JP2020176518A - 端部支持材 - Google Patents
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また、施工を簡単に行う軒先として、特許文献2に記載の軒天形成方法及び軒天形成用構造物が提案されている。この方法及び構造物は、屋根パネルの軒端(枢結部)に軒天パネルを回動可能に連結し、両パネル間に回動阻止手段として吊り部材を取り付けた構成である。
そして、これらの種類の軒先用又は軒天用の部材は、主に建築物の「垂木」に固定されるものである。
また、前記特許文献2では、吊り部材を畳んだ状態とするか延ばした状態とするかしかないため、決まった角度にしか使用することができず、汎用性の低いものであった。
さらに、この種の部材を、前述のような決まった角度に使用する場合であっても、垂木等の下地の誤差(レベル違い)等には対応できないものであった。
そして、例えば軒先に適用した場合には通常の一般屋根に比べて先端がシャープな先鋭な印象を受ける屋根を施工し易く、該軒先により所定領域の雨避けや日光避けの庇(ひさし)として有効利用する空間を形成することも可能である。
このように本発明では、取付施工が容易であって、意匠性に富んだ、デザイン性に優れた端部構造とすることができ、特に軒先に適用した場合には該軒先にて形成される空間を有効に利用することもできる。
そのため、けらば等の端部を含む軒先における意匠性及びデザイン性が著しく向上し、また施工作業を迅速に容易に行うことができる。また、それらの端部に取り付けられる部品を共通化して汎用性を高めることが可能である。
また、屋根材を例えば前記下地や該下地へ取り付けるための構造等としては、木材製の躯体、鉄骨製の躯体、コンクリート製の躯体などの各種材料で構築される躯体、躯体上に配された垂木等の支持部材又は野地材等の下地材等でもよい。
同様に形成される端部構造は、裏面側が天井面となるが、別部材の化粧材を裏面側型材の下面に配設するようにしてもよいし、この裏面側型材自体が化粧材を兼ねるものでもよい。
この上面側型材が別部材の化粧材を支持する場合、この上面側型材には化粧材を受支する受支部を有し、化粧材を取り付けるための取付受部を少なくとも一箇所以上に備えることが望ましいが、特にその構成を限定するものではない。また、裏面側型材の先端に回動可能に取り付けられるヒンジ構造についても、特にその形状構成を限定するものではない。
この化粧材を兼ねる裏面側型材は、前記上面側型材(及び化粧材)の裏面を下面側である室内側から被覆する部材であり、その軒先側の先端には、前記上面側型材がヒンジ構造を介して回動可能に取り付けられている。
例えば両型材間の拡開角度を維持する部材としては、係止状に係止部材を取り付ける態様が挙げられる。この係止部材としては、裏面側型材上に支持される支持部と上面側型材の裏面に係止される係止部とを有する構成とすれば、予め長さが異なる係止部材を複数用意しておけばよい。
第2の態様は、裏面側型材にボルトの頭部を収納可能な溝部を形成し、上面側型材には前記ボルトを挿通させる通孔を設け、前記溝部に頭部を収納したボルトを上面側型材に形成した通孔に挿通させ、所望の角度にてナットを締着すればよい。
第3の態様は、前記第2の態様における溝部がヒンジ構造を介して回動可能に取り付けられている構造である。
そして、ボルトが傾斜状に臨む前記第3の態様では、後述する図示実施例(図5)のように上面側型材に形成する通孔を円孔か少なくとも前記第2の態様よりも小さな長孔に形成してもよいし、或いはボルトをほぼ一定角度として裏面側型材が傾斜するようにしてもよい〔図7(a),(b)の実施例〕。
この軒先化粧材は、その裏面側に配設される上面側型材に支持されるので、その面板部はこの軒先支持材に受支されるものであり、少なくとも一箇所以上には上面側型材に形成した取付受部に取り付けられる取付部を備えることが望ましい。
このように前記上面側型材も前記裏面側型材も、屋根材が構築する屋根構造に少なくともその一部が取付されていることが望ましいが、この場合の取付とは、他の部材を介しての取付でもよく、それ自体は一体的である必要はなく、例えば係止や重合などをも含むものである。上面側型材と裏面側型材を直接的に固定することにより、両部材が高い強度の連結状態を得ることができる。
この上面側型材2には、図1(c)に示すように軒先化粧材1Bを受支する面板部21を有し、軒先化粧材1Bを取り付けるための取付受部22,23が軒端及び棟側にそれぞれ設けられ、その棟端には前記支持材(垂木)5aの軒端への取付部25が断面略コ字状に設けられている。そして、この上面側型材2の裏面側には、ヒンジ構造Hを形成する略円弧状の軸受部27が設けられている。なお、この軸受部27が設けられる面板部21は、やや裏面側へ陥没状に(凹部211)形成されている。
なお、前記面板部21は、屋根材4と同様の傾斜勾配を備える水上部分とそれを更に下方へ傾斜した水下部分とからなり、前記軒端の取付受部22は、傾斜状下向き片の下端を指し、前記棟側の取付受部23は、面板部21から立ち上がって軒側へ傾斜する折れ片状の取付片24の水下側の隅部を指す。また、前記取付部25は、面板部21の裏面側に略L字状片26を設けて断面略コ状の空間を形成している。
この裏面側型材3には、図1(b)に示すように前記化粧面31が略水平状の平坦面状であって、その表面側の軒端には、ヒンジ構造Hを形成する中空円筒状の軸部32が設けられている。また、この化粧面31の他方側には、直角状に立ち上がる起立状片33と、該起立状片33から外方へ延在する横片34,35とが設けられ、この横片34,35間に側方が開放された係止溝部36が形成されている。
この係止部材1Cは、縦片14の下端に横片15が形成された構成であり、該横片15が前記裏面側型材3に設けられた係止溝部36に係止され、前記縦片14の上端が前記上面側型材2の面板部21と略L字状片26との隅部に係止されるので、両型材2,3間の拡開角度は維持されるものとなる。
施工に際し、予め上面側型材2に裏面側型材3をヒンジ構造Hを介して回動可能に取り付けておいた状態で、前述のように断面略コ字状に形成した取付部25を、前記横葺き屋根構造の支持材(垂木)5aの軒端へ嵌合状に取り付け、上方からビス2cを打ち込んで固定する。この上面側型材2の取付に際し、最も水下側に位置する屋根材4の水下側成形部42が、前記上面側型材2の取付片24に係合状に取り付けられるように配設する。
なお、前記ヒンジ構造Hにビス2bを打ち込む構成は、両部材2,3が分離する事故等を防ぐためには必要であるが、例えば両部材2,3を経年後でも寸法変形をほとんど生じない金属製材等にて形成した場合や軸部32と軸受部27とを十分に深く係合させている場合にはこのビス2bを省略して予め前記上面側型材2の表面に前記軒先化粧材1Bを取り付けておくようにしてもよい。
そして、拡開角度が前記参考例より小さい図2(b)に用いた係止部材1Dは、縦片16が傾斜状の短片であり、拡開角度が前記参考例より大きい図2(c)に用いた係止部材1Eは、縦片17が屈折された長片であり、何れの係止部材1D,1Eにおいても裏面側型材3の係止溝部36に係止する横片15は共通の構成である。
これらの図2(a)〜(c)より明らかなように、予め長さが異なる係止部材1C,1D,1Eを準備することにより、異なる拡開角度に対応させることができる。
なお、図中、282は前記下向き片28に設けた通孔であり、2dは該通孔282に挿着する固定ビスである。
さらに、この図2(d)における裏面側型材3'は、軸部32'に前記軸受部27'の回動を防ぐ規制部321が設けられ、所定以上の拡開角度を広げる方向への回動を規制している。
なお、この第1実施例における上面側型材1IIには凹部29が形成されている以外は、上面側型材2IIも裏面側型材3IIも、各部位に関して参考例における上面側型材2や裏面側型材3と共通する箇所は同一符号を付して説明を省略する。特に上面側型材2IIの軸受部27'及び規制片271は、前記図2(d)と同様であるから、同一符号を付して説明を省略する。
なお、図中3eは、裏面側型材3IIと接続用化粧材6dとを連結するビスである。
そして、拡開角度が前記第1実施例より小さい図4(b)では、短いボルト3csを用いており、拡開角度が前記第1実施例より大きい図4(c)では、ボルト3c自体は変わらないが、ナットを締め付ける位置が高くなっている。
これらの図4(a)〜(c)より明らかなように、底面側型材3IIに立設したボルト3cに、上面側型材2IIに形成した通孔291を挿通させることにより、一つの機構(一組の部材)にて任意の拡開角度の調整できる。なお、ここで一組の部材とは、ボルト3cを立設した底面側型材3IIと通孔291を設けた上面側型材2IIとを指すものである。
この第2実施例における軒先支持材1IIIは、前記第3の態様の角度調節機構を用いて両型材2III,3IIIの拡開角度を調整したものである。即ち前記第2の態様における溝部がヒンジ構造H2を介して回動可能に取り付けられている例である。
また、この第2実施例における上面側型材2IIIは、図5(f)に示すように前記第1実施例における下方が縮径する略鉢状の断面形状を備える凹部28に代えて底面に対して両側面が垂直状に立ち上がる枡状凹部29が設けられ、該枡状凹部29の底面に長孔状の通孔291を有する点では同様である。
これらの各軒先構造では、前述のように裏面側型材3IIIの第二軸受部39に溝部材7の第二軸部72を回動可能に取り付けてヒンジ構造H2とし、前記溝部材7の溝部71にボルト3cssの頭部を収納して先端を上面側型材2IIIに設けた枡状凹部29の底面の通孔291に挿通させたので、図5(a)〜(d)に示されるようにどのような拡開角度でもナット3dを枡状凹部29の底面に圧接状に締め付けることができる。
次に、図6(b)に示すように裏面側型材3IVに設けた上向き片32ivに調整部材8を対向状に近接させ、前記上向き片32ivの対向面に設けた凹凸部を前記調整部材8の対向面に設けた凹凸部に噛合状に組み合わせたので、作業者が支える必要がなく微調整を行うことができ、安定に固定作業(ビス打ち)を行うことができる。
そして、この態様においては、図7(b)に示すようにボルト9bをほぼ一定角度として裏面側型材3Vを傾斜するように角度調整して設定した角度にてナット9cを締着して固定することができる。
この第5実施例における裏面側型材3VIIのヒンジ部H3の前方には、下方から見えないようにする化粧部30が設けられている。
1B 軒先化粧材
1C 係止部材
2,2II〜2VI 上面側型材
21 面板部
27 軸受部
28vii,29,29v 凹部
3,3II〜3VI 裏面側型材
31 化粧面
32 軸部
4 屋根材
4Z 最も水下側に位置する屋根材
H ヒンジ構造
Claims (2)
- 屋根構造のけらばや軒端に延設状に取り付けられる上面側型材と裏面側型材とからなり、けらば端又は軒先端における屋根面と天井面との角度を保持する端部支持材であって、
屋根面を形成する前記上面側型材の裏面に、天井面を形成する前記裏面側型材の端部がヒンジ構造を介して回動可能に取り付けられ、前記上面側型材に凹部が形成され、前記上面側型材もしくは前記裏面側型材の一方もしくは一部が化粧部を兼ねることを特徴とする端部支持材。 - 前記裏面側型材にはボルトの頭部が保持され、前記上面側型材の凹部にはボルトを貫通する孔が設けられてナットが締め付けられることで前記上面側型材と前記裏面側型材との拡開角度が調節できることを特徴とする請求項1に記載の端部支持材。
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