JP2020169354A - 直接切削用鋼 - Google Patents

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Abstract

【課題】強度及び靱性に優れ、かつ低コストで得られうる直接切削用鋼の提供。【解決手段】直接切削用鋼は、C:0.30質量%以上0.55質量%以下、Si:0.40質量%以上0.80質量%以下、Mn:0.90質量%以上1.60質量%以下、S:0.030質量%以上0.120質量%以下、Ni:0.30質量%以下、Cr:0.25質量%以下、Mo:0.05質量%以下、Sn:0.005質量%以上0.03質量%以下、Al:0.005質量%以上0.050質量%以下、V:0.05質量%以上0.20質量%以下、O:0.0030質量%以下、及びN:0.0030質量%以上0.0200質量%以下を含有する。残部は、Fe及び不可避不純物である。この直接切削用鋼は、パーライト面積割合が0.55以上であるフェライト−パーライト組織を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、切削によって機械部品等の製品が得られうる鋼に関する。
建設機器、産業機械等の部品であるシャフトには、大きな力と衝撃力とが加わる。従ってこのシャフトには、強度と靱性とが必要である。
このシャフトは、概して棒状である。換言すれば、このシャフトは、比較的単純な形状を有する。従ってこのシャフトは、熱間鍛造等の塑性加工を経ること無く、製造されうる。具体的には、シャフトは、材料である棒鋼が切削されることにより、この棒鋼から直接的に得られる。この直接切削に供される棒鋼には、加工を容易にするために適度な快削性が必要である。
このようなシャフトには、非調質鋼が広く用いられている。非調質鋼は、熱間圧延された棒鋼が空冷されるのみで、シャフトに要求される機械的特性が得られるように成分が調整されている。従って、焼入れ焼戻しが不要であり、コストの面で有利である。特開平4−180536号公報には、所定の成分を有し、かつ微細な組織を有する靱性に優れた直接切削用非調質鋼が開示されている。
特開平4−180536号公報
従来の非調質鋼は、焼入れ焼戻しのコストが不要であるという大きなメリットを有するものの、非調質鋼の圧延後の冷却速度の影響等によっては靱性にばらつきが生じる場合があり、その安定化が求められていた。また上記の発明では、優れた靱性を得るためにCr、Nbの添加を必須としておりコスト面で不利であった。本発明の目的は、高価な元素の添加に頼らずに強度及び靱性に優れ、かつ低コストで得られうる直接切削用鋼を提供することにある。
本発明に係る直接切削用鋼は、
C:0.30質量%以上0.55質量%以下、
Si:0.40質量%以上0.80質量%以下、
Mn:0.90質量%以上1.60質量%以下、
S:0.030質量%以上0.120質量%以下、
Ni:0.30質量%以下、
Cr:0.25質量%以下、
Mo:0.05質量%以下、
Sn:0.005質量%以上0.03質量%以下、
Al:0.005質量%以上0.050質量%以下、
V:0.05質量%以上0.20質量%以下、
O:0.0030質量%以下
及び
N:0.0030質量%以上0.0200質量%以下
を含有する。残部は、Fe及び不可避不純物である。この直接切削用鋼では、下記数式(I)で算出される炭素当量Ceqは、0.80以上0.90以下である。
Ceq = P(C) + P(Si)/ 7 + P(Mn) / 5 + P(Cr) / 9 + P(V) / 2 (I)
上記数式(I)において、P(C)、P(Si)、P(Mn)、P(Cr)及びP(V)は、それぞれ、C、Si、Mn、Cr及びVの質量含有率を表す。
この直接切削用鋼は、パーライト組織内のラメラー炭化物が分断されており、パーライト面積割合が0.55以上であるフェライト−パーライト組織を有する。
他の観点によれば、本発明に係る直接切削用鋼は、
C:0.30質量%以上0.55質量%以下、
Si:0.40質量%以上0.80質量%以下、
Mn:0.90質量%以上1.60質量%以下、
S:0.030質量%以上0.120質量%以下、
Ni:0.30質量%以下、
Cr:0.25質量%以下、
Mo:0.05質量%以下、
Sn:0.005質量%以上0.05質量%以下、
Al:0.005質量%以上0.050質量%以下、
Pb:0.05質量%以上0.15質量%以下、
V:0.05質量%以上0.20質量%以下、
O:0.0030質量%以下
及び
N:0.0030質量%以上0.0200質量%以下
を含有する。残部は、Fe及び不可避不純物である。この直接切削用鋼では、下記数式(I)で算出される炭素当量Ceqは、0.80以上0.90以下である。
Ceq = P(C) + P(Si)/ 7 + P(Mn) / 5 + P(Cr) / 9 + P(V) / 2 (I)
上記数式(I)において、P(C)、P(Si)、P(Mn)、P(Cr)及びP(V)は、それぞれ、C、Si、Mn、Cr及びVの質量含有率を表す。
この直接切削用鋼は、パーライト組織内のラメラー炭化物が分断されており、パーライト面積割合が0.55以上であるフェライト−パーライト組織を有する。
好ましくは、フェライト−パーライト組織は、ブロック径が20μm以下であるパーライト組織を有する。
本発明に係る直接切削用鋼では、Crの含有率が少なく、Nbの含有率も少ない。従ってこの直接切削用鋼は、安価である。この直接切削用鋼はさらに、強度及び靱性に優れている。
ラメラー炭化物が分断されていないパーライト組織が示された顕微鏡写真である。 図2は、本発明の一実施形態に係る直接切削用鋼が示された顕微鏡写真である。 図3は、焼なまし温度と衝撃値との関係が示されたグラフである。 図4は、実施例及び比較例の評価結果が示されたグラフである。
本発明に係る直接切削用鋼は、Feと添加元素とを含んでいる。以下、各元素が詳説される。
[炭素(C)]
Cは、直接切削用鋼の強度に寄与しうる。さらに、適量のCを含む直接切削用鋼では、所望のパーライト面積割合が達成されうる。これらの観点から、Cの含有率は0.30質量%以上が好ましく、0.40質量%以上がより好ましく、0.42質量%以上が特に好ましい。Cが過剰であると、ベイナイトが生成する。このベイナイトは、直接切削用鋼の強度及び快削性を阻害する。強度及び快削性の観点から、Cの含有率は0.55質量%以下が好ましく、0.50質量%以下がより好ましく、0.47質量%以下が特に好ましい。
[ケイ素(Si)]
Siは、製鋼工程にて脱酸剤として機能する。さらにSiは、直接切削用鋼の強度に寄与しうる。これらの観点から、Siの含有率は0.40質量%以上が好ましく、0.50質量%以上がより好ましく、0.60質量%以上が特に好ましい。ただしSiは、フェライトの硬度を高めるので、過剰のSiは直接切削用鋼の快削性を阻害する。快削性の観点から、Siの含有率は0.80質量%以下が好ましく、0.77質量%以下がより好ましく、0.75質量%以下が特に好ましい。
[マンガン(Mn)]
Mnは、直接切削用鋼の強度に寄与しうる。また、適量のMnを含む直接切削用鋼では、十分なパーライト面積割合が達成されうる。さらにMnは、Sと反応してMnSを生成させる。このMnSは、直接切削用鋼の快削性に寄与しうる。これらの観点から、Mnの含有率は0.90質量%以上が好ましく、1.10質量%以上がより好ましく、1.15質量%以上が特に好ましい。一方でMnの過剰な添加は、ベイナイトの生成を助長する。ベイナイトは、直接切削用鋼の快削性を阻害する。快削性の観点から、Mnの含有率は1.60質量%以下が好ましく、1.55質量%以下がより好ましく、1.50質量%以下が特に好ましい。
[硫黄(S)]
Sは、ドリル加工、旋削加工等における切削容易性に寄与する。Sはさらに、切削加工における切り屑処理性に寄与する。これらの観点から、Sの含有率は0.030質量%以上が好ましく、0.035質量%以上が特に好ましい。一方でSは、直接切削用鋼の静的強度及び疲労強度を阻害する。強度の観点から、Sの含有率は0.120質量%以下が好ましく、0.080質量%以下がより好ましく、0.050質量%以下が特に好ましい。
[ニッケル(Ni)]
Niは、鋼中に不可避的に含有される場合がある。Niは、直接切削用鋼の切削性を低下させる。この観点から、Niは0.30質量%以下に規制される。Niの含有率は、0.20質量%以下がより好ましく、0.15質量%以下が特に好ましい。直接切削用鋼が、不純物以外のNiを含まなくてもよい。
[クロム(Cr)]
Crは、必要に応じて添加される。Crは、直接切削用鋼の硬度に寄与しうる。非調質鋼が、不純物以外のCrを含まなくてもよい。過剰のCrは、直接切削用鋼の快削性を阻害する。この観点から、Crの含有率は0.25質量%以下が好ましく、0.20質量%以下が特に好ましい。
[モリブデン(Mo)]
Moは、鋼中に不可避的に含有される場合がある。Moは、直接切削用の切削性を低下させる。この観点から、Moは0.05質量%以下に規制される。Moの含有率は、0.04質量%以下がより好ましく、0.03質量%以下が特に好ましい。直接切削用鋼が、不純物以外のMoを含まなくてもよい。
[スズ(Sn)]
Snは、結晶粒界に偏析し、母相と介在物との界面にも偏析する。Snは、この粒界又は界面の結合力を低下させ、切削加工における変形抵抗を抑制する。従ってSnは、直接切削用鋼の快削性に寄与する。快削性の観点から、Snの含有率は0.005質量%以上が好ましく、0.008質量%以上が特に好ましい。ただし過剰のSnは、直接切削用鋼の製造過程における熱間圧延において、表面疵を誘発する。表面疵の抑制の観点から、Snの含有率は0.03質量%以下が好ましく、0.02質量%以下が特に好ましい。
[アルミニウム(Al)]
Alは、窒化物を形成する。窒化物は、結晶粒を微細化する。微細化の観点から、Alの含有率は0.005質量%以上が好ましく、0.008質量%以上が特に好ましい。Alが過剰であると、直接切削用鋼が多量のAlを含む。Alは硬質であり、直接切削用鋼の快削性を阻害し、かつ疲労寿命を阻害する。快削性及び疲労寿命の観点から、Alの含有率は0.050質量%以下が好ましく、0.030質量%以下がより好ましく、0.020質量%以下が特に好ましい。
[バナジウム(V)]
Vは、Cと結合してVCを析出させる。VCは、直接切削用鋼の高硬度に寄与する。この観点から、Vの含有率は0.05質量%以上が好ましく、0.08質量%以上がより好ましく、0.10質量%以上が特に好ましい。一方でVは、フェライト生成を助長する傾向がある。Vが過剰であると、直接切削用鋼に多量のフェライトが生成する。この直接切削用鋼では、十分なパーライト面積率が得られない。パーライト面積率の観点から、Vの含有率は0.20質量%以下が好ましく、0.15質量%以下が特に好ましい。
[酸素(O)]
Oは、他の元素と反応して酸化物を形成する。この酸化物は、直接切削用鋼の快削性及び疲労寿命を阻害する。快削性及び疲労寿命の確保の観点から、直接切削用鋼が不可避不純物以外のOを含まないことが好ましい。Oの含有率は0.0030質量%以下が好ましく、0.0015質量%以下が特に好ましい。
[窒素(N)]
NはAlと反応し、窒化物を形成する。この窒化物は、結晶粒の粗大化を抑制して靱性の低下を防止しうる。この観点から、Nの含有率は0.0030質量%以上が好ましく、0.0080質量%以上がより好ましく、0.0100質量%以上が特に好ましい。一方で窒化物は高硬度であり、直接切削用鋼の快削性を阻害する。快削性の観点から、Nの含有率は0.0200質量%以下が好ましく、0.0180質量%以下が特に好ましい。
[鉛(Pb)]
直接切削用鋼がPbを含んでもよく、含まなくてもよい。Pbは、直接切削用鋼の快削性に寄与しうる。快削性の観点から、Pbの含有率は0.05質量%以上が好ましく、0.07質量%以上が特に好ましい。一方でPbは、直接切削用鋼の製造過程における熱間圧延において、表面疵を誘発する。表面疵の抑制の観点から、Pbの含有率は0.15質量%以下が好ましく、0.12質量%以下が特に好ましい。
[残部]
この直接切削用鋼の残部は、Fe及び不可避的不純物である。不可避的不純物として、Pが例示される。Pが過剰であると、Pが結晶粒界に偏析する。この偏析は、粒界を脆化させる。直接切削用鋼の強靱性の観点から、Pの含有率は0.030質量%以下が好ましく、0.020質量%以下がより好ましく、0.015質量%以下が特に好ましい。
この直接切削用鋼は、不純物以外のNbを含んでいない。従ってこの直接切削用鋼は、低コストで得られうる。
[炭素当量]
この直接切削用鋼の炭素当量Ceqは、0.80以上0.90以下が好ましい。炭素当量Ceqが0.80以上である直接切削用鋼は、硬度及び強度に優れる。これらの観点から、炭素当量Ceqは0.83以上がより好ましく、0.85以上が特に好ましい。炭素当量Ceqが0.90以下である直接切削用鋼は、適度な硬度を有し、かつ過剰のベイナイトを含まない。この直接切削用鋼は、快削性に優れる。
炭素当量Ceqは、下記の数式(I)によって算出される。
Ceq = P(C) + P(Si)/ 7 + P(Mn) / 5 + P(Cr) / 9 + P(V) / 2 (I)
この数式において、P(C)、P(Si)、P(Mn)、P(Cr)及びP(V)は、それぞれ、C、Si、Mn、Cr及びVの含有率(質量%)を表す。
[フェライト−パーライト組織]
図1はラメラー炭化物が分断されていないパーライト組織が示された顕微鏡写真であり、図2は本発明の一実施形態に係る直接切削用鋼が示された顕微鏡写真である。この直接切削用鋼は、フェライト−パーライト組織を有する。図1及び2の対比から明らかなように、図2のパーライト組織では、ラメラー炭化物が分断されている。この分断されたパーライト組織の存在は、直接切削用鋼の靱性向上に寄与する。この観点から、直接切削用鋼におけるフェライト−パーライト組織中のパーライト面積割合は、0.55以上が好ましく、0.60以上がより好ましく、0.65以上が特に好ましい。
パーライト面積割合Ppは、下記の数式によって算出される。
Pp = Sp / (Sf + Sp)
この数式において、Sfはフェライト相の合計面積を表し、Spはパーライト相の合計面積を表す。合計面積Sf及びSpは、直接切削用鋼の断面が顕微鏡観察されることで、算出される。観察面は200μm四方であり、これを1μmピッチで深さ方向に20断面分観察し、三次元的に面積割合が算出される。
ラメラー炭化物の分断は、直接切削用鋼に焼なましが施されることで達成されうる。焼きなましでは、直接切削用鋼が、例えば所定の焼なまし温度下に保持される。直接切削用鋼は、その後に徐冷(例えば空冷)される。焼なまし温度は、620℃以上670℃以下が好ましい。620℃未満の焼なましでは、微細なVCの析出が助長される。このVCは、直接切削用鋼の靱性を損なう。670℃を超える焼きなましでは、再オーステナイト化が一部に生じ、ラメラー炭化物が整列したパーライト組織が再び出現する。このラメラー炭化物は、直接切削用鋼の靱性を損なう。この観点から、焼きなまし温度は650℃以下が特に好ましい。
[ブロック径]
フェライト−パーライト組織におけるパーライト組織のブロック径は、20μm以下が好ましい。ブロック径が20μm以下であるパーライト組織は、直接切削用鋼の靱性に寄与しうる。この観点から、ブロック径は17μm以下がより好ましく、15μm以下が特に好ましい。ブロック径は、直接切削用鋼の断面の顕微鏡観察によって算出される。
[製造方法]
以下、本発明に係る直接切削用鋼の製造方法の一例が説明される。この製造方法では、まず溶製によって鋼塊が得られる。この鋼塊に、鍛伸及び熱間圧延が施され、棒鋼が得られる。熱間圧延の後、棒鋼は空冷される。この空冷により、フェライト−パーライト組織が得られる。この棒鋼に、必要に応じ、焼きなましが施される。この棒鋼に、必要に応じ、矯正が施される。この棒鋼は、強度及び靱性に優れる。
[用途]
本発明に係る直接切削用鋼は、切削によって得られる種々の製品に用いられうる。この直接切削用鋼は、建設機器、産業機械等の部品に特に適している。典型的な部品は、シャフトである。シンプルな形状のシャフトが、直接切削によって得られうる。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1−1]
原料を真空溶解炉にて溶融し、これを凝固させて鋼塊を得た。この鋼塊を1200℃の温度下に4時間保持した後、鍛伸及び空冷を施して、直径が50mmである丸棒を得た。この丸棒に、焼ならしを施した。この焼ならしでは、丸棒が980℃の温度下に1.75時間保持され、空冷された。この焼ならしは、丸棒に対する熱間圧延の温度履歴を模擬したものである。この丸棒は、下記の表1に示されたNo.1の組成を有する。この丸棒にさらなる熱処理を施すことなく、実施例1−1の直接切削用鋼を得た。
[実施例1−2]
実施例1−1で得られた丸棒にさらに焼なましを施して、実施例1−2の直接切削用鋼を得た。この焼なましでは、丸棒が560℃の温度下に4時間保持され、その後空冷された。
[実施例2−1、3−1、4−1及び7−1]
組成を異ならせた他は、実施例1−1と同様にして、実施例2−1、3−1、4−1及び7−1の直接切削用鋼を得た。組成の詳細が、下記の表1に示されている。
[他の実施例及び比較例]
組成を異ならせ、かつ下記の表2及び3に示される条件で焼なましを行ったた他は、実施例1−2と同様にして、直接切削用鋼を得た。組成の詳細が、下記の表1に示されている。
[硬度の測定]
直接切削用鋼の硬さを、ロックウェル硬度計で測定した。この結果が、下記の表2及び3に示されている。
[衝撃値の測定]
直接切削用鋼から得た試験片に、シャルピー衝撃試験を施した。この試験片は、U型で2mmのサイズのノッチを有する。この結果が、下記の表2及び3に示されている。
図3には、No.1−4の組成の、焼なまし温度と衝撃値との関係が示されている。このグラフから明らかなように、焼なまし温度が620℃以上650℃以下である場合に、大きな衝撃値が得られる。
図4は、実施例及び比較例の、硬さと衝撃値との関係が示されている。このグラフから、No.1−4の組成において、硬さと衝撃値とが両立されることが分かる。
これらの評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明に係る直接切削用鋼から、直接切削により、種々の製品が製造されうる。

Claims (4)

  1. C:0.30質量%以上0.55質量%以下、
    Si:0.40質量%以上0.80質量%以下、
    Mn:0.90質量%以上1.60質量%以下、
    S:0.030質量%以上0.120質量%以下、
    Ni:0.30質量%以下、
    Cr:0.25質量%以下、
    Mo:0.05質量%以下、
    Sn:0.005質量%以上0.03質量%以下、
    Al:0.005質量%以上0.050質量%以下、
    V:0.05質量%以上0.20質量%以下、
    O:0.0030質量%以下
    及び
    N:0.0030質量%以上0.0200質量%以下
    を含有し、残部がFe及び不可避不純物であり、
    下記数式(I)で算出される炭素当量Ceqが、0.80以上0.90以下であり、
    パーライト組織のラメラー炭化物が分断されており、パーライト面積割合が0.55以上であるフェライト−パーライト組織を有する直接切削用鋼。
    Ceq = P(C) + P(Si)/ 7 + P(Mn) / 5 + P(Cr) / 9 + P(V) / 2 (I)
    (上記数式(I)において、P(C)、P(Si)、P(Mn)、P(Cr)及びP(V)は、それぞれ、C、Si、Mn、Cr及びVの質量含有率を表す。)
  2. 上記フェライト−パーライト組織が、ブロック径が20μm以下であるパーライト相を有する請求項1に記載の直接切削用鋼。
  3. C:0.30質量%以上0.55質量%以下、
    Si:0.40質量%以上0.80質量%以下、
    Mn:0.90質量%以上1.60質量%以下、
    S:0.030質量%以上0.120質量%以下、
    Ni:0.30質量%以下、
    Cr:0.25質量%以下、
    Mo:0.05質量%以下、
    Sn:0.005質量%以上0.03質量%以下、
    Al:0.005質量%以上0.050質量%以下、
    Pb:0.05質量%以上0.15質量%以下、
    V:0.05質量%以上0.20質量%以下、
    O:0.0030質量%以下
    及び
    N:0.0030質量%以上0.0200質量%以下
    を含有し、残部がFe及び不可避不純物であり、
    下記数式(I)で算出される炭素当量Ceqが、0.80以上0.90以下であり、
    パーライト組織のラメラー炭化物が分断されており、パーライト面積割合が0.55以上であるフェライト−パーライト組織を有する直接切削用鋼。
    Ceq = P(C) + P(Si)/ 7 + P(Mn) / 5 + P(Cr) / 9 + P(V) / 2 (I)
    (上記数式(I)において、P(C)、P(Si)、P(Mn)、P(Cr)及びP(V)は、それぞれ、C、Si、Mn、Cr及びVの質量含有率を表す。)
  4. 上記フェライト−パーライト組織が、ブロック径が20μm以下であるパーライト相を有する請求項3に記載の直接切削用鋼。
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