JP2020170881A - 色変換情報生成方法、色変換情報生成プログラム、および色変換情報生成装置 - Google Patents

色変換情報生成方法、色変換情報生成プログラム、および色変換情報生成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】機器非依存色が出力装置によって再現可能な色か否かが不明でも、出力装置の特性を考慮した出力を実行する。【解決手段】色変換情報生成装置が、第1座標値が第1出力装置のガマット内である場合、第1変換情報を用いて第1座標値を第2色空間の第2座標値に変換し、第2座標値に応じて第1出力装置が出力した画像の測色結果を表す第1色空間の測色座標値を取得し、第2変換情報を用いて第2座標値を第1色空間の第3座標値に変換し、第3座標値と第1座標値および測色座標値の差分とに基づき第1色空間の目標色を示す目標座標値を決定し、第2色空間の第4座標値を第2変換情報を用いて変換した第1色空間の第5座標値と目標座標値との色差が第3座標値と目標座標値との色差より小さいという条件を満たす第4座標値を探索し、第1座標値と第4座標値とに基づき第1座標値に関する情報を第2色空間の座標値に変換することに用いる色変換情報を生成する。【選択図】図10

Description

本発明は、色変換情報生成方法、色変換情報生成プログラム、および色変換情報生成装置に関する。
従来、プリンターの特性を考慮した印刷を実行する技術が知られている。例えば、特許文献1には、任意の色をプリンターが印刷し、印刷して得られた画像を測色した測色結果が示す色を用いて、任意の色を表す空間の座標値を、プリンターで再現可能な色を表す空間における座標値に変換することで、プリンターの特性を考慮した印刷を実行する技術が記載されている。なお、以下では、説明の便宜上、任意の色を表す空間を「機器独立色空間」と称し、機器独立色空間の座標値として規定される色を「機器非依存色」と称し、プリンター等の出力装置で再現可能な色を表す空間を「機器従属色空間」と称し、機器従属色空間の座標値として規定される色を「機器依存色」と称する。
特開2010−263436号公報
しかしながら、従来技術では、機器非依存色が出力装置によって再現可能な色ではない場合、機器非依存色を出力装置が出力して得られた画像の測色結果が示す色は、機器非依存色とは大きく異なることがある。従って、機器非依存色が出力装置によって再現可能な色であるか否かが不明である場合、出力装置の特性を考慮した出力ができないことがあるという問題があった。
本発明の好適な態様に係る色変換情報生成方法は、第1色空間において色を規定する第1座標値に関する情報を受け付ける第1受付工程と、前記第1座標値が、第2色空間の座標値に応じた画像を出力する第1出力装置が再現可能な色の領域を前記第1色空間において表した第1領域内か否かを判定する判定工程と、前記判定工程の判定結果が肯定である場合、前記第1色空間の座標値を前記第2色空間の座標値に変換するための第1変換情報を用いて、前記第1座標値を前記第2色空間の第2座標値に変換する第1変換工程と、前記第1出力装置が、前記第2座標値に応じて出力した出力画像を、測色装置により測色し、当該測色の結果を、前記第1色空間における測色座標値として取得する取得工程と、前記第2色空間の座標値を前記第1色空間の座標値に変換するための第2変換情報を用いて、前記第2座標値を前記第1色空間の第3座標値に変換する第2変換工程と、前記第1座標値および前記測色座標値の差分と、前記第3座標値とに基づいて、前記第1色空間の目標座標値を決定する決定工程と、前記第2色空間の第4座標値を前記第2変換情報を用いて変換した前記第1色空間の第5座標値と前記目標座標値との色差が、前記第3座標値と前記目標座標値との色差より小さいという条件を満たす前記第4座標値を探索する探索工程と、前記第1座標値と前記第4座標値とに基づいて、前記第1座標値に関する情報を前記第2色空間の座標値に変換するための色変換情報を生成する生成工程と、をコンピューターが実行する。
また、本発明の好適な態様に係る色変換情報生成方法は、第1色空間において色を規定する第1座標値に関する情報を受け付ける第1受付工程と、前記第1座標値が、第2色空間の座標値に応じた画像を出力する第1出力装置が再現可能な色の領域を前記第1色空間において表した第1領域内か否かを判定する判定工程と、前記第1領域外にある座標値を前記第1領域内にある座標値に変換する複数の変換方法から、変換方法の指定を受け付ける第2受付工程と、前記判定工程の判定結果が否定である場合、前記第2受付工程が受け付けた前記変換方法に従って、前記第1座標値を前記第1色空間における第1変換座標値に変換する領域内変換工程と、前記第1色空間の座標値を前記第2色空間の座標値に変換するための第1変換情報を用いて、前記第1変換座標値を前記第2色空間の第2変換座標値に変換する色空間変換工程と、前記第1座標値と前記第2変換座標値とに基づいて、前記第1座標値に関する情報を前記第2色空間の座標値に変換するための色変換情報を生成する生成工程と、をコンピューターが実行する。
また、本発明の好適な態様に係る色変換情報生成方法は、第1色空間において色を規定する第1座標値に関する情報を受け付ける第1受付工程と、前記第1座標値に基づいて、前記第1座標値が、第2色空間の座標値に応じた画像を出力する第1出力装置が再現可能な色の領域を前記第1色空間において表した第1領域内か否かを判定する判定工程と、前記判定工程の判定結果が肯定である場合第1変換処理によって前記第1座標値を前記第2色空間の座標値に変換し、前記判定結果が否定である場合前記第1変換処理とは異なる第2変換処理によって前記第1座標値を前記第2色空間の座標値に変換する座標値変換工程と、前記第1座標値と、前記第1変換処理または前記第2変換処理によって前記第1座標値が変換された前記第2色空間の座標値とに基づいて、前記第1座標値に関する情報を前記第2色空間の座標値に変換するための色変換情報を生成する生成工程と、をコンピューターが実行する。
本発明の好適な態様に係る色変換情報生成プログラムは、第1色空間において色を規定する第1座標値に関する情報を受け付ける第1受付部、前記第1座標値が、第2色空間の座標値に応じた画像を出力する第1出力装置が再現可能な色の領域を前記第1色空間において表した第1領域内か否かを判定する判定部、前記判定工程の判定結果が肯定である場合、前記第1色空間の座標値を前記第2色空間の座標値に変換するための第1変換情報を用いて、前記第1座標値を前記第2色空間の第2座標値に変換する第1変換部、前記第1出力装置が、前記第2座標値に応じて出力した出力画像を、測色装置により測色し、当該測色の結果を、前記第1色空間における測色座標値として取得する取得部、前記第2色空間の座標値を前記第1色空間の座標値に変換するための第2変換情報を用いて、前記第2座標値を前記第1色空間の第3座標値に変換する第2変換部、前記第1座標値および前記測色座標値の差分と、前記第3座標値とに基づいて、前記第1色空間の目標座標値を決定する決定部、前記第2色空間の第4座標値を前記第2変換情報を用いて変換した前記第1色空間の第5座標値と前記目標座標値との色差が、前記第3座標値と前記目標座標値との色差より小さいという条件を満たす前記第4座標値を探索する探索部、および、前記第1座標値と前記第4座標値とに基づいて、前記第1座標値に関する情報を前記第2色空間の座標値に変換するための色変換情報を生成する生成部、としてコンピューターを機能させる。
また、本発明の好適な態様に係る色変換情報生成プログラムは、第1色空間において色を規定する第1座標値に関する情報を受け付ける第1受付部、前記第1座標値が、第2色空間の座標値に応じた画像を出力する第1出力装置が再現可能な色の領域を前記第1色空間において表した第1領域内か否かを判定する判定部、前記第1領域外にある座標値を前記第1領域内にある座標値に変換する複数の変換方法から、変換方法の指定を受け付ける第2受付部、前記判定工程の判定結果が否定である場合、前記第2受付部が受け付けた前記変換方法に従って、前記第1座標値を前記第1色空間における第1変換座標値に変換する領域内変換部、前記第1色空間の座標値を前記第2色空間の座標値に変換するための第1変換情報を用いて、前記第1変換座標値を前記第2色空間の第2変換座標値に変換する色空間変換部、および、前記第1座標値と前記第2変換座標値とに基づいて、前記第1座標値に関する情報を前記第2色空間の座標値に変換するための色変換情報を生成する生成部、としてコンピューターを機能させる。
また、本発明の好適な態様に係る色変換情報生成プログラムは、第1色空間において色を規定する第1座標値に関する情報を受け付ける第1受付部、前記第1座標値に基づいて、前記第1座標値が、第2色空間の座標値に応じた画像を出力する第1出力装置が再現可能な色の領域を前記第1色空間において表した第1領域内か否かを判定する判定部、前記判定工程の判定結果が肯定である場合第1変換処理によって前記第1座標値を前記第2色空間の座標値に変換し、前記判定結果が否定である場合前記第1変換処理とは異なる第2変換処理によって前記第1座標値を前記第2色空間の座標値に変換する座標値変換部、および、前記第1座標値と、前記第1変換処理または前記第2変換処理によって前記第1座標値が変換された前記第2色空間の座標値とに基づいて、前記第1座標値に関する情報を前記第2色空間の座標値に変換するための色変換情報を生成する生成部、としてコンピューターを機能させる。
本発明の好適な態様に係る色変換情報生成装置は、第1色空間において色を規定する第1座標値に関する情報を受け付ける第1受付部と、前記第1座標値が、第2色空間の座標値に応じた画像を出力する第1出力装置が再現可能な色の領域を前記第1色空間において表した第1領域内か否かを判定する判定部と、前記判定工程の判定結果が肯定である場合、前記第1色空間の座標値を前記第2色空間の座標値に変換するための第1変換情報を用いて、前記第1座標値を前記第2色空間の第2座標値に変換する第1変換部と、前記第1出力装置が、前記第2座標値に応じて出力した出力画像を、測色装置により測色し、当該測色の結果を、前記第1色空間における測色座標値として取得する取得部と、前記第2色空間の座標値を前記第1色空間の座標値に変換するための第2変換情報を用いて、前記第2座標値を前記第1色空間の第3座標値に変換する第2変換部と、前記第1座標値および前記測色座標値の差分と、前記第3座標値とに基づいて、前記第1色空間の目標座標値を決定する決定部と、前記第2色空間の第4座標値を前記第2変換情報を用いて変換した前記第1色空間の第5座標値と前記目標座標値との色差が、前記第3座標値と前記目標座標値との色差より小さいという条件を満たす前記第4座標値を探索する探索部と、前記第1座標値と前記第4座標値とに基づいて、前記第1座標値に関する情報を前記第2色空間の座標値に変換するための色変換情報を生成する生成部と、を含む。
また、本発明の好適な態様に係る色変換情報生成装置は、第1色空間において色を規定する第1座標値に関する情報を受け付ける第1受付部と、前記第1座標値が、第2色空間の座標値に応じた画像を出力する第1出力装置が再現可能な色の領域を前記第1色空間において表した第1領域内か否かを判定する判定部と、前記第1領域外にある座標値を前記第1領域内にある座標値に変換する複数の変換方法から、変換方法の指定を受け付ける第2受付部と、前記判定工程の判定結果が否定である場合、前記第2受付部が受け付けた前記変換方法に従って、前記第1座標値を前記第1色空間における第1変換座標値に変換する領域内変換部と、前記第1色空間の座標値を前記第2色空間の座標値に変換するための第1変換情報を用いて、前記第1変換座標値を前記第2色空間の第2変換座標値に変換する色空間変換部と、前記第1座標値と前記第2変換座標値とに基づいて、前記第1座標値に関する情報を前記第2色空間の座標値に変換するための色変換情報を生成する生成部と、を含む。
また、本発明の好適な態様に係る色変換情報生成装置は、第1色空間において色を規定する第1座標値に関する情報を受け付ける第1受付部と、前記第1座標値に基づいて、前記第1座標値が、第2色空間の座標値に応じた画像を出力する第1出力装置が再現可能な色の領域を前記第1色空間において表した第1領域内か否かを判定する判定部と、前記判定工程の判定結果が肯定である場合第1変換処理によって前記第1座標値を前記第2色空間の座標値に変換し、前記判定結果が否定である場合前記第1変換処理とは異なる第2変換処理によって前記第1座標値を前記第2色空間の座標値に変換する座標値変換部と、前記第1座標値と、前記第1変換処理または前記第2変換処理によって前記第1座標値が変換された前記第2色空間の座標値とに基づいて、前記第1座標値に関する情報を前記第2色空間の座標値に変換するための色変換情報を生成する生成部と、を含む。
色変換テーブル生成システム1の構成図。 A2Bテーブル1211を示す図。 B2Aテーブル1212を示す図。 A2Bテーブル1221を示す図。 cmyk色空間CSDを示す図。 B2Aテーブル1222を示す図。 Lab色空間CSIを示す図。 ガマット判定テーブル123を示す図。 色変換テーブル126を示す図。 色変換テーブル126の生成の概要を示す図。 色変換テーブル126の生成の概要を示す図。 色変換テーブル生成処理を示すフローチャートを示す図。 色変換テーブル生成処理を示すフローチャートを示す図。 色変換テーブル生成画面220の一例を示す図。 ガマット内色変換処理を示すフローチャートを示す図。 探索処理を示すフローチャートを示す図。 初期値Δcmykを示す図。 最適化問題求解処理を示すフローチャートを示す図。 登録cmyk値決定処理を示すフローチャートを示す図。 明度保存優先変換処理を示すフローチャートを示す図。 明度保存優先変換処理によるLab値の変換例を示す図。 彩度保存優先変換処理を示すフローチャートを示す図。 明度保存優先変換処理によるLab値の変換例を示す図。 色差最小優先変換処理を示すフローチャートを示す図。 近似直線F01と近似直線F02とを示す図。 Lab値RLabiを補う例を示す図。 明度Pmin_Lの特定方法を示す図。 色相角Pmin_θの特定方法を示す図。 印刷処理実行時の動作を示すフローチャートを示す図。 第1色変換フローを示す図。 第2色変換フローを示す図。 第3色変換フローを示す図。 色変換テーブル生成システム1aの構成図。 第1プリンター40のガマット外の領域の分割例を示す図。 色変換テーブル生成システム1bの構成図。 キャリブレーション用DLP127を示す図。 キャリブレーション用DLP127の生成の概要を示す図。 第2プリンター特性A2Bテーブル1276の一例を示す図。 測色結果差分テーブル1274の一例を示す図。 キャリブレーション用DLP生成処理を示すフローチャートを示す図。 キャリブレーション用DLP生成処理を示すフローチャートを示す図。 第3実施形態における探索処理を示すフローチャートを示す図。 第3実施形態における最適化問題求解処理を示すフローチャートを示す図。 第3実施形態における第1色変換フローを示す図。 第3実施形態における第2色変換フローを示す図。 第3実施形態における第3色変換フローを示す図。 第3変形例における印刷処理実行時の動作を示すフローチャートを示す図。 第3変形例における第1色変換フローを示す図。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。ただし、各図において、各部の寸法および縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
A.第1実施形態
まず、第1実施形態に係る色変換テーブル生成システム1を説明する。
A.1.色変換テーブル生成システム1の概要
図1は、色変換テーブル生成システム1の構成図である。色変換テーブル生成システム1は、ホスト装置10と、表示装置20と、測色装置30と、第1プリンター40とを含む。ホスト装置10が、「色変換情報生成装置」の一例である。第1プリンター40は、「第1出力装置」の一例である。ホスト装置10は、表示装置20と、測色装置30と、第1プリンター40とにアクセス可能である。
ホスト装置10は、表示装置20、測色装置30、および、第1プリンター40を制御して、色変換テーブル126を生成するコンピューターである。
表示装置20は、ホスト装置10による制御のもとで各種の画像を表示する。例えば液晶表示パネル、または有機EL表示パネル等の各種の表示パネルが表示装置20として好適に利用される。ELは、Electro Luminescenceの略である。
第1プリンター40は、ホスト装置10の指示に従って、インクを吐出して媒体に対して画像を形成するインクジェットプリンターである。媒体とは、例えば、普通紙、写真、または、はがき等の記録用紙である。インクの色は、シアン、マゼンタ、イエロー、および、ブラックの計4色である。インクは、この4色に限られない。例えば、第1プリンター40は、ライトシアン、ライトマゼンタ、ダークイエロー、またはライトブラック等のインクを用いてもよい。第1実施形態の第1プリンター40は、シアン、マゼンタ、イエロー、および、ブラックの4色のインクを用いる。
測色装置30は、第1プリンター40によって媒体に表示された画像を測色し、測色した色の値である測色値を出力する。測色装置30は、機器独立色空間における測色値を出力する。なお、機器独立色空間は、「第1色空間」の一例である。
機器独立色空間は、例えば、CIE L*a*b*色空間、または、CIE XYZ色空間である。CIEは、Commission internationale de l'eclairageの略である。以下の説明では、機器独立色空間がCIE L*a*b*色空間であるとし、さらに、CIE L*a*b*色空間を、単に、図7に示すようにLab色空間CSIと称する。同様に、Lab色空間CSIの座標値を「Lab値」と称する。
入力装置16は、ユーザーが情報を入力するための機器である。入力装置16は、例えば、ポインティングデバイス、キーボード、および、表示装置20の表面に貼り付けられたタッチパネル等の1種類以上の装置で構成される。
第1通信IF17は、測色装置30の測色装置通信IF32と通信する機器である。第2通信IF18は、第1プリンター40の第1プリンター通信IF42と通信する機器である。第1通信IF17、第2通信IF18、測色装置通信IF32、および第1プリンター通信IF42は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラー、ネットワークカードまたは通信モジュールとも表記される。第1通信IF17、第2通信IF18、測色装置通信IF32、および第1プリンター通信IF42の規格には、USB、または、近距離無線通信規格等を用いることができる。USBは、Universal Serial Busの略である。第1通信IF17、第2通信IF18、測色装置通信IF32、および第1プリンター通信IF42の通信は、有線でもよいし、無線でもよいし、LANまたはインターネット等といったネットワーク通信でもよい。LANは、Local Area Networkの略である。
ホスト装置10は、記憶装置12と、制御装置13と、入力装置16と、第1通信IF17と、第2通信IF18とを含む。IFは、Interfaceの略である。測色装置30は、測色装置通信IF32を含む。第1プリンター40は、第1プリンター通信IF42を含む。
記憶装置12は、制御装置13が読取可能な記録媒体であり、複数のプログラム、制御装置13が使用する各種のデータ、入力プロファイル121、出力プロファイル122、ガマット判定テーブル123、カラーライブラリー124、色変換テーブル126、および、色補正無しLUT128を記憶する。LUTは、Look Up Tableの略である。記憶装置12は、例えば、ROM、EPROM、EEPROM、RAM、HDD、SSD等の1種類以上の記憶回路で構成される。ROMは、Read Only Memoryの略である。EPROMは、Erasable Programmable ROMの略である。EEPROMは、Electrically Erasable Programmable ROMの略である。RAMは、Random Access Memoryの略である。HDDは、Hard Dive Diskの略である。SSDは、Solid State Driveの略である。
入力プロファイル121は、色空間を定義するファイルである。出力プロファイル122は、第1プリンター40の出力特性を示すファイルである。色空間には、機器独立色空間と機器従属色空間とがある。機器従属色空間には、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックを組み合わせた色を示すためのCMYK色空間、シアン、マゼンタ、およびイエローを組み合わせた色を示すためのCMY色空間、ならびに、レッド、グリーン、およびブルーを組み合わせたRGB色空間等がある。
以下の説明において、単に、プロファイルと記載した場合、入力プロファイル121および出力プロファイル122の総称とする。
機器従属色空間は、前述したように、CMYK色空間、CMY色空間、および、RGB色空間等がある。例えば、入力プロファイル121は、CMYK色空間、CMY色空間、RGB色空間それぞれに関する色変換テーブルを有してもよく、出力プロファイル122は、CMYK色空間、CMY色空間、RGB色空間それぞれに関する色変換テーブルを有してもよい。しかしながら、説明の簡略化のため、第1実施形態では、入力プロファイル121および出力プロファイル122は、機器従属色空間に関してはCMYK色空間に関する色変換テーブルのみ有するものとする。
入力プロファイル121は、色変換テーブルとして、A2Bテーブル1211と、B2Aテーブル1212とを有する。出力プロファイル122は、色変換テーブルとして、A2Bテーブル1221と、B2Aテーブル1222とを有する。なお、入力プロファイル121は、A2Bテーブル1211およびB2Aテーブル1212を有さず、色変換のために用いる他のテーブルを有してもよい。ただし、第1実施形態では、入力プロファイル121は、A2Bテーブル1211およびB2Aテーブル1212を有する前提とする。A2Bテーブル1211、B2Aテーブル1212、A2Bテーブル1221、およびB2Aテーブル1222について説明する。
図2は、A2Bテーブル1211を示す図である。以下の説明からはユーザーの操作によって発生した印刷指令に含まれる画像情報がシアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックを組み合わせた色を示す場合の色空間を、大文字のアルファベットで「CMYK色空間」と示す。A2Bテーブル1221は、CMYK色空間の座標値から、Lab色空間CSIのLab値に変換するために用いられる。CMYK色空間の座標値を、「CMYK値」と称する。A2Bテーブル1211は、CMYK色空間におけるN1個の格子点のCMYK値とLab値とを示す。N1は、1以上の整数である。
CMYK色空間は、C軸、M軸、Y軸、およびK軸を有する。CMYK値は、プロセスカラーを示す座標値である。CMYK値は、C値、M値、Y値、およびK値を有する。C値、M値、Y値、およびK値は、0以上100以下の実数である。
Lab色空間CSIは、L軸、a軸、およびb軸を有する。Lab値は、L値、a値、およびb値を有する。
印刷指令に含まれる画像情報の種別には、プロセスカラーとスポットカラーとの2つがある。プロセスカラーは、シアン、マゼンタ、イエロー、および、ブラックという4色のインクの組み合わせによって表現された色である。一方、スポットカラーは、予め調合されたインクの色である。スポットカラーは、例えば、PANTONEの色見本帳で規定された色、および、DICの色見本帳で規定された色等である。PANTONEおよびDICは、登録商標である。
図3は、B2Aテーブル1212を示す図である。B2Aテーブル1212は、Lab色空間CSIのLab値を、図5に示すcmyk色空間CSDの座標値に変換するために用いられる。cmyk色空間CSDの座標値を、「cmyk値」と称する。印刷指令に含まれる画像情報におけるCMYK色空間と区別するため、第1プリンター40に入力されるシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックを組み合わせた色を示す色空間を、cmyk色空間というように、小文字のアルファベットで示す。さらに、理解を容易にするために、第1プリンター40に依存する色を示すための空間をcmyk色空間CSDと表現する。なお、cmyk色空間CSDが、「第2色空間」の一例である。
cmyk値は、c値、y値、m値、およびk値を有する。c値、y値、m値、およびk値は、0以上100以下の実数である。B2Aテーブル1212は、Lab色空間CSIにおけるN2個の格子点のcmyk値を示す。N2は、1以上の整数である。
図4は、A2Bテーブル1221を示す図である。A2Bテーブル1221は、cmyk色空間CSDのcmyk値を、Lab色空間CSIのLab値に変換するために用いられる。なお、A2Bテーブル1221は、「第2変換情報」の一例である。
A2Bテーブル1221は、第1プリンター40依存のcmyk色空間CSDのcmyk値全域で再現可能なLab値を格納したテーブルである。
図5は、cmyk色空間CSDを示す図である。cmyk色空間CSDは、c軸、m軸、y軸、および、k軸を有する4次元の空間である。図示を容易にするため、図5では、c軸、m軸およびy軸の3次元の空間として示す。A2Bテーブル1221は、cmyk色空間CSDにおけるN3個の格子点GDaにおけるLab値を示す。N3は、1以上の整数である。図5に示す白抜きの丸が格子点GDaである。図5では、図面の煩雑化を抑えるため、複数の格子点GDaのうち一部の格子点GDaのみを代表して符号を付与してある。格子点GDaは、cmyk色空間CSDの中で、c軸方向、m軸方向、y軸方向、k軸方向へ等間隔で配置される。より詳細には、格子点GDaは、c軸方向に間隔Gc離れ、m軸方向に間隔Gm離れ、y軸方向に間隔Gy離れ、k軸方向に図示しない間隔Gk離れて配置される。
図6は、B2Aテーブル1222を示す図である。B2Aテーブル1222は、Lab色空間CSIのLab値から、cmyk色空間CSDのcmyk値に変換するために用いられる。B2Aテーブル1222にLab全域に対して第1プリンター40が再現可能なcmyk値を格納する際に、第1プリンター40で再現できないLab値に対してガマットマッピングが考慮されたcmyk値が格納される。ガマットとは、機器が再現可能な色の領域である。B2Aテーブル1222は、「第1変換情報」の一例である。
図7は、Lab色空間CSIを示す図である。B2Aテーブル1222の各レコードは、Lab色空間CSIにおけるN4個の格子点GDbのcmyk値を示す。N4は、1以上の整数である。図7に示す白抜きの丸が格子点GDbである。図7では、図面の煩雑化を抑えるため、複数の格子点GDbのうち一部の格子点のみを代表して符号を付与してある。格子点GDbは、Lab色空間CSIの中で、L軸方向、a軸方向、b軸方向へ等間隔で配置される。より詳細には、格子点GDbは、L軸方向に間隔GL離れ、a軸方向に間隔Ga離れ、b軸方向に間隔Gb離れて配置される。
図4および図6に示すように、出力プロファイル122は、cmyk値からLab値への色変換に用いられるA2Bテーブル1221、および、Lab値からcmyk値への色変換に用いられるB2Aテーブル1222を有する。B2Aテーブル1222は、ガマットマッピングが行われた3次元のテーブルであり、A2Bテーブル1221は、出力可能な色を表すcmyk値がLab値に対応付けられた4次元のテーブルである。従って、あるLab値をB2Aテーブル1222によりcmyk値に変換し、変換して得られたcmyk値をA2Bテーブル1221によりLab値に変換した場合、得られるLab値は、元のLab値と同一の値にはならないことがある。また、以下の説明において、あるLab値をB2Aテーブル1222によりcmyk値に変換し、変換して得られたcmyk値をA2Bテーブル1221によりLab値に変換する処理を、「round-trip演算」と称する場合がある。round-trip演算を実行すると、第1プリンター40の印刷をシミュレートしたLab値を得ることができる。
説明を図1に戻す。ガマット判定テーブル123は、Lab色空間CSIのLab値が、Lab色空間CSIにおいて表した第1プリンター40のガマット内か否かを示す。
なお、ガマット判定テーブル123は、「判定情報」の一例である。第1プリンター40のガマットは、「第1領域」の一例である。
図8は、ガマット判定テーブル123を示す図である。ガマット判定テーブル123の各レコードは、Lab色空間CSIにおけるN5個の格子点のLab値と、第1プリンター40のガマット内か否かを示すガマットフラグに対応付けられたテーブルである。N5は、1以上の整数である。ガマットフラグは、Lab値が第1プリンター40のガマット内にあれば「0」を示し、Lab値が第1プリンター40のガマット外にあれば「1」を示す。
説明を図1に戻す。カラーライブラリー124は、スポットカラーの名称を、スポットカラーのLab値に変換することに用いられる。以下、説明の簡略化のため、スポットカラーの名称を、「スポットカラー名」と称する。スポットカラー名は、Lab値で表される色を示す。スポットカラー名は、例えば、「Pantone P 41-8C」、および「Pantone P 97-8C」等である。
色変換テーブル126は、本実施形態によって生成されるテーブルである。色変換テーブル126は、スポットカラーLab値SP_Labをcmyk値に変換することに用いられる。スポットカラーLab値SP_Labに対応付けられたcmyk値を、「登録cmyk値pcmyk」と称する。
図9は、色変換テーブル126を示す図である。図9に示すように、色変換テーブル126は、スポットカラーごとに、スポットカラーのLab値と、このLab値に最も近い色を再現する登録cmyk値とを有する。図9に示す色変換テーブル126には、2つのスポットカラーのLab値として、Lab値SP_Lab1と、Lab値SP_Lab2とが登録されており、Lab値SP_Lab1に登録cmyk値pcmyk1が対応付けられており、Lab値SP_Lab2に登録cmyk値pcmyk2が対応付けられている。図9では、Lab値SP_Lab1の各成分が(SP_L1,SP_a1,SP_b1)であり、Lab値SP_Lab2の各成分が(SP_L2,SP_a2,SP_b2)であり、登録cmyk値pcmyk1の各成分が(pc1,pm1,py1,pk1)であり、登録cmyk値pcmyk2の各成分が(pc2,pm2,py2,pk2)である。また、色変換テーブル126は、Lab値の替わりに、スポットカラー名を有してもよい。従って、色変換テーブル126は、スポットカラーLab値SP_Labのみでなく、スポットカラーLab値SP_Labおよびスポットカラー名を含む、スポットカラーLab値SP_Labに関する情報を、cmyk値に変換することにも用いることができる。ただし、第1実施形態では、色変換テーブル126には、スポットカラーのLab値と、このLab値に最も近い色を再現する登録cmyk値とを有するものとして説明する。
説明を図1に戻す。色補正無しLUT128は、cmyk値から、ハーフトーンを適用して、図10に示すインク使用量INKに変換することに用いられる。インク使用量INKは、第1プリンター40が最適に印刷可能なインクの使用量である。第1実施形態では、第1プリンター40は、c、m、y、およびkを有するため、インク使用量INKは、cのインク使用量、mのインク使用量、yのインク使用量、kのインク使用量という4つのインク使用量を有する。
制御装置13は、ホスト装置10の全体を制御するプロセッサーである。制御装置13は、記憶装置12からプログラムを読み出し、読み出したプログラムを実行することにより各種処理を行う。制御装置13は、1または複数の処理装置で構成される。また、制御装置13の機能の一部または全部を、DSP、ASIC、PLD、またはFPGA等のハードウェアで実現してもよい。DSPは、Digital Signal Processorの略である。ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略である。PLDは、Programmable Logic Deviceの略である。FPGAは、Field Programmable Gate Arrayの略である。
A.2.第1実施形態の構成
制御装置13は、記憶装置12から、プログラムを読み取り実行することによって、色変換テーブル生成部130および印刷処理部140として機能する。色変換テーブル生成部130は、第1受付部131と、判定部133と、座標値変換部135と、第1生成部137とを含む。座標値変換部135は、第1変換部1351と、取得部1352と、第2変換部1353と、第1決定部1354と、第1探索部1355と、第2受付部1357と、領域内変換部1358と、色空間変換部1359とを有する。印刷処理部140は、第3変換部142と、出力制御部146とを含む。図10および図11を用いて、色変換テーブル生成部130および印刷処理部140を説明する。
図10および図11は、色変換テーブル126の生成の概要を示す図である。第1受付部131は、ユーザーの入力装置16の操作によって、スポットカラーを示すLab色空間CSIのスポットカラーLab値SP_Labに関する情報を受け付ける。スポットカラーLab値SP_Labが、「第1座標値」の一例である。スポットカラーLab値SP_Labに関する情報は、前述したように、スポットカラーLab値SP_Labそのもの、および、スポットカラー名の一方または両方である。第1受付部131が、スポットカラー名のみを受け付けた場合、制御装置13は、カラーライブラリー124を用いて、受け付けたスポットカラー名に応じたスポットカラーLab値SP_Labを特定する。
判定部133は、スポットカラーLab値SP_Labが、第1プリンター40のガマット内か否かを判定する。図10では、判定部133の判定結果が肯定、すなわち、スポットカラーLab値SP_Labが、第1プリンター40のガマット内にある場合について示し、図11では、判定部133の判定結果が否定、すなわち、スポットカラーLab値SP_Labが、第1プリンター40のガマット外にある場合について示す。
判定部133の処理は、例えば、以下に示す2つの態様がある。
第1の態様において、判定部133は、ガマット判定テーブル123を用いて、スポットカラーLab値SP_Labが、第1プリンター40のガマット内か否かを判定する。スポットカラーLab値SP_Labに対応するガマットフラグが「0」である場合、判定部133は、スポットカラーLab値SP_Labが、第1プリンター40のガマット内にあると判定する。一方、スポットカラーLab値SP_Labに対応するガマットフラグが「1」である場合、判定部133は、スポットカラーLab値SP_Labが、第1プリンター40のガマット外にあると判定する。
第2の態様において、判定部133は、B2Aテーブル1222を用いて、スポットカラーLab値SP_Labをcmyk色空間CSDの機器依存色座標値Initcmykに変換し、A2Bテーブル1221を用いて、機器依存色座標値InitcmykをLab色空間CSIの機器非依存色座標値InitLabに変換する。なお、機器依存色座標値Initcmykが、「第2座標値」の一例である。また、機器非依存色座標値InitLabは、「第3座標値」の一例である。
ここで、プロファイルに従った変換を関数ficc(第1引数,第2数,第3引数)で表すことにする。第1引数は、使用するプロファイルを表す。第2引数は、第1引数で表されるプロファイルにおいて使用する色変換テーブルを表す。より詳細には、第2引数において、A2Bであれば機器依存色から機器非依存カラーへの変換を示し、B2Aであれば機器非依存色から機器依存色への変換を示す。第3引数は、変換対象の座標値を表す。
具体的な処理内容として、ficc()は、第3引数で指定された値が、第1引数および第2引数で指定されたテーブルに登録されている値と一致する場合、登録されている値に対応付けられた値を出力する。一方、第3引数で指定された値が、第1引数および第2引数で指定されたテーブルに登録されている値と一致しない場合、ficc()は、第3引数で指定された値の近傍値からの補間演算によって得られた値を出力する。スポットカラーLab値SP_Labを機器依存色座標値Initcmykに変換する処理は、下記(1)式で換言可能であり、機器依存色座標値Initcmykを機器非依存色座標値InitLabに変換する処理は、下記(2)式で換言可能である。
Initcmyk=ficc(出力プロファイル122,B2A,SP_Lab) (1)
InitLab=ficc(出力プロファイル122,A2B,Initcmyk) (2)
なお、(1)式および(2)式によって、スポットカラーLab値SP_Labに対して出力プロファイル122によるround-trip演算が実行されて、機器非依存色座標値InitLabが得られたとみなすことができる。
そして、判定部133は、スポットカラーLab値SP_Labおよび機器非依存色座標値InitLabの色差が所定の閾値以下か否かを判定することにより、スポットカラーLab値SP_Labが、第1プリンター40のガマット内か否かを判定する。
色差は、例えば、CIEDE2000色差式で表される色差ΔE00、CIE1994年色差式で表される色差ΔE*94、1976年に提案されたLab表色系による色差ΔE*ab、いわゆるΔE*76、または、CIE L*u*v*表色系による色差ΔE*uv等がある。ガマット内外判定において何れの色差を用いてもよいが、ガマット内外判定では、ΔE*76を用いることとし、以下、色差ΔE*76と称する。
色差ΔE*76は、関数fΔE*76(第1引数,第2引数)で求めることができる。関数fΔE*76()の詳細は、説明の簡略化のため省略する。スポットカラーLab値SP_Labおよび機器非依存色座標値InitLabの色差ΔE*76は、関数fΔE*76()の第1引数にスポットカラーLab値SP_Labを代入し、第2引数に機器非依存色座標値InitLabを代入することにより求められる。
例えば、判定部133は、所定の閾値を2として、スポットカラーLab値SP_Labおよび機器非依存色座標値InitLabの色差ΔE*76が2以下であれば、スポットカラーLab値SP_Labが、第1プリンター40のガマット内にあると判定し、2より大きければ、第1プリンター40のガマット外にあると判定する。
判定部133の第2の態様では、round-trip演算により得られるLab値が、第1プリンター40の印刷をシミュレートした値であることを利用している。スポットカラーLab値SP_Labが第1プリンター40のガマット外にある場合、第1プリンター40はスポットカラーLab値SP_Labを再現できないため、スポットカラーLab値SP_Labが示す色を第1プリンター40が印刷して得られる画像の色は、スポットカラーLab値SP_Labが示す色と大きく異なる。第1プリンター40の印刷をシミュレートした結果となる機器非依存色座標値InitLabでも、実際に印刷した状態と同じ状態を把握することができるため、色差ΔE*76が所定の閾値より大きくなるスポットカラーLab値SP_Labを、第1プリンター40のガマット外と判断している。
座標値変換部135は、判定部133の判定結果が肯定である場合第1変換処理によってスポットカラーLab値SP_Labをcmyk色空間のcmyk値に変換し、判定結果が否定である場合第1変換処理とは異なる第2変換処理によってスポットカラーLab値SP_Labをcmyk色空間のcmyk値に変換する。第1変換処理は、第1変換部1351と、取得部1352と、第2変換部1353と、第1決定部1354と、第1探索部1355とによる処理である。第2変換処理は、第2受付部1357と、領域内変換部1358と、色空間変換部1359とによる処理である。
判定部133の判定結果が肯定である場合、第1変換部1351は、B2Aテーブル1222を用いて、スポットカラーLab値SP_Labを機器依存色座標値Initcmykに変換する。第1変換部1351の処理は、上述の(1)式で換言可能である。
取得部1352は、機器依存色座標値Initcmykに応じて第1プリンター40が出力した出力画像を測色装置30が測色して、測色装置30からLab色空間CSIにおいて測色結果を表す測色値cLabを取得する。測色値cLabは、「測色座標値」の一例である。より詳細には、制御装置13は、機器依存色座標値Initcmykを、色補正無しLUT128を用いてインク使用量INKに変換する。第1プリンター40は、インク使用量INKに基づいて、スポットカラーの画像を印刷する。測色装置30は、スポットカラーの画像を測色する。取得部1352は、測色装置30から測色値cLabを取得する。
第2変換部1353は、機器依存色座標値Initcmykを機器非依存色座標値InitLabに変換する。第2変換部1353の処理は、上述の(2)式で換言可能である。
第1決定部1354は、機器非依存色座標値InitLabと、スポットカラーLab値SP_Labおよび測色値cLabの差分値ΔLabとに基づいて、Lab色空間CSIの目標色を示す目標Lab値TargetLabを決定する。目標Lab値TargetLabは、「目標座標値」の一例である。差分値ΔLabは、スポットカラーLab値SP_Labの各成分から測色値cLabの各成分を減算した値でもよいし、測色値cLabの各成分からスポットカラーLab値SP_Labの各成分を減算した値でもよい。第1実施形態では、差分値ΔLabは、スポットカラーLab値SP_Labの各成分から測色値cLabの各成分を減算した値であるとする。例えば、第1決定部1354は、目標Lab値TargetLabを、下記(3)式に従って決定する。
TargetLab=InitLab+ΔLab (3)
なお、差分値ΔLabが、測色値cLabの各成分からスポットカラーLab値SP_Labの各成分を減算した値であれば、第1決定部1354は、機器非依存色座標値InitLabから差分値ΔLabを減算して得られる値を、目標Lab値TargetLabとして決定する。
第1探索部1355は、cmyk色空間CSDの暫定cmyk値pcmykpをA2Bテーブル1221を用いて変換したLab色空間CSIの暫定Lab値pLabpと目標Lab値TargetLabとの色差が、機器非依存色座標値InitLabと目標Lab値TargetLabとの色差より小さいという条件を満たす暫定cmyk値pcmykpを最適cmyk値cmykstとして探索する。最適cmyk値cmykstの探索において、どの色差を用いてもよいが、ΔE00を用いるとし、以下、色差ΔE00と称する。
色差ΔE00は、関数fΔE00(第1引数,第2引数)で求めることができる。関数fΔE00()の詳細は、説明の簡略化のため省略する。暫定Lab値pLabpと目標Lab値TargetLabとの色差ΔE00は、関数fΔE00 ()の第1引数に暫定Lab値pLabを代入し、第2引数に目標Lab値TargetLabを代入することにより求められる。同様に、機器非依存色座標値InitLabと目標Lab値TargetLabとの色差ΔE00は、関数fΔE00()の第1引数に機器非依存色座標値InitLabを代入し、第2引数に目標Lab値TargetLabを代入することにより求められる。
なお、最適cmyk値cmykstが、「第4座標値」の一例である。最適cmyk値cmykstをA2Bテーブル1221を用いて変換したLab値が、「第5座標値」の一例である。
第1探索部1355の処理は、例えば、以下に示す2つの態様がある。第1の態様において、第1探索部1355は、暫定Lab値pLabpと目標Lab値TargetLabとの色差ΔE00を算出する。暫定Lab値pLabpの変換元となる暫定cmyk値pcmykpは、任意のcmyk値である。ただし、暫定cmyk値pcmykpは、機器依存色座標値Initcmykに近い値であることが好ましく、同一であることが最も好ましい。暫定Lab値pLabpと目標Lab値TargetLabとの色差ΔE00が、機器非依存色座標値InitLabと目標Lab値TargetLabとの色差ΔE00より小さいという条件を満たす場合、第1探索部1355は、この暫定cmyk値pcmykpを最適cmyk値cmykstとして出力する。一方、暫定Lab値pLabpと目標Lab値TargetLabとの色差ΔE00が、前述した条件を満たさない場合、第1探索部1355は、この暫定cmyk値pcmykpを変更し、最適cmyk値cmykstが見つかるまで繰り返す。暫定cmyk値pcmykpの変動量は、例えば、固定値である。
第2の態様において、第1探索部1355は、暫定cmyk値pcmykpに第1調整値Δcmyk1を加算した第1暫定cmyk値pcmykp1をA2Bテーブル1221により変換した第1暫定Lab値pLabp1と目標Lab値TargetLabとの色差ΔE00を含む目的関数の出力値が小さくなるように、第1調整値Δcmyk1を変化させる第1探索処理を実行する。さらに、第1探索部1355は、暫定cmyk値pcmykpに第2調整値Δcmyk2を加算した第2暫定cmyk値pcmykp2をA2Bテーブル1221により変換した第2暫定Lab値pLabp2と目標Lab値TargetLabとの色差ΔE00を含む第2目的関数の出力値が小さくなるように、第2調整値Δcmyk2を変化させる第2探索処理を実行する。そして、第1探索部1355は、第1探索処理の終了時における目的関数の出力値が、第2探索処理の終了時における目的関数の出力値よりも小さい場合、第1探索処理の終了時の第1暫定cmyk値pcmykp1を最適cmyk値cmykstとして特定する。一方、第2探索処理の終了時における第2目的関数の出力値よりも小さい場合、第1探索部1355は、第2探索処理の終了時の第2暫定cmyk値pcmykp2を最適cmyk値cmykstとして特定する。
第1調整値Δcmyk1および第2調整値Δcmyk2は、Δc、Δm、Δy、およびΔkを成分に持つ4次元ベクトルである。
また、第1探索部1355は、第1暫定cmyk値pcmykp1および第2暫定cmyk値pcmykp2を含む複数の暫定cmyk値pcmykpを用いて、それぞれの暫定cmyk値pcmykpと目標Lab値TargetLabとの色差ΔE00を含む目的関数の出力値を最小とする最適化問題を解くことによって、調整値Δcmykを変化させる探索処理を実行してもよい。第1実施形態では、第1探索部1355は、第1暫定cmyk値pcmykp1から第27暫定cmyk値pcmykp27までのそれぞれの暫定cmyk値pcmykpに対する探索処理を実行する。そして、第1探索部1355は、それぞれの暫定cmyk値pcmykpに対する探索処理のうち、目的関数の出力値が最も小さい探索処理の終了時の暫定cmyk値pcmykpを最適cmyk値cmykstとして特定する。
目的関数は、例えば、下記(4)式で示される。
f(Δcmyk)=ΔE00 2+w×V2+Co (4)
w×Vは、調整値Δcmykの各成分の何れかの絶対値が突出して大きくなることを抑制するために設けられた項である。係数wは、正の数である。係数wは、1より大きく10以下であることが好ましい。大きさVは、調整値Δcmykの大きさである。コストCoは、cmyk値の各成分が取り得る範囲0以上100以下という条件を、暫定cmyk値pcmykpが満たすように調整する定数である。
最適化問題の解法については、例えば、準ニュートン法、ニュートン法、または、共役勾配法等を用いることができる。準ニュートン法を用いる場合、例えば、BFGS法またはDFP法を用いることができる。BFGSは、Broyden-Fletcher-Goldfarb-Shanno methodの略である。DFPは、Davidon-Fletcher-Powellの略である。最適化問題の解法として、第1実施形態では、準ニュートン法におけるBFGS法を用いる。
27個の初期値のそれぞれに対して前述の最適化問題を解くことにより、前述の条件を満たす暫定cmyk値pcmykpを特定する方法として、第1探索部1355は、例えば、27個の初期値のそれぞれに対して最適化問題を解いて得られた解候補のうち、目的関数f(Δcmyk)の値がより小さい解候補が示すcmyk値を、最適cmyk値cmykstとして特定する。
図10では、第1探索部1355が、第1暫定cmyk値pcmykp1から、第27暫定cmyk値pcmykp27それぞれを初期値として最適化問題を解くことを示している。第1暫定cmyk値pcmykp1は、機器依存色座標値Initcmykに初期値Δcmyk1を加算した値として表現できる。図10に示す暫定cmyk値pcmykp1_1は、第1暫定cmyk値pcmykp1から微小量変化させた値である。第27暫定cmyk値pcmykp27は、機器依存色座標値Initcmykに初期値Δcmyk27を加算した値として表現できる。図10に示す暫定cmyk値pcmykp27_1は、第27暫定cmyk値pcmykp27から微小量変化させた値である。図10に示す第1暫定Lab値pLabp1、暫定Lab値pLabp1_1、第27暫定Lab値pLabp27、暫定Lab値pLabp27_1は、それぞれ、第1暫定cmyk値pcmykp1、暫定cmyk値pcmykp1_1、第27暫定cmyk値pcmykp27、暫定cmyk値pcmykp27_1を、A2Bテーブル1221を用いて変換して得られた値である。
そして、図10に示すように、第1探索部1355は、第1暫定cmyk値pcmykp1、…、第27暫定cmyk値pcmykp27を初期値として、最適化問題を解き、最適解候補Δcmykpb1、…、最適解候補Δcmykpb27を得る。次に、第1探索部1355は、最適解候補Δcmykpb1、…、最適解候補Δcmykpb27から、目的関数f(Δcmykpbn)を最小とする最適解Δpcmykbを特定し、機器依存色座標値Initcmykに最適解Δpcmykbを加算して得られた値を、最適cmyk値cmykstとして特定する。nは、1から27までの値である。
第1生成部137は、スポットカラーLab値SP_Labと最適cmyk値cmykstとに基づいて、色変換テーブル126を生成する。色変換テーブル126の生成例として、例えば、以下に示す2つの態様がある。第1の態様において、第1生成部137は、スポットカラーLab値SP_Labと、最適cmyk値cmykstそのものとを対応付けて、色変換テーブル126に格納する。第2の態様において、第1生成部137は、B2Aテーブル1222を複製し、最適cmyk値cmykstに基づいて、スポットカラーLab値SP_Labの近傍格子点に対する出力値の調整量を決定し、複製したB2Aテーブルに調整量を反映する。そして、第1生成部137は、複製したB2Aテーブルを用いて、スポットカラーLab値SP_Labを登録cmyk値pcmykに変換し、スポットカラーLab値SP_Labと登録cmyk値pcmykとを対応付けて色変換テーブル126に格納する。複製したB2Aテーブルは、破棄する。従って、調整結果が、B2Aテーブル1222に反映されることはない。以下では、第1生成部137は、第2の態様によって、色変換テーブル126を生成することとして説明する。
図11を用いて、判定部133の判定結果が否定である場合について説明する。第2受付部1357は、第1プリンター40のガマット外にあるLab値を第1プリンター40のガマット内に変換する複数の変換方法から、ユーザーによる変換方法の指定を受け付ける。第2受付部1357を実行する契機は、例えば、以下に示す2つの契機がある。第1の契機は、判定部133が判定する前である。第1の契機では、第2受付部1357は、仮に、スポットカラーLab値SP_Labが第1プリンター40のガマット外にある場合の変換方法の指定を受け付ける。第2の契機は、判定部133が判定した後である。第2の契機において、第2受付部1357は、判定部133の判定結果が否定である場合に限り、変換方法の指定を受け付ければよい。第1実施形態では、第2受付部1357は、複数の変換方法から、一の変換方法を受け付ける。
複数の変換方法は、下記に示す3つの変換方法のうち2つ以上の方法である。第1の変換方法は、第1プリンター40のガマット外にあるLab値で規定される色の明度が保存されるように、第1プリンター40のガマット外にあるLab値を第1プリンター40のガマット内にあるLab値に変換する方法である。第2の変換方法は、第1プリンター40のガマット外にあるLab値で規定される色の彩度が保存されるように、第1プリンター40のガマット外にあるLab値を第1プリンター40のガマット内にあるLab値に変換する方法である。第3の変換方法は、第1プリンター40のガマット外にあるLab値と第1プリンター40のガマット内にあるLab値との色差ΔE00が最小になるように第1プリンター40のガマット外にあるLab値を第1プリンター40のガマット内にあるLab値に変換する方法である。
以下、第1の変換方法を、「明度保存優先変換方法」と称し、第2の変換方法を、「彩度保存優先変換方法」と称し、第3の変換方法を、「色差最小優先変換方法」と称する。さらに、明度保存優先変換方法、彩度保存優先変換方法、および、色差最小優先変換方法を「ガマット変換方法」と総称する。
第1実施形態では、第2受付部1357は、明度保存優先変換方法、彩度保存優先変換方法、および、色差最小優先変換方法という3つのガマット変換方法から、ユーザーによって指定されたガマット変換方法を受け付ける。
領域内変換部1358は、指定されたガマット変換方法に従って、スポットカラーLab値SP_LabをLab色空間CSIにおける変換Lab値Gamut_Labに変換する。変換Lab値Gamut_Labが、「第1変換座標値」の一例である。
第1実施形態では、領域内変換部1358は、第1プリンター40のガマット外におけるスポットカラーLab値SP_Labの位置に関わらず、第2受付部1357が受け付けた一のガマット変換方法に従って、スポットカラーLab値SP_Labを変換Lab値Gamut_Labに変換する。
色空間変換部1359は、B2Aテーブル1222を用いて、変換Lab値Gamut_Labをcmyk色空間の変換cmyk値Gamut_cmykに変換する。変換cmyk値Gamut_cmykが、「第2変換座標値」の一例である。
第1生成部137は、スポットカラーLab値SP_Labと変換cmyk値Gamut_cmykとに基づいて、色変換テーブル126を生成する。例えば、第1生成部137は、変換cmyk値Gamut_cmykをそのまま登録cmyk値pcmykとし、スポットカラーLab値SP_Labと登録cmyk値pcmykとを対応付けて、色変換テーブル126に格納する。
図10の説明に戻る。印刷処理実行時において、第1プリンター40に供給される印刷指令に含まれる画像情報は、CMYK値、RGB色空間における座標値、スポットカラーを示すLab値、または、スポットカラー名の何れかである。RGB色空間における座標値を、以下、「RGB値」と称する。画像情報がLab値またはスポットカラー名である場合、第1プリンター40に供給される印刷指令は、機器非依存色を印刷する印刷指令と言える。なお、印刷指令が、「出力指令」の一例である。第1実施形態では、説明の簡略化のため、印刷指令に含まれる画像情報は、CMYK値スポットカラーを示すLab値、またはスポットカラー名であるとして説明する。印刷指令に含まれる画像情報がCMYK値の場合を図10を用いて説明し、印刷指令に含まれる画像情報がLab値またはスポットカラー名の場合を図1を用いて説明する。
第1プリンター40に出力される印刷対象画像を示す画像情報が、CMYK値CMYKinである場合、制御装置13は、CMYK値CMYKinをA2Bテーブル1211を用いてLab値に変換し、さらに、Lab値をB2Aテーブル1222を用いて登録cmyk値pcmykに変換する。制御装置13は、登録cmyk値pcmykを色補正無しLUT128を用いてインク使用量INKに変換し、インク使用量INKに応じて第1プリンター40に画像情報を示す画像を印刷させる。
説明を図1に戻す。第1プリンター40に出力される印刷対象画像を示す画像情報がLab値である場合、第3変換部142は、色変換テーブル126を用いて、Lab値をcmyk値に変換する。第1プリンター40に出力される印刷対象画像を示す画像情報がスポットカラー名である場合、第3変換部142は、カラーライブラリー124を用いてスポットカラー名をLab値に変換し、さらに、色変換テーブル126を用いて、Lab値をcmyk値に変換する。
出力制御部146は、第3変換部142によって変換されたcmyk値に応じて、第1プリンター40に画像を出力させる。より詳細には、制御装置13は、cmyk値を色補正無しLUT128を用いてインク使用量INKに変換し、インク使用量INKに応じて画像を印刷させる。
A.3.色変換テーブル生成処理実行時における色変換テーブル生成システム1の動作
図12および図13は、色変換テーブル生成処理を示すフローチャートである。ステップS1において、表示装置20は、制御装置13の制御によって、図14に示す色変換テーブル生成画面220を表示する。
図14は、色変換テーブル生成画面220の一例を示す図である。色変換テーブル生成画面220は、色変換テーブル126を生成することに用いられる画面である。色変換テーブル生成画面220は、追加ボタン221、削除ボタン222、スポットカラーLab値表示領域224、ガマット内外表示領域225、測色値表示領域226、ガマット変換方法表示領域228、および、色変換テーブル生成ボタン229を有する。スポットカラーLab値表示領域224、ガマット内外表示領域225、測色値表示領域226、および、ガマット変換方法表示領域228は、スポットカラーごとに、スポットカラーに関する情報を示すレコードを有する。色変換テーブル生成画面220では、色変換テーブル126に、複数のスポットカラーのそれぞれを登録することができる。
説明を図12に戻す。ステップS2において、制御装置13は、色変換テーブル生成画面220に対する操作を受け付ける。ステップS3において、制御装置13は、追加ボタン221の押下操作を受け付けたか否かを判定する。ステップS3における判定結果が肯定の場合、制御装置13は、ステップS4において、スポットカラーLab値表示領域224、ガマット内外表示領域225、測色値表示領域226、および、ガマット変換方法表示領域228に、新たなスポットカラー用のレコードを追加するように色変換テーブル生成画面220を更新する。表示装置20は、更新された色変換テーブル生成画面220を表示する。更新された色変換テーブル生成画面220の表示後、制御装置13は、再びステップS2の処理を実行する。
ステップS3における判定結果が否定の場合、制御装置13は、ステップS5において、削除ボタン222の押下操作を受け付けたか否かを判定する。ステップS5における判定結果が肯定の場合、制御装置13は、ステップS6において、制御装置13は、スポットカラーLab値表示領域224、および、ガマット内外表示領域225、測色値表示領域226、および、ガマット変換方法表示領域228のレコードを削除するように色変換テーブル生成画面220を更新する。表示装置20は、更新された色変換テーブル生成画面220を表示する。更新された色変換テーブル生成画面220の表示後、制御装置13は、再びステップS2の処理を実行する。
ステップS5における判定結果が否定の場合、制御装置13は、ステップS7において、スポットカラーLab値表示領域224の押下操作を受け付けたか否かを判定する。ステップS7における判定結果が肯定の場合、制御装置13は、ステップS8において、ユーザーの入力装置16の操作によって、スポットカラーLab値SP_Labおよびスポットカラー名の一方または両方を受け付ける。
スポットカラー名のみを受け付けた場合、制御装置13は、カラーライブラリー124を用いて、受け付けたスポットカラー名に応じたスポットカラーLab値SP_Labを特定する。表示装置20は、スポットカラー名とスポットカラーLab値SP_Labとを、スポットカラーLab値表示領域224内に表示する。一方、スポットカラーLab値SP_Labのみを受け付けた場合、表示装置20は、スポットカラーLab値SP_Labを、スポットカラーLab値表示領域224内に表示する。
ステップS8の処理終了後、制御装置13は、ステップS9において、スポットカラーLab値SP_Labが第1プリンター40のガマット内か否かを判定する。制御装置13は、判定結果をガマット内外表示領域225内に表示させる。ステップS9の判定結果が肯定である場合、制御装置13は、再びステップS2の処理を実行する。ステップS9の判定結果が否定である場合、制御装置13は、ステップS10において、ユーザーによるガマット変換方法の指定を受け付ける。制御装置13は、受け付けたガマット変換方法をガマット変換方法表示領域228内に表示させる。ステップS10の処理終了後、制御装置13は、再びステップS2の処理を実行する。
ステップS7における判定結果が否定の場合、制御装置13は、ステップS11において、色変換テーブル生成ボタン229の押下操作を受け付けたか否かを判定する。ステップS11における判定結果が否定の場合、制御装置13は、再びステップS2の処理を実行する。
ステップS11における判定結果が肯定の場合、制御装置13は、スポットカラーLab値ごとに、ステップS12からステップS21までの繰り返し処理を実行する。繰り返し処理内のステップS13において、ステップS9の判定結果を参照して、スポットカラーLab値が第1プリンター40のガマット内か否かを判定する。
ステップS13の判定結果が肯定である場合、制御装置13は、ステップS14において、ガマット内色変換処理を実行する。なお、ガマット内色変換処理が、「第1変換処理」の一例である。図15を用いてガマット内色変換処理を説明する。
図15は、ガマット内色変換処理を示すフローチャートである。制御装置13は、ステップS31において、B2Aテーブル1222を用いて、スポットカラーLab値SP_Labを機器依存色座標値Initcmykに変換する。ステップS31の処理は、上述の(1)式で換言可能である。次に、制御装置13は、ステップS32において、色補正無しLUT128を用いて、機器依存色座標値Initcmykをインク使用量INKに変換する。そして、制御装置13は、ステップS33において、インク使用量INKに基づいて、スポットカラーの画像を第1プリンター40に印刷させる。ステップS34において、測色装置30は第1プリンター40が印刷した出力画像を測色し、制御装置13は、測色値cLabを取得する。制御装置13は、取得した測色値cLabを測色値表示領域226内に表示させる。
ステップS34の処理終了後、制御装置13は、ステップS35において、スポットカラーLab値SP_Labから測色値cLabを減算することにより、差分値ΔLabを算出する。ステップS35の処理は、下記式で換言可能である。
ΔLab=SP_Lab−cLab
また、制御装置13は、ステップS36において、A2Bテーブル1221を用いて、機器依存色座標値Initcmykを機器非依存色座標値InitLabに変換する。ステップS36の処理は、上述の(2)式で換言可能である。
次に、制御装置13は、ステップS37において、機器依存色座標値Initcmykに差分値ΔLabを加算することにより、目標Lab値TargetLabを算出する。ステップS37の処理は、上述の(3)式で換言可能である。
そして、制御装置13は、ステップS38において、探索処理を実行する。探索処理について、図16を用いて説明する。
図16は、探索処理を示すフローチャートである。探索処理は、機器非依存色座標値Initcmykに調整値Δcmykを加えた暫定cmyk値pcmykpをA2Bテーブル1221を用いて変換した暫定Lab値pLabpが、目標Lab値TargetLabに極力近づける最適解Δcmykbを探索する。より具体的には、探索処理は、調整値Δcmykを引数とする目的関数f(Δcmyk)を設定し、目的関数f(Δcmyk)を最小とする最適化問題を解くことにより、最適解Δcmykbを探索する。
準ニュートン法では微分関数を用いた探索を行うため局所解へ収束してしまい、正しい最適解が得られない可能性がある。局所解への収束を抑制するため、探索処理は、複数の初期値Δcmykを与えて、各初期値Δcmykに対して準ニュートン法を適用して最適解候補Δcmykpbを求める。そして探索処理は、各初期値に対する最適解候補Δcmykpbから、最適解Δcmykbを決定する。
探索処理において、制御装置13は、ステップS41において、変数iに1を代入する。変数iは、複数の初期値Δcmykのそれぞれを識別する変数である。以下の説明において、初期値Δcmykという記載は、全ての初期値Δcmykの総称である。次に、制御装置13は、ステップS42において、調整値Δcmykの初期値Δcmykを設定する。
図17は、初期値Δcmykを示す図である。図17に示すcmyk色空間CSDにおける各格子点が、初期値Δcmykの位置を示す。図17では、図面の煩雑化を抑えるため、一部の格子点のみに対して初期値Δcmykとの関係を示す。以下の説明において、初期値Δcmykiの各成分を、(Δci,Δmi,Δyi,Δki)と示す。探索処理において、初期値Δcmyk1は、(0,0,0,0)である。第1実施形態では、初期値Δcmyk1を中心として、c値を所定間隔Scずつずらした3点、m値を所定間隔Smずつずらした3点、およびy値を所定間隔Syずつずらした3点による27点の初期値Δcmykを用意している。所定間隔Sc、所定間隔Sm、および所定間隔Syは、0より大きい実数である。変数iは、1以上27以下の整数である。探索処理を高速化させるため、Δkiを0とする。従って、初期値Δcmykiの各成分(Δci,Δmi,Δyi,Δki)は、以下の通りである。
(Δc1,Δm1,Δy1,Δk1)=(0,0,0,0)
(Δc2,Δm2,Δy2,Δk2)=(+Sc,0,0,0)
(Δc3,Δm3,Δy3,Δk3)=(+Sc,0,+Sy,0)

(Δc12,Δm12,Δy12,Δk12)=(+Sc,+Sm,+Sy,0)

(Δc25,Δm25,Δy25,Δk25)=(−Sc,−Sm,−Sy,0)

(Δc27,Δm27,Δy27,Δk27)=(+Sc,−Sm,−Sy,0)
上述のように、第1実施形態ではΔkiを0とするが、Δcmykを中心として、所定間隔Skずつずらすことも可能である。所定間隔Skは、0より大きい実数である。また、第1実施形態では、初期値Δcmykの個数は27個であるが、8個または81個等、27個以外でもよい。
所定間隔Sc、所定間隔Sm、および所定間隔Syは、例えば、cmyk色空間CSDにおけるA2Bテーブル1221によって示される格子点GDaの間隔Gc、間隔Gm、間隔Gyの0.5倍以上2倍以下とすることができる。式で表すと、以下の通りとなる。
0.5×Gc≦Sc≦2×Gc
0.5×Gm≦Sm≦2×Gm
0.5×Gy≦Sy≦2×Gy
所定間隔Sc、所定間隔Sm、および所定間隔Syを、間隔Gc、間隔Gm、間隔Gyの0.5倍以上2倍以下とすると、最適解Δcmykbを効率よく探索することができる。
Δcmykを中心として、所定間隔Skずつずらす場合には、例えば、k軸方向における格子点GDaの間隔の0.5倍以上2倍以下とすることができる。
説明を図16に戻す。制御装置13は、ステップS43において、調整値Δcmykに初期値Δcmykiを代入する。ステップS43の処理は、下記式で換言可能である。
Δcmyk=Δcmyki
次に、制御装置13は、ステップS44において、最適化問題求解処理を実行する。最適化問題求解処理について、図18を用いて説明する。
図18は、最適化問題求解処理を示すフローチャートである。最適化問題求解処理は、準ニュートン法におけるBFGS法を用いて、複数の初期値Δcmykiのうちの1つの初期値Δcmykiに対する最適解候補Δcmykpbを求める。
制御装置13は、ステップS51において、機器依存色座標値Initcmykに調整値Δcmykを加算することにより、暫定cmyk値pcmykpを算出する。ステップS51の処理は、下記式で換言可能である。
pcmykp=Initcmyk+Δcmyk
そして、制御装置13は、ステップS52において、A2Bテーブル1221を用いて、暫定cmyk値pcmykpを暫定Lab値pLabpに変換する。ステップS52の処理は、下記式で換言可能である。
pLabp=ficc(出力プロファイル122,A2B,pcmykp
ステップS53からステップS55までの処理は、目的関数f(Δcmyk)の各項を求める処理である。目的関数f(Δcmyk)は、上述した(4)式で示される。
制御装置13は、ステップS53において、暫定Lab値pLabpと目標Lab値TargetLabとの色差ΔE00の2乗を算出する。
また、制御装置13は、ステップS54において、調整値Δcmykをcmyk色空間CSDのベクトルで表現した場合の該ベクトルの大きさVの2乗を算出する。
また、制御装置13は、ステップS55において、コストCoを算出する。cmyk値の各成分が取り得る範囲0以上100以下という条件を、暫定cmyk値pcmykpが満たすため、制御装置13は、コストCoを、以下の式に従って算出する。以下の式において、暫定cmyk値pcmykpの各成分を、(cpp,mpp,ypp,kpp)とする。
cpp<0である場合、 Co=-cpp×Cco
cpp>100である場合、Co=(cpp-100)×Cco
mpp<0である場合、 Co=-mpp×Cco
mpp>100である場合、Co=(mpp-100)×Cco
ypp<0である場合、 Co=-ypp×Cco
ypp>100である場合、Co=(ypp-100)×Cco
kpp<0である場合、 Co=-kpp×Cco
kpp>100である場合、Co=(kpp-100)×Cco
上記以外の場合、Co=0
係数Ccoは、正の数であり、cmyk値の各成分が取り得る範囲0以上100以下と比べて十分に大きい数である10以上10以下程度が好ましい。
制御装置13は、コストCoを、cmyk値の各成分が取り得る範囲0以上100以下という条件以外の要素に基づいて算出してもよい。例えば、制御装置13は、ステップS51の処理からステップS55の処理までを実行した場合にエラーが生じた場合、コストCoに、10以上10以下の値を加算してもよい。
ステップS53からステップS55までの処理により、目的関数f(Δcmyk)の各項が求まったため、制御装置13は、ステップS56において、目的関数f(Δcmyk)を算出し、出力値を得る。
制御装置13は、ステップS57において、ステップS51からステップS56の処理を、目的関数f(Δcmyk)の出力値を極小値とする最適解候補Δcmykpbが見つかるまで繰り返す。最初にステップS57の処理が行われる場合には、目的関数f(Δcmyk)の出力値が極小値であるか否かを判定することができないため、制御装置13は、ステップS58において、調整値Δcmykを微小量変化させたうえ、処理をステップS51に戻す。この微小量は、BFGS法に基づいて定められる。2回目以降にステップS57の処理が行われる場合には、制御装置13は、最適解候補Δcmykpbが見つからない場合にステップS58の処理を実行する。最適解候補Δcmykpbが見つかった場合、制御装置13は、図18に示す一連の処理を終了し、図16に示すステップS45の処理を実行する。
説明を図16に戻す。制御装置13は、ステップS45において、全ての初期値Δcmykに対して最適化問題求解処理を実行したか否かを判定する。ステップS45の判定結果が否定である場合、即ち、まだ最適化問題求解処理を実行していない初期値Δcmykがある場合、制御装置13は、ステップS46において、変数iを1増加させて、処理をステップS42に戻す。一方、ステップS45の判定結果が肯定である場合、制御装置13は、ステップS47において、初期値Δcmykごとの最適解候補Δcmykpbから、最適解Δcmykbを決定する。
そして、制御装置13は、ステップS48において、機器依存色座標値Initcmykに最適解Δcmykbを加算することにより、最適cmyk値cmykstを算出する。ステップS48の処理は、下記式で換言可能である。
cmykst=Initcmyk+Δcmykb
ステップS48の処理終了後、制御装置13は、図16に示す一連の処理、および、図15に示す一連の処理を終了し、図13に示すステップS15の処理を実行する。
説明を図13に戻す。制御装置13は、ステップS15において、登録cmyk値決定処理を実行する。図19を用いて、登録cmyk値決定処理を説明する。
図19は、登録cmyk値決定処理を示すフローチャートである。制御装置13は、ステップS61において、出力プロファイル122のB2Aテーブル1222を複製する。例えば、記憶装置12が、HDDおよびRAMであり、B2Aテーブル1222がHDDに記憶されているとする。制御装置13は、HDDに記憶されているB2Aテーブル1222を、RAM上に複製する。
次に、制御装置13は、ステップS62において、最適解Δcmykbに基づいて、複製したB2Aテーブル1222におけるスポットカラーLab値SP_Labの近傍格子点に対する出力値の調整量を決定する。調整対象となる格子点は、スポットカラーLab値SP_Labの最近傍格子点のみではなく、スポットカラーLab値SP_Labが含まれる立方体の各頂点に位置する8個の近傍格子点である。例えば、制御装置13は、最適解Δcmykbそのものを調整量として決定する。
また、複数のスポットカラーを色変換テーブル126に登録する場合、この複数のスポットカラーに対する8個の近傍格子点の一部が同一となる可能性もある。8個の近傍格子点の一部が同一となる場合の調整量について説明する。複製したB2Aテーブルにおいて、制御装置13は、スポットカラーLab値SP_Lab1を含む8個の近傍格子点GPSP_Lab1の調整量を、スポットカラーLab値SP_Lab1に対応する最適解Δcmykb(SP_Lab1)に基づく調整量Xnに決定する。同様に、制御装置13は、スポットカラーLab値SP_Lab2を含む8個の近傍格子点GPSP_Lab2の調整量を、スポットカラーLab値SP_Lab2に対応する最適解Δcmykb(SP_Lab2)に基づく調整量Ymに決定する。8個の近傍格子点GPSP_Lab1と8個の近傍格子点GPSP_Lab2との両方に含まれる近傍格子点がある場合、制御装置13は、調整量Xnと調整量Ymとの平均値により、この両方に含まれる近傍格子点の調整量を更新する。
そして、制御装置13は、ステップS63において、調整量を、複製したB2Aテーブルに反映する。
次に、制御装置13は、ステップS64において、複製したB2Aテーブルを用いて、スポットカラーLab値SP_Labを登録cmyk値pcmykに変換する。ステップS64の処理は、下記式で換言可能である。
pcmyk=ficc(複製したB2Aテーブル,B2A,SP_Lab)
制御装置13は、ステップS65において、登録cmyk値pcmykと最適cmyk値cmykstとの差分dを算出する。そして、制御装置13は、ステップS66において、繰り返し処理の終了条件が成立したか否かを判定する。終了条件は、以下に示す2つの態様がある。終了条件の第1の態様は、登録cmyk値pcmykをA2Bテーブル1221を用いて変換したLab値と、スポットカラーLab値SP_Labとの色差ΔE00が所定の閾値以下となることである。終了条件の第2の態様は、ステップS66による判定の回数が所定の回数に達することである。ステップS66の判定結果が否定の場合、制御装置13は、ステップS62の処理に戻る。
ステップS66の判定結果が肯定の場合、制御装置13は、ステップS67において、スポットカラーLab値SP_Labと、登録cmyk値pcmykとを色変換テーブル126に格納する。次に、制御装置13は、ステップS68において、複製したB2Aテーブルを破棄する。ステップS68の処理終了後、制御装置13は、図19に示す一連の処理を終了し、全てのスポットカラーLab値に対してステップS12からステップS21までの繰り返し処理を実行した場合、図12および図13に示す一連の処理を終了する。
説明を図13に戻す。ステップS13の判定結果が否定の場合、制御装置13は、ステップS16において、ステップS10の処理で受け付けたガマット変換方法が、明度保存優先変換方法、彩度保存優先変換方法、色差最小優先変換方法の何れに一致するかを判断する。受け付けたガマット変換方法が明度保存優先変換方法である場合、制御装置13は、ステップS17において、明度保存優先変換処理を実行する。明度保存優先変換処理について、図20および図21を用いて説明する。
図20は、明度保存優先変換処理を示すフローチャートである。図21は、明度保存優先変換処理によるLab値の変換例を示す図である。図21では、Lab色空間CSIにおいて、スポットカラーLab値SP_Labの明度が保存されるように変換される様子を示す。図21に示す彩度Cは、Lab値のa値の2乗およびb値の2乗の和の正の平方根である。境界面GA0、境界面GA1および、境界面GA2は、第1プリンター40のガマットの境界面である。
制御装置13は、ステップS71において、B2Aテーブル1222を用いて、スポットカラーLab値SP_Labをcmyk値に変換する。ステップS71の処理は、下記式で換言可能である。
cmyk=ficc(出力プロファイル122,B2A,SP_Lab)
ステップS71の処理終了後、制御装置13は、ステップS72において、ステップS71の処理で得られたcmyk値をLab値RLab0に変換する。ステップS72の処理は、下記式で換言可能である。
RLab0=ficc(出力プロファイル122,A2B,cmyk)
ステップS71の処理およびステップS72の処理によって、スポットカラーLab値SP_Labに対して出力プロファイル122によるround-trip演算が実行されて、Lab値RLab0が得られたとみなすことができる。図21では、スポットカラーLab値に対するround-trip演算を、スポットカラーLab値SP_LabからLab値RLab0を結ぶ破線の矢印として示す。
ステップS72の処理終了後、制御装置13は、ステップS73において、変数iに0を代入する。そして、制御装置13は、ステップS74において、|明度Lri-明度SP_L|が閾値THL以下か否かを判定する。|x|は、xの絶対値を示す。明度Lriは、Lab値RLabiの明度である。明度SP_Lは、スポットカラーLab値SP_Labの明度である。閾値THLは、例えば、0.1以上0.3以下の実数である。制御装置13は、ステップ74の判定結果が否定である限り、ステップS74からステップS78までの処理を繰り返す。繰り返しを強制的に終了させるため、制御装置13は、ステップS74の処理を所定回数実行した場合にも、判定結果を肯定としてもよい。所定回数は、例えば、5回以上10回未満である。
ステップS74の判定結果が否定の場合、制御装置13は、ステップS75において、変数iの値を1増加させ、ステップS76において、スポットカラーLab値SP_Labの明度が保存するように、Lab値RLabi-1からLab値QLabiを生成する。スポットカラーLab値SP_Labの各成分を(SP_L,SP_a,SP_b)とし、Lab値RLabi-1の各成分を(Lri-1,ari-1,bri-1)とすると、Lab値QLabiの各成分(Lqi,aqi,bqi)は、以下に示す関係にある。
Lqi=SP_L
aqi=ari-1
bqi=bri-1
図21では、ステップS76の処理を、Lab値RLabi-1からLab値QLabiを結ぶ一点鎖線の矢印として示す。また、図21に示す面SLは、スポットカラーLab値SP_Labの明度SP_Lと一致するLab値の集合である。Lab値QLabiは、面SL内に位置する。
ステップS76の処理終了後、制御装置13は、ステップS77において、B2Aテーブル1222を用いて、Lab値QLabiをcmyk値に変換する。ステップS77の処理は、下記式で換言可能である。
cmyk=ficc(出力プロファイル122,B2A,QLabi
ステップS77の処理終了後、制御装置13は、ステップS78において、ステップS77の処理で得られたcmyk値をLab値RLabiに変換する。ステップS78の処理は、下記式で換言可能である。
RLabi=ficc(出力プロファイル122,A2B,cmyk)
ステップS77の処理およびステップS78の処理によって、Lab値QLabiに対して出力プロファイル122によるround-trip演算が実行されて、Lab値RLabiが得られたとみなすことができる。図21では、Lab値QLabiに対するround-trip演算を、Lab値QLabiからLab値RLabiを結ぶ破線の矢印として示す。
ステップS78の処理終了後、制御装置13は、ステップS74の処理を実行する。図21では、変数iの値が4のときに、ステップS74の判定結果が肯定となった例である。
ステップS74の判定結果が肯定の場合、制御装置13は、ステップS79において、Lab値RLabiを変換Lab値Gamut_Labとして特定する。図21の例では、制御装置13は、Lab値RLab4を変換Lab値Gamut_Labとして特定する。ステップS79の処理終了後、制御装置13は、ステップS80において、変換Lab値Gamut_Labを変換cmyk値Gamut_cmykに変換する。ステップS80の処理は、下記式で換言可能である。
Gamut_cmyk=ficc(出力プロファイル,B2A,Gamut_Lab)
ステップS80の処理終了後、制御装置13は、図20に示す一連の処理を終了し、図13に示すステップS20の処理を実行する。
説明を図13に戻す。制御装置13は、ステップS20において、変換cmyk値Gamut_cmykをそのまま登録cmyk値pcmykとし、スポットカラーLab値SP_Labと登録cmyk値pcmykとを対応付けて、色変換テーブル126に格納する。ステップS20の処理終了後、制御装置13は、全てのスポットカラーLab値に対してステップS12からステップS21までの繰り返し処理を実行した場合、図12および図13に示す一連の処理を終了する。
ステップS16において、受け付けたガマット変換方法が彩度保存優先変換方法である場合、制御装置13は、ステップS18において、彩度保存優先変換処理を実行する。彩度保存優先変換処理について、図22および図23を用いて説明する。
図22は、彩度保存優先変換処理を示すフローチャートである。図23は、明度保存優先変換処理の変換例を示す図である。図23では、Lab色空間CSIにおいて、スポットカラーLab値SP_Labの彩度の保存が優先されて変換される様子を示す。
制御装置13は、ステップS91において、B2Aテーブル1222を用いて、スポットカラーLab値SP_Labをcmyk値に変換する。ステップS91の処理は、下記式で換言可能である。
cmyk=ficc(出力プロファイル122,B2A,SP_Lab)
ステップS91の処理終了後、制御装置13は、ステップS92において、ステップS91の処理で得られたcmyk値をLab値TLab0に変換する。ステップS92の処理は、下記式で換言可能である。
TLab0=ficc(出力プロファイル122,A2B,cmyk)
ステップS91の処理およびステップS92の処理によって、スポットカラーLab値SP_Labに対してround-trip演算が実行されて、Lab値TLab0が得られたとみなすことができる。図23では、スポットカラーLab値に対するround-trip演算を、スポットカラーLab値SP_LabからLab値TLab0を結ぶ破線の矢印として示す。
ステップS92の処理終了後、制御装置13は、ステップS93において、変数iに0を代入する。そして、制御装置13は、ステップS94において、変数iの値を1増加させ、ステップS95において、スポットカラーLab値SP_Labの彩度が保存するように、Lab値TLabi-1からLab値SLabiを生成する。スポットカラーLab値SP_Labの各成分を(SP_L,SP_a,SP_b)とし、Lab値TLabi-1の各成分を(Lti-1,ati-1,bti-1)とすると、Lab値SLabiの各成分(Lsi,asi,bsi)は、以下に示す関係にある。
Lsi=Lti-1
asi=SP_a
bsi=SP_b
図23では、ステップS95の処理を、Lab値TLabi-1からLab値SLabiを結ぶ一点鎖線の矢印として示す。また、図23に示す直線SCは、a値が、スポットカラーLab値SP_Labのa値に一致し、かつ、b値が、スポットカラーLab値SP_Labのb値と一致するLab値の集合である。Lab値SLabiは、直線SC上に位置する。
ステップS95の処理終了後、制御装置13は、ステップS96において、B2Aテーブル1222を用いて、Lab値SLabiをcmyk値に変換する。ステップS96の処理は、下記式で換言可能である。
cmyk=ficc(出力プロファイル122,B2A,SLabi
ステップS96の処理終了後、制御装置13は、ステップS97において、ステップS97の処理で得られたcmyk値をLab値TLabiに変換する。ステップS97の処理は、下記式で換言可能である。
TLabi=ficc(出力プロファイル122,A2B,cmyk)
ステップS96の処理およびステップS97の処理によって、Lab値SLabiに対してround-trip演算が実行されて、Lab値TLabiが得られたとみなすことができる。図23では、Lab値SLabiに対するround-trip演算を、Lab値SLabiからLab値TLabiを結ぶ破線の矢印として示す。
ステップS97の処理終了後、制御装置13は、ステップS98において、Lab値TLabiの彩度がLab値TLabi-1の彩度以下か否かを判定する。制御装置13は、ステップ98の判定結果が否定である限り、ステップS94からステップS98までの処理を繰り返す。繰り返しを強制的に終了させるため、制御装置13は、ステップS98の処理を所定回数実行した場合にも、判定結果を肯定としてもよい。所定回数は、例えば、5回以上10回未満である。図23では、変数iの値が4のときに、ステップS98の判定結果が肯定となった例である。
ステップS98の判定結果が否定の場合、すなわちLab値TLabiの彩度がLab値TLabi-1の彩度より大きい場合、制御装置13は、処理をステップS94に戻す。一方、ステップS98の判定結果が肯定の場合、制御装置13は、ステップS99において、Lab値TLabi-1を変換Lab値Gamut_Labとして特定する。図23の例では、制御装置13は、Lab値TLab3を変換Lab値Gamut_Labとして特定する。ステップS99の処理終了後、制御装置13は、ステップS100において、B2Aテーブル1222を用いて、変換Lab値Gamut_Labを変換cmyk値Gamut_cmykに変換する。ステップS100の処理は、下記式で換言可能である。
Gamut_cmyk=ficc(出力プロファイル122,B2A,Gamut_Lab)
ステップS100の処理終了後、制御装置13は、図22に示す一連の処理を終了し、図13に示すステップS20の処理を実行する。
説明を図13に戻す。ステップS16において、受け付けたガマット変換方法が色差最小優先変換方法である場合、制御装置13は、ステップS19において、色差最小優先変換処理を実行する。色差最小優先変換処理について、図24、図25、図26、および図27を用いて説明する。
図24は、色差最小優先変換処理を示すフローチャートである。制御装置13は、ステップS111において、明度保存優先変換処理を実行する。そして、制御装置13は、ステップS112において、明度保存優先変換処理によって得られた全てのLab値RLabを取得する。次に、制御装置13は、ステップS113において、彩度保存優先変換処理を実行する。そして、制御装置13は、ステップS114において、彩度保存優先変換処理によって得られた全てのLab値TLabを取得する。
次に、制御装置13は、ステップS115において、全てのLab値RLabと、全てのLab値TLabとのそれぞれに対して、スポットカラーLab値SP_Labとの色差ΔE00を算出する。そして、制御装置13は、ステップS116において、Lab値RLabと色差ΔE00との関係を示す近似直線F01、および、Lab値TLabと色差ΔE00との関係を示す近似直線F02を特定する。次に、制御装置13は、ステップS117において、近似直線F01および近似直線F02の交点を色差最小点Pmin(PI_C,ΔE00min)として特定する。色差最小点PminのLab値が、変換Lab値Gamut_Labとなる。彩度PI_Cは、色差最小点Pminの彩度である。
図25は、近似直線F01と近似直線F02とを示す図である。図25では、横軸が彩度Cであり、縦軸が色差ΔE00であるグラフ500を示す。グラフ500において、Lab値RLabのそれぞれと、Lab値TLabのそれぞれとに対応する色差ΔE00が、白抜きの丸によって示される。制御装置13は、Lab値RLabのそれぞれの彩度Cと、Lab値RLabのそれぞれとスポットカラーLab値SP_Labとの色差ΔE00とから、最小二乗法により近似直線F01を特定する。同様に、制御装置13は、Lab値TLabのそれぞれの彩度Cと、Lab値TLabのそれぞれとスポットカラーLab値SP_Labとの色差ΔE00とから、最小二乗法により近似直線F02を特定する。グラフ500において、色差最小点Pminに対応する色差ΔE00が、墨塗りの丸によって示される。
ステップS116において、近似直線F01を特定するには、Lab値RLabが2以上必要である。しかしながら、ステップS111において明度保存優先変換処理を実行し、Lab値RLab0が変換Lab値Gamut_Labとして特定された場合、Lab値RLabがLab値RLab0のみとなり、このままでは近似直線F01を特定することができない。そこで、1以上のiについて、Lab値RLabiを補う方法について、図26を用いて説明する。
図26は、Lab値RLabiを補う例を示す図である。Lab値RLab0の明度が、彩度保存優先変換処理において変換Lab値Gamut_Labとして特定されたLab値TLabi-1の明度よりも高い場合、制御装置13は、スポットカラーLab値SP_Labから明度のみを所定間隔で順に低くした代替Lab値PLab1、代替Lab値PLab2、…、および、代替Lab値PLabnを設定する。所定間隔は、例えば、2以上10以下である。nは1以上の整数であり、図26の例では、nは4である。
次に、制御装置13は、代替Lab値PLab1、代替Lab値PLab2、…、および、代替Lab値PLabnのそれぞれに対して出力プロファイル122によるround-trip演算を実行し、代替Lab値RLab1、代替Lab値RLab2、…、および、代替Lab値RLabnを得る。制御装置13は、Lab値RLab0、代替Lab値RLab1、代替Lab値RLab2、…、および、代替Lab値RLabnに基づいて、近似直線F01を特定する。
Lab値RLab0の明度が、彩度保存優先変換処理において変換Lab値Gamut_Labとして特定されたLab値TLabi-1の明度よりも低い場合、制御装置13は、スポットカラーLab値SP_Labから明度のみを所定間隔で順に高くした代替Lab値PLab1、代替Lab値PLab2、…、および、代替Lab値PLabnを設定すればよい。
説明を図24に戻す。ステップS117の処理終了後、制御装置13は、ステップS118において、色差最小点Pminの明度Pmin_Lを特定する。図27を用いて、明度Pmin_Lの特定方法について説明する。
図27は、明度Pmin_Lの特定方法を示す図である。図27では、横軸を彩度Cとし、縦軸を明度Lとする平面600において、明度Pmin_Lを特定する例を示す。図27では、Lab値RLabのそれぞれの彩度Cと、Lab値TLabのそれぞれの彩度Cとに対応する明度Lが、白抜きの丸によって示される。
明度Pmin_Lを特定する場合、制御装置13は、平面600において、最小二乗法により、白抜きの丸に近似する近似直線F03の式を特定する。制御装置13は、特定した近似直線F03に、色差最小点Pminの彩度Pmin_Cを代入することにより得られた値を、明度Pmin_Lとして特定する。図27の例では、色差最小点Pminに対応する明度Pmin_Lが、墨塗りの丸によって示される。
説明を図24に戻す。ステップS118の処理終了後、制御装置13は、ステップS119において、色差最小点Pminの色相角Pmin_θを特定する。図28を用いて、色相角Pmin_θの特定方法について説明する。
図28は、色相角Pmin_θの特定方法を示す図である。図28では、横軸を彩度Cとし、縦軸を色相角θとする平面700において、色相角Pmin_θを特定する例を示す。図28では、Lab値RLabのそれぞれの彩度Cと、Lab値TLabのそれぞれの彩度Cとに対応する色相角θが、白抜きの丸によって示される。
色相角Pmin_θを特定する場合、制御装置13は、平面700において、最小二乗法により、白抜きの丸に近似する近似直線F04の式を特定する。制御装置13は、特定した近似直線F04に、色差最小点Pminの彩度Pmin_Cを代入することにより得られた値を、色相角Pmin_θとして特定する。図28の例では、色差最小点Pminに対応する色相角Pmin_θが、墨塗りの丸によって示される。
説明を図24に戻す。ステップS119の処理終了後、制御装置13は、ステップS120において、彩度Pmin_Cおよび色相角Pmin_θに基づいて変換Lab値Gamut_Labのa値およびb値を算出することにより、変換Lab値Gamut_Labを特定する。
ステップS120の処理終了後、制御装置13は、ステップS121において、変換Lab値Gamut_Labを変換cmyk値Gamut_cmykに変換する。ステップS121の処理は、下記式で換言可能である。
Gamut_cmyk=ficc(出力プロファイル122,B2A,Gamut_Lab)
ステップS100の処理終了後、制御装置13は、図22に示す一連の処理を終了し、図13に示すステップS20の処理を実行する。なお、ステップS9およびステップS10、ステップS16からステップS19までの処理が、「第2変換処理」の一例である。
説明を図13に戻す。ステップS20の処理終了後、制御装置13は、全てのスポットカラーLab値に対してステップS12からステップS21までの繰り返し処理を実行した場合、図12および図13に示す一連の処理を終了する。
A.4.印刷処理実行時における色変換テーブル生成システム1の動作
図29は、印刷処理実行時の動作を示すフローチャートである。制御装置13は、ユーザーの操作等によって第1プリンター40に供給される印刷指令を受け付けた場合、ステップS131において、印刷指令に含まれる画像情報がスポットカラー名か否かを判定する。画像情報がスポットカラー名である場合、スポットカラーが指定されたことを意味する。ステップS131の判定結果が肯定の場合、制御装置13は、ステップS132において、カラーライブラリー124を用いて、スポットカラー名をLab値に変換する。そして、制御装置13は、ステップS133において、画像情報がLab値か否かを判定する。ステップS131の判定結果が否定の場合、すなわち、印刷指令に含まれる画像情報が、Lab値またはCMYK値である場合も、制御装置13は、ステップS133において、画像情報がLab値か否かを判定する。
ステップS133の判定結果が肯定の場合、ステップS134において、制御装置13は、記憶装置12が色変換テーブル126を有するか否かを判定する。ステップS134の判定結果が肯定の場合、制御装置13は、ステップS135において、第1色変換フローに従って画像情報が示す画像を印刷する。
図30は、第1色変換フローを示す図である。第1色変換フローにおいて、制御装置13は、画像情報であるLab値Labinを、色変換テーブル126を用いて登録cmyk値pcmykに変換する。次に、制御装置13は、変換した登録cmyk値pcmykを、色補正無しLUT128を用いてインク使用量INKに変換する。そして、制御装置13は、変換したインク使用量INKに基づいて、第1プリンター40にLab値Labinが示す画像を媒体pに印刷させる。
説明を図29に戻す。ステップS134の判定結果が否定の場合、制御装置13は、ステップS136において、第2色変換フローに従って画像情報が示す画像を印刷する。
図31は、第2色変換フローを示す図である。第2色変換フローにおいて、制御装置13は、画像情報であるLab値Labinを、B2Aテーブル1222を用いてcmyk値pcmykに変換する。次に、制御装置13は、変換したcmyk値pcmykを、色補正無しLUT128を用いてインク使用量INKに変換する。そして、制御装置13は、変換したインク使用量INKに基づいて、第1プリンター40にLab値Labinが示す画像を媒体pに印刷させる。
説明を図29に戻す。ステップS133の判定結果が否定の場合、言い換えれば、画像情報がCMYK値である場合、制御装置13は、ステップS137において、第3色変換フローに従って画像情報が示す画像を印刷する。
図32は、第3色変換フローを示す図である。第3色変換フローにおいて、制御装置13は、画像情報であるCMYK値CMYKinを、A2Bテーブル1211を用いてLab値に変換する。次に、制御装置13は、変換したLab値をB2Aテーブル1222を用いてcmyk値pcmykに変換する。次に、制御装置13は、変換したcmyk値pcmykを、色補正無しLUT128を用いてインク使用量INKに変換する。そして、制御装置13は、変換したインク使用量INKに基づいて、第1プリンター40にCMYK値CMYKinが示す画像を媒体pに印刷させる。
ステップS135、ステップS136、またはステップS137の処理終了後、制御装置13は、図29に示す一連の処理を終了する。
A.5.第1実施形態の効果
以上の説明のように、色変換テーブル生成システム1において、ホスト装置10に含まれる制御装置13は、第1受付部131と、判定部133と、座標値変換部135と、第1生成部137として機能する。第1受付部131は、第1受付工程として機能する。判定部133は、判定工程として機能する。座標値変換部135は、座標値変換工程として機能する。第1生成部137は、生成工程として機能する。
判定部133は、スポットカラーLab値SP_Labが、第1プリンター40のガマット内か否かを判定する。そして、ホスト装置10は、スポットカラーLab値SP_Labが、第1プリンター40のガマット内か否かに応じて、第1変換処理または第2変換処理を実行するため、第1プリンター40の特性を考慮した印刷を実行することが可能になる。
また、座標値変換部135は、第1変換部1351と、取得部1352と、第2変換部1353と、第1決定部1354と、第1探索部1355とを含む。第1変換部1351は、第1変換工程として機能する。取得部1352は、取得工程として機能する。第2変換部1353は、第2変換工程として機能する。第1決定部1354は、決定工程として機能する。第1探索部1355は、探索工程として機能する。
スポットカラーLab値SP_Labが第1プリンター40のガマット内にあると判定した場合、ホスト装置10は、第1探索部1355によって探索された、第1プリンター40の特性を考慮した最適なcmyk値によって印刷することが可能になる。また、スポットカラーLab値SP_Labに応じて第1プリンター40が出力した画像を測色することを1回のみ行えばよく、複数回測色して色変換テーブル126を生成する場合と比較して、ユーザーの作業負荷を低減することが可能になる。
また、座標値変換部135は、第2受付部1357と、領域内変換部1358と、色空間変換部1359とを含む。第2受付部1357は、第2受付工程として機能する。領域内変換部1358は、領域内変換工程として機能する。色空間変換部1359は、色空間変換工程として機能する。
スポットカラーLab値SP_Labが、第1プリンター40のガマット外にあると判定した場合、ホスト装置10は、複数のガマット変換方法から、ユーザーによって指定されたガマット変換方法によって、第1プリンター40の特性を考慮した最適なcmyk値によって印刷することが可能になる。従って、ホスト装置10は、ユーザーの好みを反映した最適なcmyk値によって印刷することが可能になる。ユーザーは、第1プリンター40の特性を考慮して、複数のガマット変換方法の中から一のガマット変換方法を指定する。従って、ホスト装置10は、ユーザーの指示によって、第1プリンター40の特性を考慮した印刷を実行することが可能になる。また、スポットカラーLab値SP_Labが、第1プリンター40のガマット外にある場合には、スポットカラーLab値SP_Labに応じて第1プリンター40が出力した画像を測色しなくてもよく、ユーザーの作業負荷を低減することが可能になる。
また、複数のガマット変換方法は、明度保存優先変換方法、彩度保存優先変換方法、色差最小優先変換方法のうち2つ以上の方法である。3つのガマット変換方法には、それぞれ異なる特徴がある。例えば、明度保存優先変換方法では、図21に示すように、明度が優先して保存されるものの、彩度が低下する傾向にある。彩度保存優先変換方法では、図23に示すように、彩度が優先して保存されるものの、明度が大きく変化する傾向にある。また、色差最小優先変換方法では、通常、明度保存優先変換方法で得られるLab値と、彩度保存優先変換方法で得られるLab値との間のLab値に変換される。従って、色差最小優先変換方法では、明度保存優先変換方法程ではないにしても明度がある程度保存され、さらに、彩度保存優先変換方法程ではないにしても彩度がある程度保存される傾向にある。
以上により、ホスト装置10は、明度を優先して保存したいか、彩度を優先して保存したいか、または、明度と彩度とをある程度保存したいかという、ユーザーの好みを反映することが可能になる。ユーザーは、第1プリンター40の特性を考慮して、複数のガマット変換方法の中から一の変換方法を指定する。例えば、ユーザーは、第1プリンター40の特性から、明度を優先して保存することにより、彩度を優先して保存する場合と比較して、より好ましい画像が得られると判断した場合には、明度保存優先変換方法を指定する。従って、ホスト装置10は、ユーザーの指示によって、第1プリンター40の特性を考慮した印刷を実行することが可能になる。
また、領域内変換部1358は、第1プリンター40のガマット外におけるスポットカラーLab値SP_Labの位置に関わらず、第2受付部1357が受け付けた一のガマット変換方法に従って、スポットカラーLab値SP_Labを変換Lab値Gamut_Labに変換する。これにより、ホスト装置10は、ガマット外の全ての領域に対して、一律のガマット変換方法を適用することが可能になる。
また、判定部133の第1態様は、ガマット判定テーブル123を用いて、スポットカラーLab値SP_Labが第1プリンター40のガマット内か否かを判定する。このように、ホスト装置10は、ガマット判定テーブル123を用いることにより、スポットカラーLab値SP_Labが第1プリンター40のガマット内か否かを容易に判定することが可能になる。
また、判定部133の第2態様は、スポットカラーLab値SP_Labおよび機器非依存色座標値InitLabの色差ΔE*76が所定の閾値以下か否かを判定することにより、スポットカラーLab値SP_Labが、第1プリンター40のガマット内か否かを判定する。これにより、ホスト装置10は、ガマット判定テーブル123を有さなくても、スポットカラーLab値SP_Labが第1プリンター40のガマット内か否かを判定することが可能になる。
印刷処理実行時において、第1実施形態では、第1プリンター40に供給される印刷指令に含まれる画像情報がスポットカラーに対応するLab値である場合、第3変換部142が、色変換テーブル126を用いて、Lab値をcmyk値に変換し、出力制御部146が、第3変換部142によって変換されたcmyk値に応じて、第1プリンター40に画像を出力させる。第3変換部142が、第3変換工程として機能する。出力制御部146が、出力制御工程として機能する。これにより、第1実施形態では、スポットカラーに応じた補正値を示す補正情報を用いて、B2Aテーブル1222から得られたcmyk値を補正する補正処理が発生しないため、この補正処理が発生する場合と比較して、印刷処理にかかる時間を短縮することができる。
B.第2実施形態
第1実施形態における色変換テーブル生成システム1は、第1プリンター40のガマット外におけるスポットカラーLab値SP_Labの位置に関わらず、受け付けた一のガマット変換方法に従って、スポットカラーLab値SP_Labを変換Lab値Gamut_Labに変換する。一方、第2実施形態における色変換テーブル生成システム1aは、第1プリンター40のガマット外の領域を分割し、分割した分割領域ごとにガマット変換方法を受け付ける。
以下、第2実施形態にかかる色変換テーブル生成システム1aを説明する。なお、以下に例示する第2実施形態において作用や機能が第1実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照の符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
B.1.色変換テーブル生成システム1aの概要
図33は、色変換テーブル生成システム1aの構成図である。色変換テーブル生成システム1aは、ホスト装置10aと、表示装置20と、測色装置30と、第1プリンター40とを含む。ホスト装置10aは、記憶装置12と、制御装置13aと、入力装置16と、第1通信IF17と、第2通信IF18とを含む。
制御装置13aは、色変換テーブル生成部130aおよび印刷処理部140として機能する。色変換テーブル生成部130aは、第1受付部131と、判定部133と、座標値変換部135aと、第1生成部137とを有する。座標値変換部135aは、第1変換部1351と、取得部1352と、第2変換部1353と、第1決定部1354と、第1探索部1355と、第2受付部1357aと、領域内変換部1358aと、色空間変換部1359とを有する。
第2受付部1357aは、複数のガマット変換方法から、第1変換方法と、第2変換方法とを受け付ける。第1変換方法は、第1プリンター40のガマット外の領域を分割した複数の分割領域のうち第1分割領域のLab値を第1プリンター40のガマット内のLab値に変換する方法として指定されたガマット変換方法である。第2変換方法は、複数の分割領域のうち第1分割領域とは異なる第2分割領域内のLab値を第1プリンター40のガマット内のLab値に変換する方法として指定されたガマット変換方法である。
複数の分割領域は、均等の大きさでもよいし、異なる大きさでもよい。さらに、複数の分割領域は、3以上の分割領域でもよい。さらに、分割の態様も任意であり、例えば、ある明度の値で分割してもよいし、彩度の値で分割してもよいし、色相角の値で分割してもよい。
第1変換方法と第2変換方法とは、互いに異なるガマット変換方法でもよいし、同一のガマット変換方法でもよい。
図34は、第1プリンター40のガマット外の領域の分割例を示す図である。図34では、Lab色空間CSIにおいて、第1プリンター40のガマット外の領域を、第1プリンター40のガマットの彩度最大点Pcmaxを含む面で分割領域Rg1および分割領域Rg2に分割した例である。分割領域Rg1が、「第1分割領域」の一例である。分割領域Rg2が、「第2分割領域」の一例である。
領域内変換部1358aは、スポットカラーLab値SP_Labが分割領域Rg1内にある場合、第1変換方法に従って、スポットカラーLab値SP_Labを変換Lab値Gamut_Labに変換する。一方、スポットカラーLab値SP_Labが分割領域Rg2内にある場合、領域内変換部1358aは、第2変換方法に従って、スポットカラーLab値SP_Labを変換Lab値Gamut_Labに変換する。
B.2.第2実施形態の効果
以上の説明のように、色変換テーブル生成システム1aにおいて、第2受付部1357aは、複数のガマット変換方法から、第1変換方法と、第2変換方法とを受け付け、領域内変換部1358aは、スポットカラーLab値SP_Labが第1プリンター40のガマット外であり、かつ、スポットカラーLab値SP_Labが第1分割領域内にある場合、第1変換方法に従って、スポットカラーLab値SP_Labを変換Lab値Gamut_Labに変換する。一方、スポットカラーLab値SP_Labが第1プリンター40のガマット外であり、かつ、スポットカラーLab値SP_Labが第2分割領域内にある場合、領域内変換部1358aは、第2変換方法に従って、スポットカラーLab値SP_Labを変換Lab値Gamut_Labに変換する。
以上により、ホスト装置10は、第1分割領域に対するガマット変換方法と、第2分割領域に対するガマット変換方法とを異ならせることが可能になる。例えば、プリンターによっては、ある色相に関しては、ガマットが広い、すなわち、より大きい彩度を有する色を再現可能である一方で、他の色相に関してはガマットが狭いという特性を有する場合がある。説明の簡略化のため、第1分割領域が、色相角1から時計周りに色相角2までの領域であり、第2分割領域が、色相角2から時計回りに色相角1までの領域であるという前提とする。そして、第1プリンター40のガマットが、色相角1から時計回りに色相角2までにおいて広い領域を有し、色相角2から時計回りに色相角1までにおいて狭い領域を有するとする。第1分割領域では第1プリンター40のガマットが広いので、明度保存優先変換方法であっても、彩度をさほど低下させずに変換することが可能である。従って、ユーザーが第1変換方法として明度保存優先変換方法を指定することにより、ホスト装置10は、明度を保存しつつ、彩度もある程度保存することが可能になる。一方、第2分割領域では、第1プリンター40のガマットが狭いので、明度保存優先変換方法が指定された場合には、彩度が低下してくすんだ色となる。そこで、ユーザーが第2変換方法として彩度保存優先変換方法を指定することにより、ホスト装置10は、彩度を保存することが可能になる。
このように、ユーザーが第1プリンター40のガマットの特徴に応じたガマット変換方法を指定することにより、ホスト装置10は、第1プリンター40の特性に応じた適切な印刷を実行することが可能になる。
C.第3実施形態
第1実施形態における色変換テーブル生成システム1は、第1プリンター40を含む。一方、第3実施形態における色変換テーブル生成システム1bは、2つのプリンターとして、第1プリンター40と第2プリンター50とを有する。第3実施形態では、第1プリンター40を用いて生成した色変換テーブル126を、第2プリンター50が印刷する場合にも用いる方法について説明する。
以下、第3実施形態にかかる色変換テーブル生成システム1bを説明する。なお、以下に例示する第3実施形態において作用や機能が第1実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照の符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
C.1.色変換テーブル生成システム1bの概要
図35は、色変換テーブル生成システム1bの構成図である。色変換テーブル生成システム1bは、ホスト装置10bと、表示装置20と、測色装置30と、第1プリンター40と、第2プリンター50とを含む。第2プリンター50が、「第2出力装置」の一例である。ホスト装置10bは、表示装置20と、測色装置30と、第1プリンター40と、第2プリンター50とにアクセス可能である。
第2プリンター50は、第1プリンター40と同一の機能を有するインクジェットプリンターである。しかしながら、プリンターには、個体ごとの出力特性があり、出力特性にバラつきがある。このバラつきのため、第1プリンター40および第2プリンター50が同一のcmyk値で示される画像を印刷した場合、印刷して得られる画像の色は、互いに異なることがある。
ホスト装置10は、記憶装置12bと、制御装置13bと、入力装置16と、第1通信IF17と、第2通信IF18と、第3通信IF19とを含む。第3通信IF19は、第2プリンター50の第2プリンター通信IF52と通信する機器である。第3通信IF19および第2プリンター通信IF52の規格には、USB、または、近距離無線通信規格等を用いることができる。第3通信IF19および第2プリンター通信IF52の通信は、有線でもよいし、無線でもよいし、LANまたはインターネット等といったネットワーク通信でもよい。
記憶装置12bは、複数のプログラム、制御装置13bが使用する各種のデータ、入力プロファイル121、出力プロファイル122、カラーライブラリー124、色変換テーブル126、キャリブレーション用DLP127、および、色補正無しLUT128を記憶する。DLPは、Device Link Profileの略である。キャリブレーション用DLP127は、「キャリブレーション用色変換情報」の一例である。
図36は、キャリブレーション用DLP127を示す図である。キャリブレーション用DLP127は、cmyk値cmyk0と、このcmyk値cmyk0に応じて第2プリンター50が印刷する画像の色を第1プリンター40が印刷する画像の色に近づける補正値との対応関係を示す。補正値には、例えば、以下に示す2つの態様がある。
第1の態様における補正値は、前述した第1プリンター40が印刷する画像の色に近づけた色を示す画像を第2プリンター50が印刷することができるcmyk値cmyk1である。第2の態様における補正値は、cmyk値cmyk1とcmyk値cmyk0との差分である。以下の記載では、補正値は、第1の態様であるとし、cmyk値cmyk0を、「入力cmyk値cmyk0」と称し、cmyk値cmyk1を、「補正cmyk値cmyk1」と称する。
図36に示すキャリブレーション用DLP127は、cmyk色空間CSDにおけるN6個の格子点における補正cmyk値cmyk1を示す。N6は、1以上の整数である。
C.2.第3実施形態の構成
説明を図35に戻す。制御装置13bは、記憶装置12bから、プログラムを読み取り実行することによって、色変換テーブル生成部130、印刷処理部140b、およびキャリブレーション用DLP生成部150として機能する。印刷処理部140bは、第3変換部142と、第4変換部144と、出力制御部146bとを含む。キャリブレーション用DLP生成部150は、第5変換部151と、特定部152と、第2決定部153と、第2探索部154と、第2生成部155とを含む。図37を用いて、キャリブレーション用DLP生成部150および印刷処理部140bを説明する。
図37は、キャリブレーション用DLP127の生成の概要を示す図である。制御装置13bは、色変換テーブル126に登録された調整対象cmyk値cmykS2に応じて、第1プリンター40にカラーパッチPAが配置された画像であるカラーチャートCHを印刷させる。カラーパッチPAの数は、調整対象cmyk値cmykS2の数に一致する。同様に、制御装置13bは、調整対象cmyk値cmykS2に応じて、第2プリンター50にカラーパッチPAが配置された画像であるカラーチャートCHを印刷させる。このように、制御装置13aは、同一の調整対象cmyk値cmykS2を、第1プリンター40および第2プリンター50に印刷させる。しかしながら、前述のように、第1プリンター40および第2プリンター50では出力特性に差があるため、カラーチャートCHとカラーチャートCHとは互いに異なる画像となる。
第5変換部151は、第2プリンター特性A2Bテーブル1276を用いて、調整対象cmyk値cmykS2を、Lab色空間CSIの調整対象Lab値LabS2に変換する。
図38は、第2プリンター特性A2Bテーブル1276の一例を示す図である。第2プリンター特性A2Bテーブル1276は、cmyk色空間CSDにおけるECIチャートのカラーパッチに対応するcmyk値ccmykと、第2プリンター50が出力したECIチャートを測色して得られるLab色空間CSIにおける測色結果を表す測色値cLabECI_Pとの対応関係を示す。ECIは、European Color Initiativeの略である。第2プリンター特性A2Bテーブル1276には、cmyk色空間CSDにおけるN7個の格子点におけるLab値を示す。N7は、1以上の整数である。N7は、ECIチャートのカラーパッチの数となる。第2プリンター特性A2Bテーブル1276の格子点は、通常、cmyk色空間CSDにc軸方向、m軸方向、y軸方向、および、k軸方向へ略等間隔となるように並べられる。
説明を図37に戻す。特定部152は、測色結果差分テーブル1274を用いて、調整対象Lab値LabS2に対応する測色値差分ΔLabT-P_S2を特定する。
図39は、測色結果差分テーブル1274の一例を示す図である。測色結果差分テーブル1274は、測色値cLabPと、測色値差分ΔcLabT-Pとの対応関係を示す。測色値cLabPは、第2プリンター50が印刷したカラーチャートCHを測色した測色結果を示す。測色値差分ΔcLabT-Pは、測色値cLabTから測色値cLabPを減算して得られる値である。測色値cLabTは、第1プリンター40が印刷したカラーチャートCHを測色した測色結果を示す。測色値差分ΔcLabT-Pは、ΔL、Δa、およびΔbを有する。測色結果差分テーブル1274には、カラーパッチPAの数としてN8個のレコードが登録される。例えば、j番目のレコードには、j番目のカラーパッチPAに対応する測色値cLabPとして、Lj,aj,bjが登録されており、j番目のカラーパッチPAに対応する測色値差分ΔcLabT-Pとして、(ΔLT-Pj,(ΔaT-Pjおよび(ΔbT-Pjが登録されている。jは、1以上N8以下の整数である。
調整対象Lab値LabS2と同一のLab値が測色結果差分テーブル1274に登録されているため、特定部152は、登録されているLab値に対応する測色値差分ΔcLabT-Pを、測色値差分ΔcLabT-P_S2として特定する。
説明を図37に戻す。第2決定部153は、調整対象Lab値LabS2と測色値差分ΔLabT-P_S2とに基づいて、Lab色空間CSIの目標Lab値TargetLabを決定する。例えば、第2決定部153は、調整対象Lab値LabS2に測色値差分ΔLabT-P_S2を加算して得られる値を、Lab色空間CSIの目標Lab値TargetLabとして決定する。
なお、測色値差分は、測色値cLabPから測色値cLabTを減算して得られる値でもよい。この場合、第2決定部153は、調整対象Lab値LabS2から、調整対象Lab値LabS2に対応する測色値差分を減算して得られる値を、Lab色空間CSIの目標Lab値TargetLabとして決定する。
第2探索部154は、cmyk色空間CSDの暫定cmyk値pcmykpを第2プリンター特性A2Bテーブル1276を用いて変換したLab色空間CSIの暫定Lab値pLabpと目標Lab値TargetLabとの色差ΔE00が、調整対象Lab値LabS2と目標Lab値TargetLabとの色差ΔE00より小さいという条件を満たす暫定cmyk値pcmykpを最適cmyk値cmykstとして探索する。
具体的な最適cmyk値cmykstの探索方法は、第1実施形態における最適cmyk値cmykstの探索方法と同一の方法とすることができる。
図37では、第2探索部154が、第1暫定cmyk値pcmykp1から第27暫定cmyk値pcmykp27それぞれを初期値として最適化問題を解くことを示している。第1暫定cmyk値pcmykp1は、調整対象cmyk値cmykS2に初期値Δcmyk1を加算した値として表現できる。同様に、第27暫定cmyk値pcmykp27は、調整対象cmyk値cmykS2に初期値Δcmyk27を加算した値として表現できる。
図37に示す第1暫定Lab値pLabp1、第27暫定Lab値pLabp27は、それぞれ、第1暫定cmyk値pcmykp1、第27暫定cmyk値pcmykp27を、第2プリンター特性A2Bテーブル1276を用いて変換して得られた値である。
そして、図37に示すように、第2探索部154は、第1暫定cmyk値pcmykp1、…、第27暫定cmyk値pcmykp27を初期値として、最適化問題を解き、最適解候補Δcmykpb1、…、最適解候補Δcmykpb27を得る。次に、第2探索部154は、最適解候補Δcmykpb1、…、最適解候補Δcmykpb27から、目的関数f(Δcmykpbn)を最小とする最適解Δpcmykbを特定し、調整対象Lab値LabS2に最適解Δpcmykbを加算して得られた値を、最適cmyk値cmykstとして特定する。nは、1から27までの値である。
第2生成部155は、調整対象cmyk値cmykS2と最適cmyk値cmykstとに基づいて、キャリブレーション用DLP127を生成する。例えば、第2生成部155は、調整対象cmyk値cmykS2を最適cmyk値cmykstに対応付けて、キャリブレーション用DLP127に格納する。さらに、調整対象cmyk値cmykS2のみの調整であると、調整対象cmyk値cmykS2の周囲に階調崩れが発生するため、第2生成部155は、調整対象cmyk値cmykS2の周辺の入力cmyk値cmyk0に対する補正cmyk値cmyk1を調整する。
説明を図35に戻す。第2プリンター50に出力される印刷対象画像を示す画像情報がLab値またはスポットカラー名である場合、第4変換部144は、キャリブレーション用DLP127を用いて、第3変換部142によって変換されたcmyk値を補正cmyk値cmyk1に変換する。出力制御部146は、第4変換部144によって変換された補正cmyk値cmyk1に応じて、第2プリンター50に画像を印刷させる。
なお、第3実施形態において、第1プリンター40に画像を出力させる場合、制御装置13bは、第1実施形態で示したように、キャリブレーション用DLP127を用いずに、第3変換部142によって変換されたcmyk値に応じて、第1プリンター40に画像を出力させる。
C.3.キャリブレーション用DLP生成処理実行時における色変換テーブル生成システム1の動作
図40および図41は、キャリブレーション用DLP生成処理を示すフローチャートである。制御装置13bは、ステップS141において、入力cmyk値cmyk0と補正cmyk値cmyk1とが同一のキャリブレーション用DLP127を生成する。次に、制御装置13bは、ステップS142において、第1プリンター40に、色変換テーブル126に登録された調整対象cmyk値cmykS2に応じて各カラーパッチPAを含むカラーチャートCHを印刷させる。また、ステップS143において、測色装置30は、第1プリンター40が印刷したカラーチャートCHを測色し、制御装置13bは、各カラーパッチPAの測色値cLabTを測色装置30から取得する。
また、制御装置13bは、ステップS144において、第2プリンター50に、色変換テーブル126に登録された調整対象cmyk値cmykS2に応じて各カラーパッチPAを含むカラーチャートCHを印刷させる。そして、ステップS145において、測色装置30は、カラーチャートCHを測色し、制御装置13bは、各カラーパッチPAの測色値cLabPを取得する。
次に、制御装置13bは、ステップS146において、ECIチャートのカラーパッチに対応するcmyk値ccmykと、cmyk値ccmykに応じて第2プリンター50が印刷した各カラーパッチの測色値cLabECI_Pとに基づいて、第2プリンター特性A2Bテーブル1276を生成する。具体的な生成方法として、制御装置13bは、cmyk値ccmykを、第2プリンター特性A2Bテーブル1276のcmyk値に代入する。さらに、制御装置13bは、cmyk値ccmykによって第2プリンター50が印刷したECIチャートの測色結果を示す測色値cLabECI_Pを、代入したcmyk値ccmykと対応付ける。具体的には、制御装置13bは、前述の測色値cLab ECI_Pを、第2プリンター特性A2Bテーブル1276における、代入したcmyk値ccmykと同一のレコードのLab値に代入する。
そして、制御装置13bは、ステップS147において、調整対象cmyk値cmykS2と測色値cLabTと測色値cLabPとに基づいて、測色結果差分テーブル1274を生成する。具体的な生成方法として、制御装置13bは、ある調整対象cmyk値cmykS2によって第1プリンター40が印刷したカラーチャートCHの測色結果を示す測色値cLabPを、測色結果差分テーブル1274のLab値に代入する。さらに、制御装置13bは、ある調整対象cmyk値cmykS2によって第1プリンター40が印刷したカラーチャートCHの測色結果を示す測色値cLabTから、代入した測色値cLabPを減算することにより、測色値差分ΔcLabT-Pを算出する。そして、制御装置13bは、前述の測色値差分ΔcLabT-Pを、代入したLab値と対応付ける。具体的には、制御装置13bは、前述の測色値差分ΔcLabT-Pを、測色結果差分テーブル1274における、代入したLab値と同一のレコードのΔcLab値に代入する。
次に、制御装置13bは、ステップS148において、色変換テーブル126に登録された調整対象cmyk値cmykS2を第2プリンター特性A2Bテーブル1276を用いて、調整対象Lab値LabS2に変換する。ステップS148の処理は、下記式で換言可能である。
LabS2=ficc(第2プリンター特性A2Bテーブル1276,A2B,cmykS2
キャリブレーション用DLP127の生成は、色変換テーブル126に複数のスポットカラーが登録されていても可能である。ただし、説明の簡略化のため、以下の説明では、特に記載のない限り、色変換テーブル126に一つのスポットカラーが登録されている場合を例として説明する。
そして、制御装置13bは、ステップS149において、測色結果差分テーブル1274を参照して、調整対象Lab値LabS2に対応する測色値差分ΔcLabT-P_S2を特定する。
次に、制御装置13bは、ステップS150において、調整対象Lab値LabS2に、測色値差分ΔcLabT-P_S2を加算することにより、目標Lab値TargetLabを算出する。ステップS150の処理は、下記式で換言可能である。
TargetLab=LabS2+ΔcLabT-P_S2
そして、制御装置13bは、ステップS151において、第3実施形態における探索処理を実行する。第3実施形態における探索処理について、図42を用いて説明する。
図42は、第3実施形態における探索処理を示すフローチャートである。第3実施形態における探索処理は、第1実施形態における探索処理とほぼ同一の処理である。以下では、第1実施形態における探索処理との差異部分のみ説明する。
制御装置13bは、ステップS174において、最適化問題求解処理を実行する。最適化問題求解処理について、図43を用いて説明する。
図43は、第3実施形態における最適化問題求解処理を示すフローチャートである。第3実施形態における最適化問題求解処理は、第1実施形態における最適化問題求解処理とほぼ同一の処理である。以下では、第1実施形態における最適化問題求解処理との差異部分のみ説明する。
制御装置13bは、ステップS181において、調整対象cmyk値cmykS2に調整値Δcmykを加算することにより、暫定cmyk値pcmykpを算出する。ステップS181の処理は、下記式で換言可能である。
pcmykp=cmykS2+Δcmyk
ステップS182において、制御装置13bは、第2プリンター特性A2Bテーブル1276を用いて、暫定cmyk値pcmykpを暫定Lab値pLabpに変換する。ステップS182の処理は、下記式で換言可能である。
pLabp=ficc(第2プリンター特性A2Bテーブル1276,A2B,pcmykp
ステップS187の判定結果が肯定の場合、制御装置13bは、図43に示す一連の処理を終了し、ステップS175の処理を実行する。
説明を図42に戻す。ステップS178において、制御装置13bは、調整対象cmyk値cmykS2に最適解Δcmykbを加算することにより、最適cmyk値cmykstを算出する。ステップS178の処理は、下記式で換言可能である。
cmykst=cmykS2+Δcmyk
ステップS178の処理終了後、制御装置13bは、図42に示す一連の処理を終了し、図41に示すステップS161の処理を実行する。
説明を図41に戻す。ステップS161において、制御装置13bは、最適cmyk値cmykstに基づいて、キャリブレーション用DLP127の補正cmyk値cmyk1を調整する。具体的な調整方法として、以下に示す2つの態様がある。
第1の態様では、制御装置13bは、キャリブレーション用DLP127の入力cmyk値cmyk0のうち、最適cmyk値cmykstが含まれる多次元超立方体の各頂点である16個の近傍格子点である入力cmyk値cmyk0に対応する補正cmyk値cmyk1を調整対象とする。例えば、制御装置13bは、調整対象とする16個の補正cmyk値cmyk1のうちのi番目の補正cmyk値cmyk1の各成分を、c1i、m1i、y1i、および、k1iと表し、最適cmyk値cmykstの各成分を、cTarget、mTarget、yTarget、およびkTargetと表すとする。iは、1から16までの整数である。制御装置13bは、以下のようにキャリブレーション用DLP127の補正cmyk値cmyk1を調整する。
c1i=cTarget
m1i=mTarget
y1i=yTarget
k1i=kTarget
第2の態様では、制御装置13bは、第1の態様による調整を行った後、キャリブレーション用DLP127の各補正cmyk値cmyk1の間で滑らかとなるようにスムージング処理を行い、このスムージング処理によりスムージングされた最適解に基づいてキャリブレーション用DLP127の補正cmyk値cmyk1を再度調整する。スムージング処理は、例えば、4次元の3次スプライン関数による補間演算処理である。
ステップS162において、制御装置13bは、墨保持処理を実行する。墨保持処理は、インクドットの粒状感の抑制等のため、ブラックの使用量を保持する処理である。具体的には、墨保持処理は、キャリブレーション用DLP127の入力cmyk値cmyk0のk0が、0より大きい場合に補正cmyk値cmyk1のk1を0より大きく調整し、0である場合に補正cmyk値のk1を0に調整する。
次に、ステップS163において、制御装置13bは、純色保持処理を実行する。純色保持処理は、キャリブレーション用DLP127の入力cmyk値cmyk0が、シアン、マゼンタ、またはイエローである場合に、補正cmyk値cmyk1も入力cmyk値cmyk0と同一の純色とする処理である。純色は、インクの混ざりの無い色を示す。具体的な例として、入力cmyk値cmyk0iが、シアンを示す場合、入力cmyk値cmyk0iのc0iが0より大きく、m0i、y0i、およびk0iが0である。純色保持処理は、補正cmyk値cmyk1iのc1iを0より大きく、m1i、y1i、およびk0iを0に調整する。
ステップS163の処理終了後、制御装置13bは、図40および図41に示す一連の処理を終了する。
C.4.印刷処理実行時における色変換テーブル生成システム1の動作
第3実施形態における印刷処理実行時の動作は、第1実施形態における印刷処理実行時の動作と比較すると、第1色変換フロー、第2色変換フロー、および、第3色変換フローにおいて、第2プリンター50が印刷する場合にキャリブレーション用DLP127を用いる点のみに差異がある。従って、第3実施形態における印刷処理実行時の動作を示すフローチャートの説明および図示を省略し、第2プリンター50が印刷する場合における、第3実施形態における第1色変換フロー、第2色変換フロー、および、第3色変換フローについて以下に説明する。
図44は、第3実施形態における第1色変換フローを示す図である。第1色変換フローにおいて、制御装置13bは、画像情報であるLab値Labinを、色変換テーブル126を用いて登録cmyk値pcmykに変換する。次に、制御装置13bは、変換した登録cmyk値pcmykを、キャリブレーション用DLP127を用いて、第2プリンター50の出力特性に応じた補正cmyk値pcmyk’に変換する。そして、制御装置13bは、補正cmyk値pcmyk’を、色補正無しLUT128を用いてインク使用量INKに変換する。次に、制御装置13bは、変換したインク使用量INKに基づいて、第2プリンター50にLab値Labinが示す画像を媒体pに印刷させる。
図45は、第3実施形態における第2色変換フローを示す図である。第2色変換フローにおいて、制御装置13bは、画像情報であるLab値Labinを、B2Aテーブル1222を用いてcmyk値pcmykに変換する。次に、制御装置13bは、変換したcmyk値pcmykを、キャリブレーション用DLP127を用いて、第2プリンター50の出力特性に応じた補正cmyk値pcmyk’に変換する。そして、制御装置13bは、補正cmyk値pcmyk’を、色補正無しLUT128を用いてインク使用量INKに変換する。そして、制御装置13bは、変換したインク使用量INKに基づいて、第2プリンター50にLab値Labinが示す画像を媒体pに印刷させる。
図46は、第3実施形態における第3色変換フローを示す図である。第3色変換フローにおいて、制御装置13bは、画像情報であるCMYK値CMYKinを、A2Bテーブル1211を用いてLab値に変換する。次に、制御装置13bは、変換したLab値をB2Aテーブル1222を用いてcmyk値pcmykに変換する。次に、制御装置13bは、変換したcmyk値pcmykを、キャリブレーション用DLP127を用いて、第2プリンター50の出力特性に応じた補正cmyk値pcmyk’に変換する。そして、制御装置13bは、補正cmyk値pcmyk’を、色補正無しLUT128を用いてインク使用量INKに変換する。そして、制御装置13bは、変換したインク使用量INKに基づいて、第2プリンター50にCMYK値CMYKinが示す画像を媒体pに印刷させる。
C.5.第3実施形態の効果
以上の説明のように、第2プリンター50に供給される印刷指令に含まれる画像情報がLab値である場合、第4変換部144が、キャリブレーション用DLP127を用いて、第3変換部142によって変換されたcmyk値を補正cmyk値cmyk1に変換し、出力制御部146は、第4変換部144によって変換された補正cmyk値cmyk1に応じて、第2プリンター50に画像を印刷させる。第4変換部144が、第4変換工程として機能する。色変換テーブル126が、第1プリンター40および第2プリンター50共通で利用されているとも言える。このように、複数のプリンターを有する色変換情報生成システムであっても、色変換テーブル126をプリンターごとに生成する必要がない。さらに、キャリブレーション用DLP127を用いて第2プリンター50に画像を印刷させるため、第2プリンター50の出力特性に応じた画像が印刷される。従って、第2プリンター50用の色変換テーブル126がなくとも、第2プリンター50がスポットカラーの画像を印刷する場合、スポットカラーの色再現精度を高めることができる。
また、図36に示すように、キャリブレーション用DLP127は、多次元のLUTであるため、1次元のLUTを用いる場合と比較して、第3変換部142によって変換されたcmyk値が、c、m、y、kの全ての混色を示す色である場合に、色再現精度をより高くすることが可能になる。
また、制御装置13bは、第5変換部151と、特定部152と、第2決定部153と、第2探索部154と、第2生成部155として機能する。第5変換部151は、第5変換工程として機能する。特定部152は、特定工程として機能する。第2決定部153は、第2決定工程として機能する。第2探索部154は、第2探索工程として機能する。第2生成部155は、第2生成工程として機能する。第2生成部155は、入力cmyk値cmyk0と、入力cmyk値cmyk0に応じて第2プリンター50が印刷する画像の色を第1プリンター40が印刷する画像の色に近づける補正cmyk値cmyk1との対応関係を示すキャリブレーション用DLP127を生成する。印刷処理実行時に、生成したキャリブレーション用DLP127を用いることにより、第2プリンター50がスポットカラーの画像を印刷する場合、スポットカラーの色再現精度を高めることができる。
D.変形例
以上の各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲内で適宜に併合され得る。なお、以下に例示する変形例において作用や機能が実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
D.1.第1変形例
第1実施形態、第2実施形態、および第3実施形態では、説明の簡略化のため、入力プロファイル121および出力プロファイル122は、機器従属色空間に関してはCMYK色空間に関する色変換テーブルのみ有するものとしたが、これに限られない。例えば、入力プロファイル121は、A2Bテーブル1211の替わりに、または、追加して、RGB値からLab値に変換するために用いられるA2Bテーブルを有してもよい。同様に、出力プロファイル122は、B2Aテーブル1222の替わりに、Lab値からRGB値に変換するために用いられるB2Aテーブルを有してもよい。さらに、出力プロファイル122は、A2Bテーブル1221の替わりに、または、追加して、RGB値からLab値に変換するために用いられるA2Bテーブルを有してもよい。RGB値は、0以上255以下の値を取り得る。
入力プロファイル121が、A2Bテーブル1211、かつ、RGB値からLab値に変換するために用いられるA2Bテーブルを有する前提において、ステップS133の判定結果が否定の場合、制御装置13は、画像情報がCMYK値かRGB値かを判定する。画像情報がCMYK値である場合、制御装置13は、画像情報であるCMYK値を、A2Bテーブル1211を用いてLab値に変換する。一方、画像情報がRGB値である場合、制御装置13は、画像情報であるRGB値を、RGB値からLab値に変換するために用いられるA2Bテーブルを用いてLab値に変換する。
また、出力プロファイル122が、RGB値に関するA2BテーブルかつB2Aテーブルを有する場合、ステップS55およびステップS185のコストCoは、RGB値の各成分が取り得る範囲0以上255以下という条件を、暫定RGB値が満たすように調整する定数となる。制御装置13は、コストCoを、以下の式に従って算出する。以下の式において、暫定RGB値の各成分を、(Rpp,Gpp,Bpp)とする。
Rpp<0である場合、 Co=-Rpp×Cco
Rpp>255である場合、Co=(Rpp-255)×Cco
Gpp<0である場合、 Co=-Gpp×Cco
Gpp>255である場合、Co=(Gpp-255)×Cco
Bpp<0である場合、 Co=-Bpp×Cco
Bpp>255である場合、Co=(Bpp-255)×Cco
上記以外の場合、Co=0
係数Ccoは、正の数であり、RGB値の各成分が取り得る範囲0以上100以下と比べて十分に大きい数である10以上10以下程度が好ましい。なお、出力プロファイル122が、A2Bテーブル1221、およびB2Aテーブル1222の替わりに、RGB値に関するA2Bテーブル、およびB2Aテーブルを有する場合、RGB色空間が、「第2色空間」の一例である。
D.2.第2変形例
第3実施形態において、第2プリンター50に供給される印刷指令に含まれる画像情報がスポットカラーに対応するLab値である場合、第3変換部142が、色変換テーブル126を用いて、Lab値をcmyk値に変換し、第3変換部142によって変換されたcmyk値に応じて、第2プリンター50に画像を出力させてもよい。言い換えれば、制御装置13aは、キャリブレーション用DLP127を用いずに第2プリンター50に画像を出力させてもよい。例えば、第1プリンター40と第2プリンター50との出力特性に大きな差がない場合に、第2変形例を採用してもよい。これにより、第1プリンター40と第2プリンター50との出力特性に大きな差がない場合であれば、第2プリンター50がスポットカラーの画像を印刷する場合、スポットカラーの色再現精度を高めることができる。
D.3.第3変形例
上述したように、色変換テーブル126は、Lab値の替わりに、スポットカラー名を有してもよい。以下、第3変形例が、第1実施形態からの変形例であるとして説明する。例えば、ステップS8においてスポットカラーLab値SP_Labの替わりにスポットカラー名を受け付けた場合に、ステップS67において、制御装置13は、受け付けたスポットカラー名と、登録cmyk値pcmykとを色変換テーブル126に格納する。
図47は、第3変形例における印刷処理実行時の動作を示すフローチャートである。制御装置13は、ユーザーの操作等によって第1プリンター40に供給される印刷指令を受け付けた場合、ステップS191において、印刷指令に含まれる画像情報がLab値またはスポットカラー名か否かを判定する。ステップS191の判定結果が肯定の場合、制御装置13は、ステップS192において、制御装置13は、記憶装置12が色変換テーブル126を有するか否かを判定する。ステップS192の判定結果が肯定の場合、制御装置13は、ステップS193において、第1色変換フローに従って画像情報が示す画像を印刷する。
図48は、第3変形例における第1色変換フローを示す図である。第1色変換フローにおいて、画像情報がLab値Labinである場合、制御装置13は、Lab値Labinを色変換テーブル126を用いて登録cmyk値pcmykに変換する。または、画像情報がスポットカラー名SNameinである場合、制御装置13は、スポットカラー名SNameinを色変換テーブル126を用いて登録cmyk値pcmykに変換する。以降の処理は、第1実施形態における第1色変換フローと同一であるため、説明を省略する。
説明を図47に戻す。ステップS192の判定結果が否定の場合、制御装置13は、ステップS194において、画像情報がスポットカラー名か否かを判定する。ステップS194の判定結果が肯定の場合、ステップS195において、カラーライブラリー124を用いて、スポットカラー名をLab値に変換する。そして、制御装置13は、ステップS196において、第2色変換フローに従って画像情報が示す画像を印刷する。また、ステップS194の判定結果が否定である場合、すなわち、画像情報がLab値である場合も、制御装置13は、ステップS196の処理を実行する。第3変形例における第2色変換フローは、第1実施形態における第2色変換フローと同一であるため、説明を省略する。
ステップS191の判定結果が否定の場合、言い換えれば、画像情報がCMYK値である場合、制御装置13は、ステップS197において、第3色変換フローに従って画像情報が示す画像を印刷する。第3変形例における第3色変換フローは、第1実施形態における第3色変換フローと同一であるため、説明を省略する。
ステップS193、ステップS196、またはステップS197の処理終了後、制御装置13は、図47に示す一連の処理を終了する。
D.4.その他の変形例
上述の各形態では、スポットカラーが、「第1座標値として規定される色」の一例であると説明したが、これに限らない。例えば、第1受付部131は、スポットカラーではない何らかのLab値を受け付けてもよい。より詳細には、第1受付部131は、シアンのLab値、マゼンタのLab値、イエローのLab値またはブラックのLab値を受け付けてもよいし、PANTONEおよびDIC等の色見本帳で規定された色ではなく、ユーザーが任意に設定したLab値を受け付けてもよい。
上述の各形態では、第1プリンター40および第2プリンター50がインクジェットプリンターであると説明したが、これに限らない。例えば、色材としてトナーを使用するレーザープリンターといった電子写真方式のプリンター、3次元プリンター、または表示装置等でもよい。表示装置は、例えば、ディスプレイまたはプロジェクターである。
上述の各形態において、目的関数f(Δcmyk)は、(4)式で示されると説明したが、これに限らない。目的関数f(Δcmyk)は、例えば、(4)式から、コストCoを除いた式でもよいし、w×V2を除いた式でもよい。さらに、(4)式には、ΔE00 2が含まれるが、ΔE00 2の替わりにΔE00が含まれてもよい。同様に、(4)式には、w×V2が含まれるが、w×V2の替わりにw×Vが含まれてもよい。
上述の各形態において、キャリブレーション用DLP127生成処理を実行する場合、制御装置13bは、ステップS162およびステップS163の少なくとも一方を実行しなくてもよい。
上述の各形態において、ガマット判定テーブル123を有さなくてもよい。ガマット判定テーブル123を有さない場合、判定部133は、出力プロファイル122によるround-trip演算によって、スポットカラーLab値SP_Labが第1プリンター40のガマット内か否かを判定すればよい。
上述の各形態において、上記のホスト装置10を、上記に記載のホスト装置10の各部として機能させるように構成された色変換情報生成プログラムまたは当該色変換情報生成プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体として捉えることもできる。記録媒体は例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、CD−ROM等の光学式記録媒体の他、半導体記録媒体や磁気記録媒体等の公知の任意の記録媒体を含み得る。また、上述の各形態において、上述した各態様にかかる色変換情報生成方法としても特定される。
1,1a,1b…色変換テーブル生成システム、10,10a,10b…ホスト装置、13,13a,13b…制御装置、16…入力装置、20…表示装置、30…測色装置、40…第1プリンター、50…第2プリンター、121…入力プロファイル、122…出力プロファイル、126…色変換テーブル、130…色変換テーブル生成部、131…第1受付部、133…判定部、135,135a…座標値変換部、1351…第1変換部、1352…取得部、1353…第2変換部、1354…第1決定部、1355…第1探索部、1357…第2受付部、1358…領域内変換部、1359…色空間変換部、137…第1生成部、140,140b…印刷処理部、142…第3変換部、144…第4変換部、146,146b…出力制御部、150…キャリブレーション用DLP生成部、151…第5変換部、152…特定部、153…第2決定部、154…第2探索部、155…第2生成部、1221…A2Bテーブル、1222…B2Aテーブル、1274…測色結果差分テーブル、1276…第2プリンター特性A2Bテーブル。

Claims (17)

  1. 第1色空間において色を規定する第1座標値に関する情報を受け付ける第1受付工程と、
    前記第1座標値が、第2色空間の座標値に応じた画像を出力する第1出力装置が再現可能な色の領域を前記第1色空間において表した第1領域内か否かを判定する判定工程と、
    前記判定工程の判定結果が肯定である場合、前記第1色空間の座標値を前記第2色空間の座標値に変換するための第1変換情報を用いて、前記第1座標値を前記第2色空間の第2座標値に変換する第1変換工程と、
    前記第1出力装置が、前記第2座標値に応じて出力した出力画像を、測色装置により測色し、当該測色の結果を、前記第1色空間における測色座標値として取得する取得工程と、
    前記第2色空間の座標値を前記第1色空間の座標値に変換するための第2変換情報を用いて、前記第2座標値を前記第1色空間の第3座標値に変換する第2変換工程と、
    前記第1座標値および前記測色座標値の差分と、前記第3座標値とに基づいて、前記第1色空間の目標座標値を決定する決定工程と、
    前記第2色空間の第4座標値を前記第2変換情報を用いて変換した前記第1色空間の第5座標値と前記目標座標値との色差が、前記第3座標値と前記目標座標値との色差より小さいという条件を満たす前記第4座標値を探索する探索工程と、
    前記第1座標値と前記第4座標値とに基づいて、前記第1座標値に関する情報を前記第2色空間の座標値に変換するための色変換情報を生成する生成工程と、
    をコンピューターが実行する色変換情報生成方法。
  2. 第1色空間において色を規定する第1座標値に関する情報を受け付ける第1受付工程と、
    前記第1座標値が、第2色空間の座標値に応じた画像を出力する第1出力装置が再現可能な色の領域を前記第1色空間において表した第1領域内か否かを判定する判定工程と、
    前記第1領域外にある座標値を前記第1領域内にある座標値に変換する複数の変換方法から、変換方法の指定を受け付ける第2受付工程と、
    前記判定工程の判定結果が否定である場合、前記第2受付工程が受け付けた前記変換方法に従って、前記第1座標値を前記第1色空間における第1変換座標値に変換する領域内変換工程と、
    前記第1色空間の座標値を前記第2色空間の座標値に変換するための第1変換情報を用いて、前記第1変換座標値を前記第2色空間の第2変換座標値に変換する色空間変換工程と、
    前記第1座標値と前記第2変換座標値とに基づいて、前記第1座標値に関する情報を前記第2色空間の座標値に変換するための色変換情報を生成する生成工程と、
    をコンピューターが実行する色変換情報生成方法。
  3. 前記複数の変換方法は、前記第1領域外にある座標値で規定される色の明度が保存されるように前記第1領域外にある座標値を前記第1領域内にある座標値に変換する方法、前記第1領域外にある座標値で規定される色の彩度が保存されるように前記第1領域外にある座標値を前記第1領域内にある座標値に変換する方法、および、前記第1領域外にある座標値と前記第1領域内にある座標値との色差が最小になるように前記第1領域外にある座標値を前記第1領域内にある座標値に変換する方法のうち2つ以上の方法である、
    請求項2に記載の色変換情報生成方法。
  4. 前記第2受付工程は、
    前記複数の変換方法から、一の変換方法を受け付け、
    前記領域内変換工程は、
    前記判定工程の判定結果が否定である場合、前記第1領域外における前記第1座標値の位置に関わらず、前記一の変換方法に従って、前記第1座標値を前記第1変換座標値に変換する、
    請求項2または3に記載の色変換情報生成方法。
  5. 前記第2受付工程は、
    前記複数の変換方法から、前記第1領域外の領域を分割した複数の分割領域のうち第1分割領域内の座標値を前記第1領域内の座標値に変換する方法として指定された第1変換方法と、前記複数の分割領域のうち前記第1分割領域とは異なる第2分割領域内の座標値を前記第1領域内の座標値に変換する方法として指定された第2変換方法とを受け付け、
    前記領域内変換工程は、
    前記判定工程の判定結果が否定であり、かつ、前記第1座標値が前記第1分割領域内にある場合、前記第1変換方法に従って、前記第1座標値を前記第1変換座標値に変換し、
    前記判定工程の判定結果が否定であり、かつ、前記第1座標値が前記第2分割領域内にある場合、前記第2変換方法に従って、前記第1座標値を前記第1変換座標値に変換する、
    請求項2または3に記載の色変換情報生成方法。
  6. 前記判定工程は、
    前記第1色空間の座標値が前記第1領域内か否かを示す判定情報を用いて、前記第1座標値が前記第1領域内か否かを判定する、
    請求項1乃至5のうち何れか1項に記載の色変換情報生成方法。
  7. 前記判定工程は、
    前記第1変換情報を用いて、前記第1座標値を前記第2色空間の第2座標値に変換し、
    前記第2色空間の座標値を前記第1色空間の座標値に変換するための第2変換情報を用いて、前記第2座標値を前記第1色空間の第3座標値に変換し、
    前記第1座標値および前記第3座標値の色差が所定の閾値以下か否かを判定することにより、前記第1座標値が前記第1領域内か否かを判定する、
    請求項1乃至5のうち何れか1項に記載の色変換情報生成方法。
  8. 前記コンピューターが、
    前記第1出力装置に供給される出力指令に含まれる画像情報が前記第1色空間の座標値に関する情報である場合、前記色変換情報を用いて、前記画像情報を前記第2色空間の座標値に変換する第3変換工程と、
    前記第3変換工程によって変換された前記第2色空間の座標値に応じて、前記第1出力装置に前記画像情報が示す画像を出力させる出力制御工程と、
    を実行する請求項1乃至7のうち何れか1項に記載の色変換情報生成方法。
  9. 前記出力制御工程が、
    前記第2色空間の座標値に応じた画像を出力する第2出力装置に出力指令が供給される場合、前記第3変換工程によって当該出力指令に含まれる画像情報が変換された前記第2色空間の座標値に応じて、前記第2出力装置に当該画像情報が示す画像を出力させる、
    を含む請求項8に記載の色変換情報生成方法。
  10. 前記第2色空間の座標値と当該座標値に応じて前記第2出力装置が出力する画像の色を前記第1出力装置が出力する画像の色に近づける補正値との対応関係を示すキャリブレーション用色変換情報を用いて、前記第3変換工程によって変換された前記第2色空間の座標値を補正値に変換する第4変換工程を含み、
    前記出力制御工程は、
    前記第4変換工程によって変換された前記補正値に応じて、前記第2出力装置に当該画像情報が示す画像を出力させる、
    請求項9に記載の色変換情報生成方法。
  11. 第1色空間において色を規定する第1座標値に関する情報を受け付ける第1受付工程と、
    前記第1座標値に基づいて、前記第1座標値が、第2色空間の座標値に応じた画像を出力する第1出力装置が再現可能な色の領域を前記第1色空間において表した第1領域内か否かを判定する判定工程と、
    前記判定工程の判定結果が肯定である場合第1変換処理によって前記第1座標値を前記第2色空間の座標値に変換し、前記判定結果が否定である場合前記第1変換処理とは異なる第2変換処理によって前記第1座標値を前記第2色空間の座標値に変換する座標値変換工程と、
    前記第1座標値と、前記第1変換処理または前記第2変換処理によって前記第1座標値が変換された前記第2色空間の座標値とに基づいて、前記第1座標値に関する情報を前記第2色空間の座標値に変換するための色変換情報を生成する生成工程と、
    をコンピューターが実行する色変換情報生成方法。
  12. 第1色空間において色を規定する第1座標値に関する情報を受け付ける第1受付部、
    前記第1座標値が、第2色空間の座標値に応じた画像を出力する第1出力装置が再現可能な色の領域を前記第1色空間において表した第1領域内か否かを判定する判定部、
    前記判定工程の判定結果が肯定である場合、前記第1色空間の座標値を前記第2色空間の座標値に変換するための第1変換情報を用いて、前記第1座標値を前記第2色空間の第2座標値に変換する第1変換部、
    前記第1出力装置が、前記第2座標値に応じて出力した出力画像を、測色装置により測色し、当該測色の結果を、前記第1色空間における測色座標値として取得する取得部、
    前記第2色空間の座標値を前記第1色空間の座標値に変換するための第2変換情報を用いて、前記第2座標値を前記第1色空間の第3座標値に変換する第2変換部、
    前記第1座標値および前記測色座標値の差分と、前記第3座標値とに基づいて、前記第1色空間の目標座標値を決定する決定部、
    前記第2色空間の第4座標値を前記第2変換情報を用いて変換した前記第1色空間の第5座標値と前記目標座標値との色差が、前記第3座標値と前記目標座標値との色差より小さいという条件を満たす前記第4座標値を探索する探索部、および、
    前記第1座標値と前記第4座標値とに基づいて、前記第1座標値に関する情報を前記第2色空間の座標値に変換するための色変換情報を生成する生成部、
    としてコンピューターを機能させる色変換情報生成プログラム。
  13. 第1色空間において色を規定する第1座標値に関する情報を受け付ける第1受付部、
    前記第1座標値が、第2色空間の座標値に応じた画像を出力する第1出力装置が再現可能な色の領域を前記第1色空間において表した第1領域内か否かを判定する判定部、
    前記第1領域外にある座標値を前記第1領域内にある座標値に変換する複数の変換方法から、変換方法の指定を受け付ける第2受付部、
    前記判定部の判定結果が否定である場合、前記指定された変換方法に従って、前記第1座標値を前記第1色空間における第1変換座標値に変換する領域内変換部、
    前記第1色空間の座標値を前記第2色空間の座標値に変換するための第1変換情報を用いて、前記第1変換座標値を前記第2色空間の第2変換座標値に変換する色空間変換部、および、
    前記第1座標値と前記第2変換座標値とに基づいて、前記第1座標値に関する情報を前記第2色空間の座標値に変換するための色変換情報を生成する生成部、
    としてコンピューターを機能させる色変換情報生成プログラム。
  14. 第1色空間において色を規定する第1座標値に関する情報を受け付ける第1受付部、
    前記第1座標値に基づいて、前記第1座標値が、第2色空間の座標値に応じた画像を出力する第1出力装置が再現可能な色の領域を前記第1色空間において表した第1領域内か否かを判定する判定部、
    前記判定部の判定結果が肯定である場合第1変換処理によって前記第1座標値を前記第2色空間の座標値に変換し、前記判定結果が否定である場合前記第1変換処理とは異なる第2変換処理によって前記第1座標値を前記第2色空間の座標値に変換する座標値変換部、および、
    前記第1座標値と、前記第1変換処理または前記第2変換処理によって前記第1座標値が変換された前記第2色空間の座標値とに基づいて、前記第1座標値に関する情報を前記第2色空間の座標値に変換するための色変換情報を生成する生成部、
    としてコンピューターを機能させる色変換情報生成プログラム。
  15. 第1色空間において色を規定する第1座標値に関する情報を受け付ける第1受付部と、
    前記第1座標値が、第2色空間の座標値に応じた画像を出力する第1出力装置が再現可能な色の領域を前記第1色空間において表した第1領域内か否かを判定する判定部と、
    前記判定工程の判定結果が肯定である場合、前記第1色空間の座標値を前記第2色空間の座標値に変換するための第1変換情報を用いて、前記第1座標値を前記第2色空間の第2座標値に変換する第1変換部と、
    前記第1出力装置が、前記第2座標値に応じて出力した出力画像を、測色装置により測色し、当該測色の結果を、前記第1色空間における測色座標値として取得する取得部と、
    前記第2色空間の座標値を前記第1色空間の座標値に変換するための第2変換情報を用いて、前記第2座標値を前記第1色空間の第3座標値に変換する第2変換部と、
    前記第1座標値および前記測色座標値の差分と、前記第3座標値とに基づいて、前記第1色空間の目標座標値を決定する決定部と、
    前記第2色空間の第4座標値を前記第2変換情報を用いて変換した前記第1色空間の第5座標値と前記目標座標値との色差が、前記第3座標値と前記目標座標値との色差より小さいという条件を満たす前記第4座標値を探索する探索部と、
    前記第1座標値と前記第4座標値とに基づいて、前記第1座標値に関する情報を前記第2色空間の座標値に変換するための色変換情報を生成する生成部と、
    を含む色変換情報生成装置。
  16. 第1色空間において色を規定する第1座標値に関する情報を受け付ける第1受付部と、
    前記第1座標値が、第2色空間の座標値に応じた画像を出力する第1出力装置が再現可能な色の領域を前記第1色空間において表した第1領域内か否かを判定する判定部と、
    前記第1領域外にある座標値を前記第1領域内にある座標値に変換する複数の変換方法から、変換方法の指定を受け付ける第2受付部と、
    前記判定部の判定結果が否定である場合、前記指定された変換方法に従って、前記第1座標値を前記第1色空間における第1変換座標値に変換する領域内変換部と、
    前記第1色空間の座標値を前記第2色空間の座標値に変換するための第1変換情報を用いて、前記第1変換座標値を前記第2色空間の第2変換座標値に変換する色空間変換部と、
    前記第1座標値と前記第2変換座標値とに基づいて、前記第1座標値に関する情報を前記第2色空間の座標値に変換するための色変換情報を生成する生成部と、
    を含む色変換情報生成装置。
  17. 第1色空間において色を規定する第1座標値に関する情報を受け付ける第1受付部と、
    前記第1座標値に基づいて、前記第1座標値が、第2色空間の座標値に応じた画像を出力する第1出力装置が再現可能な色の領域を前記第1色空間において表した第1領域内か否かを判定する判定部と、
    前記判定部の判定結果が肯定である場合第1変換処理によって前記第1座標値を前記第2色空間の座標値に変換し、前記判定結果が否定である場合前記第1変換処理とは異なる第2変換処理によって前記第1座標値を前記第2色空間の座標値に変換する座標値変換部と、
    前記第1座標値と、前記第1変換処理または前記第2変換処理によって前記第1座標値が変換された前記第2色空間の座標値とに基づいて、前記第1座標値に関する情報を前記第2色空間の座標値に変換するための色変換情報を生成する生成部と、
    を含む色変換情報生成装置。
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