JP2020173245A - 付着水分検出装置、付着水分検出方法、電気機器、及びログ出力システム - Google Patents
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Abstract
【課題】結露、着霜等の水分の付着を早く正確に検出することを可能とし、小型で安価な付着水分検出装置を提供する。【解決手段】湿度を検出する検出面を有する湿度検出部と、前記検出面を加熱する加熱部とを有するセンサチップと、前記加熱部に加熱を開始させた後、前記湿度検出部により検出される湿度の変化の差異に基づいて、前記検出面上に付着した水分の有無を判定する付着水分判定部と、を備える付着水分検出装置である。【選択図】図14
Description
本発明は、付着水分検出装置、付着水分検出方法、電気機器、及びログ出力システムに関する。
近年の浮上式のHDDドライブの中には、水の付着によるヘッドの破壊等を防止する目的で、結露センサが搭載されたものがある。このような結露センサを搭載したHDDドライブにおいて、結露センサにより結露を検知すると、ヘッドを一時的に避難させ、結露が検知されなくなるまで磁気ディスクを回転させることが提案されている(特許文献1参照)。
また、近年のプロジェクターには、冷却機構が設けられているため、冷却機構の影響で発生した結露による水滴が、密閉容器内部で飛散して光学装置に付着する可能性がある。そこで、プロジェクターに結露センサを搭載し、結露センサによる結露状態の検出結果に基づいて、熱交換装置を制御することが提案されている(特許文献2参照)。
さらに、近年の冷蔵庫は、冷蔵室以外に、野菜の保存に適した野菜室を備えたものが普及している。野菜室は、冷蔵室よりも高温に維持され、また、野菜の乾燥を防ぐために冷蔵室よりも高い湿度に維持される。このため、冷蔵庫では結露が発生しやすく、結露が発生すると、逆に野菜を傷めてしまう可能性がある。
そこで、野菜室の湿度を湿度センサにより測定し、測定された湿度に応じて、送風ユニットから野菜室内へ空気を導入することで、結露を防止することが提案されている(特許文献3参照)。また、特許文献1では、野菜室内の結露状態を早く正確に検知するために、結露センサを設けることが提案されている。
上述した文献には、HDDドライブ、プロジェクター、冷蔵庫等の電気機器に結露センサを搭載することが記載されており、また、特許文献3には、結露センサとして、アルミ等の素材で構成した高感度検知結露センサを用いることが記載されているが、いずれの文献にも結露センサの具体的な構成は開示されていない。
一般に、結露は、抵抗式の結露センサ(特許文献4参照)を用いて検知され、着霜の検知には、抵抗式の着霜センサを用いて検知される。また、光学式露点計などを用いて露点、霜点等が検知される。
上記のようなHDDドライブ、プロジェクター、冷蔵庫等の電気機器に設ける、結露、着霜等を検出するためのセンサは、結露、着霜等を早く正確に検出することができ、かつ小型で安価なものが求められる。
しかしながら、例えば、抵抗式の結露センサ、着霜センサ等は、安価であるものの、原理上、結露、着霜等の検出回数が増えるにつれて検出精度が劣化するという問題がある。一方、光学式露点計は、レーザやフォトディテクタ等の光学部品を用いるため、高価であって、かつ小型化が難しいという問題がある。しがたって、抵抗式の結露センサ、着霜センサ及び光学式露点計は、いずれも上記のような電気機器への搭載には適していない。
なお、浴室等に設けられる結露センサについても同様の課題がある。
本発明は、結露、着霜等の水分の付着を早く正確に検出することを可能とし、小型で安価な付着水分検出装置を提供することを目的とする。
開示の技術は、湿度を検出する検出面を有する湿度検出部と、前記検出面を加熱する加熱部とを有するセンサチップと、前記加熱部に加熱を開始させた後、前記湿度検出部により検出される湿度の変化の差異に基づいて、前記検出面上に付着した水分の有無を判定する付着水分判定部と、を備える付着水分検出装置である。
本発明によれば、結露、着霜等の水分の付着を早く正確に検出することを可能とし、小型で安価な付着水分検出装置を提供することが実現される。
(第一の実施形態)
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。なお、本開示において、単に湿度と記載されている場合における湿度は、相対湿度を意味する。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。なお、本開示において、単に湿度と記載されている場合における湿度は、相対湿度を意味する。
[全体構成]
本発明の付着水分検出装置を、電気機器の一例としての野菜室を備える冷蔵庫に適用した例について説明する。
本発明の付着水分検出装置を、電気機器の一例としての野菜室を備える冷蔵庫に適用した例について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る冷蔵庫の全体構成を示す概略図である。図1に示すように、冷蔵庫1は、冷蔵室7と野菜室3とを有する。冷蔵庫1には、図示しない冷却器、圧縮機等が設けられており、熱交換により冷蔵室7を冷却する。野菜室3は、冷蔵室7から流出された冷気により冷却される。野菜室3は、冷蔵室7よりも高温となる。例えば、冷蔵室7は約3℃に維持され、野菜室3は約5℃に維持される。また、野菜室3は、野菜の乾燥を防ぐために、冷蔵室7よりも高い湿度に維持される。
野菜室3には、野菜室3内に乾燥した空気を導入するための送風ファン4が接続されている。送風ファン4は、ドライバ5によって駆動されることにより、野菜室3内への送風を行う。
また、野菜室3には、野菜室3内の湿度及び温度を計測するためのセンサモジュール10が設けられている。センサモジュール10及びドライバ5には、制御装置6が接続されている。制御装置6は、センサモジュール10の計測値に基づいて結露の検出を行い、結露の検出結果に応じてドライバ5を制御して送風ファン4を作動させる。送風ファン4は、駆動部としてのドライバ5により駆動され、センサモジュール10が収容されたセンサ収容空間部としての野菜室3内の結露を解消する結露解消部である。
[センサモジュールの構成]
次に、センサモジュール10の構成について説明する。
次に、センサモジュール10の構成について説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係るセンサモジュール10の概略構成を例示する図である。図2(A)は、センサモジュール10を上方から見た平面図である。図2(B)は、センサモジュール10を下方から見た下面図である。図2(C)は、センサモジュール10を横方向から見た側面図である。また、図3は、図2(A)中のA−A線沿う断面を概略的に示す断面図である。
センサモジュール10は、平面形状がほぼ矩形状であって、対向する2組の二辺の一方がX方向に平行であって、他方がY方向に平行である。X方向とY方向とは互いに直交する。また、センサモジュール10は、X方向及びY方向に直交するZ方向に厚みを有する。なお、センサモジュール10の平面形状は、矩形状に限られず、円形、楕円、多角形等であってもよい。
センサモジュール10は、第1半導体チップとしてのセンサチップ20と、第2半導体チップとしてのASIC(Application Specific Integrated Circuit)チップ30と、モールド樹脂40と、複数のリード端子41とを有する。
センサチップ20は、ASICチップ30上に第1DAF(Die Attach Film)42を介して積層されている。すなわち、センサチップ20とASICチップ30とは、スタック構造となっている。
センサチップ20とASICチップ30とは、複数の第1ボンディングワイヤ43により電気的に接続されている。ASICチップ30と複数のリード端子41とは、複数の第2ボンディングワイヤ44により電気的に接続されている。
このように積層化されたセンサチップ20及びASICチップ30、複数の第1ボンディングワイヤ43、複数の第2ボンディングワイヤ44、及び複数のリード端子41は、モールド樹脂40により封止されてパッケージ化されている。このパッケージ方式は、PLP(Plating Lead Package)方式と呼ばれるものである。
ASICチップ30の下面には、詳しくは後述するが、PLP方式によりパッケージ化する際に使用された第2DAF45が残存している。第2DAF45は、ASICチップ30の下面を絶縁する役割を有する。センサモジュール10の下面には、第2DAF45と、複数のリード端子41とが露出している。
各リード端子41は、ニッケルや銅により形成されている。第1DAF42及び第2DAF45は、それぞれ樹脂とシリカなどの混合物からなる絶縁材料で形成されている。モールド樹脂40は、カーボンブラックやシリカなどの混合物を含むエポキシ樹脂等の遮光性を有する黒色系の樹脂である。
センサモジュール10の上面側には、センサチップ20の一部をモールド樹脂40から露出させる開口部50が形成されている。この開口部50は、例えば、壁部がテーパ状であって、開口面積が下方に向かうにつれて小さくなる。この開口部50のうち、実際にセンサチップ20を露出させる最下端の部分を有効開口部51という。
開口部50を形成する際には、金型をセンサチップ20に押しあてながらモールド樹脂40により封止する。このときの金型によるセンサチップ20とASICチップ30とへの押圧力によって、チップ割れ等の破損が生じるおそれがある。この破損を防止するために、センサチップ20の厚みT1とASICチップ30の厚みT2は、それぞれ例えば200μm以上であることが好ましい。
図4は、モールド樹脂40を除去した状態におけるセンサモジュール10の平面図である。図4に示すように、センサチップ20とASICチップ30とは、それぞれ平面形状がほぼ矩形状であって、X方向に平行な二辺と、Y方向に平行な二辺とを有する。センサチップ20は、ASICチップ30より小さく、ASICチップ30の表面上に第1DAF42を介して積層されている。
センサチップ20には、有効開口部51により露出される領域に、湿度検出部21と、温度検出部22と、加熱部23とが設けられている。加熱部23は、湿度検出部21の下面側に、湿度検出部21の形成領域を覆うように形成されている。すなわち、加熱部23の面積は、湿度検出部21より大きい。このように、封止部材としてのモールド樹脂40は、湿度検出部21及び温度検出部22を露出させた状態でセンサチップ20等を封止している。
また、センサチップ20の端部には、複数のボンディングパッド(以下、単にパッドという。)24が形成されている。本実施形態では、6個のパッド24が形成されている。パッド24は、例えばアルミニウムやアルミシリコン合金(AlSi)により形成されている。
ASICチップ30は、信号処理及び制御用の半導体チップであって、後述する湿度計測処理部31、温度計測処理部32、及び加熱制御部33(いずれも図13参照)が形成されている。
また、ASICチップ30の表面においてセンサチップ20で覆われていない領域には、複数の第1パッド35と、複数の第2パッド36とが設けられている。第1パッド35及び第2パッド36は、例えばアルミニウムやアルミシリコン合金(AlSi)により形成されている。
第1パッド35は、第1ボンディングワイヤ43を介して、センサチップ20の対応するパッド24に接続されている。第2パッド36は、第2ボンディングワイヤ44を介して、対応するリード端子41に接続されている。リード端子41は、ASICチップ30の周囲に配置されている。
製造時において、ASICチップ30の実装位置は、リード端子41を基準として決定される。センサチップ20のASICチップ30上の実装位置は、ASICチップ30の位置又はリード端子41のいずれかを基準として決定される。開口部50は、金型を用いたトランスファモールド法等により形成されるが、この金型の位置は、リード端子41を基準として決定される。
図4に示す符号25は、センサチップ20上における湿度検出部21及び温度検出部22の形成許容領域を表す。この形成許容領域25は、実装時に、ASICチップ30、センサチップ20、及び金型の間に位置ずれが最も大きく発生した場合であっても、開口部50から確実に露出するように、開口部50の形成領域内に設定されている。湿度検出部21及び温度検出部22は、形成許容領域25内に形成されていれば、上記位置ずれにかかわらず、開口部50から確実に露出する。
[センサチップの構成]
次に、センサチップ20の構成について説明する。
次に、センサチップ20の構成について説明する。
図5は、センサチップ20の構成を示す概略平面図である。前述のパッド24は、外部からの電圧印加や、電位検出に使用される端子である。図5では、図4に示した複数のパッド24を、パッド24a〜24fと区別して示している。なお、パッド24a〜24fを区別する必要がない場合は、単にパッド24という。
パッド24aは、グランド電位に接地されるグランド電極端子(GND)として機能する。このパッド24aは、配線や基板を介して、温度検出部22や加熱部23等の各部に電気的に接続される。
パッド24bは、湿度検出部21の下部電極83に電気的に接続された下部電極端子(BOT)である。パッド24bは、下部電極83に駆動電圧を供給するために用いられる。パッド24cは、湿度検出部21の上部電極84に電気的に接続された湿度検出用端子(HMD)である。パッド24cは、上部電極84から相対湿度の検出信号を取得するために用いられる。パッド24dは、湿度検出部21の参照電極82に電気的に接続された参照電極端子(REF)である。パッド24dは、参照電極82から湿度検出用の参照信号を取得するために用いられる。
パッド24eは、温度検出部22に電気的に接続された温度検出用端子(TMP)である。パッド24eは、温度の検出信号を取得するために用いられる。パッド24fは、加熱部23に電気的に接続された加熱用端子(HT)である。パッド24fは、加熱部23を駆動するための駆動電圧を供給するために用いられる。
また、パッド24a以外のパッド24b〜24fには、それぞれ静電気放電(ESD:Electro-Static Discharge)保護回路60が接続されている。各ESD保護回路60は、入力端子又は出力端子としてのパッド24b〜24fのそれぞれと、グランド電極端子としてのパッド24aとの間に接続されている。本実施形態では、ESD保護回路60は、1つのダイオード61により構成されている。ダイオード61は、アノード側がパッド24aに接続され、カソード側がパッド24b〜24fのうちのいずれかに接続されている。
ESD保護回路60は、有効開口部51から可能な限り離すように、パッド24b〜24fの近傍に配置することが好ましい。ESD保護回路60は、モールド樹脂40により覆われているので、光電効果による不要な電荷発生が生じることはない。
[ESD保護回路の構成]
次に、ESD保護回路60の構成について説明する。
次に、ESD保護回路60の構成について説明する。
図6は、ESD保護回路60の構成を例示する回路図である。図6に示すように、ESD保護回路60を構成するダイオード61は、例えば、NチャネルMOS(Metal-Oxide-Semiconductor)トランジスタ(以下、NMOSトランジスタという。)により形成されている。具体的には、ダイオード61は、NMOSトランジスタのソースとゲートとバックゲートを短絡(いわゆるダイオード接続)したものである。この短絡部は、アノードとして機能する。このNMOSトランジスタのドレインは、カソードとして機能する。
図7は、ESD保護回路60を構成するNMOSトランジスタの層構造を例示する図である。このNMOSトランジスタは、センサチップ20を構成するためのp型半導体基板70の表層に形成された2つのn型拡散層71,72と、コンタクト層73と、ゲート電極74とを有する。ゲート電極74は、p型半導体基板70の表面上にゲート絶縁膜75を介して形成されている。ゲート電極74は、2つのn型拡散層71,72の間に配置されている。
例えば、n型拡散層71がソースとして機能し、n型拡散層72がドレインとして機能する。コンタクト層73は、バックゲートとしてのp型半導体基板70との電気的接続のための低抵抗層(p型拡散層)である。n型拡散層71とゲート電極74とコンタクト層73とは、共通に接続されて短絡される。この短絡部がアノードとして機能し、n型拡散層72がカソードとして機能する。
p型半導体基板70は、例えばp型シリコン基板である。ゲート電極74は、金属や多結晶シリコン(ポリシリコン)により形成されている。ゲート絶縁膜75は、例えば、二酸化シリコン等の酸化膜により形成されている。
[湿度検出部の構成]
次に、湿度検出部21の構成について説明する。
次に、湿度検出部21の構成について説明する。
図8は、湿度検出部21の構成を例示する回路図である。図8に示すように、湿度検出部21は、湿度検出用キャパシタ80と参照用キャパシタ81とを有する。
湿度検出部21の一方の電極(下部電極83)は、下部電極端子としてのパッド24bに接続されている。湿度検出部21の他方の電極(上部電極84)は、湿度検出用端子としてのパッド24cに接続されている。参照用キャパシタ81の一方の電極は、湿度検出部21の一方の電極(下部電極83)と共通である。参照用キャパシタ81の他方の電極(参照電極82)は、参照電極端子としてのパッド24dに接続されている。
湿度検出用キャパシタ80は、電極間に後述する感湿膜86が設けられている。感湿膜86は、空気中の水分を吸収し、吸収した水分量に応じて誘電率が変化するポリイミド等の高分子材料で形成されている。したがって、湿度検出用キャパシタ80は、感湿膜86が吸収する水分量に応じて静電容量が変化する。
参照用キャパシタ81は、電極間に後述する第2絶縁膜111(図10参照)が設けられている。第2絶縁膜111は、水分を吸収しない二酸化シリコン(SiO2)等の絶縁材料で形成されている。したがって、参照用キャパシタ81は、静電容量は変化しないか、変化したとしても極僅かである。
感湿膜86に含まれる水分量は、センサモジュール10の周囲の湿度に対応するので、湿度検出用キャパシタ80の静電容量と参照用キャパシタ81の静電容量との差を検出することにより、相対湿度を測定することができる。この相対湿度の測定は、湿度検出用端子としてのパッド24cの電位と、参照電極端子としてのパッド24dの電位とに基づき、ASICチップ30内の湿度計測処理部31(図13参照)によって行われる。
[温度検出部の構成]
次に、温度検出部22の構成について説明する。
次に、温度検出部22の構成について説明する。
図9は、温度検出部22の構成を例示する回路図である。温度検出部22は、半導体のバンドギャップで温度変化により電気特性が比例的に変化する特性を利用して温度を検出するバンドギャップ型の温度センサである。例えば、温度検出部22は、ベース、エミッタ、コレクタのいずれか2つを接続して2端子とされた1又は複数のバイポーラトランジスタを含む。この2端子間の抵抗値を検出することにより、温度を測定することができる。
図9に示すように、本実施形態では、温度検出部22は、ベースとコレクタを接続したnpn型のバイポーラトランジスタ90を、複数個(例えば8個)並列に接続することにより構成されている。このように、複数個のバイポーラトランジスタ90を並列接続することにより、pn接合の接合面積が増大し、ESD耐性が向上する。
バイポーラトランジスタ90のエミッタは、グランド電極端子としてのパッド24aに接続されている。バイポーラトランジスタ90のベース及びコレクタは、温度検出用端子としてのパッド24eに接続されている。
温度の測定は、パッド24eの電位に基づき、ASICチップ30内の温度計測処理部32(図13参照)によって行われる。
[センサチップの素子構造]
次に、センサチップ20の素子構造について説明する。
次に、センサチップ20の素子構造について説明する。
図10は、センサチップ20の素子構造を説明するための概略断面図である。なお、図10では、パッド24a,24b,24c,24eを、湿度検出部21、温度検出部22、及び加熱部23と同一の断面内に示しているが、これは構造の理解を容易にするために示したものであり、実際に同一断面内に存在することを意味するものではない。湿度検出部21、温度検出部22、及び加熱部23の断面についても、構造の理解を容易にするために簡略化しており、各部の位置関係等は実際とは異なる。
図10に示すように、センサチップ20は、前述のp型半導体基板70を用いて形成されている。このp型半導体基板70には、第1ディープnウェル100aと、第2ディープnウェル100bとが形成されている。第1ディープnウェル100aには、温度検出部22が形成されている。第2ディープnウェル100bには、加熱部23が形成されている。
第1ディープnウェル100aと第2ディープnウェル100bとのいずれも形成されていないp型半導体基板70の表層には、pウェル103a,103bが形成されている。pウェル103a,103bの表層には、それぞれp型拡散領域からなるコンタクト層104a,104bが形成されている。コンタクト層104a,104bは、p型半導体基板70上に形成される所定の配線層とp型半導体基板70との電気的接続のための低抵抗層(p型拡散層)である。
第1ディープnウェル100aの表層には、pウェル101とnウェル102とが形成されている。pウェル101の表層には、n型拡散層91及びp型拡散層92が形成されている。nウェル102の表層には、n型拡散層93が形成されている。n型拡散層91、p型拡散層92、及びn型拡散層93は、前述のnpn型のバイポーラトランジスタ90を構成し、それぞれエミッタ、ベース、及びコレクタとして機能する。
第2ディープnウェル100bの表層には、pウェル105が形成されている。pウェル105の表層には、1又は2以上のn型拡散層106が形成されている。本実施形態では、複数のn型拡散層106が形成されている。例えば、各n型拡散層106は、紙面に直交する方向に延伸しており、全体として1次元格子状となっている(図12参照)。n型拡散層106は、所定の抵抗値(例えば、約3Ωのシート抵抗値)を有し、電流が流れることにより発熱する抵抗体として機能する。すなわち、n型拡散層106は、前述の加熱部23を構成する。
p型半導体基板70内の各層は、通常の半導体製造工程(CMOSプロセス)を用いて形成される。したがって、抵抗体としてのn型拡散層106は、温度検出部22の一部に含まれるn型拡散層91,93と同一の製造工程で形成される。n型拡散層106,91,93は、n型不純物(例えばリン)をイオン注入することにより基板中への不純物添加を行うイオン注入工程により同時に形成される。すなわち、抵抗体としてのn型拡散層106は、温度検出部22の一部に含まれるn型拡散層91,93と、p型半導体基板70の表面からの深さが同一である。また、n型拡散層106は、温度検出部22の一部に含まれるp型拡散層92と、p型半導体基板70の表面からの深さが同一であってもよい。
なお、n型拡散層106,91,93は、イオン注入工程に代えて、熱処理によって不純物添加を行う熱拡散工程で形成することも可能である。
また、前述のESD保護回路60のn型拡散層71,72についてもn型拡散層106,91,93と同一の製造工程(イオン注入工程又は熱拡散工程)で作成される。コンタクト層73は、p型拡散層92、コンタクト層104a,104b等と同一の製造工程(イオン注入工程又は熱拡散工程)で作成される。
p型半導体基板70中のその他の層は、主にコンタクト層として機能するものであるので、説明は省略する。
p型半導体基板70の表面上には、第1絶縁膜110、第2絶縁膜111、及び第3絶縁膜112が順に積層されている。これらは、二酸化シリコン(SiO2)や窒化シリコン(SiN)等の絶縁材料で形成されている。
第1絶縁膜110上には、第1配線層120が形成されている。第2絶縁膜111上には、第2配線層121が形成されている。第2絶縁膜111は、第1配線層120上を覆っている。第3絶縁膜112は、第2配線層121上を覆っている。第1配線層120及び第2配線層121は、アルミニウム等の導電性材料により形成されている。
第1絶縁膜110中には、第1配線層120をp型半導体基板70に接続するための複数の第1プラグを有する第1プラグ層122が形成されている。第2絶縁膜111中には、第1配線層120と第2配線層121とを接続するための複数の第2プラグを有する第2プラグ層123が形成されている。第1プラグ層122及び第2プラグ層123は、タングステン等の導電性材料により形成されている。
例えば、前述のバイポーラトランジスタ90のベースとコレクタとを接続するための配線94は、第1配線層120により形成され、第1プラグ層122を介してp型拡散層92及びn型拡散層93に接続される。また、配線94は、第2プラグ層123及び第2配線層121を介して、温度検出用端子としてのパッド24eに接続される。また、バイポーラトランジスタ90のエミッタとしてのn型拡散層91は、第1プラグ層122、第1配線層120、及び第2配線層121を介して、グランド電極端子としてのパッド24aに接続される。
加熱部23の一端をグランド電位に接地するための配線107は、第1配線層120により形成され、第1プラグ層122を介してn型拡散層106及びコンタクト層104bに接続される。また、加熱部23の他端を加熱用端子としてのパッド24fに接続するための配線108は、第1プラグ層122を介してn型拡散層106に接続され、かつ、第2プラグ層123及び第2配線層121を介してパッド24fに接続される。
参照用キャパシタ81の参照電極82は、第1配線層120により形成され、第2プラグ層123及び第2配線層121を介して、参照電極端子としてのパッド24d(図10では図示せず)に接続される。
また、湿度検出用キャパシタ80の下部電極83は、第2配線層121により形成され、下部電極端子としてのパッド24bに接続されている。さらに、湿度検出用キャパシタ80の上部電極84を湿度検出用端子としてのパッド24cに接続するための配線85は、第2配線層121により形成されている。なお、下部電極83は、第2絶縁膜111を介して参照電極82に対向する位置に配置されている。
パッド24a〜24fは、アルミニウム等の導電性材料によって、第3絶縁膜112上に形成され、第3絶縁膜112を貫通して第2配線層121に接続されている。
第3絶縁膜112上には、感湿膜86が形成されている。感湿膜86は、厚みが0.5μm〜1.5μmであって、湿度に応じて水分子を吸着及び脱着しやすい高分子材料で形成されている。感湿膜86は、例えば、厚みが1μmのポリイミド膜である。なお、感湿膜86を形成する高分子材料は、ポリイミドに限られず、セルロース、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリビニルアルコール(PVA)などであってもよい。
感湿膜86の上面は平坦であり、この上面に、平板状の上部電極84が形成されている。上部電極84は、感湿膜86を介して下部電極83に対向する位置に形成されている。上部電極84の一部は、配線85に接続されている。上部電極84は、例えば、厚みが200nmのアルミニウム等で形成された導電膜である。また、上部電極84には、空気中の水分子を感湿膜86に効率的に取り込むために、複数の開口84aが形成されている。
感湿膜86上には、上部電極84を覆うようにオーバーコート膜87が設けられている。オーバーコート膜87は、高分子材料、例えば、感湿膜86と同一の材料で形成されている。オーバーコート膜87の厚みは、例えば0.5μm〜10μmである。
感湿膜86及びオーバーコート膜87には、パッド24a〜24fを露出させる開口が形成されている。
このように、下部電極83と上部電極84とによって平行平板の湿度検出用キャパシタ80が構成されている。また、下部電極83と参照電極82とによって、平行平板の参照用キャパシタ81が構成されている。また、湿度検出用キャパシタ80と参照用キャパシタ81とは、加熱部23の上方に配置されている。
したがって、加熱部23が発熱することにより、下部電極83と上部電極84との間の感湿膜86が加熱される。これにより、感湿膜86は、加熱により温度が上昇することで湿度に応じた量の水分子を吸着するので、誘電率が変化し、湿度検出用キャパシタ80の静電容量が低下する。また、温度検出部22は、加熱部23により生じる温度上昇を検出する。
図11は、下部電極83及び上部電極84の形状を例示する平面図である。図11に示すように、下部電極83と上部電極84とはともに矩形状である。上部電極84は、下部電極83上を覆うように形成されている。
開口84aは、可能な限り小さいほうが好ましく、小さいほど空気中への電界の漏れが防止される。実際は、多数の開口84aが形成されている。なお、開口84aは、正方形には限られず、細長い短冊状であってもよいし、円形であってもよい。また、開口84aは、千鳥状に配列されていてもよい。開口84aは、円形であって、かつ千鳥状配列であることが望ましい。
なお、図11では図示を省略しているが、下部電極83の下方には、矩形状の参照電極82が形成されている。
図12は、加熱部23を構成するn型拡散層106の形状を例示する平面図である。図12に示すように、n型拡散層106は、細長い短冊状の領域が複数平行に並べられた一次元格子状となっている。この一次元格子状のn型拡散層106の一端が前述の配線107に接続され、他端が前述の配線108に接続されている。加熱部23は、温度検出部22の全体を覆うように、温度検出部22の下方に位置している。
[ASICチップの機能構成]
次に、ASICチップ30に構成される機能部について説明する。
次に、ASICチップ30に構成される機能部について説明する。
図13は、ASICチップ30の機能構成を例示するブロック図である。図13に示すように、ASICチップ30には、湿度計測処理部31、温度計測処理部32、及び加熱制御部33が構成されている。
湿度計測処理部31は、下部電極端子としてのパッド24bに所定の駆動電圧を印加するとともに、湿度検出用端子としてのパッド24cの電位と、参照電極端子としてのパッド24dの電位とを検出する。そして、湿度計測処理部31は、両者の電位差に基づいて、相対湿度(%RH)を算出する。
温度計測処理部32は、温度検出用端子としてのパッド24eの電位を検出し、検出電位に対応する温度を算出する。
加熱制御部33は、加熱用端子としてのパッド24fに所定の駆動電圧を印加することにより、加熱部23に電流(例えば10mA程度)を流して発熱させる。加熱制御部33は、パッド24fへの印加電圧を制御することにより、発熱量の制御を行う。
[制御装置の機能構成]
図13には、制御装置6の機能構成が示されている。制御装置6には、付着水分判定部63及び付着水分解消制御部64が構成されている。例えば、制御装置6は、マイクロコンピュータやCPU(Central Processing Unit)等の演算装置と、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の記憶装置とにより構成されている。制御装置6は、記憶装置に記憶されたプログラムに基づく処理を演算装置が実行することにより各機能が実現される。なお、制御装置6は、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のフィールドでプログラム可能な論理回路により構成されていてもよい。
図13には、制御装置6の機能構成が示されている。制御装置6には、付着水分判定部63及び付着水分解消制御部64が構成されている。例えば、制御装置6は、マイクロコンピュータやCPU(Central Processing Unit)等の演算装置と、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の記憶装置とにより構成されている。制御装置6は、記憶装置に記憶されたプログラムに基づく処理を演算装置が実行することにより各機能が実現される。なお、制御装置6は、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のフィールドでプログラム可能な論理回路により構成されていてもよい。
本実施形態では、付着水分判定部63は、加熱制御部33を介して加熱部23に加熱を開始させるとともに、湿度計測処理部31から湿度の計測値を取得することにより、結露の有無を判定する。付着水分解消制御部64は、付着水分判定部63により結露が発生していると判定された場合に、ドライバ5を介して送風ファン4を作動させる。
このように、付着水分検出装置は、温湿度検出装置としてのセンサモジュール10と、制御装置6とにより構成されている。なお、制御装置6を、センサモジュール10内に組み込むことも可能である。
[結露判定処理]
次に、付着水分判定部63により行われる結露判定処理について説明する。
次に、付着水分判定部63により行われる結露判定処理について説明する。
図14は、結露判定処理について説明するフローチャートである。図14に示すように、付着水分判定部63は、加熱部23をオフとし(ステップS10)、カウンタ値Cを「0」にリセットする(ステップS11)。次に、付着水分判定部63は、湿度計測処理部31により計測された検出面の湿度H0を取得し(ステップS12)、取得した湿度H0が第1閾値HTH1以上であるか否かを判定する(ステップS13)。ステップS13は、温度が露点に達しているか否かに関する判定に相当する。第1閾値HTH1は、例えば100%RHである。
付着水分判定部63は、湿度H0が第1閾値HTH1未満であると判定した場合には(NO判定)、処理をステップS11に戻す。これにより、カウンタ値Cがリセットされて(ステップS11)、付着水分判定部63は、湿度計測処理部31により計測された湿度H0を再び取得する(ステップS12)。湿度H0の計測及び取得は、例えば30秒ごとに行われる。
付着水分判定部63は、ステップS13において、湿度H0が第1閾値HTH1以上であると判定した場合には(YES判定)、カウンタ値Cに「1」を加算する(ステップS14)。
次に、付着水分判定部63は、カウンタ値Cが閾値CTHであるか否かを判定する(ステップS15)。閾値CTHは、例えば「10」である。付着水分判定部63は、カウンタ値Cが閾値CTHでないと判定した場合には(NO判定)、処理をステップS12に戻し、湿度計測処理部31により計測された湿度H0を再び取得する(ステップS12)。
付着水分判定部63は、カウンタ値Cが閾値CTHであると判定した場合には(YES判定)、処理をステップS16に移行する。すなわち、付着水分判定部63は、湿度H0が第1閾値HTH1以上と連続した判定された回数が閾値CTHとなった場合に、結露のおそれがあると推定して、処理をステップS16に移行する。
ステップS16において、付着水分判定部63は、加熱部23をオンとする。加熱部23が発熱し、検出面の加熱が開始すると、付着水分判定部63は、湿度計測処理部31により計測された検出面の湿度H1を取得する(ステップS17)。この湿度H1の計測及び取得は、所定時間間隔(例えば1秒間隔)で複数回行われる。付着水分判定部63は、湿度H1の取得回数が所定回数(例えば15回)に達したか否かを判定し(ステップS18)、所定回数に達した場合に(YES判定)、取得した湿度H1の平均値HAVGを算出する(ステップS19)。
そして、付着水分判定部63は、平均値HAVGが第2閾値HTH2以上であるか否かを判定する(ステップS20)。第2閾値HTH2は、例えば85%RHである。なお、第2閾値HTH2は85%RHに限られず適宜変更してもよい。
付着水分判定部63は、平均値HAVGが第2閾値HTH2未満である場合には(NO判定)、センサモジュール10の検出面(有効開口部51内におけるセンサチップ20の表面)には結露が生じていない(結露:陰性)と判断して、処理をステップS10に戻す。なお、このとき、送風ファン4が作動している場合には、付着水分解消制御部64に、送風ファン4を停止させる(ステップS21)。一方、付着水分判定部63は、平均値HAVGが第2閾値HTH2以上である場合には(YES判定)、センサモジュール10の検出面に結露が生じている(結露:陽性)と判断して、処理をステップS22に移行する。
このステップS20の判定は、結露が生じているか否か、すなわち検出面に水滴(結露水)が付着しているか否かによって、加熱部23によりセンサチップ20を加熱した場合における検出面の湿度変化が異なることに基づいている。具体的には、結露が生じておらず、検出面に水滴が付着していない場合には、加熱が開始すると短時間で検出面の湿度が低下し、上記第2閾値HTH2未満となる。一方、結露が生じて、検出面に水滴が付着している場合には、加熱が開始しても検出面に水滴が存在する限り湿度が低下せず、検出面の湿度が第2閾値HTH2以上のまま長時間維持される。
付着水分判定部63は、ステップS22において、付着水分解消制御部64に、送風ファン4の作動を開始させる。送風ファン4が作動することにより、乾燥した空気がセンサモジュール10の存在する野菜室3内に導入される。
次に、付着水分判定部63は、送風ファン4が作動した状態で、加熱部23をオフとし(ステップS23)、センサチップ20の加熱を停止させる。付着水分判定部63は、加熱を停止させた状態で、湿度計測処理部31により計測された湿度H2を取得し(ステップS24)、取得した湿度H2が第1閾値HTH1未満であるか否かを判定する(ステップS25)。
付着水分判定部63は、湿度H2が第1閾値HTH1より大きいと判定した場合には(NO判定)、処理をステップS24に戻す。湿度H2の計測及び取得は、例えば30秒ごとに行われる。付着水分判定部63は、湿度H2が第1閾値HTH1未満であると判定した場合には(YES判定)、処理をステップS16に移行させ、送風ファン4が作動した状態で、再度、ステップS16〜S20の結露判定処理を実行する。なお、ステップ25で用いる第1閾値HTH1の値は、ステップS13で設定した値であってもよいし、ステップS13で設定した値よりも低い新たな値であってもよい。
この再度の結露判定処理は、検出面から水滴が消失したことの再確認として実行されるので、異常等がない限り、ステップS20では、NO判定(結露:陰性)となり、ステップS21へ移行して送風ファン4の作動が停止される。
以上のように、センサチップ20の加熱を開始した後の検出面の湿度変化の差異に基づいて判定を行うことにより、結露を早く正確に検出することができる。また、本実施形態に係る付着水分検出装置は、湿度検出部、加熱部、及び制御部を含んでいればよく、光学式露点計のような光学部品は不要であるため、小型で安価に実現することができる。さらに、本実施形態に係る付着水分検出装置では、湿度、温度、及び結露を、1つのセンサチップ20を用いて検出することができる。
[実験結果]
次に、センサチップ20の加熱開始後の湿度変化に関する実験結果について説明する。以下の実験結果は、センサモジュール10を、ペルチェ素子上に搭載して冷却することにより、疑似的に野菜室3内の環境を再現した結果である。
次に、センサチップ20の加熱開始後の湿度変化に関する実験結果について説明する。以下の実験結果は、センサモジュール10を、ペルチェ素子上に搭載して冷却することにより、疑似的に野菜室3内の環境を再現した結果である。
図15は、結露が発生していない場合における第1の実験結果を示す図である。具体的には、図15は、加熱部23をオフとした状態でペルチェ素子の電流を調整し、温度を約9℃、湿度を97〜98%RHに維持した状態で、加熱部23をオンとした場合における湿度と温度との変化を示す図である。
図15に示すように、結露の発生がなく、センサチップ20の検出面に水滴が付着していない場合には、加熱部23をオンとして加熱を開始すると、温度が急峻に上昇するとともに、湿度が急峻に低下することが確認された。本実験では、加熱を開始した後の湿度(上記湿度H1に相当)は、約8秒で70%RHまで低下した。加熱を開始した後、15秒間の湿度H1の平均値HAVGは約76.5%RHであり、上記第2閾値HTH2(85%RH)未満となることが確認された。
図16は、結露が発生していない場合における第2の実験結果を示す図である。第2の実験は、温度を約5℃、湿度を約98.3%RHに維持した状態で、加熱部23をオンとした点のみが、上記第1の実験における実験条件と異なる。本実験では、加熱を開始した後の湿度(上記湿度H1に相当)は、約10秒で70%RHまで低下した。加熱を開始した後、15秒間の湿度H1の平均値HAVGは約78.5%RHであり、上記第2閾値HTH2(85%RH)未満となることが確認された。
図17は、結露が発生している場合における実験結果を示す図である。なお、図17では、実験に用いたセンサモジュール10の特性上、湿度が100%RH以上の値を示している。
図17に示すように、結露が発生している場合には、加熱部23をオンとして加熱を開始するとともに温度は急峻に上昇する一方で、湿度が低下を開始するまでに一定時間が要されることが確認された。加熱を開始する前は、センサチップ20の検出面に水滴が凝集している状態であるので、加熱を開始しても水滴が消失するまでには一定時間が要され、この一定時間の間は高湿度状態が維持される。
本実験では、加熱を開始した後、湿度が低下し始めるまでに、約90秒の時間が要された。加熱を開始した後、15秒間の湿度H1の平均値HAVGは約103.5%RHであり、上記第2閾値HTH2(85%RH)以上となることが確認された。
なお、湿度が約70%RHまで低下した後、水滴が完全に消失していることが確認された。
[変形例]
以下に、上記実施形態の各種変形例について説明する。
以下に、上記実施形態の各種変形例について説明する。
上記実施形態では、結露のおそれを検知するために、結露判定処理(ステップS16〜S20)の前に、予備的な事前判定処理(ステップS10〜S15)を行っているが、この事前判定処理は必須ではない。
また、上記実施形態では、結露が陽性と判定された後、送風ファン4が作動した状態で、結露が解消したことを確認するために結露解消判定処理(ステップS23〜S25)を行っているが、この結露解消判定処理も必須ではない。
<結露判定処理>
上記実施形態では、加熱部23により加熱を開始した後、湿度H1の計測値を複数取得し、これらの平均値HAVGに基づいて結露の有無を判定しているが、平均値HAVGの算出は必須ではない。例えば、加熱を開始した後の所定時間後の湿度H1の計測値を第2閾値HTH2と比較することにより、結露の有無を判定してもよい。
上記実施形態では、加熱部23により加熱を開始した後、湿度H1の計測値を複数取得し、これらの平均値HAVGに基づいて結露の有無を判定しているが、平均値HAVGの算出は必須ではない。例えば、加熱を開始した後の所定時間後の湿度H1の計測値を第2閾値HTH2と比較することにより、結露の有無を判定してもよい。
また、加熱を開始した後の湿度H1の変化率の差異に基づいて結露の有無を判定することも可能である。例えば、加熱を開始した後の湿度H1を時間Δtごとに湿度H1を取得し、加熱を開始後のある時間tにおける湿度H1(t)と、続く時間Δt後における湿度H1(t+Δt)との差分値ΔH(=H1(t+Δt)−H1(t))を求め、この差分値ΔHが連続して基準値Hs以上となる回数に基づいて結露の有無を判定する。
図18及び図19は、加熱を開始した後の湿度の差分値ΔHと時間との関係を例示する図である。図18(A)は、結露が発生していない場合を示している。図18(B)は、霧状の結露が発生している場合を示している。図19は、水滴が凝集した結露が発生している場合を示している。図18及び図19では、時間Δtを1秒とし、基準値Hsを「−1%RH」としている。
図18(A)に示すように、結露が発生している場合には、加熱を開始した後、湿度H1が急激に低下するので、前回取得した湿度との差分値ΔHが連続して基準値Hs以上となる回数が少ない。図18(A)に示す例では、2回である。
一方、図18(B)に示すように、結露(霧状)が発生している場合には、加熱を開始した後の湿度H1の低下率が緩やかになることから、差分値ΔHが連続して基準値Hs以上となる回数が多くなる。図18(A)に示す例では、4回である。さらに、図19に示すように、結露(凝集)が発生している場合には、加熱を開始した後の湿度H1の低下率がさらに緩やかになることから、差分値ΔHが連続して基準値Hs以上となる回数が多数となる。
したがって、図18及び図19に示す例では、加熱を開始した後、湿度の差分値ΔHが連続して基準値Hs以上となる回数が3回以上であるか否かを判定することにより、結露が発生しているか否かを判定することができる。なお、判定の基準回数は、3回に限られず、適宜変更可能である。また、加熱を開始した後、湿度の差分値ΔHが連続して基準値Hs以上となる回数に基づいて、検出面に付着した水滴(結露水)の量を推定することができる。
<事前判定処理>
また、上記実施形態では、露点に達しているか否かを判定する事前判定処理において、第1閾値HTH1を固定値(100%RH)としているが、判定中に温度が変動する可能性を考慮し、温度計測処理部32により計測される温度に応じて第1閾値HTH1を変更することも好ましい。結露解消判定処理で用いる第1閾値HTH1についても同様である。
また、上記実施形態では、露点に達しているか否かを判定する事前判定処理において、第1閾値HTH1を固定値(100%RH)としているが、判定中に温度が変動する可能性を考慮し、温度計測処理部32により計測される温度に応じて第1閾値HTH1を変更することも好ましい。結露解消判定処理で用いる第1閾値HTH1についても同様である。
具体的には、付着水分判定部63は、例えばN℃の環境下で事前判定処理を行う場合には、N℃露点に対応する湿度と温度との関係を表すデータを記憶しておき、温度計測処理部32により計測された温度に対応する湿度を第1閾値HTH1とする。
露点とは、大気中の水蒸気量と飽和水蒸気量とが等しくなる温度(相対湿度が100RH%になる温度)を意味する。N℃露点とは、露点がN℃であることを意味する。
図20は、N℃露点に対応する湿度と温度との関係を例示するグラフである。例えば、温度が10℃の場合には、5℃露点に対応する湿度が71%RHであるので、第1閾値HTH1を71%RHに設定すればよい。
N℃露点に対応する湿度と温度との関係を表すデータは、飽和水蒸気圧E(単位:hPa)を求めるための下式(1)に基づいて算出することができる。
E=(exp(−6096.9385×(T+273.15)−1+21.2409642−2.711193×10−2×(T+273.15)+1.673952×10−5×(T+273.15)2+2.433502×ln(T+273.15)))/100 ・・・(1)
この式(1)は、SONNTAGの式と呼ばれている。ここで、Tは摂氏温度を表す。
この式(1)は、SONNTAGの式と呼ばれている。ここで、Tは摂氏温度を表す。
例えば、T=5℃の場合、E=8.72hPaと算出される。また、T=25℃の場合、E=31.67hPaと算出される。したがって、温度Tが25℃の場合には、5℃露点に対応する湿度は、8.72/31.67×100=27.53%RHと算出される。
<結露解消判定処理>
次に、結露解消判定処理の変形例について説明する。
次に、結露解消判定処理の変形例について説明する。
図21は、本変形例に係る結露解消判定処理を有する結露判定処理を説明するフローチャートである。図21に示すフローチャートは、ステップS22〜S25に代えて、ステップS30〜S33を適用している点のみが、図14に示すフローチャートと異なる。
本変形例では、結露が陽性と判定され、付着水分解消制御部64に送風ファン4の作動を開始させると(ステップS22)、付着水分判定部63は、加熱部23をオフとせずにオンとしたままの状態で、湿度計測処理部31により計測された湿度H2を取得する(ステップS30)。また、付着水分判定部63は、温度計測処理部32により計測された温度Tを取得する(ステップS31)。
次に、付着水分判定部63は、取得した湿度H2と温度Tとに基づいて露点Tdを算出する(ステップS32)。この露点Tdの算出は、温度と飽和水蒸気量との関係を表すデータや、飽和水蒸気圧と温度との関係を表わすデータ等を用いて行われる。
そして、付着水分判定部63は、算出した露点Tdを基準温度Tsと比較し(ステップS33)、露点Tdが基準温度Ts以上である場合には(NO判定)、結露が解消されていないと判断して、処理をステップS30に戻す。一方、露点Tdが基準温度Ts未満である場合には(YES判定)、結露が解消されたと判断して、処理をステップS21に移行し、付着水分解消制御部64に送風ファン4の作動を停止させる。基準温度Tsは、例えば5℃とする。
このように、加熱部23をオンとした状態で露点に基づいて判定を行うことにより、判定速度が向上し、短時間で送風ファン4の作動を停止させることができる。これは、加熱部23をオンとしたまま判定を行うことにより、センサチップ20の検出面に付着した水滴が短時間で消失し、検出面に水滴が存在しない状態で判定処理を行うことができるためである。
<結露水量推定処理>
次に、センサチップ20の検出面に付着した水滴(結露水)の量を推定処理について説明する。
次に、センサチップ20の検出面に付着した水滴(結露水)の量を推定処理について説明する。
図22は、霧状の結露が発生する環境下において加熱を開始した場合における湿度及び温度の変化を例示する図である。より具体的には、図22は、加熱部23による加熱を行った状態から加熱を停止し、センサチップ20の検出面に霧状の結露が発生した後、再び加熱を開始した場合における湿度及び温度の変化を示している。
結露水量は、結露が発生している場合における加熱開始後の温度変化量を、結露が発生していない場合における加熱開始前後の温度変化量と比較することにより推定することができる。
図23は、結露が発生していない環境下において加熱を開始した場合におけるセンサチップ20の温度変化量を例示する図である。図23に示す例では、温度変化量ΔTは約7.6℃である。
これに対して、図22に示すように、霧状の結露が発生する環境下では、加熱を開始する直前の温度T(0)は約6.1℃であり、加熱を開始してから10秒後の温度T(t)は約13.3℃であり、温度変化量(T(t)−T(0))は約7.2℃であった。ここで、T(t)は、加熱を開始してから一定時間t後におけるセンサチップ20の温度を表している。
加熱開始後の一定期間における温度変化量は、結露水量に依存し、結露水量が小さいほど大きく、上記温度変化量ΔTに近づく。したがって、例えば、下式(2)で表される係数Y(以下、温度変化係数Yという。)を求めることにより、結露水量を推定することができる。
Y=ΔT/(T(t)−T(0))−1 ・・・(2)
図24は、結露水量と温度変化係数Yとの関係を例示する図である。図24は、異なる結露水量における実験結果であり、ΔT=7.6℃として温度変化係数Yの算出を行っている。このように、温度変化係数Yが0に近いほど、結露水量が少ないことが分かる。
図24は、結露水量と温度変化係数Yとの関係を例示する図である。図24は、異なる結露水量における実験結果であり、ΔT=7.6℃として温度変化係数Yの算出を行っている。このように、温度変化係数Yが0に近いほど、結露水量が少ないことが分かる。
次に、上述の結露判定処理とともに結露水量推定処理を行う具体例について説明する。図25は、結露判定処理とともに実行される結露水量推定処理を説明するフローチャートである。図25に示す結露水量推定処理では、温度変化係数Yに加えて、加熱開始後の湿度の低下率を表す湿度変化係数Xを用いて結露水量を推定する。なお、図25に示すフローチャートでは、上記実施形態で説明した事前判定処理及び結露解消判定処理は省略している。
まず、付着水分判定部63は、加熱部23をオフとした状態で、カウンタ値nを「0」とし(ステップS40)、湿度計測処理部31により計測された湿度H1(n)を取得し(ステップS41)、温度計測処理部32により計測された温度T(n)を取得する(ステップS42)。付着水分判定部63は、取得した湿度H1(0)及び温度T(0)を初期値として記憶装置に記憶させる。
次に、付着水分判定部63は、加熱部23をオンとして加熱を開始させる(ステップS43)とともに、カウンタ値nに「1」を加算する(ステップS44)。そして、付着水分判定部63は、湿度計測処理部31により計測された湿度H1(n)を取得し(ステップS45)、温度計測処理部32により計測された温度T(n)を取得する(ステップS46)。付着水分判定部63は、取得した湿度H1(n)及び温度T(n)を記憶装置に記憶させる。
そして、付着水分判定部63は、カウンタ値nが最大値Nmaxであるか否かを判定する(ステップS47)。最大値Nmaxは、例えば「15」である。付着水分判定部63は、カウンタ値nが最大値Nmaxでないと判定した場合には(NO判定)、処理をステップS44に戻し、カウンタ値をインクリメントするとともに、湿度H1(n)及び温度T(n)を再び取得する。なお、湿度H1(n)及び温度T(n)の取得は、例えば1秒ごとに行われる。
付着水分判定部63は、カウンタ値nが最大値Nmaxであると判定した場合には(YES判定)、記憶装置に記憶された湿度H1(n)に基づき、平均値HAVGの算出を行う(ステップS48)。平均値HAVGの算出は、下式(3)に基づいて行われる。
HAVG=(H1(1)+H1(2)+・・・+H1(Nmax))/Nmax ・・・(3)
次に、付着水分判定部63は、記憶装置に記憶された湿度H1(n)に基づき、湿度変化係数Xを算出する(ステップS49)。湿度変化係数Xは、加熱を開始した後、湿度の差分値ΔHが連続して基準値Hs以上となった回数を表す。湿度変化係数Xの算出処理については、後述する。
次に、付着水分判定部63は、記憶装置に記憶された湿度H1(n)に基づき、湿度変化係数Xを算出する(ステップS49)。湿度変化係数Xは、加熱を開始した後、湿度の差分値ΔHが連続して基準値Hs以上となった回数を表す。湿度変化係数Xの算出処理については、後述する。
次に、付着水分判定部63は、記憶装置に記憶された温度T(n)と、予め記憶装置に記憶されている前述の温度変化量ΔTに基づいて、温度変化係数Yを算出する(ステップS50)。温度変化係数Yの算出処理については、後述する。
次に、付着水分判定部63は、上記実施形態と同様に、平均値HAVGが第2閾値HTH2以上であるか否かを判定する(ステップS51)。付着水分判定部63は、平均値HAVGが第2閾値HTH2未満である場合には(NO判定)、結露が生じていない(結露:陰性)と判断する。一方、付着水分判定部63は、平均値HAVGが第2閾値HTH2以上である場合には(YES判定)、結露が生じている(結露:陽性)と判断して、処理をステップS52に移行する。
ステップS52において、付着水分判定部63は、湿度変化係数X及び温度変化係数Yを用いて、検出面上の結露水量を判定する。
図26は、湿度変化係数Xの算出処理を説明するフローチャートである。付着水分判定部63は、上記ステップS49において湿度変化係数Xの算出を行う場合、まず、カウンタ値X及びカウンタ値nをそれぞれ「0」とする(ステップS60,S61)。
次に、付着水分判定部63は、記憶装置に記憶された湿度H1(n)に基づき、差分値ΔHを算出する(ステップS62)。差分値ΔHは、下式(4)で表される。
ΔH=H1(n+1)−H1(n) ・・・(4)
付着水分判定部63は、算出した差分値ΔHが基準値Hs以上であるか否かを判定する(ステップS63)。付着水分判定部63は、差分値ΔHが基準値Hs以上であると判定した場合には(YES判定)、カウンタ値X及びカウンタ値nにそれぞれ「1」を加算し(ステップS64,S65)、カウンタ値nが上述の最大値Nmaxであるか否かを判定する。付着水分判定部63は、カウンタ値nが最大値Nmaxでないと判定した場合には(NO判定)、処理をステップS62に戻し、再び差分値ΔHを算出する。
付着水分判定部63は、算出した差分値ΔHが基準値Hs以上であるか否かを判定する(ステップS63)。付着水分判定部63は、差分値ΔHが基準値Hs以上であると判定した場合には(YES判定)、カウンタ値X及びカウンタ値nにそれぞれ「1」を加算し(ステップS64,S65)、カウンタ値nが上述の最大値Nmaxであるか否かを判定する。付着水分判定部63は、カウンタ値nが最大値Nmaxでないと判定した場合には(NO判定)、処理をステップS62に戻し、再び差分値ΔHを算出する。
一方、付着水分判定部63は、カウンタ値nが最大値Nmaxであると判定した場合には、カウンタ値X(=Nmax)を記憶装置に記録して処理を終了する。また、付着水分判定部63は、ステップS63において、差分値ΔHが基準値Hs未満であると判定した場合には(NO判定)、その時点のカウンタ値Xを記憶装置に記録して処理を終了する。
このように、記憶装置に記録されるカウンタ値Xが、差分値ΔHが連続して基準値Hs以上となった回数を表す湿度変化係数Xである。
図27は、温度変化係数Yの算出処理を説明するフローチャートである。付着水分判定部63は、上記ステップS50において温度変化係数Yの算出を行う場合、まず、記憶装置から初期値と記憶した温度T(0)を読み出す(ステップS70)。次に、付着水分判定部63は、ステップS43により加熱を開始してから一定時間t後の温度H1(t)を読み出す(ステップS71)。例えば、付着水分判定部63は、n=10として、加熱を開始してから10秒後の温度H1(10)を読み出し、温度H1(t)とする。
また、付着水分判定部63は、予め記憶装置に記憶されている結露が生じていない場合における温度変化量ΔTを読み出す(ステップS72)。そして、付着水分判定部63は、上式(2)に基づいて温度変化係数Yを算出する。
図28は、結露水量の判定処理を説明するフローチャートである。まず、付着水分判定部63は、湿度変化係数Xが最大値Nmaxであるか否かを判定する(ステップS80)。付着水分判定部63は、湿度変化係数Xが最大値Nmaxであると判定した場合には(YES判定)、温度変化係数Yが閾値YTH以上であるか否かを判定する(ステップS81)。閾値YTHは、例えば「0.08」である。
付着水分判定部63は、温度変化係数Yが閾値YTH以上である場合には(YES判定)、結露水量が「大」であると判定し(ステップS82)、温度変化係数Yが閾値YTH未満である場合には(NO判定)、結露水量が「中」であると判定する(ステップS83)。
付着水分判定部63は、ステップS80において湿度変化係数Xが最大値Nmaxでないと判定した場合には(NO判定)、温度変化係数Yが閾値YTH以上であるか否かを判定する(ステップS84)。ステップS81と同様に、閾値YTHは、例えば「0.08」である。
付着水分判定部63は、温度変化係数Yが閾値YTH未満である場合には(NO判定)、結露水量が「小(霧状)」であると判定し(ステップS85)、温度変化係数Yが閾値YTH以上である場合には(YES判定)、「エラー」と判定する(ステップS86)。
すなわち、付着水分判定部63は、差分値ΔHが連続して基準値Hs以上となる回数が多く、かつ温度変化量(T(t)−T(0))が小さいほど、結露水の量が多いと推定する。
仮に湿度変化係数Xのみを用いて判定を行う場合には結露水量を詳細に推定することはできないが、本判定方法によれば、湿度変化係数Xに加えて、温度変化係数Yを用いて判定を行うので、結露水量をより詳細に推定することができる。なお、付着水分判定部63は、温度変化係数Yを用いずに、湿度変化係数Xのみを用いて判定を行うことも可能である。本開示は、湿度変化係数Xのみを用いた判定方法を排除するものではない。
なお、上記各フローチャートに示した処理は、矛盾が生じない限り順序を変更してもよい。
<事前判定処理>
次に、事前判定処理の変形例について説明する。図29は、事前判定処理の変形例を説明するフローチャートである。本変形例は、図14又は図21に示すフローチャートに、複数のステップS90〜S95を追加したものである。
次に、事前判定処理の変形例について説明する。図29は、事前判定処理の変形例を説明するフローチャートである。本変形例は、図14又は図21に示すフローチャートに、複数のステップS90〜S95を追加したものである。
図29に示すように、本変形例では、付着水分判定部63は、ステップS10の後、カウンタ値qを「0」とする(ステップS90)。そして、付着水分判定部63は、ステップS12で湿度H0を取得した後、温度計測処理部32により計測された温度T0を取得する(ステップS91)。
次に、付着水分判定部63は、取得した湿度H0と温度T0とに基づいて露点Td(q)を算出する(ステップS92)。付着水分判定部63は、算出した露点Td(q)を記憶装置に記憶させる。この露点Td(q)の算出処理は、上述した図21に示すステップS32において行われる算出処理と同様である。付着水分判定部63は、記憶装置に記憶された露点Td(q)及びTd(q−1)を用いて、差分値ΔTdを算出する(ステップS93)。差分値ΔTdは、下式(5)で表される。
ΔTd=Td(q)−Td(q−1) ・・・(5)
ここで、Td(q−1)は、ステップS92において前回算出された露点である。なお、前回算出された露点が存在しない場合には、ステップS93,S94をスキップしてステップS95に移行してもよい。また、前回算出された露点が存在しない場合には、予め記憶装置に記憶された初期値を用いてもよい。
ここで、Td(q−1)は、ステップS92において前回算出された露点である。なお、前回算出された露点が存在しない場合には、ステップS93,S94をスキップしてステップS95に移行してもよい。また、前回算出された露点が存在しない場合には、予め記憶装置に記憶された初期値を用いてもよい。
次に、付着水分判定部63は、算出した差分値ΔTdを閾値TTHと比較し(ステップS94)、差分値ΔTdが閾値TTH未満である場合には(NO判定)、カウンタ値qに「1」を加算して(ステップS95)、処理をステップS13に移行する。一方、付着水分判定部63は、差分値ΔTdが閾値TTH以上である場合には、結露のおそれがあると推定して、処理をステップS16に移行する。ここで、閾値TTHは、例えば1.5℃である。閾値TTHは、小さすぎると誤判定の可能性が高まり、逆に大き過ぎると判定が行えないため、用途に応じて適切な値に設定することが好ましい。また、想定される環境温度をパラメータとして閾値TTHを設定することも好ましい。
このように、露点の変化に基づいた結露の推定処理を事前判定処理に追加することにより、同程度の温度で急激な湿度変化が生じるような場合でも結露の推定が可能となる。これにより、霧吹きのような水滴の付着の検知や、水没の検知等を迅速に行うことが可能となる。
<その他の変形例>
センサモジュール10は、モールド樹脂40に形成された凹状の開口部50を検出面上に有するので、検出面上に結露が溜り易く、結露の発生を早期に検出することができる。
センサモジュール10は、モールド樹脂40に形成された凹状の開口部50を検出面上に有するので、検出面上に結露が溜り易く、結露の発生を早期に検出することができる。
さらに、結露の発生を早期に検出するために、図30に示すように、センサチップ20検出面2a上の開口部50の周囲に撥水性を有する撥水膜200を形成してもよい。この撥水膜200は、上部電極84よりも外側に形成することが好ましい。撥水膜200は、オーバーコート膜87よりも撥水性の高い材料で形成された膜であればよい。このように撥水膜200を設けることにより、結露水が検出面2a上に集まり易くなるため、結露発生の検出感度が向上する。
上記実施形態では、センサチップ20において、参照電極82を加熱部23の上方に配置しているが、参照電極82は必ずしも加熱部23の上方でなくてもよい。
また、上記実施形態では、センサチップ20を形成するための半導体基板としてp型半導体基板70を用いているが、n型半導体基板を用いることも可能である。この場合には、加熱部23をp型拡散層により形成すればよい。すなわち、加熱部は、半導体基板の表層に不純物を添加してなる不純物拡散層で形成されていればよい。
また、上記実施形態では、温度検出部22をnpn型のバイポーラトランジスタ90により構成しているが、pnp型のバイポーラトランジスタにより構成してもよい。
また、上記実施形態では、センサチップ20が備える湿度検出用キャパシタ80は、電極構造が平行平板型であるが、これに代えて、いわゆる櫛歯型の電極構造を用いてもよい。センサチップは、加熱部(ヒータ)を有する温湿度センサであればよい。
また、本開示において、「覆う」や「上」という文言により表される2つの要素の位置関係は、第1の要素を第2の要素の表面に、他の要素を介して間接的に設けられる場合、及び直接的に設けられる場合の両方を含む。
また、上記実施形態では、送風ファンにより結露の解消を行っているが、HDDドライブにおいて磁気ディスクを回転させて結露を解消するような結露解消手段や、エアブローによる結露解消手段など、送風ファン以外の他の結露解消手段を用いることも可能である。
また、上記実施形態では、温度検出部22をセンサチップ20に搭載した例を示したが、温度検出部をASICチップ30に搭載することも可能であり、ASICチップ30に搭載された温度検出部で、加熱部23により生じる温度上昇を検出してもよい。
(第二の実施形態)
以下に図面を参照して、第二の実施形態について説明する。第二の実施形態では、結露の検出に加えて、着霜を検出する点が、第一の実施形態と相違する。以下の第二の実施形態の説明では、第一の実施形態との相違点について説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには、第一の実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
以下に図面を参照して、第二の実施形態について説明する。第二の実施形態では、結露の検出に加えて、着霜を検出する点が、第一の実施形態と相違する。以下の第二の実施形態の説明では、第一の実施形態との相違点について説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには、第一の実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
図31は、本発明の第二の実施形態に係る冷蔵庫の全体構成を示す概略図である。
本実施形態に係る冷蔵庫1は、冷凍室11をさらに有する。冷凍室11の室内の壁面には、センサモジュール10が設置されている。
本実施形態に係る冷蔵庫1は、センサモジュール10を使用して、野菜室3に発生する結露の検出に加えて、冷凍室11に発生する着霜の検出を行う。
制御装置6は、野菜室3に結露が発生しているか否かの判定に加えて、冷凍室11に着霜が発生しているか否かを判定する。そして、制御装置6は、冷凍室11に着霜が発生していると判定すると、ドライバ5を制御して、加熱器8を作動させる。
加熱器8は、ドライバ5により駆動されて、冷凍室11の内部を加熱して霜を溶かす。加熱器8は、付着水分を解消するための付着水分解消部として機能する。
本実施形態に係る制御装置6の付着水分判定部63は、結露または着霜が発生しているか否かを判定する。具体的には、付着水分判定部63は、図14または図21に示した結露判定処理と同様の処理によって、結露、着霜等の水分の付着が発生しているか否かを判定する付着水分判定処理を実行する。
付着水分判定部63は、付着水分判定処理において、加熱部23がオフの状態における温度である温度T0が0℃以上の場合には、結露が発生しているか否かを判定し、温度T0が0℃未満の場合には、着霜が発生しているか否かを判定する。
また、本実施形態に係る制御装置6の付着水分解消制御部64は、付着水分判定部63が、結露が発生していると判定した場合には、ドライバ5を制御して送風ファン4を作動させ、着霜が発生していると判定した場合には、ドライバ9を制御して加熱器8を作動させる。
さらに、付着水分解消制御部64は、図14または図21に示した結露解消判定処理と同様の処理によって、結露、着霜等の付着水分の発生が解消されたことを確認するための付着水分解消判定処理を実行する。
また、本実施形態では、事前判定処理において、温度が露点に達しているか否か、または温度が霜点に達しているか否かを判定しても良い。なお、霜点とは、霜が発生する温度であり、露点よりも低い温度となることが知られている。
また、温度計測処理部32により計測される温度に応じて第1閾値HTH1を変更することも好ましい。付着水分解消判定処理で用いる第1閾値HTH1についても同様である。
具体的には、付着水分判定部63は、例えばN℃の環境下で事前判定処理を行う場合には、N℃露点に対応する湿度と温度との関係を表すデータと、N℃霜点に対応する湿度と温度との関係を表すデータと、を記憶しておき、温度計測処理部32により計測された温度に対応する湿度を第1閾値HTH1とする。なお、N℃霜点とは、霜点がN℃であることを意味する。
この場合、温度によって、N℃露点に対応するデータを使用するか、N℃霜点に対応するデータを使用するかを決定しても良い。例えば、温度Nが0以上の場合には、N℃露点に対応するデータを使用し、温度が0未満の場合には、N℃霜点に対応するデータを使用しても良い。
N℃霜点に対応する湿度と温度との関係を表すデータは、氷の飽和水蒸気圧E(単位:hPa)を求めるための下式(6)に基づいて算出することができる。
E=(exp(−6024.5282×(T+273.15)−1+29.32707+1.0613868×10−2×(T+273.15)−1.3198825×10−5×(T+273.15)2−0.49382577×ln(T+273.15)))/100 ・・・(6)
この式(6)は、SONNTAGの式のうち、氷の飽和水蒸気圧に関する式である。ここで、Tは摂氏温度を表す。
この式(6)は、SONNTAGの式のうち、氷の飽和水蒸気圧に関する式である。ここで、Tは摂氏温度を表す。
次に、事前判定処理の変形例について説明する。図32は、本発明の第二の実施形態に係る事前判定処理の変形例を説明するフローチャートである。本変形例は、図29に示すフローチャートに、霜点の算出のためのステップS96およびS97を追加したものである。
図32に示すように、本変形例では、付着水分判定部63は、温度T0が0℃以上であるか否かを判定する(ステップS96)。付着水分判定部63は、温度T0が0℃以上であると判定すると(YES判定)、露点Td(q)を算出する(ステップS92)。
また、付着水分判定部63は、温度T0が0℃以上でないと判定すると(NO判定)、霜点Td(q)を算出する(ステップS97)。具体的には、付着水分判定部63は、上述した式(6)に基づいて算出された、N℃霜点に対応する湿度と温度との関係を表すデータを用いて、霜点Td(q)算出する。
このように、本変形例に係る付着水分判定部63は、事前判定処理によって、結露または着霜のおそれが有るか否かを判定する。
なお、ステップS94において差分値ΔTdと比較する閾値TTHは、温度T0が0℃以上であるか否かによって異なる閾値としても良いし、温度T0に関わらず同一の閾値としても良い。また、閾値TTHは、温度T0が0℃以外の温度を境界として、さらに異なる閾値としても良い。
[実験結果]
次に、センサチップ20の加熱開始後の湿度変化に関する実験結果について説明する。以下の実験結果は、センサモジュール10を、ペルチェ素子上に搭載して冷却することにより、疑似的に冷凍室11内の環境を再現した結果である。
次に、センサチップ20の加熱開始後の湿度変化に関する実験結果について説明する。以下の実験結果は、センサモジュール10を、ペルチェ素子上に搭載して冷却することにより、疑似的に冷凍室11内の環境を再現した結果である。
図33は、本発明の第二の実施形態に係る実験結果を示す図である。
本実験は、温度15℃、湿度35%RHの環境において実施した。なお、この環境においては、露点は−0.323℃、霜点は−0.273℃である。
図33に示すように、実験開始から50秒後にペルチェ素子によって冷却を開始すると、
実験開始から200秒後までの間に、温度が−8℃となり、霜の発生が確認された。
実験開始から200秒後までの間に、温度が−8℃となり、霜の発生が確認された。
次に、実験開始から200秒後から加熱部23をオンとして加熱を開始すると、温度が急峻に上昇するとともに、湿度が下降し始めるまでの間に約20秒程度のタイムラグがあった。
したがって、着霜が発生している場合に湿度の低下が遅れることを利用して、着霜を検出することが可能であることが確認された。
(第三の実施形態)
以下に図面を参照して、第三の実施形態について説明する。第三の実施形態では、付着水分の検出を継続して実行し、実行結果のログを出力する点が、第一の実施形態と相違する。以下の第三の実施形態の説明では、第一の実施形態との相違点について説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには、第一の実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
以下に図面を参照して、第三の実施形態について説明する。第三の実施形態では、付着水分の検出を継続して実行し、実行結果のログを出力する点が、第一の実施形態と相違する。以下の第三の実施形態の説明では、第一の実施形態との相違点について説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには、第一の実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
図34は、本発明の第三の実施形態に係るログ出力システムの全体構成を示す概略図である。
ログ出力システム300は、付着水分の検出を継続して実行し、実行結果のログを出力する。例えば、ログ出力システム300は、ビニールハウス内で栽培されている野菜に、水分が付着しているか否かを監視するために使用される。
具体的には、ログ出力システム300は、センサモジュール10と、制御装置6と、ログ出力装置12と、を備える。
本実施形態に係るセンサモジュール10は、第一の実施形態と同様に、湿度及び温度を計測する。
本実施形態に係る制御装置6は、第一の実施形態と同様に、センサモジュール10から計測結果を受信して、水分の付着が発生しているか否かを判定する。
ログ出力装置12は、制御装置6から判定結果と測定データとを受信して、受信した判定結果と測定データとを含むログデータをディスプレイ等の出力部に出力する。
図35は、本発明の第三の実施形態に係るセンサモジュールおよび制御装置の機能構成を例示するブロック図である。
本実施形態に係る制御装置6は、付着水分判定部63と、データ通信部65と、を備える。
データ通信部65は、付着水分判定部63による判定結果と、センサモジュール10から受信した測定結果と、を含むログデータを、ログ出力装置12に送信する。また、データ通信部65は、ログ出力処理の開始または終了を指示する信号や、現在時刻を示すデータ等を、ログ出力装置12から受信する。
図36は、本発明の第三の実施形態に係るログ出力処理を説明するフローチャートである。
制御装置6のデータ通信部65がログ出力処理の開始を指示する信号を、ログ出力装置12から受信すると、制御装置6は、図36に示されるログ出力処理を開始する。
付着水分判定部63は、時間変数tを「0秒」にセットする(ステップS101)。なお、時間変数tは、このステップS101において初期設定してからの経過時間を示す変数である。
そして、付着水分判定部63は、ログ出力装置12から現在時刻を示す時刻データを受信する(ステップS102)。
続いて、付着水分判定部63は、温度と湿度とを示すデータを取得する(ステップS103)。具体的には、付着水分判定部63は、湿度計測処理部31により測定された検出面の湿度を示すデータと、温度計測処理部32により測定された温度を示すデータと、を受信する。
続いて、付着水分判定部63は、ステップS104に係る測定をN回行ったか否かを判定する(ステップS104)。ここで、Nは、あらかじめ設定された基準回数を示す値であって、測定環境などを考慮して、例えば8に設定される。付着水分判定部63は、測定をN回行っていないと判定すると(NO判定)、1秒間待って(ステップS105)、ステップS103の処理に戻る。
また、付着水分判定部63は、測定をN回行ったと判定すると(YES判定)、N回分の測定結果に基づいて、平均温度TOFFAVGと、平均湿度HOFFAVGと、を算出する(ステップS106)。
次に、付着水分判定部63は、加熱部23をオンにして(ステップS107)、1秒間待つ(ステップS108)。なお、加熱部23をオンにした後に1秒間待つことによって、センサチップ20の温度上昇が安定する。センサチップ20の温度上昇が安定するまでの間は温度や湿度の検出結果が正確ではない可能性があるため、センサチップ20の温度上昇が安定した後のデータを取得することで検出精度を向上することができる。
次に、付着水分判定部63は、温度と湿度とを示すデータを取得する(ステップS109)。付着水分判定部63は、ステップS109に係る測定をM回行ったか否かを判定する(ステップS110)。ここで、Mは、あらかじめ設定された基準回数を示す値であって、測定環境などを考慮して、例えば2に設定される。付着水分判定部63は、測定をM回行っていないと判定すると(NO判定)、ステップS108の処理に戻る。
また、付着水分判定部63は、測定をM回行ったと判定すると(YES判定)、加熱部23をオフにして(ステップS111)、M回分の測定結果に基づいて、平均温度TONAVGと、平均湿度HONAVGと、を算出する(ステップS112)。
続いて、付着水分判定部63は、HOFFAVG>HTH3かつHOFFAVG−HONAVG≦HDであるか否かを判定する(ステップS113)。HTH3およびHDは、あらかじめ設定された閾値であって、例えば、HTH3=90%RH、HD=1に設定される。
センサチップ2に結露、着霜等の付着水分がある場合には、湿度の低下が遅れるため、HOFFAVG−HONAVGの値は小さくなる。したがって、HOFFAVG−HONAVG≦HDであるか否かの判定によって、センサチップ20に付着水分があるか否かの判定を行うことができる。
また、湿度が高い環境下において結露、着霜等の水分の付着が発生するため、HOFFAVG>HTH3であるか否かの判定によって、水分の付着が発生しやすい環境であるか否かを補助的に判定することができる。
付着水分判定部63は、HOFFAVG>HTH3かつHOFFAVG−HONAVG≦HDであると判定すると(YES判定)、判定結果の値を1(陽性)とする(ステップS114)。1(陽性)は、結露、着霜等の水分の付着が発生していることを示す値である。
また、HOFFAVG>HTH3かつHOFFAVG−HONAVG≦HDでない(HOFFAVG≦HTH3またはHOFFAVG−HONAVG>HDである)と判定すると(NO判定)、判定結果の値を0(陰性)とする(ステップS115)。0(陰性)は、結露、着霜等の水分の付着が発生していないことを示す値である。
次に、データ通信部65は、ステップS102において取得した時刻データ、ステップS106において算出した平均温度TOFFAVGおよび平均湿度HOFFAVG、およびステップS114またはステップS115で決定した判定結果の値を含むデータをログ出力装置12に送信する(ステップS116)。
そして、付着水分判定部63は、時間変数t=tsとなるまで待つ(ステップS117)。ここで、tsは、あらかじめ設定された基準値であって、測定環境などを考慮して、例えば600秒に設定される。なお、実験の結果では、加熱部23をオフしてから60秒程度でセンサチップ20が外気の温度および湿度に戻ることが確認された。したがって、tsを約60秒に設定しても良い。また、t=tsとなるまでの期間は、データ通信部65や付着水分判定部63など付着水分検出のときに動作を必要とするブロックをスリープ状態とし、t=tsの付着水分検出を開始する直前にアクティブ状態となるように間欠動作させることで消費電力を抑えるようにしてもよい。
付着水分判定部63は、ログ出力装置12から処理終了を示す信号を受信したか否かを判定する(ステップS118)。具体的には、時間変数tが0秒からtsになるまでの間に、ログ出力装置12から処理終了を示す信号を受信した場合には、このステップS118の判定結果はYESとなる。
付着水分判定部63は、ログ出力装置12から処理終了を示す信号を受信していないと判定すると(NO判定)、ステップS101の処理に戻る。
また、付着水分判定部63は、ログ出力装置12から処理終了を示す信号を受信したと判定すると(YES判定)、このログ出力処理を終了する。
ログ出力装置12は、制御装置6から受信したデータに基づいて、ログをディスプレイ等の表示部に表示する。
図37は、本発明の第三の実施形態に係るログ出力結果を例示する図である。
ログ出力結果を示すテーブル310は、項目として、「日時」と、「温度」と、「湿度」と、「付着水分判定結果」と、を含む。
項目「日時」の値は、制御装置6から受信した時刻データに示される値である。項目「日時」の値は、測定した日時を示す値であって、複数回の測定を行っているため、厳密には測定の開始時刻を示す値である。
項目「温度」の値は、制御装置6から受信した平均温度TOFFAVGの値である。
項目「湿度」の値は、制御装置6から受信した平均湿度HOFFAVGの値である。
項目「付着水分判定結果」の値は、制御装置6から受信した判定結果の値である。
本実施形態に係るログ出力システム300によれば、結露、着霜等の発生の有無を継続して出力することができる。したがって、ログ出力システム300は、例えば、夜間のビニールハウス内の湿度制御の結果の確認に有用である。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳説したが、本発明は、上述した実施の形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態に種々の変形及び置換を加えることができる。上述した実施形態では、冷蔵庫の野菜室内に生じる結露、冷凍室内に生じる着霜等の、付着水分の検出を対象とした付着水分検出装置について説明を行ったが、本発明は、HDDドライブ内、プロジェクターの内部、エアコンキャビネット内、車の窓ガラス等の種々の電気機器内に発生する結露、着霜等の付着水分の検出を対象とすることが可能である。
2a 検出面、4 送風ファン、6 制御装置、10 センサモジュール、12 ログ出力装置、20 センサチップ、21 湿度検出部、22 温度検出部、23 加熱部、30 ASICチップ、31 湿度計測処理部、32 温度計測処理部、33 加熱制御部、40 モールド樹脂、50 開口部、51 有効開口部、63 付着水分判定部、64 付着水分解消制御部、65 データ通信部、80 湿度検出用キャパシタ、81 参照用キャパシタ、82 参照電極、83 下部電極、84 上部電極、86 感湿膜、87 オーバーコート膜、106 n型拡散層、200 撥水膜、300 ログ出力システム
Claims (13)
- 湿度を検出する検出面を有する湿度検出部と、前記検出面を加熱する加熱部とを有するセンサチップと、
前記加熱部に加熱を開始させた後、前記湿度検出部により検出される湿度の変化の差異に基づいて、前記検出面上に付着した水分の有無を判定する付着水分判定部と、
を備える付着水分検出装置。 - 前記付着水分判定部は、前記加熱部に加熱を開始させた後、前記湿度検出部により検出される湿度を、所定時間間隔で複数回取得し、取得した複数の湿度の平均値が閾値未満である場合に水分の付着が発生していると判定する
請求項1に記載の付着水分検出装置。 - 前記付着水分判定部は、前記加熱部に加熱を開始させた後、前記湿度検出部により検出される湿度を、所定時間間隔で複数回取得し、前回取得した湿度との差分値が連続して基準値以上となる回数が、基準回数以上である場合に水分の付着が発生していると判定する
請求項1に記載の付着水分検出装置。 - 前記付着水分判定部は、前記差分値が連続して基準値以上となる回数に基づいて、前記検出面上に付着した水分の量を推定する
請求項3に記載の付着水分検出装置。 - 前記センサチップは、温度を検出する温度検出部を有し、
前記付着水分判定部は、前記差分値が連続して基準値以上となる回数と、前記加熱部に加熱を開始させた後の一定期間における温度変化量とに基づいて前記水分の量を推定する
請求項4に記載の付着水分検出装置。 - 前記センサチップからの信号を処理する半導体チップを備え、
前記半導体チップは、温度を検出する温度検出部を有しており、
前記付着水分判定部は、前記差分値が連続して基準値以上となる回数と、前記加熱部に加熱を開始させた後の一定期間における温度変化量とに基づいて前記水分の量を推定する
請求項4に記載の付着水分検出装置。 - 前記付着水分判定部は、前記差分値が連続して基準値以上となる回数が多く、かつ前記温度変化量が小さいほど、前記水分の量が多いと推定する
請求項5又は6に記載の付着水分検出装置。 - 前記センサチップは、温度を検出する温度検出部を有し、
前記付着水分判定部は、前記温度に基づいて、結露の有無を判定するか、着霜の有無を判定するかを決定する、
請求項1ないし7いずれか1項に記載の付着水分検出装置。 - 前記センサチップは、半導体基板を有し、
前記加熱部は、前記半導体基板中の不純物拡散層により形成されており、
前記湿度検出部は、前記加熱部の上方に絶縁膜を介して形成された下部電極と、前記下部電極を覆う感湿膜と、前記感湿膜上に形成された上部電極とにより構成されている
請求項1ないし8いずれか1項に記載の付着水分検出装置。 - 前記不純物拡散層は、一次元格子状である請求項9に記載の付着水分検出装置。
- 請求項1ないし10いずれか1項に記載の付着水分検出装置と、
前記センサチップが収容されたセンサ収容空間部と、
付着水分解消部と、
前記付着水分解消部を駆動する駆動部と、
前記付着水分判定部及び前記駆動部を制御する制御部と、
を備える電気機器であって、
前記制御部は、前記付着水分判定部の判定結果に応じて前記駆動部を制御することにより前記付着水分解消部を駆動し、前記センサ収容空間部内の水分の付着を解消する電気機器。 - 湿度を検出する検出面を有する湿度検出部と、温度を検出する温度検出部と、前記検出面を加熱する加熱部とを有するセンサチップと、
前記加熱部に加熱を開始させた後、前記湿度検出部により検出される湿度の変化の差異に基づいて、前記検出面上に付着した水分の有無を判定する付着水分判定部と、
前記湿度と前記温度と前記判定の結果とを出力するデータ通信部と、
を備えるログ出力システム。 - 湿度を検出する検出面を有する湿度検出部と、前記検出面を加熱する加熱部とを有するセンサチップを用いた付着水分検出方法であって、
前記加熱部に加熱を開始させた後、前記湿度検出部により検出される湿度の変化の差異に基づいて、前記検出面上に付着した水分の有無を判定する付着水分検出方法。
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