JP2020174955A - ボール回収輪及びボール回収機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ボールの拾い上げと解放の双方を確実に実行し得る、ボール回収輪及びボール回収機を提供する。【解決手段】面G上を転動することにより面上の多数のボールBを回収するボール回収輪5であって、外周に環状の多条溝16を備え、該多条溝16を構成する各環状溝17内には弾性によってボールBの出入りを許容するボールポケット18が連続的に形成され、該各ボールポケット18はボールBを一つだけしか保持できない大きさであり、隣り合う環状溝17,17の各ボールポケット18が環状溝17,17の周方向にずれた位置となるように形成される。【選択図】 図4

Description

本発明は、面上を転動することにより面上に散乱した多数のボールを回収するボール回収輪に関するものである。本発明はまた、ボール回収輪を備えるボール回収機に関するものである。
ボール回収機の一種として、打ち放しのゴルフ練習場等において、芝生上に散乱した多数のゴルフボールを効率よく回収できるようにしたゴルフボール回収車が知られている。特許文献1には、そのようなゴルフボール回収車の一例として、次のものが記載されている。
後部に自由車輪又は操向輪を有するフレームの前部に、互いに接近した環状の多条溝を有するボール保持輪を備える。このボール保持輪は地面に接触する自由転輪であり、フレームの移動時に地面上を転動する。ボール保持輪の多条溝は、相互間に等間隔をおいて集積される多数のディスクによって形成される。各ディスクは弾性体で形成され、各ディスクの弾性により、隣り合うディスク間にゴルフボールが挟持される。ボール保持輪の上部には、櫛形のスクイーザが多条溝への突入状態で配設される。多条溝に挟持されて地面から連続的に拾い上げられるゴルフボールはスクイーザに当接することでボール保持輪から掻き落とされる。フレーム上には回収ケースが配設されており、スクイーザによって掻き落とされるゴルフボールが回収ケース内に収容される。
このゴルフボール回収車によれば、地面に散乱したゴルフボールに向かって人力又は動力駆動によって回収車を前進させるだけで、ゴルフボールを簡単に回収することができ、回収能率を大幅に向上させることができる。
また、前記特許文献1には、ボール保持輪のV型の溝の両側面にゴルフボールを保持する凹部を設けると、ゴルフボールの保持が一層確実になり、また、隣接凹部間にリブ状の瀬切を設けると、個々のボール保持輪の弾性が増し、ゴルフボール保持のために適度な腰の強さが得られる、と記載されている。
実開昭50−53061号公報 WO00/78410 A1公報
しかしながら、前記従来のゴルフボール回収車においては、特許文献1の第3図から明らかなように、ボール保持輪の環状の多条溝において、ゴルフボール保持用の凹部が隣り合う環状溝の周上で互いに一致する位置に配設されている。このため、隣り合う環状溝の周上の互いに一致する位置の凹部にゴルフボールが同時に挟持されると、スクイーザによるゴルフボールの解放時に凹部の出口が開きにくくなるため、ゴルフボールがボール保持輪から解放されない(挟まったままの)状態となることがある。
特に、隣り合う三つ以上の環状溝の周上の互いに一致する位置の凹部にゴルフボールが同時に挟持された場合には、スクイーザによるゴルフボールの解放時に凹部の出口が一層開きにくくなるため、スクイーザによるゴルフボールの掻き落としが円滑に行われなくなってしまい、ボール保持輪がロックされた状態となり、ボール保持輪の回転が止まってしまうこともある。
さらに、隣り合っていない複数の環状溝においても、これらの環状溝の周上の互いに一致する位置にゴルフボールが同時に挟持されると、複数のゴルフボールが同時にスクイーザに当たることになるので、複数のゴルフボールを同時に掻き落とすのに必要な力がボール保持輪の回転力を上回る場合には、前記と同様にボール保持輪の回転が止まってしまう。
このような事態が、例えば特許文献2に示すような無人自動走行式のボール回収ロボットで起こると、ロボットは移動しており外見上はボール回収作業をしているように見えるのに、実際にはボールの回収ができていないことになる。そして、ロボットの管理者が異常に気づくまでロボットの無駄な走行が続いてしまい、作業効率が最悪となるほか、ロボット稼働エネルギーの大きな損失にもなる。
本発明は、前記のような事情に鑑みてなされたもので、ボールの拾い上げと解放の双方を確実に実行し得る、ボール回収輪を提供しようとするものである。
本発明はまた、前記ボール回収輪を備えるボール回収機を提供しようとするものである。
前記課題を解決するため、請求項1の本発明に係るボール回収輪は、面上を転動することにより面上の多数のボールを回収するボール回収輪であって、外周に環状の多条溝を備え、該多条溝を構成する各環状溝内には弾性によってボールの出入りを許容するボールポケットが連続的に形成され、該各ボールポケットはボールを一つだけしか保持できない大きさであり、隣り合う環状溝の各ボールポケットが環状溝の周方向にずれた位置となるように形成されることを特徴とする。
請求項2の本発明に係るボール回収輪は、請求項1のものにおいて、前記各ボールポケットの互いに対向する内面が平坦面であり、前記各ボールポケット内で前記平坦面に沿ってボールが移動できるように前記各ボールポケット内の横幅が設定されていることを特徴とする。
請求項3の本発明に係るボール回収輪は、請求項1又は2のものにおいて、相互間に前記環状溝を形成する多数のディスクを備え、該各ディスクの周縁の断面形状がディスクの半径方向の長軸を有するひし形状に形成されることを特徴とする。
請求項4の本発明に係るボール回収輪は、請求項1又は2のものにおいて、前記多条溝が同一構成の多数のディスクの集合によって形成され、該各ディスクの両面に、前記ボールポケットを区画形成する放射方向に延びる凸条が等間隔で配設され、前記各ディスクの両面の前記凸条が周方向にずれた位置に形成されることを特徴とする。
請求項5の本発明に係るボール回収機は、請求項1乃至4のいずれかに記載のボール回収輪を有する移動可能な機体と、前記各環状溝へ突入するように前記機体に配設され、前記ボール回収輪で拾い上げられたボールを該ボール回収輪から解放するスクイーザと、該スクイーザで解放されたボールを収容する回収ケースと、を備えることを特徴とする。なお、前記機体は、動力による自走式のものであっても良いし、手押し式等、人力によって移動させられるものであっても良い。
請求項6の本発明に係るボール回収機は、請求項5のものにおいて、前記ボール回収輪から解放されるボールの数をカウントする接触式のカウントセンサを備え、前記各環状溝が隣り合うディスクによって形成され、前記ボールポケットを区画形成するための放射方向に延びる凸条が前記隣り合うディスクの相互対向面に形成され、前記スクイーザと前記凸条とによって放射方向に案内されるボールの軌道上に前記カウントセンサが配設されることを特徴とする。
請求項1の本発明によれば、ボール回収輪が面上を転動すると、面上のボールが各ボールポケットの弾性により一つずつボールポケット内に入り込んで保持される。隣り合う環状溝の各ボールポケットは環状溝の周方向にずれた位置にあるので、隣り合う環状溝のボールポケットには環状溝の周方向にずれた位置でボールが保持される。本発明によれば、従来のもののように、隣り合う環状溝の周上の互いに一致する位置にボールが同時に保持されるという事態は生じない。よって、ボールポケットからのボールの解放時にボール保持力が強くなりすぎることがなく、別途設けるスクイーザによるボールの解放が確実になされる。
請求項2の本発明によれば、各ボールポケットの互いに対向する内面が平坦面であり、各ボールポケット内で平坦面に沿ってボールが移動できるので、別途設けるスクイーザによるボールの解放が一層確実に行われる。
請求項3の本発明によれば、環状溝を形成する各ディスクの周縁の断面形状がディスクの半径方向の長軸を有するひし形状に形成されるので、各ボールポケットによるボールの保持性能を維持しつつ、各ボールポケットへのボールの出入りの円滑性を向上させることができる。
請求項4の本発明によれば、同一構成の多数のディスクを集合させることで請求項1又は2のボール回収輪を作製することができるので、ボール回収輪の作製が容易となる。
請求項5の本発明によれば、請求項1乃至4のいずれかに記載のボール回収輪と同様の作用効果が奏される。
請求項6の本発明によれば、スクイーザと凸条とによって放射方向に案内されるボールの軌道上にカウントセンサが配設されるので、スクイーザでボール回収輪から解放されるボールがカウントセンサに確実に当接する。このため、回収されたボールの数を正確に把握することができる。また、隣り合う環状溝の各ボールポケットは環状溝の周方向にずれた位置にあるので、隣り合う環状溝の各ボールポケット内のボールがカウントセンサに対して互いにずれたタイミングで当接する。このため、カウントセンサによるボールのカウントが精確に行える。
本発明の実施の一形態に係るボール回収輪を備えるボール回収機の一例を示す全体斜視図である。 図1のボール回収機からボール回収輪カバーを取り外した状態の斜視図である。 図2のボール回収機において機体カバーを省略したIII−III矢視断面図である。 図2中のボール回収輪の一部の拡大斜視図である。 図3の要部の拡大図である。 図5のVI−VI矢視断面図である。 図5のVII−VII矢視部の周方向に沿う断面の一部を平面に展開して示した説明図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の実施の一形態に係る図1のボール回収機1は無人自走式のものであり、多数のボールが散乱している面上を自走しながら、ボールを回収するものである。図1のボール回収機1は、典型的には、打ち放しのゴルフ練習場で地面に散乱した多数のゴルフボールを回収するのに用いられる。ボール回収機1は下向きに開口した機体カバー2を備える。この機体カバー2によって回収機本体3が覆われている。
図2は、図1のボール回収機1から機体カバー2上のボール回収輪カバー4を取り外した状態を示している。ボール回収輪カバー4は、機体カバー2に対して着脱自在である。ボール回収輪カバー4を外すとボール回収輪5が現れるので、ボール回収輪5のメンテナンスを行うのに便利である。
図3に示すように、回収機本体3は、面上を移動可能な機体としての走行機体6と、ボール回収輪5と、スクイーザ7と、ボール回収ケース8と、を備える。
図3に示すように、走行機体6は、フレーム9と、このフレーム9の後部に配設される左右一対の駆動車輪10,10と、駆動車輪10,10を駆動する駆動部11と、フレーム9の前部に配設される左右一対の舵取り車輪12,12と、舵取り車輪12,12を制御する舵取り調整部13等を備える。駆動部11は、電源となる蓄電池14と、この蓄電池14によって駆動される電動モータ15とを備える。駆動部11によって駆動車輪10,10が回転駆動されることで走行機体6が移動し、所定のプログラムに沿って自動制御されることで、ボール回収が必要な領域内を余すところなく走行するように走行機体6の走行方向が自動的に変更される。
ボール回収輪5は、左右一対の舵取り車輪12,12と左右一対の駆動車輪10,10との間に配設される。ボール回収輪5は、走行機体6の左右方向に延びる軸線Xを中心として遊転自在であり、自重で外周面が地面Gに常時接触するようにフレーム9に支持される。そして、ボール回収輪5は、走行機体6が前進走行することにより地面Gを転動しながら、地面Gに散乱している多数のボールBを回収する。
図4に示すように、ボール回収輪5は、外周に環状の多条溝16を備える。この多条溝16を構成する各環状溝17内には、弾性によってボールBの出入りを許容するボールポケット18が連続的に形成される。各ボールポケット18は、図3に示すように、ボールBを一つだけしか保持できない大きさである。そして、隣り合う環状溝17,17の各ボールポケット18が環状溝17の周方向にずれた位置となるように形成される。
引き続き図4を参照して、ボール回収輪5は、同一構成の多数のディスク19の集合により形成され、隣り合うディスク19,19同士の間に等間隔で環状溝17が形成される。各ディスク19は、片面にスペーサ20付きの複数本の取付軸部21を備え、もう片面に取付軸部21を受け入れる軸部受入孔(図示省略)を備える。そして、隣り合うディスク19,19同士の取付軸部21と軸部受入孔とを結合させることで、多数のディスク19が等間隔で集積される。隣り合うディスク19,19同士の間には、スペーサ20によって環状溝17が形成される。各ディスク19の中央には、支軸22(図3参照)を受け入れるボス部23が形成され、ボス部23の集合によりボール回収輪5に支軸挿通孔24が形成される。この支軸挿通孔24に挿通される支軸22(図3参照)はフレーム9に回動自在に支持される。
図5に示すように、走行機体6のフレーム9にはスクイーザ7が固定されている。スクイーザ7は、後述するように、ボールポケット18を画成する仕切り凸条31と協働して、ボール回収輪5の外周上の所定の角度位置で、ボールポケット18内のボールBを強制的に解放させるものである。
スクイーザ7は、全体として櫛形の部材であり、走行機体6の左右方向に延びる基部25と、この基部25から互いに等間隔で平行に延びる多数のボール解放突起26と、を備える。ボール解放突起26の間隔はボール回収輪5のディスク19の間隔と同一である。スクイーザ7の基部25はボール回収輪5の上方位置でフレーム9に固定され、各ボール解放突起26はボール回収輪5の各環状溝17内へと突入している。
スクイーザ7の基部25には、ボール解放突起26によってボールポケット18から解放されるボールBの数をカウントする接触式のカウントセンサ27が配設される。このカウントセンサ27は、スクイーザ7の基部25に沿って左右方向に延びており、ボール回収輪5の軸方向の長さに対応する長さを有する。そして、カウントセンサ27は、スクイーザ7のボール解放突起26と仕切り凸条31とによってボール回収輪5の放射方向に案内されるボールBの軌道上に配設される。このため、スクイーザ7でボール回収輪5から解放されるボールBがカウントセンサ27に確実に当接する。よって、カウントセンサ27によるボールBのカウントが精確になされる。
図3及び図5に示すように、スクイーザ7の後方にはボール回収ケース8が配設される。ボール回収ケース8は、走行機体6のフレーム9に支持されており、スクイーザ7によってボール回収輪5から解放されるボールBを収容する。図3に示すように、ボール回収ケース8の底板8aは上下に平行移動できるように取り付けられており、底板8aを下方のボール排出位置へと移動させることで、ボール回収ケース8の底板8aと後板28との間に隙間ができ、この隙間からボールBが排出される。
図4、図6及び図7を参照して、ボール回収輪5を構成する各ディスク19の両面には、円周方向に延びる外側凸条29と、同じく円周方向に延びる内側凸条30と、外側凸条29と内側凸条30との間で放射方向に延びる仕切り凸条31と、が形成される。内側凸条30によって隣り合うディスク19,19間に環状溝17が形成され、外側凸条29と内側凸条30と仕切り凸条31とによって、環状溝17にボールポケット18が区画形成される。外側凸条29、内側凸条30及び仕切り凸条31は、薄板状の各ディスク19にボール保持輪5として必要な強度を付与するためのリブの機能も有している。
前にも述べたように、各ボールポケット18は、ボールBを一つだけしか保持できない大きさである。また、図6に示すように、各ボールポケット18の互いに対向する内面(隣り合うディスク19,19の対向する側面)18aは平坦面であり、各ボールポケット18内で平坦面18aに沿ってボールBが移動できるように各ボールポケット18内の横幅が設定されている。各ディスク19は、プラスチック等の軽量で耐久性の良好な材料で形成され、少なくとも内側凸条30より外側の部分に弾性変形性を有する。各ディスク19の弾性変形性により、各ボールポケット18へのボールBの出入りが許容され、且つ、各ボールポケット18によるボールBの保持が可能となる。
外側凸条29は、図6に示すように、各ディスク19の外周縁からディスク19の厚さ方向外方へと突出している。外側凸条29は、各ボールポケット18の、ボールBが脱落不能な出入口部を画成する。外側凸条29の突出高さは、隣り合うディスク19,19における外側凸条29,29間の間隔LがボールBの直径よりもやや小さくなるように設定される。これにより、ディスク19の弾性変形性によって、ボールBが外側凸条29,29間を通ってボールポケット18へ出入り可能となり、且つ、ボールポケット18内に一旦入ったボールBは、スクイーザ7による強制解放作用が働かない限り、ボールポケット18内に保持される。
図6中に拡大して示すように、各ディスク19の両面に外側凸条29を形成することにより、各ディスク19の周縁の断面形状がディスク19の半径方向の長軸を有するひし形状に形成されるようにすると好適である。このようにすれば、ボールBがボールポケット18に入る時にもボールポケット18から強制的に出される時にも、ボールBの出入口部を画成する外側凸条29がボールBの移動方向に対して徐々に狭くなる傾斜面32を有するので、各ボールポケット18によるボールBの保持性能を維持しつつ、各ボールポケット18に対するボールBの出入りの円滑性を向上させることができる。
同じく図6に示すように、内側凸条30は、外側凸条29からボールほぼ一個分だけディスク19の半径方向内側に形成され、各ディスク19の側面からディスク19の厚さ方向外方へと突出している。内側凸条30は、ボールポケット18の底部を画成する。よって、内側凸条30には外側凸条29ほどの高さ制限はなく、隣り合うディスク19,19の内側凸条30,30間にスクイーザ7のボール解放突起26が突入し得る隙間が形成されるだけの高さであればよい。
図4及び図5に示すように、仕切り凸条31は、外側凸条29と内側凸条30との間で放射方向に延びており、環状溝17を周方向において等角度間隔に仕切ることでボールポケット18を画成する。図示例では、仕切り凸条31によって各環状溝17が17個のボールポケット18に区画されている。各環状溝17におけるボールポケット18の個数は限定されない。但し、スクイーザ7と仕切り凸条31との協働によって各ボールポケット18からボールBを確実に解放できるように、各ボールポケット18はボールBを一つだけしか保持できない大きさとすることが必要である。
図7に示すように、隣り合う環状溝17,17の各ボールポケット18は、環状溝17の周方向にずれた位置となるように形成される。図示例では、各ディスク19,19の両面に等角度間隔で形成される仕切り凸条31が、各ディスク19の両面間で周方向にずれた位置に形成される。このため、図7に示すように、隣り合うディスク19,19の仕切り凸条31,31同士が互いに一致した位置となるように同一構成の多数のディスク19を集合させることで、隣り合う環状溝17,17の各ボールポケット18を環状溝17の周方向にずれた位置となるように形成することができる。よって、ボール回収輪5の作製が容易となる。
図7の例では、仕切り凸条31の断面形状が三角形状とされているが、これには限定されず、台形状や長方形状又は半円形状等とすることもできる。仕切り凸条31の断面形状や突出高さは、ボールBを円滑にカウントセンサ27へ向けて案内できる態様に設定する。
図5に示すように、走行機体6が前進走行すると、地面Gに常時接触している遊転自在なボール回収輪5が図5で見て反時計方向へと回転する。これにより、地面Gに多数散乱しているボールBがボールポケット18の弾性変形性によってボールポケット18内に入り込んで保持される。ボールポケット18に保持されたボールBは、走行機体6の前進に伴うボール回収輪5の回転により上方へと移送され、スクイーザ7のボール解放突起26に当接する。ボール回収輪5のさらなる回転により、ボールポケット18内のボールBは、ボール回収輪5の回転方向後方の仕切り凸条31に沿って上方へと案内され、カウントセンサ27に当接した後に、ボール回収ケース8内へと落下する。
本実施の形態のボール回収機1においては、ボール回収輪5の隣り合う環状溝17,17の各ボールポケット18が環状溝17の周方向にずれた位置にあるので、隣り合う環状溝17,17のボールポケット18には環状溝17の周方向にずれた位置でボールBが保持される。このため、背景技術の項で述べた従来のもののように、隣り合う環状溝の周上の互いに一致する位置にボールが同時に保持されるという事態が生じない。よって、ボールポケット18からの解放時にボール保持力が強くなりすぎることがなく、スクイーザ7によるボールBの解放が確実になされる。
また、多数の環状溝17の全体においても、環状溝17の周上の互いに一致する位置にボールBが同時に保持されるという事態が生じないか、又は生じにくいので、スクイーザ7による多数のボールBの解放タイミングが一致してしまうという事態が生じにくい。このため、ボール回収輪5の回転が停止してしまう等の問題も生じない。
また、図6に示すように、各ボールポケット18の互いに対向する内面18a,18aが平坦面であり、各ボールポケット18内で平坦面に沿ってボールBが移動できるので、スクイーザ7によるボールBの解放が一層確実に行われる。
さらに、環状溝17を形成する各ディスク19の周縁の断面形状がディスク19の半径方向の長軸を有するひし形状に形成されるので、各ボールポケット18によるボールBの保持性能を維持しつつ、各ボールポケット18へのボールBの出入りの円滑性を向上させることができる。
また、図5に示すように、スクイーザ7のボール解放突起26と仕切り凸条31とによって放射方向に案内されるボールBの軌道上にカウントセンサ27が配設されるので、スクイーザ7でボール回収輪5から解放されるボールBがカウントセンサ27に確実に当接する。このため、回収されたボールBの数を正確に把握することができる。また、隣り合う環状溝17,17の各ボールポケット18は環状溝17の周方向にずれた位置にあるので、隣り合う環状溝17,17の各ボールポケット18内のボールBがカウントセンサ27に対して互いにずれたタイミングで当接する。このため、カウントセンサ27によるボールBのカウントが精確に行える。
本発明の他の実施の形態として、走行機体6は、動力による自走式のものの他、手押し式や引張り式等、人力によって移動させられるものであっても良い。また、ボール回収輪5自体が回転駆動力を有する態様とすることもできる。
また、ボールポケット18の底部を画成する内側凸条に代えて、ボールポケット18の底部が完全に塞がれる態様を採用することもできる。この場合、スクイーザ7のボール解放突起26の下端は、ボールポケット18の底部に当接する態様とする。
以上、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
5 ボール回収輪
6 機体(走行機体)
7 スクイーザ
8 回収ケース(ボール回収ケース)
16 多条溝
17 環状溝
18 ボールポケット
19 ディスク
18a,18a ボールポケットの互いに対向する内面
27 カウントセンサ
31 凸条(仕切り凸条)
B ボール

Claims (6)

  1. 面上を転動することにより面上の多数のボールを回収するボール回収輪であって、外周に環状の多条溝を備え、該多条溝を構成する各環状溝内には弾性によってボールの出入りを許容するボールポケットが連続的に形成され、該各ボールポケットはボールを一つだけしか保持できない大きさであり、隣り合う環状溝の各ボールポケットが環状溝の周方向にずれた位置となるように形成される、ボール回収輪。
  2. 前記各ボールポケットの互いに対向する内面が平坦面であり、前記各ボールポケット内で前記平坦面に沿ってボールが移動できるように前記各ボールポケット内の横幅が設定されている、請求項1に記載のボール回収輪。
  3. 相互間に前記環状溝を形成する多数のディスクを備え、該各ディスクの周縁の断面形状がディスクの半径方向の長軸を有するひし形状に形成される、請求項1又は2に記載のボール回収輪。
  4. 前記多条溝が同一構成の多数のディスクの集合によって形成され、該各ディスクの両面に、前記ボールポケットを区画形成する放射方向に延びる凸条が等間隔で配設され、前記各ディスクの両面の前記凸条が周方向にずれた位置に形成される、請求項1又は2に記載のボール回収輪。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のボール回収輪を有する移動可能な機体と、前記各環状溝へ突入するように前記機体に配設され、前記ボール回収輪で拾い上げられたボールを該ボール回収輪から解放するスクイーザと、該スクイーザで解放されたボールを収容する回収ケースと、を備える、ボール回収機。
  6. 前記ボール回収輪から解放されるボールの数をカウントする接触式のカウントセンサを備え、前記各環状溝が隣り合うディスクによって形成され、前記ボールポケットを区画形成するための放射方向に延びる凸条が前記隣り合うディスクの相互対向面に形成され、前記スクイーザと前記凸条とによって放射方向に案内されるボールの軌道上に前記カウントセンサが配設される、請求項5に記載のボール回収機。
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