JP2020168884A - 軌陸車に用いるブレーキ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】軌陸車Bにおけるブレーキ制御装置Aであって、ブレーキ信号によって伸縮動作するストロークモータ10と、前記ストロークモータ10に接続して、軌道用車輪B2に対するブレーキの制動を行うための油圧を調整するマスターシリンダ20と、前記ストロークモータ10が受ける反力を計測する圧力センサ30と、前記圧力センサ30の計測値が所定のしきい値以上の場合に前記ストロークモータ10の伸縮動作を停止する制御回路40と、を少なくとも備える。
【選択図】図2
Description
軌陸車には、ダンプ、高所作業車、バックホウ、クレーンなど多種多様な種類の車両が開発されている。
この軌陸車の走行時には、急ブレーキをかけた時に軌道用車輪がロックして軌道上を滑走し、制動距離が長くなってしまう懸念がある。
しかし、回転センサは車輪の近くに設置する必要があるため、現場の泥や水等がかかって故障する懸念があった。
しかし、上記構成は、油圧回路内に圧力検出器を設ける必要があり、既存の軌陸車に適用する際には、油圧回路の配管を変更するなどの複雑な改造を要していた。
また、本願の第2発明は、前記第1発明において、前記圧力センサをロードセルで構成し、前記ロードセルが前記ストロークモータの伸縮動作に伴う反力を計測することを特徴とするものである。
また、本願の第3発明は、前記第1発明または第2発明において、前記ブレーキ信号が、軌陸車のブレーキランプの点灯を制御する信号であることを特徴とするものである。
また、本願の第4発明は、前記第1発明乃至第3発明のうち何れか1つの発明において、前記しきい値を設定可能な制御盤をさらに有することを特徴とするものである。
(1)軌道用車輪のロックを未然に抑制できる。
マスターシリンダを制御するストロークモータの動作時に、該ストロークモータが受ける反力を圧力センサによる圧力値として計測し、この圧力値が所定のしきい値以上に達した際にストロークモータの動作を強制的に停止することによって、運転者のブレーキの踏み込み動作の加減によらずに、軌道用車輪のロックの発生要因を予め抑制し、軌道用車輪の滑走を防止することができる。
そのため、運転者のパニックブレーキなどによる滑走も生じにくくなる。
(2)圧力値の計測構造が簡易である。
圧力センサにロードセルを用い、このロードセルでストロークモータの動作時に生ずる反力を受けて圧力値を計測する構成であるため、油圧系統に手を加えるなどの複雑な改造を要しない。
(3)ブレーキの検知構造が簡易である。
ブレーキランプの点灯を制御する信号を分岐させてストロークセンサの伸縮動作の制御に使用するため、ブレーキの検知構造が簡易である。
(4)制御回路の組み込みが簡単である。
制御回路が、圧力センサからの計測値でもって当該ストロークセンサの動作を制御する構成であるため、前記(3)のように、ブレーキランプに対する配線部分と、ストロークセンサの電源部分に手を加えるだけでよく、既存の軌陸車に対する組み込みが簡易である。
(5)一定の滑走防止効果を発揮することができる。
各車両の性能や製造誤差等によって、同じブレーキ動作でも制動距離に違いが生じるため、装置毎に圧力値のしきい値を設定可能に構成することで、滑走防止効果が一定となるよう、制御回路の動作を調整することができる。
図1は、本発明に係るブレーキ制御装置Aを組み込んだ軌陸車Bの全体図である。
軌陸車Bは、道路走行用のタイヤB1と、軌道走行用の軌道用車輪B2を備えており、道路の走行時と、軌道Cの走行時とで、ブレーキ動作を共通化させている。
図1に示す軌道走行時には、運転席にある道路走行用のブレーキペダルの動作によって、軌陸車Bに組み込んであるブレーキ制御装置Aが動作して、軌道用車輪B2に対するブレーキを直接的または間接的に行うよう構成している。
図2に示すように、本発明にかかるブレーキ制御装置Aは、ストロークモータ10と、マスターシリンダ20と、圧力センサ30と、制御回路40とを少なくとも含んで構成しており、軌陸車Bの前方側の軌陸用車輪の制動に用いている。
以下、各構成要素の詳細について説明する。
ストロークモータ10は、運転者などのユーザによるブレーキ動作に応じて伸縮動作するための部材である。
ストロークモータ10は、ブレーキ信号を入力信号として回転するモータを内蔵し、このモータの回転(正転・逆転)でもって出没長を調整可能なロッド11を前方に設けて、ストロークモータ10の全体長を伸縮可能に構成している。
ストロークモータ10の伸縮動作の基礎となるブレーキ信号は、軌陸車Bの運転席に設けたブレーキペダルの動作によってON・OFFが切り替わる信号、例えば、ブレーキペダルの動作によって出力されるブレーキランプの点灯を制御する信号を分岐させて使用することができる。
本実施例では、ブレーキ信号を制御回路40に接続し、制御回路40でもって、後述する圧力センサの計測値の比較結果に応じて、ストロークモータを伸縮させるための信号の生成に用いている。
また、ストロークモータ10は、後述する圧力センサ30との間で、少なくともストロークモータの伸縮方向において位置が固定されない態様で設置されている。この理由は、圧力センサ30の欄で説明する。
マスターシリンダ20は、ストロークモータ10のストローク長の伸縮によって、軌道用車輪B2のブレーキ装置に送る油圧を調整するための部材である。
本実施例では、マスターシリンダ20をストロークモータ10の側方に並べるように設置・固定している。
マスターシリンダ20とストロークモータ10との間は、ストロークモータ10の伸縮動作の方向とは逆方向にマスターシリンダ20が動作するようにリンク12によって接続されている。したがって、マスターシリンダ20は、ストロークモータ10の伸長によって押し込む方向に動作し、軌道用車輪B2のブレーキ装置に送る油圧を増加させる。
反対に、ストロークモータ10が縮長すると、マスターシリンダ20は解放する方向に動作し、軌道用車輪B2のブレーキ装置に送る油圧を減少させる。
圧力センサ30は、ストロークモータ10と接触するように配置して、ストロークモータ10の動作時に該ストロークモータ10が受ける反力を計測するための部材である。
本実施例では、圧力センサ30にロードセル31を用いており、この圧力センサ30(ロードセル31)を、ストロークモータ10の後方側(ロッド11を設けた側とは反対側)と接触するように配置しつつ、固定位置に取り付けている。
上記構成とすることで、ストロークモータ10の伸長時には、該伸張動作に伴う反力でもって圧力センサ30(ロードセル31)がストロークモータの背面に押されて計測値は増加する方向へと遷移し、ストロークモータ10の縮長時には、該伸張動作に伴う反力は低下し、圧力センサ30(ロードセル31)の計測値が減少する方向へと遷移する。
制御回路40は、ストロークモータ10を、前記ブレーキ信号による制御よりも上位側で制御するための部材である。
本実施例では、制御回路40は、ブレーキペダルからのブレーキ信号と、前記圧力センサ30による計測値に基づいて、ストロークモータ10に対する伸長動作および縮長動作を切り替え制御している。
より詳細には、制御回路40は、任意のしきい値が記憶されており、前記した圧力センサによって計測した圧力値との比較を行う。
ブレーキ信号としきい値との比較結果による制御例を以下の表に示す。
制御回路40で記憶されるしきい値は、予め固定の値を記録しても良いし、ブレーキ制御装置Aの設置後にも調整可能に構成することができる。
例えば、軌陸車Bを構成する各種部材の制御盤(図示せず)の中に、しきい値設定用のコントローラを内蔵しておく態様を採用することができる。
制御盤は、運転席などに設けておくことができる。
各車両の性能や製造誤差等によって、同じブレーキ動作でも制動距離に違いが生じるため、装置毎にしきい値を調整可能な態様としておくと、実際の走行試験などを経てしきい値を設定することで、一定の滑走防止効果を担保することができる。
再度図1を参照しながら、ブレーキ制御装置Aの動作の一例について説明する。
軌道用車輪B2でもって軌道C上を走行している状態において、運転手がブレーキペダルを踏み込むと、ブレーキ制御装置Aでは、軌陸車Bを停止させるためのブレーキ信号が制御回路40に送られる。
制御回路40では、圧力センサ30の計測値を常にしきい値と比較しており、計測値がしきい値に達していない場合には、ストロークモータ10を伸長させるための信号をストロークモータ10に送る。
その結果、ストロークモータ10の伸長に伴うマスターシリンダ20の動作によって軌道用車輪ブレーキによる制動が始まる。
ブレーキによる制動動作が進むうちに、ストロークモータ10が受ける反力は増加していく。この反力を圧力センサ30で計測し、この計測値がしきい値以上に達した際には、制御回路40からの、ストロークモータ10を伸長させるための信号を停止する。
この結果、ストロークモータ10の伸長は止まり、マスターシリンダ20から送られる油圧も一定の状態でブレーキが掛かり続けるため、軌道用車輪B2がロックしない範囲で最大限の制動効果を得ることができる。
ブレーキペダルを離すと、ブレーキ信号の入力が無くなった場合、制御回路は、ストロークモータ10を縮長させるための信号(制動時とは+−逆の電流)をストロークモータ10に送る。
その結果、ストロークモータ10は縮長し、マスターシリンダ20も解放側に動作して、軌道用車輪ブレーキによる制動が解かれることとなる。
なお、ブレーキの解放動作は、圧力センサによる計測値がしきい値を超えているか否かの条件に左右されない。
10 ストロークモータ
11 ロッド
12 リンク
20 マスターシリンダ
30 圧力センサ
31 ロードセル
40 制御回路
B 軌陸車
B1 タイヤ
B2 軌道用車輪
C 軌道
Claims (4)
- 軌陸車におけるブレーキ制御装置であって、
伸縮動作可能な、ストロークモータと、
前記ストロークモータに接続して、軌道用車輪に対するブレーキの制動を行うための油圧を調整する、マスターシリンダと、
前記ストロークモータが受ける反力を計測する、圧力センサと、
軌陸車のブレーキ信号と前記圧力センサの計測値とに基づいて、前記ストロークモータの伸縮動作を制御する、制御回路と、を少なくとも備え、
前記制御回路は、
前記圧力センサの計測値が所定のしきい値以上の場合に、前記ブレーキ信号がONの場合であっても、前記ストロークモータの伸長動作を停止し、
前記ブレーキ信号がOFFの場合には、前記ブレーキ信号に伴う前記ストロークモータの縮長動作を行うことを特徴とする、
軌陸車用のブレーキ制御装置。 - 前記圧力センサをロードセルで構成し、前記ロードセルが前記ストロークモータの伸縮動作に伴う反力を計測することを特徴とする、
請求項1に記載の軌陸車用のブレーキ制御装置。 - 前記ブレーキ信号が、軌陸車のブレーキランプの点灯を制御する信号であることを特徴とする、
請求項1または2に記載の軌陸車用のブレーキ制御装置。 - 前記しきい値を設定可能な制御盤をさらに有することを特徴とする、
請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の軌陸車用のブレーキ制御装置。
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- 2019-04-01 JP JP2019069792A patent/JP7227058B2/ja active Active
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