JP2020166082A - 転写材搬送ベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂フィルムで構成された複数の吸引孔を有する搬送ベルトの疲労破壊が生じないように、吸引孔の大きさ、吸引孔間ギャップ、および張架ローラ径の範囲を設定し、装置サイズによらず、長寿命を実現する転写材搬送ベルトを提供すること。【解決手段】未定着画像面を非接触に吸引平面搬送する転写材搬送ベルト31は樹脂フィルムの無端ベルトで構成され、かつ、転写材を吸引する複数の吸引孔32を間隔Gで配置され、転写材搬送ベルトは、少なくとも1つの駆動ローラを有する複数の張架ローラによって張架され、回転駆動することにより転写材搬送ベルト表面を移動させ、転写材を吸引搬送し、張架ローラの直径と厚みを所定の範囲で備え、転写材搬送ベルトが張架ローラで屈曲される際に、吸引孔まわりに生じる最大応力σmaxに対し、転写材搬送ベルトの0.2%耐力以下となるように張架ローラの直径を備える。【選択図】図6(b)

Description

本発明は、電子写真画像形成装置において、転写材の未定着画像面を非接触で加熱する加熱源を有する定着装置に備えられた、複数の孔を有する樹脂フィルムの転写材搬送ベルトの構成に関する。
電子写真画像形成装置は、一般的に加熱部材と加圧部材とで、トナー画像を担持した転写材に対して加圧加熱しながら搬送して、加熱部材と加圧部材とにより形成される定着ニップ部にてトナー画像を転写材に定着する定着装置が多く用いられている。
しかしながら、高速プリンタにおいては、転写材に形成されたトナー画像に強い光を瞬間的に照射することによって、トナーが光エネルギーを熱吸収し、トナーが溶融して定着するフラッシュ定着技術が使われているものもある。この定着方式においては、トナー画像に対して非接触であり、光源としてキセノン管などが備えられてる。
また、他の非接触の定着方式として、現像剤の硬化に紫外線照射エネルギーを使用し、紫外線照射前に、赤外線を照射して予備加熱する構成がある。
このような非接触の定着方式の場合、画像形成装置の転写部において、トナー画像の転写を終えた転写材を、トナー画像を損なうことなく転写材の未定着画像面を非接触で加熱する加熱源へ搬送するために、多数の吸引孔部を有した無端の搬送ベルトと、搬送ベルトの内部に備えられた吸引手段によって、転写材を吸引し搬送する転写材搬送ベルトを備えた構成が提案されている(特許文献1参照)。
また、複数の搬送ベルトの吸引孔と転写材が接触する位置を、異なる搬送ベルトごとにずらすことにより、吸引孔による画像ムラを抑制する構成が提案されている(特許文献2参照)。
特開2017−187739号公報 特開2013−003441号公報
転写材の未定着画像面を非接触で加熱する加熱源を有する定着装置において、加熱制御性と省電力の観点から、転写材搬送ベルト(以下、搬送ベルトと記述する)の材料は蓄熱系のゴム材料ではなく、熱容量が小さい薄膜の樹脂材料(以下、樹脂フィルムと記述する)で構成するほうが好ましい。
搬送ベルトは、多数の吸引孔部を有し、少なくとも1つの駆動ローラを有する複数の張架ローラによって張架され、駆動ローラを回転駆動することにより、搬送ベルトを移動させる。樹脂フィルムで搬送ベルトを構成するとき、樹脂材料はゴム材料と比較すると摩擦係数が低いため、搬送ベルトに小径の吸引孔を密に配置することで搬送ベルトに対する転写材の吸着力を高め、搬送ベルトと転写材との密着性を良くする必要がある。
このとき、搬送ベルトの吸引孔部を有する部分が、張架ローラによって屈曲されると、吸引孔部まわりに応力集中が生じ、吸引孔を小径にするほど吸引孔部まわりに大きな応力集中が生じるため、搬送ベルトの屈曲疲労寿命が短くなる懸念があった。
また、搬送ベルトの吸引孔を高密度に配置するほど、近接する吸引孔どうしで応力干渉が生じやすくなり、搬送ベルトの吸引孔部まわりにクラックが生じやすくなる懸念があった。
さらに、装置の小型化に対しては、張架ローラを小径化することにより、張架ローラによる搬送ベルトの屈曲率が大きくなり、搬送ベルトの吸引孔部まわりの屈曲応力が急峻に大きくなる領域にあたってしまい、搬送ベルトの屈曲疲労寿命を短くしてしまう懸念があった。
本発明は上述した問題に鑑みてなされたもので、樹脂フィルムで構成された搬送ベルトの疲労破壊が生じないように、吸引孔の大きさ、吸引孔間ギャップ、および張架ローラ径の範囲を設定し、装置サイズによらず、長寿命を実現する転写材搬送ベルトを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る転写材搬送ベルトは、
転写材の未定着画像面を非接触に吸引平面搬送する転写材搬送ベルトにおいて、転写材搬送ベルトは、樹脂フィルムの無端ベルトで構成され、かつ、転写材を吸引する複数の吸引孔を有し、吸引孔の直径D1を、3.0≧D1[mm]≧0.2の範囲で備え、転写材搬送ベルトの搬送方向に対し、搬送面に係わる直交方向(転写材搬送ベルトの幅W方向)に沿って、吸引孔の中心を基準とした、吸引孔の間隔Gを、G[mm]≧4×D1[mm]の間隔となるように配置され、転写材搬送ベルトは、少なくとも1つの駆動ローラを有する複数の張架ローラによって張架され、駆動ローラを回転駆動することにより転写材搬送ベルト表面を移動させ、転写材を吸引搬送し、張架ローラの直径d1を、80≧d1[mm]≧8の範囲で備え、転写材搬送ベルトの厚みTを、160≧T[um]≧40の範囲で備え、転写材搬送ベルトが、張架ローラで屈曲される際に、吸引孔まわりに生じる最大応力σmax[MPa]に対し、転写材搬送ベルトの0.2%耐力以下となるように張架ローラの直径d1を備えたことを特徴とする。
本発明に係る転写材搬送ベルトによれば、転写材搬送ベルトの吸引孔の直径D1を、3.0≧D1[mm]≧0.2の範囲で備えることで、搬送ベルトに任意の吸引孔の直径D1で最適に配置することで、転写材のサイズや坪量、および転写材の端部カールの影響によらず、転写材搬送ベルトと転写材との密着性を最適とすることができるとともに、吸引孔起因の温度差による、パンチパターンと呼ばれる定着画像の光沢(グロス)ムラの画像不良を抑制することができる。
転写材搬送ベルトの搬送方向に対し、搬送面に係わる直交方向(転写材搬送ベルトの幅W方向)に沿って、吸引孔の中心を基準とした、吸引孔の間隔Gを、G[mm]≧4×D1[mm]の間隔となるように配置することで、近接する吸引孔どうしでの応力干渉を抑制し、搬送ベルトの吸引孔部まわりにクラックが生じやすくなる課題を解決することができる。
また、転写材搬送ベルトの張架ローラの直径d1を、80≧d1[mm]≧8の範囲で備えることで、張架ローラの小径化において、張架ローラの直径d1の下限値を設定することで、搬送ベルトの吸引孔部まわりの応力が急峻に大きくなる領域を回避し、搬送ベルトの屈曲疲労寿命を短くしてしまう課題を解決することができる。
転写材搬送ベルトの厚みTを、160≧T[um]≧40の範囲で備え、定着装置に必要な転写材搬送ベルトの剛性と熱容量を両立することができる。
さらに、転写材搬送ベルトが、張架ローラで屈曲される際に、吸引孔まわりに生じる最大応力σmax[MPa]に対し、転写材搬送ベルトの0.2%耐力(除荷時の永久ひずみが0.2%になる応力)以下となるように張架ローラの直径d1を備えることで、搬送ベルトの吸引孔部まわりの屈曲応力値に対し、屈曲疲労限度以下とすることが可能となるため、搬送ベルトの屈曲疲労寿命が短くなる課題を解決することができる。
すなわち、本実施形態によれば、樹脂フィルムで構成された複数の吸引孔を有する搬送ベルトの疲労破壊が生じないように、吸引孔の大きさ、吸引孔間ギャップ、および張架ローラ径の範囲を設定し、装置サイズによらず、長寿命を実現することができる。
第一実施形態における画像形成装置300を示した断面図である。 第一実施形態における転写材14上での液体現像剤13の断面を模式的に表した図である。 第一実施形態における転写材搬送ユニット30と電磁波照射装置11の断面図である。 第一実施形態における転写材搬送ベルト31の吸引孔32に生じる最大応力σmaxに換算するため、吸引孔32の直径D1をパラメータとし、応力集中係数を示した曲線である。 第一実施形態におけるポリイミド樹脂フィルムの応力−ひずみ測定曲線の一例である。 第一実施形態における転写材搬送ベルト31に有する吸引孔32の配列の一例を示した模式図である。 第一実施形態の変形例として転写材搬送ベルト31に有する吸引孔32の配列の一例を示した模式図である。 (a)は第一実施形態における転写材搬送ベルト31に有する吸引孔32に関する丸孔直列抜き90°配置を示した模式図である。(b)は第一実施形態の変形例として転写材搬送ベルト31に有する吸引孔32に関する丸孔千鳥抜き45°配置を示した模式図である。 第一実施形態の変形例として転写材搬送ベルト31に有する吸引孔32の長孔形状の一例を示した模式図である。 第一実施形態における転写材搬送ベルト31の吸引孔32に生じる最大応力σmaxを、張架ローラの直径d1をパラメータとし、簡易計算式により求めた最大応力σmaxの感度曲線である。 第二実施形態における転写材搬送ベルト31の吸引孔32に生じる最大応力σmaxに関する、ポリイミド樹脂フィルムの屈曲疲労曲線(S−N線図)の一例である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態の最良の実施例の一例を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(第一実施形態)
本発明における構成の一例として、画像形成装置内の液体現像剤を定着する加熱装置に適用した場合の実施形態を具体的に説明する。
(画像形成装置300の全体的な構成と動作)
図1は、本実施形態における画像形成装置300を示した断面図である。図2は、本実施形態における転写材14上での液体現像剤13の断面を模式的に表した図である。
本実施形態の画像形成装置300は、図2に示すように、揮発性のキャリア液21中にトナー22が分散された液体現像剤を用いる、電子写真方式を利用した湿式の画像形成装置である。
本実施形態において、画像形成ユニット10、液体現像剤13を用いて転写材14上に画像を形成する画像形成部として機能する。画像形成装置300は、静電潜像を担持する像担持体として、回転可能なドラム型(円筒形)の電子写真感光体(感光体)である感光ドラム19を有する。感光ドラム19は、感光ドラム19の駆動手段(不図示)としての駆動モータによって、中心支軸を中心に図1中の矢印R1方向に回転駆動される。
画像形成装置300において、感光ドラム19の周囲には、感光ドラム19の回転方向に沿って順に、次の各機器が配置されている。まず、帯電手段としての帯電器17が配置されている。次に、露光手段としての露光装置16が配置されている。露光装置16は、帯電した感光ドラム19の表面に画像情報に応じた光を照射して、感光ドラム19上に静電潜像(静電像)を形成するものである。
次に、現像手段としての現像装置15が配置されている。現像装置15は、液体現像剤13を収容する収容部(不図示)を備え、液体現像剤13を用いて感光ドラム19上の静電潜像を現像する。次に、転写手段としての転写ローラ20が配置されている。転写ローラ20は、感光ドラム19に向けて押圧され、画像を形成する。
次に、感光体のクリーニング手段としてのクリーニング装置18が配置されている。クリーニング装置18は、感光ドラム19の表面に当接して配置されたクリーニングブレードを有する。クリーニングブレードは、ウレタンゴムなどからなるゴム部と、このゴム部を支持する金属の板などからなる支持部とを有する。クリーニングブレードは、一次転写後の感光ドラム19に残存する液体現像剤13を掻き落として感光ドラム19上から除去する。
また、画像形成装置300は、各画像形成ユニット10の各感光ドラム19と対向するように、中間転写体としての無端状のベルト(エンドレスベルト)で構成された中間転写ベルトを有し、中間転写体を介して転写材14上に画像を形成してもよい。
(液体現像剤13)
図2に示すように、液体現像剤13は、キャリア液21の中にトナー22が分散した構成である。トナー22は、トナー樹脂23中に顔料24を含有している。
液体現像剤13のキャリア液21は、揮発性であり、定着された状態において、出力物中のキャリア液21の残留物がなくなればよい。また、液体現像剤13のキャリア液21は、蒸発しつつ、トナー22が融解し、平坦性、接着性を発現するものであればよい。さらに、キャリア液21中、もしくはトナー22中には、電磁波を吸収し熱に変換する光吸収材料を混合してもよい。
(電磁波照射装置11)
図1に示す電磁波照射装置11は、光源として赤外線を放射するハロゲンヒータ、石英管ヒータ、セラミックヒータを用いる。もしくは、紫外線を放射すUV−LED等を用いる。図1に示した電磁波照射装置11は一式であるが、メディア搬送方向に電磁波照射装置11を複数並べてもよい。
また、電磁波の波長は、キャリア液21中、もしくはトナー22中に入れた電磁波を吸収し、熱に変換する光吸収材料に合わせて選択することもできる。
(転写材搬送ユニット30)
図3は、本実施形態における転写材搬送ユニット30と電磁波照射装置11の断面図である。
図3に示すように転写材搬送ユニット30は、転写部により転写材14上に未定着画像を載せた転写材14が進入し、搬送され次の排出ユニットへと受け渡すユニットである。
図6(a)は、本実施形態における転写材搬送ベルト31に有する吸引孔32の配列を示した模式図である。
図6(a)に示す吸引孔32の配列は、丸孔直列抜き90°配置と呼ばれる、丸孔の吸引孔32を均等に並列配置した、一般的な配列形態である。
転写材搬送ユニット30は、図6(a)に示す多数の吸引孔32が設けられた無端状の転写材搬送ベルト31と、図3に示す転写材搬送ベルト31を張架する駆動ローラ35、および従動ローラ36、37、38を備えている。転写材搬送ベルト31は、駆動ローラ35を介して駆動モータ(不図示)により図中矢印R2の方向に、表面速度1000mm/secで移動している。
本実施形態における転写材搬送ベルト31は、ベルト幅W=380mm、ベルト周長は1146mm、吸引孔32の直径D1=0.5mmである。
図7の(a)は、本実施形態における転写材搬送ベルト31に有する吸引孔32に関する丸孔直列抜き90°配置を示した模式図である。
転写材搬送ベルト31は、転写材14のサイズや坪量、および転写材14の端部カールの影響によらず、転写材14との密着性を確保するため、吸引孔32を備える。このとき、転写材搬送ベルト31に有する吸引孔32の開孔密度(以下、開孔率と記述する)は、転写材14との密着性に関係する重要なファクターである。
図7の(a)に示す丸孔直列抜き90°配置での吸引孔32の開孔率は、吸引孔32の間隔Gを用いて、式A(式中の^はべき乗を表記)によって求められる。
丸孔直列抜き90°配置の開孔率=開孔係数×D1^2/G^2 ・・・(式A)
=78.5×0.5^2/9.48^2
=0.218[%]
転写材搬送ベルト31に有する吸引孔32の最適な開孔率は、転写材搬送ユニット30に備えられるエア吸引ファン309の性能にもよるが、0.2%以上の開孔率を確保しておくのが望ましい。
図6(b)は、本実施形態の変形例として転写材搬送ベルト31に有する吸引孔32の配列の一例を示した模式図である。図6(b)に示す吸引孔32の配列は、丸孔直列抜き90°配置の変形例であり、転写材搬送ベルト31のベルト搬送方向R2と直交するベルト幅W方向において、前述した0.2%以上の開孔率を有する領域と、それ以外の領域とが存在するように構成しても構わない。
本実施形態の場合、転写材搬送ベルト31は、転写材14の端部カールの密着性を確保するために、転写材14の最大転写画像領域26の端部Eを基準に、0.2%以上の開孔率を有する吸引孔32の領域の幅w1を、少なくとも5mm以上で備える。
また、本実施形態において、異なるサイズの転写材14の最大転写画像領域26の端部Eに対応できるように、異なる径の吸引孔32を有し、0.2%以上の開孔率の領域を複数備えていても何ら問題ない。
図7の(b)は、本実施形態の変形例として転写材搬送ベルト31に有する吸引孔32に関する丸孔千鳥抜き45°配置を示した模式図である。
また、このほかの転写材搬送ベルト31に有する吸引孔32の配置の変形例として、丸孔千鳥抜き45°配置は、開孔係数が157となるため、前述の直列配置よりも開孔率を2倍に高密度化できる点でメリットがあり、吸引孔32の開孔率は、式B(式中の^はべき乗を表記)によって求められる。
丸孔千鳥抜き45°配置の開孔率=157×D1^2/G^2 ・・・(式B)
上記以外にも、丸孔千鳥抜き60°配置など、さまざまな吸引孔32の配置について考えられるが、本実施形態の効果を示すものであれば、吸引孔32の配置、および組み合わせに関しても、何ら限定しない。
本実施形態において、転写材搬送ベルト31は、ベルト厚みT=0.085mmのポリイミド樹脂フィルムを採用しているが、材質においては、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)など、他の樹脂フィルムであっても、何ら制約を受けない。
転写材搬送ベルト31は、転写材搬送ベルト31の内側に、エア吸引システムが配置されている。
エア吸引システムの詳細は、孔あき吸引プレート306と、孔あき吸引プレート306に密着するように固定され、耐熱樹脂で成形された吸引ボックス307が配置される。
本実施形態においては、吸引ボックス307に二つのチャンバーを備え、それぞれのチャンバーにはエアダクト308が連結され、その先にエア吸引ファン309が取り付けられている。そして、孔あき吸引プレート306の表面は、転写材搬送ベルト31の内周面側に摺動するように固定されている。
すなわち、エア吸引ファン309は空気を転写材搬送ベルト31の図3に示す図の上(+Z方向)側からエアを吸い込んで、図の奥(+X方向)側へエアフローを形成する。
そして、転写材14が転写材搬送ベルト31上に来た際に、転写材搬送ベルト31上面に転写材14の未定着画像の無い側(裏側)を吸着搬送する。
転写材搬送ユニット30は、画像形成部10により画像が形成された転写材14を転写材搬送ベルト31上に担持し、転写材14が電磁波照射装置11の下を通過するように、転写材14を搬送する。
以下、本実施形態における、転写材搬送ベルト31に有する吸引孔32に関する吸引孔32の直径D1、吸引孔32の間隔G、および張架ローラの直径d1の各パラメータの範囲について、具体的に説明する。
(吸引孔32の直径D1の範囲に関する説明)
本実施形態における、転写材14の未定着画像面を非接触で加熱する加熱源を有する定着装置において、加熱制御性と省電力の観点から、転写材搬送ベルト31の材料は蓄熱系のゴム材料ではなく、熱容量が小さい樹脂フィルムで構成するほうが好ましい。
また、転写材搬送ベルト31は、多数の吸引孔32部を有し、少なくとも1つの駆動ローラ35を有する複数の張架ローラ36、37、38によって張架され、駆動ローラ35を回転駆動することにより、転写材搬送ベルト31を移動させる。樹脂フィルムで転写材搬送ベルト31を構成するとき、樹脂材料はゴム材料と比較すると摩擦係数が低いため、転写材搬送ベルト31に小径の吸引孔を密に配置することで搬送ベルト31に対する転写材14の吸着力を高め、転写材搬送ベルト31と転写材14との密着性を良くする必要がある。
このとき、樹脂材料は、ゴム材料よりも小径の吸引孔32の加工性が良好であるため、転写材の密着性を確保することができる。ただし、吸引孔32の直径D1が大きくなってくると、転写材14が転写材搬送ベルト31で吸着搬送される際、転写材14の画像領域において、転写材搬送ベルト31の吸引孔32の上の画像部分と、それ以外の画像部分で、温度差が出てくるため、パンチパターンと呼ばれる定着画像の光沢(グロス)ムラの画像不良が顕著になってくる。
このため、本実施形態によれば、転写材搬送ベルト31の吸引孔32の直径D1を、3.0≧D1[mm]≧0.2の範囲で備え、転写材搬送ベルト31に任意の吸引孔32の直径D1で最適に配置する。このことにより、転写材14のサイズや坪量、および転写材14の端部カールの影響によらず、転写材搬送ベルト31と転写材14との密着性を最適とすることができるとともに、吸引孔径起因の温度差による、パンチパターンと呼ばれる定着画像の光沢(グロス)ムラの画像不良を抑制することができる。
(吸引孔32に生じる最大応力σmaxの簡易計算、および屈曲疲労限度判定に関する説明)
従来構成においては、転写材搬送ベルト31の吸引孔32を有する部分が、張架ローラによって屈曲されると、吸引孔32まわりに応力集中が生じ、小径の吸引孔32にするほど吸引孔32まわりに大きな応力集中が生じるため、転写材搬送ベルト31の屈曲疲労寿命が短くなる懸念があった。
このため、本実施形態において、転写材搬送ベルト31の物性と、吸引孔32の直径D1、および張架ローラ直径d1のパラメータから、吸引孔32に生じる最大応力σmaxを、次の簡易計算式で確認することができる。
本実施形態における、転写材搬送ベルト31の吸引孔32に生じる最大応力σmaxの計算例として、転写材搬送ベルト31は、ポリイミド樹脂フィルム(ヤング率E=5000MPa)、ベルト幅W=380mm、ベルト厚みT=0.085mm、およびベルトテンションB.T.=7.0kgf、吸引孔32の直径D1=0.5mm、張架ローラの直径d1=21.0mmで求めた。
ここで、吸引孔32のない転写材搬送ベルト31が、張架ローラによって屈曲されるとき、転写材搬送ベルト31の外周引張応力σ1は、式1によって求められる。
σ1=ヤング率×ひずみ
=E×(0.5×T/(d1/2+0.5×T)) ・・・(式1)
=5000×(0.5×0.085/(21.0/2+0.5×0.085))
=5000×0.00403
=20.156[MPa]
さらに、吸引孔32のない転写材搬送ベルト31が、張架ローラによってベルトテンションB.T.が付与されるとき、テンションによる転写材搬送ベルト31の応力σ2は、式2によって求められる。
σ2=B.T.×重力加速度/(W×T) ・・・(式2)
=7.0×9.80665/(380×0.085)
=2.125[MPa]
よって、吸引孔32のない転写材搬送ベルト31の曲げによる最大外周引張応力σ3は、式3によって求められる。
σ3=σ1+σ2 ・・・(式3)
=20.156+2.125
=22.281[MPa]
図4は、本実施形態における転写材搬送ベルト31の吸引孔32に生じる最大応力σmaxに換算するため、吸引孔32の直径D1をパラメータとし、応力集中係数を示した曲線である。
図4に示す応力集中係数は、転写材搬送ベルト31の吸引孔32の有無による最大屈曲応力の比率を、非線形構造解析ツールによって計算し、吸引孔32の直径D1に関する応答のデータテーブルとして作成したものである。
ここで、式3によって求めた孔のない転写材搬送ベルト31の曲げによる最大外周引張応力σ3を、転写材搬送ベルト31の吸引孔32に生じる最大応力σmaxに換算するには、図4に示す吸引孔32の直径D1に関する応力集中係数を乗じることにより、式4によって求められる。
σmax=σ3×応力集中係数 ・・・(式4)
=22.281×2.0(吸引孔の直径D1=0.5mmの場合)
=44.562[MPa]
図5は、本実施形態におけるポリイミド樹脂フィルムの応力−ひずみ測定曲線の一例である。
図5に示すように、ポリイミド樹脂フィルムの応力−ひずみを示した曲線において、0.2%耐力(除荷時の永久ひずみが0.2%になる応力)は、90MPaを示しており、この応力以下であれば、弾性変形領域内で材料を使用していることになる。
よって、転写材搬送ベルト31の吸引孔32に生じる最大応力σmaxによる屈曲疲労限度は、式5によって簡易的に判定できる。
σmax≦0.2%耐力 ・・・(式5)
本計算例として、式4で求められた転写材搬送ベルト31の吸引孔32に生じる最大応力σmax(=44.562MPa)では、式5の0.2%耐力(=90MPa)以下を満たすため、吸引孔32まわりで、疲労破壊は生じない判定となる。
また、0.2%耐力の代用として、図5に示すポリイミド樹脂フィルムの引張り破断強さ178MPaの1/2の応力値を用いて同様の屈曲疲労限度を簡易的に判定しても、何ら問題ない。
(吸引孔32の間隔Gの範囲に関する説明)
従来構成においては、転写材搬送ベルト31の吸引孔32を高密度に配置するほど、近接する吸引孔32どうしで応力干渉が生じやすくなり、転写材搬送ベルト31の吸引孔32部まわりにクラックが生じやすくなる懸念があった。
このため、図7の(a)、および図7の(b)に示す転写材搬送ベルト31のベルト搬送方向R2(図のY方向)に対し、搬送面に係わる直交方向(図のX方向)に沿って、吸引孔32の中心を基準とした、吸引孔32の間隔Gをパラメータとして、近接する吸引孔32どうしでの応力干渉の感度を、上述した吸引孔32の直径D1=0.5mmの計算例の条件において、非線形構造解析ツールによって確認した。
吸引孔32の間隔G=2.0mm以上にすると、近接する吸引孔32どうしでの応力干渉が生じなくなる結果が得られた。
よって、本実施形態によれば、図7(a)、および図7(b)に示す吸引孔32の間隔Gを、G[mm]≧4×D1[mm]の間隔となるように配置することで、近接する吸引孔32どうしでの応力干渉を抑制できることから、転写材搬送ベルト31の吸引孔32部まわりにクラックが生じやすくなる課題を解決することができる。
(張架ローラ35、36、37、38の直径d1の範囲に関する説明)
従来構成においては、装置の小型化に対しては、張架ローラ35、36、37、38を小径化することにより、張架ローラ35、36、37、38による転写材搬送ベルト31の屈曲率が大きくなり、転写材搬送ベルト31の吸引孔32部まわりの応力集中が急峻に大きくなってしまう懸念があった。
図9は、本実施形態における転写材搬送ベルト31の吸引孔32に生じる最大応力σmaxを、張架ローラの直径d1をパラメータとし、前述の簡易計算式により求めた最大応力σmaxの感度曲線である。
このときの計算条件として、転写材搬送ベルト31は、ポリイミド樹脂フィルム(ヤング率E=5000MPa)、ベルト幅W=380mm、ベルト厚みT=0.085mm、およびベルトテンションB.T.=7.0kgf、吸引孔32の直径D1=0.2mm(応力集中係数2.2)、0.5mm(応力集中係数2.0)、3.0mm(応力集中係数1.47)で求めた。
前述のとおり、0.2%耐力(=90MPa)以下の屈曲応力であれば、吸引孔32まわりで、疲労破壊が発生しない領域で材料を使用していることになる。
このため、本実施形態によれば、図9に示すように転写材搬送ベルト31の張架ローラ35、36、37、38の直径d1を、80≧d1[mm]≧8の範囲で備えることで、張架ローラ35、36、37、38の小径化において、張架ローラ35、36、37、38の直径d1の下限値を設定する。
このことにより、転写材搬送ベルト31の吸引孔32部まわりの屈曲応力が急峻に大きくなる領域を回避し、転写材搬送ベルト31の屈曲疲労寿命を短くしてしまう課題を解決することができる。
また、本実施形態のポリイミド樹脂フィルムの転写材搬送ベルト31に有する吸引孔32まわりで0.2%耐力(=90MPa)以下の屈曲応力であれば、吸引孔32の直径D1、吸引孔32の間隔G、および張架ローラ35、36、37、38の直径d1の各パラメータにおいて、規定した範囲内の数値を満たしていれば、転写材搬送ユニット30の最適系に合わせて、各パラメータの数値を可変し、自由に組み合わせても何ら問題ない。
(転写材搬送ベルト31の厚みTに関する説明)
転写材搬送ベルト31の厚みTはベルト剛性に寄与するため、一定のベルト剛性は必要なものの、過剰に転写材搬送ベルト31の厚みTを過剰に厚くすると、張架ローラ35、36、37、38で、転写材搬送ベルト31の曲げによる最大外周引張応力σ3が過大となり、屈曲応力が不適当となる。
このため、転写材搬送ベルト31の厚みTを、160≧T[um]≧40の範囲で備えることで、定着装置に必要な転写材搬送ベルト31の剛性と熱容量を両立することができる。
すなわち、本実施形態によれば、樹脂フィルムで構成された複数の吸引孔32を有する転写材搬送ベルト31の疲労破壊が生じないように、吸引孔32の直径D1、吸引孔32の間隔G、および張架ローラの直径d1の各パラメータの範囲を設定し、装置サイズによらず、長寿命を実現することができる。
ここで説明した転写材搬送ベルト31は、本実施形態における画像形成装置内の液体現像剤を定着する加熱装置に対して最適化したものであり、本発明を適用する定着装置に対してはこの限りではない。
(第二実施形態)
以下に、本発明の第二実施形態を説明する。第二実施形態は、第一実施形態の変形例として構成されており、第一実施形態と異なる部分は、吸引孔32に生じる最大応力σmaxの判定に関する判定基準のみである。また、その他の画像形成装置の構成は同構成であり、同じ部品に対しては第一実施形態と同じ符号を付与している。
図5に示すように、ポリイミド樹脂フィルムの応力−ひずみを示した曲線において、0.2%耐力(除荷時の永久ひずみが0.2%になる応力)は、90MPaを示しており、この応力以下であれば、弾性変形領域内で材料を使用していることになり、吸引孔32まわりで、疲労破壊は生じない
しかしながら、転写材搬送ベルト31の耐久寿命が、例えば、ある一定の交換時期で転写材搬送ベルト31の交換が可能であり、本体寿命まで転写材搬送ベルト31の耐久寿命をもたせる必要がない場合などにおいては、式6に示すポリイミド樹脂フィルムの0.2%耐力の1.5倍以下の応力値となるように判定基準を設け、別途、必要な転写材搬送ベルト31の屈曲寿命を判定してもよい。
本実施形態においては、転写材搬送ベルト31の吸引孔32に生じる最大応力σmaxは、式6を満たす必要がある。
σmax≦0.2%耐力×1.5 ・・・(式6)
図10は、本実施形態における転写材搬送ベルト31の吸引孔32に生じる最大応力σmaxに関する、ポリイミド樹脂フィルムの屈曲疲労曲線(S−N線図)の一例である。
本実施形態の一例として、式6で求められた転写材搬送ベルト31の吸引孔32に生じる最大応力σmaxが、式6の0.2%耐力の1.5倍の最大値である135MPaを生じていた場合において、式6の判定基準が満たされ、図10に示すように、転写材搬送ベルト31は、20×10^6(=20M)回の屈曲回数まで、疲労破壊を生じないことが読みとれる。
本実施形態において、式6と、図10に示す屈曲疲労曲線(S−N線図)とを併せて、転写材搬送ベルト31の交換期間に応じた、吸引孔32に生じる最大応力σmaxを判定することで、吸引孔32の直径D1、吸引孔32の間隔G、および張架ローラ35、36、37、38の直径d1の各パラメータを決定してもよい。
すなわち、実施形態によれば、樹脂フィルムで構成された複数の吸引孔32を有する転写材搬送ベルト31の屈曲疲労が生じる場合であっても、吸引孔32の直径D1、吸引孔32の間隔G、および張架ローラの直径d1の各パラメータの範囲を設定し、装置サイズによらず、転写材搬送ベルト31の交換期間に応じた転写材搬送ベルト31の屈曲寿命を判定することができる。
(第三実施形態)
以下に、本発明の第三実施形態を説明する。第三実施形態は、第一実施形態および第二実施形態の変形例として構成されており、第一実施形態および第二実施形態と異なる部分は、転写材搬送ベルト31に有する吸引孔32の形状に関する部分のみである。また、その他の画像形成装置の構成は同構成であり、同じ部品に対しては第一実施形態および第二実施形態と同じ符号を付与している。
図8は、本実施形態の変形例として転写材搬送ベルト31に有する吸引孔32の長孔形状の一例を示した模式図である。
図8に示すように、転写材搬送ベルト31に有する吸引孔32は、転写材搬送ベルト31の幅W方向(図のX方向)に短径D1、転写材搬送ベルト31の搬送方向R2(図のY方向)に長径D2の長孔を有する形状としてもよい。
本実施形態において、転写材搬送ベルト31に有する吸引孔32の形状を丸孔から長孔とすることで、吸引孔32まわりに生じる屈曲応力は、前述の吸引孔32のない転写材搬送ベルト31の曲げによる最大外周引張応力σ3に近づく。
すなわち、実施形態によれば、転写材搬送ベルト31の張架ローラ35、36、37、38の小径化において、転写材搬送ベルト31の吸引孔32まわりの応力が急峻に大きくなるリスクをさらに低減し、転写材搬送ベルト31の屈曲疲労寿命を短くしてしまう課題を解決することができる。
また、本実施形態の長孔形状は、長径D2に直線の稜線部を有さない、楕円形状としてもよく、同様の効果が得られる吸引孔32の形状であれば、なんら制限しない。
10 画像形成ユニット、11 電磁波照射装置、13 液体現像剤、
14 転写材、15 現像ユニット、16 露光ユニット、17 帯電ユニット、
18 クリーニングユニット、19 感光ドラム、20 転写ローラ、
21 キャリア液、22 トナー、23 トナー樹脂、24 顔料、
26 最大転写画像領域、30 転写材搬送ユニット、31 転写材搬送ベルト、
32 吸引孔、35 駆動ローラ、36 従動ローラ、37 従動ローラ、
38 従動ローラ、300 画像形成装置、306 孔あき吸引プレート、
307 吸引ボックス、308 エアダクト、309 エア吸引ファン、
310 転写材搬送ユニット筐体、E 最大転写画像領域の端部、
H 転写材搬送ベルトのユニット高さ、W 転写材搬送ベルトの幅、
w1 0.2%以上の開孔率を有する吸引孔の領域の幅、
T 転写材搬送ベルトの厚み、σmax 吸引孔に生じるの最大応力、
G 吸引孔の間隔、D1 吸引孔の直径(長孔の短径)、D2 長孔の長径、
d1 張架ローラの直径、R2 転写材搬送ベルトの搬送方向

Claims (6)

  1. 転写材(14)の未定着画像面を非接触に吸引平面搬送する転写材搬送ベルト(31)において、
    前記転写材搬送ベルトは、樹脂フィルムの無端ベルトで構成され、かつ、転写材を吸引する複数の吸引孔(32)を有し、
    前記吸引孔の直径D1を、3.0≧D1[mm]≧0.2の範囲で備え、
    前記転写材搬送ベルトの搬送方向(R2)に対し、搬送面に係わる直交方向(転写材搬送ベルトの幅W方向)に沿って、前記吸引孔の中心を基準とした、前記吸引孔の間隔Gを、G[mm]≧4×D1[mm]の間隔となるように配置され、
    前記転写材搬送ベルトは、少なくとも1つの駆動ローラ(35)を有する複数の張架ローラ(36、37、38)によって張架され、前記駆動ローラを回転駆動することにより前記転写材搬送ベルト表面を移動させ、前記記録材を吸引搬送し、
    前記張架ローラの直径d1を、80≧d1[mm]≧8の範囲で備え、
    前記転写材搬送ベルトの厚みTを、160≧T[um]≧40の範囲で備え、
    前記転写材搬送ベルトが、前記張架ローラで屈曲される際に、前記吸引孔まわりに生じる最大応力σmax[MPa]に対し、前記転写材搬送ベルトの0.2%耐力以下となるように前記張架ローラの直径d1を備えたことを特徴とする転写材搬送ベルト。
  2. 転写材(14)の未定着画像面を非接触に吸引平面搬送する転写材搬送ベルト(31)において、
    前記転写材搬送ベルトは、樹脂フィルムの無端ベルトで構成され、かつ、転写材を吸引する複数の吸引孔(32)を有し、
    前記吸引孔の直径D1を、3.0≧D1[mm]≧0.2の範囲で備え、
    前記転写材搬送ベルトの搬送方向(R2)に対し、搬送面に係わる直交方向(転写材搬送ベルトの幅W方向)に沿って、前記吸引孔の中心を基準とした、前記吸引孔の間隔Gを、G[mm]≧4×D1[mm]の間隔となるように配置され、
    前記転写材搬送ベルトは、少なくとも1つの駆動ローラ(35)を有する複数の張架ローラ(36、37、38)によって張架され、前記駆動ローラを回転駆動することにより前記転写材搬送ベルト表面を移動させ、前記記録材を吸引搬送し、
    前記張架ローラの直径d1を、80≧d1[mm]≧8の範囲で備え、
    前記転写材搬送ベルトの厚みTを、160≧T[um]≧40の範囲で備え、
    前記転写材搬送ベルトが、前記張架ローラで屈曲される際に、前記吸引孔まわりに生じる最大応力σmax[MPa]に対し、前記転写材搬送ベルトの0.2%耐力の1.5倍以下となるように前記張架ローラの直径d1を備えたことを特徴とする転写材搬送ベルト。
  3. 前記転写材搬送ベルトの前記吸引孔は、前記転写材搬送ベルトの幅W方向に短径D1、前記転写材搬送ベルトの搬送方向に長径D2の長孔を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の転写材搬送ベルト。
  4. 前記転写材搬送ベルトの前記吸引孔は、前記転写材搬送ベルトの搬送方向に対し、搬送面に係わる直交方向(転写材搬送ベルトの幅W方向)に沿って、転写材の最大転写画像領域(26)の端部(E)を基準に、0.2%以上の開孔率を有する吸引孔32の領域の幅(w1)は、少なくとも5mm以上で備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の転写材搬送ベルト。
  5. 前記転写材搬送ベルトの搬送方向に対し、ベルト厚みに係わる直角方向(ユニット高さ方向)に沿って、前記転写材搬送ベルトのユニット高さHを、120≧H[mm]≧20の範囲で備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の転写材搬送ベルト。
  6. 前記転写材の未定着画像面を加熱する、電子写真画像形成装置に備えられたことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の記録材搬送ベルト。
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