JP2020175601A - 液体吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】キャップの保湿能力の低下を抑制できる液体吐出装置を提供する。【解決手段】搬送される媒体Sに対して複数のノズル12から液体を吐出して印刷を行う液体吐出ヘッド13と、複数のノズル12が開口する閉空間を形成可能なキャップ22と、キャップ22内に設けられるとともに液体を吸収可能な吸収部材37と、を備え、キャップ22は、吸収部材37が配置される第1領域A1と、吸収部材37が配置されない第2領域A2と、を有する。【選択図】図2
Description
本発明は、プリンターなどの液体吐出装置に関する。
例えば特許文献1のように、液体吐出ヘッドの一例である印刷ヘッドに形成されるノズルから液体の一例であるインクを噴射して印刷する液体吐出装置の一例であるプリンターがある。プリンターは、ノズルの開口が望む閉空間を形成するキャップを備える。キャップは、印刷ヘッドから離れる退避位置と、閉空間を形成する空間形成位置と、を移動する。
プリンターは、吸収部材の一例であるインク吸収材を収容する。空間形成位置に位置するキャップは、インク吸収材が保持するインクにより閉空間内の湿度を高め、ノズル内のインクの蒸発を抑制していた。
インク吸収材が保持するインクは、インク吸収材の表面から蒸発する。そのため、キャップが印刷ヘッドから離れた状態でインクが蒸発してしまうと、ノズルを十分に保湿できない虞があった。
上記課題を解決する液体吐出装置は、搬送される媒体に対して複数のノズルから液体を吐出して印刷を行う液体吐出ヘッドと、前記複数のノズルが開口する閉空間を形成可能なキャップと、前記キャップ内に設けられるとともに前記液体を吸収可能な吸収部材と、を備え、前記キャップは、前記吸収部材が配置される第1領域と、前記吸収部材が配置されない第2領域と、を有する。
以下、液体吐出装置の一実施形態を、図面を参照して説明する。液体吐出装置は、例えば、用紙などの媒体に液体の一例であるインクを吐出して印刷するインクジェット式のプリンターである。
図1に示すように、液体吐出装置11は、ノズル12から液体を吐出する液体吐出ヘッド13と、液体吐出ヘッド13を保持する保持部14と、液体供給源15の液体を液体吐出ヘッド13に向けて供給する供給流路16と、を備える。液体吐出ヘッド13は、液体を吐出する複数のノズル12及びノズル12が開口する開口面13aを有する。本実施形態では、液体吐出ヘッド13が液体を吐出して媒体Sに印刷する位置を印刷位置という。
液体吐出装置11は、媒体Sを搬送する複数の搬送ローラー17と、印刷位置において媒体Sを支持する媒体支持部18と、を備える。複数の搬送ローラー17は、収容カセット19から保持トレイ20に向けて湾曲しつつ延びる媒体Sの搬送路Rcに沿って配置される。液体吐出装置11は、印刷位置において液体吐出ヘッド13のメンテナンスを行うメンテナンス装置21を備える。
図面では、液体吐出装置11が水平面上に置かれているものとして重力の方向をZ軸で示し、水平面に沿う方向をX軸及びY軸で示す。X軸、Y軸、及びZ軸は、互いに直交する。以下の説明では、X軸に平行な方向を幅方向X、Y軸に平行な方向を搬送方向Y、Z軸に平行な方向を吐出方向Zともいう。搬送方向Yは、印刷位置において媒体Sを搬送する方向である。吐出方向Zは、液体吐出ヘッド13が液体を吐出する方向である。
媒体支持部18は、媒体Sの搬送路Rcにおいて媒体Sを支持する図1に実線で示す支持位置と、搬送路Rcから離れる図1に二点鎖線で示す非支持位置と、の間で移動可能に構成される。媒体支持部18は、例えば、駆動ローラー18aと、従動ローラー18bと、駆動ローラー18a及び従動ローラー18bに掛け渡された搬送ベルト18cと、を有する。媒体支持部18は、駆動ローラー18aを中心に従動ローラー18b及び搬送ベルト18cが略90度回動することによって、支持位置と非支持位置とに移動する。
本実施形態の液体吐出ヘッド13は、幅方向Xが長手方向となるラインヘッドである。液体吐出ヘッド13は、支持位置に位置する媒体支持部18により搬送方向Yに搬送される媒体Sに対して液体を吐出して印刷を行う。本実施形態の吐出方向Zは、重力の方向であるが、液体吐出ヘッド13は、重力の方向とは異なる方向に向かって液体を吐出してもよい。
液体供給源15は、例えば、液体吐出装置11に着脱可能に装着されるカートリッジ式の液体収容体である。あるいは、液体供給源15を液体吐出装置11に装備された液体タンクとして、この液体タンクに液体を注入することで液体を補給する構成を採用してもよい。
メンテナンス装置21は、複数のノズル12が開口する閉空間を形成可能なキャップ22を備える。メンテナンス装置21は、上流端がキャップ22に接続される吸引流路23と、吸引流路23を介してキャップ22内を吸引可能な吸引部24と、キャップ22を保持するキャップホルダー25と、キャップ22を移動させる移動機構26と、を備えてもよい。吸引部24は、キャップ22を介して複数のノズル12から液体吐出ヘッド13内の液体を吸引可能である。吸引部24は、例えばチューブポンプでもよいし、ダイヤフラムポンプでもよい。
メンテナンス装置21は、吸引流路23の下流端が接続される装着部28を備えてもよい。装着部28には、廃液を収容可能な廃液収容体29が装着される。メンテナンス装置21は、液体吐出ヘッド13のワイピングを行うワイピング装置30を備えてもよい。
メンテナンス装置21は、液体吐出ヘッド13で生じる吐出不良の予防または解消のために、予備吐出、キャッピング、吸引クリーニング及びワイピングなどのメンテナンス動作を行う。メンテナンス装置21がメンテナンス動作を行うときには、媒体支持部18が支持位置から非支持位置に移動する。
液体吐出装置11は、液体吐出ヘッド13及びメンテナンス装置21の動作を制御する制御部33を備える。制御部33は、例えばコンピューター及びメモリーを含む処理回路等から構成され、メモリーに記憶されたプログラムに従って、液体吐出装置11で実行される各種動作を制御する。
図2に示すように、キャップ22には、上方に向かって開口する開口部の縁であるリップ部35と、キャップ22内の液体を排出する排出孔36と、が設けられる。排出孔36は、吸引流路23を介して吸引部24と連通する。キャップ22内には、液体を吸収可能な吸収部材37が設けられる。
キャップ22は、液体吐出ヘッド13から離れる図1及び図2に示す開放位置と、リップ部35が液体吐出ヘッド13に接触してノズル12を囲む図4に示すキャッピング位置と、の間を移動する。キャッピング位置に位置するキャップ22は、開口面13aに接触してノズル12を覆うことにより、開口面13aとの間にノズル12を囲う閉空間を形成する。
印刷時など、媒体Sが搬送路Rcに沿って搬送されるとき、印刷位置には支持位置に位置する媒体支持部18が配置され、キャップ22は開放位置に配置される。印刷終了後など、媒体支持部18が非支持位置に移動すると、キャップ22はキャッピング位置に移動して液体吐出ヘッド13をキャッピングする。キャップ22は、液体吐出ヘッド13が液体の吐出を行わない時に、液体吐出ヘッド13をキャッピングしてノズル12の乾燥を抑制する。本実施形態において、キャップ22は、開口面13aに接触してキャッピングを行うが、キャップ22が液体吐出ヘッド13の側面などに接触してキャッピングを行ってもよい。
液体吐出ヘッド13は、媒体Sに印刷するために媒体Sに向かって液体を吐出する印刷吐出と、印刷とは関係のない液体をキャップ22に向かって吐出する予備吐出と、を実行可能である。
予備吐出とは、フラッシングとも呼ばれ、ノズル12から液体を印刷とは関係なく吐出することによって、吐出不良の原因となる異物、気泡または変質した液体などを排出するメンテナンス動作である。変質とは、例えば、水分などの溶媒成分の蒸発により増粘することである。予備吐出は、印刷の前後に行ってもよいし、印刷の途中に行ってもよい。
予備吐出は、キャップ22をキャッピング位置と開放位置と、の間の図示しない受容位置に位置させて行う。受容位置とは、キャップ22が液体吐出ヘッド13から離れ、且つ液体吐出ヘッド13に対向する位置である。複数の媒体Sに連続して印刷を行う場合、予備吐出は、1の媒体Sが印刷位置を通過して、その次の媒体Sが印刷位置に至るまでの間にしてもよい。予備吐出によって排出された廃液をキャップ22で受容した後には、吸引部24を駆動して空吸引を実行してもよい。空吸引を実行すると、キャップ22に受容された液体が、吸引流路23を通じて廃液収容体29に収容される。
キャップ22が液体吐出ヘッド13をキャッピングしている状態で吸引部24が駆動すると、キャップ22が液体吐出ヘッド13との間に形成した閉空間が負圧になる。すると、その負圧によってノズル12内が吸引され、液体とともに気泡等の異物が排出される。これを吸引クリーニングという。吸引クリーニングによってノズル12から排出された液体は、廃液として吸引流路23を通じて廃液収容体29に収容される。
ラインヘッドである液体吐出ヘッド13は、複数の単位ヘッド39が幅方向Xに並ぶように保持部14に保持されて構成される。液体吐出ヘッド13が印刷する媒体Sの印刷領域PAは、幅方向Xに亘って設けられる。印刷領域PAは、液体吐出装置11が印刷可能な最大幅の媒体Sにおいて、複数のノズル12が対向する領域に一致する。すなわち、幅方向Xにおける印刷領域PAの大きさである印刷幅Wpは、液体吐出ヘッド13が有する複数のノズル12のうち、幅方向Xにおける最も端に位置するノズル12から反対側の端に位置するノズル12までの距離に等しい。
本実施形態の液体吐出装置11は、幅方向Xに並ぶ複数のキャップ22を有し、1つの単位ヘッド39に形成されたノズル12を2つのキャップ22によりキャッピングする。キャップ22の数は、任意に変更することができる。例えば、液体吐出装置11は、液体吐出ヘッド13が有する全てのノズル12を覆う1つのキャップ22を備えてもよいし、1つの単位ヘッド39が有するノズル12を覆うキャップ22を複数備えてもよい。
複数の単位ヘッド39の構成は同じであり、複数のキャップ22の構成は同じである。そのため、以下の説明では、1つの液体吐出ヘッド13と、この液体吐出ヘッド13に対応する2つのキャップ22のうち1つのキャップ22について説明する。
図3に示すように、単位ヘッド39は、液体の一例であるブラックインクを吐出する複数の第1ノズル12aを有する。第1ノズル12aは、搬送方向Y及び幅方向Xに対して斜めの方向に並ぶ。1列に並ぶ第1ノズル12aは、第1ノズル列L1を形成する。本実施形態の単位ヘッド39には、6列の第1ノズル列L1が幅方向Xに所定の間隔をあけて配置される。
液体吐出ヘッド13は、複数の単位ヘッド39に形成される複数の第1ノズル列L1によって構成される第1ノズル群41を有する。すなわち、第1ノズル群41は、液体吐出ヘッド13が有する複数のノズル12のうち、ブラックインクを吐出する複数の第1ノズル12aにより構成される。
単位ヘッド39は、液体及びカラーインクの一例であるマゼンタインクを吐出する複数の第2ノズル12bを有する。第2ノズル12bは、搬送方向Y及び幅方向Xに対して斜めの方向に並ぶ。1列に並ぶ第2ノズル12bは、第2ノズル列L2を形成する。本実施形態の単位ヘッド39には、6列の第2ノズル列L2が幅方向Xに所定の間隔をあけて配置される。
液体吐出ヘッド13は、複数の単位ヘッド39に形成される複数の第2ノズル列L2によって構成される第2ノズル群42を有する。すなわち、第2ノズル群42は、液体吐出ヘッド13が有する複数のノズル12のうち、マゼンタインクを吐出する複数の第2ノズル12bにより構成される。
単位ヘッド39は、液体及びカラーインクの一例であるイエローインクを吐出する複数の第3ノズル12cを有する。第3ノズル12cは、搬送方向Y及び幅方向Xに対して斜めの方向に並ぶ。1列に並ぶ第3ノズル12cは、第3ノズル列L3を形成する。本実施形態の単位ヘッド39には、6列の第3ノズル列L3が幅方向Xに所定の間隔をあけて配置される。
液体吐出ヘッド13は、複数の単位ヘッド39に形成される複数の第3ノズル列L3によって構成される第3ノズル群43を有する。すなわち、第3ノズル群43は、液体吐出ヘッド13が有する複数のノズル12のうち、イエローインクを吐出する複数の第3ノズル12cにより構成される。
単位ヘッド39は、液体及びカラーインクの一例であるシアンインクを吐出する複数の第4ノズル12dを有する。第4ノズル12dは、搬送方向Y及び幅方向Xに対して斜めの方向に並ぶ。1列に並ぶ第4ノズル12dは、第4ノズル列L4を形成する。本実施形態の単位ヘッド39には、6列の第4ノズル列L4が幅方向Xに所定の間隔をあけて配置される。
液体吐出ヘッド13は、複数の単位ヘッド39に形成される複数の第4ノズル列L4によって構成される第4ノズル群44を有する。すなわち、第4ノズル群44は、液体吐出ヘッド13が有する複数のノズル12のうち、シアンインクを吐出する複数の第4ノズル12dにより構成される。
第1ノズル列L1を構成する複数の第1ノズル12aと、第2ノズル列L2を構成する複数の第2ノズル12bは、直線状に並ぶ。第3ノズル列L3を構成する複数の第3ノズル12cと、第4ノズル列L4を構成する複数の第4ノズル12dは、直線状に並ぶ。
第1ノズル12a及び第3ノズル12cは、第2ノズル12b及び第4ノズル12dより搬送方向Yの下流に位置する。第1ノズル列L1と第3ノズル列L3は、幅方向Xに交互に並ぶ。第2ノズル列L2と第4ノズル列L4は、幅方向Xに交互に並ぶ。
図4に示すように、キャップ22は、吸収部材37が配置される第1領域A1と、吸収部材37が配置されない第2領域A2と、を有する。第1領域A1と第2領域A2は、搬送方向Yに隣り合う領域である。第1領域A1は、第2領域A2よりも搬送方向Yの下流に位置する。
第1領域A1は、キャップ22がキャッピング位置及び受容位置に位置する状態において、第1ノズル群41と第3ノズル群43とに対向する。第2領域A2は、キャップ22がキャッピング位置及び受容位置に位置する状態において、第2ノズル群42と第4ノズル群44とに対向する。
排出孔36は、第1領域A1に設けられる。排出孔36は、キャップ22の底面に開口し、吸収部材37よりも鉛直下方に位置して吸収部材37に覆われている。排出孔36の開口を吸収部材37で覆うと、排出孔36を介してキャップ22内の液体を吸引する場合に、液体が泡立ちにくくなる。
第2領域A2には、傾斜部46を設けてもよい。傾斜部46は、上端よりも鉛直下方に位置する下端が、上端よりも第1領域A1に近い位置に位置する。すなわち、傾斜部46は、第1領域A1に向かって下り斜面としてもよい。
第2領域A2には、第1領域A1まで延びる溝47を設けてもよい。溝47は、複数設けてもよい。溝47の幅は、第2領域A2において受容される液体との間に毛細管現象が生じる程度に狭くすると、液体を溝47に引き込むようにして移動させることができる。溝47は、傾斜部46に沿って高低差を付けて形成し、溝47に沿って液体が移動しやすくしてもよい。
溝47において、第1領域A1に位置する部分は、吸収部材37と接触させてもよい。例えば、溝47は、一部を吸収部材37により覆ってもよいし、溝47の中に吸収部材37を位置させてもよい。溝47を伝って移動する液体は、吸収部材37に接すると吸収部材37に引き込まれるように移動するため、液体を移動させやすくできる。
傾斜部46には、撥液処理を施してもよい。傾斜部46の撥液性は、例えば、キャップ22におけるリップ部35及び液体吐出ヘッド13における開口面13aよりも高くしてもよい。本実施形態では、開口面13aに対する液体の接触角より、リップ部35に対する液体の接触角が小さく、リップ部35に対する液体の接触角より傾斜部46に対する液体の接触角が小さい。傾斜部46の表面から凹むように溝47を設ける場合、溝47の内部の撥液性は、傾斜部46の表面の撥液性よりも低くすると、溝47に液体を引き込みやすい。
次に、図5に示すフローチャートを参照し、制御部33が行うメンテナンスルーチンについて説明する。
なお、このメンテナンスルーチンは、媒体Sに印刷の命令が入力されたタイミングで実行される。
なお、このメンテナンスルーチンは、媒体Sに印刷の命令が入力されたタイミングで実行される。
図5に示すように、ステップS101において、制御部33は、命令された印刷が、モノクロ印刷であるか、カラー印刷であるかを判断する。モノクロ印刷とは、ブラックインクのみを用いる印刷である。カラー印刷とは、ブラックインク、マゼンタインク、イエローインク、シアンインクのうち、少なくとも2つを用いる印刷である。
命令された印刷がカラー印刷である場合には、ステップS101がYESになり、制御部33は、処理をステップS102に移行する。ステップS102において、制御部33は、複数の第2ノズル12b、複数の第3ノズル12c、複数の第4ノズル12dのうち、何れか1つのノズル12が最後に液体を吐出してから経過した時間である非吐出時間を取得する。印刷吐出もしくは予備吐出の後、吸引クリーニングをしている場合には、吸引クリーニングから経過した時間が非吐出時間になる。すなわち、非吐出時間とは、ノズル12内に液体が留まっている時間である。
全てのノズル12から液体を吐出する予備吐出、もしくは全てのノズル12から液体を吸引する吸引クリーニングをしてからの非吐出時間は、全てのノズル12で同じになる。媒体Sに印刷する印刷吐出をしてからの非吐出時間は、ノズル12毎に異なる。制御部33は、複数のノズル12のうち、最も長い非吐出時間を取得する。
ステップS103において、制御部33は、非吐出時間が所定時間よりも長いか否かを判断する。所定時間とは、例えば、制御部33が定期間隔で予備吐出を行う場合、この定期間隔より短い時間である。
非吐出時間が所定時間よりも長い場合は、ステップS103がYESになり、制御部33は、処理をステップS104に移行する。ステップS104において、制御部33は、吸引クリーニングをし、第1ノズル群41〜第4ノズル群44から液体を吸引させる。すなわち、制御部33は、非吐出時間が所定時間を超えた後に第2ノズル12b、第3ノズル12c、第4ノズル12dを使用する印刷の命令があった場合には、印刷を行う前に吸引部24に第2ノズル群42、第3ノズル群43、及び第4ノズル群44から液体を吸引させる。
非吐出時間が所定時間以下の場合は、ステップS103がNOになり、制御部33は、処理をステップS105に移行する。ステップS105において、制御部33は、印刷を開始する。ステップS106において、制御部33は、媒体Sが印刷位置を通過したか否かを判断する。媒体Sが通過していない場合は、ステップS106がNOになり、媒体Sが通過するまで待機する。
媒体Sが通過した場合には、ステップS106がYESになり、制御部33は、処理をステップS107に移行する。ステップS107において、制御部33は、第1ノズル群41〜第4ノズル群44からキャップ22に向かって液体を吐出させて予備吐出を行う。この時、第1ノズル群41〜第4ノズル群44の各ノズル12が吐出する液体の量は同じである。
ステップS108において、制御部33は、印刷を終了するか否かを判断する。印刷を終了しない場合は、ステップS108がNOになり、制御部33は、処理をステップS106に移行して次の媒体Sが印刷位置を通過するまで待機する。印刷を終了する場合は、ステップS108がYESになり、制御部33は、メンテナンスルーチンを終了する。
ステップS101において、命令された印刷がモノクロ印刷である場合には、ステップS101がNOになり、制御部33は、処理をステップS109に移行する。ステップS109において、制御部33は、印刷を開始する。ステップS110において、制御部33は、媒体Sが印刷位置を通過したか否かを判断する。媒体Sが通過していない場合は、ステップS110がNOになり、媒体Sが通過するまで待機する。
媒体Sが通過した場合には、ステップS110がYESになり、制御部33は、処理をステップS111に移行する。ステップS111において、制御部33は、第1ノズル群41からキャップ22に向かって液体を吐出させて予備吐出を行う。この時、第2ノズル群42〜第4ノズル群44には、液体を吐出させなくてもよいし、第1ノズル群41よりも少ない量の液体を吐出させてもよい。すなわち、予備吐出において、第2ノズル12b、第3ノズル12c、及び第4ノズル12dが吐出する液体の吐出量は、第1ノズル12aが吐出する液体の吐出量よりも少ない。
ステップS112において、制御部33は、印刷を終了するか否かを判断する。印刷を終了しない場合は、ステップS112がNOになり、制御部33は、処理をステップS110に移行して次の媒体Sが印刷位置を通過するまで待機する。印刷を終了する場合は、ステップS112がYESになり、制御部33は、メンテナンスルーチンを終了する。
本実施形態の作用について説明する。
制御部33は、モノクロ印刷中の予備吐出において、第2ノズル12b〜第4ノズル12dが吐出する液体の吐出量を、第1ノズル12aが吐出する液体の吐出量よりも少なくする。具体的には、制御部33は、1回の予備吐出において、第2ノズル12b〜第4ノズル12dから吐出する液滴の吐出数を第1ノズル12aから吐出する液滴の吐出数より少なくしてもよい。制御部33は、第2ノズル12b〜第4ノズル12dから吐出する液滴の大きさを、第1ノズル12aから吐出する液滴の大きさよりも小さくしてもよい。
制御部33は、モノクロ印刷中の予備吐出において、第2ノズル12b〜第4ノズル12dが吐出する液体の吐出量を、第1ノズル12aが吐出する液体の吐出量よりも少なくする。具体的には、制御部33は、1回の予備吐出において、第2ノズル12b〜第4ノズル12dから吐出する液滴の吐出数を第1ノズル12aから吐出する液滴の吐出数より少なくしてもよい。制御部33は、第2ノズル12b〜第4ノズル12dから吐出する液滴の大きさを、第1ノズル12aから吐出する液滴の大きさよりも小さくしてもよい。
予備吐出を複数回行う場合、制御部33は、第2ノズル12b〜第4ノズル12dにおける予備吐出の頻度を第1ノズル12aよりも低くしてもよい。例えば、予備吐出において、第1ノズル12aは、毎回液体を吐出し、第2ノズル12b〜第4ノズル12dは、数回に1回液体を吐出してもよい。すなわち、第2ノズル12b〜第4ノズル12dは、1回の予備吐出において吐出される液体の吐出量が第1ノズル12aより少なくてもよいし、複数回の予備吐出において吐出される液体の総量が第1ノズル12aより少なくてもよい。
図3,図4に示すように、第2ノズル12b及び第4ノズル12dから吐出される液体は、キャップ22における第2領域A2に受容された後、第1領域A1に移動する。そのため、第2領域A2には、液体及び液体に含まれる保湿剤が残りにくく、第2領域A2と対向する第2ノズル12b及び第4ノズル12d内の液体は増粘しにくい。
第1領域A1に設けられる吸収部材37は、第1ノズル12aから吐出される液体と、第2領域A2から移動する液体を保持する。予備吐出において、第3ノズル12cが吐出する液体の吐出量が少なくても、第2領域A2から移動する液体によって補うことができる。したがって、吸収部材37と対向する第1ノズル12a及び第3ノズル12cは吸収部材37が保持する液体により保湿される。
モノクロ印刷は、第1ノズル群41のみを使用し、他のノズル群は使用しないため、第2ノズル群42〜第4ノズル群44の状態は、印刷品質には影響しない。これに対し、カラー印刷では、全てのノズル群を使用する。制御部33は、カラー印刷を実行する前に、吸引クリーニングを実行し、増粘したインクをノズル12から排出させてノズル12の状態を回復させる。吸引クリーニングによりノズル12から排出される液体は、第1領域A1に残っていた保湿剤を洗い流すようにして廃液収容体29に収容される。
本実施形態の効果について説明する。
(1)吸収部材37に吸収された液体は、吸収部材37の表面から蒸発する。そのため、吸収部材37の表面積が大きいほど、液体は蒸発しやすい。その点、キャップ22は、第1領域A1に吸収部材37が配置され、第2領域A2には吸収部材37が配置されない。そのため、キャップ22の全体に吸収部材37が配置される場合に比べ、吸収部材37の表面積を小さくすることができ、キャップ22の保湿能力の低下を抑制できる。
(1)吸収部材37に吸収された液体は、吸収部材37の表面から蒸発する。そのため、吸収部材37の表面積が大きいほど、液体は蒸発しやすい。その点、キャップ22は、第1領域A1に吸収部材37が配置され、第2領域A2には吸収部材37が配置されない。そのため、キャップ22の全体に吸収部材37が配置される場合に比べ、吸収部材37の表面積を小さくすることができ、キャップ22の保湿能力の低下を抑制できる。
(2)液体の一例であるインクの中には、保湿剤を含むものがある。保湿剤を含むインクは、インク中の水分が蒸発すると、残った保湿剤がノズル12内のインクから水分を奪い、ノズル12内のインクを増粘させてしまう虞がある。例えばキャップ22に向かってインクを吐出する予備吐出をすれば、水分を補ったり、保湿剤を洗い流したりすることができる。しかし、インクが消費されてしまう。その点、ブラックインクを吐出する第1ノズル群41は、吸収部材37が配置される第1領域A1に対向する。カラーインクを吐出する第2ノズル群42および第4ノズル群44は、吸収部材37が配置されない第2領域A2に対向する。カラーインクは、第2領域A2に受容された後、吸収部材37に引き込まれるように第1領域A1に移動する。そのため、第2領域A2には、保湿剤が残りにくく、第2領域A2と対向する第2ノズル12b、第4ノズル12d内のインクを増粘しにくくできる。
(3)予備吐出において、第2ノズル12b〜第4ノズル12dが吐出する吐出量は、第1ノズル12aが吐出する吐出量よりも少ない。したがって、例えばブラックインクを用いたモノクロ印刷を多く行う液体吐出装置11では、予備吐出において印刷に使用しない第2ノズル12b〜第4ノズル12dの吐出量を少なくすることにより印刷品質の低下を抑制しつつ消費されるカラーインクの量を減らすことができる。
(4)吸引部24は、第1ノズル群41〜第4ノズル群44から液体を吸引する。そのため、予備吐出において第2ノズル群42〜第4ノズル群44から液体を吐出せずに第2ノズル群42に属する第2ノズル12b〜第4ノズル群44に属する第4ノズル12d内の液体が増粘した場合でも、第2ノズル12b〜第4ノズル12dの状態を回復させることができる。
(5)印刷に使用しないノズル12内の液体は、増粘しても印刷品質に影響を与えない。そのため、印刷に使用しないノズル12では、予備吐出をしないことで液体の消費量を減らすことができる。しかし、液体を吐出しない非吐出時間が長くなると、ノズル12内の液体は増粘し、適切に吐出できなくなる。その点、制御部33は、第2ノズル12b〜第4ノズル12dの非吐出時間が所定時間を超えた後に第2ノズル12b〜第4ノズル12dを使用する印刷を行う場合、第2ノズル12b〜第4ノズル12d内の液体を吸引してから印刷する。そのため、予備吐出において第2ノズル12b〜第4ノズル12dから液体を吐出せずに第2ノズル12b〜第4ノズル12d内の液体が増粘した場合でも、第2ノズル12b〜第4ノズル12dの状態を回復させた後に媒体Sに印刷できる。
(6)第2領域A2には、第1領域A1に向かって下る傾斜部46が設けられる。そのため、第2領域A2に受容された液体は、傾斜部46に沿って第1領域A1に近づくように移動しやすい。したがって、第2領域A2に液体が残りにくくすることができる。
(7)撥液処理により傾斜部46の撥液性が高められている。そのため、傾斜部46に付着した液体を移動させやすくできる。
(8)第2領域A2には溝47が設けられているため、第2領域A2に受容された液体を溝47に引き込むようにして第1領域A1に移動させることができる。したがって、第2領域A2に液体が残りにくくすることができる。
(8)第2領域A2には溝47が設けられているため、第2領域A2に受容された液体を溝47に引き込むようにして第1領域A1に移動させることができる。したがって、第2領域A2に液体が残りにくくすることができる。
(9)溝47の一部は吸収部材37により覆われているため、溝47に引き込まれた液体を吸収部材37に吸収させやすくできる。
(10)キャップ22は、吸収部材37により覆われている排出孔36を介して液体を排出するため、排出孔36からは吸収部材37に吸収された液体が排出されやすい。したがって、液体に含まれる保湿剤が吸収部材37に残りにくくできる。
(10)キャップ22は、吸収部材37により覆われている排出孔36を介して液体を排出するため、排出孔36からは吸収部材37に吸収された液体が排出されやすい。したがって、液体に含まれる保湿剤が吸収部材37に残りにくくできる。
(第2実施形態)
次に、液体吐出装置の第2実施形態について図を参照しながら説明する。なお、この第2実施形態は、キャップの構成が第1実施形態の場合とは異なっている。そして、その他の点では第1実施形態とほぼ同じであるため、同一の構成については同一符号を付すことによって重複した説明は省略する。
次に、液体吐出装置の第2実施形態について図を参照しながら説明する。なお、この第2実施形態は、キャップの構成が第1実施形態の場合とは異なっている。そして、その他の点では第1実施形態とほぼ同じであるため、同一の構成については同一符号を付すことによって重複した説明は省略する。
図6に示すように、キャッピング位置もしくは受容位置に位置するキャップ22は、吸収部材37が第1ノズル12a〜第4ノズル12dに対向する。
図6,図7に示すように、第1領域A1は、複数のノズル12と対向する領域に設けられ、第2領域A2は、第1領域A1の外に設けられる。第2領域A2は、幅方向Xにおいて、第1領域A1に挟まれる。第2領域A2には、傾斜部46を設けてもよい。傾斜部46は、幅方向Xの両側に位置する第1領域A1に向かって下る。
図6,図7に示すように、第1領域A1は、複数のノズル12と対向する領域に設けられ、第2領域A2は、第1領域A1の外に設けられる。第2領域A2は、幅方向Xにおいて、第1領域A1に挟まれる。第2領域A2には、傾斜部46を設けてもよい。傾斜部46は、幅方向Xの両側に位置する第1領域A1に向かって下る。
本実施形態の作用について説明する。
予備吐出によりノズル12から吐出される液体は、吸収部材37が受容する。吸収部材37に当たって跳ねた液体や、吐出に伴って飛散した液体が第2領域A2に付着すると、第2領域A2の液体は、傾斜部46及び溝47に沿って第1領域A1に誘導される。そのため、第2領域A2には、液体及び液体に含まれる保湿剤が残りにくく、第1領域A1に位置するノズル12から第2領域A2に水分が引かれにくい。
予備吐出によりノズル12から吐出される液体は、吸収部材37が受容する。吸収部材37に当たって跳ねた液体や、吐出に伴って飛散した液体が第2領域A2に付着すると、第2領域A2の液体は、傾斜部46及び溝47に沿って第1領域A1に誘導される。そのため、第2領域A2には、液体及び液体に含まれる保湿剤が残りにくく、第1領域A1に位置するノズル12から第2領域A2に水分が引かれにくい。
本実施形態の効果について説明する。
(11)吸収部材37が設けられる第1領域A1は、複数のノズル12と対向する。第2領域A2は、第1領域A1の外に設けられ、ノズル12と対向しない。そのため、吸収部材37から蒸発する液体により複数のノズル12を効率よく保湿できる。
(11)吸収部材37が設けられる第1領域A1は、複数のノズル12と対向する。第2領域A2は、第1領域A1の外に設けられ、ノズル12と対向しない。そのため、吸収部材37から蒸発する液体により複数のノズル12を効率よく保湿できる。
(第3実施形態)
次に、液体吐出装置の第3実施形態について図を参照しながら説明する。なお、この第3実施形態は、キャップの構成が第1実施形態の場合とは異なっている。そして、その他の点では第1実施形態とほぼ同じであるため、同一の構成については同一符号を付すことによって重複した説明は省略する。
次に、液体吐出装置の第3実施形態について図を参照しながら説明する。なお、この第3実施形態は、キャップの構成が第1実施形態の場合とは異なっている。そして、その他の点では第1実施形態とほぼ同じであるため、同一の構成については同一符号を付すことによって重複した説明は省略する。
図8に示すように、液体吐出ヘッド13は、ラインヘッドである。第1ノズル群41は、液体吐出ヘッド13が有する複数のノズル12のうち、媒体Sの印刷領域PAにおける中央部と対向する複数の第1ノズル12aにより構成される。第2ノズル群42は、液体吐出ヘッド13が有する複数のノズル12のうち、印刷領域PAにおける両端部と対向する複数の第2ノズル12bにより構成される。印刷領域PAにおける中央部とは、幅方向Xにおける中央を含む領域であり、印刷頻度の高いサイズである基準媒体Scに応じて設定してもよい。
本実施形態の液体吐出装置11において、印刷可能な最大サイズの最大媒体Smは、A3ノビであり、例えば印刷幅Wpは、329mmである。印刷領域PAにおける中央部は、基準媒体ScであるA4サイズに応じて設定する。A4サイズの基準媒体Scを縦向きで印刷するとき、基準媒体Scの幅方向Xにおける大きさである基準幅Wbは210mmである。印刷領域PAの中央部の幅は、基準幅Wbに一致する。
ここで、基準媒体Scの幅方向Xにおける両端部は印刷を行わずに余白を設ける場合が多い。その為、印刷領域PAにおける両端部として基準幅Wbの両端部も含むようにし、その両端部と対向する複数のノズル12、すなわち、複数の第2ノズル12bによって第2ノズル群42が構成されるようにしてもよい。
第2ノズル群42は、幅方向Xにおいて第1ノズル群41の両側に位置する。液体吐出ヘッド13は、2つの第2ノズル群42と、幅方向Xにおいて2つの第2ノズル群42の間に位置する第1ノズル群41と、を有する。具体的には、1つの第2ノズル群42は、第1ノズル群41よりも幅方向Xに平行な第1方向に位置し、1つの第2ノズル群42は、第1方向とは反対の第2方向に位置する。2つの第2ノズル群42は、それぞれ幅方向Xにおいて第1ノズル群41と隣り合う。
メンテナンス装置21は、幅方向Xに並ぶ第1キャップ22a〜第6キャップ22fを有する。第1領域A1は、第1ノズル群41に対向し、第2領域A2は、第1領域A1の両側に位置して第2ノズル群42に対向する。
第1キャップ22aは、幅方向Xにおいて第2キャップ22bから遠い外側が第2領域A2であり、第2キャップ22bに近い内側が第1領域A1である。第1キャップ22aは、第2領域A2に設けられる傾斜部46と、第1領域A1に設けられる吸収部材37と、を備える。
第2キャップ22b〜第5キャップ22eは、第1領域A1に位置する。すなわち、第2キャップ22b〜第5キャップ22eは、全体が第1ノズル群41に対向する第1領域A1に位置し、第2キャップ22b〜第5キャップ22e内には、全域に吸収部材37が敷き詰められている。
第6キャップ22fは、幅方向Xにおいて第5キャップ22eから遠い外側が第2領域A2であり、第5キャップ22eに近い内側が第1領域A1である。第6キャップ22fは、第2領域A2に設けられる傾斜部46と、第1領域A1に設けられる吸収部材37と、を備える。
次に、図9に示すフローチャートを参照し、制御部33が行うメンテナンスルーチンについて説明する。
なお、このメンテナンスルーチンは、媒体Sに印刷の命令が入力されたタイミングで実行される。
なお、このメンテナンスルーチンは、媒体Sに印刷の命令が入力されたタイミングで実行される。
図9に示すように、ステップS201において、制御部33は、命令された印刷が、基準幅Wbより幅方向Xの大きさが大きい媒体Sに印刷するものであるか否かを判断する。例えば、最大媒体Smに印刷する場合、最大媒体Smの幅は、基準幅Wbよりも大きいため、ステップS201はYESとなり、制御部33は、処理をステップS202に移行する。
ステップS202において、制御部33は、複数の第2ノズル12bのうち、何れか1つの第2ノズル12bが最後に液体を吐出してから経過した時間である非吐出時間を取得する。ステップS203において、制御部33は、非吐出時間が所定時間よりも長いか否かを判断する。非吐出時間が所定時間よりも長い場合は、ステップS203がYESになり、制御部33は、処理をステップS204に移行する。ステップS204において、制御部33は、吸引クリーニングをし、第1ノズル群41及び2つの第2ノズル群42から液体を吸引させる。すなわち、制御部33は、非吐出時間が所定時間を超えた後に第2ノズル12bを使用する印刷の命令があった場合には、印刷を行う前に吸引部24に2つの第2ノズル群42から液体を吸引させる。
非吐出時間が所定時間以下の場合は、ステップS203がNOになり、制御部33は、処理をステップS205に移行する。ステップS205において、制御部33は、印刷を開始する。ステップS206において、制御部33は、媒体Sが印刷位置を通過したか否かを判断する。媒体Sが通過していない場合は、ステップS206がNOとなり、媒体Sが通過するまで待機する。
媒体Sが通過した場合には、ステップS206がYESとなり、制御部33は、処理をステップS207に移行する。ステップS207において、制御部33は、第1ノズル群41及び2つの第2ノズル群42からキャップ22に向かって液体を吐出させて予備吐出を行う。この時、第1ノズル群41及び第2ノズル群42の各ノズル12が吐出する液体の量は同じである。
ステップS208において、制御部33は、印刷が終了したか否かを判断する。印刷が終了していない場合は、ステップS208がNOとなり、制御部33は、処理をステップS206に移行して次の媒体Sが印刷位置を通過するまで待機する。印刷が終了する場合は、ステップS208がYESとなり、制御部33は、メンテナンスルーチンを終了する。
ステップS201において、命令された印刷が、基準幅Wb以下の媒体Sに印刷する場合、ステップS201はNOとなり、制御部33は、処理をステップS209に移行する。ステップS209において、制御部33は、印刷を開始する。ステップS210において、制御部33は、媒体Sが印刷位置を通過したか否かを判断する。媒体Sが通過していない場合は、ステップS210がNOとなり、媒体Sが通過するまで待機する。
ここで、ステップS201とステップS209の間に、媒体Sの両端の余白が通常よりも少ないか否かを判断するステップを追加してもよい。もし余白が通常以上である場合にはそのままステップS209へ進み、余白が通常よりも少ない場合にはステップS202に進むようにしてもよい。
媒体Sが通過した場合には、ステップS210がYESとなり、制御部33は、処理をステップS211に移行する。ステップS211において、制御部33は、第1ノズル群41からキャップ22に向かって液体を吐出させて予備吐出を行う。この時、第2ノズル群42には、液体を吐出させなくてもよいし、第1ノズル群41よりも少ない量の液体を吐出させてもよい。すなわち、予備吐出において、第2ノズル12bが吐出する液体の吐出量は、第1ノズル12aが吐出する液体の吐出量よりも少ない。
ステップS212において、制御部33は、印刷が終了したか否かを判断する。印刷が終了していない場合は、ステップS212がNOとなり、制御部33は、処理をステップS210に移行して次の媒体Sが印刷位置を通過するまで待機する。印刷が終了する場合は、ステップS212がYESとなり、制御部33は、メンテナンスルーチンを終了する。
本実施形態の作用について説明する。
制御部33は、基準媒体Scに印刷する場合、液体吐出ヘッド13が有するノズル12のうち、第1ノズル群41を使用して印刷する。制御部33は、基準媒体Scに印刷中の予備吐出において、第2ノズル12bが吐出する液体の吐出量を、第1ノズル12aが吐出する液体の吐出量よりも少なくする。
制御部33は、基準媒体Scに印刷する場合、液体吐出ヘッド13が有するノズル12のうち、第1ノズル群41を使用して印刷する。制御部33は、基準媒体Scに印刷中の予備吐出において、第2ノズル12bが吐出する液体の吐出量を、第1ノズル12aが吐出する液体の吐出量よりも少なくする。
第2ノズル12bから吐出される液体は、キャップ22における第2領域A2に受容された後、第1領域A1に移動する。そのため、第2領域A2には、液体及び液体に含まれる保湿剤が残りにくく、第2領域A2と対向する第2ノズル12b内の液体は増粘しにくい。
基準媒体Scに印刷する場合、第1ノズル群41のみを使用し、第2ノズル群42は使用しない。そのため、第2ノズル群42の状態は、印刷品質には影響しない。これに対し、最大媒体Smに印刷する場合には、第1ノズル群41及び第2ノズル群42を使用する。制御部33は、印刷を実行する前に、吸引クリーニングを実行し、増粘した液体をノズル12から排出させてノズル12の状態を回復させる。吸引クリーニングによりノズル12から排出される液体は、第1領域A1に残っていた保湿剤を洗い流すようにして廃液収容体29に収容される。
同様に、基準媒体Scに通常の余白で印刷する場合にも、第1ノズル群41のみを使用し、第2ノズル群42は使用しない。これに対し、基準媒体Scに余白を少なくした状態で印刷する場合や、余白無しで印刷する場合などには、第1ノズル群41及び第2ノズル群42を使用する。この場合にも、制御部33は、印刷を実行する前に、吸引クリーニングを実行し、増粘した液体をノズル12から排出させてノズル12の状態を回復させるようにしてもよい。
本実施形態の効果について説明する。
(12)印刷領域PAの全体にノズル12が配置されるラインヘッドは、印刷領域PAにおける中央部に位置する第1ノズル群41よりも、印刷領域PAにおける両端部に位置する第2ノズル群42の使用頻度が低い傾向がある。ノズル12内のインクは、使用頻度が高いノズル12ほど入れ替わりやすく、増粘しにくい。そのため、第2ノズル群42から吐出される液体は、第1ノズル群41から吐出される液体より粘度が高いことがある。保湿剤を含む液体は、液体中の水分が減少して粘度が上昇すると、周囲の水分を取りこみやすい。その点、第2ノズル群42から吐出された粘度の高い液体は、第2領域A2に受容されたのち、吸収部材37に引き込まれるように第1領域A1に移動する。そのため、第2領域A2には、保湿剤が残りにくく、第2領域A2と対向する第2ノズル12b内のインクを増粘しにくくできる。
(12)印刷領域PAの全体にノズル12が配置されるラインヘッドは、印刷領域PAにおける中央部に位置する第1ノズル群41よりも、印刷領域PAにおける両端部に位置する第2ノズル群42の使用頻度が低い傾向がある。ノズル12内のインクは、使用頻度が高いノズル12ほど入れ替わりやすく、増粘しにくい。そのため、第2ノズル群42から吐出される液体は、第1ノズル群41から吐出される液体より粘度が高いことがある。保湿剤を含む液体は、液体中の水分が減少して粘度が上昇すると、周囲の水分を取りこみやすい。その点、第2ノズル群42から吐出された粘度の高い液体は、第2領域A2に受容されたのち、吸収部材37に引き込まれるように第1領域A1に移動する。そのため、第2領域A2には、保湿剤が残りにくく、第2領域A2と対向する第2ノズル12b内のインクを増粘しにくくできる。
(13)予備吐出において、第2ノズル12bが吐出する吐出量は、第1ノズル12aが吐出する吐出量よりも少ない。したがって、ラインヘッドである液体吐出ヘッド13が第1ノズル群41を用いて印刷を行う場合には、予備吐出において、印刷に使用しない第2ノズル12bの吐出量を少なくすることにより、印刷品質の低下を抑制しつつ消費される液体の量を減らすことができる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・排出孔36は、第2領域A2に設けてもよい。排出孔36は、吸収部材37から露出していてもよい。
・排出孔36は、第2領域A2に設けてもよい。排出孔36は、吸収部材37から露出していてもよい。
・1つのキャップ22は、複数の排出孔36を有してもよい。複数の排出孔36は、第1領域A1に設けてもよい。吸収部材37は第1領域A1に位置する複数の排出孔36を覆ってもよい。
・排出孔36には、吸引流路23を接続しなくてもよい。キャップ22内の液体は、排出孔36から重力によりキャップ22の外に排出してもよい。
・吸収部材37は、溝47から離して設けてもよい。
・吸収部材37は、溝47から離して設けてもよい。
・溝47は、第2領域A2内に設けてもよい。溝47に引き込まれるように移動する液体は、第1領域A1付近に溜まり、溜まった液体が吸収部材37に接することで吸収部材37に引き込まれてもよい。
・傾斜部46は、リップ部35と同じ材料により構成してもよい。例えば、傾斜部46及びリップ部35は、ゴムやエラストマーにより構成してもよい。傾斜部46とリップ部35とを一体で形成すると、傾斜部46をリップ部35に対して隙間なく形成できるため、隙間に液体が残る虞を低減できる。傾斜部46は、リップ部35とは別体で形成してもよい。例えば傾斜部46は、樹脂製のキャップ22の底面にゴム製の別部材を設けて形成してもよい。
・第2領域A2の撥液性は、リップ部35もしくは開口面13aと同じでもよい。
・第2領域A2は、水平に形成してもよい。
・液体吐出装置11は、吸引クリーニングを行うための吸引キャップを別に備えてもよい。すなわち、キャップ22は、予備吐出によりノズル12から吐出される液体を受容してもよい。
・第2領域A2は、水平に形成してもよい。
・液体吐出装置11は、吸引クリーニングを行うための吸引キャップを別に備えてもよい。すなわち、キャップ22は、予備吐出によりノズル12から吐出される液体を受容してもよい。
・制御部33は、非吐出時間には関係なく、印刷を開始する前に吸引クリーニングを実行させてもよい。
・非吐出時間が所定時間を超えた後に印刷を開始する前に、制御部33は、ノズル群ごとに異なるメンテナンスを行ってもよい。例えば、第1実施形態における液体吐出装置11では、第1ノズル12aからは、吐出量の少ない予備吐出を実行し、第2ノズル12b〜第4ノズル12dからは、第1ノズル12aの吐出量よりも多い液体を吐出する予備吐出を実行してもよい。第3実施形態における液体吐出装置11では、第1キャップ22a及び第6キャップ22fのみ吸引クリーニングを実行させてもよい。すなわち、制御部33は、第2ノズル群42を含む単位ヘッド39のみ吸引クリーニングさせてもよい。
・非吐出時間が所定時間を超えた後に印刷を開始する前に、制御部33は、ノズル群ごとに異なるメンテナンスを行ってもよい。例えば、第1実施形態における液体吐出装置11では、第1ノズル12aからは、吐出量の少ない予備吐出を実行し、第2ノズル12b〜第4ノズル12dからは、第1ノズル12aの吐出量よりも多い液体を吐出する予備吐出を実行してもよい。第3実施形態における液体吐出装置11では、第1キャップ22a及び第6キャップ22fのみ吸引クリーニングを実行させてもよい。すなわち、制御部33は、第2ノズル群42を含む単位ヘッド39のみ吸引クリーニングさせてもよい。
・液体吐出ヘッド13は、移動しながら停止した状態の媒体Sに向かって液体を吐出して印刷するシリアルタイプであってもよい。液体吐出ヘッド13は、1つの単位ヘッド39を備える構成としてもよい。
・液体吐出装置11は、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体吐出装置であってもよい。液体吐出装置から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。ここでいう液体は、液体吐出装置から吐出させることができるような材料であればよい。例えば、液体は、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属、金属融液、のような流状体を含むものとする。液体は、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体吐出装置の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を吐出する装置がある。液体吐出装置は、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を吐出する装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を吐出する装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。液体吐出装置は、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を吐出する装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ、光学レンズ、などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に吐出する装置であってもよい。液体吐出装置は、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を吐出する装置であってもよい。
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
(A)液体吐出装置は、搬送される媒体に対して複数のノズルから液体を吐出して印刷を行う液体吐出ヘッドと、前記複数のノズルが開口する閉空間を形成可能なキャップと、前記キャップ内に設けられるとともに前記液体を吸収可能な吸収部材と、を備え、前記キャップは、前記吸収部材が配置される第1領域と、前記吸収部材が配置されない第2領域と、を有する。
(A)液体吐出装置は、搬送される媒体に対して複数のノズルから液体を吐出して印刷を行う液体吐出ヘッドと、前記複数のノズルが開口する閉空間を形成可能なキャップと、前記キャップ内に設けられるとともに前記液体を吸収可能な吸収部材と、を備え、前記キャップは、前記吸収部材が配置される第1領域と、前記吸収部材が配置されない第2領域と、を有する。
吸収部材に吸収された液体は、吸収部材の表面から蒸発する。そのため、吸収部材の表面積が大きいほど、液体は蒸発しやすい。その点、この構成によれば、キャップは、第1領域に吸収部材が配置され、第2領域には吸収部材が配置されない。そのため、キャップの全体に吸収部材が配置される場合に比べ、吸収部材の表面積を小さくすることができ、キャップの保湿能力の低下を抑制できる。
(B)液体吐出装置は、前記複数のノズルのうち、前記液体としてブラックインクを吐出する複数の第1ノズルにより第1ノズル群が構成され、前記複数のノズルのうち、前記液体としてカラーインクを吐出する複数の第2ノズルにより第2ノズル群が構成され、前記第1領域は、前記第1ノズル群に対向し、前記第2領域は、前記第2ノズル群に対向してもよい。
液体の一例であるインクの中には、保湿剤を含むものがある。保湿剤を含むインクは、インク中の水分が蒸発すると、残った保湿剤がノズル内のインクから水分を奪い、ノズル内のインクを増粘させてしまう虞がある。例えばキャップに向かってインクを吐出する予備吐出をすれば、水分を補ったり、保湿剤を洗い流したりすることができる。しかし、インクが消費されてしまう。その点、この構成によれば、ブラックインクを吐出する第1ノズル群は、吸収部材が配置される第1領域に対向する。カラーインクを吐出する第2ノズル群は、吸収部材が配置されない第2領域に対向する。カラーインクは、第2領域に受容された後、吸収部材に引き込まれるように第1領域に移動する。そのため、第2領域には、保湿剤が残りにくく、第2領域と対向する第2ノズル内のインクを増粘しにくくできる。
(C)液体吐出装置において、前記キャップは、2つの前記第2領域を有し、前記液体吐出ヘッドは、ラインヘッドであり、前記複数のノズルのうち、前記媒体の印刷領域における中央部と対向する複数の第1ノズルにより構成される第1ノズル群と、前記第1ノズルとは異なる複数の第2ノズルにより構成され、前記印刷領域における両端部に位置する2つの第2ノズル群と、を有し、前記第1領域は、前記第1ノズル群に対向し、前記第2領域は、対応する前記第2ノズル群に対向してもよい。
印刷領域の全体にノズルが配置されるラインヘッドは、印刷領域における中央部に位置する第1ノズル群よりも、印刷領域における両端部に位置する第2ノズル群の使用頻度が低い傾向がある。ノズル内のインクは、使用頻度が高いノズルほど入れ替わりやすく、増粘しにくい。そのため、第2ノズル群から吐出される液体は、第1ノズル群から吐出される液体より粘度が高いことがある。保湿剤を含む液体は、液体中の水分が減少して粘度が上昇すると、周囲の水分を取りこみやすい。その点、この構成によれば、第2ノズル群から吐出された粘度の高い液体は、第2領域に受容されたのち、吸収部材に引き込まれるように第1領域に移動する。そのため、第2領域には、保湿剤が残りにくく、第2領域と対向する第2ノズル内のインクを増粘しにくくできる。
(D)液体吐出装置において、前記液体吐出ヘッドは、前記印刷を行うために前記媒体に向かって前記液体を吐出する印刷吐出と、前記印刷とは関係のない前記液体を前記キャップに向かって吐出する予備吐出と、を実行可能であり、前記予備吐出において、前記第2ノズルが吐出する前記液体の吐出量は、前記第1ノズルが吐出する前記液体の吐出量よりも少なくてもよい。
この構成によれば、予備吐出において、第2ノズルが吐出する吐出量は、第1ノズルが吐出する吐出量よりも少ない。したがって、例えばブラックインクを用いたモノクロ印刷を多く行う液体吐出装置では、予備吐出において印刷に使用しない第2ノズルの吐出量を少なくすることにより、印刷品質の低下を抑制しつつ消費されるカラーインクの量を減らすことができる。ラインヘッドである液体吐出ヘッドが第1ノズル群を用いて印刷を行う場合には、予備吐出において、印刷に使用しない第2ノズルの吐出量を少なくすることにより、印刷品質の低下を抑制しつつ消費される液体の量を減らすことができる。
(E)液体吐出装置において、前記キャップを介して前記複数のノズルから前記液体吐出ヘッド内の前記液体を吸引可能な吸引部をさらに備え、前記液体吐出ヘッドは、前記印刷を行うために前記媒体に向かって前記液体を吐出する印刷吐出と、前記印刷とは関係のない前記液体を前記キャップに向かって吐出する予備吐出と、を実行可能であり、前記予備吐出では、前記第1ノズル群から前記液体を吐出し、前記吸引部は、前記第1ノズル群及び前記第2ノズル群から前記液体を吸引してもよい。
この構成によれば、吸引部は、第1ノズル群及び第2ノズル群から液体を吸引する。そのため、予備吐出において第2ノズル群から液体を吐出せずに第2ノズル群に属する第2ノズル内の液体が増粘した場合でも、第2ノズルの状態を回復させることができる。
(F)液体吐出装置は、前記キャップを介して前記複数のノズルから前記液体吐出ヘッド内の前記液体を吸引可能な吸引部と、前記第2ノズルが前記液体を吐出してから経過した非吐出時間が所定時間を超えた後に前記第2ノズルを使用する前記印刷の命令があった場合には、該印刷を行う前に前記吸引部に前記第2ノズル群から前記液体を吸引させる制御部と、を備えてもよい。
印刷に使用しないノズル内の液体は、増粘しても印刷品質に影響を与えない。そのため、印刷に使用しないノズルでは、予備吐出をしないことで液体の消費量を減らすことができる。しかし、液体を吐出しない非吐出時間が長くなると、ノズル内の液体は増粘し、適切に吐出できなくなる。その点、この構成によれば、制御部は、第2ノズルの非吐出時間が所定時間を超えた後に第2ノズルを使用する印刷を行う場合、第2ノズル内の液体を吸引してから印刷する。そのため、予備吐出において第2ノズルから液体を吐出せずに第2ノズル内の液体が増粘した場合でも、第2ノズルの状態を回復させた後に媒体に印刷できる。
(G)液体吐出装置において、前記第1領域は、前記複数のノズルと対向する領域に設けられ、前記第2領域は、前記第1領域の外に設けられてもよい。
この構成によれば、吸収部材が設けられる第1領域は、複数のノズルと対向する。第2領域は、第1領域の外に設けられ、ノズルと対向しない。そのため、吸収部材から蒸発する液体により複数のノズルを効率よく保湿できる。
この構成によれば、吸収部材が設けられる第1領域は、複数のノズルと対向する。第2領域は、第1領域の外に設けられ、ノズルと対向しない。そのため、吸収部材から蒸発する液体により複数のノズルを効率よく保湿できる。
(H)液体吐出装置において、前記第2領域には、傾斜部が設けられ、前記傾斜部は、上端よりも鉛直下方に位置する下端が、前記上端よりも前記第1領域に近い位置に位置してもよい。
この構成によれば、第2領域には、第1領域に向かって下る傾斜部が設けられる。そのため、第2領域に受容された液体は、傾斜部に沿って第1領域に近づくように移動しやすい。したがって、第2領域に液体が残りにくくすることができる。
(I)液体吐出装置において、前記傾斜部には、撥液処理が施されていてもよい。
この構成によれば、撥液処理により傾斜部の撥液性が高められている。そのため、傾斜部に付着した液体を移動させやすくできる。
この構成によれば、撥液処理により傾斜部の撥液性が高められている。そのため、傾斜部に付着した液体を移動させやすくできる。
(J)液体吐出装置において、前記第2領域には、前記第1領域まで延びる溝が設けられてもよい。
この構成によれば、第2領域には溝が設けられているため、第2領域に受容された液体を溝に引き込むようにして第1領域に移動させることができる。したがって、第2領域に液体が残りにくくすることができる。
この構成によれば、第2領域には溝が設けられているため、第2領域に受容された液体を溝に引き込むようにして第1領域に移動させることができる。したがって、第2領域に液体が残りにくくすることができる。
(K)液体吐出装置において、前記溝の一部は、前記吸収部材に覆われていてもよい。
この構成によれば、溝の一部は吸収部材により覆われているため、溝に引き込まれた液体を吸収部材に吸収させやすくできる。
この構成によれば、溝の一部は吸収部材により覆われているため、溝に引き込まれた液体を吸収部材に吸収させやすくできる。
(L)液体吐出装置において、前記キャップは、該キャップ内の前記液体を排出する排出孔を有し、前記排出孔は、前記吸収部材に覆われていてもよい。
この構成によれば、キャップは、吸収部材により覆われている排出孔を介して液体を排出するため、排出孔からは吸収部材に吸収された液体が排出されやすい。したがって、液体に含まれる保湿剤が吸収部材に残りにくくできる。
この構成によれば、キャップは、吸収部材により覆われている排出孔を介して液体を排出するため、排出孔からは吸収部材に吸収された液体が排出されやすい。したがって、液体に含まれる保湿剤が吸収部材に残りにくくできる。
11…液体吐出装置、12…ノズル、12a…第1ノズル、12b…第2ノズル、12c…第3ノズル、12d…第4ノズル、13…液体吐出ヘッド、13a…開口面、14…保持部、15…液体供給源、16…供給流路、17…搬送ローラー、18…媒体支持部、18a…駆動ローラー、18b…従動ローラー、18c…搬送ベルト、19…収容カセット、20…保持トレイ、21…メンテナンス装置、22…キャップ、22a…第1キャップ、22b…第2キャップ、22c…第3キャップ、22d…第4キャップ、22e…第5キャップ、22f…第6キャップ、23…吸引流路、24…吸引部、25…キャップホルダー、26…移動機構、28…装着部、29…廃液収容体、30…ワイピング装置、33…制御部、35…リップ部、36…排出孔、37…吸収部材、39…単位ヘッド、41…第1ノズル群、42…第2ノズル群、43…第3ノズル群、44…第4ノズル群、46…傾斜部、47…溝、A1…第1領域、A2…第2領域、L1…第1ノズル列、L2…第2ノズル列、L3…第3ノズル列、L4…第4ノズル列、PA…印刷領域、Rc…搬送路、S…媒体、Sc…基準媒体、Sm…最大媒体、Wb…基準幅、Wp…印刷幅、X…幅方向、Y…搬送方向、Z…吐出方向。
Claims (12)
- 搬送される媒体に対して複数のノズルから液体を吐出して印刷を行う液体吐出ヘッドと、
前記複数のノズルが開口する閉空間を形成可能なキャップと、
前記キャップ内に設けられるとともに前記液体を吸収可能な吸収部材と、
を備え、
前記キャップは、
前記吸収部材が配置される第1領域と、
前記吸収部材が配置されない第2領域と、
を有することを特徴とする液体吐出装置。 - 前記複数のノズルのうち、前記液体としてブラックインクを吐出する複数の第1ノズルにより第1ノズル群が構成され、
前記複数のノズルのうち、前記液体としてカラーインクを吐出する複数の第2ノズルにより第2ノズル群が構成され、
前記第1領域は、前記第1ノズル群に対向し、
前記第2領域は、前記第2ノズル群に対向することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。 - 前記キャップは、2つの前記第2領域を有し、
前記液体吐出ヘッドは、ラインヘッドであり、
前記複数のノズルのうち、前記媒体の印刷領域における中央部と対向する複数の第1ノズルにより構成される第1ノズル群と、
前記第1ノズルとは異なる複数の第2ノズルにより構成され、前記印刷領域における両端部に位置する2つの第2ノズル群と、
を有し、
前記第1領域は、前記第1ノズル群に対向し、
前記第2領域は、対応する前記第2ノズル群に対向することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。 - 前記液体吐出ヘッドは、
前記印刷を行うために前記媒体に向かって前記液体を吐出する印刷吐出と、
前記印刷とは関係のない前記液体を前記キャップに向かって吐出する予備吐出と、
を実行可能であり、
前記予備吐出において、前記第2ノズルが吐出する前記液体の吐出量は、前記第1ノズルが吐出する前記液体の吐出量よりも少ないことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の液体吐出装置。 - 前記キャップを介して前記複数のノズルから前記液体吐出ヘッド内の前記液体を吸引可能な吸引部をさらに備え、
前記液体吐出ヘッドは、
前記印刷を行うために前記媒体に向かって前記液体を吐出する印刷吐出と、
前記印刷とは関係のない前記液体を前記キャップに向かって吐出する予備吐出と、
を実行可能であり、
前記予備吐出では、前記第1ノズル群から前記液体を吐出し、
前記吸引部は、前記第1ノズル群及び前記第2ノズル群から前記液体を吸引することを特徴とする請求項2〜請求項4のうち何れか一項に記載の液体吐出装置。 - 前記キャップを介して前記複数のノズルから前記液体吐出ヘッド内の前記液体を吸引可能な吸引部と、
前記第2ノズルが前記液体を吐出してから経過した非吐出時間が所定時間を超えた後に前記第2ノズルを使用する前記印刷の命令があった場合には、該印刷を行う前に前記吸引部に前記第2ノズル群から前記液体を吸引させる制御部と、
を備えることを特徴とする請求項2〜請求項5のうち何れか一項に記載の液体吐出装置。 - 前記第1領域は、前記複数のノズルと対向する領域に設けられ、
前記第2領域は、前記第1領域の外に設けられることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。 - 前記第2領域には、傾斜部が設けられ、
前記傾斜部は、上端よりも鉛直下方に位置する下端が、前記上端よりも前記第1領域に近い位置に位置することを特徴とする請求項1〜請求項7のうち何れか一項に記載の液体吐出装置。 - 前記傾斜部には、撥液処理が施されていることを特徴とする請求項8に記載の液体吐出装置。
- 前記第2領域には、前記第1領域まで延びる溝が設けられることを特徴とする請求項1〜請求項9のうち何れか一項に記載の液体吐出装置。
- 前記溝の一部は、前記吸収部材に覆われていることを特徴とする請求項10に記載の液体吐出装置。
- 前記キャップは、該キャップ内の前記液体を排出する排出孔を有し、
前記排出孔は、前記吸収部材に覆われていることを特徴とする請求項1〜請求項11のうち何れか一項に記載の液体吐出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019079894A JP2020175601A (ja) | 2019-04-19 | 2019-04-19 | 液体吐出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2019079894A JP2020175601A (ja) | 2019-04-19 | 2019-04-19 | 液体吐出装置 |
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JP2020175601A true JP2020175601A (ja) | 2020-10-29 |
Family
ID=72936500
Family Applications (1)
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JP2019079894A Pending JP2020175601A (ja) | 2019-04-19 | 2019-04-19 | 液体吐出装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2020175601A (ja) |
-
2019
- 2019-04-19 JP JP2019079894A patent/JP2020175601A/ja active Pending
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