以下、本発明に係る再帰反射シートを実施するための形態が添付図面とともに例示される。以下に例示する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、以下の実施形態から変更、改良することができる。なお、以下に参照する図面では、理解を容易にするために、各部材の寸法を変えて示す場合がある。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る再帰反射シート10の厚さ方向の断面の一部を概略的に示す図である。図1に示すように、本実施形態の再帰反射シート10は、いわゆるカプセル型の再帰反射シートとされ、表面保護層1と、再帰反射層2と、結合層5と、背面層6と、粘着剤層7と、剥離層8と、を主な構成として備える。具体的には、再帰反射シート10は、厚さ方向の上側から下側に向かって表面保護層1、再帰反射層2、結合層5、背面層6、粘着剤層7、及び剥離層8が積層された積層構造とされる。
この再帰反射シート10は、表面保護層1側から正面視した場合に、後述する背面層6に施された色彩パターンに応じて、領域ごとに異なった色で視認される。すなわち、再帰反射シート10は、正面視した際に互いに視認される色の異なる第1領域10A、第2領域10B、及び第3領域10Cを含んでいる。
表面保護層1は、光透過性の層とされ、再帰反射層2のうち再帰反射シート10の使用時に観察者側となる面F1を保護する層である。また、表面保護層1は、再帰反射シート10の使用時において再帰反射シート10の最も外側となる層である。再帰反射シート10に優れた再帰反射性を備えさせる観点から、表面保護層1は透明な樹脂層とされてもよい。また、表面保護層1の全光線透過率は例えば80%以上とされることが好ましい。
このような表面保護層1を構成する材料として、例えば、アクリル系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種類が単独で用いられてもよく、複数種類が混合して用いられてもよい。表面保護層1に耐候性や加工性を備えさせる観点からは、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂が好ましい。さらに塗工適性や着色する際の着色剤の分散性等を考慮するとアクリル系樹脂が好ましい。なお、表面保護層1には、透明性を著しく損なわない範囲で、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、可塑剤、架橋剤、酸化防止剤、防カビ剤、着色剤等の様々な添加剤を適宜添加することができる。
再帰反射層2は、板状の保持体部3と、複数の再帰反射素子4とを有する。保持体部3の一方の面F1は表面保護層1で覆われ、保持体部3の他方の面F2には複数の再帰反射素子4が設けられている。本実施形態の再帰反射層2では、保持体部3と複数の再帰反射素子4とが一体に形成され、再帰反射層2は1層の光透過性の樹脂層とされる。
複数の再帰反射素子4は、入射した光を再帰反射させるのに適した反射面を有している限り特に限定されるものではない。例えば、三角錐などの多面体状や所謂キューブコーナー形状の再帰反射素子4が最密充填状に配置される場合、再帰反射性が優れるので好ましい。
再帰反射シート10に優れた再帰反射性を備えさせる観点から、再帰反射層2は、例えば透明な樹脂層とされてもよい。再帰反射層2を構成する材料として、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アイオノマー系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種類が単独で用いられてもよく、複数種類が混合して用いられてもよい。また、再帰反射層2の透明性や耐候性等を高める観点からは、再帰反射層2は、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等からなることが好ましい。なお、再帰反射層2には、透明性を著しく損なわない範囲で、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、可塑剤、架橋剤、酸化防止剤、防カビ剤、着色剤等の様々な添加剤を適宜添加することができる。
結合層5は、複数の再帰反射素子4の一部と背面層6の一部とを結合する層であり、光透過性を有している。本実施形態の結合層5は、厚さ方向の断面において概ね複数の柱状に視認される。なお、結合層5の形状はこれに限られるものではない。このような結合層5は、再帰反射素子4に接着される上端部の幅と、背面層6に接着される下端部の幅とが概ね同様の長さになる傾向がある。なお、本明細書において「幅」とは、厚さ方向の断面において再帰反射シート10の主面方向に沿った長さをいう。ここで、背面層6に接着される結合層5の下端部を接着部と呼ぶと、本実施形態の結合層5は、幅が互いに異なる3種類の接着部5A〜5Cを含んでいる。接着部5Aの幅をL1、接着部5Bの幅をL2、及び接着部5Cの幅をL3とすると、本実施形態では、幅L1〜L3の大きさの関係がL2>L1>L3とされる。このような結合層5は、厚さ方向の上側の端部において再帰反射層2の一部に接着され、厚さ方向の下側の端部において背面層6の一部に接着される。また、本実施形態の再帰反射シート10は、接着部5Aが上記第1領域10Aに、接着部5Bが上記第2領域10Bに、接着部5Cが上記第3領域10Cに、それぞれ位置するように構成される。
図1に示すように、再帰反射層2と背面層6との間にこのような結合層5が介在することによって、複数の再帰反射素子4の一部と背面層6の一部とが結合層5を介して結合されるとともに、複数の再帰反射素子4の他の一部と背面層6の他の一部との間に空隙9が形成される。
再帰反射条件では、このように複数の再帰反射素子4の他の一部が空隙9と接することによって、再帰反射シート10に入射した光は、複数の再帰反射素子4の当該他の一部において再帰反射する。一方、複数の再帰反射素子4のうち光透過性の結合層5が結合される部分では、上記光は再帰反射されにくく、結合層5を透過して下方の背面層6に達し得る。こうして、再帰反射条件では、結合層5を透過して下方の背面層6に達した光によって、背面層6に施された後述する色彩パターンが所定の色合いで視認され得る。
本実施形態において、結合層5の色は透明とされ、結合層5は樹脂から形成される。結合層5を構成する樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アイオノマー系樹脂、エポキシ系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種類が単独で用いられてもよく、複数種類が混合して用いられてもよい。また、結合層5の透明性や耐候性等を高める観点から、結合層5は、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等からなることが好ましい。
背面層6は、再帰反射層2の再帰反射素子4側の面に対向して設けられる層であり、背面本体層61と第1印刷層62とから構成される2層構造とされる。
背面本体層61は、粘着剤層7の上面に設けられる樹脂層である。背面本体層61を構成する材料に含まれる樹脂として、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アイオノマー系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種類が単独で用いられてもよく、複数種類が混合して用いられてもよい。また、背面本体層61の透明性及び耐候性等を高める観点からは、背面層6は、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等からなることが好ましい。
背面本体層61を構成する材料は着色剤を含んでもよいし、着色剤を含まなくてもよい。着色剤を含まない場合、背面本体層61の色は概ね透明とされる。本実施形態では、背面本体層61は複数の着色剤を含んでおり、背面本体層61の所定の領域ごとに異なる着色剤が含まれる。こうして、背面本体層61に、所定の色彩パターンが形成される。なお、これら着色剤として、例えば、無機顔料、有機顔料、有機染料、パール顔料等を用いることができる。
上記無機顔料の例として、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、カーボンブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、群青、コバルトブルー、弁柄、酸化クロム、鉄黒、カドミウムイエロー、チタンイエロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、黄鉛、黄色酸化鉄、クロムオレンジ、カドミウムオレンジ、金粉、銀粉、銅粉、アルミニウム粉、ブロンズ粉等を挙げることができる。また、上記有機顔料及び有機染料の例として、アントラキノン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、イソインドリノン系、ジオキサジン系、キノフタロン系、キノイミン系、ペリレン系、ペリノン系、アゾ系、キノリン系、メチン系、インジゴ系、ナフトールイミド系などの有機化合物を挙げることができる。また、上記パール顔料の例として、酸化チタン被覆雲母、酸化塩化ビスマス、魚鱗粉、塩基性炭酸鉛等を挙げることができる。
また、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、可塑剤、架橋剤、酸化防止剤、防カビ剤等の様々な添加剤を背面本体層61に適宜添加することができる。
第1印刷層62は、背面本体層61の再帰反射素子4側の面に設けられる樹脂層であり、背面本体層61の全面を覆っている。第1印刷層62を構成する材料に含まれる樹脂として、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アイオノマー系樹脂、エポキシ系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種類が単独で用いられてもよく、複数種類が混合して用いられてもよい。また、第1印刷層62の透明性及び耐候性等を高める観点からは、第1印刷層62は、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等からなることが好ましい。
本実施形態において、第1印刷層62を構成する材料は数種類の着色剤を含んでおり、第1印刷層62の所定の領域ごとに異なる着色剤が含まれる。こうして、第1印刷層62に、所定の色彩パターンが形成される。具体的には、第1印刷層62を構成する材料に含まれる着色剤として、例えば、無機顔料、有機顔料、有機染料、パール顔料等を用いることができる。
上記無機顔料の例として、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、カーボンブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、群青、コバルトブルー、弁柄、酸化クロム、鉄黒、カドミウムイエロー、チタンイエロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、黄鉛、黄色酸化鉄、クロムオレンジ、カドミウムオレンジ、金粉、銀粉、銅粉、アルミニウム粉、ブロンズ粉等を挙げることができる。また、上記有機顔料及び有機染料の例として、アントラキノン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、イソインドリノン系、ジオキサジン系、キノフタロン系、キノイミン系、ペリレン系、ペリノン系、アゾ系、キノリン系、メチン系、インジゴ系、ナフトールイミド系などの有機化合物を挙げることができる。また、上記パール顔料の例として、酸化チタン被覆雲母、酸化塩化ビスマス、魚鱗粉、塩基性炭酸鉛等を挙げることができる。
また、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、可塑剤、架橋剤、酸化防止剤、防カビ剤等の様々な添加剤を第1印刷層62に適宜添加することができる。
また、このような第1印刷層62は、通常、グラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、及びインクジェット印刷などの手段によって形成することができる。
第1印刷層62は、上記第1領域10Aにおいて所定の色に着色され、本実施形態では例えば緑色に着色される。また、第1印刷層62は、上記第2領域10Bにおいて第1領域10Aとは異なる色に着色され、本実施形態では例えば青色に着色される。また、第1印刷層62は、上記第3領域10Cにおいて第1領域10A及び第2領域10Bとは異なる色に着色され、本実施形態では例えば赤色に着色される。このように、第1印刷層62は、第1領域10A側から第3領域10C側に向かって緑色、青色、及び赤色に配色された色彩パターンを含んでいる。
こうして、再帰反射シート10の第1領域10Aでは、緑色に着色された第1印刷層62に幅L1の接着部5Aが接着され、第2領域10Bでは、青色に着色された第1印刷層62に幅L2の接着部5Bが接着され、第3領域10Cでは、赤色に着色された第1印刷層62に幅L3の接着部5Cが接着される。このように、本実施形態の再帰反射シート10では、結合層5のうち背面層6に接着する接着部5A〜5Cの幅が、背面層6のうち接着部5A〜5Cが接着する部分における色に応じて相違する。
ところで、図1に示すように、再帰反射層2のうち結合層5が接着されない部分は、再帰反射素子4が空隙9を介して背面層6と対向する部分である。したがって、第1領域10Aでは、接着部5Aが接着されない部分が空隙9を介して再帰反射素子4に対向する素子対向領域10Afとなる。同様に、第2領域10Bでは接着部5Bが接着されない部分が素子対向領域10Bfとなり、第3領域10Cでは接着部5Cが接着されない部分が素子対向領域10Cfとなる。
上述のように、接着部5A〜5Cの幅L1〜L3の大きさの関係は、L2>L1>L3である。このため、本実施形態では、第2領域10Bの素子対向領域10Bfが最も小さくなり得、第1領域10Aの素子対向領域10Afが素子対向領域10Bfよりも大きくなり得、第3領域10Cの素子対向領域10Cfが最も大きくなり得る。したがって、本実施形態の再帰反射シート10によれば、再帰反射条件において、第2領域10Bにおいて再帰反射される光が最も少なく、第3領域10Cにおいて再帰反射される光が最も多くなり得る。
粘着剤層7は、背面層6の再帰反射層2側とは反対側に設けられ、再帰反射シート10を使用する際に被着体に貼り付けられる層である。
粘着剤層7を構成する材料として、例えば、感圧接着剤、感熱型接着剤、架橋型接着剤などから適宜選択することができる。感圧接着剤として、例えば、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ノニルアクリレートなどのアクリル酸エステルをアクリル酸、酢酸ビニルなどと共重合して得られるポリアクリル酸エステル感圧接着剤、シリコーン系樹脂感圧接着剤、ゴム系感圧接着剤等が挙げられる。感熱型接着剤として、例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂等が挙げられる。粘着剤層7に優れた耐候性及び粘着性を備えさせる観点からは、アクリル系樹脂またはシリコーン系樹脂を用いることが好ましい。
剥離層8は、粘着剤層7の背面層6側とは反対側に設けられる層である。再帰反射シート10の使用前に剥離層8が粘着剤層7を覆うことによって、粘着剤層7にゴミ等が付着したり、粘着剤層7が意図しない場所に付着したりすることが抑制される。一方、再帰反射シート10が使用されるときには、剥離層8は粘着剤層7から剥離される。
このような剥離層8は、特に限定されないが、例えば、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、紙等で構成される。
以下、このような再帰反射シート10の作用効果について説明する。
上述のように、本実施形態の再帰反射シート10は、一方の面に複数の再帰反射素子4を有する再帰反射層2と、再帰反射層2の再帰反射素子4側の面に対向して設けられ、所定の色彩パターンを有する背面層6と、再帰反射層2の一部と背面層6の一部とに接着する光透過性の結合層5と、を備えており、結合層5のうち背面層6に接着する接着部5A〜5Cの幅が、背面層6のうち接着部5A〜5Cが接着する部分における色に応じて相違している。
このような本実施形態の再帰反射シート10によれば、昼間などの通常条件において背面層6に施された上記色彩パターンの色合いが変化なく視認され得る。すなわち、通常条件では、背面本体層61に施された色彩パターンと、第1領域10A側から第3領域10C側に向かって緑色、青色、及び赤色に配色された第1印刷層62の色彩パターンとの組み合わせからなる色彩パターンが視認され得る。しかし、上記色彩パターンは再帰反射層2の再帰反射素子4側の面に対向して設けられる背面層6に施されている。このため、再帰反射条件において再帰反射素子4側とは反対側である表面保護層1から光が入射した場合、当該光の多くが背面層6に達する前に再帰反射素子4によって再帰反射される。したがって、上記色彩パターンが通常条件とは異なった見え方になり得る。具体的には、再帰反射条件において、上記色彩パターンが白みがかった、又は黒みがかった色合いで視認される傾向が強くなる。
本実施形態の再帰反射シート10では、接着部5A〜5Cの幅が、背面層6のうち接着部5A〜5Cが接着する部分の色に応じて相違する。このような構成によれば、上述のように、幅の広い接着部が接着する領域では、再帰反射する光の量が相対的に少なくなり得、再帰反射の影響が相対的に小さくなり得る。その結果、背面層6のうち幅の広い接着部が接着する領域の再帰反射条件における見え方は、通常条件で視認される色合いと比較的近い色合いになり得る。例えば、最も幅の広い接着部5Bが接着する領域である第2領域10Bの再帰反射条件における見え方は、背面本体層61の第2領域10Bにおける色と第1印刷層62の第2領域10Bにおける青色とが合成された色合いに近くなり得る。
一方、幅の狭い接着部が接着する領域では、上述のように、再帰反射する光の量が相対的に多くなり得、再帰反射の影響が相対的に大きくなり得る。その結果、再帰反射層2のうち幅の狭い接着部が接着する領域の再帰反射条件における見え方は、白みがかった、又は黒みがかった色合いになり得る。例えば、最も幅の狭い接着部5Cが接着する領域である第3領域10Cの再帰反射条件における見え方は、白みがかった、又は黒みがかった色合いに近くなる。
このように、本実施形態では、再帰反射シート10の再帰反射条件における見え方は、幅の広い接着部が接着することによって通常条件に近い色合いで視認される部分と、幅の狭い接着部が接着することによって白みがかった、又は黒みがかった色合いで視認される部分とが混在する見え方となる。したがって、本実施形態の再帰反射シート10によれば、再帰反射条件において再帰反射シートに施された色彩パターンの見え方を多様にし得る。
また、本実施形態の再帰反射シート10によれば、上述のように、背面層6が背面本体層61と第1印刷層62との2層で形成される。したがって、本実施形態の再帰反射シート10によれば、背面本体層61に施された色彩パターンと、第1印刷層62に施された色彩パターンとを組み合わせて再帰反射シート10の色彩パターンを形成し得るため、背面層6が1層のみからなる場合に比べて、再帰反射シート10の色彩パターンを多様にすることができる。
なお、本実施形態において背面本体層61の色彩パターンは単色であってもよく、例えば、背面本体層61の全体を透明にしてもよい。この場合であっても、第1印刷層62によって背面層6に色彩パターンを形成することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素について、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明を省略する。
図2は、第2実施形態に係る再帰反射シート10を図1と同様の視点で示す図である。図2に示すように、本実施形態の再帰反射シート10は、第1実施形態に係る再帰反射シート10と概ね同じ構成を有するが、背面層6の第1印刷層62が背面本体層61の一部を覆う点において、第1印刷層62が背面本体層61の全面を覆う第1実施形態に係る再帰反射シート10と主に異なる。以下、この点について説明する。
本実施形態において、第1印刷層62は、背面本体層61の上面に部分的に印刷されている。この第1印刷層62の配色は特に限定されないが、本実施形態では、第1印刷層62は、再帰反射シート10の第1領域10Aにおいて例えば緑色に着色され、第2領域10Bにおいて例えば青色に着色され、第3領域10Cにおいて例えば赤色に着色される。すなわち、第1印刷層62は、第1実施形態と同様に、第1領域10Aから第3領域10Cに向かって緑色、青色、及び赤色に配色された色彩パターンを有している。
本実施形態の再帰反射シート10は、第1実施形態の再帰反射シート10と同様に、3種類の接着部5A〜5Cを有している。すなわち、本実施形態の再帰反射シート10は、第1領域10Aに位置する接着部5Aと、第2領域10Bに位置する接着部5Bと、背面本体層61の第3領域10Cに位置する接着部5Cとを有している。これらの接着部5A〜5Cの幅L1〜L3の大きさの関係は、第1実施形態と同様に、L2>L1>L3とされる。このように、本実施形態の再帰反射シート10では、第1実施形態と同様に、結合層5のうち背面層6に接着する接着部5A〜5Cの幅が、背面層6のうち接着部5A〜5Cが接着する部分における色に応じて相違する。
接着部5Aは、第1領域10Aにおける背面本体層61と、緑色に着色された第1印刷層62との両方に接着している。また、接着部5Aは、背面本体層61に接着する面積よりも第1印刷層62に接着する面積の方が大きくなるように形成されている。
接着部5Bは、第2領域10Bにおける背面本体層61と、青色に着色された第1印刷層62との両方に接着している。また、接着部5Bは、第1印刷層62に接着する面積よりも背面本体層61に接着する面積の方が大きくなるように形成されている。
接着部5Cは、第3領域10Cにおける背面本体層61と、赤色に着色された第1印刷層62との両方に接着している。また、接着部5Cは、背面本体層61に接着する面積よりも第1印刷層62に接着する面積の方が大きくなるように形成されている。
以上のような本実施形態に係る再帰反射シート10によれば、以下のような作用効果が得られ得る。
上述のように、本実施形態の再帰反射シート10では、第1実施形態と同様に、接着部5A〜5Cの幅が、背面層6のうち接着部5A〜5Cが接着する部分における色に応じて相違している。具体的には、上述のように、接着部5A〜5Cの幅L1〜L3は、接着する部分における色に応じて、L2>L1>L3とされる。したがって、再帰反射条件において再帰反射シートに施された色彩パターンの見え方を多様にし得る。
また、上述のように、本実施形態の再帰反射シート10では、背面層6が背面本体層61と第1印刷層62との2層構造とされる。したがって、第1実施形態と同様に、背面層6が1層のみからなる場合に比べて、再帰反射シートの色彩パターンを多様にすることができる。
また、上述のように、本実施形態の再帰反射シート10によれば、接着部5A〜5Cは、背面本体層61及び第1印刷層62の両方に接着しており、接着部5A〜5Cのうち接着部5A,5Cは、背面本体層61に接着する面積よりも第1印刷層62に接着する面積の方が大きくなるように構成されている。このため、接着部5A,5Cを透過する光は、背面本体層61よりも第1印刷層62に多く到達し得る。したがって、接着部5A,5Cが接着する領域の再帰反射条件における見え方は、第1印刷層62の色がより強く反映された見え方になり得る。一方、接着部5Bは、第1印刷層62に接着する面積よりも背面本体層61に接着する面積の方が大きくなるように構成されている。このため、接着部5Bを透過する光は、第1印刷層62よりも背面本体層61に多く到達し得る。したがって、接着部5Bが接着する領域の再帰反射条件における見え方は、背面本体層61の色がより強く反映された見え方になり得る。このように、本実施形態の再帰反射シート10によれば、接着部5A〜5Cが背面本体層61及び第1印刷層62の両方に接着しているため、上記のように、背面本体層61に接着する面積と第1印刷層62に接着する面積との比率を、接着部が接着する背面層6の色に応じて変化させることで、再帰反射条件において再帰反射シートに施された色彩パターンの見え方をより多様にし得る。
なお、接着部の少なくとも一部が背面本体層61及び第1印刷層62の両方に接着していれば、当該接着部が背面本体層61に接着する面積と第1印刷層62に接着する面積との比率を変えて色彩パターンの見え方を効果的に多様にし得、接着部のすべてが背面本体層61及び第1印刷層62の両方に接着していれば、色彩パターンの見え方をさらに効果的に多様にし得る。
また、第1実施形態と同様に、本実施形態において背面本体層61の色彩パターンは単色であってもよく、例えば、背面本体層61の全体を透明にしてもよい。この場合であっても、第1印刷層62によって背面層6に色彩パターンを形成することができる。
また、本実施形態の再帰反射シート10は、結合層5と第1印刷層62との接着強度が、結合層5と背面本体層61との接着強度よりも低くなるように構成されてもよい。この場合、背面層6から結合層5を剥がそうとした際、第1印刷層62と結合層5との接着強度が背面本体層61と結合層5との接着強度よりも弱いため、結合層5が背面層6と接着する部分のうち、第1印刷層62に接着している部分が背面層6から優先的に剥がれ得る。したがって、背面層6に施された色彩パターンに由来する図柄や文字等の改ざんを防止し得る。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素について、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明を省略する。
図3は、第3実施形態に係る再帰反射シート10を図1と同様の視点で示す図である。図3に示すように、本実施形態の再帰反射シート10は、第1実施形態に係る再帰反射シート10と概ね同じ構成を有するが、第1印刷層62を備えない点において、第1印刷層62を備える第1実施形態に係る再帰反射シート10と主に異なる。以下、この点について説明する。
本実施形態において、背面層6は1層構造とされ、粘着剤層7の上面に設けられる樹脂層とされる。背面層6を構成する材料に含まれる樹脂として、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アイオノマー系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種類が単独で用いられてもよく、複数種類が混合して用いられてもよい。また、背面層6の透明性及び耐候性等を高める観点からは、背面層6は、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等からなることが好ましい。
本実施形態では、背面層6を構成する材料は数種類の着色剤を含んでおり、背面層6の所定の領域ごとに異なる着色剤が含まれる。こうして、背面層6に、所定の色彩パターンが形成される。具体的には、背面層6を構成する材料に含まれる着色剤として、例えば、無機顔料、有機顔料、有機染料、パール顔料等を用いることができる。
上記無機顔料の例として、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、カーボンブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、群青、コバルトブルー、弁柄、酸化クロム、鉄黒、カドミウムイエロー、チタンイエロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、黄鉛、黄色酸化鉄、クロムオレンジ、カドミウムオレンジ、金粉、銀粉、銅粉、アルミニウム粉、ブロンズ粉等を挙げることができる。また、上記有機顔料及び有機染料の例として、アントラキノン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、イソインドリノン系、ジオキサジン系、キノフタロン系、キノイミン系、ペリレン系、ペリノン系、アゾ系、キノリン系、メチン系、インジゴ系、ナフトールイミド系などの有機化合物を挙げることができる。また、上記パール顔料の例として、酸化チタン被覆雲母、酸化塩化ビスマス、魚鱗粉、塩基性炭酸鉛等を挙げることができる。
また、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、可塑剤、架橋剤、酸化防止剤、防カビ剤等の様々な添加剤を背面層6に適宜添加することができる。
背面層6は、上記第1領域10Aにおいて所定の色に着色され、本実施形態では例えば緑色に着色される。また、背面層6は、上記第2領域10Bにおいて第1領域10Aとは異なる色に着色され、本実施形態では例えば青色に着色される。また、背面層6は、上記第3領域10Cにおいて第1領域10A及び第2領域10Bとは異なる色に着色され、本実施形態では例えば赤色に着色される。このように、第1印刷層62は、第1領域10A側から第3領域10C側に向かって緑色、青色、及び赤色に配色された色彩パターンを含んでいる。
本実施形態の再帰反射シート10は、第1実施形態の再帰反射シート10と同様に、3種類の接着部5A〜5Cを有している。すなわち、本実施形態の再帰反射シート10は、第1領域10Aに位置する接着部5Aと、第2領域10Bに位置する接着部5Bと、第3領域10Cに位置する接着部5Cとを有している。これらの接着部5A〜5Cの幅L1〜L3の大きさの関係は、第1実施形態と同様に、L2>L1>L3とされる。
このように、本実施形態の再帰反射シート10では、第1実施形態と同様に、結合層5のうち背面層6に接着する接着部5A〜5Cの幅が、背面層6のうち接着部5A〜5Cが接着する部分における色に応じて相違する。したがって、再帰反射条件において再帰反射シートに施された色彩パターンの見え方を多様にし得る。
また、本実施形態の再帰反射シート10では、背面層6が1層とされるため、背面層6を多層とする場合に比べて、製造コストを安価にすることができるとともに、製造速度を速めることができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素について、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明を省略する。
図4は、第4実施形態に係る再帰反射シート10を図3と同様の視点で示す図である。図4に示すように、本実施形態の再帰反射シート10は、概ね第3実施形態に係る再帰反射シート10と同様の構成を有するが、再帰反射層2の面F1上に第2印刷層20が設けられている点において、このような第2印刷層20が設けられない第3実施形態に係る再帰反射シート10と主に異なる。以下、この点について説明する。
第2印刷層20は、再帰反射層2と、当該再帰反射層2の再帰反射素子4側と反対側に設けられる表面保護層1との間に設けられており、具体的には、上述のように再帰反射層2の面F1上に設けられている。この第2印刷層20は、光透過性の樹脂からなる層とされる。
第2印刷層20を構成する材料に含まれる樹脂として、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アイオノマー系樹脂、エポキシ系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種類が単独で用いられてもよく、複数種類が混合して用いられてもよい。また、第2印刷層20の透明性及び耐候性等を高める観点からは、第2印刷層20は、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等からなることが好ましい。
本実施形態では、第2印刷層20を構成する材料は数種類の着色剤を含んでおり、第2印刷層20の所定の領域ごとに異なる着色剤が含まれる。こうして、第2印刷層20に、所定の色彩パターンが形成される。具体的には、第2印刷層20を構成する材料に含まれる着色剤として、例えば、無機顔料、有機顔料、有機染料、パール顔料等を用いることができる。
上記無機顔料の例として、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、カーボンブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、群青、コバルトブルー、弁柄、酸化クロム、鉄黒、カドミウムイエロー、チタンイエロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、黄鉛、黄色酸化鉄、クロムオレンジ、カドミウムオレンジ、金粉、銀粉、銅粉、アルミニウム粉、ブロンズ粉等を挙げることができる。また、上記有機顔料及び有機染料の例として、アントラキノン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、イソインドリノン系、ジオキサジン系、キノフタロン系、キノイミン系、ペリレン系、ペリノン系、アゾ系、キノリン系、メチン系、インジゴ系、ナフトールイミド系などの有機化合物を挙げることができる。また、上記パール顔料の例として、酸化チタン被覆雲母、酸化塩化ビスマス、魚鱗粉、塩基性炭酸鉛等を挙げることができる。
また、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、可塑剤、架橋剤、酸化防止剤、防カビ剤等の様々な添加剤を第2印刷層20に適宜添加することができる。
また、このような第2印刷層20は、通常、グラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、及びインクジェット印刷などの手段によって形成することができる。
このような構成によれば、背面層6に施された色彩パターンと第2印刷層20に施された色彩パターンとから再帰反射シート10の色彩パターンを形成し得るため、第2印刷層20を設けない場合に比べて、再帰反射条件において再帰反射シート10に施された色彩パターンの見え方をより多様にし得る。また、第1及び第2実施形態のように第1印刷層62をさらに設けることで、再帰反射条件において再帰反射シート10に施された色彩パターンの見え方をより多様にし得る。
以上、本発明について好適な実施形態を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、背面層6が赤外線吸収性を有してもよい。また、背面層6が背面本体層61及び第1印刷層62の2層構造とされる場合、背面本体層61及び第1印刷層62の少なくとも一方が赤外線吸収性を有してもよい。このような構成により、赤外線カメラ等で認識される再帰反射シート10の色彩パターンを、赤外線吸収性を有しない他の再帰反射シートの色彩パターンと異ならせ得、偽造し難い再帰反射シートを実現し得る。
また、背面層6が赤外線反射性を有してもよい。また、背面層6が背面本体層61及び第1印刷層62の2層構造とされる場合、背面本体層61及び第1印刷層62の少なくとも一方が赤外線反射性を有してもよい。このような構成により、赤外線カメラ等で認識される再帰反射シート10の色彩パターンを、赤外線反射性を有しない他の再帰反射シートの色彩パターンと異ならせ得、偽造し難い再帰反射シートを実現し得る。
また、再帰反射層2が赤外線吸収性を有してもよい。この場合、赤外線が再帰反射シート10で再帰反射することを抑制することができる。再帰反射シートをナンバープレート用途で用いる場合、自動ナンバープレート認識システム(ALPR)等で画像化すると、ハレーションにより視認性が低くなり得、ナンバープレートの文字を読み取れなくなることがある。再帰反射層2に赤外線吸収性を付与することで、赤外線でシートを見た場合に再帰反射シートの色彩パターンが暗く見え、ハレーションが抑制され得る。その結果、ALPRシステム等による読み取り性、検出性を向上させ得る。
また、再帰反射層2が赤外線反射性を有してもよい。この場合、再帰反射シート10における赤外線の再帰反射性を向上させ得る。再帰反射層に赤外線反射性を付与することで、再帰反射シートを例えば対象物検出システム等に用いる場合において、赤外線カメラ等による検出性を大幅に向上させ得る。また、赤外線視認装置等によってのみ検知される人の目に視認され難い標識を実現し得る。
また、結合層5の少なくとも一部に透明以外の色が施されてもよい。この場合、背面層6に施された色彩パターンと結合層5に施された色彩パターンとから再帰反射シート10の色彩パターンを形成し得るため、結合層5の全体が透明である場合に比べて、再帰反射条件において再帰反射シート10に施された色彩パターンの見え方をより多様にし得る。
また、上述の実施形態で記載した背面層6の色彩パターンは例示的なものであり、背面層6の色彩パターンは適宜変更することができる。すなわち、背面層6の配色パターンを第1〜第4実施形態の配色パターンから変更してもよい。例えば、第1領域10A側から第3領域10C側に向かって黄色、透明、及び紫色に配色された色彩パターンを形成してもよいし、より多数の色を用いて色彩パターンを形成してもよい。
また、上述の実施形態では、接着部5A〜5Cの幅の大きさの関係がL2>L1>L3である例を説明した。しかし、接着部5A〜5Cのそれぞれの幅が背面層6のうち接着部が接着する部分における色に応じて相違するのであれば、接着部5A〜5Cの幅の大きさの関係は適宜変更することができる。
また、上述の実施形態では、再帰反射シート10が互いに幅の異なる3種類の接着部5A〜5Cを含んでいる例を説明したが、接着部のそれぞれの幅が、背面層6のうち接着部が接着する部分における色に応じて相違するのであれば、幅の異なる接着部の種類は2であってもよく、4以上であってもよい。
また、背面層6が互いに色の異なる背面本体層61と第1印刷層62とを含む場合、再帰反射シート10の厚さ方向の所定の断面において、結合層5の一部における接着部が全幅にわたって背面本体層61に接着し、結合層5の他の一部における接着部が全幅にわたって第1印刷層62に接着してもよい。この場合、全幅にわたって背面本体層61に接着する接着部と、全幅にわたって第1印刷層62に接着する接着部とは、それぞれ、背面層6のうち異なる色に着色された部分に接着することになる。したがって、これらの接着部の幅を、背面本体層61の色と第1印刷層62の色とに応じて相違させることで、色彩パターンの見え方を多様にし得る。