JP2020167974A - インビトロバイオフィルムモデル用菌体組成物及びその用途 - Google Patents

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悠菜 瀧本
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Abstract

【課題】実際の口腔内のバイオフィルム、中でも、デンチャーバイオフィルムを想定したインビトロバイオフィルムモデル用の菌体組成物を提供することである。本発明の目的はさらに、バイオフィルム形成予防・治療剤の有効成分の候補物質の開発において、候補物質のバイオフィルム形成抑制能のプレ評価に有用なインビトロバイオフィルムモデル用の菌体組成物を提供することである。【解決手段】ストレプトコッカス属細菌、ベイヨネラ属細菌、アクチノマイセス属細菌、プレボテラ属細菌、ナイセリア属細菌、フソバクテリア属細菌、及びカンジダ属真菌の菌体を含む、インビトロバイオフィルムモデル用の菌体組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、インビトロバイオフィルムモデル用菌体組成物及びその用途に関し、詳しくは菌体組成物、インビトロバイオフィルム、その製造方法、インビトロバイオフィルム形成抑制能の評価方法、インビトロバイオフィルム作製用のキット、インビトロバイオフィルム形成抑制能評価用のキットに関する。
高齢化に伴い、義歯装着者数は、増加傾向にある。義歯に生育する細菌及び真菌は、高齢者特有の疾患の原因となり得ること、中でもCandida属真菌は、義歯性口内炎の原因菌であることが報告されている。Candida属真菌は、口腔内細菌と共に、義歯表面にバイオフィルムを形成して生育し、疾患の原因となる。そのため、疾患の予防においては、バイオフィルムの制御が重要である。
バイオフィルムを制御する有効成分の探索及び評価手段として、従来の動物実験やヒトでの臨床試験の他に、1種又は2種以上の細菌を利用するインビトロ評価系が提案されている。インビトロ評価系によれば、動物実験のような倫理的問題及び動物とヒトの口腔内環境の相違に起因する問題を解消できる。また、ヒトでの臨床試験のような被験者への多大な負担が解消でき、費用及び時間の節約も期待できる。
インビトロ評価系としては、インビトロバイオフィルムモデルが検討されている。カンジダ属真菌を利用するインビトロバイオフィルムとしては例えば、カンジダ属真菌のみ、又はカンジダ属真菌とストレプトコッカス属細菌の2菌種を、スクロース、血清存在下で培養して得られるインビトロバイオフィルムモデル、11菌種を用いた義歯性のバイオフィルムモデルが報告されている(非特許文献1〜3)。
白井ら,老年歯科医学,19,3(2004)156−60「各種義歯洗浄剤のバイオフィルム形成Candida albicansに対する除去効果」(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsg1987/19/3/19_156/_pdf/−char/ja) Li et al.,Molecular Oral Microbiology,25(2010)384−90"In vitro study of biofilm formation and effectiveness of antimicrobial treatment on various dental material surfaces" Sherry et al.,Frontiers in Microbiology、Vol.7、Article 912(2016)"Viable Compositional Analysis of an Eleven Species Oral Polymicrobial Biofilm"(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4902011/pdf/fmicb−07−00912.pdf)
しかしながら、従来技術のように、カンジダ菌のみあるいはカンジダ属真菌とストレプトコッカス属細菌の2菌種のインビトロバイオフィルム、実際の口腔内には長時間存在しない量のスクロース、血清存在下で培養して作製されたインビトロバイオフィルムは、実環境との間に乖離が生じていることが懸念される。また、前記11菌種から得られるインビトロバイオフィルムモデルは、その調製において、多数の菌を3群に分け多段階方式による(ある群を培養してバイオフィルムを形成させた後他の群を順次添加して培養を続ける)ことから、操作の煩雑さ、バイオフィルム中の菌の存在状態(各菌が(層状に)局在化)の実環境との乖離が懸念される。また、多段階添加であるため、バイオフィルム形成抑制評価ツールとしてのプレバイオフィルムモデル処方には適していないという問題もある。
本発明の目的は、実際の口腔内のバイオフィルム、中でも、義歯の表面に形成されるバイオフィルム(以下、デンチャーバイオフィルムと言う)を想定したインビトロバイオフィルムモデル用の菌体組成物を提供することである。本発明の目的はさらに、バイオフィルム形成予防・治療剤の有効成分の候補物質の開発において、候補物質のバイオフィルム形成抑制能のプレ評価に有用なインビトロバイオフィルムモデル用の菌体組成物を提供することである。
本発明者らは、下記の〔1〕〜〔14〕を提供する。
〔1〕ストレプトコッカス属細菌、ベイヨネラ属細菌、アクチノマイセス属細菌、プレボテラ属細菌、ナイセリア属細菌、フソバクテリア属細菌、及びカンジダ属真菌の菌体を含む、インビトロバイオフィルムモデル用の菌体組成物。
〔2〕下記(1)〜(7)からなる群より選ばれる少なくとも1つを満たす、〔1〕に記載の菌体組成物。
(1)ストレプトコッカス属細菌がストレプトコッカス・ゴルドニー及びストレプトコッカス・ミュータンスのいずれかを少なくとも含むこと
(2)ベイヨネラ属細菌がベイヨネラ・パルビュラを少なくとも含むこと
(3)アクチノマイセス属細菌がアクチノマイセス・ネスランディを少なくとも含むこと
(4)プレボテラ属細菌がプレボテラ・インターメディアを少なくとも含むこと
(5)ナイセリア属細菌がナイセリア・サブフラーバを少なくとも含むこと
(6)フソバクテリア属細菌がフソバクテリウム・ヌクレアタムを少なくとも含むこと
(7)カンジダ属真菌がカンジダ・アルビカンス及びカンジダ・グラブラータのいずれかを少なくとも含むこと
〔3〕インビトロデンチャーバイオフィルムモデル用である、〔1〕又は〔2〕に記載の菌体組成物。
〔4〕〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の菌体組成物を含有する、インビトロバイオフィルム。
〔5〕ストレプトコッカス属細菌、ベイヨネラ属細菌、アクチノマイセス属細菌、プレボテラ属細菌、ナイセリア属細菌、フソバクテリア属細菌、及びカンジダ属真菌の菌体量の合計を100質量%としたとき、以下の(a)〜(f)からなる群より選ばれる少なくとも1つを満たす、〔4〕に記載のインビトロバイオフィルム。
(a)ストレプトコッカス属細菌及びベイヨネラ属細菌の合計菌体量の構成比が45〜55質量%であること
(b)アクチノマイセス属細菌の菌体量の構成比が30〜40質量%であること
(c)プレボテラ属細菌の菌体量の構成比が1〜10質量%であること
(d)ナイセリア属細菌の菌体量の構成比が1〜10質量%であること
(e)フソバクテリア属細菌の菌体量の構成比が1〜10質量%であること
(f)カンジダ属真菌の含有量が0.1〜1質量%であること
〔6〕付着用担体上に付着している、〔4〕又は〔5〕に記載のインビトロバイオフィルム。
〔7〕付着用担体が有機材料製である、〔6〕に記載のインビトロバイオフィルム。
〔8〕ストレプトコッカス属細菌、ベイヨネラ属細菌、アクチノマイセス属細菌、プレボテラ属細菌、ナイセリア属細菌、フソバクテリア属細菌、及びカンジダ属真菌の菌体を含有する、インビトロバイオフィルム作製用又はインビトロバイオフィルム形成抑制評価用のインビトロバイオフィルム形成用菌体組成物。
〔9〕以下の(A)〜(G)からなる群より選ばれる少なくとも1つを満たす、〔8〕に記載のインビトロバイオフィルム形成用菌体組成物。
(A)ストレプトコッカス属細菌の菌体含有量が1×104cfu/mL以上1×108cfu/mL以下であること
(B)ベイヨネラ属細菌の菌体含有量が1×104cfu/mL以上1×108cfu/mL以下であること
(C)アクチノマイセス属細菌の菌体含有量が1×106cfu/mL以上1×1010cfu/mL以下であること
(D)プレボテラ属細菌の菌体含有量が1×105cfu/mL以上1×1011cfu/mL以下であること
(E)ナイセリア属細菌の菌体含有量が1×105cfu/mL以上1×1011cfu/mL以下であること
(F)フソバクテリウム属細菌の菌体含有量が1×104cfu/mL以上1×108cfu/mL以下であること
(G)カンジダ属真菌の菌体含有量が1.1×104cfu/mL以上1.1×108cfu/mL以下であること
〔10〕〔8〕又は〔9〕に記載のインビトロバイオフィルム形成用菌体組成物及び付着用担体を含むインビトロバイオフィルム作製用のキット。
〔11〕〔8〕又は〔9〕に記載のインビトロバイオフィルム形成用菌体組成物及び付着用担体を含む、被験サンプルのインビトロバイオフィルム形成抑制能評価用のキット。
〔12〕付着用担体が有機材料製である〔10〕又は〔11〕に記載のキット。
〔13〕ストレプトコッカス属細菌、ベイヨネラ属細菌、アクチノマイセス属細菌、プレボテラ属細菌、ナイセリア属細菌、フソバクテリア属細菌、及びカンジダ属真菌を付着用担体と共に培養することを含むインビトロバイオフィルムの製造方法。
〔14〕ストレプトコッカス属細菌、ベイヨネラ属細菌、アクチノマイセス属細菌、プレボテラ属細菌、ナイセリア属細菌、フソバクテリア属細菌、及びカンジダ属真菌を付着用担体及び被験サンプルとともに培養すること、及び
インビトロバイオフィルムの形成の程度を確認すること、
を含む、被験サンプルのバイオフィルム形成抑制能の評価方法。
本発明によれば、従来よりも実際の口腔内のバイオフィルムにより近い組成のインビトロバイオフィルムモデル用の菌体組成物が形成される。本発明の菌体組成物は、デンチャーバイオフィルムを再現でき、被験サンプル(例えば、バイオフィルムの分散剤及び除去剤、並びに殺菌剤及び抗菌剤等の剤の有効成分候補物質)のバイオフィルム形成抑制能の評価に用いることができる。また、本発明の菌体組成物は、口腔分野等の幅広い分野で、バイオフィルム形成予防・治療剤の有効成分の候補物質の開発において、候補物質のバイオフィルム形成抑制能評価に用いることができる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
[インビトロバイオフィルムモデル]
本明細書においてインビトロバイオフィルムモデルとは、インビトロバイオフィルムに関する技術を包括的に表す用語である。すなわち、インビトロバイオフィルム(全体及び一部)のみならず、その前駆体(例えば、インビトロバイオフィルム製造用またはインビトロバイオフィルム形成抑制評価用に使用するためのインビトロバイオフィルム形成用菌体組成物、作製用・評価用キット等)を意味する。
[菌体組成物]
菌体組成物は、ストレプトコッカス属細菌、ベイヨネラ属細菌、アクチノマイセス属細菌、プレボテラ属細菌、ナイセリア属細菌、フソバクテリア属細菌、及びカンジダ属真菌に由来する。カンジダ属真菌と口腔内の特定の常在菌及び病原菌を組み合わせることにより、実際の口腔内のバイオフィルム、中でもデンチャーバイオフィルムに近い組成のインビトロバイオフィルムモデルに用いることができる。
[ストレプトコッカス属細菌]
ストレプトコッカス(Streptococcus)属細菌としては、例えば、ストレプトコッカス・ゴルドニー(Streptococcus gordonii)、ストレプトコッカス・オラーリス(Streptococcus oralis)、ストレプトコッカス・ミティス(Streptococcus mitis)、ストレプトコッカス・サリバリウス(Streptococcus salivarius)、ストレプトコッカス・サングイニイス(Streptococcus sanguinis)、ストレプトコッカス・クリスタタス(Streptococcus cristatus)、ストレプトコッカス・インターメディウス(Streptococcus intermedius)、ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)、ストレプトコッカス・ソブリナス(Streptococcus sobrinus)、ストレプトコッカス・ニューモニア(Streptococcus pneumoniae)が挙げられる。これらのうち、ストレプトコッカス・ゴルドニー、ストレプトコッカス・ミュータンスが好ましい。ストレプトコッカス属細菌は、1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[ベイヨネラ属細菌]
ベイヨネラ(Veillonella)属細菌としては、例えば、ベイヨネラ・パルビュラ(Veillonella parvula)、ベイヨネラ・ディスパー(Veillonella dispar)が挙げられる。これらのうち、ベイヨネラ・パルビュラが好ましい。ベイヨネラ属細菌は、1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[アクチノマイセス属細菌]
アクチノマイセス(Actinomyces)属細菌としては、例えば、アクチノマイセス・ビスコーサス(Actinomyces viscosus)、アクチノマイセス・ネスランディ(Actinomyces naeslundii)、アクチノマイセス・オーリス(Actinomyces oris)、アクチノマイセス・イスラエリイ(Actinomyces israelii)、アクチノマイセス・オドントリティカス(Actinomyces odontolyticus)が挙げられる。これらのうち、アクチノマイセス・ネスランディが好ましい。アクチノマイセス属細菌は、1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[プレボテラ属細菌]
プレボテラ(Prevotella)属細菌としては例えば、プレボテラ・インターメディア(Prevotella intermedia)、プレボテラ・ブカエ(Prevotella buccae)、プレボテラ・デンタリス(Prevotella dentalis)、プレボテラ・ヘパリノリティカ(Prevotella heparinolytica)、プレボテラ・オラリス(Prevotella oralis)、プレボテラ・オリス(Prevotella oris)、プレボテラ・オウロラム(Prevotella oulorum)、プレボテラ・ベロラリス(Prevotella veroralis)が挙げられる。これらのうち、プレボテラ・インターメディアが好ましい。プレボテラ属細菌は、1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[ナイセリア属細菌]
ナイセリア(Neisseria)属細菌としては、例えば、ナイセリア・サブフラーバ(Neisseria subflava)、ナイセリア・デニトリフィカンス(Neisseria denitrificans)、ナイセリア・フラベセンス(Neisseria flavescens)、ナイセリア・ミュコーサ(Neisseria mucosa)、ナイセリア・シッカ(Neisseria sicca)が挙げられる。これらのうち、ナイセリア・サブフラーバが好ましい。ナイセリア属細菌は、1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[フソバクテリウム属細菌]
フソバクテリウム(Fusobacterium)属細菌としては、例えば、フソバクテリウム・ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)、フソバクテリウム・ゴニディアフォーマンス(Fusobacterium gonidiaformans)が挙げられる。これらのうち、フソバクテリウム・ヌクレアタムが好ましい。フソバクテリウム属細菌は、1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[カンジダ属真菌]
カンジダ(Candida)属真菌としては、例えば、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・グラブラータ(Candida glabrata)、カンジダ・クルーセイ(Candida krusei)、カンジダ・パラプシローシス(Candida parapsilosis)、カンジダ・トロピカリス(Candida tropicalis)が挙げられる。これらのうち、カンジダ・アルビカンス、カンジダ・グラブラータが好ましい。カンジダ属真菌は、1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
菌体組成物は、上記した各菌の菌体を含めばよく、他の菌種を含んでもよい。他の菌種は特に限定されないが、デンチャーバイオフィルム又は口腔内の細菌叢を構成する菌であることが好ましく、例えば、Capnocytophaga属細菌、Corynebacterium属細菌、Rothia属細菌、Leptotrichia属細菌、Selenomonas属細菌、Campylobacter属細菌、Lautropia属細菌、Granulicatella属細菌、Haemophilus属細菌、Kingella属細菌、Tannerella属細菌、Staphylococcus属細菌が挙げられる。菌体は生菌体であることが好ましい。
[菌体組成物の組成]
菌体組成物の組成は、特に限定されない。一例を挙げると、ストレプトコッカス属細菌、ベイヨネラ属細菌、アクチノマイセス属細菌、プレボテラ属細菌、ナイセリア属細菌、フソバクテリア属細菌、及びカンジダ属真菌の菌体量の合計を100質量%としたとき、インビトロバイオフィルムを構成する各菌体の構成比は、以下のいずれかのうちの1つ以上を満たすことが好ましく、全てを満たすことが好ましい。これにより、菌体組成物は、インビトロバイオフィルムとして好ましく用いることができる:
ストレプトコッカス属細菌及びベイヨネラ属細菌の合計菌体量の構成比が好ましくは40質量%以上、特に45質量%以上であること、又は60質量%以下、特に55質量%以下であること、より好ましくは40〜60質量%、特に45〜55質量%であること、
アクチノマイセス属細菌の菌体量の構成比が好ましくは25質量%以上、特に30質量%以上であること、又は50質量%以下、特に40質量%以下であること、より好ましくは25〜50質量%、特に30〜40質量%であること、
プレボテラ属細菌の菌体量の構成比が好ましくは0.5質量%以上、特に1質量%以上であること、又は15質量%以下、特に10質量%以下であること、より好ましくは0.5〜15質量%、特に1〜10質量%であること、
ナイセリア属細菌の菌体量の構成比が好ましくは0.5質量%以上、特に1質量%以上であること、又は15質量%以下、特に10質量%以下であること、より好ましくは0.5〜15質量%、特に1〜10質量%であること、
フソバクテリア属細菌の菌体量の構成比が好ましくは0.1質量%以上、特に1質量%以上であること、又は15質量%以下、特に10質量%以下であること、より好ましくは0.1〜15質量%、特に1〜10質量%であること、及び
カンジダ属真菌の菌体量の構成比が好ましくは0.1質量%以上であること、又は5質量%以下、特に1質量%以下であること、より好ましくは0.1〜5質量%、特に0.1〜1質量%であること。
上記菌体構成比は、2種以上の菌において満たすことが好ましく、全ての菌が満たすことがより好ましい。これにより菌体組成物は、インビトロバイオフィルムとして好適であり、中でもデンチャーバイオフィルムに近い組成を有するインビトロデンチャーバイオフィルムとして用いることができる。上記菌体構成比は、デンチャーバイオフィルムの各細菌が属する門の細菌構成比(例えば以下の文献)を参照して推定した構成比である。
・PLoS One,10(9),2015(doi:10.1371/journal.pone.0137717)
The Oral Microbiome of Denture Wearers Is Influenced by Levels of Natural Dentition.
・mSphere,1(6),2016(doi:10.1128/mSphere.00215−16)
The Denture−Associated Oral Microbiome in Health and Stomatitis.
菌体組成物に含まれる菌体は、生菌体が好ましい。菌体は前培養を経ていてもよい。前培養の条件(例、培地、培養温度、培養時間)は、それぞれの菌体に適した条件であればよい。
[インビトロバイオフィルム形成用菌体組成物、播種菌量]
本明細書において、インビトロバイオフィルム形成用菌体組成物は、インビトロバイオフィルム作製用、又はインビトロバイオフィルム形成抑制評価用に供される菌体組成物である。インビトロバイオフィルム形成用菌体組成物は、それ自体がインビトロバイオフィルムではないが、培養後にインビトロバイオフィルムを形成する培養未完了の組成物である。これにより、インビトロバイオフィルム形成用菌体組成物は、インビトロバイオフィルム作製用の出発材料として用いることができる。また、被験サンプルのバイオフィルム形成抑制能の評価用材料として用いることができる。
インビトロバイオフィルム形成用菌体組成物は、ストレプトコッカス属細菌、ベイヨネラ属細菌、アクチノマイセス属細菌、プレボテラ属細菌、ナイセリア属細菌、フソバクテリア属細菌、及びカンジダ属真菌の菌体を含む。インビトロバイオフィルム形成用菌体組成物中の播種時の菌量(播種菌量)は、上記6種のうち1種又は2種以上の菌の播種菌量が以下の範囲を満たすことが好ましく、すべての播種菌量が以下の範囲を満たすことが好ましい。なお、播種菌量は、インビトロバイオフィルム形成用菌体組成物中の培地1mLあたりの菌体含有量(単位:コロニーフォーミングユニット(cfu))である。
ストレプトコッカス属細菌の播種菌量は、好ましくは1×104cfu/mL以上、より好ましくは1×105cfu/mL以上である。上限は好ましくは1×108cfu/mL以下、より好ましくは107cfu/mL以下である。従って、好ましくは1×104〜1×108cfu/mL、より好ましくは1×105〜1×107cfu/mLである。
ベイヨネラ属細菌の播種菌量は、好ましくは1×104cfu/mL以上、より好ましくは1×105cfu/mL以上である。上限は好ましくは1×108cfu/mL以下、より好ましくは107cfu/mL以下である。従って、好ましくは1×104〜1×108cfu/mL、より好ましくは1×105〜1×107cfu/mLである。
アクチノマイセス属細菌の播種菌量は、好ましくは1×106cfu/mL以上、より好ましくは1×107cfu/mL以上である。上限は好ましくは1×1010cfu/mL以下、より好ましくは1×109cfu/mL以下である。従って、好ましくは1×106〜1×1010cfu/mL、より好ましくは1×107〜1×109cfu/mLである。
プレボテラ属細菌の播種菌量は、好ましくは1×105cfu/mL以上、より好ましくは5×106cfu/mL以上である。上限は好ましくは1×1011cfu/mL以下、より好ましくは5×108cfu/mL以下である。従って、好ましくは1×105〜1×1011cfu/mL、より好ましくは5×106〜5×108cfu/mLである。
ナイセリア属細菌の播種菌量は、好ましくは1×105cfu/mL以上、より好ましくは5×106cfu/mL以上である。上限は、好ましくは1×1011cfu/mL以下、より好ましくは5×108cfu/mL以下である。従って、好ましくは1×105〜1×1011cfu/mL、より好ましくは5×106〜5×108cfu/mLである。
フソバクテリウム属細菌の播種菌量は、好ましくは1×104cfu/mL以上、より好ましくは1×105cfu/mL以上である。上限は、好ましくは1×108cfu/mL以下、より好ましくは1×107cfu/mL以下である。従って、好ましくは1×104〜1×108cfu/mL、より好ましくは1×105〜1×107cfu/mLである。
カンジダ属真菌の播種菌量は、好ましくは1.1×104cfu/mL以上、より好ましくは5.5×104cfu/mL以上である。上限は、好ましくは1.1×108cfu/mL以下、より好ましくは5.5×106cfu/mL以下である。従って、好ましくは1.1×104〜1.1×108cfu/mL、より好ましくは5.5×104〜5.5×106cfu/mLである。C.albicansの播種菌量は、好ましくは1×104cfu/mL以上、より好ましくは5×104cfu/mL以上である。上限は、好ましくは1×108cfu/mL以下、より好ましくは5×106cfu/mL以下である。従って、好ましくは1×104〜1×108cfu/mL、より好ましくは5×104〜5×106cfu/mLである。C.glablataの播種菌量は、好ましくは1×103cfu/mL以上、より好ましくは5×103cfu/mL以上である。上限は、好ましくは1×107cfu/mL以下、より好ましくは5×105cfu/mL以下である。従って、好ましくは1×103〜1×107cfu/mL、より好ましくは5×103〜5×105cfu/mLである。
上述のインビトロバイオフィルム形成用菌体組成物(通常は、液状組成物)を培養することにより、上述の好ましい菌体組成を有するインビトロバイオフィルムを得ることができる。あるいは、バイオフィルム形成抑制剤と共に培養しバイオフィルム形成の有無を試験することにより、バイオフィルム形成抑制効果を評価することができる。例えば、培養後にバイオフィルムが形成されなければバイオフィルム形成抑制効果が高く、形成された場合は効果が低いと評価できる。
菌体組成物は、さらに培地を含んでもよい。インビトロバイオフィルム形成用菌体組成物の場合、通常は培地を含む。培地は、通常の栄養培地であればよく、液体培地及び固体培地の何れでもよいが、液体培地が好ましい。培地が含み得る炭素源としては、例えば、グルコース、スクロース、フラクトース、マルトース、マンノース、でんぷんが挙げられ、グルコースが好ましい。グルコースの含有量は、0.01〜0.08質量%が好ましい。窒素源としては、例えば、ペプトン、プロテオースペプトン、トリプトン、酵母エキスが挙げられる。プロテオースペプトンの含有量は1〜20質量%であればよく、好ましくは2〜5質量%である。無機塩類としては、例えば、塩化カリウム、リン酸水素2カリウム、リン酸2水素カリウム、塩化ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、酢酸カリウムが挙げられる。その他の成分としては、ビタミン、血液成分、抗生物質が挙げられる。培地としては例えば、BMM(Basal Medium Mucin)培地が挙げられ、BMM培地が好ましい。これにより、口腔内の環境に近い条件で各菌を培養することができ、実際のバイオフィルムの組成に近いインビトロバイオフィルムモデルを実現できる。BMM培地は、プロテオースペプトン:トリプトン:イーストエキス:ムチン:ヘミン:ビタミンK:KCl:システイン=5:2.5:2.5:6.25:0.005:0.001:1.25:0.25(例、特開2003−116516号公報)を含み得る。
菌体組成物は、菌体及び培地以外の他の成分を含んでもよい。他の成分としては例えば、菌から分泌される代謝物、菌体組成物調製時の培養に用いられる(例えば、培地成分、生体成分)、必要に応じて行われる前培養の培地成分が挙げられる。
[菌体組成物の用途]
菌体組成物は、インビトロバイオフィルムモデルに関し様々な用途にて有用である。例えば、インビトロバイオフィルムそのものだけでなく、インビトロバイオフィルム作製用、形成抑制評価用のインビトロバイオフィルム形成用菌体組成物として用いることができる。即ち、菌体組成物は、被験サンプルのバイオフィルム形成抑制能のプレ評価、バイオフィルム形成抑制剤の有効成分の選抜、バイオフィルムの構造の解析、バイオフィルム形成プロセスの解析、等の用途にも用いることができる。
[インビトロバイオフィルム]
インビトロバイオフィルムは、バイオフィルムの分散剤及び除去剤並びに殺菌剤及び抗菌剤等の剤の有効成分候補物質の評価に有用である。
本明細書においてインビトロバイオフィルムは、生体に生じるバイオフィルム(例えば、口腔内バイオフィルム、好ましくはデンチャーバイオフィルム)を人工的に再現したモデルである。インビトロバイオフィルムは、菌体組成物を含めばよく、好ましくは、ストレプトコッカス属細菌、ベイヨネラ属細菌、アクチノマイセス属細菌、プレボテラ属細菌、ナイセリア属細菌、フソバクテリア属細菌、及びカンジダ属真菌の菌体量の合計を100質量%としたとき各菌体の構成比が上述のインビトロバイオフィルムを構成する各菌体の好ましい範囲を満たす菌体組成物である。インビトロバイオフィルムは通常、付着用担体上に形成される。インビトロバイオフィルムは、必要に応じて任意成分(例えば、保存剤、安定剤等の公知の添加剤)をさらに含んでもよい。
[付着用担体(担体)]
バイオフィルム付着用担体の材料は、菌体が付着(接着、吸着)でき、菌体組成物の組成、培養に影響を与えない材料であればよく、義歯用材料が好ましい。これにより、義歯用のインビトロバイオフィルムモデルとして用いることができる。義歯用材料としては、有機材料が好ましく、合成樹脂がより好ましく、熱可塑性樹脂がさらに好ましい。熱可塑性樹脂としては例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂(ポリメタクリル酸メチル(以下、PMMA))、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリスチレン;これらを構成するモノマーを構成単位の一部とする共重合体、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)等が挙げられ、PMMA、ポリカーボネート、ポリアミドが好ましく、PMMAがより好ましい。担体は、通常、固体であり、取扱いに差し支えない形状であればよく、例えば、板状体(シート、フィルム、プレート)、義歯(特に義歯床)の少なくとも一部が挙げられる。
[インビトロバイオフィルムの製造方法]
インビトロバイオフィルムの製造方法は特に限定されないが、ストレプトコッカス属細菌、ベイヨネラ属細菌、アクチノマイセス属細菌、プレボテラ属細菌、ナイセリア属細菌、フソバクテリア属細菌、及びカンジダ属真菌を含む上述のインビトロバイオフィルム形成用菌体成物をバイオフィルム付着用担体と共に培養することを含む方法が好ましい。
培養条件は、特に限定されず、バッチ法でも連続培養法でもよい。培養時間は、通常は3時間〜30日間、好ましくは6時間〜72時間、より好ましくは24時間〜48時間である。培養は、好気条件及び嫌気条件のいずれでもよく、好気条件が好ましい。好気条件の場合の酸素濃度は、通常3〜80%、好ましくは16〜25%、より好ましくは19〜22%である。培養温度は、36〜38℃が好ましい。
[他の添加成分]
培養時には、インビトロバイオフィルム形成用菌体組成物及び付着用担体以外の他の成分を添加してもよい。他の成分は、生体成分を含むことが好ましい。生体成分としては、例えば、細胞外マトリックス成分(例、コラーゲン、ムチン)、ペプチド断片、合成ペプチド(例、ポリ−L−リジン)、唾液、血清が挙げられ、唾液が好ましい。生体成分は、インビトロバイオフィルム製造の際に予め担体の表面にコーティングされていることが好ましい。これにより、担体上に、実際のバイオフィルムに近い組成を有するインビトロバイオフィルムを形成できる。
[容器]
培養は、インビトロバイオフィルム形成用菌体組成物と必要に応じて用いられる付着用担体及び他の成分を収容し得る容器内で行ってもよい。容器の材料、サイズは、収容物を保持できるサイズであれば特に限定されない。容器としては例えばシャーレ、マルチプレート、その他の微生物培養に一般的に用いられる容器が挙げられる。容器の材料としては、例えばガラス、ポリスチレン等の透明の材料が挙げられる。
インビトロバイオフィルムは、通常、付着用担体上に形成されるので、付着用担体及び必要に応じて用いる容器と共に、インビトロバイオフィルムモデルとしてそのまま利用できる。インビトロバイオフィルムが担体上に形成されたかどうかの確認は、例えば、バイオフィルムを常法に従いクリスタルバイオレット染色し、色素吸収を測定する方法が挙げられる。実施例のように、染色後に吸光度(A595)を測定して、測定値が0.4以上であれば、インビトロバイオフィルムが形成されたと判定できる。
[バイオフィルム形成抑制能の評価方法]
上述のインビトロバイオフィルム形成用菌体組成物を用いて、被験サンプルのバイオフィルム形成抑制能(例、バイオフィルムの形成阻害能)を評価できる。評価方法としては例えば、(手順1)インビトロバイオフィルム形成用菌体組成物を付着用担体及び被験サンプルとともに培養すること、及び、(手順2)インビトロバイオフィルムの形成の程度を確認することを含む方法が挙げられる。バイオフィルムの形成量が少ないほど、形成抑制効果が高いと評価することができる。
(手順1)において、被験サンプルを培養系に添加するほかは、上述のインビトロバイオフィルム製造方法の手順と同様に行えばよい。被験サンプルの添加時期は培養開始前であることが好ましい。例えば、担体に被験サンプルを添加し、次にインビトロバイオフィルム形成用菌体組成物を添加して培養を開始することができる。また、被験サンプルとインビトロバイオフィルム形成用菌体組成物を混合して担体に添加し培養を開始することもできる。被験サンプルは、食品原料、食品添加物、化粧品原料、医薬部外品添加物、医薬部外品や医薬品の有効成分でもよく、特に限定されない。
(手順2)は、コントロールサンプルにおけるインビトロバイオフィルムの形成量と、サンプルにおけるインビトロバイオフィルムの形成量の差(例えば、実施例に記載された式で算出されるバイオフィルム形成抑制率)を確認して、判断できる。コントロールサンプルの調整は、被験サンプルを添加しないほかは(手順1)と同様に行えばよい。上記形成量の差を定量化することで、2以上のサンプルどうしの抑制能の差を比較してもよい。
[インビトロバイオフィルム作製用のキット]
インビトロバイオフィルム形成用菌体組成物及び必要に応じて付着用担体を含むキットは、インビトロバイオフィルム作製に利用できる。インビトロバイオフィルムの作製の手順については、インビトロバイオフィルムの製造方法に関し述べたのと同様である。キットはさらに、培養容器、培養環境(温度、時間、酸素量)を調整するためのセンサーを含んでいてもよい。
[バイオフィルム形成抑制能評価用のキット]
インビトロバイオフィルム形成用菌体組成物、培地、及び必要に応じて付着用担体を含むキットは、被験サンプルのバイオフィルム形成抑制能評価に用いることができる。被験サンプルのバイオフィルム形成抑制能の評価の手順については、バイオフィルム形成抑制能の評価方法に関し述べたのと同様である。キットはさらに、培養容器、培養環境(温度、時間、酸素量)を調整するためのセンサーを含んでいてもよい。
[インビトロバイオフィルムの形態、保存方法]
形成された直後のインビトロバイオフィルムは、通常、各菌の集合、代謝物を含む構成体であり、任意の添加成分(例えば、保存料)を含んでいてもよい。形成直後に使用してもよいし、保存後(例えば、凍結保存、冷蔵保存)に使用してもよい。保存にあたり、任意の処理を行ってもよく、任意の処理としては例えば、減圧濃縮、膜濃縮、凍結濃縮等の濃縮、真空乾燥、噴霧乾燥、凍結乾燥等の乾燥、冷蔵、冷凍が挙げられる。
本発明の菌体組成物は、デンチャーバイオフィルムを構成するカンジダ菌の他に複数の所定の口腔細菌をも含有し、従来のカンジダ菌含有インビトロバイオフィルムよりも実態に近いインビトロデンチャーバイオフィルムとして有用である。また、インビトロデンチャーバイオフィルム形成用菌体組成物として、デンチャーバイオフィルム形成抑制剤の性能評価に有用である。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。以下の実施例は、本発明を好適に説明するためのものであって、本発明を限定するものではない。なお、物性値等の測定方法は、別途記載がない限り、上記に記載した測定方法である。
実験1:インビトロバイオフィルムモデルの作製(実施例1〜17及び比較例1〜4)
(1)プレカルチャー
各細菌をAmerican Type Culture Collectionより購入し、それぞれ以下の方法によりプレカルチャーを行った。
(1−1)アクチノマイセス属、ストレプトコッカス属、プレボテラ属、フソバクテリウム属細菌のプレカルチャー
以下の菌を用いた:
・Streptococcus gordonii(以下、S.gordonii)ATCC10558
・Streptococcus mutans(以下、S.mutans)ATCC25175
・Actinomyces naeslundii(以下、A.naeslundii)ATCC43146
・Prevotella intermedia(以下、P.intermedia)ATCC49046
・Fusobacterium nucleatum(以下、F.nucleatum)ATCC23726
これらの菌を、5mg/Lのヘミン(Sigma社製)及び1mg/LのビタミンK(和光純薬工業社製)を含むトッドへヴィットブロス(Todd Hewitt Broth、Becton and Dickinson(以下、BD)社製)培養液〔THBHM〕により培養した。
(1−2)ベイヨネラ属細菌のプレカルチャー
・Veillonella parvula(以下、V.parvula)ATCC17745は、1.26%乳酸ナトリウム(Sigma社製)を含むトッドへヴィットブロス(BD社製)培養液により培養した。なお、培養は、37℃で一晩嫌気培養(80vol%窒素、10vol%二酸化炭素、10vol%水素)した。
(1−3)ナイセリア属細菌のプレカルチャー
・Neisseria subflava(以下、N.subflava)ATCC49275は、培養液〔THBHM〕により、37℃、好気条件下で培養した。
(1−4)カンジダ属真菌のプレカルチャー
以下の菌を用いた:
・カンジダ・アルビカンス(Candida albicans: 以下、C.albicans)ATCC MYA−2876
・カンジダ・グラブラータ(Candida glablata :以下、C.glablata)ATCC90030
これらの菌は、YPD培地(Yeast extract Peptone Dextrose Broth、BD社製)により、28℃、好気条件下で培養した。
(2)バイオフィルム作製
以下の手順により行った。
(2−1)インビトロバイオフィルム形成用菌体組成物の調製
前記(1)で説明した培養後の各菌を回収し、2.5×Basal Medium Mucin(2.5×BMM)に表1〜3に示す播種菌量(数値1は1×106cfu/mLに相当)の各菌を添加し、インビトロバイオフィルム形成用の混合菌液を調製した。2.5×Basal Mediumの組成及び一例として実施例1の混合菌液の菌組成を以下に示した。また、比較例1〜4では、それぞれいずれかの菌を添加しない混合菌液(表3)を調製した。
[2.5×BMMの1リットル中組成]
ムチン(Sigma): 6.25g
プロテオースペプトン(BD):5g
トリプトン(BD): 2.5g
イーストエキス(BD): 2.5g
ヘミン(Sigma): 5mg
ビタミンK(和光純薬工業):1mg
KCl(和光純薬工業): 1.25g
システイン(和光純薬工業):0.25g
グルコース(和光純薬工業):0.5g
[混合菌液の菌組成(実施例1の場合)]
・S.gordonii: 5×106cfu/mL
・S.mutans: 1×106cfu/mL
・V.parvula: 1×106cfu/mL
・A.naeslundii:5×108cfu/mL
・P.intermedia:1×108cfu/mL
・N.subflava: 1×108cfu/mL
・F.nucleatum: 5×105cfu/mL
・C.albicans: 1×106cfu/mL
・C.glablata: 1×105cfu/mL
(2−2)担体の調製
フィルター滅菌した無刺激唾液を1時間処理して唾液コーティングした10mm角アクリルレジン片(GC社製、アクロン、表面処理:♯1000研磨)を24穴マルチプレート(住友ベークライト社製)に設置した。
(2−3)担体への混合菌液添加
(2−2)で得られた担体に、(2−1)の混合菌液を1mL/well播種し、37℃、好気条件(酸素濃度:21%)下で24時間培養し、アクリルレジン片上にバイオフィルムを形成させた。
(3)バイオフィルム形成量の測定
以下の手順により行った。
(3−1)形成させたバイオフィルムをPBS(和光純薬工業社製)1mLで2回洗浄した。
(3−2)4%パラホルムアルデヒド・りん酸緩衝液(和光純薬工業社製)にて15分間固定し、1mLのPBSにて3回洗浄した。
(3−3)0.1%クリスタルバイオレット(和光純薬工業社製)液を添加して15分間染色後、1mLのPBSにて3回洗浄した。
(3−4)30%酢酸ナトリウムで15分間インキュベートし、抽出液の吸光度を波長595nmで測定し、吸光度によりバイオフィルム形成量(A595)を評価した。評価基準は、以下のとおりとした。
[バイオフィルム形成量の評価基準]
○:吸光度が0.4以上
×:吸光度が0.4未満
(4)バイオフィルム中の構成菌数及び菌構成比率
形成させたバイオフィルムモデルに1mLのPBSを添加して超音波処理(200μA、10秒間)により分散し、各菌が選択的に生育する選択培地に塗抹して培養し、生えてくる菌コロニー数を計測することにより、培養液中の菌の生菌数及び菌構成比を測定した。測定条件は、以下のとおりとした。
S.gordoniiとS.mutansは、ミティス・サリバリウス寒天培地(BD社製)で嫌気培養し、コロニー形態で判別し、カウントした。
F.nucleatumとV.parvulaは、CVE寒天培地で嫌気培養し、コロニー形態で判別し、カウントした。
C.albicansとC.glablataは、クロムアガーカンジダ寒天培地(BD社製)で好気培養し、コロニーの色で判別しカウントした(C.albicans:緑色、C.glablata:紫色)。
A.Naeslundiiは10mg/Lのコリスチン(和光純薬工業製)と馬脱繊血を含有するトッドへヴィットブロス(BD社製)寒天培地で好気培養し、コロニー数をカウントした。
N.subflavaは0.5%の酵母エキス(BD社製)と3mg/Lのバンコマイシン(和光純薬工業製)を含有するTrypticase Soy Agar(BD社製)培地で嫌気培養し、コロニー数をカウントした。
P.intermediaはKM寒天培地で嫌気培養し、コロニー数をカウントした。
KM寒天培地及びCVE寒天培地の組成を以下に示す。
[KM寒天培地の1リットル中組成]
Trypticase Soy Agar(BD社製): 40g
ヘミン(Sigma社製): 5mg
ビタミンK(和光純薬工業社製): 1mg
馬脱繊血: 50mL
カナマイシン(Meiji Seikaファルマ社製)250mg/mL:0.8mL
[CVE寒天培地の1リットル中組成]
トリプチケースペプトン(BD社製): 10g
酵母エキス(BD社製): 5g
塩化ナトリウム(和光純薬工業社製): 5g
グルコース(和光純薬工業社製): 2g
L−トリプトファン(和光純薬工業社製): 0.2g
寒天(和光純薬工業社製): 15g
馬脱繊血: 50mL
エリスロマイシン(Sigma社製)4mg/mL: 1mL
クリスタルバイオレット(和光純薬工業社製)5mg/mL:1mL
Figure 2020167974
Figure 2020167974
Figure 2020167974
表1〜3の実施例で得られたインビトロデンチャーバイオフィルムは、デンチャーバイオフィルムを構成するカンジダ菌の他に複数の特定の口腔細菌を含有し、従来よりも実態に近いインビトロデンチャーバイオフィルムとして有用である。
実験2:バイオフィルム形成抑制の評価(実施例1のインビトロバイオフィルム形成用混合菌液使用)
24穴マルチプレート(住友ベークライト社製)に設置した10mm角アクリルレジン片(GCアクロン、表面処理:♯1000研磨)に対し、表4に記載した被験サンプル2−1(TexCareSRN−170:CLARIANT社製、1質量%水溶液)又は2−2(ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン:日光ケミカルズ社製、1質量%水容液) 1mLを添加し、5分間静置した。その後、滅菌蒸留水(DW)にて2回洗浄後、実験1(2)記載の方法、及び実施例1の播種用混合菌液を用いてバイオフィルムを形成させ、実験1(3)記載の方法でバイオフィルム形成量を求めた。被験サンプルを添加せず、DWで2回洗浄し、同様にバイオフィルム形成させたものをコントロールとした。バイオフィルム形成抑制率は以下の式にて算出した。評価基準は、以下のとおりとした。結果を表4に示す。
[バイオフィルム形成抑制率]
バイオフィルム形成抑制率(%)=(コントロールのバイオフィルム形成量−サンプル処置後のバイオフィルム形成量)/コントロールのバイオフィルム形成量×100
[バイオフィルム形成抑制効果の評価基準]
A:バイオフィルム形成抑制率50%以上
B:バイオフィルム形成抑制率25%以上50%未満
C:バイオフィルム形成抑制率25%未満
Figure 2020167974
表4より、サンプル2−1及び2−2をそれぞれ添加した試験では、バイオフィルムの形成が抑制されたことが分かる。このことは、本発明のインビトロバイオフィルム形成用菌体組成物が、バイオフィルム、特にデンチャーバイオフィルムの形成抑制能の評価に用いることのできるインビトロバイオフィルムモデルとして有用であることを示している。

Claims (14)

  1. ストレプトコッカス属細菌、ベイヨネラ属細菌、アクチノマイセス属細菌、プレボテラ属細菌、ナイセリア属細菌、フソバクテリア属細菌、及びカンジダ属真菌の菌体を含む、インビトロバイオフィルムモデル用の菌体組成物。
  2. 下記(1)〜(7)からなる群より選ばれる少なくとも1つを満たす、請求項1に記載の菌体組成物。
    (1)ストレプトコッカス属細菌がストレプトコッカス・ゴルドニー及びストレプトコッカス・ミュータンスのいずれかを少なくとも含むこと
    (2)ベイヨネラ属細菌がベイヨネラ・パルビュラを少なくとも含むこと
    (3)アクチノマイセス属細菌がアクチノマイセス・ネスランディを少なくとも含むこと
    (4)プレボテラ属細菌がプレボテラ・インターメディアを少なくとも含むこと
    (5)ナイセリア属細菌がナイセリア・サブフラーバを少なくとも含むこと
    (6)フソバクテリア属細菌がフソバクテリウム・ヌクレアタムを少なくとも含むこと
    (7)カンジダ属真菌がカンジダ・アルビカンス及びカンジダ・グラブラータのいずれかを少なくとも含むこと
  3. インビトロデンチャーバイオフィルムモデル用である、請求項1又は2に記載の菌体組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の菌体組成物を含有する、インビトロバイオフィルム。
  5. ストレプトコッカス属細菌、ベイヨネラ属細菌、アクチノマイセス属細菌、プレボテラ属細菌、ナイセリア属細菌、フソバクテリア属細菌、及びカンジダ属真菌の菌体量の合計を100質量%としたとき、以下の(a)〜(f)からなる群より選ばれる少なくとも1つを満たす、請求項4に記載のインビトロバイオフィルム。
    (a)ストレプトコッカス属細菌及びベイヨネラ属細菌の合計菌体量の構成比が45〜55質量%であること
    (b)アクチノマイセス属細菌の菌体量の構成比が30〜40質量%であること
    (c)プレボテラ属細菌の菌体量の構成比が1〜10質量%であること
    (d)ナイセリア属細菌の菌体量の構成比が1〜10質量%であること
    (e)フソバクテリア属細菌の菌体量の構成比が1〜10質量%であること
    (f)カンジダ属真菌の含有量が0.1〜1質量%であること
  6. 付着用担体上に付着している、請求項4又は5に記載のインビトロバイオフィルム。
  7. 付着用担体が有機材料製である、請求項6に記載のインビトロバイオフィルム。
  8. ストレプトコッカス属細菌、ベイヨネラ属細菌、アクチノマイセス属細菌、プレボテラ属細菌、ナイセリア属細菌、フソバクテリア属細菌、及びカンジダ属真菌の菌体を含有する、インビトロバイオフィルム形成用菌体組成物。
  9. 以下の(A)〜(G)からなる群より選ばれる少なくとも1つを満たす、請求項8に記載のインビトロバイオフィルム形成用菌体組成物。
    (A)ストレプトコッカス属細菌の菌体含有量が1×104cfu/mL以上1×108cfu/mL以下であること
    (B)ベイヨネラ属細菌の菌体含有量が1×104cfu/mL以上1×108cfu/mL以下であること
    (C)アクチノマイセス属細菌の菌体含有量が1×106cfu/mL以上1×1010cfu/mL以下であること
    (D)プレボテラ属細菌の菌体含有量が1×105cfu/mL以上1×1011cfu/mL以下であること
    (E)ナイセリア属細菌の菌体含有量が1×105cfu/mL以上1×1011cfu/mL以下であること
    (F)フソバクテリウム属細菌の菌体含有量が1×104cfu/mL以上1×108cfu/mL以下であること
    (G)カンジダ属真菌の菌体含有量が1.1×104cfu/mL以上1.1×108cfu/mL以下であること
  10. 請求項8又は9に記載のインビトロバイオフィルム形成用菌体組成物を含むインビトロバイオフィルム作製用のキット。
  11. 請求項8又は9に記載のインビトロバイオフィルム形成用菌体組成物を含む、被験サンプルのインビトロバイオフィルム形成抑制能評価用のキット
  12. 付着用担体を更に含む請求項10又は11に記載のキット。
  13. ストレプトコッカス属細菌、ベイヨネラ属細菌、アクチノマイセス属細菌、プレボテラ属細菌、ナイセリア属細菌、フソバクテリア属細菌、及びカンジダ属真菌を付着用担体と共に培養することを含むインビトロバイオフィルムの製造方法。
  14. ストレプトコッカス属細菌、ベイヨネラ属細菌、アクチノマイセス属細菌、プレボテラ属細菌、ナイセリア属細菌、フソバクテリア属細菌、及びカンジダ属真菌を付着用担体及び被験サンプルとともに培養すること、及び
    インビトロバイオフィルムの形成の程度を確認すること、
    を含む、被験サンプルのバイオフィルム形成抑制能の評価方法。
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