JP2020167576A - 機器ネットワークシステム - Google Patents
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Abstract
Description
図1Aは、系統認識の概念図である。図1Aにおいて、機器A1,A2,B1,B2,B3,B4,C1,C2が存在し、全ての機器は1つの通信ネットワークに属しており、相互に通信可能である。系統1は機器A1,B1,B2,B3,B4が属する系統であり、系統2は機器A2,C1,C2が属する系統である。初期状態においては、各機器は自身がどの系統に属しているか把握できておらず、系統認識により属する系統を特定する必要がある。系統認識を実現するためには、認識対象とする機器のネットワーク上の役割を定める必要がある。ネットワーク上の機器には、初期の役割として、「認識」役と「被認識」役とが存在する。例えば、「認識」役は室外機、集中コントローラが該当し、「被認識」役は室内機が該当する。
図1Bは、系統認識のフローチャートである。以下、図1Aおよび図1Bを参照しながら系統認識の手順を説明する。図1Aの上段に示すように、系統1には、認識する側である「認識」役になり得る2つの機器A1、B1が存在している。一方、系統2には、「認識」役になり得る1つの機器A2が存在している。
この3つの機器A1、B1およびA2の中のから1台の「認識」役を通信により選出する。選出方法は、例えば、各機器が持つ固有のIDや通信アドレスを参照し、最も値が小さいものを「認識」役とする方法がある。
機器B1、A2の「被認識」役への遷移が完了すると、「認識」役である機器A1が系統認識のための検知信号を「被認識」役の機器B1、B2、B3、B4へ発信する。
その検知信号を受け取った「被認識」役の機器B1、B2、B3、B4は通信にて応答を返す。
「認識」役である機器A1は、応答があった「被認識」役の機器B1、B2、B3、B4を同一系統に所属する機器であると認識して、その情報を記憶する。
既に「認識」役に選出された機器A1と「被認識」役に遷移して認識されたB1は、次の「認識」役の候補から除外される。そして、次の「認識」役の候補がなくなるまで、ステップS1からステップS4までの処理が繰り返される。その結果、各系統の機器構成が把握される。
図2は、多段に系統を接続した場合の系統認識の概念図である。また、図3は、図2の形態を基に作成した系統リストである。図2において、役割は「認識」と「被認識」の2種類であるが、機器の形態として機器A1,A2,B4,C2のように「認識」役および「被認識」役の両方の役割を持つ機器によって系統間を接続する。この機器は、上流側に対しては「被認識」役、下流側に対しては「認識」役を持つ。ここでいう系統は、冷媒系統に限られるものではない。
図4は、複数の冷媒系統から成る空調システムの構成図である。図4において、空調システムは、室外機と室内機、集中コントローラで構成され、冷媒配管で物理的に接続されたシステム単位を冷媒系統と呼ぶ。
例えば、室外機101が「認識」役に選出された場合、「認識」役に選出されなかった室外機102、103、201、202、301は、一時的に「被認識」役に遷移する。
既に「認識」役に選出された冷媒系統Aの室外機101、および冷媒系統Aに所属すると認識された室外機102、103は、次の「認識」役の候補から除外されるので、2つの冷媒系統B,Cの室外機201、202、301の中のから1台の「認識」役が選出される。
既に「認識」役に選出された冷媒系統Aの室外機101および冷媒系統Bの室外機201と、冷媒系統Aに所属すると認識された室外機102、103および冷媒系統Bに所属すると認識された室外機202は、次の「認識」役の候補から除外されるので、冷媒系統Cの室外機301が「認識」役となる。
図5は、冷暖同時運転空調システムの構成図である。図5において、冷暖同時運転空調システムは、室外機、室内機、および室外機と室内機間の冷媒回路を切り替えるための冷媒回路切替ユニットで構成されている。図5は、1つの冷媒系統であるが、冷媒制御上、冷媒回路切替ユニット以下に接続されている室内機を特定する必要があるため、3つの小系統D、E、Fに分けて系統認識を行う必要がある。
例えば、室外機401が「認識」役に選出されたとする。かかる場合、「認識」役に選出されなかった冷媒回路切替ユニット403A、403Bは、一時的に「被認識」役に遷移する。
既に「認識」役に選出された室外機401は、次の「認識」役の候補から除外されるので、2つの冷媒回路切替ユニット403A、403Bの中のから1台の「認識」役が選出される。
既に「認識」役に選出された室外機401および冷媒回路切替ユニット403Aは、次の「認識」役の候補から除外されるので、冷媒回路切替ユニット403Bが「認識」役となる。
本願では、通信に高周波通信を採用し、系統認識のための信号は通信で使用する周波数よりも十分周波数的に離れた低周波信号を使用する。これを、低周波信号検知方式とする。同一冷媒系統内の機器にのみ低周波信号が伝搬するようにし、これを検知することによって同一系統の機器を認識する方法である。
図7は、図4に記載の空調システムの回路ブロック図である。便宜上、冷媒系統Aと冷媒系統Bの途中までの記載となっている。図7において、系統間接続配線は高周波透過フィルタHPFが挿入されることによって高周波の通信信号は透過するが、低周波信号は他系統に伝搬しないようにしている。
図7及び図8において、ステップS11で電源が投入される。
次に、高周波通信によりネットワークを確立する。各機器(室外機、室内機)は高周波通信の回路を持っており(図1参照)、電源投入されたあと、通信によりネットワークを確立する。
次に、同一系統の室外機・室内機の認識を行うため、全ての室外機は、通信により協調し、ネットワーク上の1台の室外機を選出し、「認識」役とする。
選出された室外機101は、低周波信号を送信することを全ての機器(室外機102、103、201、室内機104、105、106、203)に通知し、低周波信号送信回路PSから低周波信号を送信する。なお、選出された室外機101は、通知時に自己の固有のIDや通信アドレスも通知する。
選出された室外機101からの通知後に、低周波信号を検知した室外機102、103や室内機104、105、106は、事前に通知されたIDまたは通信アドレス宛に、自己のIDまたは通信アドレスを通知する。
選出された室外機101は、通知されたIDまたは通信アドレスを同一系統リストに追加する。
選出された室外機101は、系統認識が完了したことをネットワーク全体に通知する。
系統認識未完了の室外機が存在する場合は、ステップS13に戻り、次の系統認識を実行する室外機を協調的に選出し、ステップS13〜ステップS17までの処理を行う。
冷暖同時運転空調システムの場合も図7を兼用して説明することができる。なお、ステップS11〜ステップS12の内容は、「(4−1)空調システムの場合」で説明した内容と同じであるので、説明を省略し、ステップS13〜ステップS18に対応する内容を、ステップS13B〜ステップS18Bとして記載する。
図5において、系統Dには1台の室外機401と2台の冷媒回路切替ユニット403A、403Bが存在しているので、その中から「認識」役となる機器が選出される。以下、室外機401が最初の「認識」役に選出されたものとして説明する。
次に、選出された室外機401は、低周波信号を送信することを全ての機器(室内機402、404,405,406,407,408,409、冷媒回路切替ユニット403A、403B)に通知し、低周波信号送信回路PSから低周波信号を送信する。なお、選出された室外機401は、通知時に自己の固有のID、又は通信アドレスも通知する。
選出された室外機401からの通知後に、低周波信号を検知した室内機402、冷媒回路切替ユニット403A、403Bは、事前に通知されたIDまたは通信アドレス宛に、自己のIDまたは通信アドレスを通知する。
選出された室外機401は、通知されたIDまたは通信アドレスを同一系統リストに追加する。
選出された室外機401は、系統認識が完了したことをネットワーク全体に通知する。
系統認識未完了の機器(冷媒回路切替ユニット)が存在する場合は、ステップS13Bに戻り、次の系統認識を実行する機器を協調的に選出し、ステップS13B〜ステップS17Bまでの処理を行う。
ここでは、系統間の容量性、または誘導性結合が発生し、系統認識時に系統外の機器の存在を確認した場合の処理方法について説明する。便宜上、2つの冷媒系統と、冷媒系統ごとに形成されているネットワークとを想定して説明する。
図9Bは、図9Aの2つのネットワークが結合して1つのネットワークが形成された状態の構成図である。
図9Cは、図9Aの機器の一部が他のネットワークに結合して、元の構成とは異なる構成の2つのネットワークが形成された状態の構成図である。
クロストークによる上記のようなネットワークの結合を解消するためには、ネットワークと冷媒系統とが不整合状態であることを判別し、不整合状態となっている機器を所属しているネットワークから離脱させて、別のネットワークを探索し接続する必要がある。
系統認識では、同一系統にある機器に低周波の検知信号が送信され、検知信号を受信した機器は高周波通信で応答するので、系統認識は通信ネットワークが確立した後で行われる。
クロストークは、ネットワーク構築時には発生しなくても、その後の配線の移動等によって発生することがある。例えば、配線が寄せられて途中からクロストークが発生するようになった場合、ネットワークが再構築される。
(6−1)空調システムの場合
(6−1−1)
機器ネットワークシステムでは、第1ネットワーク10の全ての室外機101、102、103から選出された室外機101が、第1ネットワーク10の室外機102、103、室内機104、105、106の認識処理を行う。第1ネットワーク10において、室外機101、102、103、室内機104、105、106の各機器間の通信は高周波で行い、選出された室外機101が行う認識処理では低周波の認識用信号を用いる。
機器ネットワークシステムでは、第2ネットワーク20の全ての室外機201、202から選出された室外機201が、第2ネットワーク20の室外機202、室内機203、204、205の認識処理を行う。
機器ネットワークシステムでは、室外機301が、第3ネットワーク30の室内機302、303、304の認識処理を行う。
第2ネットワーク20において、室外機201、202、室内機203、204、205の各機器間の通信は高周波で行い、選出された室外機201が行う認識処理では低周波の認識用信号を用いる。その結果、第2ネットワークの第2機器群の系統認識において、物理的につながっていない他のネットワークの機器が認識されることは、回避される。
第3ネットワーク30において、室外機301、室内機302、303、304の各機器間の通信は高周波で行い、選出された室外機301が行う認識処理では低周波の認識用信号を用いる。その結果、第3ネットワークの第3機器群の系統認識において、物理的につながっていない他のネットワークの機器が認識されることは、回避される。
(6−2−1)
機器ネットワークシステムでは、ネットワーク40の室外機401、冷媒回路切替ユニット403A、403Bから選出された室外機401が、ネットワーク40の室内機402、冷媒回路切替ユニット403A、403Bの認識処理を行う。ネットワーク40において、室外機401、室内機402、冷媒回路切替ユニット403A、403Bの各機器間の通信は高周波で行い、選出された室外機401が行う認識処理では低周波の認識用信号を用いる。その結果、ネットワーク40の機器群の系統認識において、物理的につながっていない他のネットワークの機器が認識されることは、回避される。
機器ネットワークシステムでは、冷媒回路切替ユニット403Aが、ネットワーク41の室内機、404、405、406の認識処理を行う。
機器ネットワークシステムでは、冷媒回路切替ユニット403Bが、ネットワーク42の室内機407、408、409の認識処理を行う。
ネットワーク41において、冷媒回路切替ユニット403A、室内機404、405、406の各機器間の通信は高周波で行い、冷媒回路切替ユニット403Aが行う認識処理では低周波の認識用信号を用いる。その結果、ネットワーク41の機器群の系統認識において、物理的につながっていない他のネットワークの機器が認識されることは、回避される。
ネットワーク42において、冷媒回路切替ユニット403B、室内機407、408、409の各機器間の通信は高周波で行い、冷媒回路切替ユニット403Bが行う認識処理では低周波の認識用信号を用いる。その結果、ネットワーク42の機器群の系統認識において、物理的につながっていない他のネットワークの機器が認識されることは、回避される。
(6−3−1)
高周波の周波数は100kHz以上である。
低周波の周波数は10kHz以下である。
11 MCU(第1処理部)
101、102、103 室外機(第1機器)
104、105、106 室内機(第1機器)
100 第1機器群
110 第1配線群
20 第2ネットワーク
21 MCU(第2処理部)
201、202 室外機(第2機器)
203、204、205 室内機(第2機器)
200 第2機器群
210 第2配線群
Claims (5)
- 複数の第1機器(101,・・・,106)を有する第1機器群(100)及び前記複数の第1機器に接続される第1配線群(110)から成る第1ネットワーク(10)と、
複数の第2機器(201,・・・,205)を有する第2機器群(200)及び前記複数の第2機器に接続される第2配線群(210)から成る第2ネットワーク(20)と、
前記第1ネットワークの前記第1機器群の認識処理を行う第1処理部と、
を備える機器ネットワークシステムであって、
前記第1ネットワークにおいて、前記第1機器間の通信は高周波で行い、前記第1処理部が行う認識処理では低周波の認識用信号を用いる、
機器ネットワークシステム。 - 前記第2ネットワークの前記第2機器群の認識処理を行う第2処理部をさらに備える、
請求項1に記載の機器ネットワークシステム。 - 前記第2ネットワークにおいて、前記第2機器間の通信は高周波で行い、前記第2処理部が行う認識処理では低周波の認識用信号を用いる、
請求項2に記載の機器ネットワークシステム。 - 前記高周波の周波数は、100kHz以上である、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の機器ネットワークシステム。 - 前記低周波の周波数は、10kHz以下である、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の機器ネットワークシステム。
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