JP2020170609A - 誘導加熱コイル - Google Patents

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Abstract

【課題】リード部で消費される電力の損失を低減することができる誘導加熱コイルを提供することである。【解決手段】電源側から交流電流を導く一対のリード部6a、6bと、ワークWに近接する複数のワーク対向部5a〜5eと、ワーク対向部同士5a〜5eを繋ぐ複数の接続部7a〜7dを有し、各リード部6a、6bと、各ワーク対向部5a〜5eと、各接続部7a〜7dは、直列に接続されており、各リード部6a、6bは、全長に渡って連続的に相手側のリード部6b、6a又はいずれかの接続部7a〜7dと近接対向している。【選択図】図3

Description

本発明は、交流電流が通電され、鉄鋼材料等の磁気誘導を受ける素材からなるワークに近接配置され、当該ワークに誘導電流を励起させて誘導加熱する誘導加熱コイルに関するものである。
長さを有するワークの側面に高周波誘導加熱による熱処理を実施する場合、ワークの表面に近接対向する誘導加熱コイルが使用される。従来、設備を小型化することができるいわゆる「移動焼き」と称される焼入方法と、熱処理を短時間で完了することができるいわゆる「固定焼き」と称される焼入方法が創案されている。移動焼きで使用される誘導加熱コイルは、ワークの長手方向の熱処理対象領域の一部の表面のみに近接対向し、高周波電流が通電された状態でワークに対してワークの長手方向に沿って相対移動し、全熱処理対象領域の表面に対して順に近接対向する。すなわち、移動焼きでは、ワークの熱処理対象領域が、長手方向に沿って順に熱処理される。
一方、固定焼きでは、ワークと誘導加熱コイルが、ワークの長手方向に相対移動せず、互いにその場で相対回転しながら誘導加熱コイルに高周波電流が通電される。すなわち、誘導加熱コイルは、ワークの長手方向の熱処理対象領域全体に渡って近接対向しており、ワークの熱処理対象領域全体に同時に高周波誘導電流を励起させる。その結果、ワークの熱処理対象領域全体が均一に昇温し、熱処理が短時間で完了する。
特許文献1には、ワークの周囲に螺旋構造を呈する加熱コイル(加熱コイル部)を配置する誘導加熱用のコイル装置の発明が開示されている。螺旋構造の加熱コイルの内部にワークを配置すると、ワークの熱処理対象領域全体(加熱コイルの螺旋の軸方向長さに相当する領域)を同時に均一に誘導加熱することができる。すなわち、ワークの誘導加熱を短時間で完了することができる。
特開平11−329702号公報
ところで、長さを有するワークの長手方向の熱処理対象領域全体を同時に誘導加熱する従来の誘導加熱コイルは、特許文献1に開示されているような螺旋構造を呈しており、電源側から高周波電流を導く一対のリード部が接続されている。リード部は、誘導加熱コイルに高周波電流を導くがワークには近接対向せず、ワークの表面に高周波誘導電流を励起させる誘導加熱には寄与していない。ところが、このワークの誘導加熱に寄与しないリード部を流れる高周波電流によって、リード部の周囲には磁界(ワークを昇温させるのに寄与しない磁界)が発生し、これによって電力が無駄に消費されているのではないかと本発明者は考えた。
そこで本発明は、電源側から交流電流を導くリード部で消費される電力を低減することができる誘導加熱コイルを提供することを目的としている。
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、長さを有するワークに近接し、交流電流が通電されて、当該ワークに誘導電流を励起させて誘導加熱するための誘導加熱コイルであって、電源側から交流電流を導く一対のリード部と、前記ワークに近接する複数のワーク対向部と、前記ワーク対向部同士を繋ぐ複数の接続部を有し、前記各リード部と、各ワーク対向部と、各接続部は、直列に接続されており、前記各リード部は、全長に渡って連続的に相手側のリード部又はいずれかの接続部と近接対向していることを特徴とする誘導加熱コイルである。
請求項1に記載の発明では、各リード部は、全長に渡って連続的に相手側のリード部又はいずれかの接続部と近接対向している。また、各リード部を流れる交流電流は、互いに逆向きである。同様に、リード部に近接対向する接続部には、リード部とは逆向きの交流電流が流れる。そのため、近接対向するリード部又は接続部から互いに逆向きの磁界が発せられ、各リード部及び接続部から発せられる磁界同士が相殺される。その結果、磁界の発生が抑制され、リード部や接続部で消費される電力が抑制される。すなわち、リード部や接続部における、磁束が発せられる部位が減少し、磁束漏れに起因するエネルギーの損失を抑制することができる。
ここで近接対向とは、リード部や接続部が発する磁界同士が打ち消しあう程度に接近している状態を意味している。
請求項2に記載の発明は、長さを有するワークに近接し、交流電流が通電されて、当該ワークに誘導電流を励起させて誘導加熱するための誘導加熱コイルであって、電源側から交流電流を導く一対のリード部と、前記ワークに近接する複数のワーク対向部と、前記ワーク対向部同士を繋ぐ複数の接続部を有し、前記各リード部と、各ワーク対向部と、各接続部は、直列に接続されており、前記各リード部同士は、近接対向する部位を有し、前記各リード部におけるリード部同士が近接対向していない部位が、いずれかの前記接続部と近接対向していることを特徴とする誘導加熱コイルである。
請求項2に記載の発明では、各リード部同士は、近接対向する部位を有し、各リード部におけるリード部同士が近接対向していない部位が、いずれかの接続部と近接対向している。また、各リード部に流れる交流電流は、互いに逆向きである。同様に、リード部に近接対向する接続部には、リード部とは逆向きの交流電流が流れる。そのため、近接対向するリード部又は接続部から互いに逆向きの磁界が発せられ、各リード部及び接続部から発せられる磁界同士が相殺される。その結果、磁界の発生が抑制され、リード部や接続部で消費される電力が抑制される。すなわち、リード部や接続部における、磁束が発せられる部位が減少し、磁束漏れに起因するエネルギーの損失を抑制することができる。
請求項3に記載の発明は、いずれのリード部とも近接対向していない接続部同士が近接対向していることを特徴とする請求項1又は2に記載の誘導加熱コイルである。
請求項3に記載の発明では、いずれのリード部にも近接対向していない接続部同士が近接対向している。ここで、一対のリード部とワーク対向部と接続部は直列に接続されているので、近接した接続部に流れる交流電流は互いに逆向きになる。そのため、近接対向する接続部から発せられる磁束同士が相殺され、磁束漏れに起因するエネルギーの損失をさらに抑制することができる。
請求項4に記載の発明は、隣接するワーク対向部に、同一の向きの交流電流が流れることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の誘導加熱コイルである。
請求項4に記載の発明では、隣接するワーク対向部に流れる電流の向きが、同一の向きになるので、各ワーク対向部によってワークに励起される誘導電流の向きが一致する。すなわち、各ワーク対向部によってワークに励起される誘導電流同士が相殺されず、ワークには良好にジュール熱が生じる。その結果、ワークは良好に昇温する。
本発明の誘導加熱コイルによると、誘導加熱コイルに交流電流を導くリード部で電力が消費されるのを抑制することができる。
誘導加熱コイルに高周波電流を通電する高周波誘導加熱装置の概略の系統図である。 図1の高周波誘導加熱装置に設けられた本実施形態に係る誘導加熱コイルの斜視図である。 図2の誘導加熱コイルのスケルトン図である。 図2とは別の実施形態に係る誘導加熱コイルのスケルトン図である。 図2、図4とはさらに別の実施形態に係る誘導加熱コイルのスケルトン図である。 図2、図4、図5とはさらに別の実施形態に係る誘導加熱コイルのスケルトン図である。 図2、図4、図5、図6とはさらに別の実施形態に係る誘導加熱コイルのスケルトン図である。 図2、図4、図5、図6、図7とはさらに別の実施形態に係る誘導加熱コイルのスケルトン図である。
以下、図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、高周波誘導加熱装置1は、高周波発振器3、変圧器4を有する。高周波誘導加熱装置1は、商用電源2から供給される交流電流を、高周波発振器3と変圧器4によって高周波電流に変換し、変圧器4の二次側に接続された誘導加熱コイル5に高周波電流を通電するものである。
図2に示すように、誘導加熱コイル5は、銅又は銅合金等の良導体からなる中空の部材で構成されており、複数(図2では5つ)のワーク対向部5a〜5e、接続部7a〜7d、移行部8a〜8eと9a〜9e(図3)を有している。
各ワーク対向部5a〜5eは、それぞれ一巻きの環状構造(ワンターン構造)を呈する部位である。すなわち、各ワーク対向部5a〜5eは、円環の一部を切り欠いたような構造を呈している。各ワーク対向部5a〜5eは同じ大きさであり、同芯状に互いに隙間(間隔)を空けて隣接配置されている。各ワーク対向部5a〜5eの中心は一致しているが、各ワーク対向部5a〜5eの円環の切れ目の位置(両端が近接する位置)は、詳しくは後述する理由で、一直線上に揃っていない。すなわち、各ワーク対向部5a〜5eにおける円環の切れ目の位置は、各ワーク対向部5a〜5eの中心が配置された直線がのびる方向から見て、円周上の異なる角度位置に配されている。
ワーク対向部5aの両端には、移行部8a、9aの一端が接続されている。移行部8a、9aは、直線状の導体である。すなわち、移行部8a、9aの間にワーク対向部5aが配されており、移行部8a、9aは、ワーク対向部5aを介して通電可能に接続されている。移行部8a、9aは、近接して互いに平行であり、ワーク対向部5aの中心から離れる方向(円環の外方)にのびている。
ワーク対向部5b〜5eにも、ワーク対向部5aと同様に、直線状の導体である移行部8b〜8e、9b〜9eの一端がそれぞれ接続されている。各ワーク対向部5a〜5eに接続された移行部8a〜8b、9a〜9bの位置は、ワーク対向部5a〜5eの円環の切れ目の位置がずれていることにより、円周方向にずれている。また、移行部8b、9b(8c〜8e、9c〜9e)は近接して互いに平行であり、それぞれワーク対向部5b〜5eから同方向に延びている。すなわち、移行部8a〜8eと移行部9a〜9eは、各ワーク対向部5a〜5eの円環の外方に延びているが、必ずしもワーク対向部5a〜5eに対して半径方向に延びているわけではない。換言すると、直線状の移行部8a〜8e、9a〜9eは、必ずしもワーク対向部5a〜5eの中心を通っているわけではない。
次に、各ワーク対向部5a〜5eの各移行部8a〜8e、9a〜9eに対する、各リード部6a、6b及び接続部7a〜7dの接続関係を説明し、続いて、各リード部6a、6b及び接続部7a〜7dの形状と位置関係について説明する。
図3に示すように、ワーク対向部5aに接続された一方の移行部8aには、リード部6aの一端が接続されている。リード部6aの他端は、変圧器4(図1)の二次側に接続されている。ちなみに、図1は、高周波誘導加熱装置1を模式的に示したものであって、リード部6a、6bは、変圧器4とワーク対向部5の間に設けられた互いに近接対向した部位で示されている。なお、図1では、移行部8、9の描写は省略している。また、図3に示すように、ワーク対向部5aに接続された他方の移行部9aには、接続部7aの一端が接続されている。
図3に示すように、ワーク対向部5bに接続された一方の移行部8bには、接続部7dの一端が接続されている。また、ワーク対向部5bに接続された他方の移行部9bには、リード部6bの一端が接続されている。リード部6bの他端は、変圧器4(図1)の二次側に接続されている。
図3に示すように、ワーク対向部5cに接続された一方の移行部8cには、接続部7aの他端が接続されている。すなわち移行部8cは、接続部7aを介して、ワーク対向部5a側の移行部9aと接続されている。接続部7aは、ワーク対向部5bの両側のワーク対向部5a、5cを接続している。また、ワーク対向部5cに接続された他方の移行部9cには、接続部7bの一端が接続されている。
図3に示すように、ワーク対向部5dに接続された一方の移行部8dには、接続部7cの一端が接続されている。ワーク対向部5dに接続された他方の移行部9dには、接続部7dの他端が接続されている。すなわち、接続部7dは、ワーク対向部5cの両側のワーク対向部5b(移行部8b)とワーク対向部5d(移行部9d)を接続している。
図3に示すように、ワーク対向部5eに接続された一方の移行部8eには、接続部7bの他端が接続されている。すなわち、接続部7bは、ワーク対向部5dの両側のワーク対向部5c(移行部9c)とワーク対向部5e(移行部8e)を接続している。また、ワーク対向部5eに接続された他方の移行部9eには、接続部7cの他端が接続されている。すなわち、接続部7cは、ワーク対向部5d(移行部8d)とワーク対向部5e(移行部9e)を接続している。
次に、リード部6a、6bと、各接続部7a〜7dの形状と位置関係について説明する。
リード部6aは、図1に示す変圧器4の二次側に接続されており、誘導加熱コイル5付近では図2、図3に示すように直線状を呈している。また、リード部6bも変圧器4の二次側に接続されている。
誘導加熱コイル5付近ではリード部6bとリード部6aは互いに平行な状態で近接している。すなわち、図2,図3に示すように、リード部6a、6bは平行であって互いに近接する部位を有している。
リード部6bは、リード部6aと平行状態でワーク対向部5a付近までのびており、その直進方向の延長上には移行部9aの他端が配置されている。そこで、リード部6bには、移行部9aを回避するように屈曲した回避部10aが設けられている。
回避部10aは、リード部6aから離間する方向に延びる部位である。また、回避部10aの前後には、回避部10aを挟んだ両側に直線状にのびる部位があり、回避部10aは、これら両直線部を段違いに接続している。すなわち、回避部10aの一方側には、リード部6aと近接対向する部位が設けられており、他方側にはワーク対向部5bに向かって延びる部位が設けられている。このワーク対向部5bに向かって延びる部位は、接続部7aと平行状態で近接対向している。
リード部6bにおける接続部7aと近接対向している部位の、その直進方向の延長上には移行部8bの他端が配置されている。そこで、リード部6bには、移行部8bを回避するように屈曲した回避部10bが設けられている。回避部10bは、接続部7aから離間する方向に延びる部位である。リード部6bの回避部10bの先には移行部9bの他端が配置されており、リード部6bは、移行部9bの他端に接続されている。
すなわち、リード部6bは、回避部10a、10bを有しており、回避部10a、10bによって二カ所に段違いとなった部位が形成されている。そして、リード部6bは、回避部10aの手前まではリード部6aと平行状態で近接対向しており、回避部10a、10bの間の大半の部位が、接続部7aと平行状態で近接対向している。
ここで、大半の部位とは、リード部6bの回避部10aと10bの間の長さにおける60%以上の部位である。
接続部7aは、移行部9aの他端から移行部8cの他端に至る全領域に渡って直線状を呈している。また接続部7aの移行部9a側の大半の部位が、リード部6bと平行状態で近接対向しており、さらに移行部8c側の大半の部位が、接続部7dと平行状態で近接対向している。
接続部7bは、移行部9cから移行部8eに至る全領域に渡って直線状を呈している。接続部7bは、ワーク対向部5cに接続された他方側の移行部9cの他端と、ワーク対向部5eに接続された一方側の移行部8eの他端を接続している。
接続部7dには、リード部6bの回避部10a、10bと同様の段違いの回避部11a、11bが設けられている。すなわち、接続部7dは、移行部8bの端部から途中までは接続部7aに対して平行状態で近接対向しており、さらに接続部7bと平行状態で近接対向し、移行部9dの他端と接続されている。
具体的には、接続部7dは、移行部8bの他端からワーク対向部5c側に向かって接続部7aと平行に延びており、その延長上には移行部9cの端部が配置されている。そのため接続部7dは、移行部9cの手前で回避部11aによって接続部7aから離間する方向に延び、さらに移行部9cの他端に接続された接続部7bと平行にワーク対向部5dに向かって延びている。すなわち、接続部7dには、接続部7aと平行な部位と、接続部7bと平行な部位があり、これらが回避部11aで段違い状に接続されている。
また、接続部7dにおける、回避部11a側から接続部7bと平行にのびる部位の延長上には、移行部8dの他端が配置されている。そこで、移行部8dの手前の位置に回避部11bが設けられている。回避部11bは、接続部7bから離間する方向に延びる部位である。接続部7dは、回避部11bからさらに接続部7bと平行方向にのびて移行部9dの他端に接続されている。
接続部7dにおける移行部8bと回避部11aの間の部位が、接続部7aと平行状態で近接対向している。また、接続部7dにおける回避部11aと回避部11bの間の大半の部位が、接続部7bと平行状態で近接対向している。ここで、大半とは、全体の60%以上を意味している。
そして、ワーク対向部5d側の移行部8dの他端と、ワーク対向部5e側の移行部9eの他端が、接続部7cで接続されている。接続部7cは、全領域に渡って直線状であり、接続部7bと平行状態で近接対向している。
誘導加熱コイル5は、以上説明した構造を有している。
そして、図1に示す高周波誘導加熱装置1によって誘導加熱コイル5に高周波電流が通電される。高周波電流のある一瞬における電流の向きを図3に矢印で示す。
図3に示すように、電流は、リード部6a、移行部8a、ワーク対向部5a、移行部9a、接続部7a、移行部8c、ワーク対向部5c、移行部9c、接続部7b、移行部8e、ワーク対向部5e、移行部9e、接続部7c、移行部8d、ワーク対向部5d、移行部9d、接続部7d、移行部8b、ワーク対向部5b、移行部9b、リード部6bの順に流れる。
ここで、リード部6a、6bに着目すると、近接対向した両リード部6a、6bに流れる電流は逆向きである。また、接続部7aとリード部6bの一部及び接続部7dの一部が近接対向しており、電流の向きは逆向きである。さらに、接続部7bと接続部7dの一部及び接続部7cが近接対向しており、近接対向するもの同士の電流の向きは逆向きとなっている。すなわち、リード部6a、6b、接続部7a〜7dは、近接対向するもの同士に電流の向きが逆向きとなっている。
そのため、リード部6a、6b、接続部7a〜7dに流れる高周波電流によって生じる磁界の大半が、互いに相殺される。すなわち、リード部6a、6b、接続部7a〜7dからは磁界が生じにくい。その結果、ワークWと近接対向していないリード部6a、6b、接続部7a〜7dで電力が消費されるのを抑制することができる。
また、図3に示すように、移行部8a、9aも互いに平行であって近接対向しており、さらに流れる電流の向きは互いに逆向きである。そのため、移行部8a、9aに流れる高周波電流によって生じる磁界の大半が、互いに相殺される。移行部8b〜8e、9b〜9eについても同様である。
各ワーク対向部5a〜5eの環の内部には、長さを有するワークWを配置することができる。すなわち、ワーク対向部5a〜5eの内壁(内面)は、長さを有する筒状又は円柱状のワークWの円周側面に近接対向する。
そして、各ワーク対向部5a〜5eに通電された高周波電流によって、ワークWには高周波誘導電流が励起され、ワークWは高周波誘導加熱されて昇温する。図2、図3に示す誘導加熱コイル5では、各ワーク対向部5a〜5eに流れる電流の向きは一致している。図3に示す例では、各ワーク対向部5a〜5eには、反時計回り方向の電流が流れている。すなわち、各ワーク対向部5a〜5eに流れる高周波電流によって生じる磁界の向きが一致し、ワークWには良好に高周波誘導電流が励起される。
図3に示すように、本実施形態では、リード部6aとワーク対向部5aが移行部8aを介して接続されており、リード部6bとワーク対向部5bが移行部9bを介して接続されている。ここで、リード部6aと移行部8aは、構造的に相違するものではなく、両者とも同一の中空の良導体で構成されている。よって、リード部6a、6bの一部が移行部8a、9bを構成していると見做すこともできる。
同様に、接続部7aは、移行部9a、8cを介してそれぞれワーク対向部5a、5cと接続されているが、接続部7aの一部が移行部9a、8cを構成していると見做すこともできる。さらに、接続部7bの一部が移行部9c、8eを構成し、接続部7cの一部が移行部8d、9eを構成し、接続部7dの一部が移行部8b、9dを構成していると見做すこともできる。
次に、別の形態の誘導加熱コイルについて説明する。
図4は、図2、図3とは別の誘導加熱コイル15のスケルトン図である。
ワーク対向部15a〜15eでは、移行部18(18a〜18e)と移行部19(19a〜19e)の取り付け位置が、図3のワーク対向部5a〜5eの移行部8(8a〜8e)と移行部9(9a〜9e)の取り付け位置と相違しているが、ワーク対向部15a〜15eのその他の構造は、ワーク対向部5a〜5eの構造と同様である。
図4に示すように、ワーク対向部15aには移行部18a、19aが接続されており、同様に、ワーク対向部15b〜15eには、移行部18b〜18e、19b〜19eがそれぞれ接続されている。
図1に示す変圧器4の二次側に接続された一方のリード部6aが、ワーク対向部15aと一体の移行部18aに接続されており、他方のリード部6bは、ワーク対向部15eと一体の移行部19eに接続されている。
ワーク対向部15aと一体の移行部19aとワーク対向部15bと一体の移行部18b、ワーク対向部15bと一体の移行部19bとワーク対向部15cと一体の移行部18c、ワーク対向部15cと一体の移行部19cとワーク対向部15dと一体の移行部18d、ワーク対向部15dと一体の移行部19dとワーク対向部15eと一体の移行部18e、がそれぞれ接続部17a〜17dで接続されている。
図4に示すように、リード部6aと各接続部17a〜17dは、平行であるが、段違い状に位置がずれている。
そして、リード部6bが、リード部6a、接続部17a〜17dとそれぞれ平行状態で近接対向している。すなわち、リード部6bには、図4に示すように段違い部20a〜20dが設けられており、段違い部20a〜20dによって、段違い状に配置されたリード部6a、接続部17a〜17dとそれぞれ近接対向している。
ここで、リード部6bに流れる電流の向きと、リード部6a、接続部17a〜17dに流れる電流の向きは、互いに逆向きとなっている。また、各ワーク対向部15a〜15dには、同方向(図4に示す例では、反時計回り方向)に電流が同期して流れる。
また、図5〜図7にそれぞれ示す誘導加熱コイル25、35、45においても、リード部6a、6bによって供給される高周波電流の向きは、対向する各リード部6a、6b及び各接続部の相手側とは逆向きとなっている。また、各ワーク対向部に流れる電流の向きは同方向である。
以上説明した実施形態では、いずれもワーク対向部の数が5つであったが、ワーク対向部の数は任意に選定することができる。例えば、図8に示す誘導加熱コイル55のように、ワーク対向部の数を4つにすることもできる。また、図示していないが、ワーク対向部の数を6つ以上とすることもできる。
1 高周波誘導加熱装置
5、15 誘導加熱コイル
5a〜5e ワーク対向部
15a〜15e ワーク対向部
6a、6b リード部
7a〜7d 接続部

Claims (4)

  1. 長さを有するワークに近接し、交流電流が通電されて、当該ワークに誘導電流を励起させて誘導加熱するための誘導加熱コイルであって、
    電源側から交流電流を導く一対のリード部と、前記ワークに近接する複数のワーク対向部と、前記ワーク対向部同士を繋ぐ複数の接続部を有し、
    前記各リード部と、各ワーク対向部と、各接続部は、直列に接続されており、
    前記各リード部は、全長に渡って連続的に相手側のリード部又はいずれかの接続部と近接対向していることを特徴とする誘導加熱コイル。
  2. 長さを有するワークに近接し、交流電流が通電されて、当該ワークに誘導電流を励起させて誘導加熱するための誘導加熱コイルであって、
    電源側から交流電流を導く一対のリード部と、前記ワークに近接する複数のワーク対向部と、前記ワーク対向部同士を繋ぐ複数の接続部を有し、
    前記各リード部と、各ワーク対向部と、各接続部は、直列に接続されており、
    前記各リード部同士は、近接対向する部位を有し、
    前記各リード部におけるリード部同士が近接対向していない部位が、いずれかの前記接続部と近接対向していることを特徴とする誘導加熱コイル。
  3. いずれのリード部とも近接対向していない接続部同士が近接対向していることを特徴とする請求項1又は2に記載の誘導加熱コイル。
  4. 隣接するワーク対向部に流れる電流の向きが、同一の向きになることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の誘導加熱コイル。
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