〔第1の実施の形態〕
以下、本発明の第1の実施の形態を、図1〜図9に基づいて説明する。本実施の形態では、通常運転として、冷房運転、除湿運転、暖房運転、送風運転の4つの空調運転を行う以外に、付加機能運転としてフィルタ清掃運転と室内機1の内部(具体的には室内熱交換機)を乾燥させる乾燥運転とを実施する空気調和機(電子機器)を例示する。
図1は、本実施の形態に係る空気調和機Aの室内機1の外観斜視図である。図2は室内機1の概略断面図である。図1に示すように、室内機1は、図示しない室外機とともにセパレート型の空気調和機Aとして構成されている。室内機1は水平方向に延びる横長の形態をなし、合成樹脂製の筐体2の内部に、図2に示す送風機3及び室内熱交換器4を収容している。
送風機3は筐体2の形状に沿って水平方向に横長に延びるクロスフローファン(図示せず)と、これを回転させる電動機(図示せず)とを備える。室内熱交換器4はクロスフローファン同様に水平方向に延び、3個が組み合わされて構成されている。3個の室内熱交換器4は送風機3のクロスフローファンの上方や前方を覆うように配置されている。室内熱交換器4には室外機に収容された図示しない圧縮機から冷媒が送り込まれる。送風機3は室内空気を循環させる。室内熱交換器4は送風機3が循環させる空気との間で熱交換を行う。
図2に示すように、筐体2の天面の部分に吸込口5が形成されている。吸込口5は多数のスリットで構成されている。筐体2の前面下部には正面から見て横長の矩形をなす吹出口6が形成されている。送風機3と吹出口6との間には送風機3から送り出された空気が通る通風路7が形成されている。送風機3を駆動すると、吸込口5から筐体2内に吸い込まれた室内空気が室内熱交換器4を通過し、通風路7を通って吹出口6から室内に向かって吹き出される。
吸込口5のすぐ内側にはフィルタ8が配置されている。フィルタ8は室内熱交換器4の上方を覆い、吸込口5を通じて筐体2の内部に吸い込まれる室内空気に含まれる塵埃を捕集する。フィルタ8は横方向両側端部に設けられた不図示のガイドレール上に載置され、不図示のフィルタ駆動モータによってガイドレールに沿って上下に移動可能になっている。図2にはその移動経路を二点鎖線で描画している。
筐体2の前面側上部には、開閉パネル11が開閉自在に設けられている。開閉パネル11を開放することで、フィルタ8を筐体2内部から取り出すことができる。
筐体2の内部の前面側上部及び側面部(図1における左端部)にはフィルタ8の清掃装置20が配置されている。清掃装置20は吸気ダクト21、回転ブラシ22、ファンユニット23及び排気ダクト24を備えている。
吸気ダクト21は断面略円形をなし、室内機1の前面側上部であってフィルタ8の前方に配置されて横方向に延びている。吸気ダクト21にはフィルタ8に対向する不図示の吸込口が形成され、内部に横方向に延びる回転ブラシ22を収容している。回転ブラシ22は筐体2のファンユニット23を設けた側面部と対向する側面部(図1における右端部)に設けた不図示のブラシモータに連結されている。回転ブラシ22はブラシモータを駆動することにより回転し、フィルタ8に捕集されて付着した塵埃を叩き出す。
ファンユニット23は筐体2の内部の側面部に設けられ、ハウジング23a内に収容した不図示のファン及びファンモータを備えている。ハウジング23aの、ファンの吸気側に配した不図示の吸気口は吸気ダクト21に接続されて内部が連通している。ハウジング23aの、ファンの排気側に配した不図示の排気口は排気ダクト24に接続されて内部が連通している。ファンはファンモータを駆動することにより回転し、吸気ダクト21から排気ダクト24に向かって流通する空気流を発生させる。排気ダクト24は断面略円形をなし、ファンユニット23のハウジング23aの排気口から屋外に向かって延びている。
吹出口6にはルーバー9が配置されている。ルーバー9は室内機1の運転停止時に吹出口6を塞いで閉鎖する外装部材を兼ねており、吹出口6同様に正面から見て横長の矩形をなしている。ルーバー9は上辺部に設けた水平方向に延びる軸部9aが回転中心となり下辺側を揺動可能にして筐体2に支持されている。室内機1の運転時、ルーバー9は吹出口6を開放して送風機3が送り出す空気の吹き出し方向を変更可能である。ルーバー9は電動式であって、不図示のリモコンによって向きを調整することもできる。
通風路7の吹出口6のすぐ内側にはイオン発生装置10が配置されている。イオン発生装置10はイオンを放出するための放電に用いる電極やその他電子部品がハウジング内に収容されてパッケージ化されている。イオン発生装置10は通風路7に隣接させて形成された図示しない収納部に対して着脱可能にして収納される。
イオン発生装置10は、例えば通風路7に臨む複数の電極を有し、通風路7を流通する空気に対して電極で放電により発生させたイオンを含ませるように放出する。イオン発生装置10は、大気中で放電してイオンを発生するものである。イオン発生装置10としては、例えば、m、nをそれぞれ任意の自然数とする正イオンH+(H2O)m、負イオンO2−(H2O)nを発生する構成が好ましい。この場合、空気中の浮遊細菌やウィルスの表面に正負イオンが付着して反応し、表面で活性種OHラジカル(・OH)や過酸化水素(H2O2)を生成することで殺菌などの効果を発揮させることができる。
また、イオン発生装置10に代えて静電霧化装置を配置することもできる。この場合、静電霧化装置によってラジカル成分を含む帯電微粒子水が生成される。すなわち、静電霧化装置に設けた放電電極をペルチェ素子により冷却することで放電電極の表面に結露水が生じる。次に、放電電極にマイナスの高電圧を印加すると、結露水から帯電微粒子水が生成される。また、放電電極からは帯電微粒子水とともに空気中に放出される負イオンも発生する。
図3は室内機の構成を示すブロック図である。図3に示すように、室内機1は室外機を含む空気調和機A全体の動作制御のために、筐体2内に、図3に示す制御部12、記憶部13および通信部17を収容している。制御部12は、図示しない演算部を備え、記憶部13等に記憶、入力されたプログラム、データに基づき送風機3やルーバー9、イオン発生装置10、室外機に収容された圧縮機などの構成要素を制御して一連の空調運転を実現する。通信部17は、制御部12の制御のもと、図4に示すように、通信ネットワーク32を介してサーバ31や、空気調和機Aのユーザの所持する通信端末装置34と相互通信を行う。
また、室内機1は、電波時計14、人体検知センサ15、温湿度センサ16、通信部17等を備えている。電波時計14は月日及び時刻情報を含む標準電波を受信し、自動で時刻を修正する機能を有する時計である。空気調和機Aは電波時計14により正確な月日及び時刻を知ることができ、運転時間などの各種時間を把握することができる。
人体検知センサ15は、例えば焦電式センサなどからなり、その視野内に人体を検知すると、熱(赤外線量)の変化に反応して信号を出力する。人体検知センサ15から出力される信号により、空気調和機Aが設置された室内(空調対象空間)における人が存在の有無を検知できる。温湿度センサ16は、空気調和機Aの周囲の湿度(空調対象空間の湿度)および温度(空調対象空間の温度)を検知する。
図4は、空気調和機Aが含まれた制御システム(電子機器制御システム)30の概略構成を示す図である。図4に示すように、制御システム30では、ユーザ宅33に設置された空気調和機Aとサーバ31と空気調和機Aのユーザの通信端末装置34とが、通信ネットワーク32を介して接続されている。
ユーザ宅33には、通信ネットワーク32の一部をなす無線LAN(Wireless Local Area Network)が整備されている。無線LANの中継局は、インターネットを含む通信ネットワーク32と接続されている。中継局は、例えばWiFi(登録商標)ルータやWiFi(登録商標)アクセスポイントなどの通信機器である。なお、ここでは、通信ネットワーク32としてインターネットを含む構成を例示しているが、電話回線網、移動体通信網、CATV(CAble TeleVision)通信網、衛星通信網などを利用することもできる。通信端末装置34と通信ネットワーク32におけるインターネットとの間は、3G(3rd Generation)、LTE(Long Term Evolution)や、宅内あるいは公衆のWiFi(登録商標)アクセスポイントなどを利用して接続される。
サーバ31には、空気調和機Aと通信端末装置34との組み合わせが登録されている。サーバ31に組み合わせが登録された通信端末装置34は、サーバ31を介して空気調和機Aを遠隔操作することができる。通信端末装置34は、遠隔操作のためのアプリケーションがダウンロードされているスマートフォンやタブレット端末などである。なお、図4では、制御システム30における、あるユーザ宅33に関する部分を示している。
このような制御システム30に含まれる空気調和機Aは、通信ネットワーク32に接続してサーバ31と通信するための無線通信機能を有するネットワーク家電である。無線通信機能は、空気調和機Aの室内機1に内蔵されていてもよいし、室内機1に外付けされる通信アダプタに備えられていてもよい。
空気調和機Aは、通信端末装置34からの指示の他、サーバ31からの指示も受け付ける。空気調和機Aは、サーバ31と定期的に通信し、空気調和機Aの運転の内容を示す運転情報や、人体検知センサ15,温湿度センサ16等で検知された検知情報などを、サーバ31へ適宜送信する。運転情報には、運転中か停止中か、運転中であれば運転モード(暖房運転か冷房運転か除湿運転か送風運転かなど)および風量(強運転か弱運転かなど)の情報の他、タイマー運転であれば、切れる時間や運転を開始する時間の情報など、予め定められた様々な情報が含まれる。
また、サーバ31は、通信端末装置34の現在位置を示すGPS(Global Positioning System)信号や、通信端末装置34のスケジュール機能等にて通信端末装置34あるいは他のサーバ等に登録されているユーザの予定情報なども取得できる。
サーバ31は、空気調和機Aおよび通信端末装置34から取得した各種の情報に基づいて、後述のように、通常の空調運転の停止後の第1時間以内に、空気調和機Aの設置空間から人が居なくなる傾向にある特定の不在時間帯を見つけ出す。そして、サーバ31は、見つけ出した特定の不在時間帯については、当該特定の不在時間帯の前の第2時間以内に空調運転が停止された場合、本来であれば速やかに実施すべき乾燥運転を、特定の不在時間帯に入ってから実施されるように制御シーケンスを変更する。
上記構成の空気調和機Aにおいて、不図示のリモコン等を用いて、冷房運転や除湿運転、暖房運転が指示されると、室内の空気が吸込口5を通じて筐体2の内部に吸い込まれ、フィルタ8を通過することで塵埃が捕集される。塵埃が除去された空気は、室内熱交換器4と熱交換を行った後、通風路7を通って吹出口6から室内に向かって吹き出される。送風運転が指示された場合は、室内熱交換器4と熱交換を行うことなく、上記と同様の経路を通って室内に吹き出される。
また、空気調和機Aは、付加的な機能による付加機能運転として、フィルタ清掃運転と乾燥運転とを実施することができる。フィルタ清掃運転では、自動でフィルタ8に付着した塵埃を除去する。フィルタ清掃運転が指示されると、清掃装置20のフィルタ駆動モータ、ブラシモータ及びファンモータが駆動される。フィルタ駆動モータの駆動によりフィルタ8がガイドレール上を上下に移動する。ブラシモータの駆動により回転ブラシ22が回転し、上下移動するフィルタ8に付着した塵埃が回転ブラシ22により叩き出される。ファンモータの駆動によりファンが回転し、吸気ダクト21に気流が発生する。
フィルタ8に付着した塵埃は気流とともに吸気ダクト21の吸込口から吸い込まれてファンユニット23に向かって流通する。吸気ダクト21を流通する塵埃は気流とともにファンユニット23のハウジング23a内に吸気口から流入し、さらに排気口から流出する。ファンユニット23から流出した塵埃を含む気流は排気ダクト24を流通して屋外に排出される。なお、フィルタ8は室内機1の前面に設けられた開閉パネル11を開放することによりユーザ自身が取り出して掃除することもできる。
乾燥運転では、自動で送風運転あるいは暖房運転を行って室内熱交換器4を乾燥させる。乾燥運転が指示されると、送風運転あるいは暖房運転を所定の時間実施して、室内熱交換器4に乾いた空気を送り込んで乾燥させる。
このようなフィルタ清掃運転および乾燥運転は、不図示のリモコンなどを用いてユーザ自身が発する指示を受けた場合に実施する他、付加機能運転の自動運転が選択されると、制御シーケンスに則って実施される。
空気調和機Aにおいては、付加機能運転の自動運転が選択されると、フィルタ清掃運転を空調運転の停止毎に実施し、乾燥運転については、空調運転のうち乾燥運転の必要な冷房/除湿運転の停止毎に実施する。フィルタ清掃運転は必ずしも空調運転の停止毎に行う必要はない。これに対し、乾燥運転は、結露水を原因とするカビなどの菌類の繁殖を防止するために、空調運転(冷房/除湿運転)の停止毎に停止後速やかに実施することが好ましい。
ここで言う、空調運転の停止後速やかに実施するとは、空調運転を停止した後、時間を空けることなく、続けて実施することである。但し、フィルタ清掃運転等の他の付加機能運転も同じタイミングで実施する場合は、空調運転の停止後、他の付加機能運転を行った後、続けて乾燥運転を行う場合も、これに含まれる。
また、停止後にフィルタ清掃運転を実施する空調運転に、例えば2時間以上連続で運転がなされた場合に限るなどの条件を付けることで、頻繁にフィルタ清掃運転が実施されることを回避できる。同様に、乾燥運転についても、例えば冷房/除湿運転の開始後30分以内で停止された場合は除外するなどの条件を付けることで、頻繁に乾燥運転が実施されることを回避できる。
そして、空気調和機Aでは、上述したように、制御システム30の枠組みの中、サーバ31が、空気調和機Aおよび通信端末装置34から取得した各種の情報に基づいて、空調運転の停止後の第1時間以内に、空気調和機Aの設置空間から人が居なくなる傾向にある特定の不在時間帯を見つけ出し、該特定の不在時間帯については、当該特定の不在時間帯の前の第2時間以内に空調運転が停止された場合、本来であれば速やかに実施すべき乾燥運転をフィルタ清掃運転と共に、特定の不在時間帯に入ってから実施されるように制御シーケンスを変更するようになっている。
図5は、サーバ31の構成を示すブロック図である。図5に示すように、サーバ31は制御部41、記憶部42および通信部43等を有している。通信部43は、制御部41の制御のもと、通信ネットワーク32を介して空気調和機Aおよび空気調和機Aのユーザの所持する通信端末装置34と相互通信を行う。制御部41は、図示しない演算部を備え、記憶部42等に記憶、入力されたプログラム、データに基づき空気調和機Aに対して、清掃運転および乾燥運転の制御シーケンスの変更を命じる。
制御部41には、履歴収集部44、傾向判定部45、シーケンス変更部46が構築される。履歴収集部44は、通信部43を介して空気調和機Aから受信する各種情報より、空気調和機Aの使用履歴、人体検知センサ15や温湿度センサ16をはじめとする空気調和機Aの各種センサの検知履歴を収集して記録する(ログをとる)。また、履歴収集部44は、通信部43を介して通信端末装置34から受信する情報より、通信端末装置34の現在位置を示すGPS信号や、通信端末装置34から入力されたユーザのスケジュール情報等の、ユーザの予定を把握できる各種の情報を収集して記録する(ログをとる)。履歴収集部44にて収集された各種の情報は記憶部42に格納される。
例えば、人体検知センサ15の人体の有無の検知結果に基づいて、設置空間におけるユーザの不在を推定できる。また、温湿度センサ16の検知結果から設置空間の温度変化を求め、温度変化に基づいて設置空間におけるユーザの不在を推定できる。なお、人体検知センサ15および温湿度センサ16の検知結果以外にも、空気調和機Aから取得できる様々な情報に基づいて、設置空間におけるユーザの不在を推定する。また、ユーザの通信端末装置34の現在位置を示すGPS信号から、設置空間におけるユーザの不在を推定できる。その他、ユーザの通信端末装置34が、交通機関の支払いツールとして用いられている場合は、その乗車履歴等からもユーザの不在を推定できる。つまり、履歴収集部44にて収集され記憶部42に格納された情報が、空気調和機Aの空調運転のログ(通常運転のログ)と、空気調和機Aの設置空間における人の不在の推定に用い得る推定用情報のログとなる。
傾向判定部45は、記憶部42に格納された、空気調和機Aの空調運転のログと、空気調和機Aの設置空間における人の不在の推定に用い得る推定用情報のログとに基づいて、空調運転の停止後の第1時間以内に前記設置空間から人が居なくなる傾向にある特定の不在時間帯を見つけ出す。ここで、第1時間は例えば30分とすることができる。この第1時間は、結露水を原因とするカビなどの菌類の繁殖を防止するために、本来であれば冷房/除湿運転の停止毎に速やかに実施すべき乾燥運転の実施を遅延させる時間に相当し、遅延させても支障の小さい許容時間であり、30分程度とすることが好ましい。
図6は、春から秋にかけてのあるユーザU1のある1週間の平均的な、空気調和機Aの使用状態と、設置空間における不在の状態とを示すタイムチャートである。図6の例では、月曜日〜金曜日の8:00〜18:30が、空気調和機Aの設置空間から人が居なくなる不在時間帯であり、かつ、この月曜日〜金曜日の8:00〜18:30の不在時間帯は、空気調和機Aの運転〔冷房/除湿運転〕を停止した後、第1時間(例えば30分)以内に設置空間から人が居なくなっている。このような傾向を見つけると、傾向判定部45は、ユーザU1が使用している空気調和機Aについては、月曜日〜金曜日の8:00〜18:30を特定の不在時間帯として確定する。
シーケンス変更部46は、傾向判定部45にて見つけ出された特定の不在時間帯については、当該特定の不在時間帯の前の第2時間以内に空調運転が停止された場合に、停止後速やかに実施することが好ましい乾燥運転も含め、付加機能運転が特定の不在時間帯に入ってから実施されるように制御シーケンスを変更する。
第2時間も第1時間と同様に、結露水を原因とするカビなどの菌類の繁殖を防止するために、本来であれば冷房/除湿運転の停止毎に速やかに実施すべき乾燥運転の実施を遅延させる時間に相当し、遅延させても支障の小さい許容時間である。したがって、第1時間と第2時間とは同じであってもよい。
シーケンス変更部46は、見つけ出した特定の不在時間帯の情報を、空気調和機Aに送信し、また、空気調和機Aの制御部12に対し、特定の不在時間帯の前の第2時間以内に空調運転が停止されても付加機能運転を実施しないように指示する。
そして、特定の不在時間帯に入ってから付加機能運転を実施させるための一手法として、本実施の形態では、サーバ31が、特定の不在時間帯に入るとユーザの通信端末装置34に、遠隔操作のツールを用いて付加機能運転の実施を空気調和機Aに指示するように通知する。
図7は、サーバ31による傾向判定処理(傾向判定ステップ)のフローチャートである。図7に示すように、履歴収集部44は、空気調和機Aより受信する各種の情報(空調運転の使用履歴、人体検知センサ15や温湿度センサ16をはじめとする空気調和機Aの各種センサの検知履歴)を収集して記録し、また、通信ネットワーク32を介して取得できる様々情報(通信端末装置34の現在位置を示すGPS信号や、ユーザのスケジュール情報等のユーザの予定を把握できる各種の情報)を収集して記録する(S1)。
傾向判定部45は、履歴収集部44にて収集された各種の情報(空気調和機Aの通常運転のログと、空気調和機Aの設置空間における人の不在の推定に用い得る推定用情報のログ)に基づいて、空調運転の停止後の第1時間以内に設置空間から人が居なくなる傾向にある特定の不在時間帯を探索する(S2)。
S2の探索の結果、特定の不在時間帯を発見し、S3でYESと判断すると、記憶部42にその情報を格納すると共に、発見した特定の不在時間帯の情報を空気調和機Aに通知する(S4)。その後S1に戻る。特定の不在時間帯の情報が通知された空気調和機Aは、これを記憶部13に格納する。一方、S2の探索の結果、特定の不在時間帯を発見できない場合、S3でNOと判断し、S1に戻る。
図8は、サーバ31による付加機能運転の実施を空気調和機Aに指示する処理(シーケンス変更ステップ)のフローチャートである。図8に示すように、シーケンス変更部46は、空気調和機Aより受信する運転情報から、空調運転が停止されたか否かを常に判断している(S11)。空気調和機Aの空調運転が停止され、S11でYESと判断すると、記憶部42を参照して、停止の時間が、傾向判定部45にて発見された特定の不在時間帯の前の第2時間以内に相当するか否かを判断する(S12)。特定の不在時間帯の前の第2時間以内に相当し、S12でYESと判断すると、空気調和機Aのユーザの通信端末装置34に対し、空気調和機Aに遠隔操作にて付加機能運転を実施するよう通知する(S13)。その後S11に戻る。一方、特定の不在時間帯の前の第2時間以内に相当せず、S12でNOと判断すると、S11に戻る。
図9は、空気調和機Aの付加機能運転の自動運転のフローチャートである。図9に示すように、空気調和機Aの制御部12は、リモコン等で空調運転の停止が指示されたか否かを常に判断している(S21)。S21で空調運転の停止が指示されたと判断すると、記憶部13を参照して、停止が指示された時間が、特定の不在時間帯の前の第2時間以内に相当するか否かを判断する(S22)。
特定の不在時間帯の前の第2時間以内に相当せず、S22でNOと判断すると、S23に進む。S23では、S21で停止が指示された空調運転が乾燥運転の必要な冷房/除湿運転であるか否かを判断する。停止した空調運転が冷房/除湿運転である場合は、S24に進んで、乾燥運転とフィルタ清掃運転とを実施し、その後S21に戻る。一方、停止した空調運転が冷房/除湿運転でない場合は、乾燥運転は不要であるので、S25に進んでフィルタ清掃運転を単独で実施し、その後S21に戻る。
一方、特定の不在時間帯の前の第2時間以内に相当し、S22でYESと判断すると、S26に進み、ユーザから付加機能運転の実施が指示されたか否かを判断する。ユーザが通信端末装置34を用いて遠隔操作にて付加機能運転の実施を指示し、S26でYESと判断すると、S23に進み、空調運転の内容に応じて、乾燥運転とフィルタ清掃運転あるいはフィルタ清掃運転のみを実施する。
一方、S26でNOと判断すると、続けて所定時間経過したか否かを判断し(S27)、所定時間経過していない場合は、S26に戻り、ユーザから付加機能運転の実施が指示されるのを待つ。ユーザから指示を待つ時間が所定時間以上となってS27でYESと判断すると、S21に戻る。
以上にように、本実施の形態においては、制御システム30の枠組みの中、サーバ31が、空調運転の停止後の第1時間以内に、空気調和機Aの設置空間から人が居なくなる傾向にある特定の不在時間帯を見つけ出す。そして、該特定の不在時間帯については、当該特定の不在時間帯の前の第2時間以内に空調運転が停止された場合に、本来であれば速やかに実施すべき乾燥運転をフィルタ清掃運転と共に特定の不在時間帯に入ってから実施されるように制御シーケンスを変更し、特定の不在時間帯になると、ユーザの通信端末装置34に、遠隔操作にて付加機能運転の実施を指示するように通知する。
これにより、空気調和機Aの利用の仕方として、空調運転の停止後の一定時間(第1時間)以内に、ユーザが外出したり部屋を移動したりして設置空間から居なくなる傾向がある場合、支障のない(小さい)範囲で付加機能運転の実施を遅らせることができる。その結果、空調運転の停止後速やかに実施することによる付加機能運転の効果を保持しつつも、ユーザに与える不快感を極力抑えることができる。
なお、本実施の形態では、空調運転の停止時に、乾燥運転と共にフィルタ清掃運転も行う構成としているが、前述したように、フィルタ清掃運転は、空調運転の停止後速やかに実施しなくても効果が低下することはない。そのため、フォルタ清掃運転については特定の不在時間帯に限らず、設置空間にユーザが居ない不在時間帯のどこかで実施させるようにしてもよい。
〔第2の実施の形態〕
本発明のその他の実施の一形態について、図10、図11を参照して説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
上述した実施の形態1に係る制御システム30では、特定の不在時間帯に入ってから付加機能運転を実施させるための一手法として、特定の不在時間帯に入ると、サーバ31がユーザの通信端末装置34に付加機能運転の実施を空気調和機Aに指示するように通知していた。これに対し、本実施の形態に係る制御システム30では、特定の不在時間帯に入ると、サーバ31が空気調和機Aに対し付加機能運転の実施を指示する。この点が異なる。
図10は、サーバ31による付加機能運転の実施を空気調和機Aに指示する処理のフローチャートである。図10に示すように、シーケンス変更部46は、図8のS11、S12と同様、空調運転が停止されたか否かを常に判断し、停止されたと判断すると、その時間が、特定の不在時間帯の前の第2時間以内に相当するか否かを判断する。そして、ここでは、特定の不在時間帯の前の第2時間以内に相当し、S12でYESと判断すると、空気調和機Aのユーザの通信端末装置34の現在位置をGPS信号等により確認し、外出中かどうかを判断する(S31)。ユーザの通信端末装置34の現在位置が設置空間外であり、YESと判断すると、空気調和機Aに付加機能運転を実施するよう指示する(S32)。その後、S11に戻る。
一方、S31で、ユーザの通信端末装置34の現在位置が設置空間であり、NOと判断すると、続けて所定時間経過したか否かを判断し(S33)、所定時間経過していない場合は、S31に戻り、ユーザが外出中であると判断されるのを待つ。ユーザの外出するのを待つ時間が所定時間以上となってS33でYESと判断すると、S11に戻る。
図11は、空気調和機Aの付加機能運転の自動運転のフローチャートである。図11に示すように、空気調和機Aの制御部12は、図9のS21、S22と同様、空調運転の停止が指示されたか否かを常に判断し、停止が指示されたと判断すると、その時間が、特定の不在時間帯の前の第2時間以内に相当するか否かを判断する。そして、ここでは、特定の不在時間帯の前の第2時間以内に相当すると判断した場合は、S41に進み、サーバ31から付加機能運転の実施が指示されたか否かを判断する。サーバ31が付加機能運転の実施を指示し、S41でYESと判断する、S23に進み、空調運転の内容に応じて、乾燥運転とフィルタ清掃運転あるいはフィルタ清掃運転のみを実施する。一方、S41でNOと判断すると、続けて所定時間経過したか否かを判断し(S42)、所定時間経過していない場合は、S26に戻り、サーバ31から付加機能運転の実施が指示されるのを待つ。サーバ31から指示を待つ時間が所定時間以上となってS42でYESと判断すると、S21に戻る。
〔第3の実施の形態〕
本発明のその他の実施の一形態について、図12を参照して説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
本実施の形態に係る制御システム30では、特定の不在時間帯に入ると、空気調和機Aが自身で判断して、付加機能運転を実施する。この点が、前述した実施の形態にものと異なる。
図12は、空気調和機Aの付加機能運転の自動運転のフローチャートである。図12に示すように、空気調和機Aの制御部12は、図9のS21、S22と同様、空調運転の停止が指示されたか否かを常に判断し、停止が指示されたと判断すると、その時間が、特定の不在時間帯の前の第2時間以内に相当するか否かを判断する。そして、ここでは、特定の不在時間帯の前の第2時間以内に相当すると判断した場合は、S51に進み、特定の不在時間帯に入ったか否かを判断する。S51は、YESと判断するまで繰り返す。
特定の不在時間帯に入り、S51でYESと判断すると、人体検知センサ15の検知結果に基づいて、人体を検知していないかどうかを判断する(S52)。人体検知センサ15が人体を検知しておらず、S52でYESと判断すると、制御部12は、S23に進み、空調運転の内容に応じて、乾燥運転とフィルタ清掃運転あるいはフィルタ清掃運転のみを実施する。一方、人体検知センサ15が人体を検知しており、S52でNOと判断すると、S53に進み、続けて所定時間経過したか否かを判断する(S53)。所定時間経過していない場合は、S52に戻り、人体検知無しが確認されるのを待つ。ユーザの外出を待つ時間が所定時間以上となってS53でYESと判断すると、S21に戻る。
〔第4の実施の形態〕
本発明のその他の実施の一形態について説明する。前述の第1〜第3の実施の形態では、制御システム30の枠組みの中で、サーバ31が、特定の不在時間帯を見つけ出し、制御シーケンスを変更していたが、サーバ31を介さず、空気調和機Aの制御部12が、人体検知センサ15の検知結果などから、特定の不在時間帯を見つけ出す構成である。この場合、空気調和機Aとユーザの通信端末装置34が、無線LAN(Wireless Local Area Network)や、Bluetooth(登録商標)などの通信手段を用いて、ローカル通信する構成であってもよい。
あるいは、サーバ31に代えて、ユーザの宅内に設置された、宅内にある電子機器を制御するホームコントローラが、空気調和機Aを含む制御下にある各種の電子機器を介して取得できる情報や、ユーザ宅に設置された各種のセンサの情報等から、特定の不在時間帯を見つけ出す構成とすることもできる。
また、付加機能運転として、フィルタ清掃運転と乾燥運転を例示したが、これに限定されるものではなく、内部清浄運転を加えることもできる。内部清浄運転では、自動でイオンを室内機1の筐体2内に充満させて脱臭、除菌を行う。内部清浄運転が指示されると、ルーバー9が駆動されて吹出口6が閉鎖される。続いて、イオン発生装置10が作動されて通風路7の空気にイオンが放出される。吹出口6が閉鎖されているので、放出されたイオンは室内機1の筐体2内に充満する。これにより、室内機1の内部の脱臭や除菌を行うことができる。
さらに、電子機器として空気調和機Aを例示したが、熱交換機を備え、熱交換機および加湿フィルタを乾燥させることが好ましい調湿装置において上記構成を採用することができる。その他、通常運転とは異なる付加機能運転を有する電子機器であって、付加機能運転を室内に居る状態で実施するとユーザに不快感を与える恐れはあるものの、通常運転の停止後速やかに実施することが効果的である場合に、上記構成を採用することが効果的である。
〔第5の実施の形態〕
本発明のその他の実施の一形態について、図3、図4、図13〜図16を参照して説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
上述した実施の形態1〜3に係る制御システム30、および実施の形態4の空気調和機Aでは、サーバ31の制御部41あるいは空気調和機Aの制御部12が、空気調和機Aおよび通信端末装置34から取得した各種の情報に基づいて、通常の空調運転の停止後の第1時間以内に、空気調和機Aの設置空間から人が居なくなる傾向にある特定の不在時間帯を見つけ出し、見つけ出した特定の不在時間帯については、当該特定の不在時間帯の前の第2時間以内に空調運転が停止された場合、本来であれば速やかに実施すべき乾燥運転を、特定の不在時間帯に入ってから実施されるように制御シーケンスを変更していた。
これに対し、本実施の形態の制御システム50(図4参照)では、図13に示すサーバ51の制御部52が、空気調和機Aおよび通信端末装置34から取得した各種の情報に基づいて、空気調和機Aの設置空間に人が居ないと推定される不在時間帯を見つけ出し、見つけ出した不在時間帯の前の所定時間以内、例えば30分以内に前記特定の通常運転が停止された場合に、前記不在時間帯に入ってから前記特定の付加機能運転が実施されるように制御シーケンスを変更する。
図13は、サーバ51の構成を示すブロック図である。図13に示すように、サーバ51は制御部52、記憶部42および通信部43等を有している。制御部52は、図示しない演算部を備え、記憶部42等に記憶、入力されたプログラム、データに基づき空気調和機Aに対して、清掃運転および乾燥運転の制御シーケンスの変更を命じる。
制御部52には、履歴収集部53、推定判定部54、シーケンス変更部55が構築される。履歴収集部53は、通信部43を介して空気調和機Aから受信する各種情報より、人体検知センサ15や温湿度センサ16をはじめとする空気調和機Aの各種センサの検知履歴を収集して記録する(ログをとる)。また、履歴収集部53は、通信部43を介して通信端末装置34から受信する情報より、通信端末装置34の現在位置を示すGPS信号や、通信端末装置34から入力されたユーザのスケジュール情報等の、ユーザの予定を把握できる各種の情報を収集して記録する(ログをとる)。履歴収集部53にて収集された各種の情報は記憶部42に格納される。
推定判定部54は、記憶部42に格納された、空気調和機Aの設置空間における人の不在の推定に用い得る推定用情報のログに基づいて、空気調和機Aの設置空間に人が居ないと推定される不在時間帯を見つけ出す。
図14は、サーバ51による推定判定処理(推定判定ステップ)のフローチャートである。図14に示すように、履歴収集部53は、空気調和機Aより受信する各種の情報(人体検知センサ15や温湿度センサ16をはじめとする空気調和機Aの各種センサの検知履歴)を収集して記録し、また、通信ネットワーク32を介して取得できる様々情報(通信端末装置34の現在位置を示すGPS信号や、ユーザのスケジュール情報等のユーザの予定を把握できる各種の情報)を収集して記録する(S61)。
推定判定部54は、履歴収集部53にて収集された各種の情報(空気調和機Aの設置空間における人の不在の推定に用い得る推定用情報のログ)に基づいて、空調運転の設置空間に人が居ないと推定される不在時間帯を探索する(S62)。
S62の探索の結果、不在時間帯を発見し、S63でYESと判断すると、記憶部42にその情報を格納すると共に、発見した不在時間帯の情報を空気調和機Aに通知する(S64)。その後S61に戻る。不在時間帯の情報が通知された空気調和機Aは、これを記憶部13に格納する。一方、S2の探索の結果、不在時間帯を発見できない場合、S63でNOと判断し、S61に戻る。
図13に戻り、シーケンス変更部55は、推定判定部54にて見つけ出された不在時間帯の前の所定時間以内に前記特定の通常運転が停止された場合に、停止後速やかに実施することが好ましい乾燥運転も含め、付加機能運転が不在時間帯に入ってから実施されるように制御シーケンスを変更する。
上記所定時間は、前記した第1時間、第2時間と同様に、結露水を原因とするカビなどの菌類の繁殖を防止するために、本来であれば冷房/除湿運転の停止毎に速やかに実施すべき乾燥運転の実施を遅延させる時間に相当し、遅延させても支障の小さい許容時間であり、30分程度とすることが好ましい。
シーケンス変更部46は、見つけ出した不在時間帯の情報を、空気調和機Aに送信し、また、空気調和機Aの制御部12に対し、不在時間帯の前の所定時間以内に空調運転が停止されても付加機能運転を実施しないように指示する。
不在時間帯に入ってから開始を遅らせていた付加機能運転を実施させるための手法としては、前述した実施の形態1〜3と同様の手法を用いることができる。つまり、サーバ51が、不在時間帯に入るとユーザの通信端末装置34に、遠隔操作のツールを用いて付加機能運転の実施を空気調和機Aに指示するように通知する。あるいは、不在時間帯に入ると、サーバ31が空気調和機Aに対し付加機能運転の実施を指示する。あるいは、不在時間帯に入ると、空気調和機Aが自身で判断して、付加機能運転を実施する。
図15、図16に、不在時間帯に入るとサーバ51がユーザの通信端末装置34に、遠隔操作のツールを用いて付加機能運転の実施を空気調和機Aに指示するように通知する場合の各部の処理を示す。
図15は、サーバ51による付加機能運転の実施を空気調和機Aに指示する処理(シーケンス変更ステップ)のフローチャートである。基本、図8のフローチャートと同じであり、S12に代えてS71を実施する点が異なる。S71においては、空気調和機Aの空調運転が停止され、S11でYESと判断すると、記憶部42を参照して、停止の時間が、推定判定部54にて発見された不在時間帯の前の30分(一例)以内に相当するか否かを判断する。
図16は、空気調和機Aの付加機能運転の自動運転のフローチャートである。基本、図9のフローチャートと同じであり、S22に代えてS72を実施する点が異なる。S72においては、S21で空調運転の停止が指示されたと判断すると、記憶部13を参照して、停止が指示された時間が、不在時間帯の前の例えば30分(一例)以内に相当するか否かを判断する。
また、ここでは制御システム50の枠組みの中で、サーバ51が不在時間帯を見つけ出し、制御シーケンスを変更していた。しかしながら、実施の形態4と同様に、サーバ51を介さず、空気調和機Aの制御部12が、人体検知センサ15の検知結果などから、不在時間帯を見つけ出す構成とすることもできる。
〔第6の実施の形態〕
第1〜第4の実施の形態にて説明した空気調和機Aの制御部12、サーバ31の制御部41、サーバ51の制御部52は、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
後者の場合、空気調和機A、サーバ31、サーバ51は、それぞれ、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラム及び各種データがコンピュータ(又はCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)又は記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)等を備えている。そして、コンピュータ(又はCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路等を用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る電子機器(空気調和機A)は、通常運転(空調運転)とは異なる付加的な機能による付加機能運転(乾燥運転,フィルタ清掃運転等)を実施可能で、前記通常運転には、停止後速やかに特定の付加機能運転(乾燥運転)を実施すべき特定の通常運転(冷房/除湿運転)が含まれる電子機器であって、前記電子機器の通常運転のログと、前記電子機器の設置空間における人の不在の推定に用い得る推定用情報のログとに基づいて、前記通常運転の停止後の第1時間以内に前記設置空間から人が居なくなる傾向にある特定の不在時間帯を見つけ出す傾向判定部45と、該傾向判定部45にて見つけ出された特定の不在時間帯については、当該特定の不在時間帯の前の第2時間以内に前記特定の通常運転が停止された場合に、前記特定の不在時間帯に入ってから前記特定の付加機能運転が実施されるように制御シーケンスを変更するシーケンス変更部46と、を備えることを特徴とする。
例えば電子機器が空気調和機である場合、乾燥運転は、結露水によるカビなどの菌類の繁殖を防止するためには、冷房/除湿運転の停止後速やかに実施することが好ましい。しかしながら、乾燥運転は、室温を上昇させてしまうため、ユーザに不快感を与えかねない。
上記構成によれば、傾向判定部45が、空調運転の停止後一定時間(第1時間)以内に外出したり部屋を移動したりして設置空間から居なくなる傾向を示す不在時間帯を見つけ出し、シーケンス変更部46が、傾向判定部45にて見つけ出された特定の不在時間帯については、当該特定の不在時間帯の前の第2時間以内に冷房/除湿運転が停止された場合に、特定の不在時間帯に入ってから乾燥運転が実施されるように制御シーケンスを変更して、ユーザが設置空間から居なくなってから乾燥運転を実施する。これにより、冷房/除湿運転の停止後速やかに乾燥運転を実施することで、カビなどの菌類の繁殖を効果的に防止するといった仕組みを維持しつつも、ユーザが不快に感じるかもしれない乾燥運転をユーザが在室する状態で行う回数を減らすことができる。
本発明の態様2に係る電子機器(空気調和機A)の制御方法は、通常運転(空調運転)とは異なる付加的な機能による付加機能運転(乾燥運転,フィルタ清掃運転等)を実施可能で、前記通常運転には、停止後速やかに特定の付加機能運転(乾燥運転)を実施すべき特定の通常運転(冷房/除湿運転)が含まれる電子機器の制御方法であって、前記電子機器の通常運転のログと、前記電子機器の設置空間における人の不在の推定に用い得る推定用情報のログとに基づいて、前記通常運転の停止後の第1時間以内に前記設置空間から人が居なくなる傾向にある特定の不在時間帯を見つけ出す傾向判定ステップと、傾向判定ステップにて見つけ出された特定の不在時間帯については、当該特定の不在時間帯の前の第2時間以内に前記特定の通常運転が停止された場合に、前記特定の不在時間帯に入ってから前記特定の付加機能運転が実施されるように制御シーケンスを変更するシーケンス変更ステップと、を含む。
上記電子機器の制御方法を、電子機器である例えば空気調和機に適用することで、冷房/除湿運転の停止後速やかに乾燥運転を実施することで、カビなどの菌類の繁殖を効果的に防止するといった仕組みを維持しつつも、ユーザが不快に感じるかもしれない乾燥運転をユーザが在室する状態で行う回数を減らすことができる。
本発明の態様3に係る電子機器制御システムは、通常運転(空調運転)とは異なる付加的な機能による付加機能運転(乾燥運転,フィルタ清掃運転等)を実施可能で、前記通常運転には、停止後速やかに特定の付加機能運転(乾燥運転)を実施すべき特定の通常運転(冷房/除湿運転)が含まれる電子機器(空気調和機A)と、サーバ31と、通信端末装置34とを含む電子機器制御システム(制御システム30)であって、前記サーバ31に、前記電子機器の通常運転のログと、前記電子機器の設置空間における人の不在の推定に用い得る推定用情報のログとに基づいて、前記通常運転の停止後の第1時間以内に前記設置空間から人が居なくなる傾向にある特定の不在時間帯を見つけ出す傾向判定部45が設けられ、前記サーバ31あるいは前記電子機器に、前記傾向判定部45にて見つけ出された特定の不在時間帯については、当該特定の不在時間帯の前の第2時間以内に前記特定の通常運転が停止された場合に、前記特定の不在時間帯に入ってから前記特定の付加機能運転が実施されるように制御シーケンスを変更するシーケンス変更部46が設けられている。
上記電子機器制御システムを、電子機器として例えば空気調和機を含むシステムに適用することで、冷房/除湿運転の停止後速やかに乾燥運転を実施することで、カビなどの菌類の繁殖を効果的に防止するといった仕組みを維持しつつも、ユーザが不快に感じるかもしれない乾燥運転をユーザが在室する状態で行う回数を減らすことができる。
本発明の態様4に係る電子機器制御システムは、さらに、前記シーケンス変更部46は、前記特定の不在時間帯の前の第2時間以内に、前記特定の付加機能運転とは別の付加機能運転を実施するタイミングが到達する場合には、当該別の付加機能運転についても前記特定の不在時間帯に入ってから実施されるように制御シーケンスを変更する構成とすることもできる。
付加機能運転としては、上述した空気調和機の場合、冷房/除湿運転後の乾燥運転以外に、フィルタ清掃運転等もあるが、フィルタ清掃運転ものフィルタ清掃装置等を動作させて行うため動作音がする。そのため、このような特定の付加機能運転以外の付加機能運転についても、ユーザが設置空間から居なくなってから実施することで、付加機能運転によってユーザが不快さを感じる回数を極力減らすことができる。
本発明の態様5に係る電子機器制御システムは、さらに、前記推定用情報として、前記電子機器(空気調和機A)に搭載された人体検知センサ15の検知結果、あるいは前記通信端末装置34の位置情報、あるいはその両方を用いる構成とすることもできる。
これによれば、電子機器の設置空間におけるユーザの不在の推定を精度良く行うことができる。
本発明の態様6に係る電子機器制御システムは、さらに、前記電子機器が空気調和機Aであり、前記特定の通常運転が冷房運転あるいは除湿運転であり、前記特定の付加機能運転が乾燥運転である構成である。
上述したように、これにより、冷房/除湿運転の停止後速やかに乾燥運転を実施することで、カビなどの菌類の繁殖を効果的に防止するといった仕組みを維持しつつも、ユーザが不快に感じるかもしれない乾燥運転をユーザが在室する状態で行う回数を減らすことができる。
本発明の態様7に係る電子機器(空気調和機A)は、通常運転(空調運転)とは異なる付加的な機能による付加機能運転(乾燥運転,フィルタ清掃運転等)を実施可能で、前記通常運転には、停止後速やかに特定の付加機能運転(乾燥運転)を実施すべき特定の通常運転(冷房/除湿運転)が含まれる電子機器であって、前記電子機器の設置空間における人の不在の推定に用い得る推定用情報のログに基づいて、前記設置空間に人が居ないと推定される不在時間帯を見つけ出す推定判定部と、前記推定判定部にて見つけ出された不在時間帯の前の所定時間以内に前記特定の通常運転が停止された場合に、前記不在時間帯に入ってから前記特定の付加機能運転が実施されるように制御シーケンスを変更するシーケンス変更部と、を備える構成である。
上述したように、例えば電子機器が空気調和機である場合、乾燥運転は、結露水によるカビなどの菌類の繁殖を防止するためには、冷房/除湿運転の停止後速やかに実施することが好ましい。しかしながら、乾燥運転は、室温を上昇させてしまうため、ユーザに不快感を与えかねない。
上記構成によれば、推定判定部が空気調和機の設置空間から人が居ないと推定される不在時間帯を見つけ出し、不在時間帯の前の所定時間以内に、ユーザが冷房/除湿運転を停止した場合は、シーケンス変更部が、制御シーケンスを変更して乾燥運転の開始を遅らせ、不在時間帯に入ってから乾燥運転を実施する。これにより、冷房/除湿運転の停止後速やかに乾燥運転を実施することで、カビなどの菌類の繁殖を効果的に防止するといった仕組みを維持しつつも、ユーザが不快に感じるかもしれない乾燥運転をユーザが在室する状態で行う回数を減らすことができる。
本発明の態様8に係る電子機器の制御方法は、通常運転(空調運転)とは異なる付加的な機能による付加機能運転(乾燥運転,フィルタ清掃運転等)を実施可能で、前記通常運転には、停止後速やかに特定の付加機能運転(乾燥運転)を実施すべき特定の通常運転(冷房/除湿運転)が含まれる電子機器の制御方法であって、前記電子機器の設置空間における人の不在の推定に用い得る推定用情報のログに基づいて、前記設置空間に人が居ないと推定される不在時間帯を見つけ出す推定判定ステップと、前記推定判定ステップにて見つけ出された不在時間帯の前の所定の時間以内に前記特定の通常運転が停止された場合に、前記不在時間帯に入ってから前記特定の付加機能運転が実施されるように制御シーケンスを変更するシーケンス変更ステップと、を含む構成である。
上記電子機器の制御方法を、電子機器である例えば空気調和機に適用することで、冷房/除湿運転の停止後速やかに乾燥運転を実施することで、カビなどの菌類の繁殖を効果的に防止するといった仕組みを維持しつつも、ユーザが不快に感じるかもしれない乾燥運転をユーザが在室する状態で行う回数を減らすことができる。
本発明の態様9に係る電子機器制御システムは、通常運転(空調運転)とは異なる付加的な機能による付加機能運転(乾燥運転,フィルタ清掃運転等)を実施可能で、前記通常運転には、停止後速やかに特定の付加機能運転(乾燥運転)を実施すべき特定の通常運転(冷房/除湿運転)が含まれる電子機器と、サーバと、通信端末装置とを含む電子機器制御システムであって、前記サーバに、前記電子機器の設置空間における人の不在の推定に用い得る推定用情報のログに基づいて、前記設置空間に人が居ないと推定される不在時間帯を見つけ出す推定判定部が設けられ、前記サーバあるいは前記電子機器に、前記推定判定部にて見つけ出された不在時間帯の前の所定の時間以内に前記特定の通常運転が停止された場合に、前記不在時間帯に入ってから前記特定の付加機能運転が実施されるように制御シーケンスを変更するシーケンス変更部が設けられている構成である。
上記電子機器制御システムを、電子機器として例えば空気調和機を含むシステムに適用することで、冷房/除湿運転の停止後速やかに乾燥運転を実施することで、カビなどの菌類の繁殖を効果的に防止するといった仕組みを維持しつつも、ユーザが不快に感じるかもしれない乾燥運転をユーザが在室する状態で行う回数を減らすことができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。