JP2020168760A - 液体吐出ヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】第1マニホールド流路と第2マニホールド流路とを接続するバイパス流路を備えた液体吐出ヘッドにおいて、バイパス流路の流路抵抗のばらつきを小さくすることを目的とする。【解決手段】液体吐出ヘッドは、複数のノズルが開口するノズル面を有し、前記複数のノズルとそれぞれ連通する複数の個別流路と、前記複数の個別流路に対して共通に接続された第1マニホールド流路及び第2マニホールド流路と、前記第1マニホールド流路及び前記第2マニホールド流路と接続されたバイパス流路とが形成された流路部材と、前記流路部材の前記ノズル面とは反対側の面に配置された圧電アクチュエータとを備える。前記流路部材は、前記ノズル面に平行に配置され、前記バイパス流路が形成されたバイパスプレートを含み、前記バイパス流路の深さは、前記バイパス流路の長さ及び幅よりも小さく、且つ、前記バイパスプレートの、前記ノズル面と直交する第1方向の厚みと同じである。【選択図】図4

Description

本発明は、ノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッドに関する。
複数のノズルと、複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室と、複数の供給路を介して複数の圧力室と接続された供給側共通流路と、複数の循環路を介して複数の圧力室と接続された循環側共通流路と、供給側共通流路と循環側共通流路とを接続するバイパス用流路とを備える液体吐出ヘッドが知られている(特許文献1参照)。
特開2010−214847号公報
上記構成を有する液体吐出ヘッドにおいて、供給側共通流路から複数の圧力室に液体を十分に供給するためには、バイパス用流路の流路抵抗をある程度高くし、バイパス用流路を流れる液体の流量を制限する必要がある。そして、バイパス用流路の流路抵抗を高くするためには、バイパス用流路の断面積を小さくする必要がある。しかし、断面積の小さいバイパス用流路を例えばエッチング等によって形成する場合、寸法のバラツキが生じ易いため、バイパス用流路の流路抵抗がばらつき易いという問題があった。
本発明は、供給マニホールドと帰還マニホールドとを接続するバイパス流路を備えた液体吐出ヘッドであって、バイパス流路の流路抵抗のバラツキが小さい液体吐出ヘッドを提供することを目的とする。
本発明の態様に従えば、液体吐出ヘッドであって、複数のノズルが開口するノズル面を有し、前記複数のノズルとそれぞれ連通する複数の個別流路と、前記複数の個別流路に対して共通に接続された第1マニホールド流路と、前記複数の個別流路に対して共通に接続された第2マニホールド流路と、前記第1マニホールド流路及び前記第2マニホールド流路と接続されたバイパス流路とが形成された流路部材と、前記流路部材の前記ノズル面とは反対側の面に配置され、前記複数の個別流路を流れる液体に吐出エネルギーを付与する圧電アクチュエータとを備え、前記流路部材は、前記ノズル面に平行に配置され、前記バイパス流路が形成されたバイパスプレートを含み、前記バイパス流路の深さは、前記バイパス流路の長さ及び幅よりも小さく、且つ、前記バイパスプレートの、前記ノズル面と直交する第1方向の厚みと同じである液体吐出ヘッドが提供される。
本発明の態様に従う液体吐出ヘッドにおいて、流路部材はバイパスプレートを含み、バイパスプレートには、第1マニホールド流路及び第2マニホールド流路と接続されたバイパス流路が形成されている。そして、バイパス流路の深さが、バイパス流路の長さ及び幅よりも小さく、且つ、バイパスプレートの厚みと同じである。このため、バイパス流路の流路抵抗のばらつきが小さい液体吐出ヘッドを提供することができる。
本発明によれば、第1マニホールド流路と第2マニホールド流路とを接続するバイパス流路を備えた液体吐出ヘッドであって、バイパス流路の流路抵抗のバラツキが小さい液体吐出ヘッドを提供することができる。
図1は第1実施形態に係るプリンタの概略構成図である。 図2は図1のインクジェットヘッドの平面図である。 図3は図2の太線で囲んだ部分Aの拡大図である。 図4(a)は図3のIVA−IVA線断面図であり、図4(b)は図3のIVB−IVB線断面図である。 図5(a)は図2のVA−VA線断面図であり、図5(b)は図2のVB−VB線断面図である。 図6は第1実施形態の変形例に係る図4(b)に相当する図である。 図7は第2実施形態に係るインクジェットヘッドの平面図である。 図8(a)は図7のVIIIA−VIIIA線断面図であり、図8(b)は図7のVIIIB−VIIIB線断面図である。 図9(a)は図7のIXA−IXA線断面図であり、図9(b)は図7のIXB−IXB線断面図である。 図10は図7の太線で囲んだ部分Bの分解斜視図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1において、記録用紙Pの搬送方向上流側をプリンタ1の後方、搬送方向下流側をプリンタ1の前方と定義する。また、記録用紙Pが搬送される面(図1の紙面と平行な面)と平行で、且つ、前記搬送方向と直交するシート幅方向を、プリンタ1の左右方向と定義する。尚、図の左側がプリンタ1の左方、図の右側がプリンタ1の右方である。さらに、記録用紙Pの記録面と直交する方向(図1の紙面に直交する方向)を、プリンタ1の上下方向と定義する。図1において、紙面表側が上方、紙面裏側が下方である。以下では、前後左右上下を適宜使用して説明する。
[第1実施形態]<プリンタ1の概略構成>
図1に示すように、第1実施形態に係るプリンタ1は、ヘッドバー2、インクジェットヘッド3、プラテン4、及び、搬送ローラ5、6を備えている。
4つのヘッドバー2は、プラテン4の上方において搬送方向に配置されている。4つのヘッドバー2は、それぞれ、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色のインクに対応している。各ヘッドバー2には、複数のインクジェットヘッド3が、シート幅方向に沿って千鳥状に配置されている。各インクジェットヘッド3には、図示しないインクタンクから対応する色のインクが供給される。各インクジェットヘッド3の下面には、後述する複数のノズル45が形成されている。
2つの搬送ローラ5、6は、プラテン4に対して前側と後側にそれぞれ配置されている。2つの搬送ローラ5、6は、図示しないモータによってそれぞれ駆動され、プラテン4上の記録用紙Pを前方へ搬送する。つまり、プリンタ1の後側が搬送方向の上流側であり、前側が搬送方向の下流側である。
そして、プリンタ1では、各インクジェットヘッド3の複数のノズル45から、2つの搬送ローラ5、6によって搬送される記録用紙Pにインク滴を吐出することにより、記録用紙Pに印刷を行う。
なお、インクジェットヘッド3は、本発明の液体吐出ヘッドの一例である。インクジェットヘッド3の下面と直交する上下方向は、本発明の第1方向の一例である。インクジェットヘッド3の下面に沿うシート幅方向は、本発明の第2方向の一例であり、シート幅方向の左側は、本発明の第2方向の一方側の一例である。インクジェットヘッド3の下面に沿い且つシート幅方向と交差する搬送方向は、本発明の第3方向の一例である。
<インクジェットヘッド3>
次に、インクジェットヘッド3について詳細に説明する。図2〜図4に示すように、インクジェットヘッド3は、ノズル45や後述する圧力室40などのインク流路が形成された流路ユニット21と、圧力室40内のインクに圧力を付与する圧電アクチュエータ22とを備えている。
<流路ユニット21>
流路ユニット21は、8枚のプレート31〜38が上からこの順に積層されることによって形成されている。流路ユニット21には、複数の圧力室40と、複数の絞り流路41と、複数のディセンダ流路42と、複数の連結流路43と、複数のノズル45と、4つの供給マニホールド46と、3つの帰還マニホールド47と、6つのバイパス流路60とが形成されている。流路ユニット21は、本発明の流路部材の一例である。供給マニホールド46は、本発明の第1マニホールド流路の一例であり、帰還マニホールド47は、本発明の第2マニホールド流路の一例である。
複数の圧力室40は、プレート31に形成されている。各圧力室40は、搬送方向を長手方向とする略矩形の平面形状を有している。複数の圧力室40は、シート幅方向に配列されることによって圧力室列29を形成している。プレート31には、12列の圧力室列29が搬送方向に並んでいる。また、圧力室列29間で、圧力室40のシート幅方向の位置がずれている。
各絞り流路41は、プレート32、33にまたがって形成されている。各絞り流路41は1つの圧力室40に対して設けられている。後側から奇数番目の圧力室列29を構成する圧力室40に対して設けられた絞り流路41は、圧力室40の後端部と接続され、圧力室40との接続部分から後方に延びている。後側から偶数番目の圧力室列29を構成する圧力室40に対して設けられた絞り流路41は、圧力室40の前端部と接続され、圧力室40との接続部分から前方に延びている。
各ディセンダ流路42は、プレート32〜37に形成された貫通孔が上下方向に重なることによって形成されている。各ディセンダ流路42は1つの圧力室40に対して設けられている。後側から奇数番目の圧力室列29を構成する圧力室40に対して設けられたディセンダ流路42は、圧力室40の前端部と接続され、圧力室40との接続部分から下方に延びている。後側から偶数番目の圧力室列29を構成する圧力室40に対して設けられたディセンダ流路42は、圧力室40の後端部と接続され、圧力室40との接続部分から下方に延びている。
各連結流路43は、プレート37に形成されている。各連結流路43は、搬送方向及びシート幅方向に対して傾いた方向に、水平に延びている。各連結流路43は、隣接する2つの圧力室列29のうち、一方の圧力室列29を構成する圧力室40に接続されたディセンダ流路42の下端部と、他方の圧力室列29を構成する圧力室40に接続されたディセンダ流路42の下端部とを接続する。より詳細に説明すると、プレート37には、上記2つのディセンダ流路42を形成する部分と、連結流路43を形成する部分とが一体となった貫通孔が形成されている。
各ノズル45は、プレート38に形成されている。各ノズル45は、1つの連結流路43に対して設けられており、連結流路43の中央部に接続されている。
そして、流路ユニット21では、1つのノズル45と、このノズル45に接続された1つの連結流路43と、この連結流路43に接続された2つのディセンダ流路42と、これら2つのディセンダ流路42にそれぞれ接続された2つの圧力室40と、これら2つの圧力室40とそれぞれ接続された2つの絞り流路41とによって、1つの個別流路28が形成されている。また、複数の個別流路28が、シート幅方向に配列されることによって個別流路列27を形成している。また、流路ユニット21では、6列の個別流路列27が、搬送方向に沿って並んでいる。
各供給マニホールド46は、プレート34、35に形成された貫通孔が上下に重なることによって形成されている。4つの供給マニホールド46は、それぞれがシート幅方向に延び、搬送方向に間隔をあけて並んでいる。そして、4つの供給マニホールド46は、それぞれ、後側から1、4、5、8、9、12番目の圧力室列29を構成する圧力室40に接続された絞り流路41の、圧力室40と反対側の端部と接続されている。プレート34、35は、本発明のマニホールドプレートの一例である。
また、各供給マニホールド46は、シート幅方向における右側の端部において、プレート32〜35にまたがって上下方向に延びており、その上端部に流入口48が設けられている。また、これに対応して、プレート31には、搬送方向に延びて流入口48同士を接続する共通流入流路51が形成されている。
各帰還マニホールド47は、プレート34、35に形成された貫通孔が上下に重なることによって形成されている。3つの帰還マニホールド47は、それぞれがシート幅方向に延び、搬送方向において、隣接する供給マニホールド46の間に、それぞれ配置されている。そして、3つの帰還マニホールド47は、それぞれ、後側から2、3、6、7、10、11番目の圧力室列29を構成する圧力室40に接続された絞り流路41の、圧力室40と反対側の端部と接続されている。
また、各帰還マニホールド47は、シート幅方向における右側の端部において、プレート32〜35にまたがって上下方向に延びており、その上端部に流出口49が設けられている。また、これに対応して、プレート31には、搬送方向に延びて流出口49同士を接続する共通流出流路52が形成されている。
各バイパス流路60は、プレート36に形成された貫通溝によって形成されている。6つのバイパス流路60は、それぞれが搬送方向に延び、搬送方向に隣接する供給マニホールド46と帰還マニホールド47の、シート幅方向の左側の端部と接続されている。各バイパス流路60の上下方向の寸法である深さは、プレート36の上下方向の厚みと同じであり、例えば50μm程度である。また、各バイパス流路60の上下方向の深さは、搬送方向の長さ(例えば400μm程度)及びシート幅方向の幅(例えば300μm程度)よりも短い。なお、各バイパス流路60のシート幅方向の幅は、搬送方向に沿って一定である。また、プレート36の上下方向の厚みは、2枚のプレート34,35の上下方向の厚みよりも小さい。プレート36は、本発明のバイパスプレートの一例である。
また、4つの供給マニホールド46は、3つの帰還マニホールド47よりも、シート幅方向の右側まで延びている。これにより、4つの流入口48が、3つの流出口49よりもシート幅方向の右側に位置している。すなわち、4つの流入口48と3つの流出口49とが、シート幅方向にずれて配置されている。一方、4つの供給マニホールド46のシート幅方向の左側の端部と、3つの帰還マニホールド47のシート幅方向の左側の端部の、シート幅方向の位置は同じである。
4つの供給マニホールド46及び3つの帰還マニホールド47がこのように配置されていることにより、供給マニホールド46と帰還マニホールド47とが搬送方向に交互に並んでいる。また、搬送方向に交互に並ぶ供給マニホールド46及び帰還マニホールド47のうち、搬送方向の両端に位置する2本のマニホールドが供給マニホールド46となっている。
流路ユニット21の上面には、共通流入流路51と共通流出流路52とにまたがって延びたフィルタ部材50が配置されている。フィルタ部材50が配置された流路ユニット21の上面には、共通流入流路51及び共通流出流路52と重なる部分に、流路部材53が配置されている。
流路部材53には、流路54〜57が形成されている。流路54、55は、それぞれ、共通流入流路51及び共通流出流路52の全長にわたって搬送方向に延びている。流路56、57は、それぞれ、流路54、55の搬送方向の中央部に接続され、流路54、55との接続部分から上方に延びている。流路56、57の上端部は、それぞれ、図示しないチューブなどを介して、インクタンク71と接続されている。
そして、インクタンク71に貯留されたインクが、流路部材53の流路56、54を介して、流路ユニット21の共通流入流路51に流れ込む。このとき、フィルタ部材50によりインク中の異物などが捕捉され、流路ユニット21への異物の流入が妨げられる。共通流入流路51に流れ込んだインクは、流入口48から各供給マニホールド46に供給される。そして、各供給マニホールド46においては、シート幅方向の右側から左側に向かってインクが流れ、個別流路28(絞り流路41)及びバイパス流路60にインクを供給する。
また、帰還マニホールド47においては、個別流路28(絞り流路41)及びバイパス流路60からインクが流れ込み、シート幅方向の左側から右側に向かってインクが流れ、流出口49からインクが流出する。流出口49から流出したインクは、流路ユニット21の共通流出流路52、及び、流路部材53の流路55、57を介して、インクタンク71に戻される。
このように、第1実施形態では、インクジェットヘッド3とインクタンク71との間でインクが循環する。また、流路56とインクタンク71との間の流路の途中にポンプ73が設けられており、このポンプが駆動されることよって、インクジェットヘッド3とインクタンク71との間を循環するインクの流れが生じる。なお、ポンプ73は、流路57とインクタンク71との間の流路の途中に設けられていてもよい。
また、例えば、印刷中に多数のノズル45から同時にインクが吐出されるときなど、インクジェットヘッド3におけるインクの消費量が多いときには、インクタンク71に貯留されたインクが、流路部材53の流路55、57を介して、流路ユニット21の共通流出流路52に流れ込む。このとき、フィルタ部材50によりインク中の異物などが捕捉され、流路ユニット21への異物の流入が妨げられる。共通流出流路52に流れ込んだインクは、さらに流出口49から帰還マニホールド47に流れ込み、個別流路28に供給される。これにより、インクジェットヘッド3では、インクの消費量が多いときに、供給マニホールド46と帰還マニホールド47の両方から個別流路28にインクが供給され、個別流路28へのインクの供給不足が生じてしまうのが防止される。
また、プレート37には、各供給マニホールド46と上下方向に重なり、各供給マニホールド46と隔てられたダンパ室59が形成されている。そして、プレート36によって形成される、供給マニホールド46とダンパ室59とを隔てる隔壁が変形することにより、供給マニホールド46内のインクの圧力変動が低減される。また、プレート37には、各帰還マニホールド47と上下方向に重なり、帰還マニホールド47と隔てられたダンパ室58が形成されている。そして、プレート36によって形成される、帰還マニホールド47とダンパ室58とを隔てる隔壁が変形することにより、帰還マニホールド47内のインクの圧力変動が低減される。なお、ダンパ室58、及びダンパ室59は、シート幅方向に延びており、図5(a)に示されるように、フィルタ部材50の下方まで到達している。このため、供給マニホールド46内、及び帰還マニホールド47内のインクの圧力変動を、より効率よく低減することができる。
<圧電アクチュエータ22>
圧電アクチュエータ22は、2つの圧電層61、62と、共通電極63と、複数の個別電極64とを有する。圧電層61、62は、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との混晶であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を主成分とする圧電材料からなる。圧電層61は、流路ユニット21の上面に配置され、圧電層62は、圧電層61の上面に配置されている。なお、圧電層61は、圧電層62とは異なり、例えば合成樹脂材料等、圧電材料以外の絶縁性材料からなってもよい。
共通電極63は、圧電層61と圧電層62との間に配置され、圧電層61、62のほぼ全域にわたって連続的に延びている。共通電極63はグランド電位に保持されている。複数の個別電極64は、複数の圧力室40に対してそれぞれ設けられている。各個別電極64は、搬送方向を長手方向とする略矩形の平面形状を有し、対応する圧力室40の中央部と上下方向に重なるように配置されている。また、各個別電極64の搬送方向におけるディセンダ流路42と反対側の端部は、圧力室40と重ならない位置まで延びている。各個別電極64の先端部は、図示しない配線部材との接続を行うための接続端子64aとなっており、配線部材を介して図示しないドライバICに接続されている。そして、各個別電極64には、ドライバICにより、グランド電位、及び、所定の駆動電位(例えば20V程度)のうちいずれかの電位が選択的に付与される。また、共通電極63と複数の個別電極64とがこのように配置されるのに対応して、圧電層62の各個別電極64と共通電極63とに挟まれた部分は、それぞれ、厚み方向に分極された活性部を形成する。
ここで、圧電アクチュエータ22を駆動してノズル45からインクを吐出させる方法について説明する。圧電アクチュエータ22では、ノズル45からインクを吐出させない待機状態において、全ての個別電極64が共通電極63と同じグランド電位に保持されている。あるノズル45からインクを吐出させるときには、そのノズル45に接続された2つの圧力室40に対応する2つの個別電極64の電位をグランド電位から駆動電位に切り換える。
すると、上記2つの個別電極64に対応する2つの活性部に、分極方向と平行な電界が発生し、上記2つの活性部が分極方向と直交する水平方向に収縮する。これにより、圧電層61、62の上記2つの圧力室40と上下方向に重なる部分が全体として圧力室40側に凸となるように変形する。その結果、圧力室40の容積が小さくなることで圧力室40内のインクの圧力が上昇し、圧力室40に連通するノズル45からインクが吐出される。また、ノズル45からインクが吐出された後には、上記2つの個別電極64の電位をグランド電位に戻す。これにより、圧電層61、62が変形前の状態に戻る。
以上に説明した第1実施形態において、各バイパス流路60の上下方向の深さは、搬送方向の長さ及びシート幅方向の幅よりも小さい。そして、各バイパス流路60はプレート36に形成された貫通溝によって形成されている。このため、各バイパス流路60の深さは、プレート36の厚みと等しい。つまり、各バイパス流路60の長さ、幅、深さのうち、最も小さな値である深さは、プレート36の厚みによって決定される。そして、プレート36の厚みのバラツキは、各バイパス流路60を形成する際のエッチングによる長さ及び幅のバラツキに比べて極めて小さい。このため、複数のバイパス流路60をエッチングによって形成する際の流路抵抗のバラツキを小さくすることができる。
また、第1実施形態において、6つのバイパス流路60が形成されているプレート36は、供給マニホールド46及び帰還マニホールド47が形成されているプレート34,35とは異なるプレートであり、プレート36の上下方向の厚みは、プレート34,35の厚みの合計よりも小さい。このため、各バイパス流路60の流路抵抗を十分に大きくすることができる。
また、第1実施形態において、各バイパス流路60のシート幅方向の幅は、搬送方向に沿って一定である。このため、複数のバイパス流路60をエッチングによって形成する際の流路抵抗のバラツキを小さくすることができる。
また、第1実施形態において、6つのバイパス流路60はプレート36に形成されており、プレート36は、供給マニホールド46及び帰還マニホールド47が形成されたプレート34,35の下方(プレート35の下面)に配置されている。つまり、バイパス流路60は、供給マニホールド46及び帰還マニホールド47よりも下方に形成されており、供給マニホールド46を流れたインクは、さらに下方のバイパス流路60に流れ込む。このため、供給マニホールド46を流れるインクに含まれる成分(例えば顔料等)の沈降を防ぐことができる。
また、第1実施形態において、6つのバイパス流路60が形成されたプレート36は、供給マニホールド46とダンパ室59とを隔てる隔壁、及び帰還マニホールド47とダンパ室58とを隔てる隔壁を兼ねている。このため、流路ユニット21を構成するプレートの枚数の増加を抑えることができる。
また、第1実施形態では、供給マニホールド46及び帰還マニホールド47の各々が、プレート34,35に形成されている。つまり、供給マニホールド46と帰還マニホールド47の上下方向の位置が同じである。このため、流路ユニット21の上下方向の寸法の増加を抑えることができる。
なお、第1実施形態では、バイパス流路60は、供給マニホールド46及び帰還マニホールド47よりも下方に形成されていたが、これには限られない。例えば、図6に示されるように、各バイパス流路60´は、プレート34,35の上方(プレート34の上面)に配置されたプレート33の貫通溝によって形成されてもよい。バイパス流路60´が供給マニホールド46よりも上方に配置されているため、供給マニホールド46を流れるインク中に混入した気泡を効率よく排出することができる。この場合、プレート33は、本発明のバイパスプレートの一例である。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図7〜図10を参照しつつ説明する。
第2実施形態に係るインクジェットヘッド100は、流路ユニット101と、圧電アクチュエータ102とを備えている。第2実施形態では、流路ユニット101における供給マニホールド流路及び帰還マニホールド流路の配置等が、第1実施形態と異なるが、圧電アクチュエータ102の構造及び動作は第1実施形態と同様である。このため、以下では、流路ユニット101について説明し、圧電アクチュエータ102についての説明は省略する。
<流路ユニット101>
流路ユニット101は、8枚のプレート111〜118が上からこの順に積層されることによって形成されている。流路ユニット101には、複数の圧力室120と、複数の絞り流路121と、複数のディセンダ流路122と、複数の循環用流路123と、複数のノズル125と、6つの供給マニホールド126と、6つの帰還マニホールド127と、6つのバイパス流路160とが形成されている。流路ユニット101は、本発明の流路部材の一例である。供給マニホールド126は、本発明の第1マニホールド流路の一例であり、帰還マニホールド127は、本発明の第2マニホールド流路の一例である。
複数の圧力室120は、プレート111に形成されている。圧力室120は、圧力室40(図2参照)と同様の形状を有する。また、複数の圧力室120は、シート幅方向に配列されることによって圧力室列119を形成している。また、プレート111には、6列の圧力室列119が搬送方向に並んでいる。また、圧力室列119間で、圧力室120のシート幅方向の位置がずれている。
複数の絞り流路121は、プレート112、113にまたがって形成されている。絞り流路121は絞り流路41(図2参照)と同様の形状を有しており、各圧力室120に対して個別に設けられている。絞り流路121は、圧力室40の後端部と接続され、圧力室40との接続部分から後方に延びている。
複数のディセンダ流路122は、プレート112〜117に形成された貫通孔が上下方向に重なることによって形成されている。ディセンダ流路122は、各圧力室120に対して個別に設けられている。ディセンダ流路122は、圧力室120の前端部と接続され、圧力室120との接続部分から下方に延びている。
複数の循環用流路123は、プレート117の下側の部分に形成されている。循環用流路123は、ディセンダ流路122に対して個別に設けられており、ディセンダ流路122の側壁面の下端部に接続され、ディセンダ流路122との接続部分から後方に延びている。複数のノズル125は、プレート118に形成されている。ノズル125は、ディセンダ流路122に対して個別に設けられており、ディセンダ流路122の下端に接続されている。
そして、以上に説明したインク流路のうち、ノズル125と、ノズル125に接続されたディセンダ流路122と、ディセンダ流路122に接続された循環用流路123及び圧力室120と、圧力室120と接続された絞り流路121とによって個別流路108が形成されている。また、複数の個別流路108がシート幅方向に配列されることによって、個別流路列107を形成している。また、流路ユニット101では、6列の個別流路列107が搬送方向に並んでいる。
6つの供給マニホールド126は、プレート114に形成されている。6つの供給マニホールド126は、それぞれがシート幅方向に延び、搬送方向に間隔をあけて並んでいる。6つの供給マニホールド126は、6列の個別流路列107に対応しており、各供給マニホールド126は、対応する個別流路列107を構成する複数の個別流路108の絞り流路121と接続されている。なお、プレート114は、本発明の第1マニホールドプレートの一例である。
また、各供給マニホールド126は、シート幅方向における右側の端部において、プレート112〜114にまたがって上下方向に延びており、その上端部に流入口128が設けられている。また、これに対応して、プレート111には、6つの供給マニホールド126の流入口128にまたがって搬送方向に延びて、流入口128同士を接続する共通流入流路131が形成されている。
6つの帰還マニホールド127は、プレート117に形成されている。6つの帰還マニホールド127は、それぞれがシート幅方向に延び、搬送方向に間隔をあけて並び、供給マニホールド126と上下方向に重なっている。これにより、供給マニホールド126が、帰還マニホールド127よりも上方に位置している。また、帰還マニホールド127は、供給マニホールド126よりもシート幅方向の右側まで延びている。なお、プレート117は、本発明の第2マニホールドプレートの一例である。
また、各帰還マニホールド127は、シート幅方向における右側の端部において、プレート112〜117にまたがって上下方向に延びており、その上端部に流出口129が設けられている。また、これに対応して、プレート111には、6つの帰還マニホールド127の流出口129にまたがって搬送方向に延びて、流出口129同士を接続する共通流出流路132が形成されている。
図7に示されるように、各供給マニホールド126のシート幅方向の左側の端部126aは、搬送方向に隣接する1つの帰還マニホールド127のシート幅方向の左側の端部127aと、1つのバイパス流路160を介して接続されている。つまり、図7において、搬送方向の後側から奇数列目の供給マニホールド126の端部126aはそれぞれ、搬送方向の後側から偶数列目の帰還マニホールド127の端部127aに接続されている。そして、搬送方向の後側から偶数列目の供給マニホールド126の端部126aはそれぞれ、搬送方向の後側から奇数列目の帰還マニホールド127の端部127aに接続されている。この様子について、左から5列目の供給マニホールド126及び帰還マニホールド127と、左から6列目の供給マニホールド126及び帰還マニホールド127とを例にとり、図10を参照しつつ説明する。なお、図10における搬送方向の後側の供給マニホールド126及び帰還マニホールド127が、図7における搬送方向の後側から5列目の供給マニホールド126及び帰還マニホールド127であり、図10における搬送方向の前側の供給マニホールド126及び帰還マニホールド127が、図7における搬送方向の後側から6列目の供給マニホールド126及び帰還マニホールド127である。
前側の供給マニホールド126の端部126aは、後側の供給マニホールド126の端部126aよりも、シート幅方向の左側に位置する。つまり、前側の供給マニホールド126は、後側の供給マニホールド126よりも、シート幅方向の左方に延びている。2つの供給マニホールド126のシート幅方向左側の端部126aは、平面視で略扇形状である。一方、後側の帰還マニホールド127の端部127aは、前側の帰還マニホールド127の端部127aよりも、シート幅方向の左側に位置する。つまり、後側の帰還マニホールド127は、前側の帰還マニホールド127よりも、シート幅方向の左方に延びている。後側の帰還マニホールド127の端部127aは、前側の帰還マニホールド127の端部127aよりもシート幅方向左側において、前方に湾曲しつつ突出している。前側の帰還マニホールド127の端部127aは、後側の帰還マニホールド127の端部127aよりもシート幅方向右側において、後方に湾曲しつつ突出している。後側の帰還マニホールド127における、前側の帰還マニホールド127の端部127aと搬送方向に並ぶ部分は、後方に凹むように湾曲している。これにより、前側の帰還マニホールド127の端部127aの桁を確保することができる。前側の帰還マニホールド127の端部127aは、本発明の第1端部の一例である。
プレート115には、平面視で略扇形状の貫通孔115a,115bが形成されている。貫通孔115aは、後側の供給マニホールド126の端部126aと上下に部分的に重なる位置に形成されている。つまり、貫通孔115aは、上方から見たとき、後側の供給マニホールド126と重なる部分と、後側の供給マニホールド126とは重ならずに前方に突出した部分とを有する。上方から見たとき、後側の供給マニホールド126の端部126aの弧状に湾曲した部分は、貫通孔115aの弧状に湾曲した部分と重なっている。貫通孔115bは、前側の供給マニホールド126の端部126aと上下に部分的に重なる位置に形成されている。つまり、貫通孔115bは、上方から見たとき、前側の供給マニホールド126と重なる部分と、前側の供給マニホールド126とは重ならずに後方に突出した部分とを有する。上方から見たとき、前側の供給マニホールド126の端部126aの弧状に湾曲した部分は、貫通孔115bの弧状に湾曲した部分と重なっている。そして、貫通孔115a,115bにより、バイパス流路160a,160bが形成されている。
バイパス流路160a,160bの各々の上下方向の寸法である深さは、プレート115の上下方向の厚み(例えば50〜100μm程度)と同じである。また、バイパス流路160a,160bの各々において、供給マニホールド126と端部126aと上下に重ならない部分の、インクが流れる方向の距離l(例えば400〜500μm程度)を長さと定義し、インクが流れる方向と直交する方向の距離の最小値w(例えば300〜400μm程度)を幅と定義したとき、上下方向の深さは、長さ及び幅よりも小さい。また、プレート115の上下方向の厚みは、供給マニホールド126が形成されたプレート114の上下方向の厚み、及び帰還マニホールド127が形成されたプレート117の上下方向の厚みよりも小さい。プレート115は、本発明のバイパスプレートの一例である。
プレート116には、平面視で略円形の貫通孔116a,116bが形成されている。貫通孔116aは、その全体が、貫通孔115aの前方に突出した部分及び前側の帰還マニホールド127と、上下に重なるように形成されている。貫通孔116bは、その全体が、貫通孔115bの後方に突出した部分及び後側の帰還マニホールド127と、上下に重なるように形成されている。そして、後側の供給マニホールド126の端部126aは、バイパス流路160a及び貫通孔116aを介して、前側の帰還マニホールド127の端部127aと接続されている。同様に、前側の供給マニホールド126の端部126aは、バイパス流路160b及び貫通孔116bを介して、後側の帰還マニホールド127の端部127aと接続されている。プレート116は、本発明の連通プレートの一例である。
上述したように、帰還マニホールド127は、供給マニホールド126よりもシート幅方向の右側まで延びている。これにより、流出口129が、流入口128よりもシート幅方向の右側に配置される。すなわち、流入口128と流出口129とがシート幅方向にずれて配置されている。
また、流路ユニット101の上面には、共通流入流路131と共通流出流路132とにまたがって延びたフィルタ部材130が配置されている。フィルタ部材130が配置された流路ユニット101の上面には、共通流入流路131及び共通流出流路132と重なる部分に、流路部材133が配置されている。
流路部材133には、流路134〜137が形成されている。流路134、135は、それぞれ、共通流入流路131及び共通流出流路132の全長にわたって搬送方向に延びている。流路136、137は、それぞれ、流路134、135の搬送方向の中央部に接続され、流路134、135との接続部分から上方に延びている。流路136、137の上端部は、図示しないチューブなどを介して、インクタンク140と接続されている。
そして、インクタンク140に貯留されたインクが、流路部材133の流路134、136を介して、流路ユニット101の共通流入流路131に流れ込む。このとき、フィルタ部材130によりインク中の異物などが捕捉され、流路ユニット101への異物の流入が妨げられる。共通流入流路131に流れ込んだインクは、流入口128から供給マニホールド126に供給される。そして、供給マニホールド126においては、シート幅方向の右側から左側に向かってインクが流れ、個別流路108(絞り流路121)及びバイパス流路160にインクを供給する。
また、帰還マニホールド127においては、個別流路108(循環用流路123)及びバイパス流路160からインクが流れ込み、シート幅方向の左側から右側に向かってインクが流れ、流出口129からインクが流出する。流出口129から流出したインクは、流路ユニット101の共通流出流路132、及び、流路部材133の流路135、137を介して、インクタンク140に戻される。
このように、第2実施形態では、インクジェットヘッド100とインクタンク140との間でインクが循環する。また、流路136とインクタンク140との間の流路の途中にポンプ145が設けられており、ポンプが駆動されることによって、インクジェットヘッド3とインクタンク140との間を循環するインクの流れが生じる。なお、ポンプ145は、流路137とインクタンク140との間の流路の途中に設けられていてもよい。
また、例えば、印刷時に多数のノズル125から同時にインクが吐出されるときなど、インクジェットヘッド100でのインクの消費量が多いときには、インクタンク140に貯留されたインクが、流路部材133の流路135、137を介して、流路ユニット101の共通流出流路132に流れ込む。このとき、フィルタ部材130によりインク中の異物などが捕捉され、流路ユニット101への異物の流入が妨げられる。共通流出流路132に流れ込んだインクは、さらに流出口129から帰還マニホールド127に流れ込み、個別流路108に供給される。これにより、インクジェットヘッド3では、インクの消費量が多いときに、供給マニホールド126と帰還マニホールド127の両方から個別流路108にインクが供給され、インクの供給不足が生じてしまうのが防止される。
また、図8(a)〜9(b)に示されるように、流路ユニット101には、プレート115の下側の部分とプレート116の上側の部分にまたがってシート幅方向及び搬送方向に延び、供給マニホールド126及び帰還マニホールド127と上下に重なるダンパ室139が形成されている。そして、プレート115の上端部によって形成される、供給マニホールド126とダンパ室139とを隔てる隔壁が変形することにより、供給マニホールド126内のインクの圧力変動が抑制される。また、プレート116の下端部によって形成される、帰還マニホールド127とダンパ室139とを隔てる隔壁が変形することにより、帰還マニホールド127内のインクの圧力変動が抑制される。
以上に説明した第2実施形態においても、各バイパス流路160の上下方向の深さは、長さ及び幅よりも小さい。そして、各バイパス流路160はプレート115に形成された貫通孔115a,115bによって形成されている。このため、各バイパス流路160の深さは、プレート115の厚みと等しい。つまり、各バイパス流路160の長さ、幅、深さのうち、最も小さな値である深さは、プレート115の厚みによって決定される。そして、プレート115の厚みのバラツキは、各バイパス流路160を形成する際のエッチングによる長さ及び幅のバラツキに比べて極めて小さい。このため、複数のバイパス流路160をエッチングによって形成する際の流路抵抗のバラツキを小さくすることができる。
また、第2実施形態において、供給マニホールド126の端部126aの弧状に湾曲した部分は、上方から見たとき、上下に部分的に重なるバイパス流路160の弧状に湾曲した部分と重なっている。つまり、上方から見たとき、バイパス流路160の輪郭は、供給マニホールド126の端部126aの輪郭と、部分的に重なっている。このため、供給マニホールド126とバイパス流路160との接続部分において、流路面積が急縮小することによる圧力損失を抑えることができる。
また、第2実施形態においては、バイパス流路160が形成されたプレート15と、帰還マニホールド127が形成されたプレート117との間に、貫通孔116a,116bが形成されたプレート116が配置されている。このため、帰還マニホールド127と干渉することなくバイパス流路160を形成することができる。さらに、バイパス流路160と貫通孔116a,116bとが上下に重なることにより、流路を立体的に構成することができるので、流路ユニット101の搬送方向の寸法の増加を抑えることができる。
また、第2実施形態において、バイパス流路160が形成されたプレート115は、供給マニホールド126とダンパ室139とを隔てる隔壁を兼ねており、貫通孔116a,116bが形成されたプレート116は、帰還マニホールド127とダンパ室139とを隔てる隔壁を兼ねている。このため、流路ユニット101を構成するプレートの枚数の増加を抑えることができる。
また、第2実施形態では、6つの供給マニホールド126がプレート114に形成されており、6つの帰還マニホールド127がプレート117に形成されている。つまり、6つの供給マニホールド126と6つの帰還マニホールド127の上下方向の位置が異なる。そして、6つの供給マニホールド126と6つの帰還マニホールド127とは、上下に重なっている。このため、流路ユニット101の搬送方向の寸法の増加を抑えることができる。
なお、第2実施形態において、各バイパス流路160は1枚のプレート115に形成されていたが、例えば、2枚のプレートを貫通する貫通孔によって形成されてもよい。この場合、2枚のプレートを貼り合わせる際の位置ずれを許容するため、上下に重なる2つの貫通孔のうち、いずれか一方の幅が所定の幅よりも広くなっていてもよい。
以上、本発明の実施形態及び変形例について説明したが、本発明はこれらに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能である。
上記の実施形態及び変形例において、プリンタ1は、プリンタ1に対して固定されたシート幅方向に長いヘッドバー2からインクを吐出する所謂ラインヘッド方式で、記録用紙Pへの印刷を行う。しかし、プリンタ1は、キャリッジによってインクジェットヘッドをシート幅方向に移動させる所謂シリアルヘッド方式で、記録用紙Pへの印刷を行ってもよい。
上記の実施形態及び変形例では、ノズルからインクを吐出するインクジェットヘッドに本発明を適用した例について説明したが、これには限られない。ノズルからインク以外の液体を吐出する、インクジェットヘッド以外の液体吐出装置に本発明を適用することも可能である。
1 プリンタ
3,100 インクジェットヘッド
21,101 流路ユニット
22,102 圧電アクチュエータ
28,108 個別流路
46,126 供給マニホールド
47,127 帰還マニホールド
60,160 バイパス流路

Claims (15)

  1. 液体吐出ヘッドであって、
    複数のノズルが開口するノズル面を有し、前記複数のノズルとそれぞれ連通する複数の個別流路と、前記複数の個別流路に対して共通に接続された第1マニホールド流路と、前記複数の個別流路に対して共通に接続された第2マニホールド流路と、前記第1マニホールド流路及び前記第2マニホールド流路と接続されたバイパス流路とが形成された流路部材と、
    前記流路部材の前記ノズル面とは反対側の面に配置され、前記複数の個別流路を流れる液体に吐出エネルギーを付与する圧電アクチュエータとを備え、
    前記流路部材は、前記ノズル面に平行に配置され、前記バイパス流路が形成されたバイパスプレートを含み、
    前記バイパス流路の深さは、前記バイパス流路の長さ及び幅よりも小さく、且つ、前記バイパスプレートの、前記ノズル面と直交する第1方向の厚みと同じである液体吐出ヘッド。
  2. 前記流路部材は、前記ノズル面に平行に配置され、前記第1マニホールド流路及び前記第2マニホールド流路が形成されたマニホールドプレートをさらに備える請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記バイパスプレートの前記第1方向の厚みは、前記マニホールドプレートの前記第1方向の厚みよりも小さい請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記バイパス流路の幅は、前記バイパス流路の長さ方向に沿って一定である請求項2又は3に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記複数の個別流路は、前記ノズル面に沿う第2方向に並べられており、
    前記第1マニホールド流路及び前記第2マニホールド流路の各々は、前記第2方向に延びており、
    前記第1マニホールド流路及び前記第2マニホールド流路は、前記ノズル面に沿い且つ前記第2方向と交差する第3方向に並べられており、
    前記バイパス流路は、前記第1マニホールド流路の前記第2方向の一方側の端部と、前記第2マニホールド流路の前記第2方向の前記一方側の端部とを接続する請求項2〜4のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記マニホールドプレートは、前記ノズル面と対向する第1面と、前記第1面とは前記第1方向の反対側の第2面とを有し、
    前記バイパスプレートは、前記マニホールドプレートの前記第1面に接合されている請求項2〜5のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記マニホールドプレートは、前記ノズル面と対向する第1面と、前記第1面とは前記第1方向の反対側の第2面とを有し、
    前記バイパスプレートは、前記マニホールドプレートの前記第2面に接合されている請求項2〜5のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  8. 前記流路部材の、前記第1マニホールド流路及び前記第2マニホールド流路と第1方向に対向する位置にはそれぞれ、前記バイパスプレートによって画定されたダンパ室が形成されている請求項6に記載の液体吐出ヘッド。
  9. 前記流路部材は、前記ノズル面に平行に配置され、複数の圧力室が形成された圧力室プレートをさらに備え、
    前記複数の圧力室の各々は、前記複数の個別流路のいずれか一つに含まれる請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  10. 前記流路部材は、
    前記ノズル面に平行に配置され、前記第1マニホールド流路が形成された第1マニホールドプレートと、
    前記ノズル面に平行に配置され、前記第2マニホールド流路が形成された第2マニホールドプレートと、をさらに備え、
    前記バイパスプレートは、前記第1方向において、前記第1マニホールドプレートと前記第2マニホールドプレートとの間に配置されている請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  11. 前記バイパスプレートの前記第1方向の厚みは、前記第1マニホールドプレートの前記第1方向の厚み、及び前記第2マニホールドプレートの前記第1方向の厚みよりも小さい請求項10に記載の液体吐出ヘッド。
  12. 前記複数の個別流路は、前記ノズル面に沿う第2方向に並べられており、
    前記第1マニホールド流路及び前記第2マニホールド流路の各々は、前記第2方向に延びており、
    前記バイパス流路は、前記第1マニホールド流路の前記第2方向の一方側の端部と、前記第2マニホールド流路の前記第2方向の前記一方側の端部とを接続する請求項10又は11に記載の液体吐出ヘッド。
  13. 前記流路部材は、前記ノズル面に平行に配置された連通プレートをさらに備え、
    前記第2マニホールドプレート、前記連通プレート、前記バイパスプレート、及び前記第1マニホールドプレートは、前記ノズル面に近い方からこの順序で前記第1方向に積層されており、
    前記連通プレートには、前記連通プレートを前記第1方向に貫通する貫通孔が形成されており、
    前記貫通孔の全体が、前記バイパス流路及び前記第2マニホールド流路と、前記第1方向に重なっている請求項10〜12のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  14. 前記第1方向から見たとき、前記バイパス流路の輪郭は、前記第1マニホールド流路の前記第2方向の前記一方側の端部の輪郭と、部分的に重なっている請求項12に記載の液体吐出ヘッド。
  15. 前記第1マニホールドプレートには、前記第1マニホールド流路を含む複数の第1マニホールド流路が形成されており、
    前記複数の第1マニホールド流路は、前記ノズル面に沿い且つ前記第2方向と交差する第3方向に並べられており
    前記第2マニホールドプレートには、前記第2マニホールド流路を含む複数の第2マニホールド流路が形成されており、
    前記複数の第2マニホールド流路はそれぞれ、前記複数の第1マニホールドと前記第1方向に重なるように、前記第3方向に並べられており、
    前記第3方向に隣接する2つの第2マニホールド流路において、一方の第2マニホールド流路は他方の第2マニホールド流路よりも前記第2方向の前記一方側に長く、
    前記他方の第2マニホールド流路の前記第2方向の前記一方側の第1端部は、前記一方の第2マニホールド流路に向かって湾曲しつつ突出しており、
    前記一方の第2マニホールド流路の、前記他方の第2マニホールド流路の前記第1端部と前記第3方向に隣接する部分は、前記他方の第2マニホールドから前記一方の第2マニホールドの向かう方向に凹むように湾曲している請求項12に記載の液体吐出ヘッド。
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