3において、発電セル12の長辺方向である矢印B方向(水平方向)の一端縁部には、酸化剤ガス入口連通孔34a、冷却媒体入口連通孔36a及び燃料ガス出口連通孔38bが矢印C方向に配列して設けられる。各発電セル12に設けられた酸化剤ガス入口連通孔34aは、積層方向(矢印A方向)に互いに連通し、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給する。各発電セル12に設けられた冷却媒体入口連通孔36aは、積層方向に互いに連通し、冷却媒体、例えば、純水、エチレングリコール、オイル等を供給する。各発電セル12に設けられた燃料ガス出口連通孔38bは、積層方向に互いに連通し、燃料ガス、例えば、水素含有ガスを排出する。
発電セル12の矢印B方向の他端縁部には、燃料ガス入口連通孔38a、冷却媒体出口連通孔36b及び酸化剤ガス出口連通孔34bが矢印C方向に配列して設けられる。各発電セル12に設けられた燃料ガス入口連通孔38aは、積層方向に互いに連通し、燃料ガスを供給する。各発電セル12に設けられた冷却媒体出口連通孔36bは、積層方向に互いに連通し、冷却媒体を排出する。各発電セル12に設けられた酸化剤ガス出口連通孔34bは、積層方向に互いに連通し、酸化剤ガスを排出する。
酸化剤ガス入口連通孔34a及び酸化剤ガス出口連通孔34bと燃料ガス入口連通孔38a及び燃料ガス出口連通孔38bの配置、形状及び大きさは、本実施形態に限定されるものではなく、要求される仕様に応じて、適宜設定すればよい。
図2及び図3に示すように、MEA28は、電解質膜40と、電解質膜40を挟持するカソード電極42及びアノード電極44と、電解質膜40の外周に沿って設けられた樹脂フィルム46(樹脂枠部材、枠部)とを有する。電解質膜40は、例えば、水分を含んだパーフルオロスルホン酸の薄膜である固体高分子電解質膜(陽イオン交換膜)である。電解質膜40は、フッ素系電解質の他、HC(炭化水素)系電解質を使用してもよい。電解質膜40は、カソード電極42及びアノード電極44よりも小さな平面寸法(外形寸法)を有する。電解質膜40は、電極外周と重なり部を有する。
カソード電極42は、電解質膜40の一方の面40aに接合される第1電極触媒層42aと、第1電極触媒層42aに積層される第1ガス拡散層42bとを含む。第1電極触媒層42aは、第1ガス拡散層42bよりも小さな外形寸法を有するとともに、電解質膜40と同一(又は同一未満)の外形寸法に設定される。なお、第1電極触媒層42aは、第1ガス拡散層42bと同一の外形寸法を有してもよい。
アノード電極44は、電解質膜40の面40bに接合される第2電極触媒層44aと、前記第2電極触媒層44aに積層される第2ガス拡散層44bとを含む。第2電極触媒層44aは、第2ガス拡散層44bよりも小さな外形寸法を有するとともに、電解質膜40と同一(又は同一未満)の外形寸法に設定される。なお、第2電極触媒層44aは、第2ガス拡散層44bと同一の外形寸法を有してもよい。
第1電極触媒層42aは、例えば、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が、第1ガス拡散層42bの表面に一様に塗布されて形成される。第2電極触媒層44aは、例えば、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が、第2ガス拡散層44bの表面に一様に塗布されて形成される。第1ガス拡散層42b及び第2ガス拡散層44bは、カーボンペーパ、カーボンクロス等からなる。
第1ガス拡散層42bの外周縁部と第2ガス拡散層44bの外周縁部との間には、枠形状を有する樹脂フィルム46が挟持される。樹脂フィルム46の内周端面は、電解質膜40の外周端面に近接又は当接する。図3に示すように、樹脂フィルム46の矢印B方向の一端縁部には、酸化剤ガス入口連通孔34a、冷却媒体入口連通孔36a及び燃料ガス出口連通孔38bが設けられる。樹脂フィルム46の矢印B方向の他端縁部には、燃料ガス入口連通孔38a、冷却媒体出口連通孔36b及び酸化剤ガス出口連通孔34bが設けられる。
樹脂フィルム46は、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PPA(ポリフタルアミド)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルサルフォン)、LCP(リキッドクリスタルポリマー)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、又はm−PPE(変性ポリフェニレンエーテル樹脂)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)又は変性ポリオレフィンで構成される。なお、樹脂フィルム46を用いることなく、電解質膜40を外方に突出させてもよい。また、外方に突出した電解質膜40の両側に枠形状のフィルムを設けてもよい。
図4に示すように、第1金属セパレータ30のMEA28に向かう面30aには、例えば、矢印B方向に延在する酸化剤ガス流路48が設けられる。酸化剤ガス流路48は、酸化剤ガス入口連通孔34a及び酸化剤ガス出口連通孔34bに流体的に連通する。酸化剤ガス流路48は、矢印B方向に延在する複数本の凸部48a間に直線状流路溝48b(又は波状流路溝)を有する。
酸化剤ガス入口連通孔34aと酸化剤ガス流路48との間には、複数個のエンボス部を有する入口バッファ部50aが設けられる。酸化剤ガス出口連通孔34bと酸化剤ガス流路48との間には、複数個のエンボス部を有する出口バッファ部50bが設けられる。
第1金属セパレータ30の面30aには、MEA28と第1金属セパレータ30との間から外部への流体(酸化剤ガス、燃料ガス及び冷却媒体)の漏れを防止するための第1シールライン52が設けられている。
第1シールライン52は、第1金属セパレータ30の面30aの外周縁部を周回する外側シール部52aを有する。第1シールライン52は、酸化剤ガス流路48、酸化剤ガス入口連通孔34a及び酸化剤ガス出口連通孔34bを周回し且つこれらを連通させる内側シール部52bを有する。第1シールライン52は、さらに燃料ガス入口連通孔38a、燃料ガス出口連通孔38b、冷却媒体入口連通孔36a及び冷却媒体出口連通孔36bをそれぞれ周回する連通孔シール部52cを有する。なお、外側シール部52aは、必要に応じて設ければよく、不要にすることもできる。
図2に示すように、第1シールライン52は、第1金属セパレータ30の面30aから積層方向(MEA28の樹脂フィルム46)に向かって突出した第1シール用ビード部54と、第1シール用ビード部54に設けられた第1ゴムシール部材56とを有する。
第1シール用ビード部54は、プレス成形によって第1金属セパレータ30の面30aに膨出成形されている。第1シール用ビード部54は、先細り形状に形成されている。換言すれば、第1シール用ビード部54は、台形状に形成されている。
第1シール用ビード部54は、互いに対向するように配置された第1側壁部58及び第2側壁部60と、第1側壁部58及び第2側壁部60の先端同士を連結する頂部62とを有する。第1側壁部58及び第2側壁部60の間隔は、頂部62に向かって徐々に狭くなっている。頂部62は、積層方向に締付荷重が付与された状態で平坦状に形成されている。つまり、第1シール用ビード部54の突出端面55は、積層方向と直交する方向に延在した平坦面である。
第1ゴムシール部材56の構成材料としては、EPDM(エチレン−プロピレンゴム)、NBR、フッ素系ゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、スチレンゴム、クロロプレーン又はアクリルゴム等及び上記ゴムの多孔質体が用いられる。第1ゴムシール部材56は、第1シール用ビード部54の頂部62(突出端面55)に固着される。すなわち、第1ゴムシール部材56は、第1シール用ビード部54の頂部62と樹脂フィルム46との間に介装されている。第1ゴムシール部材56は、樹脂フィルム46に固着されていてもよい。
図3に示すように、第2金属セパレータ32のMEA28に向かう面32aには、例えば、矢印B方向に延在する燃料ガス流路64が形成される。燃料ガス流路64は、燃料ガス入口連通孔38a及び燃料ガス出口連通孔38bに流体的に連通する。燃料ガス流路64は、矢印B方向に延在する複数本の凸部64a間に直線状流路溝64b(又は波状流路溝)を有する。
燃料ガス入口連通孔38aと燃料ガス流路64との間には、複数個のエンボス部を有する入口バッファ部66aが設けられる。燃料ガス出口連通孔38bと燃料ガス流路64との間には、複数個のエンボス部を有する出口バッファ部66bが設けられる。
第2金属セパレータ32の面32aには、MEA28と第2金属セパレータ32との間から外部への流体(酸化剤ガス、燃料ガス及び冷却媒体)の漏れを防止するための第2シールライン68が設けられている。
第2シールライン68は、第2金属セパレータ32の面32aの外周縁部を周回する外側シール部68aを有する。第2シールライン68は、燃料ガス流路64、燃料ガス入口連通孔38a及び燃料ガス出口連通孔38bを周回し且つこれらを連通させる内側シール部68bを有する。第2シールライン68は、さらに酸化剤ガス入口連通孔34a、酸化剤ガス出口連通孔34b、冷却媒体入口連通孔36a及び冷却媒体出口連通孔36bをそれぞれ周回する連通孔シール部68cを有する。なお、外側シール部68aは、必要に応じて設ければよく、不要にすることもできる。
図2に示すように、第2シールライン68は、第2金属セパレータ32の面32aから積層方向(MEA28の樹脂フィルム46)に向かって突出した第2シール用ビード部70と、第2シール用ビード部70に設けられた第2ゴムシール部材72とを有する。
第2シール用ビード部70は、プレス成形によって第2金属セパレータ32の面32aに膨出成形されている。第2シール用ビード部70は、先細り形状に形成されている。換言すれば、第2シール用ビード部70は、台形状に形成されている。
第2シール用ビード部70は、互いに対向するように配置された第1側壁部74及び第2側壁部76と、第1側壁部74及び第2側壁部76の先端同士を連結する頂部78とを有する。第1側壁部74及び第2側壁部76の間隔は、頂部78に向かって徐々に狭くなっている。頂部78は、積層方向に締付荷重が付与された状態で平坦状に形成されている。つまり、第2シール用ビード部70の突出端面75は、積層方向と直交する方向に延在した平坦面である。
第2ゴムシール部材72の構成材料としては、第1ゴムシール部材56と同様のものが用いられる。第2ゴムシール部材72は、第2シール用ビード部70の頂部78(突出端面75)に固着される。すなわち、第2ゴムシール部材72は、第2シール用ビード部70の頂部78と樹脂フィルム46との間に介装されている。第2ゴムシール部材72は、樹脂フィルム46に固着されていてもよい。
図3において、互いに接合される第1金属セパレータ30の面30bと第2金属セパレータ32の面32bとの間には、冷却媒体入口連通孔36aと冷却媒体出口連通孔36bとに流体的に連通する冷却媒体流路80が形成される。冷却媒体流路80は、酸化剤ガス流路48が形成された第1金属セパレータ30の裏面形状と、燃料ガス流路64が形成された第2金属セパレータ32の裏面形状とが重なり合って形成される。
次に、このような燃料電池スタック10において、第1シールライン52及び第2シールライン68について、燃料電池スタック10の製造方法との関係でさらに説明する。
燃料電池スタック10を製造する場合、発電セル12を複数準備する準備工程と、発電セル12を複数積層した状態で積層方向に締付荷重を付与することにより、第1シール用ビード部54、第1ゴムシール部材56、第2シール用ビード部70及び第2ゴムシール部材72を積層方向に変形させる締付工程とが行われる。
図5Aに示すように、積層体14に締付荷重を付与する前の状態で(締付荷重付与前である準備工程において)、第1シール用ビード部54の頂部62は、樹脂フィルム46に向かって円弧状に突出している。すなわち、締付荷重付与前において、第1シール用ビード部54の突出端面55は、凸状の湾曲面である。また、図6Aに示すように、締付荷重付与前(準備工程)において、第2シール用ビード部70の頂部78は、樹脂フィルム46に向かって円弧状に突出している。すなわち、締付荷重付与前において、第2シール用ビード部70の突出端面75は、凸状の湾曲面である。なお、図5A及び図6Aは、第1シール用ビード部54に第1ゴムシール部材56を設けるとともに第2シール用ビード部70に第2ゴムシール部材72を設けた構成を示している。一方、第1ゴムシール部材56及び第2ゴムシール部材72を樹脂フィルム46に設けた場合には、図5A及び図6Aに示す第1ゴムシール部材56及び第2ゴムシール部材72の形状とは異なる形状になる。
そして、締付工程において、積層体14に積層方向の締付荷重を付与すると、第1シール用ビード部54の頂部62は樹脂フィルム46とは反対側に押圧されて平坦状に変形し(図5B参照)、第2シール用ビード部70の頂部78は樹脂フィルム46とは反対側に押圧されて平坦状に変形する(図6B参照)。また、この際、第1ゴムシール部材56及び第2ゴムシール部材72のそれぞれは、積層方向に弾性変形(圧縮変形)する(図5A〜図6B参照)。
すなわち、図5B及び図6Bにおいて、積層体14に締付荷重を付与した状態で(締付荷重付与状態において)、第1シール用ビード部54の頂部62と第2シール用ビード部70の頂部78とのそれぞれは、平坦状に形成されている。換言すれば、第1シール用ビード部54の突出端面55と第2シール用ビード部70の突出端面75とのそれぞれは、積層方向と直交する方向に延在した平坦面になる。
図5A及び図5Bにおいて、締付荷重付与前の第1ゴムシール部材56(準備工程で準備される発電セル12を形成する第1ゴムシール部材56)の積層方向に沿った第1厚さd1は、積層体14に締付荷重が付与された際(締付工程の際)に、第1ゴムシール部材56の積層方向に沿った第1変形量Δx1が第1シール用ビード部54の積層方向に沿った第2変形量Δy1よりも大きくなるような厚さに設定されている。
第1ゴムシール部材56の第1変形量Δx1は、第1ゴムシール部材56の第1厚さd1から締付荷重付与状態の第1ゴムシール部材56の積層方向に沿った第2厚さd2を減算した量(Δx1=d1−d2)である。第1シール用ビード部54の第2変形量Δy1は、締付荷重付与前の第1シール用ビード部54の第1高さh1から締付荷重付与状態の第1シール用ビード部54の第2高さh2を減算した量(Δy1=h1−h2)である。
第1高さh1は、締付荷重付与前の第1金属セパレータ30の面30aから第1シール用ビード部54の突出端(突出端面55のうち樹脂フィルム46側に最も突出している部位)までの距離である。第2高さh2は、締付荷重付与状態の第1金属セパレータ30の面30aから第1シール用ビード部54の突出端面55までの距離である。
図6A及び図6Bにおいて、締付荷重付与前の第2ゴムシール部材72(準備工程で準備される発電セル12を形成する第2ゴムシール部材72)の積層方向に沿った第3厚さd3は、積層体14に締付荷重が付与された際(締付工程の際)に、第2ゴムシール部材72の積層方向に沿った第3変形量Δx2が第2シール用ビード部70の積層方向に沿った第4変形量Δy2よりも大きくなるような厚さに設定されている。
第2ゴムシール部材72の第3変形量Δx2は、第2ゴムシール部材72の第3厚さd3から締付荷重付与状態の第2ゴムシール部材72の積層方向に沿った第4厚さd4を減算した量(Δx2=d3−d4)である。第2シール用ビード部70の第4変形量Δy2は、締付荷重付与前の第2シール用ビード部70の第3高さh3から締付荷重付与状態の第2シール用ビード部70の第4高さh4を減算した量(Δy2=h3−h4)である。
第3高さh3は、締付荷重付与前の第2金属セパレータ32の面32aから第2シール用ビード部70の突出端(突出端面75のうち樹脂フィルム46側に最も突出している部位)までの距離である。第4高さh4は、締付荷重付与状態の第2金属セパレータ32の面32aから第2シール用ビード部70の突出端面75までの距離である。
図7は、締付荷重付与前(締付荷重が付与されていない状態)の第1ゴムシール部材56(第2ゴムシール部材72)の厚さと一定の締付荷重付与時の第1ゴムシール部材56(第2ゴムシール部材72)の変形量との関係を示すグラフである。図7は、第1ゴムシール部材56(第2ゴムシール部材72)が厚いほど、一定の締付荷重に対して変形量が大きくなることを示している。図7に示すように、第1ゴムシール部材56は、締付荷重付与前の積層方向に沿った厚さがdaの場合、締付荷重付与時の変形量が第1シール用ビード部54の第2変形量Δy1と同じになる。したがって、締付荷重付与前の第1ゴムシール部材56の積層方向に沿った第1厚さd1は、daよりも厚く設定される。このような第1厚さd1は、40μm以上150μm以下に設定されるのが好ましい。
第2ゴムシール部材72は、締付荷重付与前の積層方向に沿った厚さがdbの場合、締付荷重付与時の変形量が第2シール用ビード部70の第4変形量Δy2と同じになる。したがって、締付荷重付与前の第2ゴムシール部材72の積層方向に沿った第3厚さd3は、dbよりも厚く設定される。このような第3厚さd3は、40μm以上150μm以下に設定されるのが好ましい。また、第3厚さd3は、第1厚さd1と同じであることが好ましい。
このように構成される燃料電池スタック10の動作について、以下に説明する。
まず、図1に示すように、酸化剤ガスは、エンドプレート20aの酸化剤ガス入口連通孔34aに供給される。燃料ガスは、エンドプレート20aの燃料ガス入口連通孔38aに供給される。冷却媒体は、エンドプレート20aの冷却媒体入口連通孔36aに供給される。
酸化剤ガスは、図3に示すように、酸化剤ガス入口連通孔34aから第1金属セパレータ30の酸化剤ガス流路48に導入される。酸化剤ガスは、酸化剤ガス流路48に沿って矢印B方向に移動し、MEA28のカソード電極42に供給される。
一方、燃料ガスは、燃料ガス入口連通孔38aから第2金属セパレータ32の燃料ガス流路64に導入される。燃料ガスは、燃料ガス流路64に沿って矢印B方向に移動し、MEA28のアノード電極44に供給される。
したがって、各MEA28では、カソード電極42に供給される酸化剤ガスと、アノード電極44に供給される燃料ガスとが、第1電極触媒層42a及び第2電極触媒層44a内で電気化学反応により消費されて、発電が行われる。
次いで、カソード電極42に供給されて消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス出口連通孔34bに沿って矢印A方向に排出される。同様に、アノード電極44に供給されて消費された燃料ガスは、燃料ガス出口連通孔38bに沿って矢印A方向に排出される。
また、冷却媒体入口連通孔36aに供給された冷却媒体は、第1金属セパレータ30と第2金属セパレータ32との間に形成された冷却媒体流路80に導入された後、矢印B方向に流通する。この冷却媒体は、MEA28を冷却した後、冷却媒体出口連通孔36bから排出される。
この場合、本実施形態に係る燃料電池スタック10及び燃料電池スタック10の製造方法は、以下の効果を奏する。
積層体14に締付荷重が付与される前における第1ゴムシール部材56(準備工程で準備される発電セル12を形成する第1ゴムシール部材56)の積層方向に沿った第1厚さd1は、積層体14に締付荷重が付与された際(締付工程の際)に、第1ゴムシール部材56の積層方向に沿った第1変形量Δx1が第1シール用ビード部54の積層方向に沿った第2変形量Δy1よりも大きくなるような厚さに設定されている。
このため、積層体14に締付荷重を付与した際に、第1シール用ビード部54の頂部62が第1ゴムシール部材56とは反対側に押されて変形した場合でも、第1シール用ビード部54の変形分を第1ゴムシール部材56の変形で補うことにより第1ゴムシール部材56のシール面に隙間が形成されることを防止することができる。したがって、第1ゴムシール部材56のシール面に十分な面圧を作用させることができ、第1シールライン52のシール性を確保することができる。
また、積層体14に締付荷重が付与される前における第2ゴムシール部材72(準備工程で準備される発電セル12を形成する第2ゴムシール部材72)の積層方向に沿った第3厚さd3は、積層体14に締付荷重が付与された際(締付工程の際)に、第2ゴムシール部材72の積層方向に沿った第3変形量Δx2が第2シール用ビード部70の積層方向に沿った第4変形量Δy2よりも大きくなるような厚さに設定されている。
これにより、積層体14に締付荷重を付与した際に、第2シール用ビード部70の頂部78が第2ゴムシール部材72とは反対側に押されて変形した場合でも、第2シール用ビード部70の変形分を第2ゴムシール部材72の変形で補うことにより第2ゴムシール部材72のシール面に隙間が形成されることを防止することができる。したがって、第2ゴムシール部材72のシール面に十分な面圧を作用させることができ、第2シールライン68のシール性を確保することができる。
第1シール用ビード部54の頂部62と第2シール用ビード部70の頂部78とは、積層体14に締付荷重を付与した状態で、平坦状に形成されている。
これにより、第1ゴムシール部材56及び第2ゴムシール部材72のシール面に十分な面圧を効果的に作用させることができる。
本発明は、上述した構成に限定されない。図8に示すように、第1金属セパレータ30の面30aには第1シールライン90が設けられてもよい。第1シールライン90は、第1シール用ビード部54aと第1ゴムシール部材56とを有する。第1シール用ビード部54aの頂部62aは、第1ゴムシール部材56とは反対側に凹状に曲がっている(座屈している)。すなわち、第1シール用ビード部54aの突出端面55aは、凹状の湾曲面になっている。
締付荷重付与前の第1ゴムシール部材56(準備工程で準備される発電セル12を形成する第1ゴムシール部材56)の積層方向に沿った第1厚さd1は、積層体14に締付荷重が付与された際(締付工程の際)に、第1ゴムシール部材56の積層方向に沿った第1変形量Δx1が第1シール用ビード部54aの積層方向に沿った第2変形量Δy1よりも大きくなるような厚さに設定されている。
この場合、締付荷重付与状態の第1シール用ビード部54aの第2高さh2は、第1金属セパレータ30の面30aから第1シール用ビード部54aの突出端面55aの底部(突出端面55aのうち樹脂フィルム46とは反対側に最も窪んだ部位)までの距離である。
このように、締付工程の際に第1シール用ビード部54aの頂部62aが凹状に曲がった場合であっても、第1シール用ビード部54aの変形分を第1ゴムシール部材56の変形で補うことにより第1ゴムシール部材56aのシール面に隙間が形成されることを防止することができる。したがって、第1ゴムシール部材56のシール面に十分な面圧を作用させることができ、第1シールライン90のシール性を確保することができる。
また、第2金属セパレータ32の面32aには、第2シールライン92が設けられてもよい。第2シールライン92は、第2シール用ビード部70aと第2ゴムシール部材72とを有する。第2シール用ビード部70aの頂部78aは、第2ゴムシール部材72とは反対側に凹状に曲がっている(座屈している)。つまり、第2シール用ビード部70aの突出端面75aは、凹状の湾曲面になっている。
締付荷重付与前の第2ゴムシール部材72(準備工程で準備される発電セル12を形成する第2ゴムシール部材72)の積層方向に沿った第3厚さd3は、積層体14に締付荷重が付与された際(締付工程の際)に、第2ゴムシール部材72の積層方向に沿った第3変形量Δx2が第2シール用ビード部70aの積層方向に沿った第4変形量Δy2よりも大きくなるような厚さに設定されている。
この場合、締付荷重付与状態の第2シール用ビード部70aの第4高さh4は、第2金属セパレータ32の面32aから第2シール用ビード部70aの突出端面75aの底部(突出端面75aのうち樹脂フィルム46とは反対側に最も窪んだ部位)までの距離である。
このように、締付工程の際に、第2シール用ビード部70aの頂部78aが凹状に曲がった場合であっても、第2シール用ビード部70aの変形分を第2ゴムシール部材72の変形で補うことにより第2ゴムシール部材72のシール面に隙間が形成されることを防止することができる。したがって、第2ゴムシール部材72のシール面に十分な面圧を作用させることができ、第2シールライン92のシール性を確保することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能である。
以上の実施形態をまとめると、以下のようになる。
上記実施形態は、電解質膜(40)の両側に電極(42、44)が配設されてなる電解質膜・電極構造体(28)と前記電解質膜・電極構造体(28)の両側に配設された金属セパレータ(30、32)とを有する発電セル(12)が複数積層された積層体(14)を備え、前記積層体(14)には、前記積層体(14)の積層方向に締付荷重が付与され、前記金属セパレータ(30、32)には、前記電解質膜・電極構造体(28)と前記金属セパレータ(30、32)との間から外部への流体の漏れを防止するためのシールライン(52、68、90、92)が設けられた燃料電池スタック(10)であって、前記シールライン(52、68、90、92)は、前記金属セパレータ(30、32)のうち前記電解質膜・電極構造体(28)が位置する側の面(30a、32a)から突出したシール用ビード部(54、54a、70、70a)と、前記シール用ビード部(54、54a、70、70a)の頂部(62、62a、78、78a)と前記電解質膜(40)の外周部又は前記電解質膜(40)の外周に沿って設けられた枠部(46)との間に介装されたゴムシール部材(56、72)と、を有し、前記積層体(14)に前記締付荷重が付与される前における前記ゴムシール部材(56、72)の前記積層方向に沿った厚さ(d1、d3)は、前記積層体(14)に前記締付荷重が付与された際に、前記ゴムシール部材(56、72)の前記積層方向に沿った変形量(Δx1、Δx2)が前記シール用ビード部(54、54a、70、70a)の前記積層方向に沿った変形量(Δy1、Δy2)よりも大きくなるような厚さに設定されている、燃料電池スタック(10)を開示している。
上記の燃料電池スタック(10)において、前記シール用ビード部(54、70)の前記頂部(62、78)は、前記積層体(14)に前記締付荷重を付与した状態で、平坦状に形成されてもよい。
上記の燃料電池スタック(10)において、前記シール用ビード部(54a、70a)の前記頂部(62a、78a)は、前記積層体(14)に前記締付荷重を付与した状態で、前記ゴムシール部材(56、72)とは反対側に凹状に曲がってもよい。
上記実施形態は、電解質膜(40)の両側に電極(42、44)が配設されてなる電解質膜・電極構造体(28)と前記電解質膜・電極構造体(28)の両側に配設された金属セパレータ(30、32)とを有する発電セル(12)が複数積層された積層体(14)を備え、前記金属セパレータ(30、32)には、前記電解質膜・電極構造体(28)と前記金属セパレータ(30、32)との間から外部への流体の漏れを防止するためのシールライン(52、68、90、92)が設けられた燃料電池スタック(10)の製造方法であって、前記シールライン(52、68、90、92)は、前記金属セパレータ(30、32)のうち前記電解質膜・電極構造体(28)が位置する側の面(30a、32a)から突出したシール用ビード部(54、54a、70、70a)と、前記シール用ビード部(54、54a、70、70a)の頂部(62、62a、78、78a)と前記電解質膜(40)の外周部又は前記電解質膜(40)の外周に沿って設けられた枠部(46)との間に介装されたゴムシール部材(56、72)と、を有し、前記発電セル(12)を複数準備する準備工程と、前記発電セル(12)を複数積層した状態で積層方向に締付荷重を付与することにより、前記シール用ビード部(54、54a、70、70a)及び前記ゴムシール部材(56、72)を前記積層方向に変形させる締付工程と、を備え、前記準備工程で準備される前記発電セル(12)を形成する前記ゴムシール部材(56、72)の前記積層方向に沿った厚さ(d1、d3)は、前記締付工程の際に、前記ゴムシール部材(56、72)の前記積層方向に沿った変形量(Δx1、Δx2)が前記シール用ビード部(54、54a、70、70a)の前記積層方向に沿った変形量(Δy1、Δy2)よりも大きくなるような厚さに設定されている、燃料電池スタック(10)の製造方法を開示している。
10…燃料電池スタック 12…発電セル
14…積層体 28…MEA(電解質膜・電極構造体)
30…第1金属セパレータ 32…第2金属セパレータ
42…カソード電極 44…アノード電極
46…樹脂フィルム(枠部) 52、90…第1シールライン
54、54a…第1シール用ビード部 56、56a…第1ゴムシール部材
62、62a、78、78a…頂部 68、92…第2シールライン
70、70a…第2シール用ビード部 72…第2ゴムシール部材

Claims (4)

  1. 電解質膜の両側に電極が配設されてなる電解質膜・電極構造体と前記電解質膜・電極構造体の両側に配設された金属セパレータとを有する発電セルが複数積層された積層体を備え、
    前記積層体には、前記積層体の積層方向に締付荷重が付与され、
    前記金属セパレータには、前記電解質膜・電極構造体と前記金属セパレータとの間から外部への流体の漏れを防止するためのシールラインが設けられた燃料電池スタックであって、
    前記シールラインは、
    前記金属セパレータのうち前記電解質膜・電極構造体が位置する側の面から突出したシール用ビード部と、
    前記シール用ビード部の頂部と前記電解質膜の外周部又は前記電解質膜の外周に沿って設けられた枠部との間に介装されたゴムシール部材と、を有し、
    前記積層体に前記締付荷重が付与される前における前記ゴムシール部材の前記積層方向に沿った厚さは、前記積層体に前記締付荷重が付与された際に、前記ゴムシール部材の前記積層方向に沿った変形量が前記シール用ビード部の前記積層方向に沿った変形量よりも大きくなるような厚さに設定されている、燃料電池スタック。
  2. 請求項1記載の燃料電池スタックであって、
    前記シール用ビード部の前記頂部は、前記積層体に前記締付荷重を付与した状態で、平坦状に形成されている、燃料電池スタック。
  3. 請求項1記載の燃料電池スタックであって、
    前記シール用ビード部の前記頂部は、前記積層体に前記締付荷重を付与した状態で、前記ゴムシール部材とは反対側に凹状に曲がっている、燃料電池スタック。
  4. 電解質膜の両側に電極が配設されてなる電解質膜・電極構造体と前記電解質膜・電極構造体の両側に配設された金属セパレータとを有する発電セルが複数積層された積層体を備え、
    前記金属セパレータには、前記電解質膜・電極構造体と前記金属セパレータとの間から外部への流体の漏れを防止するためのシールラインが設けられた燃料電池スタックの製造方法であって、
    前記シールラインは、
    前記金属セパレータのうち前記電解質膜・電極構造体が位置する側の面から突出したシール用ビード部と、
    前記シール用ビード部の頂部と前記電解質膜の外周部又は前記電解質膜の外周に沿って設けられた枠部との間に介装されたゴムシール部材と、を有し、
    前記発電セルを複数準備する準備工程と、
    前記発電セルを複数積層した状態で積層方向に締付荷重を付与することにより、前記シール用ビード部及び前記ゴムシール部材を前記積層方向に変形させる締付工程と、を備え、
    前記準備工程で準備される前記発電セルを形成する前記ゴムシール部材の前記積層方向に沿った厚さは、前記締付工程の際に、前記ゴムシール部材の前記積層方向に沿った変形量が前記シール用ビード部の前記積層方向に沿った変形量よりも大きくなるような厚さに設定されている、燃料電池スタックの製造方法。
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