JP2020167389A - 発光素子及びその製造方法並びに発光素子用組成物及びその製造方法 - Google Patents

発光素子及びその製造方法並びに発光素子用組成物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】駆動電圧が低い発光素子の製造に有用な組成物を提供すること、及び、当該組成物を含有する発光素子を提供すること。【解決手段】陽極と、陰極と、陽極及び陰極の間に設けられ、発光素子用組成物を含む有機層と、を備え、発光素子用組成物が、式(A)で表される蛍光発光性化合物と、ホウ素原子と、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、sp3炭素原子及び窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種とを環内に含む縮合複素環骨格(b)を有する化合物(B)と、を含有し、化合物(B)の最低三重項励起状態のエネルギー準位と最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値が、蛍光発光性化合物の最低三重項励起状態のエネルギー準位と最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値より小さい、発光素子。【選択図】なし

Description

本発明は、発光素子及びその製造方法に関する。本発明はまた、発光素子用組成物及びその製造方法に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子等の発光素子は、例えば、ディスプレイ及び照明に好適に使用することが可能である。発光素子の発光層に用いられる発光材料として、例えば、特許文献1では、熱活性化遅延蛍光(TADF)性化合物T1及び蛍光発光性化合物E1を含有する組成物が提案されている。
Figure 2020167389
国際公報第2018/062277号
しかし、上記組成物を用いて作製される発光素子は、駆動電圧が必ずしも十分に低くなかった。
そこで、本発明は、駆動電圧が低い発光素子の製造に有用な組成物を提供すること、及び、当該組成物を含有する発光素子を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、特定の蛍光発光性化合物及び特定の化合物(B)を含む発光素子用組成物において、各化合物の最低三重項励起状態のエネルギー準位と最低一重項励起状態のエネルギー準位との差が、特定の条件を満たす場合に、駆動電圧が低い発光素子が形成されることを見出し、本発明を完成するに至った。なお、特許文献1の化合物T1は後述の縮合複素環骨格(b)を有さない化合物である。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[32]を提供する。
[1]
陽極と、
陰極と、
前記陽極及び前記陰極の間に設けられ、発光素子用組成物を含む有機層と、
を備え、
前記発光素子用組成物が、
式(A)で表される蛍光発光性化合物と、
ホウ素原子と、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、sp炭素原子及び窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種とを環内に含む縮合複素環骨格(b)を有する化合物(B)と、
を含有し、
前記化合物(B)の最低三重項励起状態のエネルギー準位と最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値が、前記蛍光発光性化合物の最低三重項励起状態のエネルギー準位と最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値より小さい、発光素子。
Figure 2020167389

[式中、
1Aは、0以上の整数を表す。
Ar1Aは、芳香族炭化水素から、環を構成する原子に直接結合する水素原子n1A個以上を除いた基又は複素環式化合物から、環を構成する原子に直接結合する水素原子n1A個以上を除いた基を表し、この基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。但し、前記複素環式化合物は、前記縮合複素環骨格(b)を含まない複素環式化合物である。
1Aは、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。R1Aが複数存在する場合、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。但し、前記1価の複素環基は、前記縮合複素環骨格(b)を含まない複素環式化合物から、環を構成する原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、この基は置換基を有していてもよい。
Ar1Aが有していてもよい置換基とR1Aとは、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。]
[2]
前記Ar1Aにおける前記芳香族炭化水素が、多環式の芳香族炭化水素であり、
前記Ar1Aにおける前記複素環式化合物が、多環式の複素環式化合物である、[1]に記載の発光素子。
[3]
前記Ar1Aにおける前記芳香族炭化水素が、3環式〜5環式の芳香族炭化水素であり、
前記Ar1Aにおける前記複素環式化合物が、3環式〜5環式の複素環式化合物である、[2]に記載の発光素子。
[4]
前記縮合複素環骨格(b)が、ホウ素原子と、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種とを環内に含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の発光素子。
[5]
前記化合物(B)が、式(1−1)で表される化合物、式(1−2)で表される化合物又は式(1−3)で表される化合物である、[1]〜[3]のいずれかに記載の発光素子。
Figure 2020167389

[式中、
Ar、Ar及びArは、それぞれ独立に、芳香族炭化水素基又は複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
は、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、−N(Ry)−で表される基、アルキレン基又はシクロアルキレン基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
及びYは、それぞれ独立に、単結合、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、−N(Ry)−で表される基、アルキレン基又はシクロアルキレン基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。Ryは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。Ryが複数存在する場合、同一であっても異なっていてもよい。Ryは、直接結合して又は連結基を介して、Ar、Ar又はArと結合していてもよい。]
[6]
前記Y、前記Y及び前記Yが、酸素原子、硫黄原子又は−N(Ry)−で表される基である、[5]に記載の発光素子。
[7]
前記化合物(B)の最低三重項励起状態のエネルギー準位と前記化合物(B)の最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値が0.50eV以下であり、且つ、
前記蛍光発光性化合物の最低三重項励起状態のエネルギー準位と前記蛍光発光性化合物の最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値が0.50eVを超える、
[1]〜[6]のいずれかに記載の発光素子。
[8]
前記化合物(B)の25℃における発光スペクトルの最大ピークのエネルギー値(EB)と、前記蛍光発光性化合物の25℃における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピークのエネルギー値(AA)との差の絶対値(|EB−AA|)が0.60eV以下である、[1]〜[7]のいずれかに記載の発光素子。
[9]
前記発光素子用組成物が、ホスト材料を更に含有する、[1]〜[8]のいずれかに記載の発光素子。
[10]
前記ホスト材料が、式(H−1)で表される化合物を含む、[9]に記載の発光素子。
Figure 2020167389

[式中、
ArH1及びArH2は、それぞれ独立に、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
H1は、0以上の整数を表す。
H1は、アリーレン基、2価の複素環基、アルキレン基又はシクロアルキレン基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。LH1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
[11]
前記ホスト材料の25℃における発光スペクトルの最大ピークのエネルギー値(EH)と、前記化合物(B)の25℃における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピークのエネルギー値(AB)との差の絶対値(|EH−AB|)が0.60eV以下であり、且つ、
前記化合物(B)の25℃における発光スペクトルの最大ピークのエネルギー値(EB)と、前記蛍光発光性化合物の25℃における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピークのエネルギー値(AA)との差の絶対値(|EB−AA|)が0.60eV以下である、[9]又は[10]に記載の発光素子。
[12]
前記発光素子用組成物が、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料、酸化防止剤及び溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種を更に含有する、[1]〜[11]のいずれかに記載の発光素子。
[13]
式(A)で表される蛍光発光性化合物と、
ホウ素原子と、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、sp炭素原子及び窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種とを環内に含む縮合複素環骨格(b)を有する化合物(B)と、
を含有し、
前記化合物(B)の最低三重項励起状態のエネルギー準位と最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値が、前記蛍光発光性化合物の最低三重項励起状態のエネルギー準位と最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値より小さい、発光素子用組成物。
Figure 2020167389

[式中、
1Aは、0以上の整数を表す。
Ar1Aは、芳香族炭化水素から、環を構成する原子に直接結合する水素原子n1A個以上を除いた基又は複素環式化合物から、環を構成する原子に直接結合する水素原子n1A個以上を除いた基を表し、この基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。但し、前記複素環式化合物は、前記縮合複素環骨格(b)を含まない複素環式化合物である。
1Aは、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。R1Aが複数存在する場合、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。但し、前記1価の複素環基は、前記縮合複素環骨格(b)を含まない複素環式化合物から、環を構成する原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、この基は置換基を有していてもよい。
Ar1Aが有していてもよい置換基とR1Aとは、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。]
[14]
ホスト材料を更に含有する、[13]に記載の発光素子用組成物。
[15]
前記ホスト材料が、式(H−1)で表される化合物を含む、[14]に記載の発光素子用組成物。
Figure 2020167389

[式中、
ArH1及びArH2は、それぞれ独立に、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
H1は、0以上の整数を表す。
H1は、アリーレン基、2価の複素環基、アルキレン基又はシクロアルキレン基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。LH1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
[16]
前記ホスト材料の25℃における発光スペクトルの最大ピークのエネルギー値(EH)と、前記化合物(B)の25℃における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピークのエネルギー値(AB)との差の絶対値(|EH−AB|)が0.60eV以下であり、且つ、
前記化合物(B)の25℃における発光スペクトルの最大ピークのエネルギー値(EB)と、前記蛍光発光性化合物の25℃における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピークのエネルギー値(AA)との差の絶対値(|EB−AA|)が0.60eV以下である、[14]又は[15]に記載の発光素子用組成物。
[17]
前記発光素子用組成物が、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料、酸化防止剤及び溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種を更に含有する、[13]〜[16]のいずれかに記載の発光素子用組成物。
[18]
式(A)で表される蛍光発光性化合物を準備する準備工程と、
ホウ素原子と、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、sp炭素原子及び窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種とを環内に含む縮合複素環骨格(b)を有する化合物であって、最低三重項励起状態のエネルギー準位と最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値が、前記蛍光発光性化合物の最低三重項励起状態のエネルギー準位と最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値より小さい、化合物(B)を選別する選別工程と、
前記準備工程で準備した前記蛍光発光性化合物及び前記選別工程で選別した前記化合物(B)を混合して発光素子用組成物を得る製造工程と、
を備える、発光素子用組成物の製造方法。
Figure 2020167389

[式中、
1Aは、0以上の整数を表す。
Ar1Aは、芳香族炭化水素から、環を構成する原子に直接結合する水素原子n1A個以上を除いた基又は複素環式化合物から、環を構成する原子に直接結合する水素原子n1A個以上を除いた基を表し、この基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。但し、前記複素環式化合物は、前記縮合複素環骨格(b)を含まない複素環式化合物である。
1Aは、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。R1Aが複数存在する場合、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。但し、前記1価の複素環基は、前記縮合複素環骨格(b)を含まない複素環式化合物から、環を構成する原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、この基は置換基を有していてもよい。
Ar1Aが有していてもよい置換基とR1Aとは、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。]
[19]
前記選別工程が、前記化合物(B)の最低三重項励起状態のエネルギー準位及び最低一重項励起状態のエネルギー準位をそれぞれ求めて、当該最低三重項励起状態のエネルギー準位と当該最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値を算出する工程を更に含む、[18]に記載の製造方法。
[20]
前記選別工程が、前記化合物(B)の25℃における発光スペクトルの最大ピークのエネルギー値(EB)と、前記蛍光発光性化合物の25℃における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピークのエネルギー値(AA)との差の絶対値(EB−AA)が0.60eV以下となるように、前記化合物(B)を選別する工程を更に含む、[18]又は[19]に記載の製造方法。
[21]
前記製造工程が、前記準備工程で準備した前記蛍光発光性化合物と、前記選別工程で選別した前記化合物(B)と、ホスト材料と、を混合する工程である、[18]〜[20]のいずれかに記載の製造方法。
[22]
前記選別工程が、前記ホスト材料の25℃における発光スペクトルの最大ピークのエネルギー値(EH)と、前記化合物(B)の25℃における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピークのエネルギー値(AB)との差の絶対値(|EH−AB|)が0.60eV以下となるように、前記化合物(B)を選別する工程を更に含む、[21]に記載の製造方法。
[23]
ホスト材料の25℃における発光スペクトルの最大ピークのエネルギー値(EH)と、前記選別工程で選別した前記化合物(B)の25℃における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピークのエネルギー値(AB)との差の絶対値(|EH−AB|)が0.60eV以下となるように、ホスト材料を選別するホスト材料選別工程を更に備え、
前記製造工程が、前記準備工程で準備した前記蛍光発光性化合物と、前記選別工程で選別した前記化合物(B)と、前記ホスト材料選別工程で選別した前記ホスト材料と、を混合する工程である、[18]〜[20]のいずれかに記載の製造方法。
[24]
前記ホスト材料が、式(H−1)で表される化合物を含む、[21]〜[23]のいずれかに記載の製造方法。
Figure 2020167389

[式中、
ArH1及びArH2は、それぞれ独立に、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
H1は、0以上の整数を表す。
H1は、アリーレン基、2価の複素環基、アルキレン基又はシクロアルキレン基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。LH1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
[25]
ホウ素原子と、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、sp炭素原子及び窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種とを環内に含む縮合複素環骨格(b)を有する化合物(B)を準備する準備工程と、
式(A)で表される化合物であって、最低三重項励起状態のエネルギー準位と最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値が、前記化合物(B)の最低三重項励起状態のエネルギー準位と最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値より大きい、蛍光発光性化合物を選別する選別工程と、
前記準備工程で準備した前記化合物(B)及び前記選別工程で選別した前記蛍光発光性化合物を混合して発光素子用組成物を得る製造工程と、
を備える、発光素子用組成物の製造方法。
Figure 2020167389

[式中、
1Aは、0以上の整数を表す。
Ar1Aは、芳香族炭化水素から、環を構成する原子に直接結合する水素原子n1A個以上を除いた基又は複素環式化合物から、環を構成する原子に直接結合する水素原子n1A個以上を除いた基を表し、この基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。但し、前記複素環式化合物は、前記縮合複素環骨格(b)を含まない複素環式化合物である。
1Aは、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。R1Aが複数存在する場合、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。但し、前記1価の複素環基は、前記縮合複素環骨格(b)を含まない複素環式化合物から、環を構成する原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、この基は置換基を有していてもよい。
Ar1Aが有していてもよい置換基とR1Aとは、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。]
[26]
前記選別工程が、前記蛍光発光性化合物の最低三重項励起状態のエネルギー準位及び最低一重項励起状態のエネルギー準位をそれぞれ求めて、当該最低三重項励起状態のエネルギー準位と当該最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値を算出する工程を更に含む、[25]に記載の製造方法。
[27]
前記選別工程が、前記化合物(B)の25℃における発光スペクトルの最大ピークのエネルギー値(EB)と、前記蛍光発光性化合物の25℃における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピークのエネルギー値(AA)との差の絶対値(|EB−AA|)が0.60eV以下となるように、前記蛍光発光性化合物を選別する工程を更に含む、[25]又は[26]に記載の製造方法。
[28]
前記製造工程が、前記準備工程で準備した前記化合物(B)と、前記選別工程で選別した前記蛍光発光性化合物と、ホスト材料と、を混合する工程である、[25]〜[27]のいずれかに記載の製造方法。
[29]
ホスト材料を準備するホスト材料準備工程を更に備え、
前記準備工程が、前記ホスト材料の25℃における発光スペクトルの最大ピークのエネルギー値(EH)と、前記化合物(B)の25℃における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピークのエネルギー値(AB)との差の絶対値(|EH−AB|)が0.60eV以下となる化合物(B)を準備する工程である、[28]に記載の製造方法。
[30]
ホスト材料の25℃における発光スペクトルの最大ピークのエネルギー値(EH)と、前記準備工程で準備した前記化合物(B)の25℃における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピークのエネルギー値(AB)との差の絶対値(|EH−AB|)が0.60eV以下となるように、ホスト材料を選別するホスト材料選別工程を更に備え、
前記製造工程が、前記準備工程で準備した前記化合物(B)と、前記選別工程で選別した前記蛍光発光性化合物と、前記ホスト材料選別工程で選別した前記ホスト材料と、を混合する工程である、[25]〜[27]のいずれかに記載の製造方法。
[31]
前記ホスト材料が、式(H−1)で表される化合物を含む、[28]〜[30]のいずれかに記載の製造方法。
Figure 2020167389

[式中、
ArH1及びArH2は、それぞれ独立に、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
H1は、0以上の整数を表す。
H1は、アリーレン基、2価の複素環基、アルキレン基又はシクロアルキレン基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。LH1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
[32]
陽極と、陰極と、前記陽極及び前記陰極の間に設けられた有機層と、を有する発光素子の製造方法であって、
[18]〜[31]のいずれか一項に記載の製造方法により発光素子用組成物を製造する工程と、該工程で製造された前記発光素子用組成物を用いて、前記有機層を形成する工程と、を備える、発光素子の製造方法。
本発明によれば、駆動電圧が低い発光素子の製造に有用な組成物及びその製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、当該組成物を含有する発光素子及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
<共通する用語の説明>
本明細書で共通して用いられる用語は、特記しない限り、以下の意味である。
「室温」とは、25℃を意味する。
Meはメチル基、Etはエチル基、Buはブチル基、i−Prはイソプロピル基、t−Buはtert−ブチル基を表す。
水素原子は、重水素原子であっても、軽水素原子であってもよい。
「低分子化合物」とは、分子量分布を有さず、分子量が1×10以下の化合物を意味する。
「高分子化合物」とは、分子量分布を有し、ポリスチレン換算の数平均分子量が1×10以上(例えば1×10〜1×10)である重合体を意味する。
「構成単位」とは、高分子化合物中に1個以上存在する単位を意味する。
高分子化合物は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよいし、その他の態様であってもよい。
高分子化合物の末端基は、重合活性基がそのまま残っていると、高分子化合物を発光素子の作製に用いた場合、発光特性又は輝度寿命が低下する可能性があるので、好ましくは安定な基である。高分子化合物の末端基としては、好ましくは主鎖と共役結合している基であり、例えば、炭素−炭素結合を介して高分子化合物の主鎖と結合するアリール基又は1価の複素環基と結合している基が挙げられる。
「アルキル基」は、直鎖及び分岐のいずれでもよい。直鎖のアルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜50であり、好ましくは1〜20であり、より好ましくは1〜10である。分岐のアルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜50であり、好ましくは3〜20であり、より好ましくは4〜10である。
アルキル基は、置換基を有していてもよい。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、2−エチルブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、3−プロピルヘプチル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、2−エチルオクチル基、2−ヘキシルデシル基及びドデシル基が挙げられる。また、アルキル基は、これらの基における水素原子の一部又は全部が、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基であってもよい。このようなアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、3−フェニルプロピル基、3−(4−メチルフェニル)プロピル基、3−(3,5−ジ−ヘキシルフェニル)プロピル基及び6−エチルオキシヘキシル基が挙げられる。
「シクロアルキル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜50であり、好ましくは4〜10である。シクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。シクロアルキル基としては、例えば、シクロヘキシル基及びメチルシクロヘキシル基が挙げられる。
「アルキレン基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜20であり、好ましくは1〜15であり、より好ましくは1〜10である。アルキレン基は、置換基を有していてもよい。アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基及びオクチレン基が挙げられる。
「シクロアルキレン基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜20であり、好ましくは4〜10である。シクロアルキレン基は、置換基を有していてもよい。シクロアルキレン基としては、例えば、シクロヘキシレン基が挙げられる。
「芳香族炭化水素基」は、芳香族炭化水素から環を構成する原子に直接結合する水素原子1個以上を除いた基を意味する。芳香族炭化水素から環を構成する原子に直接結合する水素原子1個を除いた基を「アリール基」ともいう。芳香族炭化水素から環を構成する原子に直接結合する水素原子2個を除いた基を「アリーレン基」ともいう。
芳香族炭化水素基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜40であり、より好ましくは6〜20である。
「芳香族炭化水素基」は、例えば、単環式の芳香族炭化水素(例えば、ベンゼンが挙げられる。)、又は、多環式の芳香族炭化水素(例えば、ナフタレン及びインデン等の2環式の芳香族炭化水素;アントラセン、フェナントレン、ジヒドロフェナントレン及びフルオレン等の3環式の芳香族炭化水素;ベンゾアントラセン、ベンゾフェナントレン、ベンゾフルオレン、ピレン及びフルオランテン等の4環式の芳香族炭化水素;ジベンゾアントラセン、ジベンゾフェナントレン、ジベンゾフルオレン、ペリレン及びベンゾフルオランテン等の5環式の芳香族炭化水素;スピロビフルオレン等の6環式の芳香族炭化水素;並びに、ベンゾスピロビフルオレン及びアセナフトフルオランテン等の7環式の芳香族炭化水素が挙げられる。)から、環を構成する原子に直接結合する水素原子1個以上を除いた基が挙げられる。芳香族炭化水素基は、これらの基が複数結合した基を含む。芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。
「アルコキシ基」は、直鎖及び分岐のいずれでもよい。直鎖のアルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜40であり、好ましくは1〜10である。分岐のアルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜40であり、好ましくは4〜10である。
アルコキシ基は、置換基を有していてもよい。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、及びラウリルオキシ基が挙げられる。
「シクロアルコキシ基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜40であり、好ましくは4〜10である。シクロアルコキシ基は、置換基を有していてもよい。シクロアルコキシ基としては、例えば、シクロヘキシルオキシ基が挙げられる。
「アリールオキシ基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜40であり、より好ましくは6〜20である。アリールオキシ基は、置換基を有していてもよい。アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基、アントラセニルオキシ基、及びピレニルオキシ基が挙げられる。
「複素環基」とは、複素環式化合物から環を構成する原子に直接結合する水素原子1個以上を除いた基を意味する。複素環基の中でも、芳香族複素環式化合物から環を構成する原子に直接結合する水素原子1個以上を除いた基である「芳香族複素環基」が好ましい。複素環式化合物から環を構成する原子に直接結合する水素原子p個(pは、1以上の整数を表す。)を除いた基を「p価の複素環基」ともいう。芳香族複素環式化合物から環を構成する原子に直接結合する水素原子p個を除いた基を「p価の芳香族複素環基」ともいう。
「芳香族複素環式化合物」としては、例えば、アゾール、チオフェン、フラン、ピリジン、ジアザベンゼン、トリアジン、アザナフタレン、ジアザナフタレン及びカルバゾール等の複素環自体が芳香族性を示す化合物、並びに、フェノキサジン、フェノチアジン及びベンゾピラン等の複素環自体は芳香族性を示さなくとも、複素環に芳香環が縮環されている化合物が挙げられる。
複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜60であり、好ましくは2〜40であり、より好ましくは3〜20である。芳香族複素環基のヘテロ原子数は、置換基のヘテロ原子数を含めないで、通常1〜30であり、好ましくは、1〜10であり、より好ましくは、1〜5であり、更に好ましくは1〜3である。
複素環基としては、例えば、単環式の複素環式化合物(例えば、フラン、チオフェン、オキサジアゾール、ピロール、ジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピリジン、ジアザベンゼン及びトリアジンが挙げられる。)、又は、多環式の複素環式化合物(例えば、アザナフタレン、ジアザナフタレン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、ベンゾジアゾール及びベンゾチアジアゾール等の2環式の複素環式化合物;ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾボロール、ジベンゾシロール、ジベンゾホスホール、ジベンゾセレノフェン、カルバゾール、アザカルバゾール、ジアザカルバゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、9,10−ジヒドロアクリジン、5,10−ジヒドロフェナジン、アクリドン、フェナザボリン、フェノホスファジン、フェノセレナジン、フェナザシリン、アザアントラセン、ジアザアントラセン、アザフェナントレン及びジアザフェナントレン等の3環式の複素環式化合物;ヘキサアザトリフェニレン、ベンゾカルバゾール、ベンゾナフトフラン及びベンゾナフトチオフェン等の4環式の複素環式化合物;ジベンゾカルバゾール、インドロカルバゾール、インデノカルバゾール及びキナクリドン等の5環式の複素環式化合物;カルバゾロカルバゾール、ベンゾインドロカルバゾール及びベンゾインデノカルバゾール等の6環式の複素環式化合物;並びに、ジベンゾインドロカルバゾール等の7環式の複素環式化合物が挙げられる。)から、環を構成する原子に直接結合する水素原子1個以上を除いた基が挙げられる。複素環基は、これらの基が複数結合した基を含む。複素環基は置換基を有していてもよい。
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。
「アミノ基」は、置換基を有していてもよく、置換アミノ基(即ち、第2級アミノ基又は第3級アミノ基、より好ましくは第3級アミノ基)が好ましい。アミノ基が有する置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基が好ましい。アミノ基が有する置換基が複数存在する場合、それらは同一で異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する窒素原子とともに環を形成していてもよい。
置換アミノ基としては、例えば、ジアルキルアミノ基、ジシクロアルキルアミノ基及びジアリールアミノ基が挙げられる。
アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビス(メチルフェニル)アミノ基、及びビス(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)アミノ基が挙げられる。
「アルケニル基」は、直鎖及び分岐のいずれでもよい。直鎖のアルケニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜30であり、好ましくは3〜20である。分岐のアルケニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜30であり、好ましくは4〜20である。
「シクロアルケニル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜30であり、好ましくは4〜20である。
アルケニル基及びシクロアルケニル基は、置換基を有していてもよい。アルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、7−オクテニル基、及び、これらの基における水素原子の一部又は全部が置換基で置換された基が挙げられる。シクロアルケニル基としては、例えば、シクロヘキセニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロオクタトリエニル基、ノルボルニレニル基、及び、これらの基における水素原子の一部又は全部が置換基で置換された基が挙げられる。
「アルキニル基」は、直鎖及び分岐のいずれでもよい。アルキニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常2〜20であり、好ましくは3〜20である。分岐のアルキニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常4〜30であり、好ましくは4〜20である。
「シクロアルキニル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常4〜30であり、好ましくは4〜20である。
アルキニル基及びシクロアルキニル基は、置換基を有していてもよい。アルキニル基としては、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、5−ヘキシニル基、及び、これらの基における水素原子の一部又は全部が置換基で置換された基が挙げられる。シクロアルキニル基としては、例えば、シクロオクチニル基が挙げられる。
「架橋基」とは、加熱、紫外線照射、近紫外線照射、可視光照射、赤外線照射、ラジカル反応等に供することにより、新たな結合を生成することが可能な基である。架橋基としては、架橋基A群から選ばれる架橋基(即ち、式(XL−1)〜式(XL−19)のいずれかで表される基)が好ましい。
(架橋基A群)
Figure 2020167389

[式中、RXLは、メチレン基、酸素原子又は硫黄原子を表し、nXLは、0〜5の整数を表す。RXLが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。複数存在するnXLは、同一でも異なっていてもよい。*1は結合位置を表す。これらの架橋基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。]
「置換基」としては、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、置換アミノ基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基及びシクロアルキニル基が挙げられる。置換基は架橋基であってもよい。なお、置換基が複数存在する場合、それらは互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよいが、環を形成しないことが好ましい。
本明細書中、最低三重項励起状態のエネルギー準位と最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値(以下、「ΔEST」ともいう。)の値の算出は、以下の方法で求められる。まず、B3LYPレベルの密度汎関数法により、化合物の基底状態を構造最適化する。その際、基底関数としては、6−31G*を用いる。そして、得られた構造最適化された構造を用いて、B3LYPレベルの時間依存密度汎関数法により、化合物のΔESTを算出する。但し、6−31G*が使用できない原子を含む場合は、該原子に対してはLANL2DZを用いる。なお、量子化学計算プログラムとしては、Gaussian09を用いて計算する。
<発光素子用組成物>
本実施形態の発光素子用組成物は、蛍光発光性化合物と化合物(B)とを含有する。
本実施形態の発光素子用組成物は、蛍光発光性化合物及び化合物(B)を、それぞれ、1種のみ含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。
本実施形態の発光素子用組成物において、蛍光発光性化合物と化合物(B)とは、物理的、化学的又は電気的に相互作用することが好ましい。この相互作用により、例えば、本実施形態の発光素子用組成物の発光特性、電荷輸送特性又は電荷注入特性を向上又は調整することが可能となり、本実施形態の発光素子の駆動電圧がより低くなる。
本実施形態の発光素子用組成物において、発光材料を一例として説明すれば、蛍光発光性化合物と化合物(B)とが電気的に相互作用し、化合物(B)から蛍光発光性化合物へ効率的に電気エネルギーを渡すことで、蛍光発光性化合物をより効率的に発光させることができ、本実施形態の発光素子の駆動電圧がより低くなる。
本実施形態の発光素子用組成物において、蛍光発光性化合物の含有量は、化合物(B)と蛍光発光性化合物との合計を100質量部とした場合、通常、0.01〜99質量部であり、本実施形態の発光素子の駆動電圧がより低くなるので、0.1質量部以上が好ましく、1質量部以上であってもよく、5質量部以上であってもよく、10質量部以上であってもよく、また、90質量部以下が好ましく、70質量部以下であってもよく、50質量部以下であってもよく、30質量部以下であってもよい。
本実施形態の発光素子用組成物において、化合物(B)の最低三重項励起状態のエネルギー準位と最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値(ΔEST)は、蛍光発光性化合物の最低三重項励起状態のエネルギー準位と最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値(ΔEST)よりも小さい。これにより、化合物(B)と、蛍光発光性化合物とが、効率的に、物理的、化学的又は電気的に相互作用し、本実施形態の発光素子の駆動電圧がより低くなる。
上記観点から、本実施形態の発光素子の駆動電圧がより低くなるので、化合物(B)の有する最低励起一重項状態(S)は、蛍光発光性化合物の有する最低励起一重項状態(S)より高いエネルギー準位であることが好ましい。また、本実施形態の発光素子の駆動電圧がより低くなるので、化合物(B)の有する最低励起三重項状態(T)は、蛍光発光性化合物の有する最低励起三重項状態(T)より高いエネルギー準位であることが好ましい。
本実施形態の発光素子用組成物において、化合物(B)と、蛍光発光性化合物とが、効率的に物理的、化学的又は電気的に相互作用し、本実施形態の発光素子の駆動電圧がより低くなるので、EB(化合物(B)の25℃における発光スペクトルの最大ピークのエネルギー値)とAA(蛍光発光性化合物の25℃における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピークのエネルギー値)との差の絶対値(以下、「|EB−AA|」ともいう。)は、0.60eV以下であることが好ましく、0.50eV以下であってもよく、0.40eV以下であってもよく、0.30eV以下であってもよく、0.20eV以下であってもよい。また、|EB−AA|は、0eV以上であってもよく、0.001eV以上であってもよく、0.005eV以上であってもよく、0.01eV以上であってもよく、0.05eV以上であってもよい。
EBは、好ましくは、1.8eV以上であり、2.0eV以上であってもよく、2.2eV以上であってもよく、2.4eV以上であってもよく、2.6eV以上であってもよい。EBは、好ましくは3.5eV以下であり、3.3eV以下であってもよく、3.1eV以下であってもよく、3.0eV以下であってもよい。
AAは、好ましくは、1.8eV以上であり、2.0eV以上であってもよく、2.2eV以上であってもよく、2.4eV以上であってもよく、2.6eV以上であってもよい。AAは、好ましくは4.5eV以下であり、より好ましくは4.0eV以下であり、更に好ましくは3.5eV以下であり、3.3eV以下であってもよく、3.1eV以下であってもよく、3.0eV以下であってもよく、2.8eV以下であってもよい。
ここで、|EB−AA|と、発光素子の発光特性(特に駆動電圧)との関係について、以下のように推測される。
本発明者らは、化合物(B)と蛍光発光性化合物とが、効率的に、物理的、化学的又は電気的に相互作用するような設計(特に、効率的に電気的な相互作用するような設計)を検討した。まず、化合物(B)は、発光スペクトルの半値幅が小さい化合物であり、化合物(B)の発光スペクトルの半値幅が小さいと、化合物(B)の発光スペクトルと蛍光発光性化合物の吸収スペクトルとの重なりが小さくなりやすいことに着目した。本発明者らは、化合物(B)の発光スペクトルと蛍光発光性化合物の吸収スペクトルとの重なりを大きくすることで、より効率的に電気的な相互作用が得られると考え、|EB−AA|に着目した。より詳細には、|EB−AA|を0.60eV以下とすることで、化合物(B)の発光スペクトルと蛍光発光性化合物の吸収スペクトルとの重なりが大きくなり、化合物(B)の電気エネルギーが蛍光発光性化合物へ速やかに移動するため、蛍光発光性化合物をより効率的に発光させることができ、その結果、発光素子の発光特性(特に駆動電圧の更なる低下)がより優れると推測される。
化合物の発光スペクトルの最大ピークのエネルギー値、及び、吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピークのエネルギー値は、化合物の発光スペクトルの最大ピーク波長、及び、吸収スペクトルの最も低いエネルギー側のピーク波長を測定した後、得られたピーク波長をエネルギー値に換算することで求めることができる。
化合物の室温における発光スペクトルの最大ピーク波長は、化合物を、キシレン、トルエン、クロロホルム、テトラヒドロフラン等の有機溶媒に溶解させ、希薄溶液を調製し(1×10−6質量%〜1×10−3質量%)、該希薄溶液のPLスペクトルを室温で測定することで評価することができる。化合物を溶解させる有機溶媒としては、キシレンが好ましい。
化合物の室温における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピーク波長は、化合物を、キシレン、トルエン、クロロホルム、テトラヒドロフラン等の有機溶媒に溶解させ、希薄溶液を調製し(1×10−6質量%〜1×10−3質量%)、該希薄溶液の紫外可視吸収スペクトルを室温で測定することで評価することができる。化合物を溶解させる有機溶媒としては、キシレンが好ましい。
[化合物(B)]
化合物(B)は、ホウ素原子と、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、sp炭素原子及び窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種と、を環内に含む縮合複素環骨格(b)を有する化合物である。
化合物(B)において、縮合複素環骨格(b)が窒素原子を含む場合、縮合複素環骨格(b)に含まれる窒素原子のうち、少なくとも1つは二重結合を形成していない窒素原子であることが好ましく、縮合複素環骨格(b)に含まれる窒素原子の全てが二重結合を形成していない窒素原子であることがより好ましい。
縮合複素環骨格(b)の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜60であり、好ましくは5〜40であり、より好ましくは10〜25である。
縮合複素環骨格(b)のヘテロ原子数は、置換基のヘテロ原子数を含めないで、通常2〜30であり、好ましくは2〜15であり、より好ましくは2〜10であり、更に好ましくは2〜5であり、特に好ましくは2又は3である。
縮合複素環骨格(b)のホウ素原子数は、置換基のホウ素原子数を含めないで、通常1〜10であり、好ましくは、1〜5であり、より好ましくは1〜3であり、更に好ましくは1である。
縮合複素環骨格(b)の酸素原子、硫黄原子、セレン原子、sp炭素原子及び窒素原子の合計個数は、置換基の原子数を含めないで、通常1〜20であり、好ましくは1〜10であり、より好ましくは1〜5であり、更に好ましくは1〜3であり、特に好ましくは2である。
縮合複素環骨格(b)は、本実施形態の発光素子の駆動電圧がより低くなるので、ホウ素原子と、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種とを環内に含むことが好ましく、ホウ素原子及び窒素原子を環内に含むことがより好ましく、ホウ素原子と二重結合を形成していない窒素原子とを環内に含むことが更に好ましい。
縮合複素環骨格(b)は、本実施形態の発光素子の駆動電圧がより低くなるので、好ましくは3〜12環式縮合複素環骨格であり、より好ましくは3〜6環式縮合複素環骨格であり、更に好ましくは5環式縮合複素環骨格である。
縮合複素環骨格(b)は、縮合複素環骨格(b)を有する複素環基(b’)を有する化合物ということもできる。
複素環基(b’)は、ホウ素原子と、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、sp炭素原子及び窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種とを環内に含む、多環式の複素環式化合物から、環を構成する原子に直接結合する水素原子1個以上を除いた基であってよく、該基は置換基を有していてもよい。複素環基(b’)において、多環式の複素環式化合物は、好ましくは、ホウ素原子と、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種とを環内に含む、多環式の複素環式化合物であり、より好ましくは、ホウ素原子及び窒素原子を環内に含む、多環式の複素環式化合物であり、更に好ましくは、ホウ素原子と二重結合を形成していない窒素原子とを環内に含む、多環式の複素環式化合物である。複素環基(b’)において、多環式の複素環式化合物は、好ましくは3〜12環式の複素環式化合物であり、より好ましくは3〜6環式の複素環式化合物であり、更に好ましくは5環式の複素環式化合物である。
複素環基(b’)が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基が好ましく、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基がより好ましく、アルキル基、アリール基又は置換アミノ基が更に好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
複素環基(b’)が有していてもよい置換基における、アリール基としては、好ましくは、単環式又は2環式〜6環式の芳香族炭化水素から、環を構成する原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、より好ましくは、単環式、2環式又は3環式の芳香族炭化水素から、環を構成する原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、更に好ましくは、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン又はフルオレンから環を構成する原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、特に好ましくは、フェニル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
複素環基(b’)が有していてもよい置換基における、1価の複素環基としては、好ましくは、単環式又は2環式〜6環式の複素環式化合物から、環を構成する原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、単環式、2環式又は3環式の複素環式化合物から、環を構成する原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、更に好ましくは、ピリジン、ジアザベンゼン、トリアジン、アザナフタレン、ジアザナフタレン、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、フェノキサジン又はフェノチアジンから環を構成する原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、特に好ましくは、ピリジン、ジアザベンゼン又はトリアジンから環を構成する原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
複素環基(b’)が有していてもよい置換基における置換アミノ基において、アミノ基が有する置換基としては、アリール基又は1価の複素環基が好ましく、アリール基がより好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。アミノ基が有する置換基におけるアリール基及び1価の複素環基の例及び好ましい範囲は、それぞれ、複素環基(b’)が有していてもよい置換基におけるアリール基及び1価の複素環基の例及び好ましい範囲と同じである。
複素環基(b’)が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基が好ましく、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基がより好ましく、アルキル基又はシクロアルキル基が更に好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよいが、更に置換基を有さないことが好ましい。
複素環基(b’)が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲は、それぞれ、複素環基(b’)が有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲と同じである。
「二重結合を形成していない窒素原子」とは、他の3つの原子とそれぞれ単結合で結合する窒素原子を意味する。
「環内に二重結合を形成していない窒素原子を含む」とは、環内に−N(−R)−(式中、Rは水素原子又は置換基を表す。)又は式:
Figure 2020167389

で表される基を含むことを意味する。
化合物(B)は、本実施形態の発光素子の駆動電圧がより低くなるので、熱活性化遅延蛍光(TADF)性化合物であることが好ましい。
化合物(B)のΔESTは、2.0eV以下であってもよく、1.5eV以下であってもよく、1.0eV以下であってもよく、0.80eV以下であってもよく、0.60eV以下であってもよく、本実施形態の発光素子の駆動電圧がより低くなるので、好ましくは0.50eV以下である。また、化合物(B)のΔESTは、0.001eV以上であってもよく、0.01eV以上であってもよく、0.10eV以上であってもよく、0.20eV以上であってもよく、0.30eV以上であってもよく、0.40eV以上であってもよい。
化合物(B)は、低分子化合物であることが好ましい。
化合物(B)の分子量は、好ましくは1×10〜5×10であり、より好ましくは2×10〜3×10であり、更に好ましくは3×10〜1.5×10であり、特に好ましくは4×10〜1×10である。
化合物(B)は、本実施形態の発光素子の駆動電圧がより低くなるので、式(1−1)、式(1−2)又は式(1−3)で表される化合物であることが好ましく、式(1−2)又は式(1−3)で表される化合物であることがより好ましく、式(1−2)で表される化合物であることが更に好ましい。
Ar、Ar及びArは、本実施形態の発光素子の駆動電圧がより低くなるので、単環式、2環式若しくは3環式の芳香族炭化水素又は単環式、2環式若しくは3環式の複素環式化合物から、環を構成する原子に直接結合する水素原子1個以上を除いた基であり、より好ましくは、単環式の芳香族炭化水素又は単環式の複素環式化合物から、環を構成する原子に直接結合する水素原子1個以上を除いた基であり、更に好ましくは、ベンゼン、ピリジン又はジアザベンゼンから、環を構成する原子に直接結合する水素原子1個以上を除いた基であり、特に好ましくは、ベンゼンから、環を構成する原子に直接結合する水素原子1個以上を除いた基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Ar、Ar及びArが有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、複素環基(b’)が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
は、好ましくは、酸素原子、硫黄原子、−N(Ry)−で表される基又はメチレン基であり、より好ましくは、酸素原子、硫黄原子又は−N(Ry)−で表される基であり、更に好ましくは、−N(Ry)−で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
及びYは、好ましくは、単結合、酸素原子、硫黄原子、−N(Ry)−で表される基又はメチレン基であり、より好ましくは、単結合、酸素原子、硫黄原子又は−N(Ry)−で表される基であり、更に好ましくは、酸素原子、硫黄原子又は−N(Ry)−で表される基であり、特に好ましくは、−N(Ry)−で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
本実施形態の発光素子の駆動電圧がより低くなるので、Y、Y及びYの全てが、酸素原子、硫黄原子又は−N(Ry)−で表される基であることが好ましく、Y、Y及びYの全てが、−N(Ry)−で表される基であることがより好ましい。
、Y及びYが有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、複素環基(b’)が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
Ryは、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基又は1価の複素環基であり、更に好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Ryにおけるアリール基及び1価の複素環基の例及び好ましい範囲は、それぞれ、複素環基(b’)が有していてもよい置換基におけるアリール基及び1価の複素環基の例及び好ましい範囲と同じである。
Ryが有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、複素環基(b’)が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
Ryは、直接結合して又は連結基を介して、Ar、Ar又はArと結合していてもよいが、結合していないことが好ましい。連結基としては、例えば、−O−で表される基、−S−で表される基、−N(Ry)−で表される基、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基及び2価の複素環基が挙げられ、好ましくは、−O−で表される基、−S−で表される基、−N(Ry)−で表される基又はメチレン基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
化合物(B)としては、下記式で表される化合物及び後述の化合物B1〜B3が例示される。
Figure 2020167389
Figure 2020167389
式中、Zは、酸素原子又は硫黄原子を表す。
[蛍光発光性化合物]
蛍光発光性化合物は、式(A)で表される化合物である。蛍光発光性化合物は、化合物(B)とは異なる化合物であり、縮合複素環骨格(b)を有さない化合物である。
なお、「蛍光発光性化合物」は、室温で蛍光発光性を示す化合物を意味する。蛍光発光性化合物は、好ましくは、室温で一重項励起状態からの発光を示す化合物である。
蛍光発光性化合物のΔESTは、本実施形態の発光素子の駆動電圧がより低くなるので、0.50eVを超えることが好ましく、0.55eV以上であることがより好ましく、0.60eV以上であることが更に好ましく、0.65eV以上であってもよい。また、蛍光発光性化合物のΔESTは、好ましくは、3.0eV以下であり、より好ましくは、2.5eV以下であり、更に好ましくは、2.0eV以下であり、特に好ましくは1.5eV以下である。
蛍光発光性化合物の室温における発光スペクトルの最大ピークのエネルギー値(EA)は、好ましくは1.6eV以上であり、1.8eV以上であってもよく、2.0eV以上であってもよく、2.1eV以上であってもよく、2.2eV以上であってもよく、2.3eV以上であってもよい。また、EAは、好ましくは、3.3eV以下であり、3.1eV以下であってもよく、3.0eV以下であってもよく、2.9eV以下であってもよく、2.8eV以下であってもよく、2.7eV以下であってもよく、2.6eV以下であってもよく、2.5eV以下であってもよい。
1Aは、通常、10以下の整数であり、式(A)で表される化合物の合成が容易であるので、好ましくは7以下の整数であり、より好ましくは5以下の整数であり、更に好ましくは3以下の整数である。また、n1Aは、本実施形態の発光素子の駆動電圧がより低くなるので、1以上の整数であることが好ましく、2以上の整数であることがより好ましい。
Ar1Aとしては、例えば、単環式の芳香族炭化水素から、環を構成する原子に直接結合する水素原子n1A個以上を除いた基(以下、「単環式の芳香族炭化水素基」ともいう。)、多環式の芳香族炭化水素から、環を構成する原子に直接結合する水素原子n1A個以上を除いた基(以下、「多環式の芳香族炭化水素基」ともいう。)、単環式の複素環式化合物から、環を構成する原子に直接結合する水素原子n1A個以上を除いた基(以下、「単環式の複素環基」ともいう。)、及び、多環式の複素環式化合物から、環を構成する原子に直接結合する水素原子n1A個以上を除いた基(以下、「多環式の複素環基」ともいう。)が挙げられ、本実施形態の発光素子の駆動電圧がより低くなるので、好ましくは、多環式の芳香族炭化水素基又は多環式の複素環基であり、より好ましくは、多環式の芳香族炭化水素基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Ar1Aにおける芳香族炭化水素としては、例えば、前述の芳香族炭化水素基の項で説明した芳香族炭化水素が挙げられる。
Ar1Aにおける複素環式化合物は、縮合複素環骨格(b)を含まない複素環式化合物である。Ar1Aにおける複素環式化合物としては、例えば、前述の複素環基の項で説明した複素環式化合物の中で、ホウ素原子及び窒素原子を環内に含まない複素環式化合物が挙げられる。
Ar1Aにおける、単環式の芳香族炭化水素基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、好ましくは6である。Ar1Aにおいて、単環式の芳香族炭化水素基における、単環式の芳香族炭化水素は、本実施形態の発光素子の駆動電圧がより低くなるので、好ましくはベンゼンである。
Ar1Aにおける、多環式の芳香族炭化水素基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、好ましくは7〜60であり、より好ましくは8〜40であり、更に好ましくは10〜30であり、更に好ましくは12〜20である。Ar1Aにおいて、多環式の芳香族炭化水素基における多環式の芳香族炭化水素は、本実施形態の発光素子の駆動電圧がより低くなるので、好ましくは2環式〜7環式の芳香族炭化水素であり、より好ましくは3〜5環式の芳香族炭化水素であり、更に好ましくはアントラセン、フェナントレン、フルオレン、ベンゾアントラセン、ベンゾフェナントレン、ベンゾフルオレン、ピレン、フルオランテン、ペリレン又はベンゾフルオランテンであり、特に好ましくはアントラセン、フルオレン、ベンゾアントラセン、ベンゾフルオレン、ピレン、フルオランテン又はベンゾフルオランテンである。
Ar1Aにおける、単環式の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、好ましくは1〜5であり、より好ましくは2〜5である。Ar1Aにおける、単環式の複素環基のヘテロ原子数は、置換基のヘテロ原子数を含めないで、好ましくは1〜5であり、より好ましくは1〜3である。Ar1Aにおいて、単環式の複素環基における、単環式の複素環式化合物は、本実施形態の発光素子の駆動電圧がより低くなるので、好ましくはフラン、チオフェン、ピロール、ジアゾール、トリアゾール、ピリジン、ジアザベンゼン又はトリアジンであり、より好ましくは、ピロール、ジアゾール、トリアゾール、ピリジン、ジアザベンゼン又はトリアジンであり、更に好ましくはピリジン、ジアザベンゼン又はトリアジンである。
Ar1Aにおける、多環式の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、好ましくは7〜60であり、より好ましくは10〜20である。Ar1Aにおける、多環式の複素環基のヘテロ原子数は、置換基のヘテロ原子数を含めないで、好ましくは1〜5であり、より好ましくは1〜3である。Ar1Aにおいて、多環式の複素環基における、多環式の複素環式化合物は、縮合複素環骨格(b)を含まない、多環式の複素環式化合物であり、本実施形態の発光素子の駆動電圧がより低くなるので、好ましくは、縮合複素環骨格(b)を含まない、2環式〜7環式の複素環式化合物であり、より好ましくは、縮合複素環骨格(b)を含まない、3〜5環式の複素環式化合物であり、更に好ましくは、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、カルバゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、9,10−ジヒドロアクリジン、5,10−ジヒドロフェナジン、アクリドン、アザアントラセン、ジアザアントラセン、アザフェナントレン、ジアザフェナントレン、ベンゾカルバゾール、ベンゾナフトフラン、ベンゾナフトチオフェン、ジベンゾカルバゾール、インドロカルバゾール、インデノカルバゾール又はキナクリドンであり、特に好ましくは、9,10−ジヒドロアクリジン、アクリドン又はキナクリドンである。
Ar1Aが有していてもよい置換基としては、例えば、アリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基以外の置換基が挙げられ、好ましくは、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アルケニル基又はシクロアルケニル基であり、より好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はシクロアルコキシ基であり、更に好ましくは、アルキル基又はシクロアルキル基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
1Aが0の場合、本実施形態の発光素子の駆動電圧がより低くなるので、Ar1Aは、置換基を有することが好ましい。Ar1Aが置換基を有する場合、Ar1Aが有する置換基の個数は、通常、10個以下であり、式(A)で表される化合物の合成が容易であるので、好ましくは7個以下であり、より好ましくは5個以下であり、更に好ましくは3個以下である。また、n1Aは、本実施形態の発光素子の駆動電圧がより低くなるので、1以上の整数であることが好ましく、2以上の整数であることがより好ましい。
Ar1Aが有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、後述のR1Aが有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
1Aは、本実施形態の発光素子の駆動電圧がより低くなるので、好ましくはアリール基又は置換アミノ基であり、より好ましくは置換アミノ基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
1Aにおけるアリール基は、好ましくは、単環式又は2環式〜6環式の芳香族炭化水素から、環を構成する原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、より好ましくは、単環式、2環式又は3環式の芳香族炭化水素から、環を構成する原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、更に好ましくは、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ジヒドロフェナントレン又はフルオレンから、環を構成する原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、特に好ましくは、フェニル基又はナフチル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
1Aにおける1価の複素環基は、縮合複素環骨格(b)を含まない複素環式化合物から、環を構成する原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、この基は置換基を有していてもよい。R1Aにおける1価の複素環基において、縮合複素環骨格(b)を含まない複素環式化合物としては、前述の複素環基の項で説明した複素環式化合物の中で、ホウ素原子及び窒素原子を環内に含まない複素環式化合物が挙げられる。R1Aにおける1価の複素環基は、好ましくは、縮合複素環骨格(b)を含まない、単環式又は2環式〜6環式の複素環式化合物から、環を構成する原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、より好ましくは、縮合複素環骨格(b)を含まない、単環式、2環式又は3環式の複素環式化合物から、環を構成する原子に直接結合する水素原子1個以上を除いた基であり、ピリジン、ジアザベンゼン、トリアジン、アザナフタレン、ジアザナフタレン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン又はカルバゾールから、環を構成する原子に直接結合する水素原子1個以上を除いた基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
1Aにおける置換アミノ基において、アミノ基が有する置換基としては、アリール基又は1価の複素環基が好ましく、アリール基がより好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。アミノ基が有する置換基であるアリール基の例及び好ましい範囲は、R1Aにおけるアリール基の例及び好ましい範囲と同じである。アミノ基が有する置換基である1価の複素環基の例及び好ましい範囲は、R1Aにおける1価の複素環基の例及び好ましい範囲と同じである。
1Aが有していてもよい置換基としては、好ましくは、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、より好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、更に好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
1Aが有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲は、R1Aにおけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲と同じである。
1Aが有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基としては、好ましくはハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、より好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、更に好ましくはアルキル基又はシクロアルキル基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよいが、更に置換基を有さないことが好ましい。
1Aが有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲は、R1Aにおけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲と同じである。
蛍光発光性化合物としては、下記式で表される化合物が例示される。
Figure 2020167389
Figure 2020167389
式中、Zは、酸素原子又は硫黄原子を表す。
[ホスト材料]
本実施形態の発光素子用組成物は、本実施形態の発光素子の駆動電圧がより低くなるので、正孔注入性、正孔輸送性、電子注入性及び電子輸送性から選ばれる少なくとも1つの機能を有するホスト材料を更に含むことが好ましい。本実施形態の発光素子用組成物は、ホスト材料を、1種のみ含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。但し、ホスト材料は、化合物(B)とは異なる。また、ホスト材料は、蛍光発光性化合物とは異なる。
本実施形態の発光素子用組成物がホスト材料を更に含む場合、ホスト材料と、化合物(B)と、蛍光発光性化合物とは、物理的、化学的又は電気的に相互作用することが好ましい。この相互作用により、例えば、本実施形態の発光素子用組成物の発光特性、電荷輸送特性又は電荷注入特性を向上又は調整することが可能となる。
本実施形態の発光素子用組成物がホスト材料を更に含む場合について、発光材料を一例として説明すれば、ホスト材料と、化合物(B)と、蛍光発光性化合物とが電気的に相互作用し、ホスト材料から、化合物(B)へ効率的に電気エネルギーを渡し、更に、化合物(B)から蛍光発光性化合物へ効率的に電気エネルギーを渡すことで、蛍光発光性化合物をより効率的に発光させることができ、本実施形態の発光素子の駆動電圧がより低くなる。
上記観点から、本実施形態の発光素子の駆動電圧がより低くなるので、本実施形態の発光素子用組成物がホスト材料を更に含む場合、ホスト材料の有する最低励起一重項状態(S)は、蛍光発光性化合物の有する最低励起一重項状態(S)及び化合物(B)の有する最低励起一重項状態(S)より高いエネルギー準位であることが好ましい。
本実施形態の発光素子用組成物がホスト材料を更に含む場合、ホスト材料と化合物(B)とがより効率的に物理的、化学的又は電気的に相互作用し、本実施形態の発光素子の駆動電圧がより低くなるので、EH(ホスト材料の25℃における発光スペクトルの最大ピークのエネルギー値)とAB(化合物(B)の25℃における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピークのエネルギー値)との差の絶対値(以下、「|EH−AB|」ともいう。)は、0.60eV以下であることが好ましく、0.55eV以下であることがより好ましく、0.50eV以下であることが更に好ましい。また、|EH−AB|は、0eV以上であってもよく、0.001eV以上であってもよく、0.005eV以上であってもよく、0.01eV以上であってもよく、0.05eV以上であってもよい。
EHは、好ましくは、2.0eV以上であり、2.2eV以上であってもよく、2.4eV以上であってもよく、2.6eV以上であってもよく、2.8eV以上であってもよく、3.0eV以上であってもよい。また、EHは、好ましくは4.0eV以下であり、3.8eV以下であってもよく、3.6eV以下であってもよく、3.4eV以下であってもよい。
ABは、好ましくは、1.8eV以上であり、2.0eV以上であってもよく、2.2eV以上であってもよく、2.4eV以上であってもよく、2.6eV以上であってもよく、2.8eV以上であってもよい。また、ABは、好ましくは4.0eV以下であり、3.8eV以下であってもよく、3.6eV以下であってもよく、3.4eV以下であってもよく、3.2eV以下であってもよく、3.0eV以下であってもよい。
ここで、|EH−AB|と、発光素子の発光特性(特に駆動電圧)との関係について、以下のように推測される。
本発明者らは、ホスト材料と化合物(B)とが、効率的に、物理的、化学的又は電気的に相互作用するような設計(特に、効率的に電気的な相互作用するような設計)を検討した。まず、化合物(B)は、発光スペクトルの半値幅が小さい化合物であり、これにより化合物(B)の吸収スペクトルの半値幅が小さいと推測した。ここで、化合物(B)の吸収スペクトルの半値幅が小さいと、ホスト材料の発光スペクトルと、化合物(B)の吸収スペクトルとの重なりが小さくなりやすいと推測した。そこで、本発明者らは、ホスト材料の発光スペクトルと化合物(B)の吸収スペクトルとの重なりを大きくすることで、より効率的に電気的な相互作用が得られると考え、|EH−AB|に着目した。より詳細には、|EH−AB|を0.60eV以下とすることで、ホスト材料の発光スペクトルと化合物(B)の吸収スペクトルとの重なりが大きくなり、ホスト材料の電気エネルギーが化合物(B)へ速やかに移動するため、その結果、発光素子の発光特性(特に駆動電圧の更なる低下)がより優れると推測される。
本実施形態の発光素子用組成物がホスト材料を更に含む場合、ホスト材料と化合物(B)と蛍光発光性化合物とがより効率的に物理的、化学的又は電気的に相互作用し、本実施形態の発光素子の駆動電圧がより低くなるので、|EB−AA|が0.60eV以下であり、且つ、|EH−AB|が0.60eV以下であることが好ましい。この場合における、|EB−AA|及び|EH−AB|の例及び好ましい範囲は、それぞれ、前述の|EB−AA|及び|EH−AB|の項で説明した例及び好ましい範囲と同じである。
上述の「|EB−AA|と、発光素子の発光特性(特に駆動電圧)との関係」、及び、上述の「|EH−AB|と、発光素子の発光特性(特に駆動電圧)との関係」で説明した考えに基づき、本実施形態の発光素子用組成物がホスト材料を更に含む場合、|EB−AA|を0.60eV以下とすることで、ホスト材料の発光スペクトルと化合物(B)の吸収スペクトルとの重なりが大きくなり、ホスト材料の電気エネルギーが化合物(B)へ速やかに移動し、更に、|EH−AB|を0.60eV以下とすることで、化合物(B)の発光スペクトルと蛍光発光性化合物の吸収スペクトルとの重なりが大きくなり、化合物(B)の電気エネルギーが蛍光発光性化合物へ速やかに移動するため、蛍光発光性化合物をより効率的に発光させることができ、その結果、発光素子の発光特性(特に駆動電圧の更なる低下)がより優れると推測される。
本実施形態の発光素子用組成物がホスト材料を更に含む場合、本実施形態の発光素子の駆動電圧がより低くなるので、EH>ABを満たすことが好ましい。
本実施形態の発光素子用組成物がホスト材料を更に含む場合、本実施形態の発光素子の駆動電圧がより低くなるので、EH>EBを満たすことが好ましい。
本実施形態の発光素子用組成物がホスト材料を更に含む場合、本実施形態の発光素子の駆動電圧がより低くなるので、EH>EAを満たすことが好ましい。
本実施形態の発光素子用組成物が、ホスト材料を更に含む場合、ホスト材料の含有量は、蛍光発光性化合物、化合物(B)及びホスト材料の合計を100質量部として、通常、1〜99.99質量部であり、好ましくは10〜99.9質量部であり、より好ましくは30〜99.5質量部であり、更に好ましくは50〜99質量部であり、特に好ましくは70〜98質量部であり、とりわけ好ましくは90〜97質量部である。
ホスト材料としては、本実施形態の発光素子を湿式法で作製できるので、蛍光発光性化合物及び化合物(B)を溶解することが可能な溶媒に対して溶解性を示すものが好ましい。
ホスト材料は、低分子化合物(低分子ホスト)と高分子化合物(高分子ホスト)とに分類され、本実施形態の発光素子用組成物はいずれのホスト材料を含有していてもよい。本実施形態の発光素子用組成物に含有されていてもよいホスト材料としては、本実施形態の発光素子の駆動電圧がより低くなるので、低分子化合物が好ましい。
高分子ホストとしては、例えば、後述の正孔輸送材料である高分子化合物、後述の電子輸送材料である高分子化合物が挙げられる。
低分子ホストは、本実施形態の発光素子の駆動電圧がより低くなるので、好ましくは、式(H−1)で表される化合物である。ここで、式(H−1)で表される化合物は、化合物中に、縮合複素環骨格(b)を有さない化合物であることが好ましい。
式(H−1)で表される化合物の分子量は、好ましくは、1×10〜5×10であり、より好ましくは2×10〜3×10であり、更に好ましくは3×10〜1.5×10であり、特に好ましくは4×10〜1×10である。
ArH1及びArH2におけるアリール基は、好ましくは、単環式又は2〜7環式の芳香族炭化水素から環を構成する原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、より好ましくは、単環式又は2〜5環式の芳香族炭化水素から環を構成する原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、更に好ましくは、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ジヒドロフェナントレン、フルオレン、ベンゾアントラセン、ベンゾフェナントレン、ベンゾフルオレン、ピレン、フルオランテン、ペリレン又はベンゾフルオランテンから、環を構成する原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、特に好ましくは、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、ピレン又はベンゾフルオランテンから、環を構成する原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
H1におけるアリーレン基は、好ましくは、単環式又は2〜7環式の芳香族炭化水素から環を構成する原子に直接結合する水素原子2個を除いた基であり、より好ましくは、単環式又は2〜5環式の芳香族炭化水素から環を構成する原子に直接結合する水素原子2個を除いた基であり、更に好ましくは、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ジヒドロフェナントレン、フルオレン、ベンゾアントラセン、ベンゾフェナントレン、ベンゾフルオレン、ピレン、フルオランテン、ペリレン又はベンゾフルオランテンから、環を構成する原子に直接結合する水素原子2個を除いた基であり、特に好ましくは、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、ピレン又はベンゾフルオランテンから、環を構成する原子に直接結合する水素原子2個を除いた基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArH1及びArH2における1価の複素環基は、縮合複素環骨格(b)を含まない複素環式化合物から、環を構成する原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であることが好ましく、この基は置換基を有していてもよい。ArH1及びArH2における1価の複素環基において、縮合複素環骨格(b)を含まない複素環式化合物としては、前述の複素環基の項で説明した複素環式化合物の中で、ホウ素原子及び窒素原子を環内に含まない複素環式化合物が挙げられる。ArH1及びArH2における1価の複素環基は、好ましくは、単環式又は2〜7環式の複素環式化合物(好ましくは、縮合複素環骨格(b)を含まない、単環式又は2〜7環式の複素環式化合物)から環を構成する原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、より好ましくは、単環式又は2〜5環式の複素環式化合物(好ましくは、縮合複素環骨格(b)を含まない、単環式又は2〜5環式の複素環式化合物)から環を構成する原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、更に好ましくは、ピリジン、ジアザベンゼン、トリアジン、アザナフタレン、ジアザナフタレン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、カルバゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、ベンゾカルバゾール、ベンゾナフトフラン、ベンゾナフトチオフェン、ジベンゾカルバゾール、インドロカルバゾール又はインデノカルバゾールから環を構成する原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、特に好ましくは、ピリジン、ジアザベンゼン、トリアジン、アザナフタレン、ジアザナフタレン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、カルバゾール、ベンゾカルバゾール、ベンゾナフトフラン又はベンゾナフトチオフェンから環を構成する原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
H1における2価の複素環基は、縮合複素環骨格(b)を含まない複素環式化合物から、環を構成する原子に直接結合する水素原子2個を除いた基であることが好ましい。LH1における2価の複素環基において、縮合複素環骨格(b)を含まない複素環式化合物としては、前述の複素環基の項で説明した複素環式化合物の中で、ホウ素原子及び窒素原子を環内に含まない複素環式化合物が挙げられる。LH1における2価の複素環基は、好ましくは、単環式又は2〜7環式の複素環式化合物(好ましくは、縮合複素環骨格(b)を含まない、単環式又は2〜7環式の複素環式化合物)から環を構成する原子に直接結合する水素原子2個を除いた基であり、より好ましくは、単環式又は2〜5環式の複素環式化合物(好ましくは、縮合複素環骨格(b)を含まない、単環式又は2〜5環式の複素環式化合物)から環を構成する原子に直接結合する水素原子2個を除いた基であり、更に好ましくは、ピリジン、ジアザベンゼン、トリアジン、アザナフタレン、ジアザナフタレン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、カルバゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、ベンゾカルバゾール、ベンゾナフトフラン、ベンゾナフトチオフェン、ジベンゾカルバゾール、インドロカルバゾール又はインデノカルバゾールから環を構成する原子に直接結合する水素原子2個を除いた基であり、特に好ましくは、ピリジン、ジアザベンゼン、トリアジン、アザナフタレン、ジアザナフタレン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、カルバゾール、ベンゾカルバゾール、ベンゾナフトフラン又はベンゾナフトチオフェンから環を構成する原子に直接結合する水素原子2個を除いた基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArH1及びArH2における置換アミノ基において、アミノ基が有する置換基としては、アリール基又は1価の複素環基が好ましく、アリール基がより好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。アミノ基が有する置換基であるアリール基の例及び好ましい範囲は、ArH1及びArH2におけるアリール基の例及び好ましい範囲と同じである。アミノ基が有する置換基である1価の複素環基の例及び好ましい範囲は、ArH1及びArH2における1価の複素環基の例及び好ましい範囲と同じである。
本実施形態の発光素子の駆動電圧がより低くなるので、ArH1及びArH2の少なくとも1つは、アリール基又は1価の複素環基であることが好ましく、ArH1及びArH2の両方が、アリール基又は1価の複素環基であることがより好ましく、ArH1及びArH2の両方が、1価の複素環基であることが更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArH1及びArH2におけるアリール基及び1価の複素環基としては、本実施形態の発光素子の駆動電圧がより低くなるので、ベンゼン、ナフタレン、フルオレン、ピリジン、ジアザベンゼン、トリアジン、アザナフタレン、ジアザナフタレン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン又はカルバゾールから、環を構成する原子に直接結合する水素原子1個を除いた基が好ましく、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、カルバゾリル基、ジベンゾチエニル基又はジベンゾフリル基がより好ましく、フェニル基、ナフチル基又はカルバゾリル基が更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
本実施形態の発光素子の駆動電圧がより低くなるので、LH1の少なくとも1つは、アリーレン基又は2価の複素環基であることが好ましく、全てのLH1が、アリーレン基又は2価の複素環基であることがより好ましく、全てのLH1が、2価の複素環基であることが更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
H1におけるアリーレン基及び2価の複素環基としては、本実施形態の発光素子の駆動電圧がより低くなるので、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、ピレン、ベンゾフルオランテン、ピリジン、ジアザベンゼン、トリアジン、アザナフタレン、ジアザナフタレン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン又はカルバゾールから環を構成する原子(好ましくは炭素原子)に直接結合する水素原子2個を除いた基が好ましく、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン又はカルバゾールから環を構成する原子(好ましくは炭素原子)に直接結合する水素原子2個を除いた基がより好ましく、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ジベンゾフラン又はジベンゾチオフェンから環を構成する原子に直接結合する水素原子2個を除いた基が更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArH1、ArH2及びLH1が有していてもよい置換基としては、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、1価の複素環基、置換アミノ基、シアノ基又はハロゲン原子であり、より好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、更に好ましくは、アルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
ArH1、ArH2及びLH1が有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲は、それぞれ、ArH1及びArH2におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲と同じである。
ArH1、ArH2及びLH1が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基としては、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、より好ましくは、アルキル基又はシクロアルキル基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよいが、更に置換基を有さないことが好ましい。
ArH1、ArH2及びLH1が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲は、それぞれ、ArH1及びArH2におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲と同じである。
H1は、通常、0以上10以下の整数であり、好ましくは0以上7以下の整数であり、より好ましくは1以上5以下の整数であり、更に好ましくは1以上3以下の整数であり、特に好ましくは1である。
式(H−1)で表される化合物としては、例えば、下記式で表される化合物が挙げられる。なお、式中、Zは、酸素原子又は硫黄原子を表す。式中、Zは、−CH=で表される基又は−N=で表される基を表す。
Figure 2020167389
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[その他の成分]
本実施形態の発光素子用組成物は、蛍光発光性化合物と、化合物(B)と、前述のホスト材料、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料、酸化防止剤及び溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種とを含有する組成物であってもよい。但し、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料及び発光材料は、蛍光発光性化合物及び化合物(B)とは異なる。
[インク]
蛍光発光性化合物と、化合物(B)と、溶媒とを含有する組成物(以下、「インク」と言う。)は、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、キャピラリ−コート法、ノズルコート法等の湿式法を用いた発光素子の作製に好適である。インクの粘度は、印刷法の種類によって調整すればよいが、好ましくは25℃において1mPa・s〜20mPa・sである。
インクに含まれる溶媒は、好ましくは、インク中の固形分を溶解又は均一に分散できる溶媒である。溶媒としては、例えば、塩素系溶媒、エーテル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、多価アルコール系溶媒、アルコール系溶媒、スルホキシド系溶媒、アミド系溶媒が挙げられる。
インクにおいて、溶媒の配合量は、蛍光発光性化合物及び化合物(B)の合計を100質量部とした場合、通常、1000質量部〜10000000質量部である。
溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
・正孔輸送材料
正孔輸送材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類され、好ましくは架橋基を有する高分子化合物である。
高分子化合物としては、例えば、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体;側鎖又は主鎖に芳香族アミン構造を有するポリアリーレン及びその誘導体が挙げられる。高分子化合物は、フラーレン、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン及びトリニトロフルオレノン等の電子受容性部位が結合された化合物でもよい。
本実施形態の発光素子用組成物において、正孔輸送材料が含まれる場合、正孔輸送材料の配合量は、蛍光発光性化合物及び化合物(B)の合計を100質量部とした場合、通常、1質量部〜10000質量部である。
正孔輸送材料は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
・電子輸送材料
電子輸送材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。電子輸送材料は、架橋基を有していてもよい。
低分子化合物としては、例えば、8−ヒドロキシキノリンを配位子とする金属錯体、オキサジアゾール、アントラキノジメタン、ベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン、テトラシアノアントラキノジメタン、フルオレノン、ジフェニルジシアノエチレン及びジフェノキノン、並びに、これらの誘導体が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、ポリフェニレン、ポリフルオレン、及び、これらの誘導体が挙げられる。高分子化合物は、金属でドープされていてもよい。
本実施形態の発光素子用組成物において、電子輸送材料が含まれる場合、電子輸送材料の配合量は、蛍光発光性化合物及び化合物(B)の合計を100質量部とした場合、通常、1質量部〜10000質量部である。
電子輸送材料は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
・正孔注入材料及び電子注入材料
正孔注入材料及び電子注入材料は、各々、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。正孔注入材料及び電子注入材料は、架橋基を有していてもよい。
低分子化合物としては、例えば、銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン;カーボン;モリブデン、タングステン等の金属酸化物;フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム、フッ化カリウム等の金属フッ化物が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレンビニレン、ポリチエニレンビニレン、ポリキノリン及びポリキノキサリン、並びに、これらの誘導体;芳香族アミン構造を主鎖又は側鎖に含む重合体等の導電性高分子が挙げられる。
本実施形態の発光素子用組成物において、正孔注入材料及び/又は電子注入材料が含まれる場合、正孔注入材料及び電子注入材料の配合量は、各々、蛍光発光性化合物及び化合物(B)の合計を100質量部とした場合、通常、1質量部〜10000質量部である。
正孔注入材料及び電子注入材料は、各々、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
・イオンドープ
正孔注入材料又は電子注入材料が導電性高分子を含む場合、導電性高分子の電気伝導度は、好ましくは1×10−5S/cm〜1×10S/cmである。導電性高分子の電気伝導度をかかる範囲とするために、導電性高分子に適量のイオンをドープすることができる。ドープするイオンの種類は、正孔注入材料であればアニオン、電子注入材料であればカチオンである。アニオンとしては、例えば、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオンが挙げられる。カチオンとしては、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンが挙げられる。
ドープするイオンは、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
・発光材料
発光材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。発光材料は、架橋基を有していてもよい。
低分子化合物としては、例えば、イリジウム、白金又はユーロピウムを中心金属とする三重項発光錯体が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、フルオレンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、アントラセンジイル基及びピレンジイル基等のアリーレン基;芳香族アミンから2個の水素原子を取り除いてなる基等の芳香族アミン残基;並びに、カルバゾールジイル基、フェノキサジンジイル基及びフェノチアジンジイル基等の2価の複素環基を含む高分子化合物が挙げられる。
本実施形態の発光素子用組成物において、発光材料が含まれる場合、発光材料の含有量は、蛍光発光性化合物及び化合物(B)の合計を100質量部とした場合、通常、1質量部〜10000質量部である。
発光材料は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
・酸化防止剤
酸化防止剤は、蛍光発光性化合物及び化合物(B)と同じ溶媒に可溶であり、発光及び電荷輸送を阻害しない化合物であればよく、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が挙げられる。
本実施形態の発光素子用組成物において、酸化防止剤が含まれる場合、酸化防止剤の配合量は、蛍光発光性化合物及び化合物(B)の合計を100質量部とした場合、通常、0.00001質量部〜10質量部である。
酸化防止剤は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
<膜>
本実施形態の膜は、上述の発光素子用組成物を含有する。本実施形態の膜は、発光素子における発光層として好適である。本実施形態の膜は、例えば、インクを用いて、湿式法により作製することができる。また、本実施形態の膜は、例えば、真空蒸着法等の乾式法により作製することができる。本実施形態の膜を乾式法により作製する方法としては、例えば、上述の発光素子用組成物を蒸着する方法、及び、蛍光発光性化合物及び化合物(B)を共蒸着する方法が挙げられる。
膜の厚さは、通常、1nm〜10μmである。
<発光素子>
本実施形態の発光素子は、上述の発光素子用組成物を含有する。
本実施形態の発光素子は、例えば、陽極と、陰極と、陽極及び陰極の間に設けられた上述の発光素子用組成物を含有する有機層と、を備えるものであってよい。
[層構成]
本実施形態の発光素子用組成物を含有する層は、通常、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層及び電子注入層からなる群から選ばれる1種以上の層であり、好ましくは、発光層である。これらの層は、各々、発光材料、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料を含む。これらの層は、各々、発光材料、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料を、上述した膜の作製と同様の方法を用いて形成することができる。
発光素子は、陽極と陰極の間に発光層を有する。本実施形態の発光素子は、正孔注入性及び正孔輸送性の観点からは、陽極と発光層との間に、正孔注入層及び正孔輸送層の少なくとも1層を有することが好ましく、電子注入性及び電子輸送性の観点からは、陰極と発光層の間に、電子注入層及び電子輸送層の少なくとも1層を有することが好ましい。
正孔輸送層、電子輸送層、発光層、正孔注入層及び電子注入層の材料としては、本実施形態の発光素子用組成物の他、各々、上述した正孔輸送材料、電子輸送材料、発光材料、正孔注入材料及び電子注入材料等が挙げられる。
正孔輸送層の材料、電子輸送層の材料及び発光層の材料は、発光素子の作製において、各々、正孔輸送層、電子輸送層及び発光層に隣接する層の形成時に使用される溶媒に溶解する場合、該溶媒に該材料が溶解することを回避するために、該材料が架橋基を有することが好ましい。架橋基を有する材料を用いて各層を形成した後、該架橋基を架橋させることにより、該層を不溶化させることができる。
本実施形態の発光素子において、発光層、正孔輸送層、電子輸送層、正孔注入層、電子注入層等の各層の形成方法としては、低分子化合物を用いる場合、例えば、粉末からの真空蒸着法等の乾式法、溶液又は溶融状態からの成膜による方法等の湿式法が挙げられ、高分子化合物を用いる場合、例えば、溶液又は溶融状態からの成膜による方法等の湿式法が挙げられる。積層する層の順番、数及び厚さは、例えば、発光効率、駆動電圧及び輝度寿命を勘案して調整する。
[基板/電極]
発光素子における基板は、電極を形成することができ、かつ、有機層を形成する際に化学的に変化しない基板であればよく、例えば、ガラス、プラスチック、シリコン等の材料からなる基板である。不透明な基板の場合には、基板から最も遠くにある電極が透明又は半透明であることが好ましい。
陽極の材料としては、例えば、導電性の金属酸化物、半透明の金属が挙げられ、好ましくは、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ;インジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等の導電性化合物;銀とパラジウムと銅との複合体(APC);NESA、金、白金、銀、銅である。
陰極の材料としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、亜鉛、インジウム等の金属;それらのうち2種以上の合金;それらのうち1種以上と、銀、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1種以上との合金;並びに、グラファイト及びグラファイト層間化合物が挙げられる。合金としては、例えば、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金が挙げられる。
陽極及び陰極は、各々、2層以上の積層構造としてもよい。
[用途]
本実施形態の発光素子は、液晶表示装置のバックライト用の光源、照明用の光源、有機EL照明、コンピュータ、テレビ及び携帯端末等の表示装置(例えば、有機ELディスプレイ及び有機ELテレビ)として好適に用いることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、本発明の一側面は、上述の発光素子用組成物の製造方法に関するものであってよい。
一態様において、発光素子用組成物の製造方法は、蛍光発光性化合物を準備する準備工程と、縮合複素環骨格(b)を有する化合物であって、そのΔEstが、蛍光発光性化合物のΔEstより小さい化合物(B)を選別する選別工程と、準備工程で準備した蛍光発光性化合物及び選別工程で選別した化合物(B)を混合して発光素子用組成物を得る製造工程と、を備える製造方法(以下、「製造方法(1)」ともいう。)であってよい。
製造方法(1)は、化合物(B)の最低三重項励起状態のエネルギー準位及び最低一重項励起状態のエネルギー準位をそれぞれ求めて、これらの差の絶対値ΔEstを算出する工程を更に含んでいてもよい。このΔEstを算出する工程は、製造方法(1)において、選別工程に含まれていてよい。
また、製造方法(1)は、蛍光発光性化合物の最低三重項励起状態のエネルギー準位及び最低一重項励起状態のエネルギー準位をそれぞれ求めて、これらの差の絶対値ΔEstを算出する工程を更に含んでいてもよい。このΔEstを算出する工程は、製造方法(1)において、準備工程又は選別工程に含まれていてもよく、選別工程に含まれていてもよい。
製造方法(1)における選別工程では、|EB−AA|が0.60eV以下となるように、化合物(B)を更に選別してもよい。
製造方法(1)は、EB(化合物(B)の25℃における発光スペクトルの最大ピークのエネルギー値)を求める工程を更に含んでいてもよい。このEBを求める工程は、製造方法(1)において、選別工程に含まれていてよい。
また、製造方法(1)は、AA(蛍光発光性化合物の25℃における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピークのエネルギー値)を求める工程を更に含んでいてもよい。このAAを求める工程は、製造方法(1)において、準備工程又は選別工程に含まれていてもよく、選別工程に含まれていてもよい。
製造方法(1)において、製造工程は、準備工程で準備した蛍光発光性化合物と、選別工程で選別した化合物(B)と、ホスト材料と、を混合する工程であってもよい。このような製造方法(以下、「製造方法(1’)」ともいう。)によれば、準備工程で準備した蛍光発光性化合物と、選別工程で選別した化合物(B)と、ホスト材料と、を含有する発光素子用組成物が得られる。
製造方法(1’)において、製造工程は、準備工程で準備した蛍光発光性化合物と、選別工程で選別した化合物(B)と、ホスト材料と、を同時に混合する工程であってもよく、準備工程で準備した蛍光発光性化合物と選別工程で選別した化合物(B)との混合物にホスト材料を混合する工程であってもよい。
製造方法(1’)において、選別工程では、ホスト材料の25℃における発光スペクトルの最大ピークのエネルギー値(EH)と、化合物(B)の25℃における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピークのエネルギー値(AB)との差の絶対値(|EH−AB|)が0.60eV以下となるように、化合物(B)を更に選別してもよい。
製造方法(1’)は、ホスト材料の25℃における発光スペクトルの最大ピークのエネルギー値(EH)と、選別工程で選別した化合物(B)の25℃における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピークのエネルギー値(AB)との差の絶対値(|EH−AB|)が0.60eV以下となるように、ホスト材料を選別するホスト材料選別工程を更に備えていてもよい。この場合、製造工程では、準備工程で準備した蛍光発光性化合物と、選別工程で選別した化合物(B)と、ホスト材料選別工程で選別したホスト材料と、が混合される。
製造方法(1’)は、EH(ホスト材料の25℃における発光スペクトルの最大ピークのエネルギー値)を求める工程を更に含んでいてもよい。このEHを求める工程は、選別工程又はホスト材料選別工程に含まれていてよい。
製造方法(1’)は、AB(化合物(B)の25℃における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピークのエネルギー値)を求める工程を更に含んでいてもよい。このABを求める工程は、選別工程又はホスト材料選別工程に含まれていてよい。
他の一態様において、発光素子組成物の製造方法は、化合物(B)を準備する準備工程と、式(A)で表される化合物であって、そのΔEstが、化合物(B)のΔEstより大きい蛍光発光性化合物を選別する選別工程と、準備工程で準備した化合物(B)及び選別工程で選別した蛍光発光性化合物を混合して発光素子用組成物を得る製造工程と、を備える製造方法(以下、「製造方法(2)」ともいう。)であってよい。
製造方法(2)は、蛍光発光性化合物の最低三重項励起状態のエネルギー準位及び最低一重項励起状態のエネルギー準位をそれぞれ求めて、これらの差の絶対値ΔEstを算出する工程を更に含んでいてもよい。このΔEstを算出する工程は、製造方法(2)において、選別工程に含まれていてよい。
また、製造方法(2)は、化合物(B)の最低三重項励起状態のエネルギー準位及び最低一重項励起状態のエネルギー準位をそれぞれ求めて、これらの差の絶対値ΔEstを算出する工程を更に含んでいてもよい。このΔEstを算出する工程は、製造方法(2)において、準備工程又は選別工程に含まれていてよく、選別工程に含まれていてよい。
製造方法(2)における選別工程では、|EB−AA|が0.60eV以下となるように、蛍光発光性化合物を更に選別してもよい。
製造方法(2)は、AA(蛍光発光性化合物の25℃における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピークのエネルギー値)を求める工程を更に含んでいてもよい。このAAを求める工程は、製造方法(2)において、選別工程に含まれていてよい。
また、製造方法(2)は、EB(化合物(B)の25℃における発光スペクトルの最大ピークのエネルギー値)を求める工程を更に含んでいてもよい。このEBを求める工程は、製造方法(2)において、準備工程又は選別工程に含まれていてもよく、選別工程に含まれていてもよい。
製造方法(2)において、製造工程は、準備工程で準備した化合物(B)と、選別工程で選別した蛍光発光性化合物と、ホスト材料と、を混合する工程であってもよい。このような製造方法(以下、「製造方法(2’)」ともいう。)によれば、準備工程で準備した化合物(B)と、選別工程で選別した蛍光発光性化合物と、ホスト材料と、を含有する発光素子用組成物が得られる。
製造方法(2’)において、製造工程は、準備工程で準備した化合物(B)と、選別工程で選別した蛍光発光性化合物と、ホスト材料と、を同時に混合する工程であってもよく、準備工程で準備した化合物(B)と選別工程で選別した蛍光発光性化合物との混合物にホスト材料を混合する工程であってもよい。
製造方法(2’)は、ホスト材料準備工程を更に備えていてよい。このとき、準備工程(化合物(B)を準備する工程)は、ホスト材料の25℃における発光スペクトルの最大ピークのエネルギー値(EH)と、化合物(B)の25℃における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピークのエネルギー値(AB)との差の絶対値(|EH−AB|)が0.60eV以下となる化合物(B)を準備する工程であってよい。
製造方法(2’)は、ホスト材料選別工程を更に備えていてよい。このホスト材料選別工程は、ホスト材料の25℃における発光スペクトルの最大ピークのエネルギー値(EH)と、準備工程で準備した化合物(B)の25℃における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピークのエネルギー値(AB)との差の絶対値(|EH−AB|)が0.60eV以下となるように、ホスト材料を選別する工程であってよい。この場合、製造工程では、準備工程で準備した化合物(B)と、選別工程で選別した蛍光発光性化合物と、ホスト材料選別工程で選別したホスト材料と、が混合される。
製造方法(2’)は、EH(ホスト材料の25℃における発光スペクトルの最大ピークのエネルギー値)を求める工程を更に含んでいてもよい。このEHを求める工程は、ホスト材料準備工程、準備工程(化合物(B)を準備する工程)又はホスト材料選別工程に含まれていてよい。
製造方法(2’)は、AB(化合物(B)の25℃における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピークのエネルギー値)を求める工程を更に含んでいてもよい。このABを求める工程は、準備工程(化合物(B)を準備する工程)又はホスト材料選別工程に含まれていてよい。
製造方法(1)及び製造方法(2)における製造工程で、蛍光発光性化合物及び化合物(B)を混合する方法は特に限定されない。混合方法としては、例えば、蛍光発光性化合物及び化合物(B)を上述のインクの項で説明した溶媒に溶解させて混合する方法、蛍光発光性化合物及び化合物(B)を固体状態で混合する方法、及び、蛍光発光性化合物及び化合物(B)を共蒸着により混合する方法等が挙げられる。
製造方法(1’)及び製造方法(2’)における製造工程で、蛍光発光性化合物、化合物(B)及びホスト材料を混合する方法は特に限定されない。混合方法としては、例えば、蛍光発光性化合物、化合物(B)及びホスト材料を上述のインクの項で説明した溶媒に溶解させて混合する方法、蛍光発光性化合物、化合物(B)及びホスト材料を固体状態で混合する方法、及び、蛍光発光性化合物、化合物(B)及びホスト材料を共蒸着により混合する方法等が挙げられる。
本発明の更に他の一側面は、上述の発光素子の製造方法に関するものであってよい。
一態様において、発光素子の製造方法は、陽極と、陰極と、陽極及び陰極の間に設けられた有機層とを含む発光素子の製造方法であってよく、この製造方法は、上述の製造方法(例えば、製造方法(1)、製造方法(2)、製造方法(1’)及び製造方法(2’))により発光素子用組成物を製造する工程と、該工程で製造された発光素子用組成物を用いて、有機層を形成する工程と、を備える。
この態様において、有機層の形成方法としては、例えば、上述した膜の作製と同じ方法を用いて形成することができる。また、本態様の発光素子の製造方法では、上述した<発光素子>の項で説明した製造方法を用いてもよい。また、本態様の発光素子の製造方法により得られる発光素子としては、例えば、上述した<発光素子>の項で説明した発光素子が挙げられる。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例において、高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)及びポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、移動相にテトラヒドロフランを用い、下記のサイズエクスクルージョンクロマトグラフィー(SEC)により求めた。
測定する高分子化合物を約0.05質量%の濃度でテトラヒドロフランに溶解させ、SECに10μL注入した。移動相は、1.0mL/分の流量で流した。カラムとして、PLgel MIXED−B(ポリマーラボラトリーズ製)を用いた。検出器にはUV−VIS検出器(東ソー製、商品名:UV−8320GPC)を用いた。
化合物のΔESTの値の算出は、B3LYPレベルの密度汎関数法により、化合物の基底状態を構造最適化し、その際、基底関数としては、6−31G*を用いた。そして、量子化学計算プログラムとしてGaussian09を用いて、B3LYPレベルの時間依存密度汎関数法により、化合物のΔESTを算出した。
実施例において、化合物の室温における発光スペクトルの最大ピーク波長は、分光光度計(日本分光株式会社製、FP−6500)により室温にて測定した。化合物をキシレンに、約8×10−4質量%の濃度で溶解させたキシレン溶液を試料として用いた。励起光としては、波長325nmの紫外(UV)光を用いた。
実施例において、化合物の室温における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピーク波長は、紫外可視分光光度計(バリアン社製、Cary 5E)により室温にて測定した。化合物をキシレンに、約8×10−4質量%の濃度で溶解させたキシレン溶液を試料として用いた。
<合成例M1> 化合物M1〜M7の合成
化合物M1は、国際公開第2015/145871号に記載の方法に従って合成した。
化合物M2は、国際公開第2013/146806号に記載の方法に従って合成した。
化合物M3は、国際公開第2005/049546号に記載の方法に従って合成した。
化合物M4は、特開2010−189630号公報に記載の方法に従って合成した。
化合物M5及び化合物M7は、国際公開第2002/045184号に記載の方法に従って合成した。
化合物M6は、国際公開第2011/049241号に記載の方法に従って合成した。
Figure 2020167389
<合成例HTL−1> 高分子化合物HTL−1の合成
高分子化合物HTL−1は、化合物M1、化合物M2及び化合物M3を用いて、国際公開第2015/145871号に記載の方法に従って合成した。高分子化合物HTL−1のMnは2.3×10であり、Mwは1.2×10であった。
高分子化合物HTL−1は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M1から誘導される構成単位と、化合物M2から誘導される構成単位と、化合物M3から誘導される構成単位とを、45:5:50のモル比で有する共重合体である。
<合成例HTL−2> 高分子化合物HTL−2の合成
高分子化合物HTL−2は、化合物M4及び化合物M3を用いて、国際公開第2015/194448号に記載の方法に従って合成した。高分子化合物HTL−2のMnは4.5×10であり、Mwは1.5×10であった。
高分子化合物HTL−2は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M4から誘導される構成単位と、化合物M3から誘導される構成単位とを、50:50のモル比で有する共重合体である。
<合成例HTL−3> 高分子化合物HTL−3の合成
高分子化合物HTL−3は、化合物M7、化合物M5及び化合物M6を用いて、国際公開第2011/049241号に記載の方法に従って合成した。高分子化合物HTL−2のMnは8.9×10であり、Mwは4.2×10であった。
高分子化合物HTL−2は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M7から誘導される構成単位と、化合物M5から誘導される構成単位と、化合物M6から誘導される構成単位とを、50:42.5:7.5のモル比で有する共重合体である。
<化合物H1、T1、B1〜B3及びE1の入手及び合成>
化合物H1は、Luminescence Technology社製を用いた。化合物H1の室温における発光スペクトルの最大ピーク波長は373nmであり、そのエネルギー値(EH)は3.32eVであった。
化合物T1は国際公開第2018/062278号に記載の方法に従って合成した。化合物T1の室温における発光スペクトルの最大ピーク波長は535nmであり、そのエネルギー値(EB)は2.32eVであった。化合物T1の室温における発光スペクトルの最大ピークの半値幅のエネルギー値は、0.386eVであった。化合物T1の室温における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピーク波長は400nmであり、そのエネルギー値(AB)は3.10eVであった。化合物T1のΔESTは、0.109eVであった。
化合物B1は、Luminescence Technology社製を用いた。化合物B1の室温における発光スペクトルの最大ピーク波長は452nmであり、そのエネルギー値(EB)は2.74eVであった。化合物B1の室温における発光スペクトルの最大ピークの半値幅のエネルギー値は、0.132eVであった。化合物B1の室温における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピーク波長は439nmであり、そのエネルギー値(AB)は2.82eVであった。化合物B1のΔESTは、0.494eVであった。
化合物B2は、国際公開第2015/102118号に記載の方法に準じて合成した。化合物B2の室温における発光スペクトルの最大ピーク波長は440nmであり、そのエネルギー値(EB)は2.82eVであった。化合物B2の室温における発光スペクトルの最大ピークの半値幅のエネルギー値は、0.127eVであった。化合物B2の室温における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピーク波長は427nmであり、そのエネルギー値(AB)は2.90eVであった。化合物B2のΔESTは、0.471eVであった。
化合物B3は、国際公開第2015/102118号に記載の方法に準じて合成した。化合物B3の室温における発光スペクトルの最大ピーク波長は453nmであり、そのエネルギー値(EB)は2.74eVであった。化合物B3の室温における発光スペクトルの最大ピークの半値幅のエネルギー値は、0.126eVであった。化合物B3の室温における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピーク波長は439nmであり、そのエネルギー値(AB)は2.82eVであった。化合物B3のΔESTは、0.479eVであった。
化合物E1は、国際公開第2007/058368号に記載の方法に従って合成した。化合物E1の室温における発光スペクトルの最大ピーク波長は521nmであり、そのエネルギー値(EA)は2.38eVであった。化合物E1の室温における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピーク波長は466nmであり、そのエネルギー値(AA)は2.66eVであった。化合物E1のΔESTは、0.788eVであった。
化合物E2は、国際公開第2008/059713号に記載の方法に準じて合成した。化合物E2の室温における発光スペクトルの最大ピーク波長は441nmであり、そのエネルギー値(EA)は2.81eVであった。化合物E2の室温における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピーク波長は423nmであり、そのエネルギー値(AA)は2.93eVであった。化合物E2のΔESTは、0.922eVであった。
化合物E3は、特開2011−105643号公報に記載の方法に準じて合成した。化合物E3の室温における発光スペクトルの最大ピーク波長は454nmであり、そのエネルギー値(EA)は2.73eVであった。化合物E3の室温における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピーク波長は407nmであり、そのエネルギー値(AA)は3.05eVであった。化合物E3のΔESTは、0.654eVであった。
化合物E4は、東京化成工業株式会社社製を用いた。化合物E4の室温における発光スペクトルの最大ピーク波長は520nmであり、そのエネルギー値(EA)は2.38eVであった。化合物E4の室温における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピーク波長は511nmであり、そのエネルギー値(AA)は2.43eVであった。化合物E4のΔESTは、0.717eVであった。
化合物E5は、Luminescence Technology社製を用いた。化合物E5の室温における発光スペクトルの最大ピーク波長は556nmであり、そのエネルギー値(EA)は2.23eVであった。化合物E5の室温における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピーク波長は525nmであり、そのエネルギー値(AA)は2.36eVであった。化合物E5のΔESTは、1.237eVであった。
化合物E6は、1−Material社製を用いた。化合物E6の室温における発光スペクトルの最大ピーク波長は391nmであり、そのエネルギー値(EA)は3.17eVであった。化合物E6の室温における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピーク波長は372nmであり、そのエネルギー値(AA)は3.33eVであった。化合物E6のΔESTは、0.630eVであった。
化合物E7は、特開2010−254676号公報に記載の方法に準じて合成した。化合物E7の室温における発光スペクトルの最大ピーク波長は430nmであり、そのエネルギー値(EA)は2.88eVであった。化合物E7の室温における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピーク波長は328nmであり、そのエネルギー値(AA)は3.78eVであった。化合物E7のΔESTは、0.576eVであった。
化合物E8は、Amadis Chemical社製を用いた。化合物E8の室温における発光スペクトルの最大ピーク波長は524nmであり、そのエネルギー値(EA)は2.37eVであった。化合物E8の室温における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピーク波長は380nmであり、そのエネルギー値(AA)は3.26eVであった。化合物E8のΔESTは、0.119eVであった。
Figure 2020167389
Figure 2020167389
Figure 2020167389
Figure 2020167389
Figure 2020167389
<実施例D1> 発光素子D1の作製と評価
(陽極及び正孔注入層の形成)
ガラス基板にスパッタ法により45nmの厚さでITO膜を付けることにより、陽極を形成した。該陽極上に、正孔注入材料であるND−3202(日産化学工業製)をスピンコート法により35nmの厚さで成膜した。正孔注入層を積層した基板を大気雰囲気下において、ホットプレート上で50℃、3分間加熱し、更に230℃、15分間加熱することにより正孔注入層を形成した。
(正孔輸送層の形成)
キシレンに高分子化合物HTL−1を0.7質量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔注入層の上にスピンコート法により20nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱させることにより正孔輸送層を形成した。
(発光層の形成)
トルエンに、化合物H1、化合物B1及び化合物E1(化合物H1/化合物B1/化合物E1=95質量%/4質量%/1質量%)を2質量%の濃度で溶解させた。得られたトルエン溶液を用いて、正孔輸送層の上にスピンコート法により60nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分間加熱させることにより発光層を形成した。
(陰極の形成)
発光層を形成した基板を蒸着機内において、1.0×10−4Pa以下にまで減圧した後、陰極として、発光層の上にフッ化ナトリウムを約4nm、次いで、フッ化ナトリウム層の上にアルミニウムを約80nm蒸着した。蒸着後、陰極を形成した基板をガラス基板で封止することにより、発光素子D1を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子D1に電圧を印加することによりEL発光が観測された。200cd/mにおける駆動電圧[V]及びCIE色度座標を測定した。結果を表1に示す。
<実施例D2〜D3及び比較例CD1> 発光素子D2、D3及びCD1の作製と評価
実施例D1の(発光層の形成)における「化合物H1、化合物B1及び化合物E1(化合物H1/化合物B1/化合物E1=95質量%/4質量%/1質量%)」に代えて、表1に記載の材料を用いた以外は、実施例D1と同様にして、発光素子D2、D3及びCD1を作製した。
発光素子D2、D3及びCD1に電圧を印加することによりEL発光が観測された。200cd/mにおける駆動電圧[V]及びCIE色度座標を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2020167389
<実施例D4〜D5及び比較例CD2〜CD3> 発光素子D4、D5、CD2及びCD3の作製と評価
実施例D1の(発光層の形成)における「化合物H1、化合物B1及び化合物E1(化合物H1/化合物B1/化合物E1=95質量%/4質量%/1質量%)」に代えて、表2に記載の材料を用い、更に、実施例D1の(正孔輸送層の形成)における「高分子化合物HTL−1」に代えて、「高分子化合物HTL−2」を用いた以外は、実施例D1と同様にして、発光素子D4、D5、CD2及びCD3を作製した。
発光素子D4、D5、CD2及びCD3に電圧を印加することによりEL発光が観測された。2000cd/mにおける駆動電圧[V]及びCIE色度座標を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2020167389
<実施例D6〜D12及び比較例CD4> 発光素子D6〜D12及びCD4の作製と評価
実施例D1の(発光層の形成)における「化合物H1、化合物B1及び化合物E1(化合物H1/化合物B1/化合物E1=95質量%/4質量%/1質量%)」に代えて、表3に記載の材料及び組成比(質量%)を用い、更に、実施例D1の(正孔輸送層の形成)における「高分子化合物HTL−1」に代えて、「高分子化合物HTL−3」を用いた以外は、実施例D1と同様にして、発光素子D6〜D12及びCD4を作製した。
発光素子D6〜D12及びCD4に電圧を印加することによりEL発光が観測された。50cd/mにおける駆動電圧[V]及びCIE色度座標を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2020167389


Claims (32)

  1. 陽極と、
    陰極と、
    前記陽極及び前記陰極の間に設けられ、発光素子用組成物を含む有機層と、
    を備え、
    前記発光素子用組成物が、
    式(A)で表される蛍光発光性化合物と、
    ホウ素原子と、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、sp炭素原子及び窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種とを環内に含む縮合複素環骨格(b)を有する化合物(B)と、
    を含有し、
    前記化合物(B)の最低三重項励起状態のエネルギー準位と最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値が、前記蛍光発光性化合物の最低三重項励起状態のエネルギー準位と最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値より小さい、発光素子。
    Figure 2020167389

    [式中、
    1Aは、0以上の整数を表す。
    Ar1Aは、芳香族炭化水素から、環を構成する原子に直接結合する水素原子n1A個以上を除いた基又は複素環式化合物から、環を構成する原子に直接結合する水素原子n1A個以上を除いた基を表し、この基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。但し、前記複素環式化合物は、前記縮合複素環骨格(b)を含まない複素環式化合物である。
    1Aは、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。R1Aが複数存在する場合、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。但し、前記1価の複素環基は、前記縮合複素環骨格(b)を含まない複素環式化合物から、環を構成する原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、この基は置換基を有していてもよい。
    Ar1Aが有していてもよい置換基とR1Aとは、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。]
  2. 前記Ar1Aにおける前記芳香族炭化水素が、多環式の芳香族炭化水素であり、
    前記Ar1Aにおける前記複素環式化合物が、多環式の複素環式化合物である、請求項1に記載の発光素子。
  3. 前記Ar1Aにおける前記芳香族炭化水素が、3環式〜5環式の芳香族炭化水素であり、
    前記Ar1Aにおける前記複素環式化合物が、3環式〜5環式の複素環式化合物である、請求項2に記載の発光素子。
  4. 前記縮合複素環骨格(b)が、ホウ素原子と、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種とを環内に含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発光素子。
  5. 前記化合物(B)が、式(1−1)で表される化合物、式(1−2)で表される化合物又は式(1−3)で表される化合物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発光素子。
    Figure 2020167389

    [式中、
    Ar、Ar及びArは、それぞれ独立に、芳香族炭化水素基又は複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
    は、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、−N(Ry)−で表される基、アルキレン基又はシクロアルキレン基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
    及びYは、それぞれ独立に、単結合、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、−N(Ry)−で表される基、アルキレン基又はシクロアルキレン基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。Ryは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。Ryが複数存在する場合、同一であっても異なっていてもよい。Ryは、直接結合して又は連結基を介して、Ar、Ar又はArと結合していてもよい。]
  6. 前記Y、前記Y及び前記Yが、酸素原子、硫黄原子又は−N(Ry)−で表される基である、請求項5に記載の発光素子。
  7. 前記化合物(B)の最低三重項励起状態のエネルギー準位と前記化合物(B)の最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値が0.50eV以下であり、且つ、
    前記蛍光発光性化合物の最低三重項励起状態のエネルギー準位と前記蛍光発光性化合物の最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値が0.50eVを超える、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の発光素子。
  8. 前記化合物(B)の25℃における発光スペクトルの最大ピークのエネルギー値(EB)と、前記蛍光発光性化合物の25℃における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピークのエネルギー値(AA)との差の絶対値(|EB−AA|)が0.60eV以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の発光素子。
  9. 前記発光素子用組成物が、ホスト材料を更に含有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の発光素子。
  10. 前記ホスト材料が、式(H−1)で表される化合物を含む、請求項9に記載の発光素子。
    Figure 2020167389

    [式中、
    ArH1及びArH2は、それぞれ独立に、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
    H1は、0以上の整数を表す。
    H1は、アリーレン基、2価の複素環基、アルキレン基又はシクロアルキレン基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。LH1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
  11. 前記ホスト材料の25℃における発光スペクトルの最大ピークのエネルギー値(EH)と、前記化合物(B)の25℃における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピークのエネルギー値(AB)との差の絶対値(|EH−AB|)が0.60eV以下であり、且つ、
    前記化合物(B)の25℃における発光スペクトルの最大ピークのエネルギー値(EB)と、前記蛍光発光性化合物の25℃における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピークのエネルギー値(AA)との差の絶対値(|EB−AA|)が0.60eV以下である、請求項9又は10に記載の発光素子。
  12. 前記発光素子用組成物が、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料、酸化防止剤及び溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種を更に含有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の発光素子。
  13. 式(A)で表される蛍光発光性化合物と、
    ホウ素原子と、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、sp炭素原子及び窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種とを環内に含む縮合複素環骨格(b)を有する化合物(B)と、
    を含有し、
    前記化合物(B)の最低三重項励起状態のエネルギー準位と最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値が、前記蛍光発光性化合物の最低三重項励起状態のエネルギー準位と最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値より小さい、発光素子用組成物。
    Figure 2020167389

    [式中、
    1Aは、0以上の整数を表す。
    Ar1Aは、芳香族炭化水素から、環を構成する原子に直接結合する水素原子n1A個以上を除いた基又は複素環式化合物から、環を構成する原子に直接結合する水素原子n1A個以上を除いた基を表し、この基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。但し、前記複素環式化合物は、前記縮合複素環骨格(b)を含まない複素環式化合物である。
    1Aは、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。R1Aが複数存在する場合、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。但し、前記1価の複素環基は、前記縮合複素環骨格(b)を含まない複素環式化合物から、環を構成する原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、この基は置換基を有していてもよい。
    Ar1Aが有していてもよい置換基とR1Aとは、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。]
  14. ホスト材料を更に含有する、請求項13に記載の発光素子用組成物。
  15. 前記ホスト材料が、式(H−1)で表される化合物を含む、請求項14に記載の発光素子用組成物。
    Figure 2020167389

    [式中、
    ArH1及びArH2は、それぞれ独立に、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
    H1は、0以上の整数を表す。
    H1は、アリーレン基、2価の複素環基、アルキレン基又はシクロアルキレン基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。LH1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
  16. 前記ホスト材料の25℃における発光スペクトルの最大ピークのエネルギー値(EH)と、前記化合物(B)の25℃における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピークのエネルギー値(AB)との差の絶対値(|EH−AB|)が0.60eV以下であり、且つ、
    前記化合物(B)の25℃における発光スペクトルの最大ピークのエネルギー値(EB)と、前記蛍光発光性化合物の25℃における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピークのエネルギー値(AA)との差の絶対値(|EB−AA|)が0.60eV以下である、請求項14又は15に記載の発光素子用組成物。
  17. 前記発光素子用組成物が、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料、酸化防止剤及び溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種を更に含有する、請求項13〜16のいずれか一項に記載の発光素子用組成物。
  18. 式(A)で表される蛍光発光性化合物を準備する準備工程と、
    ホウ素原子と、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、sp炭素原子及び窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種とを環内に含む縮合複素環骨格(b)を有する化合物であって、最低三重項励起状態のエネルギー準位と最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値が、前記蛍光発光性化合物の最低三重項励起状態のエネルギー準位と最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値より小さい、化合物(B)を選別する選別工程と、
    前記準備工程で準備した前記蛍光発光性化合物及び前記選別工程で選別した前記化合物(B)を混合して発光素子用組成物を得る製造工程と、
    を備える、発光素子用組成物の製造方法。
    Figure 2020167389

    [式中、
    1Aは、0以上の整数を表す。
    Ar1Aは、芳香族炭化水素から、環を構成する原子に直接結合する水素原子n1A個以上を除いた基又は複素環式化合物から、環を構成する原子に直接結合する水素原子n1A個以上を除いた基を表し、この基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。但し、前記複素環式化合物は、前記縮合複素環骨格(b)を含まない複素環式化合物である。
    1Aは、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。R1Aが複数存在する場合、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。但し、前記1価の複素環基は、前記縮合複素環骨格(b)を含まない複素環式化合物から、環を構成する原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、この基は置換基を有していてもよい。
    Ar1Aが有していてもよい置換基とR1Aとは、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。]
  19. 前記選別工程が、前記化合物(B)の最低三重項励起状態のエネルギー準位及び最低一重項励起状態のエネルギー準位をそれぞれ求めて、当該最低三重項励起状態のエネルギー準位と当該最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値を算出する工程を更に含む、請求項18に記載の製造方法。
  20. 前記選別工程が、前記化合物(B)の25℃における発光スペクトルの最大ピークのエネルギー値(EB)と、前記蛍光発光性化合物の25℃における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピークのエネルギー値(AA)との差の絶対値(EB−AA)が0.60eV以下となるように、前記化合物(B)を選別する工程を更に含む、請求項18又は19に記載の製造方法。
  21. 前記製造工程が、前記準備工程で準備した前記蛍光発光性化合物と、前記選別工程で選別した前記化合物(B)と、ホスト材料と、を混合する工程である、請求項18〜20のいずれか一項に記載の製造方法。
  22. 前記選別工程が、前記ホスト材料の25℃における発光スペクトルの最大ピークのエネルギー値(EH)と、前記化合物(B)の25℃における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピークのエネルギー値(AB)との差の絶対値(|EH−AB|)が0.60eV以下となるように、前記化合物(B)を選別する工程を更に含む、請求項21に記載の製造方法。
  23. ホスト材料の25℃における発光スペクトルの最大ピークのエネルギー値(EH)と、前記選別工程で選別した前記化合物(B)の25℃における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピークのエネルギー値(AB)との差の絶対値(|EH−AB|)が0.60eV以下となるように、ホスト材料を選別するホスト材料選別工程を更に備え、
    前記製造工程が、前記準備工程で準備した前記蛍光発光性化合物と、前記選別工程で選別した前記化合物(B)と、前記ホスト材料選別工程で選別した前記ホスト材料と、を混合する工程である、請求項18〜20のいずれか一項に記載の製造方法。
  24. 前記ホスト材料が、式(H−1)で表される化合物を含む、請求項21〜23のいずれか一項に記載の製造方法。
    Figure 2020167389

    [式中、
    ArH1及びArH2は、それぞれ独立に、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
    H1は、0以上の整数を表す。
    H1は、アリーレン基、2価の複素環基、アルキレン基又はシクロアルキレン基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。LH1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
  25. ホウ素原子と、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、sp炭素原子及び窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種とを環内に含む縮合複素環骨格(b)を有する化合物(B)を準備する準備工程と、
    式(A)で表される化合物であって、最低三重項励起状態のエネルギー準位と最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値が、前記化合物(B)の最低三重項励起状態のエネルギー準位と最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値より大きい、蛍光発光性化合物を選別する選別工程と、
    前記準備工程で準備した前記化合物(B)及び前記選別工程で選別した前記蛍光発光性化合物を混合して発光素子用組成物を得る製造工程と、
    を備える、発光素子用組成物の製造方法。
    Figure 2020167389

    [式中、
    1Aは、0以上の整数を表す。
    Ar1Aは、芳香族炭化水素から、環を構成する原子に直接結合する水素原子n1A個以上を除いた基又は複素環式化合物から、環を構成する原子に直接結合する水素原子n1A個以上を除いた基を表し、この基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。但し、前記複素環式化合物は、前記縮合複素環骨格(b)を含まない複素環式化合物である。
    1Aは、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。R1Aが複数存在する場合、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。但し、前記1価の複素環基は、前記縮合複素環骨格(b)を含まない複素環式化合物から、環を構成する原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、この基は置換基を有していてもよい。
    Ar1Aが有していてもよい置換基とR1Aとは、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。]
  26. 前記選別工程が、前記蛍光発光性化合物の最低三重項励起状態のエネルギー準位及び最低一重項励起状態のエネルギー準位をそれぞれ求めて、当該最低三重項励起状態のエネルギー準位と当該最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値を算出する工程を更に含む、請求項25に記載の製造方法。
  27. 前記選別工程が、前記化合物(B)の25℃における発光スペクトルの最大ピークのエネルギー値(EB)と、前記蛍光発光性化合物の25℃における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピークのエネルギー値(AA)との差の絶対値(|EB−AA|)が0.60eV以下となるように、前記蛍光発光性化合物を選別する工程を更に含む、請求項25又は26に記載の製造方法。
  28. 前記製造工程が、前記準備工程で準備した前記化合物(B)と、前記選別工程で選別した前記蛍光発光性化合物と、ホスト材料と、を混合する工程である、請求項25〜27のいずれか一項に記載の製造方法。
  29. ホスト材料を準備するホスト材料準備工程を更に備え、
    前記準備工程が、前記ホスト材料の25℃における発光スペクトルの最大ピークのエネルギー値(EH)と、前記化合物(B)の25℃における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピークのエネルギー値(AB)との差の絶対値(|EH−AB|)が0.60eV以下となる化合物(B)を準備する工程である、請求項28に記載の製造方法。
  30. ホスト材料の25℃における発光スペクトルの最大ピークのエネルギー値(EH)と、前記準備工程で準備した前記化合物(B)の25℃における吸収スペクトルの最も低エネルギー側のピークのエネルギー値(AB)との差の絶対値(|EH−AB|)が0.60eV以下となるように、ホスト材料を選別するホスト材料選別工程を更に備え、
    前記製造工程が、前記準備工程で準備した前記化合物(B)と、前記選別工程で選別した前記蛍光発光性化合物と、前記ホスト材料選別工程で選別した前記ホスト材料と、を混合する工程である、請求項25〜27のいずれか一項に記載の製造方法。
  31. 前記ホスト材料が、式(H−1)で表される化合物を含む、請求項28〜30のいずれか一項に記載の製造方法。
    Figure 2020167389

    [式中、
    ArH1及びArH2は、それぞれ独立に、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
    H1は、0以上の整数を表す。
    H1は、アリーレン基、2価の複素環基、アルキレン基又はシクロアルキレン基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。LH1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
  32. 陽極と、陰極と、前記陽極及び前記陰極の間に設けられた有機層と、を有する発光素子の製造方法であって、
    請求項18〜31のいずれか一項に記載の製造方法により発光素子用組成物を製造する工程と、該工程で製造された前記発光素子用組成物を用いて、前記有機層を形成する工程と、を備える、発光素子の製造方法。


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