JP2009516645A - 抗菌デカペプチド口腔衛生処置 - Google Patents

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Abstract

【課題】成長した(出来上がった)バイオフィルムに対して、KSLが大きな効果を奏し、副作用の少ない口腔衛生を促進するための処置剤および方法を提供する。
【解決手段】成長したバイオフィルムを処置する、口腔衛生を促進するための方法は、バイオフィルムの機械的な分断の後にKSLを適用する口腔環境に、抗菌ペプチドKSLおよび界面活性剤を適用する工程を含む。KSLを含む歯垢予防チューインガムは、持続的な放出の口腔衛生処置を提供する。
【選択図】図11

Description

本発明は、界面活性剤または機械的分断と併せた抗菌デカペプチドの使用による、出来上がったバイオフィルム(生物膜)の処置剤に関する。本発明はまた、持続的歯垢(プラーク)防止剤としての抗菌デカペプチドを含有するチューインガムの使用に関する。さらに詳しくは、本発明は、出来上がった口腔バイオフィルムの処理における界面活性剤または機械的分断を伴うKSLの使用、および口腔衛生処置に使用するためのKSLを含有するチューインガムに関する。
ヒトの口腔バイオフィルムは、コロニー形成可能な表面に形成された多様なかつ複数種の微生物群落から成る複雑な三次元構造物である(Foster et al.,2004;Kolenbrander and London,1993;Kolenbrander and Palmer Jr.,2004;Marsh and Bradshaw,1995)。細菌の堆積に大きな影響を有する基層の物理的なおよび化学的な表面特性は別として(Quirynen et al., 2000)、口腔バイオフィルムの形成には一連の事象が含まれる。これには、コロニー形成可能な表面上での条件付けの唾液由来の膜(後天性の唾液薄膜(ペリクル))の初期形成、後天性の薄膜に存在する宿主由来の受容体分子への一次付着菌の付着、付着した初期の付着菌に対する二次付着菌のそれに続く相互作用、付着した細菌の続く増殖(コロニー形成)、および成長した微生物群落の発達が挙げられる(Kolenbrander and London,1993;Marsh and Bradshaw,1995;Quirynen et al.,2000)。これらの群落における特定の常住菌の増殖が制御されなければ、口腔疾患の発症の一因となる可能性がある(Loesche,1999)。
虫歯および歯周病の発症は歯垢に密接に関連しており、歯垢は、歯の表面に形成された唾液薄膜への細菌の吸着またはそれらの凝集の結果として形成される。歯垢に関連した口腔疾患を予防および治療するために、殺菌および/または静菌のメカニズムによって作用する抗菌剤の使用に対する関心が高まっている。これらの作用剤の中には、クロルヘキシジン、トリクロサン、金属イオン、第四級アンモニウム化合物および精油がある。
唾液薄膜は、唾液タンパク質の選択的吸着によって形成される。唾液タンパク質における荷電基がエナメルの中の反対の符号の電荷と相互作用し、薄膜では負に帯電した酸性の唾液タンパク質が優勢である。したがって、歯の表面または酸性の唾液タンパク質に対する薬剤の親和性は、歯垢の形成を阻害する重要な要因である。クロルヘキシジンは、強いカチオン活性を持つビスビグアニドである。細菌成分または酸性の唾液成分へのクロルヘキシジンの結合およびそれに続く口腔表面での保持には、クロルヘキシジンが歯垢の増殖を阻害できる度合が直接関係することが以前から示唆されている。現在の用途ではクロルヘキシジンは最も有効な歯垢防止剤とみなされているが、これは、苦味、味覚の認知障害、歯および舌の可逆的な汚れならびに歯磨き剤中の界面活性剤との相互作用のような幾つかの短所を有する。
その内容を全体として引用によって本明細書に組み入れる、出願者の同時係属出願である米国特許出願第10/795,514号では、本発明者は、抗菌デカペプチドKSLおよびその類縁体をバイオフィルムの形成を防ぐのに使用でき、かつ口腔微生物の増殖を抑えるのに使用可能であるという発見を開示している。
KSLは口腔バイオフィルムの形成を妨げることにおいて有用性を示したが、KSLは出来上がったバイオフィルムには大きな効果を有さなかった。さらに、KSLは口腔微生物の増殖を抑えるのに効果的であったが、KSLを用いた口腔衛生用の確実な投与方法および治療は明確には示されていない。理解されるように、流水や歯ブラシが利用できない状況では、歯垢および口腔バイオフィルムを制御する方法が必要である。例えば、戦場の兵士は歯磨きをせずに数日から数週間過ごすことを求められる可能性がある。さらに、クロルヘキシジンの短所を考えると、処置が実際に使用されるのを確実にするために、よりはっきりした味を有し、副作用の少ない歯垢防止処置が必要とされる。
上記のことは、出来上がったバイオフィルムの処置および歯垢防止剤として抗菌剤を用いた処置に関連する問題のいくつかを強調している。さらに、上記のことは、出来上がったバイオフィルムを処置するための信頼できる処方および方法に関する、長い間の、しかし未解決の、当該技術におけるニーズを強調している。上記のことはまた、歯磨きが現実的ではない場合の、歯垢を処置する明瞭な組成および方法に関する、長い間の、しかし未解決の、当該技術におけるニーズを強調している。
本発明は、上記の現実的な問題を克服し、同時に新しい利点を提供する。
最近、種々の天然資源から分離された抗菌ペプチドが、その原核生物に対する選択性および微生物耐性をできるだけ抑えるという期待から、注目を集めている。その抗菌活性を改善することを目標に、これら天然ペプチドの類縁体が合成されている。合成組み合わせライブラリー技術を用いて新規の抗菌デカペプチド(KSL)が開発された。このペプチドおよびその類縁体のいくつかは、広い範囲の抗菌活性を持つとともに、虫歯の発症および歯垢の形成に関連する口腔細菌株の増殖を抑えることが本発明者によって示されている。一次構造は以下のとおりである。
[Lys−Lys−Val−Val−Phe−Lys−Val−Lys−Phe−Lys−NH2] (配列番号1)
歯垢防止剤用の媒体としてのチューインガムの使用は、実際的な観点およびコンプライアンスの観点から魅力的である。ガムの利点は、それが普通、すすぎ剤や歯磨き剤よりも長く口中に保持されることである。したがって、チューインガムに含まれる活性剤は、唾液中に上手く放出されれば、種々の受容部位に結合する十分な時間を有するであろう。KSLもまた5つのリシン残基を含有するカチオン性分子なので、歯の表面との、および唾液における酸性の糖タンパク質との静電気的相互作用の可能性を有すると考えられる。
KSLはバイオフィルムの形成を効果的に阻止することが以前より示されているが、成長したバイオフィルムに対しては相対的に効果がないままである。本発明者は、界面活性剤の存在下で、またはバイオフィルムを機械的に分断した後にKSLを使用すると、KSLは成長したバイオフィルムの生存率に有意な影響を及ぼすという予期しない結果を発見した。したがって、本発明は、KSLは、歯垢が介在する口腔疾患を防ぐための従来の口腔衛生にとって、有用な添加剤になる可能性を示している。
本発明者はまた、チューインガム組成におけるKSLの使用が、味の悪さ、歯の汚れまたは持続的な放出を保証できないことを含む従来技術の歯垢予防ガムの欠点を持たないことも発見した。
以下の実施の説明および実施例によって、本発明の新規な方法、手段および化合物が当業者に明らかにされる。
図面と併せて本発明を説明する。
咀嚼(チューイング)装置およびサーモスタット試験セルを示す。上面と下面との間にガムを置く。咀嚼手順は、上面の剪断(ねじり)運動と組み合わせた下面の上下のストローク(往復運動)から成る。 水中で(a)、および0.1Mのホウ酸緩衝液(バッファ)(pH9)中(b)で55℃で3日間インキュベート(培養)したKSL標準のRP−HPLCのクロマトグラムを示す。 55℃で異なったpH条件におけるKSLの分解動態を示す。 異なったpHの緩衝液におけるKSLの分解に関するアレニウスプロットを示す。 37℃での人工唾液におけるHAディスクに対するKSLの吸着を示し、(a)は、8個の未処理のHAディスクに対するKSL(0.5mg/mL)の吸着の概要であり、(b)は未処理および20分間予備処理したHAディスクに対するKSLの吸着である。予備処理したHAディスクはヒト唾液に37℃で2時間浸し、次いで人工唾液で洗浄し、乾燥してKSL溶液に加えた。 37℃の人工唾液におけるガム組成からのKSLの試験管内放出を示す。咀嚼装置を用いて、異なるKSL添加(5、10、20mg)を含有するチューインガムを調べた。 噛み終え試験によるガム組成からのKSLの生体内放出を示す。それぞれ5、10または20mgのKSLを含有するガムを被験(志願)者が所定の時間噛み、残った量を抽出し、RP−HPLCで分析した。 二重(デュアル)フローセルモデルの模式図である。(A)フローシステム。矢印は流れ(フロー)の方向を示す。このシステムは、14ゲージのマスターフレックス(Master flex)チューブ(イリノイ州、バーノンヒルズのCole-Palmer社)によって接続される。KSLによるバイオフィルムのパルス処理については、それぞれ処理溶液および制御溶液を含有する2つの注入可能なシリンジを有するシリンジポンプ(マサチューセッツ州、ホリストンのKD Scientific社)を直接、三方弁を介して各フローチャンバーに接続する。(B)二重フローセルを示す。このフローセルは、Geディスクを保持するための3つの凹部をそれぞれ有する2つの平行なフローチャンバーから成る。各凹部の内径および内部の深さはそれぞれ10.25mmおよび2.0mmである。流入口用および流出口用に直径2.0mmの穴がフローチャンバーの各端に穿孔されている。フローチャンバーは、一方の側においてポリカーボネートの底板によって受けられ、他方の側において2つの平行する60mm×24mmのNo.2カバーガラスを含むアルミニウムの蓋(カバー)板で止められる。(C)流路(深さ0.4mm、幅13mm、長さ25mm)の寸法を示すフローチャンバーの横断面である。 DIC顕微鏡によって示されるように、二重フローセルにおける口腔バイオフィルムの発達に対するKSLの効果を示す。(A)KSL含有(50□g/mL)培地によるバイオフィルムフローセルの連続的な潅流はバイオフィルムの形成を妨げる。KSLを含まない培地で潅流したフローチャンバーにおいて、唾液で調整されたGe表面に付着した唾液細菌からのバイオフィルムの発達を示す未処理のバイオフィルム細胞(a〜c:陰性対照)の画像。KSL(50□g/mL)で処理したバイオフィルム細胞(d〜f)の画像。処理対未処理の並んだ画像は、二重フローセルの平行したチャンバーでの接種に続いて、2時間(a、d)、5時間(b、e)および8時間(c、f)の間隔で得た。(B)さらに低い濃度のKSL含有培地(10□g/mL)によるチャンバーの潅流は、バイオフィルムの形成を防ぐのにあまり有効ではなかった。未処理(a〜b)および処理(c〜d)。画像は、接種に続いて2時間(a、c)および8時間(b、d)の間隔で得た。結果は3回の実験の1つを表す。倍率は200倍。棒は50□mを示す。 KSLを含まない培地(a〜c)およびKSLを含有する(50□g/mL)培地(d〜f)によってパルス処理したGe表面における口腔バイオフィルム細胞のDIC画像を示す。パルス処理(2時間間隔で0.2mL/分で30分間)は、接種後4時間(A)または6時間(B)で開始した。バイオフィルムの増殖は、接種後6時間ではなく4時間、KSLでパルス処理されたフローチャンバーにおいて大きく阻害された。処理対未処理の画像は、二重フローセルの平行チャンバーに唾液細菌を接種した後、2時間(a、d)、6時間(b、e)および10時間(c、f)の間隔で得た。データは、3回の別個の実験の1つを示す。倍率は200倍。棒は50□mを示す。 無傷のバイオフィルムおよび分断したバイオフィルムに対するKSLの効果および界面活性剤を有するKSLのバイオフィルムに対する効果を示す。(A)試験管内プラークアッセイ(分析物)を用いた、無傷のバイオフィルム、および唾液細菌により唾液に被覆されたHAディスク上に形成された45時間の分断されたバイオフィルムに対するKSLの効果。マンホイットニー検定を用いて、実験群(KSL処理した、無傷の、または分断したバイオフィルム)間のCFUの対数低下を対照群(dH2O処理の、無傷の、または分断したバイオフィルム)と比較した。1つのアスタリスクは、KSL処理された無傷のバイオフィルムとdH2O処理された無傷のバイオフィルムとの間に統計的に有意な差があることを表す(p<0.05)。同様に、2つのアスタリスクは、KSL処理された分断されたバイオフィルムとdH2O処理された分断されたバイオフィルムとの間に統計的に有意な差があることを表す(p<0.01)。KSLは、処理された無傷のバイオフィルムのCFUをやや低下させたが、クロルヘキシジン(CHX)は無傷のバイオフィルムの生存率をさらに大きく低下させた。(B)試験管内プラークシステムを用いた、唾液で被覆したHAディスク上に形成された無傷の66時間の口腔バイオフィルムに対するKSLの殺菌活性を促進する塩化ベンザルコニウムの効果。クラスカル・ワリス検定を用いて、対照群(dH2O処理)を含む種々の処理群の間でCFUの対数低下を比較した。1つのアスタリスクは、KSLおよび塩化ベンザルコニウム(Bzl)の併用処理と、dH2O(p<0.001)、KSL(p<0.01)またはBzl(p<0.01)処理された無傷のバイオフィルムとの間に統計的に有意な差があることを表す。2つのアスタリスクは、CHXとdH2O(p<0.001)またはBzl(p<0.05)処理された無傷のバイオフィルムとの間に統計的に有意な差があることを表す。KSLまたはBzl単独では、dH2O処理された群と比べて無傷のバイオフィルムの生存率に有意な低下は生じないが、KSLとBzlとの併用は、これら66時間の口腔バイオフィルムの生存率に有意な効果を有した(生菌数で1対数の低下を超える)。CHX処理された群とKSLおよびBzlの併用との間には、生菌数で有意差は認められなかった。(A)および(B)について、データは、それぞれ4つ一組で行われた3回の別個の実験の1つの判定を表す。バーは標準偏差を表す。(C)唾液を被覆したHA表面で増殖した対照のバイオフィルムおよび処理したバイオフィルムの共焦点画像。Live/ Dead BacLight(商標)生存率キット(オレゴン州、ユージーンのMolecular Probes社)を用いて様々な処理に晒されたバイオフィルム細胞の生存率を評価した。製造元によって記載されたようにBacLightアッセイ溶液を製造元の示す通りに調製し、暗所にて室温で15分間、検体を染色した。水で3回洗浄した後、Ar−Krレーザー(ZeissLSM510メタ)および液浸(長い作動距離)対物レンズを取り付けたアキシオプラン光学顕微鏡で試料を観察した。488nmの励起波長を使用し、2つの別個の放射フィルター、500〜530nm(SYTO、生細胞)および650〜710nm(ヨウ化プロピジウム、死細胞)によって放射される蛍光を集めた。ほとんど緑色に染まるバイオフィルム細胞(生細胞を示す)を示した対照(1aおよび1b)に比べると、CHX(2aおよび2b)またはKSLとBzlとの併用(5aおよび5b)は、ほとんど赤色に染まるバイオフィルム細胞(死細胞を示す)の存在によって示されるように、バイオフィルム細胞の生存率を有意に低下させた。示された濃度でのKSL(3aおよび3b)またはBzl(4aおよび4b)単独では、バイオフィルム細胞の生存率にさほど影響を有さなかった。パネル1a〜5aはバイオフィルムの水平(xy)の断面を表すが、パネル1b〜5bは、種々の作用剤で処理したバイオフィルムの矢状(xz)の画像(水平のxy断面上の線で示される)である。棒は50μmを表す。
本発明は部分的には、KSLおよびその類縁体が、界面活性剤と組み合わせると、成長したバイオフィルムの処置に相乗効果を有するという発見に基づく。これらの予期しない、かつ驚くべき結果を以下の実施例で述べる。本発明のこの局面によれば、界面活性剤と組み合わせたKSLは、口腔微生物の増殖、成長したバイオフィルム、ならびに特に、虫歯および歯垢を予防および処置する方法の一部であってもよい。本発明のこの局面は、歯磨きが実行可能な選択肢ではない環境における口腔衛生および処置のための口腔衛生組成に有用であることが明らかになるであろう。
本発明はまた部分的には、KSLおよびその類縁体が、バイオフィルムの機械的分断と併せて使用される場合、成長したバイオフィルムを処理するのに使用されてもよいという発見に基づく。これらの予期しない、かつ驚くべき結果についても以下の実施例で述べられる。本発明のこの局面によれば、歯磨きのような機械的分断と組み合わせたKSLは、口腔微生物の増殖、成長したバイオフィルム、ならびに特に、虫歯および歯垢を予防および処理する方法の一部であってもよい。本発明のこの局面により、普遍的な口腔衛生処置プログラムの一部として有用であることが分かるであろう。
本発明はまた部分的には、KSLおよびその類縁体が、チューインガム組成に使用されて、持続的な歯垢予防剤を提供してもよいという発見に基づく。KSLチューインガム組成の予期しない、かつ優れた結果を以下の実施例で述べる。本発明のこの局面によれば、KSLおよびその誘導体は、歯垢形成を防止し、予防し、より良い口腔衛生を促進するチューインガム組成の一部であってもよい。本発明のこの特徴は、例えば、戦場の兵士のような、歯を磨くことができない、または歯を磨かない個人にとってより良い口腔衛生を促進するのに特に有利である。
以下の実施例は、本発明の種々の有利な特徴および予期しない結果をさらに明らかにするであろう。
A.抗菌デカペプチド(KSL)のチューインガム
1.材料および方法
1.1 材料
自動ペプチド合成機(モデル90、ケンタッキー州、ルイスビレのAdvanced Chem Tech社)により、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)化学反応を用いた標準の固相法によってKSL(MW=1250Da)を合成し、上述のようにその純度を決定した[7]。ガム基材(SMILY2A)は、Gum Base社(イタリア、ミラノ)から得た。d−ソルビトールおよびd−マンニトールはSigma社(ミズーリ州、セントルイス)から入手した。アセトニトリル(HPLC等級)およびジメチルスルホキシド(DMSO)は、Fisher Scientific(ニュージャージー州、フェアローン)から購入した。トリフルオロ酢酸(TFA)はピアース(イリノイ州、ロックフォード)から入手した。そのほかの化学物質はすべて分析等級であり、市販品を入手して使用した。
1.2 KSLの高速液体クロマトグラフィによる分析
プロスフェアC−18ガードカラム(4.6×7.5mm、イリノイ州、ディアフィールドのAlltech社)を有するプロスフェアC−18分析用カラム(4.6×250mm、イリノイ州、ディアフィールドのAlltech社)を用いたRP−HPLCによってKSLを分析した。移動相A(水中の0.1%TFA水溶液)および移動相B(アセトニトリル中0.1%TFA)による勾配溶出を行った。KSLは、流速1.0mL/分にて80:20〜70:30(移動相A:B)の線形勾配により8分間で溶出された。総稼動時間は16分で、注入容量は40μLだった。215nmでのUV検出によってクロマトグラムを記録した。
1.3 安定性試験
脱イオン水における10mg/mLのペプチド原液を用いてKSLの試験溶液を調製した。0.1Mの緩衝液濃度で、酢酸ナトリウム緩衝液(pH4)、リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)およびホウ酸ナトリウム緩衝(pH9)液中でKSLペプチドの分解を調査した。200μg/mLのKSLを含有する各緩衝溶液を温度制御したオーブンにて、それぞれ25℃、37℃および55℃でインキュベートした。所定の時間で試料を取り出し、前記のHPLC条件下で分析した。人工唾液中で37℃で3日間にわたってKSLの安定性を調査した。実際の使用条件を模倣する試みとして、試験管内の放出試験に人工唾液を使用した。人工唾液の成分は、以下のとおりである:塩化ナトリウム:0.844g、塩化カリウム:1.200g、塩化カルシウム2水和物:0.193g、塩化マグネシウム6水和物:0.111g、リン酸水素二カリウム:0.342gを水で1000mLにする。塩酸溶液によってpHをpH5.7±0.1に調整した[26]。
1.4 ヒドロキシアパタイトディスクとの相互作用
37℃の人工唾液中のHAディスク(サイズ:直径0.38インチ×厚さ0.06〜0.08インチ)とKSLとを相互作用させることによって、歯のような素材に対するKSLの親和性を評価した。歯の表面を模倣するために、ろ過したヒト唾液中で2時間HAディスクを予備処理した(HAディスク4個/ヒト唾液4mL)。朝、朝食の前に3人の健常な男性提供者からヒト全唾液を採取した。採取後、直ちに唾液を12,000rpmで20分間遠心分離し、0.45μmの膜フィルターにより浮遊物をろ過した。HAディスクは、ヒト唾液で調整した後、人口唾液ですすぎ、37℃のKSL溶液(人工唾液中、0.5mg/mL)4mLに加えた。対照として、未処理のHAディスクを直接37℃のKSL溶液に加えた。18サイクル/分の速度で垂直回転する回転ホイールに試料バイアルを搭載した。所定の時間に試料を取り出し、遠心分離し、浮遊物をRP−HPLCによって分析した。
1.5 チューインガムの調製
上述した手順[8]に従ってチューインガム組成を調製した。融解するために、ガム基材を50〜60℃の間の温度で加熱した。ガム基材が適当な流体粘度になったら、そのほかの成分とともにKSLを微粉末として加えた。温度を一定に保持する一方で、乳鉢にてガム基材と成分を混合した。混合後、均質なチューインガムを押し出し、類似の形状およびサイズの四角形に切断し、室温にて一晩置いて固くした。ガムの組成は以下のとおりであった。550mgのガム基材、420mgのソルビトール、10mgのマンニトール、10mgのサッカリン、および10mg、20mgまたは30mgのKSL(全重量:約1g)。
1.6 試験管内の放出試験
2つのモジュール(AB FIA社、スウェーデン、ルンド)(図1)からなる試験管内咀嚼放出装置を用いて、チューインガムからのKSLの試験管内放出試験を行った。各モジュールは温度自動調節された(サーモスタットの)ガラスセルからなり、その中には、上下の咀嚼板を保持する鉛直方向を向いた2つのピストンが取り付けられている。40mLの人工唾液でセルを満たし、チューインガムを下側の咀嚼板上に置いた。咀嚼処理は、上面のねじりの動きと組み合わせた下面の上下のストロークからなり、この運動が、チューインガムの咀嚼および試験培地の撹拌を提供する。試験培地の温度は37℃に制御され、咀嚼頻度は、1分当たり50±2ストロークだった。所定の時間間隔で400μLの浮遊物を取り出した。各試料採取の後、溶解培地を新鮮な人工唾液に取り換えた。KSLの放出量はRP−HPLCによって測定した。
1.7 生体内の放出試験
3人の被験者によって噛み終え試験を行った。各被験者は、所定の時間(5分、10分および20分間)1分当たり30回〜40回の咀嚼回数にて各種ガムの一片を咀嚼した。所定の時間、ガムを咀嚼した後、ガムの中に残っているKSLの量を分析した。KSLを抽出するために、ガムを50〜60℃で5分間加熱し、次いでアセトニトリルとDMSO(1:1)との混合物5mLを加えた。5分間十分に混合した後、10mLの0.1M酢酸緩衝液(pH4)を加え、室温で混合物を30分間活発に撹拌した。試料を遠心分離し、0.45μmの膜フィルターにより浮遊物をHPLCバイアルの中にろ過した。
2.結果および考察
2.1 KSLのHPLC分析
KSLの分析方法として、勾配溶出を用いた逆相のHPLC法が開発されている。HPLC条件下で、脱イオン水中のKSLのスタンダードは、保持時間7.0分で単一ピークとして検出された(図2a)。KSLの検出に関する線形性の相関係数は、ペプチド濃度20〜400μg/mLの範囲で0.999を上回り、係数変動<5%のこれらの濃度でアッセイは再現可能であった(n=3、アッセイ内およびアッセイ間)。HPLC法により、55℃で3日間、ホウ酸ナトリウム緩衝液(pH9)中で生成された分解化合物から無傷のKSLを分離することができた(図2b)。上述した[27]ようなペプチド結合の切断および酸化が関与する可能性が高い、分解生成物を同定し、または分解経路を決定する試みは行わなかった。
2.2 水溶液中での化学的安定性
図3は、55℃の種々のpHの溶液中での時間に対するKSLの残量比率の半対数プロットを示す。pHは、一次速度式に近似的に従う、観察された分解反応速度によって、KSLの分解率に影響を及ぼした。KSLの分解は25〜55℃の緩衝溶液中でも調査した。回帰分析による、時間データに対する濃度の半対数プロットの傾きから、分解率定数を得た。KSLの観察された反応一次速度定数を表1に記載する。KSLの安定性に関する最適pHは規定できなかったが、最も好ましい安定性は、pH4の酢酸緩衝液で現れた。55℃でのKSL分解の半減期は、pH4で165.0日、pH7.4で13.8日、pH9で4.7日であった。温度と速度定数との関係は、アレニウスプロットによって図4に示す。傾きに由来する活性化エネルギー(Ea)は、pH4で6.7kcal/mol、pH7.4で13.6kcal/mol、およびpH9で17.9kcal/molであった(表1)。KSLは人工唾液中でも安定であった(データは示さず)。37℃にて3日間インキュベートした後、HPLCで検出される分解ピークはなかった。
2.3 HAディスクとの相互作用
歯のような素材および唾液タンパク質に対するHAディスクを用いたKSLの親和性を図5に示す。図5aは、吸着の平衡が5分以内に生じ、およそ20%のKSLが8個のディスクに吸着したことを示す。KSLの吸着は、HAディスクの量およびディスク上のタンパク質被覆(コーティング)に依存した(図5b)。未処理のHAディスクと、ヒト唾液に浸すことによってタンパク質を被覆されたHAディスクとを比較すると、4個のHAディスクを使用した場合、結合に識別可能な差異があった。これは、限られた数の結合部位および被覆されたHAディスクに対する大きな吸着のためかもしれない。このことは、KSLが5つのリジン残基を含有するカチオン性分子なので唾液中の酸性糖タンパク質との静電気的相互作用に大きな潜在力を有するため、酸性の唾液タンパク質が働いたことを示唆している。口腔におけるクロルヘキシジンの保持は歯垢形成の抑制に直接関係することが強く示唆されている[17〜19]。BarnettらはHAに対するクロルヘキシジンの結合の生体内での歯垢予防効果との相関を報告した[28]。この研究に示されるように、HAに対するKSLの親和性は、歯垢形成に関連する口腔細菌株に対する抗菌活性を伴う歯垢予防剤としての可能性を示唆している[7]。
2.4 チューインガムからの試験管内での放出
試験管内での溶解および薬剤放出試験のための装置および方法については、固形投与形態が記載されている[23]。しかしながら、薬剤の放出には連続的な咀嚼が必要とされるので、これらの方法はチューインガムからの薬剤の放出を調査するのに容易に適合させられない。Kvist外によって開発された装置は、チューインガム組成の試験管内の薬剤放出試験に有用性を示した[24,25]。
図6は、様々な量のペプチド(ガム1個当たり5mg、10mgおよび20mg)を含有するチューインガム組成からのKSLの試験管内放出の特徴を示す。3つのガム組成からのKSLの放出は、10分で48〜55%、20分で65〜72%および30分で71〜82%だった。20mgのKSLを含有するガム組成は、5mgおよび10mgのKSLを含有するガム組成よりもやや高い%の放出を示した。全体として78〜88%のKSLが60分間に放出された。放出されたKSLの量は、ガム組成の負荷レベルに比例した。
試験管内の放出試験は、50〜60℃で製造されたガム組成におけるKSLの安定性を評価するのに有効であった。ガムから放出されたKSLのHPLC分析は、無傷のKSLのピークのみを示したが、これは、製造工程の間、ペプチドが安定のままであることを示している(データは示さず)。
2.5 チューインガムからの生体内での放出
生体内の噛み終え試験を行って、試験管内の結果と生体内の性能との間で薬剤放出パターンを相関させた。訓練を受けた被験者がそれぞれ5分間、10分間、20分間ガムを噛み、次いで残留するKSLをチューインガムから抽出した。抽出方法を有効にするために、それぞれ10mg、20mgおよび30mgのKSLを含有するガムを調べた。3種のガムの抽出収率は、負荷量に対して84.3〜88.6%の範囲内であった。抽出したKSLのHPLCによる分析は、標準KSLと同一の保持時間で単一ピークを示した。
図7は、試験管内での放出試験で使用したのと同じチューインガム組成からの、KSLの生体内での放出の特徴を示す。3種のガム組成物からのKSLの%放出は、各時点で有意に異なることはなく、5分では39〜52%の放出、10分では59〜69%の放出および20分では77〜83%の放出を示した。試験管内の放出と同様に、放出されたKSLの量は負荷レベルに比例した。生体内試験におけるKSLの放出量が試験管内での放出よりもやや高かったが、放出パターンは本質的に同一だった。試験管内放出と生体内放出との相関係数は>0.99であった。先に、Kvistらは、同じ装置を用いて得た試験管内の放出の特徴は、生体内の放出の特徴に極めて類似していることも報告した[25]。結果として、KSLを含有するチューインガム組成は、好ましい試験管内/生体内の放出の特徴を示したが、それは20分間でほぼ80%の放出に達した。20分という咀嚼時間は、ガムを噛むアメリカ人の80%超にとって通常の時間であることが報告されている[29]。
3.結論
KSLは、ヒト唾液で予備処理されたHAディスクに高い親和性を示し、チューインガムに上手く調合された。咀嚼装置を用いて試験管内で、および噛み終え法によって生体内で有望な放出特性が得られた。この試験は、KSLが制御された仕方でチューインガムから放出され、口腔に効果的に保持されて歯垢の形成を抑制することを示唆している。
B.口腔バイオフィルムの制御
1.材料および方法
抗菌デカペプチド、KSLの合成
自動ペプチド合成機(モデル90、Advanced Chem Tech社、ケンタッキー州、ルイスビレ)で、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)化学反応を用いた標準の固相法によってKSL(KKVVFKVKFK−NH2)を合成し、以前記載された(Concannon et al.,2003)ようにその純度を決定した。
1.2 緩衝液および培地
以前記載された(Shellis,1978)ように人工唾液を調製した。Williamsによって記載された唾液系培地(Williams,1998)を試験管内プラークアッセイシステムに使用した。
唾液の採取および唾液細菌の分離
ヒトの唾液を採取する方法および唾液細菌を単離する方法は以前記載された(Concannon et al.,2003)。試験は、ウォルター・リード陸軍研究所の治験審査委員会によって認可され、被験者すべてからインフォームドコンセントを得た。
二重フローセルシステム
この試験で使用された二重フローセルシステムは、Herles外(Herles et al.,1994)によるケモスタットフローセルを改変し、我々の設計およびBioSurface Technologies社(モンタナ州、ボーズマン)の仕様に従って構成された(図1)。フローセルは2つの区画からなり、それぞれ、その上にバイオフィルムが形成されるGeディスク(直径10mm、厚さ1.8mm)を保持するための3つの凹部を持つポリカーボネートのフローチャンバーを有している。Geディスクには、微分干渉コントラスト(DIC)顕微鏡を用いて未染色のバイオフィルムの視覚化を可能にする反射面を設けた。
バイオフィルムを形成するために、二重フローセルにおけるGeディスク(Mindrum社、カリフォルニア州、ランチョ・クカモンガ)を無菌の50%ヒト全唾液で1時間調整した。50%唾液(総量1.5mL)中で約1.0×107個の細胞/mLに調整された分離した唾液細菌をフローチャンバーに注入した。ディスク表面に細菌が最初に付着してから2時間後、培養培地(20%トッド・ヒューイットブロス(培地))のフローを流速0.2mL/分で開始した(Foster et al.,2004)。採用された流速は、基板表面でおよそ9.65s-1のずり速度を生成したが、それは口腔における流体の流れに一致している(Bakker at al.,2003)。
口腔バイオフィルムの発生および成長を制御することにおけるKSLの効果を評価するために、KSLを含まない培地またはKSLを含有する培地(10〜50□g/mLのKSL)によって、表面に付着した細胞(最初のコロニー形成後)を連続して潅流した。あるいは、20%THB中のKSL50□g/mLまたは対照の培地を0.2mL/分で注入ポンプを用いて2時間間隔で30分間、様々な成長段階のバイオフィルム(例えば、接種後4時間または6時間)をパルス処理した。DIC顕微鏡によってリアルタイムで、未処理のバイオフィルムの増殖と処理されたバイオフィルムの増殖とに対する抗菌剤の効果を直接比較した。
口腔バイオフィルムに対するKSLの殺菌活性
二重フローセルシステムと併せて、Guggenheimら(Guggenheim et al.,2001)によって記載されたバイオフィルム形成の試験管内歯垢モデルの変形例を用いて、発達した口腔バイオフィルムに対する、試験された抗菌剤およびそのほかの作用剤の効果を判定した(詳細は付録1を参照のこと)。唾液細菌がバイオフィルムを形成するための基板としてHAディスク(Clarkson社、ペンシルベニア州、サウスウイリアムズポート)を採用した。
発達した口腔バイオフィルムに対するKSLの阻害活性を判定するために、発生後45時間のバイオフィルムを有するディスクを、KSL水溶液の入ったウエル(200□g/mL、1mL/ウエル)に移した。37℃で30分間晒した後、1mLの生理食塩水でディスクを3回すすぎ、1mLのPBSの入った無菌の15mLのポリプロピレン試験管に移した。カップホーン付きMicroson超音波細胞破砕装置(ニューヨーク州、ファーミングデールのMisonix社)によって、5ワットで2分間超音波処理することにより、表面に付着したバイオフィルム細胞(処置後)を回収した。超音波処理で使用される、時間間隔も含む設定は、経験的に事前に決定され、付着したバイオフィルム細胞の最大の回収を得た。
上記のような超音波処理によりHAディスク(発生後45時間のバイオフィルム)からバイオフィルム細胞を回収することによって、分断されたバイオフィルムに対するKSLの効果を評価した。分離したバイオフィルム細胞(無菌のdH2O中)を等量のKSL水溶液と混合して最終ペプチド濃度200□g/mLを得、反応混合物を37℃で30分間インキュベートした。KSLと懸濁したバイオフィルム細胞との相互作用をPBSで洗浄することによって終了させた。
KSLによる無傷のバイオフィルムの殺傷を促進することにおける界面活性剤(塩化ベンザルコニウム、Sigma社、ミズーリ州、セントルイス)の効果を判定するために、KSL(200□g/mL)、塩化ベンザルコニウム(0.001%)またはその2つの作用剤の組み合わせにより、発生後66時間の口腔バイオフィルムを処理し、次いで、処理された試料の生菌数の測定および共焦点レーザー走査顕微鏡検査を行った。塩化ベンザルコニウムの投与量は経験的に事前に決定して、最小の殺菌活性を示す作用剤の濃度を選択した。
処理されたディスクまたは分断されたバイオフィルムに由来するバイオフィルム細胞の生菌数は、血液寒天プレート上に連続して希釈した試料をらせん状に播くことによって測定した。蒸留水または0.12%のジグルコン酸クロルヘキシジン水溶液(Sigma社)をそれぞれ陰性対照または陽性対照として用いた。発生後、45時間のバイオフィルムを、クロルヘキシジンに1分間、および37℃で水に30分間晒した。
3.結果
二重フローセルで形成された口腔バイオフィルムとKSLとの相互作用
KSLが抗バイオフィルム活性を有するかどうかを判定するために、我々は、口腔バイオフィルムの発達に対する種々の濃度のKSLの効果を調べた。DIC顕微鏡を用いて、我々は、フローセルの接種後2時間で、フローチャンバーにおいて唾液で調整したGe表面への唾液細菌の付着を認めた(図2A、aおよびd;図2B、aおよびc)。細菌が表面に付着した後、KSLを含むまたは含まない培養培地でフローチャンバーを連続して潅流した。KSLを欠く培地で潅流したフローチャンバーでは、接種後5時間で微細コロニーが形成され(図2A、b)、発達し続けて8時間後にはフィルム状の構造になった(図2A、c)。対照的に、50□g/mLのKSLは、バイオフィルムの発達を中断させた。細菌は付着したままだったが、微細コロニーやフィルム状の構造を形成することはできなかった(図2A、d〜f)。さらに、10□g/mLのKSLは、バイオフィルム形成の抑制に部分的に有効だった。接種後8時間で微細コロニーが形成されたが(図2B、c〜d)、未処理の付着した唾液細菌はフィルム状の構造を形成した(図2B、a〜b)。
KSLを含有する培地のフローチャンバーへの連続的な潅流は、付着した唾液細菌が調整されたGe表面上でバイオフィルムに分化するのを妨げたが、我々はまた、接種後様々な時点でバイオフィルム細胞をパルス処理することによって、KSLが発達過程を中断させることができるかどうかを判定することに関心を持った。図3A(a〜c)に示されるように、接種後4時間のバイオフィルム細胞の、KSLを含まない培地によるパルス処理(2時間ごとに0.2mL/分で30分)は、付着した唾液細菌がバイオフィルムに発達するのを妨げなかった。対照的に、接種後4時間のバイオフィルム細胞の、KSLを含有する培地(50□g/mL)によるパルス処理は、バイオフィルムの形成を抑制した(図3A、d〜f)。しかしながら、対照(図3A、a〜c)に比べて、接種後6時間のバイオフィルムの、KSLを含有する培地によるパルス処理は、バイオフィルム構造の発達を抑制することができないか、またはその構造を変えることができなかった(図3B、d〜f)。
無傷の口腔バイオフィルムおよび分断された口腔バイオフィルムとKSLとの相互作用
我々のフローセル実験は、成長した口腔バイオフィルムはKSLの影響を受けにくいことを示した。対照的に、発達の早い段階で付着した唾液細菌またはバイオフィルム細胞をKSLに晒すと、成長した増殖性のバイオフィルムへのさらなる発達が抑制された。この背景において我々は、試験管内プラークアッセイを用いて、発達した口腔バイオフィルムの組織化された構造が成長した口腔バイオフィルムのKSLへの耐性に寄与するかどうかを判定することに関心を持った。図4Aに示されるように、唾液で調整したHAディスク上に形成された無傷の発生後45時間の口腔バイオフィルムをKSLに晒すことによって生菌数が少し低下した(p<0.05)。生菌数の大きな低下は0.12%のクロルヘキシジンによって処理された無傷のバイオフィルムで認められた。これらのバイオフィルムをKSL処理の前に超音波処理によって機械的に分断した場合、dH2Oで処理した対照に比べて、KSLで処理した細胞の生存率が非常に大きく低下(1.8対数)した。同じ濃度のKSLで処理した無傷のバイオフィルムに比べて、分断したバイオフィルムの生存率に、同様に有意な低下があった。
界面活性剤の存在下での無傷の口腔バイオフィルムとKSLとの相互作用
バイオフィルムの組織化された構造が抗菌剤へのバイオフィルムの感受性に影響を与える場合があるので、我々は、試験管内のプラークアッセイを用いて、KSLによるバイオフィルム細胞の殺傷を促進することにおける界面活性剤、塩化ベンザルコニウムの効果を判定することに関心を持った。図4Bに示されるように、水による処理に比べて、塩化ベンザルコニウム(0.001%)存在下でのKSLは、クロルヘキシジンによって生じるのと同様の程度まで、発生後66時間の口腔バイオフィルムの生存率を有意に低下させた(1対数の低下を超えて)。KSL(200□g/mL)または塩化ベンザルコニウム(0.001%)単独では、これらバイオフィルムの生存率にあまり効果を有さなかった。これらの結果は、共焦点顕微鏡によって示される(図4C)ような処理された試料の生細胞/死細胞の染色によって確認された。
4.考察
分離された唾液細菌と一緒に取り外し可能でコロニー形成可能な表面を有する二重フローセルの使用によって、口腔バイオフィルムの形成に対する抗菌剤の効果を調べるための代替の方法が提供される。歯垢の元としてのヒト唾液細菌の使用は、これらの細菌が口腔における硬質組織および軟質組織に形成されるバイオフィルムに由来するので(Helmerhorst et al.,1999)、特に関係がある。システムによって処理群と陰性対照群との間で、非破壊的で直接的なバイオフィルムの発達の比較が可能である。
この試験システムでは、対照に比べてKSLはバイオフィルムの発達を顕著に妨害した。我々は、観察された抑制はおそらくKSLの抗菌活性のためであると結論付けた。我々は、KSLが標的細菌の膜を不安定化させることによってその抗菌活性を発揮することを示している(Concannon et al.,2003)。対照的に、出来上がった口腔バイオフィルム(発生後45時間のバイオフィルム)をKSLに晒したところ、その構造を分断せず、バイオフィルム細胞の生存率を大きく低下させなかった。その結果は、いったん発達するとバイオフィルムはKSLに、より耐性を持つことを示している。興味深いことに、類似する特性が、表面分泌物に豊富に存在する天然の抗菌成分であるラクトフェリンで認められた。低抑制濃度のラクトフェリンの連続的潅流は、緑膿菌によるバイオフィルムの発達を妨害した。しかしながら、KSLと同様にラクトフェリンは、成長したバイオフィルムの構造を変えることはできなかった(Singh et al.,2002)。
幾つかの要因が抗菌剤へのバイオフィルムの感受性に影響を及ぼす(Campanac et al.,2002;Gilbert et al.,1997;Stewart et al.,2004)。我々は、発達した口腔バイオフィルムのKSLに対する感受性が低下するのは、三次元バイオフィルム構造および/または外部高分子物質の存在によって、我々の抗菌剤の拡散に遅延が生じること、または我々の抗菌剤が排除されることによるという仮説を立てた。これを調べるために、我々は、唾液細菌によって形成され、唾液で被覆したHA表面で増殖した口腔バイオフィルムを分断し、無傷のバイオフィルムと比べた、これら分断したバイオフィルムの細胞のKSLに対する感受性を判定した。我々は、バイオフィルム構造の分断は、標的とされたバイオフィルム細胞の我々の抗菌剤に対する感受性を改善すると推論した。実際、分断処理によって、無傷の口腔バイオフィルムに比べて、分断されたものに由来するバイオフィルム細胞の感受性が大きく向上し、バイオフィルムの組織化された構造が、無傷のバイオフィルムの抗菌剤に対する感受性に影響を及ぼす働きをしていることが示唆された。しかしながら、我々は、無傷のバイオフィルムで観察された感受性の低下が、バイオフィルム細胞に関連するであろう外部高分子にも起因するのかどうかは確信がない。さらに、公知のカチオン系界面活性剤(Baker et al.,1976)である塩化ベンザルコニウムが低殺菌濃度で、KSLに対するバイオフィルムの感受性を有意に促進した。内在するメカニズムについては不明であるが、考えられる説明の1つは、低抑制濃度の塩化ベンザルコニウムが、バイオフィルムの構造に影響を与えることによって、無傷の口腔バイオフィルムに存在するバイオフィルム細胞のKSLへの接近能を高めるかもしれないということである。あるいは、カチオン剤である塩化ベンザルコニウムが、唾液細菌の殺傷においてKSLの殺菌活性に相乗効果を提供することが考えられる。
5.結論
KSLが口腔バイオフィルムの発達を妨害したという発見は、KSLが、歯垢が介在する歯科疾患を予防するための歯磨き剤に対する有益な添加剤となり得る可能性を生じる。KSLは分断された口腔バイオフィルム細胞を殺傷するのに有効だったので、これは特に関係がある。この分断は、口腔衛生処置の間の機械的な歯磨きおよび/または歯間磨き(フロス)によって生じさせることができるであろう。
当業者は、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、上記の好ましい実施形態の種々の改変および修正を設計することができることを十分に理解するであろう。したがって、添付の特許請求の範囲内で、本明細書に具体的に記載された以外で本発明を実施してもよいことが理解されるべきである。

Claims (17)

  1. 抗菌ペプチドと、界面活性剤とを含む口腔衛生処置剤。
  2. 前記抗菌ペプチドが、KSL(配列番号1)またはその誘導体を含む請求項1に記載の処置剤。
  3. 前記抗菌ペプチドが、KSL(配列番号1)である請求項2に記載の処置剤。
  4. 前記界面活性剤が、カチオン剤である請求項1に記載の処置剤。
  5. 前記界面活性剤が、塩化ベンザルコニウムである請求項4に記載の処置剤。
  6. 前記界面活性剤が、塩化ベンジルおよび塩化ピリジンからなる群から選択される請求項1に記載の処置剤。
  7. 前記抗菌ペプチドおよび前記界面活性剤が、水性の口内洗浄液中で混合される請求項1に記載の処置剤。
  8. 成長したバイオフィルムを、抗菌デカペプチドおよび界面活性剤に接触させることを含む、成長した口腔バイオフィルムを処置する方法。
  9. 前記抗菌ペプチドが、KSL(配列番号1)を含む請求項8に記載の方法。
  10. 前記界面活性剤がカチオン剤である請求項9に記載の方法。
  11. 前記界面活性剤が、塩化ベンザルコニウムである請求項10に記載の処置。
  12. 前記成長したバイオフィルムを接触させる前記工程が、成長したバイオフィルムを有する使用者の口内をKSLとベンザルコニウムと、を含有する溶液ですすぐことを含む請求項11に記載の方法。
  13. 成長したバイオフィルムを機械的に分断させることと、
    前記分断されたバイオフィルムを抗菌デカペプチドに接触させることとを含む成長したバイオフィルムを処置する方法。
  14. 前記抗菌デカペプチドが、KSL(配列番号1)を含む請求項13に記載の方法。
  15. ガム基材と有効な量の抗菌デカペプチドとを含む、歯垢予防のチューインガム。
  16. 前記抗菌ペプチドが、KSL(配列番号1)を含む請求項15に記載のチューインガム。
  17. さらに界面活性剤を含む請求項16に記載のチューインガム。
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